説明

情報入力装置及びその入力方法

【課題】情報入力装置及びその入力方法を提供する。
【解決手段】情報入力装置10はケースと、回転可能なホイール33を有してケース11の内部に固定されホイール33の全面がケース11の外部に露出される回転式入力装置30であって、ホイール33の回転により情報を入力することができる回転式入力装置と、ケースの内部に固定されてケースの移動を認識する光モジュール80と、外部装置に連結され回転式入力装置により入力された情報及び光モジュールにより認識された情報を外部装置に伝達するワイヤ20とを含む。情報入力方法は、このような情報入力装置を用いてホイールの回転により便利に情報を入力できる。本発明による情報入力装置は嵩が小さいので携帯が便利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報入力装置及びその入力方法(INFORMATIONINPUTTING DEVICE AND INPUTTING METHOD THEREFORE)に関する。
【背景技術】
【0002】
マウス(mouse)のような情報入力装置は、個人用コンピュータ(Personal Computer)、ノートパソコンなどのような電子機器などにおいて情報を入力するハードウェアとして使用されている。特に、コンピュータの運営体系としてマイクロソフト(Micro soft)社のウィンドウ(Window)をOS(Operating System)に使用してから、キーボード以外の入力手段としてマウスが急速に普及された。
【0003】
図1は、従来の情報入力装置の一例であるマウス100の斜視図である。
【0004】
図1を参照すると、従来のマウスは、平坦な底面を有する本体フレーム110と、本体フレーム110の上側に形成されて手で把持できるように形成された把持部120と、把持部120の前方に具備されて指などで押すことができるように形成されたボタン130と、本体フレーム110の下側に形成されてマウス100の位置変化を認識するセンサ部(図示せず)と、マウス100を個人用コンピュータのような電子機器に連結するためのケーブル150とを含む。そして、ボタン130の間にはホイール160が形成されている。
【0005】
使用者はマウス100をマウスパッド上で2次元的に移動させてカーソルなどを所望する位置に移動した後、ボタン130をクリックして該当するアイコンなどを実行する。そして、コンピュータのディスプレイの画面を上下に移動するために、ホイール160を使用者に対して前方または後方に回転させる。
【0006】
しかし、従来の情報入力装置は使用者の把持を容易にするために形状が膨らんでいるのでその嵩が大きくなるという問題点がある。そして、入力手段の一つであるホイール160がパッドのような作業面に対して垂直に位置するので、情報入力装置の嵩を減らすことには限界がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、嵩が小さくて携帯及び使用が便利な情報入力装置及びその入力方法を提供する。
【0008】
本発明は、情報装置のワイヤが自動で巻かれるので、使用が便利な情報入力装置及びその入力方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態による情報入力装置は、ケースと、回転可能なホイールを有してケースの内部に固定され、ホイールの全面がケースの外部に露出される回転式入力装置であって、ホイールの回転により情報を入力することができる回転式入力装置と、ケースの内部に固定されてケースの移動を認識する光モジュールと、外部装置に連結され回転式入力装置により入力された情報及び光モジュールにより認識された情報を外部装置に伝達するワイヤとを含む。
【0010】
本発明による情報入力装置の実施例は、次のような特徴を一つまたはその以上有することができる。例えば、回転式入力装置はケースに対して実質的に平行に位置することができる。そして、ケースの側面には側面ボタンが具備されてもよい。
【0011】
回転式入力装置は、ホイールの下側に固定されてホイールと同時に回転する多極着磁のリング型マグネットと、マグネットの回転を検出する検出素子及び検出素子が装着される印刷回路基板と、印刷回路基板が固定されるベースと、ベースに固定されてホイールを回転できるように支持するホールダとを含むことができる。
【0012】
ホイールは下向き突出された複数の固定突起を具備し、印刷回路基板は固定突起により加圧されるサイドドームボタンを具備してもよく、ホイールの中央にはセンタキーが形成されていて、印刷回路基板にはセンタキーが押されることにより加圧されるセンタドームボタンを具備することができる。ホイール及びホイールと接するホールダの一側には屈曲部が形成されているし、他側には溝が形成されていて、溝には屈曲部にかかる弾性部材が位置することもできる。
【0013】
外部装置はディスプレイを具備し、ホイールの回転によりディスプレイの画面が上下に移動されることができるし、サイドドームボタンはケースの長さ方向に対して垂直に配置された少なくとも一対からなることができる。外部装置はディスプレイを具備して、サイドドームボタンが加圧される場合クリック機能が行われてもよい。
【0014】
外部装置はディスプレイを具備し、センタドームボタンが加圧される場合、ディスプレイにはホイールクリック機能が行われてもよい。ホイールは、360度回転可能にホールダに装着されることが好ましい。
【0015】
ケースの内部には弾性力によりワイヤを自動で巻く巻線装置が具備されてもよく、ケースは実質的に直六面体形状を有してもよい。
【0016】
本発明の一実施形態による情報入力方法は、ディスプレイを具備した外部機器に連結されて、外部に露出されるホイールを有する回転式入力装置を具備する情報入力装置の入力方法において、ディスプレイ上でポインタを所望する位置に移動する段階と、ホイールを加圧してクリック機能を行う段階と、を含み、ポインタを移動する段階は情報入力装置の移動及び/またはホイールの回転により行われる。
【0017】
ホイールの回転方向に応じてポインタは上向きまたは下向き移動することができ、ポインタの移動段階においてポインタはホイールのセンタボタンの加圧及び情報入力装置の移動により移動できる。
【0018】
ケースには挿入溝が形成されていて、ワイヤの一端部には挿入溝に対応する挿入突起が形成されているUSBコネクタが具備されており、USBコネクタは外部機器と連結できる。挿入突起の断面はT字形状を有し、挿入溝は情報入力装置の前面に形成できるし、ケースの内部には弾性力によりワイヤを自動で巻く巻線装置が具備されてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、嵩が小さくて携帯及び使用が簡便である情報入力装置及びその入力方法を提供することができる。
【0020】
本発明は、情報装置のワイヤが自動で巻かれるので、使用の便利な情報入力装置及びその入力方法を提供することができる。
【0021】
本発明は、ホイールが回転する際、クリック感が発生するので使用感の優れた情報入力装置及びその入力方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明による情報入力装置及びその入力方法の実施例を添付図面を参照して詳しく説明するが、添付図面を参照して説明することにおいて、同一であるか対応する構成要素は同一な図面番号を付与し、これに対する重複される説明は略する。
【0023】
図2は、本発明の一実施例による情報入力装置10の斜視図である。
【0024】
図2を参照すると、本発明の一実施例による情報入力装置10は実質的に直六面体形状を有し、上部ケース13及び下部ケース18で構成されるケース11を有する。ケース11を直六面体に形成すると、情報入力装置10を携帯する場合に、ノート型コンピュータなどの本体内部に挿入することが容易なので携帯が便利である。ケース11は厚みを薄く形成して携帯を便利にすることが好ましい。そして、ケース11の美観のために上部ケース13の上面などにはデコスピン(deco spin)加工などを行うことができる。ケース11の長さ及び幅は、使用者が把持するのに便利で携帯が簡便であるように形成される。ケース11の形状は直六面体に限らず、携帯が簡便で使用が便利であれば、どんな形状でもよい。
【0025】
上部ケース13の一部には回転式入力装置(図3の30)のホイール33が外部に露出されているが、使用者はケース11を把持した状態で人差し指などでホイール33を回すか、ホイール33の中央に形成されたセンタキー35を押して情報を入力する。上部ケース13と結合して内部空間を形成する下部ケース18には、図3に示したように、回転式入力装置30、光モジュール80及び巻線装置90が順次に結合されている。
【0026】
ケース11の側面には側面ボタン17が少なくとも一つ形成されていて、使用者は情報入力装置10を把持した状態で親指などを用いて側面ボタン17を押して情報を入力することができる。側面ボタン17は、オーディオ機能の実行の際にボリューム(volume)調節機能、ポインタがディスプレイ上の所望する位置にある場合、これを選択して実行する機能(クリック(click)機能)などをすることができるが、これに限定されない。
【0027】
ケース11の前方には、本発明の一実施例による情報入力装置10と外部機器(図示せず)とを連結するワイヤ20が具備されている。ワイヤ20は、図3に示すように、巻線装置90により自動で巻かれる。すなわち、ワイヤ20は使用者により解けて外部に延長され、携帯する際には手でちょっと引くと巻線装置90の内部に装着されたスパイラルスプリング(spiral spring)の弾性力により自動で巻かれる。ワイヤ20を介して情報入力装置10の内部に形成された回転式入力装置30及び光モジュール80より生成された信号が外部装置(図示せず)に伝達される。ワイヤ20の一端部には、外部機器と結合される端子21が具備される。
【0028】
図3は、上部ケース13を除去して、本発明の一実施例による情報入力装置10の内部構造を示す斜視図である。図3を参照すると、下部ケース18には回転式入力装置30、光モジュール80及び巻線装置90が順次に結合されている。説明の便宜のため、巻線装置90の内部の具体的な構成に対しては図示しなかった。
【0029】
光モジュール80は、情報入力装置10の移動を認識した後、これに対する情報をワイヤ20を介して外部機器に伝達する。光モジュール80は、図4に示すように、レンズ83を介してLEDのような光源を照射して底面から反射された光をセンサが認識してディスプレイ上でポインタを所望する位置に移動するようにする。光モジュール80としては嵩の小さいモジュールを用いて情報入力装置10の全体の嵩を減らすことが好ましい。光モジュール80の具体的な構成及び作動方法は一般的な技術に該当するので具体的な説明は略する。
【0030】
巻線装置90は、ケース11の内部に固定されてワイヤ20を巻く役目をする。巻線装置90には、上記で説明したようにスパイラルスプリング(図示せず)が支持突起93に固定されて回転ボビン95に回転力を提供する。ワイヤ20は、回転ボビン95に自動で巻かれる。すなわち、ワイヤ20をケース11の内部から引出す場合には使用者が手で引いて出すが、ワイヤ20を巻く場合にはちょっと引くと、スパイラルスプリングの弾性力により回転ボビン95が回転しながら自動で巻かれる。巻線装置90は情報入力装置10の厚みを減すためにケース11と実質的に水平になるように装着する。
【0031】
巻線装置90の具体的な構成に対しては、大韓民国公開特許公報2005−0004652号、または2004−0082918号など、多数に開示された公知の技術に該当するので略する。
【0032】
回転式入力装置30は、ケース11に実質的に平行に固定されて、ホイール33が上部ケース13の外部に露出される。使用者が回転式入力装置30のホイール33を回転させることで従来のマウスなどに垂直に装着されたホイールの機能をする。従来のマウスのホイールは、垂直に装着されてマウスの嵩が大きくなるが、本実施例による回転式入力装置30は実質的に水平に装着されているので嵩を減らすことができる。そして、本実施例によるホイール33を時計回り方向または反時計回り方向に回転することで、外部装置のディスプレイ画面を上下に移動することができる。
【0033】
図5は本発明の一実施例による回転式入力装置30の分解斜視図であり、図6は回転式入力装置が結合された状態を示す断面図である。
【0034】
図5及び図6を参照すると、本実施例による回転式入力装置30は回転できるように結合されたホイール33、ホイール33をホールダに固定するワッシャ59、ホイール33の中央に結合されるセンタキー35、ホイール33の下側に固定されてホイール33と共に回転するリング(ring)形状のマグネット41、ベース75の上面に結合されてホイール33を回転できるように支持するホールダ(holder)45、ベース75の上面に固定される印刷回路基板65及び印刷回路基板65に位置してマグネット41の回転を感知する検出素子であるホールセンサ(Hall sensor)69を含む。
【0035】
ホイール33は、全体的に円板形状を有し、中央にはセンタキー35が挿入され得る挿入ホール43が形成されている。そして、ホイール33は挿入ホール43に接して下向き突出された複数の固定突起39を有する。固定突起39がワッシャ59の回転ホール61に挿入されることにより、ホイール33がホールダ45に回転できるように固定される。 そして、ホイール33の下面には多極に着磁されたリング形状のマグネット41が固定される。ホイール33は使用者の操作によりマグネット41と共に回転することになり、これによりホールセンサ69がマグネット41の回転角度、方向、速度などを感知して多様な入力が行われる。そして、使用者により一部が加圧されてホールダ45の裏面に形成された固定突起39がサイドドームボタン67及びセンタドームボタン68を加圧することで情報を入力することができる。
【0036】
固定突起39は、図6に示すように、ホールダ45のセンタホール55及びワッシャ59の回転ホール61に挿入された後、その端部が処理されて回転ホール61から離脱されない。ワッシャ59はホールダ45の中央に挿入されて固定されるが、これによりホイール33がホールダ45に固定される。固定突起39が挿入されたワッシャ59の回転ホール61は、ワッシャ59の周り方向全体にかけて形成されているので、ホイール33が360度回転できる。
【0037】
マグネット41は、ホイール33の下面に付着されてホイール33と共に回転するが、このようなマグネット41の回転はホールセンサ69により感知されて、その回転角度に応ずる入力が行われる。マグネット41は、N極及びS極が交互的に着磁されたリング(ring)形状を有し、ホールセンサ69は、その上部に位置するN極及びS極の変化に応じてホイール33の回転角度、方向及び速度を検出することができる。
【0038】
ホールダ45は、ベース75の一面に固定されてホイール33を回転できるように支持する。ホールダ45は、ステンレススチール(stainless steel)などのような金属からなってもよく、これによりホイール33に加えられる特定の力が除去される場合にホールダ45の自体の弾性力によりホイール33を復調させる。ホールダ45は、プレス(press)加工などにより形成できる。ホールダ45は弾性力が大きいプラスチックなどにより形成されてもよい。
【0039】
ホールダ45は、リング形状の胴部50、胴部50の外周面から突出されてベース75の一面に固定される支持部47を具備する。胴部50の中にセンタホール55を有し、センタホール55の周りに沿って4方向に突出されて形成された支持部47は、一定した傾斜角度を有して下向きに突出される傾斜部49と傾斜部49の一端から水平に延長される固定部51とを含む。
【0040】
傾斜部49は、外向きに突出されて胴部50と固定部51とを連結する。傾斜部49は弾性力を有する金属などで形成されるので、ホールダ45に加えられる外力が除去された場合には傾斜部49の弾性力によりホールダ45が復調する。このような弾性力により、ホイール33の特定部位が加圧されてホイール33が傾く場合にも復調できる。固定部51は傾斜部49の一端部から延長されて、ベース75の上面に固定されることでホールダ45を固定する。固定部51は、ベース75に接着剤または両面テープなどで固定できる。
【0041】
本実施例による回転式入力装置は、ホールダ45がベース75の一面に接着剤などで直接固定されるので、外部の衝撃に対する耐久性が優れる。また、金属からなるホールダ45の弾性力によりホールダ45だけではなくホイール33の外力が除去された後にも容易に復調するので使用感が優れるという長所がある。
【0042】
支持部47には、支持部ホール53が形成される。支持部ホール53には、図6に示すように、感知手段であるホールセンサ69の一部が位置してもよい。そして、胴部50はセンタホール55に連なって形成された階段状のステップト エッジ(stepped edge)57を具備する。
【0043】
支持部47に形成された支持部ホール53は、印刷回路基板65の上に実装されたホールセンサ69に対応して形成されて、図6に示すようにホールセンサ69の一部を収容する。そして、センタホール55はホールダ45の中央に形成される。ステップト エッジ(stepped edge)57は、図6に示すように、センタホール55に連なって形成される。ステップト エッジ(stepped edge)57にはワッシャ59が挿着されて固定される。
【0044】
ワッシャ59は、図5に示されているように、全体的にドーナツ形状を有し、周りには回転ホール61が形成されている。ワッシャ59はステップト エッジ(stepped edge)57に挿着固定されてホイール33の離脱を防止する。センタキー35は、ホイール33の挿入ホール43に挿入されて弾性ゴム(図示せず)などにより支持される。
【0045】
印刷回路基板65はベース75に対応する円板形状を有し、一面には固定突起39に対応して一つのセンタドームボタン68及び複数のサイドドームボタン67が形成されている。印刷回路基板65の直径はベース75の直径に比して多少小さく形成されるが、これはホールダ45の固定部51が固定できる空間を確保するためである。
【0046】
センタドームボタン68はセンタキー35により加圧され、サイドドームボタン67は固定突起39により加圧されることで情報を入力することができる。サイドドームボタン67が加圧される場合には従来のマウスと同じくクリック(click)機能が行われ、センタドームボタン68が加圧される場合にはホイールクリック(wheel click)機能が行われることができる。本実施例では、ホイール33により加圧されるドームボタンを例示したが、本発明がこれに限られるものではない。ドームボタンの代わりに、例えば、圧力センサまたは接触センサを用いることもできる。
【0047】
収容ホール73は、ホールダ45の支持部ホール53に対応して印刷回路基板65に形成されて、収容ホール73には図6に示されているようにホールセンサ69の少なくとも一部が位置する。よって、ホールセンサ69が印刷回路基板65の上面に実装されるものに比べると本実施例では入力装置の厚みを少なくとも収容ホール73の厚みほど減らすことができる。
【0048】
検出素子は、磁気場内において電子がローレンツの力を受けて運動方向が曲がって起電力が発生する効果を用いたシリコーン半導体であるホールセンサ(Hall sensor)であってもよい。ホールセンサはホイール33に付着されたマグネット41の回転に比例する起電力を発生して、印刷回路基板65を介して外部の制御装置(図示せず)に伝達する。
【0049】
検出素子は、ホールセンサに限らず、マグネット41の回転を検出できれば、なんでも良い。例えば、検出素子はMR(Magneto Resistor)センサまたはGMR(Great Magneto Resistor)センサであってもよい。MRセンサまたはGMRセンサは磁界の変化に応じて抵抗値が変化する素子であって、固体中のキャリアの進路が電子力により曲がって長くなるので抵抗が変化する性質を用いる。MRセンサまたはGMRセンサは大きさが小さくて、信号のレベルが大きいだけではなく、敏感度が優れるので低磁界にて運用できるし、温度安定性(temperature stability)も高い。
【0050】
検出素子がホールセンサ69である場合、ホールセンサ69はリード71により印刷回路基板65に電気的に接続して固定され、リード71はベース75の挿入ホール77に挿入されて印刷回路基板65の裏面に固定される。
【0051】
ベース75は図5に示されているように円板形状を有し、ホールダ45及びホイール33を回転できるように支持する。ベース75の直径は印刷回路基板65に比して多少大きく形成される。そして、ベース75には印刷回路基板65の収容ホール73に対応する挿入ホール77が形成されている。挿入ホール77には、ホールセンサ69の一部が位置するが、これにより回転式入力装置の厚みが挿入ホール77の厚みほど追加的に減少できるようになる。
【0052】
そして、本実施例では回転式入力装置30がマグネット及びホールセンサのような検出素子を用いてホイールの回転を感知したが、回転式入力装置30はこれに限らず、映像処理(image processing)を用いる方法、可変抵抗または静電容量の変化を感知する方法など多様な方法を用いてホイールの回転を感知することができる。
【0053】
映像処理を用いる方法は、ホイール33の裏面に明暗を示すマーク(mark)を交互的に附着し発光ダイオード(LED)を用いてホイール33の裏面を照射する状態で、ホイール33の回転により発生するマークの回転をイメージセンサが感知することにより情報の入力が行われる方式である。
【0054】
可変抵抗を用いる方式は、外周面46に導電体と非導電体を交互的に配置し、ホイール33が導電体に接する際と非導電体に接する際に通じる電流の強さの変化量を認識して情報を入力する方法である。そして、静電容量による方式は、使用者の指または筆記具などがホイール33の上面に接触しながらホイール33に沿って回転する際にホイール33の裏面に備えられているキャパシタの静電容量の変化を感知することにより情報を入力する方式である。このように静電容量を用いる場合にはホイール33が回転しなくてよい。
【0055】
以下では、本実施例による回転式入力装置の作動に対して説明する。
【0056】
使用者によりセンタキー35の外側に回転力が加えられると、ホイール33はホールダ45の外周面46に挿入された状態で回転し、これによりマグネット41もホイール33と共に回転する。そして、マグネット41は交互的に着磁されたN極及びS極を多数有しているので、ホールセンサ69はマグネット41の回転による刺激の変化を感知して、ホイール33の回転方向、速度及び角度を認知することができる。ホールセンサ69により生成されたホイール33の回転方向及び回転角度、回転速度に該当する出力信号は、印刷回路基板65を介して外部の制御装置に送出され、制御装置は出力信号を認識してホイール33の回転に相応する入力を行う。
【0057】
そして、使用者によりホイール33の外側が加圧されると、これはホールダ45により弾性的に支持されている状態で一方向に傾いて固定突起39がサイドドームボタン67を加圧することになる。使用者によりセンタキー35が加圧されて別途の機能が行われることもできる。これにより印刷回路基板65の上に位置するセンタドームボタン68及びサイドドームボタン67は、それぞれの機能を行うことができる。
【0058】
以上で説明したように、本実施例による情報入力装置10は厚みの薄い回転式入力装置30を用いるので、全体の嵩及び厚みを減らすことができ、これにより携帯及び保管が容易である。回転式入力装置30は、ケース11に対して実質的に水平に位置する。
【0059】
図7aは、本発明の別の実施例によるホールダ45の斜視図である。
【0060】
図7aを参照すると、本実施例によるホールダ45にはセンタホール55の外周面に屈曲部56が形成されている。そして、屈曲部56に対向するホイール33の内周面には弾性部材58(点線表示)が挿入できる溝(図示せず)が形成されている。溝に挿入された弾性部材58はホイール33の回転時、屈曲部56の凸部分に加圧されると溝の内部に入るし、屈曲部56の凹部分に加圧されると溝の外部に突出される。よって、ホイール33の回転時、屈曲部56と弾性部材58の相互作用により回転感触が使用者に伝達されるので使用感が優れる。
【0061】
図7bは、ホイール33の内周面に屈曲部56’が形成されている状態を示すホイール33’とホールダ45の斜視図である。
【0062】
図7bに示すように、屈曲部56’はホイール33’の内周面にも形成できるし、この際、弾性部材58はホールダ45の外周面46から外部に突出される。よって、ホイール33’がホールダ45に挿入された後回転すると屈曲部56’と弾性部材58の相互作用により一定したクリック感が発生することになる。
【0063】
以下では、本実施例による情報入力装置の情報入力方法に対して説明する。本実施例による情報入力装置は、ディスプレイを具備している外部機器に繋がっている。そして、ディスプレイには、カーソル、メニューリストにおける陰影表示、矢印模様などのポインタ(以下、‘ポインタ’と称する)が表示されている。
【0064】
使用者がディスプレイ上でポインタを所望する位置に移動するためには、情報入力装置10を移動するかまたはホイール33を回転する方法を混用若しくは併用する。情報入力装置10を移動する場合、ポインタがディスプレイ上で2次元的に動きながら使用者が所望する位置に移動することになる。そしてホイール33を回転する場合、ポインタの位置するディスプレイが全体的に上下に移動する。ホイール33を時計回り方向に回転させるとディスプレイが上方へ移動し、反時計回り方向に回転させると下方へ移動できるし、その反対の組み合わせの場合も可能である。
【0065】
本実施例による情報入力方法はホイール33が360度回転できるので、ホイール33から指をはなさなくても画面を連続的に上下に移動することができる。従来のマウスなどのような入力装置のホイール(図1の160)はその一部が外部に露出されているため、使用者が一度の動作で動けるホイールの回転角度には一定した制約があった。しかし、本実施例による情報入力方法はホイール33の全面が外部に露出されていて360度回転できるので、一度の動作で画面を連続的に上下に移動することができて使用が便利である。
【0066】
ポインタをディスプレイ上で所望する位置に移動できる別の方法には、センタキー35を押した後情報入力装置10を上下に移動する方法がある。センタキー35を押すと、ディスプレイ上に上下及び左右方向の矢印が表示されるが、ここで、情報入力装置10を上下及び左右方向などに移動するとディスプレイ上の画面が上下及び/または左右方向の果てまで移動する。
【0067】
ポインタがディスプレイ上で所望する位置に移動した後、使用者は回転式入力装置30のサイドキー37を押してポインタが選択したメニューまたはリンクなどを実現する。例えば、左側のサイドキー37を押すと、ポインタが選択したメニューまたはリンクなどが実現でき、右側のサイドキー37を押すと、ディスプレイ上でまた別のメニューリストが表示できる。そして、情報入力装置10の側面に形成された側面ボタン17を用いてポインタが選択したメニューまたはリンクなどを実現することもできる。
【0068】
図8aは本発明の別の実施例による情報入力装置にUSBコネクタが結合された状態を示す斜視図であり、図8bは図8aのUSBコネクタと情報入力装置が結合された状態を示す断面図である。そして、図9はUSBコネクタの斜視図である。
【0069】
図8aないし図9を参照すると、本実施例による情報入力装置10のワイヤ20の一端部には外部装置のUSB端子(図示せず)に結合できるUSBコネクタ23が具備されている。そして、USBコネクタ23の側面にはT字形状の断面を有する挿入突起25が形成され、情報入力装置10の前面には挿入突起25に対応する挿入溝22が形成されている。よって、挿入突起25及び挿入溝22の相互結合によりUSBコネクタ23が情報入力装置10に固定できるし、またUSBコネクタ23を情報入力装置10から分離することもできる。
【0070】
ワイヤ20の一端部はUSBコネクタ23につながっていて、他端部はケース内部に具備されている巻線装置により巻かれている。よって、USBコネクタ23を長く引き出して使用しようとする場合には、図10bに示すようにUSBコネクタ23を情報入力装置10から分離した後、ワイヤ20を引けばよい。そして、情報入力装置の保管時や、図10aに示すように、情報入力装置10を外部機器であるノート型コンピュータ200に隣接して使用しようとする場合にはワイヤをちょっと引いて巻線装置に巻いた後、USBコネクタ23を情報入力装置10に結合してUSBコネクタ23をノート型コンピュータ200に挿入すればよい。
【0071】
よって、本実施例による情報入力装置はワイヤ20の整理が容易く、ワイヤ20の長さを自由に調節して使用できるし、また図10aのようにノート型コンピュータ200に情報入力装置10を隣接して使用することもできる。図10aを参照すると、USBコネクタ23の結合方向と情報入力装置10の長さ方向が実質的に垂直であるので使用が便利である。
【0072】
以上で本発明の実施例を説明したが、本発明の多様な変更例と修正例も本発明の技術的思想を具現する限り、本発明の範囲に属するものに解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】従来の情報入力装置の一例であるマウスの斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による情報入力装置の斜視図である。
【図3】本発明の一実施例による情報入力装置から上部ケースを分離した状態の斜視図である。
【図4】本発明の一実施例による情報入力装置の背面を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施例による情報入力装置に用いられる回転式入力装置の分解状態を示す斜視図である。
【図6】図5に示されている回転式入力装置の結合状態を示す断面図である。
【図7a】外周面に屈曲部が形成されている本発明の別の実施例によるホールダの斜視図である。
【図7b】ホイールの内周面に屈曲部が形成されている本発明のまた別の実施例によるホイール及びホールダの斜視図である。
【図8a】本発明のまた別の実施例による情報入力装置においてUSBコネクタがケースに結合された状態を示す斜視図である。
【図8b】図8aにおいてUSBコネクタがケースに結合された状態を示す断面図である。
【図9】USBコネクタの斜視図である。
【図10a】USBコネクタを情報入力装置に結合した状態でノート型コンピュータにつながっている状態を示す斜視図である。
【図10b】USBコネクタを情報入力装置から分離した状態でノート型コンピュータにつながっている状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
10 情報入力装置
11 ケース
13 上部ケース
17 側面ボタン
18 下部ケース
20 ワイヤ
21 端子
23 USBコネクタ
25 挿入突起
30 回転式入力装置
33 ホイール
35 センタキー
37 サイドキー
39 固定突起
41 マグネット
43 挿入ホール
45 ホールダ
46 外周面
47 支持部
49 傾斜部
50 胴部
51 固定部
53 支持部ホール
55 センタホール
56 屈曲部
57 ステップト エッジ(stepped edge)
58 弾性部材
59 ワッシャ
61 回転ホール
65 印刷回路基板
67 サイドドームボタン
68 センタドームボタン
69 ホールセンサ
71 リード
73 収容ホール
75 ベース
77 挿入ホール
80 光モジュール
83 レンズ
90 巻線装置
93 支持突起
95 回転ボビン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
回転可能なホイールを有して前記ケースの内部に固定され、前記ホイールの全面が前記ケースの外部に露出される回転式入力装置であって、前記ホイールの回転により情報を入力することができる回転式入力装置と、
前記ケースの内部に固定されて前記ケースの移動を認識する光モジュールと、
外部装置につながって前記回転式入力装置により入力された情報及び前記光モジュールにより認識された情報を前記外部装置に伝達するワイヤと、
を含む情報入力装置。
【請求項2】
前記回転式入力装置は、前記ケースと実質的に平行に位置する請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項3】
前記ケースの側面には、側面ボタンが具備される請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項4】
前記回転式入力装置は、前記ホイールの下側に固定されて前記ホイールと同時に回転する多極着磁リング型マグネットと、
前記マグネットの回転を検出する検出素子と、
前記検出素子が装着される印刷回路基板と、
前記印刷回路基板が固定されるベースと、
前記ベースに固定されて前記ホイールを回転できるように支持するホールダと、
を含む請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項5】
前記ホイールは、下向きに突出された複数の固定突起を具備し、
前記印刷回路基板は、前記固定突起により加圧されるサイドドームボタンを具備する請求項4に記載の情報入力装置。
【請求項6】
前記ホイールの中央には、センタキーが形成されていて、
前記印刷回路基板には、前記センタキーが押されることにより加圧されるセンタドームボタンを具備する請求項4に記載の情報入力装置。
【請求項7】
前記ホイール及び前記ホイールと接する前記ホールダの一側には屈曲部が形成され、
他側には溝が形成されていて、
前記溝には、前記屈曲部にかかる弾性部材が位置する請求項4に記載の情報入力装置。
【請求項8】
前記外部装置は、ディスプレイを具備し、
前記ホイールの回転により前記ディスプレイの画面が上下に移動する請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項9】
前記サイドドームボタンは、前記ケースの長さ方向に対して垂直に配置された少なくとも一対からなる請求項5に記載の情報入力装置。
【請求項10】
前記外部装置はディスプレイを具備し、
前記サイドドームボタンが加圧される場合クリック機能が行われる請求項9に記載の情報入力装置。
【請求項11】
前記外部装置はディスプレイを具備し、
前記センタドームボタンが加圧される場合前記ディスプレイにはホイールクリック機能が行われる請求項6に記載の情報入力装置。
【請求項12】
前記ホイールは、360度回転することができる請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項13】
前記ケースの内部には、弾性力により前記ワイヤを自動で巻く巻線装置が具備されている請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項14】
前記ケースは、実質的に直六面体形状を有する請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項15】
前記ケースには、挿入溝が形成され、
前記ワイヤの一端部には前記挿入溝に対応する挿入突起が形成されているUSBコネクタが具備され、
前記USBコネクタは、前記外部装置につながる請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項16】
前記挿入突起の断面はT字形状を有し、
前記挿入溝は前記情報入力装置の前面に形成されている請求項15に記載の情報入力装置。
【請求項17】
前記ケースの内部には弾性力により前記ワイヤを自動で巻く巻線装置が具備されている請求項15に記載の情報入力装置。
【請求項18】
前記ホイールの裏面には複数個のマークが附着されており、
前記情報入力装置は、前記マークを照射する発光ダイオードと、前記ホイールの回転により前記マークが回転する場合、前記マークの動きを把握するイメージセンサをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項19】
前記情報入力装置は、前記ホイールが回転する場合導電体及び非導電体を順次に接し、前記ホイールが前記導電体に接する際と前記非導電体に接する際の電流の強さの変化量を認識することにより情報を入力することを特徴とする請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項20】
ケースと、
回転可能なホイールを有して前記ケースの内部に固定され、前記ホイールの全面が前記ケースの外部に露出される回転式入力装置であって、前記ホイールの全面に沿って動く場合キャパシタンスの変化により情報を入力することができる装置と、
前記ケースの内部に固定されて前記ケースの移動を認識する光モジュールと、
外部装置に連結されて前記回転式入力装置により入力された情報及び前記光モジュールにより認識された情報を前記外部装置に伝達するワイヤと、
を含む情報入力装置。
【請求項21】
ディスプレイを具備した外部装置に連結され、外部に露出されるホイールを有する回転式入力装置を具備する情報入力装置の入力方法において、
(a)前記ディスプレイ上でポインタを所望する位置に移動する段階と、
(b)前記ホイールを加圧してクリック機能を行う段階と、を含み、
前記(a)段階は、前記情報入力装置の移動及び/または前記ホイールの回転により行われる情報入力装置の入力方法。
【請求項22】
前記ホイールの回転方向に応じて前記ポインタは上向き移動または下向き移動する請求項21に記載の情報入力装置の入力方法。
【請求項23】
前記(a)段階において、前記ポインタは前記ホイールのセンタボタンの加圧及び前記情報入力装置の移動により移動することができる請求項21に記載の情報入力装置の入力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【公開番号】特開2008−27443(P2008−27443A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185709(P2007−185709)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】