情報再生装置、情報再生方法および情報再生プログラム
【課題】ある権利者が持つ情報を他の権利者が利用しようとするときに、情報の相互利用の促進を可能とする。
【解決手段】本発明は、複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出す読み出し部と、前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行う条件処理部と、前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力する再生処理部とを備える。
【解決手段】本発明は、複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出す読み出し部と、前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行う条件処理部と、前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力する再生処理部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある権利者が権利をもつコンテンツ情報を、他の権利者が作成したシナリオに基づき再生する情報再生装置、情報再生方法および情報再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の情報再生装置には、特許文献1および特許文献2に開示されているように、ある権利者が持つコンテンツ情報を他の者が利用(再生)しようとするときに、その利用方法を制限する仕組みを持つものがあった。
【0003】
しかし、この利用制限は、もっぱら、コンテンツ情報の再生・表示を、事前に予想した範囲内で行わせようとするものであり、コンテンツ情報の活用が十分に図れているとはいえなかった。
【特許文献1】特開2005−160041公報
【特許文献2】特許2005−285089公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、コンテンツ情報の提供者の意志と、コンテンツ情報の再生シナリオを提供する者が望む利用方法とを尊重しつつ、コンテンツ情報のさらなる相互利用の促進を図って、双方の良好な関係を構築できる仕組みを実現することを可能とする情報再生装置、情報再生方法および情報再生プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様としての情報再生装置は、
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出す読み出し部と、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行う条件処理部と、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力する再生処理部と、
を備える。
【0006】
本発明の一態様としての情報再生方法は、
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、を用意し、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出し、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行い、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力する、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様としての情報再生プログラムは、
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、
にアクセスするステップと、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出すステップと、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行うステップと、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力するステップと、
ことをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、コンテンツ情報の提供者の意志と、コンテンツ情報の再生シナリオを提供する者が望む利用方法とを尊重しつつ、コンテンツ情報のさらなる相互利用の促進を図って、双方の良好な関係を構築できる仕組みを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施の形態としての情報再生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【0011】
情報再生装置は、シナリオストレージ110、コンテンツストレージ120、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130、コンテンツ利用情報送信部140、情報合成部150およびユーザ情報データベース160を備える。
【0012】
コンテンツストレージ120は、ウェブ上のコンテンツ提供者(コンテンツ提供サーバ)300から受信したコンテンツ121を格納する。コンテンツ121は、複数のリソース122と、複数のリソース122を利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件123とを含む。各リソース122は、たとえば画像データ、音声データ、テキストデータ(文字データ)である。
【0013】
シナリオストレージ110は、ウェブ上のシナリオ提供者(シナリオ提供サーバ)200から受信したシナリオ111を格納する。シナリオ111はプレイリスト112と、複数の出力ルール113と、コンテンツ121の識別子等の詳細情報とを含む。複数の出力ルール113はそれぞれ、1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義する。プレイリスト112は、当該出力ルールの読み出し方法(たとえば読出順序)を指定する。
【0014】
ユーザ情報データベース(情報データベース)160は、情報再生装置100を利用するユーザのユーザ情報を記憶する。ユーザ情報としては、ユーザの個人情報(たとえばユーザのEメールアドレス、氏名、住所など)、ユーザの利用履歴(たとえばユーザがいままでに用いたコンテンツの情報、ユーザがいままでに用いたシナリオの情報)などがある。
【0015】
シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部(読み出し部、条件処理部)130は、シナリオストレージ110から1つのシナリオ111を読み込み、読み込んだシナリオ111に含まれるコンテンツ識別子に基づきコンテンツストレージ120からコンテンツ121を読み出し、読み出したコンテンツ121に含まれる利用条件に記述された各条件事項を満足させることが可能かどうかをチェックする。そして、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130は、可能であると判定した条件事項についてはその条件事項を満足させるための処理を行う。
【0016】
シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130による条件事項を満足させるための処理例としては、ある条件事項が、画像、音声またはテキスト(文字)を表す第1のリソース122を再生(出力)することを定めている場合に、第1のリソース122が再生(出力)されるように、出力ルール113を変更することがある。ここで第1のリソース122は、たとえばプレイリストにより再生指示されている各リソース組のいずれにも含まれないリソースである。変更すべき出力ルールは、当該出力ルールが変更を許容する限り、任意に選択できる。また、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130による条件事項を満足させるための他の処理例としては、別の条件事項が、あらかじめ指定されたアドレスに所定の情報(本例ではユーザ情報)を送信することを定めている場合に、ユーザ情報をユーザ情報データベース(情報データベース)160から読み出し、読み出したユーザ情報をあらかじめ指定されたアドレスに送信することをコンテンツ利用情報送信部140に指示することがある。
【0017】
コンテンツ利用情報送信部(データ送信部)140は、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130により指示された情報を、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130により指示されたアドレス(たとえばURL:Uniform Resource Locator)に送信する。本実施形態では、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130により指示されるアドレスは、たとえばコンテンツ提供者300のアドレスである。
【0018】
情報合成部(再生処理部)150は、プレイリスト112により指定される読み出し方法により出力ルール113を読み出し、読み出した出力ルール113に従ってリソース組の合成を行い、合成結果を図示しない表示部に再生出力する。このようにして、情報合成部150は、各リソース組を順次再生する。
【0019】
以下では、図1の情報再生装置についてさらに詳細に説明する。
【0020】
まずコンテンツストレージ120が記憶するコンテンツ121について説明する。
【0021】
コンテンツ121は、上述したように、複数のリソース122と、複数のリソース122を利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件123とを含む。
【0022】
各リソース122は画像(静止画像、動画像)、音声、文字(テキスト)などのデータそのものを表す。複数のリソース122は、XMLファイルまたはHTMLファイルなど に書かれたリンク情報によって互いに関連づけられた、画像(静止画像、動画像)データ、音声データおよび文字(テキスト)データのセットであってもよい。
【0023】
利用条件123は、上述のように、複数のリソース122を利用するために必要な1つ以上の条件事項を定める。利用条件123は、複数のリソース122と同じ、もしくは別のXMLファイルに書かれた記述情報であり、XMLやHTMLなどのマークアップ言語の文法によって記述される。利用条件123が、複数のリソース122と同じファイルに記述される場合、当該ファイルの一部分として利用条件123が記述される。
【0024】
利用条件123に記述される各条件事項には、当該条件事項を満たすべき程度を示す強制度(強制レベル)が設定されている。本実施形態では、強制度には「強制」と「推奨」の2種類がある。「強制」の場合には、その条件事項を満たさなければ、各リソース122を利用できない。「推奨」の場合はその条件事項を満たさなくても各リソース122は利用できるが、可能な範囲において、満たすようにする。本実施形態では「強制」と「推奨」との2段階の強制度を示したが、3段階、4段階・・・と、より細かく強制度を設定してもよい。
【0025】
条件事項の例としては、先に少しだけ述べたが、リソース122(画像、音声、文字などのデータ)の挿入、リソース122の置き換え、およびリソース122の削除がある。さらに、別の例として、リソース122の表示箇所・表示タイミングなどの変更がある。
【0026】
別の条件事項の例としては、先に少し述べたように、コンテンツ提供者に対し所望の情報をフィードバックすることがある。コンテンツ提供者にフィードバックする情報の例としては、
(1)コンテンツ121を利用するシナリオ111のメタデータ(例えばシナリオ提供者の権利者名やURL、シナリオの名前)、
(2)情報再生装置のユーザの個人情報、
(3)コンテンツ121が利用された回数・時間などのユーザの利用履歴、
(4)コンテンツ121がどの条件事項を満たして再生されたかなどの履歴を記述できる。
【0027】
上記に例として示した2種類の条件事項は自由に組み合わせて記述できる。組み合わせについても、複数の条件事項のすべてを満たすこと(AND)、複数の条件事項のうち1つを満たすこと(OR)がある。さらにこれら2種類の条件事項を入れ子にして記述することもできる。
【0028】
これにより、
・ロゴを挿入するか、音声を置き換えるかのどちらかを満たす
・写真を挿入し、なおかつ動画を挿入する
・ロゴを挿入するか、写真と動画を挿入するか、のどちらかを満たす
といった条件事項を記述でき、柔軟な条件事項の記述が可能となる。
【0029】
図2は利用条件123の記述例を示す。
【0030】
図2の1行目はXMLの仕様で規定されたXML宣言であり、この例ではXMLのバージョンが1.0であり、文字コードがShift-JISであることを示す。これはXMLの仕様で規定されたものであり利用条件固有の記述ではない。
【0031】
2行目の<requirements>は、利用条件の記述が開始することを宣言するもので、2行目の<requirements>から最終行の</requirements>までの間の記述が利用条件についての記述である。
【0032】
3行目と14行目の「<!--」で始まる行は、コメントである。コメントの記述はXMLの文法に従っており、利用条件固有の記述ではない。
【0033】
4行目の<requirement level="must">から13行目の</requirement>までは強制の条件事項について記述である。15行目の<requirement level="should">から17行目の</requirement>までが推奨の条件事項についての記述である。「level=””」が強制度を示しており、””の中にmustを記述した場合は「強制」、””の中にshouldを記述した場合には「推奨」を意味する。「強制」の場合、記述された条件事項を満たせない場合には、プレイリストに基づく再生は行われない。「推奨」の場合、記述された条件事項を満たせなかった場合でも、再生は行われる。
【0034】
5行目<and>と8行目</and>は、これらの間に囲まれた6行目・7行目に書かれた条件事項の両方を満たす必要があることを示す。9行目<or>と12行目</or>は、これらの間に囲まれた10行目・11行目に書かれた条件事項のうちいずれか1つを満たす必要があることを示す。この例において、ANDとORの条件は並列となっているため、7行目・8行目のすべての条件事項と、9行目と10行目のうちいずれか1つの条件事項とが満たされるとき、「強制」の条件事項が満たされたと判断される。
【0035】
6行目・7行目・10行目・11行目・16行目の条件事項の内容について具体的に説明する。6行目と7行目の条件事項はどちらもどこの場所でも良いが常に画像を表示することを要求する。<addImage>は画像の表示を要求する命令であり、fileは表示する画像のファイル名、”when”は画像を表示する時間あるいはタイミング(”always”は常に表示することを意味する)、”where”は画面上で表示する位置あるいは場所(”none specified”は任意の場所を意味する)を示している。画像を表示する時間はここではalways(プレイリストの全再生時間の間)の場合を示したが、本発明はこれに限定されず、たとえば全再生時間のうち半分の時間、数値による具体的な時間など、他の時間を指定してもよい。また、画面上の表示場所も、任意ではなく、具体的な場所を指定してもよい。”when”によって指定する値はたとえば第1の時間に相当し、”where”によって指定する値はたとえば第1の位置に相当する。また”file”によって指定するファイル名は、たとえば第1のリソースに相当する。
【0036】
10行目・11行目・16行目の条件事項は、情報の送信を要求する。<sendInfo>は情報の送信を要求する命令であり、keyは送信する情報の種類を指定する。”user_info”はユーザの個人情報(たとえばユーザのEメールアドレス、氏名、住所など)であり、”user_history”はユーザの利用履歴(たとえばユーザがいままでに用いた、コンテンツあるいはリソースの情報、ユーザがいままでに用いたシナリオの情報)である。ユーザの個人情報および利用履歴は、ユーザ情報の一例である。
【0037】
次にシナリオストレージ110が記憶するシナリオ111について説明する。
【0038】
シナリオ111は、1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルール113と、当該出力ルール113の読み出し方法を指定したプレイリスト112と、コンテンツの識別子等の詳細情報とを含む。
【0039】
プレイリスト112は、XMLなどのマークアップ言語によって記述され、プレイリスト112のファイルサイズが大きくなった場合には、リンクなどによって別のファイルへ分割することも可能である。プレイリスト112に含まれる上記詳細情報には
(1)シナリオ提供者の作者情報、配信元URLおよびシナリオ提供者のメタデータと、
(2)利用するコンテンツ121の識別情報としてコンテンツ名、配信元URLおよびコンテンツ提供者情報と
が記述されている。
【0040】
出力ルール113は、1つ以上のリソース(リソース組)を変換・合成する方法を定めた記述を含む。すなわち、出力ルール113には、各リソース(画像、動画、音楽および文字(テキスト)など)をどのように合成して表示するかが記述される。具体的には、出力ルール113は、画像、動画、テキストなど画面上に表示される各リソースについて画面中の表示場所、表示するタイミング、表示する時間の長さなどを指示する。また、出力ルール113は、音声のリソース、または動画の音声のリソースについて、再生の開始・終了タイミングと、再生する長さや音量と、その変化量や変化するタイミングなどを指示する。出力ルール113には、1つ以上の利用するリソース122の識別子(ファイル名、URLあるいはIDなど)の記述と、これらのリソース122の再生方法(合成方法)の記述とが含まれる。出力ルール113はXMLなどの記述言語によって記述され、ファイルとしては1つのシナリオ内に複数の出力ルール113が存在してもよい。
【0041】
ここで出力ルール113には、リソースを追加的に埋め込む(追加的に再生する)ことを許容するリソース埋め込み情報(リソース追加情報)を記述することもできる。これは本実施形態の大きな特徴のひとつである。これにより、利用条件123に「ある1つのリソースを追加する」という条件事項が含まれる場合、このリソース埋め込み情報で指定した場所に、上記ある1つのリソースが追加されるように、出力ルール113に変更を加えることができる。
【0042】
図3は、出力ルール113の一例を示す。
【0043】
1行目は音声ファイル”bgm.mp3”のリソースを常時再生する指示、2行目は画像ファイル”res/tenkizu.jpg”のリソースを指定した場所に表示する指示を示す。そして、3行目はリソース埋め込み情報として画像を埋め込むための場所を確保する指示を示す。具体的には、左上の座標が(20,10)であり、かつ横幅200および縦幅80をもつ矩形領域に、任意のリソースを埋め込み可能であることを示す。このように、リソース埋め込み情報は、情報合成部150の処理によって変更を加えることが可能な領域を設定する。埋め込んだ画像を表示できる時間はここでは特に制約がなく、したがって当該出力ルール113に対応する再生の間は常時、表示可能であるとする。リソース埋め込み情報、表示可能な時間の制限を記述してもよい。
【0044】
次にシナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130により行われる処理の詳細について図4〜図13を用いて説明する。
【0045】
図4はシナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130の処理の流れを概略的に示すフロー図である。
【0046】
シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130はシナリオストレージ110からシナリオ111を読み込み(S11)、読み込んだシナリオ111のプレイリスト112に含まれるコンテンツ名(コンテンツ識別子)に基づきコンテンツ121をコンテンツストレージ120から読み込む(S12)。
【0047】
読み出したコンテンツ121の利用条件123と、シナリオ111に含まれる各出力ルール113とを解析し(S13)、利用条件123に記述されている強制の条件事項を検出し、検出した強制の条件事項を満たすための処理を行う(S14)。ステップS14の詳細は後述する。
【0048】
ステップS14の処理の結果は利用不可フラグとして返され、利用不可フラグがON、つまり強制の条件事項を満たしていない場合には(S15のON)、読み込んだシナリオ111とコンテンツ121に基づいた情報の再生を中止する(S16)。
【0049】
一方、利用不可フラグがOFF、つまり強制の条件事項を満たしていた場合には(S15のOFF)ステップS17へ進み、利用条件中の推奨の条件事項を満たすための処理を行う。ステップS17の詳細は後述する。
【0050】
推奨の条件事項が満たされるか否かに関わらず、次のステップS18では、コンテンツ121の各リソース122と、各出力ルール113(強制の条件事項および推奨の強制事項を満たすための処理により修正されている場合もある)と、プレイリスト112とを情報合成部150に渡して情報合成(再生)を依頼する。
【0051】
図5は、図4のステップS14(利用条件中の強制の条件事項処理)およびステップS15の詳細な処理手順を示したフロー図である。
【0052】
まず、利用条件123の記述から、条件事項を1件読み込む(S21)。
【0053】
読み込んだ条件事項の内容をチェックし(S22)、その内容によってステップS23とステップS24に分岐する。
【0054】
読み込んだ条件事項が、出力ルール113(リソースの利用方法)を変更するものであった場合(S22の「出力ルールの変更」)、出力ルール113に変更を加える処理を行う(S23)。変更する対象となる出力ルール113は、出力ルール113が変更を許容する限り、任意に選択できる。本ステップの処理の詳細を一例として示したのが図6と図7である。図6は出力ルールに変更を加える処理が成功した場合、図7は変更を加える処理が失敗した場合を示している。
【0055】
図6において、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130は、出力ルール113の変更(たとえばlogo.jpgを画面上のどこかに(where=”none specified”)、常に(when=”always”)、表示すること)を要求する強制の条件事項を発見したら(A11)、各出力ルール113からリソース埋め込み情報を検索し(A12)、見つけたリソース埋め込み情報を、実際に埋め込むリソースの情報に書き換える(A13)。すべての出力ルール113について埋め込みリソースの情報を書き換えたら、処理の成功を示す値(たとえば○)をチェックテーブル(後述する図9参照)に書き込む(A14)。
【0056】
一方、図7において、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130は、出力ルール113の変更(たとえばlogo.jpgを画面上のどこかに(where=”none specified”)、常に(when=”always”)、表示すること)を要求する強制の条件事項を発見したら(B11)、出力ルール113からリソース埋め込み情報を検索する(B12)。少なくとも1つの出力ルール113においてリソース埋め込み情報が見つからなかったため、当該条件事項を満たすことができないと判断し、処理の不成功を示す値(たとえば×)をチェックテーブルに書き込む(B13)。
【0057】
図5において、読み込んだ条件事項が、コンテンツ提供者にフィードバックとして特定の情報の送信を要求するものであった場合(S22の「情報送信」)、コンテンツ利用情報送信部140に情報送信処理を依頼する(S24)。この処理の詳細フローの例を示したのが図8である。図8において、特定の情報(ここではユーザ情報)を送信する強制の条件事項を発見したら(C11)、ユーザ情報データベースからユーザ情報の取得を試み(C12)、ユーザ情報を取得できた場合にはコンテンツ利用情報送信部140に、ユーザ情報と、コンテンツ121に含まれるコンテンツ提供者のURLとを渡すことにより、コンテンツ提供者300への情報送信を依頼する(C14)。そして処理の成功を示す値をチェックテーブルに書き込む(C15)。一方、ユーザ情報を取得できなかった場合は、条件事項を満たすことができないと判断し、処理の不成功を示す値をチェックテーブルに書き込む(C16)。
【0058】
ここで、ステップC12で行うユーザ情報の取得が可能かどうかはたとえば以下のようにして判定できる。すなわち、ユーザからユーザ情報の送信を許可するか否かを示す指示データを受け取り、指示データが許可を示すときはユーザ情報の取得が可能であり、不許可を示すときは不可であると判定する。あるいは、ユーザ情報の送信を許可するか否かを示した情報をあらかじめ指定された記憶領域にアクセスして参照し、当該情報が許可を示すときはユーザ情報の取得が可能であり、不許可を示すときは不可であると判定する。
【0059】
図5のステップS23またはS24が終了すると、次の強制の条件事項があるかどうかをチェックし(S25)、次の強制の条件事項がある場合には(S25の「ある」)、ステップS21に戻る。すべての強制の条件事項について、ステップS21〜S25の処理を、繰り返し行う。
【0060】
すべての強制の条件事項に対して処理を終えた場合(S25の「ない」)、ステップS23とS24で記録したチェックテーブルを用いて、利用不可フラグをOFFまたはONに設定する(S26)。ここでチェックテーブルの一例を図9に示す。チェックテーブルには、各強制の条件事項の関係(AND、OR)と、各強制の条件事項の評価結果(本例では満たすときは○、満たさないときは×)が含まれている。このチェックテーブルに基づき、論理演算を行い、強制の条件事項全体として条件が満たされる場合には(ANDで結ばれた条件事項が全て○で、ORで結ばれた条件事項のうち少なくとも1つが○であるとき)は、利用不可フラグをOFFに、満たさない場合には利用不可フラグをONに設定する。
【0061】
図10は、図4のステップS17(利用条件中の推奨の条件事項処理)の詳細な処理手順を示したフロー図である。
【0062】
推奨の条件事項の場合、処理に成功したか否かは問わないため、処理が成功したかどうかの判別を行わない。そのため、図5のフローチャート(強制の条件事項の処理手順)と比較すると、チェックテーブルを用いた出力可否の判別を行わない点が異なる。それ以外については図5のフローチャートと同様である。図10のステップS31〜S35は、図5のステップS21〜S25にそれぞれ対応する。
【0063】
図10のステップS33(推奨の条件事項の場合に、出力ルールに変更を加える処理)で処理が成功した例を図11に示す。ステップA21〜A23は図6のステップA11〜A13と同様であるが、チェックテーブルを用いた判別を行わないため、ステップA14に相当する処理が存在しない。
【0064】
また、図10のステップS33で処理が失敗した例を図12に示す。ステップB21〜B22は、図7のステップB11〜B12と同様であるが、チェックテーブルを用いた判別を行わないため、ステップB13に相当する処理は存在しない。
【0065】
また、ステップS34(推奨の条件事項の場合、ユーザ情報を送信する処理)の処理の例を図13に示す。ステップC21〜C24は、強制の場合のフローチャート(図8)のステップC11〜C14と同様であるが、チェックテーブルを用いた判別を行わないため、ステップC15〜C16に相当する処理は存在しない。
【0066】
次に情報合成部150について説明する。情報合成部150はシナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130から、プレイリストにより指定される読み出し方法により出力ルール113を読み出し、この出力ルール113で利用される1つ以上のリソース122とを受け取る。そして、情報合成部150は、出力ルール113に従ってこれら1つ以上のリソース122を合成して、再生データを生成し、生成した再生データを図示しない表示装置に出力する。
【0067】
次にコンテンツ利用情報送信部150について説明する。
【0068】
コンテンツ利用情報送信部150は、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130からコンテンツ提供者300のURLと、送信情報(たとえばユーザ情報)とを受け取り、コンテンツ提供者300に対して、当該送信情報を送信する処理を行う。
【0069】
このように、本実施形態によれば、コンテンツ121の利用条件123に従ってシナリオ111の出力ルール113に変更を加えることで、コンテンツ提供者300の権利を守ることが可能となる。また、コンテンツ121の利用条件123に従って情報再生装置100が持つ情報をコンテンツ提供者300に送信することで、コンテンツ提供者300はコンテンツを利用するユーザから所望の情報を得ることが可能となる。
【0070】
なお、この情報再生装置100は、例えば、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。すなわち、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130、情報合成部140、コンテンツ利用情報送信部150を上記のコンピュータ装置に搭載されたプロセッサにプログラムを実行させることにより実現することができる。このとき情報再生装置100は、上記のプログラムをコンピュータ装置にあらかじめインストールすることで実現してもよいし、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶して、あるいはネットワークを介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータ装置に適宜インストールすることで実現してもよい。また、シナリオストレージ110およびコンテンツストレージ120は、上記のコンピュータ装置に内蔵あるいは外付けされたメモリ、ハードディスクもしくはCD−R、CD−RW、DVD−RAM、DVD−Rなどの記憶媒体などを適宜利用して実現することができる。
【0071】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施の形態としての情報再生装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図2】利用条件123の記述例を示す図。
【図3】出力ルール113の一例を示す図。
【図4】シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130の処理の流れを概略的に示すフロー図。
【図5】図4のステップS14、S15の詳細な処理手順を示したフロー図。
【図6】図5のステップS15の処理が成功した例を示す図。
【図7】図5のステップS15の処理が失敗した例を示す図。
【図8】図5のステップS24の詳細フローの例を示す図。
【図9】チェックテーブルの一例を示す図。
【図10】図4のステップS16の詳細な処理手順を示したフロー図。
【図11】図10のステップS33で処理が成功した例を示す図。
【図12】図10のステップS33で処理が失敗した例を示す図。
【図13】図10のステップS34の処理の例を示す図。
【符号の説明】
【0073】
100:情報再生装置
110:シナリオストレージ
111:シナリオ
112:プレイリスト
113:出力ルール
120:コンテンツストレージ
121:コンテンツ
122:リソース
123:利用条件
130:シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部(読み出し部、条件処理部)
140:コンテンツ利用情報送信部(データ送信部)
150:情報合成部(再生処理部)
160:ユーザ情報データベース
200:シナリオ提供者(シナリオ提供サーバ)
300:コンテンツ提供者(コンテンツ提供サーバ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある権利者が権利をもつコンテンツ情報を、他の権利者が作成したシナリオに基づき再生する情報再生装置、情報再生方法および情報再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の情報再生装置には、特許文献1および特許文献2に開示されているように、ある権利者が持つコンテンツ情報を他の者が利用(再生)しようとするときに、その利用方法を制限する仕組みを持つものがあった。
【0003】
しかし、この利用制限は、もっぱら、コンテンツ情報の再生・表示を、事前に予想した範囲内で行わせようとするものであり、コンテンツ情報の活用が十分に図れているとはいえなかった。
【特許文献1】特開2005−160041公報
【特許文献2】特許2005−285089公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、コンテンツ情報の提供者の意志と、コンテンツ情報の再生シナリオを提供する者が望む利用方法とを尊重しつつ、コンテンツ情報のさらなる相互利用の促進を図って、双方の良好な関係を構築できる仕組みを実現することを可能とする情報再生装置、情報再生方法および情報再生プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様としての情報再生装置は、
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出す読み出し部と、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行う条件処理部と、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力する再生処理部と、
を備える。
【0006】
本発明の一態様としての情報再生方法は、
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、を用意し、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出し、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行い、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力する、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様としての情報再生プログラムは、
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、
にアクセスするステップと、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出すステップと、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行うステップと、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力するステップと、
ことをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、コンテンツ情報の提供者の意志と、コンテンツ情報の再生シナリオを提供する者が望む利用方法とを尊重しつつ、コンテンツ情報のさらなる相互利用の促進を図って、双方の良好な関係を構築できる仕組みを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施の形態としての情報再生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【0011】
情報再生装置は、シナリオストレージ110、コンテンツストレージ120、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130、コンテンツ利用情報送信部140、情報合成部150およびユーザ情報データベース160を備える。
【0012】
コンテンツストレージ120は、ウェブ上のコンテンツ提供者(コンテンツ提供サーバ)300から受信したコンテンツ121を格納する。コンテンツ121は、複数のリソース122と、複数のリソース122を利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件123とを含む。各リソース122は、たとえば画像データ、音声データ、テキストデータ(文字データ)である。
【0013】
シナリオストレージ110は、ウェブ上のシナリオ提供者(シナリオ提供サーバ)200から受信したシナリオ111を格納する。シナリオ111はプレイリスト112と、複数の出力ルール113と、コンテンツ121の識別子等の詳細情報とを含む。複数の出力ルール113はそれぞれ、1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義する。プレイリスト112は、当該出力ルールの読み出し方法(たとえば読出順序)を指定する。
【0014】
ユーザ情報データベース(情報データベース)160は、情報再生装置100を利用するユーザのユーザ情報を記憶する。ユーザ情報としては、ユーザの個人情報(たとえばユーザのEメールアドレス、氏名、住所など)、ユーザの利用履歴(たとえばユーザがいままでに用いたコンテンツの情報、ユーザがいままでに用いたシナリオの情報)などがある。
【0015】
シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部(読み出し部、条件処理部)130は、シナリオストレージ110から1つのシナリオ111を読み込み、読み込んだシナリオ111に含まれるコンテンツ識別子に基づきコンテンツストレージ120からコンテンツ121を読み出し、読み出したコンテンツ121に含まれる利用条件に記述された各条件事項を満足させることが可能かどうかをチェックする。そして、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130は、可能であると判定した条件事項についてはその条件事項を満足させるための処理を行う。
【0016】
シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130による条件事項を満足させるための処理例としては、ある条件事項が、画像、音声またはテキスト(文字)を表す第1のリソース122を再生(出力)することを定めている場合に、第1のリソース122が再生(出力)されるように、出力ルール113を変更することがある。ここで第1のリソース122は、たとえばプレイリストにより再生指示されている各リソース組のいずれにも含まれないリソースである。変更すべき出力ルールは、当該出力ルールが変更を許容する限り、任意に選択できる。また、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130による条件事項を満足させるための他の処理例としては、別の条件事項が、あらかじめ指定されたアドレスに所定の情報(本例ではユーザ情報)を送信することを定めている場合に、ユーザ情報をユーザ情報データベース(情報データベース)160から読み出し、読み出したユーザ情報をあらかじめ指定されたアドレスに送信することをコンテンツ利用情報送信部140に指示することがある。
【0017】
コンテンツ利用情報送信部(データ送信部)140は、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130により指示された情報を、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130により指示されたアドレス(たとえばURL:Uniform Resource Locator)に送信する。本実施形態では、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130により指示されるアドレスは、たとえばコンテンツ提供者300のアドレスである。
【0018】
情報合成部(再生処理部)150は、プレイリスト112により指定される読み出し方法により出力ルール113を読み出し、読み出した出力ルール113に従ってリソース組の合成を行い、合成結果を図示しない表示部に再生出力する。このようにして、情報合成部150は、各リソース組を順次再生する。
【0019】
以下では、図1の情報再生装置についてさらに詳細に説明する。
【0020】
まずコンテンツストレージ120が記憶するコンテンツ121について説明する。
【0021】
コンテンツ121は、上述したように、複数のリソース122と、複数のリソース122を利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件123とを含む。
【0022】
各リソース122は画像(静止画像、動画像)、音声、文字(テキスト)などのデータそのものを表す。複数のリソース122は、XMLファイルまたはHTMLファイルなど に書かれたリンク情報によって互いに関連づけられた、画像(静止画像、動画像)データ、音声データおよび文字(テキスト)データのセットであってもよい。
【0023】
利用条件123は、上述のように、複数のリソース122を利用するために必要な1つ以上の条件事項を定める。利用条件123は、複数のリソース122と同じ、もしくは別のXMLファイルに書かれた記述情報であり、XMLやHTMLなどのマークアップ言語の文法によって記述される。利用条件123が、複数のリソース122と同じファイルに記述される場合、当該ファイルの一部分として利用条件123が記述される。
【0024】
利用条件123に記述される各条件事項には、当該条件事項を満たすべき程度を示す強制度(強制レベル)が設定されている。本実施形態では、強制度には「強制」と「推奨」の2種類がある。「強制」の場合には、その条件事項を満たさなければ、各リソース122を利用できない。「推奨」の場合はその条件事項を満たさなくても各リソース122は利用できるが、可能な範囲において、満たすようにする。本実施形態では「強制」と「推奨」との2段階の強制度を示したが、3段階、4段階・・・と、より細かく強制度を設定してもよい。
【0025】
条件事項の例としては、先に少しだけ述べたが、リソース122(画像、音声、文字などのデータ)の挿入、リソース122の置き換え、およびリソース122の削除がある。さらに、別の例として、リソース122の表示箇所・表示タイミングなどの変更がある。
【0026】
別の条件事項の例としては、先に少し述べたように、コンテンツ提供者に対し所望の情報をフィードバックすることがある。コンテンツ提供者にフィードバックする情報の例としては、
(1)コンテンツ121を利用するシナリオ111のメタデータ(例えばシナリオ提供者の権利者名やURL、シナリオの名前)、
(2)情報再生装置のユーザの個人情報、
(3)コンテンツ121が利用された回数・時間などのユーザの利用履歴、
(4)コンテンツ121がどの条件事項を満たして再生されたかなどの履歴を記述できる。
【0027】
上記に例として示した2種類の条件事項は自由に組み合わせて記述できる。組み合わせについても、複数の条件事項のすべてを満たすこと(AND)、複数の条件事項のうち1つを満たすこと(OR)がある。さらにこれら2種類の条件事項を入れ子にして記述することもできる。
【0028】
これにより、
・ロゴを挿入するか、音声を置き換えるかのどちらかを満たす
・写真を挿入し、なおかつ動画を挿入する
・ロゴを挿入するか、写真と動画を挿入するか、のどちらかを満たす
といった条件事項を記述でき、柔軟な条件事項の記述が可能となる。
【0029】
図2は利用条件123の記述例を示す。
【0030】
図2の1行目はXMLの仕様で規定されたXML宣言であり、この例ではXMLのバージョンが1.0であり、文字コードがShift-JISであることを示す。これはXMLの仕様で規定されたものであり利用条件固有の記述ではない。
【0031】
2行目の<requirements>は、利用条件の記述が開始することを宣言するもので、2行目の<requirements>から最終行の</requirements>までの間の記述が利用条件についての記述である。
【0032】
3行目と14行目の「<!--」で始まる行は、コメントである。コメントの記述はXMLの文法に従っており、利用条件固有の記述ではない。
【0033】
4行目の<requirement level="must">から13行目の</requirement>までは強制の条件事項について記述である。15行目の<requirement level="should">から17行目の</requirement>までが推奨の条件事項についての記述である。「level=””」が強制度を示しており、””の中にmustを記述した場合は「強制」、””の中にshouldを記述した場合には「推奨」を意味する。「強制」の場合、記述された条件事項を満たせない場合には、プレイリストに基づく再生は行われない。「推奨」の場合、記述された条件事項を満たせなかった場合でも、再生は行われる。
【0034】
5行目<and>と8行目</and>は、これらの間に囲まれた6行目・7行目に書かれた条件事項の両方を満たす必要があることを示す。9行目<or>と12行目</or>は、これらの間に囲まれた10行目・11行目に書かれた条件事項のうちいずれか1つを満たす必要があることを示す。この例において、ANDとORの条件は並列となっているため、7行目・8行目のすべての条件事項と、9行目と10行目のうちいずれか1つの条件事項とが満たされるとき、「強制」の条件事項が満たされたと判断される。
【0035】
6行目・7行目・10行目・11行目・16行目の条件事項の内容について具体的に説明する。6行目と7行目の条件事項はどちらもどこの場所でも良いが常に画像を表示することを要求する。<addImage>は画像の表示を要求する命令であり、fileは表示する画像のファイル名、”when”は画像を表示する時間あるいはタイミング(”always”は常に表示することを意味する)、”where”は画面上で表示する位置あるいは場所(”none specified”は任意の場所を意味する)を示している。画像を表示する時間はここではalways(プレイリストの全再生時間の間)の場合を示したが、本発明はこれに限定されず、たとえば全再生時間のうち半分の時間、数値による具体的な時間など、他の時間を指定してもよい。また、画面上の表示場所も、任意ではなく、具体的な場所を指定してもよい。”when”によって指定する値はたとえば第1の時間に相当し、”where”によって指定する値はたとえば第1の位置に相当する。また”file”によって指定するファイル名は、たとえば第1のリソースに相当する。
【0036】
10行目・11行目・16行目の条件事項は、情報の送信を要求する。<sendInfo>は情報の送信を要求する命令であり、keyは送信する情報の種類を指定する。”user_info”はユーザの個人情報(たとえばユーザのEメールアドレス、氏名、住所など)であり、”user_history”はユーザの利用履歴(たとえばユーザがいままでに用いた、コンテンツあるいはリソースの情報、ユーザがいままでに用いたシナリオの情報)である。ユーザの個人情報および利用履歴は、ユーザ情報の一例である。
【0037】
次にシナリオストレージ110が記憶するシナリオ111について説明する。
【0038】
シナリオ111は、1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルール113と、当該出力ルール113の読み出し方法を指定したプレイリスト112と、コンテンツの識別子等の詳細情報とを含む。
【0039】
プレイリスト112は、XMLなどのマークアップ言語によって記述され、プレイリスト112のファイルサイズが大きくなった場合には、リンクなどによって別のファイルへ分割することも可能である。プレイリスト112に含まれる上記詳細情報には
(1)シナリオ提供者の作者情報、配信元URLおよびシナリオ提供者のメタデータと、
(2)利用するコンテンツ121の識別情報としてコンテンツ名、配信元URLおよびコンテンツ提供者情報と
が記述されている。
【0040】
出力ルール113は、1つ以上のリソース(リソース組)を変換・合成する方法を定めた記述を含む。すなわち、出力ルール113には、各リソース(画像、動画、音楽および文字(テキスト)など)をどのように合成して表示するかが記述される。具体的には、出力ルール113は、画像、動画、テキストなど画面上に表示される各リソースについて画面中の表示場所、表示するタイミング、表示する時間の長さなどを指示する。また、出力ルール113は、音声のリソース、または動画の音声のリソースについて、再生の開始・終了タイミングと、再生する長さや音量と、その変化量や変化するタイミングなどを指示する。出力ルール113には、1つ以上の利用するリソース122の識別子(ファイル名、URLあるいはIDなど)の記述と、これらのリソース122の再生方法(合成方法)の記述とが含まれる。出力ルール113はXMLなどの記述言語によって記述され、ファイルとしては1つのシナリオ内に複数の出力ルール113が存在してもよい。
【0041】
ここで出力ルール113には、リソースを追加的に埋め込む(追加的に再生する)ことを許容するリソース埋め込み情報(リソース追加情報)を記述することもできる。これは本実施形態の大きな特徴のひとつである。これにより、利用条件123に「ある1つのリソースを追加する」という条件事項が含まれる場合、このリソース埋め込み情報で指定した場所に、上記ある1つのリソースが追加されるように、出力ルール113に変更を加えることができる。
【0042】
図3は、出力ルール113の一例を示す。
【0043】
1行目は音声ファイル”bgm.mp3”のリソースを常時再生する指示、2行目は画像ファイル”res/tenkizu.jpg”のリソースを指定した場所に表示する指示を示す。そして、3行目はリソース埋め込み情報として画像を埋め込むための場所を確保する指示を示す。具体的には、左上の座標が(20,10)であり、かつ横幅200および縦幅80をもつ矩形領域に、任意のリソースを埋め込み可能であることを示す。このように、リソース埋め込み情報は、情報合成部150の処理によって変更を加えることが可能な領域を設定する。埋め込んだ画像を表示できる時間はここでは特に制約がなく、したがって当該出力ルール113に対応する再生の間は常時、表示可能であるとする。リソース埋め込み情報、表示可能な時間の制限を記述してもよい。
【0044】
次にシナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130により行われる処理の詳細について図4〜図13を用いて説明する。
【0045】
図4はシナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130の処理の流れを概略的に示すフロー図である。
【0046】
シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130はシナリオストレージ110からシナリオ111を読み込み(S11)、読み込んだシナリオ111のプレイリスト112に含まれるコンテンツ名(コンテンツ識別子)に基づきコンテンツ121をコンテンツストレージ120から読み込む(S12)。
【0047】
読み出したコンテンツ121の利用条件123と、シナリオ111に含まれる各出力ルール113とを解析し(S13)、利用条件123に記述されている強制の条件事項を検出し、検出した強制の条件事項を満たすための処理を行う(S14)。ステップS14の詳細は後述する。
【0048】
ステップS14の処理の結果は利用不可フラグとして返され、利用不可フラグがON、つまり強制の条件事項を満たしていない場合には(S15のON)、読み込んだシナリオ111とコンテンツ121に基づいた情報の再生を中止する(S16)。
【0049】
一方、利用不可フラグがOFF、つまり強制の条件事項を満たしていた場合には(S15のOFF)ステップS17へ進み、利用条件中の推奨の条件事項を満たすための処理を行う。ステップS17の詳細は後述する。
【0050】
推奨の条件事項が満たされるか否かに関わらず、次のステップS18では、コンテンツ121の各リソース122と、各出力ルール113(強制の条件事項および推奨の強制事項を満たすための処理により修正されている場合もある)と、プレイリスト112とを情報合成部150に渡して情報合成(再生)を依頼する。
【0051】
図5は、図4のステップS14(利用条件中の強制の条件事項処理)およびステップS15の詳細な処理手順を示したフロー図である。
【0052】
まず、利用条件123の記述から、条件事項を1件読み込む(S21)。
【0053】
読み込んだ条件事項の内容をチェックし(S22)、その内容によってステップS23とステップS24に分岐する。
【0054】
読み込んだ条件事項が、出力ルール113(リソースの利用方法)を変更するものであった場合(S22の「出力ルールの変更」)、出力ルール113に変更を加える処理を行う(S23)。変更する対象となる出力ルール113は、出力ルール113が変更を許容する限り、任意に選択できる。本ステップの処理の詳細を一例として示したのが図6と図7である。図6は出力ルールに変更を加える処理が成功した場合、図7は変更を加える処理が失敗した場合を示している。
【0055】
図6において、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130は、出力ルール113の変更(たとえばlogo.jpgを画面上のどこかに(where=”none specified”)、常に(when=”always”)、表示すること)を要求する強制の条件事項を発見したら(A11)、各出力ルール113からリソース埋め込み情報を検索し(A12)、見つけたリソース埋め込み情報を、実際に埋め込むリソースの情報に書き換える(A13)。すべての出力ルール113について埋め込みリソースの情報を書き換えたら、処理の成功を示す値(たとえば○)をチェックテーブル(後述する図9参照)に書き込む(A14)。
【0056】
一方、図7において、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130は、出力ルール113の変更(たとえばlogo.jpgを画面上のどこかに(where=”none specified”)、常に(when=”always”)、表示すること)を要求する強制の条件事項を発見したら(B11)、出力ルール113からリソース埋め込み情報を検索する(B12)。少なくとも1つの出力ルール113においてリソース埋め込み情報が見つからなかったため、当該条件事項を満たすことができないと判断し、処理の不成功を示す値(たとえば×)をチェックテーブルに書き込む(B13)。
【0057】
図5において、読み込んだ条件事項が、コンテンツ提供者にフィードバックとして特定の情報の送信を要求するものであった場合(S22の「情報送信」)、コンテンツ利用情報送信部140に情報送信処理を依頼する(S24)。この処理の詳細フローの例を示したのが図8である。図8において、特定の情報(ここではユーザ情報)を送信する強制の条件事項を発見したら(C11)、ユーザ情報データベースからユーザ情報の取得を試み(C12)、ユーザ情報を取得できた場合にはコンテンツ利用情報送信部140に、ユーザ情報と、コンテンツ121に含まれるコンテンツ提供者のURLとを渡すことにより、コンテンツ提供者300への情報送信を依頼する(C14)。そして処理の成功を示す値をチェックテーブルに書き込む(C15)。一方、ユーザ情報を取得できなかった場合は、条件事項を満たすことができないと判断し、処理の不成功を示す値をチェックテーブルに書き込む(C16)。
【0058】
ここで、ステップC12で行うユーザ情報の取得が可能かどうかはたとえば以下のようにして判定できる。すなわち、ユーザからユーザ情報の送信を許可するか否かを示す指示データを受け取り、指示データが許可を示すときはユーザ情報の取得が可能であり、不許可を示すときは不可であると判定する。あるいは、ユーザ情報の送信を許可するか否かを示した情報をあらかじめ指定された記憶領域にアクセスして参照し、当該情報が許可を示すときはユーザ情報の取得が可能であり、不許可を示すときは不可であると判定する。
【0059】
図5のステップS23またはS24が終了すると、次の強制の条件事項があるかどうかをチェックし(S25)、次の強制の条件事項がある場合には(S25の「ある」)、ステップS21に戻る。すべての強制の条件事項について、ステップS21〜S25の処理を、繰り返し行う。
【0060】
すべての強制の条件事項に対して処理を終えた場合(S25の「ない」)、ステップS23とS24で記録したチェックテーブルを用いて、利用不可フラグをOFFまたはONに設定する(S26)。ここでチェックテーブルの一例を図9に示す。チェックテーブルには、各強制の条件事項の関係(AND、OR)と、各強制の条件事項の評価結果(本例では満たすときは○、満たさないときは×)が含まれている。このチェックテーブルに基づき、論理演算を行い、強制の条件事項全体として条件が満たされる場合には(ANDで結ばれた条件事項が全て○で、ORで結ばれた条件事項のうち少なくとも1つが○であるとき)は、利用不可フラグをOFFに、満たさない場合には利用不可フラグをONに設定する。
【0061】
図10は、図4のステップS17(利用条件中の推奨の条件事項処理)の詳細な処理手順を示したフロー図である。
【0062】
推奨の条件事項の場合、処理に成功したか否かは問わないため、処理が成功したかどうかの判別を行わない。そのため、図5のフローチャート(強制の条件事項の処理手順)と比較すると、チェックテーブルを用いた出力可否の判別を行わない点が異なる。それ以外については図5のフローチャートと同様である。図10のステップS31〜S35は、図5のステップS21〜S25にそれぞれ対応する。
【0063】
図10のステップS33(推奨の条件事項の場合に、出力ルールに変更を加える処理)で処理が成功した例を図11に示す。ステップA21〜A23は図6のステップA11〜A13と同様であるが、チェックテーブルを用いた判別を行わないため、ステップA14に相当する処理が存在しない。
【0064】
また、図10のステップS33で処理が失敗した例を図12に示す。ステップB21〜B22は、図7のステップB11〜B12と同様であるが、チェックテーブルを用いた判別を行わないため、ステップB13に相当する処理は存在しない。
【0065】
また、ステップS34(推奨の条件事項の場合、ユーザ情報を送信する処理)の処理の例を図13に示す。ステップC21〜C24は、強制の場合のフローチャート(図8)のステップC11〜C14と同様であるが、チェックテーブルを用いた判別を行わないため、ステップC15〜C16に相当する処理は存在しない。
【0066】
次に情報合成部150について説明する。情報合成部150はシナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130から、プレイリストにより指定される読み出し方法により出力ルール113を読み出し、この出力ルール113で利用される1つ以上のリソース122とを受け取る。そして、情報合成部150は、出力ルール113に従ってこれら1つ以上のリソース122を合成して、再生データを生成し、生成した再生データを図示しない表示装置に出力する。
【0067】
次にコンテンツ利用情報送信部150について説明する。
【0068】
コンテンツ利用情報送信部150は、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130からコンテンツ提供者300のURLと、送信情報(たとえばユーザ情報)とを受け取り、コンテンツ提供者300に対して、当該送信情報を送信する処理を行う。
【0069】
このように、本実施形態によれば、コンテンツ121の利用条件123に従ってシナリオ111の出力ルール113に変更を加えることで、コンテンツ提供者300の権利を守ることが可能となる。また、コンテンツ121の利用条件123に従って情報再生装置100が持つ情報をコンテンツ提供者300に送信することで、コンテンツ提供者300はコンテンツを利用するユーザから所望の情報を得ることが可能となる。
【0070】
なお、この情報再生装置100は、例えば、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。すなわち、シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130、情報合成部140、コンテンツ利用情報送信部150を上記のコンピュータ装置に搭載されたプロセッサにプログラムを実行させることにより実現することができる。このとき情報再生装置100は、上記のプログラムをコンピュータ装置にあらかじめインストールすることで実現してもよいし、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶して、あるいはネットワークを介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータ装置に適宜インストールすることで実現してもよい。また、シナリオストレージ110およびコンテンツストレージ120は、上記のコンピュータ装置に内蔵あるいは外付けされたメモリ、ハードディスクもしくはCD−R、CD−RW、DVD−RAM、DVD−Rなどの記憶媒体などを適宜利用して実現することができる。
【0071】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施の形態としての情報再生装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図2】利用条件123の記述例を示す図。
【図3】出力ルール113の一例を示す図。
【図4】シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部130の処理の流れを概略的に示すフロー図。
【図5】図4のステップS14、S15の詳細な処理手順を示したフロー図。
【図6】図5のステップS15の処理が成功した例を示す図。
【図7】図5のステップS15の処理が失敗した例を示す図。
【図8】図5のステップS24の詳細フローの例を示す図。
【図9】チェックテーブルの一例を示す図。
【図10】図4のステップS16の詳細な処理手順を示したフロー図。
【図11】図10のステップS33で処理が成功した例を示す図。
【図12】図10のステップS33で処理が失敗した例を示す図。
【図13】図10のステップS34の処理の例を示す図。
【符号の説明】
【0073】
100:情報再生装置
110:シナリオストレージ
111:シナリオ
112:プレイリスト
113:出力ルール
120:コンテンツストレージ
121:コンテンツ
122:リソース
123:利用条件
130:シナリオ内コンテンツ利用方法チェック部(読み出し部、条件処理部)
140:コンテンツ利用情報送信部(データ送信部)
150:情報合成部(再生処理部)
160:ユーザ情報データベース
200:シナリオ提供者(シナリオ提供サーバ)
300:コンテンツ提供者(コンテンツ提供サーバ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出す読み出し部と、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行う条件処理部と、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力する再生処理部と、
を備えた情報再生装置。
【請求項2】
各前記条件事項には、複数の中から選択された強制レベルがそれぞれ設定され、
前記再生処理部は、最高の強制レベルが設定された条件事項に関して、その条件事項を満足させることができないときは、前記プレイリストに基づく再生出力を行わないことを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記条件事項のうちの1つは、各前記複数の出力ルールで利用されるリソースと異なる第1のリソースを、再生することを定め、
前記条件処理部は、前記第1のリソースが再生されるように前記複数の出力ルールの少なくともいずれかを変更する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記条件事項のうちの1つは、前記第1のリソースを第1の時間の間、再生することを定め、
前記条件処理部は、前記第1の時間の間、前記第1のリソースが再生されるように前記複数の出力ルールの少なくともいずれかを変更する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記条件処理部は、前記第1のリソースの合成を許可するリソース追加情報をもつ出力ルールを、変更可能な出力ルールとして特定する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の情報再生装置。
【請求項6】
前記条件事項のうちの1つは、さらに前記第1のリソースを画面上の第1の位置に再生することを定め、
前記条件処理部は、前記第1のリソースが前記画面上の前記第1の位置で合成されるように前記複数の出力ルールの少なくともいずれかを変更する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報再生装置。
【請求項7】
前記条件処理部は、さらに前記第1のリソースを前記第1の位置に合成することを許可する前記リソース追加情報をもつ出力ルールを、前記変更可能な出力ルールとして特定する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報再生装置。
【請求項8】
所定の情報を格納する情報データベースと、
データを送信するデータ送信部と、をさらに備え、
前記条件事項のうちの別の1つは、あらかじめ指定されたアドレスに前記情報データベース内の前記所定の情報を送信することを定め、
前記条件処理部は、前記所定の情報を前記情報データベースから読み出し、読み出した所定の情報を、前記データ送信部を用いて、前記あらかじめ指定されたアドレスに送信する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報再生装置。
【請求項9】
前記条件処理部は、ユーザから前記所定の情報の送信を許可するか否かを示す指示データを受け取ることにより前記条件事項のうちの別の1つを満足させることが可能かどうかを決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報再生装置。
【請求項10】
前記条件処理部は、あらかじめ指定された情報記憶部にアクセスして前記所定の情報の送信を許可するか否かを示したデータを読み出すことにより、前記条件事項のうちの別の1つを満足させることが可能かどうかを決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報再生装置。
【請求項11】
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、を用意し、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出し、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行い、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力する、
ことを特徴とする情報再生方法。
【請求項12】
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、
にアクセスするステップと、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出すステップと、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行うステップと、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力するステップと、
ことをコンピュータに実行させるための情報再生プログラム。
【請求項1】
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出す読み出し部と、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行う条件処理部と、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力する再生処理部と、
を備えた情報再生装置。
【請求項2】
各前記条件事項には、複数の中から選択された強制レベルがそれぞれ設定され、
前記再生処理部は、最高の強制レベルが設定された条件事項に関して、その条件事項を満足させることができないときは、前記プレイリストに基づく再生出力を行わないことを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記条件事項のうちの1つは、各前記複数の出力ルールで利用されるリソースと異なる第1のリソースを、再生することを定め、
前記条件処理部は、前記第1のリソースが再生されるように前記複数の出力ルールの少なくともいずれかを変更する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記条件事項のうちの1つは、前記第1のリソースを第1の時間の間、再生することを定め、
前記条件処理部は、前記第1の時間の間、前記第1のリソースが再生されるように前記複数の出力ルールの少なくともいずれかを変更する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記条件処理部は、前記第1のリソースの合成を許可するリソース追加情報をもつ出力ルールを、変更可能な出力ルールとして特定する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の情報再生装置。
【請求項6】
前記条件事項のうちの1つは、さらに前記第1のリソースを画面上の第1の位置に再生することを定め、
前記条件処理部は、前記第1のリソースが前記画面上の前記第1の位置で合成されるように前記複数の出力ルールの少なくともいずれかを変更する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報再生装置。
【請求項7】
前記条件処理部は、さらに前記第1のリソースを前記第1の位置に合成することを許可する前記リソース追加情報をもつ出力ルールを、前記変更可能な出力ルールとして特定する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報再生装置。
【請求項8】
所定の情報を格納する情報データベースと、
データを送信するデータ送信部と、をさらに備え、
前記条件事項のうちの別の1つは、あらかじめ指定されたアドレスに前記情報データベース内の前記所定の情報を送信することを定め、
前記条件処理部は、前記所定の情報を前記情報データベースから読み出し、読み出した所定の情報を、前記データ送信部を用いて、前記あらかじめ指定されたアドレスに送信する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報再生装置。
【請求項9】
前記条件処理部は、ユーザから前記所定の情報の送信を許可するか否かを示す指示データを受け取ることにより前記条件事項のうちの別の1つを満足させることが可能かどうかを決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報再生装置。
【請求項10】
前記条件処理部は、あらかじめ指定された情報記憶部にアクセスして前記所定の情報の送信を許可するか否かを示したデータを読み出すことにより、前記条件事項のうちの別の1つを満足させることが可能かどうかを決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報再生装置。
【請求項11】
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、を用意し、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出し、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行い、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力する、
ことを特徴とする情報再生方法。
【請求項12】
複数のリソースと、前記複数のリソースを利用するために必要な1つ以上の条件事項を定めた利用条件と、を保持したコンテンツを記憶するコンテンツストレージと、
前記1つ以上のリソースからなるリソース組の合成方法を定義した複数の出力ルールと、当該出力ルールの読み出し方法を指定したプレイリストと、を保持したシナリオを記憶するシナリオストレージと、
にアクセスするステップと、
前記シナリオストレージおよび前記コンテンツストレージから前記シナリオおよび前記コンテンツを読み出すステップと、
前記コンテンツに含まれる前記利用条件により定められた各前記条件事項を満足させるための処理を行うステップと、
前記プレイリストにより指定される読み出し方法により読み出された出力ルールに従って前記リソース組の合成結果を再生出力するステップと、
ことをコンピュータに実行させるための情報再生プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−217905(P2009−217905A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61375(P2008−61375)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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