説明

情報再生装置

【課題】プレイリストに応じてオブジェクトが再生される場合、その再生状況をライブでユーザにわかりやすく表示する。
【解決手段】複数のオブジェクトを任意に単独及び又は多重化させて再生時間を指定するプレイリストを管理したナビゲーションマネージャ113と、オブジェクトを取り込むデータアクセスマネージャ111と、取り込まれたオブジェクトをプレイリストに応じて仮保存しまた出力するデータキャッシュ112と、デコーダとしてのプレゼンテーションエンジン115と、デコード後オブジェクトを出力するAVレンダラ116と、プレイリストに応じて出力中のオブジェクトの種類を解析するライブ情報解析器121と、前記解析結果に対応して出力中のオブジェクトのオブジェクト識別情報を出力する状況表示データ記憶部122を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報再生装置に関するものであり、特に、ディスクから再生した複数の表示用オブジェクトを取り扱うことができ、さらに加えて、インターネット及び接続メモリなどから情報を取り込み表示部へ出力することができる装置に対して有効となるものである。
【背景技術】
【0002】
最近では、Digital Versatile Disk (DVD)及びその再生装置が普及し、また、高密度記録、高画質記録を行うことができるHigh Definition DVD, High Density DVD、いわゆるHD DVDとその再生装置も開発されている。
【0003】
DVDにおいては、情報記憶容量が4.7Gバイトと増大したために、複数のビデオストリーム(例えばマルチアングルのストリーム)を記録することが可能である。一方、再生装置においては、複数のビデオストリームのうち現在どのストリーム(アングル)が再生されているのかをユーザにわかる様にアングルマークを表示する工夫もなされている(例えば特許文献1)。これにより、ユーザは、再生装置が再生しているアングルを認識し、また、アングルの切り換えが可能であることも認識することができる。このように再生装置は、ユーザに対して再生状況を提示する機能を持ち、ユーザが再生装置を操作するとき及び映像を視聴しているときの再生状況の認識を高めている。
【特許文献1】特開2003−87746公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近開発された、HD DVD規格に対応する情報再生装置においては、アドバンスドコンテンツ再生機能を有する。HD DVD規格では、ビデオ表示に関して、プライマリビデオセット(Primary Video Set)が定義されており、このビデオセットに含まれるストリームは、アドバンスドビデオタイトルセット(アドバンスドVTS)として管理される。このVTSは、一つのメインビデオストリーム、一つのサブビデオストリーム、8つのメインオーディオストリーム、8つのサブオーディオストリームを保持することができる。
【0005】
メインビデオ、サブビデオは、各々単独で表示される形態、あるいは両方が同時に表示される形態のいずれも可能である。この表示形態は、同じくHD DVD規格で規定されているプレイリストに応じて切り替わる。また、プレイリストにより特定されたアプリケーションに応じて、メインビデオとサブビデオの表示位置、表示サイズなどもコントロールされる。また別のプレイリストにより、メインビデオ、サブビデオなどのオブジェクトの表示期間、表示順序などをタイムライン(Timeline)上に並べかえることもできる。
上記したように、プレイリスト及びアプリケーションなどで、複数種のビデオオブジェクトを任意に単独表示、多重表示などを実現できる再生装置では、表示画面に現在表示されている再生状況をユーザが把握するのは困難である。アプリケーションによっては、サブビデオが画面全体に表示された状態となることもあり得る。このような場合、ユーザは、表示されているサブビデオ画面をメインビデオ画面とと誤認する場合があり得る。ユーザがこのような誤認を生じると、装置の機能操作を間違ったり、映像で提供されるストーリーに誤解を生じたりする可能性を秘めている。また、このように多種のオブジェクトを任意に並べることができる情報再生装置では、従来のようなアングル表示機能では用を足さないことになる。
【0006】
そこで、この発明の目的は、プレイリストに応じて再生順序の組み換え、多重再生の組み換えが多様に行われて、単独再生又は多重再生が行われる複数のオブジェクトが再生される場合、その再生状況をライブでユーザにわかりやすく表示することができる情報再生装置及び再生状況表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するためにこの発明の一面では、独立した複数のオブジェクトの再生時間を任意に単独及び又は多重化させて指定するプレイリストと、前記プレイリストに基づいて情報源から取り込まれた前記オブジェクトを、前記プレイリストで指定されている再生時間に対応する順で出力するデータキャッシュと、前記データキャッシュから出力された前記オブジェクトを対応したデコーダでデコードするプレゼンテーションエンジンと、前記デコーダでデコード後のオブジェクトを出力又は合成出力するAVレンダラとを有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記の手段によると、多種類のオブジェクトが単独又は多重化されて表示部に出力されていても、プレイリスト解析により、オブジェクトの識別情報を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明の基本概念を示すブロック図である。この発明に係る情報記録媒体、情報伝送媒体、情報処理方法及び装置、情報再生方法及び装置、情報記録方法及び装置では、データフォーマット及びその取り扱い方法に新しい有効な工夫が施されている。このために、リソースの中でも特にビデオ、オーディオ、その他のプログラムなどのデータを再利用できるとともに、また、複数のリソースの組み合わせ変更の自由度が高いものとなっている。このことは、以下に説明する各部分構成、機能、作用によって明らかになる。
【0010】
<はじめに>
コンテンツの種類について説明する、
ここで記載する説明では2種類のコンテンツについて定めている。一つは標準コンテンツ(Standard Content)、もう一つはアドバンスドコンテンツ(Advanced Content)である。標準コンテンツはナビゲーションデータとディスク上のビデオオブジェクトで構成され、またこれはDVD-ビデオ規格第1.1版を拡張したものである。
【0011】
一方、アドバンスドコンテンツは、プレイリスト(Playlist)、ローディングインフォメーション(Loading Information)、マークアップ(Markup)、スクリプトファイル(Script files)などのアドバンスドナビゲーション(Navigation data)と、プライマリ/セカンダリビデオセット(Primary/Secondary Video Set)などのアドバンスドデータ(Advanced data)、およびアドバンスドエレメント(Advanced Element)(画像、オーディオ、テキストなど)で構成される。
【0012】
少なくとも一つのプレイリストファイルとプライマリビデオセットをディスク上に位置づける必要があり、その他のデータはディスク上に置いても、サーバから取り込んでもよい。
【0013】
<標準コンテンツ(Standard Content)>(図1(A)参照)
標準コンテンツは、DVD-ビデオ規格第1.1版に定めるコンテンツを、特に高解像度ビデオ、高品質オーディオ、いくつかの新機能について、拡張したものである。標準コンテンツは基本的に、一つのVMGスペースと一つまたは複数のVTSスペース(「標準VTS」または単に「VTS」と呼ばれる)で構成される。
【0014】
<アドバンスドコンテンツ(Advanced content)>(図1(B)参照)
アドバンスドコンテンツは、標準コンテンツで実現されるオーディオとビデオの拡張に加え、より高度なインタラクティブ性(interactivity)を実現する。アドバンスドコンテンツは、プレイリスト、ローディングインフォメーション、マークアップ、スクリプトファイルなどのアドバンスドナビゲーションと、プライマリ/セカンダリビデオセットなどのアドバンスドデータ、およびアドバンスドエレメント(画像、オーディオ、テキストなど)で構成され、アドバンスドナビゲーションはアドバンスドデータの再生を管理する。
【0015】
XMLで記述されるプレイリストはディスク上にあり、ディスク上にアドバンスドコンテンツがある場合、プレイヤはまずこのファイルを実行する。このファイルで次の情報が提供される。
【0016】
・オブジェクトマッピング情報(Object Mapping Information): タイトルタイムライン(Title Timeline)上にマッピングされたプレゼンテーションオブジェクトのためのタイトル内の情報である、
・再生シーケンス(Playback Sequence): タイトルタイムラインにより記述される、各タイトル用の再生情報である、
・構成情報(Configuration Information): データバッファアラインメントなどのシステム構成情報である。
【0017】
プレイリスト(Play List)の記述に従って最初のアプリケーションが、プライマリ/セカンダリビデオセットなどがある場合はこれらを参照しつつ、実行される。一つのアプリケーションは、ローディングインフォメーション(Loading Infnformation)、マークアップ(Markup)(これにはコンテンツ/スタイリング/タイミング情報が含まれる)、スクリプト(Script)、アドバンスドデータで構成される。アプリケーションを構成する、最初の一つのマークアップファイル、スクリプトファイルやその他のリソースは、一つのローディングインフォメーションファイルの中で参照する。マークアップにより、プライマリ/セカンダリビデオセットなどのアドバンスドデータ、およびアドバンスドエレメントの再生が開始される。
【0018】
プライマリビデオセット(Praimary Video Set)の構造は、このコンテンツ専用の一つのVTSスペースで構成されている。すなわち、このVTSにはナビゲーションコマンドがなく多層化構造がないが、TMAP情報などがある。また、このVTSは、一つのメインビデオストリーム、一つのサブビデオストリーム、8つのメインオーディオストリーム、8つのサブオーディオストリームを保持することができる。このVTSは「アドバンスドVTS」と呼ばれている。
【0019】
セカンダリビデオセット(Secondary Video Set)は、プライマリビデオセットにビデオ/オーディオデータを追加する際に使用し、またオーディオデータだけを追加する場合にも使用する。ただし、このデータは、プライマリビデオセット内のビデオ/オーディオストリームの再生が行われていない場合に限り、再生することができ、この逆も同様である。
【0020】
セカンダリビデオセットは、ディスク上に記録されるか、あるいは一つまたは複数のファイルとしてサーバから取り込まれる。このファイルは、データがディスク上に記録されており、しかもプライマリビデオセットとともに、同時に再生する必要がある場合は、再生前に一旦ファイルキャッシュに保存される。一方、セカンダリビデオセットがウェブサイト上にある場合は、このデータ全体を一旦ファイルキャッシュに保存するか(「ダウンローディング」)、またはこのデータの一部をストリーミングバッファに連続的に保存する必要があり、保存されたデータは、サーバからデータをダウンロードする間にバッファオーバフローを起こすことなく、同時に再生される。(「ストリーミング」)図1(B)には、アドバンスドコンテンツの構成例がある。
【0021】
*アドバンスドビデオタイトルセット(Advanced VTS)の説明
アドバンスドVTS(プライマリビデオセットとも呼ばれる)は、アドバンスドナビゲーション用のビデオタイトルセットで利用される。すなわち、標準VTSに対応するものとして次のものが定められている。
【0022】
1) EVOBのより進んだエンハンスメント
−1つのメインビデオストリーム、1つのサブビデオストリーム
−8つのメインオーディオストリーム、8つのサブオーディオストリーム
−32のサブピクチャストリーム
−1つのアドバンスドストリーム
2) エンハンスドEVOBセット(EVOBS)の統合
−メニューEVOBSとタイトルEVOBSの両方の統合
3) 多層化構造の解消
−タイトルなし、PGC(プログラムチェーン)なし、PTT(パートオブタイトル)なし、Cell(セル)なし
−ナビゲーションコマンドとUOP(ユーザオペレーション)制御のキャンセル
4) 新しいタイムマップ情報(TMAP)の導入
−一つのTMAPIが一つのEVOBに対応し、一つのファイルとして保存される。
【0023】
−NV_PCK内の情報の一部は簡単化される。
【0024】
*相互運用可能なVTS(Interoperable VTS)の説明
相互運用可能なVTSは、HD DVD-VR規格でサポートされるビデオタイトルセットである。本規格すなわちHD DVD-ビデオ規格では、相互運用可能なVTSはサポートされておらず、すなわちコンテンツの著者は相互運用可能なVTSを含むディスクを作成することはできない。ただし、HD DVD-ビデオプレイヤは相互運用可能なVTSの再生をサポートする。
【0025】
<ディスクタイプ>
本規格では、次に定める3種類のディスク(カテゴリ1のディスク/カテゴリ2のディスク/カテゴリ3のディスク)が認められる。
【0026】
*カテゴリ1のディスクの説明
このディスクには、一つのVMGと一つまたは複数の標準VTSで構成される標準コンテンツのみが含まれる。すなわち、このディスクにはアドバンスドVTS、アドバンスドコンテンツは含まれない。構成例については図2(A)を参照。
【0027】
*カテゴリ2のディスクの説明
このディスクには、アドバンスドナビゲーション、プライマリビデオセット(アドバンスドVTS)、セカンダリビデオセットおよびアドバンスドエレメントで構成されるアドバンスドコンテンツのみが含まれる。すなわち、このディスクにはVMGや標準VTSなどの標準コンテンツは含まれない。構成例については図2(B)を参照。
【0028】
*カテゴリ3のディスクの説明
このディスクには、アドバンスドナビゲーション、プライマリビデオセット(アドバンスドVTS)、セカンダリビデオセットおよびアドバンスドエレメントで構成されるアドバンスドコンテンツと、VMG(ビデオマネージャー)と一つまたは複数の標準VTSで構成される標準コンテンツが含まれる。ただし、このVMG にはFP_DOMもVMGM_DOMも存在しない。構成例については図2(C)を参照。
【0029】
このディスクには標準コンテンツが含まれるが、基本的にこのディスクはカテゴリ2のディスクの規則に従い、さらにまた、このディスクにはアドバンスドコンテンツ再生状態から標準コンテンツ再生状態への遷移とこの逆の遷移が含まれる。
【0030】
*アドバンスドコンテンツによる標準コンテンツの利用についての説明
標準コンテンツはアドバンスドコンテンツにより利用することができる。アドバンスドVTSのVTSI(ビデオタイトルセット情報)はEVOBを参照することができ、後者も、標準VTSのVTSIによりTMAPを使用して参照することができる。ただし、EVOBにはHLI(ハイライト情報)、PCI(プログラムコントロール情報)などを含めることができ、これはアドバンスドコンテンツではサポートされていない。こうしたEVOBの再生では、例えばHLIやPCIはアドバンスドコンテンツでは無視されることになる。図3には、上記のように標準コンテンツが利用されるときの様子を示している。
【0031】
標準コンテンツ/アドバンスドコンテンツ間の遷移(Transition between Standard/Advanced Content Playback State)の説明
カテゴリ3のディスクに関しては、アドバンスドコンテンツと標準コンテンツはそれぞれ独自に再生される。図4に、このディスクの再生状態の遷移図を示す。まず、アドバンスドナビゲーション(すなわちプレイリストファイル)が「初期状態(Initial State)」で解釈され、ファイルに従って、アドバンスドコンテンツ内の最初のアプリケーションが「アドバンスドコンテンツ再生状態(Advanced Content Playback State)」で実行される。この場合、アドバンスドコンテンツが再生される間に、プレイヤは、例えばCallStandardCotentPlayerなどの指定されたコマンドを、再生位置を指定するアーギュメントを付けて、スクリプトを介して実行することで、標準コンテンツを再生することができる。
【0032】
また、標準コンテンツが再生される間に、プレイヤは、例えばCallAdvancedCotentPlayerといったナビゲーションコマンドなどの指定コマンドを実行することで、アドバンスドコンテンツ再生状態に戻ることができる。
【0033】
アドバンスドコンテンツ再生状態では、アドバンスドコンテンツはシステムパラメータ(SPRM(1)からSPRM(10)まで)の読み込み/設定を行うことができる。遷移の間に、SPRMの値は連続的に保持される。例えば、アドバンスドコンテンツ再生状態ではアドバンスドコンテンツは、遷移後の標準コンテンツ再生状態での適切なオーディオストリームの再生のための現在のオーディオ再生状態に応じて、オーディオストリーム用にSPRMを設定する。標準コンテンツ再生状態にあるユーザがオーディオストリームを変更しても、遷移後にアドバンスドコンテンツはオーディオストリーム用にSPRMを読み込んで、アドバンスドコンテンツ再生状態におけるオーディオ再生状態を変更する。
【0034】
<論理的データ構造>
ディスクの構造は、一つのボリュームスペース、一つのビデオマネージャ(VMG)、一つのビデオタイトルセット(VTS)、一つのエンハンスドビデオオブジェクトセット(EVOBS)、およびここで述べるアドバンスドコンテンツで構成されたものになっている。
【0035】
<ボリュームスペースの構造>
図5に示すように、HD DVD-ビデオのディスクのボリュームスペースは次のような要素で構成される。1) ボリュームおよびファイル構造(Volume and File structure)。これはUDF構造用に割り当てられる、
2) 単一の「DVD-ビデオゾーン(DVD-Video zone)」。これはDVD-ビデオフォーマットのデータ構造用に割り当てられることがある、
3) 単一の「HD DVD-ビデオゾーン(HD DVD-Video zone)」。これはDVD-ビデオフォーマットのデータ構造用に割り当てられることがある。このゾーンは「標準コンテンツゾーン」と「アドバンスドコンテンツゾーン」で構成される、
4) 「DVDその他のゾーン(DVD others zone)」、これはDVD-ビデオでもHD DVD-ビデオでもないアプリケーション用に使用されることがある。
【0036】
HD DVD-ビデオゾーンには次の規則が適用される。
【0037】
1) 「HD DVD-ビデオゾーン」は、カテゴリ1のディスクでは一つの「標準コンテンツゾーン」で構成される。「HD DVD-ビデオゾーン」は、カテゴリ2のディスクでは一つの「アドバンスドコンテンツゾーン」で構成される。「HD DVD-ビデオゾーン」は、カテゴリ3のディスクでは一つの「標準コンテンツゾーン」と一つの「アドバンスドコンテンツゾーン」の両方で構成される、
2) 「標準コンテンツゾーン」はカテゴリ1のディスクでは単一のビデオマネージャ(VMG)と少なくとも1つ、最大510のビデオタイトルセット(VTS)で構成され、カテゴリ2のディスクには「標準コンテンツゾーン」は存在してはならず、「標準コンテンツゾーン」はカテゴリ3のディスクでは少なくとも1つ、最大510のVTSで構成される、
3) VMGは、「HD DVD-ビデオゾーン」があるとき、すなわちカテゴリ1のディスクの場合は、その先頭部に割り振られる、
4) VMGは少なくとも2つ、最大102のファイルで構成される、
5) 各VTS(アドバンスドVTSを除く)は少なくとも3つ、最大200のファイルで構成される、
6) 「アドバンスドコンテンツゾーン」は、アドバンスドVTSを有するアドバンスドコンテンツゾーンでサポートされるファイルで構成される。アドバンスドコンテンツゾーン用のファイルの最大数は(ADV_OBJディレクトリ以下では)512×2047である、
7) アドバンスドVTSは少なくとも5つ、最大200のファイルで構成される、
注: DVD-ビデオゾーンに関しては、知られているので特に説明しない。
【0038】
<ディレクトリとファイルに関する規則(図6)>
HD DVD-ビデオディスクに関連するファイルとディレクトリに対する要件をここに述べる。
【0039】
HVDVD_TSディレクトリ
「HVDVD_TS」ディレクトリは、ルートディレクトリのすぐ下にある。一つのVMGに関連する全ファイル、一つまたは複数の標準ビデオセット、一つのアドバンスドVTS(プライマリビデオセット)が、このディレクトリ以下にある。
【0040】
ビデオマネージャ(VMG)
一つのビデオマネージャ情報(VMGI)、一つのファーストプレイプログラムチェーンメニュー用エンハンスドビデオオブジェクト(FP_PGCM_EVOB)、一つのバックアップ用ビデオマネージャ情報(VMGI_BUP)が、それぞれ構成ファイルとしてHVDVD_TSディレクトリ以下に記録される。一つのビデオマネージャメニュー用エンハンスドビデオオブジェクトセット(VMGM_EVOBS)のサイズが1GB(=230バイト)以上あるときは、HVDVD_TSディレクトリ以下でファイル数が最大で98になるよう分割する必要がある。一つのVMGM_EVOBSのこれらのファイルについては、どのファイルも連続的に割り振ること。
【0041】
標準ビデオタイトルセット(標準VTS;Standard Video Title Set)
一つのビデオタイトルセット情報(VTSI)と一つのバックアップ用ビデオタイトルセット情報(VTSI_BUP)が、それぞれ構成ファイルとしてHVDVD_TSディレクトリ以下に記録される。ビデオタイトルセットメニュー用エンハンスドビデオオブジェクトセット(VTSM_EVOBS)と、タイトル用エンハンスドビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)のサイズが1GB(=230バイト)以上あるときは、どのファイルのサイズも1GBより小さくなるように、最大で99のファイルに分割する必要がある。これらのファイルはHVDVD_TSディレクトリ以下の構成ファイルである。一つのVTSM_EVOBSと一つのVTSTT_EVOBSのこれらのファイルについては、どのファイルも連続的に割り振ること。
【0042】
アドバンスドビデオタイトルセット(アドバンスドVTS)
一つのビデオタイトルセット情報(VTSI)と一つのバックアップ用ビデオタイトルセット情報(VTSI_BUP)を、それぞれ構成ファイルとしてHVDVD_TSディレクトリ以下に記録することができる。一つのビデオタイトルセットタイムマップ情報(VTS_TMAP)と、一つのバックアップ用ビデオタイトルセットタイムマップ情報(VTS_TMAP_BUP)は、それぞれHVDVD_TSディレクトリ以下で最大99のファイルで構成することができる。タイトル用エンハンスドビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)のサイズが1GB(=230バイト)以上あるときは、どのファイルのサイズも1GBより小さくなるように、最大で99のファイルに分割する必要がある。これらのファイルはHVDVD_TSディレクトリ以下の構成ファイルである。一つのVTSTT_EVOBS内のこれらのファイルについては、どのファイルも連続的に割り振ること。
【0043】
HVDVD_TSディレクトリ以下のファイル名とディレクトリ名には、次の規則が適用される。
【0044】
1) ディレクトリ名
DVD-ビデオの固定ディレクトリ名は「HVDVD_TS」とする,
2) ビデオマネージャ(VMG)用ファイル名
ビデオマネージャ情報の固定ファイル名は「HVI00001.IFO」とする,
FP_PGCメニュー用エンハンスドビデオオブジェクトの固定ファイル名は「HVM00001.EVO」とする,
VMGメニュー用エンハンスドビデオオブジェクトセットのファイル名は「HVM000%%.EVO」とする,
バックアップ用ビデオマネージャ情報の固定ファイル名は「HVI00001.BUP」とする,
−「%%」は、VMGメニュー用の各エンハンスドビデオオブジェクトセットに対して「02」から「99」まで昇順で連続的に割り当てられる,
3) 標準ビデオタイトルセット(標準VTS)用ファイル名
ビデオタイトルセットのファイル名は「HVI@@@01.IFO」とする,
VTSメニュー用エンハンスドビデオオブジェクトセットのファイル名は「HVM@@@##.EVO」とする,
タイトル用エンハンスドビデオオブジェクトセットのファイル名は「HVT@@@##.EVO」とする,
バックアップ用ビデオタイトルセット情報のファイル名は「HVI@@@01.BUP」とする,
−「@@@」は、ビデオタイトルセット番号のファイルに割り当てられる三つの文字で、「001」から「511」までとする,
−「##」は、VTSメニュー用の各エンハンスドビデオオブジェクトセットまたはタイトル用の各エンハンスドビデオオブジェクトセットに対して「01」から「99」まで昇順で連続的に割り当てられる,
4) アドバンスドビデオタイトルセット(アドバンスドVTS)用ファイル名
ビデオタイトルセットのファイル名は「AVI00001.IFO」とする,
タイトル用エンハンスドビデオオブジェクトセットのファイル名は「AVT000&&.EVO」とする,
タイムマップ情報のファイル名は「AVMAP0$$.IFO」とする,
バックアップ用ビデオタイトルセット情報のファイル名は「AVI00001.BUP」とする,
バックアップ用タイムマップ情報のファイル名は「AVMAP0$$.BUP」とする,
−「&&」は、タイトル用エンハンスドビデオオブジェクトセットに対して「01」から「99」まで昇順で連続的に割り当てられる,
−「$$」は、タイムマップ情報に対して「01」から「99」まで昇順で連続的に割り当てられる。
【0045】
ADV_OBJディレクトリ
「ADV_OBJ」ディレクトリは、ルートディレクトリのすぐ下にある。プレイリストファイルはすべてこのディレクトリのすぐ下にある。アドバンスドナビゲーション、アドバンスドエレメント、セカンダリビデオセットのファイルは、どれでもこのディレクトリのすぐ下に置くことができる。
【0046】
プレイリスト
各プレイリストファイルは、「ADV_OBJ」ディレクトリのすぐ下に「PLAYLIST%%.XML」というファイル名で置くことができる。「%%」は、「00」から「99」まで昇順で連続的に割り当てられる。(ディスクをロードしたときに)最大の番号をもつプレイリストファイルが最初に処理される。
【0047】
アドバンスドコンテンツ用ディレクトリ
「アドバンスドコンテンツ用ディレクトリ」は、「ADV_OBJ」ディレクトリ以下にのみ置くことができる。アドバンスドナビゲーション、アドバンスドエレメント、セカンダリビデオセットのファイルは、どれでもこのディレクトリに置くことができる。このディレクトリ名はd文字とd1文字で構成される。「ADV_OBJ」サブディレクトリの総数(「ADV_OBJ」ディレクトリを除く)は512未満とする。ディレクトリ階層の深さは8またはそれ以下とする。
【0048】
アドバンスドコンテンツ用ファイル
「ADV_OBJ」ディレクトリ以下のファイルの総数は512×2047に制限され、各ディレクトリ内にあるファイルの総数は2048未満とする。このファイル名はd文字またはd1文字で構成し、このファイル名は本体、「.」(ピリオド)、拡張子で構成される。上記したディレクトリ/ファイル構造の例が図6に示されている。
【0049】
<ビデオマネージャ(VMG)の構造>
VMGは「HD DVD-ビデオゾーン」にある全ビデオタイトルセットの目次である。図7に示すように、VMGはVMGI(ビデオマネージャ情報)と呼ばれる制御データ、ファーストプレイPGCメニュー用エンハンスドビデオオブジェクト(FP_PGCM_EVOB)、BMGメニュー用エンハンスドビデオオブジェクトセット(VMGM_EVOBS)、制御データのバックアップ(VMGI_BUP)で構成される。制御データはタイトルを再生するために必要な静的情報で、ユーザ操作をサポートする情報を提供する。FP_PGCM_EVOBは、メニュー言語の選択に用いるエンハンスドビデオオブジェクト(EVOB)である。VMGM_EVOBSは、ボリュームアクセスをサポートするメニューに使用するエンハンスドビデオオブジェクト(EVOB)の集合である。
【0050】
ビデオマネージャ(VMG)には、次の規則が適用される
1) 制御データ(VMGI)と制御データのバックアップ(VMGI_BUP)はそれぞれ1 GBに満たない単一のファイルとする,
2) FP_PGCメニュー用EVOB (FP_PGCM_EVOB)は1 GBに満たない単一のファイルとする。BMGメニュー用EVOBS (VMGM_EVOBS)は、それぞれが1 GBに満たないファイルに分割し、そのファイル数は最大で(98)とする,
3) VMGI、FP_PGCM_EVOB(存在する場合)、VMGM_EVOBS(存在する場合)、VMGI_BUPは、この順で割り振られる,
4) VMGIとVMGI_BUPは同一のECCブロックに記録してはならない,
5) VMGM_EVOBSを構成するファイルは連続的に割り振られる,
6) VMGI_BUPのコンテンツはVMGIと完全に同一とする。従い、VMGI_BUP内の相対アドレス情報がVMGI_BUP外の場所を指している場合、その相対アドレスはVMGIの相対アドレスと見なされる,
7) VMGI、FP_PGCM_EVOB(存在する場合)、VMGM_EVOBS(存在する場合)、VMGI_BUPの間の境界にはギャップがあってもよい,
8) VMGM_EVOBS(存在する場合)の中では、各EVOBは連続的に割り振られる,
9) VMGIとVMGI_BUPはそれぞれ、連続するLSNで構成される論理的に連続した領域に記録される,
注: 本規格はDVD-R for General (一般用)/ DVD-RAM / DVD-RWおよびDVD-ROMに適用可能であるが、各メディアについて第2部(ファイルシステム仕様)に記載するデータアロケーションの規則に適合していること。
【0051】
<標準ビデオタイトルセット(標準VTS)の構造>
VTSはタイトルの集合である。図7に示すように、各VTSはVTSI(ビデオタイトルセット情報)と呼ばれる制御データ、VTSメニュー用のエンハンスドビデオオブジェクトセット(VTSM_EVOBS)、タイトル用エンハンスドビデオオブジェクトセット(VTSTT_EVOBS)、およびバックアップ制御データ(VTSI_BUP)で構成される。
【0052】
ビデオタイトルセット(VTS)には次の規則が適用される,
1) 制御データ(VTSI)と制御データのバックアップ(VTSI_BUP)はそれぞれ1 GBに満たない単一のファイルとする,
2) VTSメニュー用EVOBS (VTSM_EVOBS)と一つのVTS内のEVOBS(VTSTT_EVOBS)とはそれぞれ、各ファイルサイズが1 GBに満たないファイルに分割し、そのファイル数はそれぞれ最大で(99)とする,
3) VTSI、VTSM_EVOB(存在する場合)、VTSTT_EVOBSおよびVTSI_BUPは、この順で割り振られる,
4) VTSIとVTSI_BUPは同一のECCブロックに記録してはならない,
5) VTSM_EVOBSを構成するファイルは連続的に割り振られる,また、VTSTT_EVOBSを構成するファイルも連続的に割り振られる,
6) VTSI_BUPのコンテンツはVTSIと完全に同一とする,したがって、VTSI_BUP内の相対アドレス情報がVTSI_BUP外の場所を指している場合、その相対アドレスはVTSIの相対アドレスと見なされる,
7) VTS番号はボリューム内のVTSに割り当てられる連続した番号である。VTS番号は「1」から「511」まであり、VTSがディスク上に保存される順序で割り当てられる(各VTSのVTSIの冒頭にある最小LBNから)
8) 各VTS について、VTSI、VTSM_EVOB(存在する場合)、VTSTT_EVOBS、VTSI_BUPの間の境界にはギャップがあってもよい,
9) 各VTSM_EVOBS(存在する場合)の中では、各EVOBは連続的に割り振られる,
10) 各VTSTT_EVOBSの中では、各EVOBは連続的に割り振られる,
11) VTSIとVTSI_BUPはそれぞれ、連続するLSNで構成される論理的に連続した領域に記録される,
注: 本規格はDVD-R for General (一般用)/ DVD-RAM / DVD-RWおよびDVD-ROMに適用可能であるが、各メディアについて第2部(ファイルシステム仕様)に記載するデータアロケーションの規則に適合していること。アロケーションの詳細は、各メディアについて第2部(ファイルシステム規格)に示される。
【0053】
<アドバンスドビデオタイトルセット(アドバンスドVTS)の構造>
このVTSはただ一つのタイトルで構成される。図7に示すように、このVTSはVTSIと呼ばれる制御データ(6.3.1 ビデオタイトルセット情報を参照)、一つのVTS内のタイトル用エンハンスドビデオオブジェクトセット(VTSTT_EVOBS)、ビデオタイトルセットタイムマップ情報(VTS_TMAP)、バックアップ制御データ(VTSI_BUP)、およびビデオタイトルセットタイムマップ情報のバックアップ(VTS_TMAP_BUP)で構成される。
【0054】
ビデオタイトルセット(VTS)には次の規則が適用される、
1) 制御データ(VTSI)と制御データのバックアップ(VTSI_BUP) (存在する場合)はそれぞれ1 GBに満たない単一のファイルとする,
2) 一つのVTS内のタイトル用EVOBS(VTSTT_EVOBS)は、各ファイルサイズが1 GBに満たないファイルに分割し、そのファイル数は最大で(99)とする,
3) 一つのビデオタイトルセットタイムマップ情報(VTS_TMAP)とそのバックアップ(VTS_TMAP_BUP) (存在する場合)はそれぞれ、各ファイルサイズが1 GBに満たないファイルに分割し、そのファイル数は最大で(99)とする,
4) VTSIとVTSI_BUP(存在する場合)は同一のECCブロックに記録してはならない,
5) VTS_TMAPとVTS_TMAP_BUP(存在する場合)は同一のECCブロックに記録してはならない,
6) VTSTT_EVOBSを構成するファイルは連続的に割り振られる,
7) VTSI_BUP(存在する場合)のコンテンツはVTSIと完全に同一とする。従い、VTSI_BUP内の相対アドレス情報がVTSI_BUP外の場所を指している場合、その相対アドレスはVTSIの相対アドレスと見なされる,
8) 各VTSTT_EVOBSの中では、各EVOBは連続的に割り振られる,
注: 本規格はDVD-R for General (一般用)/ DVD-RAM / DVD-RWおよびDVD-ROMに適用可能であるが、各メディアについて第2部(ファイルシステム仕様)に記載するデータアロケーションの規則に適合していること。アロケーションの詳細は、各メディアについて第2部(ファイルシステム規格)で示される。
【0055】
<エンハンスドビデオオブジェクトセット(EVOBS)の構造>
EVOBSは、ビデオ、オーディオ、サブピクチャなどで構成されるエンハンスドビデオオブジェクトの集合である(図7)。
【0056】
EVOBSには次の規則が適用される
1) 一つのEVOBS内で、EVOBは連続したブロックとインターリーブされたブロックに記録される。連続したブロックとインターリーブされたブロックについては、3.3.12.1 プレゼンテーションデータのアロケーションを参照、
VMGと標準VTSの場合、
2) 一つのEVOBSは一つまたは複数のEVOBで構成される。EVOB_ID番号が、EVOBS内の最小のLSNをもつEVOBから、一つの(1)で始まり昇順で割り当てられる、
3) 一つのEVOBは一つまたは複数のセルで構成される。C_ID番号が、EVOB内の最小のLSNをもつセルから、一つの(1)で始まり昇順で割り当てられる,
4) EVOBS内のセルは、EVOB_ID番号とC_ID番号とで識別できる,
3.3.7 論理構造と物理構造の関係
VMGと標準VTSについては、セルに関して次の規則が適用される
1) 一つのセルは同一の層に割り振られる。
【0057】
<MIMEタイプ>
本規格における各リソースの拡張子名とMIMEタイプは表1に定義する。ファイル拡張子とMIMEタイプを示している。
【表1】

【0058】
「システムモデル」
<オーバーロールスタートアップシーケンス>
図8には、HD DVDプレイヤのスタートアップシーケンスのフローチャートを示している。ディスクが挿入された後、プレイヤは、“ADV_OBJ”、“playlist.xml(Tentative)”がルートディレクトリ下の“ADV_OBJ”ディレクトリに存在するかどうかを確認する。“playlist.xml(Tentative)”が存在したならば、HD DVDプレイヤは、このディスクがカテゴリ2又は3のディスクであることを決定する。もし“playlist.xml(Tentative)”が存在しないならば、HD DVDプレイヤは、VMGIのディスクVMG_IDをチックする。このディスクがカテゴリ1の場合は、それは、“HDDVD_VMG200”である。VMG_CATのバイトポジション0−b15は標準カテゴリのみを示す。もしこのディスクがHD DVDのどのカテゴリにも属しない場合には、その後の処置は、それぞれのプレイヤに依存する。アドバンスドコンテンツとスタンダードコンテンツの再生手続は異なる。
【0059】
<プレイヤにより取り扱われるインフォメーションデータ(information data)>
各コンテンツ(標準コンテンツ、アドバンスドコンテンツ、或いはインターオペラブルコンテンツ)の中で、プレイヤによって取り扱われるべきP−EVOB(プライマリーエンハンスドビデオオブジェクト)の中に、いくつかの必要な情報データ(information data)がある。
【0060】
それらの必要な情報データは、GCI(General Control Information),PCI(Presentation Control Information)、そしてDSI(Data Search Information)であり、これらは、ナビゲーションパック(NV_PCK)に格納されている、そしてHLI(Highlight Information)が複数のHLIパックに格納されている。プレイヤによって取り扱われるべき情報データは、表2に示されている。NAは適用なし(Not Applicable)である。注意:RDI(Real time Data Information)は、高品位書込み可能なディスクのDVD規格書(パート3、Video Recording Specifications)に示されている。
【表2】

【0061】
<アドバンスドコンテンツ用システムモデル>
<アドバンスドコンテンツのデータタイプ>
アドバンスドナビゲーション
アドバンスドナビゲーションは、次のタイプファイルで構成されるアドバンスドコンテンツ用のナビゲーションデータのデータタイプである。
【0062】
・プレイリスト
・ローディング情報
・マークアップ
*コンテンツ
*スタイリング
*タイミング
・スクリプト。
【0063】
<アドバンスドデータ>
アドバンスドデータは、アドバンスドコンテンツ用のプレゼンテーションデータのデータタイプである。アドバンスドデータは次の四つのタイプに分類できる。
【0064】
・プライマリビデオセット
・セカンダリビデオセット
・アドバンスドエレメント
・その他。
【0065】
<プライマリビデオセット>
プライマリビデオセットは、プライマリビデオ用の一組のデータである。プライマリビデオセットのデータ構造は、アドバンスドVTSと一致し、ナビゲーションデータ(VTSI、TMAPなど)とプレゼンテーションデータ(P-EVOB-TY2など)で構成される。プライマリビデオセットはディスク上に保存される。プライマリビデオセットは、その中に様々なプレゼンテーションデータを含めることができる。考えられるプレゼンテーションストリームタイプとしては、メインビデオ、メインオーディオ、サブビデオ、サブオーディオ、サブピクチャがある。HD DVDプレイヤは、プライマリビデオおよびオーディオ以外に、同時にサブビデオおよびオーディオを再生することができる。サブビデオとサブオーディオの再生中にセカンダリビデオセットのサブビデオとサブオーディオを再生することはできない。
【0066】
<セカンダリビデオセット>
セカンダリビデオセットは、ネットワークストリーミングとファイルキャッシュ上のプレダウンロードされたコンテンツ用の一組のデータである。セカンダリビデオセットのデータ構造は、アドバンスドVTSの簡単化された構造であり、TMAPとプレゼンテーションデータ(S-EVOB)で構成される。セカンダリビデオセットにはサブビデオ、サブオーディオ、スブスティディオ、コンプリメンタリーサブタイトルを含めることができる。サブスティチュートオーディオは、プライマリビデオセット内のメインオーディオに代わる代替オーディオストリームとして使用する。コンプリメンタリーサブタイトルは、プライマリビデオセット内のサブピクチャに代わる代替サブタイトルストリームとして使用する。コンプリメンタリーサブタイトルのデータフォーマットはアドバンスドサブタイトルである。
【0067】
<プライマリエンハンスドビデオオブジェクトタイプ2 (P-EVOB-TY2)>
プライマリエンハンスドビデオオブジェクトタイプ2 (P-EVOB-TY2)は、図9に示すように、プライマリビデオセットのプレゼンテーションデータを運ぶデータストリームである。プライマリエンハンスドビデオオブジェクトタイプ2は、「MPEG-2規格のシステム部分(ISO/IEC 138181-1)」に規定されるプログラムストリームに適合する。プライマリビデオセットのプレゼンテーションデータのタイプには、メインビデオ、メインオーディオ、サブビデオ、サブオーディオ、サブピクチャがある。アドバンスドストリームはさらに、P-EVOB-TY2へと多重化される。P-EVOB-TY2内の考えられるパックタイプには以下のものがある。
【0068】
・ナビゲーションパック(N_PCK)
・メインビデオパック(VM_PCK)
・メインオーディオパック(AM_PCK)
・サブビデオパック(VS_PCK)
・サブオーディオパック(AS_PCK)
・サブピクチャパック(SP_PCK)
・アドバンスドストリームパック(ADV_PCK)
プライマリエンハンスドビデオセットタイプ2用のタイムマップ(TMAP)には、各プライマリエンハンスドビデオオブジェクトユニット(P-EVOBU)用のエントリポイントがある。
【0069】
プライマリビデオセット用のアクセスユニットは、メインビデオのアクセスユニットと従来のビデオオブジェクト(VOB)構造に基づくものである。サブビデオとサブオーディオ用のオフセット情報は、同期情報(SYNCI)およびメインオーディオとサブピクチャにより与えられる。
【0070】
アドバンスドストリームは、プライマリビデオセットの再生を中断させることなくファイルキャッシュに対して様々な種類のアドバンスドコンテンツファイルを供給するために使用する。プライマリビデオプレイヤ内の逆多重モジュールがアドバンスドストリームパック(ADV_PCK)を、ナビゲーションエンジン内のファイルキャッシュマネージャに分配する。
【0071】
図9はP-EVOB-TY2の多重化構造のイメージである:
P-EVOB-TY2に対しては、以下のモデルが対応つけられる、
* プライマリエンハンスドビデオオブジェクトタイプ2 (P-EVOB-TY2)用の入力バッファモデル
* プライマリエンハンスドビデオオブジェクトタイプ2 (P-EVOB-TY2)用のデコーディングモデル
* プライマリエンハンスドビデオオブジェクトタイプ2用の拡張システムターゲットデコーダ(E-STD)モデル。
【0072】
図10は、P-EVOB-TY2用の拡張システムターゲットデコーダモデルである、
Track buffer を介してDe-Multiplex に入力されるパケットはそれぞれ種類に応じて分離され、Main Video Buffer, Sub Video Buffer, Sub picture Buffer, PCI buffer, Main Audio buffer, Sub Audio bufferに供給される。それぞれのBuffer 出力は、対応するDecoder でデコードすることが可能である。
【0073】
<アドバンスドコンテンツ用の環境>
図10は、アドバンスドコンテンツプレイヤの再生環境を示す、アドバンスドコンテンツプレイヤ(Advanced Content Player)は、アドバンスドコンテンツ用の論理的なプレイヤである。
【0074】
アドバンスドコンテンツのデータソースには、ディスク(Disc)、ネットワークサーバ(Network serve)、永続的ストレージ(Persistent Storage)がある。アドバンスドコンテンツの再生には、カテゴリ2または3のディスクが必要となる。アドバンスドコンテンツのどのデータタイプでもディスク上に保存できる。永続的ストレージとネットワークサーバのためのアドバンスドコンテンツはプライマリビデオセットを除くどのデータタイプも保存することができる。
【0075】
ユーザイベント入力は、HD DVDプレイヤのリモートコントローラやフロントパネルなどのユーザ入力装置により生じる。アドバンスドコンテンツプレイヤは、アドバンスドコンテンツへのユーザイベントの入力と正しい応答の生成を受け持つ。オーディオおよびビデオ出力は、それぞれスピーカと表示装置に送られる。
【0076】
<システムモデル全体>
アドバンスドコンテンツプレイヤは、アドバンスドコンテンツ用の論理的なプレイヤである。図11に簡単化したアドバンスドコンテンツプレイヤを示す。これは、データアクセスマネージャ(Data Access Manager)111、データキャッシュ(Data Cache)112、ナビゲーションマネージャ(Navigation Manager)113、ユーザインタフェースマネージャ(User Interface Manger)114、プレゼンテーションエンジン(Presentation Engine)115、AVレンダラ(AV Renderer)116の六つの論理的機能モジュールを基本構成としている。
【0077】
さらにこの発明の特徴となるライブ情報解析器(Live Information Analyzer )121、ステイタス表示データメモリ(Status Display Data Memory)122を有する。
【0078】
データアクセスマネージャ111は、データソースとアドバンスドコンテンツプレイヤの内部モジュールとの間の様々な種類のデータのやり取りを受け持つ、
データキャッシュ112は、再生用アドバンスドコンテンツの一時的なデータストレージである、
ナビゲーションマネージャ113は、アドバンスドナビゲーション内の記述に従ってアドバンスドコンテンツプレイヤのあらゆる機能モジュールの制御を受け持つ、
ユーザインタフェースマネージャ114は、HD DVDプレイヤのリモートコントローラやフロントパネルなどのユーザインタフェース装置の制御を受け持ち、その上でユーザ入力イベントをナビゲーションマネージャ113に通知する。
【0079】
プレゼンテーションエンジン115は、アドバンスドエレメント、プライマリビデオセット、セカンダリビデオセットなどのプレゼンテーションの材料の再生を受け持つ、
AVレンダラ116は、他のモジュールからのビデオ/オーディオ入力のミックスとスピーカやディスプレイなどの外部装置への出力を受け持つ。
【0080】
<データソース>
次に、アドバンスドコンテンツの再生に使用できるデータソースの種類について述べることにする、
<ディスク>
ディスク131は、アドバンスドコンテンツ再生の必須データソースである。HD DVDプレイヤはHD DVDディスクドライブを備えていること。アドバンスドコンテンツは、利用可能なデータソースがディスクと必須の永続的ストレージだけの場合にも再生できるようにオーサリングを行う必要がある。
【0081】
<ネットワークサーバ>
ネットワークサーバ132は、アドバンスドコンテンツ再生用のオプションのデータソースであるが、HD DVDプレイヤはネットワークアクセス能力を備えていなければならない。ネットワークサーバは通常、現ディスクのコンテンツプロバイダが操作する。ネットワークサーバは通常、インターネット上に位置する。
【0082】
<永続的ストレージ(Persistent Storage)>
永続的ストレージ133は二つのカテゴリに分けられる。
【0083】
一つは、「固定式永続的ストレージ(Fixed Persistent Storage)」と呼ばれる。これは、HD DVDプレイヤに付属する必須の永続的ストレージである。この装置の代表的なものとしてはフラッシュメモリがある。固定式永続的ストレージの最小容量は64MBである。
【0084】
その他はオプションであり、「補助永続的ストレージ」と呼ばれる。これらは、USBメモリ/HDDまたはメモリカードなどの取り外し可能なストレージ装置でもよい。考えられる補助永続的ストレージ装置の一つにNASがある。装置の実装に関しては本規格では規定しない。これらは永続的ストレージ用のAPIモデルに従わなければならない。
【0085】
<ディスクのデータ構造について>
<ディスク上のデータタイプ>
HD DVDディスク上に保存可能なデータタイプを図12に示す。ディスクには、アドバンスドコンテンツとスタンダード(標準)コンテンツの両方を保存できる。アドバンスドコンテンツのデータタイプとして考えられるものとしては、アドバンスドナビゲーション、アドバンスドエレメント、プライマリビデオセット、セカンダリビデオセットなどがある。
【0086】
図12は、考えられるディスク上のデータタイプを示している。アドバンスドストリーム(Advanced Stream)は、プライマリビデオセット(Primary Video Set)を除く何れかのタイプのアドバンスドコンテンツファイルをアーカイブ化するデータフォーマットである。アドバンスドストリームはプライマリエンハンスドビデオオブジェクトタイプ2(P-EVOBS-TY2)に多重化され、プライマリビデオプレイヤに供給されるP-EVOBS-TY2データとともに引き出される。アドバンスドストリームにアーカイブ化されアドバンスドコンテンツ再生用に必須な同一のファイルは、ファイルとして保存する必要がある。これらの複製されたコピーは、アドバンスドコンテンツの再生を保証するものである。これは、プライマリビデオセットの再生をジャンプしたときに、アドバンスドストリームの供給が完了していないことがあるためである。この場合、指定されたジャンプ位置から再生を再開する前に、必要なファイルが直接ディスクからデータキャッシュ(Data Cache)に読み込まれる。
【0087】
アドバンスドナビゲーション: アドバンスドナビゲーションファイルはファイルとして位置づけられる。アドバンスドナビゲーションファイルは起動シーケンスの間に読み込まれ、アドバンスドコンテンツの再生用に解釈される、
アドバンスドエレメント: アドバンスドエレメントはファイルとして位置づけることができ、またP-EVOB-TY2に多重化されるアドバンスドストリームにアーカイブ化することもできる、
プライマリビデオセット: ディスク上にあるプライマリビデオセットはただ一つだけである、
セカンダリビデオセット: セカンダリビデオセットはファイルとして位置づけることができ、またP-EVOB-TY2に多重化されるアドバンスドストリームにアーカイブ化することもできる、
その他のファイル: アドバンスドコンテンツによってはその他のファイルが存在することもある。
【0088】
<ディレクトリとファイルの構成>
ファイルシステムに関して、図13にディレクトリとファイルの構成を示す。ここに示すようにアドバンスドコンテンツ用のファイルはディレクトリ内に位置づけることが好ましい。
【0089】
HD DVD_TSディレクトリ: 「HD DVD_TS」ディレクトリ(Directory)は、ルートディレクトリ(Root Derectory)のすぐ下にある。プライマリビデオセット用の一つのアドバンスドVTS および一つまたは複数の標準ビデオセットが、このディレクトリ以下にある。
【0090】
ADV_OBJディレクトリ: 「ADV_OBJ」ディレクトリは、ルートディレクトリのすぐ下にある。アドバンスドナビゲーションに属する起動ファイルはすべてこのディレクトリにある。アドバンスドナビゲーション、アドバンスドエレメント、セカンダリビデオセットの全ファイルがこのディレクトリにある。
【0091】
アドバンスドコンテンツ用のその他のディレクトリ: 「アドバンスドコンテンツ用のその他のディレクトリ」は、「ADV_OBJ」ディレクトリ以下にのみ存在することができる。アドバンスドナビゲーション、アドバンスドエレメント、セカンダリビデオセットのファイルであればこのディレクトリに置くことができる。このディレクトリ名はd文字とd1文字で構成される。「ADV_OBJ」サブディレクトリの総数(「ADV_OBJ」ディレクトリを除く)は512未満とする。ディレクトリ階層の深さは8またはそれ以下とする。
【0092】
アドバンスドコンテンツ用ファイル: 「ADV_OBJ」ディレクトリ以下のファイルの総数は512×2047に制限され、各ディレクトリ内にあるファイルの総数は2048未満とする。このファイル名はd文字またはd1文字で構成し、このファイル名は本体、「.」(ピリオド)、拡張子で構成される。
【0093】
<ネットワークサーバと永続的ストレージ上のデータタイプ>
プライマリビデオセットを除くアドバンスドコンテンツファイルはすべてネットワークサーバおよび永続的ストレージ上に置くことができる。アドバンスドナビゲーションは、正しいAPIを使用してネットワークサーバまたは永続的ストレージ上のファイルをファイルキャッシュにコピーすることができる。セカンダリビデオプレイヤは、ディスク、ネットワークサーバまたは永続的ストレージからセカンダリビデオセットをストリーミングバッファに読み込むことができる。プライマリビデオセットを除くアドバンスドコンテンツファイルは永続的ストレージに保存することができる。
【0094】
<アドバンスドコンテンツプレイヤのモデル>
図14にはアドバンスドコンテンツプレイヤのモデルをさらに詳しく示している。主要モジュールとして、データアクセスマネージャ(Data Access Manager)、データキャッシュ(Data Cache)、ナビゲーションマネージャ(Navigation Manager)、プレゼンテーションエンジン(Presentation Engine)、ユーザインタフェースマネージャ(User Interface Manager)、AVレンダラ(AV Renderer)の六つがある。
【0095】
<データアクセスマネージャ>
データアクセスマネージャは、ディスクマネージャ、ネットワークマネージャ、永続的ストレージマネージャで構成される。
【0096】
永続的ストレージマネージャ(Persistent Storage Manager):永続的ストレージマネージャは、永続的ストレージ装置とアドバンスドコンテンツプレイヤ内部のモジュールとの間のデータのやり取りを制御する。永続的ストレージマネージャは永続的ストレージ装置に対するファイルアクセスAPIセットの提供を受け持つ。永続的ストレージ装置はファイルの読み込み/書き込み機能をサポートすることができる。
【0097】
ネットワークマネージャ(Network Manager):ネットワークマネージャは、ネットワークサーバとアドバンスドコンテンツプレイヤ内部のモジュールとの間のデータのやり取りを制御する。ネットワークマネージャはネットワークサーバに対するファイルアクセスAPIセットの提供を受け持つ。ネットワークサーバは通常、ファイルのダウンロードをサポートし、ネットワークサーバによってはファイルのアップロードもサポートすることができる。ナビゲーションマネージャは、アドバンスドナビゲーションに従ってネットワークサーバとファイルキャッシュとの間のファイルのダウンロード/アップロードを実行することができる。ネットワークマネージャはこのほか、プレゼンテーションエンジンに対してプロトコルレベルでのアクセス機能を提供することもできる。プレゼンテーションエンジン内のセカンダリビデオプレイヤは、ネットワークサーバからのストリーミング用に、これらのAPIセットを利用することができる。
【0098】
<データキャッシュ>
データキャッシュには2種類のテンポラリデータストレージがある。1つはファイルキャッシュ(File Cache)で、ファイルデータ用のテンポラリバッファ。もうひとつはストリーミングバッファ(Streaming Buffer)で、ストリーミングデータ用のテンポラリバッファ。データキャッシュでのストリーミングデータの割り当てについては"playlist00.xml"に記述され、アドバンスドコンテンツ再生の起動シーケンスで分割される。データキャッシュの大きさは最小で64MB、最大は未定。
【0099】
データキャッシュの初期化: データキャッシュの構成は、アドバンスドコンテンツ再生の起動シーケンスで変更される。"playlist00.xml"でストリーミングバッファのサイズを記述することができる。ストリーミングバッファサイズの記述が無い場合は、ストリーミングバッファのサイズがゼロであることを意味する。ストリーミングバッファサイズのバイト数は以下のように計算される。
【0100】
<streamingBuf size="1024"/>
ストリーミングバッファサイズ=1024×2 (KByte)
=2048 (KByte)
ストリーミングバッファは最小でゼロバイト、最大は未定。
【0101】
ファイルキャッシュ(File Cache): ファイルキャッシュは、データソース、ナビゲーションエンジン、およびプレゼンテーションエンジン間でのテンポラリファイルキャッシュとして使用される。グラフィックスのイメージ、エフェクトサウンド、テキストおよびフォントなどのアドバンスドコンテンツファイルは、ナビゲーションマネージャもしくはアドバンスドプレゼンテーションエンジンからアクセスされる前にファイルキャッシュに保存しておく必要がある。
【0102】
ストリーミングバッファ(Streaming Buffer): ストリーミングバッファは、セカンダリビデオプレイヤのセカンダリビデオプレゼンテーションエンジンによってセカンダリビデオセット用のテンポラリデータバッファとして使用される。セカンダリビデオプレイヤでは、ネットワークマネージャに対してセカンダリビデオセットのS-EVOBの一部をストリーミングバッファに取得するように要求する。セカンダリビデオプレイヤはストリーミングバッファからS-EVOBデータを読み込み、セカンダリビデオプレイヤのデマルチプレクサモジュールに提供する。
【0103】
<ナビゲーションマネージャ(Navigation Manager)>
ナビゲーションマネージャは主に2種類の機能モジュールで構成される。アドバンスドナビゲーションエンジン(Advanced Navigation Engine)とファイルキャッシュマネージャ(File Cache Manager)である。
【0104】
アドバンスドナビゲーションエンジン(Advanced Navigation Engine): アドバンスドナビゲーションエンジンはアドバンスドコンテンツの再生動作をすべて制御し、アドバンスドナビゲーションに従ってアドバンスドプレゼンテーションエンジンを制御する。アドバンスドナビゲーションエンジンは、構文解析ツール(Parser)、宣言エンジン(Declarative Engine)、およびプログラミングエンジン(Programming Engine)を含む。
【0105】
構文解析ツール(Parser): 構文解析ツールでは、アドバンスドナビゲーションファイルを読み込んでそれらの構文を解析する。解析した結果は適切なモジュール、宣言エンジン、およびプログラミングエンジンに送られる。
【0106】
宣言エンジン(Declarative Engine): 宣言エンジンは、アドバンスドナビゲーションに従ってアドバンスドコンテンツの宣言された動作を管理、制御する。宣言エンジンでは以下のような処理を行なう。
【0107】
・アドバンスドプレゼンテーションエンジンの制御を行う、つまり
−グラフィックスオブジェクトとアドバンスドテキストのレイアウト、
−グラフィックスオブジェクトとアドバンスドテキストのスタイル、
−予定されたグラフィックスプレーン動作とエフェクトサウンド再生のタイミング制御などである。
【0108】
・プライマリビデオプレイヤの制御を行う、つまり
−タイトル再生シーケンス(タイトルタイムライン:Title Time Line)の登録を含めたプライマリビデオセットの構成
−ハイレベルプレイヤの制御などである。
【0109】
・セカンダリビデオプレイヤの制御を行う、つまり
−セカンダリビデオセットの構成
−ハイレベルプレイヤの制御などである。
【0110】
プログラミングエンジン(Programming Engine): プログラミングエンジンは、イベントドリブンの動作(event driven behaviors)、API(application Interface)セットコール、あるいはすべてのアドバンスドコンテンツを管理する。ユーザインターフェースイベントは通常プログラミングエンジンが取扱うので、宣言エンジンに定義されたアドバンスドナビゲーションの動作が変更される場合もある。
【0111】
ファイルキャッシュマネージャ(File Cache Manager): ファイルキャッシュマネージャは以下のような処理を行なう、
・P-EVOBSのアドバンスドストリームにアーカイブされたファイルをプライマリビデオプレイヤのデマルチプレクサモジュールから提供する、
・ネットワークサーバまたは固定ストレージにアーカイブされたファイルを提供する、
・ファイルキャッシュ内のファイルの生存期間管理、
・アドバンスドナビゲーションまたはプレゼンテーションエンジンからの要求ファイルがファイルキャッシュに保存されていなかった場合にファイルを取得する、
ファイルキャッシュマネージャ(File Cache Manager)はADV_PCKバッファとファイル抽出器で構成される。
【0112】
ADV_PCKバッファ: ファイルキャッシュマネージャは、P-EVOBS-TY2にアーカイブされたアドバンスドストリームのPCKをプライマリビデオプレイヤのデマルチプレクサモジュールから受信する。アドバンスドストリームPCKのPSヘッダが削除され、ADV_PCKバッファには基礎データが保存される。またファイルキャッシュマネージャは、再度ネットワークサーバまたは固定ストレージのアドバンスドストリームファイルを取得する。
【0113】
ファイル抽出器(File Extractor): ファイル抽出器は、アーカイブされたファイル(archived file)をアドバンスドストリームからADV_PCKバッファへの抽出を行なう。抽出されたファイルはファイルキャッシュに保存される。
【0114】
<プレゼンテーションエンジン(Presentation Engine)>
プレゼンテーションエンジンでは、プレゼンテーションデータのデコードを行い、ナビゲーションエンジンからのナビゲーションコマンドによってAVレンダラを出力する。プレゼンテーションエンジンは4種類のモジュール、アドバンスドエレメントプレゼンテーションエンジン(Advanced Element Presentation Engine)、セカンダリビデオプレイヤ(Secondary Video Player)、プライマリビデオプレイヤ(Primary Video Player)、およびデコーダエンジン(Decoder Engine)を含む。
【0115】
アドバンスドエレメントプレゼンテーションエンジン(Advanced Element Presentation Engine): アドバンスドエレメントプレゼンテーションエンジンは2種類のプレゼンテーションストリームをAVレンダラ(AV renderer)に出力する。1つはグラフィックスプレーンのフレームイメージで、もうひとつはエフェクトサウンドストリームである。アドバンスドエレメントプレゼンテーションエンジンは、サウンドデコーダ(Sound Decoder)、グラフィックスデコーダ(Graphics Decoder)、テキスト/フォントラスタライザ(Tex/Font Rasterizer)又はフォントレンダリングシステム(Font Rendering System)、およびレイアウトマネージャ(Layout Manger)で構成される。
【0116】
サウンドデコーダ: サウンドデコーダはファイルキャッシュからWAVファイルを読み込み、ナビゲーションエンジンによって起動されたAVレンダラにLPCMデータを出力する。
【0117】
グラフィックスデコーダ: グラフィックスデコーダは、PNGイメージまたはJPEGイメージなどのグラフィックスデータをファイルキャッシュから取得する。これらイメージファイルはデコードされ、レイアウトマネージャからの要求によってレイアウトマネージャに送られる。
【0118】
テキスト/フォントラスタライザ: テキスト/フォントラスタライザは、ファイルキャッシュからフォントデータを取得してテキストイメージを生成する。またナビゲーションマネージャまたはファイルキャッシュからテキストデータを受信する。テキストイメージが生成され、レイアウトマネージャからの要求によってレイアウトマネージャに送られる。
【0119】
レイアウトマネージャ: レイアウトマネージャでは、AVレンダラに対してグラフィックスプレーンのフレームイメージを作成する。フレームイメージが変更されるとレイアウト情報がナビゲーションマネージャから送られる。レイアウトマネージャは、グラフィックスデコーダを呼び出してフレームイメージ上に設定する特定のグラフィックスオブジェクトをデコードする。またレイアウトマネージャはテキスト/フォントラスタライザを呼び出して同様にフレームイメージ上に設定する特定のテキストオブジェクトを作成する。レイアウトマネージャは、グラフィカルイメージを最下層レイヤから適切な場所に位置付けし、オブジェクトにアルファチャネルもしくは値がある場合はピクセル値を計算する。最後にフレームイメージをAVレンダラに送付する。
【0120】
アドバンスドサブタイトルプレイヤ(Advanced Subtitle Player): アドバンスドサブタイトルプレイヤは、タイミングエンジン(Timing Engine )及び、レイアウトエンジン(Layout Engine)を含む。
【0121】
フォント描画システム(Font Rendering System): フォント描画システムは、フォントエンジン(Font Engine)、スケーラ(Scaler)、アルファマップ生成部(Alphamap Generation)、フォントキャッシュ(Font Cach)を有する。
【0122】
セカンダリビデオプレイヤ(Secondary Video Player): セカンダリビデオプレイヤでは、補助ビデオコンテンツ、補助オーディオ、および補助サブタイトルをプレイする。これらの補助プレゼンテーションコンテンツは通常ディスク、ネットワーク、および固定ストレージに保存されている。コンテンツがディスクに保存されている場合は、ファイルキャッシュに保存されていなければセカンダリビデオプレイヤからはアクセスできない。ネットワークサーバからの場合はデマルチプレクサ/デコーダへ提供する前に速やかにストリーミングバッファに保存し、ネットワーク転送パスでのビットレート変動によるデータ欠損を回避する必要がある。セカンダリビデオプレイヤは、セカンダリビデオ再生エンジンとデマルチプレクサセカンダリビデオプレイヤで構成される。セカンダリビデオプレイヤはセカンダリビデオセットのストリームタイプに従ってデコーダエンジンの適切なデコーダに接続する。
【0123】
セカンダリビデオセットには同時に2つのオーディオストリームを保持することができないため、セカンダリビデオプレイヤに接続されているオーディオデコーダは常に1つしかない。
【0124】
セカンダリビデオ再生エンジン:セカンダリビデオ再生エンジンでは、ナビゲーションマネージャからの要求によってセカンダリビデオプレイヤのすべての機能モジュールを制御している。セカンダリビデオ再生エンジンはTMAPファイルを読み込んで分析し、S-EVOBの適切な読み込みポジションを把握する。
【0125】
デマルチプレクサ(Dmux):デマルチプレクサは、S-EVOBストリームを読み込んでセカンダリビデオプレイヤに接続されているデコーダに送る。またデマルチプレクサでは、SCRタイミングでS-EVOBのPCKを出力する。S-EVOBがビデオ、オーディオ、あるいはアドバンスドサブタイトルのいずれか1つのストリームで構成されている場合、デマルチプレクサは適切なSCRタイミングでそれをデコーダに提供する。
【0126】
プライマリビデオプレイヤ(Primary Video Player): プライマリビデオプレイヤでは、プライマリビデオセットのプレイを行なう。プライマリビデオセットはディスクに保存されていなければならない。プライマリビデオプレイヤはDVD再生エンジンとデマルチプレクサで構成される。プライマリビデオプレイヤは、プライマリビデオセットのストリームタイプに従ってデコーダエンジンの適切なデコーダに接続する。
【0127】
DVD再生エンジン: DVD再生エンジンでは、ナビゲーションマネージャからの要求によってプライマリビデオプレイヤの機能モジュールすべてを制御する。DVD再生エンジンは、IFOおよびTMAPを読み込んで分析し、P-EVOBS-TY2の適切な読み込みポジションの把握と、マルチアングル、オーディオ/サブピクチャ選択、およびサブビデオ/オーディオ再生などのプライマリビデオセットの特別な再生機能を制御する。
【0128】
デマルチプレクサ: デマルチプレクサはP-EVOBS-TY2をDVD再生エンジンに読み込み、プライマリビデオセットに接続されている適切なデコーダに送る。またデマルチプレクサではP-EVOB-TY2の各PCKを適切なSCRタイミングで各デコーダに出力する。マルチアングルストリームの場合は、ディスク上のP-EVOB-TY2の適切なインターリーブされたブロックが、TMAPまたはナビゲーションパック(N_PCK)の位置情報に従って読み込まれる。デマルチプレクサでは、オーディオパック(A_PCK)の適切な番号をメインオーディオデコーダもしくはサブオーディオデコーダに、サブピクチャパック(SP_PCK)の適切な番号をSPデコーダに提供する。
【0129】
デコーダエンジン(Decoder Engine): デコーダエンジンは、6種類のデコーダ、時間指定テキストデコーダ、サブピクチャデコーダ、サブオーディオデコーダ、サブビデオデコーダ、メインオーディオデコーダ、およびメインビデオデコーダから成る。各デコーダは接続されたプレイヤの再生エンジンによって制御される。
【0130】
時間指定テキストデコーダ(Timed Text Decoder): 時間指定テキストデコーダはセカンダリビデオプレイヤのデマルチプレクサモジュールにのみ接続することができる。時間指定テキストに基づいたフォーマットのアドバンスドサブタイトルを、DVD再生エンジンからの要求によってデコードする。時間指定テキストデコーダとサブピクチャデコーダの間ではデコーダを1つ同時にアクティブにすることができる。出力グラフィックプレーンはサブピクチャプレーンと呼ばれ、時間指定テキストデコーダとサブピクチャデコーダからの出力で共有する。
【0131】
サブピクチャデコーダ(Sub Picture Decoder): サブピクチャデコーダは、プライマリビデオプレイヤのデマルチプレクサモジュールに接続することができる。DVD再生エンジンからの要求によってサブピクチャデータのデコードを行なう。時間指定テキストデコーダとサブピクチャデコーダの間ではデコーダを1つ同時にアクティブにすることができる。出力グラフィックプレーンはサブピクチャプレーンと呼ばれ、時間指定テキストデコーダとサブピクチャデコーダからの出力で共有する。
【0132】
サブオーディオデコーダ(Sub Audio Decoder): サブオーディオデコーダは、プライマリビデオプレイヤとセカンダリビデオプレイヤのデマルチプレクサモジュールに接続することができる。サブオーディオデコーダは、オーディオを2チャンネル、サンプリングレートを48kHzまでサポートすることができる。これはサブオーディオと呼ばれる。サブオーディオは、プライマリビデオセットのサブオーディオストリーム、セカンダリビデオセットのオーディオのみのストリーム、さらにはセカンダリビデオセットのオーディオ/ビデオマルチプレクサストリームとしてサポートされる。サブオーディオデコーダの出力オーディオストリームはサブオーディオストリームと呼ばれる。
【0133】
サブビデオデコーダ(Sub Video Decoder): サブビデオデコーダは、プライマリビデオプレイヤとセカンダリビデオプレイヤのデマルチプレクサモジュールに接続することができる。サブビデオデコーダでは、サブビデオと呼ばれるSDレゾルーションビデオストリーム(最大サポートレゾルーションは準備中)をサポートできる。サブビデオは、セカンダリビデオセットのビデオストリームおよびプライマリビデオセットのサブビデオストリームとしてサポートされる。サブビデオデコーダの出力ビデオプレーンはサブビデオプレーンと呼ばれる。
【0134】
メインオーディオデコーダ(Main Audio Decoder): プライマリオーディオデコーダは、プライマリビデオプレイヤとセカンダリビデオプレイヤのデマルチプレクサモジュールに接続できる。プライマリオーディオデコーダは、オーディオを7.1マルチチャンネル、サンプリングレートを96kHzまでサポートすることができる。これはメインオーディオと呼ばれる。メインオーディオは、プライマリビデオセットのメインオーディオストリーム、およびセカンダリビデオセットのオーディオのみのストリームとしてサポートされる。メインオーディオデコーダの出力オーディオストリームはメインオーディオストリームと呼ばれる。
【0135】
メインビデオデコーダ(Main Video Decoder): メインビデオデコーダはプライマリビデオプレイヤのデマルチプレクサにのみ接続される。メインビデオデコーダはHDレゾルーションビデオストリームをサポートすることができる。これはサポートメインビデオと呼ばれる。メインビデオはプライマリビデオセットでのみサポートされる。メインビデオデコーダの出力ビデオプレーンはメインビデオプレーンと呼ばれる。
【0136】
<AVレンダラ(AV Renderer)>
AVレンダラには2つの役割がある。ひとつは、プレゼンテーションエンジン、およびインタフェースマネージャ、さらに出力混合ビデオシグナルからのグラフィックプレーンの収集であり、もうひとつは、プレゼンテーションエンジンおよび出力混合オーディオシグナルからのPCMストリームの収集である。AVレンダラは、グラフィック描画エンジンとサウンドミキシングエンジンで構成される。
【0137】
グラフィック描画エンジン(Graphic Rendering Engine): グラフィック描画エンジンは、4つのグラフィックプレーンをプレゼンテーションエンジンから、1つのグラフィックフレームをユーザインタフェースから取得する。グラフィック描画エンジンは、ナビゲーションマネージャからの制御情報に従ってこれら5つのプレーンを合わせ、合わせたビデオシグナルを出力する。
【0138】
オーディオミキシングエンジン(Audio Mixing Engine): オーディオミキシングエンジンは、3つのLPCMストリームをプレゼンテーションエンジンから取得することができる。サウンドミキシングエンジンは、ナビゲーションマネージャからのミキシングレベル情報に従ってこれら3つのLPCMストリームを合わせ、合わせたオーディオシグナルを出力する。
【0139】
ビデオミキシングモデル(Video Mixing Model)
ビデオミキシングモデルは、図15に示されている。このモデルには5つのグラフィックが入力される。カーソルプレーン、グラフィックプレーン、サブピクチャプレーン、サブビデオプレーン、およびメインビデオプレーンである。
【0140】
カーソルプレーン(Cursor Plane): カーソルプレーンは、当モデルでのグラフィック描画エンジンへの入力である5つのグラフィックのうち最上位のプレーンである。カーソルプレーンはユーザインタフェースマネージャのカーソルマネージャによって生成される。カーソルイメージは、アドバンスドナビゲーションに従ってナビゲーションマネージャが置き換えることができる。カーソルマネージャは、カーソルプレーンの適切な位置にカーソルを移動させ、グラフィック描画エンジンに対してそれを更新する。グラフィックス描画エンジンは、そのカーソルプレーンとアルファミックスを取得し、ナビゲーションエンジンからのアルファ情報に従ってプレーンを下げる。
【0141】
グラフィックスプレーン(Graphics Plane): グラフィックスプレーンは、当モデルでのグラフィック描画エンジンへの入力である5つのグラフィックのうち2番目のプレーンである。グラフィックスプレーンはナビゲーションエンジンに従ってアドバンスドエレメントプレゼンテーションエンジンによって生成される。レイアウトマネージャでは、グラフィックデコーダおよびテキスト/フォントラスタライザを使用してグラフィックスプレーンを作成する。出力フレームのサイズとレートは当モデルのビデオ出力と同一でなければならない。アニメーションエフェクトは、一連のグラフィックイメージ(セルアニメーション)によって実現することができる。オーバレイコントローラのナビゲーションマネージャからは当プレーンに対するアルファ情報は提供されない。これらの値は、グラフィックスプレーン自身のアルファチャネルに提供される。
【0142】
サブピクチャプレーン(Sub-Picture Plane): サブピクチャプレーンは、当モデルでのグラフィック描画エンジンへの入力である5つのグラフィックのうち3番目のプレーンである。サブピクチャプレーンは、デコーダエンジンの時間指定テキストデコーダまたはサブピクチャデコーダによって生成される。プライマリビデオセットには、適切なサブピクチャイメージのセットを出力フレームのサイズで入れることができる。SPイメージの適切なサイズが分かる場合は、SPデコーダは生成されたフレームイメージをグラフィック描画エンジンに直接送信する。SPイメージの適切なサイズが不明の場合には、SPデコーダに続くスケーラはフレームイメージの適切なサイズとポジションを計測し、グラフィック描画エンジンに送信する。
【0143】
セカンダリビデオセットは、アドバンスドサブタイトルを時間指定テキストデコーダのために入れることができる。サブピクチャデコーダからの出力データではアルファチャネル情報を保持している。
【0144】
サブビデオプレーン(Sub Video Plane): サブビデオプレーンは、当モデルでのグラフィック描画エンジンへの入力である5つのグラフィックのうち4番目のプレーンである。サブビデオプレーンは、デコーダエンジンのサブビデオデコーダによって生成される。サブビデオプレーンは、ナビゲーションマネージャからの情報に従ってデコーダエンジンのスケーラによって計測される。出力フレームレートは最終ビデオ出力と同一でなければならない。サブビデオプレーンのオブジェクトシェイプの切り抜きについては、情報が提供されていればグラフィック描画エンジンの彩度エフェクトモジュールによって行われる。彩度のカラー(またはレンジ)情報は、アドバンスドナビゲーションに従ってナビゲーションマネージャから提供される。彩度エフェクトモジュールからの出力プレーンには2つのアルファ値がある。1つは100%可視で、もうひとつは100%透過である。最下層のメインビデオプレーンへのオーバレイについては、中間アルファ値はナビゲーションマネージャから提供され、グラフィック描画エンジンのオーバレイ制御モジュールによって行なわれる。
【0145】
メインビデオプレーン(Main Video Plane): メインビデオプレーンは、当モデルでのグラフィック描画エンジンへの入力である5つのグラフィックのうち最下層のプレーンである。メインビデオプレーンは、デコーダエンジンのメインビデオデコーダによって生成される。メインビデオプレーンは、ナビゲーションマネージャからの情報に従ってデコーダエンジンのスケーラによって計測される。出力フレームレートは、最終ビデオ出力と同一でなければならない。アドバンスドナビゲーションに従ってナビゲーションマネージャが計測している場合は、メインビデオプレーンに外側のフレームカラーを設定できる。外側のフレームのデフォルトカラー値は"0,0,0"(=黒)である。図16のグラフィックス階層ではグラフィックスプレーンの階層を表している。
【0146】
上記したようにアドバンスドプレイヤでは、プレイリストのオブジェクトマッピングに従って、ビデオオーディオクリップが選択して、このクリップに含まれるオブジェクトがタイムラインを時間ベースとして再生される。
【0147】
図17には、プレイリストに従って、オブジェクトが再生される様子を示している。タイムライン上の時間t1からt3ではオブジェクト6が再生され、時間t2からt6まではオブジェクト4が再生され、時間4tからt7まではオブジェクト1が再生され、時間t5からt9まではオブジェクト2が再生され、時間t6からt8まではオブジェクト5が再生される。また時間t2から時間t5まではオブジェクト3が再生される。
【0148】
また図の例では、時間t2からt5までは、アプリケーションが起動されていることがわかる。オブジェクト及びアプリケーションは、各クリップから再生開始に先行してデータキャッシュにロードされている。なお、データアクセスマネージャは、外部のディスクからタイムマップを含む管理情報を取り込み、プレイリストに記述されているオブジェクトを取得する。そして取得したオブジェクトのうちプレイリストで指定されている時間(開始、終了)に対応するオブジェクトを一時保存用として出力する。
【0149】
図18には、本発明の装置から出力されたビデオデータが表示装置151の画面に表示された例を示している。この装置の場合は、例えばメイン画像151a、サブビデオ151bを同時に多重して表示することができる。また同時のアプリケーションに基づくコントロールパネル151cを表示することができる。
【0150】
さらに、先に説明したライブ情報解析器121と、状況表示データメモリ122があるために、画面上に現在どのようなソース及び又はコンテンツのオブジェクトが表示されているか状況表示を行うことができる。
【0151】
この状況表示を行うために、状況表示領域151dが確保されていてもよい。例152aから例152d、及び図18(B)は、各種の状況表示例を示している。例125aは、メインビデオとサブタイトルが表示されているときの表示例、例125bは、メインビデオとサブビデオが同時表示されているときの表示例、例125cは、メインビデオが表示されると共にアプリケーションが起動していることを示すときの表示例、例125dは、サブビデオが表示されると共にアプリケーションが起動していることを示すときの表示例である。
【0152】
なお上記表示例は、表示装置の画面151であるが、表示部は、情報再生装置に直接設けられている表示部であってもよい。さらにまた、上記した状況表示領域151dは、常に表示される必要はなく、オブジェクトの組み合わせが変化、つまり状況が変化したときに一定時間のみ表示されるようにしてもよい。さらにまた、ユーザ操作により、状況表示領域151dの消去、表示を選択できるようにしてもよい。
【0153】
上記したようにこの装置によると、多種類のオブジェクトが単独又は多重化されて表示部に出力されていても、プレイリスト解析により、オブジェクトの識別情報を表示することができる。したがって、例えば、メインビデオに変わってサブビデオが画面全体に表示されているサブビデオ画面をメインビデオ画面と誤認することはない。また、このような誤解が防止されることにより、ユーザは装置の操作も的確に行うことが可能となる。また、さらにオブジェクトの種類には、ナビゲーションマネージャ113に取り込まれるアプリケーションも含まれており、アプリケーションがプレゼンテーションエンジン及びAVレンダラを制御することもある。またユーザ操作に応じて出力画面の状態を制御する場合もある。このような場合、例えば、セカンダリビデオの画面が画面全体にわたって、スライドショーの如く表示されているときに、ユーザがメインビデオ画面と勘違いして、アングル切り換え操作などを行うことは無くなる。
【0154】
図19には、この発明が適用された情報再生装置500の前面図を示している。501は電源オンオフボタン、502は、表示窓であり、さきの表示部134に対応する。503は、リモコン受信部であり、505は扉開閉ボタンである。506は再生操作ボタン、507は停止操作ボタン、508はポーズ操作ボタン、509はスキップ操作ボタンである。また510は、ディスクトレイであり、扉開閉ボタン505を操作すると、ディスクトレイが突出あるいは後退して、ディスクの交換などを行うことができる。
【0155】
表示窓502では、セグメント表示部531が設けられており、ディスクの総再生時間、経過時間、残量、タイトルなどを表示することができる。また、状態表示部532では、再生中か、停止中か、ポーズ中かを表示することができる。さらにディスク識別表示部533が設けられ、ここに装填されているディスクが何であるか(DVD、HD DVDなど)を表示することができる。またタイトル表示部534が設けられ、ここには、タイトル番号を表示することができる。また535では、現在出力されている映像がどのような解像度であるかを表示することができる。上記のように、この装置では、ディスク識別表示部533を見ることにより、装填されたディスクが何であるかを容易に判別できる。また、上記したライブ情報の状況表示器536が設けられており、メインビデオ表示、サブビデオ表示、アプリケーション動作を容易に識別できるようになっている。
【0156】
本発明の装置は、片面1層DVD、片面1層HD DVD,片面2層DVD,片面2層DVD,HD DVD、両面DVD,両面HD DVD、一方面DVD,他方面HD DVDのディスクなどに対して対応可能である。
【0157】
以下、さらに上記した機能の必要性がわかるように本発明の装置の各部の特徴的な構成を及び動作を説明する。
【0158】
オーディオミキシングモデル(Audio Mixing Model)
この仕様でのオーディオミキシングモデルは、図20のオーディオミキシングモデルに示されている。当モデルへの入力には3種類のオーディオストリームがある。エフェクトサウンド、セカンダリオーディオストリーム、およびプライマリオーディオストリームである。
【0159】
サンプリングレートコンバータは、各サウンド/オーディオデコーダの出力からのオーディオサンプリングレートを最終オーディオ出力のサンプリングレートに調節する。3種類のオーディオストリーム間での静的ミキシングレベルは、ナビゲーションエンジンからのミキシングレベル情報に従って、オーディオミキシングエンジンのサウンドミキサが処理する。最終出力オーディオシグナルはHD DVDプレイヤによって異なる。
【0160】
エフェクトサウンド(Effect Sound):
エフェクトサウンドは、通常グラフィカルボタンがクリックされると使用される。シングルチャネル(モノ)とステレオチャネルのWAVフォーマットがサポートされている。サウンドデコーダはファイルキャッシュからWAVファイルを読み込み、LPCMストリームをナビゲーションエンジンの要求によってオーディオミキシングエンジンに送信する。
【0161】
サブオーディオストリーム(Sub Audio Stream):
サブオーディオストリームには2つのタイプがある。1つはセカンダリビデオセットのサブオーディオストリームである。セカンダリビデオセットにサブビデオストリームがある場合は、セカンダリオーディオはセカンダリビデオと同じでなければならない。セカンダリビデオセットにサブビデオストリームがない場合は、セカンダリオーディオはプライマリビデオセットと同じでも異なっていても良い。もう1つはプライマリビデオのサブオーディオストリームである。これはプライマリビデオと同じでなければならない。サブオーディオストリームの基本ストリームにおけるメタデータの制御は、デコーダエンジンのサブオーディオデコーダによって行なわれる。
【0162】
メインオーディオストリーム(Main Audio Stream):
プライマリオーディオストリームは、プライマリビデオセットのためのオーディオストリームである。メインオーディオストリームの基本ストリームにおけるメタデータの制御は、デコーダエンジンのメインオーディオデコーダによって行なわれる。
【0163】
ユーザインタフェースマネージャ(User Interface Manager)
ユーザインタフェースマネージャには、図14に示したようにフォントパネルコントローラ(Front Panel Controller),リモートコントローラ(Remote Control Controller)、キーボードコントローラ(Keyboard Controller)、マウスコントローラ(Mouse Controller)、およびゲームパッドコントローラ(Game Pad Controller)、カーソルコントローラ(Cursor Controller)などのいくつかのユーザインタフェースのデバイスコントローラ(Game Pad Controller)がある。各コントローラは、デバイスが利用可能かどうかの確認とユーザ操作イベントの監視を行う。ユーザ入力イベントはナビゲーションマネージャのイベントハンドラに通知される。
【0164】
カーソルマネージャはカーソルの形と位置を制御する。マウスやゲームパネルなどの関連デバイスからの移動イベントに従ってカーソルプレーンを更新する。
【0165】
<ディスクデータサプライモデル(Disc Data Supply Model)>
図21のディスクデータサプライモデルでは、ディスクからのアドバンスドコンテンツのデータサプライモデルを表している。
【0166】
ディスクマネージャでは、低レベルのディスクアクセス機能とファイルアクセス機能を提供する。ナビゲーションマネージャはファイルアクセス機能を使用して起動シーケンスのアドバンスドナビゲーションを取得する。プライマリビデオプレイヤは、両機能を使用してIFOファイルおよびTMAPファイルを取得することができる。プライマリビデオプレイヤは、通常低レベルのディスクアクセス機能を使用してP-EVOBSの指定された位置を取得するよう要求する。セカンダリプレイヤがディスク上のデータに直接アクセスすることはない。ファイルは速やかにファイルキャッシュに保存され、セカンダリビデオプレイヤによって読み込まれる。
【0167】
プライマリビデオデコーダのデマルチプレクサモジュールがP-EVOB-TY2を非多重化している場合、アドバンスドストリームパック(ADV_PCK)がある可能性がある。アドバンスドストリームパックがファイルキャッシュマネージャに送られる。ファイルキャッシュマネージャはアドバンスドストリームにアーカイブされたファイルを抽出し、ファイルキャッシュに保存する。
【0168】
<ネットワークおよび固定ストレージのデータサプライモデル(Network and Persistent Storage Data Supply Model)>
図22のネットワークおよび固定ストレージのデータサプライモデルは、ネットワークサーバおよび固定ストレージからのアドバンスドコンテンツのデータサプライモデルを表している。
【0169】
ネットワークおよび固定ストレージでは、プライマリビデオセット以外のアドバンスドコンテンツファイルをすべて保存することができる。ネットワークマネージャおよび固定ストレージマネージャはファイルアクセス機能を提供する。またネットワークマネージャは、プロトコルレベルでのアクセス機能をも提供している。
【0170】
ナビゲーションマネージャのファイルキャッシュマネージャは、ネットワークマネージャおよび固定ストレージマネージャを介してネットワークサーバおよび固定ストレージから直接アドバンスドストリームファイル(アーカイブフォーマット)を取得することができる。アドバンスドナビゲーションエンジンは、ネットワークサーバおよび固定ストレージに直接アクセスすることはできない。ファイルは、アドバンスドナビゲーションエンジンが読み込む前に速やかにファイルキャッシュに保存されていなければならない。
【0171】
アドバンスドエレメントプレゼンテーションエンジンでは、ネットワークサーバまたは固定ストレージにあるファイルを処理することができる。アドバンスドエレメントプレゼンテーションエンジンは、ファイルキャッシュマネージャを呼び出してファイルキャッシュに置かれていないファイルを取得する。ファイルキャッシュマネージャは、要求されたファイルがファイルキャッシュにキャッシュされているかどうか、ファイルキャッシュテーブルと比較する。ファイルがファイルキャッシュに存在した場合は、ファイルキャッシュマネージャはそのファイルデータをアドバンスドプレゼンテーションエンジンに直接渡す。ファイルがファイルキャッシュに存在しなかった場合は、ファイルキャッシュマネージャはファイルを元の場所からファイルキャッシュに取得し、アドバンスドプレゼンテーションエンジンにファイルデータを渡す。
【0172】
セカンダリビデオプレイヤは、ファイルキャッシュの場合と同様にネットワークマネージャおよび固定ストレージマネージャを介して、ネットワークサーバおよび固定ストレージからTMAPやS-EVOBのようなセカンダリビデオセットファイルを取得する。通常、セカンダリビデオ再生エンジンはストリーミングバッファを使用してS-EVOBをネットワークサーバから取得する。ただちにS-EVOBデータの一部をストリーミングバッファに保存し、セカンダリビデオプレイヤのデマルチプレクサモジュールに提供する。
【0173】
<データ保存モデル(Data Store Model)>
図23のデータ保存モデルについて説明している。データストレージには、固定ストレージとネットワークサーバの2種類がある。アドバンスドコンテンツ再生時には、2種類のファイルが生成される。1つは専用タイプのファイルで、ナビゲーションマネージャのプログラミングエンジンによって生成される。フォーマットはプログラミングエンジンの記述によって異なる。もう1つのファイルはイメージファイルで、プレゼンテーションエンジンによって収集される。
【0174】
<ユーザ入力モデル(User Input Model)(図24)>
ユーザ入力イベントは、すべてプログラミングエンジンによって取り扱われる。リモートコントローラ、またはフロントパネルなどのユーザインタフェースデバイスを介したユーザ操作は、最初にユーザインタフェースマネージャに入力される。ユーザインタフェースマネージャはプレイヤごとの入力シグナルを"InterfaceRemoteControllerEvent"の"UIEvent"のように定義されたイベントに変換する。変換されたユーザ入力イベントはプログラミングエンジンに送信される。
【0175】
プログラミングエンジンにはECMAスクリプトプロセッサがあり、プログラム可能な動作を実行する。プログラム可能な動作は、アドバンスドナビゲーションのスクリプトファイルが提供するECMAスクリプトの記述によって定義される。スクリプトファイルに定義されたユーザイベントハンドラコードは、プログラミングエンジンに登録される。
【0176】
ECMAスクリプトプロセッサがユーザ入力イベントを受け取ると、ECMAスクリプトプロセッサはコンテンツハンドラコードに登録されている現イベントにハンドラコードが対応しているかどうかを確認する。登録があった場合は、ECMAスクリプトプロセッサはそれを実行する。登録がなかった場合には、ECMAスクリプトプロセッサはデフォルトのハンドラコードを検索する。対応するデフォルトのハンドラコードが存在した場合は、ECMAスクリプトプロセッサはそれを実行する。それも存在しなかった場合は、ECMAスクリプトプロセッサはそのイベントを取り消すか、警告シグナルを出力する。
【0177】
*ビデオアウトプットタイミング(Video Output Timing): 再生されデコードされたビデオは、デコーダエンジンにより制御されて外部へ出力される。
【0178】
*グラフィックプレーンのSDコンバージョン(SD Conversion of Graphic Plane): グラフィックプレーンは、アドバンスドエレメントプレゼンテーションエンジンのレイアウトマネージャによって生成される。生成されたフレームレゾルーションがHD DVDプレイヤの最終ビデオアウトプットレゾルーションと一致しない場合、グラフィックフレームはSDパン−スキャンまたはSDレターボックスなどの現アウトプットモードに従って、レイアウトマネージャのスケーラ機能が計測する。またパーんスキャンを行うためのスケーリング、レターボックス出力をえるためのスケーリング機能も設けられる。
【0179】
<プレゼンテーションタイミングモデル(Presentation Timing Model)>
アドバンスドコンテンツプレゼンテーションは、プレゼンテーションスケジュールとプレゼンテーションオブジェクト間の同期化関係を定義するマスタ時間によって管理される。マスタ時間は、タイトルタイムラインと呼ばれる。タイトルタイムラインは各論理再生時間に対して定義され、これをタイトルと呼ぶ。タイトルタイムラインのタイミング単位は90kHzである。プレゼンテーションオブジェクトには5種類あり、プライマリビデオセット(PVS)、セカンダリビデオセット(SVS)、補助オーディオ、補助サブタイトル、およびアドバンスドアプリケーション(ADV_APP)である。
【0180】
<プレゼンテーションオブジェクト(Presentation Object)>
5種類のプレゼンテーションオブジェクトは以下の通りである、
・プライマリビデオセット(PVS)
・セカンダリビデオセット(SVS)
−サブビデオ/サブオーディオ
−サブビデオ
−サブオーディオ
・補助オーディオ(プライマリビデオセット用)
・補助サブタイトル(プライマリビデオセット用)
・アドバンスドアプリケーション(ADV_APP)
<プレゼンテーションオブジェクトの属性(Attributes of Presentation Object)>
プレゼンテーションオブジェクトには2種類の属性がある。1つは"スケジュールされた"、もう1つは"同期化された"である。
【0181】
<スケジュールされたプレゼンテーションオブジェクトと同期化されたプレゼンテーションオブジェクト(Scheduled and Synchronized Presentation Object)>
このオブジェクトタイプの開始および終了時間は、プレイリストファイルに事前割当てする。プレゼンテーションタイミングはタイトルタイムラインの時間で同期化される。プライマリビデオセット、補助オーディオおよび補助サブタイトルは、このオブジェクトタイプである。セカンダリビデオセットとアドバンスドアプリケーションは、このオブジェクトタイプとして扱われる。
【0182】
<スケジュールされたプレゼンテーションオブジェクトと同期化されないプレゼンテーションオブジェクト(Scheduled and Non-Synchronized Presentation Object)>
このオブジェクトタイプの開始および終了時間は、プレイリストファイルに事前割当てする。プレゼンテーションタイミングはそれ自身のタイムベースである。セカンダリビデオセットとアドバンスドアプリケーションはこのオブジェクトタイプとして扱われる。
【0183】
<スケジュールされないプレゼンテーションオブジェクトと同期化されたプレゼンテーションオブジェクト(Non-Scheduled and Synchronized Presentation Object)>
このオブジェクトタイプは、プレイリストファイルに記述されない。このオブジェクトは、アドバンスドアプリケーションが取り扱うユーザイベントによって起動される。プレゼンテーションタイミングはタイトルタイムラインで同期化される。
【0184】
<スケジュールされないプレゼンテーションオブジェクトと同期化されないプレゼンテーションオブジェクト(Non-Scheduled and Non-Synchronized Presentation Object)>
このオブジェクトタイプは、プレイリストファイルに記述されない。このオブジェクトは、アドバンスドアプリケーションが取り扱うユーザイベントによって起動される。プレゼンテーションタイミングはそれ自身のタイムベースである。
【0185】
<プレイリストファイル(Playlist file)>
プレイリストファイルには、アドバンスドコンテンツ再生に対して2つの使用目的がある。1つはHD DVDプレイヤの初期システム構成のためのもので、もう1つはアドバンスドコンテンツのプレゼンテーションコンテンツを複数プレイする方法の定義のためのものである。プレイリストファイルは、以下のアドバンスドコンテンツ再生の構成情報で構成される。
【0186】
・各タイトルのオブジェクトマッピング情報
・各タイトルの再生シーケンス
・アドバンスドコンテンツ再生のシステム構成
図25のプレイリスト概要では、システム構成を除いたプレイリストの概要を示している。
【0187】
<オブジェクトマッピング情報(Object Mapping Information)>
タイトルタイムラインは、デフォルトの再生シーケンスとプレゼンテーションオブジェクト間のタイミング関係をタイトルごとに定義する。アドバンスドアプリケーション、プライマリビデオセット、またはセカンダリビデオセットなどのスケジュールされたプレゼンテーションオブジェクトは、その動作時間(開始時間から終了時間)をタイトルタイムラインに事前割当する。図26は、タイトルタイムラインへのオブジェクトマッピングの様子を示している。タイトルタイムラインの経過に従って、各プレゼンテーションオブジェクトはそのプレゼンテーションを開始および終了する。プレゼンテーションオブジェクトがタイトルタイムラインと同期化されている場合は、事前割当したタイトルタイムラインの動作時間はそのプレゼンテーション時間と等しくなる。
【0188】
例) TT2 - TT1 = PT1_1 - PT1_0
PT_1がP-EVOB-TY2 #1のプレゼンテーション開始時間、PT_1がP-EVOB-TY2 #1のプレゼンテーション終了時間である。
【0189】
以下の説明は、オブジェクトマッピング情報の事例である、
<Title id=”MainTitle”>
<PrimaryVideoTrack id=”MainTitlePVS”>
<Clip id=”P-EVOB-TY2-0” src=”file:///HDDVD_TS/AVMAP001.IFO”
titleTimeBegin=”01:00:00:00” titleTimeEnd=”02:00:00:00” clipTimeBegin=”0”/>
<Clip id=”P-EVOB-TY2-1” src=”file:///HDDVD_TS/AVMAP002.IFO”
titleTimeBegin=”02:00:00:00” titleTimeEnd=”03:00:00:00” clipTimeBegin=”0”/>
<Clip id=”P-EVOB-TY2-2” src=”file:///HDDVD_TS/AVMAP003.IFO”
titleTimeBegin=”03:00:00:00” titleTimeEnd=”04:50:00:00” clipTimeBegin=”0”/>
<Clip id=”P-EVOB-TY2-3” src=”file:///HDDVD_TS/AVMAP005.IFO”
titleTimeBegin=”05:00:00:00” titleTimeEnd=”06:50:00:00” clipTimeBegin=”0”/>
</PrimaryVideoTrack>
<SecondaryVideoTrack id=”CommentarySVS”>
<Clip id=”S-EVOB-0” src=”http://dvdforum.com/commentary/AVMAP001.TMAP”
titleTimeBegin=”05:00:00:00” titleTimeEnd=”06:50:00:00” clipTimeBegin=”0”/>
</SecondaryVideoTrack>
<Application id=”App0” manifest=”file:///ADV_OBJ/App0/Manifest.xml” />
<Application id=”App0” manifest=”file:///ADV_OBJ/App1/Manifest.xml” />
</Title>
セカンダリビデオセット、補助オーディオ、および補助サブタイトルの間にはオブジェクトマッピングに対して制約がある。これら3つのプレゼンテーションオブジェクトはセカンダリビデオプレイヤによって再生されるので、これらのプレゼンテーションオブジェクトを2つ以上タイトルタイムラインに同時にマッピングすることは認められていない。
【0190】
プレイリストのタイトルタイムラインにプレゼンテーションオブジェクトを事前割当すると、図27に示すように、各プレゼンテーションオブジェクトの索引情報ファイルが参照される。プライマリビデオセットとセカンダリビデオセットの場合、TMAPファイルはプレイリストで参照される。
【0191】
<再生シーケンス(Playback Sequence)>
図28に示されるように再生シーケンスは、タイトルタイムラインの時間値によってチャプタの開始位置を定義する。チャプタの終了場所には、次のチャプタの開始位置または最終チャプタのタイトルラインの終了が適用される。
【0192】
以下の説明は、再生シーケンスの事例である、
<ChapterList>
<Chapter titleTimeBegin=“0”/>
<Chapter titleTimeBegin=“01:00:00:00”/>
<Chapter titleTimeBegin=“02:00:00:00”/>
<Chapter titleTimeBegin=“02:55:00:00”/>
<Chapter titleTimeBegin=“03:00:00:00”/>
<Chapter titleTimeBegin=“04:55:55:00”/>
</ChapterList>
<トリックプレイ(Trick Play)>
図29のトリックプレイの再生例では、タイトルタイムラインの関係オブジェクトマッピング情報と実際のプレゼンテーションについて示している。
【0193】
2つのプレゼンテーションオブジェクトがある。1つはプライマリビデオであり、同期化されたプレゼンテーションオブジェクトである。もう1つはメニュー用のアドバンスドアプリケーションで、同期化されていないプレゼンテーションオブジェクトである。メニューでは、プライマリビデオには再生制御メニューが提供されていることを前提とする。またそれには、ユーザ動作でクリックされる複数のメニューボタンが含まれていることが前提とされている。メニューボタンにはグラフィカル効果がある。効果持続時間は"T_BTN"である。
【0194】
<リアルタイム経過(t0)>
リアルタイム経過の時間't0'で、アドバンスドコンテンツプレゼンテーションが開始する。タイトルタイムラインの時間経過に従って、プライマリビデオは再生される。メニューアプリケーションもまたそのプレゼンテーションを't0'で開始するが、そのプレゼンテーションはタイムラインの時間経過には依存しない。
【0195】
<リアルタイム経過(t1)>
リアルタイム経過の時間't1'で、メニューアプリケーションに表示される'一時停止'ボタンをユーザがクリックする。その時、'一時停止'ボタンに関連するスクリプトはTT1でタイムラインの時間経過を一時停止する。タイトルタイムラインが一時停止されると、ビデオプレゼンテーションもVT1で一時停止する。逆にメニューアプリケーションは動作を継続する。つまり'一時停止'ボタンに関連しているメニューボタンの効果によって't1'から開始される。
【0196】
<リアルタイム経過(t2)>
リアルタイム経過の時間't2'で、メニューボタンの効果を終了する。't2-t1'時間はボタンの効果持続時間'T_BTN'と等しい。
【0197】
<リアルタイム経過(t3)>
リアルタイム経過の時間't3'で、メニューアプリケーションが表示する'プレイ'ボタンをユーザがクリックする。その時、'プレイ'ボタンに関連するスクリプトはTT1でタイムラインの時間経過を開始する。タイトルタイムラインが開始されると、ビデオプレゼンテーションもVT1から開始される。'プレイ'ボタンに関連しているメニューボタンの効果によって't3'から開始される。
【0198】
<リアルタイム経過(t4)>
リアルタイム経過の時間't4'で、メニューボタンの効果を終了する。't3-t4'時間はボタンの効果持続時間'T_BTN'と等しい。
【0199】
<リアルタイム経過(t5)>
リアルタイム経過の時間't5'で、メニューアプリケーションが表示する'ジャンプ'ボタンをユーザがクリックする。その時、'ジャンプ'ボタンに関連するスクリプトはタイムラインの時間を特定のジャンプ時間TT3だけジャンプさせる。ただしビデオプレゼンテーションのジャンプ操作には多少時間がかかるので、その時タイトルタイムラインの時間は't5'を維持する。逆にメニューアプリケーションは動作を継続し、タイトルタイムラインの経過には関係しないため、'ジャンプ'ボタンに関連しているメニューボタンの効果によって't5'から開始される。
【0200】
<リアルタイム経過(t6)>
リアルタイム経過の時間't6'で、ビデオプレゼンテーションはVT3からいつでも開始できるようにしている。このときタイトルタイムラインはTT3から開始する。タイトルタイムラインが開始すると、ビデオプレゼンテーションもVT3から開始される。
【0201】
<リアルタイム経過(t7)>
リアルタイム経過の時間't7'で、メニューボタンの効果を終了する。't7-t5'時間はボタンの効果持続時間'T_BTN'と等しい。
【0202】
<リアルタイム経過(t8)>
リアルタイム経過の時間't8'で、タイムラインが終了時間TTeに達した。ビデオプレゼンテーションもVTeに達するので、プレゼンテーションは終了される。メニューアプリケーションでは、その動作時間がタイトルタイムラインのTTeに割当てられているので、メニューアプリケーションのプレゼンテーションもTTeで終了される。
【0203】
<アドバンスドアプリケーション(Advanced Application:図30参照)>
アドバンスドアプリケーション(ADV_APP)は、1方向のみ、または2方向の相互リンクのマークアップページファイル(Markup Page File)、アドバンスドアプリケーションに属する名前スペースを共有するスクリプトファイル、さらにマークアップページとスクリプトファイル(Script File)が使用するアドバンスドエレメントファイル(Advanced Element File)で構成される。
【0204】
アドバンスドアプリケーションのプレゼンテーション時、アクティブなマークアップページは常に1つである。アクティブなマークアップページは一方から他へジャンプする。<アドバンスドコンテンツの再生シーケンスについて説明する。>
<アドバンスドコンテンツの起動シーケンス>
図31のアドバンスドコンテンツの起動シーケンスでは、ディスクのアドバンスドコンテンツの起動シーケンスをフローチャートで示している。
【0205】
初期プレイリストファイルの読込み:
挿入されたHD DVDディスクのディスクカテゴリタイプが2または3であることが検出されると、アドバンスドコンテンツプレイヤはオブジェクトマッピング情報、再生シーケンスおよびシステム構成を保持した初期プレイリストファイルを順番に読み込む。
【0206】
システム構成の変更:
プレイヤは、アドバンスドコンテンツプレイヤのシステムリソース構成を変更する。ストリーミングバッファサイズは、この段階でプレイリストファイルに記述されたストリーミングバッファサイズに従って変更される。この時点でファイルキャッシュとストリーミングバッファにあるファイルとデータは、すべて取り消される。
【0207】
タイトルタイムラインマッピングおよび再生シーケンスの初期化:
ナビゲーションマネージャは、最初のタイトルのタイトルタイムラインのプレゼンテーションオブジェクトをプレゼンテーションする場所とチャプタエントリポイントについて計算する。
【0208】
最初のタイトル再生準備:
ナビゲーションマネージャは、最初のタイトル再生を開始する前にファイルキャッシュに保存する必要のあるファイルをすべて読み込み、保存する。これらは、アドバンスドエレメントプレゼンテーションエンジンのアドバンスドエレメントファイル、またはセカンダリビデオプレイヤエンジンのTMAP/S-EVOBファイルである。ナビゲーションマネージャは、この段階でアドバンスドエレメント再生エンジン、セカンダリビデオプレイヤおよびプライマリビデオプレイヤおよびプライマリビデオプレイヤなどのプレゼンテーションモジュールを初期化する。
【0209】
最初のタイトルにプライマリビデオセットプレゼンテーションがある場合、ナビゲーションマネージャは最初のタイトルのタイトルタイムライン上にプライマリビデオセットのプレゼンテーションマッピング情報を通知し、FOおよびTMAPなどのプライマリビデオセットのナビゲーションファイルを指定する。プライマリビデオプレイヤは、ディスクからIFOとTMAPを読み込んで、通知されたプレゼンテーションマッピング情報に従ってプライマリビデオセットの再生を制御する内部パラメータを準備する。さらにプライマリビデオプレイヤとデコードエンジンの必要なデコーダモジュール間を接続する。
【0210】
セカンダリビデオセット、補助オーディオ、または補助サブタイトルなどのセカンダリビデオプレイヤによってプレイされるプレゼンテーションオブジェクトが最初のタイトルにある場合、ナビゲーションマネージャはタイトルタイムラインの最初のプレゼンテーションオブジェクトのプレゼンテーションマッピング情報を通知する。さらにTMAPなどのプレゼンテーションオブジェクトに対してナビゲーションファイルを指定する。セカンダリビデオプレイヤはデータソースからTMAPを読み込んで、通知されたプレゼンテーションマッピング情報に従ってプレゼンテーションオブジェクトの再生を制御する内部パラメータを準備する。さらにセカンダリビデオプレイヤとデコーダエンジンの要求されたデコードモジュール間を接続する。
【0211】
最初のタイトルのプレイ開始:
最初のタイトル再生の準備が終了すると、アドバンスドコンテンツプレイヤはタイトルタイムラインを開始する。タイトルタイムラインにマッピングされたプレゼンテーションオブジェクトは、プレゼンテーションスケジュールに従ってプレゼンテーションを開始する。
【0212】
<アドバンスドコンテンツ再生の更新シーケンス>
図32のアドバンスドコンテンツ再生の更新シーケンスでは、アドバンスドコンテンツ再生の更新シーケンスをフローチャートで示している。"プレイリストファイルの読込み"から"最初のタイトル再生の準備"までは、前述のアドバンスドコンテンツの起動シーケンスと同じである。
【0213】
再生タイトル:
アドバンスドコンテンツプレイヤはタイトルを再生する、
新しいプレイリストファイルの有無?:
アドバンスドコンテンツ再生を更新するには、更新手順を実行するアドバンスドアプリケーションが必要となる。アドバンスドアプリケーションがそのプレゼンテーションを更新する場合、ディスクのアドバンスドアプリケーションは事前にスクリプトシーケンスを検索して更新しておかなければならない。プログラミングスクリプトは、利用可能な新しいプレイリストファイルの有無に関わらず、指定のデータソース、通常はネットワークサーバを検索する。
【0214】
プレイリストファイルの登録:
利用可能な新しいプレイリストファイルが存在する場合は、プログラミングエンジンが実行するスクリプトは、それをファイルキャッシュにダウンロードして、アドバンスドコンテンツプレイヤに登録する。
【0215】
ソフトリセットの発行:
新しいプレイリストファイルが登録されると、アドバンスドナビゲーションはソフトリセットAPIを発行して起動シーケンスを再スタートする。ソフトリセットAPIは、現パラメータと再生の構成をすべてリセットし、"プレイリストファイルの読込み"の直後に起動手順を再スタートする。"システム構成の変更"とそれ以降の手順は、新しいプレイリストファイルに基づいて実行される。
【0216】
<アドバンスドVTSと標準VTS間の変換シーケンス>
ディスクカテゴリタイプ3の再生の場合は、アドバンスドVTSと標準VTS間の再生変換が必要となる。図33はアドバンスドVTSと標準VTS間の変換シーケンスでは、このシーケンスをフローチャートで示している。
【0217】
アドバンスドコンテンツのプレイ:
ディスクカテゴリタイプ3のディスク再生は、アドバンスドコンテンツ再生から開始する。この間、ユーザ入力イベントはナビゲーションマネージャによって取り扱われる。プライマリビデオプレイヤによって取り扱われるユーザイベントは、すべてナビゲーションマネージャが確実にプライマリビデオプレイヤに送信する必要がある。
【0218】
標準VTS再生イベントの検出:
アドバンスドコンテンツは、アドバンスドナビゲーションのCallStandardContentPlayer APIによってアドバンスドコンテンツ再生から標準コンテンツ再生への変換を明示する。CallStandardContentPlayerには、再生開始位置を引数として指定することができる。ナビゲーションマネージャがCallStandardContentPlayerコマンドを検出すると、ナビゲーションマネージャはアドバンスドVTSの再生の一時停止をプライマリビデオプレイヤに要求してCallStandardContentPlayerコマンドの呼び出しを行なう。
【0219】
標準VTSのプレイ:
ナビゲーションマネージャがCallStandardContentPlayer APIを発行すると、プライマリビデオプレイヤは指定の場所から標準VTSの開始までジャンプする。この間、ナビゲーションマネージャは一時停止となっているため、ユーザイベントはプライマリビデオプレイヤに直接入力しなければならない。またこの間は、プライマリビデオプレイヤが標準VTS間の再生変換のすべてをナビゲーションコマンドに基づいて行なう。
【0220】
アドバンスドVTS再生コマンドの検出:
標準コンテンツでは、標準コンテンツ再生からアドバンスドコンテンツ再生への変換をナビゲーションコマンドのCallAdvancedContentPlayerによって明示的に指定する。プライマリビデオプレイヤがCallAdvancedContentPlayerコマンドを検出すると、標準VTSのプレイを停止し、CallAdvancedContentPlayerコマンドの呼出し直後の実行位置からナビゲーションマネージャを再開する。
【0221】
図34は、この発明の一実施の形態に係るディスク状情報記憶媒体に記録される情報内容を説明する図である。図34(a)に示す情報記憶媒体1は、例えば波長650nmの赤色レーザないし405nm(あるいはそれ以下)の青色レーザを用いる高密度光ディスク(High Density またはHigh Definition のDigital Versatile Disc:略してHD_DVD)で構成できる。
【0222】
図34(b)に示すように、情報記憶媒体1は、内周側からリードイン領域10、データ領域12、およびリードアウト領域13を含んで構成されている。この情報記憶媒体1では、ファイルシステムにISO9660とUDFのブリッジ構造を採用し、データ領域12のリードイン側にISO9660とUDFのボリューム/ファイル構造情報領域11を持っている。
【0223】
データ領域12内は、図34(c)に示すように、DVDビデオコンテンツ(スタンダードコンテンツまたはSDコンテンツとも呼ぶ)を記録するためのビデオデータ記録領域20、他のビデオデータ記録領域(アドバンスドコンテンツを記録するためのアドバンスドコンテンツ記録領域)21、および一般のコンピュータ情報記録領域22の混在配置が許されている。(ここで、コンテンツという複数表現はコンテントという単数表現の内容も含んでいる。また、コンテントはコンテンツの代表単数という意味も含んでいる。)
ビデオデータ記録領域20内は、図34(d)に示すように、ビデオデータ記録領域20内に記録されたHD_DVDビデオコンテンツ全体に関する管理情報が記録されたHDビデオマネージャ(HDVMG:High Definition対応のVideo Maneger)記録領域30と、各タイトル毎にまとめられ、各タイトル毎の管理情報と映像情報(ビデオオブジェクト)がまとめて記録されたHDビデオタイトルセット(HDVTS:High Definition対応のVideo Title Set:スタンダードVTSとも呼ぶ)記録領域40と、アドバンスドHDビデオタイトルセット(AHDVTS:アドバンスドVTSとも呼ぶ)記録領域50を含んで構成されている。
【0224】
HDビデオマネージャ(HDVMG)記録領域30の中は、図34(e)に示すように、ビデオデータ記録領域20全体に関わる管理情報を示すHDビデオマネージャ情報(HDVMGI:High Definition対応のVideo Manager Informaiton)領域31と、そのバックアップ用としてHDビデオマネージャ情報領域31と全く同じ情報が記録されたHDビデオマネージャ情報バックアップ(HDVMGI_BUP)領域34と、ビデオデータ記録領域20全体を示すトップメニュー画面が記録されたメニュー用ビデオオブジェクト(HDVMGM_VOBS)領域32を含んで構成されている。
【0225】
この発明の一実施の形態では、HDビデオマネージャ記録領域30内に、メニュー表示時に並行して出力する音声情報が記録されるメニュー用オーディオオブジェクト(HDMENU_AOBS)領域33を新たに設けている。さらに、この発明の一実施の形態では、ディスク(情報記憶媒体)1がディスクドライブに装填された直後の最初のアクセスで実行されるファーストプレイPGC用の言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35の領域に、メニュー記述言語コード等が設定できる画面を記録可能に構成している。
【0226】
各タイトル毎の管理情報と映像情報(ビデオオブジェクト)がまとめて記録された1個のHDビデオタイトルセット(HDVTS)記録領域40の内部は、HDビデオタイトルセット記録領域40内の全コンテンツに対する管理情報が記録されているHDビデオタイトルセット情報(HDVTSI)領域41と、そのバックアップデータとしてHDビデオタイトルセット情報領域41と全く同じ情報が記録されたHDビデオタイトルセット情報バックアップ(HDVTSI_BUP)領域44と、ビデオタイトルセット単位でのメニュー画面の情報が記録されたメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42と、このビデオタイトルセット内でのビデオオブジェクトデータ(タイトルの映像情報)が記録されているタイトル用ビデオオブジェクト(HDVTSTT_VOBS)領域43を含んで構成されている。
【0227】
図35は、図34に示す情報記憶媒体のアドバンスドコンテンツ記録領域21に記憶されるアドバンスドコンテント(Advanced Content)の構成例を説明する図である。なお、アドバンスドコンテントは、必ずしも情報記憶媒体に記憶されている必要はなく、例えばネットワークを経由してサーバから提供されるものであってもよい。
【0228】
図35(a)に示すように、アドバンスドコンテントエリアA1に記録されるアドバンスドコンテントは、プライマリ(Primary)/セカンダリ(Secondary) ビデオセットアウトプット(Video Set output)、テキスト(text)/グラフィック(graphic) レンダリング(rendering)およびオーディオアウトプット(audio output)を管理するアドバンスドナビゲーション(Advanced Navigation)と、アドバンスドナビゲーションにより管理されるこれらデータからなるアドバンスドデータ(Advanced Data)を含んで構成されている。アドバンスドナビゲーションエリアA11に記録されるアドバンスドナビゲーションは、プレイリストファイルズ(Play list files)、ローディングインフォメーションファイルズ(Loading Information files)、マークアップファイルズ(Markup files) (for content、styling、timing information)およびスクリプトファイルズ(Script files)を含んでいる。なお、プレイリストファイルズは、プレイリストファイルズエリアA111に記録される。ローディングインフォメーションファイルズは、ローディングインフォメーションファイルズエリアA112に記録される。マークアップファイルズは、マークアップファイルズエリアA113に記録される。スクリプトファイルズは、スクリプトファイルズエリアA114に記録される。
【0229】
またアドバンスドデータエリアA12に記録されるアドバンスドデータは、オブジェクトデータを含むプライマリビデオセット(VTSI, TMAP and P-EVOB)、オブジェクトデータを含むセカンダリビデオセット(TMAP and S-EVOB)、アドバンスドエレメント(JPEG, PNG, MNG, L-PCM, OpenType font等) その他を含んでいる。また、アドバンスドデータは、上記に加えてメニュー(画面)を構成するオブジェクトデータも含んでいる。例えば、アドバンスドデータに含まれるオブジェクトデータは、図35(b)に示すフォーマットのタイムマップ(TMAP)によりタイムライン上の指定期間で再生される。なお、プライマリビデオセットは、プライマリビデオセットエリアA121に記録される。セカンダリビデオセットは、セカンダリビデオセットエリアA122に記録される。アドバンスドエレメントは、アドバンスドエレメントエリアA123に記録される。
【0230】
アドバンスドナビゲーションは、プレイリストファイル、ローディングインフォメーションファイルズ、マークアップファイルズ(for content、styling、timing information)、およびスクリプトファイルズを含んでいる。これらのファイル(プレイリストファイル、ローディングインフォメーションファイルズ、マークアップファイルズ、スクリプトファイルズ)はXMLドキュメント(document)としてエンコードされる。なお、アドバンスドナビゲーション用のXMLドキュメントのリソースは、正しい書式で記述されていないときはアドバンスドナビゲーション エンジンでリジェクトされる。
【0231】
XMLドキュメントは、基準となるドキュメントタイプの定義に従い有効となるが、(プレイヤ側の)アドバンスドナビゲーション エンジンはコンテントの有効性を判断する機能は必ずしも必要でない(コンテントの有効性はプロバイダが保証すればよい)。もしXMLドキュメントのリソースが正しい書式で記述されていないときは、アドバンスドナビゲーション エンジンの正常動作は保証されない。
【0232】
XMLの宣言(declaration)には以下のルールが適用される:
・エンコードの宣言は“UTF-8”または“ISO-8859-1”とする。XMLファイルはこれらのいずれかによりエンコードされる;
・XML宣言内における標準ドキュメント宣言の値は、この標準ドキュメント宣言が存在するときは“no”とする。標準ドキュメント宣言がないときは、この値は“no”とみなす。
【0233】
ディスクあるいはネットワーク上で利用可能な全てのリソースは、[URI, RFC2396]で定義されたUniform Resorce Identifierによりエンコードされたアドレスを持つ。
【0234】
DVDディスクに対してサポートされるプロトコルおよびパスは、例えば次のようになる:
file://dvdrom:/dvd_advnav/file.xml
図35(b)は、タイムマップ(TMAP)の構成例をしめす。このタイムマップは、プライマリエンハンスドビデオオブジェクト(P−EVOB)内の再生時間を対応するエンハンスドビデオオブジェクトユニット(EVOBU)のアドレスに変換することに使用されるタイムマップ情報(TMAPI)を構成要素とする TMAP内は、TMAP General Information (TMAP_GI)から始まり、その後にTMAPI Search Pointer(TMAPI_SRP)とTMAP Information(TMAPI)が続き、最後にILVU Information (ILVUI)が配置される。
【0235】
<プレイリストファイルについて>
プレイリストファイルは、HD−DVDプレイヤの初期システムコンフィギュレーションおよびアドバンスドコンテント用タイトルの情報を記述できる。このプレイリストファイルには、図36に例示されるように、オブジェクトマッピングインフォメーション(Object Mapping Information)と各タイトル用のプレイバックシーケンス(Playback Sequence)のセットが、タイトル毎に記述される。このプレイリストファイルはXMLの書式でエンコードされる。プレイリストファイルのシンタックス(syntax)は、XMLシンタックスリプレゼンテーション(XML Syntax Representation)により定義できる。
【0236】
このプレイリストファイルは、複数のオブジェクトをタイムライン上の指定期間で再生するためのタイムマップに基づき、これら複数のオブジェクトにより構成されるメニュー及びタイトルの再生を制御する。このプレイリストにより、動的なメニューの再生が可能となる。
【0237】
タイムマップにリンクしないメニューでは、ユーザに対して静的な情報しか伝えられない。例えば、メニュー上には、1タイトルを構成する各チャプタを代表する複数のサムネイルが添付されることがある。例えば、メニューを介して、所望のサムネイルを選択すると、選択されたサムネイルが属するチャプタの再生が開始される。似たような場面の多い1タイトルを構成する各チャプタのサムネイルは、似たような映像となってしまう。このため、メニュー上に表示される複数のサムネイルから、所望チャプタを見つけ出すのが難しいという問題がある。
【0238】
しかしながら、タイムマップにリンクしたメニューによれば、ユーザに対して動的な情報を伝えることができる。例えば、タイムマップにリンクしたメニュー上には、1タイトルを構成する各チャプタの縮小再生画面(動画)を表示することができる。これにより、似たような場面の多い1タイトルを構成する各チャプタの区別が比較的容易となる。つまり、タイムマップにリンクしたメニューによれば多角的な表示が可能となり、複雑でインパクトのあるメニュー表示を実現できる。
【0239】
<ElementsとAttributes>
プレイリストエレメント(Play list element)は、そのプレイリストのルートエレメント(root element)である。プレイリストエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Play list>
Configuration TitleSet
</Play list>
プレイリストエレメントは、a TitleSet element for a set of the information of Titles、及びa Configuration element for System Configuration Informationで構成される。コンフィグレーションエレメント(The Configuration element)は、a set of System Configuration for Advanced Contentで構成される。また、システムコンフィグレーションインフォメーション(System Configuration Information)は、例えばストリームバッファサイズ等を指定するData Cache configurationにより構成できる。
【0240】
タイトルセットエレメントは、プレイリスト内の、a set of Titles for Advanced Contentsの情報を記述するものである。タイトルセットエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<TitleSet>
Title *
</TitleSet>
タイトルセットエレメントは、タイトルエレメント(Title element)のリストで構成される。タイトルエレメントのドキュメント順序に従い、アドバンスドナビゲーション用のタイトル番号(Title number)は“1”から順に連続して割り当てられる。タイトルエレメントは、各タイトルの情報を記述するように構成されている。
【0241】
すなわち、タイトルエレメントは、タイトル内のオブジェクトマッピングインフォメーションとプレイバックシーケンスを含んで構成されるアドバンスドコンテンツ用タイトル(Title for Advanced Contents)の情報を記述する。タイトルエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Title
id = ID
hidden = (true | false)
onExit = positiveInteger>
Primary Video Track?
SecondaryVideoTrack ?
SubstituteAudioTrack ?
ComplementarySubtitleTrack ?
ApplicationTrack *
Chapter List ?
</Title>
タイトルエレメントのコンテントは、トラック用エレメントフラグ(element fragment for tracks)とチャプタリストエレメント(Chapter List element)で構成される。ここで、トラック用エレメントフラグは、プライマリビデオトラックのエレメントのリスト(a list of elements of Primary Video Track)、セカンダリビデオトラック(Secondary Video Track)、サブスティチュートオーディオトラック(SubstituteAudio Track)、コンプリメンタリーサブタイトルトラック(Complementary Subtitle Track)、およびアプリケーショントラック(Application Track)で構成される。
【0242】
タイトル用オブジェクトマッピングインフォメーション(Object Mapping Information for a Title)は、トラック用エレメントフラグメント(element fragment for tracks)により記述される。タイトルタイムライン(Title Timeline)上でのプレゼンテーションオブジェクト(Presentation Object)のマッピングは、対応するエレメント(element)により記述される。ここで、プライマリビデオセットはプライマリビデオトラック(Primary Video Track)に対応し、セカンダリビデオセットはセカンダリビデオトラック(Secondary Video Track)に対応し、サブスティチュートオーディオ(SubstituteAudio)はサブスティチュートオーディオトラック(SubstituteAudio Track)に対応し、コンプリメンタリーサブタイトルはコンプリメンタリーサブタイトルトラック(Complementary Subtile Track)に対応し、そしてADV_APPはアプリケーショントラック(Application Track)に対応している。
【0243】
なお、タイトルタイムラインは各タイトルに割り当てられている。また、チャプタ-ポインツ(chapter points)からなるタイトル用プレイバックシーケンス(Playback Sequence for a Title)の情報は、チャプタリストエレメント(Chapter List element)により記述される。
【0244】
ここで、(a) hidden attributeは、タイトルがユーザ操作によりナビゲートできるかどうかを記述できる。もしその値が“true”であれば、そのタイトルはユーザ操作によりナビゲートできない。この値は省略することもでき、その場合のデフォルト値は“false”とされる。
【0245】
また、(b) on Exit attributeは、現在のタイトル再生の後に再生されるタイトルを記述できる。現在のタイトル再生がそのタイトルの末尾より前にあるときは、プレイヤは(再生の)ジャンプをしないように構成できる。
【0246】
プライマリビデオトラックエレメント(Primary Video Track element)は、タイトル内のプライマリビデオセットのオブジェクトマッピングインフォメーションを記述するものである。プライマリビデオトラックエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Primary Video Track
id = ID>
(Clip | Clip Block) +
</Primary Video Track>
プライマリビデオトラックのコンテントは、プレゼンテーションオブジェクトとしてプライマリビデオ内のP-EVOBを参照する、クリップエレメント(Clip element)とクリップブロックエレメント(Clip Block element)のリストで構成される。プレイヤは、クリップエレメントの記述に従い、スタートタイムおよびエンドタイムを用いて、タイトルタイムライン上にP-EVOB(s)を事前に割り振る(pre-assign)ように構成される。なお、タイトルタイムライン上に割り振られたP-EVOB(s)は、互いにオーバーラップしないようになっている。
【0247】
セカンダリビデオトラックエレメント(Secondary Video Track element)は、タイトル内のセカンダリビデオセットのオブジェクトマッピングインフォメーションを記述するものである。セカンダリビデオトラックエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<SecondaryVideoTrack
id = ID
sync = (true | false)>
Clip +
</SecondaryVideoTrack>
セカンダリビデオトラックのコンテントは、プレゼンテーションオブジェクトとしてセカンダリビデオセット内のS-EVOBを参照する、クリップエレメントのリストで構成される。プレイヤは、クリップエレメントの記述に従い、スタートタイム(start time)およびエンドタイム(end time)を用いて、タイトルタイムライン上にS-EVOB(s)を事前に割り振る(pre-assign)ように構成される。
【0248】
また、プレイヤは、クリップエレメントのタイトルビギンタイム(title Begin Time)及びタイトルエンドタイム属性(title End Time attribute)により、タイトルタイムライン上のクリップのスタート及びエンドポジション(start and end position)として、タイトルタイムライン 上に、クリップ及びクリップブロック(Clip and the Clip Block)をマップ(map)するように構成される。なお、タイトルタイムライン上に割り振られたS-EVOB(s)は、互いにオーバーラップしないようになっている。
【0249】
ここで、もし同期属性(sync attribute)が‘true’であれば、セカンダリビデオセットはタイトルタイムライン上の時間に同期する。一方、同期属性が‘false’のときは、セカンダリビデオセットは自身の時間で走る(換言すれば、同期属性が‘false’のときは、タイムラインの時間でなくセカンダリビデオセット自身に割り振られている時間で再生が進行する)ように構成できる。
【0250】
さらに、もし同期属性値(sync attribute value)が‘true’若しくは省略されているときは、セカンダリビデオトラック内のプレゼンテーションオブジェクトは同期オブジェクト(Synchronized Object)となる。一方、同期属性値が‘false’であれば、SecondaryVideoTrack内のプレゼンテーションオブジェクトは非同期オブジェクト(Non-synchronized Object)となる。
【0251】
サブスティチュートオーディオトラックエレメント(SubstituteAudio Track element)は、タイトル内サブスティチュートオーディオトラックのオブジェクトマッピングインフォメーションとオーディオストリーム番号(Audio Stream Number)の割り当て(assignment to Audio Stream Number)を記述するものである。サブスティチュートオーディオトラックエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<SubstituteAudioTrack
id = ID
streamNumber = Number
languageCode = token
>
Clip +
</SubstituteAudioTrack>
サブスティチュートオーディオトラックエレメントのコンテントは、プレゼンテーションエレメント(Presentation Element)としてサブスティチュートオーディオ(SubstituteAudio)を参照する、クリップエレメントのリストで構成される。プレイヤは、クリップエレメントの記述に従い、タイトルタイムライン上にサブスティチュートオーディオを事前に割り振る(pre-assign)ように構成される。なお、タイトルタイムライン上に割り振られたサブスティチュートオーディオ(SubstituteAudio(s))は、互いにオーバーラップしないようになっている。
【0252】
サブスティチュートオーディオには、特定のオーディオストリーム番号(specified Audio Stream Number)が割り振られる。もし、Audio_stream_Change APIがサブスティチュートオーディオの特定のストリーム番号(specified stream number)を選択するときは、プレイヤは、プライマリビデオセット内のオーディオストリームの代わりにサブスティチュートオーディオを選ぶように構成される。
【0253】
ストリーム番号属性(stream Number attribute)には、このサブスティチュートオーディオ用のオーディオストリーム番号が記述される。
【0254】
言語コード属性(language Code attribute)には、このサブスティチュートオーディオ用の特定コード(specific code)および特定コードエクステンション(specific code extension)が記述される。
【0255】
言語コード属性値(language code attribute value)は、以下の方式(BNF scheme)に従う。すなわち、特定コードおよび特定コードエクステンションは特定コードおよび特定コードエクステンションをそれぞれ記述しており、例えば次のようになる:
languageCode := specificCode ‘:’ specificCodeExtension
specificCode := [A-Za-z][A-Za-z0-9]
specificCodeExt := [0-9A-F][0-9A-F]
コンプリメンタリーサブタイトルトラックエレメント(Complementary Subtitle Track element)は、タイトル内コンプリメンタリーサブタイトルのオブジェクトマッピングインフォメーションとサブピクチャストリーム番号(Sub-picture Stream Number)の割り当て(assignment to Sub-picture Stream Number)を記述するものである。コンプリメンタリーサブタイトルトラックエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<ComplementarySubtitleTrack
id = ID
streamNumber = Number
languageCode = token
>
Clip +
</ComplementarySubtitleTrack>
コンプリメンタリーサブタイトルトラックエレメントのコンテントは、プレゼンテーションエレメント(Presentation Element)としてコンプリメンタリーサブタイトル(omplementary Subtitle)参照する、クリップエレメントのリストで構成される。プレイヤは、クリップエレメントの記述に従い、タイトルタイムライン上にコンプリメンタリーサブタイトルを事前に割り振る(pre-assign)ように構成される。なお、タイトルタイムライン上に割り振られたコンプリメンタリーサブタイトルズ(Complementary Subtitle(s))は、互いにオーバーラップしないようになっている。
【0256】
コンプリメンタリーサブタイトルには特定の副映像ストリーム番号(specified Sub-picture Stream Number)が割り振られる。もし、Sub-picutre_stream_Change APIがコンプリメンタリーサブタイトルのストリーム番号(stream number)を選択するときは、プレイヤは、プライマリビデオセット内のサブピクチャストリーム(sub-picture stream)の代わりにコンプリメンタリーサブタイトルを選ぶように構成される。
【0257】
ストリーム番号属性(stream Number attribute)には、このコンプリメンタリーサブタイトル用のサブピクチャストリーム番号(Sub-picuture Stream Number)が記述される。
【0258】
言語コード属性には、このコンプリメンタリーサブタイトル用の特定コード(specific code)および特定コードエクステンション(specific code extension)が記述される。
【0259】
language code attribute valueは、以下の方式(BNF scheme)に従う。すなわち、特定コードおよび特定コードエクステンションは特定コードおよび特定コードエクステンションをそれぞれ記述しており、例えば次のようになる:
languageCode := specificCode ‘:’ specificCodeExtension
specificCode := [A-Za-z][A-Za-z0-9]
specificCodeExt := [0-9A-F][0-9A-F]
アプリケーショントラックエレメント(Application Track element)は、タイトル内ADV_APPのオブジェクトマッピングインフォメーションを記述するものである。アプリケーショントラックエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<ApplicationTrack
id = ID
loading_info = anyURI
sync = (true | false)
language = string />
ここで、ADV_APPは、タイトルタイムライン全体の上でスケジューリングされる。プレイヤがタイトル再生を開始すると、プレイヤは、ローディング情報属性により示されるローディング情報ファイル(Loading Information)に従いADV_APPを開始(launch)する。もしプレイヤがタイトル再生を止めた(exit)ときは、タイトル内のADV_APPも終了(terminated)する。
【0260】
ここで、もし同期属性が‘true’であれば、ADV_APPはタイトルタイムライン上の時間に同期するよう構成される。一方、同期属性が‘false’のときは、ADV_APPは自身の時間で走るように構成できる。
【0261】
ローディングインフォメーション属性(loading information attribute)は、アプリケーションの初期化情報(initialization information of the application)を記述したローディングインフォメーションファイル用のURIを記述するものである。
【0262】
同期属性は、その値(sync attribute value)が‘true’のときは、ApplicationTrack内のADV_APPが同期オブジェクト(Synchronized Object)であることを示す。一方、同期属性値が‘false’であれば、ApplicationTrack内のADV_APPは非同期オブジェクト(Non-synchronized Object)であることが示される。
【0263】
クリップエレメントは、プレゼンテーションオブジェクトのタイトルタイムライン上の期間(life periodまたはスタートタイムからエンドタイムまで)の情報を記述するものである。クリップエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Clip
id = ID
title Time Begin = time Expression
clip Time Begin = time Expression
title Time End = time Expression
src = anyURI
preload = time Expression
xml:base = anyURI >
(Unavailable Audio Stream | Unavailable Sub picture Stream )*
</Clip>
プレゼンテーションオブジェクトのタイトルタイムライン上のlife periodは、タイトルタイムライン上のスタートタイムおよびエンドタイムで決定される。タイトルタイムライン上のスタートタイムおよびエンドタイムは、それぞれ、タイトルタイムビギン属性(title Time Begin attribute)およびタイトルタイムエンド属性(title Time End attribute)により記述することができる。プレゼンテーションオブジェクトのスターティングポジション(starting position)は、クリップタイムビギン属性(clip Time Begin attribute)により記述される。タイトルタイムライン上のスタートタイム において、プレゼンテーションオブジェクトは、クリップタイムビギン(clip Time Begin)により記述されるスタートポジション(start position)の位置に存在する。
【0264】
プレゼンテーションオブジェクトは、インデックスインフォメーションファイル(index information file)のURIにより参照される。プライマリビデオセット に対してはP-EVOB用TMAP fileが参照される。セカンダリビデオセットに対してはS-EVOB用TMAP fileが参照される。サブスティチュートオーディオおよびコンプリメンタリーサブタイトルに対しては、オブジェクトを含むセカンダリビデオセットのS-EVOB用TMAP fileが参照される。
【0265】
タイトルビギンタイム(title Begin Time)、タイトルエンドタイム(title End Time)とクリップビギンタイム(clip Begin Time)、およびプレゼンテーションオブジェクトの持続期間(duration time)の属性値(Attribute values)は、以下の関係を満足するように構成される:
title Begin Time < title End Time、 かつ
Clip Begin Time + title End Time - title Begin Time
≦ Presentation Objectのduration time
利用できないオーディオストリーム(Unavailable Audio Stream)および利用できないサブピクチャストリーム(Unavailable Sub picture Stream)は、予備的ビデオトラックエレメント(Preliminary Video Track element)内のクリップエレメントのためにだけ存在する。
【0266】
タイトルタイムビギン属性(title Time Begin attribute)は、タイトルタイムライン上のプレゼンテーションオブジェクトの連続フラグメント(continuous fragment)のスタートタイムを記述するものである。
【0267】
タイトルタイムエンド属性(title Time End attribute)は、タイトルタイムライン上のプレゼンテーションオブジェクトの連続フラグメント(continuous fragment)のエンドタイムを記述するものである。
【0268】
クリップタイムビギン属性(clip Time Begin attribute)は、プレゼンテーションオブジェクト内のスターティングポジション(starting position)を記述するもので、その値はtime Expression value内に記述できる。なお、クリップタイムビギンは省略することもできる。もしクリップタイムビギン属性がないときは、スターティングポジションは例えば‘0’とする。
【0269】
src 属性は、参照されるべきプレゼンテーションオブジェクトのインデックス印フォーメーションファイル(index information file)のURIを記述するものである。
【0270】
プリロード属性(preload attribute)には、プレイヤが前もって取り込んだ(pre-fetching)プレゼンテーションオブジェクトの再生を開始する際の、タイトルタイムライン上の時間を記述できる。
【0271】
クリップブロックエレメントは、クリップブロックと呼称される、P-EVOBS内のクリップのグループを記述するものである。1つのクリップが再生用に選択される。クリップブロックエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Clip Block>
Clip+
</Clip Block>
クリップブロック内の全てのクリップは、同じスタートタイムおよび同じエンドタイムを持つように構成される。このことから、クリップブロックは、最初の(first)child Clipのstartおよびエンドタイムを用いて、タイトルタイムライン上にスケジューリングできる。なお、クリップブロックは、プライマリビデオトラック内でのみ使用可能に構成できる。
【0272】
クリップブロックは、アングルブロック(Angle Block)を表すことができる。クリップエレメントのドキュメント順に従い、アドバンスドナビゲーション用のアングル番号(Angle number)は、‘1’から連続して割り振られる。
【0273】
プレイヤは、デフォルトとして最初のクリップを再生すべきものとして選択するが、もしAngle_Change APIが特定のアングル番号(specified Angle number)を選択しているときは、プレイヤはそれに対応するクリップを再生すべきものとして選択する。
【0274】
P-EVOBS内のデコーディングオーディオストリーム(Decoding Audio Stream)を記述しているクリップエレメント内の利用できないオーディオストリームエレメント(Unavailable Audio Stream element)は、該当クリップの再生期間中は利用できないように構成される。利用できないオーディオストリームエレメント(Unavailable Audio Stream element)のXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Unavailable Audio Stream
number = integer
/>
利用できないオーディオストリームエレメントは、プライマリビデオトラックエレメント内にある、P-EVOB用のクリップエレメント内でのみ、使用できる。そうでないときは、利用できないオーディオストリームは存在しないようにする。また、プレイヤは、番号属性(number attribute)により示されるデコーディングオーディオストリーム(Decoding Audio Stream)を不能(disable)にする。
【0275】
P-EVOBS内のデコーディングサブピクチャストリーム(Decoding Sub-picture Stream)を記述しているクリップエレメント内の利用できないサブピクチャストリームエレメント(Unavailable Sub picture Stream element)は、該当クリップの再生期間中は利用できないように構成される。利用できないサブピクチャストリームエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Unavailable Sub picture Stream
number = integer
/>
利用できないサブピクチャストリームエレメントは、プライマリビデオトラックエレメント内にある、P-EVOB用のクリップエレメント内でのみ、使用できる。そうでないときは、利用できないサブピクチャストリームエレメントは存在しないようにする。また、プレイヤは、番号属性により示されるデコーディングサブピクチャストリームを不能(disable)にする。
【0276】
タイトルエレメント内のチャプタリストエレメント(Chapter List element)は、該当タイトル用のプレイバックシーケンスインフォメーションを記述するものである。ここで、プレイバックシーケンスは、タイトルタイムライン上のタイムバリューによりチャプタスタートポジション(chapter start position)を定義するものである。チャプタリストエレメント(Chapter List element)のXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Chapter List>
Chapter+
</Chapter List>
チャプタリストエレメントは、チャプタエレメントのリストにより構成される。チャプタエレメントはタイトルタイムライン上のチャプタスタートポジションを記述している。チャプタリスト内チャプタエレメントのドキュメント順に従い、アドバンスドナビゲーション用のチャプタ番号は‘1’から連続して割り振られる。すなわち、タイトルタイムライン内のチャプタスタートポジションは、チャプタ番号に従い単調増加(monotonically increased)するように構成される。
【0277】
チャプタエレメントは、プレイバックシーケンス内タイトルタイムライン上のチャプタスタートポジションを記述するものである。チャプタエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Chapter
id = ID
title Begin Time = time Expression />
チャプタエレメントは、タイトルビギンタイム属性を有する。このタイトルビギンタイム属性のtime Expression valueは、タイトルタイムライン上のチャプタスタートポジションを記述するものである。
【0278】
タイトルビギンタイム属性は、プレイバックシーケンス内タイトルタイムライン上のチャプタスタートポジションを記述するもので、その値はtime Expression value内に記述される。
【0279】
<Datatypes>
time Expressionは、例えば90kHz単位の正整数でtime codeを記述したものである。
【0280】
[ローディングインフォメーションファイルについて]
ローディングインフォメーションファイルは、タイトル用ADV_APPの初期情報(initialization information)であり、プレイヤはローディングインフォメーションファイル内の情報に従いADV_APPを開始(launch)するように構成されている。このADV_APPは、マークアップファイルの再生(presentation of Markup file)とスクリプトの拡張(execution of Script)からなる構成を持つ。
【0281】
ローディングインフォメーションファイル内に記述される初期情報としては、次のものがある:
*初期マークアップファイル(initial markup file)の実行前に、ファイルキャッシュ(File Cache)に最初に格納されるべきFiles;
*実行されるべき初期マークアップファイル;
*実行されるべきスクリプトファイル
ローディングインフォメーションファイルは正しいXML形式でエンコードされる必要があり、XMLドキュメント ファイルに対するルールが適用される。
【0282】
<Element and Attributes>
ローディングインフォメーションファイルのシンタックスは、XMLシンタックスリプレゼンテーションを用いて規定される。
【0283】
アプリケーションエレメント(Application element)はローディングインフォメーションファイルのルートエレメント(root element)であり、次のようなelementsおよびattributesを含んでいる:
アプリケーションエレメント(Application element)のXMLシンタックスリプレゼンテーション:
<Application
Id = ID
>
Resource* Script ? Markup ? Boundary ?
</Application>
リソースエレメント(Resource element)は、初期マークアップ(initial Markup)の実行前にファイルキャッシュ(File Cache)内に格納されるべきファイルを記述するもので、プレイリストエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Resource
id = ID
src = anyURI
/>
ここで、src 属性は、ファイルキャッシュ内に格納されるファイル用のURIを記述するものである。
【0284】
スクリプトエレメント(Script element)は、ADV_APP用の初期スクリプトファイル(initial Script file)を記述するもので、スクリプトエレメント(Script element)のXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Script
id = ID
src = anyURI
/>
アプリケーション(application)のスタートアップ(startup)において、スクリプトエンジン(Script Engine)は、src 属性内のURIで参照されるスクリプトファイルをロードし、ロードしたファイルをグローバルコード(global code [ECMA 10.2.10])として実行する。なお、src 属性は、初期スクリプトファイル用のURIを記述している。
【0285】
マークアップエレメント(Markup element)は、ADV_APP用の初期マークアップファイルを記述するもので、マークアップエレメントのXMLシンタックスリプレゼンテーションは、例えば次のようになる:
<Markup
id = ID
src = anyURI
/>
アプリケーションスタートアップ(application startup)において、初期スクリプトファイル(initial Script file)が存在するならその実行後に、アドバンスドナビゲーションは、src 属性内のURIを参照することにより、マークアップファイルをロードするように構成される。ここで、src 属性は、初期マークアップファイル用のURIを記述するものである。
【0286】
境界エレメント(Boundary element)は、アプリケーションが参照できる有効なURLを記述するように構成できる。
【0287】
<Markup Fileについて>
マークアップファイルは、Graphics Plane上のプレゼンテーションオブジェクトの情報である。アプリケーション中に同時に存在できるマークアップファイルは1つに制限される。マークアップファイルは、content modelとstylingとtimingで構成される。
【0288】
<Script Fileについて>
スクリプトファイルはScript global codeを記述するものである。Script Engineは、ADV_APPのstartupにおいてスクリプトファイルを実行し、実行されたScript global codeにより定義されるevent hander内のeventを待つように構成されている。
【0289】
ここで、Scriptは、User Input EventやPlayer playback eventなどのイベントにより、プレイバックシーケンスおよびGraphics Plane上のGraphicsを制御できるように構成される。
【0290】
<プレイリストファイル:XML(マークアップ言語)で記述される>
再生装置(プレイヤ)は、ディスクがアドバンスドコンテントを持っているときは、プレイリストファイルを最初に(アドバンスドコンテントの再生に先立って)再生するように構成される。
【0291】
このプレイリストファイルは、以下の情報を含むことができる:
* オブジェクトマッピングインフォメーション(各タイトル内にあり、このタイトルのタイムライン上にマッピングされる再生オブジェクト用の情報)
* プレイバックシーケンス(タイトルのタイムラインにより記述される、各タイトル用の再生情報)
* Configuration Information(データバッファアライメント等のシステムコンフィギュレーション用の情報)
なお、プライマリビデオセットは、Video Title Set Information (VTSI)、Enhanced Video Object Set for Video Title Set (VTS_EVOBS)、Backup of Video Title Set Information (VTSI_BUP)およびVideo Title Set Time Map Information (VTS_TMAPI)を含んで構成されている。
【0292】
以下のファイルの幾つかは、圧縮しないで、アーカイブに保管することができる。
【0293】
・マニフェスト(XML)
・マークアップ(XML)
・スクリプト(ECMAScript)
・イメージ(JPEG/PNG/MNG)
・効果音用オーディオ(WAV)
・フォント(OpenType)
・アドバンスドサブタイトル(XML)
本規格では、アーカイブに保管したファイルを、アドバンスドストリームと呼ぶ。このファイルは、ディスク(ADV_OBJディレクトリのもと)に入れるか、またはサーバから配信することができる。また、このファイルは、プライマリービデオセットのEVOBに多重化し、この場合は、ファイルをアドバンスドパック(ADV_PCK)と呼ぶパックに分割する。
【0294】
図36は、プレイリストの構成例を説明する図である。Object Mapping、プレイバックシーケンス、Configurationはそれぞれルート要素以下に3つの領域が指定されて記述される。
【0295】
このプレイリストのファイルには、以下の情報を含むことができる、
* オブジェクトマッピングインフォメーション(各タイトル内にあり、このタイトルのタイムライン上にマッピングされる再生オブジェクト用の情報)、
* プレイバックシーケンス(タイトルのタイムラインにより記述される、各タイトル用の再生情報)、
* Configuration Information(データバッファアライメント等のシステムコンフィギュレーション用の情報)。
【0296】
図37および図38はプレイリストで用いるTimelineについての説明である。図37はタイムライン上の再生オブジェクトの配置(Allocation of Presentation Object)を例示している。ここで、タイムラインの単位には、ビデオフレーム単位、秒(ミリ秒)単位、90kHz/27MHzベースのクロック単位、SMPTEで規定する単位などを利用することができる。図37の例では、1500と500それぞれの時間長を持ったプライマリビデオセットが2つ用意されており、それを1つの時間軸であるTimeline上の500-1500、2500-3000へ配置している。このように、それぞれの時間長をもったObjectを1つの時間軸であるTimeline上に配置することによって矛盾無くそれぞれのObjectを再生できる。なお、タイムラインは使用するプレイリスト毎にゼロリセットされるように構成できる。
【0297】
図38は、タイムライン上で再生オブジェクトのトリックプレイ(チャプタジャンプなど)が行われる場合の例を説明する図である。図38は実際に再生動作を行った時のTimeline上の時間の進み方の例である。すなわち、再生が開始されるとTimeline上の時間が進み始める※1。Timeline上の時間300の時にPlayボタンが押されると※2、Timeline上の時間が500へジャンプされプライマリビデオセットの再生が開始される。その後、時間700の時にChapter Jumpのボタンが押されると※3、対応するChapterの開始位置(ここではTimeline上の時間1400)へジャンプし、そこから再生が開始される。その後、時間2550に(プレイヤのユーザにより)Pauseボタンがクリックされると※4、ボタンエフェクトがあった後、再生はPauseする。時間2550でPlayボタンがクリックされたら※5、再生が再開する。
【0298】
図39は、EVOBがインターリーブされたアングルを持つ場合のプレイリストの例である。EVOBはそれぞれに対応したTMAPファイルを持つが、インターリーブされたアングルブロックであるEVOB4とEVOB5は同じ1つのTMAPファイルに情報が書かれる。またそれぞれのTMAPファイルをオブジェクトマッピングインフォメーションで指定することによって、Timeline上にプライマリビデオセットをマッピングする。またプレイリスト中のオブジェクトマッピングインフォメーションの記述によって、Application、Advanced Subtitle、Additional AudioなどがTimeline上にマッピングされる。
【0299】
図中ではApp1としてVideoなどを持たないTitle(用途としてはMenuなど)がTimeline上の時間0-200の間定義されている。また時間200-800の期間にはApplication2及びPrimary Video の1-3、Advanced Subtitle1、Additional Audio1が設定されている。時間1000-1700の期間にはアングルブロックを構成するEVOB4,EVOB5からなるPrimary Video4_5とPrimary Video6、PrimaryVideo7、Applicationの3と4、Advanced Subtitle2が設定されている。
【0300】
また、プレイバックシーケンスにおいて、App1は1つのTitleとしてMenu、App2はMain Movie、App3, App4はDirector's cutを構成することを定義している。さらにMain Movieには3つ、Director's Cutには1つのChapterも定義している。
【0301】
図40は、オブジェクトがマルチストーリを含む場合のプレイリストの構成例を説明する図である。図40はMulti-Storyを設定する場合のプレイリストのイメージである。TMAPをオブジェクトマッピングインフォメーション中に指定することによって、この2つのタイトルをTimeline上へマッピングする。この例では、EVOB1、EVOB3を両方のタイトルで使い、EVOB2とEVOB4を入れ替えることによってMulti-Storyを可能にしている。
【0302】
図41、図42は、プレイリスト中のオブジェクトマッピング情報の記述例(オブジェクトがアングル情報を含む場合)を説明する図である。track要素はそれぞれのObjectを指定する際に使用し、Timeline上の時間をstart、endの属性も用いて表現する。
【0303】
この時、図39のApp1とApp2の間のようにTimeline上に続けて配置されている場合、end属性は省略することができる。またApp2とApp3のように間が空いている場合はend属性を用いて表現する。このname属性を用いることによって、現在再生中の状態をプレイヤ(の表示パネル)もしくは外部モニタ画面上へ表示することも可能になる。なお、AudioやSubtitleはStream番号を用いて識別できる。
【0304】
図43は、アドバンスドオブジェクトタイプの例(ここでは4例)を説明する図である。Advanced objectのTypeは図43の3つに分類できる。まず、Timelineに同期した形で再生されるか、非同期で自らの再生時間によって再生を行なうかの分類。そしてプレイリストにTimeline上の再生開始時間が記録され、その時間に再生が開始されるもの(スケジュールされたオブジェクト)と、ユーザ操作などによって任意の再生開始時間を持つもの(スケジュールされないオブジェクト)とに分類される。
【0305】
この発明は現在または将来の実施段階では、その時点で利用可能な技術に基づき、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。近年急速に需要が伸びている録画再生可能なDVD−VR(ビデオレコーダ)にも適用できる。さらには、近々普及が始まるであろう次世代HD−DVDの再生系または録再系にも適用可能である。
【0306】
また、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0307】
【図1】スタンダードコンテンツ及びアドバンスドコンテンツの構成を示す説明図。
【図2】カテゴリ1、2及び3のディスクの説明図。
【図3】タイムマップ情報(TMAPI)によるエンハンスドビデオオブジェクト(EVOB)の参照例を示す説明図。
【図4】ディスクの再生状態の遷移例を示す説明図。
【図5】この発明に係るディスクのボリューム空間の例を説明する説明図。
【図6】この発明に係るディスクのディレクトリ及びファイルの例を示す説明図。
【図7】この発明に係る管理情報(VMG)とビデオタイトルセット(VTS)の構成を示す説明図。
【図8】この発明に係るプレーヤモデルのスタートアップシーケンスを示す説明図。
【図9】この発明に係るプライマリEVOB−TY2のパック混在状態を示す構成説明図。
【図10】この発明に係るアドバンスドコンテンツプレイやの周辺環境を示す説明図。
【図11】図10のアドバンスドコンテンツプレイヤのモデルを示す説明図。
【図12】この発明に係るディスクの記録情報の概念を示す説明図。
【図13】この発明に係るディスクにおけるディレクトリとファイル構成例を示す説明図。
【図14】この発明に係るアドバンスドコンテンツプレイヤのモデルをさらに詳しく示す説明図。
【図15】図14のビデオミキシングモデルの例を示す説明図。
【図16】この発明に係わるグラフィック階層の例を説明する説明図。
【図17】プレイリストのオブジェクトマッピングに基づいてオブジェクトが処理される様子を示す説明図。
【図18】現在の再生オブジェクトの種類を表示装置に表示した例を示す説明図。
【図19】現在の再生オブジェクトの種類を装置本体の表示器に表示した例を示す説明図。
【図20】この発明に係わるオーディオミキシングモデルの例を示す説明図。
【図21】この発明に係わるディスクデータ供給モデルの例を示す説明図。
【図22】この発明に係わるネットワーク及びパーシスタンスストレージデータの供給モデルの例を示す説明図。
【図23】この発明に係わるデータ格納モデルの例を示す説明図。
【図24】この発明に係わるユーザ入力処理モデルの例を示す説明図。
【図25】この発明に係る装置の動作において、プレイリストの働きを説明するために示した図。
【図26】この発明に係る装置の動作において、プレイリストによりタイムライン上にオブジェクトがマッピングされた様子を説明するために示した図。
【図27】この発明に係るプレイリストファイルと他のオブジェクトの参照関係を示す説明図。
【図28】この発明の装置に係る再生シーケンスの例を示す説明図。
【図29】この発明の装置に係るトリックプレイ時の再生例を示す説明図。
【図30】この発明に係るアドバンスドアプリケーションのコンテンツの例を示す説明図。
【図31】この発明に係わる装置の動作においてアドバンスドコンテンツの起動シーケンスの例を示す説明図。
【図32】この発明に係わる装置の動作においてアドバンスドコンテンツ再生の更新シーケンスの例を示す説明図。
【図33】この発明に係わる装置の動作においてアドバンスドVTSと標準VTS間の変換シーケンスの例を示す説明図。
【図34】この発明の一実施の形態に係るディスク状情報記憶媒体に記録される情報内容を説明する図である。
【図35】アドバンスドコンテントの構成例を説明する図。
【図36】プレイリストの構成例を説明する図。
【図37】タイムライン上の再生オブジェクトの配置(Allocation of Presentation Object)の例を説明する図。
【図38】タイムライン上で再生オブジェクトのトリックプレイ(チャプタジャンプなど)が行われる場合の例を説明する図。
【図39】オブジェクトがアングル情報を含む場合のプレイリストの構成例を説明する図。
【図40】オブジェクトがマルチストーリを含む場合のプレイリストの構成例を説明する図。
【図41】プレイリスト中のオブジェクトマッピング情報の記述例を説明する図。
【図42】プレイリスト中のオブジェクトマッピング情報の記述例を説明する図。
【図43】アドバンスドオブジェクトタイプの例(ここでは4例)を説明する図。
【符号の説明】
【0308】
111…データアクセスマネージャ(Data Access Manager)、112…データキャッシュ(Data Cache)、113…ナビゲーションマネージャ(Navigation Manager)、114…ユーザインタフェースマネージャ(User Interface Manger)、115…プレゼンテーションエンジン(Presentation Engine)、116…AVレンダラ(AV Renderer)、121…ライブ情報解析器(Live Information Analyzer )、122…ステイタス表示データメモリ(Status Display Data Memory)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立した複数のオブジェクトの再生時間を任意に単独及び又は多重化させて指定するプレイリストと、
前記プレイリストに基づいて情報源から取り込まれた前記オブジェクトを、前記プレイリストで指定されている再生時間に対応する順で出力するデータキャッシュと、
前記データキャッシュから出力された前記オブジェクトを対応したデコーダでデコードするプレゼンテーションエンジンと、
前記デコーダでデコード後のオブジェクトを出力又は合成出力するAVレンダラと
を有したことを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
さらに前記オブジェクトの種類には、前記ナビゲーションマネージャに取り込まれるアプリケーションも含まれており、前記アプリケーションが前記プレゼンテーションエンジン及びAVレンダラを制御しているとき、前記状況表示データ記憶部は、前記アプリケーションが作用していることを示す識別情報を出力することを特徴とする請求項1記載の情報再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2009−21006(P2009−21006A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232755(P2008−232755)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【分割の表示】特願2005−370750(P2005−370750)の分割
【原出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】