説明

情報処理システム、端末装置、携帯端末、情報処理方法およびプログラム

【課題】画像データの抽出基準となる画像と画像データの送信先の情報を登録するための負荷を軽減可能にした情報処理システムを提供する。
【解決手段】抽出判定基準となる被写体の画像である検索対象画像を含む画像データおよび端末識別子の情報を第2の端末装置に送信する第1の端末装置と、1以上の画像データを予め保持し、検索対象画像を含む画像データおよび端末識別子の情報を第1の端末装置から受信すると、検索対象画像を含む画像データを1以上の画像データから抽出し、抽出した画像データを端末識別子で特定される装置に送信する第2の端末装置と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、端末装置、携帯端末、情報処理方法、および、コンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンを含む携帯電話機には、標準装備でカメラ機能が搭載されているものが多い。ユーザはお互いに自分の携帯電話機を使って相手の写真を撮った後、携帯電話機を操作して、写真の画像データを添付した電子メールを相手の携帯電話機に送信し、お互いに写真をやり取りすることが頻繁に行われるようになった。
【0003】
複数の人を撮影する際、被写体のメンバーを変えて複数枚撮影した場合、写真毎に写っているメンバーが異なることになる。この場合、撮影者は、どの写真を誰に送ればよいのか、メンバー毎に写真を選ぶのに非常に手間がかかってしまうことになる。この問題を解決にした電子メール作成装置の一例が特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された電子メール作成装置は、被写体となるメンバーに対応して、被写体画像および電子メールアドレスが予めアドレス帳メモリに格納され、複数の被写体を含む集合画像において、アドレス帳メモリに登録された被写体画像に一致する被写体を認識すると、被写体画像に対応する電子メールアドレス宛に集合画像を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−267146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された方法では、ユーザは、被写体となる各メンバーの被写体画像と電子メールアドレスを電子メール作成装置に予め登録しておく必要があり、各メンバーの被写体画像と電子メールアドレスを登録する手間がかかってしまう問題がある。
【0007】
本発明は上述したような技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、画像データの抽出基準となる画像と画像データの送信先の情報を登録するための負荷を軽減可能にした情報処理システム、端末装置、携帯端末、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の情報処理システムは、
抽出判定基準となる被写体の画像である検索対象画像を含む画像データおよび端末識別子の情報を第2の端末装置に送信する第1の端末装置と、
1以上の画像データを予め保持し、前記検索対象画像を含む画像データを前記第1の端末装置から受信すると、該検索対象画像を含む画像データを前記1以上の画像データから抽出し、抽出した画像データを前記端末識別子で特定される装置に送信する前記第2の端末装置と、
を有する構成である。
【0009】
また、本発明の端末装置は、
抽出判定基準となる被写体の画像である検索対象画像を含む画像データを保持する保持手段と、
前記画像データを第1の携帯端末に送信する送信手段と、
前記送信手段を介して前記第1の携帯端末に対して、前記検索対象画像を含む画像データを自装置とは異なる第2の携帯端末に送信することを指示する指示手段と、
を有する構成である。
【0010】
また、本発明の携帯端末は、
1以上の画像データを保持する保持手段と、
所定の被写体の画像である検索対象画像を含む画像データおよび端末識別子の情報を端末装置から受信すると、該検索対象画像を含む画像データを前記1以上の画像データから抽出する検索手段と、
前記検索手段が抽出した画像データを前記端末識別子で特定される装置に送信する送信手段と、
を有する構成である。
【0011】
また、本発明の情報処理方法は、携帯端末が実行する情報処理方法であって、
1以上の画像データを保存し、
抽出判定基準となる被写体の画像である検索対象画像を含む画像データおよび端末識別子の情報を端末装置から受信すると、該検索対象画像を含む画像データを前記1以上の画像データから抽出し、
前記抽出した画像データを前記端末識別子で特定される装置に送信するものである。
【0012】
さらに、本発明のプログラムは、コンピュータに、
1以上の画像データを保存する手順と、
抽出判定基準となる被写体の画像である検索対象画像を含む画像データおよび端末識別子の情報を端末装置から受信すると、該検索対象画像を含む画像データを前記1以上の画像データから抽出する手順と、
前記抽出した画像データを前記端末識別子で特定される装置に送信する手順と、を実行させるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザは、写真を送る相手の顔の画像や画像データの送信先の情報の登録を端末装置を操作して行う必要がなく、登録のための操作の手間が省ける。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の情報処理システムの一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す第1の端末装置の一構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す第2の端末装置の一構成例を示すブロック図である。
【図4】第2の端末装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施形態の情報処理システムの構成を説明するためのブロック図である。
【図6】図5に示した腕時計の一構成例を示すブロック図である。
【図7】図5に示した腕時計の一例を示す外観図である。
【図8】図5に示した携帯電話機の一構成例を示すブロック図である。
【図9】図6に示した腕時計の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】図7に示した携帯電話機の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態の情報処理システムの構成を説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態の情報処理システムの一構成例を示すブロック図である。図2は図1に示す第1の端末装置の一構成例を示すブロック図であり、図3は図1に示す第2の端末装置の一構成例を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、情報処理システムは、第1の端末装置10と、第2の端末装置40とを有する。第1の端末装置10は、抽出判定基準となる被写体の画像である検索対象画像を含む画像データを保持する保持手段51と、検索対象画像を含む画像データを第2の端末装置40に送信する送信手段52と、送信手段52を介して第2の端末装置40に対して、検索対象画像を含む画像データを自装置とは異なる携帯端末(不図示)に送信することを指示する指示手段53とを有する。
【0018】
第2の端末装置40は、1以上の画像データを保持する保持手段41と、検索対象画像を含む画像データと端末識別子の情報を第1の端末装置10から受信すると、検索対象画像を含む画像データを1以上の画像データから抽出する検索手段42と、検索手段42が抽出した画像データを上記の端末識別子で特定される携帯端末(不図示)に送信する送信手段43とを有する。
【0019】
次に、図3に示す第2の端末装置40が実行する情報処理方法について説明する。図4は第2の端末装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。
【0020】
図4に示すように、保持手段41が1以上の画像データを予め保存する(ステップ101)。検索手段42は、検索対象画像を含む画像データおよび端末識別子の情報を第1の端末装置10から受信すると、受信した画像データと端末識別子を保持手段51に登録し、検索対象画像に一致する画像を含む画像データを保持手段に格納された1以上の画像データから抽出する(ステップ102)。続いて、送信手段43は、ステップ102で抽出された画像データを、受信した端末識別子で特定される装置に送信する(ステップ103)。
【0021】
上述した情報処理方法によれば、第2の端末装置40のユーザが自分の端末装置を操作しなくても、検索対象画像と検索対象画像を含む画像データの送信先を示す情報とが第1の端末装置10から第2の端末装置40に簡単に登録されるので、ユーザは第2の端末装置40を操作して検索対象画像および画像データの送信先の情報を登録する手間が省ける。
【0022】
また、第1の端末装置10と画像データの送信先となる携帯端末とにおいて、携帯端末に比べて第1の端末装置10のデータ通信速度が遅い場合や第1の端末装置10が画像データのような大容量のデータを保存するだけのメモリ容量がない場合などに特に有効である。
【0023】
以下の実施形態では、本発明の第2の端末装置が、スマートフォンを含む携帯電話機の場合で説明するが、携帯電話機に限らず、PDA(Personal Digital Assistant)、電子ブック、および携帯型ゲーム機を含む携帯端末であってもよい。また、本発明の第2の端末装置は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ(以下では、PCと表記する)、または、ノート型PCであってもよい。以下に説明する実施形態では、本発明の第1の端末装置が腕時計の場合で説明するが、腕時計に限らず、指輪およびブレスレットであってもよく、携帯電話機を含む携帯端末であってもよい。
【0024】
本実施形態の情報処理システムの構成を説明する。図5は本実施形態の情報処理システムの構成を説明するためのブロック図である。
【0025】
図5に示すように、情報処理システムは、腕時計11と、携帯電話機20とを有する。携帯電話機20はネットワーク60を介して携帯電話機45と接続される。本実施形態では、ユーザAが図5に示す破線で囲んだ腕時計11および携帯電話機45を使用し、ユーザBが携帯電話機20を使用するものとする。ネットワーク60は、例えば、インターネットである。
【0026】
図6は図5に示した腕時計の一構成例を示すブロック図であり、図7は図5に示した腕時計の一例を示す外観図である。図6に示すように、腕時計11は、プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)14、作業用メモリ15および画像用メモリ16を含む保持手段と、CPU(Central Processing Unit)12と、操作/表示部17と、送受信部18と、カメラ部19とを有する。各部はバス13を介して通信可能に接続されている。
【0027】
図8は図5に示した携帯電話機の一構成例を示すブロック図である。図8に示すように、携帯電話機20は、プログラムを記憶するROM23、作業用メモリ24、画像用メモリ25、アドレス帳用メモリ26およびアドレス帳画像用メモリ27を含む保持手段と、CPU21と、操作/表示部28と、送受信部29と、カメラ部30とを有する。各部はバス22を介して通信可能に接続されている。
【0028】
次に、腕時計11の構成を、図6および図7を参照して詳しく説明する。本実施形態では、本発明の情報処理方法に関連する構成について詳しく説明し、時刻を計測する機能および時刻を表示する機能についての詳細な説明を省略する。
【0029】
送受信部18は、Bluetooth(登録商標)およびBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などの通信規格にしたがって近距離無線通信を行うことで、携帯電話機20とデータの送受信を行う。送受信部18は、通信圏内に通信可能な機器があることを検出すると、通信可能な機器の端末識別子をその機器から取得し、取得した端末識別子の情報をCPU12に送信する。
【0030】
カメラ部19は、図7に示すレンズ55と、撮像素子(不図示)とを有する。カメラ部19は、CPU12から起動の指示があると、レンズを介して撮像素子に取り込まれた画像を電気信号に変換し、変換後のデータである画像データをCPU12に送信する。
【0031】
画像用メモリ16には、カメラ部19で撮影される写真の画像データが格納される。本実施形態では、ユーザAの顔の画像が検索対象画像に相当し、検索対象画像を含む画像データが画像用メモリ16に格納される。本実施形態において、ユーザAの顔の画像を検索対象画像とするのは、携帯電話機20に保存されている1以上の画像データからユーザAの顔が写っている画像の画像データを抽出する際の判定基準となる画像だからである。
【0032】
作業用メモリ15は、例えば、フラッシュメモリである。作業用メモリ15には、携帯電話機20に保存された画像データの送信先として、ユーザAが指定した携帯電話機45の端末識別子の情報が格納される。端末識別子は、携帯電話機45の電子メールアドレスであってもよい。また、本実施形態では、送受信部18を介して通信可能な装置の端末識別子とその端末識別子で特定される装置のユーザ名とが組になって記述されたリストが予め作業用メモリ15に登録されているものとする。
【0033】
本実施形態では、ユーザAが画像データの送信先に指定したい携帯電話機45の端末識別子を、ユーザBに携帯電話機20を操作して登録してもらわなくてもよい方法を中心に説明しており、その場合、ユーザAは操作/表示部17を操作して作業用メモリ15に予めその端末識別子を登録しておく。ただし、ユーザAは、画像データの送信先の情報が携帯電話機20のアドレス帳に既に登録されているものでよい場合もあり得る。この場合、ユーザAは作業用メモリ15に端末識別子を登録しておく必要はない。以下では、本実施形態の情報処理システムが、ユーザAの写っている写真の画像データの送信先が携帯電話機20のアドレス帳に既に登録されているものでよい場合にも対応可能であることを説明する。
【0034】
操作/表示部17は、図7に示すタッチパネル56およびボタン57を有する。タッチパネル56は、ユーザが指示を入力するための操作部と、時刻および画像などを表示するための表示部のそれぞれの機能を備えた構成である。
【0035】
CPU12がROM14に格納されたプログラムにしたがって処理を実行することで、図2に示した指示手段が腕時計11に仮想的に構成される。プログラムにしたがってCPU12は、以下のように動作する。
【0036】
CPU12は、ユーザが図7に示すボタン57を押すと、カメラ部19を起動し、カメラ部19から受信する画像データを画像用メモリ16に格納する。また、CPU12は、送受信部18から端末識別子の情報を受信すると、作業用メモリ15に予め登録されたリストを参照し、受信した端末識別子に一致するものがあるかを調べ、一致する端末識別子があると、端末識別子に対応して登録されているユーザ名をタッチパネル56に表示させる。そして、CPU12は、ユーザ名が選択されると、選択されたユーザ名に対応する端末識別子の装置宛に、画像用メモリ16に格納されている画像データを送受信部18を介して送信する。その際、作業用メモリ15に端末識別子が保存されていれば、CPU12は、選択されたユーザ名に対応する端末識別子の装置宛に、作業用メモリ15に保存された端末識別子を画像データとともに送受信部18を介して送信する。
【0037】
なお、ユーザAが自分の顔の画像を登録する方法として、ボタン57を押すことで、自分の顔を撮影させる場合で説明したが、ユーザAの顔の撮影方法は、この方法に限られない。例えば、姿勢を検知する加速度センサを腕時計11に予め設け、ユーザAが時刻を見る動作を行うとユーザAの顔を撮影するようにしてもよい。この場合の具体例を説明する。ユーザAがいずれか一方の腕の手首に腕時計11を装着し、腕を地面の方向に伸ばした状態から、肘を曲げてタッチパネル56が上向きになるように腕時計11を自分の胸の前に位置させると、加速度センサが姿勢変化を検出した旨の信号をCPU12に送信し、CPU12は、加速度センサから信号を受信すると、カメラ部19を起動させる。この場合、ユーザAは自分で撮影操作をしなくても、検索対象画像を登録することができる。
【0038】
また、ユーザAが時刻を見る動作を行うとユーザAの顔を撮影する方法において、画像データが画像用メモリ16に登録されている場合、CPU12は、加速度センサから信号を受信しても、カメラ部19を起動させないようにしてもよい。さらに、この方法において、画像データが画像用メモリ16に登録されている場合、CPU12は、加速度センサから信号を受信すると、カメラ部19に撮影を実行させ、新たに撮影された写真の画像と新たに撮影された写真に変更するか否かを尋ねるメッセージを、タッチパネル56に表示してもよい。
【0039】
次に、携帯電話機20の構成を、図8を参照して詳しく説明する。本実施形態では、本発明の情報処理方法に関連する構成について詳しく説明し、電子メールの送受信機能および電話機能についての詳細な説明を省略する。
【0040】
送受信部29は、ネットワーク通信部および近距離無線通信部を有する。送受信部29のネットワーク通信部は、ネットワーク60に設けられた基地局(不図示)と無線通信で接続し、ネットワーク60を介してデータを携帯電話機45と送受信する。本実施形態では、送受信部29のネットワーク通信部の通信規格がTCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)の場合で説明するが、他の通信規格であってもよい。送受信部29の近距離無線通信部は、腕時計11の送受信部18と同じ通信規格で通信処理を行い、送受信部18とデータを送受信する。
【0041】
アドレス帳用メモリ26には、氏名と電子メールアドレスの情報が組になって記述されたアドレス帳が予め格納されている。アドレス帳画像用メモリ27には、アドレス帳の氏名に紐付されて、その氏名の人の顔の画像を含む画像データが登録されている。
【0042】
カメラ部30は、レンズ(不図示)および撮像素子(不図示)を有する。カメラ部30は、CPU21から起動の指示があると、レンズを介して撮像素子に取り込まれた画像を電気信号に変換し、変換後のデータである画像データをCPU21に送信する。CPU21に送信された画像データは、画像用メモリ25に格納される。
【0043】
画像用メモリ25は、カメラ部30で撮影された写真の画像データが格納されている。作業用メモリ24には、腕時計11から受信する画像データが格納される。操作/表示部28は、ユーザが指示を入力するための操作部と、画像などを表示するための表示部のそれぞれの機能を備えた構成である。操作/表示部28は、例えば、タッチパネルである。
【0044】
CPU21がROM23に格納されたプログラムにしたがって処理を実行することで、図3に示した検索手段が携帯電話機20に仮想的に構成される。プログラムにしたがってCPU21が、以下のように動作する。
【0045】
CPU21は、腕時計11から受信する、画像データおよび端末識別子の情報、または画像データを作業用メモリ24に格納し、画像用メモリ25に格納された画像データの中に、作業用メモリ24に格納された画像データの検索対象画像に一致する画像があるか否かを判定する。検索対象画像に一致する画像が画像データにあるか否かの判定方法については、その一例が特許文献1に開示されている。本実施形態においては、その判定方法に特許文献1に開示された方法を適用するものとし、ここではその詳細な説明を省略する。
【0046】
また、CPU21は、画像用メモリ25に格納された画像データから、検索対象画像を含む画像データを抽出すると、画像データの宛先を設定して送信する。画像データの宛先は、後述するフローにしたがって、作業用メモリ24に端末識別子が保存されていればその端末識別子に設定され、作業用メモリ24に端末識別子が登録されていなければ、アドレス帳に登録された電子メールアドレス、または、ユーザBが入力する電子メールアドレスに設定される。
【0047】
なお、CPU21は、抽出した画像データを全て送信対象にしなくてもよい。例えば、CPU21は、抽出した画像データのそれぞれについて、画像データを縮小したデータであるサムネイル画像データを生成し、サムネイル画像データに対応するサムネイル画像を操作/表示部28に表示させ、ユーザBの操作によって選択されたサムネイル画像に対応する、元の画像データを送信対象にしてもよい。
【0048】
次に、図6に示した腕時計11の動作を説明する。図9は図6に示した腕時計の動作手順を示すフローチャートである。
【0049】
腕時計11は、画像用メモリ16に画像データが保存されているか否かを調べ(ステップ201)、画像データが保存されていない場合、画像データが保存されていない旨のメッセージをタッチパネル56に表示する(ステップ202)。ユーザAは時刻を確認する際など、タッチパネル56を見て、そのメッセージ気がつくと、レンズ55に顔を向けた状態でボタン57を押す。腕時計11は、ボタン57が押されると、カメラ部19を起動し、カメラ部19から受信する画像データを画像用メモリ16に格納する(ステップ203)。
【0050】
ステップ203で画像データが画像用メモリ16に保存されると、または、ステップ201の判定で画像用メモリ16に画像データが保存されていると、腕時計11は、送受信部18の通信圏内に通信可能な機器があるか否かを調べる(ステップ204)。通信圏内に通信可能な機器があると、腕時計11は、通信可能な機器のユーザ名をタッチパネル56に表示する(ステップ205)。ユーザAがタッチパネル56を操作してユーザ名を選択すると(ステップ206)、腕時計11は、選択されたユーザ名に対応する機器を特定し、作業用メモリ15に端末識別子が保存されているか調べる(ステップ207)。
【0051】
作業用メモリ15に端末識別子が保存されている場合、腕時計11は、特定した機器宛に、画像用メモリ16に保存されている画像データと作業用メモリ15に保存されている端末識別子の情報を送受信部18を介して送信する(ステップ208)。作業用メモリ15に端末識別子が保存されていない場合、腕時計11は、特定した機器宛に、画像用メモリ16に保存されている画像データを送受信部18を介して送信する(ステップ209)。以下では、作業用メモリ15に保存される端末識別子は携帯電話機45の端末識別子である場合で説明する。
【0052】
なお、上述した、姿勢を検知する加速度センサが腕時計11に予め設けられている場合、図9に示すステップ202および203は次のような処理になる。CPU12は、ステップ202でメッセージを表示する代わりにアラームを鳴らし、ユーザAがタッチパネル56を見る動作を行うことで、加速度センサから信号を受信すると、ステップ203で、カメラ部19を起動してユーザAの顔の画像を含む画像データをカメラ部19から取得し、取得した画像データを画像用メモリ16に保存する。
【0053】
次に、図8に示した携帯電話機20の動作を説明する。図10は図7に示した携帯電話機の動作手順を示すフローチャートである。ここでは、携帯電話機20は、カメラ部30で撮影した写真の画像データを予め画像用メモリ25に保存しているものとする。
【0054】
携帯電話機20は、図9に示すステップ208に対応して、画像データおよび端末識別子の情報を腕時計11から受信すると、受信した画像データおよび端末識別子の情報を作業用メモリ24に格納する。または、携帯電話機20は、図9に示すステップ209に対応して、画像データを腕時計11から受信すると、受信した画像データを作業用メモリ24に格納する。
【0055】
作業用メモリ24に画像データが保存されると(ステップ301)、携帯電話機20は、作業用メモリ24に格納された画像データの画像から検索対象画像を認識し、検索対象画像をキーとして、画像用メモリ25内の画像データをサーチする(ステップ302)。そして、携帯電話機20は、検索対象画像に一致する画像を含む画像データを抽出し、抽出した画像データのそれぞれについてサムネイル画像データを生成する。続いて、携帯電話機20は、生成したサムネイル画像データのサムネイル画像を操作/表示部28に表示する(ステップ303)。
【0056】
ユーザBが操作/表示部28を操作して、表示されたサムネイル画像から選択する旨の指示を入力すると、携帯電話機20は、選択されたサムネイル画像に対応する画像データを送信対象の画像データとして確定する(ステップ304)。
【0057】
続いて、携帯電話機20は、作業用メモリ15に端末識別子が保存されているか否かを調べる(ステップ305)。ステップ305で、作業用メモリ15に端末識別子が保存されている場合、携帯電話機20は、ステップ304で確定した画像データの宛先を、端末識別子に設定する(ステップ306)。ステップ305において、作業用メモリ15に端末識別子が保存されていない場合、携帯電話機20は、アドレス帳画像用メモリ27内に検索対象画像を含む画像データがあるか否かを調べる(ステップ307)。アドレス帳画像用メモリ27に該当する画像データがある場合、携帯電話機20は、その画像データに紐付された氏名と同じ組に登録されている電子メールアドレスを読み出し、その電子メールアドレスを画像データの宛先に設定する(ステップ308)。
【0058】
一方、ステップ307において、アドレス帳画像用メモリ27に検索対象画像を含む画像データがない場合、携帯電話機20は、電子メールアドレスの入力画面を操作/表示部28に表示する(ステップ309)。ユーザBが操作/表示部28を操作して電子メールアドレスを入力すると、携帯電話機20は、入力された電子メールアドレスを画像データの宛先に設定する(ステップ310)。ユーザBが操作/表示部28に表示された宛先の情報が正しいことを確認し、操作/表示部28に表示された送信ボタンを選択すると、携帯電話機20は、画像データを設定された宛先にネットワーク60を介して送信する(ステップ311)。
【0059】
ステップ302において、検索対象画像に一致する画像を含む画像データが画像用メモリ25に保存されていない場合、携帯電話機20は、検出できない旨のメッセージを操作/表示部28に表示して処理を終了する(ステップ312)。
【0060】
ユーザAは、自分の写っている写真の画像データの送信先の情報をユーザBに予め通知していなければ、図9に示したステップ208の処理を腕時計11に実行させ、図10に示したステップ306の処理を携帯電話機20に実行させればよい。また、ユーザAは、画像データの送信先の情報が携帯電話機20のアドレス帳に予め登録されていても、画像データの送信先を変更したい場合、新たな送信先を示す端末識別子の情報を作業用メモリ15に保存し、図9に示したステップ208の処理を腕時計11に実行させ、図10に示したステップ306の処理を携帯電話機20に実行させることで、画像データの送信先を変更することができる。
【0061】
なお、図10のステップ303で携帯電話機20が生成したサムネイル画像データを腕時計11に送信するようにしてもよい。腕時計11は、サムネイル画像をタッチパネル56に表示し、ユーザAがタッチパネル56を操作してサムネイル画像を選択すると、腕時計11は選択されたサムネイル画像の情報を携帯電話機20に送信する。携帯電話機20は、選択されたサムネイル画像の情報を腕時計11から受信すると、ステップ304の処理を行う。この場合、ユーザAが自分で欲しい写真を選択することが可能となる。
【0062】
また、図10のフローに示すステップ303および304の処理を省略し、携帯電話機20は、抽出した画像データの全てを送信対象としてもよい。
【0063】
本実施形態によれば、ユーザBはユーザAの顔の画像と画像データの送信先の情報を予め携帯電話機20を操作して登録しなくても、ユーザAが写っている写真の画像をユーザAが指定した携帯電話機45に送ることが可能となる。ユーザBは、写真を送る相手の顔の画像や画像データの送信先の情報の登録を携帯電話機20を操作して行う必要がなく、登録のための操作の手間が省ける。また、ユーザBは、ユーザAの顔の画像と画像データの送信先を登録する手間が省けるだけでなく、画像用メモリ25に保存された画像データからユーザAが写っている画像データを抽出する、煩わしい検索操作も不要となる。
【0064】
また、ユーザAが使用する腕時計11が携帯電話機45に比べてデータ通信速度が遅い場合や画像データのような大容量のデータを保存するだけのメモリ容量がない場合などに、本実施形態の情報処理方法は有効である。
【0065】
なお、本発明の情報処理方法をコンピュータに実行可能に記述したプログラムを、ネットワークを介してコンピュータに提供してもよい。
【符号の説明】
【0066】
10 第1の端末装置
11 腕時計
12、21 CPU
16 画像用メモリ
18、29 送受信部
20 携帯電話機
25 画像用メモリ
26 アドレス帳用メモリ
27 アドレス帳画像用メモリ
40 第2の端末装置
41、51 保持手段
42 検索手段
43、52 送信手段
53 指示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出判定基準となる被写体の画像である検索対象画像を含む画像データおよび端末識別子の情報を第2の端末装置に送信する第1の端末装置と、
1以上の画像データを予め保持し、前記検索対象画像を含む画像データおよび前記端末識別子の情報を前記第1の端末装置から受信すると、該検索対象画像を含む画像データを前記1以上の画像データから抽出し、抽出した画像データを前記端末識別子で特定される装置に送信する前記第2の端末装置と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
抽出判定基準となる被写体の画像である検索対象画像を含む画像データを保持する保持手段と、
前記画像データを第1の携帯端末に送信する送信手段と、
前記送信手段を介して前記第1の携帯端末に対して、前記検索対象画像を含む画像データを自装置とは異なる第2の携帯端末に送信することを指示する指示手段と、
を有する端末装置。
【請求項3】
1以上の画像データを保持する保持手段と、
所定の被写体の画像である検索対象画像を含む画像データおよび端末識別子の情報を端末装置から受信すると、該検索対象画像を含む画像データを前記1以上の画像データから抽出する検索手段と、
前記検索手段が抽出した画像データを前記端末識別子で特定される装置に送信する送信手段と、
を有する携帯端末。
【請求項4】
請求項3記載の携帯端末において、
前記1以上の画像データを表示するための表示手段をさらに有し、
前記検索手段は、
前記検索対象画像を含む画像データを前記1以上の画像データから抽出する際、抽出した画像データ毎に該画像データを縮小したデータであるサムネイル画像データを生成し、生成したサムネイル画像データの画像を前記表示手段に表示させ、ユーザによってサムネイル画像データが選択されると、選択されたサムネイル画像データに対応する前記画像データを、前記抽出した画像データとして前記送信手段に渡す、携帯端末。
【請求項5】
携帯端末が実行する情報処理方法であって、
1以上の画像データを保存し、
抽出判定基準となる被写体の画像である検索対象画像を含む画像データおよび端末識別子の情報を端末装置から受信すると、該検索対象画像を含む画像データを前記1以上の画像データから抽出し、
前記抽出した画像データを前記端末識別子で特定される装置に送信する、情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
1以上の画像データを保存する手順と、
抽出判定基準となる被写体の画像である検索対象画像を含む画像データおよび端末識別子の情報を端末装置から受信すると、該検索対象画像を含む画像データを前記1以上の画像データから抽出する手順と、
前記抽出した画像データを前記端末識別子で特定される装置に送信する手順と、を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−69036(P2013−69036A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205872(P2011−205872)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】