説明

情報処理システムおよびサーバ

【課題】画像処理装置に周辺機器ごとのデバイスドライバやアプリケーションを搭載することなく周辺機器と組み合わせて各種の情報処を行えるようにすることを目的とする。
【解決手段】複数のデジタル複合機20A、20B、20Cと、USB−Hub30A,30B,30Cと、これらのデジタル複合機とUSB−Hubとの接続関係を管理すると共に、USB−Hubに接続して利用する各種の周辺機器のデバイスドライバやアプリケーションを搭載したサーバ40A又は40Bとをネットワークで接続し、画像処理装置に直接接続して利用することができない周辺機器を画像処理装置と組み合わせて利用することできるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置(デジタル複合機)と周辺機器と組み合わせて各種の情報処理を行えるようにする情報処理システムおよびサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像処理装置としてのデジタル複合機は、その多機能化がさらに進んでおり、USBコネクタを用意してUSBメモリとの間でデータの授受を行えるようにしたものが提供されている。また、特許文献1のように、LANなどのネットワークを介してプリンタと各種のデバイスとを接続するのにUSBを利用するようにしたものもある。
【特許文献1】特開2004−78359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、デジタル複合機の多機能化を進める場合、将来を見通して様々な周辺機器の利用を可能にするデバイスドライバをすべてデジタル複合機に搭載させることはコストアップにつながり、また、メンテナンスも困難になる等の問題があった。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、画像処理装置としてのデジタル複合機に多くのデバイスドライバなどを搭載することなく、様々な周辺機器と組み合わせて各種の情報処理を行えるようにする情報処理システムおよび多機能化したサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために本発明は次の技術手段を備えていることを特徴とする。
第1の技術手段は、画像処理装置と、周辺機器が接続される通信接続手段と、サーバとがネットワークに接続される情報処理システムであって、前記サーバは、前記画像処理装置と前記通信接続手段との接続関係を管理し、かつ、前記通信接続手段に接続される周辺機器が前記画像処理装置と協働して行う情報処理を支援する機能を有していることを特徴とする。
【0005】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記ネットワークはLANであることを特徴とする。
【0006】
第3の技術手段は、第1又は2の技術手段において、前記画像処理装置と前記通信接続手段には、IPアドレスが割り当てられていることを特徴とする。
【0007】
第4の技術手段は、第1から3のいずれかの技術手段において、前記画像処理装置と前記通信接続手段とが、前記サーバによってグループ管理されていることを特徴とする。
【0008】
第5の技術手段は、第4の技術手段において、前記グループ管理はIPアドレスによって行われていることを特徴とする。
【0009】
第6の技術手段は、第1から5のいずれかの技術手段において、前記通信接続手段はUSBハブであることを特徴とする。
【0010】
第7の技術手段は、第1から6のいずれかの技術手段である情報処理システムに用いられるサーバであって、前記通信接続手段に接続される周辺機器を前記画像処理装置と協働して利用可能にするデバイスドライバを搭載していることを特徴とする。
【0011】
第8の技術手段は、第7の技術手段において、前記画像処理装置と前記通信接続手段をグループ管理するグループ管理機能を有することを特徴とする。
【0012】
第9の技術手段は、第7又は8の技術手段において、前記通信接続手段に周辺機器が接続された場合に、その接続機器を認識する接続機器認識機能を備えていることを特徴とする。
【0013】
第10の技術手段は、第7から9のいずれかの技術手段において、前記通信接続手段に周辺機器が接続された場合に、その周辺機器を用いて情報処理を実行するための処理手順が記録された処理手順管理テーブルを備えていることを特徴とする。
【0014】
第11の技術手段は、第10の技術手段において、接続された周辺機器に対応した前記処理手順を、前記グループ管理の管理情報と前記接続機器認識機能が認識した接続機器情報とに基づいて確定することを特徴とする。
【0015】
第12の技術手段は、第7から11のいずれかの技術手段において、前記通信接続手段に接続された周辺機器を利用して情報処理を実行する際に、前記画像処理装置の操作部に表示するためのGUI画面データを記憶管理し、情報処理の進行に応じて所定のGUI画面データを前記画像処理装置に提供することを特徴とする。
【0016】
第13の技術手段は、第7から12のいずれかの技術手段において、前記周辺機器から前記画像処理装置が取り扱えない形式のデータが供給された場合に、そのデータを前記画像処理装置が取り扱える形式のデータに変換する機能を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像処理装置の機能を増やすことなく、所望の周辺機器を用いて各種の情報処理を実行することが可能となる。
また、本発明によれば、利用する周辺機器毎のデバイスドライバやアプリケーションプログラムを搭載することなく、各種の周辺機器を画像処理装置と組み合わせて情報処理を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、各種の情報処理毎に多種類のGUI画面データを画像処理装置の方で用意しておく必要がなくなるので、画像処理装置に用いられるプログラム開発の負担が大幅に低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の最良の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の情報処理システムに利用されるデジタル複合機の一例を示すブロック図である。このデジタル複合機10は、複写機、プリンタ装置、ファクシミリ装置、及びスキャナ装置等の機能を備えた複合機として構成されている。また、このデジタル複合機10は、社内LAN等の通信ネットワークN1を介して、複数のパーソナルコンピュータ1−1,1−2(以下、PC)と接続とされ、PCとの間で情報の交換が可能になっている。さらに、インターネット等の広域通信ネットワークN2に接続された外部機器2,3(PC、インターネットFAX)との間で、情報の送受信が行われる。
【0019】
デジタル複合機10は、演算処理を行うCPU、一時的に処理情報を記憶するRAM、制御プログラムを格納しているROM等からなる機器制御部11を備えている。この機器制御部11には、デジタル複合機10が行う処理を管理し、そのための管理情報(各種の制御情報)を保持する管理部12が接続され、また、原稿等に記録された画像を読取って画像データを生成する画像読取部13が接続される。なお、画像読取部13には、原稿の画像データを取り込むためのCCD13aと、原稿の有無を検知する原稿検知センサ13bとを有している。
【0020】
機器制御部11には、記録用紙上に画像データを形成する画像形成部14が接続される。この画像形成部14には、読み取った画像データを一時的に記憶するメモリ14aと、メモリ14aに記憶された画像データから画像を読み出して記録用紙に印字する印字部(LSU)14bと、印字部14bに記録用紙を給紙するためのトレイ14cが設けられている。この場合、デジタル複合機10は、画像読取部13で生成した画像データをメモリ14aに記憶させた後、印字部14bで画像を形成する複写機として機能する。
【0021】
また、機器制御部11には、通信部15が接続され、上述したように通信ネットワークN1,N2を介してPC又は外部機器との情報交換が行われる。この場合、デジタル複合機10は、ファクシミリ装置あるいはPC(1−1,1−2)等のプリンタ装置としても機能する。
【0022】
また、機器制御部11には、利用者による入力を行う操作部16が接続されている。操作部16は、制御命令などの情報を入力するタッチパネル又はテンキー等の入力部16a、操作のための情報を表示する液晶表示等の表示部16bを有している。この操作部16では、デジタル複合機10の管理者や利用者を認証する認証コード等の入力も行われる。
【0023】
また、機器制御部11には、ハードディスク装置(HD)17が接続されている。HD17は、画像読取部13が生成した画像データ等の画像処理に係るデータを記憶保持する。また、機器制御部11には、接続される消去手段18が接続され、必要に応じてHD17に記録保持されているデータを消去する。
なお、通信インターフェース19は、例えばUSBメモリ等からデータを取り込んで印刷などを行えるようにするものであるが、限られた形式のデータしか扱えず、また、ジョブも限られたものとなっている。
【0024】
図2は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成図であり、システムは、それぞれIPアドレスが割り当てられた複数のデジタル複合機20A、20B、20C、USBハブ(以下、USB−Hub)30A,30B,30C、およびこれらのデジタル複合機とUSB−Hubとの接続関係を管理すると共に、後述する情報処理の支援機能を有するサーバ40A又は40B、およびデジタル複合機との間でデータの授受を行う端末装置60がLANなどのネットワークN1に接続されて構成される。
【0025】
なお、説明の便宜上、デジタル複合機20AとUSB−Hub30AからなるグループAには後述する「POP印刷」ジョブを行うためのバーコードリーダ51、デジタル複合機20BとUSB−Hub30BからなるグループBには後述する「スキャンUSB」「USBメモリ印刷」の各ジョブを行う際のUSBメモリ52、デジタル複合機20CとUSB−Hub30CからなるグループCには後述する「メール添付」ジョブを行う際のマイク53、がそれぞれのUSB−Hubに接続されるように描いてあるが、本発明の場合、情報処理の支援を行うサーバは接続機器を認識する機能を有しているので、その周辺機器を制御するデバイスドライバがサーバに搭載されていれば、周辺装置が何処のUSB−Hubに差し込まれても基本的に動作は可能である。ただし、管理テーブルに記憶しておく処理手順をデジタル複合機とUSB−Hubの接続情報によって一義的に確定することはできなくなるので、デジタル複合機ごとに利用する周辺機器との処理手順を管理テーブル部に記憶しておく必要が生じる。
【0026】
図3(A)は、図2のサーバ40の構成例を示すブロック図である。
サーバ40は、通信インターフェース41、CPU42、ROM43、RAM44、表示部45、操作部46、ハードディスク47、ディスクドライブ48を備えており、各部は、バスを介して互いに接続されている。
【0027】
通信インターフェース41は、ネットワークN1(LAN)を介してデジタル複合機20やUSB−Hub30とデータの送受信を行うためのインターフェースである。CPU42は、ROM42、ハードディスク47およびディスクドライブ48に装着されるFD(フレキシブルディスク)やCD−ROMに格納されているプログラムに従って、各部の制御を行う。また、CPU42は、バスを介して通信インターフェース41、RAM44、表示部45、操作部46、ハードディスク47およびディスクドライブ48が接続されており、データのリード/ライト、表示制御、キー入力制御、およびデータ通信の制御等を行う。操作部46は、システム管理者などが各種ドライバの追加や更新、アプリケーションのインストールなどを行う場合のユーザインターフェースであり、カーソルキー、数字入力キー、および各種機能キー等を備えたキーボード、マウス等からなる。
ハードディスク47には、CPU42が実行するための各種プログラムや後述する処理手順用の管理テーブルなどが格納されている。
【0028】
また、サーバ40には、USB−Hub30に接続される各種の周辺機器のデバイスドライバの他に文書データや画像データなどのデータを取り扱うアプリケーション、データ形式を変換するデータ変換用のプログラムなども搭載されている。
また、サーバ40は、通信インターフェース41に接続された周辺機器を利用して情報処理を実行する際に、デジタル複合機20の操作部に表示するためのGUI画面データを記憶管理し、情報処理の進行に応じて所定のGUI画面データを前記画像処理装置に提供する機能を備えている。
【0029】
図3(B)は、サーバ40によってデジタル複合機(MFP)とUSB−HubとがIPアドレスに基づいてグループA,グループB,グループCのようにグループ管理されている様子を示している。
そして、サーバ40は、USB−Hub30に周辺機器が接続されると、その接続機器を認識し、上述の管理テーブルに記録されている処理手順情報とグループ管理情報とに基づいて接続された周辺機器と画像処理装置とが協働して行う情報処理を支援する。
【0030】
次に、上述した情報処理システムによって可能となる情報処理の具体例について説明する。
図4は、デジタル複合機の操作パネルに表示されるジョブ選択画面の表示例を示したものである。ここで、「コピー」「ファックス」および「プリンタ」については、デジタル複合機単独で利用可能なジョブであり、「POP印刷」「USBメモリ」および「メール添付」は、上記のUSB−Hub30に周辺機器を接続し、サーバの支援機能を利用して実行されるジョブである。
【0031】
[POP印刷]
最初にバーコードを読み取ってラベル印刷を行う「POP印刷」ジョブについて、図5〜図8を参照しながら説明する。
図5は、グループAとグープBの2つのグループでPOP印刷を行う例を示しており、サーバ40Aは商品名とその単価情報を含む商品データベースを備え、サーバ40BがIPアドレスによってデジタル複合機20AとUSB−Hub30AをグループA、デジタル複合機20BとUSB−Hub30BをグループBとしてグループ管理を行っていることを表している。また、サーバ40Bには、各ジョブ毎の処理手順が記憶された処理手順管理テーブルが格納されている。
【0032】
次に、POP印刷を行う場合の処理動作について図6の処理シーケンス図を用いて説明する。デジタル複合機20Aの操作パネルにおけるジョブ選択画面(図4)で「POP印刷」を選択すると(1)、デジタル複合機20Aからサーバ40BにPOP印刷が選択されたことを通知する(2)。この通知があるとサーバ40BはグループAのUSB−Hub30Aを特定し(3)、あらかじめ格納されている各種の作業処理手順の中からPOP印刷の処理手順(図8)が記録されている管理テーブルを取り出して手順を確定する(4)。
【0033】
処理手順が確定すると、サーバ40Bはデジタル複合機20Aに操作画面データを送って図7(A)の画面を表示させ(5)、バーコードリーダ51を起動させる(6)。バーコードリーダ51によりバーコードが読み取られると(7)、サーバ40Bは読み取られたバーコードについてサーバ40Aにバーコード情報照会を行い(8)、プリントデータを特定して(9)デジタル複合機20Aに図7(B)の画面データを送り(10)、プリント出力指示の確認を行う(11)。その後、利用者からの確認を意味するOKキーの操作が確認されると、デジタル複合機20Aはサーバ40Bから送られてきたプリントデータに基づいて商品名と単価情報を含むPOP印刷を行う(12)、といった処理シーケンスとなる。
【0034】
図8は、サーバ40Bに格納されているPOP印刷の処理手順を示したもので、図4のジョブ選択画面で「POP印刷」が選択され、USB−Hubの特定がなされたところから処理手順が開始される内容となっている。すなわち、STEP1でサーバ40Bは複合機20Bへ図7(A)の操作画面データを送信し、STEP2でバーコードリーダ30Aを起動し、STEP3でバーコード入力、バーコード情報照会を行い、STEP4でプリントデータを特定し、STEP5でデジタル複合機20Bへ図7(B)の画面データを送信し、STEP6でプリント出力指示を行って、処理手順を終了する内容となっている。
【0035】
[スキャンUSB]
次に、デジタル複合機でスキャンしたイメージデータをUSBメモリに保存する「スキャンUSB」ジョブについて、図9〜図11を参照しながら説明する。
【0036】
図9は、スキャンUSBにおける処理シーケンス図を示しており、デジタル複合機20Bの操作パネルにおけるジョブ選択画面(図4)で「スキャンUSB」を選択すると(21)、デジタル複合機20Bからサーバ40Bに「スキャンUSB」が選択されたことを通知する(22)。この通知があるとサーバ40BはグループBのUSB−Hub30Bを特定し(23)、あらかじめ格納されている各種の作業処理手順の中からスキャンUSBの処理手順(図11)が記録されている管理テーブルを取り出して手順を確定する(24)。
【0037】
処理手順が確定すると、サーバ40Bはデジタル複合機20Bに操作画面データを送って図10(A)の画面を表示させる(25)。ユーザがUSB−Hub30BにUSBメモリを差し込み(26)、デジタル複合機20Bに原稿をセットし(27)、スタートキーをONする(28)。原稿が読み取られると(29)、そのイメージデータがサーバ40Bに転送され(30)、サーバ40Bは受信したデータを一時保存し(31)、保存したデータをUSB−Hu30Bを介してUSBメモリ52に転送する(33)、と同時に「データ転送中」を表示させる画面データをデジタル複合機20Bに送信し(34)、デジタル複合機20Bは図10(B)の画面を表示する(35)、といった処理シーケンスとなる。
【0038】
図11は、サーバに格納されている「スキャンUSB」の処理手順を示したもので、
図4のジョブ選択画面でスキャンUSBが選択され、USB−Hubの特定がなされたところから処理手順が開始される内容となっている。すなわち、STEPでサーバ40Bは、デジタル複合機20Bに図10(A)の操作画面データを送信し、STEP12でデジタル複合機20Bから送られてきたデータを受信して一時保存し、STEP13で一時保存したデータをUSB−Hub30Bを介してUSBメモリ52へ転送し、STEP14でデータ転送中であることを知らせる図10(B)の画面データをデジタル複合機20Bに送って、処理手順を終了する、という内容になっている。
なお、ここでサーバ40Bに一時保存されているデータを、任意のデータ形式に変換するなどの処理を行うことも可能である。
【0039】
[USBメモリ印刷]
次に、USBメモリに保存されているドキュメントデータをデジタル複合機で印刷させる「USBメモリ印刷」ジョブについて図12〜図15を参照しながら説明する。
図12は、USBメモリ52に各種のアプリケーションで作成した文書データや画像データがファイルとして格納されている様子を模式的に表したものである。
【0040】
図13は、USBメモリ印刷における処理シーケンス図を示したもので、デジタル複合機20Bの操作パネルにおけるジョブ選択画面(図4)で「USBメモリ印刷」を選択すると(41)、デジタル複合機20Bからサーバ40BにUSBメモリ印刷が選択されたことを通知する(42)。この通知があるとサーバ40BはグループBのUSB−Hub30Bを特定し(43)、あらかじめ格納されている各種の作業処理手順の中からUSBメモリ印刷の処理手順(図15)が記録されている管理テーブルを取り出して手順を確定する(44)。
【0041】
処理手順が確定すると、デジタル複合機20Bに操作画面データを送って図14(A)の画面を表示させる(45)。USB−Hu30BにUSBメモリが差し込まれる(46)、サーバ20BはそのUSBメモリを認識し(47)、USBメモリに保存されているファイル(図12参照)のリストデータを読み出し(48)、そのリストデータをファイル選択用の操作画面データと一緒に送信する(49)。デジタル複合機20Bはサーバ40Bから送られてきたデータに基づいて図14(B)の画面を表示する(50)。
【0042】
デジタル複合機20Bにおいて印刷するファイルが選択されると、デジタル複合機20Bからそのファイル名データがサーバ40Bに送られ(51)、サーバ40BはUSBメモリ52から選択されたファイルのデータを読み出し(52)、そのデータをデジタル複合機20Bが処理可能なデータ形式に変換し(53)、変換したデータを画面データと一緒にデジタル複合機20Bに送信する(54)。デジタル複合機20Bは、サーバ40Bから送られてきたデータに基づいて図14(C)の画面を表示し(55)、印刷を実行するOKキーが押されると印刷が実行される(56)、といった処理シーケンスとなる。
【0043】
図15は、サーバ40Bに格納されている「USBメモリ印刷」の処理手順をしたもので、図4のジョブ選択画面でスキャンUSBが選択され、USB−Hubの特定がなされたところから処理手順が開始される内容となっている。すなわち、STEP21でデジタル複合機へ図14(A)の操作画面データを送信し、STEP22でUSBメモリ52がUSB−Hu30Bに差し込まれたことを認識し、STEP23でUSBメモリに格納されているファイルのリストデータを読み出し、STEP24で図14(B)のファイル選択画面の画面データを送信し、STEP25で読み出したファイルのリストデータをデジタル複合機20Bへ転送し、STEP26でデジタル複合機20Bからユーザが選択したファイル名データを受信し、STEP27で受信したファイル名データに基づき、USBメモリから該当するデータを読み出し、STEP28で読み出したデータをデジタル複合機20Bが処理可能なデータ形式に変換し、STEP29でデジタル複合機20Bへ変換した印刷データを送信し、STEP30で図14(C)の画面データを送信し、処理手順を終了するという内容になっている。
【0044】
[メール添付]
次に、原稿をスキャンして生成したイメージデータあるいは音声データをメールに添付する「メール添付」ジョブについて、図16〜図18を参照ながら説明する。
図16は、メール添付における処理シーケンス図を示しており、デジタル複合機20Cの操作パネルにおけるジョブ選択画面(図4)で「メール添付」を選択すると(61)、デジタル複合機20Cからサーバ40BにスキャンUSBが選択されたことを通知する(62)。この通知があるとサーバ40BはグループCのUSB−Hub30Cを特定し(63)、あらかじめ格納されている各種の作業処理手順の中から「メール添付」の処理手順(図18)が記録されている管理テーブルを取り出して手順を確定する(64)。
【0045】
処理手順が確定すると、サーバ40Bはデジタル複合機20Cに操作画面データを送って図17(A)の画面を表示させる(65)。デジタル複合機20Cに原稿をセットし(66)、スタートキーをONし(67)、原稿が読み取られると(68)、そのイメージデータはサーバ40Bに転送され(69)、サーバ40Bは受信したデータを一時保存する(70)。
【0046】
次いで、サーバ40Bはデジタル複合機20Cに添付するデータの入力先を選択させるための画面データを送信し(71)、デジタル複合機20Cはそのデータに基づいて図17(B)の画面を表示する(72)。添付データの入力先が選択されるとその選択情報がサーバ40Bに送信され(73)、例えば、入力先として「USBメモリ」が選択された場合はUSBメモリ(この場合はあらかじめUSB−Hu30CにUSBメモリが差し込まれている)にアクセスし(74)、USBメモリから入力された(75)添付データを保存し(76)、送信先リスト画面データを送信する(77)。デジタル複合機20Cはそのデータに基づいて図17(C)のメール送信先指定画面を表示し(78)、メール送信先が指定されると(79)その情報がサーバ40Bに送られ、サーバ40Bは保存しておいたスキャンデータと添付データをメール送信先へ送信する(80)、といった処理シーケンスとなる。
【0047】
なお、図17(B)の操作画面において、「マイク」が選択された場合は、図17(D)の画面が表示され、マイクからの音声データを添付することも可能になっている。この場合、USB−Hub30Cにはマイク53(図2)が装着されることになる。
また、上述した実施例では、添付するデータの入力先を選択させる操作画面として、「USB」と「マイク」を初めから表示するようにしているが、サーバ40が備えている接続機器認識機能を利用して、USBメモリあるいはマイクがUSB−Hubに差し込まれた際に表示するようにしても良い。
また、本ジョブの場合、USBメモリからのドキュメントデータとマイクからの音声データの両方を添付できるようにしても良い。その場合は、USB−Hubは複数のコネクタを備えたものを用いることになる。
【0048】
図18は、サーバが行う「メール添付」の処理手順を示したもので、図4のジョブ選択画面で「メール添付」が選択され、USB−Hubの特定がなされたところから処理手順が開始される。すなわち、STEP31でデジタル複合機20Cへ図17(A)の操作画面データを送信し、STEP32でデジタル複合機20Cからのスキャンデータを受信し、STEP33でUSB−Hu30Cを介してUSBメモリから添付データを受信し、STEP34でスキャンデータに添付データ(文書データおよび/又は音声データ)を送信先へ送信し、処理を終了する、という内容になっている。
【0049】
以上、説明したように、本発明によれば、画像処理装置の機能を増やすことなく、所望の周辺機器を用いて各種の情報処理を実行することが可能となる。
また、本発明によれば、利用する周辺機器毎のデバイスドライバやアプリケーションプログラムを画像処理装置に搭載することなく、各種の周辺機器を画像処理装置と組み合わせて情報処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明で使用されるデジタル複合機の構成例を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる情報処理システムの構成図である。
【図3(A)】本発明の情報処理システムに用いられるサーバの機能ブロック図である。
【図3(B)】ネットワークに接続されるデジタル複合機とUSB−Huをグループ管理する場合の説明図である。
【図4】デジタル複合機の操作パネルに表示されるジョブ選択画面の表示例を示す図である。
【図5】POP印刷におけるシステム構成の例を示す図である。
【図6】POP印刷ジョブにおける処理シーケンス図である。
【図7】POP印刷ジョブにおける操作画面の表示例を示す図である。
【図8】サーバに格納されているPOP印刷ジョブの処理手順を示す図である。
【図9】スキャンUSBジョブにおける処理シーケンス図である。
【図10】スキャンUSBジョブにおける操作画面の表示例を示す図である。
【図11】サーバに格納されているスキャンUSBジョブの処理手順を示す図である。
【図12】USBメモリに格納されているファイルを模式的に表した図である。
【図13】USBメモリ印刷ジョブにおける処理シーケンス図である。
【図14】USBメモリ印刷ジョブにおける操作画面の表示例を示す図である。
【図15】サーバに格納されているUSBメモリ印刷ジョブの処理手順を示す図である。
【図16】メール添付ジョブにおける処理シーケンス図である。
【図17】メール添付ジョブにおける操作画面の表示例を示す図である。
【図18】サーバに格納されているメール添付ジョブの処理手順を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
10…デジタル複合機、11…機器制御部、12…管理部、13…画像読取部、14…画像形成部、15…通信部、16…操作部、17…ハードディスク、18…消去手段、19…通信インターフェース、20A〜20C…デジタル複合機、30A〜30C…USB−Hub、40A、40B…サーバ、41…通信インターフェース、42…CPU、43…ROM、44…RAM、45…表示部、46…操作部、47…ハードディスク、48…ディスクドライブ、51…バーコードリーダ、52…USBメモリ、53…マイク、60…端末装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と、周辺機器が接続される通信接続手段と、サーバとがネットワークに接続される情報処理システムであって、前記サーバは、前記画像処理装置と前記通信接続手段との接続関係を管理し、かつ、前記通信接続手段に接続される周辺機器が前記画像処理装置と協働して行う情報処理を支援する機能を有していることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記ネットワークはLANであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記画像処理装置と前記通信接続手段には、IPアドレスが割り当てられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記画像処理装置と前記通信接続手段とが、前記サーバによってグループ管理されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記グループ管理はIPアドレスによって行われていることを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記通信接続手段はUSBハブであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の情報処理システムに用いられるサーバであって、前記通信接続手段に接続される周辺機器を前記画像処理装置と協働して利用可能にするデバイスドライバを搭載していることを特徴とするサーバ。
【請求項8】
前記画像処理装置と前記通信接続手段をグループ管理するグループ管理機能を有することを特徴とする請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
前記通信接続手段に周辺機器が接続された場合に、その接続機器を認識する接続機器認識機能を備えていることを特徴とする請求項7又は8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記通信接続手段に周辺機器が接続された場合に、その周辺機器を用いて情報処理を実行するための処理手順が記録された処理手順管理テーブルを備えていることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載のサーバ。
【請求項11】
接続された周辺機器に対応した前記処理手順を、前記グループ管理の管理情報と前記接続機器認識機能が認識した接続機器情報とに基づいて確定することを特徴とする請求項10に記載のサーバ。
【請求項12】
前記通信接続手段に接続された周辺機器を利用して情報処理を実行する際に、前記画像処理装置の操作部に表示するためのGUI画面データを記憶管理し、情報処理の進行に応じて所定のUI画面データを前記画像処理装置に提供することを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載のサーバ。
【請求項13】
前記周辺機器から前記画像処理装置が取り扱えない形式のデータが供給された場合に、そのデータを前記画像処理装置が問い扱える形式のデータに変換する機能を備えていることを特徴とする請求項7から12のいずれかに記載のサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3(A)】
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【図3(B)】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−65534(P2008−65534A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−241611(P2006−241611)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】