説明

情報処理システム及び情報処理装置

【課題】表示画面における入力データや設定ダイアログの表示状態を判定し、判定結果に基づいて設定ダイアログを適切な位置に表示する。
【解決手段】情報処理システムは、データを入力するスキャナ装置120と、スキャナ装置120により入力された入力データを大型ディスプレイ100の表示画面に表示出力するPC110とを備える。PC110は、入力データと入力データに係る原稿読取条件を設定するための設定ダイアログとを表示画面に表示出力する表示制御部114aと、入力データ及び設定ダイアログの表示状態を判定する表示状態判定部114bとを備える。表示制御部114bは、表示状態判定部114bによる判定結果に基づいて、設定ダイアログの表示位置を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理装置に関し、より詳細には、PC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置で実行されるアプリケーションのウィンドウ画面をディスプレイに表示制御するための情報処理システム及び該システムを構成する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大型液晶ディスプレイを用いた会議システムが提案され、出席者が持ち寄った原稿をスキャナ装置(画像読取装置)で読み取り、読み取った画像を大型液晶ディスプレイに表示しながら、会議を行うケースが増加している。このスキャナ装置はPCと接続され、PC側に、スキャナ装置のカラーモードや解像度、サイズなどの読取条件を設定するための原稿読取条件設定画面(設定ダイアログ)を保有している。ユーザは、スキャナ装置で原稿を読み取る際に、PCを操作して、設定ダイアログを大型液晶ディスプレイに表示させて、様々な読取条件を当該ディスプレイ上で設定することができる。
【0003】
上記のような会議システムにおいて、大型液晶ディスプレイに同時に複数の画像データを表示させる場合、これら複数の画像データが表示画面上でなるべく重ならないように配置する必要があるが、このためには出席者の一人が操作を行わなければならず、操作が煩わしい上に、会議に集中できないなどの問題があった。
これに対して、例えば、特許文献1には、会議中の画面に、複数同時に画像データを表示させる際に、画像データの重なり具合を簡単に調整する方法が記載されている。これによれば、共有ディスプレイ上に表示される各ウィンドウの表示構成情報(ウィンドウの識別子、位置、サイズ、及び重なり具合)に基づいて、各ウィンドウの表示構成を変更できるようにしている。
【特許文献1】特開2005−149440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来の手法においては、スキャナ装置で読み取りを行う際に表示される設定ダイアログの表示位置については考慮されていなかった。このため、例えば、会議中に新たな原稿を読み取るために、ディスプレイ上に設定ダイアログを表示した場合、議題としてディスプレイに表示している画像データに設定ダイアログが重なって表示され、画像データが見えなくなり、会議が一時中断されてしまうという問題が起こり得る。
【0005】
本発明では、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、表示画面における入力データや設定ダイアログの表示状態を判定し、判定結果に基づいて設定ダイアログを適切な位置に表示可能な情報処理システム及び該システムを構成する情報処理装置を提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、データを入力するデータ入力装置と、該データ入力装置により入力された入力データを表示画面に表示出力する情報処理装置とを備えた情報処理システムであって、前記情報処理装置は、前記入力データと該入力データに係る所定の条件を設定するための設定ダイアログとを前記表示画面に表示出力する表示制御手段と、前記入力データ及び前記設定ダイアログの表示状態を判定する表示状態判定手段とを備え、前記表示制御手段は、前記表示状態判定手段による判定結果に基づいて、前記設定ダイアログの表示位置を制御することを特徴としたものである。
【0007】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示状態判定手段が前記表示画面に前記入力データが表示されていないと判定した場合、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを前記表示画面の中央に表示出力することを特徴としたものである。
【0008】
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示状態判定手段が前記設定ダイアログを前記入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定した場合、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを前記表示画面の中央に表示出力することを特徴としたものである。
【0009】
第4の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示状態判定手段は、前記表示画面に表示されている入力データが複数あり、前記設定ダイアログを前記複数の入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定した場合、さらに、前記複数の入力データの重なり順を判定し、前記表示制御手段は、前記表示状態判定手段による重なり順の判定結果に基づいて、前記設定ダイアログの表示位置を制御することを特徴としたものである。
【0010】
第5の技術手段は、第4の技術手段において、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを、前記表示画面上での前記複数の入力データの重なり順が最上層に表示されている入力データに重ならないように表示出力することを特徴としたものである。
【0011】
第6の技術手段は、第4の技術手段において、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを、前記表示画面上での前記複数の入力データの重なり順が最下層に表示されている入力データに重なるように表示出力することを特徴としたものである。
【0012】
第7の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示状態判定手段が前記設定ダイアログを前記入力データに重ねずに表示可能な領域があると判定した場合、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを、前記入力データの表示領域に重ねずに配置可能な領域に表示出力することを特徴としたものである。
【0013】
第8の技術手段は、第1の技術手段において、前記表示状態判定手段が前記設定ダイアログを前記入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定した場合、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを縮小して前記表示画面に表示出力することを特徴としたものである。
【0014】
第9の技術手段は、第1乃至第8のいずれか1の技術手段において、前記データ入力装置は、原稿を光学的に読み取ってデータを入力する原稿読取装置であることを特徴としたものである。
【0015】
第10の技術手段は、第9の技術手段において、前記設定ダイアログは、前記原稿読取装置が原稿を読み取る際の読取条件に係るパラメータを設定可能としたことを特徴としたものである。
【0016】
第11の技術手段は、第1乃至第8のいずれか1の技術手段において、前記表示画面は、前記情報処理装置と接続された外部表示装置の表示画面であることを特徴としたものである。
【0017】
第12の技術手段は、第1乃至第11のいずれか1の技術手段における情報処理システムを構成する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、表示画面における入力データや設定ダイアログの表示状態を判定し、判定結果に基づいて設定ダイアログを適切な位置に表示させることにより、例えば、会議等において、大画面ディスプレイに設定ダイアログを表示させる際に、会議資料などの入力データが設定ダイアログに遮られるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の情報処理システム及び該情報処理システムを構成する情報処理装置の好適な実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図で、図中、100は大型表示ディスプレイ装置(以下、大型ディスプレイという)、110はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置(以下、PCという)、120は原稿読取装置(以下、スキャナ装置)を示す。PC110は、大型ディスプレイ100及びスキャナ装置120と接続され、スキャナ装置120で読み取られた資料の画像データを大型ディスプレイ100に表示させることができる。
【0021】
大型ディスプレイ100は、PC110から送信される画像情報や文字情報等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などのモニタである。大型ディスプレイ100は、画像,文字等の入力データや、設定ダイアログなどを表示する表示装置であり、本実施形態では大型液晶ディスプレイを用いることとしたが、一般的なデスクトップパソコンやノートパソコンで使用するディスプレイや、プロジェクタ装置などであっても適用可能である。
【0022】
PC110は、汎用的なパーソナルコンピュータであって、大型ディスプレイ100と接続するためのディスプレイI/F111と、画像や文字等の入力データを表示するLCDなどで構成される表示部112と、制御プログラムやデータ等を記憶するROMやRAMなどで構成されるメモリ113と、PC110の全体の機能を制御するCPUなどで構成される制御部114と、マウスやキーボードなどの入力デバイスで構成される操作部115と、スキャナ装置120とLAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)などを介して通信可能に接続するための通信部116と、各種アプリケーションプログラムや画像データ等を格納するハードディスクなどで構成される記憶部117とを備える。
【0023】
スキャナ装置120は、紙資料を光学的に読み取ってその紙資料の画像データを入力する画像読取部121と、スキャナ装置120の全体の機能を制御するCPUなどで構成される制御部122と、PC110とLANやUSBなどを介して通信可能に接続するための通信部123とを備える。
【0024】
図2は、スキャナ装置120に原稿読取条件を設定する設定ダイアログの一例を説明するための図で、図中、130は設定ダイアログを示す。設定ダイアログ130は、前述したように、スキャナ装置120に原稿読取条件を設定するアプリケーションにより表示される原稿読取条件設定画面であり、ユーザがPC110を操作することにより大型ディスプレイ100に表示することができる。この設定ダイアログ130には、例えば、カラーモード、エッジ、範囲、解像度、カラーマッチング、しきい値、光源色、白黒反転、ボイド処理、片面/両面指定など、原稿読み取りのために必要な読取条件を設定することができる。
【0025】
本発明の主たる特徴部分は、表示画面における入力データや設定ダイアログの表示状態を判定し、判定結果に基づいて設定ダイアログを適切な位置に表示させることにある。
このための構成として、PC110は、スキャナ装置120からの入力データと該入力データに係る原稿読取条件を設定するための設定ダイアログ130とを大型ディスプレイ100の表示画面に表示出力する表示制御部114aと、入力データ及び設定ダイアログ130の表示状態を判定する表示状態判定部114bとを備える。表示制御部114aは、表示状態判定部114bによる判定結果に基づいて、設定ダイアログ130の表示位置を制御する。
【0026】
例えば、表示状態判定部114bが表示画面に入力データが表示されていないと判定した場合、表示制御部114aは、設定ダイアログ130を表示画面の中央に表示出力する。このように、設定ダイアログ130を表示画面の中央に表示させることで、PC110の操作者の視認性が向上し、操作し易くなる。
また、表示状態判定部114bが設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定した場合、表示制御部114aは、設定ダイアログ130を表示画面の中央に表示出力する。これも上記と同様であるが、設定ダイアログ130を表示画面の中央に表示させることで、PC110の操作者の視認性が向上し、操作し易くなる。
【0027】
また、表示状態判定部114bは、表示画面に表示されている入力データが複数あり、設定ダイアログ130を複数の入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定した場合、さらに、複数の入力データの重なり順を判定するようにしてもよい。この場合、表示制御部114aは、表示状態判定部114bによる重なり順の判定結果に基づいて、設定ダイアログ130の表示位置を制御する。
【0028】
例えば、表示制御部114aは、設定ダイアログ130を、表示画面上での複数の入力データの重なり順が最上層に表示されている入力データに重ならないように表示出力するようにしてもよい。これは、会議の進行時に、最上層(重なり順が一番上)に表示されている入力データを見ている(議題になっている)ケースが多いため、設定ダイアログ130をこの最上層入力データに重ならないように表示することで、会議を中断等しなくて済む。
また、表示制御部114aは、設定ダイアログ130を、表示画面上での複数の入力データの重なり順が最下層に表示されている入力データに重なるように表示出力してもよい。これは、上記と逆に、会議の進行時に、最下層(重なり順が一番下)に表示されている入力データを見ている(議題になっている)ケースは少ないため、設定ダイアログ130をこの最下層入力データに重ねて表示することで、会議を中断等しなくて済む。
【0029】
また、表示状態判定部114bが設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域があると判定した場合、表示制御部114aは、設定ダイアログ130を、入力データの表示領域に重ねずに配置可能な領域に表示出力するようにしてもよい。例えば、設定ダイアログ130を配置可能領域の中央に表示させることで、PC110の操作者の視認性が向上し、操作し易くなる。
【0030】
また、表示状態判定部114bが設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定した場合、表示制御部114aは、設定ダイアログ130を縮小して表示画面に表示出力するようにしてもよい。このように、設定ダイアログ130を縮小表示することで、入力データに重なる領域を極力減らすことができる。
【0031】
以下、本発明の情報処理システムによる設定ダイアログ表示制御方法について具体的に説明する。
図3は、設定ダイアログ130の表示を制御するための設定ダイアログ制御情報の一例を示す図で、図中、140は設定ダイアログ制御情報を示す。この設定ダイアログ制御情報140は、PC110のメモリ113あるいは記憶部117に記憶されており、設定ダイアログ130のウィンドウサイズ、ディスプレイのサイズ、入力データが複数ある場合の処理などを記載したテーブルである。
【0032】
図3を例にすると、設定ダイアログの項目141は設定ダイアログ130の横ピクセル数と縦ピクセル数、設定ダイアログ(縮小)の項目142は設定ダイアログ130を縮小した場合の横ピクセル数と縦ピクセル数、ディスプレイの項目143はディスプレイの横ピクセル数と縦ピクセル数、「入力データが複数ある場合の処理」の項目144は「最上層入力データに重ならないように表示する」または「最下層入力データに重ねて表示する」、をそれぞれ格納しておくことができる。
【0033】
図4は、入力データの表示を制御するための入力データ表示情報の一例を示す図で、図中、150は入力データ表示情報を示す。図4(A)〜(F)に示す入力データ表示情報150は、設定ダイアログ130を表示する上で、必要な項目(151,152,153,154)を記載したテーブルである。
図4(A)を例にすると、画像の項目151はスキャナ装置120で読み取った画像を識別するための識別番号、画像位置の項目152は画像左上の座標、画像サイズの項目153は画像の縦と横のサイズ、Zオーダーの項目154は大型ディスプレイ100に表示されている画像の表示順序を示す正の整数値である。ここでは、数値が小さいほうが大型ディスプレイ100の上層側(前側)に描画されるものとする。
【0034】
なお、設定ダイアログ制御情報140や入力データ表示情報150は記憶部117あるいはメモリ113に記憶されており、制御部114により適宜参照可能とする。
【0035】
図5〜図9は、本発明の情報処理システムによる設定ダイアログ表示制御方法の一例を説明するためのフロー図である。なお、本例では、図1に示した情報処理システムにおいて、スキャナ装置120で読み取った原稿の表示状態に基づいて、図2に示した設定ダイアログ130を大型ディスプレイ100に表示制御する場合の処理について説明する。
【0036】
図5において、まず、ユーザはPC110の操作部114を操作して、アプリケーションを起動させ、設定ダイアログ130を表示・実行する(ステップS1)。この際、制御部114が設定ダイアログ制御情報140を取得し、取得した設定ダイアログ制御情報140を記憶部117に記憶する(ステップS2)。
PC110は、設定ダイアログ制御情報140の取得完了後に、続いて、制御部114が入力データ表示情報150を取得し、取得した入力データ表示情報150を記憶部117に記憶する(ステップS3)。そして、入力データ表示情報150の取得完了後、入力データ表示情報150から、スキャナ装置120で読み取られた入力データが大型ディスプレイ100に表示されているかどうかを判定する(ステップS4)。
【0037】
PC110は、ステップS4において、入力データが大型ディスプレイ100に表示されていると判定した場合(YESの場合)、入力データ表示情報150から入力データの表示位置,表示サイズを取得すると共に、設定ダイアログ制御情報140から設定ダイアログ130の表示サイズを取得する(ステップS5)。一方、ステップS4において、入力データが大型ディスプレイ100の表示されていない場合(NOの場合)、設定ダイアログ130を表示画面の中央に表示する(ステップS6)。
【0038】
次に、PC110は、ステップS7において、設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域があるか判定する。具体的には、設定ダイアログ130の表示サイズに基づいて、表示画面上の入力データの表示領域をスキャンしていき、入力データに重ねずに表示可能な領域があるかどうかを判定する。ここで、設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域があると判定した場合(YESの場合)、設定ダイアログ130を入力データの表示領域以外の表示可能領域に表示する(ステップS8)。また、ステップS7において、設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定した場合(NOの場合)、入力データ表示情報150を参照し、大型ディスプレイ100上に入力データが1つだけ表示されているかどうかを判定する(ステップS9)
【0039】
PC110は、ステップS9において、大型ディスプレイ100上に入力データが1つだけ表示されていると判定した場合(YESの場合)、図6に示すステップS11に移行する。
【0040】
図6において、図5のステップS9で入力データが1つだけと判定された場合、PC110は、設定ダイアログ制御情報140の設定ダイアログ(縮小)の項目142を参照し、設定ダイアログ130を縮小することにより入力データに重ねずに表示可能か判定する(ステップS11)。ここで、設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域があると判定した場合(YESの場合)、設定ダイアログ130を縮小して表示可能領域に表示する(ステップS12)。また、設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定した場合(NOの場合)、設定ダイアログ130を表示画面の中央に表示する(ステップS13)。
また、上記ステップS9において、大型ディスプレイ100上に入力データが2つ以上表示されていると判定した場合(NOの場合)、図7に示すステップS21に移行する。
【0041】
図7において、図5のステップS9で入力データが2つ以上と判定された場合、PC110は、設定ダイアログ制御情報140の「入力データが複数ある場合の処理」の項目144に、「最上層入力データに重ならないように表示する」が設定されているかどうかを判定する(ステップS21)。ここで、「最上層入力データに重ならないように表示する」が設定されていると判定した場合(YESの場合)、入力データ表示情報150から最上層入力データの表示位置,表示サイズを取得すると共に、設定ダイアログ制御情報140から設定ダイアログ130の表示サイズを取得する(ステップS22)。
【0042】
次に、PC110は、設定ダイアログ130を最上層入力データ以外の領域に表示可能か判定し(ステップS23)、最上層入力データ以外の領域に表示可能と判定した場合(YESの場合)、設定ダイアログ130を最上層入力データ以外の表示可能領域に表示する(ステップS24)。また、ステップS23において、最上層入力データ以外の領域に表示できないと判定した場合(NOの場合)、図8に示すステップS31に移行する。
一方、上記ステップS21において、「最上層入力データに重ならないように表示する」が設定されていないと判定した場合(NOの場合)、入力データ表示情報150から最下層入力データの表示位置,表示サイズを取得すると共に、設定ダイアログ制御情報140から設定ダイアログ130の表示サイズを取得する(ステップS25)。
【0043】
PC110は、設定ダイアログ130を最下層入力データの領域のみに重ねて表示可能か判定し(ステップS26)、最下層入力データの領域のみに重ねて表示可能と判定した場合(YESの場合)、設定ダイアログ130を最下層入力データの領域のみに重ねて表示する(ステップS27)。また、ステップS26において、最下層入力データの領域のみに表示できないと判定した場合(NOの場合)、図9に示すステップS41に移行する。
【0044】
図8において、図7のステップS23で最上層入力データ以外の領域に表示できないと判定された場合、PC110は、設定ダイアログ制御情報140の設定ダイアログ(縮小)の項目142から、設定ダイアログ130を縮小することにより最上層入力データに重ねずに表示可能か判定する(ステップS31)。ここで、設定ダイアログ130を最上層入力データに重ねずに表示可能であると判定した場合(YESの場合)、設定ダイアログ130を縮小して最上層入力データに重ねずに表示する(ステップS32)。また、設定ダイアログ130を最上層入力データに重ねずに表示できない場合(NOの場合)、設定ダイアログ130を表示画面の中央に表示する(ステップS33)。
【0045】
図9において、図7のステップS26で最下層入力データの領域のみに重ねて表示できないと判定された場合、PC110は、設定ダイアログ制御情報140の設定ダイアログ(縮小)の項目142から、設定ダイアログ130を縮小することにより最下層入力データに重ねて表示可能か判定する(ステップS41)。ここで、設定ダイアログ130を最下層入力データに重ねて表示可能であると判定した場合(YESの場合)、設定ダイアログ130を縮小して最下層入力データに重ねて表示する(ステップS42)。また、設定ダイアログ130を最下層入力データに重ねて表示できない場合(NOの場合)、設定ダイアログ130を表示画面の中央に表示する(ステップS43)。
【0046】
図10〜図16は、図4に示した入力データ表示情報に対応する設定ダイアログの表示状態の一例を示す図である。
図4(A)に示した入力データ表示情報の場合、入力データが2つあり、設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域があると判定される。このため、図10に示すように、設定ダイアログ130は、表示位置200、すなわち、入力データの表示領域に重ねずに配置可能な領域の中央に表示される。
【0047】
図4(B)に示した入力データ表示情報の場合、入力データが3つあり、設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域があると判定される。このため、上記と同様、図11に示すように、設定ダイアログ130は、表示位置201、すなわち、入力データの表示領域に重ねずに配置可能な領域の中央に表示される。
【0048】
図4(C)に示した入力データ表示情報の場合、入力データが3つあり、設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定され、さらに、図3に示した「入力データが複数ある場合の処理」の項目144から、「最上層入力データに重ならないように表示する」が設定されている。このため、図12に示すように、設定ダイアログ130は、表示位置202、すなわち、表示画面上での3つの入力データの重なり順が最上層に表示されている入力データに重ならないように表示される。
一方、「入力データが複数ある場合の処理」の項目144に、「最下層入力データに重ねて表示する」が設定されていた場合は、図13に示すように、設定ダイアログ130は、表示位置203、すなわち、表示画面上での3つの入力データの重なり順が最下層に表示されている入力データに重なるように表示される。
【0049】
図4(D)に示した入力データ表示情報の場合、表示画面に入力データが表示されていないと判定される。このため、図14に示すように、設定ダイアログ130は、表示位置204、すなわち、表示画面の中央に表示される。
【0050】
図4(E)に示した入力データ表示情報の場合、入力データが1つであり、設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定され、さらに、設定ダイアログ130を縮小しても入力データの表示領域に重なると判定される。このため、図15に示すように、設定ダイアログ130は、表示位置205、すなわち、表示画面の中央に表示される。
【0051】
図4(F)に示した入力データ表示情報の場合、入力データが1つあり、設定ダイアログ130を入力データに重ねずに表示可能な領域があると判定される。このため、図16に示すように、設定ダイアログ130は、表示位置206、すなわち、入力データの表示領域に重ねずに配置可能な領域の中央に表示される。
【0052】
その他の実施例として、設定ダイアログを表示させる際に、表示画面の真ん中よりも下方に表示させるようにしてもよい。このように、設定ダイアログを表示させる際に、(会議用の)大型表示画面の真ん中よりも下方に表示させることで、ユーザの設定入力を容易に行なうことが可能となる。
また、設定ダイアログを表示させる際に、一旦、設定ダイアログを最小化させて表示させておき、最小化された設定ダイアログに対するユーザの選択指示に応じて、元のサイズに戻して表示させるようにしてもよい。これにより、設定ダイアログを表示させる際に、(大型表示画面を用いて会議中の)表示データが遮られるのを防止することが可能となる。
【0053】
なお、以上に説明した本発明の実施形態の記載内容は、上述の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、設定ダイアログをスキャンパラメータの設定を行う機能としたが、アプリケーションの設定を変更する設定ダイアログであってもよい。
また、本実施形態では、設定ダイアログを入力データに重複して表示するための判断基準として、最上層入力データ、最下層入力データのみを使用したが、Zオーダーの数値が1番目と2番目の入力データに重複しないように設定ダイアログを表示するなど、判定基準を本実施形態とは異なる基準で設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】スキャナ装置に原稿読取条件を設定する設定ダイアログの一例を説明するための図である。
【図3】設定ダイアログの表示を制御するための設定ダイアログ制御情報の一例を示す図である。
【図4】入力データの表示を制御するための入力データ表示情報の一例を示す図である。
【図5】本発明の情報処理システムによる設定ダイアログ表示制御方法の一例を説明するためのフロー図である。
【図6】本発明の情報処理システムによる設定ダイアログ表示制御方法の一例を説明するためのフロー図で、図5のフローの続きである。
【図7】本発明の情報処理システムによる設定ダイアログ表示制御方法の一例を説明するためのフロー図で、図5のフローの続きである。
【図8】本発明の情報処理システムによる設定ダイアログ表示制御方法の一例を説明するためのフロー図で、図7のフローの続きである。
【図9】本発明の情報処理システムによる設定ダイアログ表示制御方法の一例を説明するためのフロー図で、図7のフローの続きである。
【図10】図4に示した入力データ表示情報に対応する設定ダイアログの表示状態の一例を示す図である。
【図11】図4に示した入力データ表示情報に対応する設定ダイアログの表示状態の他の例を示す図である。
【図12】図4に示した入力データ表示情報に対応する設定ダイアログの表示状態の他の例を示す図である。
【図13】図4に示した入力データ表示情報に対応する設定ダイアログの表示状態の他の例を示す図である。
【図14】図4に示した入力データ表示情報に対応する設定ダイアログの表示状態の他の例を示す図である。
【図15】図4に示した入力データ表示情報に対応する設定ダイアログの表示状態の他の例を示す図である。
【図16】図4に示した入力データ表示情報に対応する設定ダイアログの表示状態の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
100…大型ディスプレイ装置(大型ディスプレイ)、110…情報処理装置(PC)、111…ディスプレイI/F、112…表示部、113…メモリ、114…制御部、114a…表示制御部、114b…表示状態判定部、115…操作部、116…通信部、117…記憶部、120…スキャナ装置、121…画像読み取り部、122…制御部、123…通信部、130…設定ダイアログ、140…設定ダイアログ制御情報、150…入力データ表示情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを入力するデータ入力装置と、該データ入力装置により入力された入力データを表示画面に表示出力する情報処理装置とを備えた情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、前記入力データと該入力データに係る所定の条件を設定するための設定ダイアログとを前記表示画面に表示出力する表示制御手段と、前記入力データ及び前記設定ダイアログの表示状態を判定する表示状態判定手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記表示状態判定手段による判定結果に基づいて、前記設定ダイアログの表示位置を制御することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、前記表示状態判定手段が前記表示画面に前記入力データが表示されていないと判定した場合、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを前記表示画面の中央に表示出力することを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、前記表示状態判定手段が前記設定ダイアログを前記入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定した場合、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを前記表示画面の中央に表示出力することを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、前記表示状態判定手段は、前記表示画面に表示されている入力データが複数あり、前記設定ダイアログを前記複数の入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定した場合、さらに、前記複数の入力データの重なり順を判定し、
前記表示制御手段は、前記表示状態判定手段による重なり順の判定結果に基づいて、前記設定ダイアログの表示位置を制御することを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを、前記表示画面上での前記複数の入力データの重なり順が最上層に表示されている入力データに重ならないように表示出力することを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを、前記表示画面上での前記複数の入力データの重なり順が最下層に表示されている入力データに重なるように表示出力することを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、前記表示状態判定手段が前記設定ダイアログを前記入力データに重ねずに表示可能な領域があると判定した場合、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを、前記入力データの表示領域に重ねずに配置可能な領域に表示出力することを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、前記表示状態判定手段が前記設定ダイアログを前記入力データに重ねずに表示可能な領域がないと判定した場合、前記表示制御手段は、前記設定ダイアログを縮小して前記表示画面に表示出力することを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、前記データ入力装置は、原稿を光学的に読み取ってデータを入力する原稿読取装置であることを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、前記設定ダイアログは、前記原稿読取装置が原稿を読み取る際の読取条件に係るパラメータを設定可能としたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、前記表示画面は、前記情報処理装置と接続された外部表示装置の表示画面であることを特徴とする情報処理システム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の情報処理システムを構成する情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−122891(P2009−122891A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295168(P2007−295168)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】