説明

情報処理システム

【課題】携帯端末を用いて様々なサイズの文書データを扱うことが可能な情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システムの携帯端末1は、コード読取部11により読み取られたQRコードを解析するコード解析部13と、テキスト文字列を書き換えてリクエスト情報を作成するリクエスト情報作成部17を備え、情報処理システムの情報処理装置3は、文書フォーマットのフォーマットデータを記憶するフォーマットデータ記憶部29と、フォーマットデータを読み出すフォーマットデータ読出部31と、フォーマットデータ内にリクエスト情報に含まれるテキスト文字列を書き込むフォーム書込部55と、QRコードを生成するコード変換部35と、合成画像を生成する画像生成部37と、合成画像をプリンタ5に送信する送信部57を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末から送信された情報に基づく画像を印刷する情報処理システムが知られている。この種の情報処理システムは、まず、携帯端末に、印刷に必要な文書のフォーマット等の文書データを、ネットワーク経由で取得させる。そしてユーザは、取得した文書データを携帯端末を用いて書き換えた後、書き換え後の文書データを印刷データとして再度ネットワーク経由で印刷装置に送信する。このとき携帯端末から印刷装置に送信される印刷データには、ユーザが書き換えた情報のみならず、文書データが含まれる。そしてこの様な情報処理システムとしては、特許文献1に記載された発明が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−18639公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この様なシステムを用いた場合、携帯端末において扱うデータの中にフォーマット等の文書データ自体が含まれることとなる。そして、例えば携帯端末のメモリ容量の制限により、情報処理システムでは、携帯端末を用いてサイズの比較的大きい文書テンプレート等を扱うことができないという問題があった。
【0005】
そこで本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、携帯端末を用いて様々なサイズの文書データを扱うことが可能な情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に本発明にかかる情報処理システムは、携帯端末と、ネットワークを介して前記携帯端末と通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムにおいて、前記携帯端末は、第一の機械可読コードを読み取るコード読取部と、前記コード読取部により読み取られた前記第一の機械可読コードを解析し当該第一の機械可読コードからテキスト文字列及び文書識別情報を抽出するコード解析部と、入力された書換情報に基づいて前記コード解析部により抽出された前記テキスト文字列を書き換えるテキスト書換部と、前記コード解析部により抽出された前記文書識別情報及び前記テキスト書換部により書き換えられた前記テキスト文字列を前記情報処理装置に送信する送信部とを備え、前記情報処理装置は、前記文書識別情報に対応する文書フォーマットのフォーマットデータを記憶する記憶部と、前記送信部から送信された前記文書識別情報に対応する前記フォーマットデータを前記記憶部から読み出すフォーマットデータ読出部と、前記フォーマットデータ読出部により読み出された前記フォーマットデータ内に前記送信部から送信された前記テキスト文字列を書き込むデータ書込部と、前記データ書込部により前記テキスト文字列が書き込まれた前記フォーマットデータを第二の機械可読コードに変換するコード変換部と、前記データ書込部により前記テキスト文字列が書き込まれた前記フォーマットデータ、及び前記コード変換部により変換された前記第二の機械可読コードに基づく合成画像を生成する画像生成部と、前記画像生成部により生成された合成画像を印刷する印刷部とを備えることを特徴としている。
【0007】
この構成によれば携帯端末は、テキスト書換部において書き換えられたテキスト文字列及び文書識別情報を情報処理装置に送信する。そして情報処理装置は、送信されたテキスト文字列及び文書識別情報に基づいて、書き換え後の内容に基づくフォーマットデータを生成する。そしてこの様に情報処理システムでは、携帯端末において扱うデータをテキスト文字列及び文書識別情報のみとすることができる。
【発明の効果】
【0008】
この様に本発明によれば、フォーマットデータのデータサイズによらず、携帯端末を用いて様々なサイズの文書データを扱うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1に示す様に、第1の実施の形態にかかる情報処理システムは、携帯端末1と、情報処理装置3と、プリンタ5とを、ネットワーク7を介して接続して構成される。そして第1の実施の形態において説明を行う情報処理システムは、小売店等において使用される値札表の値段を書き換えて印刷する為のシステムである。
【0011】
携帯端末1は、ネットワーク7に接続された無線LANアクセスポイント9を介してネットワーク7と接続される。そして携帯端末1は、無線LANアクセスポイント9を介してネットワーク7と接続され、ネットワーク7を介して情報処理装置3と情報の送受信を行う。この様な携帯端末1は、ユーザが図2に示す様な値札表PTに記載された値段を変更しようとする際に使用される。具体的には携帯端末1は、値札表PTに印刷されたQRコードを読み取るコード読取部11と、コード読取部11が読み取ったQRコードを解析するコード解析部13と、ユーザが各種操作を行う操作部15と、操作部15に入力された書換情報に基づいて情報処理装置3に送信するリクエスト情報を作成するリクエスト作成部17と、無線通信を行う無線通信部19とを備える。
【0012】
コード読取部11は、ユーザの指令に基づいて値札表PTに印刷されたQRコードを読み取る。そしてコード解析部13は、コード読取部11において読み取ったQRコードの内容を解析する。具体的には、値札表PTに印刷されたQRコードには、予め決定された文書フォーマット毎に設定された文書識別情報としての文書IDと、予め値札表PTに表示された商品毎に割り当てられた商品IDと、文書フォーマット内の各項目に配列された文字列を示すフォーム内文字列情報とが含まれる。そしてコード解析部13は、QRコードを解析し、かかるQRコードに含まれる文書ID及び商品ID、並びにフォーム内文字列情報を抽出する。図2に示す例で説明すると、値札表PTに印刷されたQRコードには、文書IDとして、値札表PTの文書フォーマットに対応する文書ID及び「中国産バナナ」に対応する商品ID、並びにフォーム内文字列情報として、数量を示すテキスト文字列「15本」と、価格を示すテキスト文字列「450」と、通貨の単位を示すテキスト文字列「円」とが含まれる。そして、コード解析部13は、コード読取部11によるQRコードの読み取り結果から、文書ID、商品ID、及びフォーム内文字列情報を抽出する。そしてコード解析部13は、抽出したフォーム内文字列情報を操作部15に供給すると共に、抽出した文書ID及び商品IDをリクエスト作成部17に供給する。
【0013】
操作部15は、ユーザが携帯端末に各種情報を入力する為の操作パネルと、ユーザに対して各種情報を表示する為の表示パネルとを備える。そしてこの様な操作部15は、ユーザに対してフォーム内文字列情報に含まれるテキスト文字列を表示する。そしてユーザは、表示されたテキスト文字列を参照しながら操作パネルを介してテキスト文字列を書き換える。具体的には図3に示す様に、表示パネル21は、各テキスト文字列が表示されるテキスト表示領域23と、ユーザが選択したテキスト文字列の値が表示されるテキスト領域25と、ユーザが新たな値を入力する為のテキスト領域27とを備える。そして操作部15は、コード解析部13から供給された各テキスト文字列をテキスト表示領域23に表示させる。そしてユーザが操作パネルにより特定のテキスト文字列を選択すると、操作部15は、テキスト領域25に選択されたテキスト文字列を表示させる。そしてユーザは、操作パネルを用いてテキスト領域27に変更を希望するテキストを入力して、OKボタンを選択する。上述の例で説明すると、例えばユーザが「中国産バナナ」の価格を変更することを希望した場合には、現在の価格を示すテキスト文字列「450」を選択する。これによりテキスト領域25には、「450」が表示される。そしてユーザは、テキスト領域27に変更後の価格を入力し、OKボタンを押下する。これにより携帯端末1に、テキスト文字列を変更する為の変更情報が入力される。そして操作部15は、変更後のテキスト文字列をリクエスト作成部17に供給する。
【0014】
リクエスト作成部17は、操作部15に入力されたテキスト文字列、並びにコード解析部13から供給された文書ID及び商品IDに基づいて、情報処理装置3に送信するリクエスト情報を作成する。リクエスト情報は、文書ID及び商品ID、並びに操作部15から供給された変更後のテキスト文字列を含む情報である。また、操作部15からテキスト文字列が供給されない場合には、リクエスト作成部17は、リクエスト情報にはテキスト文字列を含ませない。そしてこの様なリクエスト情報を受信した情報処理装置3は、値札表PTの再印刷であるとして、テキスト文字列を変換していない値札表PTを印刷する。そしてこの様なリクエスト作成部17により作成されたリクエスト情報は、無線通信部19によって情報処理装置3に送信される。
【0015】
情報処理装置3は、文書IDに対応させて文書フォーマットのフォーマットデータを記憶するフォーマットデータ記憶部29と、携帯端末1から送信された文書IDに対応する文書フォーマットをフォーマットデータ記憶部29から読み出すフォーマットデータ読出部31と、読み出されたフォーマットデータ内に携帯端末1から送信されたテキスト文字列を書き込むテキスト書込部33と、テキスト文字列が書き込まれたフォーマットデータをQRコードに変換するコード変換部35と、テキスト文字列が書き込まれたフォーマットデータとコード変換部35により変換されたQRコードに基づく合成画像を生成する画像生成部37とを備える。また、情報処理装置3は、携帯端末1から送信されたリクエスト情報を解析するリクエスト解析部39を備える。
【0016】
リクエスト解析部39は、受信部41を介して受信したリクエスト情報を解析する。具体的にはリクエスト解析部39は、受信したリクエスト情報を解析して、リクエスト情報に含まれる文書IDをフォーマットデータ読出部31に供給し、商品IDを商品DB更新部43及び商品データ読出部45に供給し、さらにテキスト文字列を商品DB更新部43及びテキスト書込部33に供給する。
【0017】
フォーマットデータ読出部31は、リクエスト解析部39から供給された文書IDに対応するフォーマットデータをフォーマットデータ記憶部29から読み出す。具体的には、フォーマットデータ記憶部29には、図4及び図5に示す様なデータがフォーマットデータとして格納される。
【0018】
図4に示す、XML(eXtensible Markup Language)形式のデータの先頭には、かかるデータがXML形式のデータであることを示す宣言文が配置される。そして、宣言文に次ぐと、最終段のの間には、具体的なデータ内容が記載される。そして、ととの間には、用紙のサイズに関する情報、用紙の向きに関する情報等が記載される。
【0019】
そして、ととの間のブロックには、文字列「中国産バナナ」の背景に位置する四角形オブジェクトについての配置位置、サイズ、及び色に関するパラメータが記載される。具体的には、四角形オブジェクトの配置位置に関するパラメータは、ととの間のブロックに記載され、サイズに関するパラメータは、ととの間のブロックに記載され、色に関するパラメータは、ととの間のブロックに記載される。また、四角形オブジェクトに関するブロックの後段には、商品名にかかるテキストオブジェクト「中国産バナナ」のテキスト文字列、配置位置、及び色にかかるパラメータが記載される。そして商品名の後段には、数量、価格、及び通貨にかかるブロックが記載される。
【0020】
そしてフォーマットデータ読出部31は、文書選択部47を介してユーザにより指定された文書IDに対応するフォーマットデータをフォーマットデータ記憶部29から読み出す。そしてフォーマットデータ読出部31は、読み出したフォーマットデータをバッファ49に格納する。
【0021】
商品DB更新部43は、リクエスト解析部39から供給された商品ID及びテキスト文字列に基づいて商品DB記憶部51に記憶された商品データベースを更新する。具体的には商品データベースは、図6に示す様に、商品ID、商品名、数量、及び価格をそれぞれ対応させて記憶したデータベースである。そして、情報処理装置3は、携帯端末1からリクエスト情報が送信される度に商品データベースを更新し、ユーザが商品選択部53を介して値段表PTを印刷しようとする際に、更新された商品データベースから商品名、数量、及び価格に対応する文字列を読み出す。具体的には商品選択部53を介してユーザにより選択された商品IDに対応する商品名、数量、及び価格は、商品データ読出部45により商品データベースから読み出される。そして商品データ読出部45により読み出された商品名、数量、及び価格は、フォーム書込部55によりバッファ49に格納されたフォーマットデータ内に書き込まれる。
【0022】
そしてコード変換部35は、携帯端末1から送信されたリクエスト情報に基づいてバッファ49に格納されたフォーマットデータ、又は文書選択部47及び商品選択部53を介してユーザにより指定された文書ID及び商品IDに基づいてバッファ49に格納されたフォーマットデータをQRコードに変換する。そしてコード変換部35により生成されたQRコードは、画像生成部37に供給される。
【0023】
画像生成部37は、バッファ49に格納されたフォーマットデータと、コード変換部35から供給されたQRコードの合成画像を生成する。そして生成された合成画像は、印刷データとして、フォーム書込部55及びネットワーク7を介してプリンタ5に送信される。そしてプリンタ5は、受信した印刷データに基づく画像を印刷する。尚、本実施の形態では、情報処理システム内における印刷機構をネットワーク7を介して情報処理装置3と接続されたプリンタ5に持たせる構成としたが、情報処理装置3とプリンタ5とを一体的に構成することも可能である。
【0024】
また、携帯端末1は、図7に示す様に、コード解析部13及びリクエスト作成部17にかかるプログラムを格納するプログラム格納ROM(Read Only Memory)101と、プログラム格納ROM101に格納された各プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103の演算領域としてのRAM(Random Access Memory)105と、コード読取部11としてのバーコードスキャナ107と、操作部15を構成する操作パネル109と、操作パネル109と各部とのインターフェイスを構成する入力I/F111と、表示パネル21と各部とのインターフェイスを構成する表示I/F113と、各部を接続するアドレス/データバス115と、無線通信部19を構成するネットワークI/F117とを備える。
【0025】
また、情報処理装置3は、フォーマットデータ読出部31、テキスト書込部33、コード変換部35、画像生成部37、リクエスト解析部39、商品DB更新部43、商品データ読出部45部、及びフォーム書込部55にかかるプログラムを格納するプログラム格納ROM119と、プログラム格納ROM119に格納された各プログラムを実行するCPU121と、CPU121の演算領域としてのRAM123と、フォーマットデータ記憶部29、及び商品DB記憶部51として機能するハードディスク装置125と、文書選択部47及び商品選択部53として機能する入力装置127及びディスプレイ129と、入力装置127と各部のインターフェイスを構成する入力I/F131と、ディスプレイ133と各部とのインターフェイスを構成する表示I/F133と、各部を接続するアドレス/データバス135と、受信部41及びフォーム書込部55として機能するネットワークI/F137とを備える。
【0026】
以下、上述の情報処理システムの動作について詳細な説明を行う。
【0027】
先ず、値札表PTの情報を書き換えずに、値札表PTを再印刷する場合における情報処理システムの動作について図8を参照しながら詳細な説明を行う。尚、値札表PTを再印刷する処理は、情報処理装置3のみを用いて行う方法と、情報処理装置3及び携帯端末1を使用する方法があるが、双方の処理は同一の処理を含む為、同一の図面を用いて詳細な説明を行う。そして例えば、商品の入荷時において、QRコードを有する値札表PTが存在しない場合には、ユーザは、情報処理装置3のみを用いて値札表PTを印刷する。
【0028】
先ず、情報処理装置3のみを用いて値札表PTを再印刷する場合、ユーザが入力装置127及び表示装置129を用いて再印刷することを希望する値札表PTの文書ID及び商品IDを情報処理装置3に入力して一連の処理が開始する。そして一連の処理が開始すると、ステップS1において情報処理装置3は、入力された文書IDに対応するフォーマットデータを読み出す。その後、ステップS2において情報処理装置3は、入力された商品IDに対応する商品名、数量、及び価格を商品データベースから読み出す。そしてステップS3において情報処理装置3は、読み出した商品名、数量、及び価格を読み出したフォーマットデータ内に書き込む。次に、情報処理装置3は、ステップS4において各情報が書き込まれたフォーマットデータのQRコードを生成し、ステップS5において印刷データを生成する。その後、ステップS6において情報処理装置3は、印刷データをプリンタ5に送信して一連の処理を終了する。
【0029】
次に、携帯端末1及び情報処理装置3を用いて値札表PTを再印刷する場合、ユーザが携帯端末1のバーコードスキャナ107を用いて再印刷する値札表PTのQRコードをスキャンすることで一連の処理が開始する。そして、一連の処理が開始すると、ステップS7において携帯端末1は、QRコードを解析し、文書ID及び商品IDを抽出する。そして携帯端末1は、ステップS8においてリクエスト情報を作成し、ステップS9においてリクエスト情報を情報処理装置3に送信する。そして、情報処理装置3は、受信したリクエスト情報に基づいて、ステップS3以降の処理を実行する。
【0030】
次に、値札表PTに印刷された値段を変更する際の携帯端末1の一連の動作について、図9を参照しながら詳細な説明を行う。
【0031】
ユーザがバーコードスキャナ107を用いて値札表PTのQRコードをスキャンして一連の動作が開始すると、ステップS11において携帯端末1は、QRコードを解析する。具体的には携帯端末1がQRコードを解析することで、QRコードに付加された文字列データが再生される。そしてこれによりコード解析部13は、文書ID、商品ID、及びフォーム内文字列を取得する。具体的にはコード解析部13は、QRコードの読取結果に基づいて、


中国産バナナ
15本
450

を取得する。そしてコード解析部13は、取得した情報から、文書ID「294785」、商品ID「49001」、及びフォーム内文字列として、
中国産バナナ
15本
450

を取得する。そしてこれら情報はテキスト文字列として操作部15に表示される。
【0032】
次に、ステップS12において携帯端末1は、ユーザにより変更情報が入力されたか否かを判断する。そして携帯端末1は、ユーザにより変更情報が入力されたと判断するまで又はキャンセル指示が入力されるまでかかる処理を繰り返し実行する。そして、携帯端末1は、ユーザにより変更情報が入力されたと判断した場合には、ステップS13以降の処理を実行する。そして例えば、中国産バナナの価格を450円から390円に変更すると共に、本数を15本から8本に変更する旨の変更情報が入力された場合、携帯端末1は、2番目のオブジェクトに含まれる「15本」の値を「8本」に書き換え、さらに3番目のオブジェクトに含まれる「450」の値を「390」に書き換える。そしてこれにより新たなフォーム内文字列として、
中国産バナナ
8本
390

が生成される。
【0033】
次に、ステップS13において携帯端末1は、入力された変更情報に基づいてリクエスト情報を作成する。そして、ステップS14において携帯端末1は、作成したリクエスト情報を情報処理装置3に送信して一連の処理を終了する。これにより、情報処理装置3には、中国産バナナの価格を390円に変更すると共に、数量を15本から8本に変更すべき旨のリクエスト情報が送信される。
【0034】
次に、リクエスト情報を受信した情報処理装置3の動作について、図10を参照しながら詳細な説明を行う。
【0035】
リクエスト情報を受信して一連の処理が開始すると、ステップS21において情報処理装置3は、リクエスト情報を解析する。そして、ステップS22において情報処理装置3は、リクエスト情報に基づいて商品データベースを更新する。これにより、商品データベースにおける、中国産バナナの価格及び数量が更新される。そして、ステップS23において情報処理装置3は、フォーマットデータ記憶部29からリクエスト情報に含まれる文書IDに対応するフォーマットデータを読み出し、バッファ49に格納する。その後、ステップS24において情報処理装置3は、リクエスト情報に含まれるテキスト文字列の内容を、バッファ49に格納されたフォーマットデータ内に書き込む。次に、ステップS25において情報処理装置3は、バッファ49に格納されたフォーマットデータに基づいてQRコードを生成する。その後、情報処理装置3は、ステップS26において印刷データを生成し、ステップS27において印刷データをプリンタ5に送信して一連の処理を終了する。
【0036】
次に、上述したQRコードの生成処理について、図11を参照しながら詳細な説明を行う。
【0037】
一連の処理が開始すると、ステップS31においてコード変換部35は、テキスト文字列情報を生成する。具体的にはかかる処理は、コード変換部35がバッファ49に格納されたフォーマットデータを走査することで実行される。次に、ステップS32においてコード変換部35は、付加情報文字列を生成する。具体的にはかかる処理は、コード変換部35が、リクエスト情報に含まれる文書ID及び商品IDと、テキスト文字列情報を結合することで実行される。そして、ステップS33においてコード変換部35は、付加情報文字列をQRコードにエンコードし、一連の処理を終了する。
【0038】
次に、上述したステップS31の処理について、図12を参照しながら詳細な説明を行う。
【0039】
一連の処理が開始すると、ステップS41においてコード変換部35は、ブロック検索用の変数i及びストリングを格納する為の変数strを初期化する。具体的にはコード変換部35は、変数iに値0を代入し、変数strを空文字列に書き換えることで初期化を行う。
【0040】
次に、ステップS42においてコード変換部35は、タグの次段まで読み進む。そして、コード変換部35は、次段のタグがデータの終了を示すタグであるか否かを判断する。そして、次段のタグがでない場合には、コード変換部35は、ステップS44の処理を実行する。
【0041】
ステップS44においてコード変換部35は、次段のタグがオブジェクトの開始を示すタグであるか否かを判断する。そして、次段以降がオブジェクトのブロックであると判断した場合には、ステップS45においてコード変換部35は、かかるオブジェクトがテキスト文字列にかかるものであるか否かを判断する。かかる処理は、コード変換部35が、タグの後ろに記載されたタグがオブジェクトの種類を示すタグであるか否かを判断することで実行される。
【0042】
そして、オブジェクトがテキスト文字列にかかるものである場合には、ステップS46においてコード変換部35は、変数iをインクリメントする。そして、ステップS47においてコード変換部35は、タグとタグとの間の文字列を読む。
【0043】
そして、ステップS48においてコード変換部35は、変数strに文字列情報を追加する。このとき例えば変数iが値3であり、タグとタグとの間に記載された文字列が「大安売り」である場合、コード変換部35は以下の処理を行う。先ず、タグで、form="XXXX"が指定されている場合、コード変換部35は、文字列"大安売り"を変数strに追加する。一方、タグで、form="XXXX"が指定されていない場合、コード変換部35は、文字列"大安売り"を変数strに追加する。そして、ステップS49においてコード変換部35は、かかるブロックに対応する終了タグまで文字列を読み進み、再度、ステップS43以降の処理を実行する。
【0044】
また、ステップS44において次段のタグがオブジェクトの開始を示すタグでないと判断された場合、及びステップS45においてオブジェクトがテキスト文字列にかかるものでないと判断された場合には、コード変換部35は、変数i,strを変更せずに、ステップS49以降の処理を実行する。そして、全てのブロックについてかかる処理が実行されるとコード変換部35は、タグまで読み進み、一連の処理を終了する。そしてこの様に生成されたQRコードは、プリンタ5により値札表PT上に印刷される。
【0045】
この様に、第1の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、フォーマットデータ自体を携帯端末1にダウンロードさせる必要がないため、携帯端末1の容量に関わらず、サイズの大きいフォーマットデータを使用することができる。
【0046】
次に、本発明にかかる情報処理システムの第2の実施の形態について詳細な説明を行う。尚、第2の実施の形態にかかる情報処理システムは、上述した第1の実施の形態にかかる情報処理システムと同一の構成を有する箇所があるため、該箇所については詳細な説明を省略し、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0047】
具体的には、情報処理システムを構成する携帯端末201は、リクエスト情報を蓄積するリクエスト蓄積部203と、ユーザによって蓄積したリクエスト情報を送信すべき旨の指示が入力される送信指示部205とを備える。そしてこの様な携帯端末201は、作成したリクエスト情報をリクエスト蓄積部203に蓄積させる。そしてユーザが送信指示部205に送信指示を入力すると、無線通信部207は、リクエスト蓄積部203に蓄積された全てのリクエスト情報を情報処理装置209に送信する。
【0048】
また、情報処理装置209は、受信部41において受信したリクエスト情報を蓄積するリクエストバッファ211を備える。リクエストバッファ211は、受信部41において受信したリクエスト情報を蓄積する。そしてリクエストバッファ211に蓄積されたリクエスト情報は、順次リクエスト解析部39により読み出され、解析される。
【0049】
以下、携帯端末201の動作について図14を参照しながら詳細な説明を行う。
【0050】
一連の処理が開始すると、携帯端末201は、ステップS51においてQRコードを解析し、ステップS52において変更情報の入力の有無を判断し、ステップS53においてリクエスト情報を作成する。そして、ステップS54において携帯端末201は、リクエスト蓄積部203にリクエスト情報を蓄積させる。そして、携帯端末201は、ステップS55において送信指示部205に送信指示が入力されるまで待機し、送信指示が入力された後、ステップS56においてリクエスト情報を送信して一連の処理を終了する。
【0051】
次に、情報処理装置209の動作について図15を参照しながら詳細な説明を行う。
【0052】
一連の処理が開始すると、ステップS61において情報処理装置209は、リクエスト情報がリクエストバッファ211に蓄積されているか否かを判断する。そして情報処理装置209は、リクエスト情報が蓄積されていると判断するまで同一の処理を繰り返し実行する。そして、リクエスト情報が蓄積されていると判断した場合、ステップS62において情報処理装置209は、リクエストバッファ211に蓄積されたリクエスト情報を読み出す。リクエストバッファ211に複数のリクエスト情報が蓄積されている場合には、リクエスト解析部39は、例えば作成された日時が古いリクエスト情報から順次読み出しを実行する。そして情報処理装置209は、上述したステップS21乃至ステップS27の処理と同様に、ステップS63乃至ステップS69においてQRコードの作成、印刷データの送信等の処理を実行する。その後、ステップS70において情報処理装置209は、リクエストバッファ211にリクエスト情報があるか否かを判断する。そして、リクエストバッファ211にリクエスト情報がある場合には、情報処理装置209は、再度ステップS63以降の処理を実行する。一方、リクエストバッファ211にリクエスト情報がない場合には、情報処理装置209は、一連の処理を終了する。
【0053】
この様に、第2の実施の形態にかかる情報処理ステムによれば、リクエスト情報を一括して情報処理装置209に送信することができる為、第1の実施の形態にかかる情報処理システムと比較してより効率的に一連の処理を行うことができる。
【0054】
尚、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、各構成は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0055】
例えば、上述の実施の形態では、リクエスト情報には、ユーザによって書き換えられていない情報を含む構成としたが、リクエスト情報には書換情報に対応するテキスト文字列のみを含ませる構成とすることも可能である。
【0056】
また例えば、上述の実施の形態では、フォーマットデータ記憶部29にフォーマットデータを記憶する構成としたが、フォーマットデータ及び商品データベースの記憶先としては、ネットワーク7を介して接続されたサーバ装置とすることも可能である。これによりフォーマットデータ及び商品データベースを複数の情報処理装置で共有することができる。この場合、フォーマットデータ読出部31及び商品データ読出部45は、ネットワーク7を介してサーバ装置に文書ID又は商品IDを送信することでフォーマットデータ又は商品データベースをサーバ装置から取得する。そして商品データベースを更新する場合、商品DB更新部43は、商品ID及び更新する内容をサーバ装置に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1の実施の形態にかかる情報処理システムのブロック図である。
【図2】同情報処理システムにおいて使用される値札表の例を示す図である。
【図3】同情報処理システムにかかる携帯端末の表示パネルに表示される画面の一例である。
【図4】同情報処理システムにかかる情報処理装置に記憶されるフォーマットデータの一例である。
【図5】同情報処理システムにかかる情報処理装置に記憶されるフォーマットデータの一例である。
【図6】同情報処理装置に記憶される商品データベースの一例を示す図である。
【図7】同情報処理システムのブロック図である。
【図8】同情報処理システムの動作を示すフロー図である。
【図9】同情報処理システムの動作を示すフロー図である。
【図10】同情報処理システムの動作を示すフロー図である。
【図11】同情報処理システムの動作を示すフロー図である。
【図12】同情報処理システムの動作を示すフロー図である。
【図13】第2の実施の形態にかかる情報処理システムのブロック図である。
【図14】同情報処理システムの動作を示すフロー図である。
【図15】同情報処理システムの動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0058】
1 携帯端末
3 情報処理装置
5 プリンタ
11 コード読取部
13 コード解析部
15 操作部
17 リクエスト作成部
19 無線通信部
21 表示パネル
23 テキスト表示領域
25 テキスト領域
27 テキスト領域
29 フォーマットデータ記憶部
31 フォーマットデータ読出部
33 テキスト書込部
35 コード変換部
37 画像生成部
39 リクエスト解析部
41 受信部
43 商品DB更新部
45 商品データ読出部
47 文書選択部
49 バッファ
51 記憶部
53 商品選択部
55 フォーム書込部
201 携帯端末
203 リクエスト蓄積部
205 送信指示部
207 無線通信部
209 情報処理装置
211 リクエストバッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、
ネットワークを介して前記携帯端末と通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムにおいて、
前記携帯端末は、
第一の機械可読コードを読み取るコード読取部と、
前記コード読取部により読み取られた前記第一の機械可読コードを解析し当該第一の機械可読コードからテキスト文字列及び文書識別情報を抽出するコード解析部と、
入力された書換情報に基づいて前記コード解析部により抽出された前記テキスト文字列を書き換えるテキスト書換部と、
前記コード解析部により抽出された前記文書識別情報及び前記テキスト書換部により書き換えられた前記テキスト文字列を前記情報処理装置に送信する送信部とを備え、
前記情報処理装置は、
前記文書識別情報に対応する文書フォーマットのフォーマットデータを記憶する記憶部と、
前記送信部から送信された前記文書識別情報に対応する前記フォーマットデータを前記記憶部から読み出すフォーマットデータ読出部と、
前記フォーマットデータ読出部により読み出された前記フォーマットデータ内に前記送信部から送信された前記テキスト文字列を書き込むデータ書込部と、
前記データ書込部により前記テキスト文字列が書き込まれた前記フォーマットデータを第二の機械可読コードに変換するコード変換部と、
前記データ書込部により前記テキスト文字列が書き込まれた前記フォーマットデータ、及び前記コード変換部により変換された前記第二の機械可読コードに基づく合成画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された合成画像を印刷する印刷部とを備えること
を特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、前記テキスト書換部により書き換えられた前記テキスト文字列及び当該テキスト文字列に対応する前記文書識別情報とを関連付けて記憶する記憶部を備え、
前記送信部は、入力された送信指令に基づいて前記記憶部に記憶された前記文書識別情報及び前記テキスト文字列を送信すること
を特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
携帯端末と、
ネットワークを介して前記携帯端末と通信可能な情報処理装置と、
前記情報処理装置から送信された画像データに基づく画像を印刷する印刷装置とを備える情報処理システムにおいて、
前記携帯端末は、
第一の機械可読コードを読み取るコード読取部と、
前記コード読取部により読み取られた前記第一の機械可読コードを解析し当該第一の機械可読コードからテキスト文字列及び文書識別情報を抽出するコード解析部と、
入力された書換情報に基づいて前記コード解析部により抽出された前記テキスト文字列を書き換えるテキスト書換部と、
前記コード解析部により抽出された前記文書識別情報及び前記テキスト書換部により書き換えられた前記テキスト文字列を前記情報処理装置に送信する送信部とを備え、
前記情報処理装置は、
前記文書識別情報に対応する文書フォーマットのフォーマットデータを記憶する記憶部と、
前記送信部から送信された前記文書識別情報に対応する前記フォーマットデータを前記記憶部から読み出すフォーマットデータ読出部と、
前記フォーマットデータ読出部により読み出された前記フォーマットデータ内に前記送信部から送信された前記テキスト文字列を書き込むデータ書込部と、
前記データ書込部により前記テキスト文字列が書き込まれた前記フォーマットデータを第二の機械可読コードに変換するコード変換部と、
前記データ書込部により前記テキスト文字列が書き込まれた前記フォーマットデータ、及び前記コード変換部により変換された前記第二の機械可読コードに基づく合成画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部において生成された前記合成画像に基づく画像データを前記印刷装置に送信する画像データ送信部とを備え、
前記印刷装置は、
前記画像データ送信部から送信された前記画像データに基づく画像を印刷する印刷部を備えること
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
前記第一の機械可読コード及び前記第二の機械可読コードは、QRコードであること
を特徴とする請求項1又は請求項2の何れかの項記載の情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−75807(P2009−75807A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243344(P2007−243344)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】