説明

情報処理システム

【課題】移動体の情報の取得を安定に行い、時々刻々と変化する移動体の情報を用いたアプリケーションの処理精度を維持する。
【解決手段】移動に応じて近隣基地局を補足するエリア変更の機能を有する情報通信端末と、当該情報通信端末と通信可能な移動体情報通信部とを備えた情報処理システムであって、前記移動体情報通信部は、移動体に関する情報の送信を要求する信号を受信し、前記移動体に関する情報を前記情報通信端末に送信する通信手段を備え、前記情報通信端末は、前記移動体に関する情報の送信を要求する信号を前記移動体情報通信部に送信し、前記移動体情報通信部から送信された前記移動体に関する情報を受信する通信手段と、受信した前記移動体に関する情報を記憶する記憶手段と、前記移動体に関する情報と情報処理プログラムに基づき所定の情報処理を実行する情報処理手段と、画像を表示する表示手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の移動体から取得した情報を用いて各種の情報処理を行う情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車両制御系装置、各種電装部品およびマルチメディア系装置から車両内信号を取得し、他の車両との間で通信(車車間通信)を行って相互利用する技術が存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、自動車内の複数の電子機器を近距離無線により相互接続し、走行速度等の車両情報を自動車内の電子機器において利用可能とした技術も存在する(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−185428号公報
【特許文献2】特開2001−239897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような技術により、車両情報を自動車内において携帯電話等の情報通信端末により取得できる環境が整備されつつあり、車両情報を利用した有用なアプリケーション(アプリケーションプログラム)の開発が要望されている。
【0006】
しかしながら、携帯電話等の情報通信端末はハードウェア的な制約により処理能力が劣り、情報通信端末内の各種の処理により車両情報の取得が遅延したり、データが欠落したりするという不都合があった。自動車の速度、燃料噴射量、エンジン回転数といった時々刻々と変化する車両情報を用いたアプリケーションの場合、車両情報の遅延やデータ欠落は正確な情報処理をする上で障害となり、精度の高い本格的なアプリケーションを開発する上で問題であった。
【0007】
例えば、携帯電話ネットワークとの接続機能を有する情報通信端末では、自動車の移動に伴い、ある基地局エリアから他の基地局エリアに移る際に基地局を補足するエリア変更の処理が行われる。エリア変更の処理では情報通信端末と近隣の基地局との間で頻繁に通信が行われるため、情報通信端末内の処理パワーのかなりの部分が割かれ、近距離無線による車両情報の取得に遅延やデータ欠落が発生する。
【0008】
また、アプリケーションによっては現在位置を正確に取得するために情報通信端末に搭載されたGPS(Global Positioning System)機能を利用して位置情報の取得を行う場合があるが、GPS機能の使用に際しても情報通信端末の処理パワーが割かれるため、車両情報の遅延やデータ欠落が発生する。
【0009】
更に、アプリケーションによってはサーバ装置と通信を行う場合があるが、サーバ装置との通信にも情報通信端末の処理パワーが割かれるため、車両情報の遅延やデータ欠落が発生する。
【0010】
なお、自動車の車両情報について説明したが、自動車以外の移動体についての情報であっても同様の問題が想定される。
【0011】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、移動体の情報の取得を安定に行い、時々刻々と変化する移動体の情報を用いたアプリケーションの処理精度を維持することのできる情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、移動に応じて基地局を補足するエリア変更の機能を有する情報通信端末と、当該情報通信端末と通信可能な移動体情報通信部とを備えた情報処理システムであって、前記移動体情報通信部は、前記情報通信端末から移動体に関する情報の送信を要求する信号を受信し、前記移動体に関する情報を前記情報通信端末に送信する通信手段を備え、前記情報通信端末は、前記移動体に関する情報の送信を要求する信号を前記移動体情報通信部に送信し、前記移動体情報通信部から送信された前記移動体に関する情報を受信する通信手段と、受信した前記移動体に関する情報を記憶する記憶手段と、前記移動体に関する情報と情報処理プログラムに基づき所定の情報処理を実行する情報処理手段と、画像を表示する表示手段とを備え、前記情報処理手段は、前記移動体に関する情報の取得を行っている間に他の通信開始要求および受信確認要求を保留させる処理と、エリア変更に起因して受信データが遅延した場合に、前記移動体に関する情報の受信データにヘッダとフッタが含まれるまで所定時間にわたり受信データの到着を待つ処理と、受信データの到着を待つ間、前記記憶手段に記憶されている直近の情報から補完値を算出して前記記憶手段に記録する処理と、ヘッダとフッタが含まれた受信データにつき、チェックサムに基づいて確認を行う処理と、取得の要求を行ったシグナル数およびシグナル番号に基づき、受信データのシグナル数、受信データサイズ、シグナル番号およびシグナル値の確認を行う処理と、確認により正常と判断された受信データを前記記憶手段に記録する処理と、確認により正常と判断された受信データが所定タイミング以前に得られた場合は当該受信データに基づいて、または所定タイミング以前に得られなかった場合は前記補完値に基づいて、前記表示手段に表示するための画像情報を生成する処理とを実行する情報処理システムを要旨としている。
【0013】
また、請求項2に記載されるように、請求項1に記載の情報処理システムにおいて、前記情報処理手段は、前記移動体情報通信部から送信された前記移動体に関する情報を受信しながら前記情報処理プログラムに基づいて所定の情報処理を実行するオンラインモードと、前記移動体情報通信部との送受信を行わずに所定の情報処理を実行するオフラインモードとを備え、前記オフラインモードにおいては、前記オンラインモードにおいて前記記憶手段に記憶した前記移動体に関する情報を読み出し、読み出した情報に基づいて前記表示手段に表示するための画像情報を生成する処理を実行するようにすることができる。
【0014】
また、請求項3に記載されるように、請求項1または2のいずれか一項に記載の情報処理システムにおいて、前記情報通信端末と送受信可能に接続され、前記情報通信端末から前記移動体に関する情報を受信して蓄積し、統計処理を施したデータを要求に応じて端末装置に提供するサーバ装置を備えるようにすることができる。
【0015】
また、請求項4に記載されるように、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理システムにおいて、前記画像情報は、仮想空間内を移動するキャラクタであり、前記情報通信端末は、前記移動体に関する情報に基づいて前記移動体の燃費を算出する燃費算出手段と、算出した燃費と予め設定された基準燃費との比に基づいて前記キャラクタの移動速度を決定する移動速度決定手段とを備えるようにすることができる。
【0016】
また、請求項5に記載されるように、請求項4に記載の情報処理システムにおいて、前記情報通信端末は、同時に仮想空間内を移動する他のキャラクタとして、燃費の異なる複数の候補の中から利用者に選択させる選択手段を備えるようにすることができる。
【0017】
また、請求項6に記載されるように、移動に応じて基地局を補足するエリア変更の機能を有し、移動体に関する情報の送信を要求する信号を移動体情報通信部に送信し、前記移動体情報通信部から送信された前記移動体に関する情報を受信する通信手段と、受信した前記移動体に関する情報を記憶する記憶手段と、前記移動体に関する情報と情報処理プログラムに基づき所定の情報処理を実行する情報処理手段と、画像を表示する表示手段とを備えた情報通信端末と、前記情報通信端末と通信可能で、前記情報通信端末から移動体に関する情報の送信を要求する信号を受信し、前記移動体に関する情報を前記情報通信端末に送信する通信手段を備えた移動体情報通信部とを備えた情報処理システムにおける前記情報通信端末の制御プログラムであって、前記情報通信端末の前記情報処理手段を構成するコンピュータに、前記移動体に関する情報の取得を行っている間に他の通信開始要求および受信確認要求を保留させる機能、エリア変更に起因して受信データが遅延した場合に、前記移動体に関する情報の受信データにヘッダとフッタが含まれるまで所定時間にわたり受信データの到着を待つ機能、受信データの到着を待つ間、前記記憶手段に記憶されている直近の情報から補完値を算出して前記記憶手段に記録する機能、ヘッダとフッタが含まれた受信データにつき、チェックサムに基づいて確認を行う機能、取得の要求を行ったシグナル数およびシグナル番号に基づき、受信データのシグナル数、受信データサイズ、シグナル番号およびシグナル値の確認を行う機能、確認により正常と判断された受信データを前記記憶手段に記録する機能、確認により正常と判断された受信データが所定タイミング以前に得られた場合は当該受信データに基づいて、または所定タイミング以前に得られなかった場合は前記補完値に基づいて、前記表示手段に表示するための画像情報を生成する機能を実現させるための情報処理制御プログラムとして構成することができる。
【0018】
また、請求項7に記載されるように、移動に応じて基地局を補足するエリア変更の機能を有する情報通信端末と、当該情報通信端末と通信可能で、前記情報通信端末から移動体に関する情報の送信を要求する信号を受信し、前記移動体に関する情報を前記情報通信端末に送信する通信手段を備えた移動体情報通信部とを備えた情報処理システムにおける前記情報通信端末であって、前記移動体に関する情報の送信を要求する信号を前記移動体情報通信部に送信し、前記移動体情報通信部から送信された前記移動体に関する情報を受信する通信手段と、受信した前記移動体に関する情報を記憶する記憶手段と、前記移動体に関する情報と情報処理プログラムに基づき所定の情報処理を実行する情報処理手段と、画像を表示する表示手段とを備え、前記情報処理手段は、前記移動体に関する情報の取得を行っている間に他の通信開始要求および受信確認要求を保留させる処理と、エリア変更に起因して受信データが遅延した場合に、前記移動体に関する情報の受信データにヘッダとフッタが含まれるまで所定時間にわたり受信データの到着を待つ処理と、受信データの到着を待つ間、前記記憶手段に記憶されている直近の情報から補完値を算出して前記記憶手段に記録する処理と、ヘッダとフッタが含まれた受信データにつき、チェックサムに基づいて確認を行う処理と、取得の要求を行ったシグナル数およびシグナル番号に基づき、受信データのシグナル数、受信データサイズ、シグナル番号およびシグナル値の確認を行う処理と、確認により正常と判断された受信データを前記記憶手段に記録する処理と、確認により正常と判断された受信データが所定タイミング以前に得られた場合は当該受信データに基づいて、または所定タイミング以前に得られなかった場合は前記補完値に基づいて、前記表示手段に表示するための画像情報を生成する処理とを実行する情報通信端末として構成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の情報処理システムにあっては、移動体の情報の取得を安定に行い、時々刻々と変化する移動体の情報を用いたアプリケーションの処理精度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
【図2】情報通信端末の構成例を示す図である。
【図3】通信優先制御部の処理例を示すフローチャートである。
【図4】アプリケーションプログラムによる対コネクタ通信の処理例を示すフローチャートである。
【図5】対コネクタ通信の要求および応答のデータ構造例を示す図である。
【図6】CO2レースゲームの処理例を示すフローチャートである。
【図7】基準カー管理テーブルの例を示す図である。
【図8】CO2レースゲームの画面例を示す図である。
【図9】ログの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0022】
<構成>
図1は本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
【0023】
図1において、自動車等の移動体1内には、車両情報管理部2と車両情報通信部3とが設けられ、搭乗する利用者の操作する携帯電話等の情報通信端末4と車両情報通信部3との間で通信が行えるようになっている。
【0024】
車両情報管理部2は、車両制御系装置や各種電装部品等から車両情報を収集して管理する機能を有している。車両情報としては、例えば、速度(車速)、燃料噴射量、エンジン回転数、SOC(State Of Charge:バッテリ充電状態)、アクセル開度、横方向加速度、縦方向加速度、走行距離、ハンドル角、ブレーキスイッチ、ドア、ランプ、ギア、カーテシ(車内灯)、ウィンカー等の情報が含まれる。
【0025】
車両情報通信部3は、近距離無線により情報通信端末4から個々の車両情報(シグナル)を指定したリクエストを受信し、該当する車両情報を車両情報管理部2から取得し、情報通信端末4に向けて送信する機能を有している。
【0026】
移動体1の外部には、携帯電話ネットワーク6に接続された中継基地局5と、位置情報を送信するGPS衛星10とが存在する。携帯電話ネットワーク6はインターネット等のネットワーク7に接続され、このネットワーク7には、情報通信端末4内のアプリケーションの通信先となるサーバ装置8が接続されるとともに、サーバ装置8と通信を行う端末装置9が接続されている。サーバ装置8は情報通信端末4から送信された車両情報を受信して蓄積し、所定の統計処理等を行い、端末装置9からの要求に応じて情報を提供する機能を有している。
【0027】
図2は情報通信端末4の構成例を示す図である。
【0028】
図2において、情報通信端末4は、情報通信端末4内の情報処理を実行するCPU(Central Processing Unit)等の情報処理部401と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶部402と、液晶ディスプレイ等の表示部413と、テンキー、ボタン等の操作部414と、マイク、スピーカ、アンプ等の通話部415とを備えている。また、情報通信端末4は、近隣の中継基地局5との通信の制御(エリア変更制御を含む)を行う携帯電話ネットワーク無線部416と、音声通話の制御を行う通話制御部417と、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)等によるパケット通信の制御を行う対サーバ通信部418と、近距離無線によるパケット通信の制御を行う対コネクタ通信部419と、GPS衛星10からの位置情報の受信を行うGPS受信部420と、写真撮影を行うカメラ部421とを備えている。
【0029】
記憶部402には、ソフトウェアによる機能部として、通信優先制御部403と、ゲームプログラム等のアプリケーションプログラム404とが設けられている。なお、通信優先制御部403はアプリケーションプログラム404の内部に設けてもよい。
【0030】
通信優先制御部403は、アプリケーションプログラム404からの対コネクタ通信、対サーバ通信、GPS受信のリクエストに対し、対コネクタ通信を優先的に行わせる制御を行う機能を有している。
【0031】
アプリケーションプログラム404は、車両情報を利用したゲームプログラム等であり、オンライン/オフラインモード制御部405と車両情報取得部406と車両情報補完部407と変数算出部408と位置情報取得部409とサーバ通信部410と表示画像生成部411とログ記録部412とを備えている。
【0032】
オンライン/オフラインモード制御部405は、リアルタイムに取得する車両情報に基づくオンラインモードと、蓄積された車両情報に基づくオフラインモードとを操作部414からの利用者による操作に応じて切り替え、各モードにおける総合的な制御を行う機能を有している。
【0033】
車両情報取得部406は、対コネクタ通信部419により車両情報通信部3から車両情報を取得する機能を有している。
【0034】
車両情報補完部407は、車両情報取得部406による車両情報の取得に何らかの原因でデータの遅延ないしは欠落が発生した場合に、以前に取得した車両情報から現時点の車両情報を推測する機能を有している。
【0035】
変数算出部408は、車両情報取得部406により取得した車両情報からゲーム等の進行に使用する変数を算出する機能を有している。
【0036】
位置情報取得部409は、GPS受信部420により現在の位置情報を取得する機能を有している。
【0037】
サーバ通信部410は、対サーバ通信部418および携帯電話ネットワーク無線部416により、近隣の中継基地局5およびネットワーク7を経由してサーバ装置8と通信を行う機能を有している。
【0038】
表示画像生成部411は、変数算出部408により算出した変数に基づいて表示部413に表示する画像を生成する機能を有している。
【0039】
ログ記録部412は、オンラインモードにおける各時刻における車両情報、位置情報、変数値等を記録する機能を有している。ログ記録部412により記録された情報はオフラインモードにおいて利用されるとともに、適宜、サーバ通信部410によりサーバ装置8に送信される。
【0040】
<動作>
図3は通信優先制御部403の処理例を示すフローチャートであり、図3(a)はアプリケーションプログラム404から通信開始要求があった場合の処理、図3(b)はアプリケーションプログラム404から応答の受信確認要求があった場合の処理を示している。
【0041】
図3(a)において、通信優先制御部403は、アプリケーションプログラム404から、車両情報の取得要求、位置情報の取得要求、あるいは、サーバ通信要求についての通信開始要求が発生すると処理を開始する(ステップS111)。
【0042】
通信優先制御部403は、通信開始要求が車両情報の取得要求、位置情報の取得要求、あるいは、サーバ通信要求の通信開始要求のいずれであるかにより、対コネクタ通信であるか否か判断する(ステップS112)。車両情報通信部3からの車両情報の取得要求は対コネクタ通信であり、GPS受信部420によるGPS衛星10からの位置情報の取得要求と、対サーバ通信部418によるサーバ装置8とのサーバ通信要求とについては対コネクタ通信ではない。
【0043】
そして、対コネクタ通信である場合(ステップS112のYes)、アプリケーションプログラム404に対して対コネクタ通信である車両情報の取得要求の通信開始を許可し(ステップS113)、処理を終了する(ステップS117)。許可を受けたアプリケーションプログラム404は、対コネクタ通信部419により車両情報通信部3に対して車両情報の取得要求を送信する。
【0044】
また、対コネクタ通信でない場合(ステップS112のNo)、すなわちGPS受信部420によるGPS衛星10からの位置情報の取得要求、もしくは、対サーバ通信部418によるサーバ装置8とのサーバ通信要求である場合、通信優先制御部403は、対コネクタ通信が動作中であるか否か判断する(ステップS114)。
【0045】
そして、対コネクタ通信が動作中である場合(ステップS114のYes)、通信優先制御部403はアプリケーションプログラム404の通信開始要求を保留とし(ステップS115)、処理を終了する(ステップS117)。この場合、アプリケーションプログラム404は通信開始を断念し、所定時間の経過後に再び通信開始要求を行うことになる。
【0046】
また、対コネクタ通信が動作中でない場合(ステップS114のNo)、通信優先制御部403はアプリケーションプログラム404に対して通信開始を許可し(ステップS116)、処理を終了する(ステップS117)。許可を受けたアプリケーションプログラム404は、位置情報の取得要求であればGPS受信部420によるGPS衛星10からの位置情報の取得を開始し、サーバ通信要求であれば対サーバ通信部418および携帯電話ネットワーク無線部416により、サーバ装置8の所定のURL(Uniform Resource Locator)に対してHTTPに基づくメッセージを送信する。
【0047】
図3(b)において、通信優先制御部403は、アプリケーションプログラム404から、車両情報の取得要求、位置情報の取得要求、あるいは、サーバ通信要求に対する応答の受信確認要求が発生すると処理を開始する(ステップS121)。
【0048】
通信優先制御部403は、受信確認要求が車両情報の取得要求、位置情報の取得要求、あるいは、サーバ通信要求のいずれの応答に対する受信確認要求であるかにより、受信確認要求の応答の対象が対コネクタ通信によるものであるか否か判断する(ステップS122)。
【0049】
そして、対コネクタ通信である場合(ステップS122のYes)、アプリケーションプログラム404に対して対コネクタ通信である車両情報の取得要求に対する応答の受信確認を許可し(ステップS123)、処理を終了する(ステップS127)。許可を受けたアプリケーションプログラム404は、対コネクタ通信部419から応答内容を取得し、適宜処理に使用する。
【0050】
また、対コネクタ通信でない場合(ステップS122のNo)、すなわちGPS受信部420によるGPS衛星10からの位置情報の取得要求に対する応答の受信確認、もしくは、対サーバ通信部418によるサーバ装置8とのサーバ通信要求に対する応答の受信確認である場合、通信優先制御部403は、対コネクタ通信が動作中であるか否か判断する(ステップS124)。
【0051】
そして、対コネクタ通信が動作中である場合(ステップS124のYes)、通信優先制御部403は、アプリケーションプログラム404に内部的なデータ取得フラグおよびデータ取得時刻の設定のみを許可し、応答内容の取得自体は保留とし(ステップS125)、処理を終了する(ステップS127)。この場合、アプリケーションプログラム404は、内部的にデータ取得フラグおよびデータ取得時刻を設定し、処理パワーのかかる応答内容の取得は断念し、所定時間の経過後に再び受信確認要求を行うことになる。データ取得フラグおよびデータ取得時刻は、応答内容の本来的な受信時刻を確定するために用いる。
【0052】
また、対コネクタ通信が動作中でない場合(ステップS124のNo)、通信優先制御部403はアプリケーションプログラム404に対して受信確認を許可し(ステップS126)、処理を終了する(ステップS127)。許可を受けたアプリケーションプログラム404は、位置情報の取得要求についてであればGPS受信部420から応答内容を取得し、適宜処理に使用する。サーバ通信要求についてであれば対サーバ通信部418から応答内容を取得し、適宜処理に使用する。
【0053】
このような動作により、位置情報の取得やサーバ通信による車両情報の取得への影響を低減することができ、時々刻々と変化する車両情報を用いたアプリケーションの処理精度を維持することができる。ただし、携帯電話ネットワーク無線部416によるエリア変更の処理はアプリケーションプログラム404の動作とは無関係に発生するため、上記の処理では不十分である。エリア変更の処理が車両情報の取得に及ぼす影響については次に説明する処理により対応することになる。
【0054】
図4はアプリケーションプログラム404による対コネクタ通信の処理例を示すフローチャートであり、図4(a)は対コネクタ通信部419による車両情報通信部3への接続時の処理、図4(b)は対コネクタ通信部419による車両情報通信部3への車両情報の取得要求時の処理、図4(c)は対コネクタ通信部419からの車両情報の受信確認時の処理をそれぞれ示している。すなわち、図4(a)(b)の処理は図3(a)において通信優先制御部403により通信開始許可(ステップS113)が行われた場合のアプリケーションプログラム404の処理であり、図4(c)の処理は図3(b)において通信優先制御部403により受信確認許可(ステップS123)が行われた場合のアプリケーションプログラム404の処理である。
【0055】
図4(a)において、アプリケーションプログラム404は接続時の処理を開始すると(ステップS211)、対コネクタ通信部419から車両情報通信部3へセッション確立のための接続処理を行い(ステップS212)、正常に接続できた場合は処理を終了する(ステップS213)。
【0056】
図4(b)において、アプリケーションプログラム404は車両情報の取得要求時の処理を開始すると(ステップS221)、対コネクタ通信部419から車両情報通信部3へ車両情報リクエストを送信する(ステップS222)。図5(a)は車両情報リクエストのデータ構造例を示しており、「ヘッダ(SOF:Start Of Frame)」、「コマンド、シグナル数」、「シグナル番号」、・・、「フッタ(EOF:End Of Frame)」、「チェックサム」の項目を有している。「コマンド」は車両情報リクエストを意味するものとなっており、「シグナル番号」は車両情報の個々の項目を識別する番号である。複数の項目を要求する場合は「シグナル番号」が複数連続し、その総数が「シグナル数」となる。
【0057】
図4(b)に戻り、アプリケーションプログラム404はシグナル数とシグナル番号を内部的に保存し(ステップS223)、処理を終了する(ステップS224)。保存したシグナル数とシグナル番号は、後に受信データの整合性をチェックするために用いる。
【0058】
図4(c)において、アプリケーションプログラム404は車両情報の受信確認時の処理を開始すると(ステップS231)、対コネクタ通信部419から車両情報の受信データを取得し、アプリケーションプログラム404側のメモリ領域(車両情報取得部406の管理下のメモリ領域)に格納する(ステップS232)。この際、受信データが遅延して到達する場合に備え、既に格納した受信データに続けて新たな受信データを格納する。
【0059】
図5(b)は車両情報の受信データの構造例を示しており、「ヘッダ(SOF)」、「シグナル数」、「シグナル番号」、「シグナル値」、・・、「フッタ(EOF)」、「チェックサム」の項目を有している。図5(a)の車両情報リクエストと比べ、応答であるため「コマンド」がなくなっているとともに、「シグナル番号」と対になって「シグナル値」が付加されている。複数の項目がある場合は「シグナル番号」と「シグナル値」の対が複数連続する。
【0060】
図4(c)に戻り、アプリケーションプログラム404はメモリ領域上の受信データのヘッダの後にフッタおよびチェックサムがあるか否か判断する(ステップS233)。正常に応答が受信された場合にはヘッダからフッタおよびチェックサムまでが正常に揃うはずであるが、エリア変更の処理等により情報通信端末4の負荷が重い場合には受信データが途中までしか受信できない場合がある。
【0061】
受信データのヘッダの後にフッタおよびチェックサムがある場合(ステップS233のYes)、アプリケーションプログラム404はチェックサムによる確認を行って受信データが正常かどうか判断する(ステップS234)。正常でない場合(ステップS234のNo)、受信データが破損しているものとして破棄(メモリ領域からの削除)を行い(ステップS235)、処理を終了する(ステップS241)。
【0062】
チェックサムによる確認が正常である場合(ステップS234のYes)、アプリケーションプログラム404は事前に内部的に保存(図4(b)のステップS223)してあるシグナル数およびシグナル番号に基づき、受信データのシグナル数、受信データサイズ、シグナル番号、シグナル値の確認を行って正常かどうか判断する(ステップS236)。受信データサイズは、受信データの各項目のサイズが既知であり、変動分はシグナル数によるものだけであるため、シグナル数から算出することができる。シグナル値の確認は項目毎の変動範囲内であるか否かにより判断することができる。
【0063】
受信データのシグナル数等の確認が正常でない場合(ステップS236のNo)、受信データが破損しているものとして破棄を行い(ステップS235)、処理を終了する(ステップS241)。
【0064】
受信データのシグナル数等の確認が正常である場合(ステップS236のYes)、受信データをゲーム等に反映させ(ステップS237)、処理を終了する(ステップS241)。
【0065】
一方、受信データのヘッダの後にフッタおよびチェックサムがない場合(ステップS233のNo)、アプリケーションプログラム404は受信から所定時間がタイムアウトしたか否か判断し(ステップS238)、タイムアウトしていない場合(ステップS238のNo)は受信データの取得(ステップS232)に戻る。受信データのヘッダの後にフッタおよびチェックサムがない場合であっても、遅延して受信される場合があるからである。
【0066】
また、所定時間がタイムアウトした場合(ステップS238のYes)、アプリケーションプログラム404は、通信に恒常的な異常が発生したものと判断して受信データの破棄を行い(ステップS239)、通信遮断および再接続を行い(ステップS240)、処理を終了する(ステップS241)。
【0067】
このような動作により、アプリケーションプログラム404の動作とは無関係に発生する携帯電話ネットワーク無線部416によるエリア変更の処理等による受信データの遅延が発生しても、可能な範囲で正常な受信データを取得することができる。
【0068】
図6はCO2レースゲームの処理例を示すフローチャートであり、アプリケーションプログラム404の処理例を示すものである。ここでは、車両情報のうちの走行距離と燃料噴射量とを用いて燃費(燃料1リットルでの走行キロ数)を計算し、この燃費に係数をかけたCO2速度に基づいて基準となる自動車(基準カー)とのレースを行えるようにしている。通常のゲームとは異なり、プレイヤにとってゲーム操作は実車における運転となり、燃費のよい走行を行うことが勝利につながる。これにより、燃費のよい走行とはどういうものかを体感することができ、環境によい走りを習得することができる。
【0069】
図6(a)はオンラインモードにおける主たる処理のフローであり、図6(b)は主たる処理と並行して行われる処理のフローである。また、図6(c)はオフラインモードにおける処理のフローである。
【0070】
図6(a)において、アプリケーションプログラム404はプログラム起動によりオンラインモードの処理を開始すると(ステップS311)、オンライン/オフラインモード制御部405の制御のもと、基準カーの選択を受け付け、受け付けた基準カーの燃費データを基準カー管理テーブルから取得する(ステップS312)。図7は基準カー管理テーブルの例を示す図であり、基準カーとしては、対象車種のカタログ値(10モード燃費等)の燃費データを有する設定燃費カーと、前回のレースにおける自車(レースカー)の燃費データを有する前回燃費カーと、過去のレースにおける自車の最高の燃費データを有する過去最高燃費カーと、過去のレースにおける自車の最低の燃費データを有する過去最低燃費カーと、過去のレースにおける自車の平均の燃費データを有する過去平均燃費カーの中から選択できるようになっている。
【0071】
図6(a)に戻り、オンライン/オフラインモード制御部405は表示画像生成部411によりレース画面の生成を行い、表示部413に表示を行う(ステップS313)。図8はCO2レースゲームの画面例を示す図であり、タイトル表示領域A1とコース全体表示領域A2とコース上表示領域A3と操作案内表示領域A4とが設けられている。コース全体表示領域A2には基準カーCとレースカーCの位置が色分けした点で示され、コース上表示領域A3には基準カーCとレースカーCの車体が示されている。
【0072】
図6(a)に戻り、オンライン/オフラインモード制御部405は所定のラップの距離の走行あるいは所定時間の走行が行われたことによりレース終了となったか否か判断する(ステップS314)。
【0073】
レース終了でない場合(ステップS314のNo)、車両情報取得部406により車両情報(速度[km/h]、燃料噴射量[mm3/s]、累積燃料噴射量[mm3]、ランプ点灯信号、走行距離[m]等)の取得を要求し(ステップS315)、受信確認を行って車両情報を取得する(ステップS316)。車両情報が正常に取得できなかった場合に備え、燃費計算に用いる値は過去の所定時間(例えば1[s])内に複数回(例えば100[ms]単位に取得する場合は10回)取得した値の平均値(補完値)を用いる。なお、車両情報補完部407により線形補間を行って補完値を得てもよい。
【0074】
次いで、変数算出部408は前回の更新から所定時間(例えば1[s])が経過したか否か判断し(ステップS317)、経過していない場合(ステップS317のNo)はレース画面の生成・表示(ステップS313)に戻る。
【0075】
前回の更新から所定時間経過した場合(ステップS317のYes)、変数算出部408により、燃費および基準燃費に基づいてCO2速度を算出する(ステップS318)。CO2速度は、例えば、次式
前回計算時からの移動距離 = 今回計算時の走行距離 − 前回計算時の走行距離
燃料消費量 = 今回計算時の累積燃料噴射量 − 前回計算時の累積燃料噴射量
燃費 = 前回計算時からの移動距離 ÷ 燃料消費量 × 定数
CO2速度 = 燃費 ÷ 基準燃費 × 定数
により算出する。基準燃費は対象車種のカタログ値の燃費である。
【0076】
CO2レースはCO2排出量が少ないほど速度が速いものとしており、CO2排出量は燃料消費量に比例するため、燃費からCO2速度を計算する手法をとっている。算出されたCO2速度は、レース表示を行う上での所定の速度(表示上での移動値)に換算する。基準燃費で走行した場合の速度を例えば100とすると、基準燃費の半分の燃費で走行した場合は50となる。
【0077】
次いで、オンライン/オフラインモード制御部405は、変数算出部408により算出されたCO2速度にレースカーの速度を更新し(ステップS319)、レース画面の生成・表示(ステップS313)に戻る。
【0078】
そして、レース終了となった場合(ステップS314のYes)、オンライン/オフラインモード制御部405は基準カー管理テーブルの前回燃費カー、過去最高燃費カー、過去最低燃費カー、過去平均燃費カーの燃費データを適宜更新し(ステップS320)、処理を終了する(ステップS321)。
【0079】
図6(b)において、ゲーム進行と並行して、位置情報取得部409は定期的にGPS衛星10からの位置情報を取得し(ステップS332)、表示部413は取得時刻と関連付けて位置情報、CO2速度、車両情報(速度、燃料噴射量、累積燃料噴射量、ランプ点灯信号、走行距離)等を内部にログとして記録する(ステップS333)。図9はログの例を示す図である。
【0080】
図6(b)に戻り、サーバ通信部410は、必要に応じて、サーバ装置8にログ内容を送信する(ステップS334)。サーバ装置8に送信されたログ内容は適宜に統計処理され、後に端末装置9から参照が可能であるとともに、複数のユーザによるコンテスト等に用いられる。
【0081】
図6(c)において、アプリケーションプログラム404はプログラム起動によりオフラインモードの処理を開始すると(ステップS341)、オンライン/オフラインモード制御部405の制御のもと、ログ記録部412の管理するログから時刻毎のデータを読み出し(ステップS342)、表示画像生成部411によりレース画面の生成を行い、表示部413に表示を行う(ステップS343)。なお、オンラインモードにおいては車両情報が遅延や欠落した場合は補完値が用いられるが、オフラインモードでは遅延した車両情報が後に正常に受信された場合にはログに反映されているため、正確な値に基づいたものとすることができる。
【0082】
次いで、オンライン/オフラインモード制御部405はログデータの終了によりレース終了となったか否か判断し(ステップS344)、レース終了でない場合(ステップS344のNo)、ログデータの読み出し(ステップS342)に戻る。レース終了となった場合(ステップS344のYes)、処理を終了する(ステップS345)。
【0083】
<総括>
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0084】
1 移動体
2 車両情報管理部
3 車両情報通信部
4 情報通信端末
401 情報処理部
402 記憶部
403 通信優先制御部
404 アプリケーションプログラム
405 オンライン/オフラインモード制御部
406 車両情報取得部
407 車両情報補完部
408 変数算出部
409 位置情報取得部
410 サーバ通信部
411 表示画像生成部
412 ログ記録部
413 表示部
414 操作部
415 通話部
416 携帯電話ネットワーク無線部
417 通話制御部
418 対サーバ通信部
419 対コネクタ通信部
420 GPS受信部
421 カメラ部
5 中継基地局
6 携帯電話ネットワーク
7 ネットワーク
8 サーバ装置
9 端末装置
10 GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動に応じて基地局を補足するエリア変更の機能を有する情報通信端末と、当該情報通信端末と通信可能な移動体情報通信部とを備えた情報処理システムであって、
前記移動体情報通信部は、前記情報通信端末から移動体に関する情報の送信を要求する信号を受信し、前記移動体に関する情報を前記情報通信端末に送信する通信手段を備え、
前記情報通信端末は、
前記移動体に関する情報の送信を要求する信号を前記移動体情報通信部に送信し、前記移動体情報通信部から送信された前記移動体に関する情報を受信する通信手段と、
受信した前記移動体に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記移動体に関する情報と情報処理プログラムに基づき所定の情報処理を実行する情報処理手段と、
画像を表示する表示手段と
を備え、
前記情報処理手段は、
前記移動体に関する情報の取得を行っている間に他の通信開始要求および受信確認要求を保留させる処理と、
エリア変更に起因して受信データが遅延した場合に、前記移動体に関する情報の受信データにヘッダとフッタが含まれるまで所定時間にわたり受信データの到着を待つ処理と、
受信データの到着を待つ間、前記記憶手段に記憶されている直近の情報から補完値を算出して前記記憶手段に記録する処理と、
ヘッダとフッタが含まれた受信データにつき、チェックサムに基づいて確認を行う処理と、
取得の要求を行ったシグナル数およびシグナル番号に基づき、受信データのシグナル数、受信データサイズ、シグナル番号およびシグナル値の確認を行う処理と、
確認により正常と判断された受信データを前記記憶手段に記録する処理と、
確認により正常と判断された受信データが所定タイミング以前に得られた場合は当該受信データに基づいて、または所定タイミング以前に得られなかった場合は前記補完値に基づいて、前記表示手段に表示するための画像情報を生成する処理と
を実行することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記情報処理手段は、
前記移動体情報通信部から送信された前記移動体に関する情報を受信しながら前記情報処理プログラムに基づいて所定の情報処理を実行するオンラインモードと、
前記移動体情報通信部との送受信を行わずに所定の情報処理を実行するオフラインモードと
を備え、
前記オフラインモードにおいては、前記オンラインモードにおいて前記記憶手段に記憶した前記移動体に関する情報を読み出し、読み出した情報に基づいて前記表示手段に表示するための画像情報を生成する処理を実行することを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載の情報処理システムにおいて、
前記情報通信端末と送受信可能に接続され、前記情報通信端末から前記移動体に関する情報を受信して蓄積し、統計処理を施したデータを要求に応じて端末装置に提供するサーバ装置
を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理システムにおいて、
前記画像情報は、仮想空間内を移動するキャラクタであり、
前記情報通信端末は、
前記移動体に関する情報に基づいて前記移動体の燃費を算出する燃費算出手段と、
算出した燃費と予め設定された基準燃費との比に基づいて前記キャラクタの移動速度を決定する移動速度決定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記情報通信端末は、
同時に仮想空間内を移動する他のキャラクタとして、燃費の異なる複数の候補の中から利用者に選択させる選択手段
を備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
移動に応じて基地局を補足するエリア変更の機能を有し、移動体に関する情報の送信を要求する信号を移動体情報通信部に送信し、前記移動体情報通信部から送信された前記移動体に関する情報を受信する通信手段と、受信した前記移動体に関する情報を記憶する記憶手段と、前記移動体に関する情報と情報処理プログラムに基づき所定の情報処理を実行する情報処理手段と、画像を表示する表示手段とを備えた情報通信端末と、
前記情報通信端末と通信可能で、前記情報通信端末から移動体に関する情報の送信を要求する信号を受信し、前記移動体に関する情報を前記情報通信端末に送信する通信手段を備えた移動体情報通信部と
を備えた情報処理システムにおける前記情報通信端末の制御プログラムであって、
前記情報通信端末の前記情報処理手段を構成するコンピュータに、
前記移動体に関する情報の取得を行っている間に他の通信開始要求および受信確認要求を保留させる機能、
エリア変更に起因して受信データが遅延した場合に、前記移動体に関する情報の受信データにヘッダとフッタが含まれるまで所定時間にわたり受信データの到着を待つ機能、
受信データの到着を待つ間、前記記憶手段に記憶されている直近の情報から補完値を算出して前記記憶手段に記録する機能、
ヘッダとフッタが含まれた受信データにつき、チェックサムに基づいて確認を行う機能、
取得の要求を行ったシグナル数およびシグナル番号に基づき、受信データのシグナル数、受信データサイズ、シグナル番号およびシグナル値の確認を行う機能、
確認により正常と判断された受信データを前記記憶手段に記録する機能、
確認により正常と判断された受信データが所定タイミング以前に得られた場合は当該受信データに基づいて、または所定タイミング以前に得られなかった場合は前記補完値に基づいて、前記表示手段に表示するための画像情報を生成する機能
を実現させるための情報処理制御プログラム。
【請求項7】
移動に応じて基地局を補足するエリア変更の機能を有する情報通信端末と、当該情報通信端末と通信可能で、前記情報通信端末から移動体に関する情報の送信を要求する信号を受信し、前記移動体に関する情報を前記情報通信端末に送信する通信手段を備えた移動体情報通信部とを備えた情報処理システムにおける前記情報通信端末であって、
前記移動体に関する情報の送信を要求する信号を前記移動体情報通信部に送信し、前記移動体情報通信部から送信された前記移動体に関する情報を受信する通信手段と、
受信した前記移動体に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記移動体に関する情報と情報処理プログラムに基づき所定の情報処理を実行する情報処理手段と、
画像を表示する表示手段と
を備え、
前記情報処理手段は、
前記移動体に関する情報の取得を行っている間に他の通信開始要求および受信確認要求を保留させる処理と、
エリア変更に起因して受信データが遅延した場合に、前記移動体に関する情報の受信データにヘッダとフッタが含まれるまで所定時間にわたり受信データの到着を待つ処理と、
受信データの到着を待つ間、前記記憶手段に記憶されている直近の情報から補完値を算出して前記記憶手段に記録する処理と、
ヘッダとフッタが含まれた受信データにつき、チェックサムに基づいて確認を行う処理と、
取得の要求を行ったシグナル数およびシグナル番号に基づき、受信データのシグナル数、受信データサイズ、シグナル番号およびシグナル値の確認を行う処理と、
確認により正常と判断された受信データを前記記憶手段に記録する処理と、
確認により正常と判断された受信データが所定タイミング以前に得られた場合は当該受信データに基づいて、または所定タイミング以前に得られなかった場合は前記補完値に基づいて、前記表示手段に表示するための画像情報を生成する処理と
を実行することを特徴とする情報通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−206652(P2010−206652A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51225(P2009−51225)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】