説明

情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置、及びプログラム

【課題】効率的なアクセスが可能となるストレージシステムを実現するための情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る情報処理方法は、時間的に連続するデータを予め定められた基準をもとに複数のグループに分けて記憶することを含む。外部機器からのアクセス要求に応じて、その要求の対象となる対象データが、当該対象データを有する第1のグループから読み出され、前記外部機器に出力される。前記対象データの読み出しに応じて、前記第1のグループとは異なる第2のグループから、少なくとも一部のデータが先読み対象データとして読み出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、例えば映像データ等を記憶して外部機器等に出力する情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば撮影された映像データ等のコンテンツデータを記憶し、外部機器等からの要求に応じて当該データを出力するストレージシステムが知られている。例えばストレージシステムにより映像データ等が編集機器に出力され編集処理が行われる。
【0003】
例えば特許文献1には、ファイルを格納するディスク装置と、当該ファイルの入出力等の操作を指示するクライアント計算機と、ディスク装置とクライアント計算機との間に設けられたファイルサーバとが記載されている。ファイルサーバにより、クライアント計算機からの指示に基づいて、ディスク装置に格納されたファイルが適宜操作される(特許文献1の段落[0015]、図1、2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−41020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、例えば編集操作等の対象となるコンテンツデータの大容量化が進んでいる。そのようなデータに対して効率的なアクセスが可能となるストレージシステムが求められる。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、効率的なアクセスが可能となるストレージシステムを実現するための情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る情報処理方法は、時間的に連続するデータを予め定められた基準をもとに複数のグループに分けて記憶することを含む。
外部機器からのアクセス要求に応じて、その要求の対象となる対象データが、当該対象データを有する第1のグループから読み出され、前記外部機器に出力される。
前記対象データの読み出しに応じて、前記第1のグループとは異なる第2のグループから、少なくとも一部のデータが先読み対象データとして読み出される。
【0008】
この情報処理方法では、時間的に連続するデータが、予め定められた基準をもとに複数のグループに分けられて記憶される。そしてアクセス要求の対象となる対象データが第1のグループから読み出されて出力される。この対象データの読み出しに応じて、第1のグループと異なる第2のグループから先読み対象データが読み出される。従って上記基準を適宜設定し、連続するデータを適宜グループ分けすることで、効率的なアクセスが可能となるストレージシステムを実現することができる。
【0009】
前記時間的に連続するデータは、時間的に連続する複数のフレーム画像であってもよい。この場合、前記複数のグループは、各々が少なくとも1以上の前記フレーム画像を有してもよい。また前記対象データは、前記要求の対象となる対象フレーム画像であってもよい。また前記先読み対象データは、前記第2のグループが有する少なくとも1以上の前記フレーム画像であってもよい。
【0010】
この情報処理方法では、時間的に連続するフレーム画像が記憶される。連続するフレーム画像は、例えば動画データとして用いられるものであり大容量となることが多い。このようなデータに対して、効率的なアクセスが可能となるストレージシステムが実現される。
【0011】
前記記憶ステップは、前記フレーム画像を記憶して出力するための第1の出力能力を有する第1の記憶部と、前記第1の出力能力よりも低い第2の出力能力を有する第2の記憶部とにより、前記複数のフレーム画像を記憶してもよい。
この場合、前記出力ステップは、前記第1の記憶部に記憶された前記対象フレーム画像を前記外部機器へ出力してもよい。
前記読み出しステップは、前記先読み対象データとしての前記先読み対象フレーム画像を前記第2の記憶部から読み出し、前記第1の記憶部に記憶させてもよい。
【0012】
この情報処理方法では、第1の出力能力を有する第1の記憶部と、第1の出力能力よりも低い第2の出力能力を有する第2の記憶部とが用いられる。そして出力能力の高い第1の記憶部に記憶された対象フレーム画像が外部機器に出力される。また出力能力の低い第2の記憶部に記憶された先読み対象フレーム画像が第1の記憶部に記憶される。これにより効率的なアクセスが可能となる。またストレージシステムを実現するために必要なコストを抑えることができる。
【0013】
前記予め定められた基準は、シーンごとのグループ分けであってもよい。この場合、前記記憶ステップは、前記複数のフレーム画像を、前記複数のグループとしての複数のシーンに分けて記憶してもよい。
この情報処理方法では、複数のフレーム画像が、複数のシーンに分けて記憶される。例えば複数のフレーム画像は、シーンごとにアクセスされる場合が多い。従って上記のようにグループ分けが行われることで、効率的なアクセスが可能となる。
【0014】
前記情報処理方法は、さらに、前記複数のシーンの各々を解析することを含んでもよい。この場合、前記読み出しステップは、前記解析結果をもとに前記先読み対象フレーム画像を読み出してもよい。
この情報処理方法では、各々のシーンが解析され、その解析結果をもとに先読み対象フレーム画像が読み出される。これにより例えば相関性の高い複数のシーンについての先読み処理等が可能となる。これにより効率的なアクセスが可能となる。
【0015】
前記記憶ステップは、複数の第1の記憶部と、複数の第2の記憶部とにより、前記複数のフレーム画像を記憶してもよい。
このように、複数の第1の記憶部と、複数の第2の記憶部とが適宜用いられることで、効率的なアクセスが可能となる。またコストを抑えることができる。
【0016】
前記情報処理方法は、さらに、前記外部機器から前記対象フレーム画像の使用モード情報を受け付けることを含んでもよい。この場合、前記読み出しステップは、前記受け付けられた使用モード情報をもとに、前記先読み対象フレーム画像を読み出してもよい。
この情報処理方法では、外部機器から受け付けられた使用モード情報をもとに先読み対象フレーム画像が読み出される。これにより効率的なアクセスが可能となる。
【0017】
前記情報処理方法であって、さらに、前記外部機器を通じて送信されるユーザからの指示をもとに、前記複数のグループを変更することを含んでもよい。
このようにユーザの指示により、複数のグループが変更されてもよい。これにより効率的なアクセスが可能となる。
【0018】
前記記憶ステップは、前記複数のグループに分けられる前の前記連続するデータを記憶し、前記外部機器からのアクセス要求を受ける前の所定のタイミングで、前記連続するデータを前記複数のグループに分けて記憶してもよい。
例えばこの情報処理方法を実行するコンピュータの処理負荷が少ないタイミングでグループ分け処理が実行されてもよい。
【0019】
本技術の一形態に係る情報処理システムは、第1の記憶装置と、第2の記憶装置と、制御装置とを具備する。
前記第1の記憶装置は、時間的に連続するデータを予め定められた基準をもとに複数のグループに分け前記連続するデータの少なくとも一部を記憶し、当該記憶したデータを出力するための第1の出力能力を有する。
前記第2の記憶装置は、前記複数のグループに分けられたデータの少なくとも一部を記憶し、当該記憶したデータを出力するための前記第1の出力能力よりも低い第2の出力能力を有する。
前記制御装置は、外部機器からのアクセス要求に応じて、その要求の対象となる対象データを当該対象データを有する第1のグループから読み出し前記第1の記憶装置に前記外部機器へ出力させ、当該対象データの読み出しに応じて、前記第2の記憶装置に前記第1のグループとは異なる第2のグループが有する少なくとも一部のデータを先読み対象データとして前記第1の記憶装置へ出力させる。
【0020】
本技術の一形態に係る情報処理装置は、グルーピング部と、第1の記憶部と、第2の記憶部と、出力部と、読み出し部とを具備する。
前記グルーピング部は、時間的に連続するデータを予め定められた基準をもとに複数のグループに分ける。
前記第1の記憶部は、前記複数のグループに分けられたデータの少なくとも一部を記憶し、当該記憶したデータを出力するための第1の出力能力を有する。
前記第2の記憶部は、前記複数のグループに分けられたデータの少なくとも一部を記憶し、当該記憶したデータを出力するための前記第1の出力能力よりも低い第2の出力能力を有する。
前記出力部は、外部機器からのアクセス要求に応じて、その要求の対象となる対象データを当該対象データを有する第1のグループから読み出し、前記第1の記憶部を介して前記外部機器へ出力する。
前記読み出し部は、前記出力部による前記対象データの読み出しに応じて、前記第1のグループとは異なる第2のグループが有する少なくとも一部のデータを先読みデータとして前記第2の記憶部から読み出し、前記第1の記憶部に記憶させる。
【0021】
本技術の一形態に係るプログラムは、前記グルーピング部と、前記第1の記憶部と、前記第2の記憶部と、前記出力部と、前記読み出し部と、としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本技術によれば、効率的なアクセスが可能となるストレージシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本技術の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す模式的な図である。
【図2】図1に示すファイル出力装置から出力された素材データの取り込み処理の流れの一例を示す模式的な図である。
【図3】本実施形態において取り込まれる素材データを示す模式的な図である。
【図4】本実施形態に係るグループ化された複数のシーンに対する分散処理の流れの一例を示す模式的な図である。
【図5】本実施形態に係るグループ化された複数のシーンに対する分散処理の流れの一例を示す模式的な図である。
【図6】本実施形態に係るグループ化された複数のシーンに対する分散処理の流れの一例を示す模式的な図である。
【図7】本実施形態における情報処理システムのデータ出力処理の基本的な流れを示すフローチャートである。
【図8】図7に示すフローチャートを説明するための図である。
【図9】図7に示すフローチャートを説明するための図である。
【図10】本実施形態において、第1及び第2のノードを増やすことによる効果の一つを説明するための図である。
【図11】本技術の第2の実施形態において、クライアント装置の表示部に表示されるUIの一例を示す模式的な図である。
【図12】本実施形態において取り込まれた動画データを示す模式的な図である。
【図13】本実施形態に係る対象フレーム画像の使用モードに応じた先読みキャッシュ処理の例を示す模式的な図である。
【図14】本実施形態に係る対象フレーム画像の使用モードに応じた先読みキャッシュ処理の例を示す模式的な図である。
【図15】本実施形態に係る対象フレーム画像の使用モードに応じた先読みキャッシュ処理の例を示す模式的な図である。
【図16】本技術の第3の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す模式的な図である。
【図17】本実施形態に係る情報処理システムに取り込まれる動画データを示す模式的な図である。
【図18】図17に示す動画データが第2のノードにどのように配置されるかを説明するための図である。
【図19】本実施携帯において図13に示すエフェクト編集モードにおける先読みキャッシュ処理が実行されたときの、分割シーンの読み出しを示す模式的な図である。
【図20】本実施携帯において図14に示すプレビュー再生モード(順方向)における先読みキャッシュ処理が実行されたときの、分割シーンの読み出しを示す模式的な図である。
【図21】本実施携帯において図15に示すプレビュー再生モード(逆方向)における先読みキャッシュ処理が実行されたときの、分割シーンの読み出しを示す模式的な図である。
【図22】動画データのグルーピングに関する変形例を説明するための模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0025】
<第1の実施形態>
[情報処理システムの構成]
図1は、本技術の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す模式的な図である。
【0026】
情報処理システム100は、ストレージシステムとして機能する。図1に示すファイル出力装置10により、情報処理システム100に、映像データや音声データ等の素材データが出力される。
【0027】
外部機器であるクライアント装置20から、情報処理システム100に記憶された素材データへのアクセス要求が送信される。情報処理システム100は、当該アクセス要求に応じて、アクセス要求の対象となる対象データをクライアント装置20へ出力する。
【0028】
本実施形態のクライアント装置20は、情報処理システム100から読み出した素材データに対して、編集処理やプレビュー処理等を実行する。本実施形態では仮想環境等を利用することで、クライアント装置20からは情報処理システム100全体が1つのストレージとして認識される。
【0029】
本実施形態では、情報処理システム100、ファイル出力装置10、及びクライアント装置20は、ネットワーク30を通じて相互に接続されている。ネットワーク30としては、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が用いられる。しかしながらネットワーク30の種類やそれに用いられるプロトコル等は限定されない。また情報処理システム100、ファイル出力装置10、及びクライアント装置20が、ネットワーク30を介さず直接接続されてもよい。
【0030】
情報処理システム100は、第1の記憶装置としての第1のノード40と、第2の記憶装置としての第2のノード50と、第1及び第2のノード40及び50のそれぞれの動作を制御する制御装置60とを有する。なお、第1のノード40は第1の記憶部に相当する。また第2のノード50は第2の記憶部に相当する。
【0031】
第1のノード40、第2のノード50、及び制御装置60は、ネットワーク70により相互に接続されている。図1では、制御装置60が各ノード40及び60を制御する旨が図示されているが、制御装置60もネットワーク70に接続されている。
【0032】
ネットワーク70は、典型的にはLANであるが、それに限定されるわけではない。ネットワーク70は、上記したネットワーク30と接続される。これにより情報処理システム100が有する各装置と、ファイル出力装置10と、クライアント装置20とが相互に接続されることになる。
【0033】
本実施形態では、2つの第1のノード40a及び40bと、2つの第2のノード50a及び50bとが用いられる。しかしながら第1のノード40の数、及び第2のノード50の数は限定されない。
【0034】
第1のノード40、第2のノード50、及び制御装置60としては、例えばPC等のコンピュータがそれぞれ用いられる。第1のノード40、第2のノード50、及び制御装置60による情報処理は、ROM等に記憶されたソフトウェアと、PC等のハードウェア資源との協働により実現される。具体的には、CPUがROM等に記憶されたソフトウェアを構成するプログラムを、RAMにロードして実行することにより実行される。
【0035】
プログラムは、例えば記録媒体を介して各装置にインストールされる。あるいは、グローバルネットワーク等を介してインストールされてもよい。
【0036】
図1に示すように制御装置60は、機能ブロックとして、ストレージマネージャ61を有する。これは例えば制御装置60内のCPUにより実現される。また制御装置60は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、その他の固体メモリ等からなる不揮発性の記憶デバイス62を有する。この記憶デバイス62には、ストレージマネージャ61により参照されるデータベース63が記憶されている。ストレージマネージャ61はデータベース63を参照して、第1及び第2のノード40及び50をそれぞれ制御する。
【0037】
第1及び第2のノード40及び50は、ファイル出力装置10から出力された素材データの少なくとも一部を記憶する。そしてストレージマネージャ61からの指示をもとに、指定された素材データを読み出して指定された転送先へ出力する。
【0038】
第1のノード40は、当該素材データを記憶して出力するための第1の出力能力を有する。ここでいう「出力能力」とは、記憶されている素材データの転送指示を受けてからのレスポンスに関する能力である。すなわち所定の容量の素材データ(あるいは素材データの一部)を所定の出力先に転送する指示を受けてから、当該素材データを指定先に転送するまでにかかる時間により定められる。
【0039】
レスポンスが速い記憶装置は出力能力が高く、いわゆる高帯域の記憶装置とよばれる。レスポンスが遅い記憶装置は出力能力が低く、いわゆる低帯域の記憶装置とよばれる。
【0040】
出力能力は、例えば素材データを記憶するための記憶デバイスの種類に影響される。例えばI/Oスループットが高い記憶デバイスを搭載する記憶装置は出力能力が高くなる。そのような記憶デバイスとしては、例えばSSD(Solid State Drive)、複数のディスクがRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)技術により束ねられたRAID(レイド)デバイス、又はiSCSI(Internet Small Computer System Interface)イニシエータによりディスクが束ねられたもの等がある。
【0041】
上記のものに比べてI/Oスループットが低い記憶デバイスとしては、HDDやテープを用いた記憶デバイス等がある。
【0042】
また出力能力は、各記憶装置に搭載されるNIC(Network Interface Card)の種類にも影響される。例えば1GのNICが搭載された記憶装置よりも、10GのNICが搭載された記憶装置の方が出力能力は高くなる。
【0043】
その他、出力能力は、ネットワークとの接続に用いられるケーブルの種類やCPUの処理速度等にも影響され得る。すなわちハードウェア及びソフトウェアの様々な条件に基づいて出力能力が判断されてよい。従って他の条件が総合的に考慮された結果、1GのNICが搭載された記憶装置が、10GのNICが搭載された記憶装置よりも出力能力が高いと判定される場合等も起こり得る。
【0044】
本実施形態では、第1の出力能力を有する第1のノード40と、第1の出力能力よりも低い第2の出力能力を有する第2のノード50が用いられる。すなわち第1のノード40の方が、第2のノード50よりもデータ転送指示に対するレスポンスが速い。図1には、第1のノード40が高帯域であり、第2のノードが低帯域である旨が図示されている。
【0045】
なお第1及び第2の出力能力は相対的に比較されればよい。すなわち第1及び第2の出力能力を規定するための基準が定められなくてもよい。各記憶装置の出力能力が相対的に比較された結果、出力能力が高い方の記憶装置が第1の出力能力を有する第1のノード40として用いられればよい。同様に出力能力が低い方の記憶装置が、第2の出力能力を有する第2のノード50として用いられればよい。
【0046】
一般的に、高帯域の記憶装置は高価で記憶容量が小さく、低帯域の記憶装置は廉価で記憶容量が大きい場合が多い。例えば高帯域の記憶装置を複数用いてストレージシステムを構成することにより、クライアント装置への高速な素材データの転送が可能となる。しかしながらコスト等の観点からそれは困難であることが多い。
【0047】
そこで本実施形態では、高帯域の記憶装置と、低帯域の記憶装置とを適宜組み合わせて効率的なアクセスが可能となるストレージシステムを実現する。この結果、コストを抑えることも可能となる。
【0048】
どの程度の出力能力を有する記憶装置を高帯域の第1のノード40として用い、どの程度の出力能力を有する記憶装置を低帯域の第2のノード50として用いるかについては適宜設定されればよい。例えば素材データへのアクセス速度やコストパフォーマンス等が所期のものとなるように、第1及び第2のノード40及び50が適宜選択されればよい。
【0049】
従って、例えば本技術に係る情報処理システムにおいて第1のノードとして用いられた記憶装置が、本技術に係る他の情報処理システムでは第2のノードとして用いられる場合も起こり得る。この場合さらに出力能力が高い記憶装置が第1のノードとして用いられる。
【0050】
当然のことながら、第1及び第2のノード40及び50を選択するための基準が適宜設定されてもよい。
【0051】
また本実施形態では2つの第1のノード40a及び40bが用いられる。この第1のノード40a及び40bが同じ記憶装置である必要は無い。また同じ出力能力を有する必要もない。
【0052】
2つの第2のノード50a及び50bについても同様である。すなわち第1の出力能力及び第2の出力能力がそれぞれある程度幅を持って定められてもよい。例えば出力能力が順に大きくなる4つの記憶装置があるとする。この場合、一番大きい出力能力を有する記憶装置と、二番目に大きい出力能力を有する記憶装置とが第1のノード40a及び40bとして用いられてもよい。そして残り2つの記憶装置が第2のノード50a及び50bとして用いられてもよい。
【0053】
[情報処理システムの動作]
ファイル出力装置10から出力された素材データの取り込み処理について説明する。図2は、その取り込み処理の流れの一例を示す模式的な図である。図3は、本実施形態において取り込まれる素材データを示す模式的な図である。
【0054】
ファイル出力装置10から情報処理システム100に、素材データとして時間的に連続するデータが出力される(ステップ101)。本実施形態では、図2に示すように映像ファイル11が情報処理システム100に出力される。
【0055】
映像ファイル11の中には、所定の時間分の動画データ12が格納されている。図3に示すように動画データ12は、時間的に連続する複数のフレーム画像13により構成される。フレーム画像13は、例えば30fps(frame per second)や60fpsのフレームレートで生成される。実際には図3に示すものよりも多い数のフレーム画像13が取り込まれることが多い。
【0056】
図3に示すように、複数のフレーム画像13は時間軸に沿って生成される。すなわち図3で見て左側に位置するフレーム画像13は動画データ12の前半部分に相当し、右側に位置するフレーム画像13は動画データ12の後半部分に相当する。
【0057】
ストレージワーカ80により動画データ12に対してグルーピング処理が実行される。ストレージワーカ80とは、図1に示す各ノード40及び50を示す総称する言葉である。本実施形態では、図1に示す第1のノード40aにより、複数のフレーム画像13が予め定められた基準をもとに複数のグループに分けられる(ステップ102)。
【0058】
本実施形態に係る予め定められた基準は、シーンごとのグループ分けである。従って図3に示すように、複数のフレーム画像13が複数のシーンS1〜S5に分けられる。複数のグループとしての複数のシーンS1〜S5は、各々が少なくとも1以上のフレーム画像13を有する。
【0059】
複数のシーンS1〜S5へのグルーピング処理は、例えば隣接する2つのフレーム画像13の差分が算出されることで実行される。2つのフレーム画像13の差分が所定の閾値よりも大きい場合、当該2つのフレーム画像13間がシーンチェンジ点Cとして判定される。そしてそのシーンチェンジ点Cにおいて複数のシーンS1〜S5に分けられる。その他、一般的に知られているシーンチェンジ検出処理が適宜用いられてよい。
【0060】
例えば素材データが、ニュースの映像データだとする。そしてスタジオでキャスターがニュースを伝えるシーン、当該ニュースに関連した風景が表示されるシーン、及び風景をバックにしたリポーターのアップのシーンが映像データに含まれていたとする。このような場合にグルーピング処理が実行されることで、素材データが、スタジオシーン、風景シーン及びリポーターシーンの複数のシーンに分けられる。
【0061】
グルーピング処理を実行した第1のノード40aは、グルーピング結果の情報をストレージマネージャ61に送信する(ステップ103)。ストレージマネージャ61は、グルーピング結果の情報をもとにした管理テーブルを、データベース63として記憶デバイス62に記憶する。
【0062】
複数のシーンS1〜S5に分けられた動画データ12は、第1のノード40a及び40bと、第2のノード50a及び50bとに分散される。本実施形態では、まずグルーピング処理を実行する第1のノード40aに動画データ12の全体が記憶される。ストレージマネージャ61は、グルーピング結果の情報をもとに各シーンS1〜S5の格納先を決定する。そしてストレージマネージャ61の指示をもとに、複数のシーンS1〜S5が再配置される。
【0063】
例えば動画データ12における各シーンS1〜S5の位置、各シーンS1〜S5のデータ容量、各ノード40及び50の記憶容量、又は各ノード40及び50の出力能力や数等をもとに、複数のシーンS1〜S5の分散位置が適宜定められてもよい。
【0064】
複数のシーンS1〜S5の分散位置の情報は、ストレージマネージャ61に送信される。ストレージマネージャ61は、分散位置の情報を記憶デバイス62に記憶する。従ってストレージマネージャ61は、ノード40及び50のいずれかにどのシーンS1〜S5のデータが配置されているかを管理することが可能である。
【0065】
動画データ12全体が第1のノード40aに記憶される前に、グループとして判定されたシーンの配置先が順次決定されてもよい。そして定められた配置先にシーンが順次転送されてもよい。
【0066】
あるいは、グルーピングされた複数のシーンS1〜S5が所定の分散位置において、第1及び第2のノード40及び50に配置される。所定の分散位置は例えばデフォルトで設定される。この状態からストレージマネージャ61の指示により、複数のシーンS1〜S5が再配置されてもよい。
【0067】
図4〜図6は、グループ化された複数のシーンS1〜S5に対する分散処理の流れの一例を示す模式的な図である。
【0068】
本実施形態では、それぞれのシーンS1〜S5がさらに前半部分14及び後半部分15の2つに分割される。前半部分14及び後半部分15には、それぞれ1以上のフレーム画像13が含まれる。前半部分14及び後半部分15の分割の割合等は適宜設定されてよい。
【0069】
各シーンS1〜S5のデータ容量、各ノード40及び50の記憶容量、各ノード40及び50の数に応じて、1つのシーンが3以上の部分に分割されてもよい。あるいはデータ容量の大きいシーンは3以上の部分に分割し、データ容量の小さいシーンは分割しない、といった設定も可能である。
【0070】
図4に示すように、ストレージマネージャ61から第1のノード40aへ、2つに分割されたシーンS1の後半部分15の転送指示が出力される(ステップ104)。転送指示を受信した第1のノード40aは、シーンS1の後半部分15を転送先として指定された第2のノード50aに転送する(ステップ105)。
【0071】
図5に示すように、ストレージマネージャ61からの指示をもとに、第1のノード40aはシーンS1の前半部分14のコピー14’を作成し、当該前半部分14のコピー14’を第2のノード50bに転送する(ステップ106、ステップ107)。
【0072】
次に図6に示すように、ストレージマネージャ61の指示により、シーンS2の前半部分14及び後半部分15が配置される。本実施形態では、第1のノード40aから第1のノード40bに、シーンS2の前半部分14が転送される(ステップ108)。また第1のノード40aから第2のノード50aへ後半部分15が転送される(ステップ109)。そして、第1のノード40aから第2のノード50bへ前半部分14が転送される(ステップ110)。
【0073】
なお、第1のノード40aから第1のノード40bにシーンS2の全体のデータが転送されてもよい。そしてストレージマネージャ61の指示を受けた第1のノード40bにより、シーンS2の前半部分14及び後半部分15の転送処理が実行されてもよい。
【0074】
シーンS3以降のデータは、それぞれの前半部分14及び後半部分15が適宜第2のノード50a及び50bに配置される。
【0075】
動画データ12が取り込まれる際の各シーンS1〜S5の配置位置は限定されない。本実施形態に係る情報処理システム100では、出力能力が高い第1のノード40が主にキャッシュとして用いられる。そして出力能力が低い第2のノード50が、主に素材データ置き場として用いられる。
【0076】
従ってクライアント装置20から最初にアクセス要求がある可能性の高いシーンS1の前半部分14が第1のノード40aに記憶される。また次のシーンS2の前半部分14が第1のノード40bに記憶される。これにより効率的なアクセスが実現される。しかしながらこれに限定されるわけではない。
【0077】
情報処理システム100による、クライアント装置20への動画データ12の出力方法について説明する。図7は、本実施形態における情報処理システム100のデータ出力処理の基本的な流れを示すフローチャートである。図8及び図9は、その流れを説明するための模式的な図である。
【0078】
情報処理システム100では、クライアント装置20からのアクセス要求に応じて、その要求の対象となる対象データを、当該対象データを有する第1のグループから読み出して、クライアント装置20に出力する。
【0079】
図7に示すように、クライアント装置20から送信されたアクセス要求が、ストレージマネージャ61により受信される(ステップ201)。ここでは、クライアント装置20により、シーンS1内のフレーム画像13に対するアクセス要求が送信されたとする。
【0080】
ストレージマネージャ61は、アクセス要求の対象となる対象フレーム画像16(図3参照)を、当該対象フレーム画像16を有するシーンS1から読み出し、第1のノード40によりクライアント装置20へ出力させる。対象フレーム画像16を有するシーンS1は、上記した第1のグループに相当する。
【0081】
具体的には、ストレージマネージャ61は、記憶されているデータベース63を参照し対象フレーム画像16の配置位置を検出する(ステップ202)。そして対象フレーム画像16が記憶されているノード40又は50に、当該対象フレーム画像を高帯域の第1のノード40に転送する指示を送信する。なお第1のノード40に対象フレーム画像16が配置されている場合は、上記転送指示は行われない。
【0082】
ストレージマネージャ61に第1のノード40へ、対象フレーム画像16をクライアント装置20へ出力する指示が送信される。これにより対象フレーム画像16が、第1のノード40からクライアント装置20に出力される(ステップ203)。
【0083】
この対象フレーム画像の読み出しに応じて、本実施形態では、第1のノード40に以下のデータが転送される。これらは対象フレーム画像16の読み出しに応じて、第1のノード40にキャッシュされるデータである。
【0084】
まず図8に示すように、シーンS1において対象フレーム画像16を含むブロックデータ17が第1のノード40に転送される。ブロックデータ17は、対象フレーム画像16と、対象フレーム画像16から連続する近辺のフレーム画像13とを含むデータである(図3参照)。このブロックデータ17の転送は、対象フレーム画像16の読み出しとともに実行されてもよい。
【0085】
このブロックデータ17がキャッシュされることで、例えば通常再生モード等において求められる、時間軸に沿ったフレーム画像13の読み出し等が高速で可能となる。なおブロックデータ17として、図4等に示す前半部分14や後半部分15が転送されてもよい。あるいは、キャッシュされる際にブロックデータ17の容量が適宜定められてもよい。
【0086】
図8に示すように、本実施形態では、上記した第1のグループとは異なる第2のグループから、少なくとも一部のデータを先読み対象データとして読み出す。すなわちシーンS1とは異なるシーンS2から、1以上の先読み対象フレーム画像(図3参照)として、ブロックデータ18が読み出される。本実施形態では、異なるシーンとしてシーンS2が選択されたがこれに限られない。またシーンS2の前半に位置するブロックデータ18が読み出されたがこれに限られない。
【0087】
ブロックデータ18は、第2のノード50から読み出され、第1のノード40に転送される(ステップ204)。そして第1のノード40に記憶される。これらの動作は、ストレージマネージャ61からの指示により実行される。
【0088】
なお、図7に示すステップ204は、ステップ203の出力処理の後に実行される場合に限定されない。クライアント装置20への対象フレーム画像16の出力と略同時又は前に、対象フレーム画像16の読み出しに応じてステップ208が実行されてもよい。また対象フレーム画像16の読み出しと略同時にステップ208が実行されてもよい。
【0089】
図9に示すように、2つの第1のノード40a及び40bと、2つの第2のノード50a及び50bとが適宜用いられて、以下のようにして先読みキャッシュ処理が実行されてもよい。
【0090】
まず対象フレーム画像16を含むブロックデータ17が第1のノード40aに転送される。そして先読み対象フレーム画像としてのシーンS2内のブロックデータ18が第1のノード40aに転送される。さらに先読み対象フレーム画像としてシーンS3内の前半に位置するブロックデータ18が第1のノード40bに転送される。
【0091】
このように複数の第1のノード40a及び40bを用いることで、先読みフレーム画像として読み出されるデータの容量や種類の設定範囲を広くすることが可能となる。これにより効率的なアクセスが可能となる。
【0092】
なお、第1のノード40aには、シーンS1内のブロックデータ18のみが記憶され、第1のノード40bにシーンS2内のブロックデータ18が記憶されてもよい。この場合でも、第1のノード40に他のシーンS2のブロックデータ18が記憶されることになる。
【0093】
また第1のノード40aに、シーンS1〜S3についての3つのブロックデータ17及び18が記憶されてもよい。もちろん他のシーンとして、シーンS2及びS3以外のシーンが選択され、他のシーンから先読み対象フレーム画像が読み出されてもよい。
【0094】
以上、本実施形態に係る情報処理システム100及び当該情報処理システム100により実行される情報処理方法では、時間的に連続するデータが、予め定められた基準をもとに複数のグループに分けられて記憶される。そしてアクセス要求の対象となる対象データが第1のグループから読み出されて出力される。この対象データの読み出しに応じて、第1のグループと異なる第2のグループから先読み対象データが読み出される。従って上記基準を適宜設定し、連続するデータを適宜グループ分けすることで、効率的なアクセスが可能となるストレージシステムを実現することができる。
【0095】
本実施形態では、時間的に連続するデータとして時間的に連続する複数のフレーム画像13が動画データ12として記憶される。近年では、動画データ12の大容量化が進んでいる。このような大容量なデータに対して、効率的なアクセスが可能となるストレージシステムが実現可能となる。
【0096】
また本実施形態では、第1の出力能力を有する第1のノード40と、第1の出力能力よりも低い第2の出力能力を有する第2のノード50とが用いられる。そして出力能力の高い第1のノード40に記憶された対象フレーム画像16がクライアント装置20に出力される。また出力能力の低い第2のノード50に記憶された先読み対象フレーム画像が第1のノード40に記憶される。これにより効率的なアクセスが可能となる。またストレージシステムを実現するために必要なコストを抑えることができる。
【0097】
本実施形態では、複数のフレーム画像13が、複数のシーンS1〜S5に分けて記憶される。例えば複数のフレーム画像13は、シーンS1〜S5ごとにアクセスされる場合が多い。従ってこのようなグループ分けが行われることで、先読みキャッシュの予測精度が向上し、効率的なアクセスが可能となる。
【0098】
例えばアクセス要求の対象となる対象データを基準として、時間軸に沿った線形的な先読み処理が実行されたとする。すなわち対象フレーム画像16を基準として、10分前と10分後のフレーム画像を含むブロックデータ17のみがキャッシュされたとする。
【0099】
このような場合、クライアント装置20を使用するユーザが他のシーンへの移動を望む場合に、キャッシュされたブロックデータ17が無駄になってしまう可能性が高い。そうすると他のシーンのフレーム画像13を低帯域のノードから読み出さねばならず、高速なアクセス処理が困難となる。本実施形態では、他のシーンへの移動に対しても高速なアクセスが可能となるストレージシステムを実現することができる。
【0100】
また本実施形態では、2つの第1のノード40a及び40bと、2つの第2のノード50a及び50bとが用いられる。もちろん2つ以上の第1のノード40と、2つ以上の第2のノード50とが用いられてもよい。
【0101】
例えば映像編集で利用可能なストレージシステムを実現するとき、動画データが大容量であるため、多数のノードが必要となる場合がある。その場合、コスト的に全てを高帯域なノードで構成することは難しいので低帯域なノードが混在することが多い。
【0102】
このような環境下では、例えば低帯域なノードがボトルネックとなり、ストレージシステム全体として高スループットが実現できない可能性がある。また特定のノードにデータアクセスが集中するとボトルネックになるということも懸念される。つまり大容量データと分散ストレージ環境化での映像制作では如何に所望のデータを効率よく引き出せるかが、ポイントとなってくる。
【0103】
上記で説明したように本実施形態に係る情報処理システム100では、効率的なアクセスが可能となるストレージシステムを実現することができるので、上記したような問題を防止することができる。
【0104】
図1に示すように、第1のノード40a及び第2のノード50aと並列するように、第1のノード40b及び第2のノード50bが並べられる。そしてクライアント装置20に対して第1のノード40及び第2のノード50が階層的に並べられる。
【0105】
このような配置構成がとられることにより、例えば第1及び第2のノード40及び50をさらに並列的に順次つなげていくことで、システム的なスケールアップが容易に可能となる。また増加した第1及び第2のノード40及び50を制御するためのアルゴリズムも、大幅な変更を要せず構築することが可能となる。また第1及び第2のノード40及び50を増やすことでさらに大容量の素材データを取り込むことが可能となり、アクセス速度も向上させることができる。
【0106】
さらに第1及び第2のノード40及び50を増やすことで、複数のクライアント装置20による素材データへの効率的なアクセスが可能となる。例えば図10に示すように、各クライアント装置20a及び20bに対して、キャッシュとしても用いられる第1のノード40a及び40bを分散させることができる。すなわち複数のクライアント装置20による同時アクセスが実行された場合でも、ボトルネックとなるノードの発生を防止することができる。
【0107】
また複数のノード40及び50を用いることで、ノードの故障等によるリスクを分散することができる。すなわち1つの高性能のノードによりストレージシステムが構成される場合、当該ノードが故障するとストレージシステムは停止する。また新たな高性能のノードにかかるコストも大きい。一方、本実施形態では、1つのノードが故障しても他のノードによりストレージシステムを維持することが可能である。また低帯域のノードが故障した場合等では、新たなノードにかかるコストを抑えることができる。
【0108】
<第2の実施形態>
本技術に係る第2の実施形態の情報処理システムについて説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明した情報処理システム100における構成及び作用と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化する。
【0109】
本実施形態に係る情報処理システムでは、クライアント装置から対象フレーム画像の使用モード情報が送信される。対象フレーム画像の使用モード情報とは、クライアント装置により対象フレーム画像がどのようにして使用されるかを示す情報である。例えば対象フレーム画像に対する再生や編集についての種々のモードに関する情報がストレージマネージャに送信される。
【0110】
そのようなモードの一例としては、例えばプレビュー再生モード、2倍速再生モード、3倍速再生モード、ダイジェスト再生モード、エフェクト編集モード等の種々のモードが考えられる。各再生モードにおいては、順方向と逆方向とが異なるモードとして設定されてもよい。
【0111】
使用モード情報を受け付けたストレージマネージャは、その情報をもとに先読み対象フレーム画像を読み出す。すなわち効率のよいアクセスが可能となるように、各使用モードに適した先読みキャッシュ処理が実現される。以下、詳しく説明する。
【0112】
図11は、クライアント装置の表示部に表示されるUI21である。このようにタイムライン22に沿ってグルーピングされた各シーンのサムネイル画像23が表示されてもよい。サムネイル画像23は、例えば各シーンの先頭のフレーム画像が圧縮されて生成される。
【0113】
サムネイル画像23を含むこのUI21に関する情報は、ストレージマネージャにより生成される。そして取り込んだ素材データのメタデータとして、クライアント装置に送信される。このように素材データに対するグルーピングに関する情報がクライアント装置に送信されてもよい。
【0114】
ユーザはUI21を見ながら、動画データの再生や編集を行うことができる。グルーピングに関する情報は、サムネイル画像23に限定されない。例えばシーンチェンジ点のタイム情報が用いられてもよい。
【0115】
図12は、本実施形態において取り込まれた動画データ212を示す模式的な図である。本実施形態では、説明の便宜上7つのシーンS1〜S7にグルーピングされた動画データ212が取り込まれたとする。各シーンS1〜S7はそれぞれ等しい数のフレーム画像を有する。従って各シーンの長さ(尺)はそれぞれ等しい。
【0116】
また図12に示す動画データ212上の実線の枠は、アクセス要求の対象となる対象フレーム画像を含むブロックデータ217を示す。一方、動画データ212上の破線の枠は、他のシーンから読み出される先読み対象フレーム画像としてのブロックデータ218を示す。
【0117】
ブロックデータ217は、対象フレーム画像から線形的に予測されたブロックデータである。以後このブロックデータ217を線形ブロックデータ217と記載する。一方、他のシーンから先読みされるブロックデータ218を、先読みブロックデータ218と記載する。
【0118】
また、各ブロックデータと、その比率を以下のようにして表す。
シーンSX(X=1〜7)にある線形ブロックデータをLX
シーンSX(X=1〜7)にある先読みブロックデータをFX
比率を(LX,FX)=(比率)と表す。
【0119】
例えば図12(A)に示す状態は、(L3,F4)=(1,1)と表される。
また、図12(B)に示す状態は、(L3,F4,F5)=(2,1,1)と表される。
このようにして表される線形ブロックデータ217と、先読みブロックデータ218とが、高帯域の第1のノードにキャッシュされる。
【0120】
図13〜図15は、対象フレーム画像の使用モードに応じた先読みキャッシュ処理の例を示す模式的な図である。図13〜図15に示す例では、クライアント装置から、シーンS3内のフレーム画像に対するアクセス要求が送信された場合が図示されている。
【0121】
図13は、対象フレーム画像の使用モード情報がエフェクト編集モードである場合の先読みキャッシュ処理を示す模式的な図である。ここでいうエフェクト編集モードとは、シーンS1〜S7ごとに編集処理が実行されるモードである。例えばシーンごとにカラー設定を変更する処理等が考えられる。しかしながら編集内容については限定されず、シーンS1〜S7ごとに任意の編集処理が実行されてよい。
【0122】
図13(A)は、対象フレーム画像がシーンS3の前半部分に位置する場合の図である。この場合、シーンS1の前半に位置する線形ブロックデータ217が読み出される。またシーンS2の後半に位置する先読みブロックデータ218と、シーンS4の前半に位置する先読みブロックデータ218とがキャッシュされる。各ブロックデータの比率は、(F2,L3,F4)=(2,2,1)となる。
【0123】
シーンごとの編集処理が行われるエフェクト編集モードでは、シーンチェンジ点Cにて編集処理が実行される場合が多い。従って1つ前のシーンS2の後半と、1つ後のシーンS4の前半とがキャッシュされる。また対象フレーム画像がシーンS3の前半に位置するので、シーンS2の先読みブロックデータ218の方が、シーンS4の先読みブロックデータ218よりも多くキャッシュされる。
【0124】
図13(B)は、対象フレーム画像がシーンS3の後半部分に位置する場合の図である。この場合、線形ブロックデータ217と、シーンS4の前半に位置する先読みブロックデータ218と、シーンS5の前半に位置する先読みブロックデータ218とがキャッシュされる。各ブロックデータの比率は、(L3,F4,F5)=(2,2,1)となる。
【0125】
図13(B)に示す場合では、1つ後ろのシーンS4の前半と、2つ後ろシーンS5の前半とがキャッシュされる。そして対象フレーム画像に近いシーンS4のブロックデータ218が多くキャッシュされる。本例では、時系列に沿って編集処理が実行されることが想定されている。従って2つ後ろシーンS5の前半がキャッシュされる。しかしながらシーンS5の前半の代わりに1つ前のシーンS2の後半がキャッシュされてもよい。
【0126】
図14は、対象フレーム画像の使用モード情報がプレビュー再生モードである場合の先読みキャッシュ処理を示す模式的な図である。ここでは順方向の再生モードが設定されている。またこの再生モードでは、前記アクセス要求されたフレーム画像を有するシーンの情報が用いられる。すなわちストレージマネージャにより、再生されたシーンの履歴情報が作成されて記憶デバイスに記憶される。
【0127】
図14(A)は、前回シーンS2のフレーム画像が出力された場合に、シーンS3内のフレーム画像に対するアクセス要求が送信された場合を示す図である。この場合、線形ブロックデータ217と、シーンS3の後方に連続するシーンS4〜S6の各前半が先読みブロックデータ218としてキャッシュされる。その比率は、(L3,F4,F5,F6)=(2,1,1,1)となる。
【0128】
図14(B)は、前回シーンS4のフレーム画像が出力された場合に、シーンS3内のフレーム画像に対するアクセス要求が送信された場合を示す図である。この場合、線形ブロックデータ217と、シーンS3の前方に連続するシーンS2及びS1の各前半が先読みブロックデータ218としてキャッシュされる。その比率は、(F1,F2,L3)=(1,1,2)となる。
【0129】
プレビュー再生モードでは、シーン変更が多く行われる可能性がある。従ってできるだけ多くの他のシーンについて、フレーム画像が先読みキャッシュされる。なお図14(B)に示す例では、シーンS3の前方にシーンS1及びS2しか存在しない。しかしながらさらにシーンが存在する場合、図14(A)に示す例のように、3つのシーンから先読みが行われる。
【0130】
また図14に示す例は順方向での再生モードであるので、各シーンの前半が先読みブロックデータ218としてキャッシュされる。そして前回再生されたシーンとの位置関係に基づいて、シーンS3の後方に連続するシーンが先読みされるのか、シーンS3の前方に連続するシーンが先読みされるのかが定められる。
【0131】
図15は、対象フレーム画像の使用モード情報がプレビュー再生モード(逆方向)である場合の先読みキャッシュ処理を示す模式的な図である。この再生モードでも、再生されたシーンの履歴情報が用いられる。
【0132】
図15(A)は、前回シーンS2のフレーム画像が出力された場合に、シーンS3内のフレーム画像に対するアクセス要求が送信された場合を示す図である。この場合、線形ブロックデータ217と、シーンS3の後方に連続するシーンS4〜S6の各後半が先読みブロックデータ218としてキャッシュされる。その比率は、(L3,F4,F5,F6)=(2,1,1,1)となる。
【0133】
図15(B)は、前回シーンS4のフレーム画像が出力された場合に、シーンS3内のフレーム画像に対するアクセス要求が送信された場合を示す図である。この場合、線形ブロックデータ217と、シーンS3の前方に連続するシーンS2及びS1の各後半が先読みブロックデータ218としてキャッシュされる。その比率は、(F1,F2,L3)=(1,1,2)となる。
【0134】
本例では、逆方向での再生モードであるので、各シーンの後半が先読みブロックデータ218としてキャッシュされる。そして前回再生されたシーンとの位置関係に基づいて、シーンS3の後方に連続するシーンが先読みされるのか、シーンS3の前方の連続するシーンが先読みされるのかが定められる。
【0135】
その他、例えば使用モードとして2倍速再生モード、または3倍速再生モードが設定された場合、以下のような先読みキャッシュ処理が実行されてもよい。すなわち2倍速再生モード等では、シーン変更の指示は少なくなると考えられるので、他のシーンからの先読みキャッシュの割合を減らされて、線形ブロックデータ217の比率が上げられる。このような設定をもとに先読みキャッシュ処理が実行されてもよい。
【0136】
また使用モードとしてダイジェスト再生モードが設定された場合、各シーンの中間部分のデータが先読みブロックデータ218としてキャッシュされてもよい。これは各シーンの中間部分に主たる映像が撮影されている可能性が高いという考えに基づくものである。
【0137】
以上、本実施形態に係る情報処理システム、及び当該情報処理システムにより実行される情報処理方法では、クライアント装置から受け付けられた使用モード情報をもとに先読み対象フレーム画像が適宜読み出される。これにより、各使用モードに適した先読みキャッシュ処理が実現され、効率的なアクセスが可能となる。
【0138】
なお上記で説明した先読みブロックデータ218の選択方法及び各ブロックデータの比率は限定されない。クライアント装置による素材データの取り扱いに則した最適な先読みブロックデータ218のキャッシュ方法が適宜設定されてよい。
【0139】
<第3の実施形態>
図16は、本技術の第3の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す模式的な図である。情報処理システム300は、クライアント装置320と、第1のノード340と、2つの第2のノード350a及び350bとを有する。
【0140】
なお図16には1つの第1のノード340が図示されているが、ここに例えば複数の第1のノードが配置されてもよい。そのような場合でも、それら複数の第1のノードを1つの第1のノード340と見なして、本実施形態に係る技術を適用することが可能である。
【0141】
図16に示すように、情報処理システム300は、複数の第2のノード350a及び350bが設けられて低帯域の経路370が複数確保されている。このような場合に、例えば第2のノード350a及び350bから第1のノード340にシーンごとにデータが読み出されてキャッシュされるとする。
【0142】
その場合、第2のノード350a及び350bに、グルーピングされた複数のシーンが交互に配置される。これにより2つの第2のノード350a及び350bから複数のシーンが交互に読み出されるので、キャッシュとして機能する第1のノード340へのデータ転送時間を短くすることができる。
【0143】
本実施形態では、各シーンがさらに分割され、分割された分割シーンが、第2のノード350a及び350bに交互に配置される。これにより効率的なアクセスが可能となる。以下、詳しく説明する。
【0144】
図17は、本実施形態に係る情報処理システム300に取り込まれる動画データ312を示す模式的な図である。図18は、その動画データが第2のノード350a及び350bにどのように配置されるかを説明するための図である。
【0145】
本実施形態でも、7つのシーンS1〜S7にグルーピングされた動画データ312が取り込まれたとする。図17に示すように、動画データ312は、各シーンS1〜S7がそれぞれ3つに分割される。そして図18に示すように、分割シーンS1aを先頭にした奇数番目の分割データS1a〜S7cが、第2のノード350bに配置される。また分割シーンS1bを先頭にした偶数番目の分割データS1b〜S7bが、第2のノード350aに配置される。
【0146】
この状態で、図13〜図15に示した各使用モードにおける先読みキャッシュ処理が実効されたとする。図19は、図13に示すエフェクト編集モードにおける先読みキャッシュ処理が実行されたときの、分割シーンの読み出しを示す模式的な図である。
【0147】
図19(A)に示すように、まずシーンS3内の対象フレーム画像を含む線形ブロックデータ317が読み出される。そのために、第2のノード350bから分割シーンS3aが読み出され、次に第2のノード350aから分割シーンS3bが読み出される。
【0148】
次にシーンS2内の先読みブロックデータ318の読み出しのために、第2のノード350aから分割シーンS2cが読み出され、第2のノード350bから分割シーンS2bが読み出される。そしてシーンS4内の先読みブロックデータ318の読み出しのために、第2のノード350aから分割シーンS4aが読み出される。
【0149】
図19(B)では、線形ブロックデータ317の読み出しのために、第2のノード350aから分割シーンS3bが読み出され、第2のノード350bから分割シーンS3cが読み出される。次にシーンS4内の先読みブロックデータ318の読み出しのために、第2のノード350aから分割シーンS4aが読み出され、第2のノード350bから分割シーンS4bが読み出される。そしてシーンS5内の先読みブロックデータ318の読み出しのために、第2のノード350bから分割シーンS5aが読み出される。
【0150】
図20は、図14に示すプレビュー再生モード(順方向)における先読みキャッシュ処理が実行されたときの、分割シーンの読み出しを示す模式的な図である。
【0151】
図20(A)に示すように、線形ブロックデータ317の読み出しのために、第2のノード350bから分割シーンS3aが読み出され、第2のノード350aから分割シーンS3bが読み出される。次にシーンS4及びシーンS5内の先読みブロックデータ318の読み出しのために、第2のノード350aから分割シーンS4aが読み出され、第2のノード350bから分割シーンS5aが読み出される。そしてシーンS6内の先読みブロックデータ318の読み出しのために、第2のノード350aから分割シーンS6aが読み出される。
【0152】
図20(B)では、線形ブロックデータ317の読み出しのために、第2のノード350aから分割シーンS3bが読み出され、第2のノード350bから分割シーンS3aが読み出される。次にシーンS2及びシーンS1内の先読みブロックデータ318の読み出しのために、第2のノード350aから分割シーンS2aが読み出され、第2のノード350bから分割シーンS1aが読み出される。
【0153】
図21は、図15に示すプレビュー再生モード(逆方向)における先読みキャッシュ処理が実行されたときの、分割シーンの読み出しを示す模式的な図である。
【0154】
図21(A)に示すように、線形ブロックデータ317の読み出しのために、第2のノード350bから分割シーンS3cが読み出され、第2のノード350aから分割シーンS3bが読み出される。次にシーンS4及びシーンS5内の先読みブロックデータ318の読み出しのために、第2のノード350aから分割シーンS4cが読み出され、第2のノード350bから分割シーンS5cが読み出される。そしてシーンS6内の先読みブロックデータ318の読み出しのために、第2のノード350aから分割シーンS6cが読み出される。
【0155】
図21(B)では、線形ブロックデータ317の読み出しのために、第2のノード350bから分割シーンS3cが読み出され、第2のノード350aから分割シーンS3bが読み出される。次にシーンS2及びシーンS1内の先読みブロックデータ318の読み出しのために、第2のノード350aから分割シーンS2cが読み出され、第2のノード350bから分割シーンS1cが読み出される。
【0156】
第1のノード340に線形ブロックデータ317及び先読みブロックデータ318が転送される際に、第2のノード350a及び350bから交互にデータが読み出される方が、データ転送時間を短縮することができる。各シーンS1〜S7のデータ容量、各ブロックデータの容量、シーンの数、第1及び第2のノード340及び350の数等をもとに、各シーンが適宜分割されればよい。
【0157】
これにより図19〜図20に示したように、第2のノード350a及び350bから第1のノード340へ交互に分割シーンが転送される回数が多くなる。この結果、先読みキャッシュ処理にかかる時間を短縮することができる。本実施形態では、各シーンS1〜S7が3つに分割されたが、当然のことながらこれに限定されるわけではない。
【0158】
<変形例>
本技術に係る実施形態は、上記で説明した実施形態に限定されず種々変形される。
【0159】
例えば図22は、動画データのグルーピングに関する変形例を説明するための模式的な図である。この変形例では、クライアント装置を通じてストレージマネージャに送信されるユーザの指示をもとに、複数のシーンを変更することが可能である。これにより効率的なアクセスが可能となる。
【0160】
図22に示すように、グルーピング処理された複数のシーンのうち、互いに異なる複数のシーンが1つのシーンとして変更されてもよい。図22では、シーンS1〜S5のうち、シーンS2及びS3が1つのシーンS2として変更されている。これは例えば関連性のある2つのシーンを1つのシーンとして取り扱いたいとき等に効果がある。
【0161】
ユーザは、例えば図11に示すUI21を利用して、各シーンS1〜S5の先頭のサムネイル画像23を適宜選択することで、グループ変更操作を実行する。しかしながらグループ変更処理が実行されるためのユーザの操作方法等は限定されない。
【0162】
あるいは図22(B)に示すように、動画データ412において一定間隔でサムネイル画像423が生成される。そのサムネイル画像423を基準としてユーザからIN点とOUT点とが設定される。このIN点とOUT点とに基づいてグループ変更処理が実行されてもよい。
【0163】
図22(B)に示す例では、シーンS1の後半がIN点として指定され、シーンS3(変更前)の前半がOUT点として指定される。この指定をもとに、シーンS2及びシーンS3が1つのシーンS2として変更される。IN点及びOUT点の指定と、グループ変更とのマッチングは適宜設定可能である。
【0164】
図3等に示す複数のシーンS1〜S5に分けられた動画データ12に対して、各シーンS1〜S5が解析されてもよい。そして当該解析結果をもとに先読み対象フレーム画像が読み出されてもよい。
【0165】
例えば動画データが、ニュースの映像データだとする。この動画データにおいて各シーンが解析され、その結果複数のシーンの中から、スタジオシーン、風景シーン、リポーターシーンが判定される。
【0166】
例えばユーザはスタジオシーンのみに所定の編集処理を実行したい場合等がある。そのような場合、例えばユーザからの指示をもとに、複数のシーンからスタジオシーンのみが選択される。そして選択された複数のスタジオシーンに対して上記の各実施形態で説明した技術が適用され、先読み対象フレーム画像が適宜読み出されてもよい。これにより例えば相関性の高い複数のシーンについての先読み処理等が可能となり、効率的なアクセスが実現される。
【0167】
取り込まれる複数のフレーム画像のそれぞれにメタデータが付せられている場合、当該メタデータをもとにシーン解析処理が実行されてもよい。グルーピング処理が実行されるときに、シーン解析処理の結果や、メタデータ等が用いられてもよい。
【0168】
また複数のシーンが適宜間引かれて用いられてもよい。例えば4倍速再生モードや8倍速再生モードでは、奇数番目もしくは偶数番目のシーンのみが用いられて上記したデータ出力処理及び先読みキャッシュ処理が実行されてもよい。
【0169】
上記では、ファイル出力装置により素材データが取り込まれる際に、素材データに対してグルーピング処理が実行された。このグルーピング処理が他のタイミングで実行されてもよい。
【0170】
すなわち素材データの取り込み時には、複数のグループに分けられる前の連続するデータがそのまま記憶される。当該素材データは、1つの第2のノードに記憶されてもよいし、所定の容量ごとに分割されてもよい。この分割は、素材データ全体を記憶するために行われる処理である。そして、クライアント装置からのアクセス要求を受ける前の所定のタイミングで、連続するデータが複数のグループに分けられて記憶される。
【0171】
所定のタイミングは限定されず、例えば外部機器からのアクセス要求に適切に対応できるタイミング等で行われる。あるいは、アクセス要求を受けてからグルーピング処理が実行されてもよい。
【0172】
例えば複数のクライアントから同時にアクセスがあるとき等に、素材データが取り込まれる場合もある。そのような場合に素材データのグルーピング処理が順次実行されると、第1のノードや制御装置等の処理負荷が大きくなってしまう。また複数のクライアント装置へのデータ出力にかかる時間も長くなってしまう。従って、一度素材データをそのまま大きなファイルとして記憶し、第1のノードや制御装置等の処理負荷が少ないタイミングでグルーピング処理が実行される。これによりクライアント装置へのデータ出力が遅延することを防止することができる。
【0173】
なお上記では、第1のノードによりグルーピング処理が実行された。しかしながらグルーピング処理を実行するためのPC等が別個設けられてもよい。一方、第1のノードが制御装置としても機能してもよい。この場合、第1のノードがストレージマネージャを有することになる。
【0174】
上記では、各ノードの出力能力が2段階に分類された。しかしながらより多くの段階に分類されてもよい。例えば出力能力が3段階に分類され、高帯域のノード、中帯域のノード、及び低帯域のノードが設定されてもよい。これらのノードを適宜用いて、本技術の実施形態にとして情報処理システムが実現されてもよい。
【0175】
上記では、連続するデータとして動画データが用いられた。しかしながら音楽データ等が用いられてもよい。例えば音楽データにおいて、イントロ部分、サビ部分、又は間奏部分等が検出される。そして音楽データが当該部分ごとに分けられて記憶される。このようにして記憶された音楽データに対して上記の各実施形態で説明した技術が適用されてもよい。
【0176】
上記では、制御装置、第1のノード、及び第2のノードが別個に設けられた。しかしながら例えばPC等の1つのコンピュータにより、上記で説明した情報処理方法が実行されてもよい。すなわちコンピュータは、プログラムに基づいて動作するCPUにより実現されるグルーピング部と、出力部と、読み出し部とを有する。またコンピュータは、高帯域の第1の記憶部と、低帯域の第2の記憶部とを有する。
【0177】
グルーピング部は、時間的に連続するデータを予め定められた基準をもとに複数のグループに分ける。出力部は、外部機器からのアクセス要求に応じて、その要求の対象となる対象データを当該対象データを有する第1のグループから読み出し、第1の記憶部を介して外部機器へ出力する。読み出し部は、出力部による前記対象データの読み出しに応じて、第1のグループとは異なる第2のグループが有する少なくとも一部のデータを先読みデータとして第2の記憶部から読み出し、第1の記憶部に記憶させる。
【0178】
このような構成を有する1つのコンピュータにより、本技術に係る情報処理方法が実行されてもよい。これにより本技術に係る情報処理装置及びプログラムが実現される。
【0179】
上記した各実施形態及び変形例を適宜組み合わせたものが、本技術にかかる実施形態と
して採用されてもよい。
【0180】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
【0181】
(1)時間的に連続するデータを予め定められた基準をもとに複数のグループに分けて記憶し、
外部機器からのアクセス要求に応じて、その要求の対象となる対象データを、当該対象データを有する第1のグループから読み出して、前記外部機器に出力し、
前記対象データの読み出しに応じて、前記第1のグループとは異なる第2のグループから、少なくとも一部のデータを先読み対象データとして読み出す
情報処理方法。
(2)前記(1)に記載の情報処理方法であって、
前記時間的に連続するデータは、時間的に連続する複数のフレーム画像であり、
前記複数のグループは、各々が少なくとも1以上の前記フレーム画像を有し、
前記対象データは、前記要求の対象となる対象フレーム画像であり、
前記先読み対象データは、前記第2のグループが有する少なくとも1以上の前記フレーム画像である
情報処理方法。
(3)前記(2)に記載の情報処理方法であって、
前記記憶ステップは、前記フレーム画像を記憶して出力するための第1の出力能力を有する第1の記憶部と、前記第1の出力能力よりも低い第2の出力能力を有する第2の記憶部とにより、前記複数のフレーム画像を記憶し、
前記出力ステップは、前記第1の記憶部に記憶された前記対象フレーム画像を前記外部機器へ出力し、
前記読み出しステップは、前記先読み対象データとしての前記先読み対象フレーム画像を前記第2の記憶部から読み出し、前記第1の記憶部に記憶させる
情報処理方法。
(4)前記(2)又は(3)に記載の情報処理方法であって、
前記予め定められた基準は、シーンごとのグループ分けであり、
前記記憶ステップは、前記複数のフレーム画像を、前記複数のグループとしての複数のシーンに分けて記憶する
情報処理方法。
(5)前記(4)に記載の情報処理方法であって、さらに、
前記複数のシーンの各々を解析し、
前記読み出しステップは、前記解析結果をもとに前記先読み対象フレーム画像を読み出す
情報処理方法。
(6)前記(2)から(5)のうちいずれか1つに記載の情報処理方法であって、
前記記憶ステップは、複数の第1の記憶部と、複数の第2の記憶部とにより、前記複数のフレーム画像を記憶する
情報処理方法。
(7)前記(2)から(6)のうちいずれか1つに記載の情報処理方法であって、さらに、
前記外部機器から前記対象フレーム画像の使用モード情報を受け付け、
前記読み出しステップは、前記受け付けられた使用モード情報をもとに、前記先読み対象フレーム画像を読み出す
情報処理方法。
(8)前記(1)から(7)のうちいずれか1つに記載の情報処理方法であって、さらに、
前記外部機器を通じて送信されるユーザからの指示をもとに、前記複数のグループを変更する
情報処理方法。
(9)前記(1)から(8)のうちいずれか1つに記載の情報処理方法であって、
前記記憶ステップは、前記複数のグループに分けられる前の前記連続するデータを記憶し、前記外部機器からのアクセス要求を受ける前の所定のタイミングで、前記連続するデータを前記複数のグループに分けて記憶する
情報処理方法。
【符号の説明】
【0182】
S1〜S7…シーン
12、212、312、412…動画データ
13…フレーム画像
16…対象フレーム画像
17、18…ブロックデータ
20、320…クライアント装置
21…UI
22…タイムライン
23、423…サムネイル画像
40、340…第1のノード
50、350…第2のノード
60…制御装置
61…ストレージマネージャ
70…ネットワーク
100、300…情報処理システム
217、317…線形ブロックデータ
218、318…先読みブロックデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間的に連続するデータを予め定められた基準をもとに複数のグループに分けて記憶し、
外部機器からのアクセス要求に応じて、その要求の対象となる対象データを、当該対象データを有する第1のグループから読み出して、前記外部機器に出力し、
前記対象データの読み出しに応じて、前記第1のグループとは異なる第2のグループから、少なくとも一部のデータを先読み対象データとして読み出す
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記時間的に連続するデータは、時間的に連続する複数のフレーム画像であり、
前記複数のグループは、各々が少なくとも1以上の前記フレーム画像を有し、
前記対象データは、前記要求の対象となる対象フレーム画像であり、
前記先読み対象データは、前記第2のグループが有する少なくとも1以上の前記フレーム画像である
情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法であって、
前記記憶ステップは、前記フレーム画像を記憶して出力するための第1の出力能力を有する第1の記憶部と、前記第1の出力能力よりも低い第2の出力能力を有する第2の記憶部とにより、前記複数のフレーム画像を記憶し、
前記出力ステップは、前記第1の記憶部に記憶された前記対象フレーム画像を前記外部機器へ出力し、
前記読み出しステップは、前記先読み対象データとしての前記先読み対象フレーム画像を前記第2の記憶部から読み出し、前記第1の記憶部に記憶させる
情報処理方法。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理方法であって、
前記予め定められた基準は、シーンごとのグループ分けであり、
前記記憶ステップは、前記複数のフレーム画像を、前記複数のグループとしての複数のシーンに分けて記憶する
情報処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理方法であって、さらに、
前記複数のシーンの各々を解析し、
前記読み出しステップは、前記解析結果をもとに前記先読み対象フレーム画像を読み出す
情報処理方法。
【請求項6】
請求項2に記載の情報処理方法であって、
前記記憶ステップは、複数の第1の記憶部と、複数の第2の記憶部とにより、前記複数のフレーム画像を記憶する
情報処理方法。
【請求項7】
請求項2に記載の情報処理方法であって、さらに、
前記外部機器から前記対象フレーム画像の使用モード情報を受け付け、
前記読み出しステップは、前記受け付けられた使用モード情報をもとに、前記先読み対象フレーム画像を読み出す
情報処理方法。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理方法であって、さらに、
前記外部機器を通じて送信されるユーザからの指示をもとに、前記複数のグループを変更する
情報処理方法。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記記憶ステップは、前記複数のグループに分けられる前の前記連続するデータを記憶し、前記外部機器からのアクセス要求を受ける前の所定のタイミングで、前記連続するデータを前記複数のグループに分けて記憶する
情報処理方法。
【請求項10】
時間的に連続するデータを予め定められた基準をもとに複数のグループに分け前記連続するデータの少なくとも一部を記憶し、当該記憶したデータを出力するための第1の出力能力を有する第1の記憶装置と、
前記複数のグループに分けられたデータの少なくとも一部を記憶し、当該記憶したデータを出力するための前記第1の出力能力よりも低い第2の出力能力を有する第2の記憶装置と、
外部機器からのアクセス要求に応じて、その要求の対象となる対象データを当該対象データを有する第1のグループから読み出し前記第1の記憶装置に前記外部機器へ出力させ、当該対象データの読み出しに応じて、前記第2の記憶装置に前記第1のグループとは異なる第2のグループが有する少なくとも一部のデータを先読み対象データとして前記第1の記憶装置へ出力させる制御装置と
を具備する情報処理システム。
【請求項11】
時間的に連続するデータを予め定められた基準をもとに複数のグループに分けるグルーピング部と、
前記複数のグループに分けられたデータの少なくとも一部を記憶し、当該記憶したデータを出力するための第1の出力能力を有する第1の記憶部と、
前記複数のグループに分けられたデータの少なくとも一部を記憶し、当該記憶したデータを出力するための前記第1の出力能力よりも低い第2の出力能力を有する第2の記憶部と、
外部機器からのアクセス要求に応じて、その要求の対象となる対象データを当該対象データを有する第1のグループから読み出し、前記第1の記憶部を介して前記外部機器へ出力する出力部と、
前記出力部による前記対象データの読み出しに応じて、前記第1のグループとは異なる第2のグループが有する少なくとも一部のデータを先読みデータとして前記第2の記憶部から読み出し、前記第1の記憶部に記憶させる読み出し部と
を具備する情報処理装置。
【請求項12】
時間的に連続するデータを予め定められた基準をもとに複数のグループに分けるグルーピング部と、
前記複数のグループに分けられたデータの少なくとも一部を記憶し、当該記憶したデータを出力するための第1の出力能力を有する第1の記憶部と、
前記複数のグループに分けられたデータの少なくとも一部を記憶し、当該記憶したデータを出力するための前記第1の出力能力よりも低い第2の出力能力を有する第2の記憶部と、
外部機器からのアクセス要求に応じて、その要求の対象となる対象データを当該対象データを有する第1のグループから読み出し、前記第1の記憶部を介して前記外部機器へ出力する出力部と、
前記出力部による前記対象データの読み出しに応じて、前記第1のグループとは異なる第2のグループが有する少なくとも一部のデータを先読みデータとして前記第2の記憶部から読み出し、前記第1の記憶部に記憶させる読み出し部と
としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−61846(P2013−61846A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200442(P2011−200442)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】