説明

情報処理装置、制御方法およびプログラム

【課題】システムの利用者のうち、どれだけの利用者が当該システムを経由してモジュールを取得したのかを把握し、ライセンス数を適切に管理することが可能な仕組みを提供する。
【解決手段】クライアント端末に提供したモジュール数と、モジュールの送信先であるクライアント端末の識別情報とを記憶し、クライアント端末より、モジュールを用いることにより利用可能な情報処理システムの利用者通知を受信し、先ほどの利用者通知を用いることにより、前記情報処理システムを利用する前記クライアント端末の識別情報を記憶し、クライアント端末の識別情報とを用いることにより、情報処理装置より前記モジュールを取得したクライアント端末の数を算定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアントサーバ型のシステムで用いられる情報処理装置で実行するモジュールのライセンス管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クライアント端末とサーバとを含むクライアントサーバシステムにおいて、クライアント端末がサーバからクライアント用アプリケーションプログラムをダウンロードし、このダウンロードしたプログラムの自動インストール機能を実現したものが知られており、本発明のウェブ会議システムにおいても、クライアント端末がサーバからアプリケーションプログラムをダウンロードする形態が考えられる。
【0003】
このような自動インストール機能は、クライアント端末とサーバに存在するOS(オペレーティングシステム)によって実現されている。また、クライアント端末にインストールされたクライアント用アプリケーションプログラムは、サーバにて管理される起動許可情報(ライセンス情報)に基づいて起動が制御されるものであった。
【0004】
このライセンス情報は、上記クライアント用アプリケーションプログラムの起動が許可されるクライアント端末の総数で示されることが一般的であり、従来のライセンス情報の管理では、各クライアント端末にダウンロードされたクライアント用アプリケーションプログラムに基づいて各クライアント端末がサーバのサーバ用ライセンス管理部にアクセスし、サーバ側で上記ライセンス数を超えないように制限することで、クライアント用アプリケーションプログラムのライセンス管理を行っていた。
【0005】
しかしながら、上記のようなシステムにおいて、クライアント用アプリケーションプログラムのダウンロードは、このプログラムの起動要求時にOSにより自動的に行われるため、何台のクライアント端末にクライアント用アプリケーションプログラムがダウンロードされたのかをアプリケーションプログラムでは管理できず、同時にサーバにアクセスされない限り、どのクライアント端末からもアクセスが可能になってしまうという問題があった。
【0006】
このような問題を解決するために、サーバからクライアント端末にクライアント用アプリケーションプログラムをダウンロードしてインストールするクライアントサーバシステムにおいて、許可したライセンス数分の固定のクライアント端末からのみクライアント用アプリケーションプログラムの起動を可能としたクライアントライセンスの管理システムが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−23882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献1に開示された技術によれば、サーバ内の残ライセンス数を確認し、残ライセンス数が1以上であればサーバ用ライセンス管理部の残ライセンス数を1減算し、クライアント用ライセンス管理部にライセンスを登録してクライアント用アプリケーションプログラムを起動し、また、残ライセンス数が0であればクライアント用ライセンス管理部によりクライアント用アプリケーションプログラムを起動しないように制御することが可能である。
【0009】
ところで、クライアントサーバ型のシステムを利用する場合に、クライアント用アプリケーションプログラムとは別のモジュールを必要とする場合がある。例えば、TV会議システムやウェブ会議システムでは、相手側の様子を静止画や動画で表示するために、モジュール(例えば、MPEG−4)などを必要としている場合がある。
【0010】
この時に、クライアント端末にはクライアント用アプリケーションと、モジュールのそれぞれをインストールをする。このモジュールは、クライアント用アプリケーション向けのオリジナルではなく、別のアプリケーションをクライアント端末で使用するために汎用的なものである場合が多い。そのため、ユーザは、クライアント用アプリケーションと、アプリケーションを使用する際に必要となるモジュールを別々の経路でダウンロードをすることも考えられ、システムの管理者にとっては、システムの利用者数に対して、どれだけの利用者が本システム経由でモジュールをダウンロードしているのか困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、システムの利用者のうち、どれだけの利用者が当該システムを経由してモジュールを取得したのかを把握し、そこからライセンス数を適切に管理することが可能な仕組みを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
即ち、本発明は、クライアント端末と接続可能であって、当該クライアント端末に提供するモジュールと当該モジュールのライセンス情報を記憶管理する情報処理装置であって、前記クライアント端末に提供したモジュール数および該モジュールの送信先であるクライアント端末の識別情報とを記憶する第一の記憶手段と、前記クライアント端末より、前記モジュールを用いることにより利用可能な情報処理システムの利用者通知を受信する利用者通知受信手段と、前記利用者通知受信手段で受信した利用者通知を用いることにより、前記情報処理システムを利用する前記クライアント端末の識別情報を記憶する第二の記憶手段と、前記第二の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報と、前記第一の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報とを用いることにより、前記情報処理装置より前記モジュールを取得したクライアント端末の数を算定する算定手段とを備えることを特徴とする。
更に、本発明の情報処理装置は、前記クライアント端末より前記モジュールのアンインストール指示を受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段で前記クライアント端末より前記モジュールのアンインストール指示を受け付けたときに、前記第二の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報と、前記第一の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報とを用いることにより、前記クライアント端末が前記情報処理装置より前記モジュールを取得したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で前記クライアント端末が前記情報処理装置より前記モジュールを取得したと判定された場合に、前記クライアント端末より前記モジュールのアンインストールの実行が可能である旨を通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、システムの利用者のうち、どれだけの利用者が当該システムを経由してモジュールを取得したのかを把握し、そこからライセンス数を適切に管理することが可能な仕組みを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかるウェブ会議システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態において、ウェブ会議サーバ101およびクライアント端末110のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態において、ウェブ会議サーバ101が記憶するデータテーブル構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるデータ送受信処理例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態のウェブ会議サーバ101およびクライアント端末110の機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第一の実施例>
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係るウェブ会議システムでのモジュールライセンス管理の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る情報処理装置を含むウェブ会議システムの一例を示すシステム構成図である。本発明の情報処理装置に好適なクライアント端末110は、例えば、パーソナルコンピュータであり、ネットワーク通信機能を備え、LAN105(ローカルエリアネットワーク)を介してウェブ会議サーバ101、傍聴用サーバ102、録音用サーバ103とデータ通信が可能である。
【0016】
クライアント端末110は、ウェブ会議システムを利用するユーザが操作するパーソナルコンピュータであり、ウェブ会議サーバ101、傍聴用サーバ102および録音用サーバ103へアクセスするためのウェブブラウザ、及び専用のモジュールがインストールされている。なお、この専用のモジュールは、例えば、ウェブブラウザを介して、ウェブ会議サーバ101からダウンロードするActiveXコンポーネントである。なお、ウェブ会議において自身の動画像を送信する場合は、ウェブカメラ(不図示)を、音声を送信する場合は、マイク(不図示)を接続する。また、相手の音声を視聴するためにはスピーカ(不図示)を接続する。
【0017】
ウェブ会議サーバ101は、ウェブブラウザを利用したウェブ会議を実現するためのサーバである。クライアント端末110はウェブ会議サーバ101へアクセスすることにより、ウェブ会議画面(インターフェース)を取得してウェブ会議を行うことができる。
【0018】
図2は、ウェブ会議サーバ101、傍聴用サーバ102および録画用サーバ103ならびにクライアント端末110のハードウェア構成を示す図である。
【0019】
図2に示すように、ウェブ会議サーバ101、傍聴用サーバ102、録画用サーバ103およびクライアント端末110では、システムバス204を介してCPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、入力コントローラ205、ビデオコントローラ206、メモリコントローラ207、通信I/Fコントローラ208が接続される。
【0020】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
ROM203あるいは記憶装置である外部メモリ211は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本データ先指定方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0021】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは記憶装置である外部メモリ211からRAM202にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0022】
入力コントローラ205は、キーボード209からの入力を制御する。ビデオコントローラ206は、表示部の一例であるCRT210への表示出力を制御する。メモリコントローラ207は、外部メモリ211に記憶されている情報を読み出しと、外部メモリ211への情報の書き込みを制御する。
【0023】
通信I/Fコントローラ208は、通信回線と接続してデータの送受信の制御を行う。クライアント端末の場合、通信I/Fコントローラ208は、LAN105を介するデータの送受信を制御し、一方、ウェブ会議サーバ101、傍聴用サーバ102、録画用サーバ103の場合、通信I/Fコントローラ208は、同様にLAN105を介するデータの送受信の制御と、公衆回線106を介するデータの送受信の制御も行うものとする。
【0024】
なお、ウェブ会議サーバ101、傍聴用サーバ102、録画用サーバ103の外部メモリ211には、後述する図3のダウンロード数ログファイルが格納されているものとする。そして、後述の図面で説明をするフローチャートを実行するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムも、この外部メモリ211に記憶されているものとする。また、ウェブ会議サーバ101の外部メモリ211には、ウェブ会議システムを利用するユーザデータベース(不図示)が記憶されている。
【0025】
なお、外部メモリ211は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をハードディスク等の記憶装置に限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
【0026】
図4を用いて、本発明の実施の形態における処理について説明をする。本フローチャートは、外部メモリ211に格納された本発明のプログラムが、クライアント端末あるいはウェブ会議サーバのRAM202をワークエリアとしてCPU201が実行することにより実現される。
【0027】
まず、ステップS401において、クライアント端末110は、ユーザ操作を受け付けることによりウェブ会議の開始指示をウェブ会議サーバ101に送信し、ウェブ会議画面の取得要求を行う。なお、ウェブ会議の開始指示は、ウェブ会議の初期メニュー画面(不図示)に表示されている「ウェブ会議開始」ボタンの押下を受け付けることにより、開始指示をウェブ会議サーバに送信する。ウェブ会議画面取得要求の方法は、HTTPに基づいたリクエストであるHTTPリクエストをサーバーに向かって送信している。
【0028】
ステップS402において、ウェブ会議サーバ101はクライアント端末110からウェブ会議の開始指示(HTTPリクエスト)を受け付けると、受信したHTTPリクエストから、リクエストのタイプ、リクエストされたファイル、その他パラメータなどを取得して、必要な処理を行った上で、クライアント端末110にレスポンスを送信する。レスポンス情報としては、クライアント端末110で表示するウェブ会議画面を送信する(ステップS403)。ステップS404では、クライアント端末110が、ウェブ会議画面を受信して表示部(ディスプレイ210)に表示する。
【0029】
次に、クライアント端末110は、ウェブ会議を始めるにあたり、本ウェブ会議システムを利用するのに必要なクライアントモジュールがインストールされているか否かの確認を行う。クライアントモジュールがインストールされていない場合(ステップS404−2でNO)には、ステップS405に進む。また、既にクライアントモジュールがインストールされている場合(ステップS404−2でYES)には、次のステップS405〜ステップS408の処理は行わず、ステップS409に進む。
【0030】
ステップS405では、前ステップS404−2でクライアントモジュールがインストールされていないと判定された場合に、クライアント端末110がウェブ会議サーバ101に対してクライアントモジュールの取得要求を送信する。
【0031】
ウェブ会議サーバ101は、クライアントモジュールの取得要求を受け付けると、ステップS407において、クライアントモジュールを送信する。ステップS408において、クライアント端末110は、クライアントモジュールをダウンロードする。
【0032】
ステップS409において、クライアント端末110は、ウェブ会議サーバ101に対して、ライセンス情報の取得要求を送信する。このタイミングで、クライアント端末110は、ウェブ会議サーバ101で対応しているウェブ会議システムのライセンス情報を取得するために問合せを行う。ウェブ会議システムを実行するにあたり、ウェブ会議サーバ101は、例えば、動画(例えばMPEG−4)や静止画(例えばJPEG2000)のライセンスを保有している。このいずれかのライセンスを保有しているかによって、これ以降のステップにおいて、動画再生モジュール(例えばMPEG−4)のインストーラをクライアント端末にインストールするか否かが決定する。すなわち、ライセンス情報とはウェブ会議サーバ101で保有しているウェブ会議システムを実行するためのモジュールの発行権限を指している。
【0033】
ステップS410において、ウェブ会議サーバ101は、ライセンス情報の取得要求を受け付けると、本装置で保有しているウェブ会議システム再生のための再生モジュールのライセンス情報を確認し、ステップS411において、要求のあったクライアント端末110に対してライセンス情報を発行する。ステップS412でクライアント端末110は、ライセンス情報を取得する。
【0034】
ステップS413において、ウェブ会議サーバ101が保有している再生モジュールの確認を行う。具体的には、ウェブ会議サーバ101が保有しているライセンス情報が動画再生モジュール(例えば、MPEG−4)であるか否かを確認し、動画再生モジュールが利用可能であれば、ステップS414に進む。動画再生モジュールを発行できない(ライセンス情報を保有していない)ウェブ会議サーバ101であれば、本シーケンスチャートによる処理を終了させる。
【0035】
ステップS414では、クライアント端末110に既に動画再生モジュールがインストールされているか否かを確認する。インストールされている場合には、ステップS420に進んで映像を表示し、ウェブ会議を開始する。既にインストールされている状況とは、以前にクライアント端末110が本発明のウェブ会議システムに用いられてたことがあり、ウェブ会議サーバ101からインストールされている場合のことを指す。その他に、他のシステム利用に際して、本実施の形態で用いられる動画再生モジュールと同じものが既にクライアント端末110にインストールされている場合もある。動画再生モジュールがインストールされていない場合には、ステップS415に進み、ウェブ会議サーバ101に対して動画再生モジュールのインストーラ取得要求を送信する。
【0036】
ステップS416において、ウェブ会議サーバ101は、クライアント端末110からの動画再生モジュールのインストーラ取得要求を受け付けると、ステップS417において、クライアント端末110に対して動画再生モジュールのインストーラを送信する。ステップS419において、ウェブ会議サーバ101は、動画再生モジュールのインストーラの発行数を記録すべく、ダウンロード数ログファイルを生成する。ウェブ会議サーバ101は、自身の保有するライセンス情報に基づきインストーラ発行数の上限が定められているため、クライアント端末110にインストーラを発行した数を記憶しておかないと、無制限にインストーラを発行することが可能になってしまう。この状況を防ぐために、クライアント端末110によってダウンロードされた数を記録しておく必要がある。なお、ダウンロード数ログファイルは、後述の図3において詳細に説明をする。
【0037】
ステップS418において、クライアント端末110は、動画再生モジュールのインストーラをダウンロードする。ダウンロード後、クライアント端末に動画再生モジュールがインストールされると、ステップS420で、クライアント端末110は、ウェブ会議システムを利用すべく、利用者通知を送信する。
【0038】
ステップS419において、ウェブ会議サーバ101は、動画再生モジュールをダウンロードしたクライアント端末110のログ(ダウンロード情報)を生成する。ここで生成されるダウンロード情報は、図3に示す情報を備えている。
【0039】
また、ステップS421において、クライアント端末110からウェブ会議システムの利用通知を受信すると、利用者数ログファイルを更新する。
【0040】
図3は、ステップS419においてウェブ会議サーバ101が、動画再生モジュールのインストーラを発行したクライアント端末110の数を記録するためのダウンロード数ログファイルのデータテーブル構成を示す図である。
【0041】
301は、クライアント端末を一意に識別する情報である。例えば、クライアント端末情報は、パーソナルコンピュータのシリアル番号や、MACアドレス、管理番号等が本項目に記録される。
【0042】
302は、モジュールをインストールした日時を示す登録日時の情報であり、ウェブ会議サーバ101がクライアント端末110にモジュールのインストーラを送信した日時が本項目には記録される。
【0043】
303は、更新日時を示す情報である。初めて動画再生モジュールをダウンロードするクライアント端末110であれば登録日時の情報と同じ日時の値が記録され、すでに一度登録を行っているクライアント端末110であれば、今回モジュールを取得した日時が本項目に記録される。
【0044】
また、ライセンス発行数300を記録しておくことにより、ダウンロード数ログファイルを生成した数と、動画再生モジュールを発行した数とを一致させる。
【0045】
図3のダウンロード情報を記録しておくことにより、ウェブ会議サーバ101は、どのクライアント端末110に動画再生モジュールのライセンスを附与したか容易に確認することが可能になる。
【0046】
図5は、本発明のウェブ会議システムに用いられるウェブ会議サーバ101の機能構成を示すブロック図である。
ウェブ会議サーバ101は、本実施の形態のユーザ管理部501、ルーム管理部502、予約管理部503、システム管理部504をウェブ会議システムの予約システム500として備えている。
また、ダウンロード数制御部512、利用者数制御部513、入退室制御部514、メディア制御部515を呼応制御部511として備えており、またメディアデータ配信制御部520を備えているビデオ会議部510がある。
【0047】
<第二の実施例>
第一の実施例においては、ウェブ会議サーバ101がクライアント端末110にクライアント用アプリケーションおよび動画再生モジュールを送信し、モジュールのダウンロード数およびダウンロードしたクライアント端末110の識別番号を記憶していた。第二の実施例においては、傍聴用サーバ102、録音用サーバ103など、本来のウェブ会議サーバ101の働きとは異なる、特別なサーバがウェブ会議システムの構成に組み込まれている場合、若しくはウェブ会議サーバ101を複数台用いることにより本実施の形態におけるウェブ会議システムを実現している場合について説明をする。
【0048】
傍聴用サーバ102、および録音用サーバ103は、ウェブ会議サーバ101と同様、クライアント端末110からクライアント用アプリケーションの取得要求を受け付けてクライアント用アプリケーションを発行すると、動画再生モジュールのライセンス情報を発行する(クライアント端末110に、動画再生モジュールがインストールされていない場合)。
【0049】
この時、それぞれの101〜103のサーバは、それぞれアクセスを受け付けたクライアント端末110の識別情報(図3の301)を記憶して、ダウンロード数ログファイルを生成する。この場合、それぞれのサーバに、モジュールのダウンロード数およびクライアント端末の識別情報が記憶されるため、適切なタイミングでサーバに記憶されている情報を同期をする必要がある。
【0050】
例えば、クライアント端末100が、ウェブ会議サーバ101にアクセスしてウェブ会議に参加し、動画再生モジュールをインストールした後に、録画用サーバ103にアクセスした場合、録画用サーバ103は、クライアント端末110の識別情報を記憶していないため、当該クライアント端末が、本ウェブ会議システムを経由して動画再生モジュールをインストールしたのか、外部のシステムを経由してインストールしたのかを判断することができない。また、ウェブ会議システムとしてモジュールのダウンロード数に上限がある場合、それぞれのサーバでのみダウンロード数の記憶管理を行っていても、システムとしての総数が把握できないため、定められたライセンス数を超えて発行してしまうおそれもある。
【0051】
そこで、ウェブ会議システムを構成しているサーバは、それぞれ、クライアント端末のダウンロード数ログファイルを記憶しておき、定期的にシステムの親サーバ(中心的な役割を果たす、処理速度等のスペックが高いサーバなど)に、ダウンロード数ログファイルおよび、クライアント端末の識別情報を送信して、情報の同期を図る。若しくは、それぞれのサーバがお互いの情報を送信して、全てのサーバが同じ情報を揃えておくことが望ましい。
【0052】
以上、第二の実施形態においては、一つのサーバ、若しくは全てのサーバにクライアント端末110のダウンロード数およびダウンロードしたクライアント端末の識別情報を記憶させておくことにより、クライアント端末110が通常とは異なる使用方法でウェブ会議システムにアクセスした場合であっても、動画再生モジュールを本ウェブ会議システムを経由してインストールしたのか、外部からインストールしたのかを把握することが可能になる。
【0053】
なお、通常のクライアント―サーバ型システムにおいて、クライアント端末110にインストールされる動画再生モジュールは、当該システム(本実施の形態で言うところのウェブ会議システム)にのみ用いられる専用の動画再生モジュールという訳ではなく、他のアプリケーション利用時にも適用可能な規格のモジュールを想定している(例えば、MPEG−4)。そのため、クライアント端末から、クライアント用アプリケーション(若しくは、クライアントモジュール)をアンインストールする場合に全てのクライアント端末110から動画再生モジュールをアンインストールすることができなかった(動画再生モジュールが別のクライアント用アプリケーションに適用されている可能性が高いため)。
【0054】
しかしながら、本実施の形態においては、ダウンロード時に、クライアント端末の識別情報(図3の301)と、クライアント端末110からの利用者通知(ステップS421で、クライアント端末の識別情報を受信)とをウェブ会議サーバ101で記憶管理していることから、実際の利用者のうち、本ウェブ会議システム経由でモジュールを取得した利用者であれば、クライアント用アプリケーションのアンインストール時に、当該モジュールも同時にアンインストールをすることが可能である。
【0055】
本実施の形態では、クライアント用アプリケーションのアンインストール指示をクライアント端末110で受け付けると、ウェブ会議サーバ101にクライアント用アプリケーションと動画再生モジュールのアンインストール指示と、クライアント端末の識別情報(図3の301)を送信する。ウェブ会議サーバ101は、クライアント端末110からのアンインストール指示およびクライアント端末情報を受け付けると(指示受付手段に相当)、当該クライアント端末にインストールされているモジュールも同時にアンインストールすべきか否かを判定する。動画再生モジュールをインストールする時に、ウェブ会議サーバ101に記憶しているダウンロード数ログファイル(図3)から、クライアント端末の端末識別情報301を取得することが可能である。よって、クライアント端末110からクライアントモジュール(クライアント用アプリケーション)をアンインストールする場合には、クライアント端末110の端末識別情報301を確認すれば、本ウェブ会議システムの利用に際してダウンロードした動画再生モジュールであるか否かを判断することが可能になる。
【0056】
本ウェブ会議システムの利用に際してダウンロードした動画再生モジュールであると判断された場合には、クライアント端末110に対して、動画再生モジュールをアンインストール可能である旨を通知することが可能である。また、本ウェブ会議システムの利用に際してダウンロードした動画再生モジュールではなければ、クライアント用アプリケーションのアンインストール時に、当該モジュールの同時アンインストールは行わないものとする。
【0057】
更に、本発明におけるウェブ会議システムの実施の形態では、ウェブ会議システムの利用に、利用者通知(具体的には、端末識別情報)を送信している(ステップS421)。ウェブ会議サーバ101で、ウェブ会議システムの利用者数ログファイルおよびダウンロード数ログファイルのそれぞれ記憶されている端末識別情報(301)を突き合わせすることにより、全ユーザの中から、本ウェブ会議システムを経由して動画再生モジュールをインストールしたユーザ(クライアント端末110)はどれだけいるのかを、算定することが可能である(本発明の算定手段に相当する)。これにより、本ウェブ会議システムの利用者マーケティングのツールとなどに用いられることが想定される。
【0058】
更に、別のユースケースとしては、本ウェブ会議システムに使用されるクライアント端末110(利用者数ログファイルから取得できるクライアント端末110の情報)のうち、本ウェブ会議システムから動画再生モジュールをダウンロードしたクライアント端末110の正確な数を取得することにより、ダウンロード数に応じてライセンスロイヤリティの支払料が変動するような場合には、動画再生モジュールの利用者数を基準とした算定ではなく、本ウェブ会議システムからのダウンロード数を基準とした支払料金の算定方法を採用することが可能になり、モジュールの頒布者にとっては、適切な金額でのロイヤリティ支払いを実現するための手段となりうる。
【0059】
上記のとおり、本発明によれば、システムの利用者のうち、どれだけの利用者が当該システムを経由してモジュールを取得したのかを把握し、そこからライセンス数を適切に管理することが可能な仕組みを提供することが可能になる。
【0060】
具体的に、本発明は、クライアント端末と接続可能であって、当該クライアント端末に提供するモジュールと当該モジュールのライセンス情報を記憶管理する情報処理装置であって、前記クライアント端末に提供したモジュール数および該モジュールの送信先であるクライアント端末の識別情報とを記憶する第一の記憶手段と、前記クライアント端末より、前記モジュールを用いることにより利用可能な情報処理システムの利用者通知を受信する利用者通知受信手段と、前記利用者通知受信手段で受信した利用者通知を用いることにより、前記情報処理システムを利用する前記クライアント端末の識別情報を記憶する第二の記憶手段と、前記第二の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報と、前記第一の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報とを用いることにより、前記情報処理装置より前記モジュールを取得したクライアント端末の数を算定する算定手段とを備えることを特徴とする。
なお、本実施の形態では、ウェブ会議システムを代表例とするクライアント―サーバ型の情報処理システムにおける、モジュールのライセンス管理方法について説明をしたが、本発明は、ウェブ会議システムにのみ適用されるものではなく、クライアント―サーバ型の情報処理システムであって、サーバからクライアント端末で使用するためのモジュールを発行する構成をとっている情報処理システムであれば、適用可能であることは言うまでもない。
【0061】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
また、本発明におけるプログラムは、図4に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図4の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図4の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0062】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0063】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0064】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0065】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0066】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0067】
101 ウェブ会議サーバ
102 傍聴用ウェブ会議サーバ
103 録音用ウェブ会議サーバ
110 クライアント端末
105 LAN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末と接続可能であって、当該クライアント端末に提供するモジュールと当該モジュールのライセンス情報を記憶管理する情報処理装置であって、
前記クライアント端末に提供したモジュール数および該モジュールの送信先であるクライアント端末の識別情報とを記憶する第一の記憶手段と、
前記クライアント端末より、前記モジュールを用いることにより利用可能な情報処理システムの利用者通知を受信する利用者通知受信手段と、
前記利用者通知受信手段で受信した利用者通知を用いることにより、前記情報処理システムを利用する前記クライアント端末の識別情報を記憶する第二の記憶手段と、
前記第二の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報と、前記第一の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報とを用いることにより、前記情報処理装置より前記モジュールを取得したクライアント端末の数を算定する算定手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記クライアント端末より前記モジュールのアンインストール指示を受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段で前記クライアント端末より前記モジュールのアンインストール指示を受け付けたときに、前記第二の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報と、前記第一の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報とを用いることにより、前記クライアント端末が前記情報処理装置より前記モジュールを取得したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で前記クライアント端末が前記情報処理装置より前記モジュールを取得したと判定された場合に、前記クライアント端末より前記モジュールのアンインストールの実行が可能である旨を通知する第一の通知手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段で前記クライアント端末が前記情報処理装置より前記モジュールを取得していないと判定された場合に、前記クライアント端末より前記モジュールのアンインストールの実行ができない旨を通知する第二の通知手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記情報処理装置の通信により、前記第一の記憶手段で記憶した前記クライアント端末に提供したモジュール数および該モジュールの送信先であるクライアント端末の識別情報を同期する同期手段
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
クライアント端末と接続可能であって、前記クライアント端末に提供したモジュール数および該モジュールの送信先であるクライアント端末の識別情報とを記憶する第一の記憶手段と、情報処理システムを利用する該クライアント端末の識別情報を記憶する第二の記憶手段と、該クライアント端末に提供するモジュールと当該モジュールのライセンス情報を記憶管理する情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置の利用者通知手段が、前記クライアント端末より、前記モジュールを用いることにより利用可能な情報処理システムの利用者通知を受信する利用者通知受信ステップと、
前記情報処理装置の算定手段が、前記第二の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報と、前記第一の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報とを用いることにより、前記情報処理装置より前記モジュールを取得したクライアント端末の数を算定する算定ステップ
とを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
クライアント端末と接続可能であって、前記クライアント端末に提供したモジュール数および該モジュールの送信先であるクライアント端末の識別情報とを記憶する第一の記憶手段と、情報処理システムを利用する該クライアント端末の識別情報を記憶する第二の記憶手段と、該クライアント端末に提供するモジュールと当該モジュールのライセンス情報を記憶管理する情報処理装置を制御するプログラムであって、
前記クライアント端末より、前記モジュールを用いることにより利用可能な情報処理システムの利用者通知を受信する利用者通知受信手段と、
前記第二の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報と、前記第一の記憶手段で記憶した前記クライアント端末の識別情報とを用いることにより、前記情報処理装置より前記モジュールを取得したクライアント端末の数を算定する算定手段
として機能させることを特徴とするコンピュータで読み取り実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−168692(P2012−168692A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28444(P2011−28444)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(399107177)キヤノンソフト情報システム株式会社 (20)
【Fターム(参考)】