情報処理装置、及びその制御方法、並びにプログラム
【課題】 従来のズーム操作方法では、思い通りのズームスピードを実現できないために被写体を思い通りの大きさに捉えることができず、微妙なズームアップ及びズームバックの繰り返しによる調整が必要になる。
【解決手段】 ズーム倍率とズーム速度を同時に指定し、該指定に従ってズーム倍率とズーム速度を解釈し、解釈したズーム倍率に基づいて、解釈したズーム速度でズーミング処理を行う。
【解決手段】 ズーム倍率とズーム速度を同時に指定し、該指定に従ってズーム倍率とズーム速度を解釈し、解釈したズーム倍率に基づいて、解釈したズーム速度でズーミング処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置において、ズーム操作を行うためのユーザ・インタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラや編集装置等でズーム操作を行う場合、従来のズーム操作方法では、思い通りのズームスピードを実現できないために被写体を思い通りの大きさに捉えることができず、微妙なズームアップ及びズームバックの繰り返しによる調整が必要になる。従来の情報処理装置において、ユーザがズーム後の構図あるいは倍率を指定すると装置が自動でズーミング処理を行うための方法が提案されている。例えば、特許文献1では、ズーム後の倍率を決定するための方法が提案されている。また、特許文献2では、人物像を目標サイズにするのに必要な最適画角を算出する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−252370
【特許文献2】特開2008−252711
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示されたような技術によれば、ズーム後の倍率をユーザが決定した後に機器が自動でズーミング処理を行うので、ズームスピードを調整するのが難しいという問題は解決されている。更に、特許文献2で開示されたような技術によれば、画像が人物像の場合にズーム後の構図の指定方法が容易になるというメリットがある。
【0005】
しかしながら、いずれの技術においてもズームスピードを容易に指定する方法までは考慮されていない。特に、ユーザがズーム処理を行う度にズームスピードを変更する場合を考慮して、ズームスピードを容易に設定できる必要がある。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、ズーム後の倍率とズーム速度を容易に指定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、
ズーム倍率とズーム速度を同時に指定する指定手段と、
該指定に従ってズーム倍率を解釈する倍率解釈手段と、
該指定に従ってズーム速度を解釈する速度解釈手段と、
前記倍率解釈手段にて解釈したズーム倍率に基づいて前記速度解釈手段にて解釈したズーム速度でズーミング処理を行うズーミング処理手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
ズーム倍率とズーム速度を同時に指定できるため、ズーム制御をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の情報処理装置の構成図の一例である。
【図2】本発明の情報処理装置におけるズーミング処理の基本となる動作手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例1に係る情報処理装置の動作を説明する図である。
【図4】本発明の実施例1に係るズーム速度解釈手段の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例2に係る情報処理装置の動作を説明する図である。
【図6】本発明の実施例2に係るズーム速度解釈手段の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例3に係る情報処理装置の動作を説明する図である。
【図8】本発明の実施例3に係るズーミング処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例3に係るズーミング処理時の動作の一例を説明する図である。
【図10】本発明の実施例4に係る情報処理装置の動作を説明する図である。
【図11】本発明の実施例4に係るズーミング処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例4に係る情報処理装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明していく。
【0011】
(実施例1)
図1に、本発明における情報処理装置の構成図の一例を示す。図1に示すように、本実施例の情報処理装置は、表示部101、操作部102、制御部103、記憶部104、ズーム制御部105から構成されている。
【0012】
表示部101は液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置から構成され、画像や文字等により構成される各種の情報を表示する。タッチパネル式の表示装置を用いる場合は後述の操作部102としての機能も有する。
【0013】
操作部102は各種スイッチやボタン、タッチパネル、ペン、タブレット等の入力装置から構成され、各種の指示やテキストデータ等を本情報処理装置に入力するための入力インタフェースとして機能する。
【0014】
制御部103はワークメモリ(例えばRAM)やCPU、MPU、ROM等により構成されており、記憶部104に記憶されたプログラムやデータを読み出して各種の処理を実行する。
【0015】
記憶部104は、各種情報を保存するためのハードディスクドライブ装置や、情報処理システムに各種の情報を提供するためのCD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体により構成されている。
【0016】
ズーム制御部105は、ズーミング処理を制御する装置である。本情報処理装置がデジタルカメラの場合は、光学ズームの場合はレンズ群と該レンズを駆動制御する装置等から構成され、デジタルズームの場合は画像処理装置から構成される。本情報処理装置が編集装置の場合は、前述のデジタルズームの場合と同様に、画像処理装置から構成される。
【0017】
次に、上記構成を有する実施例1に係る情報処理装置の動作例について、図2〜図4を用いて説明する。
【0018】
図2は、本実施例における情報処理装置のズーム処理の基本となる動作手順を示すフローチャートである。
【0019】
まず、ステップS201において、ユーザの操作によりズーム倍率とズーム速度が同時に指定される(指定手段)。
【0020】
続いて、前段のステップS201で指定されたズーム倍率を解釈する(ステップS202:ズーム倍率解釈手段)。
【0021】
次に、前段のステップS201で指定されたズーム速度を解釈する(ステップS203:ズーム速度解釈手段)。
【0022】
続いて、ズーム制御部105は、ステップS202にて解釈したズーム倍率になるまで、ステップS203にて解釈したズーム速度でズーミング処理を行う(ステップS204:ズーミング処理手段)。
【0023】
図3に、本実施例における情報処理装置に動作例を示す。図3(a)では、デジタルカメラの表示部101にあらかじめズーム倍率の候補301〜303を表示している。ズーム倍率の候補に関しては、あらかじめ定めた倍率(例えば、1.5倍/2倍/2.5倍)でもよいし、既存の技術を利用することにより算出した最適画角の候補(例えば人物像の場合は、ウエストアップ/バストアップ/フェイスアップ等)でもよい。ユーザがスタイラスや指を用いてズーム倍率の候補301〜303のいずれかの上に数字を記入することにより、ズーム後の倍率及び速度の指定を同時に行う。
【0024】
ズーム倍率解釈手段では、ズーム倍率の候補301〜303のうち、上に数字が記入された候補の倍率を、ズーム倍率として解釈する。
【0025】
続いて、実施例1におけるズーム速度解釈手段の処理に関するフローチャートを図4に示す。図4は前述した図2のステップS203のサブフローに該当する。
【0026】
まずステップS401において、ユーザが記入した数字を既存の文字認識技術を利用して認識する。認識した数字はズームにかかる秒数として扱う。
【0027】
続いてステップS402において、指定された時間でズームできるようにズーム速度(ズーム速度=ズーム量/指定された時間)を計算する。例えば、3秒間で2.5倍ズームインするのであれば、ズーム速度は2.5倍/3秒となる。このとき、あらかじめ決められたズーム速度のうち、1番近い値に設定してもよい。例えば、‘0’と入力されたときはズーム速度を最大速度に設定する。
【0028】
図3(b)は、ユーザが指を用いてズーム倍率の候補302の上に数字“2”を記入した場合の例を示している。このユーザ操作により、302に設定されている倍率に2秒間かけてズームする。同様に、図3(c)は、ユーザが指を用いてズーム倍率の候補303の上に数字“3”を書いた場合の例を示している。このユーザ操作により、303に設定されている倍率に3秒間かけてズームする。
【0029】
以上説明したように、実施例1によれば、ズーム倍率とズーム速度を同時に指定できるため、ユーザがズーム処理を行う度にズームスピードを変更する場合でもズームスピードを容易に設定できる。
【0030】
(実施例2)
実施例1では、ズーム速度の指定をズームにかかる時間で指定する例について説明した。これに対し、本実施例では、ズーム速度の指定を、あらかじめ定められた文字や記号で指定する例について説明する。
【0031】
図5に、本実施例における情報処理装置の動作例を示す。基本的には図3(a)と同様で、デジタルカメラの表示部101にあらかじめズーム倍率の候補301〜303を表示している。図3の例(b)、(c)と異なる点は、ズーム速度の解釈手段の処理であり、この処理のフローチャートを図6に示す。図6は前述した図2のステップS203のサブフローに該当する。
【0032】
まずステップS601において、ユーザが記入した文字を既存の文字認識技術を利用して文字を認識する。この場合、ユーザが記入する文字はアルファベットや記号等、数字に限らない。
【0033】
続いてステップS602において、あらかじめ定めたルールに従い、認識した文字に応じてズーム速度を決定する。続いて前記ルールについて説明する。ズーム速度の設定候補に対してそれぞれ文字を割り当てておき、該当する文字を認識した場合、ズーム速度を該対応する値に決定する。例えば、文字が‘1’であれば‘スピード1’、 ‘2’であれば‘スピード2’というルールにした場合は、ユーザが‘1’と記入した場合にズーム速度を‘スピード1’に決定する。同様に、文字が‘H’であれば‘ズーム速度1’、‘L’であれば‘ズーム速度5’というルールにした場合は、ユーザが‘L’と記入した場合にズーム速度を‘ズーム速度5’に決定する。
【0034】
図5では、ユーザが指を用いてズーム倍率の候補302の上に数字“2”を記入した場合の例を示している。このユーザ操作により、302に設定されている倍率にズーム速度‘スピード2’でズームする。
【0035】
以上説明したように、実施例2によれば、実施例1と同様に、ズーム倍率とズーム速度を同時に指定できるため、ユーザがズーム処理を行う度にズームスピードを変更する場合でもズームスピードを容易に設定できる。
【0036】
(実施例3)
実施例1、実施例2では、表示部101にあらかじめズーム倍率の候補を表示しておき、ユーザが選択する例について説明した。これに対し、本実施例では、あらかじめズーム倍率の候補を表示しない場合にユーザがズーム倍率とズーム速度を指定する例について説明する。
【0037】
図7に、本実施例における情報処理装置の動作例を示す。同図(a)はズームインする例であり、同図(b)はズームアウトする例である。このときの動作を、図8に示すフローチャートとともに説明する。
【0038】
ユーザは表示部101上に範囲指定することにより、ズーム倍率の大きさを指定する(702、707、ステップS801)。本情報処理装置は、指定された範囲を認識し、指定された画面が入るような最適な四角形を算出する。具体的には、画面(画像)の縦横比をもつ四角形のうち、指定された範囲を含む最小の四角形を算出する(ステップS802)。ズーム倍率は、該四角形の大きさと、後段で決定されるズームインあるいはズームアウトかに基づいて算出される。
【0039】
続いて、算出した四角形とズームアイコン(TおよびW)を表示部101に表示する(703、708、ステップS803)。
【0040】
次に、ユーザ操作により、前記ズームアイコン上に文字が記入されると(704、709、ステップS804)、ステップS805へと進む。
【0041】
ステップS805では、ズームアイコン(TおよびW)のうち、どちらのアイコンの上に文字が記入されたかに応じてズームインかズームアウトのいずれかを判別する。ここでは、数字がTの上に記入された場合はズームイン、Wの上に記入された場合はズームアウトと判別する。ズームインの場合は、ステップS803で表示した四角形の大きさが画面サイズになるまでズームインしたときの倍率をズーム倍率とする。また、ズームアウトの場合は、画面サイズが、ステップS803で表示した算出した四角形の大きさになるまでズームアウトしたときの倍率をズーム倍率とする。
【0042】
続いて、ステップS805で算出したズーム倍率がズーム可能な範囲内かどうかを判別する(ステップS806)。ズーム可能な範囲内であれば(ステップS806でYES)、ステップS805で算出したズーム倍率をそのまま用いることとし、ステップS808へと進む。一方、ズーム可能な範囲に入っていない場合(ステップS806でNO)は、ズーム倍率を限界値に決定し、その旨を通知する(ステップS807)。例えば、指定されたズーム倍率は3.5倍だったが、ズーム可能な範囲が2倍までだった場合は、ズーム倍率を2倍に決定し、その旨を通知する。
【0043】
続いて、文字を認識し、ズーム速度を解釈する(ステップS808)。このズーム速度の解釈方法に関しては、前述の実施例1あるいは実施例2で述べた方法を利用する。
【0044】
続いて、ズーム制御部105は、ステップS806あるいはステップS807で確定したズーム倍率になるまで、ステップS808にて設定したズーム速度でズーミング処理を行う(ステップS809)。このとき、図9の901のスライダーバーに示すように、現在の倍率とズーム前の倍率902、ズーム後の倍率903、ズーム方向(矢印)がユーザにわかるような表示を行う。自動でズームを行うとユーザはズーム状況がわかりにくいが、これらの情報を呈示することにより、ユーザはズーム状況を容易に把握することができる。
【0045】
以上説明したように、実施例3によれば、実施例1や実施例2と同様に、ズーム倍率とズーム速度を同時に指定できるため、ユーザがズーム処理を行う度にズームスピードを変更する場合でもズームスピードを容易に設定できる。
【0046】
(実施例4)
実施例3では、あらかじめズーム倍率の候補を表示しない場合にユーザがズーム倍率とズーム速度を同時に指定する例について示した。そのうち、実施例3ではユーザの範囲入力に対して四角形とズームアイコン(TおよびW)を表示する例を示した。これに対し、本実施例ではユーザの範囲入力に対して四角形だけを表示する例を示す。
【0047】
図10に、本実施例における情報処理装置の動作例を示す。同図(a)はズームインする例であり、同図(b)はズームアウトする例である。同図において、図7と異なる点は、1001〜1004で示した部分であり、図7と同一の部分に関しては図7と同一の符号(701、702、705〜707、710)で示した。
【0048】
このときの動作を、図11に示すフローチャートとともに説明する。図11においても同様に、図8と同一の部分に関しては図8と同一の符号(ステップS801、802、806〜809)で示した。ここでは、実施例3と異なる部分(ステップS1101〜1103)についてのみ説明する。
【0049】
本実施例では、ステップS802にて四角形を算出すると、算出した四角形を表示部101に表示する(1001、1003、ステップS1101)。
【0050】
次に、ユーザ操作により、表示部101上に文字が記入されると(1002、1004、ステップS1102)、ステップS1103へと進む。
【0051】
ステップS1103では、ステップS1101で表示した四角形に対する文字の相対位置に応じてズームインかズームアウトのいずれかを判別する。例えば、図12のように、四角形の縦辺の中点を結んだ線分1201を基準にし、文字が線分1201より上側か下側かを判別する。具体的には文字全体の面積1202のうち、線分1201より上側の面積1203と下側の面積1204を比較する。上側の面積1203の方が大きい場合はズームイン、下側の面積1204の方が大きい場合はズームアウトと決定する。尚、面積が同じ場合はユーザに再度記入してもらう等の処理を行う。ズームインの場合は、ステップS1101で表示した四角形の大きさが画面サイズになるまでズームインしたときの倍率をズーム倍率とする。また、ズームアウトの場合は、画面サイズが、ステップS1101で表示した算出した四角形の大きさになるまでズームアウトしたときの倍率をズーム倍率とする。以降はステップS806へと進み、実施例3と同様である。
【0052】
以上説明したように、実施例4によれば、実施例1〜3と同様に、ズーム倍率とズーム速度を同時に指定できるため、ユーザがズーム処理を行う度にズームスピードを変更する場合でもズームスピードを容易に設定できる。
【符号の説明】
【0053】
101 表示部
102 操作部
103 制御部
104 記憶部
105 ズーム制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置において、ズーム操作を行うためのユーザ・インタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラや編集装置等でズーム操作を行う場合、従来のズーム操作方法では、思い通りのズームスピードを実現できないために被写体を思い通りの大きさに捉えることができず、微妙なズームアップ及びズームバックの繰り返しによる調整が必要になる。従来の情報処理装置において、ユーザがズーム後の構図あるいは倍率を指定すると装置が自動でズーミング処理を行うための方法が提案されている。例えば、特許文献1では、ズーム後の倍率を決定するための方法が提案されている。また、特許文献2では、人物像を目標サイズにするのに必要な最適画角を算出する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−252370
【特許文献2】特開2008−252711
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示されたような技術によれば、ズーム後の倍率をユーザが決定した後に機器が自動でズーミング処理を行うので、ズームスピードを調整するのが難しいという問題は解決されている。更に、特許文献2で開示されたような技術によれば、画像が人物像の場合にズーム後の構図の指定方法が容易になるというメリットがある。
【0005】
しかしながら、いずれの技術においてもズームスピードを容易に指定する方法までは考慮されていない。特に、ユーザがズーム処理を行う度にズームスピードを変更する場合を考慮して、ズームスピードを容易に設定できる必要がある。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、ズーム後の倍率とズーム速度を容易に指定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、
ズーム倍率とズーム速度を同時に指定する指定手段と、
該指定に従ってズーム倍率を解釈する倍率解釈手段と、
該指定に従ってズーム速度を解釈する速度解釈手段と、
前記倍率解釈手段にて解釈したズーム倍率に基づいて前記速度解釈手段にて解釈したズーム速度でズーミング処理を行うズーミング処理手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
ズーム倍率とズーム速度を同時に指定できるため、ズーム制御をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の情報処理装置の構成図の一例である。
【図2】本発明の情報処理装置におけるズーミング処理の基本となる動作手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例1に係る情報処理装置の動作を説明する図である。
【図4】本発明の実施例1に係るズーム速度解釈手段の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例2に係る情報処理装置の動作を説明する図である。
【図6】本発明の実施例2に係るズーム速度解釈手段の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例3に係る情報処理装置の動作を説明する図である。
【図8】本発明の実施例3に係るズーミング処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例3に係るズーミング処理時の動作の一例を説明する図である。
【図10】本発明の実施例4に係る情報処理装置の動作を説明する図である。
【図11】本発明の実施例4に係るズーミング処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例4に係る情報処理装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明していく。
【0011】
(実施例1)
図1に、本発明における情報処理装置の構成図の一例を示す。図1に示すように、本実施例の情報処理装置は、表示部101、操作部102、制御部103、記憶部104、ズーム制御部105から構成されている。
【0012】
表示部101は液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置から構成され、画像や文字等により構成される各種の情報を表示する。タッチパネル式の表示装置を用いる場合は後述の操作部102としての機能も有する。
【0013】
操作部102は各種スイッチやボタン、タッチパネル、ペン、タブレット等の入力装置から構成され、各種の指示やテキストデータ等を本情報処理装置に入力するための入力インタフェースとして機能する。
【0014】
制御部103はワークメモリ(例えばRAM)やCPU、MPU、ROM等により構成されており、記憶部104に記憶されたプログラムやデータを読み出して各種の処理を実行する。
【0015】
記憶部104は、各種情報を保存するためのハードディスクドライブ装置や、情報処理システムに各種の情報を提供するためのCD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体により構成されている。
【0016】
ズーム制御部105は、ズーミング処理を制御する装置である。本情報処理装置がデジタルカメラの場合は、光学ズームの場合はレンズ群と該レンズを駆動制御する装置等から構成され、デジタルズームの場合は画像処理装置から構成される。本情報処理装置が編集装置の場合は、前述のデジタルズームの場合と同様に、画像処理装置から構成される。
【0017】
次に、上記構成を有する実施例1に係る情報処理装置の動作例について、図2〜図4を用いて説明する。
【0018】
図2は、本実施例における情報処理装置のズーム処理の基本となる動作手順を示すフローチャートである。
【0019】
まず、ステップS201において、ユーザの操作によりズーム倍率とズーム速度が同時に指定される(指定手段)。
【0020】
続いて、前段のステップS201で指定されたズーム倍率を解釈する(ステップS202:ズーム倍率解釈手段)。
【0021】
次に、前段のステップS201で指定されたズーム速度を解釈する(ステップS203:ズーム速度解釈手段)。
【0022】
続いて、ズーム制御部105は、ステップS202にて解釈したズーム倍率になるまで、ステップS203にて解釈したズーム速度でズーミング処理を行う(ステップS204:ズーミング処理手段)。
【0023】
図3に、本実施例における情報処理装置に動作例を示す。図3(a)では、デジタルカメラの表示部101にあらかじめズーム倍率の候補301〜303を表示している。ズーム倍率の候補に関しては、あらかじめ定めた倍率(例えば、1.5倍/2倍/2.5倍)でもよいし、既存の技術を利用することにより算出した最適画角の候補(例えば人物像の場合は、ウエストアップ/バストアップ/フェイスアップ等)でもよい。ユーザがスタイラスや指を用いてズーム倍率の候補301〜303のいずれかの上に数字を記入することにより、ズーム後の倍率及び速度の指定を同時に行う。
【0024】
ズーム倍率解釈手段では、ズーム倍率の候補301〜303のうち、上に数字が記入された候補の倍率を、ズーム倍率として解釈する。
【0025】
続いて、実施例1におけるズーム速度解釈手段の処理に関するフローチャートを図4に示す。図4は前述した図2のステップS203のサブフローに該当する。
【0026】
まずステップS401において、ユーザが記入した数字を既存の文字認識技術を利用して認識する。認識した数字はズームにかかる秒数として扱う。
【0027】
続いてステップS402において、指定された時間でズームできるようにズーム速度(ズーム速度=ズーム量/指定された時間)を計算する。例えば、3秒間で2.5倍ズームインするのであれば、ズーム速度は2.5倍/3秒となる。このとき、あらかじめ決められたズーム速度のうち、1番近い値に設定してもよい。例えば、‘0’と入力されたときはズーム速度を最大速度に設定する。
【0028】
図3(b)は、ユーザが指を用いてズーム倍率の候補302の上に数字“2”を記入した場合の例を示している。このユーザ操作により、302に設定されている倍率に2秒間かけてズームする。同様に、図3(c)は、ユーザが指を用いてズーム倍率の候補303の上に数字“3”を書いた場合の例を示している。このユーザ操作により、303に設定されている倍率に3秒間かけてズームする。
【0029】
以上説明したように、実施例1によれば、ズーム倍率とズーム速度を同時に指定できるため、ユーザがズーム処理を行う度にズームスピードを変更する場合でもズームスピードを容易に設定できる。
【0030】
(実施例2)
実施例1では、ズーム速度の指定をズームにかかる時間で指定する例について説明した。これに対し、本実施例では、ズーム速度の指定を、あらかじめ定められた文字や記号で指定する例について説明する。
【0031】
図5に、本実施例における情報処理装置の動作例を示す。基本的には図3(a)と同様で、デジタルカメラの表示部101にあらかじめズーム倍率の候補301〜303を表示している。図3の例(b)、(c)と異なる点は、ズーム速度の解釈手段の処理であり、この処理のフローチャートを図6に示す。図6は前述した図2のステップS203のサブフローに該当する。
【0032】
まずステップS601において、ユーザが記入した文字を既存の文字認識技術を利用して文字を認識する。この場合、ユーザが記入する文字はアルファベットや記号等、数字に限らない。
【0033】
続いてステップS602において、あらかじめ定めたルールに従い、認識した文字に応じてズーム速度を決定する。続いて前記ルールについて説明する。ズーム速度の設定候補に対してそれぞれ文字を割り当てておき、該当する文字を認識した場合、ズーム速度を該対応する値に決定する。例えば、文字が‘1’であれば‘スピード1’、 ‘2’であれば‘スピード2’というルールにした場合は、ユーザが‘1’と記入した場合にズーム速度を‘スピード1’に決定する。同様に、文字が‘H’であれば‘ズーム速度1’、‘L’であれば‘ズーム速度5’というルールにした場合は、ユーザが‘L’と記入した場合にズーム速度を‘ズーム速度5’に決定する。
【0034】
図5では、ユーザが指を用いてズーム倍率の候補302の上に数字“2”を記入した場合の例を示している。このユーザ操作により、302に設定されている倍率にズーム速度‘スピード2’でズームする。
【0035】
以上説明したように、実施例2によれば、実施例1と同様に、ズーム倍率とズーム速度を同時に指定できるため、ユーザがズーム処理を行う度にズームスピードを変更する場合でもズームスピードを容易に設定できる。
【0036】
(実施例3)
実施例1、実施例2では、表示部101にあらかじめズーム倍率の候補を表示しておき、ユーザが選択する例について説明した。これに対し、本実施例では、あらかじめズーム倍率の候補を表示しない場合にユーザがズーム倍率とズーム速度を指定する例について説明する。
【0037】
図7に、本実施例における情報処理装置の動作例を示す。同図(a)はズームインする例であり、同図(b)はズームアウトする例である。このときの動作を、図8に示すフローチャートとともに説明する。
【0038】
ユーザは表示部101上に範囲指定することにより、ズーム倍率の大きさを指定する(702、707、ステップS801)。本情報処理装置は、指定された範囲を認識し、指定された画面が入るような最適な四角形を算出する。具体的には、画面(画像)の縦横比をもつ四角形のうち、指定された範囲を含む最小の四角形を算出する(ステップS802)。ズーム倍率は、該四角形の大きさと、後段で決定されるズームインあるいはズームアウトかに基づいて算出される。
【0039】
続いて、算出した四角形とズームアイコン(TおよびW)を表示部101に表示する(703、708、ステップS803)。
【0040】
次に、ユーザ操作により、前記ズームアイコン上に文字が記入されると(704、709、ステップS804)、ステップS805へと進む。
【0041】
ステップS805では、ズームアイコン(TおよびW)のうち、どちらのアイコンの上に文字が記入されたかに応じてズームインかズームアウトのいずれかを判別する。ここでは、数字がTの上に記入された場合はズームイン、Wの上に記入された場合はズームアウトと判別する。ズームインの場合は、ステップS803で表示した四角形の大きさが画面サイズになるまでズームインしたときの倍率をズーム倍率とする。また、ズームアウトの場合は、画面サイズが、ステップS803で表示した算出した四角形の大きさになるまでズームアウトしたときの倍率をズーム倍率とする。
【0042】
続いて、ステップS805で算出したズーム倍率がズーム可能な範囲内かどうかを判別する(ステップS806)。ズーム可能な範囲内であれば(ステップS806でYES)、ステップS805で算出したズーム倍率をそのまま用いることとし、ステップS808へと進む。一方、ズーム可能な範囲に入っていない場合(ステップS806でNO)は、ズーム倍率を限界値に決定し、その旨を通知する(ステップS807)。例えば、指定されたズーム倍率は3.5倍だったが、ズーム可能な範囲が2倍までだった場合は、ズーム倍率を2倍に決定し、その旨を通知する。
【0043】
続いて、文字を認識し、ズーム速度を解釈する(ステップS808)。このズーム速度の解釈方法に関しては、前述の実施例1あるいは実施例2で述べた方法を利用する。
【0044】
続いて、ズーム制御部105は、ステップS806あるいはステップS807で確定したズーム倍率になるまで、ステップS808にて設定したズーム速度でズーミング処理を行う(ステップS809)。このとき、図9の901のスライダーバーに示すように、現在の倍率とズーム前の倍率902、ズーム後の倍率903、ズーム方向(矢印)がユーザにわかるような表示を行う。自動でズームを行うとユーザはズーム状況がわかりにくいが、これらの情報を呈示することにより、ユーザはズーム状況を容易に把握することができる。
【0045】
以上説明したように、実施例3によれば、実施例1や実施例2と同様に、ズーム倍率とズーム速度を同時に指定できるため、ユーザがズーム処理を行う度にズームスピードを変更する場合でもズームスピードを容易に設定できる。
【0046】
(実施例4)
実施例3では、あらかじめズーム倍率の候補を表示しない場合にユーザがズーム倍率とズーム速度を同時に指定する例について示した。そのうち、実施例3ではユーザの範囲入力に対して四角形とズームアイコン(TおよびW)を表示する例を示した。これに対し、本実施例ではユーザの範囲入力に対して四角形だけを表示する例を示す。
【0047】
図10に、本実施例における情報処理装置の動作例を示す。同図(a)はズームインする例であり、同図(b)はズームアウトする例である。同図において、図7と異なる点は、1001〜1004で示した部分であり、図7と同一の部分に関しては図7と同一の符号(701、702、705〜707、710)で示した。
【0048】
このときの動作を、図11に示すフローチャートとともに説明する。図11においても同様に、図8と同一の部分に関しては図8と同一の符号(ステップS801、802、806〜809)で示した。ここでは、実施例3と異なる部分(ステップS1101〜1103)についてのみ説明する。
【0049】
本実施例では、ステップS802にて四角形を算出すると、算出した四角形を表示部101に表示する(1001、1003、ステップS1101)。
【0050】
次に、ユーザ操作により、表示部101上に文字が記入されると(1002、1004、ステップS1102)、ステップS1103へと進む。
【0051】
ステップS1103では、ステップS1101で表示した四角形に対する文字の相対位置に応じてズームインかズームアウトのいずれかを判別する。例えば、図12のように、四角形の縦辺の中点を結んだ線分1201を基準にし、文字が線分1201より上側か下側かを判別する。具体的には文字全体の面積1202のうち、線分1201より上側の面積1203と下側の面積1204を比較する。上側の面積1203の方が大きい場合はズームイン、下側の面積1204の方が大きい場合はズームアウトと決定する。尚、面積が同じ場合はユーザに再度記入してもらう等の処理を行う。ズームインの場合は、ステップS1101で表示した四角形の大きさが画面サイズになるまでズームインしたときの倍率をズーム倍率とする。また、ズームアウトの場合は、画面サイズが、ステップS1101で表示した算出した四角形の大きさになるまでズームアウトしたときの倍率をズーム倍率とする。以降はステップS806へと進み、実施例3と同様である。
【0052】
以上説明したように、実施例4によれば、実施例1〜3と同様に、ズーム倍率とズーム速度を同時に指定できるため、ユーザがズーム処理を行う度にズームスピードを変更する場合でもズームスピードを容易に設定できる。
【符号の説明】
【0053】
101 表示部
102 操作部
103 制御部
104 記憶部
105 ズーム制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ズーム倍率とズーム速度を同時に指定する指定手段と、
該指定に従ってズーム倍率を解釈する倍率解釈手段と、
該指定に従ってズーム速度を解釈する速度解釈手段と、
前記倍率解釈手段にて解釈したズーム倍率に基づいて前記速度解釈手段にて解釈したズーム速度でズーミング処理を行うズーミング処理手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記速度解釈手段は文字認識手段を有し、該認識した文字に基づいてズーム速度を解釈することを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
指定された範囲と文字の相対位置に基づいてズームインかズームアウトのいずれかを判別する判別手段を更に有することを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ズーミング処理を行うときに、現在の倍率とズーム前の倍率、ズーム後の倍率およびズーム方向を呈示することを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ズーム倍率とズーム速度を同時に指定する指定工程と、
該指定に従ってズーム倍率を解釈する倍率解釈工程と、
該指定に従ってズーム速度を解釈する速度解釈工程と、
前記倍率解釈工程において解釈したズーム倍率に基づいて前記速度解釈工程において解釈したズーム速度でズーミング処理を行うズーミング処理工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
ズーム倍率とズーム速度を同時に指定する指定手段と、
該指定に従ってズーム倍率を解釈する倍率解釈手段と、
該指定に従ってズーム速度を解釈する速度解釈手段と、
前記倍率解釈手段にて解釈したズーム倍率に基づいて前記速度解釈手段にて解釈したズーム速度でズーミング処理を行うズーミング処理手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記速度解釈手段は文字認識手段を有し、該認識した文字に基づいてズーム速度を解釈することを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
指定された範囲と文字の相対位置に基づいてズームインかズームアウトのいずれかを判別する判別手段を更に有することを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ズーミング処理を行うときに、現在の倍率とズーム前の倍率、ズーム後の倍率およびズーム方向を呈示することを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ズーム倍率とズーム速度を同時に指定する指定工程と、
該指定に従ってズーム倍率を解釈する倍率解釈工程と、
該指定に従ってズーム速度を解釈する速度解釈工程と、
前記倍率解釈工程において解釈したズーム倍率に基づいて前記速度解釈工程において解釈したズーム速度でズーミング処理を行うズーミング処理工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−128384(P2011−128384A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286896(P2009−286896)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]