説明

情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理システム

【課題】像保持体と転写部材との間に被転写媒体を介在させた状態での構造解析を電界解析に反映すること。
【解決手段】本発明は、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で、像保持体および転写部材の構造を解析する構造解析手段12と、構造解析手段12によって解析された構造を反映して像保持体と転写部材との間の電界強度分布および静電気力の情報を解析する電界解析手段13とを備え、電界解析手段13によって解析して得た静電気力を構造解析手段12に反映して新たな構造の解析を行う情報処理装置1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、電子写真プロセスの解析において、媒体受力計算部が力学モデルに作用する力を算出し、媒体変形計算部が力学モデルと作用する力とから媒体の変形形状を計算し、電界計算モデル更新部が媒体の変形結果を分割メッシュの分割に反映させる技術が開示されている。
【0003】
特許文献2では、電子写真プロセスの解析において、メッシュ分割されたシミュレーションモデルの第1の面上の各節点と第2の面上の各節点との電位差を算出し、各節点の放電前の電荷量に基づいて放電で移動する電荷量および放電後の電位分布を解析する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−276472号公報
【特許文献2】特開2005−345120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、像保持体と転写部材との間の被転写媒体の形状変化と電界解析とを反映させた構造解析結果を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に係る発明は、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で、前記像保持体および前記転写部材の構造を解析する構造解析手段と、前記構造解析手段によって解析された構造を反映して前記像保持体と前記転写部材との間の電界強度分布および静電気力の情報を解析する電界解析手段とを備え、前記電界解析手段によって解析して得た静電気力を前記構造解析手段に反映して新たな構造の解析を行う情報処理装置である。
【0007】
本願請求項2に係る発明は、前記像保持体に像として形成され前記被転写媒体へ転写される粒子の挙動を解析する粒子挙動解析手段を備えており、前記粒子挙動解析手段で解析して得た粒子の挙動を前記構造解析手段に反映させる請求項1記載の情報処理装置である。
【0008】
本願請求項3に係る発明は、前記粒子挙動解析手段が解析して得た前記粒子の挙動から前記粒子の分布の形状を求め、当該形状を前記構造解析手段に反映させる請求項2記載の情報処理装置である。
【0009】
本願請求項4に係る発明は、前記粒子挙動解析手段が前記粒子の分布の形状を多角形に変換し、当該多角形の情報を前記構造解析手段に反映させる請求項3記載の情報処理装置である。
【0010】
本願請求項5に係る発明は、前記構造解析手段が、前記粒子挙動解析手段から送られる粒子の挙動を解析対象物の壁面の変形形状として反映する請求項2から4のうちいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0011】
本願請求項6に係る発明は、前記電界解析手段が、前記像保持体と前記被転写媒体との間および前記転写部材と前記被転写媒体との間に空気層が設けられているとして前記電界強度分布および静電気力の解析を行う請求項1から5のうちいずれか1項に記載の情報処理装置である。
【0012】
本願請求項7に係る発明は、前記粒子挙動解析手段が、前記粒子の分布の形状を多角形に変換し、当該多角形の情報を前記電界解析手段に送り、前記電界解析手段が、前記粒子挙動解析手段から送られた前記多角形の情報のうち厚さに応じて空気層の厚さを設定し、前記像保持体と前記被転写媒体との間および前記転写部材と前記被転写媒体との間に前記空気層が設けられているとして前記電界強度分布および静電気力の解析を行う請求項3記載の情報処理装置である。
【0013】
本願請求項8に係る発明は、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で、前記像保持体および前記転写部材の構造を解析する構造解析ステップと、前記構造解析ステップによって解析された構造を反映して前記像保持体と前記転写部材との間の電界強度分布および静電気力を解析する電界解析ステップと、前記電界解析ステップによって解析して得た静電気力の情報を前記構造解析ステップに反映して新たな構造の解析を行うステップとをコンピュータに実行させる情報処理プログラムである。
【0014】
本願請求項9に係る発明は、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で、前記像保持体および前記転写部材の構造を解析する構造解析手段と、前記構造解析手段によって解析された構造を反映して前記像保持体と前記転写部材との間の電界強度分布および静電気力を解析する電界解析手段と、前記構造解析手段と前記電界解析手段とを接続する通信回線とを備え、前記電界解析手段によって解析して得た静電気力の情報を前記通信回線を介して前記構造解析手段に反映して新たな構造の解析を行う情報処理システムである。
【発明の効果】
【0015】
本願請求項1に係る発明によれば、像保持体と転写部材との間の被転写媒体の形状変化と電界解析とを反映させた構造解析結果を得ることが可能となる。
【0016】
本願請求項2に係る発明によれば、像保持体に像として形成される粒子の挙動を含めた構造解析の結果と電界解析の結果との相互の反映が可能となる。
【0017】
本願請求項3に係る発明によれば、粒子の分布を形状とした構造解析の結果を電界解析に反映させることが可能となる。
【0018】
本願請求項4に係る発明によれば、粒子の分布を多角形としない場合に比べて、構造解析時の計算量を減少させることが可能となる。
【0019】
本願請求項5に係る発明によれば、粒子の挙動を解析対象物の壁面の変形形状とした構造解析の結果を電界解析に反映させることが可能となる。
【0020】
本願請求項6に係る発明によれば、像保持体と被転写媒体との間および転写部材と被転写媒体との間に空気層があるとみなして各部の接触部分での電界解析を行うことが可能となる。
【0021】
本願請求項7に係る発明によれば、粒子の分布の形状を表す多角形の厚さに応じて像保持体と被転写媒体との間および転写部材と被転写媒体との間に設定する空気層の厚さを設定することが可能となる。
【0022】
本願請求項8に係る発明によれば、像保持体と転写部材との間の被転写媒体の形状変化と電界解析とを反映させた構造解析結果を得るプログラムの提供が可能となる。
【0023】
本願請求項9に係る発明によれば、像保持体と転写部材との間の被転写媒体の形状変化と電界解析とを反映させた構造解析結果を得るシステムの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る情報処理装置の構成例を説明するブロック図である。
【図2】コンピュータのハードウェア構成例を説明するブロック図である。
【図3】本実施形態に係る情報処理プログラムの主要な流れを説明するフローチャートである。
【図4】空気層の設定について説明する模式図である。
【図5】構造解析の画面表示例を示す図である。
【図6】構造解析の画面表示例の拡大図である。
【図7】電界解析の画面表示例を示す図である。
【図8】電界解析の画面表示例の拡大図である。
【図9】構造解析の結果得られる接触部分の節点の分布を示す図である。
【図10】本実施形態に係る情報処理装置の構成例を説明するブロック図である。
【図11】本実施形態に係る情報処理プログラムの主要な流れを説明するフローチャートである。
【図12】粒子の分布の形状の変換について説明する模式図である。
【図13】多角形への変換の具体例を説明する模式図である。
【図14】本実施形態に係る情報処理システムの構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1実施形態(情報処理装置の構成、情報処理プログラム、構造解析の画面表示例、電界解析の画面表示例、具体的な処理の例)
2.第2実施形態(情報処理装置の構成、情報処理プログラム、具体的な処理の例)
3.情報処理システム
【0026】
<1.第1実施形態>
[情報処理装置の構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の構成例を説明するブロック図である。本実施形態に係る情報処理装置1は、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で電界分布を解析するシミュレーション計算装置である。計算対象となる像保持体は例えばローラ状の感光体、転写部材は例えばローラ状の感光体と対向する転写ローラ、被転写媒体は像が転写される例えば中間転写ベルトや用紙である。情報処理装置1は、入力手段11、構造解析手段12、電界解析手段13、出力手段14を備えている。
【0027】
入力手段11は、後段の構造解析手段12や電界解析手段13で行う計算で用いる各種のパラメータを入力する部分である。パラメータとしては、シミュレーションの計算モデルで用いる設定値であり、像保持体、転写部材および被転写媒体のヤング率、移動速度、被転写媒体の厚さ、トナーの径、各部材の誘電率、導電率、電荷分布、電界解析の対象となる面の指定、シミュレーションの収束条件等である。
【0028】
構造解析手段12は、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で、像保持体および転写部材の構造を所定の力学計算モデルによって解析する手段である。構造解析手段12は、有限要素法等の解析手法を用いて像保持体や転写部材に加わる力による構造の変化を解析する。構造解析手段12は、入力手段11によって入力されたパラメータを用い、メッシュデータを生成して部材のヤング率や厚さ、移動速度等のパラメータを用いて部材の構造の変化を解析する。
【0029】
本実施形態において構造解析手段12は、像保持体や転写部材の構造解析を行うにあたり、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在した状態での構造の変化を解析する。また、構造解析手段12は、後述する電界解析手段で解析して得た静電気力の情報を各部材の構造解析に反映させている。
【0030】
電界解析手段13は、構造解析手段12によって解析された構造を反映して像保持体と転写部材との間の電界強度分布および静電気力の情報を所定の電界計算モデルによって解析する手段である。電界解析手段13は、有限要素法等の解析手法を用いて像保持体や転写部材の電界強度分布や静電気力の変化を解析する。電界解析手段13は、入力手段11によって入力されたパラメータを用い、メッシュデータを生成して部材の誘電率、導電率、電荷分布、電位、部材の移動速度、電界解析の対象となる面等のパラメータを用いて電界解析を行う。
【0031】
本実施形態において電界解析手段13は、電界解析で得た部材の静電気力の情報を上記構造解析手段12に渡している。これにより、構造解析手段12は、電界解析手段13で解析して得た部材の静電気力を考慮した構造の解析を行うことになる。
【0032】
出力手段14は、構造解析手段12や電界解析手段13で解析した結果を出力する手段である。解析した結果は、例えば画面に出力されたり、所定のファイル形式で情報ファイルとして出力、記録されたりする。
【0033】
本実施形態に係る情報処理装置1は、入力手段11、構造解析手段12、電界解析手段13および出力手段14がハードウェアとして構成された専用の処理装置として実現されていたり、コンピュータ(計算機)で実行されるプログラム処理で実現されていたりする。また、各手段が必要に応じてハードウェアとソフトウェアとの両方で構成されているものでもある。
【0034】
情報処理装置1がコンピュータで実行されるプログラム処理(情報処理プログラム)で実現される場合、コンピュータは例えば図2に示す構成となる。すなわち、コンピュータのハードウェア構成としては、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、HDDコントローラ105、マウス106、キーボード107、ディスプレイ108、入出力コントローラ109およびネットワークコントローラ110がバス111によって接続された構成となっている。
【0035】
本実施形態の情報処理プログラムは、上記ハードウェア構成のうちHDD104に格納されており、実行にあたりRAM103に読み出され、CPU101によって実行される。また、本実施形態の情報処理プログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録されていたり、ネットワークを介して配信されたりするものでもある。
【0036】
[情報処理プログラム]
図3は、本実施形態に係る情報処理プログラムの主要な流れを説明するフローチャートである。先ず、構造解析を行う(ステップS11)。すなわち、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で、像保持体および転写部材の構造を力学計算モデルによって解析する。構造解析では、計算の結果得た像保持体や転写部材の形状データが出力される。
【0037】
次に、電界用格子作成プログラムを実行し、電界計算を行うための格子(メッシュデータ)を作成する(ステップS12)。電界用格子作成プログラムでは、構造解析から出力される像保持体や転写部材の形状データと格子作成のパラメータを用いて電界計算のための格子(メッシュデータ)を作成する。
【0038】
次に、この格子(メッシュデータ)および境界条件のパラメータを用いて放電・電界解析を行う(ステップS13)。放電・電界解析では、構造解析が反映された像保持体と転写部材との間の電界強度分布および静電気力が解析される。
【0039】
ここで、放電・電界解析では、像保持体と被転写媒体との間および転写部材と被転写媒体との間に空気層が設けられているとして電界強度分布および静電気力の解析を行う。図4は、空気層の設定について説明する模式図である。この図4に示す例では、解析対象となる一対のローラR1、R2の間に2つのシート層ST1、ST2が配置された構成となっている。一対のローラR1、R2は、感光体や転写ローラであり、シート層ST1、ST2は、転写ベルトや用紙である。
【0040】
ローラR1、R2、シート層ST1、ST2は、本来は密着した状態で回転移動や搬送移動するものであるが、放電・電界解析では、ローラR1、R2、シート層ST1、ST2の各々の間に空気層があるものとして計算を行う。
【0041】
放電・電界解析によって得た静電気力の情報は構造解析に反映される。構造解析では、放電・電界解析によって得た静電気力の情報を用い、静電気力による構造変化を再度計算する(ステップS11)。このステップS11〜ステップS13を収束条件の範囲でくり返し行う。
【0042】
[構造解析の画面表示例]
図5は、構造解析の画面表示例を示す図である。この図では、像保持体としてローラ状の感光体、転写部材として転写ローラが用いられ、これらが所定の圧力によって対向している状態の断面を示している。感光体および転写ローラは所定の格子によって分割されており、所定のパラメータによって構造の変化が計算される。この計算後の状態が画面に表示される。
【0043】
図6は、構造解析の画面表示例の拡大図である。構造解析のプログラムの利用者は、図5に示す構造解析の画面表示例の中から所望の部分領域を選択して拡大の指示を与えると、図6に示すような拡大図が表示される。拡大図では、構造解析で用いた詳細な格子(メッシュデータ)が表示される。構造解析では、感光体と転写ローラとの間に被転写媒体が挟まれた状態で、感光体および転写ローラが互いに受ける力を考慮し、各部の変形状態が解析される。
【0044】
[電界解析の画面表示例]
図7は、電界解析の画面表示例を示す図である。この図では、先の構造解析の例と同様、像保持体としてローラ状の感光体、転写部材として転写ローラが用いられ、これらが所定の圧力によって対向している状態の断面を示している。感光体および転写ローラは、電界用格子作成プログラムによって所定の格子によって分割されている。この格子(メッシュデータ)および所定のパラメータを用いて電界分布が計算される。この計算後の状態が画面に表示される。
【0045】
図8は、電界解析の画面表示例の拡大図である。電界解析のプログラムの利用者は、図7に示す電界解析の画面表示例の中から所望の部分領域を選択して拡大の指示を与えると、図8に示すような拡大図が表示される。拡大図では、電界解析で用いた詳細な格子(メッシュデータ)が表示される。電界解析では、感光体と転写ローラとの間に被転写媒体が挟まれた状態で、被転写媒体が挟まれている領域のほか、被転写媒体が感光体および転写ローラから離れている領域の空間も電界分布の計算対象となる。したがって、この空間にも格子(メッシュデータ)が形成されている。
【0046】
[具体的な処理の例]
本具体例は、動的な構造解析と放電・電界解析とを行うことで、ニップ形状近傍の電界解析を詳細に行う例である。本具体例として、対向して配置された導電性ローラに挟まれて保持されるシート状物体にかかる静電気力の影響を考慮した解析について説明する。以下の説明では、図などの記載を簡単にするため、座標系としてシート進行方向をx座標方向、x座標に垂直な方向をy座標方向とする。本具体例における動的な構造解析手段としては、コンピュータで実行される構造解析ソフトウェアを使用する。
【0047】
本具体例では、先ず、構造解析ソフトウェアにより初期状態における対象物体の形状を求め、次に形状より電界解析用の格子(メッシュデータ)の作成を行う。電界解析用の格子では、物体間の空気部分についても格子が必要である。
【0048】
電解解析用の格子の作成はコンピュータで実行される解析格子作成ソフトウェアなどにより以下の手順で行う。
(1)電界解析用の格子を作成するための空間について領域を作成する。
(2)構造解析ソフトウェアにより得られた解析結果において、各物体の外側表面に位置する節点を抽出する。これは構造解析を行う際にあらかじめ該当する節点をグループ化しておくことなどにより得る。
(3)得られた外側表面の節点を接続し、物体の表面の形状を再構成し、表面を境界として空気層および物体について電界解析用の格子を作成する。
【0049】
このように、解析格子作成ソフトウェアにより電界解析用の格子を作成する場合、構造解析の計算結果で物体同士が接触をしている部分では節点が接触することになる。接触部分においても実際には微小な空隙が存在し、放電等が発生することもあるため、電界解析用の格子を作成する際には、接触部分に空隙を作成してから解析用の格子を作成する。
【0050】
ここで、空隙の作成方法の例を説明する。図9は、構造解析の結果得られる接触部分の節点の分布を示す図である。図中のL1はローラの表面、L2はシート状物体の表面を表す。図9(a)では接触部分について一部重なりが発生している部分(図中A参照)がある。このような場合の空隙の作成方法としては、表面を構成する線L1、L2の中点を求め、中点を中間地点として上下方向に規定の大きさの空間を作成する方法が挙げられる。
【0051】
すなわち、先ず、図9(b)に示すように、表面を構成する線L1、L2の各節点間の中点を求め、その求めた中点を中間地点として線L3を求める。 次に、図9(c)に示すように、線L1、L2の間隔が規定の間隔Z以下である部分については、線L1、L2の各節点について、先に求めた線L3の対応する節点のy座標±Z/2移動させた座標を新しいL1、L2の節点として定義する。
【0052】
ただし、例えば線L2を構成する物体が硬く、変形しない場合などには、線L3のような中点を求めず、線L2は固定として、線L1の位置を線L2のy座標+Zとすればよい。
【0053】
次に、構造解析と電界解析との連成解析の手順について説明する。本具体例においては、境界条件として以下の条件により計算を行う。
A.電極(電圧印加)部分における電位設定条件
B.誘電体境界部分における電荷設定条件
【0054】
A.電極(電圧印加)部分における電位設定条件については、計算の各時点における電位を与える。一方、B.誘電体境界部分における電荷設定条件について、誘電体境界部分は、主に物体の表面ということになる。例えば、ローラの表面と空気との境界が誘電体境界部分になり、ローラの表面の帯電電荷を電荷設定条件として取り扱う。
【0055】
ローラの表面の電荷は、ローラの内部での導電や放電などによる電荷の移動の影響に加え、ローラの回転等の物理的な移動を考慮する必要がある。本具体例では、特にローラの回転およびシート状物体の移動等を構造解析の計算結果として得るため、ローラの表面の電荷を、構造解析によるローラの表面の位置の移動に対応させて移動させる必要がある。このため、構造解析用の節点についても電荷について情報を保存する手段を有する必要がある。例えば、構造解析の節点と対応付けて電荷情報を記録するファイルなどを作成しておく。
【0056】
構造解析と電界解析との連成解析の手順は次の通りである。
1.電界解析を実施し、物体の表面の各節点における電荷を構造解析の節点へ射影する。
2.構造解析を実施し、回転を含め形状の変形の結果を得る。
3.構造解析の結果から電界解析の格子(メッシュデータ)を作成する。
4.電界解析の格子における物体表面の節点の電荷を構造解析の節点における電荷の値から射影する。
5.次のステップを計算する場合は1.から再度実施する。
【0057】
ここで、上記ステップ1.〜4.における構造解析と電解解析との節点間の電荷の射影について、射影により総電荷量が変化しない方法を用いることが重要である。
【0058】
また、ステップ2.において、解析領域の中の構造物が静電気力を受ける場合には、その影響を入れて構造解析を行う。例えば、シート状物体のある位置に作用する力を考慮する場合には、その位置の両面の帯電電荷量の和とその位置における電界の積とを計算し、静電気力を算出する。次に構造解析を行う際には、電界解析で得たこの静電気力を条件に加えて構造の変化を計算することになる。
【0059】
<2.第2実施形態>
[情報処理装置の構成]
図10は、本実施形態に係る情報処理装置の構成例を説明するブロック図である。本実施形態に係る情報処理装置1は、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で電界分布を解析するシミュレーション計算装置である。計算対象となる像保持体は例えばローラ状の感光体、転写部材は例えばローラ状の感光体と対向する転写ローラ、被転写媒体は像が転写される例えば中間転写ベルトや用紙である。情報処理装置1は、入力手段11、構造解析手段12、電界解析手段13、粒子挙動解析手段15、出力手段14を備えている。
【0060】
入力手段11は、後段の構造解析手段12や電界解析手段13で行う計算で用いる各種のパラメータを入力する部分である。パラメータとしては、シミュレーションの計算モデルで用いる設定値であり、像保持体、転写部材および被転写媒体のヤング率、移動速度、被転写媒体の厚さ、トナーの径、各部材の誘電率、導電率、電荷分布、電界解析の対象となる面の指定、シミュレーションの収束条件等である。
【0061】
構造解析手段12は、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で、像保持体および転写部材の構造を所定の力学計算モデルによって解析する手段である。構造解析手段12は、有限要素法等の解析手法を用いて像保持体や転写部材に加わる力による構造の変化を解析する。構造解析手段12は、入力手段11によって入力されたパラメータを用い、メッシュデータを生成して部材のヤング率や厚さ、移動速度等のパラメータを用いて部材の構造の変化を解析する。
【0062】
本実施形態において構造解析手段12は、像保持体や転写部材の構造解析を行うにあたり、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在した状態での構造の変化を解析する。また、構造解析手段12は、後述する電界解析手段で解析して得た静電気力の情報を各部材の構造解析に反映させている。また、構造解析手段12は、後述する粒子挙動解析手段15によって解析して得たトナー(粒子)の挙動を構造解析の計算に反映させている。
【0063】
電界解析手段13は、構造解析手段12によって解析された構造および後述の粒子挙動解析手段15によって解析されたトナー(粒子)の挙動を反映して像保持体と転写部材との間の電界強度分布および静電気力の情報を所定の電界計算モデルによって解析する手段である。電界解析手段13は、有限要素法等の解析手法を用いて像保持体や転写部材の電界強度分布や静電気力の変化を解析する。電界解析手段13は、入力手段11によって入力されたパラメータを用い、メッシュデータを生成して部材の誘電率、導電率、電荷分布、電位、部材の移動速度、電界解析の対象となる面等のパラメータを用いて電界解析を行う。
【0064】
本実施形態において電界解析手段13は、電界解析で得た部材の静電気力の情報を上記構造解析手段12に渡している。これにより、構造解析手段12は、電界解析手段13で解析して得た部材の静電気力を考慮した構造の解析を行うことになる。また、電界解析手段13は、電界解析で得た部材の静電気力の情報を後述の粒子挙動解析手段15に渡している。これにより、粒子挙動解析手段15は、電界解析手段13で解析して得た部材の静電気力を考慮した粒子の挙動の解析を行うことになる。
【0065】
粒子挙動解析手段15は、像保持体に担持されるトナーの粒子が被転写媒体に転写される際の挙動を所定の計算モデルによって解析する手段である。粒子挙動解析手段15は、個別要素法等の解析手法を用いてトナーの粒子が像保持体から被転写媒体に転写される際の挙動をシミュレーション計算する。
【0066】
本実施形態において粒子挙動解析手段15は、解析して得たトナーの挙動の情報を構造解析手段12および電界解析手段13に各々渡す。また、粒子挙動解析手段15は、構造解析手段12から像保持体や転写部材の構造解析の情報(形状データ)を得て、粒子の挙動の計算に反映させる。また、粒子挙動解析手段15は、電界解析手段13から静電気力の情報を得て、粒子の挙動の計算に反映させる。
【0067】
本実施形態では、粒子挙動解析手段15から構造解析手段12に渡される粒子の挙動の情報として、粒子の分布の形状を多角形に変換し、この多角形の情報を渡している。これにより、構造解析手段12の計算量が、粒子の分布そのものを構造解析に反映させる場合に比べて格段に減ることになる。
【0068】
出力手段14は、構造解析手段12、電界解析手段13および粒子挙動解析手段15で解析した結果を出力する手段である。解析した結果は、例えば画面に出力されたり、所定のファイル形式で情報ファイルとして出力、記録されたりする。
【0069】
本実施形態に係る情報処理装置1は、入力手段11、構造解析手段12、電界解析手段13および出力手段14がハードウェアとして構成された専用の処理装置として実現されていたり、コンピュータ(計算機)で実行されるプログラム処理で実現されていたりする。また、各手段が必要に応じてハードウェアとソフトウェアとの両方で構成されているものでもある。
【0070】
情報処理装置1がコンピュータで実行されるプログラム処理(情報処理プログラム)で実現される場合、コンピュータは例えば図2に示す構成となる。すなわち、コンピュータのハードウェア構成としては、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、HDDコントローラ105、マウス106、キーボード107、ディスプレイ108、入出力コントローラ109およびネットワークコントローラ110がバス111によって接続された構成となっている。
【0071】
本実施形態の情報処理プログラムは、上記ハードウェア構成のうちHDD104に格納されており、実行にあたりRAM103に読み出され、CPU101によって実行される。また、本実施形態の情報処理プログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録されていたり、ネットワークを介して配信されたりするものでもある。
【0072】
[情報処理プログラム]
図11は、本実施形態に係る情報処理プログラムの主要な流れを説明するフローチャートである。先ず、構造解析を行う(ステップS21)。すなわち、像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で、像保持体および転写部材の構造を力学計算モデルによって解析する。構造解析では、計算の結果得た像保持体や転写部材の形状データが出力される。
【0073】
また、本実施形態では、構造解析で得た形状データを粒子挙動解析(ステップS22)に反映させる。粒子挙動解析(ステップS22)では、構造解析で得た形状データを反映させて、トナー(粒子)の挙動を所定の計算モデルによって解析する。粒子挙動解析では、所定時間経過後の粒子の分布をシミュレーション計算する。
【0074】
また、粒子挙動解析では、計算して得た粒子の分布の形状を多角形に変換し、この多角形の情報を構造解析に渡している。図12は、粒子の分布の形状の変換について説明する模式図である。図12(a)に示すように、粒子挙動解析では、一対のローラ間に挟まれる粒子(トナー)の挙動の解析を行う。この解析によって得られた粒子の分布を元に、図12(b)に示すような多角形(例えば、分布の外接矩形)に変換する。その後、図12(c)に示すように、変換して得た多角形が一対のローラ間に挟まれているとして構造解析に反映する。そして、一対のローラの形状変形を反映して、粒子挙動解析や放電・電界解析を行う。
【0075】
また、粒子挙動解析は、計算して得た粒子の分布から、粒子の電荷、誘電率の分布を求め、放電・電界解析(ステップS24)に渡している。構造解析(ステップS21)では、粒子挙動解析(ステップS22)の解析結果である粒子の分布の形状の情報(多角形の情報)を得て、再度構造解析を行う。
【0076】
次に、電界用格子作成プログラムを実行し、電界計算を行うための格子(メッシュデータ)を作成する(ステップS23)。電界用格子作成プログラムでは、構造解析から出力される像保持体や転写部材の形状データと格子作成のパラメータを用いて電界計算のための格子(メッシュデータ)を作成する。
【0077】
次に、この格子(メッシュデータ)および境界条件のパラメータを用いて放電・電界解析を行う(ステップS24)。放電・電界解析では、構造解析および粒子挙動解析が反映された状態で、像保持体と転写部材との間の電界強度分布および静電気力が解析される。
【0078】
ここで、放電・電界解析では、像保持体と被転写媒体との間および転写部材と被転写媒体との間に空気層が設けられているとして電界強度分布および静電気力の解析を行う。図4は、空気層の設定について説明する模式図である。この図4に示す例では、解析対象となる一対のローラR1、R2の間に2つのシート層ST1、ST2が配置された構成となっている。一対のローラR1、R2は、感光体や転写ローラであり、シート層ST1、ST2は、転写ベルトや用紙である。
【0079】
ローラR1、R2、シート層ST1、ST2は、本来は密着した状態で回転移動や搬送移動するものであるが、放電・電界解析では、ローラR1、R2、シート層ST1、ST2の各々の間に空気層があるものとして計算を行う。
【0080】
放電・電界解析によって得た静電気力の情報は構造解析(ステップS21)および粒子挙動解析(ステップS22)に反映される。
【0081】
構造解析では、放電・電界解析によって得た静電気力の情報を用い、静電気力による構造変化を再度計算する(ステップS21)。粒子挙動解析では、放電・電界解析によって得た静電気力の情報を用い、静電気力を反映したトナーの挙動を再度計算する(ステップS22)。このステップS21〜ステップS24を収束条件の範囲でくり返し行う。
【0082】
[具体的な処理の例]
本具体例は、構造解析、放電・電界解析の連成解析において、さらに粒子状物体の挙動解析を連成させた例である。なお、構造解析と放電・電界解析との連成については第1実施形態の具体例に準ずるものとし、以下では主に粒子解析との連成の具体例について説明する。
【0083】
本具体例で連成させる粒子挙動解析は、個別要素法を用いているものとする。個別要素法については特開2006−259911号公報、特開2007−102324号公報などと同様の方法を用いて実現し、粒子挙動解析と電界解析との連成についても同様の方法に従い実現する。
【0084】
構造解析と粒子挙動解析との連成解析の手順の概要は次の通りである。
1.個別要素法による粒子解析を実施する。
2.粒子の存在範囲から構造解析にて使用する多角形を算出し、構造解析を行う。
3.構造解析にて得られた変形形状を元に、粒子を再配置して粒子の挙動の解析を行う。
4.上記1.から3.の手順を繰り返す。
【0085】
本具体例において、粒子は多角形に変形し、構造解析と連成を行う。多角形への変換手順を以下に示す。図13は、多角形への変換の具体例を説明する模式図である。ここでは、物体表面L1およびL2間の空隙部分に存在する粒子について2次元計算の場合の変換手順を示す。
【0086】
1.特定のx座標上の位置(x1)において粒子が存在する最大のy座標値ymax1、最小のy座標値ymin1を求める。
2.上記特定x座標をΔx移動した位置(x2)において、1.と同様の判定を実施しymax2、ymin2を得る。
3.上記1.および2.で得た(x1,ymin1)、(x1,ymax1)、(x2,ymin2)、(x2,ymax2)を結ぶ四辺形内部に粒子が占有する面積を求め、四辺形面積のN%(Nは予め設定した閾値)以上を占める場合は該当四辺形を粒子により構成された多角形とする。この際,すでにx1上の辺を共有する多角形が得られている場合は新たに得た四辺形と接続し、新たな多角形として定義する。
4.x2を新たにx1として、上記1.から3.を実施する。
【0087】
なお、多角形に変換した際のヤング率などの機械的な物性値は、粒子の物性に該当部分の面積占有率N%を乗じて使用することとする。
【0088】
上記のように多角形を定義した上で構造解析(動解析)を実施し、物体の移動ならび物体の壁面の変形形状を計算し、該当部分の形状詳細を得る。次に、得られた変形形状の情報をもとに、粒子解析における境界形状を形成し、粒子解析を行う。
【0089】
境界形状は、構造解析結果をそのまま使用することも可能であるが、本具体例では、あるx座標における境界L1,L2の位置はそのx座標位置における多角形の厚さをP%(Pは予め設定した値)増加させた位置とする。すなわち、これにより、図4に示す部材間の空気層の厚さが、多角形の厚さに応じて設定されることになる。
【0090】
多角形内の粒子の配置は、上記粒子の分布の多角形への変換過程において、粒子の中心座標が含有される四辺形と、粒子の中心座標が含有されない四辺形内における局所座標を記憶しておくことで、構造解析における変形計算後、変形後の四辺形頂点座標から局所座標を元に逆変換することで求める。なお、構造解析による形状変形は粒子挙動解析による粒子座標の更新毎に行う必要はなく粒子解析をQ回(Qは予め設定した値)行ったのち1回構造解析を行えばよい。
【0091】
<3.情報処理システム>
図14は、本実施形態に係る情報処理システムの構成例を説明する図である。本実施形態に係る情報処理システムは、構造解析手段と、電界解析手段と、必要に応じて設けられる粒子挙動解析手段15と、これらを接続する通信回線とを備えた構成となっている。構造解析手段12や電界解析手段13、必要に応じて設けられる粒子挙動解析手段15は、コンピュータPC1、PC2やサーバSVに構成されている。
【0092】
図14に示すシステム構成の一例としては、構造解析手段11、電界解析手段12、必要に応じて粒子挙動解析手段15をコンピュータPC1、PC1、サーバSVが別個に構成し、各手段が通信回線Nで接続され、情報の連携を図る構成が挙げられる。また、別のシステム構成の一例としては、サーバSVに構造解析手段12、電界解析手段13および必要に応じて粒子挙動解析手段15が構成され、通信回線Nを介してコンピュータPC1、PC2から解析の指示を与えることが挙げられる。
【0093】
いずれのシステム構成例でも、各コンピュータPC1、PC2には入力手段11や出力手段14が設けられており、各種パラメータの入力や、解析の指示、解析結果の表示が行われる。
【0094】
サーバSVに構造解析手段12、電界解析手段13および必要に応じて粒子挙動解析手段15が構成されている場合、コンピュータCP1、CP2は、入力手段11によって各種パラメータの入力を受け付ける。なお、サーバSVに各種パラメータが格納されたファイルが記憶されている場合には、コンピュータCP1、CP2からサーバSVに記憶された当該ファイルを読み出す指示を与えるようにしてもよい。
【0095】
コンピュータCP1、CP2で各種パラメータの入力を受け付けた場合、そのパラメータを通信回線Nを介してサーバSVに送る。サーバSVは、通信回線Nを介してコンピュータCP1、CP2から送られたパラメータを受信し、構造解析手段12で上記説明した構造解析を行い、電界解析手段13で上記説明した電界解析を行い、必要に応じて粒子挙動解析手段15で上記説明した粒子挙動解析を行い、これらの連成解析を実行する。そして、連成解析の結果を通信回線Nを介してコンピュータCP1、CP2に送る。コンピュータCP1、CP2の出力手段14は、サーバSVから通信回線Nを介して送られてきた連成解析の結果を出力する。
【符号の説明】
【0096】
1…情報処理装置、11…入力手段、12…構造解析手段、13…電界解析手段、14…出力手段、15…粒子挙動解析手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で、前記像保持体および前記転写部材の構造を解析する構造解析手段と、
前記構造解析手段によって解析された構造を反映して前記像保持体と前記転写部材との間の電界強度分布および静電気力の情報を解析する電界解析手段とを備え、
前記構造解析手段は、前記電界解析手段によって解析して得た静電気力を前記構造解析手段に反映して新たな構造の解析を行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記像保持体に像として形成され前記被転写媒体へ転写される粒子の挙動を解析する粒子挙動解析手段を備えており、
前記粒子挙動解析手段で解析して得た粒子の挙動を前記構造解析手段に反映させる
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記粒子挙動解析手段は、解析して得た前記粒子の挙動から前記粒子の分布の形状を求め、当該形状を前記構造解析手段に反映させる
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記粒子挙動解析手段は、前記粒子の分布の形状を多角形に変換し、当該多角形の情報を前記構造解析手段に反映させる
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記構造解析手段は、前記粒子挙動解析手段から送られる粒子の挙動を解析対象物の壁面の変形形状として反映する
請求項2から4のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記電界解析手段は、前記像保持体と前記被転写媒体との間および前記転写部材と前記被転写媒体との間に空気層が設けられているとして前記電界強度分布および静電気力の解析を行う
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記粒子挙動解析手段は、前記粒子の分布の形状を多角形に変換し、当該多角形の情報を前記電界解析手段に送り、
前記電界解析手段は、前記粒子挙動解析手段から送られた前記多角形の情報のうち厚さに応じて空気層の厚さを設定し、前記像保持体と前記被転写媒体との間および前記転写部材と前記被転写媒体との間に前記空気層が設けられているとして前記電界強度分布および静電気力の解析を行う
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項8】
像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で、前記像保持体および前記転写部材の構造を解析する構造解析ステップと、
前記構造解析ステップによって解析された構造を反映して前記像保持体と前記転写部材との間の電界強度分布および静電気力を解析する電界解析ステップと、
前記電界解析ステップによって解析して得た静電気力の情報を前記構造解析ステップに反映して新たな構造の解析を行うステップと
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項9】
像保持体と転写部材との間に被転写媒体が介在する構造で、前記像保持体および前記転写部材の構造を解析する構造解析手段と、
前記構造解析手段によって解析された構造を反映して前記像保持体と前記転写部材との間の電界強度分布および静電気力を解析する電界解析手段と、
前記構造解析手段と前記電界解析手段とを接続する通信回線とを備え、
前記電界解析手段によって解析して得た静電気力の情報を前記通信回線を介して前記構造解析手段に反映して新たな構造の解析を行う
情報処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−22295(P2011−22295A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166339(P2009−166339)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】