説明

情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム

【課題】タッチ操作可能な情報処理装置において、ユーザの所望の機能を素早くかつ容易に実行可能にする。
【解決手段】位置取得部101は、タッチパネルモニタにより検出された接触位置を取得する。指種類認識部102は、接触位置とタッチパネルの画像に基づいて、タッチパネルに接触された指の種類を認識する。機能認識部103は、1つの指の接触位置および種類と、その接触位置および種類の組み合わせに割り当てられた機能とを対応付けた機能テーブルから、位置取得部101により取得された接触位置と指種類認識部102により認識された指の種類とに対応する機能を検索する。実行部104は、検索された機能を実行する。本発明は、例えば、タッチ操作可能な情報処理装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関し、特に、タッチ操作可能な情報処理装置において、ユーザの所望の機能を素早くかつ容易に実行可能にすることができるようにした情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
マウスで操作可能な情報処理装置は、左クリックと呼ばれるマウスの左のボタンを1回だけ押下してすぐ離す操作と、右クリックと呼ばれるマウスの右のボタンを1回だけ押下してすぐ離す操作に対して、それぞれ異なる機能を割り当てることができる。
【0003】
その結果、このような情報処理装置では、例えば、図1Aに示すように、マウス11によって操作されるカーソル12がアイコン13の位置に表示されている場合に、マウス11が左クリックされると、アイコン13を選択する機能が実行される。また、図1Bに示すように、マウス11が右クリックされると、アイコン13のコンテキストメニュー14を表示する機能が実行される。即ち、マウス11によって操作されるカーソル12の位置に対して、2つの機能を割り当てることができる。
【0004】
一方、指などでタッチ操作可能な情報処理装置としては、例えば、ディスプレイに重畳されたタッチパネルを用いてタッチパネルに接触された物体の位置や動きを検出し、その位置や動きに割り当てられている機能を実行するものがある。
【0005】
このような情報処理装置では、例えば、ユーザが、図2Aに示すように、ディスプレイに表示されたアイコン13に対応するタッチパネル上の位置に、任意の指(図2Aの例では人差し指)を1回接触させると、その位置に割り当てられている機能として、アイコン13を選択する機能、アイコン13に対応するアプリケーションを実行する機能などが実行される。
【0006】
しかしながら、このような情報処理装置では、一般的に、タッチパネルに接触された指の位置が検出されるだけであり、その指の種類などは検出されない。従って、1つの接触位置に複数の機能を割り当てることができない。その結果、図2Aに示すように人差し指が接触される場合であっても、図2Bに示すように中指が接触される場合であっても、接触位置が同一であれば、同一の機能が実行される。
【0007】
また、アイコン13の位置に、マウスで操作可能な情報処理装置において左クリックに対応する機能が割り当てられた場合、そのアイコン13の位置に、右クリックに対応する機能を割り当てることができない。従って、ユーザは、右クリックに割り当てられたコンテキストメニュー14を表示する機能を実行するために、例えば、図3に示すような煩雑な操作を行う必要がある。
【0008】
具体的には、ユーザは、コンテキストメニュー14を表示する機能を実行させる場合、図3Aに示すように、まず、タッチパネルのアイコン13に対応する位置に任意の指(図3の例では、人差し指)を接触させ、アイコン13を選択する機能を実行させる。その後、ユーザは、図3Bに示すように、コンテキストメニュー14を表示する機能を実行させるためのアイコン21に対応するタッチパネル上の位置に任意の指を接触させ、コンテキストメニュー14を表示する機能を実行させる。その結果、図3Cに示すように、コンテキストメニュー14が表示される。以上のように、ユーザは、コンテキストメニュー14を表示する機能を実行させるために、タッチパネルに指を2回接触させる必要がある。
【0009】
従って、タッチ操作可能な情報処理装置では、同一の接触位置に複数の機能を割り当てることにより、ユーザの所望の機能を素早くかつ容易に実行可能にすることが求められている。
【0010】
また、タッチ操作可能な情報処理装置としては、タッチパネルに接触された指の本数を検出し、検出された指の本数によって異なる機能を実行する情報処理装置もある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−134382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、タッチ操作可能な情報処理装置において、同一の接触位置であっても接触する指の種類に応じて異なる機能を割り当てることにより、ユーザの所望の機能を素早くかつ容易に実行可能にすることは考えられていない。
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、タッチ操作可能な情報処理装置において、ユーザの所望の機能を素早くかつ容易に実行可能にすることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一側面の情報処理装置は、接触部に接触された物体の位置を接触位置として検出する検出手段と、前記接触位置と前記接触部の画像に基づいて、前記接触部に接触された指の種類を認識する認識手段と、少なくとも1つの指の接触位置および種類と、その接触位置および種類の組み合わせに割り当てられた機能とを対応付けた機能テーブルから、前記検出手段により検出された前記接触位置と前記認識手段により認識された前記指の種類とに対応する機能を検索する検索手段と、前記検索手段により検索された前記機能を実行する実行手段とを備える情報処理装置である。
【0015】
本発明の一側面の情報処理方法およびプログラムは、本発明の一側面の情報処理装置に対応する。
【0016】
本発明の一側面においては、接触部に接触された物体の位置が接触位置として検出され、接触位置と接触部の画像に基づいて、接触部に接触された指の種類が認識され、少なくとも1つの指の接触位置および種類と、その接触位置および種類の組み合わせに割り当てられた機能とを対応付けた機能テーブルから、検出された接触位置と認識された指の種類とに対応する機能が検索され、検索された機能が実行される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一側面によれば、タッチ操作可能な情報処理装置において、ユーザの所望の機能を素早くかつ容易に実行可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】マウス操作の例を示す図である。
【図2】従来のタッチ操作の例を示す図である。
【図3】コンテキストメニューを表示させるためのタッチ操作の例を示す図である。
【図4】本発明を適用した情報処理システムの第1実施の形態の構成例を示す図である。
【図5】図4の情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図6】図5のCPUにより実現される機能実行処理部の機能的構成例を示すブロック図である。
【図7】機能テーブルの例を示す図である。
【図8】図7の機能テーブルが記憶されている場合に実行される機能を説明する図である。
【図9】図6の機能実行処理部による機能実行処理を説明するフローチャートである。
【図10】本発明を適用した情報処理システムの第2実施の形態の構成例を示す図である。
【図11】図10の情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図12】図11のCPUにより実現される機能実行処理部の機能的構成例を示すブロック図である。
【図13】図11の機能ラベルテーブルの例を示す図である。
【図14】図11のHMDに表示される画像の例を示す図である。
【図15】図12の機能実行処理部によるラベル表示処理を説明するフローチャートである。
【図16】図10の情報処理装置の他のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図17】図16のCPUにより実現される機能実行処理部の機能的構成例を示すブロック図である。
【図18】図16の機能ラベルテーブルの例を示す図である。
【図19】図16のHMDに表示される画像の例を示す図である。
【図20】図17の機能実行処理部によるラベル表示処理を説明するフローチャートである。
【図21】図17の機能実行処理部によるラベル表示処理を説明するフローチャートである。
【図22】本発明を適用した情報処理システムの第3実施の形態の構成例を示す図である。
【図23】図22の情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図24】図22のタッチパネルモニタの詳細構成例を示すブロック図である。
【図25】図23のCPUにより実現される機能実行処理部の機能的構成例を示すブロック図である。
【図26】図25の機能実行処理部による機能実行処理を説明するフローチャートである。
【図27】指情報の他の例を説明する図である。
【図28】指情報のさらに他の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施の形態>
[情報処理システムの第1実施の形態の構成例]
図4は、本発明を適用した情報処理システムの第1実施の形態の構成例を示す図である。
【0020】
図4に示すように、情報処理システム30は、情報処理装置31と、カメラ32を装備した眼鏡33により構成される。なお、図4において、図1乃至図3と同一のものには同一の符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0021】
ユーザは、情報処理システム30を使用するとき、情報処理装置31を所持し、眼鏡33を装着する。ユーザは、眼鏡33を介して情報処理装置31を見ながら、情報処理装置31に対してタッチ操作を行う。
【0022】
情報処理システム30において、情報処理装置31とカメラ32は接続されている。情報処理装置31は、指でタッチ操作可能な情報処理装置であり、タッチパネルモニタ41等を有している。情報処理装置31は、そのタッチパネルモニタ41にアイコン13等を表示させる。ユーザは、タッチパネルモニタ41に表示されたアイコン13等を見ながら、所望の位置に指を接触させることにより、情報処理装置31に所望の機能を実行させる。
【0023】
眼鏡33に装備されたカメラ32は、タッチパネルモニタ41を含む画像を撮像する。従って、撮像された画像には、タッチパネルモニタ41に接触している指も含まれている。カメラ32は、撮像された画像を情報処理装置31に送信する。
【0024】
[情報処理装置のハードウェア構成例]
図5は、図4の情報処理装置31のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0025】
図5に示すように、情報処理装置31は、CPU(Central Processing Unit)61を内蔵しており、CPU61には、バス64を介して、ROM(Read Only Memory)62およびRAM(Random Access Memory)63が接続されている。また、CPU61には、バス64および入出力インタフェース65を介して、タッチパネルモニタ41、操作ボタン66、スピーカ67、記憶部68、通信部69、およびドライブ70が接続されている。
【0026】
CPU61は、操作ボタン66から供給されるユーザの操作を表す操作情報にしたがって、予めROM62に格納されているプログラムを実行する。あるいは、CPU61は、記憶部68に予め格納されたプログラムを、RAM63にロードして実行する。これにより、CPU61は、後述するフローチャートにしたがった処理、あるいは後述する機能ブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU61は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、バス64および入出力インタフェース65を介して、タッチパネルモニタ41やスピーカ67から出力、あるいは、通信部69から送信、さらには、記憶部68に記録等させる。
【0027】
タッチパネルモニタ41(検出手段)は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ81、それに積層された無色透明のタッチパネル82(接触部)等により構成される。タッチパネルモニタ41は、CPU61から供給される処理結果としてのアイコン13等をディスプレイ81に表示させる。タッチパネルモニタ41は、タッチパネル82への物体の接触を検知し、その接触の位置を接触位置としてCPU61に供給する。
【0028】
操作ボタン66は、ユーザにより操作される物理的なボタンである。操作ボタン66は、ユーザからの操作を受け付け、その操作を表す操作情報をCPU61に供給する。スピーカ67は、CPU61から供給される処理結果としての音声を出力する。
【0029】
記憶部68は、HDD(Hard Disk Drive)等により構成される。記憶部68は、機能テーブル91、指情報92等を記憶している。機能テーブル91とは、1つの指の接触位置および種類と、その接触位置および種類の組み合わせに割り当てられた機能とを対応付けたテーブルである。
【0030】
なお、本実施の形態において、指には、親指は含まれないものとする。即ち、本実施の形態における指とは、人差し指、中指、薬指、および小指である。また、指情報92とは、ユーザの各指を識別するための情報である。ここでは、指情報92は、各指の画像、または、各指の形状を特定する情報であるものとする。この指情報92は、例えば、事前にユーザがカメラ32を用いて自分の各指の画像を撮像することにより、記憶される。
【0031】
通信部69は、カメラ32等の外部の装置と通信を行う。例えば、通信部69は、カメラ32から送信されてくる画像を受信し、RAM63等に供給して記憶させる。
【0032】
ドライブ70には、必要に応じて、リムーバブルメディア71が装着される。ドライブ70は、装着されたリムーバブルメディア71にデータを記録したり、リムーバブルメディア71に記録されたデータを再生したりする。リムーバブルメディア71としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリ等がある。
【0033】
なお、CPU61により実行されるプログラムは、リムーバブルメディア71に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブルメディア71は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。この場合、プログラムは、ドライブ70を介して情報処理装置31にインストールされる。
【0034】
また、CPU61により実行されるプログラムは、通信網や放送網を介して、情報処理装置31にダウンロードされ、内蔵する記憶部68にインストールされるようにしてもよい。即ち、プログラムは、例えば、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、情報処理装置31に無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、情報処理装置31に有線で転送することができる。
【0035】
[情報処理装置の機能的構成例]
図6は、情報処理装置31のCPU61により実現される機能実行処理部の機能的構成例を示すブロック図である。
【0036】
図6に示すように、機能実行処理部100は、位置取得部101、指種類認識部102(認識手段)、機能認識部103(検索手段)、および実行部104(実行手段)により構成される。機能実行処理部100は、タッチパネル82への指の接触に応じて、その指の接触位置と種類に割り当てられた機能を実行する。
【0037】
具体的には、機能実行処理部100の位置取得部101は、タッチパネルモニタ41から供給される接触位置(例えば、アイコンの上など)を取得し、その接触位置を指種類認識部102と機能認識部103に供給する。
【0038】
指種類認識部102は、カメラ32から送信されてきた画像、記憶部68に予め記憶されている指情報92、および位置取得部101からの接触位置に基づいて、タッチパネル82に接触された指の種類を認識する。具体的には、例えば、指情報92として各指の画像が記憶されている場合、指種類認識部102は、その指情報92と、カメラ32から送信されてきた画像の接触位置周辺の画像とのマッチングを行い、カメラ32から送信されてきた画像に含まれる指の種類を認識する。指種類認識部102は、認識された指の種類(例えば、人差し指など)を機能認識部103に供給する。
【0039】
なお、指の種類の認識方法としては、例えば、Taehee Lee,Tobias Hollerer,”Handy AR:Markerless Inspection of Augmented Reality Objects Using Fingertip Tracking”,In Proc.IEEE International Symposium on Wearable Computers(ISWC),Boston,MA,Oct.2007に記載されている方法を用いることもできる。
【0040】
機能認識部103は、記憶部68に予め記憶されている機能テーブル91から、位置取得部101からの接触位置と指種類認識部102からの指の種類とに対応する機能を検索する。そして、機能認識部103は、検索された機能を実行すべき機能として認識し、その機能を表す情報を実行部104に供給する。
【0041】
実行部104は、機能認識部103から供給される情報が表す機能を実行する。
【0042】
[効果の説明]
図7は、機能テーブル91の例を示す図である。また、図8は、図7に示す機能テーブル91が記憶部68に記憶されている場合に実行される機能を説明する図である。
【0043】
図7に示すように、機能テーブル91では、1つの指の接触位置および指の種類と、それらの組み合わせに割り当てられた機能が対応付けられている。具体的には、図7の例では、指の接触位置「アイコン上」および指の種類「人差し指」と、機能「実行」とが対応付けられている。また、図7の例では、指の接触位置「アイコン上」および指の種類「中指」と、機能「メニュー表示」とが対応付けられている。
【0044】
従って、図8Aに示すように、ユーザがアイコン13の表示位置に対応するタッチパネル82上の位置に人差し指を接触すると、アイコン13に対応するアプリケーションを実行する機能が実行される。また、図8Bに示すように、ユーザがアイコン13の表示位置に対応するタッチパネル82上の位置に中指を接触すると、コンテキストメニュー14を表示する機能が実行される。
【0045】
即ち、図7に示す機能テーブル91が記憶部68に記憶されている場合、接触位置がタッチパネル82上のアイコン13に対応する位置であっても、接触される指が人差し指であるか、中指であるかによって、実行される機能が異なる。なお、図8において、図1乃至図3と同一のものには同一の符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0046】
以上のように、情報処理システム30では、タッチパネルモニタ41が、タッチパネル82に接触された物体の位置を接触位置として検出し、指種類認識部102が、接触位置とタッチパネル82の画像に基づいて、タッチパネル82に接触された指の種類を認識する。そして、機能認識部103が、1つの指の接触位置および種類と、その接触位置および種類の組み合わせに割り当てられた機能とを対応付けた機能テーブル91から、検出された接触位置と認識された指の種類とに対応する機能を検索し、実行部104が、その機能を実行する。
【0047】
従って、同一の位置に指が接触された場合であっても、指の種類によって異なる機能を実行することができる。その結果、所定の位置への指の接触という1つの動作によって実行可能な機能が増加し、ユーザの所望の機能を素早くかつ容易に実行可能にすることができる。
【0048】
[情報処理装置の処理の説明]
図9は、機能実行処理部100による機能実行処理を説明するフローチャートである。
【0049】
図9のステップS11において、位置取得部101は、タッチパネル82への物体の接触が検出されたかどうか、即ち接触位置がタッチパネルモニタ41から供給されたかどうかを判定する。
【0050】
ステップS11でタッチパネル82への物体の接触が検出されたと判定された場合、ステップS12において、位置取得部101は、タッチパネルモニタ41から供給される接触位置を取得し、その接触位置を指種類認識部102と機能認識部103に供給する。
【0051】
ステップS13において、指種類認識部102は、カメラ32から送信されてきた画像を取得する。
【0052】
ステップS14において、指種類認識部102は、記憶部68に予め記憶されている指情報92、カメラ32から取得された画像、および位置取得部101からの接触位置に基づいて、タッチパネル82に接触された指の種類を認識する。そして、指種類認識部102は、その指の種類を機能認識部103に供給する。
【0053】
ステップS15において、機能認識部103は、位置取得部101からの接触位置と指種類認識部102からの指の種類に対応する機能を、記憶部68に予め記憶されている機能テーブル91から検索する。
【0054】
ステップS16において、機能認識部103は、位置取得部101からの接触位置と指種類認識部102からの指の種類に対応する機能が検索されたかどうかを判定する。ステップS16で検索されたと判定された場合、機能認識部103は、検索された機能を実行すべき機能として認識し、その機能を表す情報を実行部104に供給する。そして、処理はステップS17に進む。
【0055】
ステップS17において、実行部104は、機能認識部103から供給される情報が表す機能を実行し、処理を終了する。
【0056】
一方、ステップS11でタッチパネル82への物体の接触が検出されていないと判定された場合、または、ステップS16で検索されていないと判定された場合、処理を終了する。
【0057】
なお、図9のステップS15乃至S17の処理は、ステップS14で認識された種類に対応する指ごとに行われる。
【0058】
<第2実施の形態>
[情報処理システムの第2実施の形態の構成例]
図10は、本発明を適用した情報処理システムの第2実施の形態の構成例を示す図である。
【0059】
図10に示す構成のうち、図4の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0060】
図10の情報処理システム120の構成は、主に、情報処理装置31の代わりに情報処理装置121が設けられている点、および、眼鏡33の代わりにHMD(Head Mount Display)122が設けられている点が図4の構成と異なる。
【0061】
ユーザは、情報処理システム120を使用するとき、情報処理装置121を所持しHMD122を装着する。ユーザは、情報処理装置121を直接見るのではなく、HMD122に表示されているカメラ32により撮像された情報処理装置121の画像を見ながら、情報処理装置121に対してタッチ操作を行う。
【0062】
情報処理システム120において、情報処理装置121は、カメラ32だけでなく、HMD122とも接続されている。情報処理装置121は、図4の情報処理装置31と同様に、指でタッチ操作可能な情報処理装置であり、タッチパネルモニタ41等を有している。情報処理装置121は、図4の情報処理装置31と同様に、そのタッチパネルモニタ41にアイコン13等を表示させる。
【0063】
また、情報処理装置121は、カメラ32により撮像され、送信されてくる画像に基づいて、その画像に含まれる指が現在の位置の周辺でタッチパネルモニタ41に接触したときに実行される機能を認識し、その機能を表すラベル画像を、その指の画像に重畳する。そして、情報処理装置121は、その結果得られる画像をHMD122に送信して表示させる。
【0064】
ユーザは、タッチパネルモニタ41に表示されたアイコン13およびラベル画像等を見ながら、所定の位置に所定の指を接触させることにより、情報処理装置121に所望の機能を実行させる。
【0065】
HMD122は、情報処理装置121と接続されており、情報処理装置121から送信されてくる画像を表示する。
【0066】
[情報処理装置のハードウェア構成例]
図11は、図10の情報処理装置121のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0067】
図11に示す構成のうち、図5の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0068】
図11の情報処理装置121の構成は、主に、記憶部68に機能テーブル91に代えて機能ラベルテーブル131が記憶されている点、および、通信部69の代わりに通信部132が設けられている点が図5の構成と異なる。
【0069】
機能ラベルテーブル131は、1つの指の接触位置および種類と、その接触位置および種類の組み合わせに割り当てられた機能、および、その機能を表すラベル画像に含まれる文字(機能情報)とが対応付けられたものである。
【0070】
通信部132は、カメラ32やHMD122等の外部の装置と通信を行う。例えば、通信部132は、カメラ32から送信されてくる画像を受信し、RAM63等に供給して記憶させる。また、通信部132は、CPU61から供給される、カメラ32から送信されてきた画像や、その画像にラベル画像が重畳された画像をHMD122に送信し、表示させる。
【0071】
[情報処理装置の機能的構成例]
図12は、図11の情報処理装置121のCPU61により実現される機能実行処理部の機能的構成例を示すブロック図である。
【0072】
図12に示す構成のうち、図6の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0073】
図12の機能実行処理部140の構成は、主に、指種類認識部102の代わりに指種類認識部141(認識手段)が設けられている点、および、ラベル表示制御部142(表示制御手段)が新たに設けられている点が図6の構成と異なる。
【0074】
機能実行処理部140の指種類認識部141は、カメラ32から送信されてきた画像と、記憶部68に予め記憶されている指情報92とに基づいて、その画像に含まれる指の種類と位置を認識する。即ち、指種類認識部141は、カメラ32から送信されてきた画像と指情報92とに基づいて、タッチパネルモニタ41の上に配置された指の種類と位置を認識する。そして、指種類認識部141は、認識された指の種類と位置をラベル表示制御部142に供給する。
【0075】
また、指種類認識部141は、指種類認識部102と同様に、カメラ32から送信されてきた画像、指情報92、および位置取得部101からの接触位置に基づいて、タッチパネル82に接触された指の種類を認識する。
【0076】
なお、タッチパネルモニタ41の上に配置された指の種類と位置が先に認識される場合には、指種類認識部141は、その指の種類と位置を用いてタッチパネル82に接触された指の種類を認識するようにしてもよい。この場合、指種類認識部141は、既に認識されたタッチパネルモニタ41の上に配置された指の種類のうちの、位置取得部101からの接触位置に対応する指の種類を、タッチパネル82に接触された指の種類として認識する。
【0077】
指種類認識部141は、タッチパネルモニタ41の上に配置された指の種類を機能認識部103に供給する。
【0078】
ラベル表示制御部142は、記憶部68に予め記憶されている機能ラベルテーブル131から、指種類認識部141から供給される指の位置の周辺位置と指の種類に対応するラベル画像に含まれる文字を検索する。そして、ラベル表示制御部142は、検索された文字のラベル画像を生成する。ラベル表示制御部142は、カメラ32から送信されてきた画像の、指種類認識部141から供給される指の位置に、その指の位置と種類に対応するラベル画像を重畳する。そして、ラベル表示制御部142は、通信部132を制御して、重畳の結果得られる画像をHMD122に送信し、表示させる。
【0079】
[機能ラベルテーブルの例]
図13は、機能ラベルテーブル131の例を示す図である。
【0080】
図13に示すように、機能ラベルテーブル131では、1つの指の接触位置および指の種類と、それらの組み合わせに割り当てられた機能、および、その機能を表すラベル画像に含まれる文字が対応付けられている。
【0081】
具体的には、図13の例では、指の接触位置「アイコン上」および指の種類「人差し指」と、機能「実行」およびラベル画像に含まれる文字「実行」が対応付けられている。また、指の接触位置「アイコン上」および指の種類「中指」と、機能「メニュー表示」およびラベル画像に含まれる文字「メニュー」が対応付けられている。
【0082】
さらに、指の接触位置「アイコン上」および指の種類「薬指」と、機能「コピー」およびラベル画像に含まれる文字「コピー」が対応付けられている。また、指の接触位置「アイコン上」および指の種類「小指」と、機能「属性表示」およびラベル画像に含まれる文字「属性」が対応付けられている。
【0083】
[HMDに表示される画像の例]
図14は、図11の情報処理装置121によりHMD122に表示される画像の例を示す図である。
【0084】
なお、図14の例では、図13に示した機能ラベルテーブル131が記憶部68に記憶されているものとする。
【0085】
図14Aに示すように、ユーザが人差し指をアイコン13の周辺位置に配置させると、人差し指を含む画像がカメラ32により撮像される。そして、その人差し指と、人差し指の位置の周辺位置であるアイコン13上に対応するラベル画像に含まれる文字「実行」が機能ラベルテーブル131から検索される。そして、その文字「実行」を含むラベル画像161が人差し指の位置に重畳された画像がHMD122に表示される。
【0086】
また、図14Bに示すように、ユーザが中指をアイコン13の周辺位置に配置させると、中指を含む画像がカメラ32により撮像される。そして、その中指と、中指の位置の周辺位置であるアイコン13上に対応するラベル画像に含まれる文字「メニュー」が機能ラベルテーブル131から検索される。そして、その文字「メニュー」を含むラベル画像162が中指の位置に重畳された画像がHMD122に表示される。
【0087】
さらに、図14Cに示すように、ユーザが全ての指をアイコン13の周辺位置に配置させると、全ての指を含む画像がカメラ32により撮像される。そして、その全ての指と、全ての指の位置の周辺位置であるアイコン13上に対応するラベル画像に含まれる文字が検索される。その結果、図14Cに示すように、文字「実行」を含むラベル画像161、文字「メニュー」を含むラベル画像162、文字「コピー」を含むラベル画像163、文字「属性」を含むラベル画像164が、それぞれ、人差し指、中指、薬指、小指の位置に重畳された画像がHMD122に表示される。
【0088】
以上のように、情報処理システム120では、タッチパネルモニタ41の上に配置された指が現在の位置の周辺に接触したときに実行される機能を表すラベル画像が、タッチパネルモニタ41を含む画像内の、その指の位置に重畳されてHMD122に表示される。従って、ユーザは、所定の指をタッチパネルモニタ41の上の所定の位置に配置させることにより、その指をその位置の周辺位置に接触したときに実行される機能を容易に認識することができる。よって、ユーザは、各指の位置と種類の組み合わせに割り当てられた機能を覚えていない場合であっても、所望の機能を実行させることができる。従って、情報処理システム120は、より簡単なタッチ操作をユーザに提供することができる。
【0089】
[情報処理装置の処理の説明]
図15は、機能実行処理部140によるラベル表示処理を説明するフローチャートである。
【0090】
ステップS31において、指種類認識部141は、カメラ32により撮像され、送信されてきた画像を取得する。
【0091】
ステップS32において、指種類認識部141は、記憶部68に予め記憶されている指情報92と、カメラ32から取得された画像とに基づいて、その画像に含まれる指の種類と位置を認識する。指種類認識部141は、認識された指の種類と位置をラベル表示制御部142に供給する。
【0092】
ステップS33において、ラベル表示制御部142は、指種類認識部141から供給される指の位置の周辺位置と指の種類に対応するラベル画像に含まれる文字を、記憶部68に予め記憶されている機能ラベルテーブル131から検索する。
【0093】
ステップS34において、ラベル表示制御部142は、指種類認識部141から供給される指の位置の周辺位置と指の種類に対応するラベル画像に含まれる文字が検索されたかどうかを判定する。
【0094】
ステップS34で検索されたと判定された場合、ラベル表示制御部142は、検索された文字を含むラベル画像を生成し、処理をステップS35に進める。
【0095】
ステップS35において、ラベル表示制御部142は、カメラ32から送信されてきた画像の、機能認識部103から供給される指の位置に、ステップS33で生成されたラベル画像を重畳し、処理をステップS36に進める。
【0096】
一方、ステップS34で検索されていないと判定された場合、カメラ32により撮像された画像にラベル画像は重畳されず、処理はステップS36に進む。
【0097】
なお、図15のステップS33乃至S36の処理は、ステップS32で種類と位置が認識された指ごとに行われる。
【0098】
ステップS36において、ラベル表示制御部142は、通信部132を制御し、以上の処理によりラベル画像が重畳されなかったカメラ32からの画像、または、ラベル画像が重畳されたカメラ32からの画像をHMD122に送信し、表示させる。そして、処理は終了する。
【0099】
また、機能実行処理部140による機能実行処理は、図9で説明した機能実行処理と同様であるので、説明は省略する。
【0100】
[情報処理装置の他のハードウェア構成例]
図16は、図10の情報処理装置121の他のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0101】
図16に示す構成のうち、図11の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0102】
図16の情報処理装置121の構成は、主に、記憶部68に機能ラベルテーブル131に代えて機能ラベルテーブル170が記憶されている点が図11の構成と異なる。
【0103】
図16の情報処理装置121では、1つの指の接触位置および種類の組み合わせだけでなく、複数の指の接触位置および種類の組み合わせに対しても機能が割り当てられる。
【0104】
具体的には、機能ラベルテーブル170は、1以上の指の接触位置および種類と、その接触位置および種類の組み合わせに割当られた機能、および、その機能を表すラベル画像に含まれる文字とが対応付けられたものである。
【0105】
[情報処理装置の機能的構成例]
図17は、図16の情報処理装置121のCPU61により実現される機能実行処理部の機能的構成例を示すブロック図である。
【0106】
図17に示す構成のうち、図12の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0107】
図17の機能実行処理部180の構成は、主に、機能認識部103の代わりに機能認識部181が設けられている点、および、ラベル表示制御部142の代わりにラベル表示制御部182が設けられている点が図12の構成と異なる。
【0108】
機能実行処理部180の機能認識部181は、位置取得部101から複数の指の接触位置が供給される場合、その接触位置と指種類認識部141から供給される指の種類とに基づいて、連続する2つの指どうしの距離を計算する。機能認識部181は、後述するラベル表示制御部182と同様に、その距離に基づいて複数の指が接合しているかどうかを判定する。
【0109】
機能認識部181は、タッチパネル82に接触している複数の指が接合している場合、その複数の指の位置と種類に対応する機能を機能ラベルテーブル170から検索する。一方、タッチパネル82に接触している1以上の指が接合していない場合、機能認識部181は、その指の位置と種類に対応する機能を機能ラベルテーブル170から検索する。そして、機能認識部181は、検索された機能を実行すべき機能として認識し、その機能を表す情報を実行部104に供給する。
【0110】
ラベル表示制御部182は、指種類認識部141から複数の指の位置と種類が供給される場合、その指の位置と種類に基づいて、連続する2つの指どうしの距離を計算する。ラベル表示制御部182は、その距離に基づいて複数の指が接合しているかどうかを判定する。ラベル表示制御部182は、タッチパネル82上に複数の指が接合して配置されている場合、その複数の指の位置と種類に対応するラベル画像に含まれる文字を機能ラベルテーブル170から検索する。一方、タッチパネル82上に1以上の指が接合せずに配置されている場合、ラベル表示制御部182は、その指の位置と種類に対応するラベル画像に含まれる文字を機能ラベルテーブル170から検索する。そして、ラベル表示制御部182は、検索された文字を含むラベル画像を生成する。
【0111】
ラベル表示制御部182は、カメラ32から送信されてきた画像の、指種類認識部141から供給される接合されている複数の指の位置に対応する1つの位置に、その複数の指の位置と種類に対応する機能のラベル画像を重畳する。また、ラベル表示制御部182は、カメラ32から送信されてきた画像の、指種類認識部141から供給される接合されていない1以上の指の位置に、その指の位置と種類に対応する機能のラベル画像を重畳する。そして、ラベル表示制御部182は、通信部132を制御して、重畳の結果得られる画像をHMD122に送信し、表示させる。
【0112】
[機能ラベルテーブルの例]
図18は、機能ラベルテーブル170の例を示す図である。
【0113】
図18に示すように、機能ラベルテーブル170では、1以上の指の接触位置および指の種類と、それらの組み合わせに割り当てられた機能、および、その機能を表すラベル画像に含まれる文字が対応付けられている。
【0114】
具体的には、図18の例では、指の接触位置「アイコン上」および指の種類「人差し指」と、機能「実行」およびラベル画像に含まれる文字「実行」とが対応付けられている。また、指の接触位置「アイコン上」および指の種類「中指」と、機能「メニュー表示」およびラベル画像に含まれる文字「メニュー」が対応付けられている。
【0115】
さらに、指の接触位置「アイコン上」および指の種類「人差し指と中指」と、機能「コピー」およびラベル画像に含まれる文字「コピー」が対応付けられている。
【0116】
[HMDに表示される画像の例]
図19は、図16の情報処理装置121によりHMD122に表示される画像の例を示す図である。
【0117】
なお、図19の例では、図18に示した機能ラベルテーブル170が記憶部68に記憶されているものとする。また、図19において、図14と同一のものには同一の符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0118】
図19Aに示すように、ユーザが人差し指と中指を接合せずにアイコン13の周辺位置に配置させると、接合されていない人差し指と中指を含む画像がカメラ32により撮像される。そして、その人差し指と、人差し指の位置の周辺位置であるアイコン13上に対応するラベル画像に含まれる文字「実行」が、機能ラベルテーブル170から検索される。また、中指と中指の位置の周辺位置であるアイコン13上に対応するラベル画像に含まれる文字「メニュー」が、機能ラベルテーブル170から検索される。そして、文字「実行」を含むラベル画像161が人差し指の位置に重畳され、文字「メニュー」を含むラベル画像162が中指の位置に重畳された画像がHMD122に表示される。
【0119】
また、図19Bに示すように、ユーザが人差し指と中指を接合してアイコン13の周辺位置に配置させると、接合された人差し指と中指を含む画像がカメラ32により撮像される。そして、その人差し指および中指と、人差し指および中指の位置の周辺位置であるアイコン13上に対応するラベル画像に含まれる文字「コピー」が、機能ラベルテーブル170から検索される。そして、文字「コピー」を含むラベル画像163が、接合された人差し指と中指の位置に対応する1つの位置(図19の例では、人差し指と中指の中央の位置)に重畳された画像がHMD122に表示される。
【0120】
[情報処理装置の処理の説明]
図20と図21は、機能実行処理部180によるラベル表示処理を説明するフローチャートである。
【0121】
ステップS41において、指種類認識部141は、カメラ32により撮像され、送信されてきた画像を取得する。
【0122】
ステップS42において、指種類認識部141は、記憶部68に予め記憶されている指情報92と、カメラ32から取得された画像とに基づいて、その画像に含まれる指の種類と位置を認識する。指種類認識部141は、認識された指の種類と位置をラベル表示制御部182に供給する。
【0123】
ステップS43において、ラベル表示制御部182は、指種類認識部141から供給される指の種類に基づいて、指種類認識部141により連続する複数の指の種類が認識されたかどうかを判定する。なお、連続する複数の指の種類とは、「人差し指と中指」、「中指と薬指」、「薬指と小指」、「人差し指、中指、および薬指」、「中指、薬指、および小指」、または、「人差し指、中指、薬指、および小指」である。
【0124】
ステップS43で連続する複数の指の種類が認識されたと判定された場合、ステップS44において、ラベル表示制御部182は、指種類認識部141から供給される指の種類と位置に基づいて、連続する2つの指どうしの距離を計算する。具体的には、ラベル表示制御部182は、「人差し指と中指」、「中指と薬指」、または「薬指と小指」の距離を計算する。そして処理はステップS45に進む。
【0125】
一方、ステップS43で連続する複数の指の種類が認識されていないと判定された場合、即ち、各指のいずれか1つ、「人差し指と薬指」、「人差し指と小指」、または「中指と小指」のみが指の種類として認識された場合、処理はステップS45に進む。
【0126】
ステップS45において、ラベル表示制御部182は、人差し指を処理の対象の指である対象指とする。
【0127】
ステップS46において、ラベル表示制御部182は、対象指の種類が指種類認識部141により認識されているかどうか、即ち、対象指の種類が指種類認識部141から供給されたかどうかを判定する。
【0128】
ステップS46で対象指の種類が認識されていると判定された場合、ステップS47において、ラベル表示制御部182は、対象指の右隣の指の種類が指種類認識部141に認識されているかどうかを判定する。具体的には、対象指が人差し指である場合、ラベル表示制御部182は、中指が認識されているかどうかを判定し、対象指が中指である場合、ラベル表示制御部182は、薬指が認識されているかどうかを判定する。また、対象指が薬指である場合、ラベル表示制御部182は、小指が認識されているかどうかを判定する。
【0129】
ステップS47で対象指の右隣の指の種類が認識されていると判定された場合、ステップS48において、ラベル表示制御部182は、ステップS44で計算された対象指と右隣の指の距離が閾値以下であるかどうかを判定する。
【0130】
ステップS48で対象指と右隣の指の距離が閾値以下ではないと判定された場合、ラベル表示制御部182は、対象指と右隣の指が接合していないと判定し、処理をステップS49に進める。
【0131】
一方、ステップS47で対象指の右隣の指が認識されていないと判定された場合、処理はステップS49に進む。
【0132】
ステップS49において、ラベル表示制御部182は、指の種類「対象指」および接触位置「対象指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字を機能ラベルテーブル170から検索する。即ち、対象指の種類は認識されているが、その対象指の右隣の指の種類は認識されていないか、または、対象指と右隣の指の種類が認識されているが、対象指が右隣の指と接合していない場合、指の種類「対象指」および接触位置「対象指の位置の周辺位置」に対応する文字が機能ラベルテーブル170から検索される。
【0133】
ステップS50において、ラベル表示制御部182は、指の種類「対象指」および接触位置「対象指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字が機能ラベルテーブル170から検索されたかどうかを判定する。
【0134】
ステップS50で検索されたと判定された場合、ラベル表示制御部182は、検索された文字を含むラベル画像を生成し、処理をステップS51に進める。
【0135】
ステップS51において、ラベル表示制御部182は、カメラ32から送信されてきた画像の対象指の位置に、検索された文字を含むラベル画像を重畳し、処理をステップS52に進める。
【0136】
一方、ステップS50で検索されていないと判定された場合、即ち、指の種類「対象指」および接触位置「対象指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字が機能ラベルテーブル170に登録されていない場合、処理はステップS52に進む。
【0137】
また、ステップS46で対象指の種類が指種類認識部141により認識されていないと判定された場合、処理はステップS52に進む。
【0138】
ステップS52において、ラベル表示制御部182は、対象指が薬指であるかどうかを判定する。ステップS52で対象指が薬指ではないと判定された場合、ステップS53において、ラベル表示制御部182は、対象指の右隣の指を新たな対象指とし、処理をステップS46に戻す。
【0139】
以上のようにしてステップS45乃至S53の処理が行われることにより、中指と接合していない人差し指、人差し指とも薬指とも接合していない中指、および中指とも小指とも接合していない薬指の位置に、その位置と各指の種類に割り当てられた機能のラベル画像が重畳される。
【0140】
一方、ステップS52で対象指が薬指であると判定された場合、処理は図21のステップS68に進む。
【0141】
また、ステップS48で対象指と右隣の指の距離が閾値以下であると判定された場合、ラベル表示制御部182は、対象指と右隣の指が接合していると判断し、処理をステップS54に進める。
【0142】
ステップS54において、ラベル表示制御部182は、対象指が薬指であるかどうかを判定する。ステップS54で対象指が薬指ではないと判定された場合、即ち対象指が人差し指または中指である場合、処理はステップS55に進む。
【0143】
ステップS55において、ラベル表示制御部182は、対象指の1つ置いた右隣の指の種類が指種類認識部141により認識されているかどうかを判定する。なお、対象指が人差し指である場合、対象指の1つ置いた右隣の指は薬指であり、対象指が中指である場合、対象指の1つ置いた右隣の指は小指である。
【0144】
ステップS55で対象指の1つ置いた右隣の指の種類が認識されていると判定された場合、図21のステップS61において、ラベル表示制御部182は、対象指の右隣の指と対象指の1つ置いた右隣の指との距離が閾値以下であるかどうかを判定する。具体的には、対象指が人差し指である場合、ラベル表示制御部182は、ステップS44で計算された中指と薬指の距離が閾値以下であるかどうかを判定する。また、対象指が中指である場合、ラベル表示制御部182は、ステップS44で計算された薬指と小指の距離が閾値以下であるかどうかを判定する。
【0145】
ステップS61で対象指の右隣の指と対象指の1つ置いた右隣の指との距離が閾値以下ではないと判定された場合、ラベル表示制御部182は、対象指の右隣の指と対象指の1つ置いた右隣の指とが接合されていないと判断する。そして、ラベル表示制御部182は、処理を図20のステップS56に進める。
【0146】
一方、ステップS54で対象指が薬指であると判定された場合、または、ステップS55で対象指の1つ置いた右隣の指の種類が認識されていないと判定された場合、処理はステップS56に進む。
【0147】
ステップS56において、ラベル表示制御部182は、指の種類「対象指と右隣の指」および接触位置「対象指と右隣の指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字を機能ラベルテーブル170から検索する。
【0148】
ステップS57において、指の種類「対象指と右隣の指」および接触位置「対象指と右隣の指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字が検索されたかどうかを判定する。
【0149】
ステップS57で検索されたと判定された場合、ラベル表示制御部182は、検索された文字を含むラベル画像を生成し、処理をステップS58に進める。
【0150】
ステップS58において、ラベル表示制御部182は、カメラ32から送信されてきた画像の対象指と右隣の指の位置に対応する1つの位置に、検索された文字を含むラベル画像を重畳し、処理をステップS59に進める。
【0151】
一方、ステップS57で検索されていないと判定された場合、処理はステップS59に進む。
【0152】
ステップS59において、ラベル表示制御部182は、対象指が薬指であるかどうかを判定し、対象指が薬指である場合、処理を終了する。
【0153】
一方、ステップS59で対象指が薬指ではないと判定された場合、ステップS60において、ラベル表示制御部182は、対象指の1つ置いた右隣の指を新たな対象指とし、処理をステップS46に戻す。
【0154】
以上のようにして、ステップS54乃至S61の処理が行われることにより、「中指とのみ接合する人差し指」、「薬指とのみ接合する中指」、および「小指とのみ接合する薬指」の互いに接合する2つの指の位置に対応する1つの位置に、その位置の周辺位置とその2つの指の種類に割り当てられた機能のラベル画像が重畳される。
【0155】
また、図21のステップS61で対象指の右隣の指と対象指の1つ置いた右隣の指との距離が閾値以下であると判定された場合、ラベル表示制御部182は、対象指の右隣の指と対象指の1つ置いた右隣の指が接合していると判断し、処理をステップS62に進める。
【0156】
ステップS62において、ラベル表示制御部182は、対象指が中指であるかどうかを判定する。ステップS62で対象指が中指ではないと判定された場合、即ち対象指が人差し指である場合、処理はステップS63に進む。
【0157】
ステップS63において、ラベル表示制御部182は、対象指の2つ置いた右隣の指の種類が認識されているかどうか、即ち小指が認識されているかどうかを判定する。
【0158】
ステップS63で対象指の2つ置いた右隣の指が認識されていると判定された場合、ステップS72において、ラベル表示制御部182は、対象指の1つ置いた右隣の指と対象指の2つ置いた右隣の指との距離が閾値以下であるかどうかを判定する。即ち、ラベル表示制御部182は、図20のステップS44で計算された薬指と小指の距離が閾値以下であるかどうかを判定する。
【0159】
ステップS72で対象指の1つ置いた右隣の指と対象指の2つ置いた右隣の指との距離が閾値以下ではないと判定された場合、ラベル表示制御部182は、薬指と小指が接合されていないと判断し、処理をステップS64に進める。
【0160】
一方、ステップS62で対象指が中指であると判定された場合、または、ステップS63で対象指の2つ置いた右隣の指の種類が認識されていないと判定された場合、処理はステップS64に進む。
【0161】
ステップS64において、ラベル表示制御部182は、指の種類「対象指、右隣の指、および1つ置いた右隣の指」および接触位置「対象指、右隣の指、および1つ置いた右隣の指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字を、機能ラベルテーブル170から検索する。
【0162】
ステップS65において、ラベル表示制御部182は、指の種類「対象指、右隣の指、および1つ置いた右隣の指」および接触位置「対象指、右隣の指、および1つ置いた右隣の指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字が検索されたかどうかを判定する。
【0163】
ステップS65で検索されたと判定された場合、ラベル表示制御部182は、検索された文字を含むラベル画像を生成し、処理をステップS66に進める。
【0164】
ステップS66において、ラベル表示制御部182は、対象指、右隣の指、および1つ置いた右隣の指の位置に対応する1つの位置に、検索された文字を含むラベル画像を重畳し、処理をステップS67に進める。
【0165】
また、ステップS65で検索されていないと判定された場合、処理はステップS67に進む。
【0166】
以上のようにして、ステップS61乃至S66およびS72の処理が行われることにより、「小指とは接合されない、互いに接合する人差し指、中指、および薬指」および「人差し指とは接合されない、互いに接合する中指、薬指、および小指」の互いに接合する3つの指の位置に対応する1つの位置に、その位置の周辺位置とその3つの指の種類に割り当てられた機能のラベル画像が重畳される。
【0167】
ステップS67において、ラベル表示制御部182は、対象指が中指であるかどうかを判定する。ステップS67で対象指が中指であると判定された場合、処理はステップS76に進む。一方、ステップS64で対象指が中指ではないと判定された場合、即ち対象指が人差し指である場合、処理はステップS68に進む。
【0168】
ステップS68において、ラベル表示制御部182は、小指が指の種類として指種類認識部141に認識されているかどうかを判定する。
【0169】
ステップS68で小指が認識されていると判定された場合、ステップS69において、ラベル表示制御部182は、指の種類「小指」および接触位置「小指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字を機能ラベルテーブル170から検索する。
【0170】
ステップS70において、ラベル表示制御部182は、指の種類「小指」および接触位置「小指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字が検索されたかどうかを判定する。
【0171】
ステップS70で検索されたと判定された場合、ラベル表示制御部182は、検索された文字を含むラベル画像を生成し、処理をステップS71に進める。
【0172】
ステップS71において、ラベル表示制御部182は、カメラ32から送信されてきた画像の小指の位置に、検索された文字を含むラベル画像を重畳し、処理をステップS76に進める。
【0173】
ステップS68で小指が認識されていないと判定された場合、または、ステップS70で検索されていないと判定された場合、処理はステップS76に進む。
【0174】
以上のようにしてステップS68乃至S71の処理が行われることにより、薬指が接合されない小指の位置に、その位置の周辺位置と指の種類「小指」に割り当てられた機能のラベル画像が重畳される。
【0175】
また、ステップS72で対象指の1つ置いた右隣の指と対象指の2つ置いた右隣の指との距離が閾値以下であると判定された場合、ラベル表示制御部182は、薬指と小指が接合されていると判断し、処理をステップS73に進める。
【0176】
ステップS73において、ラベル表示制御部182は、指の種類「対象指、右隣の指、1つ置いた右隣の指、および2つ置いた右隣の指」および接触位置「対象指、右隣の指、1つ置いた右隣の指、および2つ置いた右隣の指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字を機能ラベルテーブル170から検索する。即ち、ラベル表示制御部182は、指の種類「人差し指、中指、薬指、および小指」および接触位置「人差し指、中指、薬指、および小指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字を機能ラベルテーブル170から検索する。
【0177】
ステップS74において、指の種類「対象指、右隣の指、1つ置いた右隣の指、および2つ置いた右隣の指」および接触位置「対象指、右隣の指、1つ置いた右隣の指、および2つ置いた右隣の指の位置の周辺位置」に対応するラベル画像に含まれる文字が検索されたかどうかを判定する。
【0178】
ステップS74で検索されたと判定された場合、ラベル表示制御部182は、検索された文字を含むラベル画像を生成し、処理をステップS75に進める。
【0179】
ステップS75において、ラベル表示制御部182は、対象指、右隣の指、1つ置いた右隣の指、および2つ置いた右隣の指の位置に対応する1つの位置に、検索された文字を含むラベル画像を重畳する。そして処理はステップS76に進む。
【0180】
以上のようにして、ステップS72乃至S75の処理が行われることにより、互いに接合する人差し指、中指、薬指、および小指の位置に対応する1つの位置に、その位置の周辺位置と指の種類「人差し指、中指、薬指、および小指」に割り当てられた機能のラベル画像が重畳される。
【0181】
一方、ステップS74で検索されていないと判定された場合、処理はステップS76に進む。
【0182】
ステップS76において、ラベル表示制御部182は、通信部132を制御し、以上の処理によりラベル画像が重畳されなかったカメラ32からの画像、または、以上の処理によりラベル画像が重畳されたカメラ32からの画像を、HMD122に送信して表示させる。そして、処理は終了する。
【0183】
以上のように、図16の情報処理装置121では、1以上の指の接触位置および種類の組み合わせに機能が割り当てられるので、1つの指の接触位置および種類の組み合わせに機能が割り当てられる場合に比べて、所定の位置に指を接触させるという1つの動作に対して、より多くの機能を割り当てることができる。
【0184】
また、図16の情報処理装置121では、接合されている複数の指の位置に対応する1つの位置に、その複数の指の位置の周辺位置と種類に対応する機能のラベル画像が重畳されるので、各指の位置にラベル画像が重畳される場合に比べて視認性が良い。
【0185】
なお、図17の機能実行処理部180による機能実行処理は、複数の指が接触している場合にその指が接合しているかどうかを判定する点、および、接触している複数の指が接合している場合には、図9の機能実行処理において検索対象が、接合している複数の指の種類と接触位置に対応する機能となる点を除いて図9の機能実行処理と同様であるので、図示は省略する。
【0186】
<第3実施の形態>
[情報処理システムの第3実施の形態の構成例]
図22は、本発明を適用した情報処理システムの第3実施の形態の構成例を示す図である。
【0187】
図22に示す構成のうち、図4の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0188】
図22の情報処理システム200の構成は、主に、情報処理装置31の代わりに情報処理装置201が設けられている点、および、カメラ32を装備した眼鏡33が設けられない点が図4の構成と異なる。情報処理装置201は、図4や図10のカメラ32が有する撮像機能を有しており、ユーザは、情報処理システム200を使用するとき、情報処理装置201を所持するだけでよい。
【0189】
情報処理システム200において、情報処理装置201は、指でタッチ操作可能な情報処理装置であり、タッチパネルモニタ211等を有している。タッチパネルモニタ211は、撮像機能と表示機能を有する。タッチパネルモニタ211は、撮像機能によってタッチパネルモニタ211等を撮像することにより、タッチパネルモニタ211に接触されている指の種類および位置を検出する。また、タッチパネルモニタ211は、表示機能によってアイコン13等を表示する。なお、タッチパネルモニタ211の詳細については、後述する図24を参照して説明する。
【0190】
ユーザは、タッチパネルモニタ211に表示されたアイコン13等を見ながら、所望の位置に指を接触させることにより、情報処理装置201に所望の機能を実行させる。具体的には、情報処理装置201は、タッチパネルモニタ211により撮像された画像に基づいて、タッチパネルモニタ211に接触されている指の位置および種類を認識する。そして、情報処理装置201は、その指の位置と種類に割り当てられた機能を実行する。
【0191】
[情報処理装置のハードウェア構成例]
図23は、図22の情報処理装置201のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0192】
図23に示す構成のうち、図5の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0193】
図23の情報処理装置201の構成は、主に、タッチパネルモニタ41、通信部69の代わりにタッチパネルモニタ211、通信部212が設けられている点が図5の構成と異なる。
【0194】
タッチパネルモニタ211は、タッチパネルモニタ211を含む画像を撮像するとともに、その画像を表示する。通信部212は、図示せぬ外部の装置と通信を行う。
【0195】
[タッチパネルモニタの詳細構成例]
図24は、タッチパネルモニタ211の詳細構成例を示すブロック図である。
【0196】
図24に示すように、タッチパネルモニタ211は、I/O表示パネル221、バックライト222、表示ドライブ回路223、および受光ドライブ回路224により構成される。
【0197】
I/O表示パネル221は、中央の表示領域221Aに複数の画素に対応する回路がマトリクス状に配列されることにより構成されるLCDである。各画素の回路は、TFT(Thin Film Transistor)、液晶を挟持した電極等により構成される画素部と、そのTFTと同一層を用いて構成された光センサ、リセットスイッチ、コンデンサ等により構成されるセンサ部とにより構成される。
【0198】
I/O表示パネル221の各画素の画素部は、表示ドライブ回路223の制御にしたがって線順次動作を行い、CPU61等から供給される画像を表示領域221Aに表示する。また、I/O表示パネル221の各画素のセンサ部は、受光ドライブ回路224の制御にしたがって線順次動作を行い、受光データを得る。即ち、I/O表示パネル221の画素部は画像を表示し、センサ部は撮像を行う。
【0199】
バックライト222は、I/O表示パネル221の光源であり、例えば複数の発光ダイオードを面内に配列させることにより構成される。バックライト222は、表示ドライブ回路223から供給されるI/O表示パネル221の動作タイミングを表す信号に同期した所定のタイミングで、高速に発光ダイオードのオン・オフ動作を行う。なお、バックライト222は、画像を表示するための可視光と、撮像を行うための紫外光を射出する。
【0200】
表示ドライブ回路223は、CPU61等から供給される画像に基づいて、I/O表示パネル221を線順次動作させることにより、その画像を表示領域221Aに表示させる。また、表示ドライブ回路223は、線順次動作の動作タイミングを表す信号をバックライト222に供給する。
【0201】
受光ドライブ回路224は、I/O表示パネル221を線順次動作させることにより、I/O表示パネル221において撮像を行わせる。また、受光ドライブ回路224は、撮像の結果得られる各画素の受光データを画像としてCPU61に供給する。
【0202】
なお、タッチパネルモニタ211のより詳細な説明については、本出願人が先に出願した特開2009−63803号公報に記載されている。
【0203】
[情報処理装置の機能的構成例]
図25は、情報処理装置201のCPU61により実現される機能実行処理部の機能的構成例を示すブロック図である。
【0204】
図25の機能実行処理部240の構成は、主に、位置取得部101、指種類認識部102の代わりに位置検出部241(検出手段)、指種類認識部242が設けられている点が図6の構成と異なる。
【0205】
位置検出部241は、タッチパネルモニタ211から供給される画像の画素値の大きさ等に基づいて、タッチパネルモニタ211に接触された物体の位置を接触位置として検出し、機能認識部103と指種類認識部242に供給する。
【0206】
指種類認識部242は、タッチパネルモニタ211から供給される画像、記憶部68に予め記憶されている指情報92、および位置検出部241からの接触位置に基づいて、タッチパネルモニタ211に接触された指の種類を認識する。指種類認識部242は、認識された指の種類を機能認識部103に供給する。
【0207】
[情報処理装置の処理の説明]
図26は、機能実行処理部240による機能実行処理を説明するフローチャートである。
【0208】
図26のステップS81において、位置検出部241は、タッチパネルモニタ211から供給される画像を取得する。
【0209】
ステップS82において、位置検出部241は、タッチパネルモニタ211から供給される画像の画素値の大きさ等に基づいて、タッチパネルモニタ211に物体が接触したかどうかを判定する。
【0210】
ステップS82でタッチパネルモニタ211に物体が接触したと判定された場合、処理はステップS83に進む。
【0211】
ステップS83において、位置検出部241は、タッチパネルモニタ211から供給される画像の画素値の大きさ等に基づいて、タッチパネルモニタ211に接触された物体の位置を接触位置として検出する。そして、位置検出部241は、その接触位置を機能認識部103と指種類認識部242に供給する。
【0212】
ステップS84において、指種類認識部242は、指情報92、タッチパネルモニタ211からの画像、および位置検出部241からの接触位置に基づいて、タッチパネルモニタ211に接触された指の種類を認識する。指種類認識部242は、その指の種類を機能認識部103に供給する。
【0213】
ステップS85乃至S87の処理は、図9のステップS15乃至S17の処理と同様であるので、説明は省略する。
【0214】
また、ステップS82でタッチパネルモニタ211に物体が接触していないと判定された場合、処理は終了する。
【0215】
[指情報の他の例]
図27および図28は、指情報92の他の例を説明する図である。
【0216】
上述した説明では、指情報92は、各指の画像、または、各指の形状を特定する情報であるものとしたが、図27に示すように、ユーザが、各指の任意の箇所(図27の例では爪)に各指に固有の色を付す場合、その色の情報を指情報92として用いることもできる。
【0217】
具体的には、図27の例では、ユーザが、人差し指の爪に色301を付し、中指の爪に色301とは異なる色302を付している。従って、この場合、情報処理装置31(121,201)は、色301と指の種類「人差し指」を対応付け、色302と指の種類「中指」を対応付けたテーブルを指情報92として記憶しておく。これにより、情報処理装置31(121,201)は、カメラ32(タッチパネルモニタ211)により撮像された画像の色に対応する指の種類を指情報92から検索することで、指の種類を認識することができる。
【0218】
また、図28に示すように、ユーザが、各指の任意の箇所(図28の例では爪)に、各指に固有の位置に印が付された、紙などにより構成されるマーカを貼り付ける場合、その印のマーカ上の位置を表す情報を指情報92として用いることもできる。
【0219】
具体的には、図28の例では、ユーザが、人差し指の爪に下部中央に印311Aが付されたマーカ311を貼り付け、中指の爪に上部中央に印312Aが付されたマーカ312を貼り付けている。従って、この場合、情報処理装置31(121,201)は、マーカ311上の印311Aの位置「下部中央」と指の種類「人差し指」を対応付け、マーカ312上の印312Aの位置「上部中央」と指の種類「中指」を対応付けたテーブルを指情報92として記憶しておく。これにより、情報処理装置31(121,201)は、カメラ32(タッチパネルモニタ211)により撮像された画像からマーカ311(312)を抽出し、そのマーカ311(312)の印311A(312A)の位置に対応する指の種類を指情報92から検索することで、指の種類を認識することができる。
【0220】
なお、図27や図28で説明した指情報92は、予め設定されていてもよいし、ユーザにより設定されるようにしてもよい。
【0221】
また、機能テーブル91および機能ラベルテーブル131(170)は、ユーザが設定するようにしてもよい。この場合、ユーザは、指の種類と接触位置の組み合わせに対して割り当てる機能をカスタマイズすることができる。
【0222】
なお、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。
【0223】
また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0224】
さらに、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0225】
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0226】
31 情報処理装置, 41 タッチパネルモニタ, 82 タッチパネル, 91 機能テーブル, 102 指種類認識部, 103 機能認識部, 104 実行部, 121 情報処理装置, 131 機能ラベルテーブル, 141 指種類認識部, 142 ラベル表示制御部, 170 機能ラベルテーブル, 181 機能認識部, 182 ラベル表示制御部, 201 情報処理装置, 241 位置検出部, 242 指種類認識部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触部に接触された物体の位置を接触位置として検出する検出手段と、
前記接触位置と前記接触部の画像に基づいて、前記接触部に接触された指の種類を認識する認識手段と、
少なくとも1つの指の接触位置および種類と、その接触位置および種類の組み合わせに割り当てられた機能とを対応付けた機能テーブルから、前記検出手段により検出された前記接触位置と前記認識手段により認識された前記指の種類とに対応する機能を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された前記機能を実行する実行手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記接触部への物体の接触を検知し、その接触の位置を前記接触位置として検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記接触部の画像に基づいて前記接触位置を検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記接触部の画像を表示させる表示制御手段
をさらに備え、
前記機能テーブルには、少なくとも1つの指の接触位置および種類と、その接触位置および種類の組み合わせに割り当てられた機能、および、その機能を表す情報である機能情報とが対応付けられており、
前記認識手段はまた、前記接触部の画像に基づいて、前記接触部の上に配置された指の種類と位置を認識し、
前記表示制御手段は、前記機能テーブルから、前記認識手段により認識された前記指の位置の周辺位置と前記指の種類に対応する機能情報を検索し、その機能情報の画像を前記接触部の画像の前記指の位置に重畳して表示させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記接触部の上に複数の指が接合して配置される場合、前記機能テーブルから、その複数の指の前記指の位置の周辺位置と各指の前記指の種類に対応する機能情報を検索し、その機能情報の画像を前記接触部の画像の前記複数の指の前記指の位置に対応する1つの位置に重畳して表示させる
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が、
接触部に接触された物体の位置を接触位置として検出する検出ステップと、
前記接触位置と前記接触部の画像に基づいて、前記接触部に接触された指の種類を認識する認識ステップと、
少なくとも1つの指の接触位置および種類と、その接触位置および種類の組み合わせに割り当てられた機能とを対応付けた機能テーブルから、前記検出ステップの処理により検出された前記接触位置と前記認識ステップの処理により認識された前記指の種類とに対応する機能を検索する検索ステップと、
前記検索ステップの処理により検索された前記機能を実行する実行ステップと
を備える情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
接触部に接触された物体の位置を接触位置として検出する検出ステップと、
前記接触位置と前記接触部の画像に基づいて、前記接触部に接触された指の種類を認識する認識ステップと、
少なくとも1つの指の接触位置および種類と、その接触位置および種類の組み合わせに割り当てられた機能とを対応付けた機能テーブルから、前記検出ステップの処理により検出された前記接触位置と前記認識ステップの処理により認識された前記指の種類とに対応する機能を検索する検索ステップと、
前記検索ステップの処理により検索された前記機能を実行する実行ステップと
を含む処理を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−180843(P2011−180843A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44611(P2010−44611)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】