説明

情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラム

【課題】コンテンツの再生が終了した時点で、ユーザからの操作によって直ちにコンテンツを再視聴することが可能な情報処理装置を提供すること。
【解決手段】コンテンツサーバとの間でセッションを確立し、ネットワークを介してコンテンツサーバから送信されたコンテンツデータを受信する通信部と、通信部が受信したコンテンツデータを再生する再生部と、コンテンツデータが再生部で最後まで正常に再生されたか否かを判定する判定部と、判定部の判定の結果、コンテンツデータが最後まで正常に再生されたと判定した場合には、コンテンツサーバとの間のセッションを所定の時間維持し、受け付け可能な所定の操作に関する情報を含んだ情報を所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示するよう制御する情報表示制御部と、を含むことを特徴とする、情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ブロードバンドネットワークやホームネットワークの普及に伴い、映像データや音声データ(これらを総称して“コンテンツデータ”とも称する)を他の機器(例えば、コンテンツデータを保持しているコンテンツサーバや、コンテンツを記録した録画再生機器等)からダウンロードして再生したり、ストリーミング再生したりするシステムが増加している。
【0003】
特にストリーミング再生は、コンテンツサーバからネットワークを介してコンテンツデータを受信している最中でも、コンテンツデータを受信したクライアントは受信したコンテンツデータの再生が可能であり、長時間のコンテンツデータの再生に適している。ストリーミングによってコンテンツサーバから受信したコンテンツを再生する技術としては、例えば特許文献1がある。特許文献1には、RTSP(Real Time Streaming Protocol)によってストリーミングサーバからコンテンツを受信して再生する技術が開示されている。
【0004】
RTSPによってコンテンツサーバから配信されるコンテンツをクライアントで再生する際の一般的なフローを簡単に説明すると以下の通りである。まず、コンテンツを配信するコンテンツサーバと、コンテンツを再生するクライアントとの間でRTSPセッションを確立する。RTSPセッションを確立すると、クライアントからSETUPメソッドを送信し、伝送方法に関するトランスポートパラメータをコンテンツサーバから取得する。
【0005】
続いて、クライアントからPLAYメソッドを送信して、コンテンツサーバからコンテンツのストリーミング配信を要求すると、コンテンツサーバからPLAYメソッドを送信したクライアントに対して、SETUPメソッドで決定したトランスポートパラメータに基づいて、コンテンツがストリーミング配信される。
【0006】
コンテンツが最後まで配信されると、コンテンツが最後まで配信されたことを通知するANNOUNCEメソッドがコンテンツサーバからクライアントに送信される(なお、ANNOUNCEメソッドはコンテンツが最後まで配信された場合にのみ送信されるメソッドではない)。クライアントはANNOUNCEメソッドを受け取ると、クライアントはコンテンツサーバに対して、コンテンツの再生を一時停止状態とするためのPAUSEメソッドを送信する。
【0007】
そして、クライアントでコンテンツの再生を終了する際には、コンテンツサーバとの間のセッションの切断を要求するために、クライアントからTEARDOWNメソッドを送信する。TEARDOWNメソッドを受信したコンテンツサーバは、クライアントとの間のセッションを切断し、コンテンツサーバに割り当てられた資源を解放する。
【0008】
【特許文献1】特開2006−33026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、このようにコンテンツの再生を終了する場合にPAUSEメソッドおよびTEARDOWNメソッドを送信すると、再度同じコンテンツを再生したいときは、またコンテンツサーバとの間のRTSPセッションを確立し、クライアントからコンテンツサーバに対してSETUPメソッドを送信する必要があった。また、コンテンツの再生が終了した後にコンテンツの終わりの方を再度視聴したい場合には、再度PLAYメソッドをコンテンツサーバに送信した後に、視聴したい位置までコンテンツを早送りしなければいけない問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、コンテンツの再生が終了した時点で、コンテンツサーバとの間のセッションを所定の時間維持し、所定の操作を促す情報を当該所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示することで、ユーザからの操作によって直ちにコンテンツを再視聴することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、コンテンツを配信するコンテンツサーバとネットワークを介して接続される情報処理装置であって、コンテンツサーバとの間でセッションを確立し、ネットワークを介してコンテンツサーバから送信されたコンテンツデータを受信する通信部と、通信部が受信したコンテンツデータを再生する再生部と、コンテンツデータが再生部で最後まで正常に再生されたか否かを判定する判定部と、判定部の判定の結果、コンテンツデータが最後まで正常に再生されたと判定した場合には、コンテンツサーバとの間のセッションを所定の時間維持し、情報処理装置が受け付け可能な所定の操作に関する情報を含んだ情報を所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示するよう制御する情報表示制御部と、を含むことを特徴とする、情報処理装置が提供される。
【0012】
かかる構成によれば、通信部はコンテンツサーバとの間でセッションを確立し、ネットワークを介してコンテンツサーバから送信されたコンテンツデータを受信し、再生部は通信部が受信したコンテンツデータを再生する。そして、判定部は通信部が受信したコンテンツデータを再生する再生部と、コンテンツデータが再生部で最後まで正常に再生されたか否かを判定し、情報表示制御部は、判定部の判定の結果、コンテンツデータが最後まで正常に再生されたと判定した場合には、コンテンツサーバとの間のセッションを所定の時間維持し、情報処理装置が受け付け可能な所定の操作に関する情報を含んだ情報を所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示するよう制御する。その結果、コンテンツの再生が終了した時点で、コンテンツサーバとの間のセッションを所定の時間維持し、所定の操作を促す情報を当該所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示することで、コンテンツサーバとの間で再度セッションを確立することなく、ユーザからの操作によって直ちにコンテンツを再視聴することができる。
【0013】
情報表示制御部は、通信部がコンテンツサーバとの間のセッションを切断する前に上記情報を画面に表示するよう制御してもよい。かかる構成によれば、情報表示制御部は、通信部がコンテンツサーバとの間のセッションを切断する前に、所定の操作を促す情報を当該所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示する。その結果、コンテンツサーバとのセッションが切断されること無く、ユーザからの操作によって直ちにコンテンツを再視聴することができる。
【0014】
判定部は、コンテンツデータが最後まで正常に再生された場合にコンテンツサーバから送信されるデータに基づいて、コンテンツデータが最後まで正常に再生されたか否かを判定してもよい。
【0015】
情報表示制御部が画面に表示する所定の操作に関する情報は、コンテンツデータの先頭からの再生であってもよい。その結果、ユーザからのコンテンツデータの先頭からの再生操作によって、直ちにコンテンツを先頭から再視聴することができる。
【0016】
情報表示制御部が画面に表示する所定の操作に関する情報は、コンテンツデータの早戻しであってもよい。その結果、ユーザからのコンテンツデータの早戻し操作によって、直ちにコンテンツをユーザが所望する位置まで早戻しして再視聴することができる。
【0017】
情報表示制御部が画面に表示する所定の操作に関する情報は、再生するコンテンツデータを選択する画面への遷移であってもよい。
【0018】
情報表示制御部が画面に表示する所定の操作に関する情報は、視聴していたコンテンツデータの視聴の終了であってもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンテンツを配信するコンテンツサーバとネットワークを介して接続される情報処理装置を用いた情報処理方法であって、コンテンツサーバとの間でセッションを確立し、ネットワークを介してコンテンツサーバから送信されたコンテンツデータを受信する通信ステップと、通信ステップで受信したコンテンツデータを再生する再生ステップと、コンテンツデータが再生ステップで最後まで正常に再生されたか否かを判定する判定ステップと、判定ステップの判定の結果、コンテンツデータが最後まで正常に再生されたと判定した場合には、コンテンツサーバとの間のセッションを所定の時間維持し、情報処理装置が受け付け可能な所定の操作に関する情報を含んだ情報を所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示するよう制御する情報表示制御ステップと、を含むことを特徴とする、情報処理方法が提供される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンテンツを配信するコンテンツサーバとネットワークを介して接続されるコンピュータで実行されるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、コンテンツサーバとの間でセッションを確立し、ネットワークを介してコンテンツサーバから送信されたコンテンツデータを受信する通信ステップと、通信ステップで受信したコンテンツデータを再生する再生ステップと、コンテンツデータが再生ステップで最後まで正常に再生されたか否かを判定する判定ステップと、判定ステップの判定の結果、コンテンツデータが最後まで正常に再生されたと判定した場合には、コンテンツサーバとの間のセッションを所定の時間維持し、コンピュータが受け付け可能な所定の操作に関する情報を含んだ情報を所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示するよう制御する情報表示制御ステップと、を実行させることを特徴とする、コンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、コンテンツの再生が終了した時点で、コンテンツサーバとの間のセッションを所定の時間維持し、受け付け可能な所定の操作に関する情報を当該所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示ことで、ユーザからの操作によって直ちにコンテンツを再視聴することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供することができる。そして、情報処理装置のユーザは、画面に表示されている情報を見てコンテンツに対して操作を行うことで、再度再生処理を実行したり、再生処理を実行した後に希望する再生開始時点まで早送り処理を実行したりすることが不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
まず、本発明の一実施形態にかかる、情報処理装置を用いたコンテンツ配信システムについて説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるコンテンツ配信システム10について説明する説明図である。以下、図1を用いて本発明の一実施形態にかかるコンテンツ配信システム10について説明する。
【0024】
図1に示したように、本発明の一実施形態にかかるコンテンツ配信システム10は、情報処理装置100と、コンテンツサーバ150と、を含んで構成される。情報処理装置100と、コンテンツサーバ150とは、それぞれネットワーク160を介して相互に通信可能である。情報処理装置100及びコンテンツサーバ150は、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に基づいて相互に通信可能であるように構成されている。
【0025】
コンテンツサーバ150は、映像データや音声データからなるコンテンツデータを、ネットワーク160を介して相互に通信可能に接続された情報処理装置100に対して、ストリーミング形式で配信する。
【0026】
情報処理装置100は、IPSP(Internet Protocol Service Project)に基づいてコンテンツを受信して再生する装置である。情報処理装置100は、コンテンツサーバ150に対してコンテンツの配信を要求し、コンテンツサーバ150から配信されるコンテンツデータを受信して再生する。本実施形態においては、情報処理装置100からコンテンツサーバ150へのコンテンツの要求及びコンテンツサーバ150からのコンテンツデータの配信は、RTSPに基づいて行われる。
【0027】
情報処理装置100としては、例えばネットワークに接続してデータの授受が可能となるように構成されたテレビ受像機や、ハードディスクドライブや光ディスクドライブを内蔵した録画再生装置であってもよく、パーソナルコンピュータであってもよい。
【0028】
なお、情報処理装置100やコンテンツサーバ150が接続しているネットワーク160は、コンテンツの配信に特化されたネットワークである。そのようなネットワークとしてCDN網(Content Delivery Network;コンテンツ配信ネットワーク)を用いてもよい。
【0029】
以上、図1を用いて本発明の一実施形態にかかるコンテンツ配信システム10について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100のハードウェア構成について説明する。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100のハードウェア構成について説明する説明図である。以下、図2を用いて本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100のハードウェア構成について説明する。
【0031】
図2に示したように、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100は、通信処理部102と、TTSデコーダ104と、デマルチプレクサ106と、映像デコーダ108と、音声デコーダ110と、AV再生部112と、グラフィックエンジン114と、を含んで構成される。
【0032】
通信処理部102は、本発明の通信部の一例であり、RTP(Realtime Transport Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)、HTTP/TLS(HyperText Transfer Protocol/Transport Layer Security)、RTSP、TCP、IP、IGMP/MLD(Internet Group Management Protocol/Multicast Listener Discovery)等に基づいた通信プロトコル処理を実行する。通信処理部102はTTSデコーダ104及びAV再生部112と接続されている。通信処理部102は、ネットワーク160を介してコンテンツサーバ150からTTSストリーム形式で送信されたコンテンツデータをTTSデコーダ104に供給し、AV再生部112から供給されたデータをネットワーク160に送出してコンテンツサーバ150に伝送する。
【0033】
ネットワーク160を介してコンテンツサーバ150からTTSストリーム形式で送信されたコンテンツデータは、通信処理部102において、OSI参照モデルの物理層・データリンク層、ネットワーク層(第3層)に該当するIP、トランスポート層(第4層)に該当するUDP、UDPの上位プロトコルのRTP/FECを経由してTTSデコーダ104に供給される。
【0034】
TTSデコーダ104は、通信処理部102から供給されたTTSストリームを、TTSストリームに付加されているタイムスタンプに従ってデコードし、映像データと音声データとが多重化されているMPEG−2 TSストリームを出力する。TTSデコーダ104から出力されるMPEG−2 TSストリームはデマルチプレクサ106に供給される。
【0035】
デマルチプレクサ106は、TTSデコーダ104から供給されるMPEG−2 TSストリームを、映像データと音声データとに分離して出力する。デマルチプレクサ106で分離された映像データは映像デコーダ108に供給され、デマルチプレクサ106で分離された音声データは音声デコーダ110に供給される。
【0036】
映像デコーダ108は、デマルチプレクサ106で分離された映像データを復号する。映像デコーダ108で復号した映像データは、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機EL表示装置等の表示装置(図示せず)から映像として出力する。音声デコーダ110は、デマルチプレクサ106で分離された音声データを復号する。音声デコーダ110で復号した音声データは、スピーカ等の音声出力装置(図示せず)から音声として出力される。映像デコーダ108及び音声デコーダ110は、本発明の再生部の一例である。
【0037】
AV再生部112は、本発明の判定部の一例であり、ユーザからのコンテンツ視聴リクエストに応じて、コンテンツの再生を制御する。AV再生部112は通信処理部102と接続されており、AV再生部112はコンテンツサーバ150との間でデータをやり取りできる。例えば、ユーザがリモコン116から視聴したいコンテンツを選択すると、AV再生部112は通信処理部102を介して、コンテンツサーバ150に対して、選択されたコンテンツの送信を要求する。また、ユーザがリモコン116を用いて、コンテンツの再生を一時停止したり、コンテンツの再生速度を変化させたりした場合には、AV再生部112は通信処理部102を介して、コンテンツサーバ150に対して、コンテンツの配信を一時停止したり、コンテンツの再生速度を変化させるようにコンテンツを配信したりするように要求する。
【0038】
AV再生部112は、コンテンツサーバ150との間でRTSPによってデータをやり取りする。コンテンツサーバ150との間でRTSPによってデータをやり取りする際には、通信処理部102において、OSI参照モデルの物理層・データリンク層、ネットワーク層(第3層)に該当するIP、トランスポート層(第4層)に該当するTCP、TCPの上位プロトコルのRTSPを経由してデータがやり取りされる。
【0039】
グラフィックエンジン114は、本発明の情報表示制御部の一例であり、AV再生部112からの指示に基づいて、表示装置(図示せず)に表示する画像やメッセージを生成する。本実施形態においては、グラフィックエンジン114は、映像デコーダ108から出力される映像データに重畳する画像やメッセージを生成する。
【0040】
例えば、コンテンツサーバ150から、コンテンツの最後まで配信されたことの通知を、ネットワーク160及び通信処理部102を経由してAV再生部112で受信すると、AV再生部112は、グラフィックエンジン114に対してコンテンツが最後まで配信されたことを示すメッセージの生成を指示する。AV再生部112からの指示を受けたグラフィックエンジン114は、コンテンツが最後まで配信されたことを示すメッセージの生成を生成し、映像デコーダ108から出力される映像データに重畳するように出力する。
【0041】
以上、図2を用いて本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100のハードウェア構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100を用いた情報処理方法について説明するが、本実施形態にかかる情報処理方法の前提となる、RTSPによるコンテンツの配信について説明する。
【0042】
図3は、RTSPによってコンテンツをコンテンツサーバから配信して、コンテンツを受信する情報処理装置でコンテンツを受信して再生する場合の流れについて説明する流れ図である。以下、図3を用いて、RTSPによってコンテンツをコンテンツサーバから配信する場合の流れについて説明する。
【0043】
コンテンツサーバからコンテンツの配信を受け、情報処理装置でコンテンツを視聴するためには、情報処理装置からコンテンツサーバに対して、RTSPのSETUPメソッドを送信する(ステップS11)。SETUPメソッドは、コンテンツサーバに対して、ストリーム配信のための資源を割り当てて、RTSPのセッションを開始することを要求するメソッドである。SETUPメソッドは、例えば情報処理装置に接続された表示装置に表示されるコンテンツ選択画面から、ユーザが視聴したいコンテンツを選択したタイミングで、情報処理装置からコンテンツサーバに送信される。図5に、情報処理装置に接続された表示装置に表示されるコンテンツ選択画面120の一例を示す。情報処理装置のユーザは、図5のように表示されたコンテンツ選択画面120から視聴したいコンテンツを選択することで、コンテンツサーバからコンテンツのストリーム配信を受けることができる。
【0044】
情報処理装置からSETUPメソッドを受信したコンテンツサーバは、SETUPメソッドを送信した当該情報処理装置に対して応答メッセージを返信する(ステップS12)。ステップS12でコンテンツサーバから送信される応答メッセージには、コンテンツを送信する際に必要となるパラメータ(トランスポートパラメータ)が含まれる。トランスポートパラメータには、例えばコンテンツの配信に用いる通信プロトコルや、使用するポート番号等が記述されている。
【0045】
コンテンツサーバからの応答を受信した情報処理装置は、続いて、コンテンツサーバからコンテンツの配信を要求するために、コンテンツサーバに対してRTSPのPLAYメソッドを送信する(ステップS13)。PLAYメソッドは、上述のSETUPメッセージによってコンテンツサーバに割り当てられた資源を使用して、コンテンツサーバに対してコンテンツの再生開始を要求するためのメソッドである。PLAYメソッドには、再生位置や再生速度に関する情報が含まれている。
【0046】
情報処理装置からPLAYメソッドを受信したコンテンツサーバは、PLAYメソッドの内容に基づいて、PLAYメソッドを送信した当該情報処理装置に対して応答メッセージを返信し(ステップS14)、PLAYメソッドを送信した当該情報処理装置に対してコンテンツをストリーミング形式で送信する(ステップS15)。コンテンツサーバからストリーミング形式で送信されたコンテンツを情報処理装置で受信し、デコードして出力することで、情報処理装置のユーザはコンテンツを視聴することができる。
【0047】
その後、コンテンツの最後までコンテンツサーバからコンテンツが送信されると、コンテンツサーバから、コンテンツが最後まで送信されたことを通知するためのANNOUNCEメソッドが情報処理装置へ送信される(ステップS16)。なお、ANNOUNCEメソッドが送信されるタイミングは、コンテンツが最後まで送信された場合だけに限られない。
【0048】
ANNOUNCEメソッドを受信した情報処理装置は、コンテンツサーバに対してANNOUNCEメソッドに対して応答し(ステップS17)、さらにコンテンツサーバに対して、PAUSEメソッドを送信する(ステップS18)。PAUSEメソッドは、SETUPメソッドによってコンテンツサーバに割り当てられた資源を解放することなく、一時的にコンテンツサーバからのストリームを停止させるためのメソッドである。PAUSEメソッドを情報処理装置から送信する際には、コンテンツの停止位置の情報をPAUSEメソッドに含めて送信する。
【0049】
情報処理装置からPAUSEメソッドを受信したコンテンツサーバは、PAUSEメソッドの内容に基づいて、PAUSEメソッドを送信した当該情報処理装置に対して応答メッセージを返信し(ステップS19)、情報処理装置で再生されるコンテンツを一時停止状態に維持する。
【0050】
その後、情報処理装置はコンテンツサーバに対してTEARDOWNメソッドを送信する(ステップS20)。TEARDOWNメソッドは、SETUPメソッドによってコンテンツサーバに割り当てられた資源を解放するためのメソッドである。TEARDOWNメソッドによってコンテンツサーバに割り当てられた資源を解放することで、コンテンツサーバと情報処理装置との間のRTSPセッションを切断する。
【0051】
情報処理装置からTEARDOWNメソッドを受信したコンテンツサーバは、TEARDOWNメソッドの内容に基づいて、TEARDOWNメソッドを送信した当該情報処理装置に対して応答メッセージを返信する(ステップS21)。コンテンツサーバからの応答によってコンテンツサーバと情報処理装置との間のRTSPセッションが切断され、情報処理装置に接続された表示装置には、例えばコンテンツ選択画面が表示される。
【0052】
以上、RTSPによってコンテンツをコンテンツサーバから配信する場合の流れについて説明した。本実施形態は、上記ステップS18のPAUSEメソッドの送信と、上記ステップS20のTEARDOWNメソッドの送信との間に、上記ステップS16で送信されるANNOUNCEメソッドの内容によって、所定の操作を促す情報を当該所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示するかどうかを決定することを特徴とする。
【0053】
次に、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100を用いた情報処理方法について詳細に説明する。
【0054】
図4は、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100を用いた情報処理方法について説明する流れ図である。以下、図4を用いて本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100を用いた情報処理方法について詳細に説明する。なお、図4に至るまでの前提として、図3に示したRTSPによるコンテンツの配信において、ステップS15のストリーミング形式のコンテンツ配信が行われているものとする。
【0055】
情報処理装置100でのコンテンツの再生中に、情報処理装置100ではコンテンツサーバからANNOUNCEメソッドが送信されてきたかどうかを、ANNOUNCEメソッドが送信されるまでAV再生部112で監視し続ける(ステップS102)。
【0056】
コンテンツサーバ150からANNOUNCEメソッドが送信されると、AV再生部112でPAUSEメソッドを生成し、コンテンツサーバ150に対して生成したPAUSEメソッドを通信処理部102から送出する(ステップS104)。PAUSEメソッドの送信によって、コンテンツサーバはコンテンツ終了時の画面を、情報処理装置100に接続される表示装置に一時停止状態で表示し続けるように、コンテンツをストリーミング配信する。
【0057】
続いて、上記ステップS102でコンテンツサーバ150から送信されたANNOUNCEメソッドが、コンテンツが最後まで正常に配信されたことを通知するために送信されたのか否かを、AV再生部112で判定する(ステップS106)。コンテンツサーバ150から送信されたANNOUNCEメソッドが、コンテンツが最後まで正常に配信されたことを通知するために送信されたものである場合には、AV再生部112からグラフィックエンジン114に対し、コンテンツの再生が終了したことを示すためのメッセージ(以下「コンテンツ終了メッセージ」とも称する)を生成するように指示する。AV再生部112からの指示を受けたグラフィックエンジン114は、コンテンツ終了メッセージの生成指示に基づいてコンテンツ終了メッセージを生成し、生成したコンテンツ終了メッセージを映像デコーダ108が出力する映像に重畳して表示するように出力する(ステップS108)。
【0058】
図6は、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100を用いた情報処理方法において、コンテンツ終了メッセージを映像デコーダ108が出力する映像に重畳して表示するように出力表示された結果、情報処理装置100に接続された表示装置に表示される画面の一例を示す説明図である。
【0059】
図6では、コンテンツが一時停止状態で表示されているコンテンツ表示画面130に、コンテンツの再生、一時停止、停止、早送り、早戻し等を制御するコントロールパネル134が重畳して表示されている。ここでは、コンテンツの早戻しを行う早戻しボタン134a、コンテンツの再生または一時停止を行う再生ボタン134b、コンテンツの再生を停止する停止ボタン134c、コンテンツの早送りを行う早送りボタン134dが、コントロールパネル134に表示されている。ユーザは、リモコン116や、その他のインプットデバイスを用いてコントロールパネル134に表示されている各ボタンを操作することで、コンテンツの視聴を制御することができる。
【0060】
そして、図6に示した例では、コンテンツ表示画面130にコンテンツ終了メッセージ表示部132が、コンテンツに重畳するように表示されている。コンテンツ終了メッセージ表示部132は、グラフィックエンジン114が生成したコンテンツ終了メッセージが表示される領域であり、通常は、コンテンツ終了メッセージ表示部132はコンテンツ表示画面130には表示されていない。
【0061】
グラフィックエンジン114で生成するコンテンツ終了メッセージは、図6に示したように、コンテンツ選択画面に戻るまでの時間や、コンテンツ表示画面130に表示されているコンテンツに対するユーザからの操作指示が、情報処理装置100で受け付け可能である旨のメッセージが記載されていることが望ましい。図6に示した例では、コンテンツ終了メッセージ表示部132にコンテンツ終了メッセージが表示されてから、ユーザが何もコンテンツに対して操作を行わなければ、1分後に図5に示したようなコンテンツ選択画面に戻ることが示されている。
【0062】
図6に示した例では、コンテンツ終了メッセージ表示部132に表示されているコンテンツ終了メッセージには、コンテンツの先頭からの再生、コンテンツの早戻し、コンテンツの再生を停止した上でのコンテンツ選択画面への遷移が可能である旨が表示されている。ユーザは、コンテンツ終了メッセージ表示部132に表示されているコンテンツ終了メッセージを見て、コンテンツ終了メッセージに記載されている各種操作を実行することによって、情報処理装置100に対して、視聴していたコンテンツの再視聴や早戻し、コンテンツ選択画面への遷移等を実行させることができる。
【0063】
上記ステップS108でコンテンツ終了メッセージを生成して、映像デコーダ108が出力する映像に重畳して表示するように出力すると、ユーザからリモコン116等によってコンテンツに対する再生操作や早戻し操作が行われ、情報処理装置100で受け付けたかどうかを判定する(ステップS110)。ステップS110での判定の結果、ユーザからの再生操作や早戻し操作が行われていれば、操作に基づいてコンテンツの再生操作や早戻し操作を行う(ステップS112)。ここで、コンテンツの再生操作とは、それまで視聴していたコンテンツを、コンテンツの先頭から再度再生する操作のことをいう。なお、本発明においては、コンテンツの早戻し操作に関しては、コンテンツを戻す速度は特に限定されない。
【0064】
上記ステップS110での判定の結果、ユーザからの再生操作や早戻し操作が行われていなければ、コンテンツ終了メッセージ表示部132にコンテンツ終了メッセージを表示してから所定の時間(例えば1分)経過したかどうかを判定する(ステップS114)。ステップS114での判定の結果、コンテンツ終了メッセージ表示部132にコンテンツ終了メッセージを表示してから所定の時間が経過してなければ、上記ステップS110の判定に戻る。
【0065】
一方、コンテンツ終了メッセージ表示部132にコンテンツ終了メッセージを表示してから所定の時間が経過していれば、AV再生部112でTEARDOWNメソッドを発行し、通信処理部102、ネットワーク160を介してコンテンツサーバ150に送信する(ステップS116)。TEARDOWNメソッドの発行により、SETUPメソッドによってコンテンツサーバ150に割り当てられた資源が解放され、情報処理装置100とコンテンツサーバ150との間のRTSPセッションが切断され、コンテンツの再生が終了する。
【0066】
また、上記ステップS106における判定の結果、コンテンツサーバ150から送信されたANNOUNCEメソッドが、コンテンツが最後まで正常に配信されたことを通知するために送信されたものでない場合(例えば、コンテンツサーバ150で何らかの異常が発生した場合、コンテンツサーバ150からコンテンツのストリーム配信が不能になった場合等)は、上記ステップS116までスキップし、AV再生部112でTEARDOWNメソッドを発行して、コンテンツの再生を終了する。
【0067】
このように、情報処理装置100でコンテンツの再生が最後まで正常に行われた場合には、情報処理装置100は、コンテンツ終了メッセージを所定の時間表示し、ユーザからの操作を受け付けられる状態にする。このように、ユーザからの操作を所定の時間受け付けられる状態にすることで、コンテンツを先頭から再度視聴したい場合や、コンテンツ終了付近の時点まで早戻しして再度視聴する場合に、情報処理装置100からコンテンツサーバ150に対してRTSPセッションを再度確立する処理が不要となるので、ユーザからの操作によって直ちにコンテンツを再視聴することが可能となる。
【0068】
以上、図4を用いて本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100を用いた情報処理方法について説明した。
【0069】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0070】
例えば、上記実施形態では、コンテンツ表示画面130にはコントロールパネル134を重畳するように表示されていたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、コンテンツ表示画面130にはコントロールパネル134を表示させないようにして、リモコン116等のインプットデバイスの操作によってコンテンツの再生を制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態にかかるコンテンツ配信システム10について説明する説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100のハードウェア構成について説明する説明図である。
【図3】RTSPによってコンテンツを受信して再生する場合の流れについて説明する流れ図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる情報処理装置100を用いた情報処理方法について説明する流れ図である。
【図5】情報処理装置に接続された表示装置に表示されるコンテンツ選択画面の一例を示す説明図である。
【図6】情報処理装置に接続された表示装置に表示されるコンテンツ表示画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0072】
100 情報処理装置
102 通信処理部
104 TTSデコーダ
106 デマルチプレクサ
108 映像デコーダ
110 音声デコーダ
112 AV再生部
114 グラフィックエンジン
116 リモコン
120 コンテンツ選択画面
130 コンテンツ表示画面
132 コンテンツ終了メッセージ表示部
134 コントロールパネル
150 コンテンツサーバ
160 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを配信するコンテンツサーバとネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
前記コンテンツサーバとの間でセッションを確立し、ネットワークを介して前記コンテンツサーバから送信されたコンテンツデータを受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記コンテンツデータを再生する再生部と、
前記コンテンツデータが前記再生部で最後まで正常に再生されたか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定の結果、前記コンテンツデータが最後まで正常に再生されたと判定した場合には、前記コンテンツサーバとの間のセッションを所定の時間維持し、前記情報処理装置が受け付け可能な所定の操作に関する情報を含んだ情報を前記所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示するよう制御する情報表示制御部と、
を含むことを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記情報表示制御部は、前記通信部が前記コンテンツサーバとの間のセッションを切断する前に情報を画面に表示するよう制御することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記コンテンツデータが最後まで正常に再生された場合に前記コンテンツサーバから送信されるデータに基づいて、前記コンテンツデータが最後まで正常に再生されたか否かを判定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報表示制御部が画面に表示する前記所定の操作に関する情報は、前記コンテンツデータの先頭からの再生であることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報表示制御部が画面に表示する前記所定の操作に関する情報は、前記コンテンツデータの早戻しであることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報表示制御部が画面に表示する前記所定の操作に関する情報は、再生するコンテンツデータを選択する画面への遷移であることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報表示制御部が画面に表示する前記所定の操作に関する情報は、視聴していたコンテンツデータの視聴の終了であることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンテンツを配信するコンテンツサーバとネットワークを介して接続される情報処理装置を用いた情報処理方法であって、
前記コンテンツサーバとの間でセッションを確立し、ネットワークを介して前記コンテンツサーバから送信されたコンテンツデータを受信する通信ステップと、
前記通信ステップで受信した前記コンテンツデータを再生する再生ステップと、
前記コンテンツデータが前記再生ステップで最後まで正常に再生されたか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定の結果、前記コンテンツデータが最後まで正常に再生されたと判定した場合には、前記コンテンツサーバとの間のセッションを所定の時間維持し、前記情報処理装置が受け付け可能な所定の操作に関する情報を含んだ情報を前記所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示するよう制御する情報表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする、情報処理方法。
【請求項9】
コンテンツを配信するコンテンツサーバとネットワークを介して接続されるコンピュータで実行されるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、
前記コンテンツサーバとの間でセッションを確立し、ネットワークを介して前記コンテンツサーバから送信されたコンテンツデータを受信する通信ステップと、
前記通信ステップで受信した前記コンテンツデータを再生する再生ステップと、
前記コンテンツデータが前記再生ステップで最後まで正常に再生されたか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定の結果、前記コンテンツデータが最後まで正常に再生されたと判定した場合には、前記コンテンツサーバとの間のセッションを所定の時間維持し、前記コンピュータが受け付け可能な所定の操作に関する情報を含んだ情報を前記所定の時間の間に再生終了時の画面に重畳して表示するよう制御する情報表示制御ステップと、
を実行させることを特徴とする、コンピュータプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−225339(P2009−225339A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−70114(P2008−70114)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】