情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラム
【課題】所望の仕様の電力の供給を受けることの可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部と、電源サーバから電力の供給を受けるために制御する制御部と、を備え、制御部は、通信部を介して検出した、バスラインに接続されている電源サーバから定期的に出力されている同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を電源サーバへ送信し、電力の供給を受ける。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部と、電源サーバから電力の供給を受けるために制御する制御部と、を備え、制御部は、通信部を介して検出した、バスラインに接続されている電源サーバから定期的に出力されている同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を電源サーバへ送信し、電力の供給を受ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を供給する電源サーバとバスラインを介して接続された情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えばパーソナルコンピュータ等の多くのバッテリー動作機器が使用されている。このようなバッテリー動作機器の大半は、バッテリー充電や機器動作のために、いわゆるACアダプタを用いている。バッテリー動作機器そのものは入力としてDCが通常であるが、その電圧や電流容量はそれぞれ異なるため、ACアダプタは基本的に各機器専用となっている。また、ACアダプタのプラグも同様の構成でありながら互換性がなく、他の機器には使用することができないように形成されている。このため、バッテリー動作機器の増加にともなって、同一機能のACアダプタが増加してしまうという問題があった。
【0003】
このような問題に対して、バッテリーやACアダプタ等の電力を供給する電源供給ブロックと、電源供給ブロックから電力が供給される電源消費ブロックとを1つの共通バスラインに接続した電源バスシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。かかる電源バスシステムでは、各ブロックは自らをオブジェクトとして記述し、各ブロックのオブジェクトがバスラインを介して相互に状態データ等の送受信を行う。各ブロックのオブジェクトは、他のブロックのオブジェクトからの要求に基づいて状態データを生成し、回答データとして送信する。回答データを受信したブロックのオブジェクトは、回答データに基づいて電源の供給や消費を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−306191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の電源バスシステムについて実際に開発や設計を行うに際し、システムに接続された各機器の動作状況をモニターする必要があるが、動作状況をモニターするための手段が存在しないという問題があった。このような電力供給システムについては、実稼動時においても必要に応じて監視を要求されることもある。
【0006】
また、情報を表現する情報信号とエネルギーそのものとなる電力とが重畳されて、それぞれパケットとしてバスライン上に存在する場合には、信号情報および電力のいずれか一方のみをモニターしようとしても正確な情報を得ることができない。
【0007】
さらに、電源の供給や消費を行う稼動時においては、機器が同一の電源バスシステムに接続された電力供給源から電力の供給を受ける際、ユーザが何らかの設定することなく自動的に自身に適合した仕様で電力の供給を受けることが望ましい。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、所望の仕様の電力の供給を受けることの可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部と、電源サーバから電力の供給を受けるために制御する制御部と、を備え、制御部は、通信部を介して検出した、バスラインに接続されている電源サーバから定期的に出力されている同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を電源サーバへ送信し、電力の供給を受ける、情報処理装置が提供される。
【0010】
制御部は、通信部を介して、バスラインに接続されている電源サーバから定期的に出力されている同期パケットを検出して当該電源サーバにアクセスし、アクセスした電源サーバから送信された当該電源サーバのアドレスを受信し、受信したアドレスの電源サーバに対して、電力供給を要求する情報信号を送信して電力の供給を受けてもよい。
【0011】
このとき、制御部は、受信したアドレスの電源サーバに対して、当該電源サーバの電力仕様を表すサーバ電源プロファイルの数の送信を要求する情報信号を送信し、電源サーバより受信したサーバ電源プロファイルの数だけ、電源サーバよりサーバ電源プロファイルの内容を取得し、取得したサーバ電源プロファイルから当該情報処理装置に適合する電力仕様のサーバ電源プロファイルを選択して電源サーバへ通知し、
選択したサーバ電源プロファイルの電力仕様に基づいた電力の供給を、電源サーバから受けてもよい。
【0012】
また、情報処理装置は、電源サーバから供給された電力を所定の形式に変換する変換部をさらに備えてもよい。
【0013】
バスラインに、1つの電源サーバと、複数の情報処理装置が接続されているとき、各情報処理装置は、交互に電源サーバから電力の供給を受けてもよい。
【0014】
また、バスラインに、情報信号および電力に関する電力情報の少なくともいずれか一方をモニターするためのモニター装置が接続されているとき、情報処理装置は、当該情報処理装置の電源仕様を表す1または2以上のクライアント電源プロファイルを有し、制御部は、モニター装置から出力されたクライアント電源プロファイルの送信を要求する情報信号を受信したとき、当該情報処理装置のクライアント電源プロファイルをモニター装置に送信してもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部を介して、バスラインに接続されている電源サーバから定期的に出力されている同期パケットを検出するステップと、検出された同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を電源サーバへ送信するステップと、情報信号を送信した電源サーバから電力の供給を受けるステップと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0016】
さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部と、電源サーバから電力の供給を受けるために制御する制御部と、を備え、制御部が、通信部を介して検出した、バスラインに接続されている電源サーバから定期的に出力されている同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を電源サーバへ送信し、電力の供給を受ける、情報処理装置として機能させる、コンピュータプログラムが提供される。かかるコンピュータプログラムは、コンピュータが備える記憶装置に格納され、コンピュータが備えるCPUに読み込まれて実行されることにより、そのコンピュータを上記のモニター装置として機能させる。また、コンピュータプログラムが記憶された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスクや光ディスクなどである。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、所望の仕様の電力の供給を受けることの可能な情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる電力供給システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】同実施形態にかかる電源サーバの構成を示す説明図である。
【図3】同実施形態にかかるクライアントの構成を示す説明図である。
【図4】同実施形態にかかるモニター装置の構成を示す説明図である。
【図5】電源サーバとクライアントとの間で行われる電力供給処理の一例を示す説明図である。
【図6】電源サーバ、クライアントおよびモニター装置において送受信される情報信号の例を示す説明図である。
【図7】表示部における情報パケットの表示例を示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態にかかるモニター装置と電源サーバとの間で行われるサーバ電源プロファイル表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】サーバ電源プロファイルの内容の一例を示す説明図である。
【図10】表示部に表示されるサーバ電源プロファイルの表示例を示す説明図である。
【図11】同実施形態にかかるモニター装置とクライアントとの間で行われるクライアント電源プロファイル表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】クライアント電源プロファイル表示処理において送受信される情報信号の例を示す説明図である。
【図13】本発明の第3の実施形態にかかるモニター装置の構成を示す説明図である。
【図14】デバッグモード設定処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4の実施形態にかかるモニター装置の構成を示す説明図である。
【図16】本発明の第5の実施形態にかかるモニター装置の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態(モニター機能のみを備えるモニター装置)
2.第2の実施形態(電源サーバおよびクライアントと通信可能なモニター装置)
3.第3の実施形態(バスラインを介さない構成)
4.第4の実施形態(電源サーバまたはクライアントの機能を備えるモニター装置)
5.第5の実施形態(電力供給システム)
【0021】
(第1の実施形態)
まず、図1〜図4に基づいて、本発明の第1の実施形態にかかる電力供給システム1の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかる電力供給システム1の概略構成を示す説明図である。図2は、本実施形態にかかる電源サーバ100の構成を示す説明図である。図3は、本実施形態にかかるクライアントの構成を示す説明図である。図4は、本実施形態にかかるモニター装置の構成を示す説明図である。
【0022】
<電力供給システムの構成>
本実施形態にかかる電力供給システム1は、図1に示すように、1つのバスライン10に、電源サーバ100と、クライアント200と、モニター装置300とを接続して構成される。本実施形態では、1つの電源サーバ100、2つのクライアント200、そして1つのモニター装置300がバスライン10を介して接続されているが、それぞれ1または2以上の電源サーバ100、クライアント200およびモニター装置300をバスライン10に接続することが可能である。
【0023】
電源サーバ100は、図2に示すように、AC/DCコンバータ110と、サーバコントローラ120と、モデム130とを備える。
【0024】
AC/DCコンバータ110は、商用電源160を処理して後述するクライアント200に供給可能な形式に変換する交流/直流変換部である。AC/DCコンバータ110から出力される主供給電源とバスライン10との間には、インダクタンス140およびスイッチ150が設けられている。インダクタンス140は、AC/DCコンバータ110の出力部に通常設けられるバイパスコンデンサによって通信路のインピーダンスを低下させないようにするために設けられる。また、スイッチ150は、電源サーバ100からいきなりバスライン10に電力が出力されないようにするために設けられている。
【0025】
サーバコントローラ120は、電源サーバ100による電力供給のための各種機能を実行するための制御部であって、マイクロプロセッサおよび周辺回路から構成される。サーバコントローラ120は、例えば、AC/DCコンバータ110からの供給電圧をバスライン10と接続するか否かの制御、クライアント200との通信における通信プロトコル制御、クライアントとの情報信号の送受信制御などを行う。また、サーバコントローラ120は、その電力仕様(サーバ電源プロファイル)や情報信号のためのプロトコル、通信により取得したクライアント情報などを内部情報として記憶する記憶部(図示せず。)を備えている。
【0026】
モデム130は、情報信号をバスライン10に接続してクライアント200およびモニター装置300との通信を可能とするための機器である。情報信号と電力とは同一の一対の導線を共有するため、これらを周波数分割により分離する必要がある。すなわち、電源サーバ100とクライアント200との間ではバスライン10を介して情報信号の送受信が行われるが、情報信号は電力の使用する周波数帯域(例えば400Hz以下程度の低周波)と混信がないように十分高い周波数帯域を使用して送受信される。モデム130は、この通信部分における変復調を行うものである。
【0027】
クライアント200は、図3に示すように、DC/DCコンバータ210と、クライアントコントローラ220と、モデム230とを備える。
【0028】
DC/DCコンバータ210は、電源サーバ100から供給された電力を消費する負荷280が必要とする電圧、電流に変換する変換部である。DC/DCコンバータ210とバスライン10との間には、インダクタンス240およびスイッチ250、260が設けられており、電源サーバ100のインダクタンス140およびスイッチ150と同様に機能する。
【0029】
クライアントコントローラ220は、クライアント200の電源供給を受けるための各種機能を実行するための制御部である。クライアントコントローラ220は、例えば、電源サーバ100から供給された電力をどのように消費するかを決定したり、プロトコル制御を行ったりする。クライアントコントローラ220は、情報信号のためのプロトコルやクライアント200の仕様に関するクライアント情報(例えば、後述するクライアント電源プロファイル)などを内部情報として記憶する記憶部(図示せず。)を備えている。
【0030】
モデム230は、情報信号をバスライン10に接続して電源サーバ100およびモニター装置300との通信を可能とするための機器である。モデム230も、電源サーバ100のモデム130と同様、通信部分における変復調を行うものである。
【0031】
また、クライアント200は、電源サーバ100から供給された電力を負荷280の消費電力がゼロまたは小さい場合に蓄積するバッテリー270を備えることもできる。
【0032】
モニター装置300は、図4に示すように、モデム310と、情報処理部320と、表示部330とを備える。
【0033】
モデム310は、情報の物理的特性に適合する物理通信部であって、情報信号と電力とが重畳されたバスライン10に接続される本実施形態においては、例えば電力線モデム(PLCモデム;Power Line Communication Modem)を用いることができる。モデム310は、バスライン10上に存在する電源サーバ100とクライアント200との間で送受信される情報信号を検出する。
【0034】
情報処理部320は、モデム310により取得したバスライン10上の情報信号を後述する表示部330に表示するための処理を行う機能部である。情報処理部320は、情報信号を解読するためのプロトコルを記憶する記憶部(図示せず。)を備えている。情報処理部320は、情報信号を解析して表示部に表示する形式に変換し、表示部330へ送信する。
【0035】
表示部330は、バスライン10上に存在する情報信号の内容を表示するものであって、例えば、ディスプレイ等を用いることができる。
【0036】
このような構成の電力供給システム1では、電源サーバ100とクライアント200との間で電力の授受を行うための情報信号のやり取りが行われる一方で、モニター装置300によりその情報信号を検出して電源サーバ100とクライアント200との間のやり取りをモニターすることができる。以下、図5に基づいて、電源サーバ100とクライアント200との間で行われる電力供給処理について説明し、その後、モニター装置300によるモニター処理について説明する。なお、図5は、電源サーバ100とクライアント200との間で行われる電力供給処理の一例を示す説明図である。
【0037】
<電力供給処理>
本実施形態にかかる電力供給システム1における電源サーバ100からクライアント200への電力供給処理は、電源サーバ100からバスライン10に対して定期的に出力される同期パケットに基づいて行われる。クライアント200は、バスライン10上の同期パケットから電源サーバ100の存在を認識し、電源サーバ100にアクセスする。クライアント200からアクセスを受けた電源サーバ100は、クライアント200に対して自身のアドレスを送信する。電源サーバ100のアドレスを受信したクライアント200は電源サーバ100に対して電力供給を要求する情報信号を送信して、電源サーバ100から電力の供給を受ける。なお、バスライン10に複数の電源サーバ100が接続されている場合には、いずれか1つの電源サーバ100から同期パケットが出力される。
【0038】
より詳細に説明すると、電源サーバ100は、図5に示すように、バスライン10に対して定期的に同期パケットA1、A2、A3、・・・を出力する。また、電源サーバ100は、電力を供給するためにクライアント200との間で送受信される情報信号である情報パケットB1、B2、B3、・・・と、電力エネルギーをパケット化した電力パケットC1、C2、C3、・・・・とを出力する。一方、クライアント200は、電力供給を受けるために電源サーバ100との間で送受信される情報信号である情報パケットD1、D2、D3、・・・を出力する。
【0039】
ここで、電源サーバ100は、所定の間隔(例えば、約1秒間隔)のタイムスロットの開始時に同期パケットを出力する。タイムスロットは、情報パケットが送信される情報スロットと、電力パケットが送信される電力スロットとからなる。情報スロットIS1、IS2、IS3、・・・は、電源サーバ100とクライアント200との間で情報パケットの出力が行われる区間である。また、電力スロットPS1、PS2、PS3、・・・は、電源サーバ100からクライアント200へ供給される電力パケットが出力される区間である。情報パケットは、情報スロットの区間にのみおいて出力可能であるため、1つの情報スロットにおいて情報パケットの送受信が完了しない場合には、複数の情報スロットに渡って情報パケットが送信される。また、電力パケットも、電力スロットの区間にのみおいて出力可能である。
【0040】
電源サーバ100は自身が供給可能な電力仕様を示すサーバ電源プロファイルを1または2以上有しており、クライアント200は自身の仕様に適合する電力を供給可能な電源サーバ100から電力の供給を受けるとする。このとき、クライアント200は、電源サーバ100からサーバ電源プロファイルを取得して、自身に対する電源サーバ100の仕様(サーバ電源プロファイル)を決定する。このためにまず、クライアント200は、電源サーバ100が出力する同期パケットA1を検出して、同期パケットA1に含まれる電源サーバ100のアドレスを取得する。アドレスは、例えばMACアドレスとすることができる。次いで、クライアント200は、電源サーバ100に対して、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイルの数の送信を要求する情報パケットD1を送信する。
【0041】
ここで、電源サーバ100とクライアント200との間で送受信される情報パケットの内容は、例えば図6に示すように定義することができる。本実施形態では、例えば情報パケットの内容である電源パケット種別171と、電源パケット種別171と関連付けられた値172と、電源パケット種別を表すニーモニック173とが定義されている。クライアント200は、情報パケットD1として電源仕様数リクエストを表すニーモニックReqSvrProfileNumを電源サーバ100に送信する。
【0042】
情報パケットD1を受信した電源サーバ100は、情報パケットB1において、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイルの数であるサーバ電源プロファイル数を送信する。このとき、電源サーバ100は、電源仕様数リプライを表すニーモニックRepSvrProfileNumをクライアント200に送信する。電源サーバ100が例えば2つのサーバ電源プロファイルを有している場合、電源サーバ100は、ニーモニックRepSvrProfileNumとともにパラメータとして「2」をクライアント200に送信する。
【0043】
情報パケットB1を受信したクライアント200は、電源サーバ100のサーバ電源プロファイルの数だけサーバ電源プロファイルの内容を電源サーバ100から取得する。例えば電源サーバ100が2つのサーバ電源プロファイルを有する場合、クライアント200は、まず、1つめのサーバ電源プロファイルを取得する。そこで、クライアント200は、電源仕様リクエストを表すニーモニックReqSvrProfileを情報パケットD2として、電源サーバ100に送信する。このとき、1つめのサーバ電源プロファイルを取得するため、ニーモニックReqSvrProfileとともにパラメータとして「1」を電源サーバ100に送信する。
【0044】
情報パケットD2を受信した電源サーバ100は、サーバコントローラ120の記憶部に記憶された第1のサーバ電源プロファイルを、情報パケットB2としてクライアント200に送信する。このとき、電源サーバ100は、電源仕様リプライを表すニーモニックRepSvrProfileとともに、第1のサーバ電源プロファイルの内容をパラメータとしてクライアント200に送信する。
【0045】
ここで、電源サーバ100から情報パケットB2を受信したクライアント200は、第2のサーバ電源プロファイルを取得するための情報パケットを送信するが、情報スロットIS1が終了して電力パケットを送信するための電力スロットPS1が開始する。このため、かかる情報パケットは次の情報スロットIS2において送信される。また、電力スロットPS1においては、クライアント200が電源サーバ100から供給を受ける電源仕様が確定していないため、電力の供給は行われない。
【0046】
電源スロットPS1が終了し、次のタイムスロットの開始を示す同期パケットA2が電源サーバ100から出力される。その後、電源サーバ100から情報パケットB2を受信したクライアント200は、第2のサーバ電源プロファイルを取得するためのニーモニックReqSvrProfileを情報パケットD3として送信する。このとき、2つめのサーバ電源プロファイルを取得するため、ニーモニックReqSvrProfileとともにパラメータとして「2」を電源サーバ100に送信する。
【0047】
情報パケットD3を受信した電源サーバ100は、サーバコントローラ120の記憶部に記憶された第2のサーバ電源プロファイルを、情報パケットB3としてクライアント200に送信する。このとき、電源サーバ100は、電源仕様リプライを表すニーモニックRepSvrProfileとともに、第2のサーバ電源プロファイルの内容をパラメーラとしてクライアント200に送信する。
【0048】
情報パケットB3を受信して電源サーバ100の有する2つのサーバ電源プロファイルを取得したクライアント200は、自身に適合する電源仕様のサーバ電源プロファイルを選択する。そして、クライアント200は、電源サーバ100に対して選択したサーバ電源プロファイルを確定させるための情報パケットを送信する。例えば、第1のサーバ電源プロファイルの電源仕様を選択した場合には、クライアント200は、情報パケットD4として電源仕様確定リクエストを表すニーモニックReqSvrProfileSetを、第1のサーバ電源プロファイルを示すパラメータ「1」とともに電源サーバ100に送信する。
【0049】
情報パケットD4を受信した電源サーバ100は、クライアント200に対して第1のサーバ電源プロファイルを確定したことを通知するため、情報パケットB4として電源仕様確定リプライを表すニーモニックRepSvrProfileSetを、クライアント200に送信する。その後、情報スロットIS2が終了して電源スロットPS2が開始すると、電源サーバ100はクライアント200に対して電力パケットC1を出力し、電源供給を行う。なお、電力パケットの送信のタイミングについては、送信開始時間設定リクエストを表すニーモニックReqPowerSetを用いることにより、電力供給開始時間をクライアント200から電源サーバ100に指定することができる。
【0050】
なお、1つの電源サーバ100から複数のクライアント200に対して電力を供給することも可能である。この場合、電源サーバ100は、各クライアント200に対して同時に電力を供給することはできないため、例えば交互に電力を供給する。
【0051】
以上、電源サーバ100とクライアント200との間で行われる電力供給処理の一例について説明した。このような情報パケットおよび電力パケットのやり取りがバスライン10を介して行われている電力供給システム1において、モニター装置300は、バスライン10上に存在する情報パケット等を検出してディスプレイ等に表示させるための処理を行う。本実施形態にかかるモニター装置300は、電源サーバ100とクライアント200との間で送受信されている情報パケットを検出して表示させる機能を有するものであり、電源サーバ100またはクライアント200に対して情報信号の送信は行わない。以下、本実施形態にかかるモニター装置300における表示処理について説明する。
【0052】
<モニター装置における表示処理>
本実施形態にかかるモニター装置300は、まず、バスライン10に接続されたモデム310により、バスライン10上に存在する情報信号である情報パケットを検出する。検出された情報パケットは情報処理部320に送信され、表示部330に表示させるために処理される。ここで、情報パケットには図6に示す独自のニーモニックを用いているため、モニター装置300は、この内容を解読するための専用プロトコルおよびプロトコルのベースとなる汎用IPプロトコルスタックを記憶部に記憶している。これは、かかる電力供給システム1がIPプロトコルに基づいて開発した場合に適用される。電力供給システム1が固有のプロトコルを用いる場合には、モニター装置300もかかる固有のプロトコルを記憶しているものとする。
【0053】
情報処理部320にて解析された情報パケットの内容は、表示部330に送信され、表示部330に表示される。図7に、表示部330における情報パケットの表示例を示す。図7では、電源サーバ100とクライアント200との間で送受信される電源パケットの内容を時系列に示している。表示される項目としては、例えば、受信時刻331と、送信元MACアドレス332と、送信元IPアドレス333と、宛先MACアドレス334と、宛先IPアドレス335と、電源パケット種別336と、パラメータを示すパケット内容337、338とが表示される。
【0054】
例えば、電源サーバ100のMACアドレスを「00:06:04:1A:2B:3D」、クライアント200のMACアドレスを「00:03:44:22:4A:3F」とする。図7に示す表示例をみると、まず、受信時刻10:00.012245において、電源サーバ100(送信元MACアドレス「00:06:04:1A:2B:3D」)による同期パケット(電源パケット種別「1」)のブロードキャスト(宛先MACアドレス「FF:FF:FF:FF:FF:FF」)が行われている。
【0055】
次いで、受信時刻10:00.024312において、クライアント200(送信元MACアドレスを「00:03:44:22:4A:3F」)によりサーバリクエスト(電源パケット種別「2」)のブロードキャスト(宛先MACアドレス「FF:FF:FF:FF:FF:FF」)が行われている。なお、サーバリクエストは、クライアント200がバスライン10に接続されると電源サーバ100を検出するために出力する情報信号である。
【0056】
さらに、受信時刻10:00.037654において、電源サーバ100(送信元MACアドレス「00:06:04:1A:2B:3D」)からクライアント200(宛先MACアドレス「00:03:44:22:4A:3F」)に対してサーバリプライ(電源パケット種別「3」)が送信されている。なお、サーバリプライは、クライアント200が送信したサーバリクエストに対する応答として電源サーバ100から出力される情報信号である。このとき、クライアント200は、サーバリプライの送信元MACアドレスから電源サーバ100のMACアドレスを認識することができる。
【0057】
その後、受信時刻10:00.047221において、クライアント200(送信元MACアドレスを「00:03:44:22:4A:3F」)から電源サーバ100(宛先MACアドレス「00:06:04:1A:2B:3D」)に対して電源仕様リクエスト(電源パケット種別「34」)がパラメータ(パケット内容1「1」)とともに送信されていることがわかる。このように、モニター装置300の表示部330に、電源サーバ100とクライアントとの情報信号の送受信を表示させることができる。
【0058】
以上、第1の実施形態にかかる電力供給システム1の構成とその動作について説明した。本実施形態にかかる電力供給システム1では、モニター装置300を用いて電力供給システム1の状態をバスライン10上の情報信号を検出し、表示させることができる。これにより、ユーザは、電力供給システム1における電源サーバ100およびクライアント200の動きを把握することが可能となる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、図8〜図10に基づいて、本発明の第2の実施形態にかかる電力供給システムについて説明する。本実施形態にかかる電力供給システムは、第1の実施形態と同様、図1に示すように、バスライン10を介して電源サーバ100、クライアント200およびモニター装置300が接続されている。ただし、本実施形態にかかるモニター装置300は、電源サーバ100およびクライアント200と情報信号の送受信を行うことができる点で第1の実施形態と相違する。
【0060】
以下、第1の実施形態との相違点であるモニター装置300の情報信号の表示処理について説明する。なお、図8は、本実施形態にかかるモニター装置300と電源サーバ100との間で行われるサーバ電源プロファイル表示処理の一例を示すフローチャートである。図9は、サーバ電源プロファイルの内容の一例を示す説明図である。図10は、表示部330に表示されるサーバ電源プロファイルの表示例を示す説明図である。
【0061】
<モニター装置における電源プロファイル表示処理>
まず、モニター装置300の表示部330に電源サーバ100の電源プロファイルを表示させる処理について説明する。本実施形態にかかるモニター装置300における表示処理は、まず、図8に示すように、モニター装置300は、電源サーバ100のアドレスを取得するために、バスライン10上にサーバリクエストを表すニーモニックReqServerを情報パケットとして出力する(S100)。かかる情報パケットの宛先MACアドレスにはブロードキャストアドレスが指定される。
【0062】
サーバリクエストを受信した電源サーバ100は、サーバリプライを表すニーモニックRepServerを情報パケットとしてバスライン10上に出力する(S102)。モニター装置300は、電源サーバ100から出力されたサーバリプライを検出することにより、電源サーバ100のMACアドレスを取得することができる(S104)。
【0063】
次いで、モニター装置300は、電源サーバ100に対して、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイルの数の通知を要求する電源仕様数リクエストを表すニーモニックReqSvrProfileNumを情報パケットとして送信する(S106)。電源サーバ100には、電源システムの情報として、1または2以上のサーバ電源プロファイルが記憶されている。サーバ電源プロファイルは、電源サーバ100がクライアント200に対して提供可能な電源仕様を示すものであり、図9に示すように、例えば、電力形式450、最大電圧451、最小電圧452、公称電圧453、最大電流454、平均電流455が記憶されている。図9に示す例では、電源サーバ100はProfile1とProfile2の2つのサーバ電源プロファイルを有している。
【0064】
モニター装置300から電源仕様数リクエストを受信した電源サーバ100は、自身が有するサーバ電源プロファイルの数をモニター装置300に送信する(S108)。本例では、電源サーバ100は2つのサーバ電源プロファイルを有しているので、電源サーバ100は、ニーモニックRepSvrProfileNumとともにパラメータとして「2」をモニター装置300に送信する。そして、モニター装置300は、かかる情報パケットを受信することにより、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイル数を取得することができる(S110)。
【0065】
さらに、モニター装置300は、電源サーバ100のサーバ電源プロファイルを取得するため、電源サーバ100に対して電源仕様リクエストを表すニーモニックReqSvrProfileを送信する(S112)。モニター装置300は、まず第1のサーバ電源プロファイルを取得するため、電源仕様リクエストとともに第1のプロファイルを表すパラメータ「1」を送信する。電源仕様リクエストを受信した電源サーバ100は、モニター装置300に対してニーモニックRepSvrProfileとともに第1のサーバ電源プロファイルを送信する(S114)。そして、モニター装置300は、電源サーバ100から送信されたサーバ電源プロファイルを受信する(S116)。
【0066】
その後、モニター装置300は、サーバ電源プロファイルの取得数と電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイル数とが一致するか否かを判断する(S118)。本例は、モニター装置300に、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイルをすべて表示させる場合の処理である。このため、モニター装置300が電源サーバ100のサーバ電源プロファイルをすべて取得したか否かを確認する。
【0067】
ステップS118にて、サーバ電源プロファイルの取得数と電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイル数とが一致しない場合には、ステップS112からの処理を再度行い、第2のサーバ電源プロファイルを取得する。一方、サーバ電源プロファイルの取得数と電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイル数とが一致した場合には、電源サーバ100の有するすべてのサーバ電源プロファイルが取得されたと判断し、取得したすべてのサーバ電源プロファイルを表示部330に表示させるための処理を行う(S120)。
【0068】
ステップS120では、電源サーバ100から取得したサーバ電源プロファイルの内容を表す情報パケットを表示部330の表示データ形式に変換するデータ処理が行われる。データ処理されたサーバ電源プロファイルの内容は、例えば図10に示すように表示部330に表示される。なお、本実施形態にかかるモニター装置300は、図4に示すように、表示部330を備えているが、例えばモニター装置300を外部のディスプレイ等の表示装置と接続してサーバ電源プロファイルの内容を表示させてもよい。この場合、ステップS120では、サーバ電源プロファイルの内容を表す情報パケットを外部の表示装置に対応する表示データ形式に変換するデータ処理が行われる。
【0069】
以上、モニター装置300の表示部330に電源サーバ100のサーバ電源プロファイルを表示させる処理について説明した。このように、モニター装置300から電源サーバ100に対してサーバ電源プロファイルを取得するための情報信号を送信して、サーバ電源プロファイルを取得することができる。取得したサーバ電源プロファイルは情報処理部320により表示部330に表示させるために処理された後、表示部330に表示される。これにより、ユーザは、電源サーバ100がクライアント200に対して提供可能な電源情報を把握することができる。
【0070】
<モニター装置におけるクライアント電源プロファイル表示処理>
一方、クライアント200も、電源サーバ100に対してどのような仕様を要求するかを表した、1または2以上のクライアント電源プロファイルを有している。そこで、図11および図12に基づいて、モニター装置300の表示部330にクライアント200の電源仕様を表示させる処理について説明する。なお、図11は、本実施形態にかかるモニター装置300とクライアント200との間で行われるクライアント電源プロファイル表示処理の一例を示すフローチャートである。図12は、クライアント電源プロファイル表示処理において送受信される情報信号の例を示す説明図である。
【0071】
本実施形態にかかるモニター装置300における表示処理は、まず、図11に示すように、モニター装置300は、クライアント200のアドレスを取得するために、バスライン10上にクライアントリクエストを表すニーモニックReqClientAdresを情報パケットとして出力する(S200)。かかる情報パケットの宛先MACアドレスにはブロードキャストアドレスが指定される。クライアントリクエストを受信したすべてのクライアント200は、クライアントリプライを表すニーモニックRepClientAdresを情報パケットとしてバスライン10上に出力する(S202)。モニター装置300は、クライアント200から出力されたクライアントリプライを検出することにより、クライアント200のMACアドレスを取得することができる(S204)。
【0072】
次いで、モニター装置300は、クライアント200に対してクライアント電源プロファイル数リクエストを表すニーモニックReqClientProfileNumを情報パケットとして送信する(S206)。クライアント200は、1または2以上のクライアント電源プロファイルを有している。ステップS206では、かかるクライアント電源プロファイルの数を取得するための情報信号の送信を行う。モニター装置300からクライアント電源プロファイル数リクエストを受信したクライアント200は、自身が有するクライアント電源プロファイルの数をモニター装置300に送信する(S208)。クライアント200は、ニーモニックRepClientProfileNumとともにパラメータとしてクライアント電源プロファイル数をモニター装置300に送信する。そして、モニター装置300は、かかる情報パケットを受信することにより、クライアント200が有するクライアント電源プロファイル数を取得することができる(S210)。
【0073】
さらに、モニター装置300は、クライアント200のクライアント電源プロファイルを取得するため、クライアント200に対してクライアント電源プロファイルメッセージを表すニーモニックReqClientProfileを送信する(S212)。モニター装置300は、まず第1のクライアント電源プロファイルを取得するため、クライアント電源プロファイルメッセージとともに第1のプロファイルを表すパラメータ「1」を送信する。クライアント電源プロファイルメッセージを受信したクライアント200は、モニター装置300に対してニーモニックRepClientProfileとともに第1のクライアント電源プロファイルを送信する(S214)。そして、モニター装置300は、クライアント200から送信されたクライアント電源プロファイルを受信する(S216)。
【0074】
その後、モニター装置300は、クライアント電源プロファイルの取得数とクライアント200が有するクライアント電源プロファイルの数とが一致するか否かを判断する(S218)。本例は、モニター装置300に、クライアント200が有するクライアント電源プロファイルをすべて表示させる場合の処理である。このため、モニター装置300がクライアント200のクライアント電源プロファイルをすべて取得したか否かを確認する。
【0075】
ステップS218にて、クライアント電源プロファイルの取得数とクライアント200が有するクライアント電源プロファイル数とが一致しない場合には、ステップS212からの処理を再度行い、第2のクライアント電源プロファイルを取得する。一方、クライアント電源プロファイルの取得数とクライアント200が有するクライアント電源プロファイル数とが一致した場合には、クライアント200の有するすべてのクライアント電源プロファイルが取得されたと判断し、取得したすべてのクライアント電源プロファイルを表示部330に表示させるための処理を行う(S220)。
【0076】
以上、モニター装置300の表示部330にクライアント200のクライアント電源プロファイルを表示させる処理について説明した。このように、モニター装置300からクライアント200に対してクライアント電源プロファイルを取得するための情報信号を送信して、クライアント電源プロファイルを取得することができる。取得したクライアント電源プロファイルは情報処理部320により表示部330に表示させるために処理された後、表示部330に表示される。これにより、ユーザは、クライアント200が電源サーバ100に対して要求する電源仕様を把握することができる。
【0077】
また、本実施形態にかかるモニター装置300に、電源サーバ100およびクライアント200に対して送信する情報信号の内容を入力するための入力部(図示せず。)を備えることもできる。これにより、ユーザが入力部を用いて、モニター装置300の表示部330に表示させたい電源サーバ100またはクライアント200の情報を取得するための情報信号の内容を入力することが可能となり、所望の情報を表示部330に表示させることができる。
【0078】
(第3の実施形態)
次に、図13に基づいて、本発明の第3の実施形態にかかる電力供給システムについて説明する。なお、図13は、本実施形態にかかるモニター装置400の構成を示す説明図である。本実施形態にかかる電力供給システムは、第1の実施形態と同様、図1に示すようにバスライン10を介して電源サーバ100、クライアント200およびモニター装置400が接続されて構成されている。本実施形態にかかる電源サーバ100、クライアント200、モニター装置400は、バスライン10を介さずに接続可能なインタフェース部を備えることを特徴とする。以下、第1の実施形態との相違点を主として、本実施形態にかかる電力供給システムについて説明する。また、第1の実施形態と同一の構成、機能については詳細な説明を省略する。
【0079】
<電力供給システムの構成>
まず、図13に基づいて、本実施形態にかかるモニター装置400の構成について説明する。本実施形態にかかるモニター装置400は、図13に示すように、情報の物理的特性に適合する物理通信部であるモデム410と、モデム410により取得したバスライン10上の情報信号を後述する表示部430に表示するための処理を行う情報処理部420と、情報信号等の内容を表示する表示部430と、インタフェース部440とを備える。モデム410、情報処理部420および表示部430は、第1の実施形態と同様に構成することができる。
【0080】
インタフェース部440は、バスライン10を介さずに電源サーバ100またはクライアント200との接続を可能とする接続部である。このとき、電源サーバ100またはクライアント200とモニター装置400とをバスライン10を介さずに接続するため、電源サーバ100またはクライアント200に、接続線445と接続可能なインタフェース部180が備えられていることが必要である。
【0081】
インタフェース部440は、情報処理部420から出力された情報信号を、接続線445を介して電源サーバ100またはクライアント200に送信する。また、インタフェース部440は、電源サーバ100またはクライアント200から送信された情報信号を、接続線445を介して受信して、情報処理部420に出力する。なお、接続線はバスライン10以外であって、例えばイーサネット(登録商標)やUSB、RS232C等を使用することができる。
【0082】
<デバッグモード設定処理>
ここで、例えば新たに作成したクライアント200をテストする場合などには、何らかの不都合により電源サーバ100がクライアント200の許容する範囲を超えた電力を出力してしまい、クライアント200を破壊してしまう可能性が生じる。このような状況を回避するため、本実施形態にかかる電力供給システムでは、デバッグモードを設定することができる。本実施形態におけるデバッグモードとは、通常のプロトコル処理にしたがって情報パケットの送受信は行うが、電力パケットの送受信は行わない電源サーバ100の状態をいう。
【0083】
特に、本実施形態にかかる構成の電源サーバ100、クライアント200、モニター装置400を用いて、バスライン10とは異なる接続線445を介してデバックモードの設定・解除処理を行うことにより、電源サーバ100の設定を変更してしまうことを回避できる。そこで、以下に、図14に基づいて、本実施形態にかかる電力供給システムにおけるデバックモード設定処理について説明する。なお、図14は、デバッグモード設定処理を示すフローチャートである。
【0084】
本実施形態にかかる電力供給システムにおけるデバッグモード設定処理は、図14に示すように、まず、モニター装置400からデバッグモードを設定するためのデバッグモードリクエストメッセージを表すニーモニックReqSetServerDebugModeが情報パケットとして電源サーバ100に送信される(S300)。このとき、情報パケットは、接続線445を介してモニター装置400のインタフェース部440から電源サーバ100のインタフェース部180に送信される。
【0085】
次いで、デバッグモードリクエストメッセージを受信した電源サーバ100は、デバッグモードを稼動させる(S302)。そして、電源サーバ100は、デバッグモードリプライメッセージを表すニーモニックRepSetServerDebugModeを情報パケットとしてモニター装置400に送信する(S304)。これにより、デバッグモード解除リクエストを受信するまで、電源サーバ100はデバッグモードで稼動する。このとき、デバッグモードで稼動する電源サーバ100に対して、電力パケットを出力しない代わりに、例えばダミーのパケットを送信させるようにしてもよい。
【0086】
その後、デバッグモードを解除する場合には、モニター装置400からデバッグモード解除リクエストメッセージを表すニーモニックReqResetServerDebugModeが情報パケットとして電源サーバ100に送信される(S306)。デバッグモード解除リクエストメッセージを受信した電源サーバ100は、デバッグモードを解除する(S308)。そして、電源サーバ100は、デバッグモード解除リプライメッセージを表すニーモニックRepResetServerDebugModeを情報パケットとしてモニター装置400に送信する(S310)。
【0087】
このように、モニター装置400と電源サーバ100との間で、デバッグモードの設定・解除処理を行うための情報信号のやり取りを行うことができる。かかるデバッグモード設定処理はバスライン10を介して行うことも可能であるが、デバッグモード設定処理に関する情報信号については、バスライン10を介さずに、別途の接続線445を介して送受信することにより、誤って電源サーバ100の設定が変更されることを回避できる。
【0088】
なお、電力供給システムを図13に示す本実施形態にかかる構成として、第2の実施形態において説明したモニター装置と電源サーバとの間で行われるサーバ電源プロファイル表示処理やモニター装置とクライアントとの間で行われるクライアント電源プロファイル表示処理などを、バスライン10を介さずに、別途の接続線445を介して行うこともできる。すなわち、情報信号であれば接続線445を介して送受信することができる。
【0089】
(第4の実施形態)
次に、図15に基づいて、本発明の第4の実施形態にかかる電力供給システムについて説明する。なお、図15は、本実施形態にかかるモニター装置500の構成を示す説明図である。本実施形態にかかる電力供給システムのモニター装置は、モニター機能に加えて、電源サーバまたはクライアントの機能を備えたことを特徴とする。以下、本実施形態にかかる電源サーバとしての機能を有するモニター装置500の構成および動作について説明する。
【0090】
本実施形態にかかるモニター装置500は、図15に示すように、商用電源560を処理して後述するクライアント200に供給可能な形式に変換する交流/直流変換部であるAC/DCコンバータ510と、モニター装置500による電力供給のための各種機能を実行するための制御部であるサーバコントローラ520と、情報信号をバスライン10に接続してクライアント200との通信を可能にするための機器であるモデム530と、表示部570とを備える。AC/DCコンバータ510、サーバコントローラ520およびモデム530は、第1の実施形態と同様の構成、機能を有するものを用いることができる。
【0091】
表示部570は、バスライン10上に存在する情報信号の内容や、モニター装置500自身が有する情報を表示するものであって、例えばサーバコントローラ520に接続して備えることができる。表示部570としては、例えば、ディスプレイ等を用いることができる。このため、サーバコントローラ520に、モニター装置500がバスライン10上に存在する情報信号を解析して、表示部570に表示させるための処理を行う機能を備えるようにしてもよい。または、サーバコントローラ520とは別個の、情報信号などを表示部570に表示させるための表示制御部(図示せず。)を備えてもよい。
【0092】
本実施形態にかかるモニター装置500は、クライアント200の情報の読み出しや制御に関しては電源サーバとして機能するものである。すなわち、クライアント200に対して電力の供給が可能なモニター装置500であって、実質電源サーバにモニター機能を備えたものと考えられる。このようなモニター装置500は、第1の実施形態で示したモニター装置300と同様に、バスライン10に接続された電源サーバ100やクライアント200との間で送受信される情報信号を検出して表示部570に表示させることもできる。また、第2の実施形態で示したように、モニター装置500から電源サーバ100またはクライアント200に対して情報信号の送信を行うこともできる。さらに、第3の実施形態で示したように、モニター装置500に、バスライン10を介さずに電源サーバ100やクライアント200と接続するためのインタフェース部(図示せず。)を備えることも可能である。
【0093】
また、図15に示した本実施形態にかかるモニター装置500は、クライアント200への電力供給が可能なものであったが、電力の供給は行わないように構成することもできる。すなわち、クライアント200との情報信号の送受信のみを、バスライン10を介して行うようにした構成である。なお、モニター装置500がクライアント200に対してサーバ電源プロファイルを送信しなければならない場合には、サーバ電源プロファイルにおける電力形式をダミーとして、クライアント200との通信を妨げないようにすることができる。このとき、実際の電力はバスライン10には存在しない。
【0094】
さらに、モニター装置は、クライアントとしての機能も有するように構成することもできる。この場合にも電力の受電を行うモニター装置と、電力の受電を行わないモニター装置がある。電力の受電を行うものは、クライアントにモニター機能を備えたものと考えられる。一方、電力の受電を行わないものは、電源サーバ100からの電力パケットの出力を無視して自身に取り込まないようにすればよい。このとき、クライアント電源プロファイルに記述された電力形式をダミーとして、電力の受電を行わない端末であることを明示することにより、かかるモニター装置が電力の受電を行わないクライアントをエミュレートしていることを表明することができる。
【0095】
以上、第4の実施形態にかかる電力供給システムのモニター装置500について説明した。本実施形態にかかるモニター装置500は、モニター機能に加えて電源サーバまたはクライアントの機能を備える。これにより、モニター装置の機能に多様性を持たせることができる。また、電源サーバ100またはクライアント200に、モニター機能を備えるようにしてもよい。
【0096】
(第5の実施形態)
次に、図16に基づいて、本実施形態にかかる電力供給システムについて説明する。なお、図16は、本実施形態にかかるモニター装置600の構成を示す説明図である。本実施形態にかかる電力供給システムのモニター装置600は、ハードウェアとしてモデムのみを備え、別途に情報信号を表示部に表示させるための情報処理部と表示部とを備えるように構成されている。以下、本実施形態にかかるモニター装置600の構成および動作について説明する。
【0097】
本実施形態にかかるモニター装置600は、図16に示すように、モデム610から構成される。また、ユーザが情報信号などをモニターするための機能部として、例えば情報処理部621と表示部622とを備える情報処理端末620がモデム610に接続されている。
【0098】
モデム610は、情報の物理的特性に適合する物理通信部であって、バスライン10に接続されている。モデム610は、第1の実施形態のモデム310と同様の構成、機能を有するものとすることができる。
【0099】
情報処理端末620は、モデム610により検出された情報信号をモニターするための端末である。情報処理端末620の情報処理部621は、情報信号を解析して、後述する表示部622に表示させるための処理を行う。情報処理部621は、通信ポート630を介してモデム610と接続される。また、表示部622は、情報信号の内容を表示するものである。情報処理端末620としては、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどを用いることができる。また、通信ポート630としては、例えばイーサネット(登録商標)やUSB、RS232C等を用いることができる。
【0100】
本実施形態にかかるモニター装置600は、モニターとしての主要機能をアプリケーションソフトウェアとして情報処理端末620に提供して、情報処理端末620をモニター装置600の一部として機能させるように構成されている。このように、モニターとしての主要機能をソフトウェアとして提供することにより、既存の情報処理端末を用いてモニター装置600を構成することができる。
【0101】
このようなモニター装置600も、第1の実施形態で示したモニター装置300と同様に、バスライン10に接続された電源サーバ100やクライアント200との間で送受信される情報信号を検出して表示部622に表示させることもできる。また、第2の実施形態で示したように、モニター装置600から電源サーバ100またはクライアント200に対して情報信号の送信を行うこともできる。さらに、第3の実施形態で示したように、モニター装置600の一部として機能する情報処理端末620に、バスライン10を介さずに電源サーバ100やクライアント200と接続するためのインタフェース部(図示せず。)を備えることも可能である。
【0102】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0103】
例えば、上記実施形態では、表示部に表示させる表示内容として、電源サーバとクライアントとの間で送受信される情報信号の時系列データや、電源サーバおよびクライアントの電源プロファイルを例示したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、電源プロファイルの更新前後の情報を比較表示してもよく、例えば電源サーバがデバックモードで稼動しているなどの稼働状況を表示してもよい。また、電源サーバが複数のクライアントに電力を供給している場合には、各クライアントへの電力供給量を表示してもよく、クライアントごとの総電力供給量を表示してもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 電力供給システム
10 バスライン
100 電源サーバ
110、510 AC/DCコンバータ
120、520 サーバコントローラ
130、530 モデム
180 インタフェース部
200 クライアント
210 DC/DCコンバータ
220 クライアントコントローラ
230 モデム
300、400、500、600 モニター装置
310、410、610 モデム
320、420、621 情報処理部
330、430、570、622 表示部
440 インタフェース部
445 接続線
620 情報処理端末
630 通信ポート
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を供給する電源サーバとバスラインを介して接続された情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えばパーソナルコンピュータ等の多くのバッテリー動作機器が使用されている。このようなバッテリー動作機器の大半は、バッテリー充電や機器動作のために、いわゆるACアダプタを用いている。バッテリー動作機器そのものは入力としてDCが通常であるが、その電圧や電流容量はそれぞれ異なるため、ACアダプタは基本的に各機器専用となっている。また、ACアダプタのプラグも同様の構成でありながら互換性がなく、他の機器には使用することができないように形成されている。このため、バッテリー動作機器の増加にともなって、同一機能のACアダプタが増加してしまうという問題があった。
【0003】
このような問題に対して、バッテリーやACアダプタ等の電力を供給する電源供給ブロックと、電源供給ブロックから電力が供給される電源消費ブロックとを1つの共通バスラインに接続した電源バスシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。かかる電源バスシステムでは、各ブロックは自らをオブジェクトとして記述し、各ブロックのオブジェクトがバスラインを介して相互に状態データ等の送受信を行う。各ブロックのオブジェクトは、他のブロックのオブジェクトからの要求に基づいて状態データを生成し、回答データとして送信する。回答データを受信したブロックのオブジェクトは、回答データに基づいて電源の供給や消費を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−306191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の電源バスシステムについて実際に開発や設計を行うに際し、システムに接続された各機器の動作状況をモニターする必要があるが、動作状況をモニターするための手段が存在しないという問題があった。このような電力供給システムについては、実稼動時においても必要に応じて監視を要求されることもある。
【0006】
また、情報を表現する情報信号とエネルギーそのものとなる電力とが重畳されて、それぞれパケットとしてバスライン上に存在する場合には、信号情報および電力のいずれか一方のみをモニターしようとしても正確な情報を得ることができない。
【0007】
さらに、電源の供給や消費を行う稼動時においては、機器が同一の電源バスシステムに接続された電力供給源から電力の供給を受ける際、ユーザが何らかの設定することなく自動的に自身に適合した仕様で電力の供給を受けることが望ましい。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、所望の仕様の電力の供給を受けることの可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部と、電源サーバから電力の供給を受けるために制御する制御部と、を備え、制御部は、通信部を介して検出した、バスラインに接続されている電源サーバから定期的に出力されている同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を電源サーバへ送信し、電力の供給を受ける、情報処理装置が提供される。
【0010】
制御部は、通信部を介して、バスラインに接続されている電源サーバから定期的に出力されている同期パケットを検出して当該電源サーバにアクセスし、アクセスした電源サーバから送信された当該電源サーバのアドレスを受信し、受信したアドレスの電源サーバに対して、電力供給を要求する情報信号を送信して電力の供給を受けてもよい。
【0011】
このとき、制御部は、受信したアドレスの電源サーバに対して、当該電源サーバの電力仕様を表すサーバ電源プロファイルの数の送信を要求する情報信号を送信し、電源サーバより受信したサーバ電源プロファイルの数だけ、電源サーバよりサーバ電源プロファイルの内容を取得し、取得したサーバ電源プロファイルから当該情報処理装置に適合する電力仕様のサーバ電源プロファイルを選択して電源サーバへ通知し、
選択したサーバ電源プロファイルの電力仕様に基づいた電力の供給を、電源サーバから受けてもよい。
【0012】
また、情報処理装置は、電源サーバから供給された電力を所定の形式に変換する変換部をさらに備えてもよい。
【0013】
バスラインに、1つの電源サーバと、複数の情報処理装置が接続されているとき、各情報処理装置は、交互に電源サーバから電力の供給を受けてもよい。
【0014】
また、バスラインに、情報信号および電力に関する電力情報の少なくともいずれか一方をモニターするためのモニター装置が接続されているとき、情報処理装置は、当該情報処理装置の電源仕様を表す1または2以上のクライアント電源プロファイルを有し、制御部は、モニター装置から出力されたクライアント電源プロファイルの送信を要求する情報信号を受信したとき、当該情報処理装置のクライアント電源プロファイルをモニター装置に送信してもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部を介して、バスラインに接続されている電源サーバから定期的に出力されている同期パケットを検出するステップと、検出された同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を電源サーバへ送信するステップと、情報信号を送信した電源サーバから電力の供給を受けるステップと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0016】
さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部と、電源サーバから電力の供給を受けるために制御する制御部と、を備え、制御部が、通信部を介して検出した、バスラインに接続されている電源サーバから定期的に出力されている同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を電源サーバへ送信し、電力の供給を受ける、情報処理装置として機能させる、コンピュータプログラムが提供される。かかるコンピュータプログラムは、コンピュータが備える記憶装置に格納され、コンピュータが備えるCPUに読み込まれて実行されることにより、そのコンピュータを上記のモニター装置として機能させる。また、コンピュータプログラムが記憶された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスクや光ディスクなどである。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、所望の仕様の電力の供給を受けることの可能な情報処理装置、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる電力供給システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】同実施形態にかかる電源サーバの構成を示す説明図である。
【図3】同実施形態にかかるクライアントの構成を示す説明図である。
【図4】同実施形態にかかるモニター装置の構成を示す説明図である。
【図5】電源サーバとクライアントとの間で行われる電力供給処理の一例を示す説明図である。
【図6】電源サーバ、クライアントおよびモニター装置において送受信される情報信号の例を示す説明図である。
【図7】表示部における情報パケットの表示例を示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態にかかるモニター装置と電源サーバとの間で行われるサーバ電源プロファイル表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】サーバ電源プロファイルの内容の一例を示す説明図である。
【図10】表示部に表示されるサーバ電源プロファイルの表示例を示す説明図である。
【図11】同実施形態にかかるモニター装置とクライアントとの間で行われるクライアント電源プロファイル表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】クライアント電源プロファイル表示処理において送受信される情報信号の例を示す説明図である。
【図13】本発明の第3の実施形態にかかるモニター装置の構成を示す説明図である。
【図14】デバッグモード設定処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第4の実施形態にかかるモニター装置の構成を示す説明図である。
【図16】本発明の第5の実施形態にかかるモニター装置の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態(モニター機能のみを備えるモニター装置)
2.第2の実施形態(電源サーバおよびクライアントと通信可能なモニター装置)
3.第3の実施形態(バスラインを介さない構成)
4.第4の実施形態(電源サーバまたはクライアントの機能を備えるモニター装置)
5.第5の実施形態(電力供給システム)
【0021】
(第1の実施形態)
まず、図1〜図4に基づいて、本発明の第1の実施形態にかかる電力供給システム1の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかる電力供給システム1の概略構成を示す説明図である。図2は、本実施形態にかかる電源サーバ100の構成を示す説明図である。図3は、本実施形態にかかるクライアントの構成を示す説明図である。図4は、本実施形態にかかるモニター装置の構成を示す説明図である。
【0022】
<電力供給システムの構成>
本実施形態にかかる電力供給システム1は、図1に示すように、1つのバスライン10に、電源サーバ100と、クライアント200と、モニター装置300とを接続して構成される。本実施形態では、1つの電源サーバ100、2つのクライアント200、そして1つのモニター装置300がバスライン10を介して接続されているが、それぞれ1または2以上の電源サーバ100、クライアント200およびモニター装置300をバスライン10に接続することが可能である。
【0023】
電源サーバ100は、図2に示すように、AC/DCコンバータ110と、サーバコントローラ120と、モデム130とを備える。
【0024】
AC/DCコンバータ110は、商用電源160を処理して後述するクライアント200に供給可能な形式に変換する交流/直流変換部である。AC/DCコンバータ110から出力される主供給電源とバスライン10との間には、インダクタンス140およびスイッチ150が設けられている。インダクタンス140は、AC/DCコンバータ110の出力部に通常設けられるバイパスコンデンサによって通信路のインピーダンスを低下させないようにするために設けられる。また、スイッチ150は、電源サーバ100からいきなりバスライン10に電力が出力されないようにするために設けられている。
【0025】
サーバコントローラ120は、電源サーバ100による電力供給のための各種機能を実行するための制御部であって、マイクロプロセッサおよび周辺回路から構成される。サーバコントローラ120は、例えば、AC/DCコンバータ110からの供給電圧をバスライン10と接続するか否かの制御、クライアント200との通信における通信プロトコル制御、クライアントとの情報信号の送受信制御などを行う。また、サーバコントローラ120は、その電力仕様(サーバ電源プロファイル)や情報信号のためのプロトコル、通信により取得したクライアント情報などを内部情報として記憶する記憶部(図示せず。)を備えている。
【0026】
モデム130は、情報信号をバスライン10に接続してクライアント200およびモニター装置300との通信を可能とするための機器である。情報信号と電力とは同一の一対の導線を共有するため、これらを周波数分割により分離する必要がある。すなわち、電源サーバ100とクライアント200との間ではバスライン10を介して情報信号の送受信が行われるが、情報信号は電力の使用する周波数帯域(例えば400Hz以下程度の低周波)と混信がないように十分高い周波数帯域を使用して送受信される。モデム130は、この通信部分における変復調を行うものである。
【0027】
クライアント200は、図3に示すように、DC/DCコンバータ210と、クライアントコントローラ220と、モデム230とを備える。
【0028】
DC/DCコンバータ210は、電源サーバ100から供給された電力を消費する負荷280が必要とする電圧、電流に変換する変換部である。DC/DCコンバータ210とバスライン10との間には、インダクタンス240およびスイッチ250、260が設けられており、電源サーバ100のインダクタンス140およびスイッチ150と同様に機能する。
【0029】
クライアントコントローラ220は、クライアント200の電源供給を受けるための各種機能を実行するための制御部である。クライアントコントローラ220は、例えば、電源サーバ100から供給された電力をどのように消費するかを決定したり、プロトコル制御を行ったりする。クライアントコントローラ220は、情報信号のためのプロトコルやクライアント200の仕様に関するクライアント情報(例えば、後述するクライアント電源プロファイル)などを内部情報として記憶する記憶部(図示せず。)を備えている。
【0030】
モデム230は、情報信号をバスライン10に接続して電源サーバ100およびモニター装置300との通信を可能とするための機器である。モデム230も、電源サーバ100のモデム130と同様、通信部分における変復調を行うものである。
【0031】
また、クライアント200は、電源サーバ100から供給された電力を負荷280の消費電力がゼロまたは小さい場合に蓄積するバッテリー270を備えることもできる。
【0032】
モニター装置300は、図4に示すように、モデム310と、情報処理部320と、表示部330とを備える。
【0033】
モデム310は、情報の物理的特性に適合する物理通信部であって、情報信号と電力とが重畳されたバスライン10に接続される本実施形態においては、例えば電力線モデム(PLCモデム;Power Line Communication Modem)を用いることができる。モデム310は、バスライン10上に存在する電源サーバ100とクライアント200との間で送受信される情報信号を検出する。
【0034】
情報処理部320は、モデム310により取得したバスライン10上の情報信号を後述する表示部330に表示するための処理を行う機能部である。情報処理部320は、情報信号を解読するためのプロトコルを記憶する記憶部(図示せず。)を備えている。情報処理部320は、情報信号を解析して表示部に表示する形式に変換し、表示部330へ送信する。
【0035】
表示部330は、バスライン10上に存在する情報信号の内容を表示するものであって、例えば、ディスプレイ等を用いることができる。
【0036】
このような構成の電力供給システム1では、電源サーバ100とクライアント200との間で電力の授受を行うための情報信号のやり取りが行われる一方で、モニター装置300によりその情報信号を検出して電源サーバ100とクライアント200との間のやり取りをモニターすることができる。以下、図5に基づいて、電源サーバ100とクライアント200との間で行われる電力供給処理について説明し、その後、モニター装置300によるモニター処理について説明する。なお、図5は、電源サーバ100とクライアント200との間で行われる電力供給処理の一例を示す説明図である。
【0037】
<電力供給処理>
本実施形態にかかる電力供給システム1における電源サーバ100からクライアント200への電力供給処理は、電源サーバ100からバスライン10に対して定期的に出力される同期パケットに基づいて行われる。クライアント200は、バスライン10上の同期パケットから電源サーバ100の存在を認識し、電源サーバ100にアクセスする。クライアント200からアクセスを受けた電源サーバ100は、クライアント200に対して自身のアドレスを送信する。電源サーバ100のアドレスを受信したクライアント200は電源サーバ100に対して電力供給を要求する情報信号を送信して、電源サーバ100から電力の供給を受ける。なお、バスライン10に複数の電源サーバ100が接続されている場合には、いずれか1つの電源サーバ100から同期パケットが出力される。
【0038】
より詳細に説明すると、電源サーバ100は、図5に示すように、バスライン10に対して定期的に同期パケットA1、A2、A3、・・・を出力する。また、電源サーバ100は、電力を供給するためにクライアント200との間で送受信される情報信号である情報パケットB1、B2、B3、・・・と、電力エネルギーをパケット化した電力パケットC1、C2、C3、・・・・とを出力する。一方、クライアント200は、電力供給を受けるために電源サーバ100との間で送受信される情報信号である情報パケットD1、D2、D3、・・・を出力する。
【0039】
ここで、電源サーバ100は、所定の間隔(例えば、約1秒間隔)のタイムスロットの開始時に同期パケットを出力する。タイムスロットは、情報パケットが送信される情報スロットと、電力パケットが送信される電力スロットとからなる。情報スロットIS1、IS2、IS3、・・・は、電源サーバ100とクライアント200との間で情報パケットの出力が行われる区間である。また、電力スロットPS1、PS2、PS3、・・・は、電源サーバ100からクライアント200へ供給される電力パケットが出力される区間である。情報パケットは、情報スロットの区間にのみおいて出力可能であるため、1つの情報スロットにおいて情報パケットの送受信が完了しない場合には、複数の情報スロットに渡って情報パケットが送信される。また、電力パケットも、電力スロットの区間にのみおいて出力可能である。
【0040】
電源サーバ100は自身が供給可能な電力仕様を示すサーバ電源プロファイルを1または2以上有しており、クライアント200は自身の仕様に適合する電力を供給可能な電源サーバ100から電力の供給を受けるとする。このとき、クライアント200は、電源サーバ100からサーバ電源プロファイルを取得して、自身に対する電源サーバ100の仕様(サーバ電源プロファイル)を決定する。このためにまず、クライアント200は、電源サーバ100が出力する同期パケットA1を検出して、同期パケットA1に含まれる電源サーバ100のアドレスを取得する。アドレスは、例えばMACアドレスとすることができる。次いで、クライアント200は、電源サーバ100に対して、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイルの数の送信を要求する情報パケットD1を送信する。
【0041】
ここで、電源サーバ100とクライアント200との間で送受信される情報パケットの内容は、例えば図6に示すように定義することができる。本実施形態では、例えば情報パケットの内容である電源パケット種別171と、電源パケット種別171と関連付けられた値172と、電源パケット種別を表すニーモニック173とが定義されている。クライアント200は、情報パケットD1として電源仕様数リクエストを表すニーモニックReqSvrProfileNumを電源サーバ100に送信する。
【0042】
情報パケットD1を受信した電源サーバ100は、情報パケットB1において、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイルの数であるサーバ電源プロファイル数を送信する。このとき、電源サーバ100は、電源仕様数リプライを表すニーモニックRepSvrProfileNumをクライアント200に送信する。電源サーバ100が例えば2つのサーバ電源プロファイルを有している場合、電源サーバ100は、ニーモニックRepSvrProfileNumとともにパラメータとして「2」をクライアント200に送信する。
【0043】
情報パケットB1を受信したクライアント200は、電源サーバ100のサーバ電源プロファイルの数だけサーバ電源プロファイルの内容を電源サーバ100から取得する。例えば電源サーバ100が2つのサーバ電源プロファイルを有する場合、クライアント200は、まず、1つめのサーバ電源プロファイルを取得する。そこで、クライアント200は、電源仕様リクエストを表すニーモニックReqSvrProfileを情報パケットD2として、電源サーバ100に送信する。このとき、1つめのサーバ電源プロファイルを取得するため、ニーモニックReqSvrProfileとともにパラメータとして「1」を電源サーバ100に送信する。
【0044】
情報パケットD2を受信した電源サーバ100は、サーバコントローラ120の記憶部に記憶された第1のサーバ電源プロファイルを、情報パケットB2としてクライアント200に送信する。このとき、電源サーバ100は、電源仕様リプライを表すニーモニックRepSvrProfileとともに、第1のサーバ電源プロファイルの内容をパラメータとしてクライアント200に送信する。
【0045】
ここで、電源サーバ100から情報パケットB2を受信したクライアント200は、第2のサーバ電源プロファイルを取得するための情報パケットを送信するが、情報スロットIS1が終了して電力パケットを送信するための電力スロットPS1が開始する。このため、かかる情報パケットは次の情報スロットIS2において送信される。また、電力スロットPS1においては、クライアント200が電源サーバ100から供給を受ける電源仕様が確定していないため、電力の供給は行われない。
【0046】
電源スロットPS1が終了し、次のタイムスロットの開始を示す同期パケットA2が電源サーバ100から出力される。その後、電源サーバ100から情報パケットB2を受信したクライアント200は、第2のサーバ電源プロファイルを取得するためのニーモニックReqSvrProfileを情報パケットD3として送信する。このとき、2つめのサーバ電源プロファイルを取得するため、ニーモニックReqSvrProfileとともにパラメータとして「2」を電源サーバ100に送信する。
【0047】
情報パケットD3を受信した電源サーバ100は、サーバコントローラ120の記憶部に記憶された第2のサーバ電源プロファイルを、情報パケットB3としてクライアント200に送信する。このとき、電源サーバ100は、電源仕様リプライを表すニーモニックRepSvrProfileとともに、第2のサーバ電源プロファイルの内容をパラメーラとしてクライアント200に送信する。
【0048】
情報パケットB3を受信して電源サーバ100の有する2つのサーバ電源プロファイルを取得したクライアント200は、自身に適合する電源仕様のサーバ電源プロファイルを選択する。そして、クライアント200は、電源サーバ100に対して選択したサーバ電源プロファイルを確定させるための情報パケットを送信する。例えば、第1のサーバ電源プロファイルの電源仕様を選択した場合には、クライアント200は、情報パケットD4として電源仕様確定リクエストを表すニーモニックReqSvrProfileSetを、第1のサーバ電源プロファイルを示すパラメータ「1」とともに電源サーバ100に送信する。
【0049】
情報パケットD4を受信した電源サーバ100は、クライアント200に対して第1のサーバ電源プロファイルを確定したことを通知するため、情報パケットB4として電源仕様確定リプライを表すニーモニックRepSvrProfileSetを、クライアント200に送信する。その後、情報スロットIS2が終了して電源スロットPS2が開始すると、電源サーバ100はクライアント200に対して電力パケットC1を出力し、電源供給を行う。なお、電力パケットの送信のタイミングについては、送信開始時間設定リクエストを表すニーモニックReqPowerSetを用いることにより、電力供給開始時間をクライアント200から電源サーバ100に指定することができる。
【0050】
なお、1つの電源サーバ100から複数のクライアント200に対して電力を供給することも可能である。この場合、電源サーバ100は、各クライアント200に対して同時に電力を供給することはできないため、例えば交互に電力を供給する。
【0051】
以上、電源サーバ100とクライアント200との間で行われる電力供給処理の一例について説明した。このような情報パケットおよび電力パケットのやり取りがバスライン10を介して行われている電力供給システム1において、モニター装置300は、バスライン10上に存在する情報パケット等を検出してディスプレイ等に表示させるための処理を行う。本実施形態にかかるモニター装置300は、電源サーバ100とクライアント200との間で送受信されている情報パケットを検出して表示させる機能を有するものであり、電源サーバ100またはクライアント200に対して情報信号の送信は行わない。以下、本実施形態にかかるモニター装置300における表示処理について説明する。
【0052】
<モニター装置における表示処理>
本実施形態にかかるモニター装置300は、まず、バスライン10に接続されたモデム310により、バスライン10上に存在する情報信号である情報パケットを検出する。検出された情報パケットは情報処理部320に送信され、表示部330に表示させるために処理される。ここで、情報パケットには図6に示す独自のニーモニックを用いているため、モニター装置300は、この内容を解読するための専用プロトコルおよびプロトコルのベースとなる汎用IPプロトコルスタックを記憶部に記憶している。これは、かかる電力供給システム1がIPプロトコルに基づいて開発した場合に適用される。電力供給システム1が固有のプロトコルを用いる場合には、モニター装置300もかかる固有のプロトコルを記憶しているものとする。
【0053】
情報処理部320にて解析された情報パケットの内容は、表示部330に送信され、表示部330に表示される。図7に、表示部330における情報パケットの表示例を示す。図7では、電源サーバ100とクライアント200との間で送受信される電源パケットの内容を時系列に示している。表示される項目としては、例えば、受信時刻331と、送信元MACアドレス332と、送信元IPアドレス333と、宛先MACアドレス334と、宛先IPアドレス335と、電源パケット種別336と、パラメータを示すパケット内容337、338とが表示される。
【0054】
例えば、電源サーバ100のMACアドレスを「00:06:04:1A:2B:3D」、クライアント200のMACアドレスを「00:03:44:22:4A:3F」とする。図7に示す表示例をみると、まず、受信時刻10:00.012245において、電源サーバ100(送信元MACアドレス「00:06:04:1A:2B:3D」)による同期パケット(電源パケット種別「1」)のブロードキャスト(宛先MACアドレス「FF:FF:FF:FF:FF:FF」)が行われている。
【0055】
次いで、受信時刻10:00.024312において、クライアント200(送信元MACアドレスを「00:03:44:22:4A:3F」)によりサーバリクエスト(電源パケット種別「2」)のブロードキャスト(宛先MACアドレス「FF:FF:FF:FF:FF:FF」)が行われている。なお、サーバリクエストは、クライアント200がバスライン10に接続されると電源サーバ100を検出するために出力する情報信号である。
【0056】
さらに、受信時刻10:00.037654において、電源サーバ100(送信元MACアドレス「00:06:04:1A:2B:3D」)からクライアント200(宛先MACアドレス「00:03:44:22:4A:3F」)に対してサーバリプライ(電源パケット種別「3」)が送信されている。なお、サーバリプライは、クライアント200が送信したサーバリクエストに対する応答として電源サーバ100から出力される情報信号である。このとき、クライアント200は、サーバリプライの送信元MACアドレスから電源サーバ100のMACアドレスを認識することができる。
【0057】
その後、受信時刻10:00.047221において、クライアント200(送信元MACアドレスを「00:03:44:22:4A:3F」)から電源サーバ100(宛先MACアドレス「00:06:04:1A:2B:3D」)に対して電源仕様リクエスト(電源パケット種別「34」)がパラメータ(パケット内容1「1」)とともに送信されていることがわかる。このように、モニター装置300の表示部330に、電源サーバ100とクライアントとの情報信号の送受信を表示させることができる。
【0058】
以上、第1の実施形態にかかる電力供給システム1の構成とその動作について説明した。本実施形態にかかる電力供給システム1では、モニター装置300を用いて電力供給システム1の状態をバスライン10上の情報信号を検出し、表示させることができる。これにより、ユーザは、電力供給システム1における電源サーバ100およびクライアント200の動きを把握することが可能となる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、図8〜図10に基づいて、本発明の第2の実施形態にかかる電力供給システムについて説明する。本実施形態にかかる電力供給システムは、第1の実施形態と同様、図1に示すように、バスライン10を介して電源サーバ100、クライアント200およびモニター装置300が接続されている。ただし、本実施形態にかかるモニター装置300は、電源サーバ100およびクライアント200と情報信号の送受信を行うことができる点で第1の実施形態と相違する。
【0060】
以下、第1の実施形態との相違点であるモニター装置300の情報信号の表示処理について説明する。なお、図8は、本実施形態にかかるモニター装置300と電源サーバ100との間で行われるサーバ電源プロファイル表示処理の一例を示すフローチャートである。図9は、サーバ電源プロファイルの内容の一例を示す説明図である。図10は、表示部330に表示されるサーバ電源プロファイルの表示例を示す説明図である。
【0061】
<モニター装置における電源プロファイル表示処理>
まず、モニター装置300の表示部330に電源サーバ100の電源プロファイルを表示させる処理について説明する。本実施形態にかかるモニター装置300における表示処理は、まず、図8に示すように、モニター装置300は、電源サーバ100のアドレスを取得するために、バスライン10上にサーバリクエストを表すニーモニックReqServerを情報パケットとして出力する(S100)。かかる情報パケットの宛先MACアドレスにはブロードキャストアドレスが指定される。
【0062】
サーバリクエストを受信した電源サーバ100は、サーバリプライを表すニーモニックRepServerを情報パケットとしてバスライン10上に出力する(S102)。モニター装置300は、電源サーバ100から出力されたサーバリプライを検出することにより、電源サーバ100のMACアドレスを取得することができる(S104)。
【0063】
次いで、モニター装置300は、電源サーバ100に対して、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイルの数の通知を要求する電源仕様数リクエストを表すニーモニックReqSvrProfileNumを情報パケットとして送信する(S106)。電源サーバ100には、電源システムの情報として、1または2以上のサーバ電源プロファイルが記憶されている。サーバ電源プロファイルは、電源サーバ100がクライアント200に対して提供可能な電源仕様を示すものであり、図9に示すように、例えば、電力形式450、最大電圧451、最小電圧452、公称電圧453、最大電流454、平均電流455が記憶されている。図9に示す例では、電源サーバ100はProfile1とProfile2の2つのサーバ電源プロファイルを有している。
【0064】
モニター装置300から電源仕様数リクエストを受信した電源サーバ100は、自身が有するサーバ電源プロファイルの数をモニター装置300に送信する(S108)。本例では、電源サーバ100は2つのサーバ電源プロファイルを有しているので、電源サーバ100は、ニーモニックRepSvrProfileNumとともにパラメータとして「2」をモニター装置300に送信する。そして、モニター装置300は、かかる情報パケットを受信することにより、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイル数を取得することができる(S110)。
【0065】
さらに、モニター装置300は、電源サーバ100のサーバ電源プロファイルを取得するため、電源サーバ100に対して電源仕様リクエストを表すニーモニックReqSvrProfileを送信する(S112)。モニター装置300は、まず第1のサーバ電源プロファイルを取得するため、電源仕様リクエストとともに第1のプロファイルを表すパラメータ「1」を送信する。電源仕様リクエストを受信した電源サーバ100は、モニター装置300に対してニーモニックRepSvrProfileとともに第1のサーバ電源プロファイルを送信する(S114)。そして、モニター装置300は、電源サーバ100から送信されたサーバ電源プロファイルを受信する(S116)。
【0066】
その後、モニター装置300は、サーバ電源プロファイルの取得数と電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイル数とが一致するか否かを判断する(S118)。本例は、モニター装置300に、電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイルをすべて表示させる場合の処理である。このため、モニター装置300が電源サーバ100のサーバ電源プロファイルをすべて取得したか否かを確認する。
【0067】
ステップS118にて、サーバ電源プロファイルの取得数と電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイル数とが一致しない場合には、ステップS112からの処理を再度行い、第2のサーバ電源プロファイルを取得する。一方、サーバ電源プロファイルの取得数と電源サーバ100が有するサーバ電源プロファイル数とが一致した場合には、電源サーバ100の有するすべてのサーバ電源プロファイルが取得されたと判断し、取得したすべてのサーバ電源プロファイルを表示部330に表示させるための処理を行う(S120)。
【0068】
ステップS120では、電源サーバ100から取得したサーバ電源プロファイルの内容を表す情報パケットを表示部330の表示データ形式に変換するデータ処理が行われる。データ処理されたサーバ電源プロファイルの内容は、例えば図10に示すように表示部330に表示される。なお、本実施形態にかかるモニター装置300は、図4に示すように、表示部330を備えているが、例えばモニター装置300を外部のディスプレイ等の表示装置と接続してサーバ電源プロファイルの内容を表示させてもよい。この場合、ステップS120では、サーバ電源プロファイルの内容を表す情報パケットを外部の表示装置に対応する表示データ形式に変換するデータ処理が行われる。
【0069】
以上、モニター装置300の表示部330に電源サーバ100のサーバ電源プロファイルを表示させる処理について説明した。このように、モニター装置300から電源サーバ100に対してサーバ電源プロファイルを取得するための情報信号を送信して、サーバ電源プロファイルを取得することができる。取得したサーバ電源プロファイルは情報処理部320により表示部330に表示させるために処理された後、表示部330に表示される。これにより、ユーザは、電源サーバ100がクライアント200に対して提供可能な電源情報を把握することができる。
【0070】
<モニター装置におけるクライアント電源プロファイル表示処理>
一方、クライアント200も、電源サーバ100に対してどのような仕様を要求するかを表した、1または2以上のクライアント電源プロファイルを有している。そこで、図11および図12に基づいて、モニター装置300の表示部330にクライアント200の電源仕様を表示させる処理について説明する。なお、図11は、本実施形態にかかるモニター装置300とクライアント200との間で行われるクライアント電源プロファイル表示処理の一例を示すフローチャートである。図12は、クライアント電源プロファイル表示処理において送受信される情報信号の例を示す説明図である。
【0071】
本実施形態にかかるモニター装置300における表示処理は、まず、図11に示すように、モニター装置300は、クライアント200のアドレスを取得するために、バスライン10上にクライアントリクエストを表すニーモニックReqClientAdresを情報パケットとして出力する(S200)。かかる情報パケットの宛先MACアドレスにはブロードキャストアドレスが指定される。クライアントリクエストを受信したすべてのクライアント200は、クライアントリプライを表すニーモニックRepClientAdresを情報パケットとしてバスライン10上に出力する(S202)。モニター装置300は、クライアント200から出力されたクライアントリプライを検出することにより、クライアント200のMACアドレスを取得することができる(S204)。
【0072】
次いで、モニター装置300は、クライアント200に対してクライアント電源プロファイル数リクエストを表すニーモニックReqClientProfileNumを情報パケットとして送信する(S206)。クライアント200は、1または2以上のクライアント電源プロファイルを有している。ステップS206では、かかるクライアント電源プロファイルの数を取得するための情報信号の送信を行う。モニター装置300からクライアント電源プロファイル数リクエストを受信したクライアント200は、自身が有するクライアント電源プロファイルの数をモニター装置300に送信する(S208)。クライアント200は、ニーモニックRepClientProfileNumとともにパラメータとしてクライアント電源プロファイル数をモニター装置300に送信する。そして、モニター装置300は、かかる情報パケットを受信することにより、クライアント200が有するクライアント電源プロファイル数を取得することができる(S210)。
【0073】
さらに、モニター装置300は、クライアント200のクライアント電源プロファイルを取得するため、クライアント200に対してクライアント電源プロファイルメッセージを表すニーモニックReqClientProfileを送信する(S212)。モニター装置300は、まず第1のクライアント電源プロファイルを取得するため、クライアント電源プロファイルメッセージとともに第1のプロファイルを表すパラメータ「1」を送信する。クライアント電源プロファイルメッセージを受信したクライアント200は、モニター装置300に対してニーモニックRepClientProfileとともに第1のクライアント電源プロファイルを送信する(S214)。そして、モニター装置300は、クライアント200から送信されたクライアント電源プロファイルを受信する(S216)。
【0074】
その後、モニター装置300は、クライアント電源プロファイルの取得数とクライアント200が有するクライアント電源プロファイルの数とが一致するか否かを判断する(S218)。本例は、モニター装置300に、クライアント200が有するクライアント電源プロファイルをすべて表示させる場合の処理である。このため、モニター装置300がクライアント200のクライアント電源プロファイルをすべて取得したか否かを確認する。
【0075】
ステップS218にて、クライアント電源プロファイルの取得数とクライアント200が有するクライアント電源プロファイル数とが一致しない場合には、ステップS212からの処理を再度行い、第2のクライアント電源プロファイルを取得する。一方、クライアント電源プロファイルの取得数とクライアント200が有するクライアント電源プロファイル数とが一致した場合には、クライアント200の有するすべてのクライアント電源プロファイルが取得されたと判断し、取得したすべてのクライアント電源プロファイルを表示部330に表示させるための処理を行う(S220)。
【0076】
以上、モニター装置300の表示部330にクライアント200のクライアント電源プロファイルを表示させる処理について説明した。このように、モニター装置300からクライアント200に対してクライアント電源プロファイルを取得するための情報信号を送信して、クライアント電源プロファイルを取得することができる。取得したクライアント電源プロファイルは情報処理部320により表示部330に表示させるために処理された後、表示部330に表示される。これにより、ユーザは、クライアント200が電源サーバ100に対して要求する電源仕様を把握することができる。
【0077】
また、本実施形態にかかるモニター装置300に、電源サーバ100およびクライアント200に対して送信する情報信号の内容を入力するための入力部(図示せず。)を備えることもできる。これにより、ユーザが入力部を用いて、モニター装置300の表示部330に表示させたい電源サーバ100またはクライアント200の情報を取得するための情報信号の内容を入力することが可能となり、所望の情報を表示部330に表示させることができる。
【0078】
(第3の実施形態)
次に、図13に基づいて、本発明の第3の実施形態にかかる電力供給システムについて説明する。なお、図13は、本実施形態にかかるモニター装置400の構成を示す説明図である。本実施形態にかかる電力供給システムは、第1の実施形態と同様、図1に示すようにバスライン10を介して電源サーバ100、クライアント200およびモニター装置400が接続されて構成されている。本実施形態にかかる電源サーバ100、クライアント200、モニター装置400は、バスライン10を介さずに接続可能なインタフェース部を備えることを特徴とする。以下、第1の実施形態との相違点を主として、本実施形態にかかる電力供給システムについて説明する。また、第1の実施形態と同一の構成、機能については詳細な説明を省略する。
【0079】
<電力供給システムの構成>
まず、図13に基づいて、本実施形態にかかるモニター装置400の構成について説明する。本実施形態にかかるモニター装置400は、図13に示すように、情報の物理的特性に適合する物理通信部であるモデム410と、モデム410により取得したバスライン10上の情報信号を後述する表示部430に表示するための処理を行う情報処理部420と、情報信号等の内容を表示する表示部430と、インタフェース部440とを備える。モデム410、情報処理部420および表示部430は、第1の実施形態と同様に構成することができる。
【0080】
インタフェース部440は、バスライン10を介さずに電源サーバ100またはクライアント200との接続を可能とする接続部である。このとき、電源サーバ100またはクライアント200とモニター装置400とをバスライン10を介さずに接続するため、電源サーバ100またはクライアント200に、接続線445と接続可能なインタフェース部180が備えられていることが必要である。
【0081】
インタフェース部440は、情報処理部420から出力された情報信号を、接続線445を介して電源サーバ100またはクライアント200に送信する。また、インタフェース部440は、電源サーバ100またはクライアント200から送信された情報信号を、接続線445を介して受信して、情報処理部420に出力する。なお、接続線はバスライン10以外であって、例えばイーサネット(登録商標)やUSB、RS232C等を使用することができる。
【0082】
<デバッグモード設定処理>
ここで、例えば新たに作成したクライアント200をテストする場合などには、何らかの不都合により電源サーバ100がクライアント200の許容する範囲を超えた電力を出力してしまい、クライアント200を破壊してしまう可能性が生じる。このような状況を回避するため、本実施形態にかかる電力供給システムでは、デバッグモードを設定することができる。本実施形態におけるデバッグモードとは、通常のプロトコル処理にしたがって情報パケットの送受信は行うが、電力パケットの送受信は行わない電源サーバ100の状態をいう。
【0083】
特に、本実施形態にかかる構成の電源サーバ100、クライアント200、モニター装置400を用いて、バスライン10とは異なる接続線445を介してデバックモードの設定・解除処理を行うことにより、電源サーバ100の設定を変更してしまうことを回避できる。そこで、以下に、図14に基づいて、本実施形態にかかる電力供給システムにおけるデバックモード設定処理について説明する。なお、図14は、デバッグモード設定処理を示すフローチャートである。
【0084】
本実施形態にかかる電力供給システムにおけるデバッグモード設定処理は、図14に示すように、まず、モニター装置400からデバッグモードを設定するためのデバッグモードリクエストメッセージを表すニーモニックReqSetServerDebugModeが情報パケットとして電源サーバ100に送信される(S300)。このとき、情報パケットは、接続線445を介してモニター装置400のインタフェース部440から電源サーバ100のインタフェース部180に送信される。
【0085】
次いで、デバッグモードリクエストメッセージを受信した電源サーバ100は、デバッグモードを稼動させる(S302)。そして、電源サーバ100は、デバッグモードリプライメッセージを表すニーモニックRepSetServerDebugModeを情報パケットとしてモニター装置400に送信する(S304)。これにより、デバッグモード解除リクエストを受信するまで、電源サーバ100はデバッグモードで稼動する。このとき、デバッグモードで稼動する電源サーバ100に対して、電力パケットを出力しない代わりに、例えばダミーのパケットを送信させるようにしてもよい。
【0086】
その後、デバッグモードを解除する場合には、モニター装置400からデバッグモード解除リクエストメッセージを表すニーモニックReqResetServerDebugModeが情報パケットとして電源サーバ100に送信される(S306)。デバッグモード解除リクエストメッセージを受信した電源サーバ100は、デバッグモードを解除する(S308)。そして、電源サーバ100は、デバッグモード解除リプライメッセージを表すニーモニックRepResetServerDebugModeを情報パケットとしてモニター装置400に送信する(S310)。
【0087】
このように、モニター装置400と電源サーバ100との間で、デバッグモードの設定・解除処理を行うための情報信号のやり取りを行うことができる。かかるデバッグモード設定処理はバスライン10を介して行うことも可能であるが、デバッグモード設定処理に関する情報信号については、バスライン10を介さずに、別途の接続線445を介して送受信することにより、誤って電源サーバ100の設定が変更されることを回避できる。
【0088】
なお、電力供給システムを図13に示す本実施形態にかかる構成として、第2の実施形態において説明したモニター装置と電源サーバとの間で行われるサーバ電源プロファイル表示処理やモニター装置とクライアントとの間で行われるクライアント電源プロファイル表示処理などを、バスライン10を介さずに、別途の接続線445を介して行うこともできる。すなわち、情報信号であれば接続線445を介して送受信することができる。
【0089】
(第4の実施形態)
次に、図15に基づいて、本発明の第4の実施形態にかかる電力供給システムについて説明する。なお、図15は、本実施形態にかかるモニター装置500の構成を示す説明図である。本実施形態にかかる電力供給システムのモニター装置は、モニター機能に加えて、電源サーバまたはクライアントの機能を備えたことを特徴とする。以下、本実施形態にかかる電源サーバとしての機能を有するモニター装置500の構成および動作について説明する。
【0090】
本実施形態にかかるモニター装置500は、図15に示すように、商用電源560を処理して後述するクライアント200に供給可能な形式に変換する交流/直流変換部であるAC/DCコンバータ510と、モニター装置500による電力供給のための各種機能を実行するための制御部であるサーバコントローラ520と、情報信号をバスライン10に接続してクライアント200との通信を可能にするための機器であるモデム530と、表示部570とを備える。AC/DCコンバータ510、サーバコントローラ520およびモデム530は、第1の実施形態と同様の構成、機能を有するものを用いることができる。
【0091】
表示部570は、バスライン10上に存在する情報信号の内容や、モニター装置500自身が有する情報を表示するものであって、例えばサーバコントローラ520に接続して備えることができる。表示部570としては、例えば、ディスプレイ等を用いることができる。このため、サーバコントローラ520に、モニター装置500がバスライン10上に存在する情報信号を解析して、表示部570に表示させるための処理を行う機能を備えるようにしてもよい。または、サーバコントローラ520とは別個の、情報信号などを表示部570に表示させるための表示制御部(図示せず。)を備えてもよい。
【0092】
本実施形態にかかるモニター装置500は、クライアント200の情報の読み出しや制御に関しては電源サーバとして機能するものである。すなわち、クライアント200に対して電力の供給が可能なモニター装置500であって、実質電源サーバにモニター機能を備えたものと考えられる。このようなモニター装置500は、第1の実施形態で示したモニター装置300と同様に、バスライン10に接続された電源サーバ100やクライアント200との間で送受信される情報信号を検出して表示部570に表示させることもできる。また、第2の実施形態で示したように、モニター装置500から電源サーバ100またはクライアント200に対して情報信号の送信を行うこともできる。さらに、第3の実施形態で示したように、モニター装置500に、バスライン10を介さずに電源サーバ100やクライアント200と接続するためのインタフェース部(図示せず。)を備えることも可能である。
【0093】
また、図15に示した本実施形態にかかるモニター装置500は、クライアント200への電力供給が可能なものであったが、電力の供給は行わないように構成することもできる。すなわち、クライアント200との情報信号の送受信のみを、バスライン10を介して行うようにした構成である。なお、モニター装置500がクライアント200に対してサーバ電源プロファイルを送信しなければならない場合には、サーバ電源プロファイルにおける電力形式をダミーとして、クライアント200との通信を妨げないようにすることができる。このとき、実際の電力はバスライン10には存在しない。
【0094】
さらに、モニター装置は、クライアントとしての機能も有するように構成することもできる。この場合にも電力の受電を行うモニター装置と、電力の受電を行わないモニター装置がある。電力の受電を行うものは、クライアントにモニター機能を備えたものと考えられる。一方、電力の受電を行わないものは、電源サーバ100からの電力パケットの出力を無視して自身に取り込まないようにすればよい。このとき、クライアント電源プロファイルに記述された電力形式をダミーとして、電力の受電を行わない端末であることを明示することにより、かかるモニター装置が電力の受電を行わないクライアントをエミュレートしていることを表明することができる。
【0095】
以上、第4の実施形態にかかる電力供給システムのモニター装置500について説明した。本実施形態にかかるモニター装置500は、モニター機能に加えて電源サーバまたはクライアントの機能を備える。これにより、モニター装置の機能に多様性を持たせることができる。また、電源サーバ100またはクライアント200に、モニター機能を備えるようにしてもよい。
【0096】
(第5の実施形態)
次に、図16に基づいて、本実施形態にかかる電力供給システムについて説明する。なお、図16は、本実施形態にかかるモニター装置600の構成を示す説明図である。本実施形態にかかる電力供給システムのモニター装置600は、ハードウェアとしてモデムのみを備え、別途に情報信号を表示部に表示させるための情報処理部と表示部とを備えるように構成されている。以下、本実施形態にかかるモニター装置600の構成および動作について説明する。
【0097】
本実施形態にかかるモニター装置600は、図16に示すように、モデム610から構成される。また、ユーザが情報信号などをモニターするための機能部として、例えば情報処理部621と表示部622とを備える情報処理端末620がモデム610に接続されている。
【0098】
モデム610は、情報の物理的特性に適合する物理通信部であって、バスライン10に接続されている。モデム610は、第1の実施形態のモデム310と同様の構成、機能を有するものとすることができる。
【0099】
情報処理端末620は、モデム610により検出された情報信号をモニターするための端末である。情報処理端末620の情報処理部621は、情報信号を解析して、後述する表示部622に表示させるための処理を行う。情報処理部621は、通信ポート630を介してモデム610と接続される。また、表示部622は、情報信号の内容を表示するものである。情報処理端末620としては、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどを用いることができる。また、通信ポート630としては、例えばイーサネット(登録商標)やUSB、RS232C等を用いることができる。
【0100】
本実施形態にかかるモニター装置600は、モニターとしての主要機能をアプリケーションソフトウェアとして情報処理端末620に提供して、情報処理端末620をモニター装置600の一部として機能させるように構成されている。このように、モニターとしての主要機能をソフトウェアとして提供することにより、既存の情報処理端末を用いてモニター装置600を構成することができる。
【0101】
このようなモニター装置600も、第1の実施形態で示したモニター装置300と同様に、バスライン10に接続された電源サーバ100やクライアント200との間で送受信される情報信号を検出して表示部622に表示させることもできる。また、第2の実施形態で示したように、モニター装置600から電源サーバ100またはクライアント200に対して情報信号の送信を行うこともできる。さらに、第3の実施形態で示したように、モニター装置600の一部として機能する情報処理端末620に、バスライン10を介さずに電源サーバ100やクライアント200と接続するためのインタフェース部(図示せず。)を備えることも可能である。
【0102】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0103】
例えば、上記実施形態では、表示部に表示させる表示内容として、電源サーバとクライアントとの間で送受信される情報信号の時系列データや、電源サーバおよびクライアントの電源プロファイルを例示したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、電源プロファイルの更新前後の情報を比較表示してもよく、例えば電源サーバがデバックモードで稼動しているなどの稼働状況を表示してもよい。また、電源サーバが複数のクライアントに電力を供給している場合には、各クライアントへの電力供給量を表示してもよく、クライアントごとの総電力供給量を表示してもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 電力供給システム
10 バスライン
100 電源サーバ
110、510 AC/DCコンバータ
120、520 サーバコントローラ
130、530 モデム
180 インタフェース部
200 クライアント
210 DC/DCコンバータ
220 クライアントコントローラ
230 モデム
300、400、500、600 モニター装置
310、410、610 モデム
320、420、621 情報処理部
330、430、570、622 表示部
440 インタフェース部
445 接続線
620 情報処理端末
630 通信ポート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部と、
前記電源サーバから電力の供給を受けるために制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記通信部を介して検出した、前記バスラインに接続されている前記電源サーバから定期的に出力されている同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を前記電源サーバへ送信し、電力の供給を受ける、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記通信部を介して、
前記バスラインに接続されている前記電源サーバから定期的に出力されている同期パケットを検出して当該電源サーバにアクセスし、
アクセスした前記電源サーバから送信された当該電源サーバのアドレスを受信し、
受信したアドレスの前記電源サーバに対して、電力供給を要求する情報信号を送信して電力の供給を受ける、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
受信したアドレスの前記電源サーバに対して、当該電源サーバの電力仕様を表すサーバ電源プロファイルの数の送信を要求する情報信号を送信し、
前記電源サーバより受信したサーバ電源プロファイルの数だけ、前記電源サーバより前記サーバ電源プロファイルの内容を取得し、
取得した前記サーバ電源プロファイルから当該情報処理装置に適合する電力仕様のサーバ電源プロファイルを選択して前記電源サーバへ通知し、
選択したサーバ電源プロファイルの電力仕様に基づいた電力の供給を、前記電源サーバから受ける、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記電源サーバから供給された電力を所定の形式に変換する変換部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記バスラインに、1つの前記電源サーバと、複数の前記情報処理装置が接続されているとき、前記各情報処理装置は、交互に前記電源サーバから電力の供給を受ける、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記バスラインには、前記情報信号および電力に関する電力情報の少なくともいずれか一方をモニターするためのモニター装置が接続されており、
前記情報処理装置は、当該情報処理装置の電源仕様を表す1または2以上のクライアント電源プロファイルを有し、
前記制御部は、前記モニター装置から出力された前記クライアント電源プロファイルの送信を要求する情報信号を受信したとき、当該情報処理装置のクライアント電源プロファイルを前記モニター装置に送信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部を介して、前記バスラインに接続されている前記電源サーバから定期的に出力されている同期パケットを検出するステップと、
検出された前記同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を前記電源サーバへ送信するステップと、
前記情報信号を送信した前記電源サーバから電力の供給を受けるステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部と、
前記電源サーバから電力の供給を受けるために制御する制御部と、
を備え、
前記制御部が、前記通信部を介して検出した、前記バスラインに接続されている前記電源サーバから定期的に出力されている同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を前記電源サーバへ送信し、電力の供給を受ける、情報処理装置として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項1】
情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部と、
前記電源サーバから電力の供給を受けるために制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記通信部を介して検出した、前記バスラインに接続されている前記電源サーバから定期的に出力されている同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を前記電源サーバへ送信し、電力の供給を受ける、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記通信部を介して、
前記バスラインに接続されている前記電源サーバから定期的に出力されている同期パケットを検出して当該電源サーバにアクセスし、
アクセスした前記電源サーバから送信された当該電源サーバのアドレスを受信し、
受信したアドレスの前記電源サーバに対して、電力供給を要求する情報信号を送信して電力の供給を受ける、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
受信したアドレスの前記電源サーバに対して、当該電源サーバの電力仕様を表すサーバ電源プロファイルの数の送信を要求する情報信号を送信し、
前記電源サーバより受信したサーバ電源プロファイルの数だけ、前記電源サーバより前記サーバ電源プロファイルの内容を取得し、
取得した前記サーバ電源プロファイルから当該情報処理装置に適合する電力仕様のサーバ電源プロファイルを選択して前記電源サーバへ通知し、
選択したサーバ電源プロファイルの電力仕様に基づいた電力の供給を、前記電源サーバから受ける、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記電源サーバから供給された電力を所定の形式に変換する変換部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記バスラインに、1つの前記電源サーバと、複数の前記情報処理装置が接続されているとき、前記各情報処理装置は、交互に前記電源サーバから電力の供給を受ける、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記バスラインには、前記情報信号および電力に関する電力情報の少なくともいずれか一方をモニターするためのモニター装置が接続されており、
前記情報処理装置は、当該情報処理装置の電源仕様を表す1または2以上のクライアント電源プロファイルを有し、
前記制御部は、前記モニター装置から出力された前記クライアント電源プロファイルの送信を要求する情報信号を受信したとき、当該情報処理装置のクライアント電源プロファイルを前記モニター装置に送信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部を介して、前記バスラインに接続されている前記電源サーバから定期的に出力されている同期パケットを検出するステップと、
検出された前記同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を前記電源サーバへ送信するステップと、
前記情報信号を送信した前記電源サーバから電力の供給を受けるステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
情報を表す情報信号と電力とが存在するバスラインを介して電力を供給する電源サーバと通信する通信部と、
前記電源サーバから電力の供給を受けるために制御する制御部と、
を備え、
前記制御部が、前記通信部を介して検出した、前記バスラインに接続されている前記電源サーバから定期的に出力されている同期パケットに基づいて、電力供給を要求する情報信号を前記電源サーバへ送信し、電力の供給を受ける、情報処理装置として機能させる、コンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−100491(P2011−100491A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24282(P2011−24282)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【分割の表示】特願2007−283380(P2007−283380)の分割
【原出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【分割の表示】特願2007−283380(P2007−283380)の分割
【原出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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