説明

情報処理装置、情報処理方法およびプログラム

【課題】情報処理装置に対し複数回の操作を行わなくてもユーザーの利き手を判定し、そ
の利き手に応じて、ユーザーの操作を受け付けるときの態様を変更する。
【解決手段】スタイラスペン2によって表示端末1がタッチされると、スタイラスペン2
の傾き方向が検出される。検出された傾き方向によって表示端末1はユーザーの利き手を
判定し、判定された利き手に応じて、表示端末1のUI設定が制御される。これにより、
複数回の操作に拠らず、ユーザーは利き手に応じたUIで表示端末1を操作することが可
能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作子によって入力された指示に応じた処理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置には、ユーザーによって操作されるペン型の操作子から指示が入力される
と、その指示に応じた処理を行うものがある。通常、ユーザーには利き手があり、その利
き手で操作子を持って操作を行うが、このとき、GUI(Graphical User Interface)キ
ーのような、画面上に表示される指示受付画像の配置によって操作の快適性が異なってく
る。例えば、画面右端にGUIキーが表示されていて、左利きのユーザーが左手にペンを
持ち、このGUIキーをタッチしようとした場合には、画面右端まで腕を伸ばし、画面の
大部分を腕で覆い隠した状態でタッチする状況となる。このような場合、右利きのユーザ
ーと比較して、多くの距離にわたって腕を伸ばす必要があることや、腕で画面の表示内容
が見えなくなってしまうことになり、不便である。このような状況があるのにも関わらず
、一般的には右利きのユーザーが多いことから、それを前提としてデザインされた情報処
理装置が多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、タッチパネルを有する券売機などの情報処理装置において、
初期画面へのユーザーによる複数回のタッチの分布状況に基づいてユーザーの利き手を判
定し、その利き手に応じた操作画面に変更して表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−331092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような特許文献1に記載の仕組みでは、初期画面において複数回のタッチが必要
となり、利き手の判定に時間を要する。また、利き手判定を行うまでの初期画面そのもの
は、利き手を考慮したものではないから、ユーザーは、自身の利き手に適したものではな
い初期画面に対して複数回のタッチを行わなければならず、ユーザーにとっての負担感が
大きい。
本発明は、情報処理装置に対する複数回のタッチ分布に依らずにユーザーの利き手を判
定し、その利き手に応じて、ユーザーの操作を受け付けるときの態様を変更することを目
的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明に係る情報処理装置は、画像が表示される表示面と、
前記表示面に重ねられ、ユーザーが操作する操作子によって当該ユーザーの指示が入力さ
れる入力面と、前記入力面に対して前記操作子が傾いている方向である傾き方向を検出す
る検出手段と、前記検出手段によって検出された傾き方向に応じて、ユーザーが前記操作
子を操作するときの利き手を判定する判定手段と、ユーザーの指示を受け付けて当該指示
に応じた処理を行う処理手段であって、前記判定手段により判定されたユーザーの利き手
に応じて、ユーザーの操作を受け付けるときの態様を変更する処理手段とを備えることを
特徴とする。
本発明によれば、情報処理装置に対する複数回のタッチ分布に依らずにユーザーの利き
手を判定し、その利き手に応じて、ユーザーの操作を受け付けるときの態様を変更するこ
とが可能となる。
【0007】
本発明において、前記処理手段は、ユーザーの指示を受け付けるための画像である指示
受付画像を前記表示面に表示し、前記操作子が当該指示受付画像を指定して前記入力面に
入力した指示を受け付け、前記判定手段により判定されたユーザーの利き手に応じて、前
記表示面における前記指示受付画像の表示位置を変更する構成としてもよい。
この構成によれば、表示面におけるユーザーの操作を受け付ける指示受付画像の表示位
置が、判定されたユーザーの利き手に応じたものとなり、ユーザーが情報処理装置を操作
するときの操作性が向上する。
【0008】
本発明において、ユーザーの接触動作による指示を受け付ける複数の操作キーを備え、
前記処理手段は、前記判定手段により判定されたユーザーの利き手に応じて、各々の前記
操作キーが受け付ける指示の内容を変更する構成としてもよい。
この構成によれば、操作キーが受け付ける指示内容が、判定されたユーザーの利き手に
応じたものとなり、ユーザーが情報処理装置を操作するときの操作性が向上する。
【0009】
本発明において、前記検出手段は、前記操作子における加速度を計測し、計測した前記
加速度に基づいて前記傾き方向を検出する構成としてもよい。
この構成によれば、ユーザーが操作する操作子における加速度によりその傾き方向を検
出し、その傾き方向からユーザーの利き手を判定し、その利き手に応じて、ユーザーの操
作を受け付けるときの態様を変更することが可能となる。
【0010】
本発明において、前記検出手段は、前記操作子の長手方向における相異なる複数の箇所
の位置を検出し、検出した複数の位置に含まれる第1の位置と、当該第1の位置よりも前
記入力面から遠い第2の位置との位置関係に基づいて、前記操作子の傾き方向を特定する
構成としてもよい。
この構成によれば、ユーザーが操作する操作子における第1の位置及び第2の位置の関
係によりその傾き方向を検出し、その傾き方向からユーザーの利き手を判定し、その利き
手に応じて、ユーザーの操作を受け付けるときの態様を変更することが可能となる。
なお、本発明は、情報処理装置のほか、情報処理方法およびプログラムとして概念する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態における表示システムの構成を表したブロック図である。
【図2】表示端末におけるタブレットの構成を表した平面図である。
【図3】第1の実施形態における、スタイラスペンの機能構成をあらわしたブロック図である。
【図4】第1の実施形態における、表示端末の表示面と平行な方向から見たときの、スタイラスペン2と表示端末との位置関係を例示する図である。
【図5】親指指示マークがスタイラスペンの握り部分に付加された様子を表した説明図である。
【図6】親指指示マークに親指を合わせてユーザーがスタイラスペンを持った場合の様子を表した説明図である。
【図7】第1の実施形態における、表示システムにおいて実行される処理の手順を表したフロー図である。
【図8】表示端末の外観と、電源投入時の画面表示の様子を表した説明図である。
【図9】ログイン後の画面表示例を表した説明図である。
【図10】第1の実施形態における、スタイラスペンの傾きを検出する際の、スタイラスペンにおける処理フロー図である。
【図11】第1の実施形態における、スタイラスペンの傾きを検出する際の、表示端末における処理フロー図である。
【図12】第2の実施形態における、スタイラスペンの構成を表したブロック図である。
【図13】第2の実施形態における、スタイラスペンと表示端末との位置関係を例示する図である。
【図14】第2の実施形態におけるスタイラスペンの傾きを検出する際の処理フロー図である。
【図15】変形例1における、ペングリップがスタイラスペンの握り部分に付加された様子を表した説明図である。
【図16】変形例4における、表示端末がユーザーの利き手を判定することができなかった場合の画面表示内容を表したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態を、第1の実施形態と第2の実施形態とに分けて説明する

(1)第1の実施形態
図1は、第1の実施形態における表示システム100の構成を表したブロック図である

表示システム100は、情報処理装置としての表示端末1と、操作子としてのスタイラ
スペン2とを備えている。表示端末1は、ペンタブレット、タブレットPC(Personal C
omputer)、携帯電話機、携帯ゲーム機またはPDA(Personal Digital Assistants)の
ような、少なくとも情報表示と情報処理を行う装置である。図1では、その一例としてペ
ンタブレットの構成を例示している。この表示端末1は、CPU(Central Processing U
nit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、
端末側通信部13、表示体制御部14、表示体140、タブレット制御部15、タブレッ
ト150、記憶部16、電源制御部17、バッテリー170及び操作部18を備える。こ
れらの各構成はバス19を介して互いに接続されている。
【0013】
ROM11は、表示端末1に関する制御プログラムを記憶している。RAM12は、C
PU10のワークエリアとして機能する。CPU10は、ROM11に記憶されている制
御プログラムを読み出しRAM12にロードし実行することにより、表示端末1を制御し
、例えば通信機能、表示機能或いは情報処理機能などの各種機能を実現する。端末側通信
部13は、CPU10の制御の下で、例えばIrDA(Infrared Data Association)や
ブルートゥース(登録商標)の規格に従って、スタイラスペン2と無線通信を行う。記憶
部16は、例えばフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶手段であり、画像を表す画像
データなどの各種情報を記憶する。バッテリー170は、例えば電池である。電源制御部
17は、バッテリー170から供給された電力を表示端末1に供給する際の制御を司る。
操作部18は、複数の操作キーを備えており、ユーザーによって押下されると、押下され
たことを検出した信号をCPU10に供給する。
【0014】
表示体140は、例えば液晶ディスプレイなどで構成されており、画像が表示される表
示面となる。表示体制御部14は、GUIなどの画像をCPU10からの命令に応じて表
示体140に表示させる。表示体140に表示される画像としては、例えばメニューの提
示や選択に関する画像、ユーザーの操作に応じた内容の画像、デジタルデータに応じた文
書や表、図形などの画像などがある。タブレット150は、ユーザーがスタイラスペン2
により表示端末1に対して指示を行う際の、その指示が入力される入力面である。タブレ
ット150は、表示体140の表示面の上に重なるように配置されている。このタブレッ
ト150は、表示体140によって表示されている画像を透過する。タブレット制御部1
5は、タブレット150においてスタイラスペン2が接触した位置を表す位置情報を生成
し、CPU10に供給する。
【0015】
図2は、表示端末1におけるタブレット150の構成を表した平面図である。
図2に示すとおり、タブレット150には、スタイラスペン2がタブレット150に接
触した箇所の、x軸方向の位置を検出するためにx軸方向に延びる複数のx軸検出電極1
50xと、y軸方向の位置を検出するためにy軸方向に延びる複数のy軸検出電極150
yとが、互いに交差するように配置されている。ここで、x軸方向とは、ユーザーが表示
端末1を予め決められた正面側から見たときの左右方向であり、y軸方向とは、そのx軸
方向に直交する方向である。x軸検出電極150xとy軸検出電極150yが交差する箇
所には、それぞれコイルLが配置されており、それぞれタブレット150の表面に磁界を
形成している。ユーザーがスタイラスペン2をタブレット150に近づけると、電磁誘導
の作用によって、スタイラスペン2に備えられたペン先位置検出電極24(図3参照)に
電流が流れる。この電流によって、スタイラスペン2におけるペン先位置検出電極24に
磁界が発生して電磁波を出し、タブレット150側のコイルLがこれを検知する。そして
、タブレット制御部15は、タブレット150において最も強度が高い電磁波を検知した
コイルLのx軸方向の位置とy軸方向の位置を特定し、それらの座標(X,Y)をCPU
10に供給する。CPU10は、この座標(X,Y)に応じてユーザーの指示内容を解析
し、その指示に応じた各種の処理を行う。なお、座標(X,Y)の原点は、タブレット1
50の4隅のうちのいずれかであり、例えば正面から見たときの左上隅である。
【0016】
図3は、スタイラスペン2の構成を表したブロック図である。
スタイラスペン2は、タブレット150を介して表示端末1に対して指示を行うための
手段であり、ユーザーが手に持ちやすいように、ペンや鉛筆を模した棒状の形をしている
。表示端末1は、ユーザーがこのスタイラスペン2を手に持ったときの、スタイラスペン
2の表示面に対する傾き方向を検出して、ユーザーの利き手を判定する。スタイラスペン
2は、CPU20、ROM21、RAM22、ペン側通信部23、ペン先位置検出電極2
4、加速度センサー25、ペン先スイッチ26、電源制御部27、及びバッテリー270
を備える。これらの各構成はバス28を介して互いに接続されている。ROM21は、ス
タイラスペン2に関する制御プログラムを記憶している。RAM22は、CPU20のワ
ークエリアとして機能する。CPU20は、ROM21に記憶されている制御プログラム
を読み出してRAM22にロードして実行することにより、スタイラスペン2の各構成を
制御する。ペン側通信部23は、CPU20の制御の下で、IrDA(Infrared Data As
sociation)やブルートゥース(登録商標)の規格に従って、表示端末1に備えられた端
末側通信部13と無線通信を行う。
【0017】
ペン先位置検出電極24は、スタイラスペン2のペン先の近傍に内蔵されたコイルであ
る。このペン先位置検出電極24は、前述したように、タブレット150にスタイラスペ
ン2が触れた際、電磁誘導によりタブレット150に電磁波を送出して、ペン先の位置を
知らせるものである。CPU10は、このペン先の位置を検出して、ユーザーの指示の内
容を解析し、その指示に応じた処理を行う。加速度センサー25は、CPU10がタブレ
ット150に対してスタイラスペン2が傾いている方向である傾き方向を検出することを
支援する。ここで、スタイラスペン2が傾いている方向とは、スタイラスペン2の長手方
向(つまりペン軸方向)がタブレット150に対して傾いている方向のことである。ユー
ザーがスタイラスペン2を持ちタブレット150に対して指示を行った際に、加速度セン
サー25は、スタイラスペン2に加わった加速度の方向を検出する。加速度センサー25
による検出値は、ペン側通信部23によって表示端末1に送信される。
【0018】
スタイラスペン2の先頭部分には、その先頭方向へ向かって、図示しない弾性体等によ
り付勢力を与えられたペン先が設けられている。ペン先スイッチ26は、このペン先に連
動した感圧装置である。このペン先スイッチ26は、対象物と接触して力を受けてペンの
内部側へ押されると、その押された力を検知してオン信号を出力する。つまり、ユーザー
がスタイラスペン2を持ち、そのペン先をタブレット150に触れさせると、ペン先スイ
ッチ26はオン信号を出力し、スタイラスペン2に電源が入る。バッテリー270は例え
ば電池である。電源制御部27は、バッテリー270から供給された電力をスタイラスペ
ン2に供給する際の制御を司る。
【0019】
図4は、表示端末1の表示面と平行な方向から見たときの、スタイラスペン2と表示端
末1との位置関係を例示する図である。この図を参照して、スタイラスペン2の傾き方向
とユーザーの利き手との関係について説明する。
加速度センサー25は、それぞれ異なる方向の加速度を計測する2つのセンサーを有し
ている。以下、各センサーをセンサーSx、Syと呼ぶ。図4に示すように、ペン軸方向
から見た場合に、或る方向をx軸方向、そのx軸方向に直交する方向をy軸方向と規定し
、加速度センサーSxはx軸方向の加速度を計測し、加速度センサーSyはy軸方向の加
速度を計測する。なお、このx軸方向は、タブレット150におけるx軸方向と概ね一致
し、y軸方向は、タブレット150におけるy軸方向と概ね一致するような工夫がなされ
ているが、これについては後述する。図4においては、ユーザーがペンクリップ30の位
置を常に手前側にした状態で、スタイラスペン2を持つ場合を想定している。また、表示
端末1の入力面であるタブレット150が水平となる場所に表示端末1は置かれているも
のとする。
【0020】
各センサーSx、Syは、各々のサンプリング時刻において、図4に示したx軸、y軸
についての正の向きおよび負の向きの加速度を計測し、その検出値(ax、ay)を出力
する。axは、x軸方向の加速度であり、ayは、y軸方向の加速度である。図4におい
て、スタイラスペン2の軸方向が、(a)の状態のように、タブレット150に対して垂
直である場合には、加速度センサー25の検出値は、ax=0、ay=0となる。これに
対し、ユーザーが右手でスタイラスペン2を持ってタブレット150にタッチしようとし
た場合、スタイラスペン2の軸方向は、(b)の状態のように、タブレット150に対し
て、x軸の正方向へ傾いた状態となる。このとき、スタイラスペン2はユーザの操作に応
じて(a)の状態から(b)の状態へと遷移するように動くので、加速度センサー25の
検出値axとして、正の値である「+xR」が検出される。一方、ユーザーが左手でスタ
イラスペン2を持った場合には、スタイラスペン2の軸方向はタブレット150に対して
x軸の負方向へ傾いた状態となり、加速度センサー25の検出値axとして、負の値であ
る「−xL」が検出される。
【0021】
前述したように、加速度センサー25の検出値は、ペン側通信部23を通じて表示端末
1に送信される。表示端末1は、端末側通信部13によって加速度センサー25の検出値
を受信する。表示端末1におけるCPU10は、検出値axが正の閾値を超える場合には
、スタイラスペン2の傾き方向が右側であると検出し、ユーザーを右利きと判定する。一
方、CPU10は、検出値axが負の閾値を超える場合にはスタイラスペン2の傾き方向
が左側であると検出し、ユーザーを左利きと判定する。この閾値を適切に設定すれば、ユ
ーザの手の動きに連動したスタイラスペン2の微妙な揺れによる加速度の影響を除外し、
利き手の判定に寄与する加速度をうまく抽出することが可能である。このように、表示端
末1は、スタイラスペン2における加速度センサー25による検出値が、正負のそれぞれ
の閾値を超えるか否かに基づいて、スタイラスペン2の傾き方向を検出し、さらにユーザ
ーの利き手を判定する。つまり、CPU10は、タブレット150に対してスタイラスペ
ン2が傾いている方向である傾き方向を検出する検出手段として機能するとともに、スタ
イラスペン2の傾き方向に応じて、ユーザーがスタイラスペン2を操作するときの利き手
を判定する判定手段として機能する。
【0022】
ただし、この方法で利き手を判定するためには、加速度センサー25について規定され
たx軸方向及びy軸方向が、タブレット150におけるx軸方向及びy軸方向と概ね一致
していなければならない。図4では、ユーザーがペンクリップ30の位置を常に手前側に
した状態で、スタイラスペン2を持つ場合を想定していた。しかし実際には、ユーザーが
、ペンクリップ30の位置を常に手前側にした状態で、スタイラスペン2を持つとは限ら
ず、例えば、ペンクリップ30の位置をユーザーから見て奥側にした状態でスタイラスペ
ン2を持つ場合もある。このとき、スタイラスペン2におけるx軸、y軸と、加速度セン
サー25において規定されたx軸、y軸の正負方向が逆になり、左右の利き手が逆に判定
されてしまう。そのため、スタイラスペン2の握りを誘導する工夫を設ける。
【0023】
図5は、スタイラスペン2の握りを誘導する工夫の一例として、親指位置を決めるため
の親指指示マーク31が、スタイラスペン2の握り部分に付加された様子を表した説明図
である。また、図6は、親指指示マーク31に親指を合わせて、ユーザーがスタイラスペ
ン2を持った場合の様子を表した説明図であり、図6(a)は左手でスタイラスペン2を
持った場合であり、図6(b)は右手でスタイラスペン2を持った場合を表している。こ
のように、ユーザーは、この親指指示マーク31に親指をのせるようにしてスタイラスペ
ン2を持つ。このようにすると、ユーザーから見たときのスタイラスペン2におけるペン
クリップ30の向きがユーザーから見て手前側に固定され、スタイラスペン2の向きも固
定される。これにより、加速度センサー25におけるx軸方向及びy軸方向が、タブレッ
ト150におけるx軸方向及びy軸方向と、概ね一致することとなり、利き手の判定を誤
ることがない。
【0024】
次に、スタイラスペン2によって表示端末1がタッチされた際の動作について説明する

図7は、表示システム100において実行される処理の手順を表したフロー図である。
表示端末1に電源が投入されると、表示端末1のCPU10は、表示体140にログイ
ン画面を表示させる(ステップS1)。
【0025】
ここで、図8は、表示端末1の外観と、電源投入時の画面表示の例を表した図である。
表示端末1には、ユーザーの利き手によって使い分けられるように、左右で同じ機能が
割り当てられた操作キーが、左右にそれぞれ1つずつ配置されている。より具体的には、
表示端末1の左側に左側操作キー40が配置され、表示端末1の右側に右側操作キー41
が配置されている。これらの操作キーは、前述した操作部18を構成するものである。表
示端末1に電源が投入されると、表示端末1の画面上に、ログインユーザーを選択する指
示を受け付けるための画像である指示受付画像G1,G2(以下、GUI部品G1,G2
という)が表示される。
【0026】
図7の説明に戻り、CPU10は、スタイラスペン2によりタブレット150がタッチ
されるのを待つ(ステップS2)。ステップS2においてCPU10が待っているタッチ
の内容は、ユーザーが利き手に持ったスタイラスペン2で、選択したログインユーザーの
GUI部品G1、G2のいずれかをタッチすることである。例えば、ユーザーは、利き手
に持ったスタイラスペン2で、図8に示したGUI部品G1かをタッチしたとする。この
GUI部品G1にスタイラスペン2がタッチされた際に、スタイラスペン2は、加速度セ
ンサー25により加速度を計測する。その検出値は表示端末1に送信され、表示端末1に
おけるCPU10は、その検出値からスタイラスペン2の傾き方向を検出する(ステップ
S3)。ステップS3におけるスタイラスペン2の傾き方向を検出するための処理フロー
については後で詳述する。
【0027】
表示端末1のCPU10は、検出されたスタイラスペン2の傾き方向により、ユーザー
の利き手を判定する(ステップS4)。CPU10は、ROM11に格納されたプログラ
ムに従って、検出されたスタイラスペン2の傾き方向によりユーザーの利き手を判定する
判定手段として機能する。ステップS4で、ユーザーの利き手が左右どちらに判定された
かによって、ログイン以降におけるUI(User Interface)の制御が行われる。ここで、
UIとは、ユーザーによる操作を受け付ける手段であり、画面に表示されるGUI部品と
、表示端末1が具備する操作キー40,41との双方を指している。そして、UIの制御
とは、GUI部品の配置および操作キー40,41が、ユーザーの利き手に応じた態様に
変更されることを意味する。より具体的には、CPU10は、ユーザーの利き手が右利き
であると判定した場合、UIを右利き用に設定し(ステップS5)。また、ユーザーの利
き手が左利きであると判定した場合、UIを左利き用に設定する(ステップS6)。そし
て、CPU10は、設定されたUIで画面表示および操作キーの制御を行う(ステップS
7)。以降、CPU10は、このUIにてユーザーの指示を受け付け、その指示に応じた
処理、例えば、各種画像の表示や編集、或いは画像の切換などを行う。
【0028】
ここで、図9は、ログイン後の画面表示例を表した図であり、図9(a)は、ユーザー
が右利きと判定された場合の画面表示例を表し、図9(b)は、ユーザーが左利きと判定
された場合の画面表示例を表している。
図9(a)に示すように、ユーザーが右利きと判定された場合、GUI部品であるスク
ロールバー45は、ユーザーから見て利き手と同じ側、すなわちスタイラスペン2を持つ
手の側である右側に配置される。また、表示端末1に備えられた右側操作キー41が無効
化され、ユーザーがこの右側操作キー41を押下しても、CPU10は右側操作キー41
からの信号を無視し、この押下操作に応答する処理を行わない。ユーザーが右利きである
ということは、ユーザーの右手にはスタイラスペン2が握られており、この右手に近い右
側操作キー41を操作する可能性は小さく、空いている左手により左側操作キー40を操
作する可能性が高いからである。一方、ユーザーが左利きと判定された場合には、GUI
キーの配置および操作キーの制御は、右利きの場合とは逆になる。具体的には図9(b)
に示すように、GUI部品であるスクロールバー45は、ユーザーから見て利き手と同じ
側、すなわちスタイラスペン2を持つ手の側である左側に配置される。また、表示端末1
に備えられた左側操作キー40が無効化される。
【0029】
このように、CPU10は、ユーザーの指示を受け付けるための指示受付画像であるG
UI部品の表示に関して、GUI部品を表示体140に表示し、スタイラスペン2がその
GUI部品を指定してタブレット150に入力した指示を受け付けるが、このとき、判定
されたユーザーの利き手に応じて、GUI部品の表示位置を変更する。また、CPU10
は、ユーザーの接触動作による指示を受け付ける複数の操作キー40,41の制御に関し
て、判定されたユーザーの利き手に応じて、各々の操作キーが受け付けるべき指示の内容
を変更する。即ち、CPU10は、ユーザーの指示を受け付けて当該指示に応じた処理を
行う処理手段であって、ユーザーの利き手に応じて、ユーザーの操作を受け付けるときの
態様を変更する処理手段として機能する。
【0030】
次に、図7で説明したスタイラスペンの傾き方向検出(ステップS3)の詳細について
、図10および図11を用いて説明する。
図10は、スタイラスペン2の傾きを検出する際の、スタイラスペン2における処理を
表すフロー図である。
ユーザーがスタイラスペン2によりタブレット150に接触した際に、スタイラスペン
2におけるペン先スイッチ26によりスタイラスペン2の電源がONの状態になる(ステ
ップS10)。次に、加速度センサー25は、加速度を検出する(ステップS11)。そ
の検出値は、ペン側通信部23より表示端末1に送信される(ステップS12)。
【0031】
図11は、スタイラスペン2の傾きを検出する際の、表示端末1における処理を表すフ
ロー図である。
表示端末1のCPU10は、スタイラスペン2のペン側通信部23より送信された上記
検出値を端末側通信部13により受信する(ステップS15)。次に、CPU10は、受
信した検出値に含まれているaxが正か負かを判断する(ステップS16)。例えばax
が正の値である場合、CPU10は、スタイラスペン2の傾き方向を右方向と判定し(ス
テップS17)、axが負の値である場合、CPU10は、スタイラスペン2の傾き方向
を左方向と判定する(ステップS18)。
【0032】
このように、第1実施形態によれば、ユーザーが表示端末1の操作を開始する最初のペ
ンタッチでスタイラスペン2の傾き方向が検出され、検出されたスタイラスペン2の傾き
方向によりユーザーの利き手が判定される。そして、判定されたユーザーの利き手に応じ
て、表示端末1のUIが制御される。こうした一連の制御により、ユーザーは自らの利き
手に応じたUI設定で表示端末1を操作することが可能となる。また、この第1実施形態
によれば、ユーザーが自らの利き手に応じたUI設定で表示端末1を操作するために要す
るペンタッチは最低1回でよいため、利き手に応じないUI設定で表示端末1を操作する
回数を削減することができる。このように、第1実施形態によれば、ユーザーが利き手に
応じないUIで表示端末1を操作するときにそのユーザーの手によって画面が隠れてしま
うという不便さもなく、ユーザーが表示端末1を操作する際の利便性および操作性が増す
という効果を奏することができる。
【0033】
次に、第2の実施形態について説明する。
(2)第2の実施形態
第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、スタイラスペンの傾き方向を検出する
手法が異なる。第2の実施形態では、表示端末1の構成については第1の実施形態と同様
であるため、表示端末1の構成についての説明は省略する。
図12は、第2の実施形態におけるスタイラスペン2aの構成を表したブロック図であ
る。図12におけるCPU20、ROM21、RAM22、ペン側通信部23、ペン先ス
イッチ26、電源制御部27、バッテリー270及びバス28に関しては、第1の実施形
態と同様のため詳細な説明は省略する。スタイラスペン2aは、前記操作子の長手方向に
おける相異なる複数の箇所の位置をペン先位置検出電極24とペン中央位置検出電極50
とを備える。ペン先位置検出電極24がスタイラスペン2aのペン先近傍に、ペン中央位
置検出電極50がスタイラスペン2aの長手方向のほぼ中央の位置にそれぞれ配置される
。つまり、ペン先位置検出電極24は、スタイラスペン2aが有する長手方向においてタ
ブレット150と接する一方の側に配置されている。また、ペン中央位置検出電極50は
、スタイラスペン2aが有する長手方向において、ペン先位置検出電極24の位置から見
て他方の側に配置されている。つまり、ペン中央位置検出電極50が配置されている第2
の位置は、ペン先位置検出電極24が配置されている第1の位置よりも、入力面であるタ
ブレット150から遠い位置にある。これらは、CPU10が、タブレット150に対す
るスタイラスペン2aの傾き方向を検出することを支援するための構成である。
【0034】
図13は、スタイラスペン2と表示端末との位置関係を例示する図である。
ここで、表示端末1は、入力面であるタブレット150が水平となる場所に置かれてい
るものとする。図13(a)は、スタイラスペン2aがタブレット150にタッチした様
子をタブレット150の面に平行な方向から表したものである。図13(b)は、スタイ
ラスペン2aがタブレット150にタッチした様子をタブレットの面に垂直な方向から表
したものである。ユーザーが左右どちらかの手でスタイラスペン2aを持ち、スタイラス
ペン2aによりタブレット150をタッチした際に、ペン先位置検出電極24およびペン
中央位置検出電極50から得られる座標が特定される。より具体的には、タブレット15
0に配置されたコイルLによりタブレット150の表面に磁界が形成されており、スタイ
ラスペン2aによりタブレット150がタッチされた際に、コイルLよりペン先位置検出
電極24およびペン中央位置検出電極50に電流が流れる。この電流に応じて、ペン先位
置検出電極24およびペン中央位置検出電極50に磁界が発生し、ペン先位置検出電極2
4およびペン中央位置検出電極50からタブレット150(におけるコイルL)に電磁波
を出す。表示端末1は、この電磁波に反応したコイルLの位置を検出することで、ペン先
位置検出電極24およびペン中央位置検出電極50からそれぞれタブレット150に下ろ
した垂線がそのタブレットと交わる位置の座標(以下、指示座標という)を得る。
【0035】
ここで、ペン先位置検出電極24から得られる指示座標をP1、ペン中央位置検出電極
50から得られる指示座標をP2とする。タブレット150の左上隅がx軸、y軸の原点
である。例えば右手でスタイラスペン2aを持ちタブレット150にタッチした場合、図
13(b)に示すとおり、指示座標P1のx座標と指示座標P2のx座標との位置関係は
、P2>P1の関係が成り立つ。一方、左手にスタイラスペン2aを持った場合には、P
1>P2の関係となる。このように、二つのペン先位置検出電極24およびペン中央位置
検出電極50の指示座標、特にx座標の大小関係によりスタイラスペン2aの傾き方向が
検出され、ユーザーの利き手が判定される。
【0036】
図14は、第2の実施形態におけるスタイラスペンの傾きを検出する際の処理フロー図
である。
図14における処理の主体は表示端末1のCPU10である。ユーザーがスタイラスペ
ン2aにより表示端末1の入力面であるタブレット150に触れると、CPU10は、ペ
ン先位置検出電極24の指示座標P1を取得する(ステップS20)。次に、CPU10
は、ペン中央位置検出電極50の指示座標P2を取得する(ステップS21)。次に、C
PU10は、P1とP2との大小関係を判定する(ステップS22)。P1<P2の場合
、CPU10は、スタイラスペン2aの傾き方向を右方向と判定する(ステップS23)
。一方、検出座標の相対関係がP1>P2の場合、CPU10は、スタイラスペン2の傾
き方向を左方向と判定する(ステップS24)。傾き検出後の処理フローについては第1
の実施形態と同様であり、検出された傾き方向によって表示端末1におけるUIの制御が
行われる。このように、第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を奏す
ることが出来る。
【0037】
上記の実施形態を次のように変形してもよい。
(3)変形例
(3−1)変形例1
第1の実施形態においては、スタイラスペン2の向きを固定するためにユーザーがスタ
イラスペン2を持つときの持ち方を案内する手段として、親指指示マーク31を使用した
。スタイラスペン2の向きを固定するための方法はこれに限らず、例えば、スタイラスペ
ン2をユーザーの手の形に応じた形状にすることで、ユーザーがスタイラスペン2を持つ
方向を案内するようにしてもよい。
図15は、ユーザーの手の形状に合わせたペングリップ60がスタイラスペン2に設け
られた様子を表した説明図である。ユーザーがペングリップ60に合わせてスタイラスペ
ン2を持つことにより、スタイラスペン2の向きが固定される。これにより、スタイラス
ペン2に内臓された加速度センサー25における軸方向が固定される。
なお、ユーザーが手に持って操作する操作子は、スタイラスペン2のようなペンや鉛筆
を模した棒状の形状に限らず、ユーザーが手に持って操作を行うことが可能であり且つ長
手方向を有するものであればよい。そして、タブレット150のような入力面に対して操
作子が傾いている方向とは、その操作子の長手方向が入力面であるタブレット150に対
して傾いている方向であればよい。
【0038】
(3−2)変形例2
タブレット150に対するスタイラスペン2の傾き方向を検出するための具体的手法は
、第1及び第2の実施形態で説明した例に限定されない。
第1の実施形態においては、表示端末1の入力面であるタブレット150が水平となる
場所に表示端末1が置かれていることを前提としたが、入力面であるタブレット150が
水平とならない場所に表示端末1が置かれた場合にも、傾き方向が正常に検出できるよう
に、次のようにしてもよい。すなわち、表示端末1にも前述した加速度センサー25のよ
うな加速度センサーを内臓しておき、これらの各加速度センサーが、スタイラスペン2に
おける加速度と、表示端末1における加速度とをそれぞれ検出する。そして、CPU10
は、スタイラスペン2における加速度と表示端末1における加速度との差分を算出するこ
とにより、入力面に対するスタイラスペン2の傾き方向を検出する。
また、第2の実施形態において、スタイラスペン2に備えられた2つの位置検出電極の
配置をペン先とペン中央としたが、この配置構成は上記に限ったものではなく、2つの位
置検出電極がスタイラスペン2の長手方向において相異なる位置に配置されていればよい
。例えば位置検出電極の一方をペン先に設け、他方をペン中央位置よりもペン先に寄った
箇所に設けてもよい。また、位置検出電極の一方をペン先に設け、他方をペン中央位置よ
りペン先から離れた箇所に設けてもよい。
ただし、2つの位置検出電極の配置には一定の制限がある。スタイラスペン2の長手方
向において、各位置検出電極がペン先から遠く配置されるに従って、ユーザーがスタイラ
スペン2を持ってタブレット150に接した際に、上記各位置検出電極からタブレット1
50までの距離が長くなる。この距離が、タブレット150におけるコイルLと上記各位
置検出電極とにおける電磁誘導を発生するために必要な距離の上限値を越えると、電磁誘
導が発生せず、従って2つの位置検出電極から傾き方向を検出することができない。以上
のことから、2つの位置検出電極がスタイラスペン2の長手方向において異なる位置に配
置され、且つ、各位置検出電極の位置が、タブレット150との間で電磁誘導現象が発生
する程度の配置となっていればよい。
また、位置検出電極の数は1つに限定されず、複数であればよい。
【0039】
(3−3)変形例3
第1及び第2の実施形態において、スタイラスペン2の傾き方向を検出し、検出された
傾き方向によりユーザーの利き手を判定するタイミングは、表示端末1に電源が投入され
た後における最初の1回目のペンタッチとしたが、上記タイミングはこれに限ったもので
はない。最初の1回目のペンタッチ以降、一定のタイミングで、検出されたスタイラスペ
ン2の傾き方向からユーザーの利き手を判定してもよいし、常時、ユーザーの利き手を判
定し続けるようにしてもよい。これにより、例えば右利きのユーザーが表示端末1を右利
きのUIで操作していたところに、左利きの別のユーザーが交代して表示端末1を操作し
た場合、操作を交代した左利きの別のユーザーは自らの利き手に応じたUIで表示端末1
を操作することができる。
【0040】
(3−4)変形例4
第1及び第2の実施形態では、スタイラスペン2の傾き方向からユーザーの利き手が判
定される一連の処理が正常に行われた場合を前提としているが、傾き方向を検出する際の
加速度または指示座標が、右利きと左利きを判定するための境界領域に属しており、ユー
ザーの利き手を判定することができなかった場合に備え、次のようにしてもよい。すなわ
ち、ユーザーが利き手で持ったスタイラスペン2によりタブレット150をタッチした際
に、表示端末1がユーザーの利き手を判定することができなかった場合、画面上に利き手
が判定できなかった旨のメッセージを表示するとともに、右利きと左利きを選択させるた
めのGUI部品を表示してもよい。図16は、表示端末1がユーザーの利き手を判定する
ことができなかった場合の画面表示内容を表したものである。ユーザーに選択されたGU
I部品の内容に応じて、表示端末1はUI設定を制御する。
【0041】
(3−5)変形例5
第1及び第2の実施形態では、スタイラスペン2におけるスイッチのON/OFF管理
にペン先スイッチ26を採用したが、これに替えて電源キーをスタイラスペン2に設けて
もよい。この場合、電源キーは、スタイラスペン2の長手方向においてどこに配置しても
よい。
【0042】
(3−6)変形例6
UI制御の内容は、第1及び第2の実施形態で説明した例に限定されず、ユーザの操作
を受け付けるときの態様を変更するものであればよい。例えば、GUI部品のUI制御は
、表示体140面におけるGUI部品の表示位置を利き手に応じた位置に変更するもので
あればよい。また、操作キー40,41のUI制御は、操作キー40,41の有効及び無
効を変更するものに限らず、操作キー40,41が受け付ける指示の内容を変更するもの
であればよい。例えば、利き手が右の場合には、頻繁に利用するような機能の指示を右側
の操作キー41が担当し、頻繁に利用しない機能の指示を左側の操作キー40が担当する
といった具合である。
【符号の説明】
【0043】
1…表示端末、2…スタイラスペン、10,20…CPU,21…ROM、12,22…R
AM、13…端末側通信部、14…表示体制御部、140…表示体、15…タブレット制御
部、150…タブレット、150x…x軸検出電極、150y…y軸検出電極、16…記
憶部、17,27…電源制御部、170,270…バッテリー、18…操作部,19,2
8…バス、23…ペン側通信部、24…ペン先位置検出電極、25…加速度センサー、2
6…ペン先スイッチ、30…ペンクリップ、31…親指指示マーク、40…左側操作キー
、41…右側操作キー、45…スクロールバー、50…ペン中央位置検出電極、60…ペ
ングリップ、L…コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が表示される表示面と、
前記表示面に重ねられ、ユーザーが操作する操作子によって当該ユーザーの指示が入力
される入力面と、
前記入力面に対して前記操作子が傾いている方向である傾き方向を検出する検出手段と

前記検出手段によって検出された傾き方向に応じて、ユーザーが前記操作子を操作する
ときの利き手を判定する判定手段と、
ユーザーの指示を受け付けて当該指示に応じた処理を行う処理手段であって、前記判定
手段により判定されたユーザーの利き手に応じて、ユーザーの操作を受け付けるときの態
様を変更する処理手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処理手段は、
ユーザーの指示を受け付けるための画像である指示受付画像を前記表示面に表示し、前
記操作子が当該指示受付画像を指定して前記入力面に入力した指示を受け付け、
前記判定手段により判定されたユーザーの利き手に応じて、前記表示面における前記指
示受付画像の表示位置を変更する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザーの接触動作による指示を受け付ける複数の操作キーを備え、
前記処理手段は、前記判定手段により判定されたユーザーの利き手に応じて、各々の前
記操作キーが受け付ける指示の内容を変更する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記操作子における加速度を計測し、計測した前記加速度に基づいて
前記傾き方向を検出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検出手段は、
前記操作子の長手方向における相異なる複数の箇所の位置を検出し、検出した複数の位
置に含まれる第1の位置と、当該第1の位置よりも前記入力面から遠い第2の位置との位
置関係に基づいて、前記操作子の傾き方向を特定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
画像が表示される表示面と、前記表示面に重ねられ、ユーザーが操作する操作子によっ
て当該ユーザーの指示が入力される入力面とを有する情報処理装置における情報処理方法
であって、
前記入力面に対して前記操作子が傾いている方向である傾き方向を検出するステップと

検出された前記傾き方向に応じてユーザーの利き手を判定するステップと、
判定されたユーザーの利き手に応じて、ユーザーの操作を受け付けるときの態様を変更
し、当該態様にてユーザーの指示を受け付けて当該指示に応じた処理を行うステップと
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
画像が表示される表示面と、前記表示面に重ねられ、ユーザーが操作する操作子によっ
て当該ユーザーの指示が入力される入力面とを有する情報処理装置のコンピューターを、
前記入力面に対して前記操作子が傾いている方向である傾き方向を検出する検出手段と

前記検出手段によって検出された傾き方向に応じてユーザーの利き手を判定する判定手
段と、
ユーザーの指示を受け付けて当該指示に応じた処理を行う処理手段であって、前記判定
手段により判定されたユーザーの利き手に応じて、ユーザーの操作を受け付けるときの態
様を変更する処理手段と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−81646(P2011−81646A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234088(P2009−234088)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】