説明

情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

【課題】コンテンツの起動操作の頻度に応じて、当該コンテンツの起動操作対象画像を容易に区別可能なように変化させるとともに、当該変化を少なくとも部分的に容易にキャンセルすること。
【解決手段】情報処理端末100は、アイコン1を介したコンテンツの起動操作が入力されない期間の長さに応じて、アイコン1に経年変化の表現を付与し、当該経年変化の表現が上限を超えた場合にはアイコン1を消去する。アイコン1上で経年変化の表現を消去する操作が入力された場合には、コンテンツを起動させることなく、当該経年変化の表現を消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばアイコン等の画像によりコンテンツを管理する情報処理装置、当該情報処理装置における情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記憶装置の記憶容量の増大に伴い、情報処理装置に保存できるアプリケーションやファイル等のコンテンツ数も増大している。このような多数のコンテンツの中から、ユーザが必要なコンテンツを探索する際には、頻繁にアクセスするコンテンツと、そうでないものとを見分ける手段があれば、ユーザの操作負担も軽減される。
【0003】
このような手段の一つとして、コンテンツへのアクセス履歴(起動操作履歴)を管理し、使用頻度の高いコンテンツを例えばリスト上で上位に表示し、使用頻度の低いコンテンツを下位に表示することで、コンテンツへのアクセスのしやすさを向上させる機能を備えたソフトウェアが存在する。
【0004】
また、下記特許文献1には、複数のアイコンのうち選択されたアイコンの輝度またはコントラストを上下させることで、他のアイコンよりも目立つように表示することが可能な情報処理装置が記載されている。
【0005】
さらに、ファイル等の経年変化を表現する手法として、アクセス頻度の低さに応じて、アイコンに、紙が古くなっていくような表現を適用する技術も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−25905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記使用頻度の高いコンテンツを上位に表示する方法では、使用頻度が高いコンテンツへのアクセスのしやすさは確保されるが、ユーザが時々利用したいコンテンツは依然として上記表示では見つけづらい。したがってユーザは例えば自ら入力した文字列による検索等を行う必要があり、ユーザの操作負荷が高くなってしまう。
【0008】
また、上記特許文献1に記載の技術でも、上記と同様に、アクセス頻度の低いアイコンは見つけづらいままであり、それを目立たせようとするためには、アイコンを選択してコンテンツにアクセスする必要がある。
【0009】
さらに、上記紙が古くなっていくような表現を用いる技術においても、一旦古くなったアイコンを元の新しい状態に戻すためには、アイコンを選択してコンテンツにアクセスする必要がある。アイコンを新しい状態のまま残すためだけにコンテンツにアクセスすることはユーザに無駄な操作を強いることになり、著しく利便性を害する。
【0010】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、コンテンツの起動操作の頻度に応じて、当該コンテンツの起動操作対象画像を容易に区別可能なように変化させるとともに、当該変化を少なくとも部分的に容易にキャンセルすることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理装置は、出力部と、操作入力部と、記憶部と、制御部とを有する。上記出力部は、複数のコンテンツの各起動操作の対象となる複数の操作対象画像を出力する。上記操作入力部は、上記各起動操作を含むユーザの操作を入力される。上記記憶部は、上記複数のコンテンツと、上記各起動操作の履歴情報とを記憶する。上記制御部は、上記履歴情報を基に、上記複数の操作対象画像に上記各起動操作が入力されない期間の長さに応じたレベルで、上記複数の操作対象画像に経年変化の表現を付与するように上記出力部を制御する。さらに制御部は、上記経年変化の表現が付与された操作対象画像に、上記各起動操作とは異なる所定の操作が入力された場合に、上記経年変化の表現の少なくとも一部を消去するように、上記出力部を制御する。
【0012】
この構成により情報処理装置は、コンテンツの起動操作の頻度に応じて、当該コンテンツの操作対象画像に経年変化の表現を付与することで、ユーザに利用頻度の高いコンテンツのみならず利用頻度の低いコンテンツも容易に区別して認識させることができる。さらに情報処理装置は、当該コンテンツを起動させることなく上記経年変化の表現を少なくとも部分的に容易にキャンセルすることができ、これによりユーザは当該コンテンツを利用頻度の高いコンテンツとして再認識することができる。
【0013】
ここで、コンテンツとは、例えばファイルやアプリケーション等である。また、操作対象画像とは、アイコンのほか、例えば電子メールクライアントにより表示される電子メールのリスト中の各項目のように、それに対する操作によってコンテンツを起動する(開く)ことが可能な画像である。上記出力部は、情報処理装置に内蔵された表示部であってもよいし、情報処理装置と外部接続された表示部へ画像を出力する出力端子であってもよい。
【0014】
上記制御部は、上記複数の操作対象画像に上記各起動操作が入力されない期間が所定期間を超えた場合に当該各操作対象画像を消去するように上記出力部を制御してもよい。
【0015】
これにより情報処理装置は、利用頻度の低いコンテンツの操作対象画像を自動的に整理することができる。ユーザは、当該操作対象画像が消去されるのを望まない場合は、当該操作対象画像に上記所定の操作を行えばよい。コンテンツがファイルである場合、操作対象画像が消去されるのに伴って実際のファイルも記憶部から消去されてもよい。
【0016】
上記制御部は、上記経年変化の表現として、上記各操作対象画像上に埃を表現した埃画像を重畳してもよい。この場合制御部は、上記所定の操作として、上記各操作対象画像上で所定時間内に所定方向で往復するドラッグ操作が入力された場合に、上記各操作対象画像から上記埃画像を消去するように上記出力部を制御してもよい。
【0017】
これにより情報処理装置は、操作用画像の経年変化を操作対象画像に積もった埃として表現することで、当該経年変化をユーザに直感的に把握させ、かつ、当該埃を拭うようなドラッグ操作により、経年変化の表現をユーザに直感的に消去させることができる。ここで上記所定時間とは例えば0.5秒〜1秒程度であるが、これに限られない。上記所定方向は、上、下、左、右、斜めのいずれの方向であってもよい。
【0018】
上記制御部は、上記各操作対象画像上で入力された上記ドラッグ操作の回数に応じて上記埃画像を所定量ずつ消去するように上記出力部を制御してもよい。この場合制御部は、当該消去後に上記各操作対象画像上に残った埃画像の量に応じて、上記各起動操作が入力されない期間を計算してもよい。
【0019】
これにより情報処理装置は、実際の埃を繰り返し拭うことで徐々に埃がなくなるような直感的な操作により埃画像をユーザに消去させることができる。またユーザはドラッグ操作の回数を調整することで、操作対象画像が消去されるまでの期間を調整することができる。
【0020】
上記操作入力部はタッチパネルを有してもよく、上記制御部は、上記タッチパネル上での上記ユーザの指による上記ドラッグ操作中の接触圧力または接触面積に応じて、上記消去される埃画像の量を可変するように上記出力部を制御してもよい。この場合制御部は、当該消去後に上記各操作対象画像上に残った埃画像の量に応じて、上記各起動操作が入力されない期間を計算してもよい。
【0021】
これにより情報処理装置は、実際の埃を拭う場合と同様に、大きな圧力または面積でドラッグ操作が入力されるほど多くの量の埃画像が消去されるため、ドラッグ操作に応じて埃画像が消去される量をユーザに直感的に理解させることができる。またユーザはドラッグ操作時の接触圧力または接触面積を調整することで、操作対象画像が消去されるまでの期間を調整することができる。
【0022】
上記出力部は、上記各操作対象画像を平面方向から捉えた第1の画面と、上記各操作対象画像を側面方向から捉えた第2の画面とを切り替えて出力可能であってもよい。この場合上記制御部は、上記経年変化の表現として、上記第1の画面上及び上記第2の画面上で、上記各操作対象画像が当該各操作対象画像の主面の垂直方向に沈み込むような三次元表現を付与するように上記出力部を制御してもよい。さらに制御部は、上記所定の操作として、上記第2の画面上で上記沈み込んだ各操作対象画像を上方に移動させるドラッグ操作が入力された場合に、当該ドラッグ操作後に切り替わった上記第1の画面上で、上記ドラッグ操作による上記各操作対象画像の移動距離に応じて、上記沈み込むような三次元表現を変化させるように上記出力部を制御してもよい。
【0023】
これにより情報処理装置は、操作用画像の経年変化を操作対象画像の沈み込みとして表現することで、当該経年変化をユーザに直感的に把握させ、かつ、当該沈み込んだ操作対象画像を押し上げるようなドラッグ操作により、経年変化の表現をユーザに直感的に消去させることができる。
【0024】
上記情報処理装置は、当該情報処理装置の傾きを検出するセンサをさらに有してもよい。この場合上記制御部は、上記センサにより検出された傾きに応じて上記第1の画面と上記第2の画面とを切り替えるように上記出力部を制御してもよい。
【0025】
これにより情報処理装置は、当該情報処理装置の傾きに応じて操作対象画像のビューを変更することで、操作対象画像を押し上げるためのドラッグ操作をユーザに容易に行わせることができる。ここで上記センサとは、例えば加速度センサ、ジャイロスコープ、地磁気センサ等である。
【0026】
上記記憶部は、上記各コンテンツの種別を示すメタデータを記憶してもよい。この場合上記制御部は、上記記憶されたメタデータに応じて、上記経年変化の表現の程度を可変するように上記出力部を制御してもよい。
【0027】
これにより情報処理装置は、コンテンツの種別に応じて経年変化の表現の程度を可変することで、例えば特定のコンテンツについては経年変化速度を極力速くまたは遅くしたいといったコンテンツの種別に応じたユーザの要求を満たすことができる。例えば、特定の期間にしか起動される意味がないようなファイル(例えば特定の期日のイベントに関連したファイルや、使用期限が定まっているファイル等)は速く経年変化されてもよい。
【0028】
上記制御部は、特定のコンテンツに対応する上記操作対象画像については上記経年変化の表現を付与しないように上記出力部を制御してもよい。
【0029】
これにより情報処理装置は、経年変化の表現に適しないコンテンツについては、その操作対象画像を経年変化しないまま保つことができる。例えばコンテンツが写真である場合、ユーザは頻繁にはその写真を閲覧しないものの、思い出として時折閲覧することを望むため、当該写真については経年変化の表現が付与されなくてもよい。このような処理を行うため、情報処理装置は、経年変化の表現を付与しないコンテンツを示すデータを予め記憶していてもよいし、ユーザの嗜好を学習してそのようなコンテンツを決定してもよいし、ユーザがそのようなコンテンツを選択してもよい。
【0030】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、複数のコンテンツの各起動操作の対象となる複数の操作対象画像を出力することを含む。ユーザから上記各起動操作が受け付けられると、上記各起動操作の履歴情報が記憶される。上記履歴情報を基に、上記複数の操作対象画像に上記各起動操作が入力されない期間の長さに応じたレベルで、上記複数の操作対象画像に経年変化の表現が付与される。さらに、上記経年変化の表現が付与された操作対象画像に、上記各起動操作とは異なる所定の操作が入力された場合には、上記経年変化の表現の少なくとも一部が消去される。
【0031】
本発明のまた別の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、出力ステップと、操作受付ステップと、記憶ステップと、経年変化の表現を付与するステップと、消去ステップとを実行させる。上記出力ステップでは、複数のコンテンツの各起動操作の対象となる複数の操作対象画像が出力される。上記操作受付ステップでは、ユーザから上記各起動操作が受け付けられる。上記記憶ステップでは、上記各起動操作の履歴情報が記憶される。上記経年変化の表現を付与するステップでは、上記履歴情報を基に、上記複数の操作対象画像に上記各起動操作が入力されない期間の長さに応じたレベルで、上記複数の操作対象画像に経年変化の表現が付与される。上記消去ステップでは、上記経年変化の表現が付与された操作対象画像に、上記各起動操作とは異なる所定の操作が入力された場合に、上記経年変化の表現の少なくとも一部が消去される。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、コンテンツの起動操作の頻度に応じて、当該コンテンツの起動操作対象画像を容易に区別可能なように変化させるとともに、当該変化を少なくとも部分的に容易にキャンセルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理端末の外観を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る情報処理端末の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る情報処理端末が、アイコンに経年変化の表現を与える処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係る情報処理端末が、アイコンを介したコンテンツの起動操作に応じて経年変化の表現を消去する処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る情報処理端末が、アイコンへの所定のドラッグ操作に応じて経年変化の表現を消去する処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態におけるアイコンの経年変化の様子を示した図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る情報処理端末の電気的な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る情報処理端末が、アイコンに経年変化の表現を与える処理の流れを示したフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態におけるアイコンの経年変化の様子を示した図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る情報処理端末が、アイコンを介したコンテンツの起動操作に応じて経年変化の表現を消去する処理の流れを示したフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態に係る情報処理端末が、コンテンツの起動操作によらずに、アイコンへの所定のドラッグ操作に応じて経年変化の表現を消去する処理の流れを示したフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係る情報処理端末が、アイコンへの所定のドラッグ操作に応じて経年変化の表現を消去する様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0035】
<第1実施形態>]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0036】
[情報処理端末の外観]
図1は、本実施形態に係る情報処理端末(スマートフォン)100を示す正面図である。
【0037】
図1に示すように、情報処理端末100は、例えばユーザが片手で保持できる大きさ及び形状の筐体10を有する。筐体10の内部には、表示部11が配置されている。表示部11上には、ユーザの指やスタイラスペン等の接触位置を検出するタッチパネル12が一体的に配置されている。筐体10の正面側の上端部近傍には、図示しない受話口が設けられており、筐体10の正面側の下端部近傍には、図示しない通話口が設けられている。
【0038】
表示部11は、例えば、液晶ディスプレイや、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。タッチパネル12としては、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式のタッチパネル12が挙げられるが、どのような方式のタッチパネル12であっても構わない。タッチパネル12は、ユーザの操作の位置、接触面積及び接触圧力等を検出することが可能である。
【0039】
表示部11(タッチパネル12)には、例えば初期メニュー画面として、ファイルやアプリケーション等のコンテンツの起動操作の対象となる複数のアイコン1が表示される。ユーザは複数のアイコン1から所望のアイコン1を選択し、所望のファイルを開いたり、アプリケーションを実行したりすることができる。
【0040】
[情報処理端末の構成]
図2は、情報処理端末100の電気的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理端末100は、上記した表示部11、タッチパネル12の他に、通信部13、アンテナ14、CPU15、CPU(Central Processing Unit)15、スピーカ16、マイクロフォン17、RAM(Random Access Memory)18、フラッシュメモリ19を備えている。
【0041】
通信部13は、アンテナ14により送受信される電波の周波数変換や、変調及び復調等の処理を実行する。アンテナ14は、通話用の電波や、電子メール、Webデータ等のパケット通信用の電波を送受信する。
【0042】
スピーカ16は、デジタル/アナログ変換機や増幅器等を含む。スピーカ16は、CPU15から入力された通話用の音声データに対してデジタル/アナログ変換処理及び増幅処理を実行し、受話口(図示せず)を介して音声を出力する。
【0043】
マイクロフォン17は、アナログ/デジタル変換機等を有する。マイクロフォン17は、ユーザから通話口を介して入力されたアナログ音声データをデジタル音声データへ変換してCPU15へ出力する。CPU15へ出力されたデジタル音声データは、符号化された後、通信部13及びアンテナ14を介して送信される。
【0044】
RAM18は、CPU15の作業領域として用いられる揮発性のメモリである。RAM18は、CPU15の処理に用いられる各種のプログラムや各種のデータを一時的に記憶する。
【0045】
フラッシュメモリ19は、上記コンテンツのほか、CPU15の処理に必要な各種のプログラムや各種のデータが記憶される不揮発性のメモリである。フラッシュメモリ19はまた、上記アイコン1を介したコンテンツの起動操作の履歴情報を記憶する。
【0046】
CPU15は、情報処理端末100の各部を統括的に制御し、各種のプログラムに基づき種々の演算を実行する。例えばCPU15は、タッチパネル12から入力された操作位置、接触面積値等の値を基に演算を行い、その結果を表示部11に表示させる。また特に本実施形態においてCPU15は、後述するように、上記フラッシュメモリ19に記憶されたプログラムと協働して、アイコン1に経年変化の表現を与える処理及び当該経年変化の表現をキャンセルする処理を統括的に制御する。
【0047】
[情報処理端末の動作]
次に、本実施形態における情報処理端末100の動作について説明する。以下の説明では、情報処理端末100のCPU15を動作主体として説明するが、当該動作は、図2で示したその他のハードウェアやソフトウェアとも協働して実行される。
【0048】
(経年変化の表現の付与処理)
図3は、情報処理端末100が、アイコン1に経年変化の表現を与える処理の流れを示したフローチャートである。本実施形態においては、情報処理端末100は、経年変化の表現を、アイコン1に埃が積もる表現として実現している。すなわち、実生活において、ユーザがある物を使わずに放置しておくと、その物が埃を被るのと同様に、ユーザがアイコン1にアクセスしていない期間に応じて、当該アイコン1に埃を示す画像(以下、埃画像)が重畳されていく。
【0049】
同図に示すように、まず、CPU15は、例えば新たなファイルが作成された場合や新たなアプリケーションがインストールされた場合等、新たなコンテンツが生成または記憶されたときに、アイコン1を生成する(ステップ31)。
【0050】
続いてCPU15は、アイコン1に重畳された埃画像のレベル(経年変化のレベル)が上限値を超えたか否かを判断する(ステップ32)。
【0051】
本実施形態では、経年変化の程度として複数のレベルが用意され、それに応じた埃画像が用意される。これら各レベルの埃画像は例えば上記フラッシュメモリ19に記憶されている。例えばレベルが4つである場合、上記上限値は第4のレベルである。この上限値は、例えば90日、120日、180日、360日等の期間に対応しており、その他の埃画像のレベルに対応する期間も、当該上限値によって例えば等間隔に設定される。例えばレベルが4つであり、上限値が120日である場合、第1のレベルの埃画像は30日に対応し、第2のレベルは60日に対応し、第3のレベルは90日に対応する。
【0052】
上記ステップ32において、埃画像のレベルが上限値を超えていない場合(No)、CPU15は、上記記憶された履歴情報を基に、アイコン1への非アクセス期間(アイコン1に対する起動操作が入力されない期間)が所定時間Tを越えているか否かを判断する(ステップ34)。
【0053】
非アクセス期間がTを超えていると判断した場合(ステップ34のYes)、CPU15は、アイコン1に現在のレベルの埃画像に代えて、次のレベルの埃画像を重畳させる(ステップ35)。
【0054】
続いてCPU15は、上記Tを所定時間tだけ更新し(T=T+t)、上記ステップ32以降の処理を繰り返す。
【0055】
上記時間Tは、上記各レベルの期間に対応し、上記時間tは、各レベル間の差分の期間に対応する。上述したように、例えばレベル数が4つであり上記上限値が120日である場合、tは30日である。
【0056】
そして、上記ステップ32において、埃画像のレベルが上限値を超えていると判断した場合(Yes)、CPU15は、当該アイコン1を表示部11から削除する(ステップ33)。CPU15は、以上の処理を、表示部11に表示される各アイコンに対して実行する。
【0057】
図6は、本実施形態におけるアイコン1の経年変化の様子を示した図である。同図では、埃画像のレベルが4つである場合が示されている。同図(A)〜(E)に示すように、各レベルの埃画像において、埃は、所定の色(例えば茶色や黒色)のドットの集合として表現される。経年変化が大きいほど、すなわちアイコン1への非アクセス期間が長いほど、アイコン1に重畳される埃画像におけるドットの密度も高くなる。同図(A)に示すアイコン1の初期状態(埃画像が重畳されていない状態)から、非アクセス期間が上記時間Tを経過するたびに、アイコン1により密度の高い埃画像が重畳されていく(同図(B)〜(D))。つまり、ユーザには、アイコン1への非アクセス期間が長いほど、アイコン1がより多くの埃を被っているように見える。
【0058】
そして、同図(E)に示すように、アイコン1への非アクセス期間が上記上限値を超えた場合、アイコン1は消去される。本実施形態において用意される、異なるレベルの埃画像(同図(B)〜(D))の数は、レベルの数から1を引いた数である。当該レベルの変化は、レベル差がユーザにも一目で把握できるような変化でもよいし、局所的に見るとユーザには把握できないような、よりリニアな変化でもよい。リニアな変化になればなるほど、用意される埃画像の数が増加し、上記時間Tの更新回数も増加し、上記時間tは短くなる。
【0059】
このように、アイコン1の経年変化が埃画像の重畳により示されることで、ユーザからは、長期間アクセスしていないアイコン1に埃が積もっていくように見え、非アクセス期間が直感的に理解される。
【0060】
(経年変化の表現の消去処理)
本実施形態において、情報処理装置は、上述のようにして経年変化の表現としてアイコン1に重畳された埃画像を消去することができる。埃画像が消去される場合としては、2つの場合がある。1つは、アイコン1を介してユーザがコンテンツの起動操作(例えばタップ操作やダブルタップ操作)を行った場合であり、もう1つは、ユーザが、コンテンツを起動させることなく、アイコン1(埃画像)に所定のドラッグ操作を行った場合である。以下、これら2つの場合の処理について説明する。
【0061】
図4は、情報処理端末100が、アイコン1を介したコンテンツの起動操作に応じて埃画像を消去する処理の流れを示したフローチャートである。
【0062】
同図に示すように、まずCPU15は、アイコン1に起動操作が入力されたか否かを判断する(ステップ41)。当該起動操作が入力された場合(ステップ41のYes)、CPU15は、当該起動操作対象のアイコン1に埃画像が重畳されているか否かを判断する(ステップ42)。
【0063】
アイコン1に埃画像が重畳されていると判断した場合(ステップ42のYes)、CPU15は、当該埃画像を消去する(ステップ43)。この処理によりアイコン1は初期状態に戻ることになる。すなわち、上記非アクセス期間がリセットされ、当該初期状態から再び非アクセス期間が計算される。そしてCPU15は、当該アイコン1に対応するコンテンツを起動させる(ステップ44)。アイコン1に埃画像が重畳されていない場合(ステップ42のNo)、CPU15はアイコン1には何ら処理を行うことなくコンテンツを起動させる(ステップ44)。
【0064】
図5は、情報処理端末100が、コンテンツの起動操作によらずに、アイコン1への所定のドラッグ操作に応じて埃画像を消去する処理の流れを示したフローチャートである。
【0065】
同図に示すように、まずCPU15は、アイコン1上で、所定時間内に所定方向に往復するドラッグ操作が入力されたか否かを判断する(ステップ51)。所定時間とは例えば0.5秒、1秒、1.5秒等であるがこれらに限られない。所定方向とは上、下、左、右、斜め、円周方向等であるが、これらに限られない。このようなドラッグ操作は、ユーザにとっては、アイコン1が被った埃を拭うような操作として認識されている。
【0066】
上記ドラッグ操作があった場合(ステップ51のYes)、CPU15は、当該ドラッグ操作対象のアイコン1に埃画像が重畳されているか否かを判断する(ステップ52)。
【0067】
アイコン1に埃画像が重畳されている場合(ステップ52のYes)、CPU15は、上記ドラッグ操作の往復回数、押圧力、または接触面積等のパラメータをタッチパネル12から取得し、それらパラメータに応じた量の埃をアイコン1から消去する。具体的には、CPU15は、アイコン1に重畳された埃画像のレベルを、当該パラメータに応じてより低いレベルの埃画像へと変更する。
【0068】
上記図6には、上記ドラッグ操作時のパラメータに応じてアイコン1に残る埃の量が変わる様子も示されている。同図(F)に示すように、例えば現在重畳されている埃画像が同図(D)のレベルであり、上記ドラッグ操作の往復回数、押圧力または接触面積といったパラメータ強度がL1である場合、埃画像は同図(C)のレベルへ変更される。同様に、パラメータ強度がL2(L2>L1)である場合、埃画像は同図(B)のレベルへ変更され、パラメータ強度がL3(L3>L2)である場合、埃画像は同図(A)のレベル(初期状態)へ変更される。埃画像のレベルが変更された場合には、当該レベルを基準として、上記アイコン1の消去処理のための上限値を超えたか否かが判断される。
【0069】
ユーザから見ると、アイコン1が被っている埃を軽いタッチで拭えば減る埃の量は少なく、強いタッチでまたは何度も拭えば減る埃の量も多くなるため、実際の埃を拭うような直感的な操作が実現される。
【0070】
ここでCPU15、上記パラメータ強度に応じて単に埃画像全体を差し替えるのではなく、上記パラメータにさらにドラッグ操作時のタッチ位置も加味して、埃画像の一部の領域のみを他のレベルの埃画像へと差し替えてもよい。この場合、アイコン1のドラッグ操作対象となった領域はより低いレベルの(埃の密度が小さい)埃画像となり、それ以外の領域はそのまま残る。また、アイコン1の全体が操作対象となった場合でも、領域によってパラメータ強度が異なる場合は、それに応じて領域ごとに異なるレベルの埃画像へと変更される。
【0071】
このように、埃画像を段階的にまたは部分的に消去する機能は、ユーザが、あるアイコン1について、いずれは不要になるものの、あともう少し残しておきたいと考える場合に有効である。すなわち、ユーザは、アイコン1を残しておきたい期間に応じて上記パラメータ強度を調整することで、アイコン1が消去されるまでの期間を調整することができる。
【0072】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、情報処理端末100は、アイコン1の経年変化を、アイコン1への非アクセス期間に応じた埃画像として表現することで、頻繁にアクセスするアイコン1とそうでないアイコン1とを埃画像のレベルによってユーザに容易に把握させることができる。また情報処理端末は、当該埃画像を、埃を拭うようなユーザのドラッグ操作に応じて、アイコン1に対応するコンテンツを起動させることなく埃画像を消去することができる。しかも、当該消去は当該ドラッグ操作におけるパラメータ強度に応じて部分的にも行われ得るため、ユーザはアイコン1が消去されるまでの期間を調整することができる。
【0073】
<第2実施形態>]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上記第1実施形態と同様の構成となる箇所については同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0074】
[情報処理端末の構成]
図7は、本実施形態に係る情報処理端末(スマートフォン)200の電気的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理端末200は、第1実施形態に係る情報処理端末100と同様の構成に加えて、センサ20を有する。
【0075】
センサ20は、情報処理端末200(筐体10)の傾きを検出するセンサである。センサ20としては、例えば、加速度センサ(例えば、ピエゾ抵抗型、圧電型、静電容量型等)、ジャイロスコープ(例えば、振動型ジャイロスコープ、回転コマジャイロスコープ等)、角度センサ(例えば、地磁気センサ等)のモーションセンサが挙げられる。センサ20は、上記例示した各種モーションセンサのうち少なくとも2種類以上の組み合わせであってもよい。
【0076】
[情報処理端末の動作]
次に、本実施形態における情報処理端末200の動作について説明する。以下の説明では、情報処理端末200のCPU15を動作主体として説明するが、当該動作は、図7で示したその他のハードウェアやソフトウェアとも協働して実行される。
【0077】
上述の第1実施形態においては、アイコン1の経年変化は埃画像として表現されたが、本実施形態では、アイコン1の経年変化として、アイコン1に対して、アイコン1が沈み込むような三次元表現が付与される。すなわち、情報処理端末200は、アイコン1への非アクセス期間に応じて、アイコン1を、その主面の垂直方向(表示部11の奥方向)へと移動させるような三次元画像処理を実行する。
【0078】
(経年変化の表現の付与処理)
図8は、情報処理端末200が、アイコン1に経年変化の表現を与える処理の流れを示したフローチャートである。
【0079】
同図に示すように、CPU15は、アイコン1を生成すると(ステップ81)、当該アイコン1の移動量が上限値を超えたか否かを判断する(ステップ82)。当該上限値も、上記第1実施形態と同様に、90日、120日、180日、360日等の一定の期間に対応している。また経年変化の程度、すなわちアイコン1の沈み込みのレベルが複数設定され、それに応じたアイコン1の画像が用意される。すなわち、アイコン1への非アクセス期間が長い程、そのアイコン1は表示部11の奥へ移動していき、平面的にはその大きさが小さくなる。フラッシュメモリ19等は、当該レベルに応じたアイコン1の複数の三次元画像を記憶している。
【0080】
上記ステップ82において、アイコン1の移動量が上限値を超えていないと判断された場合(No)、CPU15は、アイコンへ1への非アクセス期間が時間Tを越えているか否かを判断する(ステップ84)。
【0081】
非アクセス時間が時間Tを越えていると判断した場合(Yes)、CPU15は、アイコン1を所定距離だけ奥に移動させる(ステップ85)。実際には、CPU15は、当該アイコン1の三次元画像を、当該アイコン1を所定距離だけ移動させた場合に対応する次のレベルの三次元画像へと差し替える。
【0082】
続いてCPU15は、上記Tを所定時間tだけ更新し(T=T+t)、上記ステップ82以降の処理を繰り返す。上記時間T及びtは上述の第1実施形態と同様に設定される。
【0083】
そして、上記ステップ82において、アイコン1の移動量が上限値を超えていると判断した場合(Yes)、CPU15は、当該アイコン1を表示部11から削除する(ステップ83)。CPU15は、以上の処理を、表示部11に表示される各アイコンに対して実行する。
【0084】
図9は、本実施形態におけるアイコンの経年変化の様子を示した図である。同図(A−1)、(B−1)、(C−1)は、アイコン1を平面方向から捉えたビュー(平面ビュー)を示し、同図(A−2)、(B−2)、(C−2)は、アイコン1を斜め上方向から捉えたビュー(斜めビュー)を示し、同図(A−3)、(B−3)、(C−3)は、アイコン1を側面(やや斜め上)方向から捉えたビュー(側面ビュー)を示す。
【0085】
本実施形態において、情報処理端末200は、上記平面ビューと側面ビューを切り替えて表示部11に表示することが可能である。上記斜めビューは本実施形態の説明を分かりやすくするために便宜上図示したものである。しかし、情報処理端末200が当該斜めビューを表示可能であってもよい。デフォルトのビューは例えば平面ビューとされ、当該平面ビュー上で、アイコン1を介した各コンテンツの起動操作が実行される。平面ビューが表示された状態で、ユーザが情報処理端末200を例えば表示部11の水平方向の軸回りに所定角度以上傾ける(回転させる)と、上記センサ20が当該傾きを検出してCPU15へ出力し、CPU15はそれに応じて平面ビューを側面ビューへ切り替えるように表示部11を制御する。情報処理端末200がこれとは逆方向に傾けられることで、再び平面ビューへと切り替わる。
【0086】
図9の(A−1)、(A−2)及び(A−3)は、各ビューおけるアイコン1の初期状態を示す。この初期状態から、例えばアイコン1への非アクセス期間に応じて、アイコン1が平面ビューの奥方向(斜めビュー及び側面ビューの下方)へと移動し、その移動量が上記上限値を超えるとアイコン1は表示部11から消去される。
【0087】
例えば、同図(B−1)、(B−2)及び(B−3)に示すように、アイコン1a等の他のアイコンと比較して、アイコン1bはやや下方へ移動しており、アイコン1cはそれよりもさらに移動している。そして、同図(C−1)、(C−2)及び(C−3)に示すように、アイコン1cは、さらに非アクセス期間が継続し上記上限値を超えたことにより消去される。
【0088】
このように、アイコン1の経年変化がアイコン1の沈み込みで表現されることで、ユーザからは、長期間アクセスしていないアイコンが重力によって沈み込んでいくように見え、非アクセス期間が直感的に理解される。
【0089】
(経年変化の表現の消去処理)
本実施形態においても、情報処理端末200は、上記第1実施形態と同様、アイコン1へ付与された経年変化の表現を消去することが可能であり、消去される場合として、第1実施形態と同様に2つの場合がある。すなわち、1つは、アイコン1を介してユーザがコンテンツの起動操作(例えばタップ操作やダブルタップ操作)を行った場合であり、もう1つは、ユーザが、コンテンツを起動させることなく、アイコン1に所定のドラッグ操作を行った場合である。以下、これら2つの場合の処理について説明する。
【0090】
図10は、情報処理端末200が、アイコン1を介したコンテンツの起動操作に応じて、沈み込んだアイコン1を初期位置へ戻す処理の流れを示したフローチャートである。
【0091】
同図に示すように、まずCPU15は、アイコン1に起動操作が入力されたか否かを判断する(ステップ101)。当該起動操作が入力された場合(ステップ101のYes)、CPU15は、当該起動操作対象のアイコン1が奥(下方)へ移動されているか否かを判断する(ステップ102)。
【0092】
アイコン1が奥へ移動されていると判断した場合(ステップ102のYes)、CPU15は、当該アイコン1を初期位置へと戻す(ステップ103)。すなわちCPU15は、奥へ移動していたアイコン1に対応する三次元画像を、アイコン1の初期位置に対応する三次元画像へと差し替える。これにより、上記非アクセス期間がリセットされ、当該初期位置から再び非アクセス期間が計算される。そしてCPU15は、当該アイコン1に対応するコンテンツを起動させる(ステップ104)。アイコン1が奥に移動されていない(初期位置のままである)場合(ステップ102のNo)、CPU15はアイコン1には何ら処理を行うことなくコンテンツを起動させる(ステップ104)。
【0093】
図11は、情報処理端末200が、コンテンツの起動操作によらずに、アイコン1へのドラッグ操作に応じてアイコン1を初期位置へ戻す処理の流れを示したフローチャートである。また図12は、アイコン1へのドラッグ操作に応じてアイコン1が初期位置へ戻される様子を示した図である。
【0094】
図11に示すように、まずCPU15は、上記平面ビューが表示された状態から、情報処理端末200が所定角度以上傾けられたか否かを判断する(ステップ111)。所定角度以上傾けられたと判断した場合(Yes)、CPU15は、上記側面ビューを表示させる(ステップ112)。
【0095】
続いてCPU15は、当該側面ビューのアイコン1上で、上方へのドラッグ操作が入力されたか否かを判断する(ステップ113)。このドラッグ操作は、ユーザにとっては、下方に移動したアイコン1を押し上げるような操作として認識される。
【0096】
上記ドラッグ操作があった場合(ステップ113のYes)、CPU15は、当該ドラッグ操作対象のアイコン1が、下方に移動されているか否かを判断する(ステップ114)。
【0097】
アイコン1が下方に移動されている場合(ステップ114のYes)、CPU15は、上記ドラッグ操作における指の移動距離に応じて、アイコン1を上方へと移動させる(ステップ115)。
【0098】
図12の(A−1)及び(A−2)は、それぞれ上記ドラッグ操作前における上記斜めビュー及び側面ビューを示し、(B−1)及び(B−2)は、それぞれ上記ドラッグ操作後における上記斜めビュー及び側面ビューを示している。同図の例では、下方へ移動していたアイコン1bを押し上げるユーザのドラッグ操作により、初期位置のアイコン1a等と同じ位置まで戻されている。ユーザがアイコン1を初期位置ではなく途中までドラッグした場合には、アイコン1はそれに応じた位置まで戻される。
【0099】
当該側面ビュー上でアイコン1が上方へ移動された後、側面ビューが平面ビューに切り替わった場合、CPU15は、当該上方への移動距離に応じて、アイコン1の三次元画像を他のレベルの三次元画像へと差し替えて表示する。これにより、当該アイコン1は、上記ドラッグ操作前よりも手前に表示されることになる。
【0100】
このように、情報処理端末200は、ドラッグ操作の移動距離に応じた距離だけ、沈み込んだアイコン1の位置を戻すことが可能なため、ユーザは、アイコン1を残しておきたい期間に応じてドラッグ操作による移動距離を調整することで、アイコン1が消去されるまでの期間を調整することができる。
【0101】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、情報処理端末200は、アイコン1の経年変化を、アイコン1への非アクセス期間に応じた沈み込みとして表現することで、頻繁にアクセスするアイコン1とそうでないアイコン1とを埃画像のレベルによってユーザに容易に把握させることができる。また情報処理端末は、当該沈み込んだアイコン1を、アイコン1を押し上げるようなユーザのドラッグ操作に応じて、アイコン1に対応するコンテンツを起動させることなく上方へ移動することができる。しかも、当該上方への移動は、当該ドラッグ操作における指の移動距離に応じて部分的にも行われ得るため、ユーザはアイコン1が消去されるまでの期間を調整することができる。
【0102】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0103】
上述の各実施形態においては、アイコン1に所定のドラッグ操作が入力された場合に経年変化の表現がキャンセルされていたが、例えばフリック操作等、他の操作に応じて経年変化の表現がキャンセルされてもよい。
【0104】
また、上記第1実施形態では、埃を拭うようなドラッグ操作により埃画像が消去されたが、例えばユーザがアイコン1に息を吹きかけて埃を吹き飛ばすように、上記マイクロフォン17から息を吹きかける音声が入力された場合に埃画像が消去されてもよい。さらに、アイコン1の周囲を叩いて埃を落とすように、アイコン1の周囲で複数回のタップ操作が入力された場合に埃画像が消去されてもよい。
【0105】
上述の各実施形態においては、アイコンの経年変化の表現をキャンセルするためのドラッグ操作が入力された場合、当該ドラッグ操作時の回数、押圧力、接触面積、移動距離等に応じて部分的に経年変化の表現がキャンセルされた。しかし、そのようなドラッグ操作が1回でも入力された場合には、情報処理端末は、上記押圧力、接触面積、移動距離等に関わらず全ての経年変化の表現をキャンセルしてアイコンを初期状態に戻してもよい。
【0106】
上述の各実施形態においては、アイコン1の経年変化は、アイコン1に積もった埃及びアイコン1の沈み込みによって表現されたが、経年変化の表現はこれらに限られない。
【0107】
例えば、アイコン1を紙に見立て、古くなった紙が縁から徐々に丸まっていくように、アイコン1への非アクセス期間に応じてアイコン1が縁から丸まっていくような画像処理が実行されてもよい。この場合、丸まる程度に対応する複数レベルのアイコン1の画像が用意され、非アクセス期間に応じて差し替えられる。また、例えば、アイコン1の丸まった縁を掴んで延ばすようなドラッグ操作が入力された場合に、当該丸まりがキャンセルされる。
【0108】
また、アイコン1の経年変化を、アイコン1が徐々に凍っていくような画像処理が実行されてもよい。この場合も、凍結の程度に対応する複数レベルのアイコン1の画像が用意され、非アクセス期間に応じて差し替える。また、例えば、凍ったアイコン1を指の温もりで溶かすようなロングタッチ操作が入力された場合に、アイコン1の凍結がキャンセルされる。
【0109】
上述の実施形態においては、アイコン1が経年変化の程度または速度はどのコンテンツも一定として説明したが、コンテンツの種別によって、経年変化の程度または速度が可変されてもよい。例えばこれは、上記フラッシュメモリ19等に、コンテンツの種別及びそれに対応する経年変化速度を示すメタデータが記憶され、CPU15が、当該メタデータに応じて上記T及びtを値を可変することで実現されてもよい。この場合、例えば、特定の期間にしか起動される意味がないようなファイル(例えば特定の期日のイベントに関連したファイルや、使用期限が定まっているファイル等)は速く経年変化されてもよい。また、コンテンツ種別ごとに経年変化の程度をユーザが指定してもよい。
【0110】
上述の実施形態においては、アイコン1は、非アクセス期間があると例外なく経年変化の表現を付与されたが、特定のコンテンツのアイコン1については経年変化の表現が付与されなくてもよい。これも、特定のコンテンツについてその旨のメタデータが記憶されることで実現される。例えば、例えばコンテンツが写真である場合、ユーザは頻繁にはその写真を閲覧しないものの、思い出として時折閲覧することを望むため、当該写真については経年変化の表現が付与されなくてもよい。
【0111】
また、経年変化させないアイコン1をユーザが指定してもよい。この場合、例えば、上記第1実施形態では、どれだけ期間が経過してもアイコン1が埃を被らない領域(例えば屋根がある領域)が用意され、特定のアイコン1をユーザが当該領域にドラッグするような態様でもよい。また上記第2実施形態では、同様にアイコン1が沈み込まない領域(例えば棚のような領域)が用意され、当該領域にユーザがアイコン1をドラッグしてもよい。
【0112】
上述の各実施形態においては、表示部11に初期メニュー画面として一覧表示されるアイコン1についての処理が説明されたが、それ以外のアイコンについて同様の処理が実行されてもよい。例えば、音楽再生アプリケーションが、ユーザの嗜好や操作履歴から再生傾向を抽出し、自動的に楽曲の再生優先度を設定する機能を有しており、再生頻度が低いコンテンツのアイコンに経年変化が付与される場合、上記経年変化の表現のキャンセル処理により、楽曲の再生優先度が上げられてもよい。
【0113】
上述の実施形態においては、情報処理端末がタッチパネルを有し、アイコンへの操作はユーザの指による例が示されたが、情報処理端末がタッチパネルを有さず、例えばマウス等の入力装置によりアイコンへの操作が入力されてもよい。この場合、上述したユーザの指による操作(ドラッグ操作)がマウスとポインタを用いた操作に置き換わってもよいが、例えば上記第1実施形態においては、ユーザインタフェースとして、埃を拭うための雑巾のようなツールが用意されてもよい。
【0114】
上述の各実施形態においては、アイコンに経年変化の表現が付与される例が示されたが、経年変化の表現が付与される対象はアイコンに限られない。例えば、電子メールクライアントの送受信トレイにおいて一覧表示される各電子メールファイルの項目欄に経年変化の表現が付与されてもよい。この場合、ユーザが例えば、閲覧はしないものの備忘録として残しておきたい電子メールファイルがあれば、そのファイルの項目について上記経年変化の表現のキャンセル処理が実行されてもよい。
【0115】
上述の各実施形態においては、情報処理装置として情報処理端末(スマートフォン)を例に挙げた。しかし、本発明は、例えばデスクトップ型、ノートブック型、タブレット型等のPC(Personal Computer)、携帯電話機、テレビジョン装置、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、記録再生装置、ゲーム機器、PDA(Personal Digital Assistants)、電子ブック端末、電子辞書、携帯型AV機器、カーナビゲーション装置等、その他のあらゆる情報処理装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0116】
1(1a、1b、1c)…アイコン
11…表示部
12…タッチパネル
14…アンテナ
15…CPU
17…マイクロフォン
19…フラッシュメモリ
20…センサ
100、200…情報処理端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツの各起動操作の対象となる複数の操作対象画像を出力する出力部と、
前記各起動操作を含むユーザの操作が入力される操作入力部と、
前記複数のコンテンツと、前記各起動操作の履歴情報とを記憶する記憶部と、
前記履歴情報を基に、前記複数の操作対象画像に前記各起動操作が入力されない期間の長さに応じたレベルで、前記複数の操作対象画像に経年変化の表現を付与し、かつ、前記経年変化の表現が付与された操作対象画像に、前記各起動操作とは異なる所定の操作が入力された場合に、前記経年変化の表現の少なくとも一部を消去するように、前記出力部を制御する制御部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記各操作対象画像に付与された経年変化の表現の段階が所定の閾値を超えた場合に当該各操作対象画像を消去するように前記出力部を制御する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記経年変化の表現として、前記各操作対象画像上に埃を表現した埃画像を重畳し、前記所定の操作として、前記各操作対象画像上で所定時間内に所定方向で往復するドラッグ操作が入力された場合に、前記各操作対象画像から前記埃画像を消去するように前記出力部を制御する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記各操作対象画像上で入力された前記ドラッグ操作の回数に応じて前記埃画像を所定量ずつ消去するように前記出力部を制御し、当該消去後に前記各操作対象画像上に残った埃画像の量に応じて、前記各起動操作が入力されない期間を計算する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記操作入力部はタッチパネルを有し、
前記制御部は、前記タッチパネル上での前記ユーザの指による前記ドラッグ操作中の接触圧力または接触面積に応じて、前記消去される埃画像の量を可変するように前記出力部を制御し、当該消去後に前記各操作対象画像上に残った埃画像の量に応じて、前記各起動操作が入力されない期間を計算する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記出力部は、前記各操作対象画像を平面方向から捉えた第1の画面と、前記各操作対象画像を側面方向から捉えた第2の画面とを切り替えて出力可能であり、
前記制御部は、
前記経年変化の表現として、前記第1の画面上及び前記第2の画面上で、前記各操作対象画像が当該各操作対象画像の主面の垂直方向に沈み込むような三次元表現を付与し、
前記所定の操作として、前記第2の画面上で前記沈み込んだ各操作対象画像を上方に移動させるドラッグ操作が入力された場合に、当該ドラッグ操作後に切り替わった前記第1の画面上で、前記ドラッグ操作による前記各操作対象画像の移動距離に応じて、前記沈み込むような三次元表現を変化させる
ように前記出力部を制御する
情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
当該情報処理装置の傾きを検出するセンサをさらに具備し、
前記制御部は、前記センサにより検出された傾きに応じて前記第1の画面と前記第2の画面とを切り替えるように前記出力部を制御する
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記記憶部は、前記各コンテンツの種別を示すメタデータを記憶し、
前記制御部は、前記記憶されたメタデータに応じて、前記経年変化の表現の程度を可変するように前記出力部を制御する
情報処理装置。
【請求項9】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、特定のコンテンツに対応する前記操作対象画像については前記経年変化の表現を付与しないように前記出力部を制御する
情報処理装置。
【請求項10】
複数のコンテンツの各起動操作の対象となる複数の操作対象画像を出力し、
ユーザから前記各起動操作を受け付け、
前記各起動操作の履歴情報を記憶し、
前記履歴情報を基に、前記複数の操作対象画像に前記各起動操作が入力されない期間の長さに応じたレベルで、前記複数の操作対象画像に経年変化の表現を付与し、
前記経年変化の表現が付与された操作対象画像に、前記各起動操作とは異なる所定の操作が入力された場合に、前記経年変化の表現の少なくとも一部を消去する
情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置に、
複数のコンテンツの各起動操作の対象となる複数の操作対象画像を出力するステップと、
ユーザから前記各起動操作を受け付けるステップと、
前記各起動操作の履歴情報を記憶するステップと、
前記履歴情報を基に、前記複数の操作対象画像に前記各起動操作が入力されない期間の長さに応じたレベルで、前記複数の操作対象画像に経年変化の表現を付与するステップと、
前記経年変化の表現が付与された操作対象画像に、前記各起動操作とは異なる所定の操作が入力された場合に、前記経年変化の表現の少なくとも一部を消去するステップと
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−83881(P2012−83881A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228380(P2010−228380)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】