説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム

【課題】不特定のユーザがログインした取得先情報を利用して画面情報を取得することができないようにする。
【解決手段】サーバ装置から取得する情報を用いて画面表示を行う情報処理装置において、前記情報を取得するための取得先情報を記録しておく。そして、サーバ装置からユーザがログオフしたことを示すログオフ通知をサーバ装置から受信(S601)したことに応じて、記録手段に記録された前記取得先情報を削除(S602)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置から画面情報を取得して表示処理を行う情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PCなどの情報処理装置がネットワーク上のWebサーバと接続され、Webサーバにより提供される画面情報を、情報処理装置が備えるWebブラウザ上に表示することが知られている。
【0003】
この場合、情報処理装置がWebブラウザにより、URLを指定することにより、Webサーバに対して操作画面の取得要求を行う。WebサーバはWebアプリケーションにより情報処理装置からの取得要求に応えて、Webブラウザに表示させるためのHTMLデータを生成し情報処理装置に送信する。情報処理装置はWebブラウザにより、受信したHTMLデータを解析し、受信したHTMLデータの記述に基づいた画面を表示する。
【0004】
さらに情報処理装置は、Webブラウザに表示された画面に対するユーザによる情報の入力を受け付けると、入力された情報をWebサーバに対して通知することが可能である。そして、この通知を受けたWebサーバは、Webアプリケーションにより、入力された情報に従って処理を実行し、再びHTMLデータを情報処理装置に送信する。
【0005】
ところで、Webブラウザに対してユーザにより入力されたURLは記録され、当該URLを選択する、あるいは当該URLと関連付けられた、Webブラウザに設けられたボタンを押下することで、当該URLへ再び接続することが可能である。
【0006】
しかしながら、無条件にURLを記録することは、特に不特定のユーザが使用することが想定されるMFP(MultiFunctionalPeripheral)を代表とする情報処理装置に備えられたブラウザにおいて、他人が利用したURLに接続できてしまう等、操作性あるいはセキュリティの面で課題となる。
【0007】
特許文献1では、ブラウザを操作するユーザを識別する情報と関連付けてURLを記録することで、操作性およびセキュリティの向上を図る技術が紹介されている。
また、特許文献2にはブラウザが情報処理装置の操作画面に表示されている間だけURLを記録し、ブラウザが終了する、又は他の画面に切り替わる際に当該URLを削除することで操作性及びセキュリティの向上を図る技術が紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−153346号公報
【特許文献2】特開2006−134261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように構成された情報処理装置において、不特定のユーザが、情報処理装置に備えられ常に起動、表示されたブラウザを操作し、Webアプリケーションを利用する機会は多い。
【0010】
一方、Webサーバに用意されるWebアプリケーションは、当該ユーザによるWebサーバへのログイン指示により利用可能となり、ログオフ指示により利用不可となる。
ここで、ログイン、ログオフと無関係に常に表示され利用されるブラウザが記録するURLは本来、特定のユーザがWebサーバへのログインを継続している間だけ保持されることが、操作性、セキュリティ上望ましい。
【0011】
こうした状況下、特許文献1はブラウザを操作するユーザを識別することができないため、不特定のユーザにより指定される任意のURLが記録され、操作性、セキュリティが守られない。
【0012】
また、特許文献2も同様で、常に表示されたブラウザに対しては不特定のユーザにより指定された任意のURLが記録され、操作性、セキュリティが守られない、という課題が残る。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、画面表示に用いる情報をサーバ装置から取得するために必要な取得先情報を適切に削除できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成する本発明の情報処理装置は以下に示す構成を備える。
サーバ装置から取得する情報を用いて画面表示を行う情報処理装置であって、前記情報を取得するための取得先情報を記録する記録手段と、前記サーバ装置からユーザがログオフしたことを示すログオフ通知を、前記サーバ装置から受信する受信手段と、前記受信手段が前記ログオフ通知を受信したことに応じて、前記記録手段に記録された前記取得先情報を削除する削除手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画面表示に用いる情報をサーバ装置から取得するために必要な取得先情報を適切に削除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】情報処理装置を含むシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示したMFPの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した操作部の外観構成を示す図である。
【図4】図1に示したWebサーバの構成を示すブロック図である。
【図5】情報処理システムのソフトウエア構成を説明するための図である。
【図6】情報処理装置における制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図5に示した解析部が管理するテーブルの一例を示す図ある。
【図8】Webサーバから取得する制御情報の一例を示す図である。
【図9】サーバ装置のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】情報処理装置の制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】アプリケーション管理部が保持するテーブルの一例を示す図である。
【図12】サーバ装置のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、実施形態は発明の特徴を説明する都合上、特許請求の範囲に限定しない。また本発明の特徴を説明するのに好適であるという理由で情報処理装置としてMFPを用いるが、本発明の適用はMFPに限定されるものではない。
【0018】
図1は、本実施形態を示す情報処理装置を含むシステムの全体構成を示す図である。LAN110には、MFP101、Webサーバ102が互いに通信可能に接続されている。なお、本実施形態では、情報処理装置として、複合機(MFP(Multi Function Peripheral))の例を示すが、Webサーバを備えて、Webサーバから画面情報を取得可能な情報処理装置であればMFPに限定されない。また、本実施形態では、情報処理装置としての複合機のWebブラウザがWebサーバから画面情報を取得して、操作部に各種のユーザインタフェースを表示する例を説明する。さらに、画面情報を取得する際の取得先情報は、URLの例を示す。また、画面情報は、例えばHTML形式で作成されたコンテンツとする。
【0019】
また、Webサーバ102は、ログ情報としてログイン又はログオフを示すログ種別をMFP101に通知可能に構成されている。
図2は、図1に示したMFP101の構成を示すブロック図である。
図2において、CPU211を含む制御部210は、MFP101全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して読取制御や送信制御などの各種制御処理を実行する。
【0020】
RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD214は、画像データや各種プログラム、或いは各種情報テーブルなどを記憶する。
【0021】
操作部I/F215は、操作部219と制御部210とを接続する。操作部219には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。
また、MFP101には後述するWebブラウザ機能が備えられており、MFP101のWebブラウザはWebサーバ102から受信したHTMLファイルを解析し、受信したHTMLファイルの記述に基づく操作画面を操作部219上に表示する。操作部219の詳細は後述する。
【0022】
プリンタI/F216は、プリンタ220と制御部210とを接続する。プリンタ220で印刷すべき画像データはプリンタI/F216を介して制御部210からプリンタ220に転送され、プリンタ220において記録媒体上に印刷される。
【0023】
スキャナI/F217は、スキャナ221と制御部210とを接続する。スキャナ221は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。
【0024】
ネットワークI/F218は、制御部210をLAN110に接続する。ネットワークI/F218は、LAN110上の外部装置(例えば、Webサーバ102)に画像データや情報を送信したり、LAN110上の外部装置から各種情報を受信したりする。
【0025】
図3は、図2に示した操作部219の外観構成を示す図である。
図3において、操作部219は、LCD上にタッチパネルシート302が貼られているLCD表示部301を有する。このLCD表示部301にはWebブラウザが表示する操作画面およびソフトキーが表示されるとともに、表示されているキーが押されると、押された位置を示す位置情報をCPU211に伝える。ここで、ブラウザが表示する操作画面は、Webサーバ102が作成したコンテンツ、例えばHTML形式で作成されている。
【0026】
また、操作部219には、スタートキー303、ストップキー304、リセットキー305、ガイドキー306、トップメニューキー307、数値キー308の各種ハードキーが設けられ、スタートキー303の中央部には、緑と赤の2色LED表示部309が設けられている。ハードウエアキーは本発明を特徴付けるものはないため詳細には言及しない。
【0027】
図4は、図1に示したWebサーバ102の構成を示すブロック図である。
図4において、CPU411を含む制御部410は、Webサーバ102全体の動作を制御する。CPU411は、ROM412に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM413は、CPU411の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD414は、画像データや各種プログラム、或いは各種情報テーブルを記憶する。
【0028】
ネットワークI/F415は、制御部410(Webサーバ102)をLAN110に接続する。ネットワークI/F415は、LAN110上の他の装置との間で各種情報を送受信する。
【0029】
図5は、図1に示した情報処理システムのソフトウエア構成を説明するための図である。以下、図1に示した情報処理システムを構成するWebサーバ102とMFP101のソフトウエア構成について説明する。
【0030】
なお、図5に示すソフトウエアを構成する各機能部は、MFP101/Webサーバ102のそれぞれに備えられているCPU211、411が制御プログラムを実行することにより実現される。
【0031】
図5において、MFP101はWebブラウザ504と操作部制御部508を備えている。
Webブラウザ504は通信部505、解析部506、画面表示部507を備える。
通信部505はHTTPプロトコルに従ってWebアプリケーション501のプレゼンテーション部502と通信する。より具体的には、通信部505は、Webブラウザ504で表示する操作画面をWebアプリケーション501に対して要求したり、Webブラウザ504で表示した操作画面を介して入力されたユーザからの指示をWebアプリケーション501に通知したりする。
【0032】
また本発明の特徴として、操作部制御部508に備えられる通信部509と通信し、アプリケーション管理部510に対してWebサーバ102へのログインまたはログオフに関する通知を行う。詳細は後述する。
【0033】
解析部506はWebアプリケーション501に対してHTMLを要求する際に指定するURLを履歴として記録し、Webアプリケーション501から受信するHTMLファイルを解析する。このHTMLファイルにはWebブラウザ504に表示すべき操作画面の内容を示す記述が含まれる。同時に解析部506は本発明の特徴であるURLの履歴記録の仕方に関する指示を履歴管理部511から受信する。詳細は後述する。
【0034】
画面表示部507は解析部506による解析の結果に基づいて、操作部219に操作画面、特に本発明の特徴として、Webアプリケーション501から受信する情報(HTMLファイルなど)を指定するURL文字列を表示する。
【0035】
操作部制御部508は通信部509、アプリケーション管理部510、履歴管理部511を備える。
通信部509はWebブラウザ504の通信部505に対して処理依頼をしたり、Webアプリケーション501が有するロジック部503から処理依頼を受け付けたりする。
アプリケーション管理部510は通信部509を通してロジック部503から直接または通信部505、プレゼンテーション部502を介してロジック部503から、本発明の特徴である、Webサーバ102へのログインあるいはログオフに関する情報を受け付ける。
【0036】
履歴管理部511はアプリケーション管理部510からの指示に基づき、通信部505、509を介し解析部506に対して、URLの履歴記録の仕方に関わる処理を依頼する。
【0037】
Webサーバ102は、Webアプリケーション501を備える。
Webアプリケーション501は、プレゼンテーション部502とロジック部503を備える。Webアプリケーション501とプレゼンテーション部502とロジック部503はそれぞれ、Webサーバ102が有しているCPU411が制御プログラムを実行することにより実行される。
【0038】
プレゼンテーション部502は、通信部505と通信し、MFP101からの送信されるリクエストを受信し、受信したリクエストをロジック部503に通知し、ロジック部503からの応答を待つ。ロジック部503からの応答を受け取ったプレゼンテーション部502はMFP101のWebブラウザ504で表示すべき操作画面に対応するHTMLデータ、ならびに制御情報としてWebサーバ102へのログインまたはログオフに関する情報をレスポンスとして送信する。
【0039】
ロジック部503は、プレゼンテーション部502から通知されるリクエストに応じて各種処理を実行するとともに、MFP101にて表示する画面情報のHTMLファイルを生成する。同時に、ロジック部503はMFP101にて実行する処理の制御を行うための制御情報を生成する。
【0040】
ここで、制御情報とは具体的には、Webサーバ102へのログインあるいはログオフに関わる情報である。MFP101に対して処理の実行を依頼する場合、ロジック部503は、生成したHTMLファイルをプレゼンテーション部502に対して渡すとともに、生成した制御情報をプレゼンテーション部502または通信部509に対して渡す。
【0041】
〔WebサーバのログオフによりURL履歴を削除する処理〕
以下、本発明の情報処理装置の一例であるMFPがログオフ通知に同期して操作履歴を削除する処理について、図6、図7の(A)〜(D)、図8を用いて説明する。
【0042】
図6は、本実施形態を示す情報処理装置における制御手順の一例を示すフローチャートである。本例は、MFP101で実行されるURL履歴を削除する処理例である。なお、各ステップは、MFP101のCPU211がROM212、HDD214から制御プログラムをRAM213にロードして実行することにより実現される。
【0043】
図7は、図5に示した解析部506が管理するテーブルの一例を示す図である。
なお、図7の(A)は解析部506に記録されているURL履歴のテーブルの一例で、具体的な履歴情報を有する。
図7の(B)は解析部506に記録されているURL履歴のテーブルが図7(a)の状態に対応した、画面表示部507に表示されるURL履歴に関わる表示の一例である。
図7の(C)は解析部506に記録されているURL履歴のテーブルの一例であり、具体的な履歴が存在しない。図7の(D)は解析部506に記録されているURL履歴のテーブルが図7の(C)の状態に対応した、画面表示部507に表示されるURL履歴に関わる表示の一例である。
【0044】
処理が開始されると、任意のユーザ名によるWebサーバ102へのログインが完了し、またWebブラウザ504がWebアプリケーション501へ応答要求をし、その際解析部506が要求先となるURLを記録する。
【0045】
S601で、MFP101の通信部509は、Webサーバ102にてユーザのログオフ処理がなされた際に、その旨を示すログオフ通知をWebサーバ102から受信して確認したら、アプリケーション管理部510に記録する。
【0046】
なお、通知手段は、Webサーバ102に備わるプレゼンテーション部502から受信するレスポンスに含まれる制御情報であったり、あるいはWebサーバ102に備わるロジック部503からの直接通知であったり、その形式は問わない。プレゼンテーション部502から受信するレスポンスに含まれる制御情報の一例を図8に示す。
【0047】
図8において、1201はHTTPヘッダの形式の例示であり、その内容の一部である1202がログオフ通知を表す。
次に、S602で、解析部506が、S601にてログオフ通知を受信したことを条件として履歴管理部511からの削除指示に応じて、記録されているURL履歴を削除して、本処理を終了する。
【0048】
これにより、例えばS601が実行された直後の、解析部506に記録されているURL履歴が図7の(A)、これに基づき画面表示部507が表示するURL履歴に関わる表示が図7の(B)である。
【0049】
S602が実行された直後の、解析部506に記録されているURL履歴が図7の(C)であり、これに基づき画面表示部507が表示するURL履歴に関わる表示が図7の(D)である。
【0050】
図9は、本実施形態を示すサーバ装置のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図1に示したWebサーバ102で実行されるURL履歴を削除する処理例である。なお、各ステップは、Webサーバ10が備えるCPUがRAM等に制御プログラム(図5に示したプレゼンテーション部502等を含む)をロードして実行することで実現される。
【0051】
まず、S901で、プレゼンテーション部502がMFP101のWebブラウザ504からコンテンツ要求をネットワークを介して受信する。ここで、コンテンツとは、MFP101の操作部219に表示すべき操作画面を構成する情報である。
【0052】
次に、S902で、プレゼンテーション部502は、Webサーバ102へログオフなどのメソッドを、Webブラウザ504へのユーザ指示により入力可能なHTMLファイル(コンテンツ)としてMFP101に送信する。
【0053】
次に、S903で、プレゼンテーション部502がMFP101のユーザ指示により情報が入力されたメソッドを受信する。そして、S904で、プレゼンテーション部502またはロジック部503がMFP101へメソッド、具体的にはログオフを通知して、本処理をする。
【0054】
これにより、Webブラウザ504がWebサーバ102からログオフに関わる情報を取得すると、操作画面を要求したURLの情報が自動的に削除され、先にログインしたユーザのURL履歴がそのまま残ってしまう事態を回避できる。
【0055】
〔第2実施形態〕
〔ユーザ名を考慮してURL履歴を削除する処理〕
以下、図10、図11、および図12を用いて、Webサーバ102から通知される、Webサーバ102のログインに関する情報に含まれるユーザ情報を考慮してURL履歴を削除する実施形態について説明する。
【0056】
図10は、本実施形態を示す情報処理装置の制御手順の一例を示すフローチャートである。本例は、MFP101で実行されるURL履歴を削除する処理例である。なお、各ステップは、MFP101のCPU211がROM212、HDD214から制御プログラムをRAM213にロードして実行することにより実現される。
【0057】
図11は、図1に示したアプリケーション管理部510が保持するテーブルの一例を示す図である。
なお、図11の(A)はアプリケーション管理部510が保持する、Webサーバ102において、どのユーザがログインあるいはログオフした直後の状態かを管理するテーブルである。図11の(A)に示すテーブルは、ユーザ"User1"(ユーザ1002)がログインした状態1001であることを表している。図11の(B)は図11の(A)と同様でるが、ユーザ"User1"(ユーザ1003)がログオフした状態1004であることを表している。
【0058】
処理が開始されると、Webブラウザ504がWebアプリケーション501へ応答要求をし、その際、解析部506が要求先となるURLを記録する。なお、URLの記録先は、MFP101が備えるRAM213である場合と、HDD214の場合とを含む。
【0059】
まず、S1001で、MFP101の通信部509がWebアプリケーション501から、Webサーバ102でどのユーザがログインあるいはログオフしたか、に関する通知を受信する。なお、通知手段はWebサーバ102に備わるプレゼンテーション部502から受信するレスポンスに含まれる制御情報であったり、あるいはWebサーバ102に備わるロジック部503からの直接通知であったり、その形式は問わない。
【0060】
また、Webサーバ102のプレゼンテーション部502から受信するレスポンスに含まれる制御情報の一例は図8と同様であるが、ログオフ通知を意味する情報1202の他に、ユーザ名が含まれることになる。
【0061】
例えばユーザ名が"User1"の場合「X−Meapweb−App:Status=login,user=User1」のような形式である。
次に、S1002で、アプリケーション管理部510がS1001でロジック部503から受信する情報から通知した情報の種別、すなわちログインかログオフか、およびユーザ名を取得する。
【0062】
次に、S1003で、アプリケーション管理部510が、通知種別がログオフか否かを判定する。ここで、アプリケーション管理部510がログオフと判定した場合は、S1004へ移行する。
【0063】
そして、S1004で、アプリケーション管理部510が通知種別をログオフに更新する。ただし、S1004の処理は、アプリケーション管理部510が保持するテーブルには、S1002で取得したユーザ名と同一のユーザ名が、通知種別がログインで記録されていることを前提としている。
【0064】
例えば取得したユーザ名を"User1"とした場合、図11の(A)に示すテーブルが前提であり、S1004の直後のテーブルが図11の(B)である。
一方、S1003でログオフではないとアプリケーション管理部510が判断した場合、S1005へ進む。
そして、S1005で、アプリケーション管理部510が、ロジック部503から受信した情報の通知種別がログインか否かを判定する。ここで、ログインであるとアプリケーション管理部510が判定した場合は、S1006へ移行する。
【0065】
S1006では、アプリケーション管理部510が、S1002で取得したユーザ名と異なるユーザが通知種別「ログオフ」と関連付いて記録されているか否かを判定する。ここで、ユーザ名と異なるユーザが通知種別「ログオフ」と関連付いて記録されているとアプリケーション管理部510が判定した場合は、S1007に移行する。
【0066】
なお、S1006で、判定が実施される直前のテーブルが図11の(B)で、取得したユーザ名が"User2"(User1と異なる)の場合は、ユーザ名と異なるユーザが通知種別「ログオフ」と関連付いて記録されていると判定される。
【0067】
次に、S1008で、履歴管理部511が解析部506に対して解析部506に記録されているURL履歴の削除を指示する。この結果、解析部506に記録されているURL履歴は削除される。
【0068】
これにより、処理がS1003からS1004に進む場合は、URL履歴を削除する処理は実行されない。これはログオフしたユーザが直後にログインした場合に履歴を利用したい、という要求に応えるためである。
【0069】
一方、S1007では、前のS1005、S1006で異なるユーザがログインしたと判断できるため、ここで初めて履歴を削除する。
次に、S1008で、アプリケーション管理部510が記録済のユーザ名と通知種別を削除する。そして、S1009で、アプリケーション管理部510がS1002で取得したユーザ名と通知種別を記録して、本処理を終了する。
【0070】
一方、S1006で、アプリケーション管理部510が、取得したユーザ名と同一のユーザ名が通知種別「ログオフ」で記録されていると判断した場合は、S1010へ進む。
そして、S1010で、アプリケーション管理部510が通知種別を更新して、本処理を終了する。
なお、S1005で、アプリケーション管理部510が、ログインではないと判断した場合の処理は本発明とは関係がないため処理を終了する。
図12は、本実施形態を示すサーバ装置のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、Webサーバ102で実行されるURL履歴を削除する処理例である。
本例は、図1に示したWebサーバ102で実行されるURL履歴を削除する処理例である。なお、各ステップは、Webサーバ10が備えるCPUがRAM等に制御プログラム(図5に示したプレゼンテーション部502等を含む)をロードして実行することで実現される。
【0071】
まず、S1201で、プレゼンテーション部502がMFP101のWebブラウザ504から要求をネットワークを介して受信する。次に、S902で、プレゼンテーション部502はWebサーバ102へログオフなどのメソッドを、Webブラウザ504へのユーザ指示により入力可能なHTMLファイル(コンテンツ)をMFP101に送信する。
【0072】
次に、S1203で、プレゼンテーション部502がユーザ指示により入力されたメソッドを受信する。そして、S1204で、プレゼンテーション部502またはロジック部503がMFP101へメソッド、具体的にはログオフを、同時にログオフと関連するユーザ名を通知して、本処理を終了する。
【0073】
これにより、MFP101を利用して先にログインしたユーザに代わり、他のユーザがログインした場合に、操作画面のコンテンツを取得したURLの情報がそのまま記録されて、他のユーザに利用可能な状態となってしまうことを回避できる。
【0074】
また、不特定のユーザが情報処理装置に備えられ常に表示されたブラウザを操作する過程で、利用者以外のユーザの履歴に基づくURLを参照することがなくなり、操作性、セキュリティ両面での向上を図ることができる。
【0075】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウエア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0076】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0077】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【符号の説明】
【0078】
101 MFP
102 Webサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置から取得する情報を用いて画面表示を行う情報処理装置であって、
前記情報を取得するための取得先情報を記録する記録手段と、
前記サーバ装置からユーザがログオフしたことを示すログオフ通知を、前記サーバ装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が前記ログオフ通知を受信したことに応じて、前記記録手段に記録された前記取得先情報を削除する削除手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
サーバ装置から取得する情報を用いて画面表示を行う情報処理装置であって、
前記サーバ装置から通知されるログイン又はログオフを示すログ情報と、ユーザ情報と、前記情報を取得するための取得先情報とを対応づけた履歴情報を記録する記録手段と、
前記サーバ装置から通知されるログ情報がログインである場合、当該ログインするユーザ情報が直前にログインしたユーザ情報と同一かどうかを前記履歴情報を参照して判断する判断手段と、
前記判断手段によりログインしたユーザ情報が同一と判断した場合、前記履歴情報の前記ログ情報を更新し、前記判断手段によりログインしたユーザ情報が異なると判断した場合、前記記録手段に記録された前記履歴情報を削除する削除手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記取得先情報は、前記サーバ装置から前記情報を取得するためのURLであることを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
サーバ装置から取得する情報を用いて画面表示を行う情報処理装置の制御方法であって、
前記情報を取得するための取得先情報を記録手段に記録する記録工程と、
前記サーバ装置からユーザがログオフしたことを示すログオフ通知を、前記サーバ装置から受信する受信工程と、
前記受信工程で前記ログオフ通知を受信したことに応じて、前記記録手段に記録された前記取得先情報を削除する削除工程と、
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項5】
サーバ装置から取得する情報を用いて画面表示を行う情報処理装置の制御方法であって、
前記サーバ装置から通知されるログイン又はログオフを示すログ情報と、ユーザ情報と、前記情報を取得するための取得先情報とを対応づけた履歴情報を記録手段に記録する記録工程と、
前記サーバ装置から通知されるログ情報がログインである場合、当該ログインするユーザ情報が直前にログインしたユーザ情報と同一かどうかを前記履歴情報を参照して判断する判断工程と、
前記判断工程によりログインしたユーザ情報が同一と判断した場合、前記履歴情報の前記ログ情報を更新し、前記判断工程によりログインしたユーザ情報が異なると判断した場合、前記記録手段に記録された前記履歴情報を削除する削除工程と、
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−38121(P2012−38121A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178305(P2010−178305)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】