説明

情報処理装置、指導案評価プログラム及び指導案評価方法

【課題】指導案の評価を行なうことを課題とする。
【解決手段】情報処理装置は、イベントと、イベントを検出するルールとを対応付けて記憶するイベント検出ルールテーブルを有する。また、情報処理装置は、イベントに関する情報を記憶する指導案イベントテーブルを有する。そして、情報処理装置は、イベント検出ルールテーブルに記憶されたルールを用いて、取得した人の言動に関する情報からイベントに関する情報を検出する。また、情報処理装置は、指導案イベントテーブルに記憶されたイベントに関する情報ごとに、検出したイベントに関する情報それぞれの類似度を算出し、このうちの最大の類似度が所定閾値以上であるイベントを抽出する。また、情報処理装置は、抽出したイベントと、指導案イベントテーブルに記憶されたイベントとの合致度合いを示す指導案の評価値を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、指導案評価プログラム及び指導案評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、教育現場等において、教師が授業を行なうにあたり、年間指導計画に基づき、どのように指導するかを計画している。これをふまえて、1回分の授業の指導内容を、一定の形式にまとめたものが、学習指導案である(以降、「指導案」と記述)。指導案には、例えば、授業時間内の各学習項目の時間配分、教師の働きかけや予想される生徒の反応といった授業活動、指導上の留意点等の情報が含まれている。つまり、指導案には、教師の指導のノウハウが書かれている。
【0003】
また、教育現場、特に公教育の場においては、教師の違いで生徒への指導に大きな差が生じることは望ましくない。しかし、経験の浅い新任教師とベテラン教師等、それぞれの教師が持っているノウハウは当然異なってくる。他の教師のノウハウを取り入れることが、より良い指導を行なうためには重要であるが、授業はそれぞれの学級の中で、日々決まった時間に並行して行なわれており、教師が他の教師の授業に触れる機会は少ない。そのため、教師個人にノウハウが閉じてしまうことが多い。
【0004】
そこで、教師間で指導ノウハウを共有するために、複数の教師の指導案を蓄積する指導案データベースがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−229948号公報
【特許文献2】国際公開第2005/027092号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の指導案データベースには、指導案の評価情報がないという課題がある。単純にデータベースに指導案を蓄積して共有をするだけでは、指導案の質が玉石混交であることから、結局活用されなくなる。検索エンジンが、質の良いWebページが検索結果の上位に並ぶようにランク付けをして利用者に提示するように、指導案データベースも、大量に貯まった指導案をただ見せるのではなく、質の良い指導案の順にランク付けして提示することが好ましい。
【0007】
関連技術として、例えば、実際の授業中の生徒の集中度を脳波で測定することにより、授業教材の評価を行なう技術がある。指導案の評価のために、例えば、この技術を用いて、授業教材の評価が良かった授業の指導案を良い指導案とすることが考えられるものの、授業が本当に指導案に沿って行なわれたとは限らず、途中で指導案は無視されて授業が進行した可能性もある。そのような場合に、該当の指導案を良い指導案と評価づけるのは好ましくない。計画に対し実績がどうであったかを確かめずに、指導案が良いかを評価することは適切とは限られない。
【0008】
また、授業の計画と実績が合致しているかを確かめるための関連技術として、例えば、会議時中の音声データと人手により作成された議事録文書との比較を行ない、抜け等がないかチェックする議事録作成支援技術がある。しかし、実際に行なわれた会話を正しく記録することが目的である会議の議事録とは異なり、授業の指導案は、授業のキーとなる教師の働きかけや予想される生徒の反応がポイント的に書かれているものである。すなわち、授業の指導案は、授業で発声する全ての言葉が詳細に掲載されているものではない。そのため、一言一句を対応付ける従来技術を用いて、授業の音声データと指導案文書を比較するだけでは、計画通りに授業が進行したか判別するのは難しい。
【0009】
そこで、本願に開示する技術は、上記に鑑みてなされたものである。本願に開示する技術は、実際の授業内容と、その授業で利用された指導案で予定されていた内容を比較し、合致度を見ることで、指導案の評価を行なうことが可能である情報処理装置、指導案評価プログラム及び指導案評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本願に開示する情報処理装置は、人の言動の状態を示すイベントと、該イベントを検出するルールとを対応付けて記憶するイベント検出ルール記憶部と、授業の進行に係る指導案から作成された前記イベントに関する情報を記憶する指導案イベント記憶部と、人の言動に関する情報を取得する取得部と、前記イベント検出ルール記憶部に記憶されたルールを用いて、前記取得部で取得した人の言動に関する情報からイベントに関する情報を検出するイベント検出部と、前記指導案イベント記憶部に記憶されたイベントに関する情報ごとに、前記イベント検出部で検出したイベントに関する情報それぞれの類似度を算出し、算出した類似度のうち、最大となる類似度が所定閾値以上であるイベントを抽出するイベント抽出部と、前記イベント抽出部で抽出したイベントと、前記指導案イベント記憶部に記憶されたイベントとの合致度合いを示す指導案の評価値を算出する評価値算出部とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本願に開示する情報処理装置、指導案評価プログラム及び指導案評価方法の一つの様態は、実際の授業内容と、その授業で利用された指導案で予定されていた内容を比較し、合致度を見ることで、指導案の評価を行なうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施例1に係る情報処理装置を含むシステム構成を説明する図である。
【図2】図2は、実施例1に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【図3】図3は、ユーザプロファイルテーブルが記憶する情報の例を示す図である。
【図4】図4は、授業記録センサ情報テーブルが記憶する情報の例を示す図である。
【図5】図5は、イベント検出ルールテーブルが記憶する情報の例を示す図である。
【図6】図6は、授業記録イベントテーブルが記憶する情報の例を示す図である。
【図7】図7は、教師が作成する指導案の例を示す図である。
【図8】図8は、指導案イベントテーブルが記憶する情報の例を示す図である。
【図9】図9は、対応付けテーブルが記憶する情報の例を示す図である。
【図10】図10は、指導案共有DBが記憶する情報の例を示す図である。
【図11A】図11Aは、授業記録生成のイメージ図である。
【図11B】図11Bは、授業記録生成のイメージ図である。
【図11C】図11Cは、授業記録生成のイメージ図である。
【図11D】図11Dは、授業記録生成のイメージ図である。
【図12A】図12Aは、指導案イベントと授業記録イベントとの対応付けのイメージ図である。
【図12B】図12Bは、指導案イベントと授業記録イベントとの対応付けのイメージ図である。
【図12C】図12Cは、指導案イベントと授業記録イベントとの対応付けのイメージ図である。
【図12D】図12Dは、指導案イベントと授業記録イベントとの対応付けのイメージ図である。
【図13A】図13Aは、時間が余った場合のずれパターンを説明する図である。
【図13B】図13Bは、時間が足りなかった場合のずれパターンを説明する図である。
【図13C】図13Cは、途中から予定に沿わなかった場合のずれパターンを説明する図である。
【図14】図14は、実施例1に係るセンサ情報取得処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、実施例1に係る授業記録処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図16】図16は、実施例1に係る対応付け処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図17】図17は、実施例1に係るイベント再現率算出処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図18】図18は、実施例1に係る時間スコア算出処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図19】図19は、指導案作成支援アプリケーションの画面例を示す図である。
【図20】図20は、指導案評価プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本願に開示する情報処理装置、指導案評価プログラム及び指導案評価方法の実施例を説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0014】
[システム構成]
図1を用いて、実施例1に係る情報処理装置を含むシステム構成を説明する。図1は、実施例1に係る情報処理装置を含むシステム構成を説明する図である。
【0015】
例えば、図1に示すように、本実施例に係るシステムには、端末10a〜10n(nは、自然数)と、情報処理装置100とが含まれる。端末10a〜10nそれぞれと情報処理装置100とは、例えば、インターネット等のネットワークを介して通信可能である。また、端末10a〜10nは、一つの様態として、一教室内に所在の教師や生徒によって所有される。一方、情報処理装置100は、PC(Personal Computer)やサーバ装置等であり、一つの様態として、任意の場所に設置される。
【0016】
上記構成において、端末10a〜10nは、授業中に所有者の発声から得られる音声データファイルや所有者による操作のログ等とともに、発声時及び操作時の時間情報と、自端末のセンサID(identifier)とを情報処理装置100に送信する。操作のログの一例としては、文字入力で得られる文字データや、手書き文字の画像ファイル等が挙げられる。すなわち、端末10a〜10nは、音声や操作ログ等を取得するセンサを有する。一方、情報処理装置100は、端末10a〜10nそれぞれから送信された各種データに基づいて、実際の授業内容と、その授業で利用された指導案で予定されていた内容を比較し、合致度を見ることで、指導案の評価を行なう。なお、情報処理装置100による詳細な処理については後述する。
【0017】
[情報処理装置の構成]
図2を用いて、実施例1に係る情報処理装置の構成を説明する。図2は、実施例1に係る情報処理装置の構成例を示す図である。例えば、図2に示すように、情報処理装置100は、記憶部110と、制御部120とを有する。
【0018】
記憶部110は、例えば、制御部120による各種処理に要するデータや、制御部120による各種処理結果を記憶する。また、記憶部110は、センサデータ111と、ユーザプロファイルテーブル112と、授業記録センサ情報テーブル113と、イベント検出ルールテーブル114とを有する。さらに、記憶部110は、授業記録イベントテーブル115と、指導案イベントテーブル116と、対応付けテーブル117と、指導案共有DB(database)118とを有する。なお、記憶部110は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。
【0019】
本実施例では、授業中、教師や生徒がひとり1台の端末を所有することを想定しており、各端末の利用者は固定としている。センサデータ111は、例えば、端末10a〜10nから送信された音声データファイル、操作ログ、端末のセンサID、時間情報等を記憶する。ユーザプロファイルテーブル112は、例えば、端末10a〜10nそれぞれのセンサIDと、端末10a〜10nそれぞれのセンサ種別と、端末10a〜10nそれぞれを所有する人の人IDとを対応付けて記憶する。
【0020】
図3は、ユーザプロファイルテーブル112が記憶する情報の例を示す図である。例えば、図3に示すように、ユーザプロファイルテーブル112は、「センサID」と、「センサ種別」と、「人ID」とを対応付けて記憶する。このうち、センサIDとは、端末10a〜10nそれぞれを識別する情報である。また、センサ種別とは、端末10a〜10nそれぞれのセンサで得たデータの種別を示す情報である。また、人IDとは、端末10a〜10nそれぞれの所有者を識別する情報である。
【0021】
例を挙げると、ユーザプロファイルテーブル112は、センサID「1」と、センサ種別「音声」と、人ID「先生01」とを対応付けて記憶する。他の例を挙げると、ユーザプロファイルテーブル112は、センサID「1」と、センサ種別「端末操作」と、人ID「先生01」とを対応付けて記憶する。他の例を挙げると、ユーザプロファイルテーブル112は、センサID「2」と、センサ種別「音声」と、人ID「生徒01」とを対応付けて記憶する。他の例を挙げると、ユーザプロファイルテーブル112は、センサID「2」と、センサ種別「端末操作」と、人ID「生徒01」とを対応付けて記憶する。
【0022】
ここで、図3に示すセンサID「1」と「1」とは、同一の端末に対するセンサIDを示している。同様に、図3に示すセンサID「2」と「2」とは、同一の端末に対するセンサIDを示している。ひとつの端末であっても「音声」、「端末操作」の他にも画像データ等に係るセンサ種別が存在するので、センサ種別それぞれに対応するセンサIDが割り振られる。
【0023】
授業記録センサ情報テーブル113は、例えば、センサデータ111と、ユーザプロファイルテーブル112とに基づいて構築され、授業中での教師や生徒の言動を、センサで取得した各データ単位で記憶する。図4は、授業記録センサ情報テーブル113が記憶する情報の例を示す図である。例えば、図4に示すように、授業記録センサ情報テーブル113は、「ログID」と、「開始時間」と、「終了時間」と、「人ID」と、「センサ種別」と、「テキスト」とを対応付けて記憶する。このうち、ログIDとは、授業記録センサ情報テーブル113に記憶された情報を識別する情報である。また、開始時間と終了時間とは、教師や生徒の言動を示す各センサデータの開始と終了の時間を、授業開始からの経過時間で示す情報である。また、人IDとは、端末10a〜10nそれぞれの所有者を識別する情報である。また、センサ種別とは、端末10a〜10nそれぞれのセンサ種別を識別する情報である。また、テキストとは、該当するセンサデータが示す教師や生徒の言動を、テキスト変換した情報である。
【0024】
例を挙げると、授業記録センサ情報テーブル113は、ログID「1」と、開始時間「04分00秒00」と、終了時間「04分06秒00」と、人ID「先生01」とを対応付けて記憶する。また、授業記録センサ情報テーブル113は、これらに加えて、センサ種別「音声」と、テキスト「いろいろな野菜 どんな野菜が採れた」とを対応付けて記憶する。他の例を挙げると、授業記録センサ情報テーブル113は、ログID「2」と、開始時間「04分07秒00」と、終了時間「04分07秒59」と、人ID「生徒01」と、センサ種別「音声」と、テキスト「きゅうり」とを対応付けて記憶する。他の例を挙げると、授業記録センサ情報テーブル113は、ログID「3」と、開始時間「04分08秒12」と、終了時間「04分09秒01」と、人ID「生徒02」と、センサ種別「音声」と、テキスト「トマトが一番多い」とを対応付けて記憶する。すなわち、授業では、教師による「どんな野菜が採れたか」との問いに対し、「きゅうり」や「トマトが一番多い」等の生徒による回答があったことを示している。
【0025】
イベント検出ルールテーブル114は、予めデータ構築されるテーブルであり、例えば、教師や生徒等の人による言動の状態を示すイベントと、イベントを検出するルールとを対応付けて記憶する。図5は、イベント検出ルールテーブル114が記憶する情報の例を示す図である。例えば、図5に示すように、イベント検出ルールテーブル114は、「No.」と、「イベントタグ」と、「授業記録センサ情報の組み合わせの状態」と、「イベントのまとめ方」とを対応付けて記憶する。このうち、No.とは、イベント検出ルールテーブル114に記憶された情報を識別する情報である。また、イベントタグとは、教師や生徒が行なう授業内イベントの種別を示す情報である。イベントタグには、複数のイベントが含まれることがある。また、授業記録センサ情報の組み合わせの状態とは、あるイベントを構成する、教師や生徒の言動及び言動の組み合わせ条件を示す情報である。また、イベントのまとめ方とは、授業記録センサ情報の組み合わせ条件が成立した際、どのセンサ情報にどのイベントタグを対応付けるかを示す情報である。
【0026】
例を挙げると、イベント検出ルールテーブル114は、No.「1」と、イベントタグ「先生の発問,個人追求」とを対応付けて記憶する。また、イベント検出ルールテーブル114は、授業記録センサ情報の組み合わせの状態「先生の音声終了後、5秒以内に生徒端末操作が開始され、生徒端末操作がある時間帯が計20秒以上継続し、入力数がクラスの1/3以上の数である」を対応付けて記憶する。また、イベント検出ルールテーブル114は、イベントのまとめ方「先生の音声に『先生の発問』タグ、連続する生徒端末操作をまとめて『個人追求』タグ」を対応付けて記憶する。
【0027】
他の例を挙げると、イベント検出ルールテーブル114は、No.「2」と、イベントタグ「先生の発問,生徒発言」とを対応付けて記憶する。また、イベント検出ルールテーブル114は、授業記録センサ情報の組み合わせの状態「先生の音声終了後、生徒音声が1件以上連続する時間帯が計5秒以上」を対応付けて記憶する。また、イベント検出ルールテーブル114は、イベントのまとめ方「先生の音声に『先生の発問』タグ、連続する生徒端末音声をまとめて『生徒発言』タグ」を対応付けて記憶する。
【0028】
授業記録イベントテーブル115は、例えば、授業記録センサ情報テーブル113と、イベント検出ルールテーブル114とに基づいて構築され、授業中の教師や生徒の言動を記録したセンサ情報から検出した授業内イベントを、イベント単位で記憶する。図6は、授業記録イベントテーブル115が記憶する情報の例を示す図である。例えば、図6に示すように、授業記録イベントテーブル115は、「授業記録イベントID」と、「開始時間」と、「イベント」と、「テキスト」とを対応付けて記憶する。このうち、授業記録イベントIDとは、授業記録イベントテーブル115に記憶された情報を識別する情報である。また、開始時間とは、該当するイベントの開始時間を、授業開始からの経過時間で示す情報である。また、イベントとは、教師や生徒が行なう授業内イベントの種別を示す情報である。また、テキストとは、該当するイベント内の教師や生徒の言動を、テキスト変換した情報である。
【0029】
例を挙げると、授業記録イベントテーブル115は、授業記録イベントID「1」と、開始時間「04分00秒00」と、イベント「先生の発問」と、テキスト「いろいろな野菜 どんな野菜が採れた」とを対応付けて記憶する。他の例を挙げると、授業記録イベントテーブル115は、授業記録イベントID「2」と、開始時間「04分07秒00」と、イベント「生徒発言」と、テキスト「きゅうり トマトが一番多い なすもある」とを対応付けて記憶する。
【0030】
指導案イベントテーブル116は、外部入力により予めデータ構築されているテーブルであり、例えば、授業の進行に係る指導案内に記載された、授業内のイベントに関する情報を記憶する。図7は、教師が作成する指導案の例を示す図である。例えば、図7に示すように、指導案には、授業の単元と、指導教諭と、全授業時間に対するフェーズと、各フェーズに要する時間と、各フェーズの学習活動の内容と、学習活動の指導上の留意点等が含まれる。例を挙げると、単元は、「個数を絵や図で整理する(1年生・算数)」である。また、指導教諭は、「○○小学校 富士通夫」である。また、フェーズ及びフェーズに要する時間は、「導入 10分」や「展開1 20分」等である。また、学習活動は、「先生の発問『いろいろな野菜が採れました。どんな野菜が採れたかな』」や「生徒の回答『トマト』、『なす』、『きゅうり』、『トマトが一番多い』」等である。また、指導上の留意点は、「野菜の絵を提示し、野菜の名前を確認したうえで、『トマトが一番多い』などの数に着目した生徒の発言をとらえて、野菜の数を並べる本指導の課題に結び付ける」等である。
【0031】
図8は、指導案イベントテーブル116が記憶する情報の例を示す図である。図7の指導案の構成を表現したテーブルであり、例えば、図8に示すように、指導案イベントテーブル116は、「指導案イベントID」と、「フェーズ」と、「時間配分」と、「イベント」と、「テキスト」と、「指導上の留意点」とを対応付けて記憶する。このうち、指導案イベントIDとは、指導案イベントテーブル116に記憶された情報を識別する情報である。また、フェーズとは、1つの授業の中での局面を示す情報である。また、時間配分とは、各フェーズで予定される時間配分を示す情報であり、一つの様態として、各フェーズの開始予定時間を授業開始からの経過時間で示すものとする。また、イベントとは、教師や生徒が行なうと想定される授業内イベントの種別を示す情報である。また、テキストとは、該当するイベント内で予想される生徒や教師の言動を、テキストで示す情報である。また、指導上の留意点とは、授業での各イベントの目的等を示す情報である。
【0032】
例を挙げると、指導案イベントテーブル116は、指導案イベントID「1」と、フェーズ「導入」と、時間配分「00分00秒00」と、イベント「先生の発問」と、テキスト「いろいろな野菜が採れました どんな野菜が採れたかな」とを対応付けて記憶する。他の例を挙げると、指導案イベントテーブル116は、指導案イベントID「2」と、フェーズ「導入」と、時間配分「00分00秒00」と、イベント「生徒発言」と、テキスト「トマト なす きゅうり トマトが一番多い」とを対応付けて記憶する。また、指導案イベントテーブル116は、指導上の留意点「野菜の名前を確認したうえで、『トマトが一番多い』など数に着目した生徒の発言をとらえて、野菜の数を並べる本指導の課題に結び付ける」を対応付けて記憶する。他の例を挙げると、指導案イベントテーブル116は、指導案イベントID「3」と、フェーズ「展開1」と、時間配分「10分00秒00」と、イベント「先生の発問」と、テキスト「野菜の数だけカードに絵を描き、数を比べましょう」とを対応付けて記憶する。また、時間配分は、図8に示す例においては、同一フェーズ内であれば、複数のイベントがあっても、全て同一の時間(開始時間)を付与しているが、フェーズ内のイベント数を考慮して、イベントごとにより細かい時間を付与しても良い。
【0033】
対応付けテーブル117は、例えば、授業記録イベントテーブル115と、指導案イベントテーブル116とに基づいて構築され、実際に授業で行なわれたイベントと、授業の指導予定のイベントとの対応付けに関する情報を記憶する。図9は、対応付けテーブル117が記憶する情報の例を示す図である。例えば、図9に示すように、対応付けテーブル117は、「指導案イベントID」と、「指導案イベント開始時間」と、「授業記録イベントID」と、「授業記録イベント開始時間」とを対応付けて記憶する。このうち、指導案イベントIDとは、指導案イベントテーブル116に記憶された情報を識別する情報である。また、指導案イベント開始時間とは、該当する指導案イベントの開始予定時間を授業開始からの経過時間で示す情報である。また、授業記録イベントIDとは、授業記録イベントテーブル115に記憶された情報を識別する情報である。また、授業記録イベント開始時間とは、該当する授業記録イベントの開始時間を授業開始からの経過時間で示す情報である。
【0034】
例を挙げると、対応付けテーブル117は、指導案イベントID「1」と、指導案イベント開始時間「00分00秒00」と、授業記録イベントID「1」と、授業記録イベント開始時間「04分00秒00」とを対応付けて記憶する。すなわち、対応付けテーブル117は、実際に授業で行なわれたイベントに対応するID及び開始時間と、授業の指導予定のイベントに対応するID及び開始時間とを対応付けて記憶する。なお、対応付けに係る処理は後述する。
【0035】
指導案共有DB118は、例えば、授業記録イベントテーブル115と、指導案イベントテーブル116と、対応付けテーブル117とに基づいて構築され、各指導案に対する評価値である評価スコアを記憶する。図10は、指導案共有DB118が記憶する情報の例を示す図である。例えば、図10に示すように、指導案共有DB118は、「No.」と、「指導案」と、「授業記録No.」と、「評価スコア」と、「詳細な評価スコア」とを対応付けて記憶する。このうち、No.とは、指導案共有DB118に記憶された情報を識別する情報である。また、指導案とは、単元名や先生名や指導案ファイル名等を含み、図7に示した指導案に対する基本情報や図8に示した指導案イベントテーブル116へのポインタ等の情報である。また、授業記録No.とは、該当するセンサデータ111、授業記録センサ情報テーブル113、授業記録イベントテーブル115へのポインタ等の情報である。また、評価スコアとは、該当する指導案に対する評価値を示す情報であり、例えば、後述する詳細な評価スコアに基づく総合的なスコアを示す情報である。また、詳細な評価スコアとは、例えば、実際の授業と授業の指導予定との合致度合いを示す情報であり、イベント再現率や時間スコア等を含む。イベント再現率は、イベントに関する予定との合致度合いを示す情報、すなわち予定されていたイベントがどれぐらい実際に行なわれたかを示す情報である。また、時間スコアは、イベント発生時間に関する予定との合致度合いを示す情報である。なお、図10では、詳細スコアとして、イベント再現率と時間スコアとを挙げているが、その他、生徒の理解度のスコア、教師による自己評価のスコア、教材の評価、指導案の参照回数のスコア等の種々のスコアを利用しても良い。
【0036】
例を挙げると、指導案共有DB118は、No.「1」と、単元名「個数を絵や図で整理する(1年生・算数)」と、先生名「○○小学校,富士通夫」と、指導案ファイル名「20100819−1−0」とを対応付けて記憶する。また、指導案共有DB118は、授業記録No.「20100819−1−46」と、評価スコア「82」と、イベント再現率「1」と、時間スコア「0.2」とを対応付けて記憶する。なお、イベント再現率や時間スコアの算出内容については後述する。
【0037】
制御部120は、例えば、制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、取得部121と、イベント検出部122と、イベント抽出部123と、評価値算出部124とを有する。また、制御部120は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、又はCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。
【0038】
取得部121は、例えば、教師や生徒による端末操作のログや、発声によって端末のセンサで得られた音声データ等の人の言動に関するセンサデータを、端末10a〜10nから取得する。ここで、端末操作のログには、例えば、キーボード入力で得られた文字データや、手書き文字入力の画像ファイル等が含まれる。また、取得部121によって取得されたセンサデータには、操作ログや音声データ等の他に、センサIDやセンサデータの発生時間等も含まれる。そして、取得部121は、取得したセンサデータをセンサデータ111に格納する。すなわち、センサデータ111には、端末10a〜10nのセンサで得られた生データ等が格納される。
【0039】
続いて、取得部121は、センサデータ111に記憶されたセンサデータに基づいて、音声認識や画像認識等の公知技術を用い、音声データや画像ファイル等をテキスト化してテキストを抽出する。また、取得部121は、センサデータの発生時間を授業開始からの経過時間情報に変換する。その後、取得部121は、センサデータのセンサIDを用いて、ユーザプロファイルテーブル112から人ID及びセンサ種別を取得し、開始時間、終了時間、人ID、センサ種別及びテキストをログIDに対応付けて授業記録センサ情報テーブル113に格納する。また、取得部121は、授業中の全てのセンサデータについて、授業記録センサ情報テーブル113に格納する処理を実行すると、処理が完了したことをイベント検出部122に通知する。
【0040】
イベント検出部122は、例えば、取得部121から処理完了の通知を受け付けると、イベント検出ルールテーブル114に記憶されたルールを用いて、授業記録センサ情報テーブル113に記憶された情報からイベントに関する情報を検出する。そして、イベント検出部122は、検出したイベントに関する情報を、授業記録イベントテーブル115に格納する。また、イベント検出部122は、授業記録センサ情報テーブル113の一つの授業に係るデータを授業記録イベントテーブル115に格納する処理を実行すると、処理が完了したことをイベント抽出部123に通知する。
【0041】
ここで、図11A〜図11Dを用いて、授業記録の生成を説明する。図11A〜図11Dは、授業記録生成のイメージ図である。なお、図11A〜図11Dでは、イベント検出のルールのイメージと、授業記録センサ情報のイメージとが表されている。また、ルールのイメージにおける数値は、イベント検出ルールテーブル114に記憶された「No.」を示しており、授業記録センサ情報のイメージにおける数値は、授業記録センサ情報テーブル113に記憶された「ログID」を示している。
【0042】
例えば、図11Aに示すように、イベント検出部122は、左下がり斜線で示したNo.「1」に対応するルールを取り出し、左下がり斜線で示したログID「1」から始まるデータ列を順に見ていき、取り出したルールに適合するところまでのデータ列を抽出する。ここでは、No.「1」に対応するルールについて、ログID「1」から始まるデータ列に適合しなかった場合を例に挙げる。
【0043】
ルールNo.「1」は適合しなかったので、次にイベント検出部122は、図11Bに示すように、左下がり斜線で示したNo.「2」に対応するルールを取り出す。また、イベント検出部122は、左下がり斜線で示したログID「1」から始まるデータ列を順に見ていき、取り出したルールに適合するところまでのデータ列を抽出する。ここでは、図11Cに示すように、右下がり斜線で示したNo.「2」に対応するルールについて、右下がり斜線で示したログID「1」〜「4」のデータ列が適合した場合を例に挙げる。また、例えば、No.「2」のルールに適合するログID「1」に付与されるイベントタグは、「先生の発問」イベントである。同様に、例えば、No.「2」のルールに適合するログID「2」〜「4」に付与されるイベントタグは、「生徒発言」イベントである。
【0044】
続いて、図11Dに示すように、イベント検出部122は、あらためて左下がり斜線で示したNo.「1」に対応するルールを取り出す。また、イベント検出部122は、今度は左下がり斜線で示したログID「5」から始まるデータ列を順に見ていき、取り出したルールに適合するところまでのデータ列を抽出する。すなわち、イベント検出部122は、既にルールに適合することでイベントが検出されたログID「1」〜「4」の次のレコードとなるログID「5」から始まるデータ列を順に見ていき、取り出したルールに適合するところまでのデータ列を抽出していく。なお、上記の例では、No.「2」のルールに適合する授業記録センサ情報が存在する場合を説明したが、全てのルールに対して適合判定を行なってもイベントが抽出できない場合は、ログID「1」のデータはイベントとして検出されない。このとき、イベント検出部122は、次にNo.「1」に対応するルールについて、ログID「2」から始まるデータ列について適合判定を行なっていく。このようにして、イベント検出部122は、全ての授業記録センサ情報について、ルールとのマッチングを行ない、適合したイベントについて、開始時間、イベント及びテキストをイベントIDに対応付けて授業記録イベントテーブル115に格納する。
【0045】
イベント抽出部123は、例えば、イベント検出部122から処理完了の通知を受け付けると、指導案イベントテーブル116に記憶されたイベントに関する情報ごとに、イベント検出部122で検出したイベントに関する情報それぞれの類似度を算出する。そして、イベント抽出部123は、算出した類似度のうち、最大となる類似度が所定閾値以上であるイベントを抽出する。その後、イベント抽出部123は、抽出したイベントについて、指導案イベントIDと、指導案イベント開始時間と、授業記録イベントIDと、授業記録イベント開始時間とを対応付けて対応付けテーブル117に格納する。また、イベント抽出部123は、抽出した全てのイベントについて、対応付けテーブル117に格納する処理を実行すると、処理が完了したことを評価値算出部124に通知する。
【0046】
イベント抽出部123による類似度の算出では、例えば、「類似度=α×テキストの類似度+β×時間の類似度」で求められる。ここで、α及びβは、重みを示す。また、テキストの類似度とは、指導案イベントテーブル116に含まれる「テキスト」と、授業記録イベントテーブル115に含まれる「テキスト」との類似度を示している。テキストの類似度は、一つの様態として、それぞれのテキストに出現する単語の頻度を集計して一致する数等の手法が用いられる。また、時間の類似度とは、指導案イベントテーブル116に含まれる「時間配分(開始時間)」と、授業記録イベントテーブル115に含まれる「開始時間」との類似度を示している。時間の類似度は、一つの様態として、「1/|授業記録イベントテーブル115に含まれる開始時間−指導案イベントテーブル116に含まれる時間配分|」で算出する。なお、|*|は、*の絶対値を表す。
【0047】
ここで、図12A〜図12Dを用いて、指導案イベントと授業記録イベントとの対応付けを説明する。図12A〜図12Dは、指導案イベントと授業記録イベントとの対応付けのイメージ図である。なお、図12A〜図12Dでは、指導案イベントテーブル116のデータ列のイメージと、授業記録イベントテーブル115のデータ列のイメージとが表されている。また、指導案イベントのイメージにおける数値は、指導案イベントテーブル116に記憶された「指導案イベントID」を示している。また、授業記録イベントのイメージにおける数値は、授業記録イベントテーブル115に記憶された「授業記録イベントID」を示している。
【0048】
例えば、図12Aに示すように、イベント抽出部123は、左下がり斜線で示した指導案イベントID「1」のイベントと、左下がり斜線で示した全ての授業記録イベントとを比較する。そして、図12Bに示すように、イベント抽出部123は、左下がり斜線で示した指導案イベントID「1」のイベントと同一のイベントを有する、左下がり斜線で示した授業記録イベントID「1」、「4」及び「7」のイベントを対応付けの候補として抽出する。続いて、イベント抽出部123は、指導案イベントID「1」のイベントと、抽出した授業記録イベントID「1」、「4」及び「7」のイベントとの類似度を算出する。ここでは、図12Cに示すように、右下がり斜線で示した指導案イベントID「1」のイベントと、右下がり斜線で示した授業記録イベントID「1」のイベントとの類似度が最大となる場合を例に挙げる。
【0049】
その後、図12Cに示すように、イベント抽出部123は、右下がり斜線で示した指導案イベントID「1」と、右下がり斜線で示した授業記録イベントID「1」との類似度が所定閾値以上であるか否かを判定する。このとき、イベント抽出部123は、類似度が所定閾値以上であると判定した場合に、指導案イベントID「1」と、指導案イベント開始時間と、授業記録イベントID「1」と、授業記録イベント開始時間とを対応付けて、対応付けテーブル117に格納する。なお、イベント抽出部123は、類似度が所定閾値未満であると判定した場合や、指導案イベントと同一のイベントを有する授業記録イベントがなかった場合には、「NULL」として対応付けテーブル117に格納する。
【0050】
そして、図12Dに示すように、イベント抽出部123は、左下がり斜線で示した指導案イベントID「2」のイベントと、左下がり斜線で示した授業記録イベントID「2」以降のイベントとを比較していき、上記のように対応付けを実行する。すなわち、イベント抽出部123は、対応付け済みのレコード以降のものについて、イベントを比較して、同一のイベントで且つ類似度が最大のものについて対応付けテーブル117に格納していく。このとき、イベント抽出部123は、最大となった類似度が所定閾値以上であれば授業記録イベントIDを格納し、所定閾値未満或いは同一のイベントがなければNULL値を格納する。なお、上記の例では、対応付けられた授業記録イベント以降のデータ列に対して対応付けを行なう、すなわち時系列でのイベントの順序の入れ替わりを考慮しない例を挙げた。これについては、対応付けがとれた以前の授業記録イベントのデータ列に対しても対応付けの処理を実施することとしても良い。これにより、イベント抽出部123は、時系列において指導案通りに授業を行なっていないイベントに対しても対応付けがとれる。但し、イベント抽出部123は、時系列で順序が入れ替わるような対応付けになるデータに対しては上記よりも所定閾値を小さくしたり、類似度算出式の重み付けを調整したりして対応付けの処理を実行する。
【0051】
評価値算出部124は、例えば、イベント抽出部123から処理完了の通知を受け付けると、対応付けテーブル117に記憶された指導案イベントIDと授業記録イベントIDとのそれぞれに対応するイベント同士の合致度合いを示す指導案の評価値を算出する。評価値の算出では、一つの様態として、イベント再現率と時間スコアとが算出される。また、イベント再現率や時間スコアの算出では、授業記録イベントテーブル115及び指導案イベントテーブル116に記憶された開始時間や、指導案イベントテーブル116及び対応付けテーブル117のレコード数等の情報が利用される。そして、評価値算出部124は、評価スコアを例えば「γ×イベント再現率+δ×時間スコア」として算出する。ここで、γ及びδは、重みを示す。その後、評価値算出部124は、算出した評価スコアを指導案共有DB118に格納する。
【0052】
詳細には、評価値の一つであるイベント再現率について、評価値算出部124は、指導案イベントテーブル116のレコード数と、対応付けテーブル117で対応がとれたレコード数とを取得し、これらの比を求めることで算出する。すなわち、指導案は主要なイベントのみが記載されるもので、実際の授業では指導案にない余談等が含まれるので、指導案よりも多くのイベントが発生する。このことから、評価値算出部124は、「対応付けテーブル117で対応がとれたレコード数/指導案イベントテーブル116のレコード数」をイベント再現率として算出する。
【0053】
ここで、図13A〜図13Cを用いて、評価値の一つである時間スコアの算出を説明する。なお、図13A〜図13Cでは、指導案イベントテーブル116のデータ列のイメージと、授業記録イベントテーブル115のデータ列のイメージとが表されている。また、以下に挙げるずれパターンとは、指導案イベントと授業記録イベントとの時間情報の差異のパターンのことである。例えば、1つの授業時間は、45分間等と決まっている。
【0054】
図13Aは、時間が余った場合のずれパターンを説明する図である。具体的には、図13Aでは、指導案イベントテーブル116の時系列での最終レコードと、授業記録イベントテーブル115の任意のレコードとのイベントが対応しており、授業終了の時間までに授業記録イベントがさらに存在する例が示されている。すなわち、評価値算出部124は、指導案イベントテーブル116の時系列での最終レコードの指導案イベントIDと、対応付けテーブル117の時系列での最終レコードの指導案イベントIDとが一致していることを判定する。このように、時間が余った場合のずれパターンにおいて、評価値算出部124は、時間スコアを「1/(授業時間−対応付けテーブル117で対応がとれた時系列での最終レコードの授業記録イベントの開始時間)」として算出する。なお、時間スコアの算出式で分母が「0」である場合には、時間スコアが「1」として算出される。また、上記の図13Aは、時間が余った場合のずれパターンであるが、時間通りに授業が行なわれた場合でも同様に適用されるパターンでもある。
【0055】
図13Bは、時間が足りなかった場合のずれパターンを説明する図である。具体的には、図13Bでは、指導案イベントテーブル116の任意のレコードと、授業記録イベントテーブル115の時系列での最終レコードとのイベントが対応しており、授業終了の時間までに全ての指導案イベントを行なうことができなかった例を示している。すなわち、評価値算出部124は、図13Aで示した上記の判定条件には合致していないことを判定する。且つ、評価値算出部124は、授業記録イベントテーブル115の時系列での最終レコードの授業記録イベントIDと、対応付けテーブル117で対応がとれている、時系列で最終レコードの授業記録イベントIDとが一致していることを判定する。このように、時間が足りなかった場合のずれパターンにおいて、評価値算出部124は、時間スコアを「1/(授業時間−対応付けテーブル117で対応がとれた時系列での最終レコードの指導案イベントの開始時間)」として算出する。
【0056】
図13Cは、途中から予定に沿わなかった場合のずれパターンを説明する図である。具体的には、図13Cでは、指導案イベントテーブル116のレコードと、授業記録イベントテーブル115のレコードとのイベントの対応が途中からとれていない例を示している。すなわち、図13Cに示す例は、図13Aに示したパターンの判定条件にも、図13Bに示したパターンの判定条件にも合わない場合である。このように、途中から予定に沿わなかった場合のずれパターンにおいて、評価値算出部124は、評価値から対象外とみなして時間スコアを「0」として算出する。上述してきたように、評価値算出部124は、ずれパターンを判定し、判定したずれパターンに応じて対応付けテーブル117の対応がとれた時系列での最終レコードを抽出し、ずれパターンに応じた時間スコアの算出を実施する。なお、上記の例では、時間のずれについて、開始時間を比較する場合を説明したが、終了時間で比較しても良い。このとき、情報処理装置100は、授業記録イベントテーブル115、指導案イベントテーブル116及び対応付けテーブル117それぞれに、終了時間の項目をさらに設けることで、より高精度に評価値を算出することができる。また、上記の例では、図13Cのパターンにおいて一括で時間スコアを「0」とする場合を説明したが、指導案イベントと授業記録イベントの残イベントの種類(例えば、イベントの重要度合い)や数(割合)の条件に応じて、時間スコアを算出するようにしても良い。或いは、授業時間と対応付けがとれた最終レコードの開始時間との差の条件に応じて、時間スコアを算出するようにしても良い。
【0057】
[実施例1に係るセンサ情報取得処理]
次に、図14を用いて、実施例1に係るセンサ情報取得処理を説明する。図14は、実施例1に係るセンサ情報取得処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0058】
例えば、図14に示すように、情報処理装置100は、端末10a〜10n等からセンサデータを受信した場合に(ステップS101肯定)、受信したデータに含まれる音声ファイルや画像ファイルにおける文字をテキスト化する(ステップS102)。なお、情報処理装置100は、センサデータ未受信である場合に(ステップS101否定)、該センサデータの受信待ちの状態となる。
【0059】
そして、情報処理装置100は、受信したデータに含まれる時間情報から授業の経過時間を示す開始時間及び終了時間を算出する(ステップS103)。続いて、情報処理装置100は、受信したデータに含まれるセンサIDに基づいて、ユーザプロファイルテーブル112からセンサ種別と人IDとを取得する(ステップS104)。その後、情報処理装置100は、テキスト、開始時間、終了時間、センサ種別及び人IDをログIDに対応付けて授業記録センサ情報テーブル113に格納する(ステップS105)。
【0060】
[実施例1に係る授業記録処理]
次に、図15を用いて、実施例1に係る授業記録処理を説明する。図15は、実施例1に係る授業記録処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0061】
例えば、図15に示すように、情報処理装置100は、授業記録センサ情報テーブル113及びイベント検出ルールテーブル114の先頭に、開始ポインタをそれぞれ設置する(ステップS201)。そして、情報処理装置100は、イベント検出ルールテーブル114の開始ポインタの位置からルールを1つ抽出する(ステップS202)。続いて、情報処理装置100は、ルールが存在する場合に(ステップS203肯定)、授業記録センサ情報テーブル113の開始ポインタ位置から始まるデータ列で、ルールの条件に適合するデータ列が存在するか否かを判定する(ステップS204)。
【0062】
このとき、情報処理装置100は、ルールの条件に適合するデータ列が存在すると判定した場合に(ステップS204肯定)、適合した条件に対応するイベントタグを、授業記録イベントテーブル115に格納する(ステップS205)。そして、情報処理装置100は、授業記録センサ情報テーブル113の開始ポインタの位置を適合済みデータ列の次のレコードにずらす(ステップS206)。続いて、情報処理装置100は、イベント検出ルールテーブル114の先頭に開始ポインタを戻す(ステップS207)。その後、情報処理装置100は、授業記録センサ情報テーブル113の開始ポインタ以降にレコードが存在するか否かを判定する(ステップS208)。
【0063】
このとき、情報処理装置100は、レコードが存在しない場合に(ステップS208否定)、処理を終了する。また、情報処理装置100は、レコードが存在する場合に(ステップS208肯定)、ステップS202の処理を実行する。また、情報処理装置100は、ステップS203において、ルールが存在しない場合に(ステップS203否定)、授業記録センサ情報テーブル113の開始ポインタの位置を次のレコードにずらし(ステップS209)、その後ステップS207の処理を実行する。また、情報処理装置100は、ステップS204において、ルールの条件に適合するデータ列が存在しないと判定した場合に(ステップS204否定)、イベント検出ルールテーブル114の開始ポインタの位置を次のレコードにずらす(ステップS210)。
【0064】
[実施例1に係る対応付け処理]
次に、図16を用いて、実施例1に係る対応付け処理を説明する。図16は、実施例1に係る対応付け処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0065】
例えば、図16に示すように、情報処理装置100は、授業記録イベントテーブル115及び指導案イベントテーブル116の先頭に開始ポインタを設置する(ステップS301)。そして、情報処理装置100は、指導案イベントテーブル116から開始ポインタの位置の1レコードを読み込んで、対応するイベントを抽出する(ステップS302)。続いて、情報処理装置100は、授業記録イベントテーブル115の開始ポインタの位置にレコードが存在するか否かを判定する(ステップS303)。
【0066】
このとき、情報処理装置100は、レコードが存在すると判定した場合に(ステップS303肯定)、授業記録イベントテーブル115から、ステップS302で抽出したイベントと同じイベント種別を持つレコードを全て抽出する(ステップS304)。そして、情報処理装置100は、同じイベント種別が存在する場合に(ステップS305肯定)、指導案イベントテーブル116と授業記録イベントテーブル115の時間、テキストを比較して類似度を算出し、類似度が最大のものを選択する(ステップS306)。続いて、情報処理装置100は、類似度が所定閾値以上であるか否かを判定する(ステップS307)。
【0067】
このとき、情報処理装置100は、類似度が所定閾値以上である場合に(ステップS307肯定)、対応付け成立とみなして、指導案イベントテーブル116と授業記録イベントテーブル115との情報を対応付けテーブル117に格納する(ステップS308)。そして、情報処理装置100は、授業記録イベントテーブル115の開始ポインタを、対応付け済みレコードの次のレコードにずらす(ステップS309)。続いて、情報処理装置100は、指導案イベントテーブル116に次のイベントが存在しない場合に(ステップS310否定)、処理を終了する。また、情報処理装置100は、指導案イベントテーブル116に次のイベントが存在する場合に(ステップS310肯定)、指導案イベントテーブル116の開始ポインタの位置を次のレコードに移して(ステップS311)、ステップS302の処理を実行する。
【0068】
また、情報処理装置100は、ステップS303において、レコードが存在しないと判定した場合に(ステップS303否定)、対応付けテーブル117の授業記録イベントIDにNULL値を格納し(ステップS312)、ステップS310の処理を実行する。また、情報処理装置100は、ステップS305において、同じイベント種別が存在しない場合に(ステップS305否定)、対応付けテーブル117の授業記録イベントIDにNULL値を格納し(ステップS312)、ステップS310の処理を実行する。また、情報処理装置100は、ステップS307において、類似度が所定閾値未満である場合に(ステップS307否定)、対応付けテーブル117の授業記録イベントIDにNULL値を格納し(ステップS312)、ステップS310の処理を実行する。
【0069】
[実施例1に係るイベント再現率算出処理]
次に、図17を用いて、実施例1に係るイベント再現率算出処理を説明する。図17は、実施例1に係るイベント再現率算出処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0070】
例えば、図17に示すように、情報処理装置100は、指導案イベントテーブル116のレコード数を取得する(ステップS401)。そして、情報処理装置100は、対応付けテーブル117の対応がとれたレコード数を取得する(ステップS402)。続いて、情報処理装置100は、各レコード数の比をイベント再現率として算出する(ステップS403)。なお、ステップS401とステップS402との処理は、順序を逆にしても良い。
【0071】
[実施例1に係る時間スコア算出処理]
次に、図18を用いて、実施例1に係る時間スコア算出処理を説明する。図18は、実施例1に係る時間スコア算出処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0072】
例えば、図18に示すように、情報処理装置100は、ずれパターンを判定する(ステップS501)。そして、情報処理装置100は、ずれパターンに応じて、時間スコアを算出する(ステップS502)。
【0073】
[実施例1による効果]
上述したように、情報処理装置100は、授業進行の指標となる指導案と、指導案を利用して行なわれた授業の授業記録とを、イベント単位に対応付けて、イベントの合致度合いを評価値として算出するので、指導案の評価を行なうことができる。換言すると、情報処理装置100は、指導案と実際の授業とをイベント単位で対応付けて指導案を評価するので、実際の授業教材のみの評価や一言一句の対応付けを行なう従来技術と比較して、より好適に指導案の評価を実現できる。
【実施例2】
【0074】
さて、これまで本願に開示する情報処理装置100の実施例について説明したが、上述した実施例以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、(1)アプリケーション、(2)構成、(3)プログラム、において異なる実施例を説明する。
【0075】
(1)アプリケーション
上記実施例1で作成された指導案共有DBのデータを用いて、指導案作成を支援するアプリケーションの例について、図19を用いて説明する。図19は、指導案作成支援アプリケーションの画面例を示す図である。
【0076】
例えば、図19に示すように、指導案作成支援のアプリケーションでは、教師等により単元名が入力されると、入力された単元名に関連する指導案を評価スコア付きで表示出力する。そして、指導案作成支援のアプリケーションでは、任意の指導案が選択されると、選択された指導案のプレビューを表示出力する。また、指導案作成支援のアプリケーションでは、選択された指導案からドラッグ&ドロップされると、指導案編集のエリアにて編集可能となる。編集後の指導案は、授業で利用される。また、このようにして再利用された指導案を紐付けて指導案DBに格納し、評価スコアを統合して指導案作成支援のアプリケーションで出力することも可能となる。
【0077】
(2)構成
上記文書中や図面中等で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータ等を含む情報(例えば、イベント検出ルールテーブル114に記憶された情報等)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0078】
また、図示した情報処理装置100等の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は、図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負担や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合することができる。例えば、取得部121は、端末10a〜10n等からセンサデータを受信せずに、予め受信されたセンサデータを用いて処理を実行することにしても良い。また、取得部121は、端末ごとに利用者を固定としたユーザプロファイルテーブル112を用いて誰の言動かを判定するだけではなく、例えば、センサデータで得られる音声データの音声認証を利用して判定しても良い。また、全てのセンサ取得が終了した授業終了後に、バッチ的に処理を行なうのではなく、授業中に逐次的に処理を行なっても良い。
【0079】
また、取得部121で実施されるテキスト化において、音声認識の辞書は、指導案イベントテーブル116のデータをもとに、出現単語を辞書として作成しておいても良い。すなわち、授業を行なう前に指導案が作成されているので、事前に辞書も作成することができ、これにより音声認識の精度をより高くすることができる。また、対応付けにおいては、教師の端末画面で閲覧及び修正可能なUI(User Interface)により、修正することにしても良い。このとき、イベントが修正された場合には、そのときのセンサ情報をもとに、イベント検出ルールテーブル114に追加させるようにしても良い。
【0080】
また、授業記録イベントテーブル115や授業記録センサ情報テーブル113の一覧を教師の端末画面で閲覧可能としても良く、選択されたデータに対応する音声等の生データの対応箇所にアクセス可能なUIを利用しても良い。このとき、授業記録センサ情報テーブル113に、音声生データへのポインタ、授業記録イベントテーブル115に授業記録センサ情報テーブル113へのポインタを保持させておけば良い。これにより、音声認識の結果が正確ではないと考えられるときに、対応箇所の音声に即座にアクセス可能となり、修正も容易となる。
【0081】
(3)プログラム
また、上記実施例で説明した情報処理装置の各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、図20を用いて、上記の実施例で説明した情報処理装置と同様の機能を有する指導案評価プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図20は、指導案評価プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0082】
図20に示すように、コンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1100、ROM(Read Only Memory)1200、HDD(Hard Disk Drive)1300、RAM(Random Access Memory)1400を有する。これら1000〜1400の各部は、バス1500を介して接続される。
【0083】
ROM1200には、上記の実施例1で示した取得部121と、イベント検出部122と、イベント抽出部123と、評価値算出部124と同様の機能を発揮する指導案評価プログラムが予め記憶される。すなわち、ROM1200には、図20に示すように、指導案評価プログラム1200aが記憶される。なお、プログラム1200aについては、適宜分離しても良い。そして、CPU1100が、プログラム1200aをROM1200から読み出して実行する。また、HDD1300には、イベント検出ルール1300aと、指導案イベント1300bとが設けられる。イベント検出ルール1300aは、図2に示したイベント検出ルールテーブル114に対応する。また、指導案イベント1300bは、図2に示した指導案イベントテーブル116に対応する。
【0084】
そして、CPU1100は、イベント検出ルール1300aと、指導案イベント1300bとを読み出してRAM1400に格納する。さらに、CPU1100は、RAM1400に格納されたイベント検出ルールデータ1400aと、指導案イベントデータ1400bとを用いて、指導案評価プログラムを実行する。なお、RAM1400に格納される各データは、常に全てのデータがRAM1400に格納されなくても良く、処理に要するデータのみがRAM1400に格納されれば良い。なお、指導案評価プログラムについては、必ずしも最初からROM1200に記憶させておかなくても良い。
【0085】
例えば、コンピュータ1000に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ1000がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ1000に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などにプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ1000がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0086】
100 情報処理装置
110 記憶部
111 センサデータ
112 ユーザプロファイルテーブル
113 授業記録センサ情報テーブル
114 イベント検出ルールテーブル
115 授業記録イベントテーブル
116 指導案イベントテーブル
117 対応付けテーブル
118 指導案共有DB
120 制御部
121 取得部
122 イベント検出部
123 イベント抽出部
124 評価値算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の言動の状態を示すイベントと、該イベントを検出するルールとを対応付けて記憶するイベント検出ルール記憶部と、
授業の進行に係る指導案から作成された前記イベントに関する情報を記憶する指導案イベント記憶部と、
人の言動に関する情報を取得する取得部と、
前記イベント検出ルール記憶部に記憶されたルールを用いて、前記取得部で取得した人の言動に関する情報からイベントに関する情報を検出するイベント検出部と、
前記指導案イベント記憶部に記憶されたイベントに関する情報ごとに、前記イベント検出部で検出したイベントに関する情報それぞれの類似度を算出し、算出した類似度のうち、最大となる類似度が所定閾値以上であるイベントを抽出するイベント抽出部と、
前記イベント抽出部で抽出したイベントと、前記指導案イベント記憶部に記憶されたイベントとの合致度合いを示す指導案の評価値を算出する評価値算出部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記評価値算出部は、前記イベント抽出部で抽出したイベントの数と、前記指導案イベント記憶部に記憶されたイベントの数との比を求めることにより、前記指導案の評価値を算出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価値算出部は、前記イベント抽出部で抽出したイベントのうち時系列で最終となるイベントと、前記指導案イベント記憶部に記憶されたイベントのうち時系列で最終となるイベントとが対応する場合に、予め定められた前記授業の総時間と、前記イベント抽出部で抽出したイベントのうち時系列で最終となるイベントの時間情報とに基づいて、前記指導案の評価値を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価値算出部は、前記イベント抽出部で抽出したイベントのうち時系列で最終となるイベントと、前記イベント検出部で検出したイベントのうち時系列で最終となるイベントとが対応する場合に、予め定められた前記授業の総時間と、前記イベント抽出部で抽出したイベントのうち時系列で最終となるイベントに対応する、前記指導案イベント記憶部に記憶されたイベントの時間情報とに基づいて、前記指導案の評価値を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記イベント抽出部は、前記指導案イベント記憶部に記憶されたイベントに関するテキスト情報又は時間情報ごとに、前記イベント検出部で検出したイベントに関するテキスト情報又は時間情報それぞれの類似度を算出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
人の言動に関する情報を取得し、
人の言動の状態を示すイベントと、該イベントを検出するルールとを対応付けて記憶するイベント検出ルール記憶部に記憶されたルールを用いて、前記取得した人の言動に関する情報からイベントに関する情報を検出し、
授業の進行に係る指導案から作成された前記イベントに関する情報を記憶する指導案イベント記憶部に記憶されたイベントに関する情報ごとに、前記検出したイベントに関する情報それぞれの類似度を算出し、
前記算出した類似度のうち、最大となる類似度が所定閾値以上であるイベントを抽出し、
前記抽出したイベントと、前記指導案イベント記憶部に記憶されたイベントとの合致度合いを示す指導案の評価値を算出する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする指導案評価プログラム。
【請求項7】
コンピュータによって実行される指導案評価方法であって、
人の言動に関する情報を取得し、
人の言動の状態を示すイベントと、該イベントを検出するルールとを対応付けて記憶するイベント検出ルール記憶部に記憶されたルールを用いて、前記取得した人の言動に関する情報からイベントに関する情報を検出し、
授業の進行に係る指導案から作成された前記イベントに関する情報を記憶する指導案イベント記憶部に記憶されたイベントに関する情報ごとに、前記検出したイベントに関する情報それぞれの類似度を算出し、
前記算出した類似度のうち、最大となる類似度が所定閾値以上であるイベントを抽出し、
前記抽出したイベントと、前記指導案イベント記憶部に記憶されたイベントとの合致度合いを示す指導案の評価値を算出する
ことを特徴とする指導案評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−173566(P2012−173566A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36317(P2011−36317)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】