説明

情報処理装置、記録媒体およびデータ構造

【課題】記録媒体に収められているゲームソフトウェアの存在をユーザに対して効果的に提示可能なデータ構造を提供する。
【解決手段】データ構造は、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面に含まれる第1アイコン画像と、メニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の選択操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面の背景画像として使用される第1背景画像およびRAMに保持される第2背景画像と、背景画像を第1背景画像とするメニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の決定操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面に含まれる第2アイコン画像とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置などの情報処理装置で実行される情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザインタフェースの操作性を改善するべく、複数の機能アイコンと複数の媒体アイコンとを二次元配列したメニュー画面が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2005−109157号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
様々なゲームソフトウェアが開発されるなか、ゲームメーカは、TVコマーシャルなどによる商品宣伝のほか、体験版のソフトウェアを無償配布して、ユーザに新ゲームを紹介するよう努めている。インターネットの発達により、近年ではユーザが仮想ゲームショップからインターネットを通じてゲームソフトウェアをダウンロードすることも可能となっており、このような仮想ゲームショップから、体験版のソフトウェアを配布して、新規ユーザを獲得する試みもなされている。
【0005】
現在においても、ゲームソフトウェアは、光ディスクや光磁気ディスクなどの記録媒体の形式で流通している。そこでゲームソフトウェアの記録媒体に、販促用の体験版ソフトウェアも収めることで、ゲームソフトウェアを購入したユーザに、体験版ソフトウェアを同時に配布でき、ゲームメーカにとって優れた販促効果が期待できる。特に、ディスク容量の大規模化により、販促用の体験版ソフトウェアを記録する容量は十分あり、現実的な販促ツールとして有力であると考えられる。
【0006】
ゲームソフトウェアの記録媒体に、体験版ソフトウェアが存在していることをユーザに示す際、ディスプレイにはユーザの興味を引きつけるような画像を提供できることが好ましい。それにより、ユーザが興味を維持しつつ、体験版ソフトウェアをインストールないしは実行することが期待できる。なお記録媒体にゲームソフトウェアと、体験版ソフトウェアが収容されている場合だけでなく、記録媒体に体験版ソフトウェアだけが収容されている場合についても同様である。
【0007】
そこで本発明は、アプリケーションソフトウェアの存在をユーザに対して効果的に提示する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の記録媒体は、入力受付部、メニュー画面生成部およびRAMを備えてメニュー画面を生成する情報処理装置によって、読み取られるデータが記録された記録媒体であって、当該記録媒体がドライブ装置に装着されると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面に含まれる、アプリケーションソフトウェア、ファイルまたはデータの存在を示す第1アイコン画像と、メニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の選択操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面の背景画像として使用される第1背景画像と、メニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の選択操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、RAMに保持される第2背景画像と、背景画像を第1背景画像とするメニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の決定操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面に含まれる、アプリケーションソフトウェア、ファイルまたはデータを特定する第2アイコン画像とを、それぞれ記録する領域が形成されている。第2背景画像は、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面において第1アイコン画像および第2アイコン画像が表示されるときに、RAMから読み出されて、メニュー画面の背景画像として使用される。
【0009】
本発明の別の態様は、データ構造である。このデータ構造は、入力受付部、メニュー画面生成部およびRAMを備えてメニュー画面を生成する情報処理装置によって、読み取られるデータのデータ構造であって、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面に含まれる、アプリケーションソフトウェア、ファイルまたはデータの存在を示す第1アイコン画像と、メニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の選択操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面の背景画像として使用される第1背景画像と、メニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の選択操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、RAMに保持される第2背景画像と、背景画像を第1背景画像とするメニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の決定操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面に含まれる、アプリケーションソフトウェア、ファイルまたはデータを特定する第2アイコン画像とを含む。第2背景画像は、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面において第1アイコン画像および第2アイコン画像が表示されるときに、RAMから読み出されて、メニュー画面の背景画像として使用される。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、情報処理装置である。この装置は、記録媒体から第1アイコン画像、第1背景画像、第2アイコン画像および第2背景画像を読み出して、メニュー画面を生成する。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、アプリケーションソフトウェアの存在をユーザに対して効果的に提示する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例にかかるゲームシステムの使用環境を示す図である。
【図2】ゲーム装置の機能ブロックを示す図である。
【図3】記録媒体のディレクトリ構成を示す図である。
【図4】メインコントローラの内部構成を示す図である。
【図5】ディスプレイに表示されるメニュー画面を示す図である。
【図6】記録媒体がメディアドライブに装着されたときにディスプレイに表示されるメニュー画面を示す図である。
【図7】第1アイコン画像に対して選択操作がなされたときにディスプレイに表示されるメニュー画面を示す図である。
【図8】第1アイコン画像に対して決定操作がなされたときにディスプレイに表示されるメニュー画面を示す図である。
【図9】第2アイコン画像に対して選択操作がなされたときにディスプレイに表示されるメニュー画面を示す図である。
【図10】インストール画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施例にかかるゲームシステムの使用環境を示す。ゲームシステム1は、ゲームソフトウェアを実行するゲーム装置10と、ゲーム装置10による処理結果を出力する出力装置12とを備える。出力装置12は、画像を出力するディスプレイと、音声を出力するスピーカを有するテレビであってよい。出力装置12は、ゲーム装置10に有線ケーブルで接続されてよく、また無線LAN(Local Area Network)などにより無線接続されてもよい。
【0015】
ゲーム装置10は、ゲームソフトウェアを処理して、ゲームソフトウェアの処理結果を示す画像信号および音声信号を生成する情報処理装置である。出力装置12は、ゲーム装置10で生成された画像信号および音声信号を出力する。なお本実施例に示す技術は、ゲーム装置10に限らず、他の種類のアプリケーションを実行して、出力装置12に画像を表示させる情報処理装置においても実現できる。情報処理装置は、アプリケーションソフトウェアを、記録媒体が装着されるメディアドライブからハードディスクなどの記憶装置にインストールできるものであればよい。本実施例では、ゲームを実行するゲームシステム1を示すが、他のアプリケーションを実行するシステムであってもよい。
【0016】
図2は、ゲーム装置10の機能ブロック図を示す。ゲーム装置10は、電源ボタン20、LED22、システムコントローラ24、デバイスコントローラ30、メディアドライブ32、ハードディスクドライブ34、スイッチ36、無線インタフェース38、メインコントローラ100、メインメモリ102および出力処理部104を有して構成される。
【0017】
電源ボタン20は、ユーザからの操作入力が行われる入力部であって、ゲーム装置10への電源供給をオンまたはオフするために操作される。電源ボタン20は押下ボタンであってよく、押下されることで電源のオンまたはオフが制御されてもよい。なお電源ボタン20は、タッチセンサなど、ユーザが電源のオンオフを行える他の構造をとってもよい。LED22は、電源のオンまたはオフの状態を点灯表示する。システムコントローラ24は、電源ボタン20の押下状態または非押下状態を検出し、電源オフの状態から押下状態への状態遷移を検出すると、メインコントローラ100を起動して、オペレーティングシステムのブートシーケンスを立ち上げるとともに、LED22を点灯制御する。ゲーム装置10に電源ケーブルが差し込まれている場合、システムコントローラ24は、電源オフの状態であってもスタンバイモードを維持して、電源ボタン20の押下を監視する。
【0018】
デバイスコントローラ30は、サウスブリッジのようにデバイス間の情報の受け渡しを実行するLSI(Large-Scale Integrated Circuit)として構成される。図示のように、デバイスコントローラ30には、システムコントローラ24、メディアドライブ32、ハードディスクドライブ34、スイッチ36およびメインコントローラ100などのデバイスが接続される。デバイスコントローラ30は、それぞれのデバイスの電気特性の違いやデータ転送速度の差を吸収し、データ転送のタイミングを制御する。ハードディスクドライブ34は、内蔵ハードディスクを駆動して、データの書込/読出を行う。
【0019】
メディアドライブ32は、ゲームソフトウェアを記録した記録媒体50が装着されると、記録媒体50を駆動して認識し、記録媒体50から必要なデータを読み出すドライブ装置である。記録媒体50は、光ディスクや光磁気ディスクなどのメディアであってよい。ゲームソフトウェアは、少なくともゲームを実行させる実行プログラムと、描画解像度やペアレンタルロック機能の設定情報などを定めるパラメータ情報と、アプリケーションのコンテンツ情報を含んでいる。パラメータ情報およびコンテンツ情報などの属性情報は、記録媒体50の所定の領域に記録されている。
【0020】
実行プログラムは、ゲームを進行させるためのプログラムである。パラメータ情報は、ゲームの描画解像度やペアレンタルロック機能にかかるアクセス制限年齢情報など、ゲーム装置10の動作を定めるためのデータである。パラメータ情報は、たとえば実行プログラムの起動前にゲーム装置10に読み込まれて、出力解像度の設定や、ペアレンタルロック機能による実行プログラムの実行可否判定などに用いられる。またコンテンツ情報は、アプリケーションのタイトル名や説明情報などを含んだデータである。コンテンツ情報は、ゲーム装置10のメニュー画面において、ゲームタイトルをアイコン表示したり、また説明情報を表示して、ユーザにゲームの内容を通知するために用いられる。コンテンツ情報は、表示するアイコンとして、静止画アイコンおよび/または動画アイコンを含んでよい。
【0021】
スイッチ36は、イーサネットスイッチ(イーサネットは登録商標)であって、外部の機器と有線または無線で接続して、データの送受信を行うデバイスである。スイッチ36は無線インタフェース38に接続し、無線インタフェース38は、Bluetooth(登録商標)プロトコルやIEEE802.11プロトコルなどの通信プロトコルで無線通信機能をもつゲームコントローラ40と接続する。ゲームコントローラ40は、ユーザからの操作入力が行われる入力部として機能し、ユーザからの操作情報は無線インタフェース38、スイッチ36、デバイスコントローラ30を通じてメインコントローラ100に供給される。
【0022】
メインコントローラ100は、マルチコアCPUを備え、1つのCPUの中に1つの汎用的なプロセッサコアと、複数のシンプルなプロセッサコアを有する。以下では、汎用プロセッサコアをPPU(Power Processing Unit)と呼び、残りのプロセッサコアをSPU(Synergistic-Processing Unit)と呼ぶ。メインコントローラ100では、ゲーム装置10を効率よく使用するための機能、環境を提供し、装置全体を統括的に制御するオペレーティングシステム(以下、単に「OS(Operating System)」と呼ぶ)が実行される。本実施例におけるゲーム装置10のOS階層は、上位から、ユーザ層、カーネル(Kernel)層、ハイパーバイザ(Hypervisor)層の3階層をとり、ユーザ層、カーネル層とハイパーバイザ層のソフトウェアが一体となって、ゲーム装置10の「OS」として機能する。
【0023】
電源ボタン20により電源投入されると、システムコントローラ24は、デバイスコントローラ30を経由して、メインコントローラ100および出力処理部104に電源を供給する。メインコントローラ100に電源が供給されると、PPUは、まずOSのブートローダを実行して、ハイパーバイザ層を起動する。つづいて、PPUは、OSのカーネル層を起動し、さらにユーザ層を起動して、記録媒体50から供給されるデータの受入態勢を整える。これにより、メインコントローラ100は、ゲームソフトウェアを実行できる。
【0024】
メインコントローラ100は、メインメモリ102に接続するメモリコントローラを備える。PPUはレジスタを有し、演算実行主体としてメインプロセッサを備えて、実行するアプリケーションにおける基本処理単位としてのタスクを各SPUに効率的に割り当てる。なお、PPU自身がタスクを実行してもよい。SPUはレジスタを有し、演算実行主体としてのサブプロセッサとローカルな記憶領域としてのローカルメモリを備える。メインメモリ102およびローカルメモリは、RAM(ランダムアクセスメモリ)として構成される。SPUは制御ユニットとして専用のDMA(Direct Memory Access)コントローラをもち、メインメモリ102とローカルメモリの間のデータ転送を行うことで、データを高速にストリーム処理でき、また出力処理部104に内蔵されるフレームメモリとローカルメモリの間で高速なデータ転送を実現できる。
【0025】
出力処理部104は、出力装置12に接続されて、アプリケーションの処理結果である映像信号および音声信号を出力する。出力処理部104は、画像処理機能を実現するGPU(Graphics Processing Unit)を備える。GPUは、HDMI(High Definition Multimedia Interface)を採用し、アナログを介さずに、映像信号をデジタル出力できる。
【0026】
本実施例のゲーム装置10は、記録媒体50に記録されているゲームソフトウェアをメインメモリ102またはローカルメモリに読み出して実行する機能に加えて、ハードディスクドライブ34のハードディスクにインストールされているゲームソフトウェアをメインメモリ102またはローカルメモリに読み出して実行する機能ももつ。以下、記録媒体50からRAMに直接読み出されて実行されるゲームを「ディスク起動ゲーム」と呼び、ハードディスクなどの記憶装置にインストールされることで実行可能となるゲームを「インストールゲーム」と呼ぶ。
【0027】
本実施例において、メディアドライブ32に装着される記録媒体50は、1つのディスク起動ゲームのソフトウェアと、1以上のインストールゲームのソフトウェアを記録している。インストールゲームは、たとえば、体験版のゲームであってもよい。この場合、ゲームメーカからすると、ディスク起動ゲームを販売することで、同時に体験版の他のゲームもユーザに配布でき、記録媒体50を販促ツールとして有効に活用できる。なお、体験版に限らず、製品版のインストールゲームが記録媒体50に収められてもよい。また、ゲームメーカがシリーズもののゲームを開発している場合、最新版のディスク起動ゲームソフトウェアを記録した記録媒体50に、旧版のゲームのインストール形式のパッチファイルが記録されていてもよい。ユーザが、シリーズものの複数のゲームを保持する場合、ユーザは、旧版のパッチファイルを容易に入手することができ、インターネット上の仮想ゲームショップからパッチファイルをダウンロードする手間を省力化できる。同様に、記録媒体50は、インストール形式のアイテム、キャラクタなどのゲームデータを記録していてもよい。このように記録媒体50は、ソフトウェア、ファイルまたはデータのインストーラを保持していてよく、これらは混在して記録媒体50に記録されていてもよい。
【0028】
図3は、記録媒体のディレクトリ構成を示す。以下、示されるデータ、ファイルおよびディレクトリについて、各階層ごとに説明する。なお、記録媒体50には、1つのディスク起動ゲームのソフトウェアと、複数のインストールゲームのソフトウェアとがそれぞれに割り当てられた領域に記録されている。
【0029】
<第1階層>
(1)PARAMETER_A.SSS
ディスク起動ゲームのパラメータ情報を記述したファイルである。このファイルには、ディスク起動ゲームの描画解像度や、ペアレンタルロック機能の設定情報などが含まれる。
(2)CONTENT_INFO.TTT
ディスク起動ゲームのコンテンツ情報を記述したファイルである。このファイルには、ゲームのタイトル名や、ゲームの説明画像、アイコン画像などが含まれる。なお、ディスク起動ゲームの説明画像、アイコン画像は、それぞれ第1階層にデータとして存在してもよい。なお、ゲームの説明画像は、ディスプレイにおいて背景画像の前に配置されるため、以下では「前景画像」と呼ぶこともある。
(3)DISK_BOOT_GAME/
ディスク起動ゲームの実行プログラムなどを記録するディレクトリである。
(4)INSTALL_GAME/
インストールゲームに関する全てのプログラム、ファイル、データを記録するディレクトリである。
【0030】
<第2階層>
第2階層には、DISK_BOOT_GAME/に含まれるプログラム、ファイルも存在するが、図3では、それらを省略している。INSTALL_GAMEディレクトリの下階層には、インストールゲームソフトウェアに含まれるプログラム、ファイル、データをそれぞれ記録する領域が形成される。
(1)PARAMETER_B.SSS
インストールゲームの共通のパラメータ情報を記述したファイルである。
(2)ICON0.IMG
複数のインストールゲームが存在していることを示すアイコン画像である。なお、個々のインストールゲームを特定するアイコンは、各PACKAGEディレクトリに含まれている。
(3)PIC0.IMG
高解像度の説明画像である。
(4)PIC1.IMG
第1の背景画像である。ディスプレイに表示されるメニュー画面において、アイコン画像(GAME/INSTALL_GAME/ICON0.IMG)が選択操作されたときに背景画像として使用される。
(5)PIC2.IMG
標準解像度の説明画像である。
(6)PIC3.IMG
第2の背景画像である。ディスプレイに表示されるメニュー画面において、アイコン画像(GAME/INSTALL_GAME/ICON0.IMG)が決定操作されたときに背景画像として使用される。
(7)BGM.SND
BGMの音楽データである。
(8)PACKAGE00/
1つのインストールゲーム00に関する全てのプログラム、ファイル、データを記録するディレクトリである。同様にPACKAGE01/は、インストールゲーム01に関する全てのプログラム、ファイル、データを記録するディレクトリである。
【0031】
<第3階層>
(1)PARAMETER_B00.SSS
インストールゲーム00のパラメータ情報を記述したファイルである。このファイルには、インストールゲーム00の描画解像度などが含まれる。
(2)ICON0_00.IMG
インストールゲーム00を特定するアイコン画像である。
(3)PIC0_00.IMG
インストールゲーム00の高解像度の説明画像である。
(4)PIC1_00.IMG
インストールゲーム00の背景画像である。
(5)PIC2_00.IMG
インストールゲーム00の標準解像度の説明画像である。
(6)BGM_00.SND
インストールゲーム00のBGMの音楽データである。
(7)INSTALL00.UUU
インストールゲーム00の実行プログラムであり、ハードディスクにインストールして起動することで実行される。
【0032】
図4は、メインコントローラ100の内部構成を示す。メインコントローラ100は、データ読出部110、入力受付部112、アイコン処理部114、前景処理部116、背景処理部120およびメニュー画面生成部130を備える。背景処理部120は、デフォルト背景取得部122および背景切替部124を備える。
【0033】
図4において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。既述したように、メインコントローラ100には1つのPPUと複数のSPUとが設けられており、PPUおよびSPUがそれぞれ単独または協同して、各機能ブロックを構成できる。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0034】
本実施例のゲームシステム1において、ユーザはゲームコントローラ40を用いて、出力装置12のディスプレイに表示されるGUI(Graphical User Interface)をみながら、記録媒体50に記録されているインストールゲームソフトウェアをハードディスクにインストールする。これによりユーザが体験版のインストールゲームを楽しむことができる。本実施例では、ユーザがゲームソフトウェアをインストールするときに、出力装置12のディスプレイに表示する画像を工夫することで、インストールゲームへの興味を高く維持できるようにする。
【0035】
データ読出部110は、デバイスコントローラ30を介して、メディアドライブ32により記録媒体50からデータを読み出す機能をもつ。本実施例においてデータ読出部110は、記録媒体50から、アイコン画像、前景画像および背景画像を読み出す。またデータ読出部110は、不揮発性メモリ(図示せず)またはハードディスクドライブ34に保持されているデフォルト背景画像を読み出す機能ももつ。データ読出部110の読出処理は、記録媒体50がメディアドライブ32に装着されて認識されたとき、また、ユーザによりディスプレイ上のアイコンに対して選択操作または決定操作が行われたときに実行される。
【0036】
入力受付部112は、ゲームコントローラ40から入力された操作情報を受け付ける。具体的に入力受付部112は、ユーザによるアイコンの選択操作および決定操作を受け付け、その旨を示す情報を、データ読出部110および背景処理部120に通知する。
【0037】
アイコン処理部114は、データ読出部110により読み出されたアイコン画像を取得し、メニュー画面生成部130に供給する。記録媒体50がメディアドライブ32に装着された直後において、データ読出部110は、図3を参照して、第1階層のCONTENT_INFO.TTTからディスク起動ゲームのアイコン画像と、第2階層から、インストール可能なゲームソフトウェアの存在を示すアイコン画像(GAME/INSTALL_GAME/ICON0.IMG)を読み出す。また、ユーザによりアイコン画像(GAME/INSTALL_GAME/ICON0.IMG)が決定操作された場合には、データ読出部110は、各PACKAGEディレクトリに記録されているアイコン画像を読み出す。
【0038】
なおデータ読出部110は、記録媒体50に含まれるアイコン画像だけでなく、ゲーム装置10で処理可能な他のアイコン画像も不揮発性メモリまたはハードディスクドライブ34から読み出す。アイコン処理部114は、読み出されたアイコン画像をメニュー画面生成部130に供給する。
【0039】
前景処理部116は、データ読出部110により読み出された前景画像(説明画像ともいう)を取得し、メニュー画面生成部130に供給する。図3を参照して、データ読出部110は、必要に応じて、第2階層から前景画像(GAME/INSTALL_GAME/PIC0.IMGまたはGAME/INSTALL_GAME/PIC2.IMG)を読み出し、また第3階層から前景画像(GAME/INSTALL_GAME/PACKAGE00/PIC0_00.IMGまたはGAME/INSTALL_GAME/PACKAGE00/PIC2_00.IMG)を読み出す。前景処理部116は、読み出された前景画像をメニュー画面生成部130に供給する。
【0040】
背景処理部120は、データ読出部110により読み出された背景画像を取得し、メニュー画面生成部130に供給する。データ読出部110は、記録媒体50がメディアドライブ32に装着されて認識されると、デフォルト背景画像を不揮発性メモリまたはハードディスクドライブ34から読み出す。デフォルト背景画像は、ゲーム装置10のメニュー画面の背景としてデフォルト設定された画像であり、メニュー画面の背景画像を構成する。デフォルト背景取得部122は、読み出されたデフォルト背景画像をメニュー画面生成部130に供給する。
【0041】
データ読出部110は、ユーザからのアイコンに対する選択操作情報を受けると、記録媒体50に記録されている第1の背景画像および第2の背景画像を読み出し、背景処理部120に供給する。この第1の背景画像は、図3に示す”GAME/INSTALL_GAME/PIC1.IMG”であり、第2の背景画像は、”GAME/INSTALL_GAME/PIC3.IMG”である。なお第2の背景画像は、ユーザからのアイコンに対する決定操作情報を受けたときに読み出されてもよい。入力受付部112が、デフォルト背景画像をもつメニュー画面において、インストール可能なゲームソフトウェアの存在を示すアイコン画像(GAME/INSTALL_GAME/ICON0.IMG)の選択操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、背景切替部124は、デフォルト背景画像を、第1背景画像に切り替えるようにメニュー画面生成部130に指示する。また入力受付部112が、第1背景画像をもつメニュー画面において、アイコン画像(GAME/INSTALL_GAME/ICON0.IMG)の決定操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、第1背景画像を第2背景画像に切り替えるようにメニュー画面生成部130に指示する。
【0042】
第1背景画像および第2背景画像は、ゲームメーカにより作成されており、ゲームの世界観を表現するものである。そのため、体験版のゲームソフトウェアのインストール時には、ゲーム装置10において予め用意されているデフォルト背景画像をユーザに見せるのではなく、第1背景画像および第2背景画像を見せることで、ユーザのゲームソフトウェアへの興味を高く維持できる。そこで本実施例のゲーム装置10は、ユーザによる操作入力が行われている間、記録媒体50に記録されている背景画像を表示しておくことで、仮想的なゲームの世界にユーザを案内できる。
【0043】
メニュー画面生成部130は、背景処理部120から供給される背景画像上に、記録媒体50から読み出されたアイコン画像と、ゲーム装置10で処理可能な他のアイコン画像とを配列したメニュー画面を生成する。メニュー画面生成部130は、生成したメニュー画面を出力装置12に供給し、出力装置12は、ディスプレイにメニュー画面を表示する。以下、メニュー画面の遷移とともに、メインコントローラ100による処理を説明する。
【0044】
図5は、ディスプレイに表示されるメニュー画面を示す。メニュー画面生成部130は、デフォルト背景取得部122から供給されたデフォルト背景画像上に、ゲーム装置10において実行可能な処理を特定する複数のアイコン画像206を縦方向および横方向にクロス配列したメニュー画面を生成し、出力処理部104に供給する。図5に示すメニュー画面の生成時、記録媒体50はまだメディアドライブ32に装着されていない。
【0045】
ユーザは、ゲームコントローラ40を操作して所望のアイコンを選択領域205の位置までスクロールさせて動かすことで、メニュー画面に表示されているアイコンを選択操作し、また決定操作できる。ここで選択操作とは、アイコンを選択領域205に移動することであり、決定操作とは、選択領域205に位置するアイコンに対して、ボタンなどを操作することにより、そのアイコンに対応付けられた処理を実行させることをいう。なお、アイコンを選択領域205に位置させることを、以下では、「フォーカスを合わせる」と呼ぶこともある。
【0046】
図6は、記録媒体がメディアドライブに装着されたときにディスプレイに表示されるメニュー画面を示す。ユーザが記録媒体50をメディアドライブ32に装着すると、メディアドライブ32は、所定の記録領域に保持されている識別番号を検出し、記録媒体50が正規のものであるか判断する。正規の記録媒体50である場合、データ読出部110が、記録媒体50にディスク起動ゲームおよびインストールゲームが記録されていることを認識すると、記録媒体50から、ディスク起動ゲームのアイコン画像と、インストール可能なゲームソフトウェアの存在を示す第1アイコン画像(GAME/INSTALL_GAME/ICON0.IMG)を読み出し、アイコン処理部114に供給する。アイコン処理部114は、記録媒体50から2つのアイコン画像を取得すると、メニュー画面生成部130に供給する。
【0047】
メニュー画面生成部130は、デフォルト背景画像200上に、ディスク起動ゲームアイコン画像202と、第1アイコン画像204を、他のアイコン画像206とともに配列したメニュー画面を生成する。図6に示すメニュー画面は自動生成され、ユーザからの操作情報は必要としない。この例では、ディスク起動ゲームアイコン画像202で特定するゲームタイトルが「ABCベースボール」であり、このタイトル情報は、データ読出部110により記録媒体50から読み出されて、メニュー画面生成部130に供給される。
【0048】
図7は、第1アイコン画像に対して選択操作がなされたときにディスプレイに表示されるメニュー画面を示す。ユーザがメニュー画面においてフォーカスを第1アイコン画像204にあてると、入力受付部112は、メニュー画面において第1アイコン画像204の選択操作が行われたことを示す選択操作情報を受け付け、データ読出部110および背景処理部120に通知する。第1アイコン画像204の近傍には、複数のインストールゲームのインストーラ用のアイコンであることを示すタイトル「インストールゲーム」が表示され、このタイトル情報は、データ読出部110により記録媒体50から読み出されて、メニュー画面生成部130に供給される。
【0049】
データ読出部110は、選択操作通知を受けると、記録媒体50から第1背景画像(GAME/INSTALL_GAME/PIC1.IMG)および第2背景画像(GAME/INSTALL_GAME/PIC3.IMG)を読み出し、背景処理部120に供給する。背景切替部124は、選択操作通知を受けることで背景画像を切り替えるべきことを認識し、また第1背景画像を受け取ることで切り替えるべき背景画像を認識する。なお、この時点では、第2背景画像はメインメモリ102などのRAMに保持される。背景切替部124は、第1背景画像をメニュー画面生成部130に供給するとともに、背景画像を、デフォルト背景画像から第1背景画像に切り替えるようにメニュー画面生成部130に指示する。メニュー画面生成部130は、デフォルト背景画像を第1背景画像210に切り替える。第1背景画像210は、図示されるように、画面右上部でABCを白抜きにした画像である。
【0050】
またデータ読出部110は、選択操作通知を受けると、記録媒体50から前景画像(GAME/INSTALL_GAME/PIC0.IMGまたはGAME/INSTALL_GAME/PIC2.IMG)を読み出し、前景処理部116に供給する。前景処理部116は、サイズを調整するなど必要な処理を前景画像に加えて、メニュー画面生成部130に供給する。これによりメニュー画面生成部130は、第1背景画像210上に前景画像212を配置したメニュー画面を生成する。なお前景画像212には、記録媒体50に含まれるインストールゲームの一般的な説明が含まれてもよい。
【0051】
図8は、第1アイコン画像に対して決定操作がなされたときにディスプレイに表示されるメニュー画面を示す。ユーザがメニュー画面においてフォーカスを第1アイコン画像204にあてた状態でゲームコントローラ40の所定のボタンを押下すると、入力受付部112は、メニュー画面において第1アイコン画像204の決定操作が行われたことを示す決定操作情報を受け付け、データ読出部110および背景処理部120に通知する。
【0052】
背景切替部124は、決定操作通知を受けると、背景画像を切り替えるべきことを認識する。背景切替部124は、RAMに保持した第2背景画像をメニュー画面生成部130に供給するとともに、背景画像を、第1背景画像から第2背景画像に切り替えるようにメニュー画面生成部130に指示する。メニュー画面生成部130は、第1背景画像を第2背景画像220に切り替える。第2背景画像220は、図示されるように、画面右下部で白抜きのABCにハッチングを施した画像である。
【0053】
またデータ読出部110は、決定操作通知を受けると、記録媒体50から、インストール可能なゲームソフトウェアを特定する第2アイコン画像(GAME/INSTALL_GAME/PACKAGE00/ICON0_00.IMG)を読み出し、アイコン処理部114に供給する。記録媒体50に複数のインストールゲームが含まれている場合は、その数だけの第2アイコン画像が読み出される。アイコン処理部114は、第2アイコン画像をメニュー画面生成部130に供給する。これによりメニュー画面生成部130は、第2背景画像220上に第2アイコン画像222、224、226を配列したメニュー画面を生成する。なお、インストールゲームは、ハードディスクにインストールするまでは実行できないため、第2アイコン画像222、224、226は、メニュー画面におけるアイコンのクロス配列とは別の列に配置される。第2アイコン画像222、224、226のそれぞれは、ハードディスクにインストールされると、起動用のアイコン画像206としてメニュー画面中に表示される。
【0054】
なおアイコン処理部114は、第2アイコン画像222、224、226に、ハードディスクへのインストールが可能であることをユーザに知らせるための所定の画像処理をほどこしてもよい。図8においては、第2アイコン画像222、224、226のそれぞれに、カプセルを模したカプセル画像223、225、227が被せられる。これにより、ユーザは、第2アイコン画像222、224、226で特定されるゲームソフトウェアをインストールできることを知ることができ、インストール処理をスムーズにできる。なお、ハードディスクへのインストールが完了したゲームソフトウェアについては、カプセル画像を取り外してもよい。このような画像処理をアイコン処理部114が行うことで、第2アイコン画像を効率的に利用でき、ゲームメーカは、インストール可能であることを知らせるための第2アイコン画像とは別のアイコン画像を作成しなくてよい。
【0055】
インストールを実行するまでの記録媒体50へのアクセス中は、記録媒体50に記録されている背景画像を常に表示させておくことで、ユーザの興味を高く維持させられる。実施例では、ABCシリーズの各種スポーツゲームの体験版ソフトウェアがユーザに提供されており、背景画像に「ABC」の文字を含めることで、ユーザにABCシリーズのゲームを強く意識させることができる。このように、本実施例のゲームシステム1によると、ゲームメーカに対して、体験版ソフトウェアに対するユーザの購買意欲を高めるような背景画像を戦略的に作成する機会を与えることができる。
【0056】
図9は、第2アイコン画像に対して選択操作がなされたときにディスプレイに表示されるメニュー画面を示す。ユーザがメニュー画面においてフォーカスを第2アイコン画像222にあてると、入力受付部112は、メニュー画面において第2アイコン画像222の選択操作が行われたことを示す選択操作情報を受け付け、データ読出部110および背景処理部120に通知する。第2アイコン画像に選択操作が行われた場合、データ読出部110は、対応するPACKAGEディレクトリからデータを読み出す。ここでは、「ABCテニス」のインストールゲームが、GAME/INSTALL_GAME/PACKAGE00/の記録領域に格納されている。
【0057】
データ読出部110は、選択操作通知を受けると、記録媒体50から第3背景画像(GAME/INSTALL_GAME/PACKAGE00/PIC1_00.IMG)を読み出し、背景処理部120に供給する。背景切替部124は、選択操作通知を受けることで背景画像を切り替えるべきことを認識し、また第3背景画像を受け取ることで切り替えるべき背景画像を認識する。背景切替部124は、第3背景画像をメニュー画面生成部130に供給するとともに、背景画像を、第2背景画像から第3背景画像に切り替えるようにメニュー画面生成部130に指示する。メニュー画面生成部130は、第2背景画像を第3背景画像230に切り替える。第3背景画像230は、図示されるように、画面右上部に黒字のABCとラケットの画像である。
【0058】
またデータ読出部110は、選択操作通知を受けると、記録媒体50から前景画像(GAME/INSTALL_GAME/PACKAGE00/PIC0_00.IMGまたはGAME/INSTALL_GAME/PACKAGE00/PIC2_00.IMG)を読み出し、前景処理部116に供給する。前景処理部116は、サイズを調整するなど必要な処理を前景画像に加えて、メニュー画面生成部130に供給する。これによりメニュー画面生成部130は、第3背景画像230上に前景画像232を配置したメニュー画面を生成する。前景画像232には、ABCテニスの説明が表示されてもよい。
【0059】
以上、ユーザがメニュー画面においてアイコンを操作することでフォーカスを第2アイコン画像222にあてた場合について説明したが、第1アイコン画像204が決定操作されて、図8に示すメニュー画面が表示されるときに、フォーカスが自動的に第2アイコン画像222にあてられてもよい。この場合、第1アイコン画像204の決定操作とともに、第2アイコン画像222が選択操作されることになる。
【0060】
ゲームシステム1において、アイコン画像や背景画像は記録媒体50に保持されているため、データ読出部110によるデータの読み出しには、数秒程度の時間がかかる。特に背景画像はアイコン画像と比較してデータ量が大きく、データの読み出しにかかる時間は長い。第1アイコン画像204の決定操作とともに、第2アイコン画像222が自動的に選択操作される場合は、第1背景画像210から第3背景画像230に直接切り替えるとすると、しばらく第1背景画像210が変化しないことになる。第2アイコン画像222の選択処理中であることをユーザに知らせるべく、第2アイコン画像222の選択操作が行われたときには、第1背景画像210から、別の背景画像に切り替えて、その後に第3背景画像230に切り替えることが好ましい。
【0061】
このとき、ゲーム装置10側で用意しているデフォルト背景画像200を経由させることも可能であるが、雰囲気が第1背景画像210とは異なるため、数秒程度の時間であっても、ユーザに違和感を与えることも考えられる。そこで、RAMに保持されている第2背景画像220に一度切り替え、第3背景画像230の読み出しが完了した時点で第3背景画像230に切り替えることで、ゲームの世界観を維持しながら、ユーザに違和感を与えることなくインストール処理を進行させることができる。
【0062】
なお、図9に示すメニュー画面において、フォーカスを第2アイコン画像224にあわせた場合も同様に、第3背景画像230から、ABCゴルフの背景画像に遷移するまでの間に、第2背景画像220が表示される。これにより上記したように、ゲームの世界観を維持しながら、ユーザにアイコン画像の選択操作を継続させることが可能となる。
【0063】
図10は、インストール画面を示す。ユーザがメニュー画面においてフォーカスを第2アイコン画像222にあてた状態でゲームコントローラ40の所定のボタンを押下すると、入力受付部112は、メニュー画面において第2アイコン画像222の決定操作が行われたことを示す決定操作情報を受け付け、インストール処理部(図示せず)に通知する。インストール処理部は、第2アイコン画像222に対応する(GAME/INSTALL_GAME/PACKAGE00/INSTALL00.UUU)をハードディスクにインストールする。なお、インストール中は、ゲーム装置10側の処理であることをユーザに認識させるべく、背景処理部120は、デフォルト背景画像をメニュー画面生成部130に供給し、メニュー画面生成部130がデフォルト背景画像を背景に設定する。
【0064】
インストールが完了すると、メニュー画面生成部130は、図9に示すメニュー画面を生成する。このとき、アイコン処理部114は、第2アイコン画像222に被されたカプセル画像223を削除して、ユーザにインストール済みであることを示す画像処理を行ってもよい。
【0065】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。たとえば、実施例ではアイコンの選択操作として、アイコンを選択領域205に位置させることとしたが、マウスポインタのようなポインティングデバイスを用いて、ユーザがアイコンを選択できるようにしてもよい。
【0066】
実施例では、記録媒体50が、ディスク起動ゲームのソフトウェアとインストールゲームのソフトウェアとを記録している例について説明したが、記録媒体50は、インストールゲームのソフトウェアのみを記録したものであってもよい。また本発明は、ゲームソフトウェアをインストールする場合に限らず、実行するゲームを切り替えるときに、ゲーム装置10で用意している背景画像を使用せず、切替前または切替先のゲームソフトウェアで用意した背景画像を利用することで、そのゲームの世界観を担保することも可能である。
【0067】
なお実施例では、記録媒体50から体験版ゲームソフトウェアをインストールする場合の背景画像切替処理について説明したが、既にハードディスクにインストールされているABCシリーズのアイコンをメニュー画面に表示する際にも、この背景画像切替処理を適用することができる。たとえば、ハードディスクのディレクトリ構成は、図3に示す第2階層、第3階層の構成を有し、PACKAGE00ディレクトリにABCテニス、PACKAGE01ディレクトリにABCゴルフのソフトウェアが保持されているとする。メニュー画面には、図7の第1アイコン画像204のように、ABCシリーズのゲームの存在を総括して表現するアイコンが表示され、そのアイコンに決定操作がなされ、またABCテニスのアイコンが選択されると、ABCシリーズに共通の背景画像(たとえば第2背景画像220)をもつメニュー画面が表示された後、ABCテニスの背景画像230をもつメニュー画面(たとえば図9参照)が表示される。続いて、ユーザによりアイコンがスクロールされて、ABCゴルフのアイコンが選択領域205に配置されたとき、ABCゴルフの背景画像をディスプレイに表示する前に、ABCシリーズに共通の背景画像をディスプレイに表示する。これにより、ABCシリーズのゲームがもつ世界観をユーザに提供し続けることができ、また選択されているゲームが切り替わることをユーザに知らせることも可能となる。
【0068】
なお実施例では第1背景画像210および第2背景画像220を使用する例について説明したが、たとえば図9に示すメニュー画面において、フォーカスを第2アイコン画像224にあわせた場合には、第3背景画像230からABCゴルフの背景画像に遷移するまでの間に、第1背景画像210が表示されてもよい。第1背景画像210を第2背景画像220のように使用することで、第2背景画像220が存在しない場合であっても、ゲームのアイコン間でフォーカスが移動するときのゲームの世界観を維持することができる。また、第2背景画像220を使用したいが、ディレクトリ上で探索できなかった場合に、代わりに第1背景画像210を使用することも可能である。
【符号の説明】
【0069】
1・・・ゲームシステム、10・・・ゲーム装置、12・・・出力装置、32・・・メディアドライブ、34・・・ハードディスクドライブ、40・・・ゲームコントローラ、50・・・記録媒体、100・・・メインコントローラ、102・・・メインメモリ、110・・・データ読出部、112・・・入力受付部、114・・・アイコン処理部、116・・・前景処理部、120・・・背景処理部、122・・・デフォルト背景取得部、124・・・背景切替部、130・・・メニュー画面生成部、200・・・デフォルト背景画像、202・・・ディスク起動ゲームアイコン画像、204・・・第1アイコン画像、206・・・アイコン画像、210・・・第1背景画像、212・・・前景画像、220・・・第2背景画像、222・・・第2アイコン画像、223・・・カプセル画像、224・・・第2アイコン画像、225・・・カプセル画像、226・・・第2アイコン画像、227・・・カプセル画像、230・・・第3背景画像、232・・・前景画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力受付部、メニュー画面生成部およびRAMを備えてメニュー画面を生成する情報処理装置によって、読み取られるデータが記録された記録媒体であって、
当該記録媒体がドライブ装置に装着されると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面に含まれる、アプリケーションソフトウェア、ファイルまたはデータの存在を示す第1アイコン画像と、
メニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の選択操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面の背景画像として使用される第1背景画像と、
メニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の選択操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、RAMに保持される第2背景画像と、
背景画像を第1背景画像とするメニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の決定操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面に含まれる、アプリケーションソフトウェア、ファイルまたはデータを特定する第2アイコン画像とを、それぞれ記録する領域が形成されている記録媒体であって、
前記第2背景画像は、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面において第1アイコン画像および第2アイコン画像が表示されるときに、RAMから読み出されて、メニュー画面の背景画像として使用されることを特徴とする記録媒体。
【請求項2】
ドライブ装置からRAMに読み出されて実行される第1アプリケーションソフトウェアを記録する第1記録領域と、
ドライブ装置から記憶装置にインストールされることで実行可能となる第2アプリケーションソフトウェアを記録する第2記録領域とを備え、
第2記録領域において、前記第1アイコン画像、前記第1背景画像、前記第2アイコン画像および前記第2背景画像のそれぞれの記録領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
【請求項3】
当該記録媒体の記録領域は、階層化されたデータ構造をとり、
第1アイコン画像、第1背景画像および第2背景画像は同一階層の領域に記録され、第2アイコン画像は、その下の階層の領域に記録されていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録媒体。
【請求項4】
入力受付部、メニュー画面生成部およびRAMを備えてメニュー画面を生成する情報処理装置によって、読み取られるデータのデータ構造であって、
情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面に含まれる、アプリケーションソフトウェア、ファイルまたはデータの存在を示す第1アイコン画像と、
メニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の選択操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面の背景画像として使用される第1背景画像と、
メニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の選択操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、RAMに保持される第2背景画像と、
背景画像を第1背景画像とするメニュー画面において入力受付部が第1アイコン画像の決定操作が行われたことを示す操作情報を受け付けると、情報処理装置により読み出されて、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面に含まれる、アプリケーションソフトウェア、ファイルまたはデータを特定する第2アイコン画像とを含み、
前記第2背景画像は、メニュー画面生成部により生成されるメニュー画面において第1アイコン画像および第2アイコン画像が表示されるときに、RAMから読み出されて、メニュー画面の背景画像として使用されることを特徴とするデータ構造。
【請求項5】
当該データ構造は階層化されており、
第1アイコン画像、第1背景画像および第2背景画像は同一階層に配置され、第2アイコン画像は、その下の階層に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のデータ構造。
【請求項6】
請求項1から3のいずれかに記載の記録媒体から前記第1アイコン画像、前記第1背景画像、前記第2アイコン画像および前記第2背景画像を読み出して、メニュー画面を生成することを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−40104(P2011−40104A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253924(P2010−253924)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【分割の表示】特願2007−188865(P2007−188865)の分割
【原出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】