説明

情報処理装置およびその制御方法、並びにプログラム

【課題】特殊キー操作を容易に実現することが可能になり、管理者の負荷を軽減することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】遠隔操作クライアントアプリケーション200は、ソフトウェアキー画面を表示する画面表示部300と、受け付けたキー操作に対応するキー操作情報を保持する画面操作受付部301と、受け付けたキー操作情報をデバイスへ送信するためのデータに変換する受付データ変換部302と、変換されたデータをネットワーク103を介してデバイスに送信するクライアントデバイス通信部303とを備え、デバイスに特殊画面を表示させるための特殊画面遷移キー操作を受け付けた場合、当該キー操作時のソフトウェアキーボタンの表示を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置から複合機等のデバイスの遠隔操作を行うアプリケーションに関する技術であり、特に、情報処理装置からの遠隔操作により非公開モード画面への遷移の補助に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来、PC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置から複合機などのデバイスの遠隔操作を行う際、誤って非公開モード画面が表示されないように、PCからの操作キーの押下順序や同時押下を判別する。そして、ユーザが偶然に非公開モード画面に遷移することを減少させる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−149437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的なユーザではなく、管理者がデバイスの遠隔操作を行う場合、確実かつ容易に非公開モード画面への遷移および各種設定を行なえる必要がある。特に、キーボタンの同時押しや連続押し、長押し操作(以下、「特殊画面遷移キー操作」と呼ぶ)を行う際には以下の課題がある。
【0005】
1.特殊画面遷移キー操作を容易に実現する仕組みが必要である。例えば、身体に障害がある管理者が情報処理装置からデバイスを遠隔操作することを想定した場合、特殊画面遷移キー操作をハードウェアキーから行うことが困難な場合があるため、マウスなどの簡易なインターフェースの機器のみでの簡易操作が必要となる。
【0006】
2.特殊画面遷移キー操作を管理者は知っている必要があるが、デバイスによっては特殊画面遷移キー操作が異なる場合もあり、管理者が各種設定を行えない場合がある。
【0007】
3.管理者からの遠隔操作がユーザに知られないよう、セキュリティを保つ必要がある。つまり、管理者がユーザのPCからデバイスの遠隔操作をする場合、PCの画面操作がユーザに見られるおそれがあり、悪意のあるユーザが操作方法を記憶し、非公開モード画面へ遷移して、各種設定を変更するなどの不正操作を行われてしまう可能性がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、特殊キー操作を容易に実現することが可能になり、管理者の負荷を軽減することができる情報処理装置およびその制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、ネットワークを介して接続されたデバイスの遠隔操作を行う遠隔操作手段を備える情報処理装置において、前記遠隔操作手段は、ソフトウェアキー画面を表示手段に表示する画面表示手段と、前記ソフトウェアキー画面を介して受け付けたキー操作に対応するキー操作情報を保持する画面操作受付手段と、前記受け付けたキー操作情報を前記デバイスへ送信するためのデータに変換するデータ変換手段と、前記変換されたデータを前記ネットワークを介して前記デバイスに送信する通信手段と、前記画面操作受付手段が前記デバイスに特殊画面を表示させるための特殊画面遷移キー操作を受け付けた場合、当該キー操作時のソフトウェアキーボタンの表示を変更する変更手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、特殊キー操作を容易に実現することが可能になり、管理者の負荷を軽減することができる。また、非公開モード画面に遷移するためのキー操作を管理者に可視化することで、容易に操作を行うことができる。また、管理者からの遠隔操作がユーザに知られないよう、セキュリティ保持の機構を利用することで、悪意あるユーザが非公開モード画面へ遷移し、各種設定を変更するなどの不正操作を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置とデバイスの内部構成を示すブロック図である。
【図2】(a)PC101の表示装置に表示されるデバイス104の遠隔操作用の操作パネル画面の一例を示す図、(b)同じくソフトウェアキー画面の一例を示す図である。
【図3】(a)ソフトウェアキー画面上でのキーボタンの同時押しを説明するための図、(b)ソフトウェアキー画面上でのキーボタンの連続押しを説明するための図である。
【図4】(a)ソフトウェアキー画面上でのキーボタンの長押しを説明するための図、(b)ソフトウェアキー画面上で特殊画面遷移キー候補をナビゲートする動作を説明するための図である。
【図5】特殊画面遷移キー操作と通常のキー操作時のPC101とデバイス104における処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置とデバイスの内部構成を示すブロック図である。
【0014】
図1において、遠隔操作システム100は、情報処理装置等のPC101と、複合機等のデバイス104と、それらを互いに接続するネットワーク103とで構成される。遠隔操作システム100では、管理者がPC101を利用してデバイス104の遠隔操作が可能である。また、一般的なユーザは、直接操作することでデバイス104の利用が可能である。
【0015】
PC101は、パーソナルコンピュータとして、不図示のCPUや、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置を備える装置本体と、LCD等の表示装置と、キーボード(ハードウェア)やマウス等の入力装置とで構成される。なお、キーボードのキー配列やマウスのクリック可能なボタン数など、ハードウェアの形態は問わない。本実施形態では、マウスが1ボタン形態や3ボタン形態であった場合でも、後述する特殊画面遷移キー操作の設定時において、デバイス104に対するキー割り当てを変更することで、非公開モード画面への遷移操作に対応可能である。
【0016】
PC101には、遠隔操作クライアントアプリケーション200がインストールされている。このアプリケーションは、デバイス104内の遠隔操作サーバアプリケーション201との間で、ネットワーク103を介して双方向にデータ通信を行う。
【0017】
遠隔操作クライアントアプリケーション200は、ソフトウェアモジュールとして、画面表示部300と、画面操作受付部301と、受付データ変換部302と、クライアントデバイス通信部303とから構成される。
【0018】
画面表示部300は、表示装置に図2(a)に示すような操作パネル画面400や、図2(b)に示すようなソフトウェアキー画面401を表示させる機能を有する。画面操作受付部301は、表示装置に操作パネル画面400やソフトウェアキー画面401が表示された状態で、マウスやキーボード(ハードウェア)などの入力装置から受け付けた情報を保持する機能を有する。受付データ変換部302は、入力装置から受け付けた情報を、遠隔操作サーバアプリケーション201へ送信するためのデータに変換する機能を有する。クライアントデバイス通信部303は、受付データ変換部302で変換されたデータを、遠隔操作サーバアプリケーション201へ送信し、また、遠隔操作サーバアプリケーション201からの情報を受信する機能を有する。
【0019】
デバイス104には、遠隔操作サーバアプリケーション201がインストールされている。このアプリケーションは、PC101内の遠隔操作クライアントアプリケーション200との間で、ネットワーク103を介して双方向にデータ通信を行う。
【0020】
遠隔操作サーバアプリケーション201は、ソフトウェアモジュールとして、イベント受付部304と、操作パネル表示部305と、操作反映部306と、操作受付部307と、クライアントデバイス通信部308と、デバイス情報保持部309とから構成される。
【0021】
イベント受付部304は、操作パネル表示部305とデバイス104上のハードウェアキーからの入力情報を受け付ける機能を有する。
【0022】
操作反映部306は、操作受付部307で受け付けたデータを操作パネル表示部305とデバイス104上のハードウェアキーから入力された状態と同様の処理を行う機能を有する。例えば、ソフトウェアキー画面401上で番号1のボタンが押下された場合、デバイス104上のハードウェアキーの番号1が入力された状態と同様の処理が行われる。
【0023】
クライアントデバイス通信部308は、遠隔操作クライアントアプリケーション200のクライアントデバイス通信部303と双方向通信を行う。そして、PC101に対してデバイス情報保持部309に保持された情報を送信したり、クライアントデバイス通信部303から、受付データ変換部302で変換されたデータの受信を行う機能を有する。
【0024】
次に、本発明の実施形態における特殊画面遷移キー操作時のソフトウェアキーボタン(以下、単に「キーボタン」と呼ぶ)表示方法を変更する制御について説明する。本実施形態では、特殊画面遷移キー操作として、キーボタンの同時押し、連続押し、長押し操作の3種類について説明する。なお、これら3種類に限らず、3種類の組み合わせや、他の特殊画面遷移キー操作が存在する場合でも適応可能である。また、特殊画面は、セキュリティを保つ必要性から一般のユーザに対して表示させないことが望ましく、管理者にのみ利用されるべき非公開モード画面である。
【0025】
まず、図3(a)を用いて、キーボタンの同時押しの例について説明する。
【0026】
例えば、番号1のキーボタン500、番号2のキーボタン501、番号3のキーボタン502の同時押しを行う場合、以下に説明する一連の操作が行われたときに非公開モード画面へ遷移する。まず、番号1のキーボタン500がマウス右クリックによりマーキングされる。次に、番号2のキーボタン501がマウス右クリックによりマーキングされる。そして、番号3のキーボタン502がマウス左クリックされると、前述のマーキングを解除する。このマーキング解除が同時押し操作の終了を意味する。これらの一連の操作におけるキー操作情報は、一旦、画面操作受付部301にて保持される。そして、受付データ変換部302は、キー操作情報から3つのキーボタンが同時に押されたと判断し、キーボタンの同時押しがされた旨のデータに変換する。クライアントデバイス通信部303は、キーボタンの同時押しがされた旨のデータを遠隔操作サーバアプリケーション201のクライアントデバイス通信部308に送信する。
【0027】
上述した本実施形態におけるマーキングとは、画面表示部300が番号1のキーボタン500や番号2のキーボタン501等のキーボタン自体またはボタン周辺の色や形状を変更することを意味する。図示のキーボタンの形状は丸形のままだが、マーキングの際に四角形に変更したり、三角形に変更したりしてもよい。
【0028】
本実施形態では、ソフトウェアキー画面401上のキーボタンがマウス右クリックされたときに画面表示部300によりマーキングして同時キー操作である旨を画面操作受付部301に保持させる。そして、マウス左クリックされたときに画面操作受付部301で保持していたキー操作情報が遠隔操作サーバアプリケーション201に送信されるが、これに限定されるものではない。例えば、マウスではなく、キーボードの任意のキーで代替しても構わない。また、後述する連続押し、長押しなどの特殊画面遷移キー操作および通常の操作を行う場合のキー操作が一意であればよい。
【0029】
このように、特殊画面遷移キー操作としてマウス右クリックが連続して行われた後、通常キー操作としてマウス左クリックが行われた場合には、非公開モード画面へ遷移する。なお、ここでは、特殊画面遷移キーとしてマウス右クリックを例示したが、これに限定されるものではない。
【0030】
次に、図3(b)を用いて、キーボタンの連続押しの例について説明する。
【0031】
例えば、番号1のキーボタン600、番号2のキーボタン601、番号3のキーボタン602の連続押しを行う場合、以下に説明する一連の操作が行われたときに非公開モード画面へ遷移する。まず、番号1のキーボタン600がマウス左ダブルクリックによりマーキングされる。次に、番号2のキーボタン601がマウス左クリックによりマーキングされる。そして、番号3のキーボタン602がマウス左ダブルクリックされると、前述のマーキングを解除する。このマーキング解除が連続押し操作の終了を意味する。これらの一連の操作におけるキー操作情報は、前述の同時押しの場合と同様に、一旦、画面操作受付部301にて保持される。そして、受付データ変換部302は、キー操作情報から3つのキーボタンが連続して押されたと判断し、キーの連続押しがされた旨のデータに変換する。クライアントデバイス通信部303は、キーボタンの連続押しがされた旨のデータを遠隔操作サーバアプリケーション201のクライアントデバイス通信部308に送信する。なお、マーキングの意味およびキー操作の意味については前述の同時押しの説明と同じである。
【0032】
このように、特殊画面遷移キー操作としてマウス左ダブルクリックが1度行われ、通常キー操作としてマウス左クリックが行われた後、再度特殊画面遷移キー操作としてマウス左ダブルクリックが1度行われた場合には、非公開モード画面へ遷移する。なお、ここでは、特殊画面遷移キーとしてマウス左ダブルクリックを例示したが、これに限定されるものではない。また、通常キー操作は、複数回行われてもよい。
【0033】
次に、図4(a)を用いて、キーの長押しの例について説明する。
【0034】
例えば、*のキーボタン700の長押しを行う場合、*のキーボタン700がマウス左押下され、さらにマウス左押下状態でマウス右押下されることで*のキーボタン700がマーキングされる。そして、マウスボタンが左右両方離されたタイミングで前述のマーキングを解除する。このマーキング解除が長押し操作の終了を意味する。これらの一連の操作におけるキー操作情報は、前述の同時押しの場合と同様に、一旦、画面操作受付部301にて保持される。そして、受付データ変換部302は、キー操作情報からキーボタンが長押しされたと判断し、キーボタンが長押しされた旨のデータに変換する。クライアントデバイス通信部303は、キーボタンが長押しされた旨のデータを遠隔操作サーバアプリケーション201のクライアントデバイス通信部308に送信する。なお、マーキングの意味およびキー操作の意味については前述の同時押しの説明と同じである。
【0035】
このように、特殊画面遷移キー操作としてマウス左押下が1度行われ、連続して特殊画面遷移キー操作としてマウス右押下が1度行われた場合、非公開モード画面へ遷移する。なお、ここでは、特殊画面遷移キーとしてマウス右押下、マウス左押下を例示したが、これに限定されるものではない。
【0036】
次に、図4(b)を用いて、特殊画面遷移キー候補をナビゲートする処理について説明する。本実施形態では、番号1のキーボタン800に関連する特殊画面遷移キー候補として、番号2のキーボタン801と番号3のキーボタン802を可視化することでナビゲートする例について説明する。
【0037】
番号1のキーボタン800がマウス右ダブルクリックされた場合、画面操作受付部301を経由して受付データ変換部302がナビゲート操作が行われたと判断する。そして、クライアントデバイス通信部303が番号1のキーボタン800に対応する特殊画面遷移キー候補を遠隔操作サーバアプリケーション201のクライアントデバイス通信部308に問い合わせる。
【0038】
遠隔操作サーバアプリケーション201のデバイス情報保持部309には、特殊画面遷移キー候補として、特殊画面遷移キー情報が保持されている。クライアントデバイス通信部308がPC101から番号1のキーボタン800に対して特殊画面遷移キー操作が行われた旨のデータを受信すると、デバイス情報保持部309が、番号1のキーボタン800に対応する特殊画面遷移キー候補が存在するかを判断する。そして、存在すると判断した場合は、その特殊画面遷移キー候補の情報をクライアントデバイス通信部308から遠隔操作クライアントアプリケーション200へ送信する。
【0039】
PC101では、クライアントデバイス通信部303、受付データ変換部302、画面操作受付部301を経由して受信したキー操作情報に基づいて、画面表示部300がソフトウェアキー画面401上の所定のキーボタンのマーキングを行う。なお、マーキングされるキーボタンは、1つに限らない。複数のキーボタンの選択肢がある場合は、画面表示部300は、複数のキーボタン(例えば番号2のキーボタン801、番号3のキーボタン802)をマーキングすることで、特殊画面遷移キー候補を管理者にナビゲートする。
【0040】
このように、特殊画面遷移キー操作としてマウス右クリックが1度行われた場合、遠隔操作サーバアプリケーション201のデバイス情報保持部309から対応する特殊画面遷移キー候補を取得し、所定のキーボタンをマーキングする。これにより、特殊画面遷移キー操作がデバイスの種類により異なる場合でも管理者がナビゲートに従って適切に特殊画面遷移キー操作を行うことができ、管理者の負担を軽減することができる。
【0041】
次に、任意かつ一意な特殊画面遷移キー操作や通常キー操作に関するキー設定情報を遠隔操作クライアントアプリケーション200で保持し、受付データ変換部302にて遠隔操作サーバアプリケーション201で解釈可能なデータ変換を行う方法について説明する。
【0042】
任意かつ一意な特殊画面遷移キー操作や通常キー操作に関するキー設定情報については、専用のツールもしくはテキストエディタなど編集ツールを用いて追加、削除、変更可能とする。すなわち、上述した同時押し、連続押し、長押し、ナビゲートなどのキー設定情報が、例えば下記のような方法で定義される。
【0043】
同時押し=マウス右クリック:マーク、マウス左クリック:送信
連続押し=マウス左ダブルクリック:開始、マウス左クリック:マーク、マウス左ダブルクリック:送信
長押し=マウス左押下、マウス右押下:送信
マーキング=なし
ナビゲート=なし
また、上述した方法により定義されたキー設定情報が遠隔操作クライアントアプリケーション200で任意の暗号アルゴリズムで暗号化されて保持されていてもよい。この場合、遠隔操作クライアントアプリケーション200にて同じ暗号アルゴリズムにて復号化されたキー設定情報に基づいて、キー操作情報が受付データ変換部302にて、遠隔操作サーバアプリケーション201に解釈可能なキー操作情報に変換される。
【0044】
このように、任意かつ一意な特殊画面遷移キー操作や通常キー操作に関するキー設定情報を変更可能にし、当該キー設定情報を暗号化して管理することができるので、悪意あるユーザが非公開モード画面へ遷移し、各種設定を変更するなどの不正操作を低減できる。
【0045】
次に、図5のフローチャートを用いて、特殊画面遷移キー操作と通常のキー操作時のPC101とデバイス104における処理について説明する。
【0046】
ステップS901にて遠隔操作クライアントアプリケーション200が起動すると、ステップS902にて暗号化されたキー設定情報が存在するか否かが判定される。暗号化されたキー設定情報が存在すると判定された場合は、ステップS903にて復号化されてキー設定情報が読み込まれる。次に、復号化されたキー設定情報は、受付データ変換部302にて保持される(ステップS904)。
【0047】
ステップS902において、暗号化されたキー設定情報が存在しないと判定された場合は、ステップS905において、画面操作受付部301が、ソフトウェアキー画面上でのキーボタンの操作を受け付ける。ステップS905にてソフトウェアキー画面上でキーボタンの操作を受け付けた場合、画面操作受付部301は、ステップS906にてキーボタンを識別できたか否かを判断する。ここでは、画面操作受付部301が、ソフトウェアキー画面上で受け付けた操作を解析して、どのようなキーボタンが選択され、どのような操作がなされたかを識別する。識別できなかった場合はステップS914へ進む。識別できなかった場合とは、例えば、一定期間操作が行われた場合や無効な操作が行われた場合が含まれる。
【0048】
一方、識別できた場合、画面操作受付部301は、識別したキー操作が特殊画面遷移キー操作か否かを判断する。ここでは、ステップS904で受付データ変換部302にて保持されたキー設定情報に基づいて、特殊画面遷移キー操作か否かを判断してもよい。特殊画面遷移キー操作でないと判断した場合は、ステップS916へ進む一方、特殊画面遷移キー操作であると判断した場合、画面操作受付部301は、ステップS908においてナビゲート操作か否かを判断する。ナビゲート操作であると判断した場合、ステップS909において、クライアントデバイス通信部303が、ナビゲート操作されたキーボタンに対応する特殊画面遷移キー候補があるかデバイス104に問い合わせる。
【0049】
次に、ステップS919において、問い合わせを受けたデバイス104では、遠隔操作サーバアプリケーション201が、デバイス情報保持部309に特殊画面遷移キー候補があるか否かを判別する。存在すると判別した場合、クライアントデバイス通信部308が、ステップS920にて特殊画面遷移キー候補の情報をPC101に返信する。
【0050】
ステップS913では、PC101の遠隔操作クライアントアプリケーション200は、返信された特殊画面遷移キー候補の情報を元に、画面表示部300によりソフトウェアキー画面401上のキーボタンがナビゲートのためにマーキングされる。そして、ステップS905に戻る。
【0051】
ステップS908において、ナビゲート操作でないと判断した場合、受付データ変換部302は、ステップS905で受け付けたキー操作に対応するキー操作情報をデバイス104で解釈可能なデータに変換する(ステップS910)。次に、ステップS911において、画面表示部300は、ソフトウェアキー画面401上のキーボタンをマーキングし、ステップS912にてキー操作情報をデバイス104へ送信するか否かをキー操作情報から判断する。送信すると判断した場合は、ステップS916へ進む一方、送信しないと判断した場合は、ステップS905に戻る。
【0052】
ステップS916では、操作受付部307がクライアントデバイス通信部308を介してキー操作情報を受信し、ステップS917にて操作反映部306が表示画面を決定する。画面決定後、デバイス104では、ステップS918にて操作パネル表示部305により画面を表示し、ステップS905へ移行する。
【0053】
ステップS914では、遠隔クライアントアプリケーションが操作終了か否かを判断し、操作終了と判断した場合、ステップS915にて遠隔操作クライアントアプリケーション200を終了し、本処理を終了する。
【0054】
本実施形態によれば、遠隔操作クライアントアプリケーション200は、デバイス104に特殊画面を表示させるための特殊画面遷移キー操作を受け付けた場合、当該キー操作時のソフトウェアキーボタンの表示方法を変更する。これにより、特殊画面遷移キー操作を容易に実現することが可能になり、管理者の負荷を軽減することができる。
【0055】
また、非公開モード画面に遷移するための特殊画面遷移キー操作を管理者に可視化することで、容易に操作を行うことができる。
【0056】
また、管理者からの遠隔操作がユーザに知られないよう、キー設定情報を変更可能であって、当該キー設定情報を暗号化して管理することができるので、悪意あるユーザが非公開モード画面へ遷移し、各種設定を変更するなどの不正操作を低減できる。
【0057】
なお、上記実施形態では、キー設定情報が暗号化されている場合について説明したが暗号化されていない場合でもよい。すなわち、図5のステップS902〜S904を省略されていてもよい。また、ナビゲートする場合について説明したが、なくともよい。すなわち、図5のステップS908,S909,S919,S920が省略されていてもよい。
【0058】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0059】
101 PC
104 デバイス
200 遠隔操作クライアントアプリケーション
201 遠隔操作サーバアプリケーション
300 画面表示部
301 画面操作受付部
302 受付データ変換部
303 クライアントデバイス通信部
306 操作反映部
307 操作受付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたデバイスの遠隔操作を行う遠隔操作手段を備える情報処理装置において、
前記遠隔操作手段は、
ソフトウェアキー画面を表示手段に表示する画面表示手段と、
前記ソフトウェアキー画面を介して受け付けたキー操作に対応するキー操作情報を保持する画面操作受付手段と、
前記受け付けたキー操作情報を前記デバイスへ送信するためのデータに変換するデータ変換手段と、
前記変換されたデータを前記ネットワークを介して前記デバイスに送信する通信手段と、
前記画面操作受付手段が前記デバイスに特殊画面を表示させるための特殊画面遷移キー操作を受け付けた場合、当該キー操作時のソフトウェアキーボタンの表示を変更する変更手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特殊画面遷移キー操作が連続して行われた後、通常キー操作が行われた場合は特殊画面へ遷移する特殊画面遷移手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特殊画面遷移キー操作が1度行われ、通常キー操作が少なくとも1度行われた後、再度、前記特殊画面遷移キー操作が1度行われた場合は特殊画面へ遷移する特殊画面遷移手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特殊画面遷移キー操作が1度行われ、連続してさらに前記特殊画面遷移キー操作が1度行われた場合は特殊画面へ遷移する特殊画面遷移手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特殊画面遷移キー操作が1度行われた場合、前記デバイスからキー候補を取得し、当該キー候補の表示方法を変更することで前記特殊画面へ遷移する特殊画面遷移手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
任意かつ一意な特殊画面遷移キー操作および通常キー操作に関するキー設定情報を設定するための設定手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記画面表示手段は、前記ソフトウェアキー画面を介して受け付けたキー操作に関連する特殊画面遷移キー候補を画面上に表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特殊画面遷移キー操作の方法を暗号化した設定情報により、前記特殊画面遷移キー操作の方法を変更可能にする設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
ネットワークを介して接続されたデバイスの遠隔操作を行う遠隔操作手段を備える情報処理装置の制御方法において、
前記遠隔操作手段が、ソフトウェアキー画面を表示手段に表示する画面表示工程と、
前記遠隔操作手段が、前記ソフトウェアキー画面を介して受け付けたキー操作に対応するキー操作情報を保持する画面操作受付工程と、
前記遠隔操作手段が、前記受け付けたキー操作情報を前記デバイスへ送信するためのデータに変換するデータ変換工程と、
前記遠隔操作手段が、前記変換されたデータを前記ネットワークを介して前記デバイスに送信する通信工程と、
前記遠隔操作手段が、前記画面操作受付工程にて前記デバイスに特殊画面を表示させるための特殊画面遷移キー操作を受け付けた場合、当該キー操作時のソフトウェアキーボタンの表示を変更する変更工程と
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の表示方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータに読み取り可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−101479(P2013−101479A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244564(P2011−244564)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】