説明

情報処理装置およびカメラ

【課題】機能ユニットの組み合わせを変えることによりシステム構成を変更可能なカメラのシステム構成を変更したときに発揮可能な機能や性能を容易に活用可能とする。
【解決手段】交換式の複数の機能ユニットの組み合わせを変えることによりシステム構成を変更可能なユニット交換式のカメラ100を構成する複数の機能ユニットのそれぞれから得られる機能ユニット情報をもとに、カメラ100が現状で有しているシステム構成を特定可能なシステム構成情報がカメラ100から情報処理装置200に出力される。プログラム記憶部206には、複数の機能ユニットの組み合わせによって構築可能なシステム構成の種類に対応して、カメラ100の動作を制御するための制御プログラムが複数記憶される。システム構成情報で特定されるシステム構成のカメラで動作可能な一または複数の制御プログラムのうち、最適な制御プログラムがカメラ100に出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に交換式の複数の機能ユニットを接続して構成され、これら複数の機能ユニットの組み合わせを変えることによりシステム構成を変更可能なカメラのシステム構成に対応した制御プログラムを抽出して出力可能な情報処理装置と、この情報処理装置に接続可能なユニット交換式のカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
交換式の複数の機能ユニットを電気的に接続してユーザの使用目的に応じたカメラを構成可能とするものが知られている。例えば、撮影レンズを使用目的に応じて交換可能に構成されるカメラや、大容量電池を収納したバッテリーパックをカメラ底部に装着することにより、静止画を連続撮影する際の最大コマ速を増すことが可能なカメラ等がある。
【0003】
また、カメラ全体を買い換えることなく撮像素子や撮像回路の技術的な進歩に的確に対応でき、最小限のコストで機能向上が可能なカメラが特許文献1に開示される。このカメラは、グリップユニット、カメラユニット、ストロボユニット、レンズユニット、メモリユニットにて構成されている。グリップユニットは、表示部と電池部の機能を有し、カメラユニットは、イメージャーとその制御部、画処理部、ストロボ部の機能を有し、レンズユニットは、レンズとレンズ駆動部を有し、メモリユニットは、交換メモリ部を有している。
【0004】
上記ユニットのうち、いずれかを交換することにより、カメラの構成をユーザの所望するものへと変更することができる。そのため、機能の増強されたカメラを新しく買い直すのに比べて出費を抑制することが可能となる。
【0005】
また、撮像装置の構成を機能毎に独立したユニットとして構成し、各ユニット同士を接続・交換可能にすることにより、要求される機能に応じた機能を実現するカメラが特許文献2にも開示される。このカメラは、カメラ部と、画像処理部と、パンチルト部とを備えて構成されている。そして、カメラ部を別のものに変えることによりイメージャーの画素数が変更され、画像処理部を変えることにより、異なる種類のバス(IEEE1394)でホスト端末に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−181718号公報
【特許文献2】特開平11−8793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1および2に開示されるものでは、使用目的等に応じてシステム構成を変更可能に構成されるものの、以下に説明する課題を有する。すなわち、機能のより高められたユニットは往々にして後から開発されて提供されるので、その高機能をフルに活用するためには新たなソフトウェア(ファームウェア)が必要となる場合がある。このとき、各ユーザが所有するカメラのシステム構成は様々なものとなり、そのシステム構成に対応して最適なソフトウェアをユーザ自身が選択することは容易ではない。
【0008】
また、ある機能ユニットを新規のものに替えて、従来所有していたカメラのシステム構成を変えた場合に、どのような機能向上が図られるのかをユーザが全て把握することも難しい。このため、せっかくの機能を十分に活用できないという課題を生じうる。
【0009】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、交換式の複数の機能ユニットを電気的に接続して構成され、機能ユニットの組み合わせを変えることによりシステム構成を変更可能なカメラを使用する際に、複雑な操作や設定を必要とすることなく、変更後のシステム構成で発揮可能な機能や性能を、ユーザが容易に活用可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1) 本発明は、情報処理装置に適用される。この情報処理装置が、
交換式の複数の機能ユニットの組み合わせを変えることによりシステム構成を変更可能なユニット交換式のカメラを構成する前記複数の機能ユニットのそれぞれから得られる機能ユニット情報をもとに前記カメラ内で生成され、前記カメラが現状で有しているシステム構成を特定可能な情報であるシステム構成情報を入力するシステム構成情報入力部と、
前記複数の機能ユニットの組み合わせによって構築可能なシステム構成の種類に対応して、前記カメラの動作を制御するための制御プログラムが複数記憶されるプログラム記憶部と、
前記システム構成情報で特定されるシステム構成のカメラで動作可能な一または複数の制御プログラムのうち、最適な制御プログラムを、前記プログラム記憶部から抽出して出力するプログラム出力部と
を有することにより上述した課題を解決する。
(2) 本発明はまた、カメラに適用される。このカメラは、前記情報処理装置に接続可能に構成され、前記システム構成を変更可能なユニット交換式のカメラである。そしてこのカメラが、
前記カメラを構成する前記複数の機能ユニットのそれぞれから得られる前記機能ユニット情報をもとに、前記カメラが現状で有しているシステム構成に対応する前記システム構成情報を前記情報処理装置に出力するシステム構成情報出力部と、
前記システム構成情報に対応して前記情報処理装置から出力される前記最適な制御プログラムを入力する制御プログラム入力部と、
前記情報処理装置から出力された前記最適な制御プログラムを実行して前記カメラの動作を制御するプログラム実行処理部と
を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザがユニット交換式のカメラのシステム構成を変えたときに、複雑な操作や設定を必要とすることなく、変更後のシステム構成で発揮可能な機能や性能を容易に活用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ユニット交換式のカメラの概略的構成を示すブロック図である。
【図2】カメラが有するシステム構成に対応した制御プログラムをカメラに出力する情報処理装置の概略的構成を示すブロック図である。
【図3】カメラで実行される処理手順を概略的に説明するフローチャートである。
【図4】カメラで利用可能な機能等がカメラの表示部に表示される際の例を示す図であり、利用可能な機能が追加された場合の表示例を示す図である。
【図5】カメラで利用可能な機能等がカメラの表示部に表示される際の例を示す図であり、利用可能な機能が変わらない、または減じられた場合の表示例を示す図である。
【図6A】情報処理装置からカメラへ制御プログラムを出力する際に情報処理装置で実行される処理手順を説明するフローチャートである。
【図6B】同じく、図6Aのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【図6C】同じく、図6Bのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【図7】カメラのシステム構成例を示す表である。
【図8A】図7に例示されるシステム構成を有するカメラを情報処理装置に接続したときに情報処理装置で実行される制御プログラム出力のための処理手順を説明するフローチャートである。
【図8B】同じく、図8Aのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【図8C】同じく、図8Bのフローチャートに続く処理手順を説明するフローチャートである。
【図9】カメラのシステム構成の別例を示す表である。
【図10】カメラのシステム構成のさらに別の例を示す表であり、図9に示されるシステム構成からシャッタユニットが外された場合のシステム構成を示す表である。
【図11】図9に例示されるシステム構成を有するカメラを情報処理装置に接続したときに情報処理装置で実行される制御プログラム出力のための処理手順を説明するフローチャートである。
【図12】図10に例示されるシステム構成を有するカメラを情報処理装置に接続したときに情報処理装置で実行される制御プログラム出力のための処理手順を説明するフローチャートである。
【図13】カメラのシステム構成の別例を示す表である。
【図14】カメラのシステム構成のさらに別の例を示す表であり、図13に示されるシステム構成に対して撮像ユニットがより高感度のものに交換された場合のシステム構成を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、カメラ100の概略的構成を説明するブロック図である。カメラ100は、ユニット式に構成される。すなわち、使用目的に応じてユーザが選択した複数の機能ユニットを組み合わせることにより、一つのカメラ100を構成することができる。このとき、ある一つの機能を果たす機能ユニットとして少なくとも1種類の機能ユニットがメーカから提供される。つまり、ある機能に対しては1種類の機能ユニットしか提供されない場合があり、また、別の機能に対しては複数の機能ユニットが提供される場合がある。ユーザはその中から所望の性能を有するものを購入し、使用することができる。
【0014】
例えば、機能ユニットが撮像ユニットである場合について説明すると、異なる画素数や感度を有する複数種類の撮像ユニットがメーカから提供可能である。ユーザは、これらの撮像ユニットの中から、撮影目的に合致したものを選択してカメラ100に組み込むことができる。また、例えば表示という機能を果たすための機能ユニットとして、カメラ100の背面に設けられるモニタ表示のような機能ユニットと、電子ビューファインダのような機能ユニットとの双方を用いてカメラ100を構成することも可能である。
【0015】
カメラ100は、有線または無線の形態で外部の情報処理装置200と接続可能に構成される。情報処理装置200と有線の形態で接続するためのものとしては、USBケーブルやIEEE1394ケーブル、イーサネット(登録商標)ケーブル、あるいは専用の接続ケーブルを利用可能である。情報処理装置200と無線の形態で接続するためのものとしては、IEEE802.11b、g、n等の無線LAN規格、ブルートゥース(登録商標)、Eye−Fi(登録商標)、Transfer Jet(登録商標)、IrDA(登録商標)等を利用可能である。
【0016】
カメラ100は、レンズユニット110と、シャッタユニット120と、撮像ユニット130と、信号処理ユニット140と、インターフェースユニット150(図中、「I/Fユニット」と表記される)と、表示ユニット160と、操作ユニット170と、記録ユニット180と、バッテリユニット190とを組み合わせたシステム構成を有する。なお、本明細書中で説明するカメラ100のシステム構成は一例であって、以下に説明する全ての機能ユニットを必ずしも備えていなくてもよいし、他の機能ユニットがさらに追加されていてもよい。
【0017】
レンズユニット110は、撮像光学系116と、レンズ駆動部112とを備える。レンズ駆動部112は、CPU114を備える。撮像光学系116は、1または複数のレンズエレメントと、絞り装置とを備えて構成される。撮像光学系116は、焦点距離が固定のものであっても、可変焦点距離のものであってもよい。レンズ駆動部112は、レンズアクチュエータを備え、撮像光学系116中の一部または全体を撮像光学系116の光軸方向に沿って移動させて焦点調節のための駆動を行う。レンズ駆動部112はまた、絞りアクチュエータを備え、絞り装置を駆動して撮像光学系116中を透過する被写体光の量を調節する。
【0018】
レンズユニット110は信号処理ユニット140と電気的に接続され、レンズ駆動部112のCPU114は、信号処理ユニット140からの指令信号に基づいて上述した焦点調節のための制御と絞り調節のための制御とを行う。CPU114はまた、機能ユニット情報を信号処理ユニット140に出力する。
【0019】
CPU114が出力する機能ユニット情報には、レンズユニット110の種類を一意に特定可能な識別情報が含まれる。あるいは、この機能ユニット情報には、上記識別情報とともに、もしくは上記識別情報に代えて、レンズユニット110の諸元や性能等に関する情報が含まれていてもよい。
【0020】
レンズユニット110の諸元や性能等に関する情報としては、メーカ名、焦点距離、開放F値、最小絞り値、最短撮影距離、収差、周辺減光特性等に関する情報等を含むものとすることが可能である。CPU114はさらに、カメラ100が撮影モードで動作している最中、焦点調節用のレンズの位置情報(撮影距離情報)や、撮像光学系が可変焦点距離レンズである場合の設定焦点距離に関連する情報を信号処理ユニット140に対して随時出力する。
【0021】
シャッタユニット120は、シャッタ装置126とシャッタ駆動部122とを備える。シャッタ駆動部122は、CPU124を備える。シャッタ装置126は、一例としてレンズユニット110と撮像ユニット130との間に配置されるフォーカルプレンシャッタであってもよいし、レンズユニット110内の絞り装置の近傍に配置されるレンズシャッタであってもよい。
【0022】
以下ではシャッタ装置126がフォーカルプレンシャッタであるものとして説明をする。この場合、シャッタ装置126は、複数の遮光部材(先幕、後幕)が所定の時間間隔をおいて走行することにより露光時間を制御する、いわゆる機械式のシャッタとすることが可能である。あるいは、光透過率を電気的に変化させることが可能な液晶やエレクトロクロミック素子を用いた、いわゆる物性シャッタとすることが可能である。
【0023】
シャッタ装置126が機械式のシャッタである場合、シャッタ駆動部122は、シャッタ幕を走行させるための駆動源となる弾性部材をチャージ(蓄勢)するためのモータやソレノイド等の電磁駆動装置、弾性部材が蓄勢されてシャッタ幕が走行可能な状態になってからシャッタ開閉動作が始まるまでの間、シャッタ幕駆動部材を係止するためにシャッタ装置126内に備えられる電磁石等を上記電磁駆動装置とともに制御するためのドライバ回路等を備える。シャッタ装置126が物性シャッタである場合、シャッタ駆動部122は、液晶やエレクトロクロミック素子を駆動して光透過率を変化させるためのドライバ回路等を備える。
【0024】
シャッタユニット120は信号処理ユニット140と電気的に接続され、シャッタ駆動部122のCPU124は信号処理ユニット140からの指令信号に基づいてシャッタ装置126の開閉のための制御を行う。なお、シャッタ装置126が物性シャッタである場合も便宜的に「シャッタを開閉する」と表現する。
【0025】
CPU124はまた、機能ユニット情報を信号処理ユニット140に出力する。CPU124が出力する機能ユニット情報には、シャッタユニット120の種類を一意に特定可能な識別情報が含まれる。あるいは、この機能ユニット情報には、上記識別情報とともに、もしくは上記識別情報に代えて、シャッタユニット120の諸元や性能等に関する情報が含まれていてもよい。
【0026】
シャッタユニット120の諸元や性能等に関する情報としては、メーカ名、最高速秒時、幕速(露光領域を画定する開口の一端から他端まで先幕または後幕が走行するのに要する時間)、シンクロ秒時(フラッシュ同調が可能な最高速秒時)、連続撮影モード時におけるコマ速(fps)の上限に関する情報等を含むものとすることが可能である。CPU124はさらに、シャッタ全開時、後幕走行開始時、そしてシャッタ開閉動作の終了時(露光動作完了時)にその旨を伝える信号を信号処理ユニット140に出力可能に構成される。シャッタ全開時に出力される信号は、シャッタ開閉動作にフラッシュの発光を同期させるために用いられる。後幕走行開始時に出力される信号は、いわゆる後幕シンクロモードでフラッシュの発光を同期させるために用いられる。シャッタ開閉動作終了時に出力される信号は、撮像素子132から画像信号を読み出すタイミングを制御するために用いられる。
【0027】
撮像ユニット130は、撮像素子132と、撮像制御部136とを備える。撮像制御部136は、CPU134を備える。撮像素子132としては、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ、あるいは他の方式のイメージセンサを利用可能であるが、本明細書中において撮像素子132は内部にアナログフロントエンド(AFE)が設けられていて、読み出されたアナログ画像信号に増幅、A/D変換等の処理をしてデジタル画像信号を出力可能なCMOSイメージセンサであるものとする。
【0028】
撮像素子132としては、例えばベイヤ配列や他の配列のオンチップカラーフィルタを有する単板式の構成を有していても、ダイクロイックプリズム等の分光光学系を経て分光された被写体光を複数のイメージセンサで受光する、多板式の構成を有していてもよい。本明細書において撮像素子132は単板式の構成を有するものとする。
【0029】
撮像素子132はまた、電子シャッタ機能、すなわちシャッタ装置126を開放状態に維持したまま、撮像素子132における露光動作の時間を電子的に制御可能とする機能を有するものとする。つまり、カメラ100としては動画撮影に加えて、シャッタユニット120を備えていない状態(あるいはシャッタユニット120を開放状態に維持したまま)でも静止画の撮影動作を行うことが可能であるものとする。電子シャッタの方式としては、ローリングシャッタ、グローバルシャッタいずれの方式であってもよいが、本明細書中において撮像素子132はグローバルシャッタによる電子シャッタ動作が可能であるものとする。
【0030】
撮像制御部136は、撮像素子132による撮像および画像信号出力の動作を制御する。撮像ユニット130は、信号処理ユニット140と電気的に接続され、撮像制御部136のCPU134は信号処理ユニット140からの指令信号に基づいて撮像素子132による露光動作および画像信号読み出し動作を制御する。
【0031】
CPU134はまた、機能ユニット情報を信号処理ユニット140に出力する。CPU134が出力する機能ユニット情報には、撮像ユニット130の種類を一意に特定可能な識別情報が含まれる。あるいは、この機能ユニット情報には、上記識別情報とともに、もしくは上記識別情報に代えて、撮像ユニット130の諸元や性能等に関する情報が含まれていてもよい。
【0032】
撮像ユニット130の諸元や性能等に関する情報としては、メーカ名、イメージエリアサイズ、総画素数、読み出し有効画素数、設定可能な最低/最高感度(ISO感度相当)、選択可能な間引き読み出しモード、画像信号読み出し速度(fps)、ダイナミックレンジ、分光感度特性に関する情報等を含むものとすることが可能である。
【0033】
信号処理ユニット140は、フレームメモリ142と、信号処理部146と、フラッシュメモリ148とを備える。信号処理部146は、CPU144を備える。フレームメモリ142は、SDRAM等、比較的高速のアクセス速度を有するメモリが用いられており、撮像素子132から出力されたデジタル画像信号を一時的に記憶するとともに信号処理部146で画像信号が処理される際のワークエリアとして用いられる。フラッシュメモリ148には、CPU144で実行されるプログラム(ファームウェア)や制御パラメータ、そして他の様々な情報が記憶される。
【0034】
ところで、レンズユニット110、シャッタユニット120、撮像ユニット130のそれぞれから出力される機能ユニット情報を信号処理ユニット140が入力することについては先に説明したとおりであるが、信号処理ユニット140にもまた、自身の機能ユニット情報が記憶されている。信号処理ユニット140の機能ユニット情報については、CPU144がそれを参照する。信号処理ユニット140に記憶される機能ユニット情報には、信号処理ユニット140の種類を一意に特定可能な識別情報が含まれる。あるいは、この機能ユニット情報には、上記識別情報とともに、もしくは上記識別情報に代えて、信号処理ユニット140の諸元や性能等に関する情報が含まれていてもよい。
【0035】
信号処理ユニット140の諸元や性能等に関する情報としては、メーカ名、ファームウェアのバージョン名、単位時間あたりに処理可能な画像の数(fps)、バッファメモリの容量、特殊効果等による様々な映像表現の画像を生成するためにユーザが利用可能なフィルタ処理の種類に関する情報等を含むものとすることが可能である。
【0036】
信号処理部146は、フレームメモリ142に一時的に記憶されるデジタル画像信号を処理して画像データを生成し、インターフェースユニット150に出力する。信号処理部146では、撮像素子132が単板式のものである場合にはデモザイク処理が行われて、画像を構成する画素のひとつ一つに対して例えば青(B)、緑(G)、赤(R)三色の画素値が定義された画像データが生成される。また、信号処理部146では、ノイズ低減のための線形または非線形のフィルタ処理、ホワイトバランス処理、シェーディング補正処理、階調補正処理、撮像光学系の収差(色収差、歪曲収差等)による影響を低減するための処理等が行われる。
【0037】
上述した処理に加えて、ライブビュー画像、ポストビュー画像、あるいは再生画像などを表示装置に表示するための表示画像データを生成する際には、表示装置の色再現特性に対応したガマットマッピング等の色補正処理、階調補正処理、リサイズの処理等が信号処理部146で行われる。リサイズ処理に際しては、線形補間、バイキュービック、NEDI(New Edge Directed Interpolation)、最近傍(Nearest neighbor)法等を用いることが可能である。上述した処理に加えて、エッジ強調の処理や、折り返し歪み(aliasing)を低減するためのローパスフィルタ処理等も信号処理部146で行われる。
【0038】
信号処理部146では、以上に説明した画像処理以外に、以下で説明する自動焦点調節(AF)処理および自動露出調節(AE)処理を行う。AF処理は、撮像素子132から出力される画像信号を繰り返し処理し、撮影画面中の予め定められたエリア(焦点検出エリア)内の画像のコントラスト値の変化を検出して、コントラスト値の高められる方向に撮像光学系116内の焦点調節レンズが移動するようにレンズユニット110に制御信号を発する処理である。
【0039】
AE処理は、撮影画面中の予め定められたエリア(測光エリア)内の画素値をもとに被写体の輝度を導出して以下のように露光量を制御する処理である。すなわち、導出された被写体輝度に対応して、ライブビュー動作中および動画像撮影中の電子シャッタによる露光量の制御、撮像素子132のAFEブロック内に備えられるAGC回路のゲイン制御を信号処理部146は行う。信号処理部146はまた、静止画の撮影が行われる際に、導出された被写体輝度、設定された等価ISO感度、そして予め設定されている露出プログラムに基づき、レンズユニット110の設定絞り値、シャッタユニット120の設定露光時間を決定してこれらレンズユニット110およびシャッタユニット120に制御信号を発する。
【0040】
上述した処理を行う信号処理部146は、ASICやFPGA、あるいはマイクロプロセッサ等で構成可能であるが、本明細書において信号処理部146はASICおよびエンベデッドプロセッサを備えて構成され、CPU144はエンベデッドプロセッサであるものとする。そして、上述した処理中、画像処理に類する処理は主にASICにより行われ、AE、AF等に係る処理はCPU144により行われるものとする。CPU144はまた、カメラ100全体としての動作を統括的に制御する処理も行うものとする。
【0041】
インターフェースユニット150は、インターフェース処理部(図1では「I/F処理部」と表記される)152を備える。インターフェース処理部152は、CPU154を備える。インターフェースユニット150は、信号処理ユニット140、表示ユニット160、操作ユニット170、そして記録ユニット180との間で通信が可能に構成される。
【0042】
インターフェース処理部152は、信号処理ユニット140から入力した画像データに対し、必要に応じてJPEG圧縮処理やMPEG圧縮処理等をして記録ユニット180に出力する。カメラ100がRAW画像データを記録するモードに設定されている場合、インターフェース処理部152は信号処理ユニット140から入力した画像データをもとにRAW画像データファイルを生成して記録ユニット180に出力する。
【0043】
インターフェース処理部152はまた、記録ユニット180から入力したJPEG圧縮画像データに伸張処理を施し、処理後の画像データを信号処理ユニット140に出力する。信号処理ユニット140では、先に説明したように表示画像データを生成する処理が行われ、生成された表示画像データはインターフェースユニット150を介して表示ユニット160に出力される。
【0044】
インターフェース処理部152は上述した処理に加えて、操作ユニット170から入力した信号を信号処理ユニット140に出力する処理や、情報処理装置200との間で通信を行い、カメラ100の動作を制御するためのプログラムや情報等を授受する処理を行う。
【0045】
インターフェース処理部152は、ASICやFPGA、あるいはマイクロプロセッサ等で構成可能であるが、本明細書においてインターフェース処理部152はASICおよびエンベデッドプロセッサを備えて構成され、CPU154はエンベデッドプロセッサであるものとする。そして、上述した処理中、JPEG/MPEG圧縮および伸張に類する処理は主にASICにより行われ、他の機能ユニットとの通信や情報処理装置200との通信はCPU154により行われるものとする。
【0046】
CPU154はまた、機能ユニット情報を信号処理ユニット140に出力する。CPU154が出力する機能ユニット情報には、インターフェースユニット150の種類を一意に特定可能な識別情報が含まれる。あるいは、この機能ユニット情報には、上記識別情報とともに、もしくは上記識別情報に代えて、インターフェースユニット150の諸元や性能等に関する情報が含まれていてもよい。
【0047】
インターフェースユニット150の諸元や性能等に関する情報としては、メーカ名、外部の情報処理装置200との間で通信をする際に利用可能なインターフェース、転移時間あたりに処理可能な画像の数(fps)、生成可能な画像ファイルの形式に関する情報等を含むものとすることが可能である。
【0048】
表示ユニット160は、表示制御部162と表示部166とを備える。表示制御部162は、CPU164を備える。表示部166は、信号処理ユニット140で生成された表示用のカラー画像を表示可能に構成される。表示部166は一例として、カラー液晶表示素子(LCD)と、バックライト照明装置とを備えたものとすることができる。あるいは、有機EL表示素子等の自発光可能な表示素子を備えたものとすることができる。
【0049】
表示ユニット160は、カメラ100の背面等に設けられた内蔵タイプのモニタ表示装置であってもよいし、インターフェースユニット150等に備えられたアクセサリシューなどの取付部を介して接続可能な外付けタイプのモニタ表示装置であってもよい。また、小型の透過型液晶表示素子(LCD)や反射型液晶表示素子(LCOS(商標))を用いた表示部166に表示(形成)される画像を拡大して観察するための観察光学系をさらに備える電子ビューファインダ(EVF)であってもよい。あるいは、例えばLCOS、DMD(登録商標)、あるいは透過型液晶表示素子等を備えて構成される表示部166に表示(形成)される画像をスクリーンに投影するための投影光学系や照明光学系をさらに備えるプロジェクタであってもよい。
【0050】
表示制御部162は、インターフェースユニット150から入力した表示画像信号に基づく画像が表示されるように表示部166へ制御信号を発する。表示ユニット160はインターフェースユニット150を介して信号処理ユニット140と電気的に接続され、表示制御部162のCPU164は、機能ユニット情報を信号処理ユニット140に出力する。CPU164が出力する機能ユニット情報には、表示ユニット160の種類を一意に特定可能な識別情報が含まれる。あるいは、この機能ユニット情報には、上記識別情報とともに、もしくは上記識別情報に代えて、表示ユニット160の諸元や性能等に関する情報が含まれていてもよい。
【0051】
表示ユニット160の諸元や性能等に関する情報としては、メーカ名、表示解像度、表示アスペクト比、表示可能な色空間、モニタプロファイルに関する情報等を含むものとすることが可能である。
【0052】
操作ユニット170は、ユーザがカメラ100を操作する際のダイヤル、プッシュスイッチ、レリーズスイッチ等を含んで構成される操作部172と、操作部172の操作状態を検出し、検出された操作状態に対応する信号をインターフェースユニット150に出力するCPU174とを備える。操作ユニット170はインターフェースユニット150を介して信号処理ユニット140と電気的に接続され、CPU174は機能ユニット情報を信号処理ユニット140に出力する。CPU174が出力する機能ユニット情報には、操作ユニット170の種類を一意に特定可能な識別情報が含まれる。あるいは、この機能ユニット情報には、上記識別情報とともに、もしくは上記識別情報に代えて、操作ユニット170の諸元や性能等に関する情報が含まれていてもよい。
【0053】
操作ユニット170の諸元や性能等に関する情報としては、メーカ名、操作ユニット170が備える操作部材(スイッチ)のタイプ(スライドスイッチ、プッシュスイッチ、ダイヤルスイッチなど)と数に関する情報等を含むものとすることが可能である。
【0054】
記録ユニット180は、CPU184と、画像データなどを記録するためのメモリカード182を着脱自在に装着するためのコネクタ186とを備える。CPU184は、インターフェースユニット150から出力される画像データを所定のファイルフォーマットでメモリカード182に記録する。記録ユニット180はインターフェースユニット150を介して信号処理ユニット140と電気的に接続され、CPU184は機能ユニット情報を信号処理ユニット140に出力する。CPU184が出力する機能ユニット情報には、記録ユニット180の種類を一意に特定可能な識別情報が含まれる。あるいは、この機能ユニット情報には、上記識別情報とともに、もしくは上記識別情報に代えて、記録ユニット180の諸元や性能等に関する情報が含まれていてもよい。
【0055】
記録ユニット180の諸元や性能等に関する情報としては、メーカ名、装着可能なメモリカードの種類や規格、スロット数、装着されているメモリカード182のアクセス速度に関する情報等を含むものとすることが可能である。
【0056】
バッテリユニット190は、CPU194とバッテリ192とを備える。バッテリ192は、バッテリユニット190に対して着脱可能に構成されていても取り外し不能に構成されていてもよい。カメラ100内の各機能ブロックは、バッテリユニット190からの電力供給を受ける。バッテリユニット190は信号処理ユニット140と電気的に接続され、バッテリユニット190のCPU194は、機能ユニット情報を信号処理ユニット140に出力する。
【0057】
CPU194が出力する機能ユニット情報には、バッテリユニット190の種類を一意に特定可能な識別情報が含まれる。あるいは、この機能ユニット情報には、上記識別情報とともに、もしくは上記識別情報に代えて、バッテリユニット190の諸元や性能等に関する情報が含まれていてもよい。バッテリユニット190の諸元や性能等に関する情報としては、メーカ名、電池容量、過去に行われた充放電サイクル数に関する情報等を含むものとすることが可能である。
【0058】
信号処理ユニット140のCPU144で行われる処理の説明に戻る。CPU144がカメラ100全体としての動作を統括的に制御する処理も行うことについては先に述べたとおりである。具体的には、先に説明したAEやAFの処理の一環として、あるいはこれらAEやAFの処理に加えて、以下に例示する処理などを行う。
【0059】
CPU144は、カメラ100の電源が投入されると、現状で設定されている動作モードに対応して各機能ユニットに対する電源供給開始/停止の制御を行う。その後CPU144は、適宜の時間間隔をおいてバッテリ192の残容量(電池容量)を監視する。すなわち、バッテリユニット190のCPU194はバッテリ192の電池容量(SOC:State of Charge)を管理可能に構成され、CPU144は、CPU194と随時交信して更新されたSOC情報を取得することによりバッテリ192の残容量を監視する。CPU144は、表示部166にバッテリ192の残り電池容量をアイコン等により表示する。
【0060】
CPU144は、記録ユニット180のCPU184と交信し、メモリカード182の空き容量に関する情報を取得する。そして、現状で設定されている静止画撮影、動画撮影等の撮影モードや記録画素数、画像圧縮率等の画質モードに対応して記録可能コマ数(記録可能時間)を導出し、表示部166に表示する。この記録可能コマ数、記録可能時間の導出・表示の処理はカメラ100が動作しているときに随時行われて表示部166の表示内容が更新される。
【0061】
CPU144はまた、撮像ユニット130内に設けられて撮像素子132の温度を検出する温度センサからの信号を受信し、画像信号を処理する際に温度検出結果を反映する処理等も行う。CPU144はまた、ユーザが操作部172を操作するのに対応した設定、例えばISO感度設定、ホワイトバランス設定、露出モード、動画撮影モードまたは静止画撮影モードの設定、フラッシュ発光モードの設定等を受け付け、それぞれの設定状況をユーザが確認可能となるように、表示部166に表示する。
【0062】
CPU144は、AE処理結果とユーザにより設定された内容とに基づいて、レンズユニット110の設定絞り値やシャッタ装置126の設定シャッタ秒時を決定する。CPU144は、撮像制御部136に対して制御信号を出力し、撮像フレームレートの切替、AGCゲインの設定、電子シャッタによる露光時間の設定、読み出しモード(全画素読み出し、間引き読み出し)の設定等も行う。
【0063】
表示制御部162に対し、CPU144は、ライブビュー画像や動画像を表示する際の表示フレームレートや、バックライト光源の発光量などを制御するための制御信号を出力する。レンズ駆動部112に対し、CPU144は、フォーカシングレンズの移動量および移動方向や撮像光学系116の絞り値を制御するための制御信号を出力する。
【0064】
シャッタ駆動部122に対し、CPU144は、シャッタ装置126のチャージ動作、露光動作の開始タイミング、露光時間を制御するための制御信号を出力し、ユーザによるレリーズ操作(撮影開始操作)が検出されると一連の撮影動作を行うための制御を開始する。
【0065】
なお、上述した、カメラ100全体としての動作を統括的に制御する処理に関して、全てを信号処理ユニット140で行わなくてもよい。例えば、一部の処理をインターフェースユニット150で行うようにしてもよい。このように分散処理を行うことにより、CPUの占有率を改善することが可能となる。
【0066】
以上では、カメラ100のシステムを構成する機能ユニットそれぞれがCPUを備える例について説明したが、全ての機能ユニットが必ずしもCPUを備えていなくても良い。例えば、一部の機能ブロックについてはハードロジックによって識別情報等が出力可能に構成されていてもよい。あるいは、各機能ユニットの種類に応じて一組または複数組の端子間の抵抗値を変えたり、短絡/開放の組み合わせを変えたりすることにより、信号処理ユニット140のCPU144が端子間の抵抗値や短絡/開放の状態を読み取ることにより、接続されている機能ユニットを識別可能に構成されていてもよい。
【0067】
図2は、カメラ100が接続される情報処理装置200の構成例を概略的に示すブロック図である。図2において情報処理装置200は、ネットワーク220に接続されるものとして示されているが、スタンドアロンのものであってもよい。情報処理装置200は、専用の装置であってもよいし、パーソナルコンピュータ(PC)と、PCによって実行されるソフトウェアとによって構成されるものであってもよい。
【0068】
図1および図2においては、カメラ100が情報処理装置200と直接接続される例が示されているが、カメラ100が無線または有線の形態でネットワーク220に接続され、このネットワーク220を介して情報処理装置200と接続するように構成されていてもよい。この場合、情報処理装置200はサーバとすることが可能である。ネットワーク220はLAN、WANの別を問わず、無線電話通信網等を利用することも可能である。
【0069】
また、情報処理装置200自体をカメラ100に内蔵することも可能である。この場合、例えばインターフェースユニット150、信号処理ユニット140、記録ユニット180等のうち、いずれかの機能ユニットの内部に情報処理装置200としての機能を有するブロックを設けることが可能である。
【0070】
以下では情報処理装置200がPCと、PCによって実行されるソフトウェアとによって構成され、カメラ100が情報処理装置200に接続されるものとして説明する。情報処理装置200は、インターフェース201と、システム構成情報入力部202と、システム構成履歴情報入力部203と、制限要因特定部204と、プログラム出力部205と、プログラム記憶部206と、機能情報出力部207とを備える。
【0071】
インターフェース201は、情報処理装置200とカメラ100との間での通信を可能とするものである。インターフェース201はまた、必要に応じて情報処理装置200がネットワーク220を介してサーバ等と接続することを可能とする機能を有していてもよい。
【0072】
システム構成情報入力部202は、カメラ100からシステム構成情報を入力する。システム構成情報は、カメラ100が現状で(カメラ100と情報処理装置200との間でシステム構成情報の授受が行われた時点で)カメラ100が有しているシステム構成を特定可能な情報である。つまり、情報処理装置200は、カメラ100から入力したシステム構成情報に基づき、カメラ100がどのような機能ユニットを組み合わせて構成されていて、それぞれの機能ユニットがどのような性能、仕様を有しているかを特定可能に構成される。
【0073】
システム構成履歴情報入力部203は、カメラ100のシステム構成が直近の過去に変更される直前のシステム構成を特定可能な情報を含むシステム構成履歴情報をカメラ100から入力する。情報処理装置200は、システム構成情報入力部202で入力したシステム構成情報とシステム構成履歴情報入力部203で入力したシステム構成履歴情報との比較結果に基づき、カメラ100のシステム構成の変化を抽出することが可能となる。例えば、カメラ100のシステム構成が直近の過去に変更される直前に用いられていた撮像ユニット130が10メガピクセルの画素数を有し、最大で10fps(フレーム/秒)にて画像信号を読み出し可能であったのに対して、現状では12メガピクセルの画素数を有して最大12fpsにて画像信号を読み出し可能な撮像ユニットを備える、と云った機能の差分を抽出することが可能となる。あるいは、システム構成変更前ではシャッタユニット120が組み込まれていたのに対し、現状ではシャッタユニットが組み込まれていない、と云ったシステム構成の変化を抽出することが可能となる。
【0074】
制限要因特定部204は、システム構成情報入力部202が入力したシステム構成情報に基づき、カメラ100が現状で有するシステム構成にて発揮しうる性能上の上限を決定付ける要因である制限要因(ミニマムスペック)を特定する。例えば、静止画撮影モード時、シャッタユニット120は最大で10fpsにて連続開閉動作が可能で、撮像ユニット130は最大で12fpsにて画像信号を読み出し可能で、信号処理ユニット140は最大で16fpsにて画像処理が可能であるものとする。
【0075】
このとき、制限要因特定部204は、システム構成情報入力部202が入力したシステム構成情報に基づき、現状のシステム構成においてはシャッタユニット120の連続開閉可能速度の10fpsが連続撮影動作時の制限要因であると特定する。すなわち、制限要因とは、カメラ100が現状で有しているシステム構成で発揮しうる性能上の上限を決定付ける要因(カメラ100全体としての性能を決定付ける要因、性能上のネックとなる要因)を意味する。ここで扱われる性能としては、画素数、等価ISO感度、動画撮影時やライブビュー表示処理時の最大フレームレート(fps)、実行可能な画像処理(フィルタ処理等)の種類等とすることが可能である。
【0076】
プログラム記憶部206には、カメラ100の動作を制御するための制御プログラムが複数記憶されている。これらの制御プログラムは、複数の機能ユニットの組み合わせによって構築可能なカメラ100のシステム構成の種類に対応して予め複数記憶される。メーカから提供される機能ユニットの種類が増えると、構築可能なシステム構成の種類は飛躍的に増加する可能性がある。その場合、ユーザが所有している機能ユニットの種類を情報処理装置200に入力することにより、ユーザが所有する機能ユニットにて構築することの可能なシステム構成に対応する制御プログラムのみがメーカより提供され、プログラム記憶部206に記憶されてもよい。
【0077】
また、新たな機能ユニットがメーカによって提供されると、構築可能なカメラ100のシステム構成の種類は増加することになる。その場合、メーカによって運営されるインターネットサイトに情報処理装置200を接続することにより、新たな制御プログラムをダウンロード可能に構成することが可能である。あるいは、新たな機能ユニットに添付される光ディスク等の記憶媒体中から読み出された新たな制御プログラムをプログラム記憶部206中に追加可能に構成されていてもよい。
【0078】
プログラム出力部205は、プログラム記憶部206に記憶される上記複数の制御プログラムのうち、システム構成情報入力部202で入力したシステム構成情報で特定されるシステム構成を有するカメラ100で動作可能な制御プログラムを抽出してカメラ100に出力する。このとき、カメラ100で動作可能な制御プログラムがプログラム記憶部206中に複数存在する場合がある。
【0079】
その場合、プログラム出力部205は、システム構成情報入力部202で入力したシステム構成情報で特定されるシステム構成を有するカメラ100で発揮される性能を最も高めることの可能な制御プログラムを抽出してカメラ100に出力する。つまり、制限要因特定部204で特定された制限要因で決まるカメラ100の性能上の上限を越さない範囲で最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムをプログラム出力部205は抽出してカメラ100に出力する。
【0080】
ところで、情報処理装置200はプログラム記憶部206を備えていないものとすることも可能である。その場合、情報処理装置200はネットワーク220等を介してサーバと接続し、必要とする制御プログラムをサーバから受信するようにしてもよい。そしてプログラム出力部205は、サーバから受信した制御プログラムをカメラ100に出力するようにしてもよい。
【0081】
機能情報出力部207は、システム構成情報入力部202で入力したシステム構成情報とシステム構成履歴情報入力部203で入力したシステム構成履歴情報とを比較する。そして、比較した結果に基づき、直近の過去に変更される直前にカメラ100が有していたシステム構成で得られる機能と、現状でカメラ100が有しているシステム構成で得られる機能との差異を特定可能な情報である機能情報をカメラ100に出力する。例えば、「以前のシステム構成で得ることの可能な静止画の記録画素数は10メガピクセル、現状のシステム構成で得ることの可能静止画の記録画素数は12メガピクセル」と云った内容を特定可能な情報等を機能情報としてカメラ100に出力する。
【0082】
図3は、ユーザがカメラ100の電源を投入したときに信号処理ユニット140のCPU144によって実行されるカメラ100の動作制御処理手順を概略的に説明するフローチャートである。
【0083】
CPU144はS300において、カメラ100を構成する各機能ユニットから機能ユニット情報を取得する。S302においてCPU144は、S300で取得した機能ユニット情報に基づき、カメラ100のシステム構成に変化があったか否かを判定する。すなわち、フラッシュメモリ148に記憶されているシステム構成情報から導出される、直近の過去のシステム構成と、S300で取得した機能ユニット情報をもとに生成される、現状のシステム構成との間の差異の有無に基づき、システム構成の変化の有無が判定される。
【0084】
S302での判定が否定されると処理はS326に進み、以後、カメラ100の動作は一次制御プログラムによって制御される。ここで一次制御プログラムとは、現状で既にカメラ100内にロードされている制御プログラムを意味する。
【0085】
一方、S302での判定が肯定されると処理はS304に進み、CPU144は制御プログラムを最新のシステム構成に対応するものに変更するよう、ユーザに促すメッセージを表示部166に表示し、ユーザの入力操作を待つ。
【0086】
S306においてCPU144は、ユーザが制御プログラムの変更を希望しているか否かを判定する。そしてS306での判定が否定された場合、すなわち制御プログラムの変更をユーザが希望していないと判定された場合にはS322に進み、注意メッセージを表示部166に表示する。ここで表示される注意メッセージとしては、「制御プログラムを変更しないと現状のシステム構成で得られる性能を最大限に発揮できない」と云った主旨のものとすることが可能である。S324においてCPU144は、一次制御プログラムによるカメラ100の動作制御を開始する。ここで、制御プログラムの変更をユーザが希望しない状況について説明すると、情報処理装置200が手近に無い(情報処理装置200に接続可能な条件が整っていない)場合や、すぐに撮影を行いたい場合などが想定される。
【0087】
S306での判定が肯定された場合、すなわちユーザが制御プログラムの変更を希望していると判定された場合にはS308に進み、ユーザに対して、カメラ100を情報処理装置200(サーバ)に接続するように促すメッセージを表示部166に表示する。そして、情報処理装置200への接続が確認されると処理はS310に進む。
【0088】
S310においてCPU144は、システム構成履歴情報およびシステム構成情報を情報処理装置200に出力する。続くS312においてCPU144は、カメラ100が現状で有するシステム構成に対応した制御プログラム、すなわち2次制御プログラムを情報処理装置200からダウンロード(受信)する。
【0089】
S314においてCPU144は、情報処理装置200から機能情報を受信する。S316においてCPU144は、S314で受信した機能情報に基づいて生成されたスペック表を表示部166に表示する。このスペック表とは、情報処理装置200から受信した機能情報に基づき、カメラ100が現状で有するシステム構成で発揮可能な機能および性能のうち、少なくともいずれかを一覧表示するためのものである。表示部166に表示されるスペック表の一例を図4に示す。
【0090】
図4には、信号処理ユニット140が、より多機能なものに交換された結果、カメラ部有効画素数には変化が無かったものの、ユーザが選択可能なフィルタ処理が追加された場合の表示例を示す。図4において、システム構成が変更される前に備えられていた「ポップ」、「ファンタジー」のフィルタ処理に加え、「エレガント」のフィルタ処理が新たに追加されたことが明示されている。このとき、追加された機能、あるいは高められた性能をユーザが容易に認識可能となるように表示することが望ましい。図4では、新たに追加されたフィルタ処理である「エレガント」が白黒反転表示される例が示されている。
【0091】
S318においてCPU144は、S312でダウンロードした新たな制御プログラムによるカメラ100の動作制御を開始する。以上に説明したS318、S324、またはS326の処理が行われるのに伴い、通常の撮影動作や再生動作が行われる。
【0092】
以上では、新たな制御プログラム(2次制御プログラム)がダウンロードされた後、S316でスペック表を表示する処理が行われる例について説明したが、以下のようにしてスペック表が表示されてもよい。すなわち、ユーザがカメラ100の操作部172を操作して、現状のシステム構成で得ることの可能な機能を表示するメニューを選択するとスペック表が表示されるように構成されていてもよい。S324またはS326での処理が行われる場合にも、以上に説明したのと同様にして、カメラ100の電源が投入された際、表示部166にスペック表を表示する処理が自動的に行われても、あるいはユーザがメニュー操作をするのに応じて表示されても良い。
【0093】
図5には、システム構成に変更が加えられなかった場合(S302の判定が否定され、S326の処理が行われた場合)に、表示部166に表示されるスペック表の例を示す。図5においては、システム構成に変更が加えられなかった結果、直近の過去に電源が切られる直前に有していた機能と、現状のシステム構成で得られる機能とに差が無いため、追加された機能、あるいは高められた性能は無いので、図4を参照して説明したような、変更箇所を明示する表示が無い。したがって、ユーザは利用可能な機能や性能に変化が無いことを認識することが可能となる。なお、システム構成が変更されたにも拘わらず、利用可能な機能や性能に変化が無い場合にも、図5に示されるような表示が行われる。
【0094】
以上では、システム構成の変更に伴って追加された機能、高められた性能が明示される例について説明したが、変更する前のシステム構成では利用可能であった機能や性能がシステム構成変更後に利用不能となった場合、利用不能となった機能や性能をユーザが認識可能となるようにしてもよい。例えば、過去のシステム構成では利用可能であったのに、現状のシステム構成では利用不能となった機能や性能を、無彩色で表示したり、淡い色彩で表示したり、あるいは点滅表示させたりすることが可能である。また、利用不能となった機能や性能の表示の上に斜線等を重ねて表示してもよい。このように表示をすることにより、ユーザは今まで利用することのできた機能や性能が利用不能となったのはシステム構成を変えたからであることを知ることが可能となる。
【0095】
図6は、情報処理装置200で実行される制御プログラム出力処理の手順を概略的に説明するフローチャートである。図6Aの処理に続く処理が図6Bに示され、図6Bの処理に続く処理が図6Cに示されている。図6に示される処理は、情報処理装置200にカメラ100が接続されたときに、情報処理装置200により実行が開始される。
【0096】
ところで、カメラ100のシステム構成を変更することによってユーザの利用可能な機能や性能が変化することについては既に説明した通りである。情報処理装置200は、ユーザが利用可能な機能や性能の変化を多様な面から解析することが可能に構成される。例えば、ライブビュー表示動作時の表示画素数や表示フレームレートと云った面から解析することもあれば、静止画撮影時における最大記録画素数、連続撮影時の最大コマ速、設定可能な等価ISO感度の範囲といった面から解析することもある。
【0097】
さらには、利用可能なフィルタ処理の種類や、動画撮影時の解像度や記録フォーマット等といった面から解析することもある。以下では、情報処理装置200がライブビュー表示時や動画撮影時の能力(fps:秒あたりフレーム数)、静止画撮影時における最大連写コマ速、設定可能な最大等価ISO感度といった面から解析する例を交えて説明する。
【0098】
S600において情報処理装置200は、カメラ100からシステム構成履歴情報およびシステム構成情報を取得する。S600で取得したシステム構成情報に基づき、情報処理装置200はカメラ100を構成する各機能ユニットの処理能力をS602で割り出す。例えば、情報処理装置200内に、各機能ユニットが備える機能や性能等に関する情報のデータベースが構築され、そのデータベースにアクセスすることにより各機能ユニットの処理能力の割り出しが可能となる。データベースは情報処理装置200の外にあってもよい。一例として、情報処理装置200がネットワーク220を介して接続されるサーバにアクセスし、このサーバから返送される情報に基づいて各機能ユニットの処理能力を割り出すようにしてもよい。
【0099】
S604において、撮像ユニットの処理能力と信号処理ユニットの処理能力とを比較してこれらの処理能力が等しいか、または撮像ユニットの処理能力が上回っているかどうかの判定がなされる。S604の判定が肯定されるとS606に、否定されるとS640(図6B)に処理は進む。S606において、信号処理ユニットの処理能力とインターフェースユニットの処理能力とを比較してこれらの処理能力が等しいか、または信号処理ユニットの処理能力が上回っているかどうかの判定がなされる。S606の判定が肯定されるとS608に、否定されるとS630(図6B)に処理は進む。
【0100】
S608において、インターフェースユニットの処理能力と表示ユニットの処理能力とを比較してこれらの処理能力が等しいか、またはインターフェースユニットの処理能力が上回っているかどうかの判定がなされる。S608の判定が肯定されるとS610に、否定されるとS616に処理は進む。
【0101】
S610においては、表示ユニットの処理能力が制限要因(表示ユニットがミニマムスペックを有している、性能上のネックとなっている)と決定される。情報処理装置200は、S612において表示ユニットの処理能力を上限処理能力とする制御プログラムをプログラム記憶部206から抽出してカメラ100に出力する。
【0102】
すなわち、S612の処理に至るパスを経た場合、表示ユニットの処理能力がカメラ100全体としての処理能力を決定付けているので、他の機能ユニットの処理能力が表示ユニットの処理能力よりも高い処理能力を発揮しても無駄になる。したがって、他の機能ユニットにおける処理能力が表示ユニットの処理能力に見合ったものとなるような制御プログラムを情報処理装置200はプログラム記憶部206から抽出してカメラ100に出力する。
【0103】
なお、プログラム記憶部206中には、他のすべての機能ユニットにおける処理能力が表示ユニットの処理能力に見合ったものとなる制御プログラムが存在しない可能性もある。その場合には、プログラム記憶部206中に記憶される制御プログラムの中から、表示ユニットの処理能力を最大限に発揮可能な制御プログラムのうち、他の機能ユニットの処理能力を最も抑制可能な制御プログラムが選択される。
【0104】
制御プログラムがこのように選択されることにより、各機能ユニットの処理能力が平準化される。その結果、不必要な処理能力を発揮可能な状態でプロセッサ等が作動し続けて電力が無駄に消費される、ということも抑制可能となる。このようにして抽出される制御プログラムがすなわち、「表示ユニットの処理能力を上限処理能力とする制御プログラム」である。以下の説明でも同様である。
【0105】
続くS614において情報処理装置200は、システム構成履歴情報とシステム構成情報との差異に基づいて機能情報を生成し、カメラ100に出力する。
【0106】
S608での判定が否定された場合の分岐先であるS616において情報処理装置200は、インターフェースユニットの処理能力が制限要因であると決定し、S618においてインターフェースユニットの処理能力を越さない範囲でカメラ100が最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムをプログラム記憶部206から抽出し、カメラ100に出力してS614に進む。
【0107】
S604での判定が否定された場合の分岐先であるS640(図6B)において情報処理装置200は、撮像ユニットの処理能力とインターフェースユニットの処理能力とを比較してこれらの処理能力が等しいか、または撮像ユニットの処理能力が上回っているかどうかの判定をする。S640の判定が肯定されるとS642に、否定されるとS660(図6C)に処理は進む。
【0108】
S642では、インターフェースユニットの処理能力と表示ユニットの処理能力とを比較してこれらの処理能力が等しいか、またはインターフェースユニットの処理能力が上回っているかどうかの判定がなされる。S642の判定が肯定されるとS644に、否定されるとS648に処理は進む。
【0109】
S644において情報処理装置200は、表示ユニットの処理能力が制限要因であると決定し、S646において表示ユニットの処理能力を越さない範囲でカメラ100が最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムをプログラム記憶部206から抽出し、カメラ100に出力してS614(図6A)に進む。
【0110】
S642での判定が否定された場合の分岐先であるS648において情報処理装置200は、インターフェースユニットの処理能力が制限要因であると決定し、S650においてインターフェースユニットの処理能力を越さない範囲でカメラ100が最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムをプログラム記憶部206から抽出し、カメラ100に出力してS614(図6A)に進む。
【0111】
S640での判定が否定された場合の分岐先であるS660(図6C)において情報処理装置200は、撮像ユニットの処理能力と表示ユニットの処理能力とを比較してこれらの処理能力が等しいか、または撮像ユニットの処理能力が上回っているかどうかの判定をする。S660での判定が肯定されるとS662に、否定されるとS666に処理は進む。
【0112】
S662において情報処理装置200は、表示ユニットの処理能力が制限要因と決定し、S664において表示ユニットの処理能力を越さない範囲でカメラ100が最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムをプログラム記憶部206から抽出し、カメラ100に出力してS614(図6A)に進む。
【0113】
S660での判定が否定された場合の分岐先であるS666において情報処理装置200は、撮像ユニットの処理能力が制限要因であると決定し、S668において撮像ユニットの処理能力を越さない範囲でカメラ100が最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムをプログラム記憶部206から抽出し、カメラ100に出力してS614(図6A)に進む。
【0114】
S606(図6A)での判定が否定された場合の分岐先であるS630(図6B)において情報処理装置200は、信号処理ユニットの処理能力と表示ユニットの処理能力とを比較してこれらの処理能力が等しいか、または信号処理ユニットの処理能力が上回っているかどうかの判定をする。S630の判定が肯定されるとS632に、否定されるとS636に処理は進む。
【0115】
情報処理装置200は、S632において表示ユニットの処理能力が制限要因であると決定し、S634において表示ユニットの処理能力を越さない範囲でカメラ100が最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムをプログラム記憶部206から抽出し、カメラ100に出力してS614(図6A)に進む。
【0116】
S630での判定が否定された場合の分岐先であるS636において情報処理装置200は、信号処理ユニットの処理能力が制限要因であると決定し、S638において信号処理ユニットの処理能力を越さない範囲でカメラ100が最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムをプログラム記憶部206から抽出し、カメラ100に出力してS614(図6A)に進む。
【0117】
以上に説明した処理中、S612、S618(図6A)、S634、S638、S646、S650(図6B)、S664、S668(図6C)の処理により、カメラ100から出力されるシステム構成情報で特定されるシステム構成のカメラ100で動作可能な一または複数の制御プログラムのうち、最適な制御プログラムがプログラム記憶部206から抽出され、カメラ100に出力される。
【0118】
ここで、最適な制御プログラムとは、現状のシステム構成でカメラ100が発揮しうる最大限の性能を得ることを可能とする制御プログラムと定義することができる。性能としては、静止画撮影時に選択可能な解像度、設定可能な等価ISO感度の範囲、連続撮影時の最大コマ速(fps)、ライブビュー画像表示時や動画撮影時の最大フレームレート(fps)と解像度、生成可能なファイルの形式、フィルタ処理などの画像処理の種類、再現可能な色空間や色域、一つの画素の色を定義する色情報の原色の種類およびビット深度等、様々なものが考えられる。
【0119】
また、消費電力も性能の一つである。例えば、動画撮影時に撮像ユニットから読み出し可能なフレームレートがVGAにて60fps、信号処理ユニットの動画像信号の処理能力が240fpsであったとして、このような性能を有する機能ユニットの組み合わせに対応して動作可能な制御プログラムがプログラム記憶部206に複数記憶されていると仮定する。このような場合、情報処理装置は、信号処理ユニットの処理能力をVGAにて60fps、あるいはそれに近い処理能力にまで低下させた制御ソフトを選択し、それによってカメラ100が動作する際の消費電力が減じられるようにして電池の持ちを良くする、といったことも可能となる。
【0120】
図7は、カメラ100から受信したシステム構成情報に基づき、情報処理装置200によって把握されるカメラ100のシステム構成の例を示す。図7においては、カメラ100に備えられる撮像ユニット、信号処理ユニット、インターフェースユニット、表示ユニットが一覧表として示されている。この一覧表中、太い実線の矩形で囲われたものがカメラ100を現状で構成している機能ユニットであるものとする。図7は説明のために示したものであるが、カメラ100を情報処理装置200に接続したときに、このような表が情報処理装置200またはカメラ100に表示されるようにしてもよい。
【0121】
図7の表中、例えば「IMG_0001 VGA@60fps」は、ある撮像ユニットから出力される機能ユニット情報に基づいて導出される情報の一例である。本例においては、機能ユニット情報から導出される情報として、機能ユニットの種類を一意に特定可能な識別情報(IMG_0001)と、機能ユニットの諸元や性能等に関する情報(VGA@60fps)が含まれている。無論、この情報(VGA@60fps)は、機能ユニットの諸元や性能を動画像の処理能力という一面から観た性能であり、他の面から観た諸元や性能が存在する。それらについては後で説明する。識別情報については、機能ユニットの種類を特定するための情報に加えて、個体を一意に識別可能とする情報(例えば製造番号)や、各機能ユニット内に記憶されるファームウェアのバージョン等を特定可能とする数字や符号が付加されていてもよい。
【0122】
なお、図7に例示されているのは、動画像の処理能力に関与する機能ユニットのみであり、カメラ100がこれら4つの機能ユニットのみで構成されていることを意味するものではない。
【0123】
図7に示される例においては、カメラ100が現状で有するシステム構成で、撮像ユニットがVGAで240fpsにて画像信号を出力可能な処理能力を備えるものとする。また、信号処理ユニットはVGAで60fpsにて画像信号を処理可能な処理能力を備え、インターフェースユニットはVGAで120fpsにて画像ファイルを生成可能な処理能力を備えるものとする。さらに、表示ユニットはVGAで120fpsにて動画を表示可能な処理能力を備えるものとする。
【0124】
図7を参照して説明したシステム構成をカメラ100が現状で有している場合に、情報処理装置200で実行される制御プログラム出力の処理について図8を参照して説明する。図8Aの処理に続く処理が図8Bに示され、図8Bの処理に続く処理が図8Cに示されている。図8に示される処理は、情報処理装置200にカメラ100が接続されたときに、情報処理装置200により実行が開始されるものであり、基本的に図6に示されるものと同じである。図6に示されるものとの違いは、各機能ユニットの処理能力として、先に図7を参照して説明した処理能力が具体的な数値としてフローチャート中に記載されている点である。
【0125】
図8のフローチャート中、図6のフローチャート中に示される処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ符号を付してある。また、上記のように各機能ユニットの処理能力として上述した具体的な数値を記述した処理ステップには、ステップ符号の末尾にAの文字を付してある(例:S604A)。さらに、各機能ユニットの処理能力として上記の具体的な数値が与えられている結果、経由するパスが矢印によって示されている。
【0126】
以下では図8中、矢印で示したパスに沿う処理ステップのみについて説明する。S600においてシステム構成履歴情報およびシステム構成情報が取得され、S602で各機能ユニットの処理能力の割り出しが行われる。これらの処理は図6を参照して説明したものと同様である。
【0127】
S604Aにおいて、撮像ユニットの処理能力であるVGA@240fpsが、信号処理ユニットの処理能力であるVGA@60fpsよりも上回っていると判定され、処理はS606Aに進む。S606Aにおいて、信号処理ユニットの処理能力であるVGA60fpsは、インターフェースユニットの処理能力であるVGA@120fpsを上回っておらず、等しくもないと判定され、処理はS630A(図8B)に進む。
【0128】
S630Aにおいて、信号処理ユニットの処理能力であるVGA@60fpsは表示ユニットの処理能力であるVGA@120fpsを上回っておらず、等しくもないと判定され、処理はS636Aに進む。情報処理装置200は、S636Aにおいて信号処理ユニットの処理能力であるVGA@60fpsが制限要因であると決定し、信号処理ユニットの処理能力であるVGA@60fpsを越さない範囲でカメラ100が最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムをカメラ100へ出力してS614(図8A)に進む。S614において情報処理装置200は、システム構成履歴情報とシステム構成情報との差異に基づいて機能情報を生成し、カメラ100に出力する。情報処理装置200から機能情報を受信したカメラ100の側においては、図3のS316の処理が行われ、「現状のシステム構成ではVGA@60fpsの性能でライブビュー表示あるいは動画の記録が可能」である旨の表示がなされる。
【0129】
以上のようにして、図7に例示されるシステム構成を有するカメラ100には、信号処理ユニットの処理能力であるVGA@60fpsを上限とする制御プログラムが出力される。従って、各機能ユニットの処理能力に違いがあることによってマッチングがとれず、正常な作動が行われないといった不具合の発生を抑止可能となる。また、性能(処理能力)に余裕のある機能ユニットでは、処理能力を低下させた状態で作動させることが可能となるので、消費電力の低減を図り、電池寿命を延ばすことが可能となる。
【0130】
図9、図10は、カメラ100から受信したシステム構成情報に基づき、情報処理装置200によって把握されるカメラ100のシステム構成の別例を示す。図9には、カメラ100に備えられるシャッタユニット、撮像ユニット、信号処理ユニット、インターフェースユニットが一覧表として示されている。図10には、図9に示される構成からシャッタユニットが取り外された場合のものが一覧表として示されている。
【0131】
図9、図10においても、図7を参照して説明したのと同様、図示されているのは、連続撮影を行う際の処理能力に関与する機能ユニットのみであり、カメラ100がこれら4つまたは3つの機能ユニットのみで構成されていることを意味するものではない。
【0132】
図9、図10の一覧表中、太い実線の矩形で囲われたものがカメラ100を現状で構成している機能ユニットであるものとする。図9、図10は説明のために示したものであるが、図7を参照して説明したのと同様、カメラ100を情報処理装置200に接続したときに、このような表が情報処理装置200またはカメラ100に表示されるようにしてもよい。
【0133】
図9の表中、例えば「IMG_0003 10M@16fps」は、ある撮像ユニットから出力される機能ユニット情報から導出される情報の一例である。本例においては、機能ユニット情報から導出される情報には、機能ユニットの種類を一意に特定可能な識別情報(IMG_0003)と、機能ユニットの諸元や性能等に関する情報(10M@16fps)が含まれている。この情報(10M@16fps)は、機能ユニットの諸元や性能を静止画像の読み出しレートという一面から観たものである。識別情報については、図7を参照して説明したものと同様である。
【0134】
図9に示される例においては、カメラ100が現状で有するシステム構成では、シャッタユニットが10fpsでの連続撮影が可能な処理能力を備えるものとする。また、撮像ユニットは10メガピクセルの読み出し画素数で16fpsにて画像信号を出力可能な処理能力を備え、信号処理ユニットは10メガピクセルの画像サイズで16fpsにて画像信号を処理可能な処理能力を備えるものとする。さらに、インターフェースユニットは10メガピクセルの画像サイズで16fpsにて画像ファイルを生成可能な処理能力を備えるものとする。
【0135】
図10に示される例においては、カメラ100が現状で有するシステム構成では、撮像ユニットは10メガピクセルの読み出し画素数で16fpsにて画像信号を出力可能な処理能力を備え、信号処理ユニットは10メガピクセルの画像サイズで16fpsにて画像信号を処理可能な処理能力を備えるものとする。また、インターフェースユニットは10メガピクセルの画像サイズで16fpsにて画像ファイルを生成可能な処理能力を備えるものとする。
【0136】
図9を参照して説明したシステム構成を備えるカメラ100を情報処理装置200に接続したときに、情報処理装置200で実行される制御プログラム出力の処理が図11のフローチャートに示される。また、図10を参照して説明したシステム構成を備えるカメラ100を情報処理装置200に接続したときに、情報処理装置200で実行される制御プログラム出力の処理が図12のフローチャートに示される。
【0137】
ところで、図11および図12に示されるフローチャートでは、説明を簡略化して理解を容易にすることを目的として、情報処理装置200で実行される全ての処理手順は示していない。そして、図9、図10に示されるシステム構成(性能)をカメラ100が備える場合に経由するパスが矢印によって示され、そのパスに含まれる処理ステップのみが示されている。
【0138】
図9に例示される構成を有するカメラ100を情報処理装置200に接続したときに情報処理装置200で実行される処理手順について、図11を参照して説明する。S1100において情報処理装置200は、カメラ100からシステム構成履歴情報およびシステム構成情報を取得する。S1100で取得したシステム構成情報に基づき、情報処理装置200はカメラ100を構成する各機能ユニットの処理能力をS1102で割り出す。この処理においては、図6のフローチャート中、S602について説明したのと同様、各機能ユニットが備える機能や性能等に関する情報のデータベースが情報処理装置200内または外に構築され、そのデータベースにアクセスすることにより各機能ユニットの処理能力の割り出しが可能であるものとする。
【0139】
S1104において、シャッタユニットの処理能力である10fpsは撮像ユニットの処理能力である10M@16fpsを上回っておらず、等しくもないと判定され、処理はS1106に進む。S1106において、シャッタユニットの処理能力である10fpsは信号処理ユニットの処理能力である10M@16fpsを上回っておらず、等しくもないと判定され、処理はS1108に進む。
【0140】
S1108において、シャッタユニットの処理能力である10fpsはインターフェースユニットの処理能力である10M@16fpsを上回っておらず、等しくもないと判定され、処理はS1110に進む。
【0141】
S1110において情報処理装置200は、シャッタユニットの処理能力である10fpsが制限要因であると決定し、S1112では、この10fpsを越さない範囲でカメラ100が最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムをカメラ100に出力してS1114に進む。S1114において情報処理装置200は、システム構成履歴情報とシステム構成情報との差異に基づいて機能情報を生成し、カメラ100に出力する。
【0142】
その後、カメラ100においては、図3のフローチャートを参照して説明したS316の処理が行われ、表示部166にスペックが表示される。ユーザは、このスペックを観て、シャッタユニットの処理能力である10fpsが制限要因となっていることを知る。つまり、カメラ100の現状のシステム構成では10fps以上の高速連写ができないことを知る。このとき、撮像ユニットの撮像素子が、いわゆるローリングシャッタやグローバルシャッタと云った、電子シャッタモードにて動作可能であるものとする。ユーザはシャッタユニットを取り外すことにより、得られる画像の質は多少低下する可能性があるものの、連続撮影時のコマ速を増すことが可能と判断し、カメラ100のシステム構成を変更することができる。
【0143】
ユーザがシャッタユニットを取り外した結果、カメラ100のシステム構成は図10に例示されるものとなる。このシステム構成を有するカメラ100を情報処理装置200に接続したときに、情報処理装置200により実行される処理について図12のフローチャートを参照して説明する。
【0144】
S1100において情報処理装置200は、カメラ100からシステム構成履歴情報およびシステム構成情報を取得する。S1100で取得したシステム構成情報に基づき、情報処理装置200はカメラ100を構成する各機能ユニットの処理能力をS1102で割り出す。これらS1100およびS1102の処理は、図11のS1100、S1102の処理と同様である。
【0145】
S1200において、撮像ユニットの処理能力である10M@16fpsは信号処理ユニットの処理能力である10M@16fpsを上回ってはいないが等しいので肯定の判定がなされ、処理はS1202に進む。S1202において、撮像ユニットの処理能力である10M@16fpsはインターフェースユニットの処理能力である10M@16fpsを上回ってはいないが等しいので肯定の判定がなされ、処理はS1110Aに進む。
【0146】
S1110Aにおいて情報処理装置200は、インターフェースユニットの処理能力である10M@16fpsが制限要因と決定し、S1112Aにおいてこの10M@16fpsを越さない範囲でカメラ100が最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムをカメラ100に出力し、S1114に進む。S1114において情報処理装置200は、システム構成履歴情報とシステム構成情報との差異に基づいて機能情報を生成し、カメラ100に出力する。
【0147】
その後、カメラ100において、図3のフローチャートを参照して説明したS316の処理が行われ、表示部166にスペックが表示される。ユーザは、このスペックを観て、最高で16fpsの連続撮影が可能になったことを知る。
【0148】
以上に説明したように、本発明によれば、カメラ100のシステム構成によって得ることの可能な性能をユーザが容易に把握することも可能となる。このとき、どの機能ユニットの性能が制限要因(カメラ全体としての上限性能を決定付ける要因、ミニマムスペック、あるいは性能上のネック)となっているのかをユーザが把握して、何をすればカメラ100の性能を向上させることができるのかを容易に知ることが可能となる。
【0149】
図13、図14は、カメラ100から受信したシステム構成情報に基づき、情報処理装置200によって把握されるカメラ100のシステム構成のさらに別の例を示す。図13、図14においても、図7を参照して説明したのと同様、図示されているのは、高感度での撮影を行う際の処理能力に関与する機能ユニットのみであり、カメラ100がこれら2つの機能ユニットのみで構成されていることを意味するものではない。
【0150】
図13、図14の一覧表中、太い実線の矩形で囲われたものがカメラ100を現状で構成している機能ユニットであるものとする。図13、図14は説明のために示したものであるが、図7を参照して説明したのと同様、カメラ100を情報処理装置200に接続したときに、このような表が情報処理装置200またはカメラ100に表示されるようにしてもよい。
【0151】
図13の表中、例えば「IMG_0021 ISO3200」は、カメラ100に現状で組み込まれている撮像ユニットから出力される機能ユニット情報から導出される情報の一例である。本例においては、機能ユニット情報から導出される情報には、機能ユニットの種類を一意に特定可能な識別情報(IMG_0021)と、機能ユニットの諸元や性能等に関する情報(ISO3200)が含まれている。この情報(ISO3200)は、機能ユニットの諸元や性能を高感度撮影という一面から観たものである。識別情報については、図7を参照して説明したものと同様である。
【0152】
図13に示される例においては、カメラ100が現状で有するシステム構成では、撮像ユニットが、等価ISO感度をISO3200相当まで上げて撮像可能な処理能力を備えるものとする。また、信号処理ユニットはISOオート露光プログラムにおける上限設定感度がISO3200相当となっているものとする。
【0153】
ここで、ISOオート露光プログラムとは、被写体輝度が比較的明るく、カメラ振れの心配の無いシャッタ速度の設定が可能な場合には撮像ユニットで自動設定される等価ISO感度を比較的低感度とし、被写体輝度が低下するのにつれて等価ISO感度を自動的に増す露光プログラムである。これにより、被写体輝度が比較的低い状況においてもシャッタ速度がカメラ振れの生じ易い速度まで低下しにくくする。
【0154】
図14に示される例においては、カメラ100が現状で有するシステム構成では、撮像ユニットが、等価ISO感度をISO6400相当まで上げて撮像可能な処理能力を備えるものとする。信号処理ユニットは、図13、図14ともPROCESS_0021と変わりがない。但し、カメラ100の撮像ユニットがIMG_0021として特定されるもの(設定可能な上限ISO感度:3200)からIMG_0022として特定されるもの(設定可能な上限ISO感度:6400)へとシステム構成が変更されたカメラ100が情報処理装置200接続された結果、新たな制御プログラムが情報処理装置200からカメラ100に出力される。その結果、信号処理ユニットにおいて、ISOオート露光プログラムにおける上限設定感度がISO3200相当からISO6400相当へと引き上げられている。
【0155】
逆に、カメラ100のシステム構成が変更された結果、組み込まれている撮像ユニットが、IMG_0022として特定されるもの(設定可能な上限ISO感度:6400)からIMG_0021として特定されるもの(設定可能な上限ISO感度:3200)へと変更される場合もあり得る。そのような場合にも、新たな制御プログラムが情報処理装置200からカメラ100に出力される。その結果、信号処理ユニットにおいて、ISOオート露光プログラムにおける上限設定感度がISO6400相当からISO3200相当に引き下げられる。
【0156】
以上のように、本発明によればユニット交換式のカメラのシステム構成がユーザによって変更されるのに応じて、このシステム構成のカメラで動作可能な1または複数の制御プログラムのうち、最適な制御プログラムが抽出されるので、カメラの動作制御を最適化することが可能となる。
【0157】
以上では、情報処理装置200がユニット交換式のカメラに対して制御プログラムや機能情報等を出力する例について説明したが、ユニット交換式の他の機器、例えば音声の記録や再生が可能な装置や医療用の機器、あるいは計測機器等に制御プログラムや機能情報等を出力可能に構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明は、ユニット交換式の構成を有するデジタルスチルカメラ、デジタルムービーカメラ、音声記録/再生装置や医療機器、計測機器等の機器と、これらの機器に制御プログラムや機能情報等を出力するための情報処理装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0159】
100 … カメラ
110 … レンズユニット
112 … レンズ駆動部
114、124、134、144、154、164、174、184 … CPU
120 … シャッタユニット
122 … シャッタ駆動部
126 … シャッタ装置
130 … 撮像ユニット
132 … 撮像素子
136 … 撮像制御部
140 … 信号処理ユニット
142 … フレームメモリ
146 … 信号処理部
148 … フラッシュメモリ
150 … インターフェース処理部
160 … 表示ユニット
162 … 表示制御部
166 … 表示部
172 … 操作部
170 … 操作ユニット
180 … 記録ユニット
182 … メモリカード
190 … バッテリユニット
192 … バッテリ
200 … 情報処理装置
201 … インターフェース
202 … システム構成情報入力部
203 … システム構成履歴情報入力部
204 … 制限要因特定部
205 … プログラム出力部
206 … プログラム記憶部
207 … 機能情報出力部
220 … ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換式の複数の機能ユニットの組み合わせを変えることによりシステム構成を変更可能なユニット交換式のカメラを構成する前記複数の機能ユニットのそれぞれから得られる機能ユニット情報をもとに前記カメラ内で生成され、前記カメラが現状で有しているシステム構成を特定可能な情報であるシステム構成情報を入力するシステム構成情報入力部と、
前記複数の機能ユニットの組み合わせによって構築可能なシステム構成の種類に対応して、前記カメラの動作を制御するための制御プログラムが複数記憶されるプログラム記憶部と、
前記システム構成情報で特定されるシステム構成のカメラで動作可能な一または複数の制御プログラムのうち、最適な制御プログラムを、前記プログラム記憶部から抽出して出力するプログラム出力部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記システム構成情報入力部で入力された前記システム構成情報に基づき、前記カメラが現状で有している前記システム構成で発揮しうる性能上の上限を決定付ける要因である制限要因を特定する制限要因特定部をさらに有し、
前記プログラム出力部は、前記制限要因で決まる前記性能上の上限を越さない範囲で最も高い性能を発揮可能となる制御プログラムを前記最適な制御プログラムとして前記プログラム記憶部から抽出して出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制限要因特定部は、前記複数の機能ユニットのそれぞれにおいて動作または処理可能な、単位時間あたりのフレーム数に基づいて前記制限要因を特定可能に構成されることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の機能ユニット中には撮像ユニットが含まれ、
前記制限要因特定部は、前記撮像ユニットの撮像性能に基づいて前記制限要因を特定可能に構成されることを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記カメラのシステム構成が直近の過去に変更される直前に有していたシステム構成を特定可能な情報を含むシステム構成履歴情報を入力するシステム構成履歴情報入力部と、
前記システム構成情報と前記システム構成履歴情報との比較結果に基づき、前記直近の過去に変更される直前に有していたシステム構成で得られる機能と、前記現状で有しているシステム構成で得られる機能との差異を特定可能な情報を含む機能情報を出力する機能情報出力部と
をさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置が、前記カメラと無線または有線の形態で接続可能に構成されるコンピュータに備えられることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置が、前記カメラ内に備えられることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つの情報処理装置に接続可能に構成され、前記システム構成を変更可能なユニット交換式のカメラであって、
前記カメラを構成する前記複数の機能ユニットのそれぞれから得られる前記機能ユニット情報をもとに、前記カメラが現状で有しているシステム構成に対応する前記システム構成情報を前記情報処理装置に出力するシステム構成情報出力部と、
前記システム構成情報に対応して前記情報処理装置から出力される前記最適な制御プログラムを入力する制御プログラム入力部と、
前記情報処理装置から出力された前記最適な制御プログラムを実行して前記カメラの動作を制御するプログラム実行処理部と
を有することを特徴とするカメラ。
【請求項9】
前記カメラのシステム構成が直近の過去に変更される直前に有していたシステム構成を特定可能な情報を含む前記システム構成履歴情報を前記情報処理装置に出力するシステム構成履歴情報出力部と、
前記システム構成情報と前記システム構成履歴情報との比較結果に基づいて前記情報処理装置から出力される前記機能情報を入力する機能情報入力部と
をさらに有することを特徴とする請求項8に記載のカメラ。
【請求項10】
前記機能情報入力部で入力した前記機能情報に基づき、現状のシステム構成で発揮可能な機能および性能のうち、少なくともいずれかを表示するスペック情報表示処理部をさらに有することを特徴とする請求項9に記載のカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−253058(P2011−253058A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126988(P2010−126988)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】