説明

情報処理装置およびグラフ生成プログラム

【課題】複数のデータ項目の値の変化を1つのグラフ領域内に見やすく表示できるようにする。
【解決手段】特定手段1bは、データ項目が指定されると、所定の変数の値の変化に伴う複数のデータ項目それぞれの値の変化を示す情報を記憶する記憶手段1aから、指定されたデータ項目の値の変化に伴って値が変化するデータ項目を特定する。生成手段1cは、記憶手段1aを参照し、所定の変数の値の変化に伴う指定されたデータ項目の値と該特定されたデータ項目の値との変化を単一のグラフ線2eで表したグラフ2を生成する。グラフ2は、互いに平行な複数の軸2c,2dと、複数の軸2c,2dと交差する方向の軸2bとでグラフ領域2aが定義されている。軸2cは、指定されたデータ項目に合わせて目盛りが調整されている。軸2dは、特定されたデータ項目に合わせて目盛りが調整されている。軸2bは、所定の変数の値を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフを生成する情報処理装置およびグラフ生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータでは、様々なデータ項目の値の推移を把握しやすくするため、グラフを生成し、表示することができる。例えば生産計画業務などに用いるスケジューリングソフトウェアにおいては、生産作業によって消費される複数の部品と、生産される製品、および製品の製造過程で発生する副産物の在庫がそれぞれどのように推移するかをグラフ表示することができる。
【0003】
なお、複数のデータ項目がグラフ表示の対象となる場合、1つのグラフ領域内に、データ項目ごとのグラフ線を表示することもできる。例えば、一つの変量に対応して取得される複数データはグラフ上では変量をX軸にとり、対応するデータを複数のY軸にとって重ねて表示する技術がある。また、複数のトレンドグラフを同一時間軸上に表示する技術もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−251623号公報
【特許文献2】特開2002−62931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、複数のデータ項目の値の変化を1つのグラフ領域内に複数のグラフ線で表示すると、複数のグラフ線が交差したり、重なったりして、視認性が悪かった。
1つの側面では、本発明は複数のデータ項目の値の変化を1つのグラフ領域内に見やすく表示することができる情報処理装置およびグラフ生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの案では、特定手段と生成手段とを有する情報処理装置が提供される。特定手段は、データ項目が指定されると、所定の変数の値の変化に伴う複数のデータ項目それぞれの値の変化を示す情報を記憶する記憶手段から、指定されたデータ項目の値の変化に伴って値が変化するデータ項目を特定する。生成手段は、記憶手段を参照し、指定されたデータ項目と特定されたデータ項目とのそれぞれに合わせて目盛りが調整された、互いに平行な複数の軸と、複数の軸と交差する方向の所定の変数の値を示す軸とで定義されたグラフ領域に、所定の変数の値の変化に伴う指定されたデータ項目の値と特定されたデータ項目の値との変化を単一のグラフ線で表したグラフを生成する。
【発明の効果】
【0007】
複数のデータ項目の値の変化を1つのグラフ領域内に表示した場合の視認性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置の機能の一例を示す図である。
【図2】第2の実施の形態に用いるコンピュータの一構成例を示す図である。
【図3】第2の実施の形態に係るコンピュータの機能の一例を示すブロック図である。
【図4】主産物の部品表の一例を示す図である。
【図5】副産物の部品表の一例を示す図である。
【図6】在庫量データのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】生産計画データのデータ構造の一例を示す図である。
【図8】在庫数量変更ルールのデータ構造の一例を示す図である。
【図9】在庫推移グラフ表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】主産物グラフ生成処理の詳細手順を示すフローチャートである。
【図11】部品軸追加処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】副産物軸追加処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】軸追加後の在庫推移グラフの一例を示す図である。
【図14】ガントチャートと在庫推移グラフとの同時表示の一例を示す図である。
【図15】第1の参考例を示す図である。
【図16】第2の参考例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態は、所定の変数の値の変化に伴う複数のデータ項目の値の変化を、1つのグラフ線で表すものである。
【0010】
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の機能の一例を示す図である。情報処理装置1は、記憶手段1a、特定手段1b、生成手段1c、および表示手段1dを有する。
記憶手段1aは、所定の変数の値の変化に伴う複数のデータ項目それぞれの値の変化を示す情報を記憶する。例えば記憶手段1aには、所定の変数の値が所定の値のときの複数のデータ項目それぞれの初期値が格納されている。また、記憶手段1aには、所定の変数の値の変化に伴って値が変化したときの変化点における複数のデータ項目それぞれの値が格納されている。なお、所定の変数は、物の数量、質量、長さ、体積、時刻、経過時間、温度、圧力、速度、加速度などの物理量や、統計的に得られる統計量などの数値化可能な量である。またデータ項目も同様に、物理量や統計量などの各種の数値化可能な量である。
【0011】
特定手段1bは、データ項目が指定されると、記憶手段1aから、指定されたデータ項目の値の変化に伴って値が変化する他のデータ項目を特定する。指定されたデータ項目の値の変化に伴って値が変化する他のデータ項目は、例えば、指定されたデータ項目と強い相関関係を有する他のデータ項目である。この場合でも、指定されたデータ項目と特定されたデータ項目との因果関係の有無は問われない。例えば特定手段1bは、指定されたデータ項目の値の変化量と比例した量だけ値が変化するデータ項目を特定する。
【0012】
生成手段1cは、記憶手段1aを参照し、所定の変数の値の変化に伴う指定されたデータ項目の値と特定されたデータ項目の値との変化を単一のグラフ線2eで表したグラフ2を生成する。例えば生成手段1cは、指定されたデータ項目と特定されたデータ項目とのそれぞれに合わせて目盛りが調整された、互いに平行な複数の軸2c,2dと、複数の軸2c,2dに交差する、所定の変数の値を示す軸2bとでグラフ領域2aを定義する。生成手段1cは、このグラフ領域2a内に、各軸2b,2c,2dに合わせてグラフ線2eを設定する。
【0013】
例えば生成手段1cは、指定されたデータ項目の値の変化に伴って特定されたデータ項目の値が変化するときの比例係数を取得する。次に生成手段1cは、指定されたデータ項目に対応する軸2cの単位長さ当たりの数値差に対して比例係数を乗算して得られる数値差を求める。そして生成手段1cは、特定されたデータ項目に対応する軸2dの単位長さ当たりの数値差となるように、指定されたデータ項目に対応する軸2cと特定されたデータ項目に対応する軸2dとに目盛りを設定する。
【0014】
また指定されたデータ項目の値の増加に伴い、特定されたデータ項目の値が減少する場合もある。この場合、例えば生成手段1cは、指定されたデータ項目に対応する軸2cの正の方向と、特定されたデータ項目に対応する軸2dの正の方向とを逆向きにする。
【0015】
また、所定の変数が日時であり、かつ指定されたデータ項目の値が変化する日時と、指定されたデータ項目の値の変化に伴って特定されたデータ項目の値が変化する日時との間に時間のずれが存在する場合もある。この場合、例えば生成手段1cは、所定の変数の値を示す軸2bに付与された日時を示す目盛りに対応する位置に、時間のずれの分だけずらした日時が目盛りとして付与された、所定の変数の値を示す軸2bに平行な軸2fを、グラフ2に設定する。
【0016】
表示手段1dは、生成されたグラフ2を、モニタなどの画面に表示する。
このような情報処理装置1によれば、例えばユーザの操作入力によりデータ項目が指定されると、特定手段1bにより、指定されたデータ項目の値の変化に伴って値が変化するデータ項目が特定される。例えば、指定されたデータ項目の値の変化量と比例した量だけ値が変化するデータ項目が特定される。
【0017】
図1には、第1のデータ項目が指定された場合の例が示されている。図1の例では、第1のデータ項目の値「A」(Aは実数)の変化に伴って第2のデータ項目の値「B」(Bは実数)が変化しているものとする。第1のデータ項目の値の変化量を「ΔA」(ΔAは実数)とした場合、第2のデータ項目の値の変化量「ΔB」(ΔBは実数)は、「ΔB=ΔA×C」(Cは0以外の実数)である。ここで「C」は、比例定数である。このような第1のデータ項目の値の変化量と第2のデータ項目の値の変化量との関係式は、例えば記憶手段1aに予め格納されている。なお他のデータ項目の値との変化量の関係式が予め定義されているデータ項目については、記憶手段1aに初期値のみ記憶しておけばよい。
【0018】
データ項目が特定されると、生成手段1cによってグラフ2が生成される。生成されるグラフ2は、所定の変数の値の変化に伴う指定されたデータ項目の値と特定されたデータ項目の値との変化が、単一のグラフ線2eで表されている。例えばグラフ2は、互いに平行な複数の軸2c,2dと、複数の軸2c,2dに交差する軸2bとでグラフ領域2aが定義される。軸2cは、指定されたデータ項目に合わせて目盛りが調整される。軸2dは、特定されたデータ項目に合わせて目盛りが調整される。そして、グラフ領域2a内に、指定されたデータ項目と特定されたデータ項目との所定の変数の値の変化に伴う変化を表すグラフ線2eが設定される。
【0019】
また所定の変数が日時(時刻)の場合、指定されたデータ項目の値の変化に応じて値が変化する他のデータ項目であっても、変化のタイミングに時間のずれがある場合がある。例えば図1の例では、第2のデータ項目の値の変化は、第1のデータ項目の値の変化に対して「Δt」(Δtは0以外の実数)の時間だけタイミングがずれる。このような場合、例えば、第1のデータ項目の所定の変数の値を示す軸2bとは別に、第2のデータ項目の所定の変数の値を示す軸2fがグラフ2に設定される。第2のデータ項目の所定の変数の値を示す軸2fは、第1のデータ項目の所定の変数の値を示す軸2bの目盛りに対して「Δt」だけずらした目盛りが付与される。
【0020】
生成されたグラフ2は、表示手段1dによって表示される。例えば図1に示すグラフ2には、所定の変数の値の変化に応じた、第1のデータ項目の値と第2のデータ項目の値との変化が、グラフ線2eで示されている。グラフ2によれば、グラフ線2eと軸2b,2cを見比べることで、所定の変数の値が「t1」のとき第1のデータ項目の値は「A1」であり、所定の変数の値が「t2」になったとき第1のデータ項目の値が「A2」に変化したことが分かる。またグラフ2によれば、グラフ線2eと軸2f,2dを見比べることで、所定の変数の値が「T1=t1+Δt」のとき第2のデータ項目の値は「B1」であり、所定の変数の値が「T2=t2+Δt」になったとき第2のデータ項目の値が「B2」に変化したことが分かる。
【0021】
このように複数のデータ項目の変化を1つのグラフ線2eにまとめることで、グラフ2の視認性が向上する。すなわち、グラフ線2eが1本しかないので、複数のグラフ線が重なったり、交わったりすることによる視認性の劣化が抑止される。
【0022】
ここで、値の変化を1つのグラフ線で表すことができる複数のデータ項目は、例えば、個別にグラフ表示した場合の一方のグラフ線の形状に、軸方向の変換処理を施して、同一の形状にすることができる場合である。変換処理とは、例えば上下または左右方向への平行移動、上下または左右方向の縮尺の拡大または縮小、上下または左右の反転のいずれか1つの処理、または複数の処理の組み合わせである。また、同一の形状となるかどうかについては、ある程度の誤差を許容してもよい。
【0023】
なお、特定手段1b、生成手段1c、および表示手段1dは、情報処理装置1が有するCPU(Central Processing Unit)により実現することができる。また、記憶手段1aは、情報処理装置1が有するRAM(Random Access Memory)やハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などにより実現することができる。
【0024】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、企業における製品や部品の在庫状況をグラフで表示するものである。
【0025】
図2は、第2の実施の形態に用いるコンピュータの一構成例を示す図である。コンピュータ100は、CPU101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM102と複数の周辺機器が接続されている。
【0026】
RAM102は、コンピュータ100の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。
【0027】
バス108に接続されている周辺機器としては、HDD103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、および通信インタフェース107がある。
【0028】
HDD103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、コンピュータ100の二次記憶装置として使用される。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0029】
グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。モニタ11としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0030】
入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス13は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0031】
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク14に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク14は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク14には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
【0032】
通信インタフェース107は、ネットワーク10に接続されている。通信インタフェース107は、ネットワーク10を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0033】
以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお図1に示した第1の実施の形態に係る情報処理装置1も、図2と同様のハードウェアで実現することができる。
【0034】
図3は、第2の実施の形態に係るコンピュータの機能の一例を示すブロック図である。コンピュータ100は、記憶部110、生産計画部120、品目特定部130、グラフ生成部140、およびグラフ表示部150を有する。
【0035】
記憶部110は、部品表111,112、在庫量データ113、生産計画データ114、および在庫数量変更ルール115を格納する。例えばRAM102またはHDD103の記憶領域の一部が、記憶部110として使用される。部品表111は、主産物を構成する部品が設定されたデータテーブルである(図4参照)。部品表112は、主産物の生産時に生成される副産物が設定されたデータテーブルである(図5参照)。在庫量データ113は、品目ごとの在庫量が設定されたデータテーブルである(図6参照)。生産計画データ114は、品目ごとの生産計画が設定されたデータテーブルである(図7参照)。在庫数量変更ルール115は、製品生産時に在庫の数量を変更するルールが設定されたデータテーブルである(図8参照)。
【0036】
生産計画部120は、製品の生産計画立案の支援機能である。例えば生産計画部120は、ガントチャート(生産計画表)を用いた生産計画の編集機能を有する。ユーザは、生産計画部120が表示したガントチャートの表示内容を変更することで、生産計画の変更などが可能である。生産計画部120は、立案された生産計画を示す生産計画データ114を記憶部110に格納する。また、生産計画部120は、編集中のガントチャートに対して生産計画変更の操作入力があった場合、ガントチャートを変更して表示すると共に、変更対象の生産作業を品目特定部130に通知する。変更対象の生産作業は、例えば、各生産作業を一意に示す生産作業番号で示される。
【0037】
品目特定部130は、グラフ表示対象とする品目を特定する。例えば品目特定部130は、軸の目盛りの調整によって、主産物として指定された品目の在庫量の推移を示すグラフ線と同じ形状のグラフ線で在庫量の推移を表すことができる品目を特定する。例えば品目特定部130は、ユーザによって任意に指定された主産物、その主産物の生産に使用する部品、および主産物の生産に伴って生産される副産物に対する品目を特定する。また品目特定部130は、生産計画部120から通知された生産作業で生産される主産物、その主産物の生産に使用する部品、および主産物の生産に伴って生産される副産物に対する品目を特定する。品目特定部130は、特定した主産物、部品、および副産物の各品目をグラフ生成部140に通知する。
【0038】
グラフ生成部140は、記憶部110に格納された情報を参照して、主産物、部品、および副産物の在庫量の推移を1つのグラフ線で表したグラフを生成する。例えばグラフ生成部140は、通知された主産物の在庫の推移を計算する。そしてグラフ生成部140は、主産物の在庫の推移を示す在庫推移グラフを生成する。グラフ生成部140は、記憶部110に格納された情報を参照して、主産物の生産時に使用される部品の在庫の推移を計算する。次に、グラフ生成部140は、生成された在庫推移グラフのグラフ線が部品の在庫の推移を示すように、軸を追加する。またグラフ生成部140は、記憶部110に格納された情報を参照して、主産物の生産時に生産される副産物の在庫の推移を計算する。次にグラフ生成部140は、生成された在庫推移グラフのグラフ線が副産物の部品の在庫の推移を示すように、軸を追加する。そして、グラフ生成部140は、軸追加後のグラフをグラフ表示部150に渡す。
【0039】
グラフ表示部150は、グラフ生成部140から渡されたグラフをモニタ11に表示する。
次に、記憶部110に格納された情報のデータ構造について説明する。
【0040】
図4は、主産物の部品表の一例を示す図である。主産物の部品表111には、品目、下位品目、および使用割合の欄が設けられている。品目の欄には、主産物として生産される品目の名称が設定される。下位品目の欄には、主産物として使用される品目の生産時に使用される部品の名称が設定される。使用割合の欄には、主産物の生産時に使用される下位品目で示される部品の使用割合が設定される。使用割合は、主産物を1つ生産するときに使用される部品の数量で示される。図4の例では、品目「A」の生産には、品目「P」の部品が1つ使用され、品目「Q」の部品が2つ使用されることが示されている。
【0041】
図5は、副産物の部品表の一例を示す図である。副産物の部品表112には、主産物、副産物、および発生割合の欄が設けられている。主産物の欄には、主産物として生産される品目の名称が設定される。副産物の欄には、主産物の生産時に生成される副産物の名称が設定される。発生割合の欄には、主産物の生成時における副産物の発生割合が設定される。発生割合は、主産物を1つ生産した場合における副産物の生成量である。図5の例では、品目「A」を1つ生産すると、品目「α」の副産物が「0.1」だけ生成されることが示されている。なお、副産物の生成量の単位は、例えば容量または重量などの物理量を示す単位である。
【0042】
図6は、在庫量データのデータ構造の一例を示す図である。在庫量データ113には、品目と数量との欄が設けられている。品目の欄には、主産物、部品、または副産物の名称が設定される。数量の欄には、各品目の在庫数量が設定される。図6の例では、主産物となる品目「A」の在庫は「0」である。その品目「A」の部品のうち、品目「P」の在庫は「200」、品目「Q」の在庫は「400」である。品目「A」の生産時に生成される副産物である品目「α」の在庫は「0」である。
【0043】
図7は、生産計画データのデータ構造の一例を示す図である。生産計画データ114には、生産作業番号、品目、開始日時、終了日時、および数量の欄が設けられている。生産作業番号の欄には、生産作業を一意に識別する識別番号(生産作業番号)が設定される。品目の欄には、生産作業で生産される品目の名称が設定される。開始日時の欄には、生産作業開始の予定日時が設定される。終了日時の欄には、生産作業終了の予定日時が設定される。数量の欄には、生産予定の数量が設定される。図7の例では、品目「A」を、2010年10月1日10時00分から生産を開始し、同日の12時の生産終了までに100個生産することが示されている。
【0044】
図8は、在庫数量変更ルールのデータ構造の一例を示す図である。在庫数量変更ルール115には、主産物と在庫数量変更ルールとの欄が設けられている。主産物の欄には、生産物となる品目の名称が設定される。在庫数量変更ルールの欄には、生産物ごとの主産物計上ルール、部品引き落としルール、および副産物計上ルールが設定されている。主産物計上ルールには、主産物を在庫数量に計上する時期が定義される。部品引き落としルールには、主産物を生産する際に使用される部品を、在庫数量から引き落とす時期が定義されている。副産物計上ルールは、主産物の生産時に生成される副産物を、在庫数量に計上する時期が定義されている。
【0045】
例えば、品目「A」を生産する場合、主産物計上ルールとして「生産終了時に全量計上」と定義されている。従って、品目「A」の在庫数量の推移を計算するとき、生産計画における生産終了日時に、在庫数量が生産数量分だけ増加するものと判断される。品目「A」を生産する場合、部品引き落としルールとして「主産物の生産開始時に全量計上」と定義されている。従って、品目「A」の部品の在庫数量の推移を計算するとき、生産計画における生産開始日時に、在庫数量が、主産物の生産に使用される部品の総量分だけ減少するものと判断される。品目「A」を生産する場合、副産物計上ルールとして「主産物の生産終了時に全量計上」と定義されている。従って、品目「A」の副産物の在庫数量の推移を計算するとき、生産計画における生産終了日時に、在庫数量が生産数量分だけ増加するものと判断される。
【0046】
在庫数量変更ルールとしては、生産時間に比例して計上または引き落としをすることを定義することもできる。例えば生産時間に比例して計上する場合、1つの生産計画で計上する全数量を生産の所要時間で除算することで、単位時間当たりの計上量が計算できる。そして在庫数量の推移を計算する際に、生産開始時から単位時間が経過するごとに単位時間当たりの計上量ずつ在庫数量が増加するものと判断される。生産時間に比例して引き落とす場合、1つの生産計画で引き落とす全数量を生産の所要時間で除算することで、単位時間当たりの引き落とし量が計算できる。そして在庫数量の推移を計算する際に、生産開始時から単位時間が経過するごとに単位時間当たりの引き落とし量ずつ在庫数量が減少するものと判断される。
【0047】
以上のような構成およびデータ構造の情報を有するコンピュータ100により、生産計画に応じた在庫数量の推移を示すグラフを表示することができる。例えば、ユーザが、生産計画部120の生産計画編集機能を用いて生産計画を立案する。ユーザが生産計画の確定を示す操作入力を行うと、生産計画部120により立案された生産計画を示す生産計画データ114が記憶部110に格納される。その後、ユーザがコンピュータ100に対して、生産計画における1つの生産作業を指定した在庫推移表示指示を入力すると、在庫推移グラフ表示処理が開始される。
【0048】
図9は、在庫推移グラフ表示処理の手順を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]品目特定部130は、生産計画に含まれる1つの生産作業の指定を受け付ける。例えば品目特定部130は、ユーザからの生産作業番号を指定した操作入力を受け付ける。また品目特定部130は、生産計画部120から生産計画の変更対象とされている生産作業を示す生産作業番号が入力されると、その生産作業番号の入力を、生産作業の指定と判断することもできる。
【0049】
[ステップS12]グラフ生成部140は、主産物グラフ生成処理を実行する。この処理の詳細は後述する(図10参照)。
[ステップS13]品目特定部130は、主産物の生産に使用される部品を特定する。例えば品目特定部130は、生産計画データ114を参照し、指定された生産作業の主産物を判断する。次に品目特定部130は、部品表111を参照し、指定された生産計画で生産される部品を特定する。
【0050】
[ステップS14]グラフ生成部140は、主産物の生産に使用される各部品の使用割合を判定する。例えばグラフ生成部140は、部品表111を参照し、指定された生産計画で生産される主産物の部品の使用割合を判定する。
【0051】
[ステップS15]グラフ生成部140は、指定された生産計画で生産される主産物のすべての部品について、部品軸追加処理(ステップS17)を実行したか否かを判断する。グラフ生成部140は、部品軸追加処理を実行していない部品があれば、処理をステップS16に進める。またグラフ生成部140は、すべての部品について部品軸追加処理が実行されていれば、処理をステップS18に進める。
【0052】
[ステップS16]未処理の部品がある場合、グラフ生成部140は、部品軸追加処理が未処理の部品のうちの1つを選択する。
[ステップS17]グラフ生成部140は、選択した部品について、部品軸追加処理を実行する。この処理の詳細は後述する(図11参照)。グラフ生成部140は、その後、処理をステップS15に進める。
【0053】
[ステップS18]すべての部品について部品軸追加処理が完了した場合、品目特定部130は、主産物の生産に伴って生産される副産物を特定する。例えば品目特定部130は、副産物の部品表112を参照し、指定された生産作業で生産される主産物の生産時に生成される副産物を特定する。
【0054】
[ステップS19]グラフ生成部140は、主産物の生産に伴って生産される副産物の発生割合を判定する。例えばグラフ生成部140は、副産物の部品表112を参照し、指定された生産作業で生産される主産物の生産時に生成される副産物の発生割合を判定する。
【0055】
[ステップS20]グラフ生成部140は、指定された生産計画で生産される生産物の生産時に生成されるすべての副産物について、副産物軸追加処理(ステップS22)を実行したか否かを判断する。グラフ生成部140は、副産物軸追加処理を実行していない副産物があれば、処理をステップS21に進める。またグラフ生成部140は、すべての副産物について副産物軸追加処理が実行されていれば、処理を終了する。
【0056】
[ステップS21]未処理の副産物がある場合、グラフ生成部140は、副産物軸追加処理が未処理の副産物のうちの1つを選択する。
[ステップS22]グラフ生成部140は、選択した副産物について、副産物軸追加処理を実行する。この処理の詳細は後述する(図12参照)。グラフ生成部140は、その後、処理をステップS20に進める。
【0057】
このような手順で、主産物グラフに部品や副産物の軸が追加設定されることで、在庫推移グラフが生成される。
図10は、主産物グラフ生成処理の詳細手順を示すフローチャートである。以下、図10に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0058】
[ステップS31]グラフ生成部140は、指定された生産作業の生産時間と生産数量とを判断する。例えばグラフ生成部140は、生産計画データ114を参照し、指定された生産作業の開始日時から終了日時までの時間を計算し、生産時間とする。またグラフ生成部140は、生産計画データ114から、指定された生産作業に設定された数量を取得する。
【0059】
[ステップS32]グラフ生成部140は、指定された生産作業による主産物の作業前の在庫量を取得する。例えばグラフ生成部140は、在庫量データ113から、指定された生産作業の主産物である品目の数量を取得し、在庫量とする。
【0060】
[ステップS33]グラフ生成部140は、指定された生産作業による主産物の在庫計上ルールを取得する。例えばグラフ生成部140は、在庫数量変更ルール115から、指定された生産作業の主産物に対して設定されている主産物計上ルールを取得する。
【0061】
[ステップS34]グラフ生成部140は、主産物の在庫推移を示す在庫推移グラフを生成する。例えばグラフ生成部140は、横軸に日時、縦軸に主産物の在庫の数量を取る。そしてグラフ生成部140は、現在の日時から指定された生産作業の開始日時までは、ステップS32で取得した在庫量を、生産物の在庫数量としたグラフ線を生成する。またグラフ生成部140は、指定された生産作業の開始日時から終了日時までのグラフ線を、主産物計上ルールと、生産数量とに基づいて決定する。
【0062】
例えば、主産物計上ルールが「生産終了時に全量計上」の場合、グラフ生成部140は、生産作業の開始日時から終了日時までの期間の在庫量は、生産作業前の在庫量のままとした直線を、グラフ線に追加する。次にグラフ生成部140は、生産作業による生産数量を、生産作業の終了日時以前の在庫数量に加算し、加算結果を、生産作業の終了日時の在庫量とする。そしてグラフ生成部140は、グラフ線の終了日時の位置に、生産作業の終了日時以前の在庫数量から生産作業の終了日時の在庫量までの縦線を追加する。
【0063】
また主産物計上ルールが「生産時間に比例して計上」の場合、グラフ生成部140は、生産作業による生産数量を、生産作業の終了日時以前の在庫数量に加算し、加算結果を、生産作業の終了日時の在庫量とする。そして、グラフ生成部140は、生産作業の開始日時の在庫量を示す点と終了日時の在庫量を示す点とを結ぶ直線を、グラフ線に追加する。
【0064】
グラフ生成部140は、生産作業の終了日時以降に関しては、終了日時の在庫量のままとした直線を、グラフ線に追加する。
このようにして、主産物の在庫推移を示すグラフが生成される。
【0065】
次に、グラフ生成部140による部品軸追加処理の手順を説明する。
図11は、部品軸追加処理の手順を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0066】
[ステップS41]グラフ生成部140は、ステップS16(図9参照)で選択した部品の作業前在庫量を取得する。例えばグラフ生成部140は、在庫量データ113から、選択した部品の在庫量を取得する。
【0067】
[ステップS42]グラフ生成部140は、選択した部品の在庫からの引き落としルールを取得する。例えばグラフ生成部140は、在庫数量変更ルール115から、指定された生産作業の主産物に対して設定されている部品引き落としルールを取得する。
【0068】
[ステップS43]グラフ生成部140は、在庫遷移グラフに対して、Y軸と平行に下を正方向とする部品在庫軸を追加する。追加される部品在庫軸では、Y軸における主産物の作業前在庫量を示す目盛りの高さと、部品在庫軸における選択した部品の作業前在庫量を示す目盛りの高さとが一致する。ここで、Y軸と部品在庫軸との目盛りの高さとは、目盛りの位置のY軸正方向へのX軸からの距離である。また追加される部品在庫軸では、Y軸における主産物の生産作業後の在庫量を示す目盛りの高さと、部品在庫軸における選択した部品の作業後在庫量を示す目盛りの高さとが一致する。
【0069】
このように目盛りを設定することで、主産物の在庫量の変化に伴って部品の在庫量が変化するときの比例係数(部品の使用割合)を、Y軸の単位長さ当たりの数値差に乗算して得られる数値差が、部品在庫軸の単位長さ当たりの数値差となる。
【0070】
なおグラフ生成部140は、部品在庫軸における選択した部品の作業後在庫量を、例えば以下の式で計算する。
部品の作業後在庫量=部品の作業前在庫量−主産物の生産量×部品の使用割合
[ステップS44]グラフ生成部140は、主産物の生産に使用される部品の在庫からの引き落としタイミングと、生産される主産物の在庫への計上タイミングとのずれ時間を計算する。例えばグラフ生成部140は、主産物計上ルールが「生産終了時に全量計上」であり、部品引き落としルールが「主産物の生産開始時に全量引き落とし」であった場合、生産作業時間をタイミングのずれ時間とする。この場合、主産物の計上タイミングの前に部品の引き落としを行うため、ずれ時間は負の値となる。なお、生産作業時間は、生産計画の終了日時から開始日時を減算することで得られる。
【0071】
[ステップS45]グラフ生成部140は、ステップS44で計算したタイミングのずれ時間だけX軸と位置をずらした時間軸が、在庫推移グラフに既に設定されているか否かを判断する。該当する時間軸が既に設定されている場合、グラフ生成部140は部品軸追加処理を終了する。該当する時間軸が設定されていない場合、グラフ生成部140は、処理をステップS46に進める。
【0072】
[ステップS46]グラフ生成部140は、在庫推移グラフに対し、X軸と平行に、部品用時間軸を追加する。追加される部品用時間軸は、X軸に振られた日時の値から、タイミングのずれ時間だけX軸と平行にずらした時間軸である。例えばタイミングのずれ時間が負の値の場合、X軸に振られた日時の位置と一致する部品用時間軸の位置には、X軸に振られた日時からずれ時間だけ過去の日時が設定される。またタイミングのずれ時間が正の値の場合、X軸に振られた日時の位置と一致する部品用時間軸の位置には、X軸に振られた日時からずれ時間だけ未来の日時が設定される。なお、X軸に振られた日時の位置と一致する部品用時間軸の位置とは、X軸に振られた日時の位置からY軸に平行な線を引いたときに、その線と部品用時間軸とが交わる位置である。
【0073】
これにより、主産物の在庫への計上タイミングを示すX軸上の日時と同じ位置に、部品の在庫からの引き落としタイミングを示す部品用時間軸上の日時が設定される。その後、グラフ生成部140は、処理を終了する。
【0074】
このようにして、在庫推移グラフのグラフ線により部品の在庫推移が分かるように、部品在庫軸と部品用時間軸を追加することができる。
次に、グラフ生成部140による副産物軸追加処理の手順を説明する。
【0075】
図12は、副産物軸追加処理の手順を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS51]グラフ生成部140は、ステップS21(図9参照)で選択した副産物の作業前在庫量を取得する。例えばグラフ生成部140は、在庫量データ113から、選択した副産物の在庫量を取得する。
【0076】
[ステップS52]グラフ生成部140は、選択した副産物の在庫からの計上ルールを取得する。例えばグラフ生成部140は、在庫数量変更ルール115から、指定された生産作業の主産物に対して設定されている副産物計上ルールを取得する。
【0077】
[ステップS53]グラフ生成部140は、在庫遷移グラフに対して、Y軸と平行に上を正方向とする副産物在庫軸を追加する。追加される副産物在庫軸では、Y軸における主産物の作業前在庫量を示す目盛りの高さと、副産物在庫軸における選択した副産物の作業前在庫量を示す目盛りの高さとが一致する。ここで、Y軸と副産物在庫軸との目盛りの高さとは、各目盛りの位置のY軸正方向へのX軸からの距離である。また追加される副産物在庫軸では、Y軸における主産物の生産作業後の在庫量を示す目盛りの高さと、副産物在庫軸における選択した副産物の作業後在庫量を示す目盛りの高さとが一致する。
【0078】
このように目盛りを設定することで、主産物の在庫量の変化に伴って副産物の在庫量が変化するときの比例係数(副産物の発生割合)を、Y軸の単位長さ当たりの数値差に乗算して得られる数値差が、副産物在庫軸の単位長さ当たりの数値差となる。
【0079】
なおグラフ生成部140は、副産物在庫軸における選択した副産物の作業後在庫量を、例えば以下の式で計算する。
副産物の作業後在庫量=副産物の作業前在庫量+主産物の生産量×副産物の発生割合
[ステップS54]グラフ生成部140は、主産物の生産に使用される副産物の在庫からの計上タイミングと、生産される主産物の在庫への計上タイミングとのずれ時間を計算する。例えばグラフ生成部140は、主産物計上ルールが「生産終了時に全量計上」であり、副産物計上ルールが「主産物の生産終了時に全量計上」であった場合、タイミングのずれ時間を「0」とする。
【0080】
[ステップS55]グラフ生成部140は、ステップS54で計算したタイミングのずれ時間だけX軸と位置をずらした時間軸が、在庫推移グラフに既に設定されているか否かを判断する。なおタイミングのずれ時間が「0」の場合、既にX軸による時間軸が設けられていることから、該当する時間軸が既に設定されていると判定される。該当する時間軸が既に設定されている場合、グラフ生成部140は副産物軸追加処理を終了する。該当する時間軸が設定されていない場合、グラフ生成部140は、処理をステップS56に進める。
【0081】
[ステップS56]グラフ生成部140は、在庫推移グラフに対し、X軸と平行に、副産物用時間軸を追加する。追加される副産物用時間軸は、X軸に振られた日時の値から、タイミングのずれ時間だけX軸と平行にずらした時間軸である。これにより、主産物の在庫への計上タイミングを示すX軸上の日時と同じ位置に、副産物の在庫からの計上タイミングを示す副産物用時間軸上の日時が設定される。その後、グラフ生成部140は、処理を終了する。
【0082】
以上のような処理により、X軸またはY軸と平行な軸を追加した在庫推移グラフが生成される。
図13は、軸追加後の在庫推移グラフの一例を示す図である。図13に示す在庫推移グラフ20は、生産計画データ114(図7参照)の生産作業番号「0010」に示された品目「A」を主産物とする生産作業による在庫推移を表している。
【0083】
在庫推移グラフ20には、X軸21とY軸22とにより、グラフ領域が定義されている。X軸21には、主産物用時間軸としての日時が設定されている。図中、X軸21の右が正方向である。生産作業番号「0010」の生産作業では、生産の開始日時が「2010年10月1日10時00分」であり、生産の終了日時が「2010年10月1日12時00分」である。そこで、X軸21には、生産の開始日時と終了日時とが設定されている。
【0084】
Y軸22には、主産物在庫軸としての数量が設定されている。品目「A」の生産前在庫量は「0」であり(図6参照)、生産作業により「100」だけ生産される(図7参照)。そこでY軸22には、主産物である品目「A」の在庫量を表す数値として、「0」と「100」とが設定されている。
【0085】
このように、X軸とY軸とで定義されたグラフ領域内に、主産物である品目「A」の在庫量の推移を示すグラフ線23が設定されている。生産物が品目「A」の場合の主産物計上ルールは「生産終了時に全量計上」である(図8参照)。そのため、グラフ線23では、生産終了日時以前は作業前在庫数量のままの「0」であり、生産終了日時に在庫数量が「100」に増加し、その後、在庫数量「100」が維持されることが表されている。
【0086】
また品目「A」の生産時に部品として使用される下位品目は、品目「P」と品目「Q」である(図4参照)。そのため、在庫推移グラフ20には、Y軸と平行な2つの部品在庫軸24,25が追加されている。生産作業において、主産物の生産に使用される部品は在庫から引き落とされ、在庫量は減少する。そこでY軸の負の方向が、部品在庫軸24,25の正の方向とされている。これにより時間経過と共に上昇する遷移を示すグラフ線23を用いて、部品として使用される品目の在庫の減少傾向を表すことができる。
【0087】
部品在庫軸24は、品目「P」の在庫量を示す軸である。品目「P」の作業前在庫量は「200」である(図6参照)。そのため部品在庫軸24には、Y軸における主産物の作業前在庫量を示す値「0」と同じ高さの位置に、品目「P」の作業前在庫量を示す値「200」が設定されている。また品目「A」の生産における品目「P」の使用割合は「1」である(図4参照)。すると品目「A」が主産物として「100」だけ生産されるとき、品目「P」は「100」だけ使用される。すなわち、品目「P」の在庫量は「100」だけ減少する。そのため部品在庫軸24には、Y軸における主産物の作業後の在庫量を示す値「100」と同じ高さの位置に、品目「P」の作業前在庫量「200」から使用量「100」を減算した後の値「100」が設定されている。
【0088】
部品在庫軸25は、品目「Q」の在庫量を示す軸である。品目「Q」の作業前在庫量は「400」である(図6参照)。そのため部品在庫軸25には、Y軸における主産物の作業前在庫量を示す値「0」と同じ高さの位置に、品目「Q」の作業前在庫量を示す値「400」が設定されている。また品目「A」の生産における品目「Q」の使用割合は「2」である(図4参照)。すると品目「A」が主産物として「100」だけ生産されるとき、品目「Q」は「200」だけ使用される。すなわち、品目「Q」の在庫量は「200」だけ減少する。そのため部品在庫軸25には、Y軸における主産物の作業後の在庫量を示す値「100」と同じ高さの位置に、品目「Q」の作業前在庫量「400」から使用量「200」を減算した後の値「200」が設定されている。
【0089】
品目「A」を生産する際の主産物計上ルールは「生産終了時に全量計上」であるが、部品引き落としルールは「主産物の生産開始時に全量引き落とし」である(図8参照)。すると、品目「A」を主産物として生産する際の主産物計上のタイミングと、部品の引き落としタイミングとでは、生産作業時間分の時間的なずれがある。そこで、在庫推移グラフ20では、部品用時間軸26が設けられている。
【0090】
部品用時間軸26は、グラフ線23が部品の在庫量の推移を表すものとした場合の時間経過を示している。部品用時間軸26に設定される日時は、X軸の主産物用時間軸に設定された日時と、在庫変動のタイミングのずれの分だけずらされている。品目「A」を生産する場合、使用する部品の在庫からの引き落としタイミングは、生産物の在庫への計上タイミングよりも生産作業時間の分だけ前である。作業番号「0010」の作業時間は2時間であるため(図7参照)、部品用時間軸26には、X軸21に設定されている日時よりも2時間だけ過去の時間が設定されている。例えば、X軸21の10月1日12時00分に合致する、部品用時間軸26上の位置には、10月1日10時00分が設定されている。
【0091】
また、品目「A」の生産時には、副産物として品目「α」が生産される(図5参照)。そのため、在庫推移グラフ20には、Y軸と平行な副産物在庫軸27が追加されている。生産作業において、主産物の生産で生じる副産物は在庫に計上され、在庫量は増加することとなる。そこでY軸の正の方向が、副産物在庫軸27の正の方向とされている。これにより時間経過と共に上昇する遷移を示すグラフ線23を用いて、副産物として生成される品目の在庫の増加傾向を表すことができる。
【0092】
副産物在庫軸27は、品目「α」の在庫量を示す軸である。品目「α」の作業前在庫量は「0」である(図6参照)。そのため副産物在庫軸27には、Y軸における主産物の作業前在庫量を示す値「0」と同じ高さの位置に、品目「α」の作業前在庫量を示す値「0」が設定されている。また品目「α」の生産における品目「α」の発生割合は「0.1」である(図5参照)。すると品目「A」が主産物として「100」だけ生産されるとき、品目「α」は「10」だけ生産される。すなわち、品目「α」の在庫量は「10」だけ増加する。そのため副産物在庫軸27には、Y軸における主産物の作業後の在庫量を示す値「100」と同じ高さの位置に、品目「α」の作業前在庫量「0」に生産量「10」を加算した後の値「10」が設定されている。
【0093】
このように在庫推移グラフ20では、1つのグラフ線23によって、主産物、部品、および副産物それぞれの在庫推移が表される。グラフ領域内に1つのグラフ線23しか設定されていないことから、グラフ線が重なるといった事態が発生せず、視認性が向上する。すなわち、グラフ線23が1本しかないので、在庫推移の動向が確実に把握できる。また、部品在庫軸24,25や副産物在庫軸27の正の方向が上なのか、あるいは下なのかによって、生産作業によって在庫が増加する品目と減少する品目とが容易に識別できる。
【0094】
なお、追加された、主産物在庫軸でもあるY軸22、部品在庫軸24,25、および副産物在庫軸27ぞれぞれには、対応する品目の名称が示されている。これにより、Y軸22と平行な複数の軸が設けられていても、各軸がどの品目の在庫量を表すのかを識別できる。
【0095】
また、在庫推移グラフ20では、色分けによって、各品目に対応する軸を識別しやすくすることができる。例えば、生産作業により在庫量が増加する品目に関する軸を第1の表示色とし、生産作業により在庫量が減少する品目に関する軸を、第1の表示色とは異なる第2の表示色とする。例えば、X軸21、Y軸22、および副産物在庫軸27を黒色とし、部品在庫軸24,25、および部品用時間軸26を青色とする。これにより、複数の軸が表示されていても、各品目に対応する軸を容易に判別することが可能となる。例えば、主産物用時間軸でもあるX軸21と部品用時間軸26とのように、複数の時間軸が設けられていても、色分けによって、各品目に対応する時間軸を容易に識別できる。
【0096】
ところで、在庫推移グラフ20は、生産計画部120を用いた生産計画立案時に参照されることがある。例えば生産計画を立案する際には、主産物の生産時に使用される部品の在庫量が十分にあることが、在庫推移グラフ20を用いて確認される。また、例えば副産物の保管容量に限りがある場合、生産計画を立案する際に、主産物の生産時に生成される副産物の在庫量が過大にならないことが、在庫推移グラフ20を用いて確認される。
【0097】
生産計画は、例えばガントチャートを用いて立案される。この場合、画面には、ガントチャートと在庫推移グラフ20との両方を同時に表示することとなる。
図14は、ガントチャートと在庫推移グラフとの同時表示の一例を示す図である。図14には、画面30内にガントチャート31と在庫推移グラフ20とが表示されている。ガントチャート31には、生産設備ごとに、その設備を使用して生産する主産物の生産スケジュールが示されている。例えば、「設備1」の生産設備では、8時から2時間かけて品目「H」を生産し、10時から2時間かけて品目「A」を生産し、12時から3時間かけて品目「F」を生産し、15時から3時間かけて品目「G」を生産することが示されている。
【0098】
ここで、例えばユーザが、「設備1」の品目「A」の生産作業を示す部分を選択すると、生産計画部120からグラフ生成部140へ、対応する生産作業の指定を通知する。すると品目特定部130とグラフ生成部140とにより在庫推移グラフ20が生成され、グラフ表示部150によって表示される。表示された在庫推移グラフ20は、グラフ線が1つのみであるため最小限の表示領域で表示できる。その結果、ガントチャート31の全体を表示したまま、在庫推移グラフ20の同時表示が可能となっている。
【0099】
ここで、ガントチャートと品目ごとの在庫推移グラフとの両方を同時に画面表示した場合、視認性が非常に悪くなる。
図15は、第1の参考例を示す図である。図15には、画面40内にガントチャート41と品目ごとの在庫推移グラフ42〜45とが表示されている。品目ごとの複数の在庫推移グラフ42〜45を画面40に表示すると、画面40内の多くの領域が在庫推移グラフ42〜45の表示に使われる。その結果、ガントチャート41の一部が隠されてしまい、図14に示した在庫推移グラフ20を表示した場合に比べ、ガントチャート41の視認性が悪化している。
【0100】
なお図15の例において、表示する在庫推移グラフを選択し、選択した在庫推移グラフのみを表示することもできるが、その場合、一時点で一部の品目の在庫量の推移しか把握できず、一覧性の面で問題がある。
【0101】
また、在庫推移グラフ42〜45内のグラフ線を、単純に1つのグラフ領域内に設定すると、複数のグラフ線が重なり合う可能性がある。
図16は、第2の参考例を示す図である。図16には、画面50内にガントチャート51と複数のグラフ線53〜56を1つのグラフ領域内に設定した在庫推移グラフ52とが表示されている。グラフ線53〜56は、線の種別によって視覚的に識別できる。グラフ線53は実線、グラフ線54は一点鎖線、グラフ線55は二点鎖線、グラフ線56は破線である。
【0102】
しかし、グラフ線53とグラフ線56とは、12時以前の時間帯の部分が重複している。そのため、12時以前におけるグラフ線56で示される品目「α」の在庫量がわかりづらい。また、グラフ線54とグラフ線55とは、10時の時点において1点で接触している。そのため、一見すると、品目「P」については10時に在庫量「400」から「100」に推移し、品目「Q」については在庫量「200」で変動がないような錯覚を引き起こす。さらにY軸が1つしか無いため、他の品目に比べて数量が極めて少ない品目「α」の在庫量をグラフ線56で視認可能とするため、在庫推移グラフ52の縦幅が図15に示した在庫推移グラフ42〜45よりも長くなっている。そのため、在庫推移グラフ52により、ガントチャート51の一部が隠されてしまっている。その結果、図14に示した在庫推移グラフ20を表示した場合に比べ、ガントチャート51の視認性が悪化している。
【0103】
また品目「α」の生産作業後の在庫量が他の品目より非常に少ないため、Y軸上のグラフ線56の12時以降の高さ部分に数値を振ることができず、生産作業後の品目「α」の在庫量を正確に認識することが困難となっている。
【0104】
このように、図14に示したように、縦軸と横軸とのそれぞれに複数の軸を有する在庫推移グラフ20を表示することで、図15や図16に示した在庫推移グラフ42〜45,52よりも視認性が向上する。
【0105】
〔その他の実施の形態〕
上記の第2の実施の形態では、時間経過に伴う在庫推移をグラフ表示しているが、その他の各種情報を、1つのグラフ線でグラフ表示することもできる。例えば、温度変化に伴う複数の物理量の増減が互いに関連している場合が考えられる。このような場合、X軸に温度変化を取り、Y軸と平行に複数の物理量それぞれの軸を設け、1つのグラフ線で、温度変化に応じた複数の物理量の変化を表すことができる。
【0106】
上記の各実施の形態に示した処理機能をコンピュータによって実現する場合、コンピュータが有する機能の処理内容を記述したプログラム(グラフ生成プログラム)が提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disc)などがある。
【0107】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0108】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0109】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
【0110】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0111】
以上の実施の形態に開示された技術には、以下の付記に示す技術が含まれる。
(付記1) データ項目が指定されると、所定の変数の値の変化に伴う複数のデータ項目それぞれの値の変化を示す情報を記憶する記憶手段から、該指定されたデータ項目の値の変化に伴って値が変化するデータ項目を特定する特定手段と、
前記記憶手段を参照し、前記指定されたデータ項目と前記特定されたデータ項目とのそれぞれに合わせて目盛りが調整された、互いに平行な複数の軸と、該複数の軸と交差する方向の前記所定の変数の値を示す軸とで定義されたグラフ領域に、該所定の変数の値の変化に伴う該指定されたデータ項目の値と該特定されたデータ項目の値との変化を単一のグラフ線で表したグラフを生成する生成手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0112】
(付記2) 前記特定手段は、前記指定されたデータ項目の値の変化量と比例した量だけ値が変化するデータ項目を特定することを特徴とする付記1記載の情報処理装置。
(付記3) 前記生成手段は、前記指定されたデータ項目の値の変化に伴って前記特定されたデータ項目の値が変化するときの比例係数を取得し、前記指定されたデータ項目に対応する軸の単位長さ当たりの数値差に対して該比例係数を乗算して得られる数値差が、該特定されたデータ項目に対応する軸の単位長さ当たりの数値差となるように、該指定されたデータ項目に対応する軸と該特定されたデータ項目に対応する軸とに目盛りを設定することを特徴とする付記2記載の情報処理装置。
【0113】
(付記4) 前記生成手段は、前記指定されたデータ項目の値の増加に伴い、前記特定されたデータ項目の値が減少する場合、該指定されたデータ項目に対応する軸の正の方向と、該特定されたデータ項目に対応する軸の正の方向とを逆向きにすることを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【0114】
(付記5) 前記生成手段は、前記所定の変数が日時であり、かつ前記指定されたデータ項目の値が変化する日時と、該指定されたデータ項目の値の変化に伴って前記特定されたデータ項目の値が変化する日時との間に時間のずれがある場合、前記所定の変数の値を示す軸に付与された日時を示す目盛りに対応する位置に、前記時間のずれの分だけずらした日時が目盛りとして付与された、該所定の変数の値を示す軸に平行な軸を、前記グラフに設定することを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【0115】
(付記6) 前記グラフを表示する表示手段をさらに有することを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記7) 前記複数のデータ項目は、生産作業で生産される主産物、および該主産物の生産に使用される少なくとも1つの部品それぞれの在庫量であり、前記記憶手段には、主産物および部品の在庫量の変化を示す情報が記憶されており、
前記特定手段は、主産物の在庫量が指定されると、該指定された主産物の生産に使用される部品の在庫量を特定することを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【0116】
(付記8) 前記複数のデータ項目は、生産作業で生産される主産物、および該主産物の生産に伴い生産される少なくとも1つの副産物それぞれの在庫量であり、前記記憶手段には、主産物および副産物の在庫量の変化を示す情報が記憶されており、
前記特定手段は、主産物の在庫量が指定されると、該指定された主産物の生産に伴った生産される副産物の在庫量を特定することを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0117】
(付記9) コンピュータに、
データ項目が指定されると、所定の変数の値の変化に伴う複数のデータ項目それぞれの値の変化を示す情報を記憶する記憶手段から、該指定されたデータ項目の値の変化に伴って値が変化するデータ項目を特定し、
前記記憶手段を参照し、前記指定されたデータ項目と前記特定されたデータ項目とのそれぞれに合わせて目盛りが調整された、互いに平行な複数の軸と、該複数の軸と交差する方向の前記所定の変数の値を示す軸とで定義されたグラフ領域に、該所定の変数の値の変化に伴う該指定されたデータ項目の値と該特定されたデータ項目の値との変化を単一のグラフ線で表したグラフを生成する、
処理を実行させることを特徴とするグラフ生成プログラム。
【0118】
(付記10) データ項目を特定する際には、前記コンピュータに、
前記指定されたデータ項目の値の変化量と比例した量だけ値が変化するデータ項目を特定する、
処理を実行させることを特徴とする付記9記載のグラフ生成プログラム。
【0119】
(付記11) 前記グラフを生成する際には、前記コンピュータに、
前記指定されたデータ項目の値の変化に伴って前記特定されたデータ項目の値が変化するときの比例係数を取得し、前記指定されたデータ項目に対応する軸の単位長さ当たりの数値差に対して該比例係数を乗算して得られる数値差が、該特定されたデータ項目に対応する軸の単位長さ当たりの数値差となるように、該指定されたデータ項目に対応する軸と該特定されたデータ項目に対応する軸とに目盛りを設定する、
処理を実行させることを特徴とする付記10記載のグラフ生成プログラム。
【0120】
(付記12) 前記グラフを生成する際には、前記コンピュータに、
前記指定されたデータ項目の値の増加に伴い、前記特定されたデータ項目の値が減少する場合、該指定されたデータ項目に対応する軸の正の方向と、該特定されたデータ項目に対応する軸の正の方向とを逆向きにする、
処理を実行させることを特徴とする付記9乃至11のいずれかに記載のグラフ生成プログラム。
【0121】
(付記13) 前記グラフを生成する際には、前記コンピュータに、
前記所定の変数が日時であり、かつ前記指定されたデータ項目の値が変化する日時と、該指定されたデータ項目の値の変化に伴って前記特定されたデータ項目の値が変化する日時との間に時間のずれがある場合、前記所定の変数の値を示す軸に付与された日時を示す目盛りに対応する位置に、前記時間のずれの分だけずらした日時が目盛りとして付与された、該所定の変数の値を示す軸に平行な軸を、前記グラフに設定する、
処理を実行させることを特徴とする付記9乃至12のいずれかに記載のグラフ生成プログラム。
【0122】
(付記14) 前記コンピュータに、さらに、
前記グラフを表示する、
処理を実行させることを特徴とする付記9乃至13のいずれかに記載のグラフ生成プログラム。
【0123】
(付記15) 前記複数のデータ項目は、生産作業で生産される主産物、および該主産物の生産に使用される少なくとも1つの部品それぞれの在庫量であり、前記記憶手段には、主産物および部品の在庫量の変化を示す情報が記憶されており、
データ項目を特定する際には、前記コンピュータに、
主産物の在庫量が指定されると、該指定された主産物の生産に使用される部品の在庫量を特定する、
処理を実行させることを特徴とする付記9乃至14のいずれかに記載のグラフ生成プログラム。
【0124】
(付記16) 記複数のデータ項目は、生産作業で生産される主産物、および該主産物の生産に伴い生産される少なくとも1つの副産物それぞれの在庫量であり、前記記憶手段には、主産物および副産物の在庫量の変化を示す情報が記憶されており、
データ項目を特定する際には、前記コンピュータに、
主産物の在庫量が指定されると、該指定された主産物の生産に伴った生産される副産物の在庫量を特定する、
処理を実行させることを特徴とする付記9乃至15のいずれかに記載のグラフ生成プログラム。
【符号の説明】
【0125】
1 情報処理装置
1a 記憶手段
1b 特定手段
1c 生成手段
1d 表示手段
2 グラフ
2a グラフ領域
2b,2c,2d,2f 軸
2e グラフ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ項目が指定されると、所定の変数の値の変化に伴う複数のデータ項目それぞれの値の変化を示す情報を記憶する記憶手段から、該指定されたデータ項目の値の変化に伴って値が変化するデータ項目を特定する特定手段と、
前記記憶手段を参照し、前記指定されたデータ項目と前記特定されたデータ項目とのそれぞれに合わせて目盛りが調整された、互いに平行な複数の軸と、該複数の軸と交差する方向の前記所定の変数の値を示す軸とで定義されたグラフ領域に、該所定の変数の値の変化に伴う該指定されたデータ項目の値と該特定されたデータ項目の値との変化を単一のグラフ線で表したグラフを生成する生成手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記指定されたデータ項目の値の変化量と比例した量だけ値が変化するデータ項目を特定することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記指定されたデータ項目の値の変化に伴って前記特定されたデータ項目の値が変化するときの比例係数を取得し、前記指定されたデータ項目に対応する軸の単位長さ当たりの数値差に対して該比例係数を乗算して得られる数値差が、該特定されたデータ項目に対応する軸の単位長さ当たりの数値差となるように、該指定されたデータ項目に対応する軸と該特定されたデータ項目に対応する軸とに目盛りを設定することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記指定されたデータ項目の値の増加に伴い、前記特定されたデータ項目の値が減少する場合、該指定されたデータ項目に対応する軸の正の方向と、該特定されたデータ項目に対応する軸の正の方向とを逆向きにすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記所定の変数が日時であり、かつ前記指定されたデータ項目の値が変化する日時と、該指定されたデータ項目の値の変化に伴って前記特定されたデータ項目の値が変化する日時との間に時間のずれがある場合、前記所定の変数の値を示す軸に付与された日時を示す目盛りに対応する位置に、前記時間のずれの分だけずらした日時が目盛りとして付与された、該所定の変数の値を示す軸に平行な軸を、前記グラフに設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記グラフを表示する表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数のデータ項目は、生産作業で生産される主産物、および該主産物の生産に使用される少なくとも1つの部品それぞれの在庫量であり、前記記憶手段には、主産物および部品の在庫量の変化を示す情報が記憶されており、
前記特定手段は、主産物の在庫量が指定されると、該指定された主産物の生産に使用される部品の在庫量を特定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記複数のデータ項目は、生産作業で生産される主産物、および該主産物の生産に伴い生産される少なくとも1つの副産物それぞれの在庫量であり、前記記憶手段には、主産物および副産物の在庫量の変化を示す情報が記憶されており、
前記特定手段は、主産物の在庫量が指定されると、該指定された主産物の生産に伴った生産される副産物の在庫量を特定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
データ項目が指定されると、所定の変数の値の変化に伴う複数のデータ項目それぞれの値の変化を示す情報を記憶する記憶手段から、該指定されたデータ項目の値の変化に伴って値が変化するデータ項目を特定し、
前記記憶手段を参照し、前記指定されたデータ項目と前記特定されたデータ項目とのそれぞれに合わせて目盛りが調整された、互いに平行な複数の軸と、該複数の軸と交差する方向の前記所定の変数の値を示す軸とで定義されたグラフ領域に、該所定の変数の値の変化に伴う該指定されたデータ項目の値と該特定されたデータ項目の値との変化を単一のグラフ線で表したグラフを生成する、
処理を実行させることを特徴とするグラフ生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−133442(P2012−133442A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282807(P2010−282807)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】