説明

情報処理装置および仮想キーボードの表示方法

【課題】横長の画面を回転させて縦長にした場合に、仮想キーボードの大きさを小さくせずに表示することが可能な情報処理装置および仮想キーボードの表示方法を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、第1タッチスクリーンディスプレイと、第2タッチスクリーンディスプレイと、表示手段とを具備する。表示手段は、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第1仮想キーを含む第1仮想キーボードを前記第1タッチスクリーンディスプレイに表示し、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第2仮想キーを含む第2仮想キーボードを前記第2タッチスクリーンディスプレイに表示に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、仮想キーボートを用いてキーデータを入力する情報処理装置および仮想キーボードの表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物理的な複数のキーを有するキーボードの代わりに、仮想的なキーボード(以下、仮想キーボード)を表示し、ユーザの操作位置を検出し、検出位置に応じたキーコードを出力する技術が開発されている。
【0003】
通常の機器は一つの画面しか持たないので、この画面に仮想キーボードが表示される。ところが、近年二つの画面を有する機器が登場している。二つの画面を有する機器を使用する方法として、機器の向きを90゜回転させて、本を持つように画面が横に並んだ状態で機器を両手で持つ形態が考えられる。
【0004】
この場合、一つの画面に仮想キーボードを表示する場合には機器の向きに応じて仮想キーボードも90゜回転して表示される。また、機器の向きを90゜回転させると、画面は横長から縦長になる。横長で表示されていた仮想キーボードを縦長で表示すると、仮想キーボードが縮小して表示され、仮想キーボード内の仮想キーの大きさが小さくなる。仮想キーの大きさが小さくなると、操作がしにくくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−268432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
横長の画面を回転させて縦長にした場合に、仮想キーボードの大きさを小さくしたくないという要望がある。
【0007】
本発明の目的は、横長の画面を回転させて縦長にした場合に、仮想キーボードの大きさを小さくせずに表示することが可能な情報処理装置および仮想キーボードの表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係わる情報処理装置は、第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体の一端部と前記第2筐体の一端部との間に設けられ、前記第2筐体と前記第1筐体とを回動自在に連結するヒンジ部と、前記第1筐体に設けられ、第1短辺と前記第1筐体の一端部に沿った第1長辺とを有する第1タッチスクリーンディスプレイと、前記第2筐体に設けられ、前記第2筐体の一端部に沿った第2長辺を有する第2タッチスクリーンディスプレイと、前記第1タッチディスプレイおよび前記第2タッチディスプレイにアプリケーションウィンドウまたはオブジェクトを含む第1画像を表示する第1画像表示手段と、前記第1筐体の傾きを検出する検出手段と、前記検出手段によって前記第1長辺が略下にあることが検出された場合、前記第1タッチスクリーンに、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第1仮想キーを含む第1仮想キーボードを表示し、前記検出手段によって前記第1短辺が略下にあることが検出された場合、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第2仮想キーを含む第2仮想キーボードを前記第1タッチスクリーンディスプレイに表示すると共に、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第3仮想キーを含む第3仮想キーボードを前記第2タッチスクリーンディスプレイに表示する仮想キーボード表示手段とを具備し、前記第2仮想キーボートと前記第3仮想キーボードとの間の領域の前記第1タッチスクリーンディスプレイおよび前記第2タッチスクリーンディスプレイに前記第1画像の一部を含む第2画像が表示される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図。
【図2】実施形態に係る情報処理装置のタッチスクリーンディスプレイに表示される仮想キーボードの例を示す図。
【図3】実施形態に係る情報処理装置のシステム構成の例を示すブロック図。
【図4】同実施形態に係る情報処理装置によって用い似られるキー入力制御プログラムの構成例を示すブロック図。
【図5】実施形態に係る表示制御プログラムの構成を示すブロック図。
【図6】実施形態に係る縦表示と横表示との切り替えを行う処理の手順を説明するためのフローチャート。
【図7】実施形態に係わる横長モードの仮想キーボードが表示されているコンピュータの平面図。
【図8】実施形態に係わる縦長モードの仮想キーボードが表示されているコンピュータの平面図。
【図9】実施形態に係わる横長モードの仮想キーボードが表示されているコンピュータの平面図。
【図10】実施形態に係わる縦長モードの仮想キーボードが表示されているコンピュータの平面図。
【図11】実施形態に係わる縦長モードの仮想キーボードが表示されているコンピュータの平面図。
【図12】実施形態に係わる横長モードの仮想キーボードが表示されているコンピュータの平面図。
【図13】実施形態に係わる縦長モードの仮想キーボードが表示されているコンピュータの平面図。
【図14】実施形態に係わる「ひらがな入力モード」選択キーが操作された場合に表示される仮想キーを示す図。
【図15】実施形態に係わる「顔文字入力モード」選択キーが操作された場合に表示される仮想キーを示す図。
【図16】実施形態に係わる「絵文字入力モード」選択キーが操作された場合に表示される仮想キーを示す図。
【図17】実施形態に係わる縦長モードの仮想キーボードが表示されているコンピュータの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
【0011】
図1には、実施形態に係る情報処理装置の外観が示されている。この情報処理装置は、例えば、バッテリ駆動可能な携帯型パーソナルコンピュータ10として実現されている。
【0012】
図1は、コンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成される。ディスプレイユニット12の上面には、液晶表示装置(LCD)13から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD13の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0013】
このLCD13は、ペン又は指によってタッチされたLCD13の表示画面上のタッチエリア(タッチ位置とも云う)を検知可能なタッチスクリーンディスプレイとして実現してもよい。ユーザは、LCD13の表示画面上に表示された各種オブジェクト(例えば、フォルダやファイルを表すアイコン、メニュー、ボタン、等)を指先やペンなどを用いて選択することができる。表示画面上のタッチエリアを示す座標データはタッチスクリーンディスプレイからコンピュータ10内のCPUに入力される。
【0014】
ディスプレイユニット12は薄い箱型の筐体を有しており、このディスプレイユニット12はコンピュータ本体11にヒンジ部14を介して回動自在に取り付けられている。ヒンジ部14はコンピュータ本体11にディスプレイユニット12を連結する連結部である。すなわち、ディスプレイユニット12の下端部は、コンピュータ本体11の後端部にヒンジ部14によって支持されている。ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対してコンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面がディスプレイユニット12によって覆われる閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。また、ディスプレイユニット12の上面上の所定位置、例えば、LCD13の右側には、本コンピュータ10をパワーオンまたはパワーオフするためのパワーボタン16が設けられている。
【0015】
コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有するベースユニットであり、その上面にはタッチスクリーンディスプレイとして機能する液晶表示装置(LCD)15が組み込まれており、そのLCD15の表示画面はコンピュータ本体11のほぼ中央に位置されている。LCD15の上面には透明のタッチパネルが配置されており、LCD15と透明のタッチパネルとによってタッチスクリーンディスプレイが実現される。このタッチスクリーンディスプレイは、ペン又は指によってタッチされた表示画面上のタッチエリア(タッチ位置とも云う)を検知することができる。コンピュータ本体11上のLCD15は、ディスプレイユニット12のLCD13とは独立したディスプレイである。これらLCD13,15は仮想画面環境を実現するためのマルチディスプレイとして使用することができる。この場合、コンピュータ10のオペレーティングシステムによって管理される仮想画面は、LCD13に表示される第1の画面領域とLCD15に表示される第2の画面領域とを含む。第1の画面領域および第2の画面領域の各々には、任意のアプリケーションウィンドウ、任意のオブジェクト等を表示することができる。
【0016】
図2は、コンピュータ10を水平面上に載置した状態を示す平面図である。この状態では重力加速度方向gは紙面に対して垂直な方向である。
【0017】
本実施形態では、コンピュータ本体11の上面上に設けられたLCD15(タッチスクリーンディスプレイ)は、図2に示されているように、例えば、仮想キーボード(ソフトウェアキーボードとも云う)151の表示に用いられる。仮想キーボード151は、例えば、LCD15の表示画面全体にフルスクリーンモードで表示することができる。この仮想キーボード151は、複数のキーコードをそれぞれ入力するための複数の仮想キー(複数の数字キー、複数のアルファベットキー、複数の矢印キー、複数の補助キー、複数のファンクションキー等)を含む。より詳しくは、仮想キーボード151は、複数の仮想キーそれぞれに対応する複数のボタン(ソフトウェアボタン)を含む。
【0018】
一方、ディスプレイユニット12内のLCD13は、図2に示すように、各種アプリケーションウィンドウ等を表示するためのメインディスプレイとして使用することができる。ユーザは、LCD15上に表示される仮想キーボードをタッチ操作することにより、LCD13に表示されるアプリケーションウィンドウ等に対して各種コードデータ(キーコード、文字コード、コマンド等)を入力することが出来る。
【0019】
コンピュータ本体11の上面上の所定位置、例えば、LCD15の両側にはボタンスイッチ17が設けられている。これらボタンスイッチ17には任意の機能を割り当てることが出来る。例えば、ボタンスイッチ17は、仮想キーボードを用いたキー入力操作を制御するためのアプリケーションプログラムであるキー入力制御プログラムを起動するためのボタンスイッチ等として利用し得る。ボタンスイッチ17がユーザによって押された時、キー入力制御プログラムが起動される。キー入力制御プログラムは、仮想キーボードをLCD15上に表示する。なお、図2に示す表示形態を横長モードとする。
【0020】
また、図3は、コンピュータ10を回転させて手に持った状態を示す平面図である。この状態では重力加速度方向gは紙面に対して平行な方向である。
【0021】
図3に示すようにコンピュータを回転させてLCD13,15が縦長の場合、仮想キーボード151内の仮想キーがLCD13とLCD15に分けて表示され、LCD15に仮想キーボード152が表示され、LCD13に仮想キーボード132が表示される。仮想キーボード152は、元の仮想キーボード151の“t”と“y”との間、“g”と“h”との間、“b”と“n”との間、“スペース”と“Tab”との間を結ぶ線分から左側の仮想キーを有する。また、仮想キーボード132は、元の仮想キーボード151の“t”と“y”との間、“g”と“h”との間、“b”と“n”との間、“スペース”と“Tab”との間を結ぶ線分から右側の仮想キーを有する。
【0022】
縦長の場合に、一方のLCDに仮想キーボード151を表示すると、仮想キーボード151が縮小して表示され、仮想キーの大きさが小さくなって操作しづらくなる。ところが、仮想キーボードを二つに分割して表示することで、仮想キーの大きさが小さくなって操作しづらくなるということを抑制することができる。なお、図3に示す表示形態を縦長モードとする。
【0023】
次に、図4を参照して、本コンピュータ10のシステム構成を説明する。ここでは、LCD13,15の双方がタッチスクリーンディスプレイとして実現されている場合を想定する。
【0024】
本コンピュータ10は、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、GPU(Graphics Processing Unit)114、サウスブリッジ115、BIOS−ROM116、ハードディスクドライブ(HDD)117、エンベデッドコントローラ(EC)118、および3軸加速度センサ119等を備えている。
【0025】
CPU111は、コンピュータ10の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、HDD117から主メモリ113にロードされる、オペレーティングシステム(OS)および各種アプリケーションプログラム等を実行する。アプリケーションプログラムには、キー入力制御プログラム201および表示制御プログラム202が含まれている。キー入力制御プログラム201は、仮想キーボード151をLCD15上に表示し、ユーザによる仮想キーボード151のタッチ操作に応じてコードデータを生成する。生成されたコードデータ(例えば、タッチされた仮想キーに対応するキーコード等)は、例えば、オペレーティングシステム(OS)を介してアクティブなアプリケーションに渡される。表示制御プログラム202は、コンピュータ本体11の傾きに応じて、LCD13,15に表示される仮想キーボードを変更する。
【0026】
また、CPU111は、BIOS−ROM116に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0027】
ノースブリッジ112はCPU111のローカルバスとサウスブリッジ115との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ112には、主メモリ113をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。GPU114は、コンピュータ10のディスプレイモニタとしてそれぞれ使用される2つのLCD13,15を制御する表示コントローラである。GPU114は、ノースブリッジ112を介してCPU111から受信される描画要求に基づいてビデオメモリ(VRAM)114Aに表示データを描画するための表示処理(グラフィクス演算処理)を実行する。ビデオメモリには、LCD13に表示される画面イメージに対応する表示データを格納する記憶領域と、LCD15に表示される画面イメージに対応する表示データを格納する記憶領域とが割り当てられている。LCD13上には透明のタッチパネル13Aが配置されている。同様に、LCD15上にも透明のタッチパネル15Aが配置されている。タッチパネル13A,15Aの各々は、例えば、抵抗膜方式または静電容量方式等を用いて、タッチパネル(タッチスクリーンディスプレイ)上のタッチエリア(タッチ位置)を検出するように構成されている。また、タッチパネル13A,15Aの各々としては、複数のタッチ位置を同時に検知可能なマルチタッチパネルを使用してもよい。
【0028】
サウスブリッジ115は、HDD121を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラやSerial ATAコントローラを内蔵している。また、サウスブリッジ115は、USB(Universal Serial Bus)機器を制御するためのUSBコントローラを内蔵している。エンベデッドコントローラ(EC)118は、ユーザによるパワーボタンスイッチ16の操作に応じてコンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。
【0029】
3軸加速度センサ119は、加速度を検出する。3軸加速度センサz9に基づいてコンピュータ本体11の傾きを検出することができる。
【0030】
次に、図5を参照して、表示制御プログラム202の構成について説明する。
表示制御ブログラム202は、傾き判定部301、表示画面制御部302、キーボード表示データ管理部303等を備えている。傾き判定部301は、3軸加速度センサの検出信号に応じて、コンピュータ本体11に対する加速度方向(静止状態であれば重力加速度方向)を検出し、加速度方向に基づいてコンピュータ本体11の傾きを判定する。通常、コンピュータ本体11が水平面上に裁定されていれば、x軸方向、y軸方向の加速度の大きさはほぼ0である。ユーザが、本を持つようにコンピュータ本体11とをディスプレイユニット12とをそれぞれの手で持ち、LCD13,15が縦長状態にすると、x軸方向の加速度の絶対値が大きくなる。例えば、ボタンスイッチ17に隣接するLCD15の短辺15Aに対向する短辺15Bを下側に向けていくと、x軸方向の加速度は、どんどん大きくなる。また、ボタンスイッチ17に隣接するLCD15の短辺15Bを下側に向けていくと、x軸方向の加速度は、どんどん小さくなる(マイナス方向に大きくなる)。
【0031】
そのため、傾き判定部301はx軸方向の加速度が設定されたt(t>0)より大きい場合に、短辺15Bが下を向いていると判定する。また、傾き判定部301はx軸方向の加速度が−t(t>0)より小さい場合に、短辺15Aが下を向いていると判定する。
【0032】
なお、本実施形態では、x軸方向の加速度のみを用いて短辺15A(短辺15B)が下を向いているかを判定したが、y軸方向の加速度およびz軸方向の加速度の少なくとも一方を更に判定基準に加えても良い。
【0033】
表示画面制御部302は、傾き判定部301によって検出されたコンピュータ本体11の判定結果に応じて、図2に示す横表示または図3に示す縦表示を行うための制御を行う。
【0034】
キーボード表示データ管理部303は、表示画面制御部302からの命令に応じて、横表示用の仮想キーボード152、または縦表示用の仮想キーボード152,132を表示する。
【0035】
また、表示画面制御部302は、縦長モードの場合、ユーザの操作に応じて仮想キーボード152,132の拡大縮小する機能を有する。また、表示画面制御部302は、縦長モードの場合、ユーザの操作に応じて仮想キーボード152,132を移動させて、表示位置を変更する機能を有する。なお、表示画面制御部302は、ユーザの操作に応じて仮想キーボード152,132を拡大縮小、または表示位置を変更する場合、仮想キーボード152,132の一方を拡大縮小、または表示位置を変更すれば、同様に他方の仮想キーボードの拡大縮小、または表示位置を変更するようにしても良い。
【0036】
次に、図6のフローチャートを参照して、縦表示と横表示との切り替えを行う処理の手順を説明する。なお、起動直後の表示形態は横長モードである。
傾き判定部301は3軸加速度センサから各方向の加速度をそれぞれ取得する(ステップ401)。なお、本実施形態では、傾きの判定に用いるのはx軸方向の加速度なので、傾き判定部301はy,z軸方向の加速度を取得しなくても良い。傾き判定部301は、加速度に基づいて短辺15Aまたは短辺15Bが下を向いているかを判定する(ステップ402)。
【0037】
表示画面制御部302は、傾き判定部301の判定結果に基づいて、短辺15Aまたは短辺15Bが下を向いているかを判定する(ステップ403)。短辺15Aまたは短辺15Bが下を向いていないと判定された場合(ステップ403のNo)、現在の表示形態が横長モードであるかを判定する(ステップ404)。現在の表示形態が横長モードではないと判定された場合(ステップ404のNo)、表示画面制御部302は、LCD13およびLCD15に横長モードの表示を行うための処理を行う(ステップ404)。この時、表示画面制御部302は仮想キーボードを表示しない。そして、表示画面制御部302は、キーボード表示データ管理部303に横長モード用の仮想キーボード151のデータを提供するように命令する。そして、キーボード表示データ管理部303から仮想キーボード151のデータが提供されたら、表示画面制御部302は仮想キーボード151をLCD15に表示するための処理を行う(ステップ405)。
【0038】
ステップ403において短辺15Aまたは短辺15Bが下を向いていると判定された場合(ステップ403のYes)、現在の表示形態が縦長モードであるかを判定する(ステップ406)。現在の表示形態が縦長モードではないと判定された場合(ステップ406のNo)、表示画面制御部302はLCD13およびLCD15に縦長モード用の表示を行うための処理を行う(ステップ407)。表示画面制御部302は下向きであると判定されている短辺に合わせて表示を行うための処理を行う。この時、表示画面制御部302は仮想キーボードを表示しない。そして、表示画面制御部302は、キーボード表示データ管理部303に横表示用の仮想キーボード132,152を表示するためのデータを提供するように命令する。そして、キーボード表示データ管理部303から仮想キーボード132,152を表示するためのデータが提供されたら、表示画面制御部302は仮想キーボード132,152をLCD13,15に表示する(ステップ408)。なお、短辺15Aが下の場合に表示される仮想キーボード132,152の位置と、短辺15Bが下の場合に表示される仮想キーボード132,152の位置とは相対的に同じ位置である。
【0039】
以上の処理で横長モード用の仮想キーボード151の表示と、縦長モード用の仮想キーボード132,152の表示とを切り替えることができる。
【0040】
次に、横長モード用の仮想キーボードおよび縦長モード用の仮想キーボードの変形例について説明する。
図7は、横長モードの仮想キーボード153が表示されているコンピュータ10の平面図である。また、図8は、図7に示すコンピュータ10を回転させた縦長モードの仮想キーボード134,154が表示されているコンピュータ10の平面図である。
【0041】
図7,8に示すように、仮想キーボード153、仮想キーボード134,154にはそれぞれキーがマトリックス状に配列されている。仮想キーボード134内に配列されているキーは仮想キーボード132内に配列されているキーと同様であり、仮想キーボード154内に配列されているキーは仮想キーボード152内に配列されているキーと同様である。
【0042】
図9は、横長モードの仮想キーボード155が表示されているコンピュータ10の平面図である。また、図10は、図9に示すコンピュータ10を回転させた縦長モードの仮想キーボード136,156が表示されているコンピュータ10の平面図である。
【0043】
仮想キーボード155、および仮想キーボード136,156は、所謂エルゴノミクスキーボードを採用した例である。図9に示す仮想キーボードの場合、右手で操作されるキーと左手で操作されるキーとの間に仮想タッチパッド155Aが表示されている。縦長モードでは仮想タッチパッドは表示されない。縦長モードで仮想キーボード136と仮想キーボード156との間のLCD13またはLCD15に仮想タッチパッドを表示し、コンピュータ10を両手で持った状態では、指が仮想タッチパッドに届きにくいので、何も表示せず、通常の表示領域として稼働させ、使い勝手を向上させている。
【0044】
図11は、縦長モードの仮想キーボード137,157が表示されているコンピュータ10の平面図である。図10に示される仮想キーボード136,156と同様に、指が届きにくい仮想キーボード137の左側、指が届きにくい仮想キーボード137の右側に画像が表示される領域を設けている。
【0045】
図12は、横長モードの仮想キーボード158が表示されているコンピュータ10の平面図である。また、図13は、縦長モードの仮想キーボード139,159が表示されているコンピュータ10の平面図である。
【0046】
図12,13に示される仮想キーボードは、携帯電話型ソフトウェアキーボードを本実施形態の仮想キーボードに適用した例である。図12に示す横長モードの時点で、画面上に「ひらがな入力モード」選択キー158A,「顔文字入力モード」選択キー158B,「絵文字入力モード」選択キー158C等の複数の「入力モードの選択キー」がある。また同一画面内に、「選択したモードの入力キー」を表示する入力キー領域158Dもある。携帯電話のような感覚になる、使いやすい入力仕様である。この画面仕様で縦長モードにすると、選択キー158A,158B,158Cは左側のLCD15に表示されている仮想キーボード159内に配置されている。また、入力キー領域158Dは、右側のLCD113に表示されている仮想キーボード139内に配置されている。
【0047】
なお、「ひらがな入力モード」選択キー158Aが操作されると、図14に示す仮想キーが入力キー領域158Dに表示される。「顔文字入力モード」選択キー158Bが操作されると、図15に示す仮想キーが入力キー領域158Dに表示される。「絵文字入力モード」選択キー158Cが操作されると、図17に示す仮想キーが入力キー領域158Dに表示される。なお、図16において、実際には「絵文字1」〜「絵文字12」内には画像が表示される。
【0048】
また、図17は、縦長モードの仮想キーボード140,160が表示されているコンピュータ10の平面図である。
【0049】
図2に示す横長モードの仮想キーボード151内の「Enterキー」151AはLCD15の右隅に表示されている。これを縦長モードにした場合、通常のキーより入力頻度が低いキー(Enterキー114A)を、仮想キーボード160内の指が届きにくい中央のスペースキー付近に配置されている。入力頻度が低いキー114Aを仮想キーボード160内の指が届きにくい位置に配置することで、使い勝手が向上する。
【0050】
なお、上記実施形態では、横長モードから縦長モードに変更した場合、および縦長モードから横長モードに変更した場合に、仮想キーボードが自動的に表示されるようになっていた。しかし、ユーザがボタンスイッチ17を操作した後に仮想キーボードを表示するようにしても良い。
【0051】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0052】
10…携帯型パーソナルコンピュータ(情報処理装置),13…液晶表示装置(タッチスクリーンディスプレイ),13A…タッチパネル,15…液晶表示装置(タッチスクリーンディスプレイ),15A…タッチパネル(タッチスクリーンディスプレイ),119…3軸加速度センサ,132…仮想キーボード,151…仮想キーボード,152…仮想キーボード,202…表示制御プログラム,202…表示制御ブログラム,401…傾き判定部,402…表示画面制御部,403…キーボード表示データ管理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と、
第2筐体と、
前記第1筐体の一端部と前記第2筐体の一端部との間に設けられ、前記第2筐体と前記第1筐体とを回動自在に連結するヒンジ部と、
前記第1筐体に設けられ、第1短辺と前記第1筐体の一端部に沿った第1長辺とを有する第1タッチスクリーンディスプレイと、
前記第2筐体に設けられ、前記第2筐体の一端部に沿った第2長辺を有する第2タッチスクリーンディスプレイと、
前記第1タッチディスプレイおよび前記第2タッチディスプレイにアプリケーションウィンドウまたはオブジェクトを含む第1画像を表示する第1画像表示手段と、
前記第1筐体の傾きを検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記第1長辺が略下にあることが検出された場合に、前記第1タッチスクリーンにキーコードをそれぞれ入力するための複数の第1仮想キーを含む第1仮想キーボードを表示し、前記検出手段によって前記第1短辺が略下にあることが検出された場合に、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第2仮想キーを含む第2仮想キーボードを前記第1タッチスクリーンディスプレイに表示すると共に、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第3仮想キーを含む第3仮想キーボードを前記第2タッチスクリーンディスプレイに表示する仮想キーボード表示手段とを具備し、
前記第2仮想キーボートと前記第3仮想キーボードとの間の領域の前記第1タッチスクリーンディスプレイおよび前記第2タッチスクリーンディスプレイに前記第1画像の一部を含む第2画像が表示される
情報処理装置。
【請求項2】
前記第3仮想キーは、前記第1仮想キーおよび前記第2仮想キーを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検出手段によって前記第1短辺が略上にあることが検出された場合に、前記表示手段は前記第2仮想キーボードを前記第1タッチスクリーンディスプレイに表示し、前記第1仮想キーボードを前記第2タッチスクリーンディスプレイに表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体の一端部と前記第2筐体の一端部との間に設けられ、前記第2筐体と前記第1筐体とを回動自在に連結するヒンジ部と、前記第1筐体に設けられ、第1短辺と前記第1筐体の一端部に沿った第1長辺とを有する第1タッチスクリーンディスプレイと、前記第2筐体に設けられ、前記第2筐体の一端部に沿った第2長辺を有する第2タッチスクリーンディスプレイと、前記第1筐体の傾きを検出する検出手段とを有する情報処理装置の仮想キーボードの表示方法であって、
前記第1タッチディスプレイおよび前記第2タッチディスプレイにアプリケーションウィンドウまたはオブジェクトを含む第1画像を表示し、
前記検出手段によって前記第1長辺が略下にあることが検出された場合、前記第1タッチスクリーンディスプレイに、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第1仮想キーを含む第1仮想キーボードを表示し、
前記検出手段によって前記第1タッチスクリーンディスプレイの第1短辺が略下にあることが検出された場合、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第2仮想キーを含む第2仮想キーボードを前記第1タッチスクリーンディスプレイに表示し、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第3仮想キーを含む第3仮想キーボードを前記第2タッチスクリーンディスプレイに表示し、
前記第2仮想キーボートと前記第3仮想キーボードとの間の領域の前記第1タッチスクリーンディスプレイおよび前記第2タッチスクリーンディスプレイに前記第1画像の一部を含む第2画像を表示する
仮想キーボードの表示方法。
【請求項5】
第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体の一端部と前記第2筐体の一端部との間に設けられ、前記第2筐体と前記第1筐体とを回動自在に連結するヒンジ部と、前記第1筐体に設けられ、第1短辺と前記第1筐体の一端部に沿った第1長辺とを有する第1タッチスクリーンディスプレイと、前記第2筐体に設けられ、前記第2筐体の一端部に沿った第2長辺を有する第2タッチスクリーンディスプレイと、前記第1筐体の傾きを検出する検出手段とを有するコンピュータに、
前記第1タッチディスプレイおよび前記第2タッチディスプレイにアプリケーションウィンドウまたはオブジェクトを含む第1画像を表示する手順と、
前記検出手段によって前記第1長辺が略下にあることが検出された場合、前記第1タッチスクリーンディスプレイに、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第1仮想キーを含む第1仮想キーボードを表示する手順と、
前記検出手段によって前記第1タッチスクリーンディスプレイの第1短辺が略下にあることが検出された場合に、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第2仮想キーを含む第2仮想キーボードを前記第1タッチスクリーンディスプレイに表示し、キーコードをそれぞれ入力するための複数の第3仮想キーを含む第3仮想キーボードを前記第2タッチスクリーンディスプレイに表示する手順と、
前記第2仮想キーボートと前記第3仮想キーボードとの間の領域の前記第1タッチスクリーンディスプレイおよび前記第2タッチスクリーンディスプレイに前記第1画像の一部を含む第2画像を表示する手順と
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−142013(P2012−142013A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−55888(P2012−55888)
【出願日】平成24年3月13日(2012.3.13)
【分割の表示】特願2010−117737(P2010−117737)の分割
【原出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】