説明

情報処理装置および同装置の動作制御方法

【課題】光ディスクドライブを用いるアプリケーションプログラムが起動された時に光ディスクドライブを自動的に電力供給オン状態に復帰させる情報処理装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、光ディスクドライブを用いたデータ処理を実行するデータ処理手段と、光ディスクドライブへの電力供給状態を管理する電源管理手段とを具備する。前記データ処理手段は、起動時、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態であった場合、前記光ディスクドライブが電力供給オン状態になるまで待機する待機手段を具備する。前記電源管理手段は、前記データ処理手段の起動時、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態であった場合、前記光ディスクドライブを電力供給オン状態に移行させる制御手段を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば、光ディスクドライブを搭載したパーソナルコンピュータ等に好適な動作制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリ駆動可能で携行容易なノートブックタイプのパーソナルコンピュータが広く普及している。この種のコンピュータの多くは、ストレージデバイスとして、ハードディスクドライブ(HDD)と光ディスクドライブ(ODD:optical disc drive)とを搭載している。
【0003】
移動中や外出先などで利用されること、つまりバッテリ駆動されることを前提として開発・製造されるこの種のコンピュータにおいては、当該バッテリ駆動時における連続稼働可能時間が非常に重要である。そのために、この種のコンピュータは、様々な省電力機能を備えている。
【0004】
例えば、光ディスクドライブを含む各種デバイスを、コンピュータから物理的に取り外すことなく、コンピュータ上の簡単な操作で、そのコンピュータのシステム構成から意図的に切り離すことのできる仕組みなども提案されている。この仕組みを備えたコンピュータのユーザは、光ディスクドライブを含む各種デバイスを適宜に電力供給オフ状態に移行させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−172325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、例えば、光ディスクドライブが電力供給オフ状態にある時、ユーザが、当該光ディスクドライブを用いるアプリケーションプログラムを利用しようとした場合を想定する。この場合、ユーザは、当該アプリケーションプログラムを起動する前に、光ディスクドライブを電力供給オン状態に復帰させる操作を行うことになる。
【0007】
しかしながら、例えば、光ディスクドライブを電力供給オフ状態に移行させていたことをユーザが失念してしまうことも十分に考えられる。また、アプリケーションプログラムの起動時に、そのアプリケーションプログラムが光ディスクドライブを用いるものであるか否かをユーザに意識させることも好ましくない。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、光ディスクドライブが電力供給オフ状態にある時、当該光ディスクドライブを用いるアプリケーションプログラムを起動した場合に、当該光ディスクドライブを自動的に電力供給オン状態に復帰させることを実現する情報処理装置および同装置の動作制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、情報処理装置は、光ディスクドライブと、前記光ディスクドライブを用いたデータ処理を実行するデータ処理手段と、前記光ディスクドライブへの電力供給状態を管理する電源管理手段とを具備する。前記データ処理手段は、起動時、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態であった場合、前記光ディスクドライブが電力供給オン状態になるまで待機する待機手段を具備する。前記電源管理手段は、前記データ処理手段の起動時、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態であった場合、前記光ディスクドライブを電力供給オン状態に移行させる制御手段を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態の情報処理装置の外観を示す斜視図。
【図2】実施形態の情報処理装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】実施形態の情報処理装置上で光ディスクドライブを用いるアプリケーションプログラムが起動された場合における動作原理を説明するための概念図。
【図4】実施形態の情報処理装置上で動作するODD使用アプリケーションプログラムの光ディスクドライブに関する動作手順を示すフローチャート。
【図5】実施形態の情報処理装置上で動作するODD電源管理ユーティリティプログラムの光ディスクドライブに関する動作手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
まず、図1を参照して、実施形態の情報処理装置の構成について説明する。この情報処理装置は、例えば、バッテリ駆動可能なノートブックタイプのパーソナルコンピュータ10として実現されている。
【0013】
図1は、ディスプレイユニットを開いた状態におけるコンピュータ10を正面側から見た斜視図である。本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成される。ディスプレイユニット12には、LCD(liquid crystal display)16が組み込まれている。
【0014】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に支持され、そのコンピュータ本体11に対してコンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面がディスプレイユニット12によって覆れる閉塞位置との間を回動自由に取り付けられている。コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有しており、その上面にはキーボード13、本コンピュータ10をパワーオン/オフするためのパワーボタン14およびタッチパッド15などが配置されている。また、コンピュータ本体11内には、光ディスクメディアを駆動するための光ディスクドライブ117が設けられている。
【0015】
図2は、本コンピュータ10のシステム構成を示している。
【0016】
図2に示すように、本コンピュータ10は、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、グラフィクスコントローラ114、サウスブリッジ115、ハードディスクドライブ(HDD)116、光ディスクドライブ(ODD)117、BIOS−ROM118、不揮発性メモリ119、エンベデッドコントローラ(EC)120、電源回路121等を備えている。
【0017】
CPU111は、本コンピュータ10の各コンポーネントの動作を制御するプロセッサである。CPU111は、HDD116やODD117から主メモリ113にロードされる各種ソフトウェアを実行する。各種ソフトウェアの中には、リソース管理を司るオペレーティングシステム(OS)201や、当該OS201配下で動作する、後述するODD電源管理ユーティリティプログラム202(電源管理手段)およびODD使用アプリケーションプログラム203(データ処理手段)等が存在する。また、CPU111は、BIOS−ROM118に格納されたBIOS(基本入出力システム)も実行する。BIOSは、ハードウェア制御のためのプログラムである。
【0018】
ノースブリッジ112は、CPU111のローカルバスとサウスブリッジ115との間を接続するブリッジデバイスである。また、ノースブリッジ112はグラフィクスコントローラ114との通信を実行する機能も有している。ノースブリッジ112には、主メモリ113を制御するメモリコントローラも内蔵されている。
【0019】
グラフィクスコントローラ114は、本コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD16を制御する表示コントローラである。サウスブリッジ115は、PCI(peripheral component interconnect)バスおよびLPC(low pin count)バスにそれぞれ接続されている。また、サウスブリッジ115は、HDD116やODD117を制御するためのSATA(serial ATA)コントローラを内蔵しており、当該サウスブリッジ115には、SATAバスをそれぞれに介してHDD116およびODD117が接続されている。
【0020】
EC120は、電源回路121と協働して、ユーザによるパワーボタン14の操作に応じて本コンピュータ10を電源オン/電源オフする。また、EC120は、キーボード13やタッチパッド15の操作によるデータ入力を制御するためのキーボードコントローラを内蔵する。電源回路121は、コンピュータ本体11に内蔵されたバッテリ122またはACアダプタ123を介して供給される外部電源を用いて、本コンピュータ10の各コンポーネントに供給すべきシステム電源を生成する。
【0021】
ここで、図3を参照して、本コンピュータ10上でODD117を用いるアプリケーションプログラムが起動された場合における動作原理について説明する。
【0022】
ODD使用アプリケーションプログラム203は、ODD117を用いたデータ処理を実行するプログラムであって、ODD電源管理ユーティリティプログラム202と連携して動作するための手順を備えたプログラムの総称である。ODD使用アプリケーションプログラム203の一例としては、ODD117内に収容された光ディスクメディアに各種データを書き込むライティングソフトウェアなどが挙げられる。
【0023】
なお、本コンピュータ10は、例えば、キーボード13上の所定のキーを操作することによって、ODD117を本コンピュータ10のシステム構成から意図的に切り離すことのできる仕組みを備えている。つまり、ライティングソフトウェアなどのODD使用アプリケーションプログラム203を起動する際、ODD117が電力供給オフ状態に移行している場合も考えられる。ODD117を本コンピュータ10のシステム構成から切り離す仕組み、つまりODD117を電力供給オフ状態に移行させる仕組みは、キーボード13上の所定のキーを操作するというユーザによる明示的な指示に応答して作動するものに限定されない。例えば、バッテリ駆動時においてODD117内に光ディスクメディアが収容されていない状態が所定期間を越えて継続した場合等、所定の状況下で自動的に作動するものであってもよい。
【0024】
ユーザによって起動されたODD使用アプリケーションプログラム203は、ODD電源管理ユーティリティプログラム202に対する問い合わせを実行する。一方、この問い合わせを受けたODD電源管理ユーティリティプログラム202は、例えば、BIOSに対して所定のコマンドを発行することにより、ODD117の電力供給状態を取得する。そして、ODD117が電力供給オン状態であれば、ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、上記問い合わせに対する回答として、「待機しない」の指示をODD使用アプリケーションプログラム203に返信する。
【0025】
この「待機しない」の指示を受けた場合、ODD使用アプリケーションプログラム203は、(ODD電源管理ユーティリティプログラム202と連携して動作するための手順を備えない既存のプログラムと同様の)通常動作に移行する。当該「待機しない」の指示を受ける場合とは、ODD117が電力供給オン状態である場合である。よって、何ら問題なく、当該ODD使用アプリケーションプログラム203の起動が完了し、ODD117に対するデータの書き込み等が行われることになる。
【0026】
一方、ODD117が電力供給オフ状態であった場合、ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、第1に、上記問い合わせに対する回答として、「待機」の指示をODD使用アプリケーションプログラム203に返信する。また、第2に、ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、(BIOS経由で)EC120に対してODD117を電力供給オン状態に復帰させる指示を与える。
【0027】
EC120は、この指示を受けると、ODD117に対する電力供給を電源回路121に開始させ、かつ、ODD117を本コンピュータ10のシステム構成に組み込むための割り込みを発生させる。この割り込みによって、あたかもODD117が増設されたかのごとく当該ODD117の存在が(リソース管理を司る)OS201に認識される。
【0028】
また、「待機」の指示を受けたODD使用アプリケーションプログラム203は、通常動作に移行する前に、ODD117がOS201によって認識される状態になるまで待機する。そして、ODD117がOS201によって認識されてから、ODD使用アプリケーションプログラム203は、通常動作に移行する。
【0029】
当該「待機」の指示を受ける場合とは、ODD117が電力供給オフ状態である場合である。よって、本来であれば、例えば、(ODDを用いるプログラムなので)「ODDが認識できません」といった警告メッセージを表示する処理手順が通常動作の一環として行われることになる。これに対して、本コンピュータ10においては、ODD117が電力供給オフ状態にある時、ODD使用アプリケーションプログラム203が起動された場合でも、ODD使用アプリケーションプログラム203とODD電源管理ユーティリティプログラム202とが協働して、ODD117を自動的に電力供給オン状態に復帰させ、かつ、ODD使用アプリケーションプログラム203をユーザに何らの違和感を与えることなく起動・動作させることを実現する。
【0030】
なお、ODD使用アプリケーションプログラム203は、OS201に対して所定のコマンドを発行することによって、OS201がODD117を認識しているか否かを取得する。ODD電源管理ユーティリティプログラム202から「待機」の指示を受けた後、ODD使用アプリケーションプログラム203は、ODD117を認識している旨の回答を得るまで、上記OS201に対する所定のコマンドの発行を一定間隔で繰り返す。ODD117を認識している旨の回答をOS201から得た時点で、ODD使用アプリケーションプログラム203は、通常動作に移行する。
【0031】
もし、「待機」の指示を受けた後、予め定められた期間を経過しても、ODD117を認識している旨の回答をOS201から得られなかった場合、ODD使用アプリケーションプログラム203は、これ以上の待機は行わず、通常動作に移行する。この場合、本来の「ODDが認識できません」といった警告メッセージを表示する処理手順が行われることになる。これは、例えば、何らかの障害により、ODD117を電力供給オン状態に復帰させることができない事態が発生した場合に、ODD使用アプリケーションプログラム203が延々と待機状態に維持されてしまうことを防止するためである。
【0032】
ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、ODD使用アプリケーションプログラム203から問い合わせを受けた時、ODD117が電力供給オフ状態にあった場合、少なくとも次の(1)〜(3)のすべてが満たされていることを条件に、「待機」の指示をODD使用アプリケーションプログラム203に返送するようにしてもよい。
【0033】
(1)ODD117が物理的に接続されている。
【0034】
(2)OS201のデバイスマネージャのODD項目が"Enable"である。
【0035】
(3)ODD117の電源オン/オフをサポートしている。
【0036】
以上の(1)〜(3)のいずれか1つでも満たされていない場合、ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、「待機しない」の指示をODD使用アプリケーションプログラム203に返送する。なお、上記(1)〜(3)の確認方法は、特定の方法に限定されず、(既知か否かを問わず)考えられ得るいずれの方法も適用可能である。
【0037】
これにより、例えば、ODDを搭載しないコンピュータ上でODD電源管理ユーティリティプログラム202が起動されたり、ODDをシステム構成として組み込むことができない状態にあるコンピュータ上でODD電源管理ユーティリティプログラム202が起動されたり、ODDの電源オン/オフを動的に切り換えることができず、かつ、ODDが電源オフ状態にあるコンピュータ上でODD電源管理ユーティリティプログラム202が起動されたりした場合に、ODD使用アプリケーションプログラム203が延々と待機状態に維持されてしまうことを防止できる。
【0038】
図4は、本コンピュータ10上で動作するODD使用アプリケーションプログラム203のODD117に関する動作手順を示すフローチャートである。
【0039】
ODD使用アプリケーションプログラム203は、起動されると、ODD電源管理ユーティリティピログラム202に対する問い合わせを実行する(ステップA1)。この問い合わせに対して、「待機」の指示をODD電源管理ユーティリティプログラム202から受けると(ステップA2のYES)、ODD使用アプリケーションプログラム203は、OS201がODD117を認識できたか否かを調べる(ステップA3)。
【0040】
OS201がODD117を認識できていたならば(ステップA3のYES)、ODD使用アプリケーションプログラム203は、その時点で、通常動作へと移行する(ステップA4)。一方、OS201がODD117を認識できていない場合(ステップA3のNO)、ODD使用アプリケーションプログラム203は、一定時間分だけ待機する(ステップA5)。
【0041】
ODD使用アプリケーションプログラム203は、「待機」の指示を受けた後の待機時間が予め定められた閾値を越えたか否かを監視し(ステップA6)、待機時間が閾値を越えていなければ(ステップA6のNO)、ステップA3に戻り、OS201がODD117を認識できたか否かを再度調べる。つまり、ODD使用アプリケーションプログラム203は、OS201がODD117を認識できるまで、または、(OS201がODD117を認識できずに)「待機」の指示を受けた後の待機時間が閾値に達するまで、OS201がODD117を認識できたか否かを繰り返し調べる。
【0042】
そして、もし、待機時間が閾値を越えた場合(ステップA6のYES)、ODD使用アプリケーションプログラム203は、これ以上の待機は行わず、ステップA4の通常動作に移行する。この場合、例えば、「ODDが認識できません」といった警告メッセージを表示する処理手順が通常動作の一環として行われることになる。
【0043】
図5は、本コンピュータ10上で動作するODD電源管理ユーティリティプログラム202のODD117に関する動作手順を示すフローチャートである。
【0044】
ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、ODD使用アプリケーションプログラム203から問い合わせを受けると、まず、本コンピュータ10にODD117が物理的に接続されているか否かを調べる(ステップB1)。接続されていれば(ステップB1のYES)、ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、次に、OS201のデバイスマネージャのODD項目が"Enable"であるか否かを調べる(ステップB2)。
【0045】
"Enable"であったならば(ステップB2のYES)、ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、更に、本コンピュータ10がODD117の電源オン/オフをサポートしているか否かを調べる(ステップB3)。そして、サポートしていたならば(ステップB3のYES)、ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、ODD117の電力供給状態を調べる(ステップB4)。
【0046】
ODD117が電力供給オフ状態であった場合(ステップB4のYES)、ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、ODD117を電力供給オン状態に復帰させると共に(ステップB5)、上記問い合わせの回答として、「待機」の指示をODD使用アプリケーションプログラム203に返信する(ステップB6)。
【0047】
また、ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、本コンピュータ10にODD117が物理的に接続されていなかった場合(ステップB1のNO)、OS201のデバイスマネージャのODD項目が"Enable"でなかった("Disable"であった)場合(ステップB2のNO)、または、本コンピュータ10がODD117の電源オン/オフをサポートしていなかった場合(ステップB3のNO)、各々の事象が判明した時点で、上記問い合わせの回答として、「待機しない」の指示をODD使用アプリケーションプログラム203に返信する(ステップB7)。更に、ODD電源管理ユーティリティプログラム202は、ODD117が電力供給オン状態であった場合(ステップB4のNO)、その時点で、上記問い合わせの回答として、「待機しない」の指示をODD使用アプリケーションプログラム203に返信する(ステップB7)。
【0048】
以上のように、本コンピュータ10によれば、ODD使用アプリケーションプログラム203とODD電源管理ユーティリティプログラム202とが協働して、ODD117が電力供給オフ状態にある時、(当該ODD117を用いる)ODD使用アプリケーションプログラム203を起動した場合に、当該ODD117を自動的に電力供給オン状態に復帰させることを実現する。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願原出願の特許査定時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
光ディスクドライブと、
前記光ディスクドライブを用いたデータ処理を実行するデータ処理手段と、
前記光ディスクドライブへの電力供給状態を管理する電源管理手段と、
を具備し、
前記データ処理手段は、
起動時、前記光ディスクドライブに関する問い合わせを前記電源管理手段に対して実行する問い合わせ手段と、
前記問い合わせ手段による問い合わせに対して、オペレーティングシステムによって前記光ディスクドライブが認識されるまで待機すべき指示を前記電源管理手段から受けた場合、前記オペレーティングシステムによって前記光ディスクドライブが認識されるまで待機する待機手段と、
を具備し、
前記電源管理手段は、前記光ディスクドライブに関する問い合わせを前記データ処理手段から受けた際、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態であった場合、前記光ディスクドライブを電力供給オン状態に移行させると共に、前記オペレーティングシステムによって前記光ディスクドライブが認識されるまで待機すべき指示を前記データ処理手段に返送する制御手段を具備する
情報処理装置。
[2]
前記データ処理手段の前記待機手段は、前記光ディスクドライブが認識されるまで待機すべき指示を受けた後、前記光ディスクドライブが認識されない状態が予め定められた期間を越えた場合に、前記オペレーティングシステムによって前記光ディスクドライブが認識されない状況下における処理手順を含む通常動作に前記データ処理手段を移行させる[1]記載の情報処理装置。
[3]
前記データ処理手段は、前記オペレーティングシステムに対して所定のコマンドを発行することによって前記光ディスクドライブの認識有無を取得し、前記光ディスクドライブが認識されるまでの間、予め定められた間隔で、前記所定のコマンドを前記オペレーティングシステムに対して繰り返し発行する[2]記載の情報処理装置。
[4]
前記電源管理手段の前記制御手段は、前記光ディスクドライブが電力供給オン状態であった場合、通常動作を行うべき指示を前記データ処理手段に返送し、
前記データ処理手段の前記待機手段は、前記通常動作を行うべき指示を前記電源管理手段から受けた場合、即時に前記通常動作に前記データ処理手段を移行させる
[1]記載の情報処理装置。
[5]
前記電源管理手段の前記制御手段は、(1)前記光ディスクドライブが物理的に接続されており、(2)前記オペレーティングシステムのデバイスマネージャにおける前記光ディスクドライブに関する項目が有効に設定されており、かつ、(3)前記光ディスクドライブへの電力供給をオン/オフする機能がサポートされていることを条件として、前記光ディスクドライブに関する問い合わせを記データ処理手段から受けた際、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態であった場合に、前記オペレーティングシステムによって前記光ディスクドライブが認識されるまで待機すべき指示を前記データ処理手段に返送する[1]記載の情報処理装置。
[6]
前記電源管理手段の前記制御手段は、前記(1)前記光ディスクドライブが物理的に接続されており、(2)前記オペレーティングシステムのデバイスマネージャにおける前記光ディスクドライブに関する項目が有効に設定されており、かつ、(3)前記光ディスクドライブへの電力供給をオン/オフする機能がサポートされていることの条件が満たされていない場合、前記オペレーティングシステムによって前記光ディスクドライブが認識されない状況下における処理手順を含む通常動作を行うべき指示を前記データ処理手段に返送する[5]記載の情報処理装置。
[7]
前記電源管理手段は、BIOS(Basic input/output system)に対して所定のコマンドを発行することによって前記光ディスクドライブへの電力供給状態を取得する[1]記載の情報処理装置。
[8]
光ディスクドライブを具備する情報処理装置の動作制御方法であって、
前記光ディスクドライブを用いたデータ処理を実行するデータ処理手段が、
起動時、前記光ディスクドライブに関する問い合わせを、前記光ディスクドライブへの電力供給状態を管理する電源管理手段に対して実行し、
前記問い合わせに対して、オペレーティングシステムによって前記光ディスクドライブが認識されるまで待機すべき指示を前記電源管理手段から受けた場合、前記オペレーティングシステムによって前記光ディスクドライブが認識されるまで待機し、
前記電源管理手段が、
前記光ディスクドライブに関する問い合わせを前記データ処理手段から受けた際、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態であった場合、前記光ディスクドライブを電力供給オン状態に移行させると共に、前記オペレーティングシステムによって前記光ディスクドライブが認識されるまで待機すべき指示を前記データ処理手段に返送する
動作制御方法。
[9]
前記データ処理手段が、前記光ディスクドライブが認識されるまで待機すべき指示を受けた後、前記光ディスクドライブが認識されない状態が予め定められた期間を越えた場合に、前記オペレーティングシステムによって前記光ディスクドライブが認識されない状況下における処理手順を含む通常動作に移行する[8]記載の動作制御方法。
[10]
前記電源管理手段が、前記光ディスクドライブが電力供給オン状態であった場合、通常動作を行うべき指示を前記データ処理手段に返送し、
前記データ処理手段が、前記通常動作を行うべき指示を前記電源管理手段から受けた場合、即時に前記通常動作に移行する
[8]記載の動作制御方法。
【符号の説明】
【0050】
10…パーソナルコンピュータ(情報処理装置)、11…コンピュータ本体、12…ディスプレイユニット、13…キーボード、14…パワーボタン、15…タッチパッド、16…LCD、111…CPU、112…ノースブリッジ、113…主メモリ、114…グラフィクスコントローラ、115…サウスブリッジ、116…ハードディスクドライブ(HDD)、117…光ディスクドライブ(ODD)、118…BIOS−ROM、119…不揮発性メモリ、120…エンベデッドコントローラ(EC)、121…電源回路、122…バッテリ、123…ACアダプタ、201…オペレーティングシステム(OS)、202…ODD電源管理ユーティリティプログラム、203…ODD使用アプリケーションプログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクドライブと、
前記光ディスクドライブを用いたデータ処理を実行するデータ処理手段と、
前記光ディスクドライブへの電力供給状態を管理する電源管理手段と、
を具備し、
前記データ処理手段は、
起動時、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態であった場合、前記光ディスクドライブが電力供給オン状態になるまで待機する待機手段を具備し、
前記電源管理手段は、前記データ処理手段の起動時、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態であった場合、前記光ディスクドライブを電力供給オン状態に移行させる制御手段を具備する
情報処理装置。
【請求項2】
前記データ処理手段の前記待機手段は、前記光ディスクドライブが電力供給オン状態になった場合、通常動作に前記データ処理手段を移行させる請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ処理手段の前記待機手段は、前記光ディスクドライブの電力供給オフ状態が予め定められた期間を越えた場合、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態にある状況下における処理手順を含む通常動作に前記データ処理手段を移行させる請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データ処理手段は、オペレーティングシステムに対して所定のコマンドを発行することによって前記光ディスクドライブの電力供給状態を取得し、前記光ディスクドライブが電力供給オン状態に移行するまでの間、予め定められた間隔で、前記所定のコマンドを前記オペレーティングシステムに対して発行する請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記データ処理手段の前記待機手段は、(1)前記光ディスクドライブが物理的に接続されており、(2)オペレーティングシステムのデバイスマネージャにおける前記光ディスクドライブに関する項目が有効に設定されており、かつ、(3)前記光ディスクドライブへの電力供給をオン/オフする機能がサポートされている場合に、前記光ディスクドライブが電力供給オン状態になるまで待機する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
光ディスクドライブを具備する情報処理装置の動作制御方法であって、
前記光ディスクドライブを用いたデータ処理を実行するデータ処理手段が、起動時、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態であった場合、前記光ディスクドライブが電力供給オン状態になるまで待機し、
前記光ディスクドライブへの電力供給状態を管理する電源管理手段が、前記データ処理手段の起動時、前記光ディスクドライブが電力供給オフ状態であった場合、前記光ディスクドライブを電力供給オン状態に移行させる
動作制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−64235(P2012−64235A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247656(P2011−247656)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【分割の表示】特願2010−200214(P2010−200214)の分割
【原出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】