説明

情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体

【課題】誤動作を防ぐ。
【解決手段】少なくとも2面を有し、2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置であり、2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数のセンサの値の変化から、2面の相対位置が変化したことを検出する検出部を備える。2面の相対位置が変化したことが検出された場合、例えば、オペレーティングシステムにイベントを上げないようにすることで、アプリケーションが誤作動することを防ぐ。本技術は、例えば、2つのタッチパネルを備える情報処理装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。詳しくは、誤動作を防止する情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯可能な装置、例えば、携帯電話機、ゲーム機、パーソナルコンピュータなどの装置が普及している。携帯可能であるという点から、これらの装置のディスプレイの大きさには制限があるが、できるだけ大きな画面の方が良いというユーザ側の要望もある。そこで、端末を折り畳めるように構成し、携帯性を高め、ディスプレイの大きさを確保する装置がある。このような装置の中には、開いた状態のとき、一方がディスプレイ、他方がボタンなどの操作部材で構成されている装置がある。
【0003】
タッチパネルを搭載している装置も普及している。タッチパネルは、ディスプレイ上に一体構成とされ、ディスプレイに表示されたアイコンなどを操作できるように構成されていることが多い。このようなタッチパネルを備える携帯可能な端末もある。特許文献1には、タッチパネルを備えた携帯電話機についての記載がある。携帯電話機にタッチパネルを適用すると、例えば、電話をかけるときに、タッチパネルが耳に当たり、誤動作してしまう可能性があった。特許文献1には、そのような誤動作を、加速度センサを用いて防ぐことについての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-61316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、誤動作を防ぐために、加速度センサを用いることが記載されているが、加速度センサが必須の構成となっており、加速度センサを備えていない装置に対する誤動作を防止することについての開示はなく、そのような装置において誤動作を防止することはできない。
【0006】
また、タッチパネルが備えられている装置が、折り畳めるような構成とされている装置である場合、折り畳むときや、折り畳まれた状態のときに、タッチパネルに相対する位置に備えられているボタンなどにタッチパネルが接近してしまう可能性があった。このような場合、誤動作が起きる可能性があった。
【0007】
このような誤動作を防ぐためにリッドスイッチ(lid switch)を搭載する装置がある。このリッドスイッチが、閉じる動きを検出し、それを制御するソフトウェアに伝え、誤反応を防止する制御を動作させるまでに、時間がかかり、誤動作を起こしてしまう可能性があった。リッドスイッチによる検出は、タッチパネルとは無関係に動作しているため、タッチパネルの反応の方が、リッドスイッチによる検出よりも早い場合がある。このような場合、速い動作で閉じられると、リッドスイッチよりもタッチパネルの方が反応し、誤作動となってしまう。
【0008】
また、開くときも同様に、リッドスイッチよりもタッチパネルの反応の方が早い場合があり、このとき開いた状態でタッチパネルに触れているのに反応しない誤動作となってしまう可能性があった。このようなタッチパネルの誤動作を防ぐ手段が望まれている。
【0009】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、タッチパネルの誤動作を防ぐことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術の一側面の情報処理装置は、少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置において、前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出する検出部を備える。
【0011】
前記検出部は前記静電容量センサの静電容量の値が増加傾向の変化であるか、減少傾向の変化であるかを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出するようにすることができる。
【0012】
前記静電容量センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の静電容量の値とその次のタイミングで取得された第2の静電容量の値との差分値を算出し、算出された差分値の合計をさらに算出し、その合計の値が、増加傾向にあるか、減少傾向にあるかを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出するようにすることができる。
【0013】
前記検出部は、前記静電容量センサの前記静電容量の値が増加している静電容量センサの数が多くなっているか、または前記静電容量センサの前記静電容量の値が減少している静電容量センサの数が多くなっているかを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出するようにすることができる。
【0014】
前記検出部は、前記静電容量センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の静電容量の値とその次のタイミングで取得された第2の静電容量の値との差分値を算出し、最大の差分値と最小の差分値の差をさらに算出し、その差が、所定の範囲内であるか否かを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出するようにすることができる。
【0015】
前記検出部は、前記静電容量センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の静電容量の値とその次のタイミングで取得された第2の静電容量の値との差分値を算出し、その差分値が増加または減少している前記センサの数が、所定の値以上であるか否かを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出するようにすることができる。
【0016】
前記2面のうち、前記所定の領域を含む面は、タッチパネルで構成されるようにすることができる。
【0017】
前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出されたときに、前記タッチパネルからオペレーティングシステムに対してイベントが上げられていた場合、前記タッチパネルからオペレーティングシステムへの前記イベントを止め、前記タッチパネルからオペレーティングシステムに対してイベントが上げられていない場合、前記タッチパネルからオペレーティングシステムへの前記イベントを上げるようにすることができる。
【0018】
前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出されたときに、前記タッチパネルからのイベントが、オペレーティングシステムからアプリケーションに対して上げられていた場合、前記オペレーティングシステムから前記アプリケーションへの前記イベントを止め、前記タッチパネルからのイベントが、オペレーティングシステムからアプリケーションに対して上げられていない場合、前記オペレーティングシステムから前記アプリケーションへの前記イベントを上げるようにすることができる。
【0019】
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、少なくとも一方のタッチパネルは、前記所定の領域を含み、前記所定の領域を含む前記タッチパネルの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、他方のタッチパネルに検出されたことを示す通知を出し、2つの前記タッチパネルは、それぞれ、オペレーティングシステムに対してイベントを上げている場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを止め、オペレーティングシステムに対してイベントを上げていない場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを上げるようにすることができる。
【0020】
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、2つの前記タッチパネルは、それぞれ前記所定の領域を含み、一方の前記タッチパネルの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、他方のタッチパネルに検出されたことを示す通知を出し、前記2つのタッチパネルは、それぞれ、オペレーティングシステムに対してイベントを上げている場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを止め、オペレーティングシステムに対してイベントを上げていない場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを上げるようにすることができる。
【0021】
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、少なくとも一方のタッチパネルは、前記所定の領域を含み、前記所定の領域を含む前記タッチパネルの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、オペレーティングシステムに検出されたことを示す通知を出し、前記オペレーティングシステムは、アプリケーションに対してイベントを上げている場合、前記アプリケーションへの前記イベントを止め、前記アプリケーションに対してイベントを上げていない場合、前記アプリケーションへの前記イベントを上げるようにすることができる。
【0022】
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、2つの前記タッチパネルは、それぞれ前記所定の領域を含み、前記2つのタッチパネルのうちのどちらかの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、オペレーティングシステムに検出されたことを示す通知を出し、前記オペレーティングシステムは、アプリケーションに対してイベントを上げている場合、前記アプリケーションへの前記イベントを止め、前記アプリケーションに対してイベントを上げていない場合、前記アプリケーションへの前記イベントを上げるようにすることができる。
【0023】
本技術の一側面の情報処理方法は、少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置の情報処理方法において、前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出するステップを含む。
【0024】
本技術の一側面のプログラムは、少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置を制御するコンピュータに、前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出するステップを含む処理を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムである。
【0025】
本技術の一側面の記録媒体は、少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置を制御するコンピュータに、前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出するステップを含む処理を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムを記録している。
【0026】
本技術の一側面の情報処理装置、情報処理方法、プログラム、並びに記録媒体においては、少なくとも2面を有し、2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置の2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、2面の相対位置が変化したことが検出される。
【発明の効果】
【0027】
本技術の一側面によれば、タッチパネルの誤動作を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】情報処理装置の開閉動作について説明するための図である。
【図2】誤反応について説明するための図である。
【図3】誤反応が発生する状況について説明するための図である。
【図4】本技術を適用した情報処理装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【図5】情報処理装置の機能を示す図である。
【図6】情報処理装置のソフトウェアの構成について説明するための図である。
【図7】センサの配置について説明するための図である。
【図8】センサの値について説明するための図である。
【図9】センサと領域との関係について説明するための図である。
【図10】閉じる動作が行われたときの角度について説明するための図である。
【図11】角度に応じたセンサの値について説明するための図である。
【図12】角度に応じたセンサの差分値について説明するための図である。
【図13】指で操作されたときのセンサの値について説明するための図である。
【図14】開閉動作監視処理について説明するためのフローチャートである。
【図15】開閉動作監視処理について説明するためのフローチャートである。
【図16】監視結果に基づき、タッチパネルが行う処理について説明するためのフローチャートである。
【図17】監視結果に基づき、タッチパネルが行う処理について説明するためのフローチャートである。
【図18】監視結果に基づき、タッチパネルが行う処理について説明するためのフローチャートである。
【図19】監視結果に基づき、タッチパネルが行う処理について説明するためのフローチャートである。
【図20】監視結果に基づき、タッチパネルが行う処理について説明するためのフローチャートである。
【図21】監視結果に基づき、オペレーティングシステムが行う処理について説明するためのフローチャートである。
【図22】監視結果に基づき、オペレーティングシステムが行う処理について説明するためのフローチャートである。
【図23】情報処理装置の他の形態について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0030】
[外観の構成について]
本技術は、タッチパネルを複数、例えば、2つ備える装置に適用することができるため、以下の説明では、2つのタッチパネルを備える装置を例に挙げて説明する。詳細は後述するが、タッチパネルは、ユーザがタッチ(接触)した部分を検出できる構造とされている。換言すれば、タッチパネルは、ユーザが接触した位置の座標を取得できる構造とされている。
【0031】
また、ユーザに操作の対象とされるボタンなどを確認させるなどの目的のために、タッチパネルの下部にLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイを半透明の部材の下に設けた構成とされている。
【0032】
図1Aに示したように、情報処理装置10は、2つのタッチパネルを備える。また、情報処理装置10は、開閉自在に構成されている。図1Aは、情報処理装置10が180度開いたときの状態を図示してある。図1Aに示すように、開いた状態のときに、ユーザ側から見て、通常上側に位置するタッチパネルを上タッチパネル11と記述し、通常下側に位置するタッチパネルを下タッチパネル12と記述する。上タッチパネル11の下部には、ディスプレイ13が備えられ、下タッチパネル12の下部には、ディスプレイ14が備えられている。
【0033】
情報処理装置10は、開閉自在に構成されているため、図1Aに示したように、180度開いた状態、図1Bに示したように、90度開いた状態、図1Cに示したように、閉じた状態(0度開いた状態)など、上タッチパネル11と下タッチパネル12の相対位置は、0度乃至180度の範囲内で、ユーザが所望とする位置関係に保つことができるように構成されている。閉じた状態のときは、主に、情報処理装置10が携帯されるときの状態であり、90度乃至180度開かれた状態のときは、主に、情報処理装置10が使用されるときの状態である。
【0034】
情報処理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、ゲーム機などの装置に適用できる。また、図示はしないが、物理的な操作スイッチなども、情報処理装置10には備えられている。
【0035】
図2は、ディスプレイ13とディスプレイ14にそれぞれ操作対象とされるボタンA乃至Dが表示されている状態を示す。図2Aに示したように、ディスプレイ13の図中下側には、ボタンAとボタンBが表示され、ディスプレイ14の図中上側には、ボタンCとボタンDが表示されている。ボタンAとボタンBは、上タッチパネル11のそれぞれのボタンが表示されている位置に、ユーザの指が触れると操作できるように構成されている。また、ボタンCとボタンDは、下タッチパネル12のそれぞれのボタンが表示されている位置に、ユーザの指が触れると操作できるように構成されている。
【0036】
このようなボタンがディスプレイ13またはディスプレイ14に表示されているときに、図2Bに示したように、情報処理装置10が閉じられる場合を考える。図3Aは、情報処理装置10を横方向から見たときを簡略的に示している。図3Aは、図2Bに示した状態と同じく、90度開かれた状態を示し、このような状態から、上タッチパネル11が、図中、矢印を示した方向、すなわち、下タッチパネル12の方向に閉じられることを示している。
【0037】
図3Bは、図1Bに示した状態と同じく、情報処理装置10を正面から見たときであり、90度開かれた状態を示している。上タッチパネル11の図中下側の領域であり、図2Aに示したボタンAやボタンBが表示される位置に対応する領域を、領域21とする。同様に、下タッチパネル12の図中下側の領域であり、図2Bに示したボタンCやボタンDが表示される位置に対応する領域を、領域22とする。
【0038】
領域21と領域22は、情報処理装置10が、例えば90度開かれた状態から閉じられた状態に遷移するとき、徐々に互いに反応してしまう可能性のある領域である。上タッチパネル11が下タッチパネル12の方向に徐々に近づけられると、上タッチパネル11と下タッチパネル12が接する部分に近い方、すなわち、領域21と領域22のあたりから、互いに徐々に接する可能性がある。互いに接することで、領域21にユーザの指が接した、または領域22にユーザの指が接したと検出されてしまう可能性がある。
【0039】
仮に、情報処理装置10が閉じられるときに、領域21にユーザの指が接したと検出されてしまうと、ボタンAやボタンBが操作されたとしてオペレーションシステムやアプリケーション(不図示)で処理されてしまう可能性がある。このような誤動作は防ぐ必要がある。
【0040】
そこで、本実施の形態においては、この領域21や領域22が、閉じられるという動作に伴う反応であるのか否かを判断できるようにし、その判断結果に応じた処理が行われることで、誤動作が起きないように制御できるようにする。なお、以下の説明においては、主に閉じるときの動作について説明をするが、開くときの動作のときも、領域21と領域22が反応することを用いて、誤動作を起きないように制御することができる。
【0041】
[情報処理装置の内部構成例]
まず、図4を参照し、本技術を適用した情報処理装置10の内部構成例について説明する。情報処理装置10において、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53は、バス54により相互に接続されている。バス54には、さらに、入出力インタフェース55が接続されている。入出力インタフェース55には、入力部56、出力部57、記憶部58、通信部59、およびドライブ60が接続されている。
【0042】
入力部56は、上タッチパネル11,12を有する他、キーボード、マウス、マイクロフォンなどにより構成される。出力部57は、ディスプレイ13,14を有する他、スピーカなどにより構成される。記憶部58は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。
【0043】
なお、本明細書における上タッチパネル11,12は、それぞれLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ13,14と一体化されて構成され、上記したように、ディスプレイ13,14に表示されたボタンなどを、上タッチパネル11,12をタッチすることで操作できるような構成とされている。すなわち、上タッチパネル11,12は、ユーザの指やペン等により触れられた画面の位置情報等の接触情報を検出し、ディスプレイ13,14は、所定の画像情報等を表示する構成とされている。
【0044】
通信部59は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ60は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア61を駆動する。
【0045】
以上のように構成される情報処理装置10においては、CPU51が、例えば、記憶部58に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース55及びバス54を介して、RAM53にロードして実行することにより、各種の処理が行われる。CPU51が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア61に記録して提供される。
【0046】
なお、パッケージメディアとしては、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどが用いられる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0047】
情報処理装置10においては、プログラムは、リムーバブルメディア61をドライブ60に装着することにより、入出力インタフェース55を介して、記憶部58にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部59で受信し、記憶部58にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM52や記憶部58に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0048】
なお、情報処理装置10が実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われる処理であっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0049】
図5は、CPU51の機能的構成例を示すブロック図である。CPU51は、判定部81、取得部82、記録部83、制御部84、および出力部85の機能ブロックを有している。なおCPU51の各ブロックは、必要に応じて相互に信号、データを授受することが可能とされている。
【0050】
判定部81は、各種の情報を判定する。例えば、上タッチパネル11が下タッチパネル12の方向に移動されている状態(閉じられている状態)であるか否かなどを判定する。取得部82は、各種の情報を取得する。例えば、上タッチパネル11からの接触情報を取得する。記録部83は、各種の情報を記録する。例えば、上タッチパネル11に設けられているセンサの値や、その値から算出された値を保持する。制御部84は、各種の制御処理を行う。出力部85は、各種の情報を出力する。
【0051】
図6は、情報処理装置10の制御に関連するソフトウェアの処理の概要を示す図である。ソフトウェアは、オペレーティングシステム91、およびアプリケーション92から構成され、制御部84により制御される。
【0052】
上タッチパネル11および下タッチパネル12は、検出された接触情報をオペレーティングシステム91に出力する。接触情報は、例えば、ユーザが触れた接触点ごとの位置情報、接触された順番を識別する情報(例えば、時刻情報またはID(Identification))等である。
【0053】
例えば、上タッチパネル11上にユーザの指が触れると、その触れた位置の座標が検出される。その検出された座標の座標値は、OS層のオペレーティングシステム91に上げられる。オペレーティングシステム91は、例えば、タッチパネルドライバを含む構成とされ、この場合、上タッチパネル11から供給された座標値を、アプリケーション92に上げる。
【0054】
アプリケーション92は、オペレーティングシステム91を介して供給された座標値から、その座標値に位置する、例えば、ボタンを判断する。その判断結果に応じた処理、例えば、操作されたと判断されたボタンが、アプリケーションを閉じるときに操作されるボタンであれば、アプリケーションを閉じるための処理を実行する。
【0055】
次に、上タッチパネル11、下タッチパネル12のセンサについて説明を加える。上タッチパネル11と下タッチパネル12は、ここでは、同一の大きさであり、同数のセンサを備えるとして説明を続けるが、異なる大きさ、異なる数のセンサを備える複数のタッチパネルであっても、本技術は適用できる。また、以下の説明では、上タッチパネル11を例にあげて説明し、下タッチパネル12については適宜説明を省略する。
【0056】
図7は、上タッチパネル11のセンサについて説明するための図である。図7に示すように、上タッチパネル11には、TX電極とRX電極が、規則正しく格子状に配置されている。図7に示した例では、TX電極が、00乃至09の10本配置され、RX電極が00乃至21の22本配置されている。このTX電極とRX電極の交点となるところが、センサの役割をしている。各交点のセンサの静電容量の変化が測定される。
【0057】
以下の説明においては、TX電極が“00”の電極を、TX電極00と記述し、RX電極が“00”の電極を、RX電極00と記述する。またTX電極00とRX電極00の交点を交点0000、又はセンサ0000(0000のうち、前の00はTX電極の番号を表し、後ろの00はRX電極の番号を表すとする)と記述する。
【0058】
センサの静電容量は、所定の周期毎に測定されており、ユーザの指が触れるなどして、押されると、静電容量が変化する。その変化したセンサの位置が、操作された位置であるとして検出される。例えば、交点0000に指が接した場合、交点0000の静電容量が変化する。そして、その変化が検出されることで、交点0000に指が接したと検出される。
【0059】
図8を参照し、さらに、上タッチパネル11における接触位置の検出について説明する。図8は、各交点に対して、静電容量より求められた評価値が算出され、その評価値を交点毎に示した図である。上側に付したRX電極の番号と、左側に付したTX電極の番号は、図7に示した図と同じく10進数での数値で表しているが、各交点の評価値は16進数での数値で表している。例えば、TX電極00とRX電極00の交点0000の評価値は71(16進数)であることが、図8から読み取れる。
【0060】
図8において、接触箇所101は、ユーザの指が触れている箇所である。この接触箇所101は、4つの交点にまたがっている。この4つの交点は、TX電極07とRX電極09の交点0709、TX電極07とRX電極10の交点0710、TX電極08とRX電極09の交点0809、およびTX電極08とRX電極10の交点0810である。
【0061】
この4つの交点の評価値は、90(16進数)以上の評価値であり、70(16進数)前後の他の評価値よりも値が高くなっている。このように、指が接している所の評価値は、他の評価値よりも高い値となる。このように、他の評価値よりも高い評価値を有する交点の位置が検出された場合、その位置に、指が接していると検出される。
【0062】
なお、ここでは、評価値が高くなると、指が接している位置であるとして検出されるとして説明するが、評価値の算出の仕方により、評価値が低くなると、指が接している位置であるとして検出されるように構成することも可能である。また、以下の説明においては、評価値を、適宜、センサの値と記述する。
【0063】
ところで、図2,3を参照して説明したように、情報処理装置10が閉じられるとき、領域21と領域22(図3B)が接近する可能性がある。領域21と領域22が接近すると、領域21内に存在するセンサと領域22内に存在するセンサのそれぞれの値が変化する。このようなことについて、再度、図9を参照して説明する。
【0064】
図9に示した情報処理装置10は、図3Bに示した情報処理装置10と同じであるが、図9に示した情報処理装置10には、図7に示したTX電極とRX電極を、上タッチパネル11上に図示してある。図9に示すように、上タッチパネル11内での下側に位置する所定本数のTX電極が、領域21に含まれる。図9に示した例では、領域21には、TX電極07乃至09の3本の電極が含まれ、そのTX電極と交差するRX電極の交点(センサ)が含まれる。
【0065】
図示はしないが、下タッチパネル12にも、上タッチパネル11と同じく、TX電極とRX電極が配設されており、下タッチパネル12内での上側の領域22にも、所定数の交点(センサ)が含まれている。
【0066】
この領域21内のセンサは、情報処理装置10が閉じられるときに、徐々に領域22と接し、反応してしまう。この反応することを利用し、閉じられようとしているために反応しているのか否かを判断し、閉じられようとしているために反応していると判断されるときには、その状態に適した処理が実行されるようにする。
【0067】
同様に、領域21内のセンサは、情報処理装置10が開けられるときに、徐々に領域22と接した状態から離れた状態に遷移し、その状態遷移に伴う反応を検出することができる。この反応することを利用し、開かれようとしているために反応しているのか否かを判断し、開かれようとしているために反応していると判断されるときには、その状態に適した処理が実行されるようにする。
【0068】
次に、領域21内のセンサが、どのように反応するのかについて、具体的な数値をあげながら説明する。まず図10を参照し、センサの値を例示する角度について説明する。図10Aは、上タッチパネル11と下タッチパネル12が180度の相対位置にある状態を示す。図10Bは、上タッチパネル11と下タッチパネル12が90度の相対位置にある状態を示す。図10Cは、上タッチパネル11と下タッチパネル12が75度の相対位置にある状態を示す。
【0069】
図10Dは、上タッチパネル11と下タッチパネル12が60度の相対位置にある状態を示す。図10Eは、上タッチパネル11と下タッチパネル12が45度の相対位置にある状態を示す。図10Fは、上タッチパネル11と下タッチパネル12が30度の相対位置にある状態を示す。図10Gは、上タッチパネル11と下タッチパネル12が15度の相対位置にある状態を示す。図10Hは、上タッチパネル11と下タッチパネル12が0度の相対位置にある状態(閉じられた状態)を示す。
【0070】
図10Aに示した180度開いた状態は、通常、ユーザが上タッチパネル11や下タッチパネル12を操作する状態である。また、領域21や領域22のセンサは、閉じられる動作に伴う反応はしない状態である。例えば、このような180度開かれた状態から、情報処理装置10が閉じられると、90度、75度、60度、45度、30度、15度、0度の状態に、徐々に状態が遷移する。
【0071】
90度から0度に状態が遷移するときに、その角度に応じて、領域21内のセンサの値が変化する。その変化の一例を図11に示す。ここでは、領域21内の一番下に位置するセンサ、すなわち、TX電極09上に位置するセンサの値を例にあげて説明するが、領域21内の他のセンサを用いても良い。なお、情報処理装置10自体が上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角を計測する機能を有している必要はなく、ここでは、説明のために計測した角度を記載してある。
【0072】
図11を参照するに、90度のときのTX電極09とRX電極00乃至21との交点のセンサの値は、その順に、“61 62 77 62 69 74 5a 68 6b 5a 5d 60 5f 6a 60 63 67 6a 64 6a 6a 4f”となっていた。図11に示したこれらの値は、16進数で表している。
【0073】
この90度の状態から、さらに、15度だけ閉じた状態、すなわち、75度の状態になると、TX電極09とRX電極00乃至21との交点のセンサの値は、その順に、“64 62 78 63 68 75 5b 67 6c 5b 5c 60 5d 6a 62 64 66 6a 65 69 6a 50”と変化する。
【0074】
75度の状態から、さらに15度閉じられた状態に遷移し、60度の状態になると、TX電極09とRX電極00乃至21との交点のセンサの値は、その順に、“65 62 79 64 69 75 5c 68 6d 5c 5e 62 5f 6c 63 66 68 6b 66 6a 6c 51”と変化する。
【0075】
60度の状態から、さらに15度閉じられた状態に遷移し、45度の状態になると、TX電極09とRX電極00乃至21との交点のセンサの値は、その順に、“65 65 7a 66 6a 77 5e 6a 6e 5e 5f 65 60 6d 64 68 6a 6c 68 6d 6c 52”と変化する。
【0076】
45度の状態から、さらに15度閉じられた状態に遷移し、30度の状態になると、TX電極09とRX電極00乃至21との交点のセンサの値は、その順に、“67 67 7c 69 6c 78 61 6c 71 61 62 69 63 70 66 6b 6c 6f 6a 6e 6e 53”と変化する。
【0077】
30度の状態から、さらに15度閉じられた状態に遷移し、15度の状態になると、TX電極09とRX電極00乃至21との交点のセンサの値は、その順に、“6b 6a 81 6c 71 7d 65 71 76 65 66 6d 69 76 6c 6f 71 74 6e 73 73 58”と変化する。
【0078】
15度の状態から、さらに15度閉じられた状態に遷移し、0度の状態(閉じられた状態)になると、TX電極09とRX電極00乃至21との交点のセンサの値は、その順に、“79 76 90 7c 7f 8d 75 80 86 75 75 7f 7a 87 7c 80 7f 84 7e 80 82 68”と変化する。
【0079】
このように、センサの値が角度に応じて変化する。図12に、隣接する角度におけるセンサの値の差分値を示す。図12に示した差分値は、10進数で記載している。
【0080】
図12を参照するに、90度から75度に上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が変化したときの差分値は、75度のときのセンサの値から90度のときのセンサの値を減算して、RX電極00乃至21の順に記載すると、“03 00 01 01 -1 01 01 -1 01 01 -1 00 -2 00 02 01 -1 00 01 -1 00 01”となる。この場合、値が増加したセンサの数は、11個であり、値が変わらないセンサの数は、5個であり、値が減少したセンサの数は、6個である。また差分値を合計した値は、7となる。
【0081】
75度から60度に上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が変化したときの差分値は、60度のときのセンサの値から75度のときのセンサの値を減算して、RX電極00乃至21の順に記載すると、“01 00 01 01 01 00 01 01 01 01 02 02 02 02 01 02 02 01 01 01 02 01”となる。この場合、値が増加したセンサの数は、20個であり、値が変わらないセンサの数は、2個であり、値が減少したセンサの数は、0個である。また差分値を合計した値は、27となる。
【0082】
60度から45度に上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が変化したときの差分値は、45度のときのセンサの値から60度のときのセンサの値を減算して、RX電極00乃至21の順に記載すると、“00 03 01 02 01 02 02 02 02 02 01 03 01 01 01 02 02 01 02 01 00 01”となる。この場合、値が増加したセンサの数は、20個であり、値が変わらないセンサの数は、2個であり、値が減少したセンサの数は、0個である。また差分値を合計した値は、34となる。
【0083】
45度から30度に上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が変化したときの差分値は、30度のときのセンサの値から45度のときのセンサの値を減算して、RX電極00乃至21の順に記載すると、“02 02 02 03 02 01 03 02 03 03 03 04 03 03 02 03 02 03 02 01 02 00”となる。この場合、値が増加したセンサの数は、21個であり、値が変わらないセンサの数は、1個であり、値が減少したセンサの数は、0個である。また差分値を合計した値は、52となる。
【0084】
30度から15度に上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が変化したときの差分値は、15度のときのセンサの値から30度のときのセンサの値を減算して、RX電極00乃至21の順に記載すると、“04 03 05 03 05 05 04 05 05 04 04 04 06 06 06 04 05 05 04 05 05 05”となる。この場合、値が増加したセンサの数は、22個であり、値が変わらないセンサの数と値が減少したセンサの数は、0個である。また差分値を合計した値は、102となる。
【0085】
15度から0度に上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が変化したときの差分値は、0度のときのセンサの値から15度のときのセンサの値を減算して、RX電極00乃至21の順に記載すると、“14 12 15 16 14 16 16 15 16 16 15 18 17 17 16 17 14 16 16 13 15 16”となる。この場合、値が増加したセンサの数は、22個であり、値が変わらないセンサの数と値が減少したセンサの数は、0個である。また差分値を合計した値は、340となる。
【0086】
このように、センサの値は、上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が徐々に小さくなると、徐々に大きくなる傾向にある。まず、値が増加したセンサの数は、11→20→20→21→22→22と変化している。このように、上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が徐々に小さくなると、値が増加するセンサの数は増える。そして、差分値の合計は、7→27→34→52→102→340と変化している。このように、上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が徐々に小さくなると、センサの値の差分値の合計の値は増加する。
【0087】
このように、センサの値が増加することを利用し、上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が小さくなる状態に遷移する、すなわち閉じられる方向に動作しているということを検出することができる。
【0088】
上記したように、閉じられるときには、センサの値が増加するが、開けられるときには、センサの値が減少する。よって、センサの値が減少することを利用し、上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が大きくなる状態に遷移する、すなわち開けられる方向に動作しているということを検出することができる。
【0089】
ただし、以下に説明するように、指が接しているためにセンサの値が増加している場合と区別する必要があるため、単に、センサの値が増加したことで、上タッチパネル11が閉じられる方向に動作し、減少したことで、上タッチパネル11が開けられる方向に動作しているとは判断できない。
【0090】
ここでは、所定の角度のときのセンサの値を例示したが、情報処理装置10に角度を検出する機能が無ければ、所定の角度のときに、センサの値を取得し、差分値を算出することはできない。しかしながら、タッチパネルは、所定の間隔毎に、センサの値を取得しているため、その所定の間隔毎に得られるセンサの値の差分値を算出することはできる。よって、ここでは説明の都合上、所定の角度と、その所定の角度のときに得られるセンサの値を用いて検出が行われるとして説明を続けるが、所定の間隔で得られるセンサの値を用いて検出が行われるように構成することも勿論可能である。
【0091】
なお、ここでは、閉じられるときにセンサの値が増加し、開かれるときにセンサの値が減少するとして説明をするが、タッチパネルのファームウェア(Firm Ware)の作り次第によっては、閉じられるときにセンサの値が減少し、開かれるときにセンサの値が増加する場合もある。このような作りであっても、本技術を適用できることは言うまでもない。
【0092】
次に、上タッチパネル11が閉じられる又は開かれると判断されるときの条件、換言すれば、上タッチパネル11の開閉動作が行われたことを検出するための条件について説明する。まず閉じられると判断されるときの条件について説明する。条件として、以下の4つの条件がある。
【0093】
条件1 各センサの前回の検出値との差分値が増加しているセンサの数が、多くなっている。
条件2 差分値の合計が、連続して増加している。
条件3 各センサの前回の検出値との差分値に、各センサでばらつきがない。
条件4 各センサの前回の検出値との差分値が増加しているセンサが、一定割合になっている。
【0094】
条件1は、上記したように、値が増加したセンサの数が、11→20→20→21→22→22と変化しているような場合である。差分値が増加しているセンサの数が多くなっているということは、そのラインに他方の面が接近している状態であると判断できる。
【0095】
条件2は、上記したように、差分値の合計が、7→27→34→52→102→340と変化しているような場合である。差分値の合計が増加しているということは、徐々に加えられている力が大きくなっている状態であると判断できる。
【0096】
条件1と条件2は、センサからの値が増加傾向の変化であるか、減少傾向の変化であるかを判断することで、開閉動作を検出するための条件である。
【0097】
また、センサからの値が増加傾向の変化であるか、減少傾向の変化であるかは、条件1においては、センサの値が増加しているセンサの数が多くなっているかを判断することで、増加傾向の変化であるか否かの判断をし、センサの値が減少しているセンサの数が多くなっているかを判断することで、減少傾向の変化であるか否かの判断をすることを意味する。
【0098】
また、センサからの値が増加傾向の変化であるか、減少傾向の変化であるかは、条件2においては、センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の値とその次のタイミングで取得された第2の値との差分値を算出し、算出された差分値の合計をさらに算出し、その合計の値が、増加傾向にあるか、減少傾向にあるかを判断することを意味する。
【0099】
条件3、条件4について、図13を参照して説明する。図13は、上タッチパネル11上に、指が接している状態を示している。図13に示した状態は、指151、指152、および指153の3本の指が、上タッチパネル11に接している状態である。この状態は、例えば、マルチタッチによる操作が実行されたときなどに起こりうる状態である。マルチタッチとは、タッチパネルの複数のポイントに同時に触れて所定の操作を実行する技術である。
【0100】
上タッチパネル11上の所定のセンサを、センサ161乃至167とする。指151は、センサ162に接し、指152は、センサ164に接し、指153は、センサ166に接している。指が接しているセンサ162、センサ164、およびセンサ166は、指が接していないセンサ161、センサ163、センサ165、およびセンサ167よりも大きな値を示す。
【0101】
よって、指が接する前と後のセンサの値の差分を算出した場合、センサ162、センサ164、およびセンサ166の差分値は大きくなるが、センサ161、センサ163、センサ165、およびセンサ167の差分値は変化しない。このように、仮に隣接するセンサ同士であっても、指が接しているセンサと指が接していないセンサとでは、差分値の大きさに大きな差がある。このように、指が接している状態の場合、各センサにおける差分値の大きさにはばらつきがある。
【0102】
一方で、閉じられる状態のときは、均一ではないが、ある程度均一に力が加わるため、領域21内の所定のTX電極上のセンサにおける差分値の大きさには、あまりばらつきがない。再度図12を参照するに、例えば、0度―15度のときの差分値の最大値は、18であり、最小値は、12であり、その差は、6(=18−12)である。図示はしないが、指が触れられているなどのときには、センサの値の差分値のばらつきが大きくなるため、この差分値の最大値と最小値の差分値も大きな値となる。
【0103】
このようなことから、条件3として、“各センサの前回の検出値との差分値に、各センサでばらつきがない”という条件が挙げられ、この条件3が満たされるとき、指が接触することによりセンサの差分値が大きくなったのではないと判断することができる。換言すれば、差分値のばらつきが大きい場合、特定のラインのセンサ上に指が複数接している可能性が高いため、そのようなときには、閉じられている動作に伴う差分値の変化ではないと判断できるように、条件3が設けられている。
【0104】
条件3が満たされるか否かは、フローチャートを算出して後述するように、センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の値とその次のタイミングで取得された第2の値との差分値を算出し、最大の差分値と最小の差分値の差をさらに算出し、その差が、所定の範囲内であるか否かを判断することで判断される。
【0105】
条件4について説明する。差分値が増加したセンサが1箇所や2箇所では指と区別ができない可能性がある。図13に示した状態のように、3本の指が上タッチパネル11に接している状態であり、センサが7個だけある状態を考える。この場合、指が接することにより、センサの値が増加するのは7個のセンサのうち3個のセンサである。この場合、割合としては、3/7となる。
【0106】
仮に、2本の指が接しているときには、その割合は2/7となり、1本の指が接しているときには、その割合は、1/7となる。仮に、5本の指が、同一ライン上に置かれたとしても、その割合は、5/7である。よって、この5/7以下の割合であれば、指が同一ライン上に置かれている可能性もあるが、5/7以上の割合であれば、指が同一ライン上に置かれている可能性を排除できる。よって、条件4として、“各センサの前回の検出値との差分値が増加しているセンサが、一定割合になっている”という条件を設ける。
【0107】
この一定割合は、種々の条件を加味して決定される。例えば、人の指の大きさはまちまちであり、1本の指で1つのセンサに接触する指の大きさである場合や、1本の指で2つのセンサに接触する指の大きさである場合もある。また、図13に示したように、1つのセンサの大きさも、1本の指の大きさに対応していない場合もある。このような種々の条件が加味されて、条件4における割合(閾値)が設定される。
【0108】
条件4が満たされるか否かは、フローチャートを算出して後述するように、センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の値とその次のタイミングで取得された第2の値との差分値を算出し、その差分値が増加または減少しているセンサの数が、所定の値(閾値)以上であるか否かを判断することで判断される。
【0109】
これらの条件1乃至4が満たされるとき、上タッチパネル11が閉じられようとしている状態であると判断される。なお以下の説明においては、この4つの条件が満たされるとき、上タッチパネル11が閉じられようとしている状態であると判断されるとして説明を続けるが、必ずしも4つの条件が満たされるように設計されることを意味する記載ではない。例えば、4つの条件のうちの1つの条件のみが満たされれば、上タッチパネル11が閉じられようとしている状態であると判断されるように構成することも可能である。
【0110】
また、4つの条件のうちの2つ、または3つの条件が満たされるときに、上タッチパネル11が閉じられようとしている状態であると判断されるように構成することも可能である。また、条件として、4つの条件が設定されているのではなく、1つの条件のみが設定されている、2つの条件が設定されている、3つの条件が設定されているといった構成とすることも可能である。
【0111】
上タッチパネル11が開かれようとしている状態であると判断されるための条件は、以下の4つの条件である。閉じられようとしている状態であると判断されるための条件と区別をつけるために、ダッシュを付して記述する。
【0112】
条件1’ 各センサの前回の検出値との差分値が減少しているセンサの数が、多くなっている。
条件2’ 差分値の合計が、連続して減少している。
条件3’ 各センサの前回の検出値との差分値に、各センサでばらつきがない。
条件4’ 各センサの前回の検出値との差分値が減少しているセンサが、一定割合になっている。
【0113】
条件1’は、条件1とは逆の関係に条件であり、差分値が減少しているセンサ数の数が多くなったときに、開かれようとしている状態であると判断するための条件である。条件2’も、条件2とは逆の関係にある条件であり、差分値の合計が連続して減少しているときに、開かれようとしている状態であると判断するための条件である。
【0114】
条件3’は、条件3と同じ条件である。条件3’は、指が触れている状態と、開かれようとしている状態とを判別するための条件であり、この条件は、指が触れている状態と、閉じられようとしている状態とを判別するための条件、すなわち、条件3と同様の条件とすることができる。
【0115】
条件4’は、条件4とは逆の関係に条件であり、各センサの前回の検出値との差分値が減少しているセンサが、一定割合になっているときに、指が触れている状態と、開かれようとしている状態とを判別するための条件である。
【0116】
[開閉動作監視処理について]
次に、上記した条件1乃至4(1’乃至4’)に基づき情報処理装置10の上タッチパネル11が開かれようとしている状態であるか、閉められようとしている状態であるのかを判断する開閉動作監視に関する処理について、図14、図15のフローチャートを参照して説明する。
【0117】
以下に説明する開閉動作監視に関する処理は、少なくとも2面を有し、2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置に対して適用できる処理である。ここでは2面を、上タッチパネル11と下タッチパネル12として説明をする。また2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化するとは、上タッチパネル11と下タッチパネル12がなす角が、例えば、0度から90度の範囲で変化する例を挙げて説明する。
【0118】
また、以下に説明する開閉動作監視に関する処理は、2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数のセンサの値の変化から、2面の相対位置が変化したことを検出する処理である。すなわち、上タッチパネル11または下タッチパネル12のうちのどちらか一方、または両方が、領域21又は領域22に含まれるセンサの値を用いて、その値の変化から上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が変化したことを検出する処理である。
【0119】
以下に説明する開閉動作監視に係る処理は、上タッチパネル11と下タッチパネル12の少なくとも一方のタッチパネルが行う。
【0120】
ステップS11において、サンプリング周波数毎に、上タッチパネル11と下タッチパネル12の全センサの各値が取得され、保持される。この処理は、通常、上タッチパネル11,12のどの部分が操作されたか(指が触れたか)を検出するために、所定の周期で行われる処理である。
【0121】
ステップS12において、保持されている全センサの値から、比較する最後のラインの各センサの値が取得される。ここでは、上記してきたように、上タッチパネル11の領域21内のTX電極09のライン上に存在するセンサの値が取得されるとして説明を続ける。
【0122】
ステップS13において、前回の取得値と今回の取得値との差分が求められる。図10乃至12を参照して説明したように、例えば、ステップS12において、45度のときのセンサの値が取得され、その前の時点での取得値が、60度のときのセンサの値である場合、60度のときのセンサの値から、45度のときのセンサの値が減算されることで、各センサの差分値が算出される。
【0123】
ステップS14において、処理対象とされているiのセンサの差分値がプラス(+)の値であるか否かが判断される。iは、この場合、RX電極の数を示し、00乃至21の値をとる。ステップS14において、iのセンサの差分値がプラスの値であると判断された場合、ステップS15に処理が進められる。
【0124】
ステップS15において、「差分値が+のセンサ数」を+1だけ増加させる。この「差分値が+のセンサ数」とは、「閉じる」という動作の場合、各センサの値が前回の取得された値と比較して増加するため、いくつのセンサで値が変化しているかを保存するためのパラメータである。また、「差分値が+のセンサ数」は、閉じられようとしている状態であるか否かを判断するためにカウントされ、上述した条件1を満たすか否かを判断するためにカウントされている。
【0125】
そして、ステップS16において、iがラインのセンサの最後であるか否かが判断される。この場合、iが21になった時点で、YESと判断され、21以下であれば、NOと判断される。ステップS16において、NOと判断された場合、ステップS13に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。一方、ステップS16において、YESと判断された場合、ステップS19に処理が進められる。
【0126】
一方、ステップS14において、iのセンサの差分値が+の値ではないと判断された場合、ステップS17に処理が進められる。ステップS17において、iのセンサの差分値は、マイナス(−)の値であるか否かが判断される。ステップS17において、iのセンサの差分値は、マイナス(−)の値であると判断された場合、ステップS18に処理が進められる。
【0127】
ステップS18において、「差分値が−のセンサ数」を1だけ増加させる。この「差分値が−のセンサ数」とは、「開く」という動作の場合、各センサの値が前回の取得された値と比較して減少するため、いくつのセンサで値が変化しているかを保存するためのパラメータである。「差分値が−のセンサ数」は、開かれようとしている状態であるか否かを判断するためにカウントされ、上述した条件1’を満たすか否かを判断するためにカウントされている。カウントが終了されると、処理は、ステップS16に進められる。
【0128】
一方、ステップS17において、iのセンサの差分値は、マイナスの値ではないと判断された場合も、ステップS16に処理が進められる。この場合、iのセンサの差分値は、プラスでも、マイナスでもない値であると判断された場合であり、0と判断されたときである。
【0129】
ステップS16において、上記したように、iがラインのセンサの最後ではないと判断された場合には、ステップS13に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返され、最後であると判断された場合には、ステップS19に処理が進められる。
【0130】
ステップS19において、差分値の最大値と最小値が求められる。そして、ステップS20において、最大値から最小値を減算した値が、最大最小の一定範囲内であるか否かが判断される。この判断は、条件3または条件3’が満たされるか否かを判断するための処理である。
【0131】
最大最小の一定範囲内とは、差分値にばらつきがある場合、上記したように、「閉じる/開く」動作ではなく、指が触れられた動作であると判断することができ、予め差分値の最大と最小がいくつ以内になっていれば、指ではないと認識できるようにするために設定されている値である。この値は、例えば、設計時に設計者により設定される。
【0132】
ステップS20において、最大値から最小値を減算した値が、最大最小の一定範囲内ではないと判断された場合、ステップS21に処理が進められる。この場合、指が触れることでセンサの値が変化した可能性が高いと判断されたことになるため、ステップS21において、カウントされた「差分が+のセンサ数」と「差分が−のセンサ数」が、それぞれ0にリセットされる。そして、ステップS11に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0133】
一方、ステップS20において、最大値から最小値を減算した値が、最大最小の一定範囲内であると判断された場合、すなわち、条件3(条件3’)が満たされると判断された場合、ステップS22に処理が進められる。
【0134】
ステップS22において、「差分が+のセンサ数」が一定割合を超えているか否かが判断される。このステップS22における判断は、条件4が満たされるか否かの判断である。「差分が+のセンサ数」が一定割合を超えているとは、いくつかのセンサの値が増加していれば、「閉じる」動作であるかを識別するために設けられた閾値であり、例えば、設計時に設計者により設定された値である。
【0135】
ステップS22において、「差分が+のセンサ数」が一定割合を超えてはいないと判断された場合、ステップS23に処理が進められる。ステップS23において、「差分が−のセンサ数」が一定割合を超えているか否かが判断される。このステップS23における判断は、条件4’が満たされるか否かの判断である。また「差分が−のセンサ数」が一定割合を超えているとは、いくつかのセンサの値が減少していれば、「開く」動作であるかを識別するために設けられた閾値であり、例えば、設計時に設計者により設定された値である。
【0136】
ステップS23において、「差分が−のセンサ数」が一定割合を超えていないと判断された場合、ステップS21に処理が進められる。この場合、条件4および条件4’が満たされないと判断された場合であるため、指が触れたことによりセンサの値の変化した可能性が高いと判断されたことになる。よってステップS21において、カウントされた「差分が+のセンサ数」と「差分が−のセンサ数」が、それぞれ0にリセットされる。そして、ステップS11に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0137】
一方、ステップS22において、「差分が+のセンサ数」が一定割合を超えていると判断された場合、ステップS24(図15)に処理が進められる。この場合、条件4が満たされたと判断されたので、閉じられようとしている状態である可能性がある。そこで、ステップS24において、差分値の合計が計算される。差分値の合計が算出されると、ステップS25において、差分値の合計が、前回の差分値の合計と比較して、増加しているか否かが判断され、連続して増えているか否かが判断される。
【0138】
このステップS25における判断は、条件2が満たされるか否かを判断するための処理である。ステップS25において、連続して差分値の合計が増加していると判断された場合、すなわち、条件2が満たされると判断された場合、ステップS26に処理が進められる。
【0139】
ステップS26において、「増加比較実行回数」が1だけ増加され、「減少比較実行回数」が0に設定される。この「増加比較実行回数」、「減少比較実行回数」は、何回連続して増加または減少しているかを保存するためのパラメータである。
【0140】
ステップS27に処理が進められると、「増加比較実行回数」が比較指定回数に達したか否かが判断される。比較指定回数とは、何回連続して増加または減少していれば、「閉じる」または「開く」動作であると判断するかを決める閾値であり、例えば、設計時に設計者により設定された値である。
【0141】
例えば、1回だけ連続して差分値の合計が増加したと判断された場合に、閉じられようとしている状態であると判断してしまうと、誤判断になる可能性がある。そこで、所定の回数、連続して差分値の合計が増加したと判断された場合に、閉じられようとしている状態であると判断されるように、ステップS27の処理が設けられている。また、比較指定回数は、誤検出とならない最小の値が設定されることが好ましい。
【0142】
ステップS27において、「増加比較実行回数」が比較指定回数に達したと判断された場合、ステップS28に処理が進められる。ステップS28において、「閉じる」動作が検出されたという判断結果が出される。この判断結果に対応した処理が行われるが、その処理については、後述するとし、先に、フローチャートの説明を続ける。
【0143】
一方、ステップS27において、「増加比較実行回数」が比較指定回数に達してはいないと判断された場合、ステップS11(図14)に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、比較指定回数になるまで、処理が繰り返される。
【0144】
一方、ステップS25において、差分値の合計は連続して増えていないと判断された場合、換言すれば、指で上タッチパネル11が操作された可能性が高いと判断された場合、ステップS29に処理が進められる。ステップS29において、「増加比較実行回数」と「減少比較実行回数」が、ともに、0にリセットされる。そして、処理は、ステップS11(図14)に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0145】
このようにして、上タッチパネル11が閉じられようとしている状態が検出される。
【0146】
一方、ステップS23(図14)において、「差分値が−のセンサ数」が一定割合を超えていると判断された場合、ステップS30(図15)に処理が進められる。この場合、条件4’が満たされたと判断されたので、開かれようとしている状態である可能性がある。そこで、ステップS30において、差分値の合計が計算される。差分値の合計が算出されると、ステップS31において、差分値の合計が、前回の差分値の合計と比較して、減少しているか否かが判断され、連続して減少しているか否かが判断される。
【0147】
このステップS31における判断は、条件2’が満たされるか否かを判断するための処理である。ステップS31において、連続して差分値の合計が減少していると判断された場合、すなわち、条件2’が満たされると判断された場合、ステップS32に処理が進められる。
【0148】
ステップS32において、「減少比較実行回数」が1だけ増加され、「増加比較実行回数」が0に設定される。そして、ステップS33に処理が進められ、「減少比較実行回数」が比較指定回数に達したか否かが判断される。このステップS33も、ステップS27と同じく、例えば、1回だけ連続して差分値の合計が減少したと判断された場合に、開かれようとしている状態であると判断してしまうと、誤判断になる可能性があるため、所定の回数、連続して差分値の合計が減少したと判断された場合に、開かれようとしている状態であると判断されるように、ステップS33の処理が設けられている。
【0149】
ステップS33において、「減少比較実行回数」が比較指定回数に達したと判断された場合、ステップS34に処理が進められる。ステップS34において、「開く」動作が検出されたという判断結果が出される。この判断結果に対応した処理が行われるが、その処理については、後述するとし、先に、フローチャートの説明を続ける。
【0150】
一方、ステップS33において、「減少比較実行回数」が比較指定回数に達してはいないと判断された場合、ステップS11(図14)に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、比較指定回数になるまで、処理が繰り返される。
【0151】
一方、ステップS31において、差分値の合計は連続して減少していないと判断された場合、換言すれば、指で上タッチパネル11が操作された可能性が高いと判断された場合、ステップS35に処理が進められる。ステップS35において、「増加比較実行回数」と「減少比較実行回数」が、ともに、0にリセットされる。そして、処理は、ステップS11(図14)に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0152】
このようにして、上タッチパネル11が開かれようとしている状態が検出される。
【0153】
[開閉が検出されたときの処理について]
次に、上記した処理により、上タッチパネル11が、閉じられようとしている、または開けられようとしている状態が検出されたときの処理について説明する。ここで、再度図6を参照する。また以下の説明においては、座標値を上に通知することをイベントと称する。
【0154】
上タッチパネル11または下タッチパネル12において、上記した処理が実行されることにより、閉じられようとしている状態が検出された場合、イベントによる座標値を、アプリケーション92まで上げないことで、アプリケーション92が誤動作してしまうことを防ぐことが可能である。
【0155】
上タッチパネル11または下タッチパネル12において、上記した処理が実行されることにより、開かれようとしている状態が検出された場合、イベントによる座標値を、アプリケーション92まで上げることを再開することで、再度、上タッチパネル11と下タッチパネル12による操作が可能な状態とされる。
【0156】
このように、閉じられようとしている状態が検出された場合には、アプリケーション92までイベントを上げない、開かれようとしている状態が検出された場合には、アプリケーション92までイベントを上げることを再開するといった処理が行われる。このような処理を実行する4つの方法について説明する。
【0157】
方法1は、上タッチパネル11だけが監視作業を行う。そして、閉じるまたは開くといった動作が検出されたら、下タッチパネル12にもそのことが通知され、イベントの出力または停止が行われるようにする。方法1は、タッチパネルよりも上に、イベントを上げない方法である。上タッチパネル11ではなく、下タッチパネル12だけで監視作業を行うようにしても良い。
【0158】
方法2は、上タッチパネル11および下タッチパネル12の両方で、監視作業を行う。そして、どちらか一方のタッチパネルで、閉じるまたは開くといった動作が検出されたら、他方のタッチパネルにもそのことが通知され、イベントの出力または停止が行われるようにする。方法2も、タッチパネルよりも上に、イベントを上げない方法である。
【0159】
方法3は、方法1と同じく上タッチパネル11だけが監視作業を行う。そして、閉じるまたは開くといった動作が検出されたら、オペレーティングシステム91にそのことが通知され、オペレーティングシステム91により、アプリケーション92にイベントが出力されたり、または停止されたりするようにする。方法3は、オペレーティングシステム91よりも上に、イベントを上げない方法である。上タッチパネル11ではなく、下タッチパネル12だけで監視作業を行うようにしても良い。
【0160】
方法4は、方法2と同じく上タッチパネル11および下タッチパネル12の両方で、監視作業を行う。そして、どちらか一方のタッチパネルで、閉じるまたは開くといった動作が検出されたら、オペレーティングシステム91にそのことが通知され、オペレーティングシステム91により、アプリケーション92にイベントが出力されたり、または停止されたりするようにする。方法4も、オペレーティングシステム91よりも上に、イベントを上げない方法である。
【0161】
方法1は、方法2に比べて、検出速度が落ちる可能性があるが、一方のタッチパネルだけで監視作業を行うことで、計算量を減らすことができる。方法2は、方法1に比べて、検出速度を上げることが可能である。
【0162】
方法1または方法2のどちらかの方法が適用される。または、方法1と方法2が組み合わされて適用されてもよい。組み合わされて適用される場合、例えば、情報処理装置10の使用が開始された当初は方法2が適用され、所定の時間が経過後に方法1に適用が切り換えられるようにしても良い。方法2が適用されている間に、上タッチパネル11と下タッチパネル12のどちらかが、所定の回数、連続して検出した場合、その連続して検出したタッチパネルのみで監視作業を行う方法1に、適用が切り替えられるようにしても良い。
【0163】
方法3は、方法4に比べて、検出速度が落ちる可能性があるが、一方のタッチパネルだけで監視作業を行うことで、計算量を減らすことができる。方法4は、方法3に比べて、検出速度を上げることが可能である。
【0164】
方法1と方法2の関係と同じく、方法3と方法4のどちらかの方法が適用される。または、方法3と方法4が組み合わされて適用されてもよい。例えば、情報処理装置10の使用が開始された当初は方法4が適用され、所定の時間が経過後に方法3に適用が切り換えられるようにしても良い。方法4が適用されている間に、上タッチパネル11と下タッチパネル12のどちらかが、所定の回数、連続して検出した場合、その連続して検出したタッチパネルのみで監視作業を行う方法3に、適用が切り替えられるようにしても良い。
【0165】
[方法1による処理について]
まず、方法1による処理ついて説明する。ここでは、上タッチパネル11が監視作業を行うとして説明する。方法1は、上タッチパネル11で開閉動作監視を行い、開閉が検出されると、下タッチパネル12に通知を出し、上タッチパネル11と下タッチパネル12は、それぞれイベントの出力の再開、または停止を行う。よって、上タッチパネル11と下タッチパネル12が、それぞれ処理を行うため、上タッチパネル11が行う処理を、図16のフローチャートを参照して説明し、下タッチパネル12が行う処理を、図17のフローチャートを参照して説明する。
【0166】
図16は、上タッチパネル11が行う処理について説明するためのフローチャートである。ステップS101において、開閉動作監視が実行される。このステップS101における処理は、図14、図15に示したフローチャートの処理が実行されることを意味する。開閉動作監視が行われることで、上タッチパネル11が閉じられようとしている状態、または開けられようとしている状態が検出される。そのような検出がされたか否かが、ステップS102において判断される。
【0167】
ステップS102において、閉じるまたは開くといった動作は検出されていないと判断された場合、ステップS101に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0168】
一方、ステップS102において、閉じるまたは開くといった動作が検出されたと判断された場合、ステップS103に処理が進められる。ステップS103において、上タッチパネル11から下タッチパネル12に、閉じるまたは開くといった動作が検出されたという通知が出される。この通知を受け取った下タッチパネル12の処理については、図17のフローチャートを参照して後述する。
【0169】
ステップS103において、下タッチパネル12に対する通知が行われる一方で、ステップS104において、「閉じる」という動作が検出されたのか否かが判断される。ステップS104において、「閉じる」という動作が検出されたと判断された場合、ステップS105に処理が進められる。ステップS105において、オペレーティングシステム91にイベントを上げている状態であるか否かが判断される。
【0170】
ステップS105において、イベントを上げている状態であると判断された場合、ステップS106に処理が進められ、イベントをオペレーティングシステム91に上げることが止められる。
【0171】
このように、上タッチパネル11からオペレーティングシステム91にイベントが上げられている状態のときに、閉じられようとしている状態が検出された場合、オペレーティングシステム91へイベントを上げるという動作が停止される。
【0172】
一方、ステップS105においてイベントを上げていないと判断された場合、既にイベントが上げられることが停止されている状態であると判断できるため、処理は、ステップS101に戻され、次の検出に対する処理に移行する。このように、オペレーティングシステム91にイベントが上げられない状態にされることで、オペレーティングシステム91よりも上にあるアプリケーション92にイベントが上げられず、閉じられる状態のときに、仮に上タッチパネル11に指などが触れたとしても、そのことによる誤動作が発生するようなことを防ぐことが可能となる。
【0173】
一方、ステップS104において、「閉じる」という動作が検出されたのではないと判断された場合、ステップS107に処理が進められる。この場合、「閉じる」動作ではないので、「開く」動作が検出されたことになる。このように「開く」という動作が検出されたと判断された場合、ステップS107において、イベントをオペレーティングシステム91に上げていない状態であるか否かが判断される。
【0174】
ステップS107において、イベントをオペレーティングシステム91に上げていない状態であると判断された場合、ステップS107に処理が進められ、イベントをオペレーティングシステム91に上げる動作が再開される。
【0175】
このように、上タッチパネル11からオペレーティングシステム91にイベントが上げられていない状態のときに、開かれようとしている状態が検出された場合、オペレーティングシステム91へイベントを上げるという動作が再開される。よって、ユーザが上タッチパネル11を所望の角度まで開いたときには、既に上タッチパネル11からのイベントを、アプリケーション92が受け付ける状態にしておくことができる。よって、即座にユーザからの操作を受け付け、処理を開始することができる。
【0176】
一方、ステップS107において、イベントをオペレーティングシステム91に上げている状態であると判断された場合、既にイベントが上げられるという状態が再開されている状態であると判断できるため、処理は、ステップS101に戻され、次の検出に対する処理に移行する。
【0177】
開閉動作監視を行っている上タッチパネル11においては、このような処理が実行される。そして、上タッチパネル11から通知を受けた下タッチパネル12は、図17に示したフローチャートの処理を実行する。
【0178】
ステップS131において、下タッチパネル12は、上タッチパネル11からの通知を受け取り、その内容を確認する。その確認の結果を用いて、ステップS132において、「閉じる」という動作が検出されたのか否かが判断される。このステップS132以降の処理は、上述したステップS104以降の処理と同様に行われるため、その詳細な説明は省略する。
【0179】
すなわち、下タッチパネル12は、開閉動作監視を行わないが、その監視結果の供給を、上タッチパネル11から受け、上タッチパネル11と同じく、オペレーティングシステム91にイベントを上げるまたは止めるといった処理を行う。
【0180】
図16、図17を参照して説明した処理は、上タッチパネル11と下タッチパネル12で構成される2面のうち、少なくとも一方のタッチパネルが、開閉動作監視を行い、開閉動作監視を行っているタッチパネルにより、2面の相対位置の変化が検出された場合、他方のタッチパネルに検出されたことを示す通知を出す処理を含む。そして、そのような通知が出された後、2つのタッチパネルは、それぞれ、オペレーティングシステム91に対してイベントを上げている場合、オペレーティングシステム91へのイベントを止め、オペレーティングシステム91に対してイベントを上げていない場合、オペレーティングシステム91へのイベントを上げる処理を含む。
【0181】
なお、下タッチパネル12が開閉動作監視を行う場合、図16に示したフローチャートの処理を、下タッチパネル12が行い、図17に示したフローチャートの処理を、上タッチパネル11が行う。
【0182】
また、上タッチパネル11または下タッチパネル12のどちらか一方のみを備える情報処理装置10(例えば、図23を参照して後述する情報処理装置201)の場合、開閉動作監視を行っているタッチパネルにより、2面の相対位置の変化が検出された場合に、他方のタッチパネルに検出されたことを示す通知を出すという処理を省略することが可能である。このような実施の形態に対しても本技術は適用できる。
【0183】
[方法2による処理について]
次に、方法2による処理について説明する。方法2は、上タッチパネル11および下タッチパネル12の両方で、監視作業を行い、一方で開閉動作が検出されたときには他方に通知するという処理を含む処理である。まず、上タッチパネル11が行う処理について図18のフローチャートを参照して説明する。
【0184】
ステップS201において、開閉動作監視が実行される。ステップS202において、開閉動作監視の結果が用いられ、「閉じる」または「開く」といった動作が検出されたか否かが判断され、検出されたと判断されたときには、ステップS203に処理が進められる。ステップS203において、下タッチパネル12に対して、動作が検出されたことが通知される。このステップS201乃至S203の処理は、図16におけるステップS101乃至S103の処理と同様に行われる。但し、ステップS202において、「閉じる」または「開く」といった動作が検出されなかった場合には、ステップS204に処理が進められる。
【0185】
ステップS204において、下タッチパネル12からの通知が確認される。この確認は、下タッチパネル12から通知があったか否かが確認され、通知があった場合には、その内容が確認される。そして、ステップS205において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「閉じる」との動作が検出されたとの通知があったか否かが判断される。ステップS205において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「閉じる」との動作が検出されたとの通知があったと判断された場合、ステップS206に処理が進められる。
【0186】
ステップS206において、イベントをオペレーティングシステム91に上げている状態であるか否かが判断される。ステップS206において、イベントをオペレーティングシステム91に上げている状態であると判断された場合、ステップS207に処理が進められ、イベントをオペレーティングシステム91に上げる動作が止められる。
【0187】
このように、上タッチパネル11からオペレーティングシステム91にイベントが上げられている状態のときに、上タッチパネル11または下タッチパネル12のどちらかから、閉じられようとしている状態が検出された場合、オペレーティングシステム91へイベントを上げるという動作が停止される。
【0188】
一方、ステップS206においてイベントをオペレーティングシステム91に上げていないと判断された場合、既にイベントが上げられることが停止されている状態であると判断できるため、処理は、ステップS201に戻され、次の検出に対する処理に移行する。このように、イベントがオペレーティングシステム91に上げられない状態にされることで、閉じられる状態のときに、仮に上タッチパネル11に指などが触れたとしても、そのことによりアプリケーション92が誤動作するようなことを防ぐことが可能となる。
【0189】
一方、ステップS205において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「閉じる」との動作が検出されたとの通知はなかったと判断された場合、ステップS208に処理が進められる。ステップS208において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「開く」との動作が検出されたとの通知があったか否かが判断される。
【0190】
ステップS208において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「開く」との動作が検出されたとの通知があったと判断された場合、ステップS209に処理が進められる。ステップS209において、イベントをオペレーティングシステム91に上げていない状態であるか否かが判断される。ステップS209において、イベントをオペレーティングシステム91に上げていない状態であると判断された場合、ステップS210に処理が進められ、イベントがオペレーティングシステム91に上げられる状態にされる。
【0191】
このように、上タッチパネル11からオペレーティングシステム91にイベントが上げられていない状態のときに、上タッチパネル11または下タッチパネル12のどちらかから、開かれようとしている状態が検出された場合、オペレーティングシステム91へイベントを上げるという動作が再開される。よって、ユーザが上タッチパネル11を所望の角度まで開いたときには、既に上タッチパネル11からのイベントを、アプリケーション92が受け付ける状態にしておくことができる。よって、即座にユーザからの操作を受け付け、処理を開始することができる。
【0192】
一方、ステップS209において、イベントをオペレーティングシステム91に上げている状態であると判断された場合、既にイベントが上げられるという状態が再開されている状態であると判断できるため、処理は、ステップS201に戻され、次の検出に対する処理に移行する。
【0193】
また、ステップS208において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「開く」との動作が検出されたとの通知はなかったと判断された場合、ステップS201に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。この場合、上タッチパネル11と下タッチパネル12のどちらからも、「閉じる」との動作も、「開く」との動作も検出されていない状態であるため、ステップS201に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0194】
このような処理が上タッチパネル11において実行されている一方で、下タッチパネル12においては、図19に示したフローチャートに基づく処理が実行されている。下タッチパネル12において実行される処理は、基本的に、上タッチパネル11において実行される処理と同様であるため、異なる処理について説明を加える。
【0195】
ステップS231において、開閉動作監視が実行され、ステップS232において、開閉動作監視の結果が用いられ、「閉じる」または「開く」といった動作が検出されたか否かが判断され、検出されたと判断されたときには、ステップS233に処理が進められる。ステップS233において、上タッチパネル11に対して、動作が検出されたことが通知される。
【0196】
ステップS234において、上タッチパネル11からの通知が確認される。この確認は、上タッチパネル11から通知があったか否かが確認され、通知があった場合には、その内容が確認される。ステップS235において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「閉じる」との動作が検出されたとの通知があったか否かが判断される。このステップS235以降の処理は、ステップS205以降の処理と同様に行われるため、説明を省略する。
【0197】
このように、下タッチパネル12における処理では、動作が検出されたときには、上タッチパネル11に通知する点と、上タッチパネル11からの通知を受ける点が、上タッチパネル11における処理と異なるだけであり、他の処理は同様に行われる。
【0198】
このように、上タッチパネル11と下タッチパネル12が、それぞれ開閉動作を監視することで、どちらか一方でも開閉動作を検出すれば、誤動作を防ぐための処理を実行することができるため、より早く開閉動作を検出し、誤動作を防ぐことが可能となる。
【0199】
図18、図19を参照して説明した処理は、上タッチパネル11と下タッチパネル12から構成される2面のそれぞれ開閉動作監視を行い、一方のタッチパネルにより、2面の相対位置の変化が検出された場合(なす角に変化があると検出された場合)、他方のタッチパネルに検出されたことを示す通知を出し、通知が出され後、2つのタッチパネルは、それぞれ、オペレーティングシステム91に対してイベントを上げている場合、オペレーティングシステム91へのイベントを止め、オペレーティングシステム91に対してイベントを上げていない場合、オペレーティングシステム91へのイベントを上げる処理を含む処理である。
【0200】
[方法3による処理について]
次に、方法3による処理について説明する。方法3は、上タッチパネル11が開閉動作監視を行い、開閉動作が検出されるとオペレーティングシステム91に通知し、オペレーティングシステム91がイベントを出力したり停止したりする。よって、上タッチパネル11とオペレーティングシステム91は、それぞれ異なる処理を行う。そこでまず、図20のフローチャートを参照し、上タッチパネル11が行う処理について説明する。
【0201】
ステップS301、ステップS302の処理は、上記した方法1や方法2と同じく、開閉動作監視を行い、開閉動作が検出されたか否かを判断する処理である。ステップS302において、「閉じる」または「開く」という動作は検出されてはいないと判断された場合、ステップS301に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0202】
一方、ステップS302において、「閉じる」または「開く」という動作が検出されたと判断された場合、ステップS303に処理が進められる。ステップS303において、タッチパネルドライバに、開閉動作が検出されたことを示す通知が出される。タッチパネルドライバは、図示していないが、オペレーティングシステム91(図6)に含まれる。またタッチパネルドライバは、上タッチパネル11と下タッチパネル12のそれぞれに対応する2つのドライバとして設けられていても良いし、共通して用いられる1つのドライバとして設けられていても良い。
【0203】
ステップS303において、タッチパネルドライバに通知が出されると、ステップS301に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。このように上タッチパネル11は、開閉動作を監視し、開閉動作が検出されたときには、そのことをタッチパネルドライバ、換言すれば、オペレーティングシステム91に通知するという処理を繰り返し行う。
【0204】
上タッチパネル11からの通知を受けるオペレーティングシステム91は、図21に示すフローチャートの処理を実行する。ステップS331において、上タッチパネル11からの通知を確認する。この確認は、所定の間隔毎に行い、上タッチパネル11から通知があったか否かが確認され、通知があった場合には、その内容が確認される。または、上タッチパネル11からの通知があったときに、その内容が確認されるようにしても良い。ここでは、上タッチパネル11からの通知があったときに、その内容が確認されるとして説明を続ける。
【0205】
ステップS332において、通知内容は、「閉じる」という動作が検出されたことを示しているのか否かが判断される。ステップS332において、「閉じる」という動作が検出されたと判断された場合、ステップS333に処理が進められる。ステップS333において、アプリケーション92に対してイベントを上げている状態であるか否かが判断され、イベントを上げている状態であると判断された場合、ステップS334に処理が進められる。
【0206】
ステップS334において、上タッチパネル11からのイベントと、下タッチパネル12からのイベントを、アプリケーション92に上げることが止められる。このように、アプリケーション92にイベントが上げられている状態のときに、閉じられようとしている状態が検出された場合、オペレーティングシステム91は、アプリケーション92にイベントを上げるという動作を停止する。
【0207】
一方、ステップS333において、アプリケーション92にイベントを上げていないと判断された場合、既にイベントが上げられることが停止されている状態であると判断できるため、処理は、ステップS331に戻され、次の検出に対する処理に移行する。このように、イベントがアプリケーション92に上げられない状態にされることで、タッチパネルに対して閉じられという動作が行われている状態のときに、仮に上タッチパネル11に指などが触れたとしても、そのことによりアプリケーション92が誤動作するようなことを防ぐことが可能となる。
【0208】
一方、ステップS332において、「閉じる」という動作が検出されたのではないと判断された場合、ステップS335に処理が進められる。この場合、「閉じる」動作ではないので、「開く」動作が検出されたことになる。このように「開く」という動作が検出されたと判断された場合、ステップS335において、アプリケーション92にイベントを上げていない状態であるか否かが判断される。ステップS335において、イベントを上げていない状態であると判断された場合、ステップS336に処理が進められる。
【0209】
ステップS336において、上タッチパネル11からのイベントと、下タッチパネル12からのイベントを、アプリケーション92に上げることが再開される。このように、アプリケーション92にイベントが上げられていない状態のときに、開けられようとしている状態が検出された場合、オペレーティングシステム91は、アプリケーション92にイベントを上げるという動作を再開する。
【0210】
一方、ステップS336において、イベントをアプリケーション92に上げている状態であると判断された場合、既にイベントが上げられるという状態が再開されている状態であると判断できるため、処理は、ステップS331に戻され、次の検出に対する処理に移行する。
【0211】
このように、オペレーティングシステム91で、アプリケーション92にイベントを出力するか、または止めるかを制御するようにした場合であっても、方法1や方法2と同じく、アプリケーション92が誤動作するようなことを防ぐことが可能である。
【0212】
図20、図21を参照して説明した処理は、上タッチパネル11と下タッチパネル12から構成される2面のうちの少なくとも一方のタッチパネルにおいて開閉動作監視が行われ、開閉動作監視を行っているタッチパネルにより、2面の相対位置の変化(なす角の変化)が検出された場合、オペレーティングシステム91に検出されたことを示す通知を出し、オペレーティングシステム91により、アプリケーション92に対してイベントを上げている場合、アプリケーション92へのイベントを止め、アプリケーション92に対してイベントを上げていない場合、アプリケーション92へのイベントを上げる処理を含む処理である。
【0213】
なお、下タッチパネル12が開閉動作監視を行うようにした場合、図20に示したフローチャートの処理は、下タッチパネル12により実行される。
【0214】
また、上タッチパネル11または下タッチパネル12のどちらか一方のみを備える情報処理装置10(例えば、図23を参照して後述する情報処理装置201)の場合、開閉動作監視を行っているタッチパネルにより、2面の相対位置の変化が検出されたときに、他方のタッチパネルに検出されたことを示す通知を出すという処理を省略することが可能である。このような実施の形態に対しても本技術は適用できる。
【0215】
[方法4による処理について]
次に、方法4による処理について説明する。方法4は、上タッチパネル11と下タッチパネル12のそれぞれで、開閉動作監視を行い、開閉動作を検出すると、オペレーティングシステム91に通知し、オペレーティングシステム91がイベントを出力したり停止したりする。
【0216】
上タッチパネル11と下タッチパネル12が行う処理は、共に、図20に示したフローチャートの処理と同様に行われるため、その詳細な説明は省略する。すなわち、上タッチパネル11と下タッチパネル12は、それぞれ、開閉動作監視を行い、開閉動作を検出すると、オペレーティングシステム91(タッチパネルドライバ)に通知を出すという処理を繰り返し行う。
【0217】
上タッチパネル11からの通知を受けるオペレーティングシステム91は、図22に示すフローチャートの処理を実行する。ステップS401において、上タッチパネル11または下タッチパネル12からの通知を確認する。この確認は、所定の間隔毎に行い、上タッチパネル11または下タッチパネル12から通知があったか否かが確認され、通知があった場合には、その内容が確認される。
【0218】
ステップS402において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「閉じる」との動作が検出されたとの通知があったか否かが判断され、「閉じる」との動作が検出されたとの通知があったと判断された場合、ステップS403に処理が進められる。ステップS403において、イベントをアプリケーション92に上げている状態であるか否かが判断され、イベントを上げている状態であると判断された場合、ステップS404に処理が進められる。
【0219】
ステップS404において、上タッチパネル11からのイベントと、下タッチパネル12からのイベントを、アプリケーション92に上げることが止められる。このように、アプリケーション92にイベントが上げられている状態のときに、上タッチパネル11または下タッチパネル12の少なくとも一方で閉じられようとしている状態が検出された場合、オペレーティングシステム91は、アプリケーション92にイベントを上げるという動作を停止する。
【0220】
一方、ステップS403において、イベントをアプリケーション92に上げていないと判断された場合、既にイベントが上げられることが停止されている状態であると判断できるため、処理は、ステップS401に戻され、次の検出に対する処理に移行する。このように、イベントがアプリケーション92に上げられない状態にされることで、閉じられる状態のときに、仮に上タッチパネル11に指などが触れたとしても、そのことによりアプリケーション92が誤動作するようなことを防ぐことが可能となる。
【0221】
一方、ステップS402において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「閉じる」との動作が検出されたとの通知はなかったと判断された場合、ステップS405に処理が進められる。ステップS405において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「開く」との動作が検出されたとの通知があったか否かが判断される。
【0222】
ステップS405において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「開く」との動作が検出されたとの通知があったと判断された場合、ステップS406に処理が進められる。ステップS406において、イベントをアプリケーション92に上げていない状態であるか否かが判断され、イベントを上げていない状態であると判断された場合、ステップS407に処理が進められる。
【0223】
ステップS407において、上タッチパネル11からのイベントと、下タッチパネル12からのイベントを、アプリケーション92に上げることが再開される。このように、アプリケーション92にイベントが上げられていない状態のときに、上タッチパネル11または下タッチパネル12の少なくとも一方で開けられようとしている状態が検出された場合、オペレーティングシステム91は、アプリケーション92にイベントを上げるという動作を再開する。
【0224】
一方、ステップS406において、イベントをアプリケーション92に上げている状態であると判断された場合、既にイベントが上げられるという状態が再開されている状態であると判断できるため、処理は、ステップS401に戻され、次の検出に対する処理に移行する。
【0225】
また、ステップS405において、上タッチパネル11または下タッチパネル12から、「開く」との動作が検出されたとの通知はなかったと判断された場合、ステップS401に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。この場合、上タッチパネル11と下タッチパネル12のどちらからも、「閉じる」との動作も、「開く」との動作も検出されていない状態であるため、ステップS401に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0226】
このように、オペレーティングシステム91で、アプリケーション92にイベントを出力するか、または止めるかを制御するようにした場合であっても、方法1乃至3と同じく、アプリケーション92が誤動作するようなことを防ぐことが可能である。
【0227】
図20、図22を参照して説明した処理は、上タッチパネル11と下タッチパネル12から構成される2面で、それぞれ開閉動作監視を行い、2つのタッチパネルのうちのどちらかにより、2面の相対位置の変化(なす角の変化)が検出された場合、オペレーティングシステム91に検出されたことを示す通知を出し、オペレーティングシステム91は、アプリケーション92に対してイベントを上げている場合、アプリケーション92へのイベントを止め、アプリケーション92に対してイベントを上げていない場合、アプリケーション92へのイベントを上げる処理を含む処理である。
【0228】
[他の形態について]
上述した実施の形態においては、上タッチパネル11と下タッチパネル12の2つのタッチパネルを備える情報処理装置10であり、上下方向に開閉がなされる情報処理装置10を例にあげて説明した。しかしながら、本技術が、このような情報処理装置10にのみに適用されるわけではない。例えば、左右方向に開閉し、開かれたときに、左側と右側にそれぞれタッチパネルがあるような情報処理装置にも本技術を適用できる。上下方向を、左右方向と読み替えるだけで、上述した実施の形態を適用できる。
【0229】
また、図23に示すように、1面のタッチパネルを有する装置に本技術を適用することも可能である。図23Aに示した情報処理装置201は、上側にタッチパネル202を有し、下側にハードウエアなどのボタンなどから構成される操作部203を有する。そして、タッチパネル202の所定の領域211は、操作部203の所定の領域212と反応するようになされている。
【0230】
領域211は、領域212と接したときに、その接しているという状態を検出するセンサがある領域である。領域212は、領域211内のセンサと反応する素材がある領域である。この領域211内のセンサが領域212内の素材と反応したときに得られるセンサの値を用いて、図14、図15に示した開閉動作監視に係わる処理が実行されるように構成することができる。
【0231】
また、図23Aに示した領域211は、タッチパネル202内の左側に設けられているが、図23Bに示した情報処理装置221のように、タッチパネル222内の下側に領域231として設けられても良い。この場合、領域212も、操作部223の上側に、領域232として設けられる。この場合も、領域231内のセンサの値を用いて、図14、図15に示した開閉動作監視に係わる処理が実行されるように構成することができる。
【0232】
さらに図23Cに示した情報処理装置241のように、タッチパネル242内の上側に領域251が設けられる構成とすることも可能である。この場合、操作部243の下側に、領域252が設けられる。この場合も、領域251内のセンサの値を用いて、図14、図15に示した開閉動作監視に係わる処理が実行されるように構成することができる。
【0233】
このように、反応を検出するセンサと、そのセンサと対向する位置に、反応する素材が設けられていれば、本技術を適用することができる。
【0234】
また、図23A乃至Cに示したように、開閉動作を監視するための領域は、どこに設けられていても良い。このことは、上述した実施の形態においても同様である。例えば、図3Bに示したように、領域21を、上タッチパネル11内の下側の横方向に設けるのではなく、図23Aに示した領域211のように縦方向に設けても良い。縦方向に設けた場合、図23Aに示したように、タッチパネル202内の左側に限定されるわけではなく、中央や右側であっても良い。
【0235】
図23Bに示した領域231と領域232の位置関係は、図3Bに示した情報処理装置10の領域21と領域22との位置関係と同じである。このようにタッチパネル222内の下側に領域231を設けた場合、特に、閉じられようとしている動作を検出するのに適している。
【0236】
図23Cに示したように、タッチパネル242内の上側に領域251を設けるのと同じように、図3Bに示した領域21を、上タッチパネル11内の上側に設けても良い。このようにタッチパネル242内の上側に領域251を設けた場合、特に、開かれようとしている動作を検出するのに適している。
【0237】
また、反応を検出するセンサが備えられる領域は、1面のタッチパネルにおいて、1領域に限定されるわけではない。例えば、図23Bに示したように、タッチパネルの下側に領域が設けられると共に、図23Cに示したように、タッチパネルの上側にも領域が設けられるようにしても良い。このように、2つの領域を設けた場合、それぞれの領域において、上述した開閉動作監視に係わる処理が実行される。または、上側に設けられた領域は、開く動作を主に監視し、下側に設けられた領域は、閉じる動作を主に監視するなど、監視する対象を分けるように構成することも可能である。
【0238】
また、開閉動作を監視するための専用の領域を設けても良い。例えば、情報処理装置10の上タッチパネル11の周りの枠の一部分に領域211などに相当する専用の領域を設け、その領域に対応する位置であり、下タッチパネル12の周りの枠の一部分に、領域212に相当する領域を設けるようにしても良い。
【0239】
また、上述した実施の形態においては、上下方向に開閉がなされる情報処理装置10を例にあげて説明した。この開閉は上タッチパネル11と下タッチパネル12のなす角が変化する方向での開閉であったが、本技術は、このような開閉を行う装置にのみ適用が限定されるのではない。例えば、上面と下面があり、一方が他方に対して上下方向または左右方向にスライドすることで、上面と下面が使用可能な状態とされる装置に対しても本技術を適用することができる。
【0240】
例えば、下面に設けられたタッチパネルにおいて、上述した開閉動作の監視に係わる処理が実行されるようにする。上面が、下面に対してスライドするとき、そのスライドに応じて、タッチパネルのセンサが反応するため、その反応を検出することで、上述した実施の形態と同じように、開閉動作を検出できる。ただし、この場合、スライド方向における複数のライン上のセンサの値の変化が監視されることで、開閉動作の検出が行われる。
【0241】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0242】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0243】
(1)
少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置において、
前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出する検出部
を備える情報処理装置。
(2)
前記検出部は、前記静電容量センサの静電容量の値が増加傾向の変化であるか、減少傾向の変化であるかを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記静電容量センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の静電容量の値とその次のタイミングで取得された第2の静電容量の値との差分値を算出し、算出された差分値の合計をさらに算出し、その合計の値が、増加傾向にあるか、減少傾向にあるかを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(4)
前記検出部は、前記静電容量センサの前記静電容量の値が増加している静電容量センサの数が多くなっているか、または前記静電容量センサの前記静電容量の値が減少している静電容量センサの数が多くなっているかを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
(5)
前記検出部は、前記静電容量センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の静電容量の値とその次のタイミングで取得された第2の静電容量の値との差分値を算出し、最大の差分値と最小の差分値の差をさらに算出し、その差が、所定の範囲内であるか否かを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6)
前記検出部は、前記静電容量センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の静電容量の値とその次のタイミングで取得された第2の静電容量の値との差分値を算出し、その差分値が増加または減少している前記センサの数が、所定の値以上であるか否かを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7)
前記2面のうち、前記所定の領域を含む面は、タッチパネルで構成される
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出されたときに、前記タッチパネルからオペレーティングシステムに対してイベントが上げられていた場合、前記タッチパネルからオペレーティングシステムへの前記イベントを止め、
前記タッチパネルからオペレーティングシステムに対してイベントが上げられていない場合、前記タッチパネルからオペレーティングシステムへの前記イベントを上げる
前記(7)に記載の情報処理装置。
(9)
前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出されたときに、前記タッチパネルからのイベントが、オペレーティングシステムからアプリケーションに対して上げられていた場合、前記オペレーティングシステムから前記アプリケーションへの前記イベントを止め、
前記タッチパネルからのイベントが、オペレーティングシステムからアプリケーションに対して上げられていない場合、前記オペレーティングシステムから前記アプリケーションへの前記イベントを上げる
前記(7)に記載の情報処理装置。
(10)
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、少なくとも一方のタッチパネルは、前記所定の領域を含み、
前記所定の領域を含む前記タッチパネルの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、他方のタッチパネルに検出されたことを示す通知を出し、
2つの前記タッチパネルは、それぞれ、オペレーティングシステムに対してイベントを上げている場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを止め、オペレーティングシステムに対してイベントを上げていない場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを上げる
前記(1)に記載の情報処理装置。
(11)
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、2つの前記タッチパネルは、それぞれ前記所定の領域を含み、
一方の前記タッチパネルの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、他方のタッチパネルに検出されたことを示す通知を出し、
前記2つのタッチパネルは、それぞれ、オペレーティングシステムに対してイベントを上げている場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを止め、オペレーティングシステムに対してイベントを上げていない場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを上げる
前記(1)に記載の情報処理装置。
(12)
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、少なくとも一方のタッチパネルは、前記所定の領域を含み、
前記所定の領域を含む前記タッチパネルの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、オペレーティングシステムに検出されたことを示す通知を出し、
前記オペレーティングシステムは、アプリケーションに対してイベントを上げている場合、前記アプリケーションへの前記イベントを止め、前記アプリケーションに対してイベントを上げていない場合、前記アプリケーションへの前記イベントを上げる
前記(1)に記載の情報処理装置。
(13)
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、2つの前記タッチパネルは、それぞれ前記所定の領域を含み、
前記2つのタッチパネルのうちのどちらかの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、オペレーティングシステムに検出されたことを示す通知を出し、
前記オペレーティングシステムは、アプリケーションに対してイベントを上げている場合、前記アプリケーションへの前記イベントを止め、前記アプリケーションに対してイベントを上げていない場合、前記アプリケーションへの前記イベントを上げる
前記(1)に記載の情報処理装置。
(14)
少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置の情報処理方法において、
前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
ステップを含む情報処理方法。
(15)
少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置を制御するコンピュータに、
前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
ステップを含む処理を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラム。
(16)
少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置を制御するコンピュータに、
前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
ステップを含む処理を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムを記録している記録媒体。
【符号の説明】
【0244】
10 情報処理装置, 11 上タッチパネル, 12 下タッチパネル, 13 ディスプレイ, 14 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置において、
前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出する検出部
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記静電容量センサの静電容量の値が増加傾向の変化であるか、減少傾向の変化であるかを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記静電容量センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の静電容量の値とその次のタイミングで取得された第2の静電容量の値との差分値を算出し、算出された差分値の合計をさらに算出し、その合計の値が、増加傾向にあるか、減少傾向にあるかを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記静電容量センサの前記静電容量の値が増加している静電容量センサの数が多くなっているか、または前記静電容量センサの前記静電容量の値が減少している静電容量センサの数が多くなっているかを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記静電容量センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の静電容量の値とその次のタイミングで取得された第2の静電容量の値との差分値を算出し、最大の差分値と最小の差分値の差をさらに算出し、その差が、所定の範囲内であるか否かを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検出部は、前記静電容量センサ毎に所定のタイミングで取得された第1の静電容量の値とその次のタイミングで取得された第2の静電容量の値との差分値を算出し、その差分値が増加または減少している前記センサの数が、所定の値以上であるか否かを判断することで、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記2面のうち、前記所定の領域を含む面は、タッチパネルで構成される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出されたときに、前記タッチパネルからオペレーティングシステムに対してイベントが上げられていた場合、前記タッチパネルからオペレーティングシステムへの前記イベントを止め、
前記タッチパネルからオペレーティングシステムに対してイベントが上げられていない場合、前記タッチパネルからオペレーティングシステムへの前記イベントを上げる
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出されたときに、前記タッチパネルからのイベントが、オペレーティングシステムからアプリケーションに対して上げられていた場合、前記オペレーティングシステムから前記アプリケーションへの前記イベントを止め、
前記タッチパネルからのイベントが、オペレーティングシステムからアプリケーションに対して上げられていない場合、前記オペレーティングシステムから前記アプリケーションへの前記イベントを上げる
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、少なくとも一方のタッチパネルは、前記所定の領域を含み、
前記所定の領域を含む前記タッチパネルの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、他方のタッチパネルに検出されたことを示す通知を出し、
2つの前記タッチパネルは、それぞれ、オペレーティングシステムに対してイベントを上げている場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを止め、オペレーティングシステムに対してイベントを上げていない場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを上げる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、2つの前記タッチパネルは、それぞれ前記所定の領域を含み、
一方の前記タッチパネルの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、他方のタッチパネルに検出されたことを示す通知を出し、
前記2つのタッチパネルは、それぞれ、オペレーティングシステムに対してイベントを上げている場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを止め、オペレーティングシステムに対してイベントを上げていない場合、前記オペレーティングシステムへの前記イベントを上げる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、少なくとも一方のタッチパネルは、前記所定の領域を含み、
前記所定の領域を含む前記タッチパネルの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、オペレーティングシステムに検出されたことを示す通知を出し、
前記オペレーティングシステムは、アプリケーションに対してイベントを上げている場合、前記アプリケーションへの前記イベントを止め、前記アプリケーションに対してイベントを上げていない場合、前記アプリケーションへの前記イベントを上げる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記2面は、それぞれタッチパネルで構成され、2つの前記タッチパネルは、それぞれ前記所定の領域を含み、
前記2つのタッチパネルのうちのどちらかの前記検出部により、前記2面の相対位置の変化が検出された場合、オペレーティングシステムに検出されたことを示す通知を出し、
前記オペレーティングシステムは、アプリケーションに対してイベントを上げている場合、前記アプリケーションへの前記イベントを止め、前記アプリケーションに対してイベントを上げていない場合、前記アプリケーションへの前記イベントを上げる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置の情報処理方法において、
前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項15】
少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置を制御するコンピュータに、
前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
ステップを含む処理を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【請求項16】
少なくとも2面を有し、前記2面の一方の面と他方の面の相対位置が変化する情報処理装置を制御するコンピュータに、
前記2面のうちの少なくとも1面の所定の領域内に含まれる複数の静電容量センサの静電容量の値の変化から、前記2面の相対位置が変化したことを検出する
ステップを含む処理を実行させるコンピュータ読み取り可能なプログラムを記録している記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−73549(P2013−73549A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213868(P2011−213868)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】