説明

情報処理装置および方法、指示装置および方法、並びにプログラム

【課題】コンテンツの視聴が妨げられないようにする。
【解決手段】コンテンツを再生する表示再生部14は、テーブル101を保持している。テーブル101は、指示を出してくる装置の優先順位を管理するためのテーブルであり、優先順位と機器を関連付けて管理している。優先順位“3”の“操作制御部17”からの指示を受けたとき、優先順位“2”の“表示再生部14付属の操作制御部”からの指示を実行していた場合、操作制御部17からの指示は受け付けず、優先順位“4”の“操作制御部18”からの指示を実行していた場合、操作制御部17からの指示を受け付ける。本発明は、ネットワークに接続されたテレビジョン受像機などに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置および方法、指示装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、簡単な操作で、所望の装置に映像や画像を表示させることができ、かつ、そのような表示による割込が行われないようにする情報処理装置および方法、指示装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、テレビジョン放送の番組(以下、テレビジョン放送番組と記述する)をビデオテープに録画するビデオレコーダの普及により、テレビジョン放送番組をその放送時間ではない、自分の都合のよい時間に視聴するといういわゆる「タイムシフト」という概念に基づく視聴スタイルが定着している。この視聴スタイルにより多くの放送番組が録画され、時間をおいて視聴されている。
【0003】
さらに、近年、録画メディアがビデオテープからハードディスクに変わったことで、より多くの映像データを容量を気にせず手軽にハードディスク(記憶装置)に保存することができるようになってきた。以下では、特に断らない限り、このようなハードディスクを用いたビデオレコーダのことをデジタルビデオレコーダ(Digital Video Recorder:DVR)と記述する。
【0004】
また、最近、コンテンツサーバおよび、CRT、LCD、プラズマディスプレイ等の表示装置を、家庭内、事業所内、地域内さらにグローバルな地域内に構成した有線または無線ネットワークに接続した、コンテンツ表示再生システムが知られるようになった。このコンテンツ表示再生システムでは、デジタルビデオレコーダをコンテンツサーバとしてネットワークに少なくとも1台接続していれば、例えば録画したテレビジョン放送番組を、ネットワークを介しコンテンツサーバから離れた場所でユーザは視聴することが可能である。
【0005】
ところで、従来、テレビジョン受像機において、画質の調整やタイマの設定などは、テレビジョン受像機の遠隔操作装置、操作制御装置、或いはリモートコマンダのボタン操作等よって、テレビジョン受像機の表示画面に実行可能な処理を選択するためのメニューを表示する。そして、使用者は、テレビジョン受像機のリモートコントローラを用いて、目的とする処理を選択し、表示画面に表示されるガイダンス表示などにしたがって、リモートコントローラを操作することにより、画質の調整やタイマの設定などの目的とする処理を行うことができるようにされている。
【0006】
また、STB(Set-Top box) やIRD(Integrated Receiver Decoder)などと呼ばれる衛星放送信号を受信する受信機などにおいては、EPGなどと呼ばれる電子番組ガイドなどのデータ表示を、モニタ受像機の表示画面に表示するようにすることが行われている。この場合には、使用者は、受信機のリモートコントローラを用い、モニタ受像機の表示画面に表示されている電子番組ガイドに基づいて、視聴しようとする番組を選択することにより、受信機の選局チャンネルを変えることができるようにされている。
【0007】
このように、テレビジョン受像機やテレビジョン放送信号を受信する受信機においては、メニューやガイダンス、あるいは、電子番組ガイドなどの情報表示と、リモートコントローラ操作とを組み合わせることによって、目的とする処理をわかりやすく比較的に簡単に実行させることができるように工夫されている。
【0008】
しかしながら、前述のように、テレビジョン受像機やSTBやIRDに対して目的とする処理を行わせるために、メニューやガイダンスなどの必要な情報をテレビジョン受像機などの表示画面に表示し、この表示情報を見ながらリモートコントローラを操作する方式では、リモートコントローラに対する操作が繁雑になる場合がある。
【0009】
例えば、複数のメニューの中から目的とする処理を選択項目として含むメニューを表示させるために、メニューのページ送りを複数回行わなければならなかったり、表示画面上のカーソルを移動させるためにリモートコントローラに対して頻繁に操作を行わなければならなかったり、また、リモートコントローラを通じて決定操作を行わなければならないなどの場合がある。
【0010】
また、テレビジョン受像機などのモニタ装置も、LCDなどを用いることによって、小型化、軽量化が進み、持ち運びが可能で、使用者の手が届く位置で使用されるものも増えている。このような場合には、テレビジョン受像機のリモートコントローラは不用であるし、また、テレビジョン受像機に映像信号や音声信号を供給する受信機などの外部入力装置のリモートコントローラの存在が煩わしくなってしまう。
【0011】
そこで、本件出願人は、表示装置を用いて、テレビ番組などの映像情報を観視したり、音声情報を聴取したりすることができるとともに、表示装置の表示素子に表示される操作用表示情報とタッチパネルなどの接触位置検出手段を通じて、表示装置に映像信号を供給するベース装置やベース装置に接続される外部入力装置を遠隔操作することができるようにして、煩わしい操作を行うことなく、遠隔操作を行うことを可能にし、より使い勝手のよいホームネットワークを構築することが可能な双方向通信システムを先に提案している。このシステムによれば、表示装置の表示素子に表示される操作用表示情報とタッチパネルなどの接触位置検出手段を通じて、ベース装置やベース装置に接続される外部入力装置を遠隔操作することができ、所望の映像を簡単に選択して表示装置に表示することができるのである。
【0012】
さらに、本件出願人は、特許文献1にて、このような双方向通信システムを利用して、複数の表示装置にベース装置から映像信号を供給するに当たり、ユーザが指で画面をなぞる操作により、映像装置間で映像の送受を行うことを可能にし、従来のリモートコントローラのようなボタン操作とは異なり、感覚的に切替えを行うことができるようにしたコンテンツ表示再生システム及び映像表示制御装置を開示した。
【0013】
具体的には、可搬型表示装置のLCDに設けたタッチパネル上でユーザが指を上方向にジェスチャ入力すると、可搬型表示装置に表示されていた映像Aがそれまで映像Bを表示していた大型表示装置に表示されるスロウ機能が実行される。また、可搬型表示装置のLCDに設けたタッチパネル上でユーザが指を下方向にジェスチャ入力すると、大型表示装置に表示されていた映像Bがそれまで映像Aを表示していた可搬型表示装置に表示されるキャッチ機能が実行される。このように、特許文献1によって開示されたスロウ/キャッチ機能により、複数の表示装置間での直感的な画面の切替えが可能となった。
【0014】
【特許文献1】特開2003−333359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
スロウやキャッチという機能により、上記したように、可搬型表示装置と大型表示装置との間で、映像のやり取りを行え、このような機能が、1台の可搬型表示装置にだけ付加されていれば、不都合が発生する可能性は低いと考えられるが、例えば、可搬型表示装置が2台存在しているようなときには、以下のような不都合が発生する可能性がある。
【0016】
ユーザAが可搬型表示装置Aをスロウ操作し、大型表示装置に映像Aを表示させた後、ユーザBが可搬型表示装置Bをスロウ操作した場合、大型表示装置には、可搬型表示装置Bからのスロウ操作による映像Bが表示される。すなわち、ユーザAが大型表示装置で視聴していた映像Aが映像Bに切り替えられることになる。
【0017】
このようなことは、ユーザAが視聴していた映像AがユーザAの意図にかかわらず中断されることになり好まし状況ではない。また、映像Aが表示されている大型表示装置に対して、ユーザBがスロウ操作を間違って行ってしまった場合であっても、このようなことは起こりえることであり、ユーザAにとっても、ユーザBにとっても、好まし状況ではないことである。
【0018】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数の可搬型表示装置が存在するようなときであっても、大型表示装置に表示されている映像などがユーザの意図に反して切り替えられるようなことがないようにすることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一側面の情報処理装置は、第1の装置から指示された処理を実行する処理手段と、第2の装置から指示を受けたとき、前記第1の装置と前記第2の装置との優先順位を比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に応じて、前記第2の装置からの指示を、前記処理手段に実行させるか否かを判断する判断手段とを備える。
【0020】
前記処理手段の処理は、コンテンツの視聴であり、前記処理手段により前記コンテンツの視聴が実行されている間、前記判断手段による判断が行われるようにすることができる。
【0021】
指示を受け付ける対象となる装置の情報と、前記装置毎に割り当てた優先順位を関連付けたテーブルを管理する管理手段をさらに備え、前記比較手段は、前記第1の装置と前記第2の装置との優先順位を、前記管理手段により管理されている前記テーブルを参照して比較するようにすることができる。
【0022】
前記管理手段により管理される前記テーブルには、前記情報処理装置の情報も含まれるようにすることができる。
【0023】
前記指示を受けるとき、その指示と共に、優先順位に関する情報の提供も受け、前記比較手段は、前記第1の装置と前記第2の装置との優先順位を、提供された情報を基に比較するようにすることができる。
【0024】
本発明の一側面の情報処理方法は、第1の装置から指示された処理を実行する処理手段を備える情報処理装置の情報処理方法において、第2の装置から指示を受けたとき、前記第1の装置と前記第2の装置との優先順位を比較する比較ステップと、前記比較ステップでの比較結果に応じて、前記第2の装置からの指示を、前記処理手段に実行させるか否かを判断する判断ステップとを含む。
【0025】
本発明の一側面のプログラムは、第1の装置から指示された処理を実行する処理手段を備える情報処理装置に、第2の装置から指示を受けたとき、前記第1の装置と前記第2の装置との優先順位を比較する比較ステップと、前記比較ステップでの比較結果に応じて、前記第2の装置からの指示を、前記処理手段に実行させるか否かを判断する判断ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0026】
本発明の一側面の情報処理装置および方法、並びにプログラムにおいては、第1の装置からの指示を受け、実行しているときに、第1の装置とは異なる第2の装置からの指示を受けた場合、第1の装置と第2の装置との間で、予め設定されている優先順位に基づき、第2の装置の方が第1の装置よりも優先順位が高いときだけ、第2の装置からの指示が受け付けられる。
【0027】
本発明の一側面の指示装置は、指示を受け取った側で、受け取った指示を優先的に処理するか否かの判断を行うときに用いられる優先順位に関する情報を設定し、記憶する記憶手段と、他の装置に指示を送信するとき、指示内容とともに、前記記憶手段に記憶されている前記情報を送信する送信手段とを備える。
【0028】
前記優先順位に関する情報の設定は、ユーザの指示に基づいて行われるようにすることができる。
【0029】
本発明の一側面の指示方法は、指示を受け取った側で、受け取った指示を優先的に処理するか否かの判断を行うときに用いられる優先順位に関する情報の設定と記憶を制御する記憶制御ステップと、他の装置に指示を送信するとき、指示内容とともに、前記記憶制御ステップで記憶が制御された前記情報が送信されるように制御する送信制御ステップとを含む。
【0030】
本発明の一側面のプログラムは、指示を受け取った側で、受け取った指示を優先的に処理するか否かの判断を行うときに用いられる優先順位に関する情報の設定と記憶を制御する記憶制御ステップと、他の装置に指示を送信するとき、指示内容とともに、前記記憶制御ステップで記憶が制御された前記情報が送信されるように制御する送信制御ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0031】
本発明の一側面の指示装置および方法、並びにプログラムにおいては、指示を受け取った側で、受け取った指示を優先的に処理するか否かの判断を行うときに用いられる優先順位に関する情報が、指示内容と共に送信される。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一側面によれば、複数の装置からの指示を、所定の規則に基づいて処理できるようになり、例えば、1つの装置から出された指示を、他の装置によりキャンセルされてしまうような不都合が発生しないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書または図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書または図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書または図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0034】
本発明の一側面の情報処理装置(例えば、図4の表示再生部14)は、第1の装置から指示された処理を実行する処理手段(例えば、図4のコンテンツ再生部43)と、第2の装置から指示を受けたとき、前記第1の装置と前記第2の装置との優先順位を比較する比較手段(例えば、図4の制御受信可否判断部46)と、前記比較手段による比較結果に応じて、前記第2の装置からの指示を、前記処理手段に実行させるか否かを判断する判断手段(例えば、図4の制御受信可否判断部46)とを備える。
【0035】
本発明の一側面の指示装置(例えば、図7の操作制御部17)は、指示を受け取った側で、受け取った指示を優先的に処理するか否かの判断を行うときに用いられる優先順位に関する情報を設定し、記憶する記憶手段(例えば、図7のCPU71と記憶部69)と、他の装置に指示を送信するとき、指示内容とともに、前記記憶手段に記憶されている前記情報を送信する送信手段(例えば、図7のCPU71とネットワーク通信部63)とを備える。
【0036】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
図1は本発明を適用したコンテンツ表示再生システムの構成図である。このコンテンツ表示再生システム10は、無線ネットワークと有線ネットワークとを組み合わせたホームネットワーク11に、デジタルビデオレコーダ等のコンテンツサーバを具体例とする2台のコンテンツ供給部12とコンテンツ供給部13が接続されている。また、ホームネットワーク11には、コンテンツ供給部12やコンテンツ供給部13を操作する操作制御部17と操作制御部18も接続されている。
【0038】
ホームネットワーク11は、家庭内デジタルネットワークであり、ハブ11aを介し、例えばIEEE802.3方式、あるいは、その発展方式に基づいた有線ケーブル11bにより、コンテンツ供給部12やコンテンツ供給部13を接続している。また、ホームネットワーク11は、無線LANのアクセスポイント11cをハブ11aに接続し、操作制御部17または操作制御部18を、例えばIEEE802.11方式のプロトコル、あるいは、その発展プロトコルなどの所定のプロトコルを用いて無線接続している。このため、操作制御部17および操作制御部18は、ホームネットワーク11上のコンテンツ供給部12やコンテンツ供給部13と接続されており、その操作を制御することができるように構成されている。
【0039】
また、ハブ11aには、3台の表示再生部14乃至16が接続されている。操作制御部17や操作制御部18は、ホームネットワーク11に接続されている表示再生部14乃至16も、それぞれ操作することができるように構成されている。なお、図1には図示していないが、表示再生部14乃至16は、それぞれ専用の操作制御部、例えば、赤外線(IR)などを用いて表示再生部14乃至16にそれぞれ指示を出すリモートコントローラを備えるようにしても良い。
【0040】
図1に示したコンテンツ表示再生システム10においては、オーディオビジュアルコンテンツをストリーミング配信するサーバ(例えば、コンテンツ供給部12)からストリーミング配信されるコンテンツが、レンダラ(例えば、表示再生部14)で再生される。また、そのような再生が行われるための制御(操作)は、操作制御部(例えば、操作制御部17)により行われる。
【0041】
また、操作制御部17や操作制御部18自体も映像を表示する機能を有しており、コンテンツ供給部12、13からのコンテンツを再生、表示できるように構成されている。
【0042】
操作制御部(例えば、操作制御部17)がコンテンツ供給部(例えば、コンテンツ供給部12)からのコンテンツAを再生しているときに、そのコンテンツAが表示再生部(例えば、表示再生部14)で表示されるような操作が操作制御部17で行われ、その操作の結果、表示再生部14でコンテンツAの再生が行われるようなことを、以下の説明では、スロウ(throw)(スロウ操作)と記述する。
【0043】
また、表示再生部(例えば、表示再生部14)がコンテンツ供給部(例えば、コンテンツ供給部12)からのコンテンツAを再生しているときに、そのコンテンツAが操作制御部(例えば、操作制御部17)で表示されるような操作が操作制御部17で行われ、その操作の結果、操作制御部17でコンテンツAの再生が行われるようなことを、以下の説明では、キャッチ(catch)(キャッチ操作)と記述する。
【0044】
図1に示すシステムでは、スロウやキャッチといったコンテンツ供給部12、13から供給されるコンテンツを、表示再生部14、15、16と操作制御部17、18との間で、授受(映像の再生、表示先を変更)できるように構成されている。
【0045】
なお、図1および以下の説明においては、ホームネットワーク11に表示再生部14乃至16の3台の表示再生部が接続されている例を挙げて説明を続けるが、3台より少ない表示再生部が接続されている場合であっても、また、3台より多い表示再生部が接続されている場合であっても、以下に説明を続ける本発明を適用できることは言うまでもない。また、同様に、操作制御部も、2台の操作制御部17、18がホームネットワーク11に接続さている例を挙げて説明を続けるが、2台の操作制御部のみがホームネットワーク11に接続されている場合のみに本発明が限定されることを意味しているのではない。
【0046】
図2は、コンテンツ供給部12の機能ブロック図である。コンテンツ供給部13についても同様の機能ブロック図であるので、図示および説明は省略する。またコンテンツ供給部12からコンテンツが表示再生部14や操作制御部17などに供給される例を挙げて以下の説明を続ける。
【0047】
コンテンツ供給部12は、コンテンツを記憶し、他の装置に供給するデジタルビデオレコーダなどで構成されるサーバである。コンテンツ供給部12は、ネットワークI/F(インターフェース)20、コンテンツ配信処理部21、およびコンテンツ蓄積部22を含む機能を有する。
【0048】
コンテンツ供給部12は、BS(Broadcast Satellite)デジタル、CS(Communication Satellite)デジタル、地上波アナログ、インターネットなどを通じて家庭内にて受信した映像および音声のコンテンツ(以下、これらをまとめてコンテンツと記述する)を、図2に示す、ハードディスク等の大容量蓄積媒体からなるコンテンツ蓄積部22にストリーミングデータとして蓄積する。
【0049】
また、コンテンツ供給部12は、コンテンツ蓄積部22に蓄積したストリーミングデータを、操作制御部17、18の指示によりコンテンツ配信処理部21により読み出して再生し、要求先の表示再生部14乃至16や操作制御部17、18に、ネットワークI/F20を通してストリーミング配信する。
【0050】
図3は、コンテンツ供給部12のハードウェアの構成例を示す図である。CPU23は、ROM(Read Only Memory)24に記憶されているサーバプログラム、またはハードディスクドライブ(HDD)22からRAM(Random Access Memory)25にロードされたサーバプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM25にはまた、CPU23が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0051】
CPU23、ROM24、およびRAM25は、バス26を介して相互に接続されている。このバス26にはまた、入出力インターフェース27も接続されている。入出力インターフェース27には、ボタン、スイッチ、キーボードあるいはマウスなどで構成される入力部28、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ、並びにスピーカなどで構成される出力部29、ネットワークI/F20(図2)として機能する、モデムやターミナルアダプタなどで構成される通信部20、およびコンテンツ蓄積部22として機能するHDD22が接続されている。
【0052】
通信部20は、ホームネットワーク11を介して通信処理を行う。このコンテンツ表示再生システム10において、コンテンツ供給部12の通信部20は、有線によりハブ11aを介して無線LAN用アクセスポイント11cに接続している。また、ハブ11aを介して有線11bにより3台の表示再生部14、15および16に接続している。よって、コンテンツ供給部12および13は、通信部20を通してホームネットワーク11内の無線通信路にて操作制御部17や操作制御部18と接続し、有線通信路11bにて複数の表示再生部14、15および16に接続している。無線LAN用アクセスポイント11cと操作制御部17は、IEEE802.11方式のプロトコル、あるいはその発展プロトコルなどの所定のプロトコルにしたがった無線通信が行われる。
【0053】
HDD22には、サーバプログラムの他、ストリーミング配信するためのメディアデータなどが格納されている。入出力インターフェース27にはまた、必要に応じてドライブ30が接続され、磁気ディスク31、光ディスク32、光磁気ディスク33、あるいは半導体メモリ34などが適宜装着され、そこから読み出されたコンピュータプログラム(サーバプログラムなど)が、必要に応じてHDD22にインストールされる。
【0054】
図2の機能ブロック図との関係でいえば、図3の各部は以下のようになる。通信部20はネットワークI/F20として機能し、HDD22はコンテンツ蓄積部22として機能する。また、CPU23、ROM24、RAM25、およびドライブ30に接続された各メディア31乃至34等はコンテンツ配信処理部21として機能する。
【0055】
よって、このコンテンツ供給部12の動作をハードウェアの構成に基づいて説明すると以下のようになる。コンテンツ供給部12のCPU23は、サーバプログラムに基づいてストリーミングデータの配信処理を実行する。例えば、コンテンツ供給部12は、HDD22に様々なメディアデータを記憶させ、操作制御部17からホームネットワーク11を介して所定のメディアデータのストリーミング配信が要求された場合、対応するコンテンツデータを読み出し、ストリーミング配信を行うために所定のパケットを生成し、ホームネットワーク11を介して配信する。
【0056】
図4は、表示再生部14、15および16の機能ブロック図である。表示再生部14乃至16は、それぞれ、図4に示すような機能を有しており、その構成例は同様であるので、ここでは表示再生部14を例に挙げて説明を続ける。
【0057】
表示再生部14は、コンテンツ供給部12からストリーミング配信されたストリーミングデータを受信し、再生してLCDやCRTに表示することのできるストリーミング再生機能を有すると共に、映像に関連した音声データを再生し、スピーカから出力する表示再生装置である。このため、表示再生部14は、ホームネットワーク11に接続するインターフェース機能部であるネットワークI/F40と、ネットワークI/F40を介してストリーミングデータ(コンテンツデータ)を受信するコンテンツ受信処理部41と、コンテンツデータをデコードするコンテンツデコード部42と、コンテンツデコード部42でデコードされたコンテンツデータを再生するコンテンツ再生部43と、再生されたコンテンツの映像を表示するコンテンツ表示部44と、再生されたコンテンツの音声を出力するコンテンツ音声出力部45からなる。
【0058】
また、表示再生部14は、ホームネットワーク11に複数の操作制御部(図1の場合、操作制御部17と操作制御部18)が接続されているときに、例えば、操作制御部17からの指示が、操作制御部18からの指示よりも優先して行われるようにするための機能も有する。そのような機能を実現するために、表示再生部14は、制御受信可否判断部46、優先順位管理部47、および優先順位設定部48を備える構成とされている。
【0059】
制御受信可否判断部46は、指示を出してきた操作制御部(例えば、操作制御部17)の指示を受けるか否かを、優先順位管理部47で管理されている情報(例えば、後述するように図12のテーブル101などの形式で管理されている情報)を参照して判断する。優先順位管理部47は、上記したような情報を管理する。すなわちこの場合、優先順位管理部47は、指示を受ける操作制御部の優先順位を管理している。
【0060】
操作順位設定部48は、操作順位管理部47で管理される情報(操作制御部の順位)を設定する際の処理を実行する。
【0061】
図5は、表示再生部14のハードウェアの構成例を示す図である。例えば、表示再生部14は、通信部(I/F)40と、受信処理部41と、デコード部42と、映像信号処理部43−Vと、LCD44、音声信号増幅部43−Aと、スピーカ45とを備えている。この表示再生部14の各部は、CPU46を中心とする制御部によって制御するようにされている。制御部は、CPU46、ROM48、RAM49、EEPROM50がCPUバス47を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。また、CPU46は入力I/F51を介してキー入力部52と接続されており、ユーザによる例えば音量調整、画質調整、あるいは電源投入切断などの操作信号を受け付ける。
【0062】
ROM48は表示再生部14において実行される各種の処理プログラムや処理に必要なデータなどを記録している。RAM49は、各種の処理において得られたデータを一時的に記憶保持するなどのように、主に各種の処理の作業領域として用いられるものである。
【0063】
EEPROM50は、いわゆる不揮発性のメモリであり、電源が落とされても、記憶保持した情報が失われることがなく、例えば、各種の設定パラメータなどを記憶保持することができるものである。
【0064】
通信部(I/F)40は、ホームネットワーク11を介して通信処理を行う。このコンテンツ表示再生システム10において、表示再生部14の通信部(I/F)40は、有線11bにてハブ11aを介して無線LAN用アクセスポイント11cに接続している。また、ハブ11aを介して有線11bにてコンテンツ供給部12および13に接続している。よって、表示再生部14は、通信部(I/F)40を通してホームネットワーク11内の無線通信路にて操作制御部17と接続し、有線通信路11bにてコンテンツ供給部12に接続している。
【0065】
受信処理部41は、供給された信号を復調するなどの処理を行って、復調後の信号をデコード部(伸長処理部)42に供給する。コンテンツ供給部12は、地上波放送番組のテキストデータや映像データなどの表示用データや音声データ、あるいは、衛星放送番組の映像信号や音声信号などの情報信号をデータ圧縮して送信してくる。このため、表示再生部14のデコード部42は、受信処理部41からのデータ圧縮されている信号の供給を受けて、映像信号と音声信号とを分離し、分離した信号を伸長(圧縮解凍)することにより、データ圧縮前の元の信号を復元する。
【0066】
そして、デコード部42は、復元した映像信号と音声信号とをD/A変換(デジタル/アナログ変換)し、アナログ映像信号と、アナログ音声信号とを形成する。そして、デコード部42は、アナログ映像信号を映像信号処理部43−Vに供給し、アナログ音声信号を音声信号増幅部43−Aに供給する。
【0067】
映像信号処理部43−Vは、デコード部42から供給される映像信号から、表示用信号を形成し、これをLCD44に供給する。これにより、LCD44の表示画面には、コンテンツ供給部12または13から送信されてきた映像信号に応じた映像が表示される。
【0068】
一方、音声信号増幅部43−Aは、これに供給された音声信号を所定のレベルにまで増幅し、これをスピーカ45に供給する。これにより、スピーカ45からは、コンテンツ供給部12または13から送信されてきた映像信号に関連する音声信号に応じた音声が放音される。
【0069】
このように、表示再生部14は、コンテンツ供給部12からホームネットワーク11を介して送信されてくるテレビ放送番組などの映像信号や音声信号を受信して、その受信した映像信号や音声信号を再生して出力する。
【0070】
図6に、コンテンツを再生する機能を有する操作制御部17の機能ブロック図を示す。操作制御部17と操作制御部18は、基本的に同様の機能を有するため、ここでは、操作制御部17を例に挙げて説明する。
【0071】
操作制御部17は、ホームネットワーク11に接続したコンテンツ供給部12や表示再生部14の操作を制御するための遠隔操作装置(リモートコントローラ)であり、ストリーミング再生する機能を有する遠隔操作装置である。すなわち操作制御部17は、コンテンツのストリーミング再生機能と、ホームネットワーク11に接続されている複数のコンテンツ供給部12、13、複数の表示再生部14乃至16の制御機能を併せ持つ。
【0072】
具体的に、操作制御部17は、操作制御部17自体を含めた各部間で映像情報の送受を制御し、表示再生部14乃至16および操作制御部17自体における映像の表示と音声の再生を制御する。このため操作制御部17は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力操作受付部60と、操作入力に応じて映像情報を各部間で送受するための操作信号を生成する映像情報送受信号生成機能を一機能とするコントロール信号生成部62と、コントロール信号生成部62によって生成された操作信号に応じてストリーミング再生した映像情報を表示するコンテンツ表示部64とを備える。また、オーディオ情報を再生するオーディオ再生機能を備え、内蔵スピーカやヘッドホン端子を介してヘッドホンやイヤホンにより音を聴取できるものであり、この実施の形態の操作制御部17は、コンテンツを表示・再生する表示再生部としても兼用できるものである。
【0073】
また、操作制御部17は、ホームネットワーク11の無線LANアクセスポイント11cとの間でIEEE802.11方式のプロトコル、あるいはその発展プロトコルなどの所定のプロトコルにしたがった無線通信を行うためのネットワークI/F63を有する。また、コンテンツ供給部12および13が格納しているコンテンツに関する情報やコンテンツデータそのものを受信し、復調するなどの処理を行うコンテンツ受信処理部65を有する。
【0074】
また、コンテンツ受信処理部65により受信されて復調されたコンテンツに関する情報からコンテンツのリストを生成するリスト生成部66と、リスト生成部66によって生成されたリストを表示するリスト表示部67とを有する。また、コンテンツ受信処理部65により受信され復調されたコンテンツデータをデコードして再生するコンテンツ再生部68と、コンテンツ再生部68によって再生されるコンテンツデータを記憶する記憶部69とを備える。コンテンツ再生部68によって再生されたコンテンツデータは上記コンテンツ表示部64により映像表示される。
【0075】
また、操作制御部17は、入力操作受付部60にて受け付けたユーザによる入力操作がどのような入力操作であるのかを判定する入力操作判定部61をコントロール信号生成部62との間に有する。
【0076】
コントロール信号生成部62は、入力操作判定部61による判定結果に基づいて各種コントロール信号を生成する。生成されるコントロール信号の具体例としては、コンテンツ供給部12に格納されているコンテンツデータを、所望の表示再生部14にストリーミング再生させる操作信号がある。また、表示再生部14にて表示されているコンテンツデータを、操作制御部17のコンテンツ表示部64に表示するための操作信号などもある。
【0077】
このほか、コントロール信号生成部62は、ユーザの入力操作に基づいて所望のコンテンツ供給部12又は13を選択するコンテンツ供給選択信号を生成する。また、所望のコンテンツを選択するためのコンテンツ選択信号を生成する。コンテンツ選択信号は、コンテンツ受信処理部65で受信されたコンテンツに関する情報からリスト生成部66が生成し、リスト表示部67が表示したコンテンツリストを視認したユーザの操作に応じて生成される。また、コントロール信号生成部62は、表示再生部14、15および16を選択するための表示再生部選択信号を生成する。この表示再生部選択信号は、表示再生部・リスト表示部70に表示された表示再生部リストを視認したユーザの操作に応じて生成される。
【0078】
もちろん、コントロール信号生成部62は、操作制御部17自体のコンテンツ表示部64にコンテンツを再生したり、停止したり、ポーズするための再生操作信号の他、表示を選択した表示再生部14乃至16におけるコンテンツの再生を開始、停止、ポーズするなどの操作信号も生成する。
【0079】
図7は、操作制御部17のハードウェアの構成例である。操作制御部17は、CPU71をバス72を介してネットワーク通信部64、コーデック処理部74、GDP(Graphics Display Processor)78、VRAM79に接続している。また、CPU71はROM/RAM73、LCD64、記憶部69に接続している。また、CPU71には入力操作部60である入力スイッチマトリックス部60が接続されている。
【0080】
ネットワーク通信部64は、アンテナ80を介し、無線LAN用のアクセスポイント11cと 上述したように、IEEE802.11方式のプロトコル、あるいはその発展プロトコルなどの所定のプロトコルにしたがった無線通信を行う。ネットワーク通信部64による無線通信により、操作制御部17は入力操作部(入力スイッチマトリックス部)60によるユーザ入力操作に応じてCPU71がコントロール信号生成部62として機能し、生成した上記各コントロール信号をホームネットワーク11に接続されている複数のコンテンツ供給部12、13、複数の表示再生部14乃至16に、アクセスポイント11cを通じて送信することができるように構成されている。また、上記各部からの応答信号を受信することができるように構成されている。
【0081】
ROM73は、操作制御部17において実行するコンテンツ表示再生プログラムや、各種の処理プログラム、また処理に必要なデータを記録している。RAM73は、各種の処理において得られたデータを一時的に記憶保持するなどのように、主に各種の処理の作業領域として用いられる。
【0082】
記憶部69は、例えばコンテンツ供給部12からコンテンツの供給を受けている時に、コンテンツ供給部12からストリーミング配信されたコンテンツデータを記憶するメモリであり、半導体メモリや、HDDなどから構成される。
【0083】
コーデック処理部74は、ネットワーク通信部64を介してストリーミング配信され、CPU71の制御によって分離された映像データ、音声データをデコードする。デコードされた映像情報はGDP78により映像信号処理が施され、LCD64に表示される。また、音声情報は、増幅器75にて増幅された後、ステレオ2ch用スピーカ76L、76Rに送られ各スピーカ76L、76Rから放音される。
【0084】
このような本実施の形態の操作制御部17は、いわゆるリモートコントローラ(遠隔操作装置)のみならず、コンテンツを表示・再生可能な表示再生装置としても兼用できるものである。
【0085】
図8は、上記ハードウェア構成の操作制御部17のCPU71によって実行されるソフトウェアのブロック図である。遠隔操作信号を生成し、各コンテンツ供給部12、13や、表示再生部14乃至16を制御するためのリモートコマンドアプリケーション81がある。また、映像、音楽、画像デコーダ部82、リモート機器制御部83、グラフィックスライブラリ84、映像ストリーム処理部85が、オペレーティングシステムOS86に基づいて実行される。さらに、ネットワークプロトコル処理部87は、上記802.11bの無線プロトコル88を実行する。また、グラフィックプロセッサ89は、GDP78により動作する。
【0086】
コンテンツ表示再生システム10における、操作制御部17での表示、スロウ操作による表示再生部での表示、キャッチ操作による操作制御部での表示を図9、図10、図11に示す。
【0087】
図9を参照するに、時刻T1において、ユーザは、操作制御部17−1(ここでは、同一の操作制御部17で行われる操作(処理)について説明を加えるために、時間経過に合った符号を付し、時刻毎の操作制御部17に区別がつくように記述する。表示装置14に関しても同様に記述する)に搭載されている表示パネル上のLCD64に、コンテンツ供給部12で保管されているコンテンツのコンテンツリストが表示される。
【0088】
時刻T1において、操作制御部17−1に備えられているカーソル移動ボタン90を使って、リスト上に斜線で示すように示されるカーソル91を希望するコンテンツ名に合せることでコンテンツを選択し、決定ボタン92を操作する。その結果、時刻T2において、コンテンツ供給部12からコンテンツAのストリーミングが開始され、操作制御部17―2のLCD64上にコンテンツAが表示される。
【0089】
次に、このようにして選択され、操作制御部17に表示されたコンテンツAを表示再生部14で再生させるように制御したい場合(すなわち、スロウ操作の場合)について図10を参照して説明する。
【0090】
時刻T3において、コンテンツAが操作制御部17−3上に表示されている。操作制御部17−3には、操作パネル上にジョイスティック操作子93が具備されており、その操作がコンテンツの切り換え動作に割り付けられているものとする。時刻T1において操作制御部17―1で選択されたコンテンツAは、時刻T3においてスロウ操作が行われると、時刻T4において、表示再生部14−4で表示される。このときのスロウ操作は、ジョイスティック操作子93が上方向(上方向に向いた黒矢印のように)に移動されることにより行われる。
【0091】
このスロウ操作によってコンテンツAは表示再生部14によりストリーミング再生される。このとき操作制御部17―4のLCD64でのコンテンツAの表示は消える。もちろん、LCD64のコンテンツAの表示を消さずにそのまま継続して再生が行われるようにしても良い。なお、ここでは、コンテンツAを操作制御部17のLCD64に表示している状態からスロウ操作を行ったが、コンテンツAのアイコンを操作制御部17にて選択してすぐにスロウ操作を行うこともできる。
【0092】
次に、表示装置14で表示されているコンテンツAを、操作制御部17で再生させる場合(すなわち、キャッチの場合)について、図11を参照して説明する。キャッチ操作においても、上述したようにジョイスティック操作子93の操作が、コンテンツの切り換え動作に割り付けられているものとする。時刻T5において、操作制御部17―5には、何も表示されていない(少なくともコンテンツAは表示されていない)状態であり、表示再生部14−5には、コンテンツAが表示されている状態である。
【0093】
このような状態のときに、キャッチ操作、すなわち、ジョイスティック操作子93が下方向(下方向に向いた黒矢印のように)に移動されると、時刻T6において、コンテンツAは、操作制御部17−6に表示される。すなわち、キャッチ操作によってコンテンツAは表示再生部14−5から操作制御部17−6に切り換わり、操作制御部17−6によりストリーミング再生される。このとき表示再生部14−6のLCD上の表示は消える。もちろん、表示再生部14−6のLCD上の表示を消さずにそのまま残しておいてもよい。
【0094】
このようにコンテンツ表示再生システム10は、操作制御部17を用いたスロウ操作、キャッチ操作によりコンテンツ供給部12、13に存在するコンテンツを表示再生部14乃至16、あるいは操作制御部17、18の間でホームネットワーク11を介して送受することができる。
【0095】
ところで、例えば、ユーザAにより操作制御部17でスロウ操作が行われ、表示再生部14にコンテンツAが表示されているとき(すなわち、図10に示した時刻T4の状態のとき)に、ユーザBにより操作制御部18(図1)でスロウ操作が行われると、操作制御部18で再生されていたコンテンツ(コンテンツBとする)が、表示再生装置14―4(図10)で再生されることになる。
【0096】
コンテンツAを表示再生部14−4で視聴していたユーザAにとっては、視聴していたコンテンツAがコンテンツBに切り替えられるのは、好ましい状況ではないであろうと考えられる。よって、このような、ユーザAが視聴していたコンテンツAが、ユーザBのスロウ操作により中断されないようにする。換言すれば、操作制御部17での操作が、操作制御部18での操作によりキャンセルされるようなことがないようにする。
【0097】
またこのような好ましくない状況は、スロウ操作のときだけでなく、キャッチ操作のときにも起こりえることである。例えば、ユーザAが表示装置14でコンテンツAを視聴していたときに、ユーザBが操作制御部18でキャッチ操作を行うと、コンテンツAは、表示再生部14での再生が中断され、操作制御部18で再生が開始されてしまうことになる。よって、このようなことが発生しないようにする。
【0098】
ここでは、操作制御部17と操作制御部18など、表示再生部14に対して指示を出すことができる操作部の間に優劣関係を設け、その優劣に関する情報を、表示再生部14が管理するようにする。そして、表示再生部14は、操作制御部17または操作制御部18から指示を受けたとき、優劣関係の情報を参照し、指示を受け付けるか否かを判断するようにする。このようにすることで、例えば、優勢に設定されている操作制御部17からの指示を実行しているときには、劣勢に設定されている操作制御部18からの指示は受け付けない(実行されないようにする)といった処理が実行されることを可能とする。
【0099】
そのような処理を含むスロウ操作について、図13、図14のフローチャートを参照して説明するが、その前に、各表示再生部14乃至16が管理する優劣関係に関する情報についてさらに説明を加える。図12は、優劣関係に関する情報を管理するテーブルの一例である。テーブル101は、例えば、表示再生部14の優先順位管理部47で管理されるテーブルである。ここでは、図12に示したテーブル101は、表示再生部14で管理されているテーブルであるとして説明を続ける。
【0100】
テーブル101には、“優先順位”と“制御を受け付ける装置”が関連付けられた状態で記載されている。図12に示したテーブル101において、優先順位が“1”には制御を受け付ける装置として“表示再生部14本体の操作部”が関連付けられており、優先順位が“2”には制御を受け付ける装置として“表示再生部14付属の操作制御部”が関連付けられており、優先順位が“3”には制御を受け付ける装置として“操作制御部17”が関連付けられており、優先順位が“4”には制御を受け付ける装置として“操作制御部18”が関連付けられており、優先順位が“5”には制御を受け付ける装置として“―――”が関連付けられている(空欄とされ、新たな装置を追加、記憶できるようにされている)。
【0101】
このようなテーブル101が参照され、指示を受け付けたときに、その指示を実行するか否かが判断される。図12に示したテーブル101において、優先順位は、数値が小さいほど優勢であることを示している。すなわち、この場合、優先順位が“1”の“表示再生部14本体の操作部”が、一番優勢である。
【0102】
なお、図12においては、“制御を受け付ける装置”のそれぞれ欄には、装置の名称を図示したが、装置のID(ホームネットワーク11内で装置毎に識別できる情報として割り当てたIDなどでも良いし、装置の製造番号などでも良い)、制御プロトコル上の論理セッション番号、IPアドレス、MACアドレスなど、装置を識別するための情報が、それぞれの欄に記載され、後述するように、指示を出してきた装置を識別するための情報として用いられる。
【0103】
このようなテーブル101が参照されて行われる処理について、図13、図14のフローチャートを参照して説明する。ここでは、スロウ操作が行われたときの処理を中心にして(スロウ操作より前の時点で行われるテーブル101の設定なども含めた一連の処理について)説明する。またここでは、コンテンツ供給部12からコンテンツが供給され、供給されたコンテンツは、表示再生部14で再生され、表示再生部14へのスロウ操作は、操作制御部17により行われる例を挙げて説明をする。
【0104】
表示再生部14は、ステップS41において、優先順位の設定を行う。この優先順位の設定の処理は、図12に示したテーブル101を作成する処理であり、表示再生部14の優先順位設定部48(図4)において実行される処理である。この優先順位の設定の処理が実行されるのは、表示再生部14が、始めて起動されたときや、ユーザの指示があったときなどに行われる。よって、一度設定が行われた後は、ユーザの指示があったときなど以外には、行われる必要はない。
【0105】
優先順位の設定は、表示再生部14が、例えば、ネットワーク11に接続されている装置を調査し、その調査に基づいて、また、所定のルールに基づいて設定されるようにしても良い。
【0106】
または、ユーザにより設定されるようにしても良い。例えば、表示再生部14に、設定画面が表示され、ユーザが、表示された設定画面を参照しながら、操作制御部17などの操作制御部を登録するような仕組みを設けても良い。また、表示再生部14に表示される設定画面としては、例えば、図12に示したようなテーブル101のように、優先順位と制御を受け付ける装置とを関連付けた状態で登録できるような画面とすることができる(“制御を受け付ける装置”の欄を空欄にしておき、ユーザが、任意に操作制御部17などを登録できるような画面とすることができる)。
【0107】
どのような仕組みでも良いが、ステップS41において、テーブル101が作成され、表示再生部14に登録される。テーブル101の作成と登録が終了すると、スロウ操作に対応する処理が行われる状態にされる。
【0108】
ステップS21において、操作制御部17は、コンテンツ供給部12に対してコンテンツ情報の送信を要求する。ステップS61において、コンテンツ供給部12は、操作制御部17からのコンテンツ情報の送信の要求を受信し、その要求に応じ、ステップS62において、コンテンツ情報を送信する。このようにして、コンテンツ供給部12から送信されたコンテンツ情報を、操作制御部17は、ステップS22において受信する。
【0109】
このようにして、操作制御部17とコンテンツ供給部12との間で授受されるコンテンツ情報は、コンテンツ供給部12が蓄積しているコンテンツデータに関する情報であり、操作制御部17は、受信したコンテンツ情報に基づき、コンテンツリストを表示する。
【0110】
コンテンツリストが操作制御部17で表示されている状態のときに、1つのコンテンツが選択され(例えば、コンテンツリスト内の1つのコンテンツ名に、カーソルが位置している状態にされ)ている状態のときに、操作制御部17が入力スイッチマトリックス部60上でジョイスティック操作子93の上方向への移動を検出したか否か、すなわち、スロウ動作が指示されたか否かが、ステップS23において判断される。
【0111】
ステップS23において、操作制御部17が、スロウ動作を指示されたと判断すると、ステップS24に処理が進められる。ステップS24において、再生の対象とされるコンテンツ情報が、表示再生部14に送信される。再生の対象とされるコンテンツ情報とは、ユーザによりコンテンツリスト内から選択されたコンテンツを識別するための情報(コンテンツ供給部12が再生の対象とされたコンテンツを管理しているアドレスなど)や、再生開始ポイント(コンテンツの先頭からの時間、バイト数など)などの情報である。
【0112】
このようなコンテンツ情報を、ステップS42において受信した表示再生部14は、ステップS43において、コンテンツの再生中であるか否かを判断する。ステップS42において、コンテンツの再生中であると判断された場合、ステップS44に処理が進められ、コンテンツの再生中ではないと判断された場合、ステップS47(図14)に処理が進められる。
【0113】
ステップS42において、コンテンツの再生中であると判断されるときは、既に、他の装置、例えば、“表示再生部14自体が有する操作部”や“操作制御部18”などにより、コンテンツの再生が指示された結果、コンテンツ(コンテンツAとする)の再生が実行されている状態である。このような状態のときに、例えば、他の装置からスロウ操作がされると、そのスロウ操作により、その時点でのコンテンツAの再生が中断され、新たなコンテンツ(コンテンツBとする)の再生が開始されることになる。
【0114】
しかしながら、コンテンツAの再生がコンテンツBの再生により中断されるのは好ましくない状況である場合がある。好ましくない状況が発生しないように、本実施の形態においては、上記したように、装置(操作部)に優先順位を設け、優先順位の高い装置からの指示は、優先順位の低い装置からの指示によりキャンセルされるようなことがないようにする。
【0115】
そのために、まず、ステップS43において、コンテンツを再生中であるか否かが判断される。コンテンツが再生されているときであれば、その再生が中断される可能性があるため、ステップS44に処理が進められ、優先順位の判定が行われる、一方、コンテンツが再生されていなければ、再生が中断されるといったことが発生することはないため、ステップS44やステップS45において実行される優先順位の判定などの処理をスキップし、ステップS47に処理が進められる。
【0116】
ステップS44において、優先順位の判定が行われる。すなわち、表示再生部14は、テーブル101を参照し、その時点で実行している処理(コンテンツの再生)を指示してきた装置と、新たに指示を出してきた装置との優劣関係を判定する。このような判定を行うために、表示再生部14は、指示を出してきた装置に関する情報(優先順位など)を記憶している。ステップS44における判定結果が用いられて、ステップS45において、指示を受けるか否かが判断される。ステップS44における判定と、ステップS45における判断は、表示再生部14の制御受信可否判断部46(図4)において行われる。
【0117】
例えば、優先順位が“3”の“操作制御部17”によりスロウ操作が行われ、その結果として、所定のコンテンツが表示再生部14で再生、表示されているときに、優先順位が“4”の“操作制御部18”により何らかの操作が行われた場合、表示再生部14は、テーブル101を参照し、その時点で実行している優先順位“3”より低い優先順位“4”の“操作制御部18”からの指示は受け付けないと判断する。
【0118】
また、例えば、優先順位が“4”の“操作制御部18”によりスロウ操作が行われ、その結果として、所定のコンテンツが表示再生部14で再生、表示されているときに、優先順位が“3”の“操作制御部17”により何らかの操作が行われた場合、表示再生部14は、テーブル101を参照し、その時点で実行している優先順位“4”より高い優先順位“3”の“操作制御部17”からの指示を受け付けると判断する。
【0119】
このように、ステップS42の処理が実行されたとき(表示再生部14に対して指示が与えられたとき)に実行されていた処理を指示した装置の優先順位よりも、新たに指示を出してきた装置の優先順位が高い場合、その優先順位が高い装置からの指示は受け付け、新たに指示を出してきた装置の優先順位が低い場合、その優先順位の低い装置からの指示は受け付けない(優先順位の高い装置からの指示を継続する)。
【0120】
ステップS45において、指示を受け付けないと判断された場合、ステップS46(図14)に処理が進められ、指示を受け付けると判断された場合、ステップS47(図14)に処理が進められる。
【0121】
ステップS46において、表示再生部14は、指示を受け付けないということを、指示を出してきた装置(この場合、操作制御部17)に対して通知する。または、ステップS47において、表示再生部14は、指示を受け付けるということを、指示を出してきた装置に対して通知する。
【0122】
操作制御部17は、ステップS25において、指示を受け付けつけないという通知を受信するか、または、ステップS26において、指示を受け付けるという通知を受信する。ステップS27において、操作制御部17は、受信された通知が、“受け付け不可”を示すものであるか、“受け付け可”を示すものであるかを判断する。ステップS27において、通知は“受け付け不可”を示すものであったと判断された場合、ステップS28に処理が進められ、受け付けが不可であったことをユーザに認識させるためのメッセージがLCD64(図7)に表示される。
【0123】
一方、ステップS27において、通知は“受け付け可”を示すものであったと判断された場合、操作制御部17の処理は終了される。すなわち、操作制御部17から出された指示は、表示再生部14やコンテンツ供給部12で実行されるので、ユーザは、自己が出した指示が受け付けられたことを知ることができる。よって、指示が受け付けられた場合には、ユーザに対してメッセージを表示しないようにする。しかしながら、指示を受け付けられたときにも、そのことをユーザに知らせるメッセージを、LCD64に表示させるようにしても良いし、そのようにすることは可能である。
【0124】
表示再生部14は、指示を受け付けないときには、指示を受け付けないことを示す通知を操作制御部17に出し、その時点で実行されている処理を継続するが、指示を受け付けるときには、指示を受け付けることを示す通知を操作制御部17に出すとともに、受け付けた指示を実行するための処理を開始する。すなわち、ステップS47において、受け付け可能であることを、操作制御部17に通知するとともに、ステップS48において、コンテンツ供給部12に対して、コンテンツ取得リクエストを送信する。
【0125】
表示再生部14は、上述したようにステップS42において、操作制御部17から再生対象とされるコンテンツに関するコンテンツ情報を受信している。表示再生部14は、受信したコンテンツ情報に基づき、コンテンツデータをコンテンツ供給部12から取得するために、コンテンツ供給部12にアクセスする。すなわち表示再生部14は、コンテンツ情報を基に、コンテンツ取得リクエストの情報を生成し、そのリクエスト情報を、コンテンツ供給部12に送信する。
【0126】
表示再生部14から送信されたリクエスト情報は、ステップS63においてコンテンツ供給部12に受信される。コンテンツ供給部12は、表示再生部14からリクエスト情報を受信すると、ステップS64において、受信したリクエスト情報に対応するコンテンツのコンテンツデータを読み出し、表示再生部14に対して供給する。
【0127】
表示再生部14は、ステップS49において、コンテンツ供給部12からのコンテンツデータを受信し、ステップS50において、受信されたコンテンツデータに基づくコンテンツの再生、表示を開始する。このようにして、表示再生部14により指示が受け付けられた場合には、スロウ操作が実行される。
【0128】
ところで、上記したように表示再生部14は、実行している処理を指示してきた装置の優先順位と、新たに指示を出してきた優先順位を比較して、新たな指示を実行するか否かを判断するため、実行している処理を指示してきた装置の優先順位を記憶している。この記憶は、例えばステップS47において、受け付け可能であることを操作制御部17に通知するとともに行われる。
【0129】
このように、指示を出してきた装置の優先順位が記憶される(更新される)。
【0130】
一度記憶された優先順位は、例えば、表示再生部14の電源がオフにされたときに削除される。これは、以下のような状況を考慮してである。例えば、表示再生部14が、優先順位が“1”の“表示再生部14本体の操作部”(図12参照)により出された指示を実行しているときに、表示再生部14の電源がオフにされた状況を考える。電源がオフにされても、その時点で記憶されている優先順位、すなわちこの場合、優先順位“1”が記憶され続けると、次に表示再生部14の電源がオンにされたときに、その記憶されている優先順位“1”との比較が行われることになる。
【0131】
このような状況のときに、電源のオンを指示した装置が、例えば優先順位“3”の“制御操作部17”であった場合、記憶されている優先順位“1”よりも低い優先順位のため、指示を受け付けられず、結果的に、表示再生部14の電源は、オンにされないことになってしまう。
【0132】
よって、このような状況が発生することがないように、電源がオフにされたときには、記憶されている優先順位は削除されるようにする。または、電源がオンにされるときには、優先順位の比較を行わないといったような特別な処理が実行されるようにしても良い。
【0133】
また、表示再生部14の電源がオンにされている状況のときであっても、以下のような状況を考慮する必要がある。例えば、優先順位が“1”の“表示再生部14本体の操作部”により一度指示が出されると、その優先順位“1”が記憶されるため、その後、優先順位が“1”の“表示再生部14本体の操作部”以外の装置からの指示は一切受け付けられないことになる。このような状況が発生すると、操作制御部17などのリモートコントローラなどは利用できないことになる。このようなことは、使い勝手を低下させることになると考えられる。
【0134】
よって、例えば、一度記憶された優先順位であっても、所定の時間以上、指示を受けなかった場合(例えば、ステップS47で操作制御部17からの指示を受け付け可能であること通知した時点から、所定の時間以上指示を受けなかったような場合)、記憶されている優先順位が削除されるようにしても良い。
【0135】
また、電源がオンにされただけで、その後、その操作部(例えば、表示再生部14本体の操作部)から指示が出されていなければ、どこからも操作されていないと判断されるようにし、記憶されている優先順位が削除されるようにしても良い。
【0136】
また、上記したような優先順位を設け、比較を行うようにしたのは、例えば、操作制御部17からのスロウ操作が、操作制御部18からのスロウ操作によりキャンセルされることがないようにするためである。換言すれば、開始された処理が中断されないように、本実施の形態においては、上記したような処理が行われるようにした。開始された処理とは、例えば、コンテンツ供給部12から供給されるコンテンツの再生や、テレビジョン放送の番組の表示などがある。
【0137】
コンテンツ供給部12から供給されるコンテンツの再生が中断されることがないようにするという点に注目すると、すなわち、ストリーミングが中断されない(視聴されているコンテンツが中断されない)ようにするという点に注目すると、コンテンツの視聴が行われていないとき(例えば、テレビジョン放送の番組の表示が行われているとき)には、上記したような優先順位の比較の処理などは実行されないようにしても良い。
【0138】
また、ステップS28において、操作制御部17には、指示が受け付けられなかったことをユーザに認識させるためのメッセージが表示されるが、そのメッセージとともに、“強制的に制御する”といったボタンが表示されるようにしても良い。そして、そのような“強制的に制御する”といったボタンが操作された場合、操作制御部17においてステップS24における処理が再度繰り返されるようにする。
【0139】
またステップS24の処理、すなわち、再生対象とされるコンテンツ情報の送信が再度行われる場合、その装置(操作制御部17)からの指示が、その時点で表示再生部14に記憶されている優先順位にかかわらず実行されるように指示するためのフラグとともに、指示内容が送信される。
【0140】
受信側(表示再生部14側)は、そのようなフラグが立てられている指示内容を受信した場合には、優先順位の比較などの処理(ステップS43乃至S47の処理)を行わず、すなわち、その時点で記憶されている優先順位にかかわらず、受信された指示に基づく処理を実行する。処理を実行したときには、その処理を指示してきた装置の優先順位に、記憶されている優先順位が更新される。
【0141】
上記した実施の形態においては、優先順位に関するテーブル101(図12)を、表示再生部14で作成し、記憶し、参照することにより指示を出してきた装置の優先順位を判別するという例をあげて説明をした。このような実施の形態の場合、表示装置14毎に、優先順位を設定することができるため、例えば、表示再生部14では、操作制御部17が操作制御部18よりも優先順位が高く設定されている状態にし、表示再生部15では、操作制御部18が操作制御部17よりも優先順位が高く設定されている状態にするといった装置毎に異なる設定を行うことが可能となる。
【0142】
このような設定を可能とすることにより、例えば、居間に設置されている表示再生部14では、親の操作制御部17が、子供の操作制御部18よりも優先順位が高い状態で設定され、子供の操作制御部18の操作により、親の操作制御部17から出した指示がキャンセルされるようなことがないように、制御されるようにすることが可能になるとともに、子供部屋に設置され表示再生部15では、子供の操作制御部18が、親の操作制御部17よりも優先順位を高い状態で設定され、親の操作制御部17の操作により、子供の操作制御部18から出した指示がキャンセルされるようなことがないように、制御されるようにすることが可能となる。
【0143】
次に、操作制御部17側で、優先順位を設定できる実施の形態について説明する。操作制御部17側で優先順位を設定できるようにすると、例えば、一時的に、操作制御部17の優先順位を高め、他の操作制御部(例えば、操作制御部18)からの操作により実行されていた処理を中断させ、操作制御部17からの指示を実行させることが可能となる。また、一時的に操作制御部17の優先順位を高め、指示を出し、その後、他の操作制御部により新たに出された指示により、操作制御部17から出されていた指示がキャンセルされるようなことがないようすることが可能となる。
【0144】
操作制御部17側で優先順位を設定する場合、操作制御部17は、例えば、図15に示すようなテーブル110を保持する。テーブル110は、操作制御部17の記憶部69(図7)に記憶される。また、テーブル110の作成などに係わる処理は、CPU71(図7)が所定のプログラムに基づく処理を実行することにより行われる。図15に示したテーブル110は、“ユーザ側に表示する優先順位”と“設定される優先順位”が関連付けられたテーブルである。
【0145】
“ユーザ側に表示する優先順位”とは、操作制御部17に、どのような優先順位を付けるかをユーザが設定するときに、ユーザ側に提示される優先順位である。すなわちこの場合、“ユーザ側に表示する優先順位”とは、ユーザが操作制御部17の優先順位を設定するときに、操作制御部17のLCD64(図7)に表示される情報である。このようにするのは、実際に設定される優先順位(後述するように数値)を、ユーザ側に提示してもユーザにとってはわかりづらいので、ユーザにとってわかりやすい情報を提示するためである。
【0146】
“設定される優先順位”とは、ユーザにより選択された優先順位に対応し、実際に、操作制御部17に設定される順位であり、例えば、表示再生部14に指示を出すときに、自己の優先度を表す情報として、指示と共に送信される情報である。
【0147】
図15に示したテーブル110では、“設定される優先順位”として、“3”からの数値が記載されている例を示した。これは、優先順位“1”は“表示再生部14本体の操作部”に割り当て、優先順位“2”は“表示再生部14付属の操作制御部”に割り当てるためである。すなわち、図12に示したテーブル101を用いた場合と同様に、“表示再生部14本体の操作部”や“表示制御部14付属の操作制御部”からの指示を、操作制御部17からの指示よりも優先的に処理されるようにするためである。
【0148】
ユーザは、LCD64上に表示された“最強”、“強”、“普通”、“弱”、“最弱”という優先順位を参照し、設定したい優先順位を選択する。例えば、ユーザにより設定された優先順位が“最強”である場合、“3”という優先順位が設定される。そして、操作制御部17から指示が出されるときには、この“3”という優先順位に関する情報と、指示内容を示す情報が、表示再生部14に送信される。
【0149】
操作制御部17が、優先順位に関する情報を送信するような実施の形態の場合であっても、表示再生部14の動作は、基本的に、図13、図14のフローチャートを参照して説明したように行われる。よって、表示再生部14における処理の詳細な説明は省略する。
【0150】
ただし、ステップS44において、表示再生部14は、優先順を判定するが、その判定は、その時点で記憶されている優先順位と、送信されてきた優先順位を比較することにより行われる。すなわちこの比較は、数値の大小関係を判定することにより行われる。そして、ステップS45において指示を受け付けるか否かが判断されるが、その判断は、送信されてきた数値の方が、記憶されている数値よりも小さい場合、受け付けると判断され、大きい場合、受け付けないと判断される。
【0151】
このような処理が行われるため、表示再生部14は、図12に示したようなテーブル101を保持する必要がなくなる。例えば、表示再生部14は、図12に示したようなテーブル101のうち、優先順位の側だけ保持していれば良い。または、単に、数値の比較だけなので、テーブル101などを保持しなくても、記憶されている数値が、送信されてきた数値よりも小さいか否かを判定できるようにしておけばよい。
【0152】
このように、操作制御部14でテーブル110を管理するようにしても、上述した表示再生部14でテーブル101を管理する場合と同等の効果を得ることが可能である。
【0153】
さらに、図15の“設定される優先順位”の値を不連続な数値や文字列とし、図15の情報を表示再生部14と操作制御部17にデフォルトで記録しておき、操作制御部17から表示再生部14に対して“設定される優先順位”の中から制御の優先順位に該当する値を送信し、表示再生部14にて受信した前記値を図15の情報と照合する事で優先順位を判断するようにしても良い。
【0154】
すなわち、前述の“最強”に該当する値が“10”、“強”に該当する値が“20”、“普通”に該当する値が“15”のように不連続な値であるとする。例えば、ユーザにより設定された優先順位が“最強”である場合、“10”という優先順位が設定される。そして、操作制御部17から指示が出されるときには、この“10”という優先順位に関する情報と、指示内容を示す情報が、表示再生部14に送信される。
【0155】
ステップS44において、表示再生部14は、優先順を判定するが、その判定は、その時点で記憶されている優先順位と、送信されてきた優先順位を比較することにより行われる。すなわちこの比較は、受信した値をデフォルトで記録してある図15の情報と照合する事で優先順位を特定することにより行われる。そして、ステップS45において指示を受け付けるか否かが判断されるが、その判断は、送信されてきた値の優先順位方が、記憶されている優先順位よりも優勢の場合、受け付けると判断され、劣勢の場合、受け付けないと判断される。このようにする事で、制御プロトコル上のセッション番号や、制御ポート番号、プロトコル電文に記載された文字列などを使い優先順位を指定する事が出来る。
【0156】
本発明によれば、表示再生部14などで再生されているコンテンツの視聴が、他の装置からの指示により中断されてしまうようなことに対して、制限を設けることが可能となる。
【0157】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム格納媒体からインストールされる。
【0158】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム格納媒体は、図3に示すように、磁気ディスク31(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク32(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク33(MD(Mini-Disc)を含む)、もしくは半導体メモリ34などよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM24やHDD22などにより構成される。プログラム格納媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインターフェースである通信部20を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0159】
なお、本明細書において、プログラム格納媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0160】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0161】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明が適用されたコンテンツ表示再生システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】コンテンツ供給部の機能例を示す図である。
【図3】コンテンツ供給部の構成例を示す図である。
【図4】表示再生部の機能例を示す図である。
【図5】表示再生部の構成例を示す図である。
【図6】操作制御部の機能例を示す図である。
【図7】操作制御部の構成例を示す図である。
【図8】操作制御部のソフトウェアの構成例を示す図である。
【図9】操作制御部における表示再生処理を説明する図である。
【図10】操作制御部によるスロウ操作を説明する図である。
【図11】操作制御部によるキャッチ操作を説明する図である。
【図12】優先順位に関するテーブルの一例を示す図である。
【図13】表示再生装置の動作について説明するフローチャートである。
【図14】表示再生装置の動作について説明するフローチャートである。
【図15】優先順位に関するテーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0163】
10 コンテンツ表示再生システム, 11 ホームネットワーク, 12,13
コンテンツ供給部, 14,15,16 表示再生部, 17 操作制御部, 18 操作制御部, 20 ネットワークI/F(通信部), 21 コンテンツ配信処理部, 22 コンテンツ蓄積部(HDD), 23 CPU, 24 ROM, 25 RAM, 26 バス, 27 入出力インターフェース, 28 入力部, 29 出力部, 30 ドライブ, 31 磁気ディスク, 32 光ディスク, 33 光磁気ディスク, 34 半導体メモリ, 40 ネットワークI/F(通信部(I/F), 41 コンテンツ受信処理部(受信処理部), 42 コンテンツデコード部(デコード部), 43 コンテンツ再生部(映像信号処理部、音声信号処理部), 44 コンテンツ表示部(LCD), 45 コンテンツ音声出力部(スピーカ), 46 CPU, 47 バス, 48 ROM, 49 RAM, 50 EEPROM, 51 入力I/F, 52 キー入力部, 60 入力操作受付部, 61 入力操作判定部, 62 コントロール信号生成部, 63 ネットワークI/F, 64 コンテンツ表示部(LCD), 65 コンテンツ受信処理部, 66 リスト生成部, 67 リスト表示部, 68 コンテンツ再生部, 69 記憶部, 70 表示再生部・リスト表示部, 71 CPU, 72 バス, 73 ROM/RAM, 74 コーデック処理部, 75 増幅器, 76L、76R スピーカ, 81 リモートコマンドアプリケーション, 82 映像・音楽・画像デコード部, 83 リモート機器制御部, 84 グラフィックスライブラリ, 85 映像ストリーム処理部, 86 オペレーションシステム(OS), 87 ネットワークプロトコル処理部, 88 802.11b, 89 グラフィックスプロセッサ, 90 カーソル移動ボタン, 91 カーソル, 92 決定ボタン, 93 ジョイスティック操作子, 101 テーブル, 110 テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置から指示された処理を実行する処理手段と、
第2の装置から指示を受けたとき、前記第1の装置と前記第2の装置との優先順位を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に応じて、前記第2の装置からの指示を、前記処理手段に実行させるか否かを判断する判断手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記処理手段の処理は、コンテンツの視聴であり、
前記処理手段により前記コンテンツの視聴が実行されている間、前記判断手段による判断が行われる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
指示を受け付ける対象となる装置の情報と、前記装置毎に割り当てた優先順位を関連付けたテーブルを管理する管理手段をさらに備え、
前記比較手段は、前記第1の装置と前記第2の装置との優先順位を、前記管理手段により管理されている前記テーブルを参照して比較する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記管理手段により管理される前記テーブルには、前記情報処理装置の情報も含まれる
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記指示を受けるとき、その指示と共に、優先順位に関する情報の提供も受け、
前記比較手段は、前記第1の装置と前記第2の装置との優先順位を、提供された情報を基に比較する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
第1の装置から指示された処理を実行する処理手段を備える情報処理装置の情報処理方法において、
第2の装置から指示を受けたとき、前記第1の装置と前記第2の装置との優先順位を比較する比較ステップと、
前記比較ステップでの比較結果に応じて、前記第2の装置からの指示を、前記処理手段に実行させるか否かを判断する判断ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項7】
第1の装置から指示された処理を実行する処理手段を備える情報処理装置に、
第2の装置から指示を受けたとき、前記第1の装置と前記第2の装置との優先順位を比較する比較ステップと、
前記比較ステップでの比較結果に応じて、前記第2の装置からの指示を、前記処理手段に実行させるか否かを判断する判断ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
指示を受け取った側で、受け取った指示を優先的に処理するか否かの判断を行うときに用いられる優先順位に関する情報を設定し、記憶する記憶手段と、
他の装置に指示を送信するとき、指示内容とともに、前記記憶手段に記憶されている前記情報を送信する送信手段と
を備える指示装置。
【請求項9】
前記優先順位に関する情報の設定は、ユーザの指示に基づいて行われる
請求項8に記載の指示装置。
【請求項10】
指示を受け取った側で、受け取った指示を優先的に処理するか否かの判断を行うときに用いられる優先順位に関する情報の設定と記憶を制御する記憶制御ステップと、
他の装置に指示を送信するとき、指示内容とともに、前記記憶制御ステップで記憶が制御された前記情報が送信されるように制御する送信制御ステップと
を含む指示方法。
【請求項11】
指示を受け取った側で、受け取った指示を優先的に処理するか否かの判断を行うときに用いられる優先順位に関する情報の設定と記憶を制御する記憶制御ステップと、
他の装置に指示を送信するとき、指示内容とともに、前記記憶制御ステップで記憶が制御された前記情報が送信されるように制御する送信制御ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−228022(P2007−228022A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43667(P2006−43667)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】