説明

情報処理装置および省電力制御方法

【課題】省電力化を効率的に行うこと。
【解決手段】記憶部1aは、自動取引装置2の過去の取引件数を記録した統計情報を記憶する。電文記憶部1bは、自動取引装置2に送信する電文を記憶する。生成部1cは、記憶部1aを参照し、前日までの取引件数に基づいて、自動取引装置2に省電力動作を指示する指示電文を生成し、電文記憶部1bに格納する。送信制御部1dは、電文記憶部1bに格納された指示電文を送信する際に、記憶部1aを参照し、自動取引装置2の当日の取引件数に基づいて、指示電文の指示内容を更新し、更新した指示電文を自動取引装置2に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動取引装置の省電力化を制御する情報処理装置および省電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行取引の一部を自動化して行うための自動取引装置が利用されている。自動取引装置は利用者との取引を効率的に行える一方、その電力消費が問題となる。そこで、例えば複数の自動取引装置が設定された店舗や出張所において、当該店舗などに存在する利用者数の増減に応じて、一部の自動取引装置の電源ON/OFFを切り替える提案がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−8109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、店舗に設置された自動取引装置に比して利用者が多数存在すると、取引開始までの各利用者の待ち時間が増大する。その場合、省電力状態の自動取引装置が存在するなら、当該自動取引装置の省電力状態を解除して取引可能とすることが望ましい。
【0005】
しかしながら、自動取引装置の省電力状態を解除して取引可能とするまでには、自動取引装置が備える各ユニットの動作テストなどを行うため時間がかかる。すなわち、省電力解除のために利用者の待ち時間が生ずる。
【0006】
そこで、当該待ち時間の軽減を図るため、過去の取引実績などから省電力状態とする自動取引装置を予め決めておくことが考えられる。具体的には、取引件数の多い時間帯には省電力状態の自動取引装置をその時間帯前に減らしておく。他方、取引件数の少ない時間帯を予め予測し、省電力状態の自動取引装置をその時間帯前に増やしておく。
【0007】
ところが、実際の運用では予測が外れることもある。例えば、利用者の過疎が予測された時間帯で、予想に反し混雑が発生する場合、その都度、省電力状態の解除を行っていると、結局、省電力解除のための待ち時間が生じ得る。
【0008】
このように、利用者の過疎が予測される時間帯に適切に省電力化を実現しながら、急な混雑時でも利用者の利便性を損なわない自動取引装置の効率的な運用をどのように実現するかが問題となる。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、省電力化を効率的に行える情報処理装置および省電力制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
生成部と送信制御部とを有する情報処理装置が提供される。生成部は、自動取引装置の過去の取引件数を記録した統計情報を記憶する記憶部を参照し、前日までの取引件数に基づいて、自動取引装置に省電力動作を指示する指示電文を生成し、電文記憶部に格納する。送信制御部は、電文記憶部に格納された指示電文を送信する際に、記憶部を参照し、自動取引装置の当日の取引件数に基づいて、指示電文の指示内容を更新し、更新した指示電文を自動取引装置に送信する。
【0011】
また、情報処理装置が行う省電力制御方法が提供される。この省電力制御方法では、自動取引装置の過去の取引件数を記録した統計情報を記憶する記憶部を参照し、前日までの取引件数に基づいて、自動取引装置に省電力動作を指示する指示電文を生成して、電文記憶部に格納する。そして、電文記憶部に格納された指示電文を送信する際に、記憶部を参照し、自動取引装置の当日の取引件数に基づいて、指示電文の指示内容を更新し、更新した指示電文を自動取引装置に送信する。
【発明の効果】
【0012】
上記情報処理装置および省電力制御方法によれば、省電力化を効率的に行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置を示す図である。
【図2】第2の実施の形態のATM制御システムの全体を示す図である。
【図3】制御サーバのハードウェア例を示す図である。
【図4】ATMのハードウェア例を示す図である。
【図5】制御サーバおよびATMの機能構成を示す図である。
【図6】テーブルの構成例を示す図である。
【図7】ユニット対応テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】条件定義ファイルのデータ構造例を示す図である。
【図9】取引カレンダーのデータ構造例を示す図である。
【図10】送信電文テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図11】指示電文の例を示す図である。
【図12】取引件数通知電文の例を示す図である。
【図13】指示電文生成処理を示すフローチャートである。
【図14】指示電文送信制御を示すフローチャートである。
【図15】省電力移行制御を示すフローチャートである。
【図16】復帰制御を示すフローチャートである。
【図17】第3の実施の形態のATM管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図18】第3の実施の形態の取引制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置を示す図である。情報処理装置1は、自動取引装置2と接続されている。情報処理装置1は、記憶部1a、電文記憶部1b、生成部1cおよび送信制御部1dを有する。
【0015】
記憶部1aは、自動取引装置2の過去の取引件数を記録した統計情報を記憶する。
電文記憶部1bは、自動取引装置2に送信するための電文を記憶する。
生成部1cは、記憶部1aに記憶された統計情報を参照し、前日までの取引件数に基づいて、自動取引装置2に省電力動作を指示する指示電文を生成し、当該指示電文を電文記憶部1bに格納する。
【0016】
送信制御部1dは、電文記憶部1bに格納された指示電文を送信する際に、記憶部1aを参照し、自動取引装置2の当日の取引件数に基づいて、指示電文の指示内容を更新し、更新した指示電文を自動取引装置2に送信する。
【0017】
情報処理装置1によれば、生成部1cにより、記憶部1aに記憶された統計情報が参照され、前日までの取引件数に基づいて、自動取引装置2に省電力動作を指示する指示電文が生成され、電文記憶部1bに格納される。送信制御部1dにより、電文記憶部1bに格納された指示電文が送信される際に、記憶部1aが参照され、自動取引装置2の当日の取引件数に基づいて、指示電文の指示内容が更新され、更新された指示電文が自動取引装置2に送信される。
【0018】
これにより、省電力化を効率的に行える。具体的には、送信制御部1dは指示電文を送信する際に、自動取引装置2の当日の取引状況により指示電文を更新するので、急な混雑にも適切に対応できる。例えば、前日までの取引件数に基づき自動取引装置2を省電力動作させると決定しても、その後、当該指示電文を送信する際に、当日の取引件数に応じて省電力動作させないよう指示内容を変更できる。よって、例えば突発的に混雑が発生するような場合には事前に省電力状態とすると決定されていた自動取引装置2を稼働状態としておくことで、自動取引装置2を改めて省電力状態から復旧する処理を省け、利用者の待ち時間を軽減できる。このようにして、利用者の過疎が予想される時間帯に適切に省電力化を実現しながら、急な混雑時でも利用者の待ち時間が増加するのを抑制できる。
【0019】
以下では、複数の店舗に設置された複数の自動取引装置の省電力化制御に情報処理装置1を適用する場合を例に採り、より具体的に説明する。なお、以下では自動取引装置をATM(Automated Teller Machine)と称する。
【0020】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態のATM制御システムの全体を示す図である。このATM制御システムは、制御サーバ100およびATM200,200a,・・・,300,300a,・・・を含む。制御サーバ100およびATM200,200a,・・・,300,300a,・・・は、ネットワーク10で接続されている。また、ATM200,200a,・・・は、支店20に設置されている。ATM300,300a,・・・は支店30に設置されている。支店20,30は金融機関の店舗である。金融機関はそれ以上の店舗を備えてもよい。以下では、ATM200,200a,・・・,300,300a,・・・を各ATMと称する。
【0021】
制御サーバ100は、各ATMの省電力動作を制御する。制御サーバ100は、1日の運用時間を複数の時間帯に区切り、各時間帯において各ATMが省電力動作を行うか否か、また、省電力動作の内容などを指示する。
【0022】
各ATMは、利用者の操作による残高照会、出金、入金および振込などの取引処理を行う自動取引装置である。各ATMは、現金自動預け払い機と呼ばれることもある。各ATMは、取引処理を行う際に用いる媒体を処理する各種ユニットを備える。各ATMは、ユニット単位に省電力化を行える。
【0023】
ここで、支店20に設置されたATM200,200a,・・・をグループG1のATMとする。支店30に設置されたATM300,300a,・・・をグループG2のATMとする。
【0024】
図3は、制御サーバのハードウェア例を示す図である。制御サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、グラフィック処理装置105、入力インタフェース106、記録媒体読取装置107および通信インタフェース108を有する。
【0025】
CPU101は、制御サーバ100全体を制御する。
ROM102は、制御サーバ100上のBIOS(Basic Input / Output System)のプログラムなどを記憶する。
【0026】
RAM103は、CPU101に実行させるOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM103は、CPU101による処理に必要な各種データを記憶する。
【0027】
HDD104は、OSプログラムやアプリケーションプログラムを記憶する。また、HDD104はCPU101による処理に必要な各種データを記憶する。なお、HDD104に代えて(または、HDD104と併せて)、SSD(Solid State Drive)など他の種類の記憶装置を用いてもよい。
【0028】
グラフィック処理装置105は、モニタ11と接続される。グラフィック処理装置105は、CPU101からの命令に従って画像をモニタ11の画面に表示させる。
入力インタフェース106は、キーボード12とマウス13と接続される。入力インタフェース106は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号をCPU101に送信する。
【0029】
記録媒体読取装置107は、記録媒体14に記憶されたデータを読み取る読取装置である。例えば、制御サーバ100が有すべき機能は、その機能の処理内容を記述したプログラムをコンピュータが実行することで実現できる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体14に記録して配布できる。
【0030】
記録媒体14としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリを使用できる。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−R/RW/RAMなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。半導体メモリには、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのフラッシュメモリがある。
【0031】
また、ネットワーク10に接続されたプログラム配信サーバ(図示せず)にプログラムを格納してもよい。この場合、制御サーバ100は、ネットワーク10を介してプログラム配信サーバからプログラムをダウンロードできる。
【0032】
通信インタフェース108は、ネットワーク10と接続される。通信インタフェース108は、ネットワーク10を介して各ATMを含む他の装置とデータ通信する。
図4は、ATMのハードウェア例を示す図である。ATM200は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、グラフィック処理装置205、モニタ205a、入力インタフェース206、キーパッド206a、タッチパネル206b、記録媒体読取装置207、通信インタフェース208およびユニットインタフェース209を有する。
【0033】
CPU201は、ATM200全体を制御する。
ROM202は、ATM200上のBIOSのプログラムなどを記憶する。
RAM203は、CPU201に実行させるOSプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM203は、CPU201による処理に必要な各種データを記憶する。
【0034】
HDD204は、OSプログラムやアプリケーションプログラムを記憶する。また、HDD204はCPU201による処理に必要な各種データを記憶する。なお、HDD204に代えて(または、HDD204と併せて)、SSD(Solid State Drive)など他の種類の記憶装置を用いてもよい。
【0035】
グラフィック処理装置205は、モニタ205aと接続される。グラフィック処理装置205は、CPU201からの命令に従って画像をモニタ205aの画面に表示させる。
入力インタフェース206は、キーパッド206aとタッチパネル206bと接続される。入力インタフェース206は、キーパッド206aやタッチパネル206bから送られてくる信号をCPU201に送信する。
【0036】
記録媒体読取装置207は、記録媒体14aに記憶されたデータを読み取る読取装置である。例えば、ATM200が有すべき機能は、その機能の処理内容を記述したプログラムをコンピュータが実行することで実現できる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体14aに記録して配布することができる。記録媒体14aの具体例は記録媒体14と同様である。
【0037】
また、ネットワーク10に接続されたプログラム配信サーバ(図示せず)にプログラムを格納してもよい。この場合、ATM200は、ネットワーク10を介してプログラム配信サーバからプログラムをダウンロードすることができる。
【0038】
通信インタフェース208は、ネットワーク10と接続される。通信インタフェース208は、ネットワーク10を介して制御サーバ100およびATM200a,・・・,300,300a,・・・を含む他の装置とデータ通信する。
【0039】
ユニットインタフェース209は、通帳ユニット209a、紙幣ユニット209b、硬貨ユニット209cおよびカードユニット209dと接続される。ユニットインタフェース209は、通帳ユニット209a、紙幣ユニット209b、硬貨ユニット209cおよびカードユニット209dから入力された信号をCPU201に送信する。また、ユニットインタフェース209は、CPU201から受信した信号を通帳ユニット209a、紙幣ユニット209b、硬貨ユニット209cおよびカードユニット209dに送信する。
【0040】
ここで、通帳ユニット209aは、預金通帳の受け付けおよび排出を行う。また、通帳ユニット209aは預金通帳に記録された情報の読み取りや記帳を行う。
紙幣ユニット209bは、紙幣の受け付けおよび排出を行う。また、紙幣ユニット209bは、金種の判別や入金された紙幣および出金する紙幣を計数する。
【0041】
硬貨ユニット209cは、硬貨の受け付けおよび排出を行う。また、硬貨ユニット209cは、金種の判別や入金された硬貨を計数する。出金に用いる場合には、出金された硬貨を計数する。
【0042】
カードユニット209dは、磁気カードの受け付けおよび排出を行う。また、カードユニット209dは、磁気カードに設けられた磁気ストライプに記録された情報を読み取る。
【0043】
なお、ATM200a,・・・,300,300a,・・・もATM200と同様のハードウェア構成によって実現できる。以下では、主にATM200の構成について説明するが、ATM200a,・・・,300,300a,・・・についても同様である。
【0044】
図5は、制御サーバおよびATMの機能構成を示す図である。制御サーバ100は、制御情報記憶部110、電文記憶部120、件数通知電文受信部130、指示電文生成部140、指示電文送信制御部150を有する。これらの各機能は、CPU101が所定のプログラムを実行することにより制御サーバ100上に実現される。ただし、これらの各機能の全部または一部を専用のハードウェアで実現してもよい。
【0045】
制御情報記憶部110は、制御情報を記憶する。制御情報には、ユニット対応テーブル、条件定義ファイルおよび取引カレンダーが含まれる。ユニット対応テーブルは、ATM200で行う取引処理と利用するユニットとの対応関係を定義したデータである。条件定義ファイルは、ATM200の省電力状態への移行要否を決定するための閾値群を定義したデータである。取引カレンダーは、過去の取引件数を記録した統計情報である。
【0046】
電文記憶部120は、指示電文を記憶する。指示電文にはATM200を省電力状態に移行させるための指示が含まれる。ここで、ATM200は次の省電力状態をとり得る。
(1)通帳ユニット209a、紙幣ユニット209b、硬貨ユニット209cおよびカードユニット209dの全ユニットの電源を停止する休止モード。
【0047】
(2)通帳ユニット209a、紙幣ユニット209bおよび硬貨ユニット209cの一部の電源を停止するユニット単位停止モード。
件数通知電文受信部130は、ATM200から取引件数通知電文を受信する。取引件数通知電文には、各取引処理で所定期間(前回の受信タイミングから今回の受信タイミングの間)に行われた取引件数が含まれる。件数通知電文受信部130は、受信した件数を制御情報記憶部110に記憶された取引カレンダーに記録する。件数通知電文受信部130は、所定の周期でATM200から取引件数通知電文を受信する。
【0048】
指示電文生成部140は、制御情報記憶部110を参照して、各ATMの運用時間の時間帯ごとに省電力状態への移行(あるいは省電力状態の維持)/省電力状態からの復帰(あるいは取引可能状態の維持)を指示する指示電文を生成し、電文記憶部120に格納する。指示電文生成部140は、当日の運用時間の開始前に前日までの取引件数から各時間帯の指示電文を事前に生成して、各指示を行う時間帯に対応付けて電文記憶部120に格納しておく。
【0049】
指示電文送信制御部150は、電文記憶部120に格納された指示電文をATM200に送信する時間になると、制御情報記憶部110を参照して、当日の取引件数を取得し、当日の取引件数に応じて送信する指示電文の内容を変更する。指示電文送信制御部150は、変更した指示電文をATM200に送信する。
【0050】
ATM200は、制御情報記憶部210、ユニット制御部220、件数通知電文送信部230および指示電文受信部240を有する。これらの各機能は、CPU201が所定のプログラムを実行することによりATM200上に実現される。ただし、これらの各機能の全部または一部を専用のハードウェアで実現してもよい。
【0051】
制御情報記憶部210は、制御情報を記憶する。制御情報は、制御情報記憶部110に記憶されたものと同一である。ただし、ATM200は自身が属するグループG1の制御情報を有していればよい。なお、制御サーバ100とATM200との間の通信により、制御情報記憶部110で制御情報が更新されると、制御情報記憶部210に記憶された制御情報もそれに同期して更新される。
【0052】
ユニット制御部220は、通帳ユニット209a、紙幣ユニット209b、硬貨ユニット209cおよびカードユニット209dの動作を制御する。ユニット制御部220は、各ユニットを用いて行われた取引の件数を制御情報記憶部210に格納する。また、ユニット制御部220は、所定期間における取引件数を示す統計情報を生成して、件数通知電文送信部230に出力する。
【0053】
件数通知電文送信部230は、ユニット制御部220から取得した統計情報により取引件数通知電文を生成して、制御サーバ100に送信する。
指示電文受信部240は、制御サーバ100から指示電文を受信し、ユニット制御部220に出力する。
【0054】
図6は、テーブルの構成例を示す図である。図6(A)は、制御情報記憶部110に格納されるデータ群を示している。制御情報記憶部110には、ユニット対応テーブル111、条件定義ファイル112,112aおよび取引カレンダー113,113aが格納されている。
【0055】
ユニット対応テーブル111は、各ATMが属する各グループに関わらず共通に用いられるデータである。ただし、グループごとに設けてもよい。
条件定義ファイル112,112aは、各ATMが属するグループごとに設けられる。条件定義ファイル112は、グループG1の処理に用いるデータである。条件定義ファイル112aは、グループG2の処理に用いるデータである。
【0056】
取引カレンダー113,113aは、各ATMが属するグループごとに設けられる。取引カレンダー113は、グループG1の処理に用いるデータである。取引カレンダー113aは、グループG2の処理に用いるデータである。
【0057】
図6(B)は、電文記憶部120に格納されるデータ群を示している。電文記憶部120には、送信電文テーブル121,121aが格納されている。
送信電文テーブル121,121aは、各ATMが属するグループごとに設けられる。送信電文テーブル121は、グループG1の処理に用いるデータである。送信電文テーブル121aは、グループG2の処理に用いるデータである。
【0058】
図6(C)は、制御情報記憶部210に格納されるデータ群を示している。制御情報記憶部210には、ユニット対応テーブル211、条件定義ファイル212および取引カレンダー213が格納されている。制御情報記憶部210に格納されたデータ群は、ATM200が属しているグループG1に関する情報を示す。すなわち、ユニット対応テーブル211は、ユニット対応テーブル111と同一の情報である。条件定義ファイル212は、条件定義ファイル112と同一の情報である。取引カレンダー213は、グループG1での各時間帯の各ユニットの取引件数を記録した統計情報であり、取引カレンダー113と同一の情報である。
【0059】
以下では、制御サーバ100のグループG1に対する処理を説明するが、グループG2に対する処理も同様である。
図7は、ユニット対応テーブルのデータ構造例を示す図である。ユニット対応テーブル111には、取引名およびユニットの項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの取引について使用されるユニットの組み合わせを示す。
【0060】
取引名の項目には、取引の名称が設定される。ユニットの項目には、取引において当該ユニットが利用されるか否かを示す情報が設定される。例えば、利用される場合“○”(丸印)が設定され、利用されない場合“×”(バツ印)が設定される。
【0061】
例えば、ユニット対応テーブル111には、取引名が“残高照会”、ユニットにつき、通帳が“×”、紙幣が“×”、硬貨が“×”、カードが“○”という情報が設定される。
これは、“残高照会”の取引では、通帳ユニット209a、紙幣ユニット209bおよび硬貨ユニット209cは利用されないことを示す。一方、“残高照会”の取引ではカードユニット209dは利用されることを示す。
【0062】
また、例えばユニット対応テーブル111には、取引名が“出金”、ユニットにつき、通帳が“×”、紙幣が“○”、硬貨が“×”、カードが“○”という情報が設定される。これは、“出金”の取引では、通帳ユニット209aおよび硬貨ユニット209cは利用されないことを示す。一方、“出金”の取引では、紙幣ユニット209bおよびカードユニット209dは利用されることを示す。
【0063】
なお、各ATMでは、“残高照会”、“出金”、“入金”、“振込”、“記帳”および“振替”の取引を行えるとする。ここで、“入金”は、利用者が自身の口座に現金を入れる取引である。“入金”には手数料が発生しないとする。“振込”は、利用者が他人の口座に現金を振り込む取引である。“振込”には数百円の手数料が発生するとする(そのため、硬貨ユニット209cを使用する旨の設定は“○”となっている)。“振替”は、同一店舗内で同一名義の口座間で資金を移動する取引である。“振替”には手数料が発生しないとする。
【0064】
図8は、条件定義ファイルのデータ構造例を示す図である。条件定義ファイル112には、パラメータ名とその設定値が定義される。各パラメータには、各ATMを省電力状態とするか、省電力状態を解除するかを決定するための閾値(グループG1単位)や、省電力状態とすべきATMを決定するための情報が含まれる。具体的には、各パラメータには全件数閾値、通帳閾値、紙幣閾値、硬貨閾値、省電力動作可能なATM数および省電力対象ATMが含まれる。
【0065】
全件数閾値は、“残高照会”、“出金”、“入金”、“振込”、“記帳”および“振替”のグループG1における全取引の件数の(時間帯当たりの)平均値の閾値である。全件数閾値には、例えば200(件)が設定される。
【0066】
通帳閾値は、通帳ユニット209aを用いる取引(“記帳”)の件数の(時間帯当たりの)平均値の閾値である。通帳閾値には、例えば60(件)が設定される。
紙幣閾値は、紙幣ユニット209bを用いる取引(“出金”、“入金”および“振込”)の件数の(時間帯当たりの)平均値の閾値である。紙幣閾値には、例えば80(件)が設定される。
【0067】
硬貨閾値は、硬貨ユニット209cを用いる取引(“振込”)の件数の(時間帯当たりの)平均値の閾値である。硬貨閾値には、例えば70(件)が設定される。
省電力動作可能なATM数は、省電力状態とするATMの数を示す。省電力動作可能なATM数には、例えば2(台)が設定される。
【0068】
省電力対象ATMは、省電力動作の候補とするATMのID(IDentifier)を示す(以下の説明で、ATM IDと称することがある)。省電力対象ATMには、候補ごとに優先度が設定される。優先度は昇順に付与され、優先度1が最も優先される。省電力対象ATMには、例えば優先度1にATM200が設定され、優先度2にATM200aが設定される。
【0069】
図9は、取引カレンダーのデータ構造例を示す図である。取引カレンダー113には、時間帯、取引名および日付(日付と曜日)の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの取引の件数を示す。
【0070】
時間帯の項目には、時間帯が設定される。取引名の項目には、取引の名称が設定される。日付の項目には、日付と曜日との組み合わせが設定される。図9の取引カレンダー113では全体のうちの一部(3月1日(日曜日)〜7日(土曜日))の情報を示している。なお、以下の説明において、特に断らない場合、現時点の日付および時間帯を3月6日(金)の10時台であるとする(図9中のカーソルC1で示される部分に対応)。
【0071】
例えば、取引カレンダー113には、時間帯が“8時台”、取引名が“残高照会”、1日(日)が“60”、2日(月)が“70”、3日(火)が“80”、4日(水)が“90”、5日(木)が“70”、6日(金)が“80”、7日(土)が未設定(空欄)という情報が設定される。
【0072】
これは、残高照会につき、3月1日〜6日の8時台(8時0分〜8時59分)の取引件数が、各日付でそれぞれ60件、70件、80件、90件、70件、80件であったことを示す。また、3月7日は未来の日付なので、当該日付の取引件数は未設定である。
【0073】
更に、カーソルC1を参照すると現時間帯につき各取引の件数が計数されている。このように、件数通知電文受信部130はATM200を含むグループG1のATMから所定周期で取引件数を受信して積算することで、取引カレンダー113の現時間帯の取引件数をカウントする。
【0074】
図10は、送信電文テーブルのデータ構造例を示す図である。送信電文テーブル121には、送信予定時間および電文データ本体の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの電文データに関する情報を示す。
【0075】
送信予定時間の項目には、指示電文を送信する時間が設定される。電文データ本体の項目には、指示電文のデータ本体が設定される。
例えば、送信電文テーブル121には、送信予定時間が“8:00:00”、電文データ本体が“指示電文データD1”という情報が設定される。これは、8時00分00秒に指示電文データD1をグループG1の対象ATMに送信することを示す。複数のATMに送信する場合には、1つの送信予定時間につき、複数の指示電文データが設定される。
【0076】
図11は、指示電文の例を示す図である。指示電文300は、指示電文生成部140により生成され、送信電文テーブル121に登録される。指示電文300には、フィールド310,320,330,340,350,360が設けられている。
【0077】
フィールド310には、グループID(グループG1かグループG2かなどを識別するための情報)が設定される。フィールド320には、指示対象のATMを識別するためのATM IDが設定される。フィールド330には、休止モードへの移行/休止モードの解除(以下、単に移行/解除という)を指示するコマンドが設定される。フィールド340には、通帳ユニット209aの電源ON/OFFを指示するコマンドが設定される。フィールド350には、紙幣ユニット209bの電源ON/OFFを指示するコマンドが設定される。フィールド360には、硬貨ユニット209cの電源ON/OFFを指示するコマンドが設定される。
【0078】
ここで、指示電文300では上述の省電力状態に応じて設定内容の意義が異なる。具体的には、フィールド330に休止モードの移行/解除コマンドが設定される場合には、フィールド340,350,360の設定は意味をなさない。なぜなら、休止モードへの移行は全ユニットの電源OFF状態に対応し、休止モードの解除は全ユニットの電源ON状態に対応するからである。すなわち、フィールド340,350,360の設定は、フィールド330が設定なし(本例では、“Null”とする)である場合に有効となる。
【0079】
なお、本例では、カードユニット209dの電源ON/OFFを行わない場合を例示しているが、カードユニット209dの電源ON/OFFの指示を行えるよう、指示電文300にフィールドを追加してもよい。
【0080】
図12は、取引件数通知電文の例を示す図である。取引件数通知電文400は、件数通知電文送信部230により生成され、制御サーバ100に送信される。取引件数通知電文400には、フィールド410,420,430,440,450,460,470,480が設けられている。
【0081】
フィールド410は、グループIDが設定される。フィールド420には、ATM IDが設定される。フィールド430には、残高照会件数が設定される。フィールド440には、出金件数が設定される。フィールド450には、入金件数が設定される。フィールド460には、振込件数が設定される。フィールド470には、記帳件数が設定される。フィールド480には、振替件数が設定される。
【0082】
次に、以上の構成のATM制御システムの処理手順を説明する。
図13は、指示電文生成処理を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。指示電文生成処理は、上述したように各ATMの運用開始時間前に前日までの取引件数に基づいて行われる。
【0083】
(ステップS11)指示電文生成部140は、グループを1つ選択する(未処理のグループが対象)。
(ステップS12)指示電文生成部140は、時間帯を1つ選択する(未処理の時間帯が対象)。
【0084】
(ステップS13)指示電文生成部140は、省電力対象のATMにつき指示電文300の雛型を生成する。具体的には、制御情報記憶部110に記憶された条件定義ファイル112を参照して、省電力動作可能なATM数と、省電力対象ATMの優先度と、に基づいて、省電力動作させるATMを決定する。条件定義ファイル112の例でいえば、グループG1につき省電力動作可能なATM数は2であり、ATM200,200aが省電力対象の優先度1,2に設定されている。よって、指示電文生成部140は、グループID“グループG1”については、ATM ID“ATM200”および“ATM200a”を設定した2種類の指示電文300を生成する。すなわち、条件定義ファイル112で指定された省電力動作可能なATM2台分として、優先度の高いATM200,200aの2台を特定して、ATM200,200aに対する指示電文を生成する。
【0085】
なお、指示電文300の雛型のデフォルト設定は、休止モードに関するフィールド330のコマンドは“Null”、その他の各ユニットに関するフィールド340,350,360のコマンド全て“電源ON”という設定である。
【0086】
(ステップS14)指示電文生成部140は、制御情報記憶部110に記憶された取引カレンダー113を参照して、選択した時間帯につき前日までの全取引件数の平均M1を算出する。
【0087】
(ステップS15)指示電文生成部140は、条件定義ファイル112を参照して、M1≦全件数閾値であるか否かを判定する。M1≦全件数閾値である場合、処理をステップS16に進める。M1>全件数閾値である場合、処理をステップS17に進める。
【0088】
(ステップS16)指示電文生成部140は、指示電文300のフィールド330に“休止モードへ移行”のコマンドを設定する。そして、処理をステップS26に進める。
(ステップS17)指示電文生成部140は、取引カレンダー113を参照して、選択した時間帯につき前日までの通帳ユニット209aを使用した取引(“記帳”)の件数の平均M2を算出する。
【0089】
(ステップS18)指示電文生成部140は、条件定義ファイル112を参照して、M2≦通帳閾値であるか否かを判定する。M2≦通帳閾値である場合、処理をステップS19に進める。M2>通帳閾値である場合、処理をステップS20に進める。
【0090】
(ステップS19)指示電文生成部140は、指示電文300のフィールド340に“通帳ユニット電源OFF”のコマンドを設定する。
(ステップS20)指示電文生成部140は、取引カレンダー113を参照して、選択した時間帯につき前日までの紙幣ユニット209bを使用した取引(“出金”、“入金”および“振込”)の件数の平均M3を算出する。
【0091】
(ステップS21)指示電文生成部140は、条件定義ファイル112を参照して、M3≦紙幣閾値であるか否かを判定する。M3≦紙幣閾値である場合、処理をステップS22に進める。M3>紙幣閾値である場合、処理をステップS23に進める。
【0092】
(ステップS22)指示電文生成部140は、指示電文300のフィールド350に“紙幣ユニット電源OFF”のコマンドを設定する。
(ステップS23)指示電文生成部140は、取引カレンダー113を参照して、選択した時間帯につき前日までの硬貨ユニット209cを使用した取引(“振込”)の件数の平均M4を算出する。
【0093】
(ステップS24)指示電文生成部140は、条件定義ファイル112を参照して、M4≦硬貨閾値であるか否かを判定する。M4≦硬貨閾値である場合、処理をステップS25に進める。M4>硬貨閾値である場合、処理をステップS26に進める。
【0094】
(ステップS25)指示電文生成部140は、指示電文300のフィールド360に“硬貨ユニット電源OFF”のコマンドを設定する。
(ステップS26)指示電文生成部140は、生成した指示電文300を送信予定時間に対応付けて電文記憶部120に格納する。例えば、ステップS11,S12でグループG1、9時台を選択して指示電文300を生成したなら、送信電文テーブル121に送信予定時間“9:00:00”を設定し、当該時間に対応付けて指示電文300の電文データ本体を格納する。
【0095】
(ステップS27)指示電文生成部140は、取引カレンダー113を参照して、選択中のグループにつき全時間帯で処理を行ったか否か判定する。全時間帯で処理済の場合、処理をステップS28に進める。未処理の時間帯がある場合、処理をステップS12に進める。
【0096】
(ステップS28)指示電文生成部140は、全グループにつき処理を行ったか否か判定する。全グループで処理済の場合、処理を完了する。未処理のグループがある場合、処理をステップS11に進める。
【0097】
このように、指示電文生成部140は各グループにおける前日までの全取引件数の平均や、各ユニットを使用した各取引件数の平均が、所定の閾値以下となる場合には、休止モードに移行させたり、ユニット単位で電源OFFにさせたりすることで省電力化を図る。
【0098】
ここで、全取引件数が所定の閾値を超えていたとしても、個別の取引では閾値に達していない場合も生じ得る。これに対し、上述のように、全取引件数による判断だけでなく、各ユニットを用いた取引件数による判断も行うことで、利用頻度の少ないユニットをより確実に電源OFFにできる。これにより、省電力効果を一層向上できる。
【0099】
なお、前日までの取引件数の平均を取得するものとしたが、過去の所定の時点から前日までの取引件数の平均としてもよい。例えば、直近2,3カ月の平均を求めることも考えられる。更に、当日の曜日に対応する曜日の平均を取得してもよい。
【0100】
指示電文送信制御部150は、送信予定時間になると電文記憶部120に格納された指示電文を送信する。指示電文送信制御部150は、例えば制御サーバ100のシステム時間を取得して、電文記憶部120に記憶された送信電文テーブル121を参照し、送信予定時間に達したことを検知できる。
【0101】
次に、指示電文送信制御部150の指示電文送信制御の処理手順を説明する。
図14は、指示電文送信制御を示すフローチャートである。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0102】
(ステップS31)指示電文送信制御部150は、グループを1つ選択する(未処理のグループが対象)。グループの選択は、例えばグループのリストと各グループに対して処理を行ったか否かを示すフラグとを対応付けたテーブルを参照して行える。指示電文送信制御部150は、当該テーブルを参照して、未処理のグループを特定し、その中から1つのグループを選択する。なお、当該テーブルは、例えば制御情報記憶部110に予め格納される(以下、グループの選択につき同様)。
【0103】
(ステップS32)指示電文送信制御部150は、電文記憶部120に記憶された指示電文のうち、現時間が送信予定時間に達したものがあるか否かを判定する。送信予定時間に達した指示電文がある場合、処理をステップS33に進める。送信予定時間に達した指示電文がない場合、処理をステップS44に進める。例えば、現時間が10時00分00秒でグループG1が選択されている場合、送信電文テーブル121を参照して、送信予定時間に達した指示電文(指示電文データD3)があると判定する。
【0104】
(ステップS33)指示電文送信制御部150は、電文記憶部120から送信予定時間に達した指示電文300を抽出する。
(ステップS34)指示電文送信制御部150は、抽出した指示電文300のフィールド330を参照して、休止モードへの移行指示が設定されているか否かを判定する。休止モードへの移行指示の場合、処理をステップS35に進める。休止モードへの移行指示が設定されていない、すなわち、フィールド330の設定が“Null”である場合、処理をステップS38に進める。
【0105】
(ステップS35)指示電文送信制御部150は、制御情報記憶部110に記憶された取引カレンダー113を参照して、当日の全取引数の時間帯(1時間)当たりの頻度NAを算出する。例えば、10時00分00秒の送信タイミングであれば、8時台と9時台の全取引件数の合計を2で割った商がNAである。
【0106】
(ステップS36)指示電文送信制御部150は、制御情報記憶部110に記憶された条件定義ファイル112を参照して、NA>全件数閾値であるか否かを判定する。NA>全件数閾値である場合、処理をステップS37に進める。NA≦全件数閾値である場合、処理をステップS44に進める。
【0107】
(ステップS37)指示電文送信制御部150は、指示電文300のフィールド330を操作して、休止モードへの移行指示を休止モードの解除指示に変更する。そして、処理をステップS44に進める。なお、休止モードの解除指示は、休止モードに関するフィールド330のコマンドは“Null”、その他の全ユニットに関するフィールド(フィールド340,350,360に加え、カードユニット209dのフィールドも追加した全ユニットのフィールド)のコマンド全て“電源ON”に設定することでも生成できる。
【0108】
(ステップS38)指示電文送信制御部150は、指示電文300のフィールド340,350,360を参照して、ユニット単位の電源OFF指示があるか否かを判定する。ユニット単位の電源OFF指示がある場合、処理をステップS39に進める。ユニット単位の電源OFF指示がない場合、処理をステップS44に進める。
【0109】
(ステップS39)指示電文送信制御部150は、指示電文300を参照して、電源OFF指示のあるユニット(停止対象ユニット)のうちから1つを選択する(未処理のユニットが選択対象)。
【0110】
(ステップS40)指示電文送信制御部150は、選択したユニットを使用する当日の取引数の時間帯(1時間)当たりの頻度NBを算出する。例えば、紙幣ユニット209bであれば、紙幣ユニット209bを使用した取引(“出金”、“入金”および“振込”)の件数につきNBを算出する。例えば、10時00分00秒の送信タイミングであれば、8時台と9時台の出金、入金および振込の取引件数の合計を2で割った商がNBである。
【0111】
(ステップS41)指示電文送信制御部150は、条件定義ファイル112を参照して、NB>ユニット毎の取引件数の閾値であるか否かを判定する。ここで、ユニット毎の取引件数の閾値とは、条件定義ファイル112に設定された通帳閾値、紙幣閾値および硬貨閾値の何れかを示す。例えば、紙幣ユニット209bが選択されていれば紙幣閾値である。NB>ユニット毎の取引件数の閾値である場合、処理をステップS42に進める。NB≦ユニット毎の取引件数の閾値である場合、処理をステップS43に進める。
【0112】
(ステップS42)指示電文送信制御部150は、指示電文300を操作して、選択したユニットの電源OFF指示を電源ON指示に変更する。
(ステップS43)指示電文送信制御部150は、ステップS38での判定時において電源OFF指示が設定されていた全てのユニットについて処理済であるか否かを判定する。全ユニットにつき処理済である場合、処理をステップS44に進める。未処理のユニットがある場合、処理をステップS39に進める。
【0113】
(ステップS44)指示電文送信制御部150は、指示電文300を送信する。指示電文送信制御部150は、例えば指示電文300のフィールド310,320を参照して、対象グループや対象ATMを特定することで、指示電文300の送信先を特定できる。なお、指示電文300がATM200,200aと2台分生成されていれば、ATM200,200aに対して指示電文300を送信する。
【0114】
(ステップS45)指示電文送信制御部150は、全グループにつき処理を行ったか否か判定する。全グループで処理済の場合、処理を終了する。未処理のグループがある場合、処理をステップS31に進める。
【0115】
このようにして、指示電文送信制御部150は、電文送信時に、当日の取引件数に応じて指示電文300の指示内容を変更する。
なお、ステップS36,S41の判定方法には種々のものが考えられる。具体的には、上述した時間帯当たりの平均値を閾値と比較する以外にも、例えば、(1)当日の取引件数を閾値と比較したり、(2)より短時間(5分間〜10分間)での取引の利用頻度を閾値と比較したりすることが考えられる。より短時間で利用頻度を取得したい場合には、取引カレンダー113において、各時間帯を更に細分化して取引件数の統計を取得しておけばよい。また、何れの比較でも運用に応じて適切な閾値を予め制御情報記憶部110に格納しておく。更に、上記ステップS36,S41の閾値(第2の閾値)として、条件定義ファイル112に設定された閾値(第1の閾値)を用いるものとしたが、それ以外の閾値を与えてもよい。すなわち、当該第2の閾値と第1の閾値とは同じ値を用いてもよいし、異なった値を用いてもよい。
【0116】
また、ステップS44において、指示電文送信制御部150は所定の範囲内(例えば、対象グループ内)に指示電文300をブロードキャスト送信してもよい。その場合、受信した各ATM側で自身宛の電文か否かフィールド310,320を参照して判断することが考えられる。
【0117】
各ATMは、制御サーバ100から指示電文300を受信すると、省電力状態への移行制御を行う。次に、ATM200を例に採り、その移行制御の処理手順を説明する。
図15は、省電力移行制御を示すフローチャートである。以下、図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0118】
(ステップS51)指示電文受信部240は、制御サーバ100から自装置宛の指示電文300を受信する。指示電文受信部240は、受信した指示電文300をユニット制御部220に出力する。
【0119】
(ステップS52)ユニット制御部220は、指示電文300のフィールド330を参照して、休止モード移行/解除の指示が設定されているか否かを判定する。設定されている場合、処理をステップS53に進める。設定されていない、すなわち、フィールド330が“Null”の場合、処理をステップS54に進める。
【0120】
(ステップS53)ユニット制御部220は、指示電文300のコマンドに従って休止モードの移行/解除を実行する。すなわち、休止モードへ移行する場合、全てのユニットの電源をOFFにする(既に電源OFFされているユニットはその状態を維持する)。また、休止モードを解除する場合、全てのユニットの電源をONにする(既に電源ONされているユニットはその状態を維持する)。そして、処理をステップS57に進める。
【0121】
(ステップS54)ユニット制御部220は、指示電文300で電源OFF指示のあるユニットのうちから1つを選択する(未処理のユニットが選択対象)。
(ステップS55)ユニット制御部220は、指示電文300のコマンドに従って、選択したユニットにつき、ユニット単位での電源ON/OFFを実行する。すなわち、電源ONする場合、選択したユニットのみを電源ONする(既に電源ONされている場合はその状態を維持する)。また、電源OFFする場合、選択したユニットのみを電源OFFする(既に電源OFFされている場合はその状態を維持する)。
【0122】
(ステップS56)ユニット制御部220は、全てのユニットについて処理済であるか否かを判定する。全ユニットにつき処理済である場合、処理をステップS57に進める。未処理のユニットがある場合、処理をステップS54に進める。
【0123】
(ステップS57)ユニット制御部220は、指示電文300に従った省電力制御を完了した旨を示す完了応答を制御サーバ100に送信する。
このようにして、ATM200は指示電文300に応じた省電力制御を行う。ここで、ATM200は、ユニットを電源OFFにする場合、当該ユニットを用いる取引を行えなくなる。このため、当該取引の受け付けが不可能である旨を利用者に報知する。ATM200は、ATM200に接続された所定の報知部(ディスプレイやスピーカなど)を用いて報知を行える。他方、ユニットを電源ONにする場合、当該ユニットを用いる取引が可能となるため、上記報知を中止する。
【0124】
なお、各ATM側で個別に省電力動作がスケジューリングされていることも考えられる。その場合、例えば各ATMの省電力化につき、制御サーバ100からの指示を優先させるか、各ATMのスケジューリングを優先させるか、各ATMに予め設定することが考えられる。具体的には、所定の時間帯で制御サーバ100からの指示を優先させることで、当該時間帯においては制御サーバ100の指示による省電力動作を可能とする。一方、他の時間帯では各ATMのスケジューリングを優先させることで、当該時間帯では各ATMの個別の設定による省電力動作を可能とする。
【0125】
ここで、各ATMは取引件数に応じて休止モードや各ユニットの電源OFF状態を解除できる。次に、ATM200を例に採り、各ATMの省電力状態からの復帰制御の処理手順を説明する。
【0126】
図16は、復帰制御を示すフローチャートである。以下、図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS61)ユニット制御部220は、制御情報記憶部210を参照して、グループG1の当該時間帯における、ユニットごとの取引件数を取得する。具体的には、制御情報記憶部210に格納されたユニット対応テーブル211および取引カレンダー213を参照することで、ユニットごとの取引件数をカウントする。その結果、通帳ユニット209aを使用する取引(“記帳”)の件数(通帳取引件数)を得る。また、紙幣ユニット209bを使用する取引(“出金”、“入金”および“振込”)の件数(紙幣取引件数)を得る。更に、硬貨ユニット209cを使用する取引(“振込”)の件数(硬貨取引件数)を得る。
【0127】
(ステップS62)ユニット制御部220は、制御情報記憶部210に格納された条件定義ファイル212を参照して、全取引件数(各取引件数の和)>全件数閾値であるか否かを判定する。全取引件数>全件数閾値である場合、処理をステップS63に進める。全取引件数≦全件数閾値である場合、処理をステップS65に進める。
【0128】
(ステップS63)ユニット制御部220は、ATM200が現在休止モード中であるか否かを判定する。休止モード中である場合、処理をステップS64に進める。休止モード中でない場合、処理をステップS65に進める。
【0129】
(ステップS64)ユニット制御部220は、休止モードを解除する。すなわち、全ユニットを電源ONにする。そして、処理を終了する。
(ステップS65)ユニット制御部220は、条件定義ファイル212を参照して、通帳取引件数>通帳閾値であるか否かを判定する。通帳取引件数>通帳閾値である場合、処理をステップS66に進める。通帳取引件数≦通帳閾値である場合、処理をステップS68に進める。
【0130】
(ステップS66)ユニット制御部220は、通帳ユニット209aが電源OFFであるか否かを判定する。電源OFFである場合、処理をステップS67に進める。電源ONである場合、処理をステップS68に進める。
【0131】
(ステップS67)ユニット制御部220は、通帳ユニット209aを電源ONにする。
(ステップS68)ユニット制御部220は、条件定義ファイル212を参照して、紙幣取引件数>紙幣閾値であるか否かを判定する。紙幣取引件数>紙幣閾値である場合、処理をステップS69に進める。紙幣取引件数≦紙幣閾値である場合、処理をステップS71に進める。
【0132】
(ステップS69)ユニット制御部220は、紙幣ユニット209bが電源OFFであるか否かを判定する。電源OFFである場合、処理をステップS70に進める。電源ONである場合、処理をステップS71に進める。
【0133】
(ステップS70)ユニット制御部220は、紙幣ユニット209bを電源ONにする。
(ステップS71)ユニット制御部220は、条件定義ファイル212を参照して、硬貨取引件数>硬貨閾値であるか否かを判定する。硬貨取引件数>硬貨閾値である場合、処理をステップS72に進める。硬貨取引件数≦硬貨閾値である場合、処理を終了する。
【0134】
(ステップS72)ユニット制御部220は、硬貨ユニット209cが電源OFFであるか否かを判定する。電源OFFである場合、処理をステップS73に進める。電源ONである場合、処理を終了する。
【0135】
(ステップS73)ユニット制御部220は、硬貨ユニット209cを電源ONにする。
このように、ATM200は、グループG1内で運用中に取引件数が増加した場合には、自己の判断で省電力状態を解除する。ここで、制御サーバ100は間欠的に指示を行うため、指示の合間にグループG1に属する他のATMで取引件数が増加することが考え得る。上述のように、ATM200側でも省電力状態の解除の要否を判断すれば、突発的に取引が増加する場合に、より一層柔軟に対応できる。
【0136】
ここで、図15でも説明したように、ATM200はユニットを電源ONにする場合、当該ユニットを用いる取引が可能となるため、取引不可能である旨の報知を中止する。
以上で説明したように、第2の実施の形態の制御サーバ100によれば、省電力化を効率的に行える。具体的には、指示電文送信制御部150は指示電文300を送信する際に、ATM200が属するグループG1の当日の取引状況により指示電文300を更新するので、急な混雑にも適切に対応できる。例えば、前日までの取引件数に基づきATM200を省電力動作させると決定しても、その後、指示電文300を送信する際に、当日の取引件数に応じて省電力動作させないよう指示内容を変更できる。よって、例えば突発的に混雑が発生するような場合には事前に省電力状態とすると決定されていたATM200を稼働状態としておくことで、ATM200を改めて省電力状態から復旧する処理を省け、利用者の待ち時間を軽減できる。このようにして、利用者の過疎が予想される時間帯に適切に省電力化を実現しながら、急な混雑時でも利用者の待ち時間が増加するのを抑制できる。
【0137】
更に、制御サーバ100は取引件数に応じて、各取引で用いられるユニットを特定し、ユニット単位に上記のような制御を行う。このため、混雑具合に応じて、ユニット単位での細かな省電力制御を行える。
【0138】
特に、全取引件数が所定の閾値を超えていたとしても、個別の取引では閾値に達していない場合も生じ得る。これに対し、制御サーバ100のように、全取引件数による判断だけでなく、各ユニットを用いた取引件数による判断も行うことで、利用頻度の少ないユニットをより確実に電源OFFにできる。よって、省電力効果を一層向上できる。
【0139】
なお、上述の例では、制御サーバ100を各ATMとは別個に設けたが、各ATMの何れか(例えば、各グループで1つ)のATMが制御サーバ100の機能を備えてもよい。
[第3の実施の形態]
以下、第3の実施の形態を説明する。前述の第2の実施の形態との相違点を主に説明し、同様の事項は説明を省略する。
【0140】
ATMの運用では、現金による入金や振込の取引状況に応じて、紙幣ユニットや硬貨ユニットが満杯状態に近くなる場合がある(この状態をニアフルという)。紙幣ユニットや硬貨ユニットがニアフルの場合、現金による入金や振込の継続が困難になるため、入金や振込の取引を停止(縮退)させることがある。その後、例えばニアフル状態のユニットから貨幣を取り出してニアフル状態を解消する。
【0141】
また、出金の取引状況に応じて、紙幣ユニットが空状態に近くなる場合がある(この状態をニアエンドという)。紙幣ユニットがニアエンドの場合、現金の出金の継続が困難になるため、出金の取引を停止(縮退)させることがある。その後、例えばニアエンド状態のユニットに貨幣を追加してニアエンド状態を解消する。
【0142】
しかし、上記のようにニアフル/ニアエンドにより取引を停止させると、そのATMで停止した取引を行えなくなるため、当該取引の利用につき混雑が生じるおそれがある。
そこで、第3の実施の形態では、ニアフル/ニアエンドにより取引を停止させる際に、その取引を代替するように省電力状態の他のATMを制御する方法を例示する。
【0143】
なお、第3の実施の形態のATM制御システムの全体構成は、図2で説明した第2の実施の形態のATM制御システムの全体構成と同一であるため説明を省略する。また、第3の実施の形態の制御サーバおよびATMのハードウェアおよび機能の構成は、図3〜5で説明した第2の実施の形態の制御サーバ100およびATM200のハードウェアおよび機能の構成と同様であるため説明を省略する。よって、第3の実施の形態の制御サーバおよびその構成を、第2の実施の形態の制御サーバ100およびその構成と同一の名称および符号を用いて記述する。また、第3の実施の形態の各ATMおよびその構成を、第2の実施の形態の各ATMおよびその構成と同一の名称および符号を用いて記述する。
【0144】
ここで、制御情報記憶部110は各ATMの貨幣の収納状態などを管理するためのATM管理テーブルを更に記憶する。ATM管理テーブルはグループごとに設けられる。制御サーバ100は、ATM管理テーブルに記録する情報(状態通知)を各ATMから定期的に受信する。
【0145】
指示電文生成部140は、第2の実施の形態の機能に加え、ATM管理テーブルに基づきニアフル/ニアエンドに応じた指示電文(停止ユニットの復帰を指示するもの)を生成し、電文記憶部120に格納する。
【0146】
指示電文送信制御部150は、電文記憶部120に格納された当該指示電文を各ATMに送信する。
以下、グループG1に関して説明するが、他のグループに関しても同様である。
【0147】
図17は、第3の実施の形態のATM管理テーブルのデータ構造例を示す図である。ATM管理テーブル114は、グループG1に属するATMを管理するためのデータである。
【0148】
ATM管理テーブル114には、ATM ID、停止取引、通帳ユニット、紙幣ユニット、硬貨ユニット、紙幣状態および硬貨状態の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのATMの情報を示す。
【0149】
ATM IDの項目には、ATMの識別情報が設定される。停止取引の項目には、停止中の取引が設定される。通帳ユニットの項目には、通帳ユニットの電源がON/OFFの何れであるかを示す情報が設定される。紙幣ユニットの項目には、紙幣ユニットの電源がON/OFFの何れであるかを示す情報が設定される。硬貨ユニットの項目には、硬貨ユニットの電源がON/OFFの何れであるかを示す情報が設定される。紙幣状態の項目には、紙幣ユニットの状態(ニアエンド/ニアフル/その何れでもない)が設定される。硬貨状態の項目には、硬貨ユニットの状態(ニアエンド/ニアフル/その何れでもない)が設定される。
【0150】
例えば、ATM管理テーブル114には、ATM IDが“ATM200”、停止取引が“出金、入金、振込”、通帳ユニットが“ON”、紙幣ユニットが“OFF”、硬貨ユニットが“ON”、紙幣状態が“−”(ハイフン)、硬貨状態が“−”という情報が設定される。
【0151】
これは、ATM200では、出金、入金、振込の取引が停止中であり、通帳ユニット209aが電源ON、紙幣ユニット209bが電源OFF、硬貨ユニットが電源OFFの状態であることを示す。また、紙幣ユニット209bは紙幣状態がニアフル/ニアエンドの何れでもないことを示す。更に、硬貨ユニット209cは硬貨状態がニアフル/ニアエンドの何れでもないことを示す。
【0152】
また例えば、ATM管理テーブル114には、ATM IDが“ATM200b”、停止取引が“−”、通帳ユニットが“−”、紙幣ユニットが“−”、硬貨ユニットが“−”、紙幣状態が“ニアエンド”、硬貨状態が“−”という情報が設定される。
【0153】
これは、ATM200bでは、全ての取引が可能であり、全ユニットが電源ONであることを示す。また、紙幣ユニットは紙幣状態がニアエンドであること、硬貨ユニットは硬貨状態がニアフル/ニアエンドの何れでもないことを示す。
【0154】
次に、以上の構成のATM制御システムの処理手順を説明する。なお、指示電文生成処理、指示電文送信制御、省電力移行制御および復帰制御の処理手順は図13〜16で示した第2の実施の形態の各処理手順と同様であるため、説明を省略する。
【0155】
図18は、第3の実施の形態の取引制御を示すフローチャートである。以下、図18に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS81)制御サーバ100は、各ATMから状態通知を受信すると、その内容を制御情報記憶部110に記憶されたATM管理テーブル114に記録する。
【0156】
(ステップS82)指示電文生成部140は、ATM管理テーブル114を参照し、紙幣状態がニアエンドのまま出金取引を運用中のATMが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理をステップS83に進める。存在しない場合、処理をステップS86に進める。
【0157】
(ステップS83)指示電文生成部140は、ATM管理テーブル114を参照して、省電力状態のATMのうちから、出金取引を代替できるATMが存在するか否かを判定する。代替できるATMが存在する場合、処理をステップS84に進める。代替できるATMが存在しない場合、処理をステップS94に進める。ここで、出金取引を代替できるATMとは、紙幣ユニットが電源OFFで、かつ、紙幣状態がニアエンドでないATMである。ATM管理テーブル114の例でいえば、ATM200が該当する。
【0158】
(ステップS84)指示電文生成部140は、ステップS82で検知したATM宛に出金停止指示電文を生成して、電文記憶部120に格納する。
(ステップS85)指示電文生成部140は、出金取引を代替できるATM宛に紙幣ユニットの電源ON指示と、出金取引の開始指示とを示す出金開始指示電文を生成して、電文記憶部120に格納する。そして、処理をステップS94に進める。
【0159】
(ステップS86)指示電文生成部140は、ATM管理テーブル114を参照し、紙幣状態または硬貨状態の少なくとも一方がニアフルのまま振込取引を運用中のATMが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理をステップS87に進める。存在しない場合、処理をステップS90に進める。
【0160】
(ステップS87)指示電文生成部140は、ATM管理テーブル114を参照して、省電力状態のATMのうちから、振込取引を代替できるATMが存在するか否かを判定する。代替できるATMが存在する場合、処理をステップS88に進める。代替できるATMが存在しない場合、処理をステップS90に進める。ここで、振込取引を代替できるATMとは、紙幣ユニットまたは硬貨ユニットの少なくとも一方が電源OFFで、かつ、紙幣状態および硬貨状態がニアフルでないATMである。ATM管理テーブル114の例でいえば、ATM200,200aが該当する。
【0161】
(ステップS88)指示電文生成部140は、ステップS86で検知したATM宛に振込停止指示電文を生成し、電文記憶部120に格納する。
(ステップS89)指示電文生成部140は、振込取引を代替できるATM宛に紙幣ユニットおよび硬貨ユニットの電源ON指示(一方のみが電源OFFの場合には、電源OFFのユニットの電源ON指示)と、振込取引の開始指示とを示す振込開始指示電文を生成して、電文記憶部120に格納する。
【0162】
(ステップS90)指示電文生成部140は、紙幣状態がニアフルのまま入金取引を運用中のATMが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理をステップS91に進める。存在しない場合、処理をステップS94に進める。
【0163】
(ステップS91)指示電文生成部140は、ステップS90で検知したATM宛に入金停止指示電文を生成し、電文記憶部120に格納する。
(ステップS92)指示電文生成部140は、ATM管理テーブル114を参照して、省電力状態のATMのうちから、入金取引を代替できるATMが存在するか否かを判定する。代替できるATMが存在する場合、処理をステップS93に進める。代替できるATMが存在しない場合、処理をステップS94に進める。ここで、入金取引を代替できるATMとは、紙幣ユニットが電源OFFで、かつ、紙幣状態がニアフルでないATMである。ATM管理テーブル114の例でいえば、ATM200が該当する。
【0164】
(ステップS93)指示電文生成部140は、入金取引を代替できるATM宛に紙幣ユニットの電源ON指示と、入金取引の開始指示とを示す入金開始指示電文を生成して、電文記憶部120に格納する。
【0165】
(ステップS94)指示電文送信制御部150は、電文記憶部120を参照して、上記ステップS81〜S93の処理で新たに追加された指示電文を指示対象のATM(取引停止のATMと取引再開のATMと2種類含まれる)に送信する。指示電文を受信したATMは、指示の内容に従って、取引の停止や取引の復帰のための処理を行う。
【0166】
このようにして、制御サーバ100は、あるATMで紙幣状態や硬貨状態がニアフルまたはニアエンドを検知すると、所定の取引を縮退させる。その際、縮退させた取引を省電力状態のATMで代替できれば、当該取引に用いるユニットを代替のATMに電源ONさせ、当該取引を開始させる。
【0167】
これにより、縮退させた取引により待ち時間が発生する可能性を未然に低減できる。具体的には、ある取引を縮退させると、縮退させた取引につき、利用者の利用可能なATMが減る。このため、利用者の数が多くなると、当該取引で混雑が生じ、待ち時間が増大するおそれがある。そこで、上記取引制御により、省電力状態のATMに縮退させた取引を代替させる。その際、ニアフル/ニアエンドのユニットを回避するように復帰させるATMを決定すれば、代替後、代替のATMがすぐに取引不能となる事態を防止できる。
【0168】
なお、代替のATMの候補が複数存在する場合もあり得る。そのような場合には、複数の候補で代替させてもよいし、予め決まった代替数(例えば、1台や2台など)のATMを、条件定義ファイル112に設定された優先度の順に選択して代替させてもよい。
【0169】
なお、上記ステップS93において、ステップS89と紙幣ユニットの電源ON指示が重複する場合には、何れか一方の指示電文に振込開始と入金開始との指示を含めて、1つの電文に集約してもよい。
【0170】
以上、本発明の情報処理装置および省電力制御方法を図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。更に、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0171】
1 情報処理装置
1a 記憶部
1b 電文記憶部
1c 生成部
1d 送信制御部
2 自動取引装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動取引装置の過去の取引件数を記録した統計情報を記憶する記憶部を参照し、前日までの取引件数に基づいて、前記自動取引装置に省電力動作を指示する指示電文を生成し、電文記憶部に格納する生成部と、
前記電文記憶部に格納された前記指示電文を送信する際に、前記記憶部を参照し、前記自動取引装置の当日の取引件数に基づいて、前記指示電文の指示内容を更新し、更新した前記指示電文を前記自動取引装置に送信する送信制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前日までの所定の時間帯の取引件数の平均が第1の閾値以下の場合に、当日の前記時間帯に送信するための前記指示電文を生成し、
前記送信制御部は、当日の取引件数の頻度が第2の閾値よりも大きい場合に、前記指示電文の指示内容を、前記自動取引装置に省電力動作させない指示内容に更新する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記自動取引装置は、複数の種類の前記取引に利用する媒体を処理するための複数の媒体ユニットを備え、
前記生成部は、複数の種類の前記取引に関して前日までの取引件数を算出し、当該取引件数に基づいて、前記省電力動作として前記複数の媒体ユニットの全ての停止を指示する前記指示電文を生成する、
ことを特徴とする請求項1または2の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記自動取引装置は、複数の種類の前記取引に利用する媒体を処理するための複数の媒体ユニットを備え、
前記記憶部は、複数の種類の前記取引それぞれと複数の種類の前記取引それぞれを行うために利用される媒体ユニットとの対応関係を定義したユニット対応情報を記憶し、
前記生成部は、前記記憶部を参照して、前記取引に関して前日までの取引件数を算出し、当該取引件数に基づいて、前記省電力動作として前記取引に対応する媒体ユニットの停止を指示する前記指示電文を生成する、
ことを特徴とする請求項1または2の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記自動取引装置は、複数の種類の前記取引に利用する媒体を処理するための複数の媒体ユニットを備え、
前記記憶部は、複数の種類の前記取引それぞれと複数の種類の前記取引それぞれを行うために利用される媒体ユニットとの対応関係を定義したユニット対応情報を記憶し、
前記生成部は、
複数の種類の前記取引に関する前日までの所定の時間帯の取引件数の第1の平均が第3の閾値以下の場合に、前記省電力動作として前記複数の媒体ユニットの全ての停止を指示する前記指示電文を、当日の前記時間帯に送信する指示電文として生成し、
前記第1の平均が前記第3の閾値よりも大きく、複数の種類の前記取引のうちの何れかの取引に関する前日までの前記時間帯の取引件数の第2の平均が当該取引に応じた第4の閾値以下の場合に、前記記憶部を参照し、前記省電力動作として当該取引に対応する媒体ユニットの停止を指示する前記指示電文を、当日の前記時間帯に送信する指示電文として生成する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が行う省電力制御方法であって、
自動取引装置の過去の取引件数を記録した統計情報を記憶する記憶部を参照し、前日までの取引件数に基づいて、前記自動取引装置に省電力動作を指示する指示電文を生成して、電文記憶部に格納し、
前記電文記憶部に格納された前記指示電文を送信する際に、前記記憶部を参照し、前記自動取引装置の当日の取引件数に基づいて、前記指示電文の指示内容を更新し、更新した前記指示電文を前記自動取引装置に送信する、
ことを特徴とする省電力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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