情報処理装置およびIP電話端末
【課題】回線がビジー状態となってしまうことを抑制し、IP電話端末による通話と、情報処理装置による画像データの送受信とを同時に行えるようにする。
【解決手段】IP電話端末11と接続されると共に、ネットワーク9を介して他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して画像データの送信を行う情報処理装置10は、他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して画像データの送信を行うとき、IP電話端末11が他の拠点200と既に呼接続を確立しているか否かを検知し、IP電話端末11が他の拠点200と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合、そのIP電話端末11に対して画像データの送信を要求し、IP電話端末11を介して他の拠点200に設けられた情報処理装置20への画像データの送信を行う構成である。
【解決手段】IP電話端末11と接続されると共に、ネットワーク9を介して他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して画像データの送信を行う情報処理装置10は、他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して画像データの送信を行うとき、IP電話端末11が他の拠点200と既に呼接続を確立しているか否かを検知し、IP電話端末11が他の拠点200と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合、そのIP電話端末11に対して画像データの送信を要求し、IP電話端末11を介して他の拠点200に設けられた情報処理装置20への画像データの送信を行う構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびIP電話端末に関し、特に情報処理装置とIP電話端末とがネットワークを介して接続された環境において他の拠点に設けられた通信相手先との通信を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、VoIP(Voice over Internet Protocol)を利用したIP(Internet Protocol)電話が普及している。このような状況に伴い、デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる情報処理装置においても、例えばFAX機能を利用して他の拠点に画像データを送信する際、インターネットなどのネットワーク経由で画像データを送信することが可能になっている(例えば特許文献1)。
【0003】
ところが、IP電話端末で通話中の相手に対し、情報処理装置のFAX機能を利用して資料などの画像データを送信しようとすると、既にIP電話端末が回線を使用しているため、情報処理装置のFAX機能が相手先拠点の情報処理装置に発呼しても回線がビジー状態となってしまい、呼接続を確立できない可能性がある。そのため、この場合は、IP電話端末で通話中の相手に対して資料などの画像データを同時に送信することができないという問題がある。
【0004】
また、情報処理装置のFAX機能を利用して膨大な資料の画像データを送信中に、IP電話端末を利用して相手先と通話を行おうとする場合も同様であり、既に情報処理装置が回線を使用しているため、IP電話端末が相手先拠点のIP電話端末に発呼しても回線がビジー状態となってしまい、通話のための呼接続を確立できない可能性がある。したがって、この場合も、画像データの送信と同時に相手先との通話を行えないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−89170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、各拠点間を結ぶ外部ネットワークとして、次世代ネットワーク(NGN)が普及しつつある。この次世代ネットワークでは、帯域保証がなされており、2つの拠点間で呼接続が確立されると、音声通話だけでなく、その呼接続を利用して様々なデータ転送を行うことが可能である。そのため、このような次世代ネットワークを利用すれば、IP電話端末による通話と、情報処理装置による画像データの送信とを同時に行うことが可能になると考えられる。しかし、従来においては、それを実現するための技術は存在せず、依然として回線がビジーになってしまえばそれらを同時に行うことができないという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、IP電話端末による通話と、情報処理装置による画像データの送信とを同時に行うことを可能にする情報処理装置およびIP電話端末を提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、IP電話端末とネットワークを介して接続されると共に、該ネットワークを介して他の拠点に設けられた装置と呼接続を確立して画像データの送信を行う情報処理装置であって、前記他の拠点に設けられた装置に対して画像データの送信を行うとき、前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知する検知手段と、前記検知手段において前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合、前記IP電話端末に対して画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行う制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0009】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記検知手段は、前記他の拠点に設けられた装置との呼接続を確立することができなった場合に、前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項3にかかる発明は、IP電話端末とネットワークを介して接続される情報処理装置であって、他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データを記憶する記憶手段と、前記IP電話端末が前記他の拠点との呼接続を確立したことを検知する検知手段と、前記検知手段において前記IP電話端末が前記他の拠点との呼接続を確立したことが検知された場合、前記IP電話端末に対して前記記憶手段に記憶された画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行う制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0011】
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、ユーザを認証するユーザ認証手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データを、前記ユーザ認証手段によって認証されたユーザと関連付けて記憶し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている画像データに関連付けられたユーザが前記IP電話端末を利用して前記他の拠点との呼接続を確立したことが検知された場合に、前記IP電話端末に対して当該ユーザに関連付けられた画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行うことを特徴とする構成である。
【0012】
請求項5にかかる発明は、画像データの送信を保留する機能を備えた情報処理装置とネットワークを介して接続されるIP電話端末であって、前記ネットワークを介して他の拠点と呼接続を確立する通信手段と、前記通信手段が前記他の拠点と呼接続を確立することに伴い、前記情報処理装置が前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データの送信を保留しているか否かを検知する検知手段と、前記検知手段において前記情報処理装置が前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データの送信を保留していることが検知された場合、前記情報処理装置が保留している画像データを取得し、前記通信手段が前記他の拠点と確立した呼接続を利用して前記他の拠点に設けられた装置に対して送信する制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項6にかかる発明は、画像データを送信する情報処理装置とネットワークを介して接続されると共に、該ネットワークを介して他の拠点に設けられた装置と呼接続を確立して通話を行うIP電話端末であって、前記他の拠点に設けられた装置との通話を行うとき、前記情報処理装置が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知する検知手段と、前記検知手段において前記情報処理装置が前記他の拠点と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合、前記情報処理装置に対して通話のための発呼を要求し、前記情報処理装置が前記他の拠点と既に確立している呼接続を利用して前記他の拠点に設けられた装置との通話状態を確立させる通信手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、既に確立されている呼接続を利用して画像データの送受信を行ったり、或いは、通話状態を確立させたりすることができるようになる。それ故、回線がビジー状態となることなく、IP電話端末による通話と、情報処理装置による画像データの送信とを同時に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】情報処理装置のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】IP電話端末のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】情報処理装置がIP電話端末の既に確立している呼接続を利用して画像データの送信を行う場合の動作を示す図である。
【図5】情報処理装置が画像データを送信する場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】情報処理装置において行われるFAX送信処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】情報処理装置において行われる保留データ送信処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態におけるIP電話端末のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。
【図9】第2の実施の形態においてIP電話端末のCPUが行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施の形態におけるIP電話端末のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。
【図11】第3の実施の形態においてIP電話端末が情報処理装置の既に確立している呼接続を利用して音声通信および映像通信を行う場合の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態における情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。この情報処理システムは、第1の拠点100と、第2の拠点200とが、次世代ネットワーク(NGN)などのネットワーク9で接続された構成である。尚、図例では、第1の拠点100と第2の拠点200との2つの拠点だけを示しているが、拠点の数はこれに限られるものではなく、3つ以上の拠点がネットワーク9に接続されていても構わない。
【0018】
第1の拠点100には、デジタル複合機やMFPなどと呼ばれる情報処理装置10と、IP電話端末11と、ホームゲートウェイ12とが設けられ、これらがLANなどのローカルネットワーク13を介して相互にデータ通信可能となっている。また、第2の拠点200には、デジタル複合機やMFPなどと呼ばれる情報処理装置20と、IP電話端末21と、ホームゲートウェイ22とが設けられ、これらがLANなどのローカルネットワーク23を介して相互にデータ通信可能となっている。尚、第1の拠点100および第2の拠点200のそれぞれには、複数の情報処理装置10,20が設けられていても良いし、また複数のIP電話端末11,21が設けられていても良い。
【0019】
情報処理装置10,20は、少なくともFAX機能を備えており、そのFAX機能により、ネットワーク9を介して相互に画像データ(FAXデータ)の送受信を行うことができるようになっている。またIP電話端末11,21は、ネットワーク9を介して確立される呼接続を利用して相互に音声通信および映像通信を行うことができるようになっている。ホームゲートウェイ12,22は、ローカルネットワーク13,23に接続されている情報処理装置10およびIP電話端末11,21をネットワーク9に接続するためのものである。
【0020】
第1の拠点100に設けられたホームゲートウェイ12には、情報処理装置10およびIP電話端末11に接続するための電話番号が登録されている。そしてホームゲートウェイ12は、ネットワーク9を介して着呼した場合、その電話番号に応じて情報処理装置10とIP電話端末11の少なくとも一方に対して呼び出し信号を送出し、発呼側との呼接続を確立させるように構成される。
【0021】
また第2の拠点200に設けられたホームゲートウェイ22には、情報処理装置20およびIP電話端末21に接続するための電話番号が登録されている。そしてホームゲートウェイ22は、ネットワーク9を介して着呼した場合、その電話番号に応じて情報処理装置20とIP電話端末21の少なくとも一方に対して呼び出し信号を送出し、発呼側との呼接続を確立させるように構成される。
【0022】
尚、本実施形態では、説明を簡単にするため、第1の拠点100および第2の拠点200のそれぞれにおいて、ネットワーク9を介して呼接続を確立することができる回線数が1回線に限られており、しかも、第1の拠点100においては情報処理装置10とIP電話端末11との電話番号が共通であり、同様に、第2の拠点200においても情報処理装置20とIP電話端末21との電話番号が共通である場合を例示する。この場合、例えば、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11と、第2の拠点200に設けられたIP電話端末21との間で既に呼接続が確立されている状態のとき、第1の拠点100に設けられた情報処理装置10が、第2の拠点に設けられた情報処理装置20に対してFAX機能による画像データ送信のための呼接続を確立させようとしても回線がビジー状態となり、呼接続を確立することができない。そして本実施形態の情報処理装置10,20は、そのような事態が発生した場合であっても、IP電話端末11,21間で既に確立されている呼接続を利用して画像データの送受信を行うことができるように構成される。以下、さらに詳しく説明する。
【0023】
図2は、情報処理装置10,20のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10,20は、CPU31と、記憶装置32と、操作パネル33と、スキャナ部34と、プリンタ部35と、画像メモリ36と、ネットワークインタフェース37とを備えており、これらがデータバス38を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0024】
CPU31は、情報処理装置10,20への電源投入に伴って所定のプログラムを実行することにより、様々な処理部として機能し、各部の動作を制御するように構成される。特に本実施形態においては、CPU31がプログラムを実行することにより、ユーザ認証部41、FAX機能部42、通信制御部43および接続検知部44として機能するように構成される。
【0025】
記憶装置32は、例えばハードディスク装置などの不揮発性の記憶手段で構成される。この記憶装置32には、ユーザ情報32aと、端末リスト32bとが予め記憶されている。また記憶装置32には、他の拠点に送信すべき画像データが送信保留となった場合に、その画像データを記憶しておくための画像データ記憶部32cが設けられる。
【0026】
ユーザ情報32aは、各拠点100,200に設けられた情報処理装置10,20を使用するユーザが予め登録された情報である。また端末リスト32bは、各拠点100,200に設けられた情報処理装置10,20がローカルネットワーク13,23を介して接続されているIP電話端末11,21を予め登録した情報である。例えば、情報処理装置10においてはIP電話端末11が端末リスト32bに予め登録されており、情報処理装置20においてはIP電話端末21が端末リスト32bに予め登録されている。
【0027】
操作パネル33は、ユーザが情報処理装置10,20を使用する際のユーザインタフェースとなるものである。この操作パネル33は、各種情報を表示するための表示部33aと、各種の入力操作を受け付けるための操作部33bとを備えている。表示部33aは、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される。操作部33bは、表示部33aの表示画面上に配置されたタッチパネルキーと、表示画面の周囲に配置された押しボタンキーとを備えて構成される。ユーザは、この操作パネル33に対する操作を行って情報処理装置10,20にログインすることにより、FAX機能を選択して他の拠点に対して画像データを送信することができるようになる。このとき、ユーザが操作パネル33を操作することにより、画像データの送信先となる相手先拠点に設けられている情報処理装置20又は10の電話番号を入力する。
【0028】
スキャナ部34は、原稿を読み取って画像データを生成するものである。例えば、スキャン機能による画像データの送信が指示された場合、スキャナ部34は、原稿を読み取って相手先拠点へ送信するための画像データを生成する。スキャナ部34は、そして原稿を読み取って生成した画像データを画像メモリ36に格納する。
【0029】
プリンタ部35は、入力する画像データに基づいて印刷用紙などのシート状の印刷媒体に対して画像形成を行って出力するものである。例えば情報処理装置10,20がFAX機能によって画像データを受信した場合、その画像データは画像メモリ36に格納される。そのため、プリンタ部35は、画像メモリ36に格納されている画像データを読み出して印刷出力を行うことにより、FAX受信に伴う画像出力を行う。
【0030】
画像メモリ36は、例えば半導体メモリなどで構成され、スキャナ部34によって生成される画像データ、又は、FAX機能によって受信された画像データなどを一時的に記憶するためのものである。
【0031】
ネットワークインタフェース37は、情報処理装置10,20をローカルネットワーク13,23に接続するためのものである。CPU31は、このネットワークインタフェース37を介して画像データの送受信を行うように構成される。
【0032】
次に、CPU31がプログラムを実行することによって機能する各処理部について説明する。上述したように、CPU31は、ユーザ認証部41、FAX機能部42、通信制御部43および接続検知部44として機能する。
【0033】
ユーザ認証部41は、情報処理装置10,20を使用するユーザの認証処理を行う。このユーザ認証部41は、例えば操作パネル33を介して入力されるユーザIDおよびパスワードなどに基づいてユーザ情報32aを参照することにより、ユーザ認証を行う。その結果、ユーザを特定することができた場合には、その特定されたユーザをログインユーザとして情報処理装置10,20をログイン状態へ移行させる。これにより、ログインユーザは、情報処理装置10,20を使用可能な状態となる。一方、ユーザを特定することができなかった場合には、ログイン状態へは移行させない。この場合、ユーザは情報処理装置10,20を使用することができない。
【0034】
FAX機能部42は、他の拠点に設けられた情報処理装置との間で画像データ(FAXデータ)の送受信を行う処理部である。このFAX機能部42は、例えば、情報処理装置10,20がログイン状態へと移行した後、ユーザがFAX機能を選択することにより動作する。そしてFAX機能部42は、ユーザからの指示に基づいてスキャナ部34を制御することにより原稿の読み取り動作を行わせる。そして画像メモリ36に格納される画像データを取得し、ユーザによって指定された相手先拠点の情報処理装置に対し、その画像データを送信する。
【0035】
またFAX機能部42は、他の拠点に設けられた情報処理装置から画像データを受信した場合、その画像データを画像メモリ36に格納すると共に、プリンタ部35を制御することによってその画像データに基づく印刷出力を行うように構成される。
【0036】
通信制御部43は、他の拠点に設けられた情報処理装置20,10との間でFAX機能部42が画像データの送受信を行うための呼接続を確立する処理部である。例えば、ユーザがFAX機能を選択して画像データの送信を指示した場合、通信制御部43は、ユーザによって指定された相手先拠点の情報処理装置に対して発呼し、呼接続を確立する。そして相手先拠点の情報処理装置との間で正常に呼接続が確立された場合、通信制御部43は、その呼接続を利用してFAX機能部42から出力される画像データを相手先拠点の情報処理装置に送信する。
【0037】
ただし、通信制御部43が相手先拠点に対して発呼したときでも、必ずしも呼接続が確立されるとは限らない。そのような場合、通信制御部43は、接続検知部44を機能させる。
【0038】
接続検知部44は、FAX機能部42が動作して他の拠点に設けられた情報処理装置に画像データの送信を行うとき、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11,21が相手先拠点のIP電話端末と既に呼接続を確立しているか否かを検知するものである。例えば、第1の拠点100に設けられた情報処理装置10から第2の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して画像データの送信を行うとき、情報処理装置10の接続検知部44は、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11が第2の拠点200に設けられたIP電話端末21と既に呼接続を確立しているか否かを検知する。
【0039】
その結果、IP電話端末11とIP電話端末21との間で既に呼接続が確立されている場合、接続検知部44は、既に呼接続が確立されているIP電話端末11を特定して通信制御部43に通知する。一方、IP電話端末11とIP電話端末21との間で呼接続が確立されていない場合、接続検知部44は、通信制御部43に対して既に確立された呼接続が存在しない旨を通知する。
【0040】
そして通信制御部43は、接続検知部44による検知結果に基づいて画像データの送信処理を行ったり、或いは、送信を保留したりする。例えば、接続検知部44がIP電話端末11とIP電話端末21との間で既に呼接続が確立されていることを検知した場合、通信制御部43は、その呼接続を利用して画像データの送信を行うべく、IP電話端末11に対して画像データの送信を要求すると共に、送信対象である画像データをIP電話端末11に出力する。つまり、通信制御部43は、相手先拠点のIP電話端末21と既に呼接続を確立しているIP電話端末11を介して、相手先拠点に設けられた情報処理装置20に対して画像データを送信する構成である。
【0041】
これに対し、接続検知部44がIP電話端末11とIP電話端末21との間で呼接続が確立されていないことを検知した場合、通信制御部43は、画像データの送信を行わない。この場合、FAX機能部42は、送信対象である画像データを画像データ記憶部32cに保存し、送信を保留するように構成される。
【0042】
次に図3は、IP電話端末11,21のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。IP電話端末11,21は、ネットワークインタフェース51と、通信制御部52と、CPU60と、通話回路53と、映像処理回路56と、スピーカ54と、マイク55と、画像表示部57と、カメラ58とを備えている。スピーカ54とマイク55とは、一般的な受話器に設けられるものである。またその他の部材は、電話端末の本体に設けられる。尚、図例では、IP電話端末11,21に対して電話番号を入力するためのダイヤルやプッシュボタンなどは図示を省略している。
【0043】
ネットワークインタフェース51は、IP電話端末11,21をローカルネットワーク13,23に接続するためのものである。通信制御部52は、他の拠点に設けられたIP電話端末21,11との間で呼接続を確立する処理部である。例えば、ユーザが電話番号を入力すると、通信制御部52は、その電話番号に基づいて発呼する。そして相手先のIP電話端末と呼接続が確立されると、通話回路53と映像処理回路56とが機能し、相手先とのTV電話通信を行うことができるようになっている。通話回路53には、スピーカ54とマイク55とが接続され、通信制御部52から入力する音声信号をスピーカ54に出力すると共に、マイク55から入力する音声信号を通信制御部52に出力する。映像処理回路56には、画像表示部57とカメラ58とが接続され、通信制御部52から入力する映像信号を画像表示部57に出力すると共に、カメラ58から入力する映像信号を通信制御部52に出力する。
【0044】
通信制御部52は、ネットワークインタフェース51を介して入力する信号から各種信号を分離する機能を有している。そして音声信号を通話回路53に出力し、映像信号を映像処理回路56に出力する。また通信制御部52は、音声信号と映像信号以外の信号をCPU60に出力する。
【0045】
CPU60は、データ制御部61として機能し、音声信号と映像信号以外の信号を処理するように構成される。このデータ制御部61は、通信制御部52が他の拠点のIP電話端末と呼接続を確立した状態のとき、情報処理装置10,20から画像データの送信要求を受信すると、それに伴って受信する画像データを既に確立されている呼接続を利用して他の拠点のIP電話端末に送信する。またデータ制御部61は、呼接続が確立されている相手先のIP電話端末から画像データを受信した場合、その画像データを同一のローカルネットワーク13,23に接続されている情報処理装置10,20に出力するように構成される。
【0046】
上記のような構成により、本実施形態の情報処理システムでは、例えば第1の拠点100に設けられた情報処理装置10が第2の拠点200に設けられた情報処理装置20に対してFAX機能により画像データの送信を行うために発呼したとき、回線がビジー状態となって呼接続を確立することができなった場合でも、第1の拠点100のIP電話端末11と、第2の拠点200のIP電話端末21とが既に呼接続を確立している場合には、そのIP電話端末11,21間の呼接続を利用して画像データの送信を行うことができるようになる。
【0047】
図4は、情報処理装置10がIP電話端末11,21の間で既に確立されている呼接続を利用して画像データの送信を行う場合の動作を示す図である。図4に示す例では、はじめに、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11と、第2の拠点200に設けられたIP電話端末21との間に呼接続が確立される(プロセスP1)。その状態で、第1の拠点100に設けられた情報処理装置10をユーザが操作し、第2の拠点200の情報処理装置20に対して画像データを送信する指示を行った場合、情報処理装置10は上述したFAX機能部42および通信制御部43を機能させ、ホームゲートウェイ12を介して第2の拠点200に発呼する(プロセスP2)。このとき、第1の拠点100と第2の拠点200のそれぞれに設けられたIP電話端末11,21が互いに呼接続を既に確立した状態であるため、情報処理装置10から第2の拠点200に発呼しても回線がビジー状態となり、呼接続を確立することができない。
【0048】
情報処理装置10は、第2の拠点200に設けられた情報処理装置20との呼接続を確立することができなかった場合、上述した接続検知部44を機能させ、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が第2の拠点200に設けられたIP電話端末21と呼接続を確立しているか否かを検知する。この動作をより具体的に説明すると、接続検知部44は、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11に対して呼接続を確立した状態であるか否かを問い合わせる。その結果、IP電話端末11から呼接続を確立した状態である旨の返答が得られた場合、接続検知部44は、そのIP電話端末11から呼接続を確立している相手先の電話番号を取得する。そして接続検知部44は、その取得した電話番号が、プロセスP2で発呼した電話番号と一致するか否かを判別し、それらの電話番号が一致すれば、IP電話端末11が画像データの送信先となる相手先拠点200と既に呼接続を確立していることを検知する。これに対し、電話番号が一致しない場合には、IP電話端末11が画像データの送信先となる相手先拠点200とは呼接続を確立していないことを検知する。
【0049】
上記のような接続検知部44の動作により、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11が第2の拠点200に設けられたIP電話端末21との間で既に呼接続を確立していることが検知された場合、情報処理装置10は、ローカルネットワーク13を介してIP電話端末21に画像データの送信要求を行う(プロセスP3)。このとき、情報処理装置10は、画像データの宛先が第2の拠点200に設けられた情報処理装置20であることを明示するようにしても良い。そして情報処理装置10は、画像データの送信要求を行うことに伴い、ローカルネットワーク13を介してIP電話端末11に送信対象となる画像データの出力を開始する。
【0050】
IP電話端末11は、第2の拠点200のIP電話端末21との間で呼接続を確立している状態のとき、情報処理装置10から画像データの送信要求を受信すると、既に確立している呼接続を利用して、情報処理装置10から入力する画像データを第2の拠点200に送信する(プロセスP4)。つまり、IP電話端末11は、IP電話端末21との間で行われる音声通信および映像通信と並行して、情報処理装置10から入力する画像データをIP電話端末21に送信する。
【0051】
第2の拠点200に設けられたIP電話端末21は、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11から送信される画像データを受信すると、そのデータを解析することにより、情報処理装置20宛の画像データであることを特定する。そしてIP電話端末21は、第1の拠点100から受信した画像データを、ローカルネットワーク23を介して情報処理装置20に出力する(プロセスP5)。
【0052】
第2の拠点200に設けられた情報処理装置20は、IP電話端末21から出力される画像データを受信すると、FAX受信時と同様の動作を行うことにより、受信した画像データに基づく印刷出力を行う。このように本実施形態では、情報処理装置10が相手先拠点に対して画像データを送信するためにその相手先拠点に発呼したとき、回線がビジー状態となって呼接続を確立することができなった場合でも、そのタイミングで既に相手先拠点と呼接続を確立しているIP電話端末11を検知することができれば、その呼接続を利用して画像データの送信を行うことができるようになっている。そのため、IP電話端末11による通話と、情報処理装置10による画像データの送信とを同時に行うことが可能になる。
【0053】
また本実施形態では、情報処理装置10が画像データを送信するために相手先拠点に発呼しても呼接続を確立することができず、しかも、そのタイミングでは相手先拠点と呼接続を確立しているIP電話端末11を検知することができなかった場合、その画像データは画像データ記憶部32cに格納され、送信が保留される。そして画像データ記憶部32cに保留された画像データが記憶されている場合、情報処理装置10は、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が画像データの送信先である相手先拠点と呼接続を確立したか否かを定期的に検知する状態となり、IP電話端末11が相手先拠点との間で呼接続を確立したタイミングでIP電話端末11に画像データの送信要求を行う(プロセスP3)。そしてIP電話端末11と相手先拠点のIP電話端末21との間で確立された呼接続を利用して画像データの送信を行うことにより(プロセスP4)、相手先拠点の情報処理装置20に対して画像データの送信を完了する(プロセスP5)。
【0054】
したがって、本実施形態では情報処理装置10が相手先拠点に対して画像データを送信するためにその相手先拠点に発呼したとき、回線がビジー状態となって呼接続を確立することができず、しかも、そのタイミングでは相手先拠点と呼接続を確立しているIP電話端末11を検知することができなかったときでも、その後にIP電話端末11が相手先拠点との間で呼接続を確立すれば、そのタイミングでその呼接続を利用して画像データの送信を行うことができるようになる。
【0055】
また本実施形態の情報処理装置10は、ユーザが画像データの送信を指示する際、直ちに画像データの送信を行うか、或いは、画像データの送信を保留するかを選択可能な構成としても良い。この場合において、ユーザが画像データの送信を保留しておくことを選択すると、情報処理装置10は、送信対象となる画像データを画像データ記憶部32cに格納して送信を保留する。そして上記と同様に、画像データ記憶部32cに保留された画像データが記憶されている場合、情報処理装置10は、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が画像データの送信先である相手先拠点と呼接続を確立したか否かを定期的に検知する状態となり、IP電話端末11が相手先拠点との間で呼接続を確立したタイミングでIP電話端末11に画像データの送信要求を行う(プロセスP3)。そしてIP電話端末11と相手先拠点のIP電話端末21との間で確立された呼接続を利用して画像データの送信を行うことにより(プロセスP4)、相手先拠点の情報処理装置20に対して画像データの送信を完了する(プロセスP5)。したがって、本実施形態では情報処理装置10が相手先拠点に対して発呼しなくても、IP電話端末11がその相手先拠点との間で呼接続を確立すれば、そのタイミングでその呼接続を利用して画像データの送信を行うことができるようになる。
【0056】
次に本実施形態における情報処理装置10が画像データを送信する場合の処理手順について説明する。図5乃至図7は、情報処理装置10が画像データを送信する場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、図5に示すように、情報処理装置10は、ユーザにより入力されるユーザIDやパスワードなどに基づきユーザ認証処理を行う(ステップS1)。そして情報処理装置10は、ユーザ認証処理によってユーザを特定することができたか否かを判断し(ステップS2)、ユーザを特定することができた場合には、さらにFAX送信指示が行われたか否かを判断する(ステップS3)。そしてFAX送信指示が行われた場合(ステップS3でYES)、情報処理装置10は、FAX送信処理を実行する(ステップS4)。尚、ユーザ認証処理によりユーザを特定することができなかった場合(ステップS2でNO)、或いは、FAX送信指示が行われなかった場合(ステップS3)には、FAX送信処理(ステップS4)は行われない。
【0057】
次に情報処理装置10は、送信保留データが画像データ記憶部32cに記憶されているか否かを判断する(ステップS5)。そして送信保留データがある場合(ステップS5でYES)、情報処理装置10は、保留データ送信処理を実行する(ステップS6)。尚、送信保留データが記憶されていない場合(ステップS5でNO)、保留データ送信処理(ステップS6)は行われない。
【0058】
図6は、FAX送信処理(ステップS4)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置10は、この処理を開始すると、送信対象となる画像データを入力する(ステップS11)。すなわち、情報処理装置10は、スキャナ部34による原稿の読み取り動作を行って送信対象となる画像データを入力する。そして情報処理装置10は、ユーザによる選択結果に基づき、直ちに画像データの送信を行うか否かを判断する(ステップS12)。この結果、画像データの送信を行わない場合(ステップS12でNO)、情報処理装置10は、画像データを画像データ記憶部32cに格納し、画像データの送信を保留する(ステップS13)。
【0059】
これに対し、直ちに画像データの送信を行う場合(ステップS12でYES)、情報処理装置10は、相手先の情報処理装置20に対して発呼する(ステップS14)。そして相手先の情報処理装置20がビジー状態であるか否かを判断する(ステップS15)。すなわち、この判断では、相手先の情報処理装置20との間で呼接続が確立されたか否かが判断される。その結果、相手先の情報処理装置20がビジー状態で呼接続を確立することができなかった場合(ステップS15でYES)、情報処理装置10は、端末リスト32bを読み出し(ステップS16)、その端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が相手先拠点との間で呼接続を確立しているか否かを判断する(ステップS17)。ここで、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が相手先拠点との間で呼接続を確立していない場合(ステップS17でNO)、情報処理装置10は、送信対象である画像データを画像データ記憶部32cに格納し、画像データの送信を保留する(ステップS13)。
【0060】
一方、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が相手先拠点との間で既に呼接続を確立している場合(ステップS17でYES)、情報処理装置10は、そのIP電話端末11に対して画像データの送信を要求する(ステップS18)。これに伴い、情報処理装置10は、IP電話端末11が確立している呼接続を利用して画像データの送信を開始する(ステップS19)。尚、ステップS15において相手先の情報処理装置20がビジー状態でなく、情報処理装置10が情報処理装置20との間で呼接続を確立することができた場合(ステップS15でNO)、情報処理装置10は、その呼接続を利用して画像データの送信を開始する(ステップS19)。
【0061】
そして画像データの送信が終了するまで待機し(ステップS20)、画像データの送信が終了すると、FAX送信処理(ステップS4)が終了する。
【0062】
次に、図7は、保留データ送信処理(ステップS6)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置10は、この処理を開始すると、保留されている画像データの送信相手先となる拠点を特定する(ステップS31)。そして情報処理装置10は、端末リスト32bを読み出し(ステップS32)、その端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が呼接続を確立している状態であるか否かを確認する(ステップS33)。そして情報処理装置10は、IP電話端末11が画像データの送信相手先となる拠点との間で呼接続を確立しているか否かを判断する(ステップS34)。この判断の結果、画像データの送信相手先となる拠点との間で呼接続を確立しているIP電話端末11が存在しない場合(ステップS34でNO)、情報処理装置10は、その後、所定時間が経過するまで待機し(ステップS35)、所定時間が経過すると、再びステップS33およびS34の処理を繰り返す。そして画像データの送信相手先となる拠点との間で呼接続を確立しているIP電話端末11が検知されると(ステップS34でYES)、情報処理装置10は、そのIP電話端末11に画像データの送信を要求する(ステップS36)。これに伴い、情報処理装置10は、IP電話端末11が確立している呼接続を利用して画像データの送信を開始する(ステップS37)。その後、情報処理装置10は、画像データの送信が終了するまで画像データの送信を行い(ステップS38)、画像データの送信が終了すると、保留データ送信処理(ステップS6)が終了する。
【0063】
以上のように本実施形態における情報処理装置10は、ローカルネットワーク13を介してIP電話端末11と接続されると共に、ローカルネットワーク13およびネットワーク9を介して他の拠点200に設けられる情報処理装置20と呼接続を確立して画像データの送信を行うことができるように構成されている。そして本実施形態の情報処理装置10は、他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して画像データの送信を行うとき、IP電話端末11が他の拠点200と既に呼接続を確立しているか否かを検知する接続検知部44と、接続検知部44においてIP電話端末11が他の拠点200と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合にそのIP電話端末11に対して画像データの送信を要求し、IP電話端末11を介して他の拠点200に設けられた情報処理装置20へ画像データの送信を行う通信制御部43とを備える構成である。
【0064】
そのため、本実施形態の情報処理装置10は、他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して画像データの送信を行う際、IP電話端末11が他の拠点200と既に確立している呼接続を利用して画像データの送信を行うことが可能である。その結果、IP電話端末11による通話と、情報処理装置10による画像データの送信とを同時に行うことが可能になる。それ故、回線がビジー状態となってしまって画像データを送信できなくなるという不都合が生じることを良好に防止することができる。
【0065】
また本実施形態の情報処理装置10における接続検知部44は、通信制御部43が他の拠点200に設けられた情報処理装置10との呼接続を確立することができなった場合に、IP電話端末11が他の拠点200と既に呼接続を確立しているか否かを検知するように構成される。それ故、画像データを送信するための呼接続を確立することができなった場合でも、IP電話端末11が他の拠点200と既に確立している呼接続を利用して直ちに画像データの送信を行うことができる。
【0066】
また本実施形態の情報処理装置10は、他の拠点200に設けられる情報処理装置20に対して送信すべき画像データを記憶するための記憶装置32を備えており、接続検知部44においてIP電話端末11が他の拠点200との呼接続を確立したことが検知された場合、そのIP電話端末11に対して記憶装置32に記憶された画像データの送信を要求し、そのIP電話端末11を介して他の拠点200に設けられた情報処理装置20への画像データの送信を行う構成である。
【0067】
このような構成であるため、本実施形態の情報処理装置10は、記憶装置32に記憶された画像データを他の拠点200に送信する際、自機が他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して発呼することなく、IP電話端末11が確立している呼接続を利用して他の拠点200の情報処理装置20に画像データの送信を行うことができるようになる。
【0068】
また情報処理装置10は、記憶装置32に画像データを記憶する際、ユーザ認証部41によって特定されたユーザと関連付けて画像データを記憶するようにしても良い。この場合、端末リスト32bには、IP電話端末11とそれを使用するユーザとを予め対応付けて登録しておく。そして接続検知部44によって、記憶装置32に記憶されている画像データに関連付けられたユーザが自身のIP電話端末11を使用して他の拠点200との呼接続を確立したことが検知された場合に、通信制御部43が、そのIP電話端末11に対して当該ユーザに関連付けられた画像データの送信を要求し、そのIP電話端末11を介して他の拠点200に設けられた情報処理装置20への画像データの送信を行うようにしても良い。このような構成とする場合、例えば第1の拠点100のユーザが第2の拠点200のユーザとIP電話端末11,21を介して通話を行っているときに、それと同時に必要な資料などを第2の拠点200に送信することができるようになる。
【0069】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、情報処理装置10に保留データが記憶されている場合、情報処理装置10において、端末リスト32bに登録されているIP電話端末11が画像データの送信先と呼接続を確立したか否かを定期的に検知する処理が行われる例を説明した。これに対し、本実施形態では、IP電話端末11が他の拠点200と呼接続を確立することに伴い、情報処理装置10が他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して送信すべき画像データの送信を保留しているか否かを検知する構成例について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システムの全体的な構成は第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0070】
図8は、本実施形態におけるIP電話端末11,21のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のIP電話端末11,21は、ネットワークインタフェース51と、通信制御部52と、CPU60と、通話回路53と、映像処理回路56と、スピーカ54と、マイク55と、画像表示部57と、カメラ58と、記憶部63とを備えている。このうち、ネットワークインタフェース51、通信制御部52、通話回路53、映像処理回路56、スピーカ54、マイク55、画像表示部57およびカメラ58は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0071】
本実施形態のIP電話端末11,21は、半導体メモリなどで構成される記憶部63を備えており、この記憶部63には登録情報64が記憶される。登録情報64は、それぞれのIP電話端末11,21がローカルネットワーク13,23を介して接続されている情報処理装置10,20が予め登録された情報である。
【0072】
また本実施形態のCPU60は、データ制御部61および保留検知部62として機能する。保留検知部62は、通信制御部52が他の拠点のIP電話端末と呼接続を確立したとき、登録情報64を読み出し、その登録情報64に登録された情報処理装置10,20が画像データの送信を保留した状態であるか否かを検知する処理部である。例えば、保留検知部62は、登録情報64に登録されている情報処理装置10,20に対して保留データを記憶しているか否かを問い合わせ、それに伴う情報処理装置10,20からの返答に基づいて画像データの送信を保留した状態の情報処理装置10,20を検知する。このようにして保留検知部62が画像データの送信を保留している情報処理装置10,20を検知した場合、CPU60においては次にデータ制御部61が機能する。
【0073】
本実施形態のデータ制御部61は、保留検知部62が画像データの送信を保留している情報処理装置10,20を検知した場合、その情報処理装置10,20から保留している画像データを取得し、通信制御部52が他の拠点と確立した呼接続を利用して他の拠点のIP電話端末に送信する。例えば、データ制御部61は、画像データの送信を保留している情報処理装置10,20に対し、保留している画像データを要求する。これに伴い、情報処理装置10,20は、IP電話端末11,21に対して保留している画像データを送信する。そしてデータ制御部61は、情報処理装置10,20から画像データを受信すると、その画像データを既に確立されている呼接続を利用して相手先の拠点に送信する。
【0074】
また本実施形態のデータ制御部61は、第1の実施の形態と同様に、呼接続が確立されている相手先のIP電話端末から画像データを受信した場合、その画像データを同一のローカルネットワーク13,23に接続されている情報処理装置10,20に出力するように構成される。
【0075】
上記のような構成により、本実施形態の情報処理システムでは、例えば第1の拠点100に設けられた情報処理装置10が第2の拠点200に設けられた情報処理装置20に対してFAX機能により画像データの送信を行うために発呼したとき、回線がビジー状態となって呼接続を確立することができなった場合には、その画像データの送信を保留しておけば良い。そして第1の拠点100に設けられているIP電話端末11が相手先の拠点200に設けられたIP電話端末21との間で呼接続を確立したときには、IP電話端末11から保留データの問い合わせがあるため、情報処理装置10は、第1の実施の形態で説明したように、定期的にIP電話端末11が相手先拠点と呼接続を確立したかどうかを確認する必要がなくなり、しかもIP電話端末11が相手先拠点と呼接続を確立したタイミングで画像データの送信を行うことができるようになる。
【0076】
図9は、本実施形態においてIP電話端末11のCPU60が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。CPU60は、この処理を開始すると、通信制御部52が呼接続を確立したか否かを判断する(ステップS41)。そして呼接続が確立されたことが検知されると(ステップS41でYES)、CPU60は、その呼接続の相手先を特定する(ステップS42)。ここでは、例えば相手先の電話番号が特定される。そしてCPU60は、登録情報64を読み出し(ステップS43)、その登録情報64に登録されている情報処理装置10に対して保留データの有無の問い合わせを行う(ステップS44)。そしてCPU60は、保留データを記憶している情報処理装置10が存在するか否かを判断し(ステップS45)、保留データを記憶している情報処理装置10が存在しない場合(ステップS45でNO)、ステップS41に戻る。
【0077】
一方、保留データを記憶している情報処理装置10が存在する場合(ステップS45でYES)、CPU60は、その保留データの送信先が呼接続を確立した相手先拠点に存在するか否かを判断する(ステップS46)。ここでは、例えば、画像データの送信先の電話番号と、呼接続が確立された電話番号とが一致するか否かが判断され、それらの電話番号が一致する場合に保留データの送信先が呼接続を確立した相手先拠点に存在すると判断される。
【0078】
上記判断の結果、保留データの送信先が呼接続を確立した相手先拠点に存在しない場合(ステップS46でNO)、CPU60による処理手順はステップS41に戻る。これに対し、保留データの送信先が呼接続を確立した相手先拠点に存在する場合(ステップS46でYES)、CPU60は、情報処理装置10が保留している画像データを取得する(ステップS47)。そしてCPU60は、情報処理装置10から取得した画像データを、通信制御部52が確立した呼接続を利用して相手先拠点200のIP電話端末21に送信処理を開始する(ステップS48)。その後、CPU60は、画像データの送信が終了するまで画像データの送信を行い(ステップS49)、画像データの送信が終了すると、ステップS41に戻る。
【0079】
以上のように本実施形態においては、画像データの送信を保留する機能を備えた情報処理装置10とローカルネットワーク13を介して接続されるIP電話端末11が、他の拠点200と呼接続を確立する通信制御部52と、その通信制御部52が他の拠点200と呼接続を確立することに伴い、情報処理装置10が他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して送信すべき画像データの送信を保留しているか否かを検知する保留検知部62と、保留検知部62において情報処理装置10が他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して送信すべき画像データの送信を保留していることが検知された場合、その情報処理装置10が保留している画像データを取得し、通信制御部52が他の拠点200と確立した呼接続を利用して他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して送信するデータ制御部61と、を備える構成である。
【0080】
したがって、本実施形態においては、第1の実施の形態のように、情報処理装置10が定期的にIP電話端末11によって相手先拠点との呼接続が確立されたかどうかを確認する必要がなくなるので、情報処理装置10における処理負担を軽減することができる。しかも、本実施形態においても、IP電話端末11が相手先拠点と呼接続を確立したタイミングで情報処理装置10に保留されている画像データの送信が行われるため、IP電話端末による通話と、情報処理装置による画像データの送信とを同時に行うことが可能である。
【0081】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。上述した第1および第2の実施の形態では、情報処理装置10が画像データを送信する際、IP電話端末11が確立した呼接続を利用して画像データの送信を行う例について説明した。これに対し、本実施形態では、IP電話端末11が呼接続を確立しようとする際、既に情報処理装置10が相手先拠点との間で呼接続を確立している場合には、その呼接続を利用して音声通信や映像通信を行う構成例について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システムの全体的な構成は第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0082】
図10は、本実施形態におけるIP電話端末11,21のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のIP電話端末11,21は、ネットワークインタフェース51と、通信制御部52と、通話回路53と、映像処理回路56と、スピーカ54と、マイク55と、画像表示部57と、カメラ58と、記憶部63とを備えている。このうち、ネットワークインタフェース51、通話回路53、映像処理回路56、スピーカ54、マイク55、画像表示部57およびカメラ58は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。また、記憶部63は、第2の実施の形態で説明したものと同様であり、登録情報64を記憶している。
【0083】
そして本実施形態のIP電話端末11,21は、通信制御部52は、呼接続検知部59を備えている。呼接続検知部59は、通信制御部52が他の拠点に設けられたIP電話端末との間で呼接続を確立させるために発呼しようとするときに機能し、登録情報64に登録されている情報処理装置10,20がその拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知する処理部である。例えば、呼接続検知部59は、登録情報64に登録されている情報処理装置10,20に対して他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを問い合わせ、それに伴う情報処理装置10,20からの返答に基づいて呼接続が確立されているか否かを判断する。また、情報処理装置10,20が既に呼接続が確立している場合、呼接続検知部59は、その情報処理装置10,20に対して更に相手先拠点を問い合わせ、それに伴う情報処理装置10,20からの返答に基づいて呼接続が確立されている相手先拠点を特定する。そして特定した相手先拠点が、通信制御部52が発呼しようとしている相手先拠点と一致するか否かを判断する。この判断は、例えば電話番号が一致するか否かにより行われる。
【0084】
上記のようにして呼接続検知部59が通信制御部52の発呼しようとしている相手先との間で情報処理装置10,20が既に呼接続を確立させていることを検知した場合、通信制御部52は、相手先に対して発呼せず、情報処理装置10,20が既に確立している呼接続を利用して相手先のIP電話端末との間で音声通信および映像通信を行う。すなわち、通信制御部52は、音声通信および映像通信を行うための発呼を情報処理装置10,20に対して要求する。そして情報処理装置10,20を介して相手先のIP電話端末に発呼し、相手先のIP電話端末が通話可能な状態になると、通信制御部52は、その後、情報処理装置10,20を介して音声通信および映像通信を開始する。
【0085】
図11は、本実施形態においてIP電話端末11が情報処理装置10,20の間で既に確立されている呼接続を利用して音声通信および映像通信を行う場合の動作を示す図である。図11に示す例では、はじめに、第1の拠点100に設けられた情報処理装置10と、第2の拠点200に設けられた情報処理装置20との間に呼接続が確立され、これらの間で画像データの送受信が開始される(プロセスP10)。その状態で、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11をユーザが操作し、第2の拠点200のIP電話端末21に対して通話を行うためのダイヤル操作を行った場合、IP電話端末11は、上述したように、呼接続検知部59を機能させ、登録情報64に予め登録されている情報処理装置10が既にホームゲートウェイ12を介して第2の拠点200との間で呼接続を確立しているか否かを検知する。
【0086】
その結果、第1の拠点100に設けられた情報処理装置10が第2の拠点200に設けられた情報処理装置20との間で既に呼接続を確立していることが検知された場合、IP電話端末11は、ローカルネットワーク13を介して情報処理装置10に対し、IP電話端末21を呼び出してもらうように要求する(プロセスP11)。
【0087】
情報処理装置10は、第2の拠点200の情報処理装置20との間で呼接続を確立している状態のとき、IP電話端末11から発呼の要求を受信すると、既に確立している呼接続を利用して、第2の拠点200に設けられたIP電話端末21に対して発呼する(プロセスP12)。この信号は、情報処理装置10および20を介してIP電話端末21に着信し、IP電話端末21の呼び出し音が鳴る(プロセスP13)。そしてIP電話端末21の受話器が持ち上げられると、第1の拠点100のIP電話端末11と第2の拠点200のIP電話端末21とが互いに情報処理装置10,20によって確立されている呼接続を利用して通話可能な状態となる。
【0088】
このように本実施形態では、例えば第1の拠点100に設けられたIP電話端末11が第2の拠点200に設けられたIP電話端末21に対して発呼しようとするとき、情報処理装置10が既に第2の拠点200の情報処理装置20と呼接続を確立させて画像データの送受信を行っている状態であれば、IP電話端末11は、情報処理装置10と20との間で既に確立されている呼接続を利用して相手先のIP電話端末21に発呼し、その呼接続を利用して音声通信および映像通信を行う。そのため、回線がビジー状態になることなく、画像データの送受信と同時に、IP電話端末11,21の間で音声通信および映像通信を行うことが可能になる。
【0089】
以上のように本実施形態のIP電話端末11は、他の拠点200に設けられたIP電話端末21との通話を行うとき、情報処理装置10が他の拠点200と既に呼接続を確立しているか否かを検知する呼接続検知部59と、その呼接続検知部59において情報処理装置10が他の拠点200と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合に、情報処理装置10に対して通話のための発呼を要求し、情報処理装置10が他の拠点200との間で既に確立している呼接続を利用して他の拠点200に設けられたIP電話端末21との通話状態を確立させる通信制御部52とを備える構成である。そしてこのような構成により、本実施形態においても、回線がビジー状態になることなく、画像データの送受信と共に、音声通信および映像通信を同時に行うことができるようになっている。
【0090】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能であることは言うまでもない。
【0091】
例えば、上述した実施形態では、IP電話端末11,21が音声通信だけでなく、映像通信も行ってTV電話通信を行う場合を例示したが、IP電話端末11,21は音声通信だけを行うものであっても構わない。
【0092】
また、上述した実施形態では、説明を簡単にするため、第1の拠点100においては情報処理装置10とIP電話端末11との電話番号が共通であり、同様に、第2の拠点200においても情報処理装置20とIP電話端末21との電話番号が共通である場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、第1の拠点100においては情報処理装置10とIP電話端末11とのそれぞれに固有の電話番号が割り当てられ、第2の拠点200においても情報処理装置20とIP電話端末21とのそれぞれに固有の電話番号が割り当てられた構成であっても構わない。ただし、この場合、第2の拠点200に設けられている情報処理装置20とIP電話端末21とが同じ拠点に設けられていることを第1の拠点100において正確に判断するためには、第1の拠点100に設けられる情報処理装置10又はIP電話端末11が、それらの電話番号リストを拠点ごとに登録した情報を予め記憶しておくことが好ましい。
【符号の説明】
【0093】
9 ネットワーク
10,20 情報処理装置
11,21 IP電話端末
12,22 ホームゲートウェイ
13,23 ローカルネットワーク
32 記憶装置(記憶手段)
41 ユーザ認証部(ユーザ認証手段)
43 通信制御部(制御手段)
44 接続検知部(検知手段)
52 通信制御部(通信手段)
59 呼接続検知部(検知手段)
61 データ制御部(制御手段)
62 保留検知部(検知手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびIP電話端末に関し、特に情報処理装置とIP電話端末とがネットワークを介して接続された環境において他の拠点に設けられた通信相手先との通信を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、VoIP(Voice over Internet Protocol)を利用したIP(Internet Protocol)電話が普及している。このような状況に伴い、デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる情報処理装置においても、例えばFAX機能を利用して他の拠点に画像データを送信する際、インターネットなどのネットワーク経由で画像データを送信することが可能になっている(例えば特許文献1)。
【0003】
ところが、IP電話端末で通話中の相手に対し、情報処理装置のFAX機能を利用して資料などの画像データを送信しようとすると、既にIP電話端末が回線を使用しているため、情報処理装置のFAX機能が相手先拠点の情報処理装置に発呼しても回線がビジー状態となってしまい、呼接続を確立できない可能性がある。そのため、この場合は、IP電話端末で通話中の相手に対して資料などの画像データを同時に送信することができないという問題がある。
【0004】
また、情報処理装置のFAX機能を利用して膨大な資料の画像データを送信中に、IP電話端末を利用して相手先と通話を行おうとする場合も同様であり、既に情報処理装置が回線を使用しているため、IP電話端末が相手先拠点のIP電話端末に発呼しても回線がビジー状態となってしまい、通話のための呼接続を確立できない可能性がある。したがって、この場合も、画像データの送信と同時に相手先との通話を行えないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−89170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、各拠点間を結ぶ外部ネットワークとして、次世代ネットワーク(NGN)が普及しつつある。この次世代ネットワークでは、帯域保証がなされており、2つの拠点間で呼接続が確立されると、音声通話だけでなく、その呼接続を利用して様々なデータ転送を行うことが可能である。そのため、このような次世代ネットワークを利用すれば、IP電話端末による通話と、情報処理装置による画像データの送信とを同時に行うことが可能になると考えられる。しかし、従来においては、それを実現するための技術は存在せず、依然として回線がビジーになってしまえばそれらを同時に行うことができないという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、IP電話端末による通話と、情報処理装置による画像データの送信とを同時に行うことを可能にする情報処理装置およびIP電話端末を提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、IP電話端末とネットワークを介して接続されると共に、該ネットワークを介して他の拠点に設けられた装置と呼接続を確立して画像データの送信を行う情報処理装置であって、前記他の拠点に設けられた装置に対して画像データの送信を行うとき、前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知する検知手段と、前記検知手段において前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合、前記IP電話端末に対して画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行う制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0009】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記検知手段は、前記他の拠点に設けられた装置との呼接続を確立することができなった場合に、前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項3にかかる発明は、IP電話端末とネットワークを介して接続される情報処理装置であって、他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データを記憶する記憶手段と、前記IP電話端末が前記他の拠点との呼接続を確立したことを検知する検知手段と、前記検知手段において前記IP電話端末が前記他の拠点との呼接続を確立したことが検知された場合、前記IP電話端末に対して前記記憶手段に記憶された画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行う制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0011】
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、ユーザを認証するユーザ認証手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データを、前記ユーザ認証手段によって認証されたユーザと関連付けて記憶し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている画像データに関連付けられたユーザが前記IP電話端末を利用して前記他の拠点との呼接続を確立したことが検知された場合に、前記IP電話端末に対して当該ユーザに関連付けられた画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行うことを特徴とする構成である。
【0012】
請求項5にかかる発明は、画像データの送信を保留する機能を備えた情報処理装置とネットワークを介して接続されるIP電話端末であって、前記ネットワークを介して他の拠点と呼接続を確立する通信手段と、前記通信手段が前記他の拠点と呼接続を確立することに伴い、前記情報処理装置が前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データの送信を保留しているか否かを検知する検知手段と、前記検知手段において前記情報処理装置が前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データの送信を保留していることが検知された場合、前記情報処理装置が保留している画像データを取得し、前記通信手段が前記他の拠点と確立した呼接続を利用して前記他の拠点に設けられた装置に対して送信する制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項6にかかる発明は、画像データを送信する情報処理装置とネットワークを介して接続されると共に、該ネットワークを介して他の拠点に設けられた装置と呼接続を確立して通話を行うIP電話端末であって、前記他の拠点に設けられた装置との通話を行うとき、前記情報処理装置が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知する検知手段と、前記検知手段において前記情報処理装置が前記他の拠点と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合、前記情報処理装置に対して通話のための発呼を要求し、前記情報処理装置が前記他の拠点と既に確立している呼接続を利用して前記他の拠点に設けられた装置との通話状態を確立させる通信手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、既に確立されている呼接続を利用して画像データの送受信を行ったり、或いは、通話状態を確立させたりすることができるようになる。それ故、回線がビジー状態となることなく、IP電話端末による通話と、情報処理装置による画像データの送信とを同時に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】情報処理装置のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】IP電話端末のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】情報処理装置がIP電話端末の既に確立している呼接続を利用して画像データの送信を行う場合の動作を示す図である。
【図5】情報処理装置が画像データを送信する場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】情報処理装置において行われるFAX送信処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】情報処理装置において行われる保留データ送信処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態におけるIP電話端末のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。
【図9】第2の実施の形態においてIP電話端末のCPUが行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施の形態におけるIP電話端末のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。
【図11】第3の実施の形態においてIP電話端末が情報処理装置の既に確立している呼接続を利用して音声通信および映像通信を行う場合の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態における情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。この情報処理システムは、第1の拠点100と、第2の拠点200とが、次世代ネットワーク(NGN)などのネットワーク9で接続された構成である。尚、図例では、第1の拠点100と第2の拠点200との2つの拠点だけを示しているが、拠点の数はこれに限られるものではなく、3つ以上の拠点がネットワーク9に接続されていても構わない。
【0018】
第1の拠点100には、デジタル複合機やMFPなどと呼ばれる情報処理装置10と、IP電話端末11と、ホームゲートウェイ12とが設けられ、これらがLANなどのローカルネットワーク13を介して相互にデータ通信可能となっている。また、第2の拠点200には、デジタル複合機やMFPなどと呼ばれる情報処理装置20と、IP電話端末21と、ホームゲートウェイ22とが設けられ、これらがLANなどのローカルネットワーク23を介して相互にデータ通信可能となっている。尚、第1の拠点100および第2の拠点200のそれぞれには、複数の情報処理装置10,20が設けられていても良いし、また複数のIP電話端末11,21が設けられていても良い。
【0019】
情報処理装置10,20は、少なくともFAX機能を備えており、そのFAX機能により、ネットワーク9を介して相互に画像データ(FAXデータ)の送受信を行うことができるようになっている。またIP電話端末11,21は、ネットワーク9を介して確立される呼接続を利用して相互に音声通信および映像通信を行うことができるようになっている。ホームゲートウェイ12,22は、ローカルネットワーク13,23に接続されている情報処理装置10およびIP電話端末11,21をネットワーク9に接続するためのものである。
【0020】
第1の拠点100に設けられたホームゲートウェイ12には、情報処理装置10およびIP電話端末11に接続するための電話番号が登録されている。そしてホームゲートウェイ12は、ネットワーク9を介して着呼した場合、その電話番号に応じて情報処理装置10とIP電話端末11の少なくとも一方に対して呼び出し信号を送出し、発呼側との呼接続を確立させるように構成される。
【0021】
また第2の拠点200に設けられたホームゲートウェイ22には、情報処理装置20およびIP電話端末21に接続するための電話番号が登録されている。そしてホームゲートウェイ22は、ネットワーク9を介して着呼した場合、その電話番号に応じて情報処理装置20とIP電話端末21の少なくとも一方に対して呼び出し信号を送出し、発呼側との呼接続を確立させるように構成される。
【0022】
尚、本実施形態では、説明を簡単にするため、第1の拠点100および第2の拠点200のそれぞれにおいて、ネットワーク9を介して呼接続を確立することができる回線数が1回線に限られており、しかも、第1の拠点100においては情報処理装置10とIP電話端末11との電話番号が共通であり、同様に、第2の拠点200においても情報処理装置20とIP電話端末21との電話番号が共通である場合を例示する。この場合、例えば、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11と、第2の拠点200に設けられたIP電話端末21との間で既に呼接続が確立されている状態のとき、第1の拠点100に設けられた情報処理装置10が、第2の拠点に設けられた情報処理装置20に対してFAX機能による画像データ送信のための呼接続を確立させようとしても回線がビジー状態となり、呼接続を確立することができない。そして本実施形態の情報処理装置10,20は、そのような事態が発生した場合であっても、IP電話端末11,21間で既に確立されている呼接続を利用して画像データの送受信を行うことができるように構成される。以下、さらに詳しく説明する。
【0023】
図2は、情報処理装置10,20のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10,20は、CPU31と、記憶装置32と、操作パネル33と、スキャナ部34と、プリンタ部35と、画像メモリ36と、ネットワークインタフェース37とを備えており、これらがデータバス38を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0024】
CPU31は、情報処理装置10,20への電源投入に伴って所定のプログラムを実行することにより、様々な処理部として機能し、各部の動作を制御するように構成される。特に本実施形態においては、CPU31がプログラムを実行することにより、ユーザ認証部41、FAX機能部42、通信制御部43および接続検知部44として機能するように構成される。
【0025】
記憶装置32は、例えばハードディスク装置などの不揮発性の記憶手段で構成される。この記憶装置32には、ユーザ情報32aと、端末リスト32bとが予め記憶されている。また記憶装置32には、他の拠点に送信すべき画像データが送信保留となった場合に、その画像データを記憶しておくための画像データ記憶部32cが設けられる。
【0026】
ユーザ情報32aは、各拠点100,200に設けられた情報処理装置10,20を使用するユーザが予め登録された情報である。また端末リスト32bは、各拠点100,200に設けられた情報処理装置10,20がローカルネットワーク13,23を介して接続されているIP電話端末11,21を予め登録した情報である。例えば、情報処理装置10においてはIP電話端末11が端末リスト32bに予め登録されており、情報処理装置20においてはIP電話端末21が端末リスト32bに予め登録されている。
【0027】
操作パネル33は、ユーザが情報処理装置10,20を使用する際のユーザインタフェースとなるものである。この操作パネル33は、各種情報を表示するための表示部33aと、各種の入力操作を受け付けるための操作部33bとを備えている。表示部33aは、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成される。操作部33bは、表示部33aの表示画面上に配置されたタッチパネルキーと、表示画面の周囲に配置された押しボタンキーとを備えて構成される。ユーザは、この操作パネル33に対する操作を行って情報処理装置10,20にログインすることにより、FAX機能を選択して他の拠点に対して画像データを送信することができるようになる。このとき、ユーザが操作パネル33を操作することにより、画像データの送信先となる相手先拠点に設けられている情報処理装置20又は10の電話番号を入力する。
【0028】
スキャナ部34は、原稿を読み取って画像データを生成するものである。例えば、スキャン機能による画像データの送信が指示された場合、スキャナ部34は、原稿を読み取って相手先拠点へ送信するための画像データを生成する。スキャナ部34は、そして原稿を読み取って生成した画像データを画像メモリ36に格納する。
【0029】
プリンタ部35は、入力する画像データに基づいて印刷用紙などのシート状の印刷媒体に対して画像形成を行って出力するものである。例えば情報処理装置10,20がFAX機能によって画像データを受信した場合、その画像データは画像メモリ36に格納される。そのため、プリンタ部35は、画像メモリ36に格納されている画像データを読み出して印刷出力を行うことにより、FAX受信に伴う画像出力を行う。
【0030】
画像メモリ36は、例えば半導体メモリなどで構成され、スキャナ部34によって生成される画像データ、又は、FAX機能によって受信された画像データなどを一時的に記憶するためのものである。
【0031】
ネットワークインタフェース37は、情報処理装置10,20をローカルネットワーク13,23に接続するためのものである。CPU31は、このネットワークインタフェース37を介して画像データの送受信を行うように構成される。
【0032】
次に、CPU31がプログラムを実行することによって機能する各処理部について説明する。上述したように、CPU31は、ユーザ認証部41、FAX機能部42、通信制御部43および接続検知部44として機能する。
【0033】
ユーザ認証部41は、情報処理装置10,20を使用するユーザの認証処理を行う。このユーザ認証部41は、例えば操作パネル33を介して入力されるユーザIDおよびパスワードなどに基づいてユーザ情報32aを参照することにより、ユーザ認証を行う。その結果、ユーザを特定することができた場合には、その特定されたユーザをログインユーザとして情報処理装置10,20をログイン状態へ移行させる。これにより、ログインユーザは、情報処理装置10,20を使用可能な状態となる。一方、ユーザを特定することができなかった場合には、ログイン状態へは移行させない。この場合、ユーザは情報処理装置10,20を使用することができない。
【0034】
FAX機能部42は、他の拠点に設けられた情報処理装置との間で画像データ(FAXデータ)の送受信を行う処理部である。このFAX機能部42は、例えば、情報処理装置10,20がログイン状態へと移行した後、ユーザがFAX機能を選択することにより動作する。そしてFAX機能部42は、ユーザからの指示に基づいてスキャナ部34を制御することにより原稿の読み取り動作を行わせる。そして画像メモリ36に格納される画像データを取得し、ユーザによって指定された相手先拠点の情報処理装置に対し、その画像データを送信する。
【0035】
またFAX機能部42は、他の拠点に設けられた情報処理装置から画像データを受信した場合、その画像データを画像メモリ36に格納すると共に、プリンタ部35を制御することによってその画像データに基づく印刷出力を行うように構成される。
【0036】
通信制御部43は、他の拠点に設けられた情報処理装置20,10との間でFAX機能部42が画像データの送受信を行うための呼接続を確立する処理部である。例えば、ユーザがFAX機能を選択して画像データの送信を指示した場合、通信制御部43は、ユーザによって指定された相手先拠点の情報処理装置に対して発呼し、呼接続を確立する。そして相手先拠点の情報処理装置との間で正常に呼接続が確立された場合、通信制御部43は、その呼接続を利用してFAX機能部42から出力される画像データを相手先拠点の情報処理装置に送信する。
【0037】
ただし、通信制御部43が相手先拠点に対して発呼したときでも、必ずしも呼接続が確立されるとは限らない。そのような場合、通信制御部43は、接続検知部44を機能させる。
【0038】
接続検知部44は、FAX機能部42が動作して他の拠点に設けられた情報処理装置に画像データの送信を行うとき、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11,21が相手先拠点のIP電話端末と既に呼接続を確立しているか否かを検知するものである。例えば、第1の拠点100に設けられた情報処理装置10から第2の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して画像データの送信を行うとき、情報処理装置10の接続検知部44は、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11が第2の拠点200に設けられたIP電話端末21と既に呼接続を確立しているか否かを検知する。
【0039】
その結果、IP電話端末11とIP電話端末21との間で既に呼接続が確立されている場合、接続検知部44は、既に呼接続が確立されているIP電話端末11を特定して通信制御部43に通知する。一方、IP電話端末11とIP電話端末21との間で呼接続が確立されていない場合、接続検知部44は、通信制御部43に対して既に確立された呼接続が存在しない旨を通知する。
【0040】
そして通信制御部43は、接続検知部44による検知結果に基づいて画像データの送信処理を行ったり、或いは、送信を保留したりする。例えば、接続検知部44がIP電話端末11とIP電話端末21との間で既に呼接続が確立されていることを検知した場合、通信制御部43は、その呼接続を利用して画像データの送信を行うべく、IP電話端末11に対して画像データの送信を要求すると共に、送信対象である画像データをIP電話端末11に出力する。つまり、通信制御部43は、相手先拠点のIP電話端末21と既に呼接続を確立しているIP電話端末11を介して、相手先拠点に設けられた情報処理装置20に対して画像データを送信する構成である。
【0041】
これに対し、接続検知部44がIP電話端末11とIP電話端末21との間で呼接続が確立されていないことを検知した場合、通信制御部43は、画像データの送信を行わない。この場合、FAX機能部42は、送信対象である画像データを画像データ記憶部32cに保存し、送信を保留するように構成される。
【0042】
次に図3は、IP電話端末11,21のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。IP電話端末11,21は、ネットワークインタフェース51と、通信制御部52と、CPU60と、通話回路53と、映像処理回路56と、スピーカ54と、マイク55と、画像表示部57と、カメラ58とを備えている。スピーカ54とマイク55とは、一般的な受話器に設けられるものである。またその他の部材は、電話端末の本体に設けられる。尚、図例では、IP電話端末11,21に対して電話番号を入力するためのダイヤルやプッシュボタンなどは図示を省略している。
【0043】
ネットワークインタフェース51は、IP電話端末11,21をローカルネットワーク13,23に接続するためのものである。通信制御部52は、他の拠点に設けられたIP電話端末21,11との間で呼接続を確立する処理部である。例えば、ユーザが電話番号を入力すると、通信制御部52は、その電話番号に基づいて発呼する。そして相手先のIP電話端末と呼接続が確立されると、通話回路53と映像処理回路56とが機能し、相手先とのTV電話通信を行うことができるようになっている。通話回路53には、スピーカ54とマイク55とが接続され、通信制御部52から入力する音声信号をスピーカ54に出力すると共に、マイク55から入力する音声信号を通信制御部52に出力する。映像処理回路56には、画像表示部57とカメラ58とが接続され、通信制御部52から入力する映像信号を画像表示部57に出力すると共に、カメラ58から入力する映像信号を通信制御部52に出力する。
【0044】
通信制御部52は、ネットワークインタフェース51を介して入力する信号から各種信号を分離する機能を有している。そして音声信号を通話回路53に出力し、映像信号を映像処理回路56に出力する。また通信制御部52は、音声信号と映像信号以外の信号をCPU60に出力する。
【0045】
CPU60は、データ制御部61として機能し、音声信号と映像信号以外の信号を処理するように構成される。このデータ制御部61は、通信制御部52が他の拠点のIP電話端末と呼接続を確立した状態のとき、情報処理装置10,20から画像データの送信要求を受信すると、それに伴って受信する画像データを既に確立されている呼接続を利用して他の拠点のIP電話端末に送信する。またデータ制御部61は、呼接続が確立されている相手先のIP電話端末から画像データを受信した場合、その画像データを同一のローカルネットワーク13,23に接続されている情報処理装置10,20に出力するように構成される。
【0046】
上記のような構成により、本実施形態の情報処理システムでは、例えば第1の拠点100に設けられた情報処理装置10が第2の拠点200に設けられた情報処理装置20に対してFAX機能により画像データの送信を行うために発呼したとき、回線がビジー状態となって呼接続を確立することができなった場合でも、第1の拠点100のIP電話端末11と、第2の拠点200のIP電話端末21とが既に呼接続を確立している場合には、そのIP電話端末11,21間の呼接続を利用して画像データの送信を行うことができるようになる。
【0047】
図4は、情報処理装置10がIP電話端末11,21の間で既に確立されている呼接続を利用して画像データの送信を行う場合の動作を示す図である。図4に示す例では、はじめに、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11と、第2の拠点200に設けられたIP電話端末21との間に呼接続が確立される(プロセスP1)。その状態で、第1の拠点100に設けられた情報処理装置10をユーザが操作し、第2の拠点200の情報処理装置20に対して画像データを送信する指示を行った場合、情報処理装置10は上述したFAX機能部42および通信制御部43を機能させ、ホームゲートウェイ12を介して第2の拠点200に発呼する(プロセスP2)。このとき、第1の拠点100と第2の拠点200のそれぞれに設けられたIP電話端末11,21が互いに呼接続を既に確立した状態であるため、情報処理装置10から第2の拠点200に発呼しても回線がビジー状態となり、呼接続を確立することができない。
【0048】
情報処理装置10は、第2の拠点200に設けられた情報処理装置20との呼接続を確立することができなかった場合、上述した接続検知部44を機能させ、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が第2の拠点200に設けられたIP電話端末21と呼接続を確立しているか否かを検知する。この動作をより具体的に説明すると、接続検知部44は、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11に対して呼接続を確立した状態であるか否かを問い合わせる。その結果、IP電話端末11から呼接続を確立した状態である旨の返答が得られた場合、接続検知部44は、そのIP電話端末11から呼接続を確立している相手先の電話番号を取得する。そして接続検知部44は、その取得した電話番号が、プロセスP2で発呼した電話番号と一致するか否かを判別し、それらの電話番号が一致すれば、IP電話端末11が画像データの送信先となる相手先拠点200と既に呼接続を確立していることを検知する。これに対し、電話番号が一致しない場合には、IP電話端末11が画像データの送信先となる相手先拠点200とは呼接続を確立していないことを検知する。
【0049】
上記のような接続検知部44の動作により、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11が第2の拠点200に設けられたIP電話端末21との間で既に呼接続を確立していることが検知された場合、情報処理装置10は、ローカルネットワーク13を介してIP電話端末21に画像データの送信要求を行う(プロセスP3)。このとき、情報処理装置10は、画像データの宛先が第2の拠点200に設けられた情報処理装置20であることを明示するようにしても良い。そして情報処理装置10は、画像データの送信要求を行うことに伴い、ローカルネットワーク13を介してIP電話端末11に送信対象となる画像データの出力を開始する。
【0050】
IP電話端末11は、第2の拠点200のIP電話端末21との間で呼接続を確立している状態のとき、情報処理装置10から画像データの送信要求を受信すると、既に確立している呼接続を利用して、情報処理装置10から入力する画像データを第2の拠点200に送信する(プロセスP4)。つまり、IP電話端末11は、IP電話端末21との間で行われる音声通信および映像通信と並行して、情報処理装置10から入力する画像データをIP電話端末21に送信する。
【0051】
第2の拠点200に設けられたIP電話端末21は、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11から送信される画像データを受信すると、そのデータを解析することにより、情報処理装置20宛の画像データであることを特定する。そしてIP電話端末21は、第1の拠点100から受信した画像データを、ローカルネットワーク23を介して情報処理装置20に出力する(プロセスP5)。
【0052】
第2の拠点200に設けられた情報処理装置20は、IP電話端末21から出力される画像データを受信すると、FAX受信時と同様の動作を行うことにより、受信した画像データに基づく印刷出力を行う。このように本実施形態では、情報処理装置10が相手先拠点に対して画像データを送信するためにその相手先拠点に発呼したとき、回線がビジー状態となって呼接続を確立することができなった場合でも、そのタイミングで既に相手先拠点と呼接続を確立しているIP電話端末11を検知することができれば、その呼接続を利用して画像データの送信を行うことができるようになっている。そのため、IP電話端末11による通話と、情報処理装置10による画像データの送信とを同時に行うことが可能になる。
【0053】
また本実施形態では、情報処理装置10が画像データを送信するために相手先拠点に発呼しても呼接続を確立することができず、しかも、そのタイミングでは相手先拠点と呼接続を確立しているIP電話端末11を検知することができなかった場合、その画像データは画像データ記憶部32cに格納され、送信が保留される。そして画像データ記憶部32cに保留された画像データが記憶されている場合、情報処理装置10は、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が画像データの送信先である相手先拠点と呼接続を確立したか否かを定期的に検知する状態となり、IP電話端末11が相手先拠点との間で呼接続を確立したタイミングでIP電話端末11に画像データの送信要求を行う(プロセスP3)。そしてIP電話端末11と相手先拠点のIP電話端末21との間で確立された呼接続を利用して画像データの送信を行うことにより(プロセスP4)、相手先拠点の情報処理装置20に対して画像データの送信を完了する(プロセスP5)。
【0054】
したがって、本実施形態では情報処理装置10が相手先拠点に対して画像データを送信するためにその相手先拠点に発呼したとき、回線がビジー状態となって呼接続を確立することができず、しかも、そのタイミングでは相手先拠点と呼接続を確立しているIP電話端末11を検知することができなかったときでも、その後にIP電話端末11が相手先拠点との間で呼接続を確立すれば、そのタイミングでその呼接続を利用して画像データの送信を行うことができるようになる。
【0055】
また本実施形態の情報処理装置10は、ユーザが画像データの送信を指示する際、直ちに画像データの送信を行うか、或いは、画像データの送信を保留するかを選択可能な構成としても良い。この場合において、ユーザが画像データの送信を保留しておくことを選択すると、情報処理装置10は、送信対象となる画像データを画像データ記憶部32cに格納して送信を保留する。そして上記と同様に、画像データ記憶部32cに保留された画像データが記憶されている場合、情報処理装置10は、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が画像データの送信先である相手先拠点と呼接続を確立したか否かを定期的に検知する状態となり、IP電話端末11が相手先拠点との間で呼接続を確立したタイミングでIP電話端末11に画像データの送信要求を行う(プロセスP3)。そしてIP電話端末11と相手先拠点のIP電話端末21との間で確立された呼接続を利用して画像データの送信を行うことにより(プロセスP4)、相手先拠点の情報処理装置20に対して画像データの送信を完了する(プロセスP5)。したがって、本実施形態では情報処理装置10が相手先拠点に対して発呼しなくても、IP電話端末11がその相手先拠点との間で呼接続を確立すれば、そのタイミングでその呼接続を利用して画像データの送信を行うことができるようになる。
【0056】
次に本実施形態における情報処理装置10が画像データを送信する場合の処理手順について説明する。図5乃至図7は、情報処理装置10が画像データを送信する場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、図5に示すように、情報処理装置10は、ユーザにより入力されるユーザIDやパスワードなどに基づきユーザ認証処理を行う(ステップS1)。そして情報処理装置10は、ユーザ認証処理によってユーザを特定することができたか否かを判断し(ステップS2)、ユーザを特定することができた場合には、さらにFAX送信指示が行われたか否かを判断する(ステップS3)。そしてFAX送信指示が行われた場合(ステップS3でYES)、情報処理装置10は、FAX送信処理を実行する(ステップS4)。尚、ユーザ認証処理によりユーザを特定することができなかった場合(ステップS2でNO)、或いは、FAX送信指示が行われなかった場合(ステップS3)には、FAX送信処理(ステップS4)は行われない。
【0057】
次に情報処理装置10は、送信保留データが画像データ記憶部32cに記憶されているか否かを判断する(ステップS5)。そして送信保留データがある場合(ステップS5でYES)、情報処理装置10は、保留データ送信処理を実行する(ステップS6)。尚、送信保留データが記憶されていない場合(ステップS5でNO)、保留データ送信処理(ステップS6)は行われない。
【0058】
図6は、FAX送信処理(ステップS4)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置10は、この処理を開始すると、送信対象となる画像データを入力する(ステップS11)。すなわち、情報処理装置10は、スキャナ部34による原稿の読み取り動作を行って送信対象となる画像データを入力する。そして情報処理装置10は、ユーザによる選択結果に基づき、直ちに画像データの送信を行うか否かを判断する(ステップS12)。この結果、画像データの送信を行わない場合(ステップS12でNO)、情報処理装置10は、画像データを画像データ記憶部32cに格納し、画像データの送信を保留する(ステップS13)。
【0059】
これに対し、直ちに画像データの送信を行う場合(ステップS12でYES)、情報処理装置10は、相手先の情報処理装置20に対して発呼する(ステップS14)。そして相手先の情報処理装置20がビジー状態であるか否かを判断する(ステップS15)。すなわち、この判断では、相手先の情報処理装置20との間で呼接続が確立されたか否かが判断される。その結果、相手先の情報処理装置20がビジー状態で呼接続を確立することができなかった場合(ステップS15でYES)、情報処理装置10は、端末リスト32bを読み出し(ステップS16)、その端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が相手先拠点との間で呼接続を確立しているか否かを判断する(ステップS17)。ここで、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が相手先拠点との間で呼接続を確立していない場合(ステップS17でNO)、情報処理装置10は、送信対象である画像データを画像データ記憶部32cに格納し、画像データの送信を保留する(ステップS13)。
【0060】
一方、端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が相手先拠点との間で既に呼接続を確立している場合(ステップS17でYES)、情報処理装置10は、そのIP電話端末11に対して画像データの送信を要求する(ステップS18)。これに伴い、情報処理装置10は、IP電話端末11が確立している呼接続を利用して画像データの送信を開始する(ステップS19)。尚、ステップS15において相手先の情報処理装置20がビジー状態でなく、情報処理装置10が情報処理装置20との間で呼接続を確立することができた場合(ステップS15でNO)、情報処理装置10は、その呼接続を利用して画像データの送信を開始する(ステップS19)。
【0061】
そして画像データの送信が終了するまで待機し(ステップS20)、画像データの送信が終了すると、FAX送信処理(ステップS4)が終了する。
【0062】
次に、図7は、保留データ送信処理(ステップS6)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置10は、この処理を開始すると、保留されている画像データの送信相手先となる拠点を特定する(ステップS31)。そして情報処理装置10は、端末リスト32bを読み出し(ステップS32)、その端末リスト32bに登録されたIP電話端末11が呼接続を確立している状態であるか否かを確認する(ステップS33)。そして情報処理装置10は、IP電話端末11が画像データの送信相手先となる拠点との間で呼接続を確立しているか否かを判断する(ステップS34)。この判断の結果、画像データの送信相手先となる拠点との間で呼接続を確立しているIP電話端末11が存在しない場合(ステップS34でNO)、情報処理装置10は、その後、所定時間が経過するまで待機し(ステップS35)、所定時間が経過すると、再びステップS33およびS34の処理を繰り返す。そして画像データの送信相手先となる拠点との間で呼接続を確立しているIP電話端末11が検知されると(ステップS34でYES)、情報処理装置10は、そのIP電話端末11に画像データの送信を要求する(ステップS36)。これに伴い、情報処理装置10は、IP電話端末11が確立している呼接続を利用して画像データの送信を開始する(ステップS37)。その後、情報処理装置10は、画像データの送信が終了するまで画像データの送信を行い(ステップS38)、画像データの送信が終了すると、保留データ送信処理(ステップS6)が終了する。
【0063】
以上のように本実施形態における情報処理装置10は、ローカルネットワーク13を介してIP電話端末11と接続されると共に、ローカルネットワーク13およびネットワーク9を介して他の拠点200に設けられる情報処理装置20と呼接続を確立して画像データの送信を行うことができるように構成されている。そして本実施形態の情報処理装置10は、他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して画像データの送信を行うとき、IP電話端末11が他の拠点200と既に呼接続を確立しているか否かを検知する接続検知部44と、接続検知部44においてIP電話端末11が他の拠点200と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合にそのIP電話端末11に対して画像データの送信を要求し、IP電話端末11を介して他の拠点200に設けられた情報処理装置20へ画像データの送信を行う通信制御部43とを備える構成である。
【0064】
そのため、本実施形態の情報処理装置10は、他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して画像データの送信を行う際、IP電話端末11が他の拠点200と既に確立している呼接続を利用して画像データの送信を行うことが可能である。その結果、IP電話端末11による通話と、情報処理装置10による画像データの送信とを同時に行うことが可能になる。それ故、回線がビジー状態となってしまって画像データを送信できなくなるという不都合が生じることを良好に防止することができる。
【0065】
また本実施形態の情報処理装置10における接続検知部44は、通信制御部43が他の拠点200に設けられた情報処理装置10との呼接続を確立することができなった場合に、IP電話端末11が他の拠点200と既に呼接続を確立しているか否かを検知するように構成される。それ故、画像データを送信するための呼接続を確立することができなった場合でも、IP電話端末11が他の拠点200と既に確立している呼接続を利用して直ちに画像データの送信を行うことができる。
【0066】
また本実施形態の情報処理装置10は、他の拠点200に設けられる情報処理装置20に対して送信すべき画像データを記憶するための記憶装置32を備えており、接続検知部44においてIP電話端末11が他の拠点200との呼接続を確立したことが検知された場合、そのIP電話端末11に対して記憶装置32に記憶された画像データの送信を要求し、そのIP電話端末11を介して他の拠点200に設けられた情報処理装置20への画像データの送信を行う構成である。
【0067】
このような構成であるため、本実施形態の情報処理装置10は、記憶装置32に記憶された画像データを他の拠点200に送信する際、自機が他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して発呼することなく、IP電話端末11が確立している呼接続を利用して他の拠点200の情報処理装置20に画像データの送信を行うことができるようになる。
【0068】
また情報処理装置10は、記憶装置32に画像データを記憶する際、ユーザ認証部41によって特定されたユーザと関連付けて画像データを記憶するようにしても良い。この場合、端末リスト32bには、IP電話端末11とそれを使用するユーザとを予め対応付けて登録しておく。そして接続検知部44によって、記憶装置32に記憶されている画像データに関連付けられたユーザが自身のIP電話端末11を使用して他の拠点200との呼接続を確立したことが検知された場合に、通信制御部43が、そのIP電話端末11に対して当該ユーザに関連付けられた画像データの送信を要求し、そのIP電話端末11を介して他の拠点200に設けられた情報処理装置20への画像データの送信を行うようにしても良い。このような構成とする場合、例えば第1の拠点100のユーザが第2の拠点200のユーザとIP電話端末11,21を介して通話を行っているときに、それと同時に必要な資料などを第2の拠点200に送信することができるようになる。
【0069】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、情報処理装置10に保留データが記憶されている場合、情報処理装置10において、端末リスト32bに登録されているIP電話端末11が画像データの送信先と呼接続を確立したか否かを定期的に検知する処理が行われる例を説明した。これに対し、本実施形態では、IP電話端末11が他の拠点200と呼接続を確立することに伴い、情報処理装置10が他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して送信すべき画像データの送信を保留しているか否かを検知する構成例について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システムの全体的な構成は第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0070】
図8は、本実施形態におけるIP電話端末11,21のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のIP電話端末11,21は、ネットワークインタフェース51と、通信制御部52と、CPU60と、通話回路53と、映像処理回路56と、スピーカ54と、マイク55と、画像表示部57と、カメラ58と、記憶部63とを備えている。このうち、ネットワークインタフェース51、通信制御部52、通話回路53、映像処理回路56、スピーカ54、マイク55、画像表示部57およびカメラ58は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0071】
本実施形態のIP電話端末11,21は、半導体メモリなどで構成される記憶部63を備えており、この記憶部63には登録情報64が記憶される。登録情報64は、それぞれのIP電話端末11,21がローカルネットワーク13,23を介して接続されている情報処理装置10,20が予め登録された情報である。
【0072】
また本実施形態のCPU60は、データ制御部61および保留検知部62として機能する。保留検知部62は、通信制御部52が他の拠点のIP電話端末と呼接続を確立したとき、登録情報64を読み出し、その登録情報64に登録された情報処理装置10,20が画像データの送信を保留した状態であるか否かを検知する処理部である。例えば、保留検知部62は、登録情報64に登録されている情報処理装置10,20に対して保留データを記憶しているか否かを問い合わせ、それに伴う情報処理装置10,20からの返答に基づいて画像データの送信を保留した状態の情報処理装置10,20を検知する。このようにして保留検知部62が画像データの送信を保留している情報処理装置10,20を検知した場合、CPU60においては次にデータ制御部61が機能する。
【0073】
本実施形態のデータ制御部61は、保留検知部62が画像データの送信を保留している情報処理装置10,20を検知した場合、その情報処理装置10,20から保留している画像データを取得し、通信制御部52が他の拠点と確立した呼接続を利用して他の拠点のIP電話端末に送信する。例えば、データ制御部61は、画像データの送信を保留している情報処理装置10,20に対し、保留している画像データを要求する。これに伴い、情報処理装置10,20は、IP電話端末11,21に対して保留している画像データを送信する。そしてデータ制御部61は、情報処理装置10,20から画像データを受信すると、その画像データを既に確立されている呼接続を利用して相手先の拠点に送信する。
【0074】
また本実施形態のデータ制御部61は、第1の実施の形態と同様に、呼接続が確立されている相手先のIP電話端末から画像データを受信した場合、その画像データを同一のローカルネットワーク13,23に接続されている情報処理装置10,20に出力するように構成される。
【0075】
上記のような構成により、本実施形態の情報処理システムでは、例えば第1の拠点100に設けられた情報処理装置10が第2の拠点200に設けられた情報処理装置20に対してFAX機能により画像データの送信を行うために発呼したとき、回線がビジー状態となって呼接続を確立することができなった場合には、その画像データの送信を保留しておけば良い。そして第1の拠点100に設けられているIP電話端末11が相手先の拠点200に設けられたIP電話端末21との間で呼接続を確立したときには、IP電話端末11から保留データの問い合わせがあるため、情報処理装置10は、第1の実施の形態で説明したように、定期的にIP電話端末11が相手先拠点と呼接続を確立したかどうかを確認する必要がなくなり、しかもIP電話端末11が相手先拠点と呼接続を確立したタイミングで画像データの送信を行うことができるようになる。
【0076】
図9は、本実施形態においてIP電話端末11のCPU60が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。CPU60は、この処理を開始すると、通信制御部52が呼接続を確立したか否かを判断する(ステップS41)。そして呼接続が確立されたことが検知されると(ステップS41でYES)、CPU60は、その呼接続の相手先を特定する(ステップS42)。ここでは、例えば相手先の電話番号が特定される。そしてCPU60は、登録情報64を読み出し(ステップS43)、その登録情報64に登録されている情報処理装置10に対して保留データの有無の問い合わせを行う(ステップS44)。そしてCPU60は、保留データを記憶している情報処理装置10が存在するか否かを判断し(ステップS45)、保留データを記憶している情報処理装置10が存在しない場合(ステップS45でNO)、ステップS41に戻る。
【0077】
一方、保留データを記憶している情報処理装置10が存在する場合(ステップS45でYES)、CPU60は、その保留データの送信先が呼接続を確立した相手先拠点に存在するか否かを判断する(ステップS46)。ここでは、例えば、画像データの送信先の電話番号と、呼接続が確立された電話番号とが一致するか否かが判断され、それらの電話番号が一致する場合に保留データの送信先が呼接続を確立した相手先拠点に存在すると判断される。
【0078】
上記判断の結果、保留データの送信先が呼接続を確立した相手先拠点に存在しない場合(ステップS46でNO)、CPU60による処理手順はステップS41に戻る。これに対し、保留データの送信先が呼接続を確立した相手先拠点に存在する場合(ステップS46でYES)、CPU60は、情報処理装置10が保留している画像データを取得する(ステップS47)。そしてCPU60は、情報処理装置10から取得した画像データを、通信制御部52が確立した呼接続を利用して相手先拠点200のIP電話端末21に送信処理を開始する(ステップS48)。その後、CPU60は、画像データの送信が終了するまで画像データの送信を行い(ステップS49)、画像データの送信が終了すると、ステップS41に戻る。
【0079】
以上のように本実施形態においては、画像データの送信を保留する機能を備えた情報処理装置10とローカルネットワーク13を介して接続されるIP電話端末11が、他の拠点200と呼接続を確立する通信制御部52と、その通信制御部52が他の拠点200と呼接続を確立することに伴い、情報処理装置10が他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して送信すべき画像データの送信を保留しているか否かを検知する保留検知部62と、保留検知部62において情報処理装置10が他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して送信すべき画像データの送信を保留していることが検知された場合、その情報処理装置10が保留している画像データを取得し、通信制御部52が他の拠点200と確立した呼接続を利用して他の拠点200に設けられた情報処理装置20に対して送信するデータ制御部61と、を備える構成である。
【0080】
したがって、本実施形態においては、第1の実施の形態のように、情報処理装置10が定期的にIP電話端末11によって相手先拠点との呼接続が確立されたかどうかを確認する必要がなくなるので、情報処理装置10における処理負担を軽減することができる。しかも、本実施形態においても、IP電話端末11が相手先拠点と呼接続を確立したタイミングで情報処理装置10に保留されている画像データの送信が行われるため、IP電話端末による通話と、情報処理装置による画像データの送信とを同時に行うことが可能である。
【0081】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。上述した第1および第2の実施の形態では、情報処理装置10が画像データを送信する際、IP電話端末11が確立した呼接続を利用して画像データの送信を行う例について説明した。これに対し、本実施形態では、IP電話端末11が呼接続を確立しようとする際、既に情報処理装置10が相手先拠点との間で呼接続を確立している場合には、その呼接続を利用して音声通信や映像通信を行う構成例について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システムの全体的な構成は第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0082】
図10は、本実施形態におけるIP電話端末11,21のハードウェア構成および機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のIP電話端末11,21は、ネットワークインタフェース51と、通信制御部52と、通話回路53と、映像処理回路56と、スピーカ54と、マイク55と、画像表示部57と、カメラ58と、記憶部63とを備えている。このうち、ネットワークインタフェース51、通話回路53、映像処理回路56、スピーカ54、マイク55、画像表示部57およびカメラ58は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。また、記憶部63は、第2の実施の形態で説明したものと同様であり、登録情報64を記憶している。
【0083】
そして本実施形態のIP電話端末11,21は、通信制御部52は、呼接続検知部59を備えている。呼接続検知部59は、通信制御部52が他の拠点に設けられたIP電話端末との間で呼接続を確立させるために発呼しようとするときに機能し、登録情報64に登録されている情報処理装置10,20がその拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知する処理部である。例えば、呼接続検知部59は、登録情報64に登録されている情報処理装置10,20に対して他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを問い合わせ、それに伴う情報処理装置10,20からの返答に基づいて呼接続が確立されているか否かを判断する。また、情報処理装置10,20が既に呼接続が確立している場合、呼接続検知部59は、その情報処理装置10,20に対して更に相手先拠点を問い合わせ、それに伴う情報処理装置10,20からの返答に基づいて呼接続が確立されている相手先拠点を特定する。そして特定した相手先拠点が、通信制御部52が発呼しようとしている相手先拠点と一致するか否かを判断する。この判断は、例えば電話番号が一致するか否かにより行われる。
【0084】
上記のようにして呼接続検知部59が通信制御部52の発呼しようとしている相手先との間で情報処理装置10,20が既に呼接続を確立させていることを検知した場合、通信制御部52は、相手先に対して発呼せず、情報処理装置10,20が既に確立している呼接続を利用して相手先のIP電話端末との間で音声通信および映像通信を行う。すなわち、通信制御部52は、音声通信および映像通信を行うための発呼を情報処理装置10,20に対して要求する。そして情報処理装置10,20を介して相手先のIP電話端末に発呼し、相手先のIP電話端末が通話可能な状態になると、通信制御部52は、その後、情報処理装置10,20を介して音声通信および映像通信を開始する。
【0085】
図11は、本実施形態においてIP電話端末11が情報処理装置10,20の間で既に確立されている呼接続を利用して音声通信および映像通信を行う場合の動作を示す図である。図11に示す例では、はじめに、第1の拠点100に設けられた情報処理装置10と、第2の拠点200に設けられた情報処理装置20との間に呼接続が確立され、これらの間で画像データの送受信が開始される(プロセスP10)。その状態で、第1の拠点100に設けられたIP電話端末11をユーザが操作し、第2の拠点200のIP電話端末21に対して通話を行うためのダイヤル操作を行った場合、IP電話端末11は、上述したように、呼接続検知部59を機能させ、登録情報64に予め登録されている情報処理装置10が既にホームゲートウェイ12を介して第2の拠点200との間で呼接続を確立しているか否かを検知する。
【0086】
その結果、第1の拠点100に設けられた情報処理装置10が第2の拠点200に設けられた情報処理装置20との間で既に呼接続を確立していることが検知された場合、IP電話端末11は、ローカルネットワーク13を介して情報処理装置10に対し、IP電話端末21を呼び出してもらうように要求する(プロセスP11)。
【0087】
情報処理装置10は、第2の拠点200の情報処理装置20との間で呼接続を確立している状態のとき、IP電話端末11から発呼の要求を受信すると、既に確立している呼接続を利用して、第2の拠点200に設けられたIP電話端末21に対して発呼する(プロセスP12)。この信号は、情報処理装置10および20を介してIP電話端末21に着信し、IP電話端末21の呼び出し音が鳴る(プロセスP13)。そしてIP電話端末21の受話器が持ち上げられると、第1の拠点100のIP電話端末11と第2の拠点200のIP電話端末21とが互いに情報処理装置10,20によって確立されている呼接続を利用して通話可能な状態となる。
【0088】
このように本実施形態では、例えば第1の拠点100に設けられたIP電話端末11が第2の拠点200に設けられたIP電話端末21に対して発呼しようとするとき、情報処理装置10が既に第2の拠点200の情報処理装置20と呼接続を確立させて画像データの送受信を行っている状態であれば、IP電話端末11は、情報処理装置10と20との間で既に確立されている呼接続を利用して相手先のIP電話端末21に発呼し、その呼接続を利用して音声通信および映像通信を行う。そのため、回線がビジー状態になることなく、画像データの送受信と同時に、IP電話端末11,21の間で音声通信および映像通信を行うことが可能になる。
【0089】
以上のように本実施形態のIP電話端末11は、他の拠点200に設けられたIP電話端末21との通話を行うとき、情報処理装置10が他の拠点200と既に呼接続を確立しているか否かを検知する呼接続検知部59と、その呼接続検知部59において情報処理装置10が他の拠点200と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合に、情報処理装置10に対して通話のための発呼を要求し、情報処理装置10が他の拠点200との間で既に確立している呼接続を利用して他の拠点200に設けられたIP電話端末21との通話状態を確立させる通信制御部52とを備える構成である。そしてこのような構成により、本実施形態においても、回線がビジー状態になることなく、画像データの送受信と共に、音声通信および映像通信を同時に行うことができるようになっている。
【0090】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能であることは言うまでもない。
【0091】
例えば、上述した実施形態では、IP電話端末11,21が音声通信だけでなく、映像通信も行ってTV電話通信を行う場合を例示したが、IP電話端末11,21は音声通信だけを行うものであっても構わない。
【0092】
また、上述した実施形態では、説明を簡単にするため、第1の拠点100においては情報処理装置10とIP電話端末11との電話番号が共通であり、同様に、第2の拠点200においても情報処理装置20とIP電話端末21との電話番号が共通である場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、第1の拠点100においては情報処理装置10とIP電話端末11とのそれぞれに固有の電話番号が割り当てられ、第2の拠点200においても情報処理装置20とIP電話端末21とのそれぞれに固有の電話番号が割り当てられた構成であっても構わない。ただし、この場合、第2の拠点200に設けられている情報処理装置20とIP電話端末21とが同じ拠点に設けられていることを第1の拠点100において正確に判断するためには、第1の拠点100に設けられる情報処理装置10又はIP電話端末11が、それらの電話番号リストを拠点ごとに登録した情報を予め記憶しておくことが好ましい。
【符号の説明】
【0093】
9 ネットワーク
10,20 情報処理装置
11,21 IP電話端末
12,22 ホームゲートウェイ
13,23 ローカルネットワーク
32 記憶装置(記憶手段)
41 ユーザ認証部(ユーザ認証手段)
43 通信制御部(制御手段)
44 接続検知部(検知手段)
52 通信制御部(通信手段)
59 呼接続検知部(検知手段)
61 データ制御部(制御手段)
62 保留検知部(検知手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP電話端末とネットワークを介して接続されると共に、該ネットワークを介して他の拠点に設けられた装置と呼接続を確立して画像データの送信を行う情報処理装置であって、
前記他の拠点に設けられた装置に対して画像データの送信を行うとき、前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段において前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合、前記IP電話端末に対して画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記他の拠点に設けられた装置との呼接続を確立することができなった場合に、前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
IP電話端末とネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データを記憶する記憶手段と、
前記IP電話端末が前記他の拠点との呼接続を確立したことを検知する検知手段と、
前記検知手段において前記IP電話端末が前記他の拠点との呼接続を確立したことが検知された場合、前記IP電話端末に対して前記記憶手段に記憶された画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
ユーザを認証するユーザ認証手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データを、前記ユーザ認証手段によって認証されたユーザと関連付けて記憶し、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている画像データに関連付けられたユーザが前記IP電話端末を利用して前記他の拠点との呼接続を確立したことが検知された場合に、前記IP電話端末に対して当該ユーザに関連付けられた画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行うことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
画像データの送信を保留する機能を備えた情報処理装置とネットワークを介して接続されるIP電話端末であって、
前記ネットワークを介して他の拠点と呼接続を確立する通信手段と、
前記通信手段が前記他の拠点と呼接続を確立することに伴い、前記情報処理装置が前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データの送信を保留しているか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段において前記情報処理装置が前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データの送信を保留していることが検知された場合、前記情報処理装置が保留している画像データを取得し、前記通信手段が前記他の拠点と確立した呼接続を利用して前記他の拠点に設けられた装置に対して送信する制御手段と、
を備えることを特徴とするIP電話端末。
【請求項6】
画像データを送信する情報処理装置とネットワークを介して接続されると共に、該ネットワークを介して他の拠点に設けられた装置と呼接続を確立して通話を行うIP電話端末であって、
前記他の拠点に設けられた装置との通話を行うとき、前記情報処理装置が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段において前記情報処理装置が前記他の拠点と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合、前記情報処理装置に対して通話のための発呼を要求し、前記情報処理装置が前記他の拠点と既に確立している呼接続を利用して前記他の拠点に設けられた装置との通話状態を確立させる通信手段と、
を備えることを特徴とするIP電話端末。
【請求項1】
IP電話端末とネットワークを介して接続されると共に、該ネットワークを介して他の拠点に設けられた装置と呼接続を確立して画像データの送信を行う情報処理装置であって、
前記他の拠点に設けられた装置に対して画像データの送信を行うとき、前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段において前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合、前記IP電話端末に対して画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記他の拠点に設けられた装置との呼接続を確立することができなった場合に、前記IP電話端末が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
IP電話端末とネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データを記憶する記憶手段と、
前記IP電話端末が前記他の拠点との呼接続を確立したことを検知する検知手段と、
前記検知手段において前記IP電話端末が前記他の拠点との呼接続を確立したことが検知された場合、前記IP電話端末に対して前記記憶手段に記憶された画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
ユーザを認証するユーザ認証手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データを、前記ユーザ認証手段によって認証されたユーザと関連付けて記憶し、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている画像データに関連付けられたユーザが前記IP電話端末を利用して前記他の拠点との呼接続を確立したことが検知された場合に、前記IP電話端末に対して当該ユーザに関連付けられた画像データの送信を要求し、前記IP電話端末を介して前記他の拠点に設けられた装置への画像データの送信を行うことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
画像データの送信を保留する機能を備えた情報処理装置とネットワークを介して接続されるIP電話端末であって、
前記ネットワークを介して他の拠点と呼接続を確立する通信手段と、
前記通信手段が前記他の拠点と呼接続を確立することに伴い、前記情報処理装置が前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データの送信を保留しているか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段において前記情報処理装置が前記他の拠点に設けられた装置に対して送信すべき画像データの送信を保留していることが検知された場合、前記情報処理装置が保留している画像データを取得し、前記通信手段が前記他の拠点と確立した呼接続を利用して前記他の拠点に設けられた装置に対して送信する制御手段と、
を備えることを特徴とするIP電話端末。
【請求項6】
画像データを送信する情報処理装置とネットワークを介して接続されると共に、該ネットワークを介して他の拠点に設けられた装置と呼接続を確立して通話を行うIP電話端末であって、
前記他の拠点に設けられた装置との通話を行うとき、前記情報処理装置が前記他の拠点と既に呼接続を確立しているか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段において前記情報処理装置が前記他の拠点と既に呼接続を確立している状態であることが検知された場合、前記情報処理装置に対して通話のための発呼を要求し、前記情報処理装置が前記他の拠点と既に確立している呼接続を利用して前記他の拠点に設けられた装置との通話状態を確立させる通信手段と、
を備えることを特徴とするIP電話端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−191549(P2012−191549A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55192(P2011−55192)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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