説明

情報処理装置及びその制御方法、プログラム

【課題】 画像データの表示方法に対する操作性を向上させるとともに、かつ画像データを取得する毎に、その取得した画像データを適切な表示方法で表示することができる情報処理装置及びその制御方法、プログラムを提供する。
【解決手段】 画像入力指示によって、画像入力部から画像データを取得する。最初に取得した第1画像データを第1表示サイズで表示装置の表示領域に表示し、前記第1画像データに後続する第2画像データを取得する場合は、前記第1画像データ及び前記第2画像データを含む複数の画像データを、前記第1表示サイズより小さい第2表示サイズに変更して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像入力部より、1以上の画像を順次取得して表示する情報処理装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像の表示方法には、様々な構成が提案されており、例えば、特許文献1では、表示対象の画像を選択し、選択された画像の枚数に応じて、画像を拡大縮小して、それを表示領域上に同時に並べて表示する。
【0003】
また、特許文献2では、複数の表示フォーマットの中からユーザが選択する表示フォーマットに従って、画像の表示方法を切り替えるものである。
【0004】
この特許文献2では、記憶部に、複数の表示フォーマットを記憶しておき、画像読取部から読み取った複数の読取画像を表示する際には、ユーザは記憶されている表示フォーマットの中から所望の表示フォーマットを選択することにより、その読取画像中の被写体の状態や関心領域を適切な表示フォーマットで表示する。また、複数の表示フォーマット間を自在に遷移可能とすることにより、用途や目的に応じた読取画像の状態や関心領域を変更して表示することが可能となる。
【特許文献1】特開平6−266347号公報
【特許文献2】特開2003−220056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の画像の表示方法においては、特許文献1のように、選択された画像の枚数に応じて、自動的に表示を切り替えることは可能であった。また、複数の表示フォーマットの中から画像データに応じた所望の表示方法で表示をユーザーが手動で切り替えることは可能であった。しかしながら、1以上の画像を順次取得して表示する画像手段において、取得した画像の枚数に応じて、1枚目はより大きく、2枚目以降はより小さくと、ユーザーの操作性に適したように、自動で表示フォーマットを切り替えるものではなかった。
【0006】
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、画像データの表示方法に対する操作性を向上させるとともに、かつ画像データを取得する毎に、その取得した画像データを適切な表示方法で表示することができる情報処理装置及びその制御方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明による情報処理装置は以下の構成を備える。即ち、
画像入力部より、1以上の画像を順次取得して表示する情報処理装置であって、
画像入力指示を入力する入力手段と、
前記画像入力指示によって、前記画像入力部から画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段で最初に取得した第1画像データを第1表示サイズで表示装置の表示領域に表示し、前記第1画像データに後続する第2画像データを取得する場合は、前記第1画像データ及び前記第2画像データを含む複数の画像データを、前記第1表示サイズより小さい第2表示サイズに変更して表示する表示制御手段と
を備える。
【0008】
また、好ましくは、前記取得手段で取得した画像データを累積保存する保存手段と、
前記保存手段で保存する画像データ数をカウントするカウンタ手段と
を更に備える。
【0009】
また、好ましくは、前記表示制御手段は、前記カウンタ手段によるカウント値を参照して、表示対象の画像データの表示方法を決定し、その決定した表示方法で、前記保存手段に保存されている画像データを前記表示装置の表示領域に表示する。
【0010】
また、好ましくは、前記表示制御手段は、所定の表示サイズである前記第2表示サイズで、前記複数の画像データそれぞれを前記表示装置の表示領域に表示する。
【0011】
また、好ましくは、前記表示制御手段は、前記複数の画像データの数に応じて、前記第2表示サイズを決定して、その決定した第2表示サイズで、前記複数の画像データそれぞれを前記表示装置の表示領域に表示する。
【0012】
また、好ましくは、前記表示制御手段は、前記複数の画像データの数が所定数以上である場合、所定の表示サイズである前記第2表示サイズで、前記複数の画像データそれぞれを前記表示装置の表示領域に表示する。
【0013】
また、好ましくは、前記取得手段による画像データの取得に先立って、前記画像入力部から取得する画像枚数を予め取得する画像枚数取得手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記画像枚数取得手段が取得する画像枚数に従って、前記取得手段で取得する画像データの表示方法を決定する。
【0014】
上記の目的を達成するための本発明による情報処理装置の制御方法は以下の構成を備える。即ち、
画像入力部より、1以上の画像を順次取得して表示する情報処理装置の制御方法であって、
画像入力指示を入力する入力工程と、
前記画像入力指示によって、前記画像入力部から画像データを取得する取得工程と、
前記取得工程で最初に取得した第1画像データを第1表示サイズで表示装置の表示領域に表示し、前記第1画像データに後続する第2画像データを取得する場合は、前記第1画像データ及び前記第2画像データを含む複数の画像データを、前記第1表示サイズより小さい第2表示サイズに変更して表示する表示制御工程と
を備える。
【0015】
上記の目的を達成するための本発明によるプログラムは以下の構成を備える。即ち、
画像入力部より、1以上の画像を順次取得して表示する情報処理装置の制御を実現するプログラムであって、
画像入力指示を入力する入力工程のプログラムコードと、
前記画像入力指示によって、前記画像入力部から画像データを取得する取得工程のプログラムコードと、
前記取得工程で最初に取得した第1画像データを第1表示サイズで表示装置の表示領域に表示し、前記第1画像データに後続する第2画像データを取得する場合は、前記第1画像データ及び前記第2画像データを含む複数の画像データを、前記第1表示サイズより小さい第2表示サイズに変更して表示する表示制御工程のプログラムコードと
を備える。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、画像データの表示方法に対する操作性を向上させるとともに、かつ画像データを取得する毎に、その取得した画像データを適切な表示方法で表示することができる情報処理装置及びその制御方法、プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態1の情報処理システムの外観構成を示す図である。
【0019】
図1において、画像入力機器であるスキャナ104を制御するためのスキャナドライバがインストールされている情報処理装置(ホストコンピュータ:以下、PCと略記する)100とスキャナ104が、インターフェース105を介して相互に接続されている。ホストコンピュータ100には、表示装置101、本体102、入力デバイス103が構成されている
次に、ホストコンピュータであるPC100の基本的なハードウェア構成例について、図2を用いて説明する。
【0020】
図2は本発明の実施形態1のホストコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0021】
図2において、PC100は、その本体部102に、制御命令に従って演算、判断等を行ってデータ処理や各種構成要素の制御を行う中央演算処理装置(以下、CPUと呼ぶ)201と、オペレーティングシステム(以下、OSと呼ぶ)やスキャナドライバその他の制御プログラムを格納するRAM202およびROM203や、ハードディスク(以下、HDDと呼ぶ)204等の記憶装置を備える。
【0022】
また、スキャナ104とのデータ通信を行うための通信インターフェース205(例えば、USB、SCSI等)と、PC100の各種構成要素を相互に接続するシステムバス209を備える。
【0023】
さらに、図1の入力デバイス103に相当する、ユーザインターフェースとして用いるキーボード206やマウス207と、CRTや液晶ディスプレイからなる表示装置101とを備える。入力デバイス103や表示装置101は、それぞれ入力インターフェース及びグラフィックコントローラを介して接続される。
【0024】
次に、ホストコンピュータであるPC100の機能構成について、図3を用いて説明する。
【0025】
図3は本発明の実施形態1のホストコンピュータの機能構成を示す図である。
【0026】
図3において、スキャンアプリケーション301は、ユーザインターフェース307のスキャン指示に基づき、スキャナ104より取得する画像データを、OS及びディスプレイドライバを介して表示装置101に表示させる機能を有している。スキャンアプリケーション301は、通常、HDD204上に記憶され、CPU201によりRAM202上にロードされて実行される。
【0027】
スキャナドライバ302は、スキャナ104に対して読取実行の指示を行い、画像データをホストコンピュータ100に読み込むことを可能とする。スキャナドライバ302もCPU201により実行されるプログラムであり、スキャナ104の機能や仕様等に応じて最適な制御を可能ならしめるために用意される。
【0028】
尚、実施形態1においては、スキャナ104は、一度の読取動作(スキャン動作)で原稿台に置かれた複数の画像を読み取る機能(マルチクロップ機能)を有している。また、複数の原稿を順次読み取るための自動給紙装置(ADF)を有している。
【0029】
次に、スキャンアプリケーション301を構成する各種構成要素(モジュール)について説明する。
【0030】
尚、スキャンアプリケーション301を構成する各種構成要素は、すべてソフトウェアモジュールとして実現される。
【0031】
画像データ取得部303は、ユーザインターフェース307を介してユーザから読取実行の指示を受け取ると、その指示に基づきスキャナドライバ302を介してスキャナ104に読取を実行させ、読み取った画像データを取得する。取得した画像データは、保存部304により保存する。スキャナ104が読み取った画像が複数であった場合には、画像データを1枚ずつ順次取得し、その都度、保存部304へ累積保存する。
【0032】
保存部304は、保存している画像データ枚数を管理するための画像枚数カウンタを有しており、画像データを保存する毎にカウンタを1インクリメントする。
【0033】
尚、この画像枚数カウンタは、スキャンアプリケーション301が実行する1つあるいは一連の読取処理(ジョブ)に対して取得される画像データ枚数を計数するものであり、別のジョブが発生した場合には、画像枚数カウンタの値は0にリセットされる。ここで、ジョブとは、スキャンアプリケーション301に対してユーザが明示的に読取指示を入力し、その後、読取終了指示を受けるまでの間の読取処理を指すものである。
【0034】
表示方法決定部305は、保存部304が保存している画像データが1枚であるか複数であるかを判定し、1枚である場合には、その画像を、表示装置101の表示領域上で拡大表示とする第1表示方法に決定する。一方、複数である場合には、その複数の画像を表示装置101の表示領域上でサムネール表示とする第2表示方法に決定する。
【0035】
ここで、第1表示方法における拡大表示と第2表示方法におけるサムネール表示は、両者の表示方法間の表示サイズの違いを相対的に表現したものであり、より具体的には、第1表示方法における拡大表示は、第1表示サイズで画像を表示領域上に表示することを意味し、第2表示方法におけるサムネール表示は、第1表示サイズよりも小さい第2表示サイズで複数の画像それぞれを表示領域上に表示することを意味する。
【0036】
また、サムネール表示とは、スキャナドライバ302から取得した画像データより、元画像のアスペクト比を保ったままある一定のごく小さいサイズ、例えば、80x80pixelの表示サイズ内に収まるように画像データを縮小した縮小画像(サムネール画像)を作成し、そのサムネール画像を並べて一覧表示することを意味する。特に、実施形態1の場合、表示部306が、保存部304で保存されている画像データから適宜サムネール画像を作成する。
【0037】
表示部306は、表示方法決定部305が決定した表示方法に従い、保存部304が保存している画像データを、表示装置101の表示領域上に表示させる。この画像データの表示は、保存部304が保存する画像データが追加されるたびに更新する。これにより、スキャナ104が複数の画像を読み取った場合でも、全ての画像データの取り込みを完了する前に1枚ずつ画像データを表示領域に表示させ、ユーザに読取結果の早期確認を行わせることを可能にする。
【0038】
次に、実施形態1のスキャンアプリケーション301が実行する表示処理の詳細について、図4を用いて説明する。
【0039】
図4は本発明の実施形態1のスキャンアプリケーションが実行する表示処理を示すフローチャートである。
【0040】
スキャンアプリケーション301が起動され、ユーザインターフェース307を介してユーザから読取実行の指示を受け取ると、ステップS101において、画像データ取得部303は、スキャナドライバ302を介してスキャナ104から画像データを1枚取得する。
【0041】
ステップS102において、保存部304は、ステップS101で取得した画像データを保存する。ここで、既に取得済みの画像データを保存している場合には、それに加えて保存を行う。また、この時、画像枚数カウンタを1インクリメントする。
【0042】
続いて、ステップS103において、表示方法決定部305は、保存部304が保存している画像データ枚数を参照し、表示対象の画像データが1枚であるか否かを判定する。表示対象の画像データが1枚である場合(ステップS103でYES)、その画像データの表示方法を第1表示方法(拡大表示)に決定し、ステップS104に進む。
【0043】
ステップS104において、表示部306は、保存部304が保存している画像データを取得して、表示領域上で拡大表示となる第1表示サイズに画像データをリサイズして、表示領域に表示する。
【0044】
一方、表示対象の画像データが1枚でない、つまり、複数である場合(ステップS103でNO)、その画像データの表示方法を第2表示方法(サムネール表示)に決定し、ステップS105に進む。
【0045】
ステップS105において、表示部306は、保存部304が保存している複数の画像データを取得して、表示領域上でサムネール表示となる表示サイズに各画像データをリサイズして、表示領域に表示する。
【0046】
ここで、第1及び第2表示方法の各表示方法での表示例について、図5を用いて説明する。
【0047】
図5は本発明の実施形態1の第1及び第2表示方法の各表示方法での表示例を示す図である。
【0048】
図5(a)は、ステップS104における第1表示方法による表示例であり、表示対象の画像データが1枚であるため、その画像502aが表示領域501内で最大となるように表示される。一方、図5(b)は、ステップS105における第2表示方法による表示例であり、ここでは、保存部304に画像データが3枚保存された時点での表示例を示している。この場合、図5(a)で表示される画像502aは、保存部304に2枚目の画像データが保存された時点で、図5(b)のように、その表示サイズが縮小されたサムネール画像502bとしてサムネール表示される。加えて、画像502aに後続する2枚目以降の画像も、画像502aと同一サイズでサムネール表示される。
【0049】
図4の説明に戻る。
【0050】
ステップS106において、画像データ取得部303は、画像データの取得が終了したか否かを判定する。画像データの取得が終了しない場合(ステップS106でNO)、ステップS101に戻り、次の画像データを適宜取得し、画像データの取得が終了するまで、ステップS101〜ステップS106の処理を繰り返す。一方、画像データの取得が終了した場合(ステップS106でYES)、処理を終了する。
【0051】
以上の処理により、取得する画像データ数が1枚であるか複数であるかに応じて、自動的に画像データの表示方法を拡大表示からサムネール表示に切り替えることができる。
【0052】
つまり、図4の処理は、1つのジョブが完了するまで繰り返されることになるので、保存部304に2枚以上の画像データが保存された時点で、画像データの表示方法は、第1表示方法から第2表示方法に自動的に切り替えられることになる。
【0053】
ここで、実施形態1において、表示する画像データの枚数に応じて、その画像データの表示方法を切り替える背景には、スキャナ104から画像を取り込むときに、複数の画像を取り込むことが前提となっている場合でも、実際には、1枚しか取り込まない場合が多いので、そのような場合には、1枚の画像をサムネール表示よりも拡大表示で表示する表示形態のほうが、ユーザの視認性の向上の観点から望ましいからである。
【0054】
逆に、複数の画像を表示する場合には、拡大表示よりもサムネール表示で表示する表示形態のほうが、画像データの内容確認ができる程度の表示を行いつつ、かつ取り込んだ画像データを一度に確認でき、ユーザの視認性や作業効率の向上の観点から望ましいからである。
【0055】
尚、図4の処理では、表示対象の画像データが複数の場合に、その表示サイズを所定サイズのサムネール表示としているが、これに限定されるものではない。例えば、表示対象の画像データ数と、表示領域のサイズに応じて、適応的に適切な表示サイズを決定して、その表示サイズで各画像データを表示する構成としても良い。
【0056】
以下、このような場合のスキャンアプリケーション301が実行する表示処理について、図6を用いて説明する。
【0057】
図6は本発明の実施形態1のスキャンアプリケーションが実行する表示処理の応用例を示すフローチャートである。
【0058】
尚、図6では、表示サイズを決定するための閾値を、例えば、4に設定しておき、表示対象の画像データ数が4以下の場合には、表示領域上で画像数に応じた最適なサイズを決定し、4より大きい場合には、サムネール表示とする場合を説明する。
【0059】
ステップS201において、画像データ取得部303は、スキャナドライバ302を介してスキャナ104から画像データを1枚取得する。
【0060】
ステップS202において、保存部304は、ステップS201で取得した画像データを保存する。ここで、既に取得済みの画像データを保存している場合には、それに加えて保存を行う。また、この時、画像枚数カウンタを1インクリメントする。
【0061】
続いて、ステップS203において、表示方法決定部305は、保存部304が保存している画像データ数を参照し、表示対象の画像データが1枚であるか否かを判定する。表示対象の画像データが1枚である場合(ステップS203でYES)、その画像データの表示方法を第1表示方法(拡大表示)に決定し、ステップS206に進む。
【0062】
ステップS206において、表示部306は、保存部304が保存している画像データを取得し、表示領域上で拡大表示となる第1表示サイズに画像データをリサイズして、表示領域に表示する。この処理は、図4のステップS104と同様である。
【0063】
一方、表示対象の画像データが1枚でない場合(ステップS203でNO)、ステップS204において、表示方法決定部305は、表示対象の画像データ数が2枚であるか否かを判定する。表示対象の画像データが2枚である場合(ステップS204でYES)、その2枚の画像データの表示方法を第2表示方法(2分割表示)に決定し、ステップS207に進む。
【0064】
ステップS207において、表示部306は、保存部304が保存している2枚の画像データを取得し、表示領域を2分割するサイズとなる表示サイズに各画像データをリサイズして、表示領域に表示する。
【0065】
一方、表示対象の画像データが2枚でない場合(ステップS204でNO)、ステップS205において、表示方法決定部305は、表示対象の画像データ数が、3枚または4枚であるか否かを判定する。表示対象の画像データが3枚または4枚である場合(ステップS205でYES)、その3枚または4枚の画像データの表示方法を第3表示方法(4分割表示)に決定し、ステップS208に進む。
【0066】
ステップS208において、表示部306は、保存部304が保存している3枚または4枚の画像データを取得し、表示領域を4分割するサイズとなる表示サイズに各画像データをリサイズして、表示領域に表示する。
【0067】
ここで、第3表示方法の表示例について、図7を用いて説明する。
【0068】
図7は本発明の実施形態1の第3表示方法での表示例を示す図である。
【0069】
図7では、表示対象の画像データが3枚の場合を示しており、画像702を含む3枚の画像が表示領域701を4分割する表示サイズで表示されている。
【0070】
図6の説明に戻る。
【0071】
ステップS205において、表示対象の画像データが3枚または4枚でない場合(ステップS205でNO)、表示方法決定部305は、その画像データの表示方法を第4表示方法(サムネール表示)に決定し、ステップS209に進む。
【0072】
ステップS209において、表示部306は、保存部304が保存している複数の画像データを取得して、表示領域上でサムネール表示となる表示サイズに各画像データをリサイズして、表示領域に表示する。この処理は、図4のステップS105と同様である。
【0073】
ステップS210において、画像データ取得部303は、画像データの取得が終了したか否かを判定する。画像データの取得が終了しない場合(ステップS210でNO)、ステップS201に戻り、次の画像データを適宜取得し、画像データの取得が終了するまで、ステップS201〜ステップS210の処理を繰り返す。一方、画像データの取得が終了した場合(ステップS201でYES)、処理を終了する。
【0074】
以上の処理により、設定した閾値の範囲内で表示対象の画像データ数に応じて、自動で最適な表示サイズに切り替えて、画像データを表示することができる。
【0075】
尚、図6の処理例は一例であり、用途や目的に応じて、様々な表示制御を実現することができる。例えば、単純に、画像数に応じて表示サイズを決定する構成としても良い。但し、この場合、画像数が膨大になると、表示サイズが小さくなりすぎて、視認用に適さない場合も考えられるため、図6のように、所定枚数以上になったら、サムネール表示とすることが望ましい。また、サムネール表示でも表示領域に一度に表示することができない数の画像枚数である場合には、表示領域上にスクロールバー等の画面スクロール機能を構成することで、すべての表示対象の画像データを閲覧可能な状態にすることができる。
【0076】
以上説明したように、実施形態1によれば、取得した画像データの枚数に応じて、拡大表示かサムネール表示かの表示方法を自動的に切り替えることにより、ユーザに表示方法を切り替えさせる手間を省くことが可能となる。
【0077】
また、複数の画像データの取得を前提にした読取において、実際には1枚の画像データしか読み取っていないという場合でも、表示対象の画像枚数に応じて表示方法を自動的に切り替えるため、1枚または複数のどちらの場合でも、常に認識し易い適切な大きさの表示を実行することが可能となる。
【0078】
<実施形態2>
実施形態1では、保存部304で保存した画像データ数に応じて、画像データの表示方法を決定する構成としているが、スキャナ104等の画像入力機器によっては、実際の画像データを取り込む前に、簡易的な読取操作(プレスキャン機能)を実行することで、取り込む画像数を事前に取得することが可能である。
【0079】
そこで、実施形態2では、画像データ取得部303で、画像データを取得する前に、スキャナ104のプレスキャン機能を利用して、表示対象となり得る画像数を取得して、その取得した画像数に応じて、画像データの表示方法を決定する構成について説明する。
【0080】
次に、実施形態2のホストコンピュータであるPC100の機能構成について、図8を用いて説明する。
【0081】
図8は本発明の実施形態2のホストコンピュータの機能構成を示す図である。
【0082】
尚、図8のスキャンアプリケーション801は、実施形態1の図3のスキャンアプリケーション301に対し、画像数取得部805を追加した構成である。
【0083】
画像数取得部805は、ユーザインターフェース808を介してユーザから読取実行の指示を受け取ると、画像データ取得部803の画像データの取得に先立って、スキャナドライバ802を介してスキャナ104にプレスキャンを実行させ、プレスキャンにより判別される読取画像数を取得する。ここで、プレスキャンとは、スキャナ104が備える機能であり、本来の画像を読み取るための解像度よりも低解像度で高速に読取を実行するものである。
【0084】
表示方法決定部806は、画像数取得部805が取得した画像数を参照して、画像データ取得部803の画像データの取得に先立って、予め表示方法を決定する。例えば、画像数が1枚のみである場合には、表示領域上で拡大表示とする第1表示方法に決定する。一方、画像数が複数である場合には、1枚目のみを表示する場合は拡大表示、2枚目以上を表示する場合はサムネール表示に切り替える第2表示方法に決定する。
【0085】
これにより、画像データ取得の都度、表示方法決定部806が、保存部804が保存する画像データ数を参照して、その画像データに対する表示方法を決定する必要がなくなり、処理の高速化を図ることができる。
【0086】
画像データ取得部803及び保存部804は、実施形態1の図3の画像データ取得部303及び保存部304にそれぞれ対応し、スキャナドライバ802を介して画像データ取得部803が順次取得する画像データを、保存部804が保存する。
【0087】
表示部807は、表示方法決定部806が決定した表示方法に従い、保存部804が保存している画像データを表示装置101の表示領域上に表示する。この表示は、保存部804が保存する画像データが追加されるたびに更新する。
【0088】
次に、実施形態2のスキャンアプリケーション801が実行する表示処理の詳細について、図9を用いて説明する。
【0089】
図9は本発明の実施形態2のスキャンアプリケーションが実行する表示処理を示すフローチャートである。
【0090】
スキャンアプリケーション801が起動され、ユーザインターフェース808を介してユーザから読取実行の指示を受け取ると、ステップS301において、画像数取得部805は、スキャナドライバ802を介してスキャナ104から画像数を取得する。
【0091】
ステップS302において、表示方法決定部806は、ステップS301で取得した画像数を参照し、画像数が1枚であるか否かを判定する。画像数が1枚である場合(ステップS302でYES)、ステップS303において、表示方法決定部806は、表示領域上での画像の表示方法を第1表示方法(拡大表示)に決定する。
【0092】
一方、画像数が複数である場合(ステップS302でNO)、ステップS304において、表示方法決定部806は、画像の1枚目のみ表示する場合は拡大表示、2枚目以上を表示する場合はサムネール表示にする第2表示方法に決定する。
【0093】
続いて、ステップS305において、画像データ取得部803は、スキャナドライバ802を介してスキャナ104から画像データを1枚取得する。
【0094】
ステップS306において、保存部804は、ステップS305で取得した画像データを保存する。ここで、既に取得済みの画像データを保存している場合には、それに加えて保存を行う。
【0095】
次に、ステップS307において、表示部807は、保存部804が保存している画像データを取得し、ステップS303またはステップS304で決定した表示方法に従って、拡大表示用またはサムネール表示用の表示サイズに画像データをリサイズして、表示領域に表示する。
【0096】
ステップS308において、画像データ取得部303は、画像データの取得が終了したか否かを判定する。画像データの取得が終了しない場合(ステップS308でNO)、ステップS305に戻り、次の画像データを適宜取得し、画像データの取得が終了するまで、ステップS305〜ステップS308の処理を繰り返す。一方、画像データの取得が終了した場合(ステップS308でYES)、処理を終了する。
【0097】
以上の処理により、表示方法決定部806は、画像データの取得の都度、表示方法を決定するのではなく、画像数が判別できた最初の1回のみで、取得する画像データの表示方法を決定することが可能となる。
【0098】
以上説明したように、実施形態2によれば、実施形態1で説明した効果に加えて、画像データの取得前に、取得する画像データ数を事前に取得することができるので、その時点で、取得する画像データに対する適切な表示方法を決定することができる。そのため、実施形態1の構成に比べて、トータルスループットをより向上させることができる。
【0099】
尚、実施形態1や2では、表示領域に表示する表示対象の画像は、その取得元として、スキャナ104から取得した画像データとしているが、これに限定されるものではない。例えば、画像データを撮影及び記録するデジタルカメラやメモリーカード等の画像データを記憶するあるいは入力する画像入力機器を、画像データの取得元とした場合にも、本発明を適用することができる。
【0100】
また、実施形態1及び2は一例であり、用途や目的に応じて、実施形態1及び2の構成を組み合わた実施形態を実現しても良い。
【0101】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0102】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0103】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0104】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0105】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0106】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0107】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0108】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0109】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施形態1の情報処理システムの外観構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1のホストコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態1のホストコンピュータの機能構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態1のスキャンアプリケーションが実行する表示処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態1の第1及び第2表示方法の各表示方法での表示例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態1のスキャンアプリケーションが実行する表示処理の応用例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態1の第3表示方法での表示例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態2のホストコンピュータの機能構成を示す図である。
【図9】本発明の実施形態2のスキャンアプリケーションが実行する表示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
100 ホストコンピュータ
101 表示装置
103 入力デバイス
104 スキャナ
104 スキャナ
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 ハードディスク
205 通信インターフェース
206 キーボード
207 マウス
209 システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像入力部より、1以上の画像を順次取得して表示する情報処理装置であって、
画像入力指示を入力する入力手段と、
前記画像入力指示によって、前記画像入力部から画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段で最初に取得した第1画像データを第1表示サイズで表示装置の表示領域に表示し、前記第1画像データに後続する第2画像データを取得する場合は、前記第1画像データ及び前記第2画像データを含む複数の画像データを、前記第1表示サイズより小さい第2表示サイズに変更して表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段で取得した画像データを累積保存する保存手段と、
前記保存手段で保存する画像データ数をカウントするカウンタ手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記カウンタ手段によるカウント値を参照して、表示対象の画像データの表示方法を決定し、その決定した表示方法で、前記保存手段に保存されている画像データを前記表示装置の表示領域に表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、所定の表示サイズである前記第2表示サイズで、前記複数の画像データそれぞれを前記表示装置の表示領域に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記複数の画像データの数に応じて、前記第2表示サイズを決定して、その決定した第2表示サイズで、前記複数の画像データそれぞれを前記表示装置の表示領域に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記複数の画像データの数が所定数以上である場合、所定の表示サイズである前記第2表示サイズで、前記複数の画像データそれぞれを前記表示装置の表示領域に表示する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得手段による画像データの取得に先立って、前記画像入力部から取得する画像枚数を予め取得する画像枚数取得手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記画像枚数取得手段が取得する画像枚数に従って、前記取得手段で取得する画像データの表示方法を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
画像入力部より、1以上の画像を順次取得して表示する情報処理装置の制御方法であって、
画像入力指示を入力する入力工程と、
前記画像入力指示によって、前記画像入力部から画像データを取得する取得工程と、
前記取得工程で最初に取得した第1画像データを第1表示サイズで表示装置の表示領域に表示し、前記第1画像データに後続する第2画像データを取得する場合は、前記第1画像データ及び前記第2画像データを含む複数の画像データを、前記第1表示サイズより小さい第2表示サイズに変更して表示する表示制御工程と
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
画像入力部より、1以上の画像を順次取得して表示する情報処理装置の制御を実現するプログラムであって、
画像入力指示を入力する入力工程のプログラムコードと、
前記画像入力指示によって、前記画像入力部から画像データを取得する取得工程のプログラムコードと、
前記取得工程で最初に取得した第1画像データを第1表示サイズで表示装置の表示領域に表示し、前記第1画像データに後続する第2画像データを取得する場合は、前記第1画像データ及び前記第2画像データを含む複数の画像データを、前記第1表示サイズより小さい第2表示サイズに変更して表示する表示制御工程のプログラムコードと
を備えることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−11064(P2006−11064A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188381(P2004−188381)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】