説明

情報処理装置及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】受信した文書情報に対するユーザの出力操作において、ユーザの操作性を向上させることができるようにした情報処理装置を提供する。
【解決手段】メモリに一時蓄積されている受信した文書情報、又はパーソナルボックスに格納されている文書情報に対して、ユーザ操作により少なくとも、送信、印刷、又はパーソナルボックスへの格納といった出力操作が行われた場合に、該出力操作を出力情報として該文書情報の入力情報(送信元情報)に対応づけて転送設定情報に自動的に登録する。この自動登録された転送設定情報により、次回以降ユーザが出力操作を行うことなく、同一の送信元情報の文書情報は自動的に同一の出力方法で出力されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複合機などの情報処理装置及びその制御方法、並びに前記制御方法を実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ通信機能や電子メール通信機能などの複数の機能を有するデジタル複合機は、従来より知られている。かかるデジタル複合機は、ネットワークや公衆回線を介して接続されたファクシミリ通信装置などの機器から受信したファクシミリ文書などの画像データを所定の転送先に送信したり、印刷したり、パーソナルボックスに蓄積したりといった転送動作を行うものがある。このような転送動作は、前記画像データを所定の転送先に送信するか、印刷するか、蓄積するかといった予め設定されている転送設定情報に従って行われる。
【0003】
上記転送設定情報は、送信元情報と出力情報がセットになり格納されている。送信元情報は、ダイヤル情報、Fコード情報、パスワード情報、IPアドレス、メールアドレス、ドメイン情報といった送信元を示す情報である。また、出力情報は、印刷、パーソナルボックスへの移動、消去、指定送信先への送信といった出力操作を示す情報である。そして、画像データの受信時に、前記送信元情報が登録情報に合致した場合に、前記出力情報に従って、受信した画像データの送信、印刷、パーソナルボックスへの移動、又は消去といった処理が行われる。
【0004】
上述のような受信転送の設定に関する技術としては、例えば特許文献1に記載されるものがある。この文献の情報処理システムは、複写装置とデジタル複合機がネットワークで接続されている。そして、複合機は、複写装置からインポートした転送条件の中にエントリ対象と一致する転送条件があるときは、この転送条件を複合機の転送条件設定用のデータベースに自動的に登録するようになっている。
【0005】
また、デジタル複合機では、文書を受信した場合にその受信文書を一旦メモリに蓄積するメモリ受信が行われることが多い。このようなメモリ受信の場合、ユーザがメモリ内の文書を確認した後、手動で出力することが行われている。例えば、必要な文書だけを、印刷したり、デジタル複合機内の専用のボックスに移動したり、他の機器へ送信したりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−348259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、複写装置からインポートした所定の転送条件をデジタル複合機に自動的に登録することができるものの、デジタル複合機においてユーザが手動で行った出力操作を自動で登録することはできない。
【0008】
また、メモリ受信が行われるデジタル複合機においては、メモリ受信した文書についてユーザの操作により送信元の確認又はプレビューで文書の確認の後、送信や印刷などの出力を行うことは手間のかかるものであった。特に、デジタル複合機は、定期的に同じ内容の文書を受信する場合があり、このような文書を受信した場合は、ユーザはその後も同様の出力を行うケースが多いと考えられる。このような場合、ユーザはいつも手動で同じ操作を行わなければならず、面倒であった。
【0009】
これらの出力を自動で処理させるために、デジタル複合機において出力情報を転送設定情報に登録することもできるが、この場合、登録に多くの手間が必要であり、ユーザの操作性が損なわれていた。
【0010】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、受信した文書情報に対するユーザの出力操作において、ユーザの操作性を向上させることができるようにした情報処理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、外部の装置から送信された文書情報を受信する手段と、前記受信した文書情報をメモリ内に蓄積する手段と、前記受信した文書情報を所定の通信相手先に送信する送信手段と、前記受信した文書情報を印刷する印刷手段と、前記受信した文書情報を、ユーザ毎に区分けされた格納エリアであるパーソナルボックスに格納する格納手段と、前記受信した文書情報を転送するための転送条件が設定された転送設定情報を管理する転送設定管理手段とを有する情報処理装置において、前記転送設定管理手段は、前記受信した文書情報の送信元情報を含む入力情報と共に、該文書情報に対する出力情報として少なくとも、前記送信手段による送信に関する情報、前記印刷手段による印刷に関する情報、及び前記格納手段による格納に関する情報のいずれかが対応づけられた前記転送設定情報を管理する手段と、前記メモリに蓄積されている文書情報、又は前記パーソナルボックスに格納されている文書情報に対して、ユーザ操作により少なくとも、前記送信手段、前記印刷手段、又は前記格納手段を用いた出力操作が行われた場合に、該出力操作を前記出力情報として該文書情報の入力情報に対応づけて前記転送設定情報に自動的に登録する自動登録手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、受信した文書情報に対するユーザの出力操作において、ユーザの操作性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のデジタル複合機の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態におけるデジタル複合機内の転送設定情報データベースの構成を示す図である。
【図4】実施の形態におけるデジタル複合機の操作部に表示される転送設定一覧画面を示す画面図である。
【図5】実施の形態におけるデジタル複合機の操作部表示装置に表示される転送設定の画面表示を示す画面図である。
【図6】実施の形態におけるデジタル複合機のファクシミリ受信後の転送処理を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態におけるデジタル複合機の受信文書出力操作時の転送設定自動登録処理を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態における転送設定自動登録処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
<ネットワークシステムの構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【0016】
同図に示すように、このネットワークシステムは、コンピュータ101、102、プリンタ103、IFAX受信等が可能なファクシミリ装置104、及び本発明の情報処理装置の一例であるデジタル複合機105が、ネットワーク100に接続されている。コンピュータ101、102は、プリンタ103やデジタル複合機105等にプリント依頼を出すように動作をする。そして、デジタル複合機105には、電話回線であるPSTN回線106が接続されている。
【0017】
<デジタル複合機105の構成>
図2は、図1中のデジタル複合機105の構成を示すブロック図である。
【0018】
このデジタル複合機105は、スキャナ装置201、プリンタ装置202、操作部表示装置(表示部)203、符号化複合化部204、及びネットワーク制御部205を有している。さらに、システムメモリ206、ページメモリ207、システム制御部208、暗号化部209、ファクシミリ制御部210、及びHDD(ハードディスク)211を備えている。そして、これらはバス212に接続されている。
【0019】
スキャナ装置201は、指定されたモード(例えば、紙サイズ、解像度、濃度等)で原稿をスキャンする読み取り装置である。プリンタ装置202は、文書をプリントして排紙トレーに出力するための装置である。操作部表示装置203は、ユーザが各種設定操作を行うと共に、装置が動作状態などを表示する装置である。符号化複合化部204は、送信する画情報をデータに符号化し、データ圧縮する一方、受信した圧縮データを複合化し、元の画情報に復元する機能を有する。ネットワーク制御部205は、LANに接続し、外部のネットワーク環境下の機器と情報の入出力を行う機能を有する。
【0020】
システムメモリ206は、RAM部及びROM部から成り、装置に予め登録しておく情報を格納するメモリである。ページメモリ207は、符号化・複合化を行う際に1ページ分の画情報を展開するメモリである。システム制御部208(転送設定管理手段の一例)は、当該デジタル複合機内の各制御部や、装置、HD(ハードディスク)等を監視・制御するマイクロコンピュータである。暗号化部209は、HDD211のメモリ内に画像データを蓄積する際に、上記画像データを暗号化する機能を有する。ファクシミリ制御部210はPSTN回線等のファクシミリ回線に接続されており、このPSTN回線を介して他のファクシミリ装置と通信する機能を有する。HDD(ハードディスク)211は、不揮発性のメモリから成り、受信した文書やスキャンした文書等を格納するメモリである。
【0021】
図3は、本実施の形態におけるデジタル複合機105内の転送設定情報データベースの構成を示す図である。
【0022】
この転送設定情報データベースは、例えばHDD211に設けられ、図3に示すように、各転送設定情報1〜nには、次のような情報が登録されている。
【0023】
インデックス番号501は、転送設定を管理するシリアルなナンバーである。tmp登録フラグ502は、転送設定情報の仮登録か本登録かを保存し、当該フラグがON(1)時には転送設定の仮登録を意味し、OFF(0)時には本登録を意味する。自動・手動登録種別503は、手動転送設定登録時には、従来からの手順によりユーザ操作により手動(0)を設定し、本実施の形態の特徴である、受信文書の出力操作時に自動転送設定登録する場合には自動(1)を設定する。
【0024】
出力操作回数504は、前記tmp登録フラグ502のON時に使用し、仮登録の状態でユーザが同様の操作をした回数を保存する。初期値は1であり、ユーザが同様の操作をするごとに1つ加算される。設定有効・無効フラグ505は、OFF(0)のフラグ情報及びON(1)のフラグ情報を記憶する。即ち、転送設定登録時に、転送設定情報の登録のみを行い、後でユーザ操作により有効にするような無効状態にて登録する場合にはOFF(0)のフラグ情報が格納される。そして、転送設定情報に登録し、且つ転送設定有効な状態で登録する場合にはON(1)のフラグ情報が格納される。
【0025】
転送条件名506は、ユーザにより命名可能な転送条件名である。転送設定自動登録時は上記転送条件名506は空白(未設定)となる。転送条件507は、ファクシミリ又はIFAXといった受信情報である受信プロトコルや、電話番号、Fコード、パスワード、IPアドレス、ドメイン情報、及びメールアドレスといった送信元情報を格納するエリアである。転送先508は、印刷、送信、パーソナルボックスへの移動といった文書出力操作を保存するエリアである。パーソナルボックスは、ユーザ毎に区分けされた格納エリアである。転送設定自動登録時に、メモリ受信した受信文書をユーザ操作により印刷した場合には「印刷」を設定し、宛先を指定して送信操作をした場合には宛先情報とともに「送信」を設定する。さらに、パーソナルボックスに移動した場合には移動先のボックス番号とともに「パーソナルボックスへの移動」を設定し、消去操作を行った場合には「消去」を設定する。
【0026】
なお、これら転送設定情報は、tmp登録フラグがOFFの状態で、所定の転送設定用の画面より表示、修正可能である。
【0027】
<本実施の形態に用いる表示画面>
図4は、本実施の形態におけるデジタル複合機105の操作部に表示される転送設定一覧画面を示す画面図である。
【0028】
同画面において、「On/Off」901は、転送設定の有無を示す表示であり、転送設定を無効に設定すると設定登録時に「Off」、有効に設定すると設定登録時に「On」が表示される。転送設定登録種別902は、転送設定の自動登録時には「自動」、手動登録時には「手動」と表示される。転送名903は、転送設定手動登録時にユーザにより転送設定の名称が入力されたときに表示され、自動登録時には未入力として設定される。上記の転送名は、転送設定の自動生成時刻や送信元情報である電話番号等の情報を保存して表示してもよい。受信プロトコル904は、ファクシミリ受信、インターネットファックス(IFAX)受信等の受信プロトコルの情報を表示する。転送設定一覧905は、上述のような手動登録や自動登録によって登録された転送設定が表示される。
【0029】
「条件のOn/Off」906は、転送設定有効又は無効の設定を変更するためのボタンである。転送設定一覧画面内の該当転送設定を選択し、上記「条件のOn/Off」906を押下することにより、OnからOff又はOffからOnに変更することが可能である。具体的には、無効設定の転送設定を有効にする場合は、該当箇所の「OFF」の転送設定を選択し、「条件のOn/Off」906を押下することにより、「ON」に変更され、転送設定が有効になる。
【0030】
「登録」ボタン907は、転送設定を新規に追加登録するときに押下する。「詳細/編集」ボタン908は、該当する転送設定の詳細を表示又は編集するためのボタンであり、該当の転送設定を選択した後にこのボタン908を押下ことにより、その詳細が表示される。「消去」ボタン909は、該当の転送設定を消去するためのボタンであり、該当の転送設定を選択した後にこのボタン909を押下することにより、その消去が行われる。「リストプリント」ボタン910は、転送設定一覧のレポートを印字出力するためのボタンである。「閉じる」ボタン911は、転送設定一覧画面より抜けるためのボタンである。
【0031】
このような転送設定一覧画面より、ユーザは、任意に自動登録された転送設定の有効化/無効化を行うことが可能である。
【0032】
図5(a),(b),(c)は、本実施の形態におけるデジタル複合機105の操作部表示装置203に表示される転送設定の画面表示を示す画面図である。
【0033】
同図(a)において、転送設定自動登録画面301は、ユーザが受信文書の出力操作を行ったとき、この受信文書の送信元情報と出力操作の情報を転送設定として自動的に転送設定一覧に追加するか否かを指定するための画面である。転送設定自動登録画面301において、「する」を押下すると、図5(b)に示すような、転送設定の詳細を指定するための画面302が表示される。
【0034】
この画面302内においては、各項目に対応した選択用エリア303〜307が表示される。「登録までの回数指定」エリア303は、ユーザにより同一送信元からの受信文書に対して同一出力操作を行った回数が指定回数に達した時に転送設定に自動登録を行うためのものである。例えば、回数指定が3回のときは、ユーザが同一送信元からの受信文書を同一の出力操作で3回出力したときに転送設定に登録を行う。このように、受信文書に対して同一の出力操作が複数回行われた場合に、該出力操作の情報と受信文書の送信元情報とを転送設定情報に自動的に登録する。
【0035】
また、「登録レベル」エリア304は、転送設定登録時において、転送設定一覧に登録するのみであり無効状態で登録する「無効設定で登録」と、転送設定一覧に登録し且つ有効化の状態で登録する「有効設定で登録」のいずれの設定を選択するためのエリアである。「無効設定で登録」を選択すると、ユーザ操作により無効状態を有効状態に変更することにより転送設定が有効となる。「登録範囲制限」エリア305は、転送設定自動登録する文書情報を指定するためのエリアであり、パーソナルボックスのみ、メモリ受信ボックスのみ、すべての受信文書の3種類を指定することが可能である。「転送条件表示」エリア306は、転送設定自動登録前にユーザに登録内容を表示するか否かを指定するためのエリアであり、「出力操作時、表示する」と「出力操作時、表示しない」のいずれかを選択することができる。「転送条件受信設定」エリア307は、送信元情報(入力情報)として電話番号、Fコード、パスワード、IPアドレス、ドメイン情報、メールアドレス、ファクシミリ通信、及びIFAX通信などを1つ以上選択するためのエリアである。このエリア307により、転送設定自動登録時に、選択した情報を転送設定の送信元情報として登録することができる。
【0036】
図5(c)は、実施の形態におけるデジタル複合機105内のメモリ受信文書の出力操作を行ったときに表示される登録転送設定情報確認画面を示す画面図である。
【0037】
この登録転送設定情報確認画面401は、ユーザがメモリ受信文書の出力操作として印刷、送信、パーソナルボックスへの移動を行ったとき、転送設定一覧に自動登録する前に確認画面として操作部表示装置203に表示する画面である。上記転送詳細設定画面302の「転送条件表示」エリア306において「出力時表示する」に設定したときに表示される画面である。さらに、予め転送詳細設定画面302において指定された条件に基づき転送設定情報を表示する。例えば、「登録レベル」エリア304において「無効設定で登録」を選択したときには、本画面401内の「登録レベル」エリア402において「無効設定で登録する」が表示される。同様に、「登録レベル」エリア304において「有効設定で登録」を選択したときには、本画面401内の「登録レベル」エリア304において「有効設定で登録する」が表示される。ユーザは上記「登録レベル」エリア402を確認した後、「無効設定で登録する」、「有効設定で登録する」のどちらかに変更可能である。
【0038】
また、「受信情報」エリア403は、「転送条件受信設定」エリア307において選択されている情報が当該「受信情報」エリア403の表示対象やチェック対象となる。例えば、「受信情報」エリア403において、受信プロトコルとしてファクシミリ、送信元情報として電話番号が選択されている場合は、次のようになる。即ち、ファクシミリ受信した受信文書の送信元情報が電話番号:0344448888、Fコード:11112222、パスワード:2222であるとき、「受信情報」エリア403の表示例のように「電話番号」のみチェックマークが入った状態で表示される。ユーザは、転送設定の受信情報としてファクシミリ受信且つ電話番号:0344448888として登録する場合には、設定変更せずに画面401内の「する」ボタンを押下する。またFコード、パスワードも含めて転送設定の「受信情報」エリアに登録する場合には、ユーザ操作によりFコード、パスワードのチェックボックスをチェックすることにより設定可能である。
【0039】
「出力情報」エリア404は、ユーザが行った印刷、送信、パーソナルボックスへの移動のいずれかの出力操作をチェック表示する。ここで、ユーザは印刷し、且つ同時にパーソナルボックスにも文書保存を行いたい場合には、印刷、パーソナルボックスへの移動の両方のチェックを行うことにより設定可能である。
【0040】
<本実施の形態における処理>
図6は、本実施の形態におけるデジタル複合機105のファクシミリ受信後の転送処理を示すフローチャートである。
【0041】
デジタル複合機105は、ネットワーク100及びPSTNファクシミリ回線106を介してIFAX受信又はファクシミリ受信を行った後、次のような処理を実行する。まずステップS601において、本登録の既存の転送設定の中で、受信プロトコル及び送信元情報に合致する転送設定があるかを検索し、合致する転送設定がある場合にはステップS603に移行し、合致する転送設定がない場合にはステップS602に移行する。ここでは、上記転送設定情報データベースにtmp登録フラグONすなわち仮登録状態で登録している転送設定に関しては当該転送設定の検索対象からは除き、tmp登録フラグOFFすなわち登録状態の転送設定のみを検索対象とする。
【0042】
ステップS602においては、転送設定に合致しない文書はメモリ受信にて一時保存される。またステップS603では合致した転送設定に従って、受信文書を印刷、指定送信先(通信相手先)への送信、指定パーソナルボックスへの移動、消去等の出力操作を行う。
【0043】
次に、本実施の形態における、ユーザによる受信文書出力時の動作について、図7を参照して詳細に説明する。図7は、本実施の形態におけるデジタル複合機105の受信文書出力操作時の転送設定自動登録処理を示すフローチャートである。
【0044】
まずユーザ操作により受信文書について印刷、送信、パーソナルボックスへの移動等の出力操作を行ったとき、ステップS701において、転送設定自動登録画面301の設定状況をチェック、つまり自動登録するか否かをチェックする。自動登録をしないという設定の場合には、本シーケンスから抜けて転送設定自動登録は行わない。一方、自動登録をするという設定の場合には、ステップS702に移行する。
【0045】
ステップS702では、転送詳細設定画面302内の「登録範囲制限」エリア305をチェックする。その内容が「パーソナルボックスのみ」である場合にはステップS703に移行し、メモリ受信のみである場合にはステップS704に移行し、登録制限がなくすべての受信文書が対象である場合にはステップS705に移行する。
【0046】
ステップS703では、出力操作を行った文書の格納場所をチェックし、上記文書がパーソナルボックスである場合にはステップS705へ移行する。同様にステップS704では、出力操作を行った文書の格納場所をチェックし、上記文書がメモリ受信ボックスである場合にはステップS705へ移行する。ステップS705では、ユーザが操作した印刷、送信、パーソナルボックスへの移動等の出力操作情報を取得しステップS706に移行する。
【0047】
ステップS706では、受信情報として受信文書のファクシミリ又はIFAX(インターネットファックス)といった受信プロトコル情報、並びに電話番号、Fコード及びサブアドレスといった送信元情報を取得しステップS707に移行する。ステップS707では、上記受信情報と出力情報とからなる転送条件に一致する転送条件が転送設定情報データベースに存在するか否かを検索する。既に存在する場合にはステップS708に移行し、存在しない場合にはステップS709に移行する。
【0048】
ステップS708では、転送設定情報データベースの該当する転送設定のtmp登録フラグ502の情報をチェックし、tmp登録フラグ=OFFである時にはユーザ参照可能な転送設定が存在することを意味し、本シーケンスから抜ける。tmp登録フラグ=ONは仮状態の転送設定があることを意味し、このときステップS710に移行する。
【0049】
ステップS710では転送設定情報データベース内の出力操作回数504の情報を取得し、ステップS711に移行する。ステップS711では、転送設定情報データベース内の出力操作回数504の情報Aと転送詳細設定画面302の「登録までの回数指定」エリア303の情報Bとを比較する。そして、A+1≧Bであるとき、すなわち出力操作回数504に1加算したものが「登録までの回数指定」と等しいかそれ以上であるときにはステップS713に移行する。それ以外はステップS712に移行する。
【0050】
ステップS712では、同一の転送設定の出力操作回数が登録回数に満たないために出力操作回数504を1加算し本シーケンスを終了する。ステップS713では、出力操作回数が前記「登録までの回数指定」に達しているため転送設定情報データベース内のtmp登録フラグ502をONからOFFに変更し本シーケンスを終了する。この操作により、前回まで仮登録状態であった該当転送設定は本登録となり、登録転送設定情報確認画面401に表示され、ユーザにより設定確認、修正等が可能となる。また、文書受信時の転送設定の対象となる。
【0051】
一方、ステップS707で同一の転送条件がなかった場合、ステップS709では、S706にて取得した受信情報と転送設定情報データベース内の転送条件とを比較し、同一の受信情報が存在するかをチェックする。そして存在する場合には、受信情報は一致するが出力操作が異なるものとしてステップS714に移行し、存在しない場合には、図8のステップS801(転送設定自動登録処理)へ移行する。
【0052】
ステップS714では、転送設定情報データベース内の該当する転送設定の転送先508の情報とステップS705にて取得した出力操作情報とを合わせた転送設定出力操作情報を作成し、図8のステップS801(転送設定自動登録処理)へ移行する。例えば、転送設定情報データベース内の該当する転送設定が「パーソナルボックスへの移動」であり、且つユーザによる該当文書の出力操作が「印刷」であった場合、上記転送設定出力操作情報とは「パーソナルボックスへの移動」と「印刷」となる。
【0053】
次に、本実施の形態における転送設定自動登録処理について、図8を参照して詳細に説明する。図8は、本実施の形態における転送設定自動登録処理を示すフローチャートである。
【0054】
ステップS801において、転送詳細設定画面302内の「登録までの回数指定」エリア303が「1回」すなわち即登録であるか、「2回以上」すなわち規定回数同一操作をした場合に登録するかをチェックする。「1回」設定時にはステップS802に移行し、「2回以上」設定時にはステップS807に移行する。
【0055】
ステップS802では、転送詳細設定画面302内の「転送条件表示」エリア306が「出力時表示しない」という設定であるときにはステップS805に移行し、「出力時表示する」という設定であるときにはステップS803に移行する。ステップS803では、登録転送設定情報確認画面401を表示する。ここでは、「登録レベル」エリア402の情報は、転送詳細設定画面302内の登録レベル304の情報を表示する。また「受信情報」エリア403の情報は、ステップS706にて取得した出力操作を行った受信文書に関連づけて保存されている受信プロトコル及び送信元情報を表示する。さらに画面401において、転送詳細設定画面302内の「転送条件受信設定」エリア307において選択されている転送元情報にチェックを入れて表示する。そして「出力情報」エリア404の情報は、ステップS705にて取得したユーザによる出力操作情報にチェックを入れて表示する。
【0056】
次にステップS804では、ユーザにより上記ステップS803で表示した転送設定情報を保存するか否かを設定し、保存するを設定したときにはステップS806に移行し、保存しないを設定したときには本シーケンスから抜ける。ステップS805では、転送設定情報の自動登録処理を行う。まず転送設定情報データベースに新規に1件分の転送設定エリアを確保し、インデックス番号501にはシリアル番号を設定し、tmp登録フラグ502にOFFすなわちユーザ参照可能な転送設定として保存する。自動・手動登録種別503に自動登録をセットし、出力操作回数504に1をセットする。設定有効・無効フラグ505は転送詳細設定画面302内の登録レベル304情報をセットする。転送条件名506は自動設定時には何も設定せず、転送条件507はステップS706にて取得した受信情報をセットし、転送先508はステップS705にて取得したユーザが操作した出力操作の情報をセットする。そして、これらの設定情報を前記新規の転送設定エリアに登録し終了する。
【0057】
同様に、ステップS806では、転送設定情報データベースに新規に1件分の転送設定エリアを確保し、インデックス番号501、tmp登録フラグ502、自動・手動登録種別503、及び出力操作回数504を上記したステップS805と同様にセットする。設定有効・無効フラグ505及び転送条件名506も、ステップS805と同様にセットする。
【0058】
転送条件507はステップS706にて取得した受信情報をステップS803にて表示し、ユーザにより修正した後の受信情報をセットする。転送先508はステップS705にて取得したユーザが操作した出力操作の情報をステップS803にて表示し、ユーザにより修正した後の出力情報をセットする。そして、これらの設定情報を前記新規の転送設定エリアに登録し終了する。
【0059】
同様に、ステップS807では、転送設定情報データベースに新規に1件分の転送設定エリアを確保する。そして、tmp登録フラグ502には、ONすなわちユーザ参照可能な転送設定情報ではなく仮転送登録情報として保存する。その他の、インデックス番号501、自動・手動登録種別503、出力操作回数504、設定有効・無効フラグ505、転送条件名506、転送条件507、及び転送先508は、前記ステップS805と同様にセットする。そしてこれら設定情報を前記新規の転送設定エリアに登録し終了する。
【0060】
<本実施の形態に係る利点>
本実施の形態によれば、受信文書に対して、ユーザ操作により出力操作を行ったときに、当該出力操作に関する情報を、受信文書内に格納されている受信情報としての受信プロトコルや送信元情報と共に、転送設定情報に自動的に登録することが可能となる。この自動登録された転送設定情報により、次回以降ユーザが出力操作を行うことなく、同一の受信情報の文書は自動的に同一の出力方法で出力されるようになる。
【0061】
<他の実施の形態>
なお、本発明の実施の形態は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ(CPU,プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0062】
105 デジタル複合機
203 操作部表示装置
205 ネットワーク制御部
206 システムメモリ
208 システム制御部
211 HD(ハードディスク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の装置から送信された文書情報を受信する手段と、前記受信した文書情報をメモリ内に蓄積する手段と、前記受信した文書情報を所定の通信相手先に送信する送信手段と、前記受信した文書情報を印刷する印刷手段と、前記受信した文書情報を、ユーザ毎に区分けされた格納エリアであるパーソナルボックスに格納する格納手段と、前記受信した文書情報を転送するための転送条件が設定された転送設定情報を管理する転送設定管理手段とを有する情報処理装置において、
前記転送設定管理手段は、
前記受信した文書情報の送信元情報を含む入力情報と共に、該文書情報に対する出力情報として少なくとも、前記送信手段による送信に関する情報、前記印刷手段による印刷に関する情報、及び前記格納手段による格納に関する情報のいずれかが対応づけられた前記転送設定情報を管理する手段と、
前記メモリに蓄積されている文書情報、又は前記パーソナルボックスに格納されている文書情報に対して、ユーザ操作により少なくとも、前記送信手段、前記印刷手段、又は前記格納手段を用いた出力操作が行われた場合に、該出力操作を前記出力情報として該文書情報の入力情報に対応づけて前記転送設定情報に自動的に登録する自動登録手段とを
有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記転送設定情報を無効な状態で登録する手段と、
前記無効な状態で登録された転送設定情報を、ユーザ操作を受けて有効な状態に設定する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記自動登録手段は、
前記メモリに蓄積されている文書情報に対して、前記出力操作として前記送信手段、前記印刷手段又は前記格納手段を用いた出力操作が行われた場合のみに、該出力操作を前記出力情報として該文書情報の入力情報に対応づけて前記転送設定情報に自動的に登録することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記自動登録手段は、
前記パーソナルボックスに格納されている文書情報に対して、前記出力操作として前記送信手段、前記印刷手段又は前記格納手段を用いた出力操作が行われた場合のみに、該出力操作を前記出力情報として該文書情報の入力情報に対応づけて前記転送設定情報に自動的に登録することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記自動登録手段は、
同一の送信元から受信した文書情報に対して、前記出力操作として同一の出力操作が複数回行われた場合に、該出力操作を前記出力情報として該文書情報の入力情報に対応づけて前記転送設定情報に自動的に登録することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記転送設定情報に登録する前記入力情報を選択するための手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記自動登録手段は、
前記入力情報と前記出力情報を前記転送設定情報に自動登録するときに、入力情報が同一で出力情報が異なる転送設定情報が存在する場合には、既に存在する該転送設定情報に前記自動登録の内容を追加登録する手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記自動登録手段は、
前記入力情報と前記出力情報を前記転送設定情報に自動登録する際に、該転送設定情報の内容を表示部に表示する手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
外部の装置から送信された文書情報を受信する手段と、前記受信した文書情報をメモリ内に蓄積する手段と、前記受信した文書情報を所定の通信相手先に送信する送信手段と、前記受信した文書情報を印刷する印刷手段と、前記受信した文書情報を、ユーザ毎に区分けされた格納エリアであるパーソナルボックスに格納する格納手段と、前記受信した文書情報を転送するための転送条件が設定された転送設定情報を管理する転送設定管理手段とを有する情報処理装置の制御方法であって、
前記受信した文書情報の送信元情報を含む入力情報と共に、該文書情報に対する出力情報として少なくとも、前記送信手段による送信に関する情報、前記印刷手段による印刷に関する情報及び前記格納手段による格納に関する情報のいずれかが対応づけられた前記転送設定情報を管理する工程と、
前記メモリに蓄積されている文書情報、又は前記パーソナルボックスに格納されている文書情報に対して、ユーザ操作により少なくとも、前記送信手段、前記印刷手段、又は前記格納手段を用いた出力操作が行われた場合に、該出力操作を前記出力情報として該文書情報の入力情報に対応づけて前記転送設定情報に自動的に登録する工程とを
有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
外部の装置から送信された文書情報を受信する手段と、前記受信した文書情報をメモリ内に蓄積する手段と、前記受信した文書情報を所定の通信相手先に送信する送信手段と、前記受信した文書情報を印刷する印刷手段と、前記受信した文書情報を、ユーザ毎に区分けされた格納エリアであるパーソナルボックスに格納する格納手段と、前記受信した文書情報を転送するための転送条件が設定された転送設定情報を管理する転送設定管理手段とを有する情報処理装置の制御方法を実行するための、コンピュータで読み取り可能なプログラムであって、
前記受信した文書情報の送信元情報を含む入力情報と共に、該文書情報に対する出力情報として少なくとも、前記送信手段による送信に関する情報、前記印刷手段による印刷に関する情報及び前記格納手段による格納に関する情報のいずれかが対応づけられた前記転送設定情報を管理するステップと、
前記メモリに蓄積されている文書情報、又は前記パーソナルボックスに格納されている文書情報に対して、ユーザ操作により少なくとも、前記送信手段、前記印刷手段、又は前記格納手段を用いた出力操作が行われた場合に、該出力操作を前記出力情報として該文書情報の入力情報に対応づけて前記転送設定情報に自動的に登録するステップとを
有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−66807(P2011−66807A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217431(P2009−217431)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】