説明

情報処理装置及びその制御方法

【課題】 広範囲におけるデバイス探索が要求されてもタイムアウトが発生せず、またデバイス探索のためのネットワークトラフィックを少なくする情報処理装置及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】 サブネット毎にデバイス情報を取得、保持する検索FSA308を設け、ネットワークデバイス管理を司るCSB LM302が管理対象のネットワーク内に存在するデバイス探索FSA308のアドレス情報を管理する。クライアント309からデバイス探索要求があった場合、探索範囲に対応したデバイス探索FSAのアドレス情報を応答する。クライアントは通知されたアドレス情報を用いて各デバイス探索FSAから順次デバイス情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークデバイス(コンピュータネットワークに接続される機器)を管理する方法として、SNMP/MIB(Simple Network Management Protocol/Management Information Base)を使用する方法がある。(SNMP/MIBの詳細に関しては「TCP/IP ネットワーク管理入門 実用的な管理をめざして」M.T.ローズ=著/西田竹志=訳 (株)トッパン発行 1992年8月20日初版を参照のこと)。
【0003】
SNMPネットワーク管理技術によれば、ネットワーク管理システムには、少なくとも1つのネットワーク管理ステーション(NMS)、各々がエージェントを含むいくつかの管理対象ノード、及び管理ステーションやエージェントが管理情報を交換するために使用するネットワーク管理プロトコルが含まれる。ユーザは、NMS上でネットワーク管理ソフトウェアを用いて管理対象ノード上のエージェントソフトウェアと通信することにより、ネットワーク上のデータを得、またデータを変更することができる。
【0004】
このようなネットワーク管理ソフトウェアを分散環境で使用する場合、ネットワーク管理機能を持つサーバアプリケーションと、各端末で起動されるGUI部分である複数のクライアントアプリケーションによる構成をとることが一般的である。
【0005】
分散環境における異なる端末間でクライアントアプリケーションとサーバアプリケーションはプロセス間通信を行う。プロセス間通信の標準としてRFC1057 RPC(Remote Procedure Call)が定義されている。RPCとは、ネットワークサービスを提供する関数群をサーバ側で用意し、この関数群の中の関数をローカルマシン内の関数と同様に、ネットワーク上の別端末のクライアントプロセスから呼び出せるようにしたものである。
【0006】
RPCにおけるプロセス間通信の流れは以下のようになる。クライアントは、サーバに対するサービス要求として、サーバに用意されているRPC関数を呼び出す。この時点で、関数の呼び出し情報を格納したデータパケットがサーバに送られ、クライアントのプログラム(プロセス)は中断される。サーバがパケットを受け取ると、呼び出された関数をディスパッチし、関数の引数を取り出した後、その引数をもとにサービスを実行して、その結果をクライアントに返す。クライアントは関数の結果を受け取った後で、プログラムの実行(プロセス)を再開する。
【0007】
上述のネットワーク管理機能を持つサーバアプリケーションは、分散ネットワーク上に1つ配置し、サーバアプリケーション内で複数のインスタンスを持つことにより複数のデバイスを管理している。一方、クライアントアプリケーションは、異なる端末で複数動作し、上述のプロセス間通信を用いてサーバアプリケーションにアクセスする。そして、サーバアプリケーションを介して、デバイス情報の取得、設定を行う。
【0008】
サーバアプリケーションはネットワーク管理機能として、ネットワークデバイスを探索するデバイス探索機能もクライアントに提供する。クライアントは、サーバアプリケーションが探索したデバイスリストから、管理したいデバイスのアドレス及びデバイス名等のデバイス基本情報を取得することが可能である。サーバアプリケーションは、複数のサブネット内に置かれたデバイスを探索するためにサブネットブロードキャストを行っている。
【0009】
図1は、ネットワーク管理の対象となりうるコンピュータネットワークの構成例を示す図である。図1に示すコンピュータネットワークは、3つのLAN100、110及び120がモデム/トランスポンダ130によって相互接続された構成を有する。そして、LAN100、110及び120の各々にはプリンタサーバ装置、ファイルサーバ装置、クライアント装置等のコンピュータ装置、ネットワークプリンタ等が接続される。
【0010】
図2は、図1におけるLAN100及び120について、LAN100に接続されたコンピュータ装置103がクライアントとして動作し、コンピュータ装置121がサーバ装置として動作するとした場合を説明する概略図である。なお、図2において「デバイス」とはLAN上に接続された他のネットワークデバイスであり、ネットワークプリンタやコンピュータ装置等を意味する。
【0011】
図2において、PC103上でクライアントアプリケーションのプロセスAが、PC121上のサーバアプリケーションのプロセスBにアクセスしデバイスを探索する場合、クライアントアプリケーションは、プロセス間通信の機能を使用してサーバアプリケーションと通信を行い、サーバアプリケーションはSNMPプロトコルのブロードキャストを使用してデバイス探索を行う。
【0012】
デバイス探索は、2段階のステップで行われる。はじめのステップは、ブロードキャストにより、デバイスのアドレス情報の取得を行う。次のステップは、ブロードキャストで見つかった各デバイスに対して、デバイス名、ロケーション等のデバイス基本情報のMIB値を取得する。
【0013】
デバイス探索を行うために、各クライアントアプリケーションはプロキシを用いてプロセス間通信をし、サーバアプリケーションにデバイス探索を依頼する。サーバアプリケーションはプロキシ(スタブ)から送信された情報を受け取り、SNMPプロトコル等のブロードキャストを用いてデバイス探索を行う。デフォルト設定では、サーバアプリケーションが存在しているサブネットLAN100に存在するデバイスのみ探索を行う。しかし、クライアントアプリケーションからサブネットを超えた探索範囲が指定された場合、例えば図2のLAN120のデバイス探索を行うことが指定された場合、サブネットブロードキャストを行ってデバイスを探索する。
【0014】
探索されたデバイスリスト情報は、サーバアプリケーションのスタブからプロセス間通信を使用してプロキシに送信され、プロキシからクライアントアプリケーションにコールバック通知される。クライアントアプリケーションは、サーバアプリケーションからコールバック通知された情報を基にビットマップ表示等を行ってデバイスリスト情報を表示する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】「TCP/IP ネットワーク管理入門 実用的な管理をめざして」M.T.ローズ=著/西田竹志=訳 (株)トッパン発行 1992年8月20日初版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら上記従来例では、ネットワーク管理ソフトウェア(サーバアプリケーション)のクライアントアプリケーションからホップ数の多いサブネットを検索対象として指定された場合、そのサブネット上のデバイスからの応答が予め定められた探索タイムアウト時間内に収まらず、指定されたサブネット上に存在する全てのデバイスを探索することができない場合がある。
【0017】
また、ブロードキャストの後に行われるデバイス基本情報の取得は各デバイスに対して行われるため、サーバアプリケーションが存在しているサブネットとデバイスが存在するサブネットの間のネットワークに不要なネットワークトラフィックを発生させるという問題がある。
【0018】
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、広範囲におけるデバイス探索が要求されてもタイムアウトが発生せず、またデバイス探索のためのネットワークトラフィック少なくする情報処理装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述の目的は、第一のサブネットと、外部ネットワークを介して当第一のサブネットと接続された第二のサブネットとを含むネットワークに接続可能な情報処理装置であって、第一のサブネットに存在する外部装置から、第一のサブネットに存在するデバイスを探索する当第一のサブネットに存在する第一の探索サーバのアドレス、及び、第二のサブネットに存在するデバイスを探索する当第二のサブネットに存在する第二の探索サーバのアドレス、を受信する受信手段と、受信手段によって受信されたアドレスを用いて第一の探索サーバ及び第二の探索サーバにアクセスすることによって、第一のサブネットに存在するデバイスを示すデバイスリストを第一の探索サーバから取得し、第二のサブネットに存在するデバイスを示すデバイスリストを第二の探索サーバから取得する、取得手段と、取得手段によって取得されたデバイスリストを表示部に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする情報処理装置によって達成される。
【0020】
また、上述の目的は、第一のサブネットと、外部ネットワークを介して当第一のサブネットと接続された第二のサブネットとを含むネットワークに接続可能な情報処理装置の制御方法であって、情報処理装置の受信手段が、第一のサブネットに存在する外部装置から、第一のサブネットに存在するデバイスを探索する当第一のサブネットに存在する第一の探索サーバのアドレス、及び、第二のサブネットに存在するデバイスを探索する当第二のサブネットに存在する第二の探索サーバのアドレス、を受信する受信工程と、情報処理装置の取得手段が、受信工程において受信されたアドレスを用いて第一の探索サーバ及び第二の探索サーバにアクセスすることによって、第一のサブネットに存在するデバイスを示すデバイスリストを第一の探索サーバから取得し、第二のサブネットに存在するデバイスを示すデバイスリストを第二の探索サーバから取得する、取得工程と、情報処理装置の表示制御手段が、取得手段によって取得されたデバイスリストを表示部に表示させる表示制御工程と、を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法によっても達成される。
【0021】
また、本発明の別の要旨は、コンピュータを本発明の情報処理装置の各手段として機能させることを特徴とするプログラムに存する。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、ネットワーク管理ソフトウェアのクライアントアプリケーションからホップ数の多いサブネットのデバイス探索が要求された場合、そのサブネットに配置されたデバイス探索FSAからデバイスリストを取得することにより、クライアントが管理対象とするサブネットを超えた全デバイスを探索することが可能になるという効果がある。
【0023】
また、ブロードキャストの後に行われるデバイス基本情報の取得は、サブネット毎に配置されたデバイス探索FSAとそのサブネット上に存在するデバイス間で行うことにより、サーバアプリケーションが存在しているサブネットとデバイスが存在するサブネットの間のネットワークに不要なネットワークトラフィックを発生させないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】コンピュータネットワークの例を示す図である。
【図2】クライアントアプリケーション、サーバアプリケーション及びデバイスの関係を示す図である。
【図3】本発明を適用可能なコンピュータ装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態におけるソフトウェアコンポーネントの配置図である。
【図5】本発明の実施形態におけるCSB LMと各ノード(ソフトウェアコンポーネント)の動作を示すシーケンスチャートである。
【図6】デバイスリスト画面の例を示す図である。
【図7】各ソフトウェアコンポーネントの動作の関係を示すシーケンスチャートである。
【図8】クライアントソフトウェアコンポーネントの動作を示すフローチャートである。
【図9】デバイス探索FSAの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明をその好適な実施形態に基づき詳細に説明する。図3は、本発明に係る情報処理置として利用可能なコンピュータ装置200の構成例を示すブロック図である。本発明に係る情報処理装置は、従来のネットワークデバイス管理装置を実現可能なコンピュータ装置と同様のコンピュータ装置で実現可能である。
【0026】
なお、本実施形態においては、本発明によるネットワークデバイス管理を分散コンピューティング技術を用いて実現した場合を説明する。分散コンピューティング技術においては、ある機能を実現するための処理を複数のハードウェアで分散処理するため、実際に処理を行うハードウェアはネットワーク上に分散することになる。そのため、本発明に係る情報処理装置の機能は実際には複数のネットワークデバイスにより実現されることになるが、説明上特定の装置が情報処理装置として動作するように記載した部分もあることに注意されたい。
【0027】
図において、ハードディスク(HD)211には、コンピュータ装置200を本実施形態に係る情報処理装置として機能させるプログラム(ネットワーク管理プログラム)が格納される。以下の説明において、特に断りのない限り、情報処理装置の処理実行の主体はCPU201であり、ソフトウェア上の制御の主体は、ハードディスク(HD)211に格納されたネットワーク管理ソフトウェアである。なお、本実施形態における情報処理装置として機能するコンピュータ装置200において動作するOSは例えば、ウィンドウズ(登録商標)98(マイクロソフト社製)を想定しているが、他のOSの利用を制限するものではない。
【0028】
なおHD211に格納されるネットワーク管理プログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROMなどの記憶媒体に格納された形で供給されても良く、その場合には図3に示すフレキシブルディスクドライブ(FD)212または不図示のCD−ROMドライブなどによって記憶媒体からプログラムが読み取られ、ハードディスク(HD)211にインストールされる。また、ネットワーク管理プログラムは、LAN100や他のネットワークを経由して供給されても良い。
【0029】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置が動作するネットワークにおける、各ソフトウェアコンポーネントの配置図である。本実施形態に係る情報処理装置は分散環境で動作するため、ネットワーク管理ソフトウェアを実装したコンピュータ装置はネットワークデバイス管理装置(サーバ)としても、ネットワークデバイス(クライアント)としても動作しうる。
【0030】
従って、図4においては所謂サーバとして機能する際のソフトウェアコンポーネント(サーバソフトウェアコンポーネント)と、クライアントとして機能する際のソフトウェアコンポーネント(クライアントソフトウェアコンポーネント)とが合わせて記載されている。また、デバイス1(304)及びデバイス2(306)は説明の便宜上図4に記載されているが、実際はプリンタなどのハードウェアである。
【0031】
全てのソフトウェアコンポーネントは301のCSBと呼ばれる論理的なソフトウェアバスに接続されている。302のCSB LMは、CSBに接続している各ソフトウェアコンポーネント間のメッセージ配信機能を提供する。303のVDC1は、304のデバイス1を管理するサーバソフトウェアコンポーネントである。同様に305のVDC2は、306のデバイス2を管理するサーバソフトウェアコンポーネントである。
【0032】
307のVDC Agentは、各VDC303及び305のプロセスが動作しているデバイスのアドレス、各VDCのインタフェースポインタ、各VDCが管理しているデバイスの基本情報(デバイス名、アドレス等)を管理するソフトウェアコンポーネントである。308のデバイス探索FSAは、ネットワーク内のデバイスを探索するソフトウェアコンポーネントである。309のクライアント1、310のクライアント2は、上述の各ソフトウェアコンポーネントを利用するクライアントソフトウェアコンポーネントである。これらのソフトウェアコンポーネントは、ネットワーク上のアクセス可能ないずれの端末に配置することが可能である。
【0033】
例えば、309のクライアント1がデバイス探索を行いたい場合、クライアント1は302のCSB LMに論理的なバスであるCSB301を経由してCSBメッセージを送り、308のデバイス探索FSAのクラスID、及びデバイス探索FSA308が動作している端末のアドレスを取得する。クライアント1(309)は、取得した情報をもとにデバイス探索FSA308のインタフェースポインタを取得する。
【0034】
そして、デバイス探索FSAからデバイス一覧を取得する。デバイス探索FSA308は定期的に自サブネット内のデバイス探索を行っているので、クライアント1(309)はデバイス探索FSA内に保持されているキャッシュ値を参照する。デバイス探索FSAの動作の詳細は後述する。
【0035】
図5は、あるソフトウェアコンポーネント(ノード)の起動から終了に至る間にCSB LMとの間で行われる動作を示したシーケンス図である。
【0036】
ステップS1において、ノード(例えばクライアントソフトウェアコンポーネント309とする)は起動が終了すると、起動終了を示すCSBメッセージをCSB LM302に送信する。CSB LM302のアドレスは例えばマルチキャストを利用して取得することができる。
CSB LM302はCSBメッセージに含まれる情報に基づき、管理しているノードリストに新たに起動されたノードが動作している端末のアドレス及びノードのクラスIDを追加する。ステップS2において、ノード309は必要に応じてアクセスしたい他のノードの情報をCSB LMから取得するため、当該他のノードのクラスID、サービス情報、動作している端末のアドレス(IPアドレス等)及びポート番号等を含めたCSB LookUpメッセージを送信する。ステップS2.1においてCSB LMは、必要とされているノード情報を通知する。ステップS3において、ノードが終了する前にノードが終了したことを示すCSBメッセージをCSB LMに送信する。このメッセージに応答して、CSM LMはノードリストから対応するノードに関する情報を削除する。
【0037】
このように、CSB LMは常に管理対象ノードに関する情報をノードリストに記憶、更新している。
【0038】
次に、図7のシーケンス図を用いて、デバイス探索を行う場合の各ソフトウェアコンポーネントの動作概要を説明する。
ステップS71,ステップS72において、サブネット毎に配置されたデバイス探索FSA1及びFSA2は、定期的にサブネット内のデバイス探索を行い内部キャッシュであるデバイスリストを更新する。
【0039】
一方、ステップS73において、クライアントは、CSB LMに対し、CSB LMが管理している全てのデバイス探索FSA(デバイス探索FSA1及び2とする)のクラスID及び動作している端末のアドレスの取得を依頼する。ステップS73.1において、CSB LMは管理対象のネットワーク中のデバイス探索FSA1、2のクラスID及びこれらが動作している端末のアドレスをクライアントに通知する。
【0040】
ステップS74において、クライアントはプロセス間通信を使用してデバイス探索FSA1のインタフェースポインタを取得する。ステップS75において、クライアントはステップS74で取得したインタフェースポインタを用いてデバイス探索FSA1からデバイスリストを取得する。図7に示すようにデバイス探索FSAがネットワーク上に複数存在する場合、ステップS74,ステップS75をデバイス探索FSA毎に繰り返す。
【0041】
図7の例では、デバイス探索FSAが2つ存在するため、ステップS76において、クライアントは2つ目のデバイス探索FSA2のインタフェースポインタを取得し、ステップS77において、デバイスリストを取得する。その後、クライアントはサブネット毎のデバイスリストの表示を行う。図6は、クライアントにおけるデバイスリスト表示画面の例である。
【0042】
本実施形態において、各デバイス探索FSAは、自サブネットのデバイスのみを定期的に探索し、常にデバイスリストを最新の状態に保つため、クライアントから探索要求があった場合に探索応答待ち時間制限内でサブネット上に存在する全てのデバイスについて応答することが可能である。そして、クライアントは複数の検索FSAから順次デバイスリストを取得することにより、サブネットを超えたデバイスを探索して管理対象とすることができる。また、クライアントとデバイス探索FSAの間は、デバイスリストの情報のみが交換されるので、サーバアプリケーションが存在しているサブネットとデバイスが存在するサブネットの間のネットワークに不要なネットワークトラフィックを発生させない。
【0043】
次に、図8のフローチャートを用いて、クライアントソフトウェアコンポーネントの内部動作について説明する。ステップS1−1において、CSB LMに対し、CSB LMが管理している全てのデバイス探索FSAのノード情報(クラスID、動作している端末のアドレス)を問い合わせる。ステップS1−2において、取得したデバイス探索FSAのノード数をカウンタに設定する。ステップS1−3において、カウンタ値が0のとき、処理を終了する。
【0044】
カウンタ値が0でないとき、ステップS1−4に進みデバイス探索FSAのインタフェースポインタを取得する。ステップS1−5において、デバイス探索FSAから、自サブネット内で探索されたデバイスリストを取得する。ステップS1−6において、デバイスリストを表示する。ステップS1−7において、カウンタ値を1つデクリメントする。
【0045】
図9のフローチャートを用いて、デバイス探索FSAの内部動作について説明する。ステップS2−1において、デバイス探索FSAを起動する。ステップS2−2において、探索実行フラグがOFFのとき、処理を終了する。探索実行フラグがONのとき、ステップS2−3に進み自サブネットのデバイス探索を行う。探索実行フラグは、デバイス探索FSAの起動終了を管理する管理アプリケーションから、デバイス探索をやめてデバイス探索FSAを終了する場合、OFFに設定される。
【0046】
ステップS2−4において、内部キャッシュであるデバイスリストを更新する。ステップS2−5において、初回のデバイス探索の場合、ステップS2−6に進み、デバイス探索FSAの起動が終了し、デバイスリストのキャッシュ値が有効になったことを示すCSBメッセージを送信する。初回のデバイス探索でない場合、ステップS2−7に進み一定期間Waitする。Wait後、ステップS2−3に進み再びデバイス探索を行うことにより、定期的にデバイスリストを更新する。
【0047】
[他の実施形態]
上述の実施形態においては、本発明に係るネットワークデバイス管理装置を分散コンピューティング技術を用いて実現する場合を例にして説明したが、一般的なクライアントサーバ型のネットワーク技術を用いてもよい。その場合、サーバソフトウェアコンポーネントはサーバ装置に、クライアントソフトウェアコンポーネントはクライアント装置でそれぞれ実現される。また、デバイス探索FSAに相当する機能は各サブネットに専用の探索サーバ装置を設けて実現しても、サブネットワーク上の任意のデバイスにその機能を持たせても良い。
【0048】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードそのものおよびプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0049】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0050】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図5、図7〜図9のいずれか1つ以上に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のサブネットと、外部ネットワークを介して当該第一のサブネットと接続された第二のサブネットとを含むネットワークに接続可能な情報処理装置であって、
前記第一のサブネットに存在する外部装置から、前記第一のサブネットに存在するデバイスを探索する当該第一のサブネットに存在する第一の探索サーバのアドレス、及び、前記第二のサブネットに存在するデバイスを探索する当該第二のサブネットに存在する第二の探索サーバのアドレス、を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信されたアドレスを用いて前記第一の探索サーバ及び前記第二の探索サーバにアクセスすることによって、前記第一のサブネットに存在するデバイスを示すデバイスリストを前記第一の探索サーバから取得し、前記第二のサブネットに存在するデバイスを示すデバイスリストを前記第二の探索サーバから取得する、取得手段と、
記取得手段によって取得されたデバイスリストを表示部に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記デバイスリストと当該デバイスリストに対応するサブネットを示す情報とを表示部に表示させることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置が起動した際に、当該起動したことを前記外部装置に通知し、前記情報処理装置の動作が終了する際に、当該終了したことを前記外部装置に通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記サブネット毎に前記デバイスリストを表示させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
第一のサブネットと、外部ネットワークを介して当該第一のサブネットと接続された第二のサブネットとを含むネットワークに接続可能な情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置の受信手段が、前記第一のサブネットに存在する外部装置から、前記第一のサブネットに存在するデバイスを探索する当該第一のサブネットに存在する第一の探索サーバのアドレス、及び、前記第二のサブネットに存在するデバイスを探索する当該第二のサブネットに存在する第二の探索サーバのアドレス、を受信する受信工程と、
前記情報処理装置の取得手段が、前記受信工程において受信されたアドレスを用いて前記第一の探索サーバ及び前記第二の探索サーバにアクセスすることによって、前記第一のサブネットに存在するデバイスを示すデバイスリストを前記第一の探索サーバから取得し、前記第二のサブネットに存在するデバイスを示すデバイスリストを前記第二の探索サーバから取得する、取得工程と、
前記情報処理装置の表示制御手段が、前記取得手段によって取得されたデバイスリストを表示部に表示させる表示制御工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−59294(P2012−59294A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−270603(P2011−270603)
【出願日】平成23年12月9日(2011.12.9)
【分割の表示】特願2001−287553(P2001−287553)の分割
【原出願日】平成13年9月20日(2001.9.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】