説明

情報処理装置及び印刷制御プログラム

【課題】印刷作業の効率を向上させることが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】印刷制御部10、D1は、データファイルS1のドロップ位置P1を検出する検出手段S103と、プリンタ選択情報等を判断領域に対応付けて記憶する記憶部14Rと、ドロップ位置P1が判断領域に含まれるか否かを判断する判断手段S106、S110とを有する。ドロップ位置P1が判断領域に含まれると判断手段S106、S110が判断した場合、記憶部14Rにおいて、判断領域に対応付けて記憶されるプリンタ選択情報等を参照し、プリンタ選択情報により特定されるプリンタ1〜4により、印刷設定情報に基づく印刷設定で、ドロップされたデータファイルS1の印刷を実行するように制御する。判断領域は、表示画面21の外周端縁21Eを含む第1枠領域21A〜21D及び表示ウィンドウ22の外周端縁22Eを含む第2枠領域22A〜22Dである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置及び印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の情報処理装置の例が開示されている。この情報処理装置では、ディスプレイの表示画面に、印刷可能なデータファイルに対応するサムネイルが表示されるとともに、情報処理装置に接続された1台又は複数台のプリンタのそれぞれに対応するプリンタアイコンが表示されるように構成されている。
【0003】
ここで、ユーザが特定のデータファイルを印刷しようとする場合、ポインティングデバイスを操作して、表示画面に表示されているその特定のデータファイルに対応するサムネイルを、印刷に使用したいプリンタに対応するプリンタアイコン上にドラッグする。そうすると、サムネイルがドラッグされたプリンタアイコンに対応するプリンタについて予め設定されている複数の印刷設定が一覧表示される。そして、ユーザがサムネイルを所望の印刷設定の上にドラッグし、ドロップすると、そのプリンタ及びドロップされた位置に表示されている印刷設定を選択することができる。こうして、特許文献1の情報処理装置では、ユーザが特定のデータファイルを印刷する際に、所望するプリンタ及び印刷設定を選択する構成になっている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−241931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の情報処理装置では、複数のプリンタアイコンが表示画面に表示されていたり、複数のデータファイルに対応するサムネイルやフォルダアイコンが表示画面に表示されていると、それらの中から特定のプリンタアイコンを識別することが難しくなる。その結果、所望のプリンタや印刷設定を素早く見つけることができず、印刷作業の効率が悪くなる事態が生じ得る。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、印刷作業の効率を向上させることが可能な情報処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、表示画面及び/又は前記表示画面に重ねて表示される表示ウィンドウに、印刷可能なデータファイルを含む各種データを表示可能なディスプレイと、
接続されているプリンタの中から印刷に使用する前記プリンタを特定し、その特定された前記プリンタにより、前記データファイルに対応する印刷データの印刷を実行するように制御する印刷制御部とを備え、
前記印刷制御部は、
前記表示画面及び/又は前記表示ウィンドウに表示された前記データファイルがドラッグされ、ドロップされた前記表示画面上の位置であるドロップ位置を検出する検出手段と、
プリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を前記表示画面内及び/又は前記表示ウィンドウ内に設定される判断領域に対応付けて記憶している記憶部と、
前記ドロップ位置が前記判断領域に含まれるか否かを判断する判断手段と、を有し、
前記ドロップ位置が前記判断領域に含まれると前記判断手段が判断した場合、前記記憶部において、前記判断領域に対応付けて記憶されている前記プリンタ選択情報及び/又は前記印刷設定情報を参照し、前記プリンタ選択情報により特定される前記プリンタにより、前記印刷設定情報に基づく印刷設定で、ドロップされた前記データファイルの印刷を実行するように制御するものであり、
前記判断領域は、前記表示画面の外周端縁を含み、前記表示画面の中央に向けて所定の幅で設定される第1枠領域と、前記表示ウィンドウの外周端縁を含み、前記表示ウィンドウの中央に向けて所定の幅で設定される第2枠領域との少なくとも一つであることを特徴とする(請求項1)。
【0008】
このような構成である本発明の情報処理装置では、ユーザがデータファイルを印刷しようとする場合、マウス等のポインティングデバイスを操作して、判断領域である表示画面の第1枠領域又は表示ウィンドウの第2枠領域に、そのデータファイルをドラッグ・ドロップする。そうすると、データファイルのドロップ位置を検出手段が検出し、ドロップ位置が第1枠領域又は第2枠領域に含まれるか否かを判断手段が判断する。含まれると判断された場合、印刷制御部は、記憶部において、第1枠領域又は第2枠領域に対応付けて記憶されているプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を参照する。そして、印刷制御部は、ドロップ位置に対応するプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報に基づき、プリンタ及びそのプリンタに設定されている印刷設定情報を特定し、その特定されたプリンタ及び印刷設定情報により、ドロップされたデータファイルの印刷を実行するように制御する。
【0009】
これにより、本発明の情報処理装置によれば、ユーザが特定のデータファイルの印刷する際に、所望するプリンタ及び印刷設定を素早く選択でき、印刷作業の効率を向上させることができる。
【0010】
なお、情報処理装置に1台のプリンタが接続され、記憶部において、第1枠領域及び/又は第2枠領域にその1台のプリンタに対して設定された複数パターンの印刷設定情報が対応付けられていてもよい。また、情報処理装置に複数台のプリンタが接続され、記憶部において、第1枠領域及び/又は第2枠領域に、各プリンタに対応するプリンタ選択情報が対応付けられていてもよい。
【0011】
また、プリンタは、情報処理装置に対して、ネットワーク接続、LAN接続、プリンタケーブル接続その他の一般的な接続方法により接続され得る。第1枠領域及び第2枠領域は、ユーザが視認できなくてもよいし、視認できてもよい。
【0012】
さらに、検出手段は、ドロップ位置として、ポインティングデバイスの操作に対応して表示画面上の位置が変化するカーソル(マウスポインタ)の先端の位置を検出してもよいし、表示画面上をユーザの操作により移動するデータファイル(アイコン)の中心位置をを検出してもよいし、データファイル(アイコン)の輪郭全体を検出してもよい。
【0013】
本発明の情報処理装置において、第1枠領域及び/又は第2枠領域は、複数個の分割領域に分割されており、記憶部は、各分割領域に対して、特定のプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を対応付けて記憶することが望ましい(請求項2)。
【0014】
この構成によれば、記憶部は、より多くのパターンのプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を第1、2枠領域に対応付けて記憶できる。このため、データファイルを印刷する際に、ユーザの選択肢を増やすことができ、印刷作業の効率をより向上させることができる。
【0015】
本発明の情報処理装置において、第1枠領域及び/又は第2枠領域は、表示画面及び/又は表示ウィンドウの上下左右に4分割されていることが望ましい(請求項3)。
【0016】
この構成によれば、記憶部は、第1、2枠領域のそれぞれに含まれる4個の分割領域に対して、4パターンのプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を対応付けて記憶できる。また、上下左右に分割することで、通常、矩形状である表示画面及び表示ウィンドウに対する各分割領域の位置をユーザが把握しやすい構成とすることができる。
【0017】
本発明の情報処理装置において、印刷制御部は、第1枠領域及び/又は第2枠領域の幅について、ユーザの入力操作に基づいて設定を行う第1設定手段を有することが望ましい(請求項4)。
【0018】
この構成によれば、第1、2枠領域の幅をユーザのニーズに応じて、拡げることもできるし、狭めることもできる。このため、第1枠領域又は第2枠領域にデータファイルをドラッグ・ドロップする際のポインティングデバイスの操作性を向上させることができる。また、ユーザの表示画面の使用形態に合わせて第1、2枠領域の幅を設定できるため、ユーザにとって使い勝手の良いものとなる。
【0019】
本発明の情報処理装置において、印刷制御部は、プリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報により、使用するプリンタ及び/又は印刷設定が特定された場合に、その特定された内容に基づいて、直ちに印刷データの印刷を実行して良いか否かについて、ユーザの入力操作に基づいて設定を行う第2設定手段を有することが望ましい(請求項5)。
【0020】
この構成によれば、印刷を目的としたデータファイルのドラッグ・ドロップ操作後に直ちに印刷実行してもよいか否かをユーザが選択でき、ユーザのニーズに対応できる。
【0021】
本発明の情報処理装置において、印刷制御部は、第2設定手段の設定が直ちに印刷データの印刷を実行しない設定である場合、使用するプリンタ及び/又は印刷設定が特定された後に、プリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報に関するユーザインターフェース画面を表示画面に表示するか、又は印刷実行確認ダイアログを表示画面に表示するかについて、ユーザの入力操作に基づいて設定を行う第3設定手段を有することが望ましい(請求項6)。
【0022】
この構成によれば、印刷を目的としたデータファイルのドラッグ・ドロップ操作後に、プリンタ選択や印刷設定に関するユーザインターフェース画面を表示させるか、又は印刷実行確認ダイアログを表示させるかをユーザが選択でき、ユーザのニーズに一層対応できる。
【0023】
本発明の情報処理装置において、印刷制御部は、第1枠領域及び/又は第2枠領域に対応付けられたプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報をユーザが視認可能に表示する記憶部設定内容表示手段を有することが望ましい(請求項7)。
【0024】
この構成によれば、第1、2枠領域に対応付けられたプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報をユーザが容易に確認でき、印刷作業の効率をより一層向上させることができる。
【0025】
本発明の印刷制御プログラムは、表示画面及び/又は前記表示画面に重ねて表示される表示ウィンドウに、印刷可能なデータファイルを含む各種データを表示可能なディスプレイと、
接続されているプリンタに対して、前記データファイルに対応する印刷データを送信する送信部と、を備える情報処理装置に搭載される印刷制御プログラムであって、
前記表示画面及び/又は前記表示ウィンドウに表示された前記データファイルがドラッグされ、ドロップされた前記表示画面上の位置であるドロップ位置を検出する検出機能と、
前記ドロップ位置が前記表示画面内及び/又は前記表示ウィンドウ内に設定される判断領域に含まれるか否かを判断する判断機能と、
前記ドロップ位置が前記判断領域に含まれると前記判断機能が判断した場合、プリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を前記判断領域に対応付けて記憶している記憶部において、前記判断領域に対応付けて記憶されている前記プリンタ選択情報及び/又は前記印刷設定情報を参照し、ドロップされた前記データファイルの印刷を前記プリンタ選択情報により特定されるプリンタで、前記印刷設定情報に基づく印刷設定で実行する印刷実行機能と、を実現させ、
前記判断領域を、前記表示画面の外周端縁を含み、前記表示画面の中央に向けて所定の幅で設定される第1枠領域と、前記表示ウィンドウの外周端縁を含み、前記表示ウィンドウの中央に向けて所定の幅で設定される第2枠領域との少なくとも一つにすることを特徴とする(請求項8)。
【0026】
このような構成である本発明の印刷制御プログラムは、情報処理装置に搭載されることにより、情報処理装置に上述の作用効果を奏させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0028】
(実施例)
図1に示すように、本実施例の情報処理装置の具体的態様であるパーソナルコンピュータ(以下、単に「PC」と呼ぶ。)100は、情報処理部10と、HDD(Hard Disk Drive)14と、ディスプレイ15と、入力部16と、PC100をネットワーク5に接続するためのLANアダプタ等のNIC(Network Interface Card)17と、CD−ROMに記憶されたデータを読み出すCD−ROMドライブ18とを備え、これらの各構成要素が内部バス19を介して相互に通信可能に接続されて構成されている。なお、本発明の情報処理装置に相当する装置としては、このようなPC100に限らず、例えば、PDA(Personal Digital Assistance)端末などの情報端末装置であってもよい。
【0029】
PC100は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク5を介して接続された周辺デバイスとしてのプリンタ1、2、3、4等とともにネットワークシステムを構成している。各プリンタ1〜4は、PC100から送信されたグラフィックデータやテキストデータに基づいて、画像や文書を記録用紙に印刷するいわゆるプリンタ機能を有する。
【0030】
PC100に接続されるプリンタの台数は1台又は複数台であり得るが、本実施例では、4台のプリンタ1〜4がPC100に接続されているものとして、以下の説明を行う。なお、PC100と各プリンタ1〜4とは、ネットワーク5を介さずにシリアルケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどで直接接続されていても良い。
【0031】
PC100において、情報処理部10は、PC100の各構成要素を統括的に制御するものであり、周知のCPU11、ROM12及びRAM13等を備える。なお、情報処理部10を構成するCPU11、ROM12及びRAM13等の各モジュールが基板上に配置されたものを、一般にマザーボードと称する。
【0032】
PC100には、オペレーティングシステム(Operating System。以下、単に「OS」と呼ぶ。)がインストールされており、このOSの環境下で後述するアプリケーションソフトウェア等の各種ソフトウェアが作動する。なお、本実施例では、PC100にWindows(登録商標)系のOSがインストールされているものとして、以下の説明を行う。もちろん、他のOSがインストールされた情報処理装置にも本発明は適用され得る。
【0033】
ディスプレイ15は、LCD(Liquid Cristal Display)等の表示デバイスであり、図示しないビデオボード又はグラフィックボードを介して情報処理部10に接続されている。図2に示すように、ディスプレイ15は、矩形状の表示画面21を有している。表示画面21には、後述するデータファイルや、情報処理部10において実行される各種の情報処理の結果等が適宜表示される。
【0034】
図1に示すように、入力部16は、キーボードや、マウス等のポインティングデバイス16Aにより構成される入力デバイスである。入力部16は、図示しないUSB端子やPS/2端子を介して情報処理部10に接続されており、ユーザが操作することで、情報処理部10に対して各種の情報を入力できる。
【0035】
HDD14は、高容量ディスクと読取装置とが一体化して構成されたものである。このHDD14には、システムフォルダ14S、プログラムフォルダ14P及びレジストリ14R等が設けられている。システムフォルダ14Sには、OSの動作に必要な各種システムファイルや、デバイスドライバの一種であるプリンタドライバ(例えば、プリンタドライバD1)等が格納されている。プログラムフォルダ14Pには、各種のアプリケーションソフトウェア(例えば、アプリケーションA1、A2)のプログラムが格納されている。レジストリ14Rには、システムフォルダ14Sやプログラムフォルダ14Pに格納されたデータファイルとデバイスとの対応関係(例えば、データファイルの参照先アドレス)等からなるデバイス情報が登録されている。
【0036】
HDD14には、階層的に構築されたフォルダ群が設けられている。フォルダ群を構成する各フォルダには固有のアドレスが割り振られており、その中に各種のデータファイルが格納される。図2に示すように、表示画面21には、ユーザの操作により、特定のフォルダに対応するフォルダアイコン(例えば、フォルダアイコンF1、F2)を表示させることができる。そして、例えば、ユーザがポインティングデバイス16Aを操作して、フォルダアイコンF1をダブル・クリックすれば、フォルダアイコンF1に対応する表示ウィンドウ22が表示画面21に重ねて表示される。この際、表示ウィンドウ22には、フォルダアイコンF1に対応するフォルダ内に格納された各種のデータファイルがサムネイル(縮小画像)として表示される(例えば、データファイルS1〜S4)。このような表示ウィンドウ22の機能は、OSのユーティリティの一つである周知のファイルマネージャー(以下、単に「ファイラー」と呼ぶ。)によって実現される。
【0037】
図1に示すように、アプリケーションA1、A2は、OSの環境下で作動して、上述の情報処理部10、HDD14、ディスプレイ15、入力部16等を連携させることにより、文書の作成、数値計算など、ある特定の情報処理を行うソフトウェアである。本実施例では、アプリケーションA1、A2により行われる情報処理の結果として、印刷可能なデータファイルS1〜S4がフォルダアイコンF1に対応するフォルダ内に格納され、表示ウィンドウ22にサムネイルとして表示されているものとする。
【0038】
図2に示すように、表示画面21には、矢印形状のマウスポインタ9が重ねて表示される。ユーザがポインティングデバイス16Aを操作することにより、表示画面21及び表示ウィンドウ22上の任意の位置に、マウスポインタ9を自在に移動させることができる。そして、ポインティングデバイス16Aにより周知のドラッグ・ドロップ操作を行えば、データファイルS1〜S4やフォルダアイコンF1、F2等を表示画面21及び表示ウィンドウ22上の任意の位置に移動させることができる。
【0039】
プリンタドライバD1は、プリンタ1〜4に印刷を実行させるソフトウェアである。通常、ユーザが任意のデータファイルS1〜S4について印刷を実行する場合、サムネイル表示されたデータファイルS1〜S4を右クリックしたり、データファイルS1〜S4に対応するアプリケーションA1、A2を起動し、データファイルS1〜S4を呼び出すことにより、データファイルS1〜S4の印刷指令を行う。そうすると、プリンタドライバD1は、プリンタ選択情報及び印刷設定情報に関する周知の印刷設定ユーザインターフェース画面(図示しない。)を表示画面21に表示する。そして、ユーザからの入力操作を受け付けてプリンタ選択情報及び印刷設定情報を設定する。
【0040】
ここで、プリンタ選択情報とは、PC100に接続されたプリンタ1〜4の中で、印刷を実行させる1台を特定する情報である。印刷設定情報とは、複数の設定項目と、各設定項目についてそれぞれ選択されるパラメータからなる情報のことである。設定項目及びそれに対応するパラメータの具体例としては、設定項目としての「用紙サイズ」と、パラメータとしての「A4、B4、A3、等」、設定項目としての「用紙種類」と、パラメータとしての「普通紙、光沢紙、等」、設定項目としての「解像度」と、パラメータとしての「1200dpi、800dpi、等」が挙げられる。
【0041】
プリンタドライバD1は、この印刷設定情報に基づいて、情報処理部10にデータファイルS1〜S4に基づく印刷データを生成させる。そして、プリンタドライバD1は、プリンタ選択情報により特定されるプリンタ(プリンタ1〜4のいずれか1台)に対して、その印刷データをNIC17を介して送信して、印刷を実行させる。
【0042】
なお、プリンタドライバD1側では印刷データを生成せず、プリンタ選択情報により特定されるプリンタ(プリンタ1〜4のいずれか1台)に対して、印刷データの元となるデータをNIC17を介して送信し、その送信されたプリンタ側で印刷データを作成させて、印刷を実行させるようにしてもよい。
【0043】
アプリケーションA1、A2及びプリンタドライバD1のインストールは、例えば、CD−ROMドライブ18により、アプリケーションA1、A2及びプリンタドライバD1のプログラムが記録されたCD−ROMからデータを読み出して、情報処理部10により各種の設定を行った上で、HDD14に記録することにより実施される。
【0044】
このように機能するPC100において、プリンタドライバD1は、図3及び図4に示す「ドラッグ・ドロップ操作に対応する印刷処理」ルーチンを情報処理部10に実行させるプログラムを備えている。また、情報処理部10及びプリンタドライバD1は、図5に示す「表示画面及び表示ウィンドウの各辺に対するプリンタ選択情報、印刷情報の割り当て」ユーザインターフェース画面(以下、単に「「割り当て」ユーザインターフェース画面」と呼ぶ。)90を表示画面21に表示させる。この「割り当て」ユーザインターフェース画面90を介して、情報処理部10及びプリンタドライバD1は、図6に示すように、表示画面21に判断領域としての第1枠領域21Fを設定し、表示ウィンドウ22に判断領域としての第2枠領域22Fを設定するように構成されている。なお、判断領域については、後に詳述する。そして、本実施例の情報処理部10及びプリンタドライバD1によれば、以下に詳述する通り、ユーザが表示画面21又は表示ウィンドウ22に表示された印刷可能なデータファイルS1〜S4を表示画面21又は表示ウィンドウ22の第1、2枠領域21F、22Fにドラッグし、ドロップするだけで、特定のプリンタ(プリンタ1〜4のいずれか1台)により、所望の印刷設定で任意のデータファイルの印刷を実行することができる。
【0045】
まず、判断領域である第1、2枠領域21F、22Fについて、図6を参照して説明する。表示画面21は、外周端縁21Eにより囲まれている。外周端縁21Eは、左上角の第1点P11と、右上角の第2点P12と、左下角の第3点P13と、右下角の第4点P14の4点により区画された矩形をなしている。表示画面21の画面解像度の設定(横のピクセル数W1×縦のピクセル数H1)に基づいて、第1〜4点P11〜P14の座標を、第1点P11(0、0)、第2点P12(W1、0)、第3点P13(0、H1)、第4点P14(W1、H1)とする。なお、実際には、表示画面21の画面解像度は、「1024×768ピクセル」、「1900×1200ピクセル」等として設定される。画面解像度が変更されれば、第1〜4点P11〜P14の座標も変更される。
【0046】
判断領域である第1枠領域21Fは、表示画面21の外周端縁21Eを含み、表示画面21の中央に向けて所定の幅Tで設定される矩形の枠領域である。また、第1枠領域21Fは、4つの分割領域21A、21B、21C、21Dに分割されている。分割領域21Aは、第1枠領域21Fの上辺に位置しており、第1点P11(0、0)、第2点P12(W1、0)、第5点P15(T、T)及び第6点P16(W1−T、T)の4点により区画された台形をなしている。分割領域21Bは、第1枠領域21Fの左辺に位置しており、第1点P11(0、0)、第3点P13(0、H1)、第5点P15(T、T)及び第7点P17(T、H1−T)の4点により区画された台形をなしている。分割領域21Cは、第1枠領域21Fの右辺に位置しており、第2点P12(W1、0)、第4点P14(W1、H1)、第6点P16(W1−T、T)及び第8点P18(W1−T、H1−T)の4点により区画された台形をなしている。分割領域21Dは、第1枠領域21Fの下辺に位置しており、第3点P13(0、H1)、第4点P14(W1、H1)、第7点P17(T、H1−T)及び第8点P18(W1−T、H1−T)の4点により区画された台形をなしている。
【0047】
一方、表示ウィンドウ22は、外周端縁22Eにより囲まれている。外周端縁22Eは、左上角の第1点P21と、右上角の第2点P22と、左下角の第3点P23と、右下角の第4点P24の4点により区画された矩形をなしている。表示画面21の画面解像度の設定(横のピクセル数W1×縦のピクセル数H1)並びに表示ウィンドウ22の位置(M、N)及び大きさ(W2×H2)に基づいて、第1〜4点P21〜P24の座標を、第1点P21(M、N)、第2点P22(M+W2、N)、第3点P23(M、N+H2)、第4点P24(M+W2、N+H2)とする。なお、表示ウィンドウ22の位置(M、N)及び大きさ(W2×H2)は、ファイラーの自動調整やユーザの操作により適宜変更される。
【0048】
第1枠領域21Fと同様に、判断領域である第2枠領域22Fは、表示ウィンドウ22の外周端縁22Eを含み、表示ウィンドウ22の中央に向けて所定の幅Tで設定される矩形の枠領域である。また、第2枠領域22Fは、4つの分割領域22A、22B、22C、22Dに分割されている。分割領域22Aは、第2枠領域22Fの上辺に位置しており、第1点P21(M、N)、第2点P22(M+W2、N)、第5点P25(M+T、N+T)及び第6点P26(M+W2−T、N+T)の4点により区画された台形をなしている。分割領域22Bは、第2枠領域22Fの左辺に位置しており、第1点P21(M、N)、第3点P23(M、N+H2)、第5点P25(M+T、N+T)及び第7点P27(M+T、N+H2−T)の4点により区画された台形をなしている。分割領域22Cは、第2枠領域22Fの右辺に位置しており、第2点P22(M+W2、N)、第4点P24(M+W2、N+H2)、第6点P26(M+W2−T、N+T)及び第8点P28(M+W2−T、N+H2−T)の4点により区画された台形をなしている。分割領域22Dは、第2枠領域22Fの下辺に位置しており、第3点P23(M、N+H2)、第4点P24(M+W2、N+H2)、第7点P27(M+T、N+H2−T)及び第8点P28(M+W2−T、N+H2−T)の4点により区画された台形をなしている。
【0049】
このような第1、2枠領域21F、22Fの座標情報は、レジストリ14Rに常時記憶される。なお、上記の第1、2枠領域21F、22Fの分割方法は一例であり、分割数を増やしたり、分割の境界を任意に変更することもできる。また、座標情報の記憶先としては、レジストリ14Rに限らず、Iniファイル等の設定ファイルとして記憶するようにしてもよい。
【0050】
次に、図5に示す「割り当て」ユーザインターフェース画面90について説明する。ユーザは、「割り当て」ユーザインターフェース画面90に対して入力操作をすることにより、表示画面21又は表示ウィンドウ22の各辺(上辺、左辺、右辺、下辺)のそれぞれに対して、プリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を対応付けることができる。この対応関係は、随時レジストリ14Rに記憶される。
【0051】
具体的には、「割り当て」ユーザインターフェース画面90の上段の「ドロップする場所」表示欄90Aにおいて、表示画面21又は表示ウィンドウ22の各辺のいずれかをユーザが指定することにより、特定の分割領域21A〜21D、22A〜22Dを選択できる。例えば、「表示画面の上辺」を指定すれば、分割領域21Aが指定され、図7に示す「表示画面の上辺にドロップした場合の設定」画面91が表示画面21に表示される。そして、画面91中の「選択するプリンタ」欄91Aや「印刷設定」欄91Bにユーザが所望する設定内容を入力することにより、分割領域21Aに、任意のプリンタ選択情報(「選択するプリンタ」欄91Aから取得)及び/又は印刷設定情報(「印刷設定」欄91Bから取得)を対応付けて、レジストリ14Rに記憶させることができる。また、「印刷実行時のダイアログ表示」欄91Cにおいて、「表示しないで直ちに印刷実行」、「印刷事項確認ダイアログを表示」及び「印刷設定ユーザインターフェース画面を表示」のいずれか1つをユーザが指定することができる。これにより、表示画面21の上辺に印刷したいデータファイルをドロップした場合に、プリンタドライバD1が行う動作態様を予め指定しておくことができる。
【0052】
なお、図示や説明は省略するが、「ドロップする場所」表示欄90Aにおいて、分割領域21A以外の分割領域21B〜21D、22A〜22Dを指定する場合も、「表示画面の上辺にドロップした場合の設定」画面91と同様の画面が表示され、それぞれの分割領域に対して同様の設定を行うことができる。
【0053】
また、「割り当て」ユーザインターフェース画面90の中段の「現在の設定」表示欄90B、90Cには、現在、表示画面21又は表示ウィンドウ22の各辺に対応付けられているプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報が表示される。本実施例では、プリンタ1がディスプレイ15に対して前方に配置され、プリンタ2がディスプレイ15に対して左方に配置され、プリンタ3がディスプレイ15に対して右方に配置され、プリンタ4がディスプレイ15に対して後方に配置されているものとする。そして、図5の表示欄90B、90Cに図示された例では、現在の設定として、表示画面21及び表示ウィンドウ22の上辺にプリンタ1が対応付けられ、表示画面21及び表示ウィンドウ22の左辺にプリンタ2が対応付けられ、表示画面21及び表示ウィンドウ22の右辺にプリンタ3が対応付けられ、表示画面21及び表示ウィンドウ22の下辺にプリンタ4が対応付けられている。すなわち、ディスプレイ15に向かって着座するユーザと各プリンタ1〜4との相対位置関係に合わせて、表示画面21及び表示ウィンドウ22の各辺に各プリンタ1〜4が対応付けられている。なお、図5の表示欄90B、90Cに図示された対応付けは一例であり、例えば、1台のプリンタ1に対する4パターンの印刷設定情報を表示画面21及び表示ウィンドウ22の各辺(各分割領域)に対応付けることもできる。
【0054】
次に、「割り当て」ユーザインターフェース画面90の下段の「ドロップ操作により印刷実行するファイラ」表示欄90Dには、現在選択されているファイラが表示される。そして、そして、表示欄90Dの右目の「詳細設定」ボタンをクリックすれば、図8に示す「ドラッグ・ドロップ操作により印刷実行するファイラの指定」画面92が表示画面21に表示される。ユーザは、この画面92において、ドラッグ・ドロップ操作により印刷実行するファイラとして、OSのデフォルトファイラを指定することもできるし、所望のファイラを指定することもできる。また、複数のファイラをリストに登録したり、リストから削除することもできる。
【0055】
また、「割り当て」ユーザインターフェース画面90の最下段の「ファイルのドロップ操作により印刷実行を受け付けるエリアの幅」表示欄90Eには、第1、2枠領域21F、22Fの幅Tが表示される。そして、表示欄90E内にユーザが希望する数値を入力することにより、第1、2枠領域21F、22Fの幅Tをユーザの希望通りに設定できる。本実施例では、説明を簡略化するため、第1、2枠領域21F、22Fが同じ幅Tに設定されるものとしているが、第1、2枠領域21F、22Fのそれぞれについて、個別に幅を設定するようにしてもよい。さらには、第1、2枠領域21F、22Fの上辺、下辺、左辺、及び右辺の幅Tを個別に設定するようにしてもよい。
【0056】
次に、図3及び図4に示す「ドラッグ・ドロップ操作に対応する印刷処理」ルーチンのフローチャート(ステップS101〜S120)について、各ステップ毎に説明する。
【0057】
情報処理部10を構成するCPUは、OSの環境下において「ドラッグ・ドロップ操作に対応する印刷処理」の各ステップを実行する。ステップS101では、表示画面21又は表示ウィンドウ22に表示されたデータファイル(例えば、データファイルS1〜S4)がポインティングデバイス16Aによりドラックされ、ドロップされたかを常時監視している。そして、例えば、データファイルがドラックされ、ドロップされたことを検知すると、ステップS102に移行する。
【0058】
ステップS102では、ドロップされたデータファイルが印刷可能なデータファイルか否かを判断する。ステップS102において「No」の場合、図4に示す「終了」に移行して、この処理を終了する。そして、新たに上記処理を開始し、ステップS101において、次のドラッグ・ドロップ操作を監視する状態となる。
【0059】
他方、ステップS102において「Yes」の場合、ステップS103に移行する。例えば、図6に示すように、ユーザがポインティングデバイス16Aを操作して、印刷可能なデータファイルS1にマウスポインタ9の先端を重ねてドラックし、ドロップすると、ステップS102からステップS103に移行する。
【0060】
ステップS103では、図6に示す表示画面21の外周端縁21Eの座標情報として、第1〜4点P11〜P14の座標をレジストリ14Rから取得する。
【0061】
次に、ステップS104に移行して、データファイルがドラッグされ、ドロップされた表示画面21上の位置であるドロップ位置P1(X、Y)を検出する。本実施例では、図6に示すように、ドロップ位置P1(X、Y)として、ドロップされたデータファイル(例えば、データファイルS1)に重ねられたマウスポインタ9の先端位置の座標を検出する。ドロップ位置P1(X、Y)は、第1〜4点P11〜P14に囲まれた範囲内で変化し得る。
【0062】
次に、ステップS105に移行して、第1枠領域21Fの幅の指定値T及び表示画面21の外周端縁21Eの座標情報から、第1枠領域21Fの座標情報として、分割領域21A、21B、21C、21Dを第1〜4点P11〜P14とともに区画する第5〜8点P15〜P18の座標を算出する。すなわち、分割領域21A、21B、21C、21Dをそれぞれ特定するための座標として、第5〜8点P15〜P18の座標を求める。なお、幅の指定値Tが確定した時点で、予め各座標を算出し、レジストリ14Rに記憶しておき、必要時に読み出して使用するように構成してもよい。
【0063】
次に、ステップS106に移行して、ドロップ位置P1の座標情報と分割領域21A、21B、21C、21Dの座標情報とを比較する。そして、ドロップ位置P1が分割領域21A、21B、21C、21Dのいずれか1つに含まれるか否かを判断する。
【0064】
ステップS106において「Yes」の場合、図4に示すステップS112に移行する。例えば、図6に示すように、データファイルS1のドロップ位置P1が分割領域21Aに含まれる場合は、ステップS112に移行する。他方、ステップS106において「No」の場合、ステップS107に移行する。
【0065】
ステップS107では、ドラッグ・ドロップ操作で印刷を行う設定がなされた表示ウィンドウが表示画面21に重ねて表示されているか否かを判断する。
【0066】
ステップS107において「No」の場合、図4に示す「終了」に移行して、この処理を終了する。そして、新たに上記処理を開始し、ステップS101において、次のドラッグ・ドロップ操作を監視する状態となる。他方、ステップS107において「Yes」の場合、ステップS108に移行する。本実施例では、表示画面21に重ねて表示された表示ウィンドウ22がドラッグ・ドロップ操作で印刷を行う設定がなされたものとして、以下の説明を行う。
【0067】
ステップS108では、図6に示す表示ウィンドウ22の外周端縁22Eの座標情報として、第1〜4点P21〜P24の座標をレジストリ14Rから取得する。
【0068】
次に、ステップS109に移行して、第2枠領域22Fの幅の指定値T及び表示ウィンドウ22の外周端縁22Eの座標情報から、第2枠領域22Fの座標情報として、分割領域22A、22B、22C、22Dを第1〜4点P21〜P24とともに区画する第5〜8点P25〜P28の座標を算出する。すなわち、分割領域22A、22B、22C、22Dをそれぞれ特定するための座標として、第5〜8点P25〜P28の座標を求める。
【0069】
次に、ステップS110に移行して、ドロップ位置P1の座標情報と分割領域22A、22B、22C、22Dの座標情報とを比較する。そして、ドロップ位置P1が分割領域22A、22B、22C、22Dのいずれか1つに含まれるか否かを判断する。
【0070】
ステップS110において「Yes」の場合、図4に示すステップS112に移行する。他方、ステップS110において「No」の場合、ステップS111に移行する。
【0071】
ステップS111では、表示画面21に表示されている全ての表示ウィンドウについて、ステップS108〜S110を実施したか否かを判断する。
【0072】
ステップS111において「No」の場合、ステップS108に戻って、残りの表示ウィンドウについて、ステップS108〜S110を繰り返す。他方、ステップS111において「Yes」の場合、図4に示す「終了」に移行して、この処理を終了する。そして、新たに上記処理を開始し、ステップS101において、次のドラッグ・ドロップ操作を監視する状態となる。
【0073】
ステップS106又はステップS110から図4に示すステップS112に移行すると、ドロップ位置P1が含まれる分割領域21A〜21D、22A〜22Dのいずれか1つに対応付けられたプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報をレジストリ14Rから読み出す。例えば、図6に示すように、データファイルS1のドロップ位置P1が分割領域21Aに含まれる場合、図7に示す「表示画面の上辺にドロップした場合の設定」画面91において分割領域21Aに対応付けられた「プリンタ1」というプリンタ選択情報と、「用紙サイズ:A4」、「用紙種類:光沢紙」等の印刷設定情報とを読み出すこととなる。
【0074】
次に、ステップS113に移行して、図7に示す「印刷実行時のダイアログ表示」欄91Cに対するユーザの入力操作により、直ちに印刷を実施する設定になっているか否かを判断する。
【0075】
ステップS113において「No」の場合、ステップS114に移行して、図7に示す「印刷実行時のダイアログ表示」欄91Cに対するユーザの入力操作により、印刷実行確認ダイアログを表示する設定になっているか否かを判断する。
【0076】
ステップS114において「Yes」の場合、ステップS117に移行して、図9に示す印刷実行確認ダイアログ99を表示画面21に表示する。印刷実行確認ダイアログ99には、「プリンタ選択情報により特定されたプリンタにより印刷を続行してもよいか」を確認するメッセージと、印刷実行を意味する「OK」ボタン99Aと、印刷中止を意味する「キャンセル」ボタン99Bとが表示される。ユーザは、入力部16を操作して、「OK」ボタン99A又は「キャンセル」ボタン99Bを選択することにより、印刷実行の可否を決定できる。
【0077】
次に、ステップS118に移行して、ユーザが印刷実行を選択したか否かを判断する。ステップS118において「No」の場合、「終了」に移行して、この処理を終了する。そして、新たに上記処理を開始し、ステップS101において、次のドラッグ・ドロップ操作を監視する状態となる。他方、ステップS118において「Yes」の場合、S119に移行する。
【0078】
一方、ステップS114において「No」の場合、図7に示す「印刷実行時のダイアログ表示」欄91Cに対するユーザの入力操作により、印刷設定ユーザインターフェース画面を表示する設定になっていることを意味するので、ステップS115に移行して、周知の印刷設定ユーザインターフェース画面(図示しない。)を表示画面21に表示する。
【0079】
次に、ステップS116に移行して、印刷設定ユーザインターフェース画面に対して、ユーザが入力部16を操作して、なんらかの設定変更を行えば、その変更をプリンタ選択情報及び印刷設定情報に反映させる。その後、ステップS119に移行する。
【0080】
ステップS113、ステップS116又はステップS118からステップS119に移行すると、指定された印刷設定情報に基づいて、データファイルの印刷を実行するための印刷データを作成する。なお、アプリケーション等で作成されたデータファイルを印刷用の印刷データに変換する処理は周知の技術であるため、詳細な説明は省略する。そして、ステップS120に移行して、プリンタ選択情報により特定されたプリンタに対して、作成した印刷データをNIC17を介して送信する。その結果、印刷データを受信したプリンタにより、ユーザがドラッグ・ドロップ操作したデータファイルの印刷が実行されることとなる。その後、「終了」に移行して、この処理を終了する。そして、新たに上記処理を開始し、ステップS101において、次のドラッグ・ドロップ操作を監視する状態となる。なお、データファイルのデータを印刷データへ変換する処理は、プリンタ1〜4側で行なってもよい。その場合は、PC100からプリンタ1〜4に対して、データファイル、及び印刷設定情報に含まれる各種設定をNIC17を介して送信する。
【0081】
<発明特定事項との対応関係>
情報処理部10及びプリンタドライバD1が、接続されているプリンタ1〜4の中から印刷に使用するプリンタを特定し、その特定されたプリンタにより、データファイルS1〜S4に対応する印刷データの印刷を実行するように制御する印刷制御部に相当する。
【0082】
ステップS103が、表示画面21及び/又は表示ウィンドウ22に表示されたデータファイルがドラッグされ、ドロップされた表示画面21上の位置であるドロップ位置P1(X、Y)を検出する検出手段に相当する。
【0083】
レジストリ14Rが、プリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を表示画面21内及び/又は表示ウィンドウ22内に設定される判断領域としての第1、2枠領域21F、22Fに対応付けて記憶している記憶部に相当する。
【0084】
ステップS106、S110が、ドロップ位置P1が判断領域に含まれるか否かを判断する判断手段に相当する。
【0085】
「ファイルのドロップ操作により印刷実行を受け付けるエリアの幅」表示欄90Eが、第1、2枠領域21F、22Fの幅Tについて、ユーザの入力操作に基づいて設定を行う第1設定手段に相当する。
【0086】
「印刷実行時のダイアログ表示」欄91Cが、プリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報により、使用するプリンタ及び/又は印刷設定が特定された場合に、その特定された内容に基づいて、直ちに前記印刷データの印刷を実行して良いか否かについて、ユーザの入力操作に基づいて設定を行う第2設定手段に相当する。また、「印刷実行時のダイアログ表示」欄91Cが、第2設定手段の設定が直ちに印刷データの印刷を実行しない設定である場合、使用するプリンタ及び/又は印刷設定が特定された後に、プリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報に関するユーザインターフェース画面を表示画面21に表示するか、又は印刷実行確認ダイアログ99を表示画面21に表示するかについて、ユーザの入力操作に基づいて設定を行う第3設定手段に相当する。
【0087】
「現在の設定」表示欄90B、90Cが、第1、2枠領域21F、22Fに対応付けられたプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報をユーザが視認可能に表示する記憶部設定内容表示手段に相当する。
【0088】
情報処理部10及びNIC17が、接続されているプリンタ1〜4に対して、データファイルS1〜S4に対応する印刷データを送信する送信部に相当する。
【0089】
<作用効果>
本実施例のPC100では、ユーザがデータファイルを印刷しようとする場合、マウス等のポインティングデバイス16Aを操作して、判断領域である表示画面21の第1枠領域21F又は表示ウィンドウ22の第2枠領域22Fに、そのデータファイルをドラッグ・ドロップする。そうすると、データファイルのドロップ位置P1を検出手段S103が検出し、ドロップ位置P1が第1枠領域21F又は第2枠領域22Fに含まれるか否かを判断手段S106、S110が判断する。含まれると判断された場合、情報処理部10は、第1枠領域21F又は第2枠領域22Fに対応付けて記憶されているプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報をレジストリ14Rから読み出す。そして、情報処理部10は、ドロップ位置P1に対応するプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報に基づき、プリンタ及びそのプリンタに設定されている印刷設定情報を特定し、その特定されたプリンタ及び印刷設定情報により、ドロップされたデータファイルの印刷を実行するように制御する。
【0090】
これにより、PC100では、ユーザが特定のデータファイルの印刷する際に、所望するプリンタ及び印刷設定を素早く選択でき、印刷作業の効率を向上させることができる。
【0091】
また、PC100では、第1、2枠領域21F、22Fがそれぞれの4個の分割領域21A〜21D、22A〜22Dに分割されているので、各分割領域21A〜21D、22A〜22Dに対して、特定のプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を対応付けて、レジストリ14Rに記憶させることができる。したがって、より多くのパターンのプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を第1、2枠領域21F、22Fに対応付けて記憶できる。このため、データファイルを印刷する際に、ユーザの選択肢を増やすことができ、印刷作業の効率をより向上させることができる。
【0092】
特に、本実施例のように、PC100に4台のプリンタ1〜4が接続されており、それらがPC100に対して、前後左右方向に配置されている環境において、各プリンタ1〜4が配置されている方向に対応する分割領域21A〜21D(上下左右)、あるいは22A〜22D(上下左右)に各プリンタ1〜4を特定するためのプリンタ選択情報を対応付けることが可能である。これにより、ユーザは、各プリンタ1〜4とユーザ自身が操作するPC100との相対位置関係に基づいて、4台のプリンタ1〜4のいずれか1台を直感的に選択でき、使用したいプリンタが位置する方向にデータファイルをドラッグ・ドロップ操作することでデータファイルを印刷させるプリンタを選択することができる。このため、PC100は、印刷作業の効率を一層向上させることができる。
【0093】
また、「ファイルのドロップ操作により印刷実行を受け付けるエリアの幅」表示欄90Eにより、第1、2枠領域21F、22Fの幅Tをユーザのニーズに応じて、拡げることもできるし、狭めることもできる。このため、PC100では、第1、2枠領域21F、22Fにデータファイルをドラッグ・ドロップする際のポインティングデバイス16Aの操作性を向上させることができる。また、ユーザの表示画面21の使用形態に合わせて第1、2枠領域21F、22Fの幅Tを設定できるため、ユーザにとって使い勝手の良いものとなる。
【0094】
さらに、「印刷実行時のダイアログ表示」欄91Cにより、印刷を目的としたドラッグ・ドロップ操作後に直ちに印刷実行してもよいか否かをユーザが選択できる。また、「印刷実行時のダイアログ表示」欄91Cにより、印刷を目的としたドラッグ・ドロップ操作後に、周知の印刷設定ユーザインターフェース画面を表示させるか、又は印刷実行確認ダイアログ99を表示させるかも、ユーザが選択できる。したがって、ユーザのニーズに確実に対応できる。
【0095】
また、「現在の設定」表示欄90B、90Cにより、第1、2枠領域21F、22Fに対応付けられたプリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報をユーザが容易に確認でき、印刷作業の効率をより一層向上させることができる。
【0096】
また、プリンタドライバD1は、PC100に搭載されることにより、情報処理部10に上述の検出手段S103、判断手段S106、S110等の機能を実現させることができるので、PC100に上述の作用効果を奏させることができる。
【0097】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は情報処理装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】実施例の情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施例の情報処理装置に係り、ディスプレイの表示画面及び表示ウィンドウの説明図である。
【図3】実施例の情報処理装置に係り、「ドラッグ・ドロップ操作に対応する印刷処理」を示すフローチャートである。
【図4】実施例の情報処理装置に係り、「ドラッグ・ドロップ操作に対応する印刷処理」を示すフローチャートである。
【図5】実施例の情報処理装置に係り、「表示画面及び表示ウィンドウの各辺に対するプリンタ選択情報、印刷情報の割り当て」ユーザインターフェース画面の説明図である。
【図6】実施例の情報処理装置に係り、第1枠領域及び第2枠領域の説明図である。
【図7】実施例の情報処理装置に係り、「表示画面の上辺にドロップした場合の設定」画面の説明図である。
【図8】実施例の情報処理装置に係り、「ドラッグ・ドロップ操作により印刷実行するファイラの指定」画面の説明図である。
【図9】実施例の情報処理装置に係り、印刷実行確認ダイアログの説明図である。
【符号の説明】
【0100】
21…表示画面
22…表示ウィンドウ
S1、S2…印刷可能なデータファイル(サムネイル表示されたデータファイル)
15…ディスプレイ
1、2、3、4…プリンタ
10、D1…印刷制御部(10…情報処理部、D1…印刷制御プログラム(プリンタドライバ))
P1(X、Y)…ドロップ位置
S103…検出手段
21F、22F…判断領域(21F…第1枠領域、22F…第2枠領域)
14R…記憶部(レジストリ)
S106、S110…判断手段
21E…表示画面の外周端縁
22E…表示ウィンドウの外周端縁
100…情報処理装置(パーソナルコンピュータ)
21A、21B、21C、21D、22A、22B、22C、22D…分割領域
90E…第1設定手段(「ファイルのドロップ操作により印刷実行を受け付けるエリアの幅」表示欄)
91C…第2設定手段、第3設定手段(「印刷実行時のダイアログ表示」欄)
99…印刷実行確認ダイアログ
90B、90C…記憶部設定内容表示手段(「現在の設定」表示欄)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面及び/又は前記表示画面に重ねて表示される表示ウィンドウに、印刷可能なデータファイルを含む各種データを表示可能なディスプレイと、
接続されているプリンタの中から印刷に使用する前記プリンタを特定し、その特定された前記プリンタにより、前記データファイルに対応する印刷データの印刷を実行するように制御する印刷制御部とを備え、
前記印刷制御部は、
前記表示画面及び/又は前記表示ウィンドウに表示された前記データファイルがドラッグされ、ドロップされた前記表示画面上の位置であるドロップ位置を検出する検出手段と、
プリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を前記表示画面内及び/又は前記表示ウィンドウ内に設定される判断領域に対応付けて記憶している記憶部と、
前記ドロップ位置が前記判断領域に含まれるか否かを判断する判断手段と、を有し、
前記ドロップ位置が前記判断領域に含まれると前記判断手段が判断した場合、前記記憶部において、前記判断領域に対応付けて記憶されている前記プリンタ選択情報及び/又は前記印刷設定情報を参照し、前記プリンタ選択情報により特定される前記プリンタにより、前記印刷設定情報に基づく印刷設定で、ドロップされた前記データファイルの印刷を実行するように制御するものであり、
前記判断領域は、前記表示画面の外周端縁を含み、前記表示画面の中央に向けて所定の幅で設定される第1枠領域と、前記表示ウィンドウの外周端縁を含み、前記表示ウィンドウの中央に向けて所定の幅で設定される第2枠領域との少なくとも一つであることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1枠領域及び/又は前記第2枠領域は、複数個の分割領域に分割されており、
前記記憶部は、各前記分割領域に対して、特定の前記プリンタ選択情報及び/又は前記印刷設定情報を対応付けて記憶している請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1枠領域及び/又は前記第2枠領域は、前記表示画面及び/又は前記表示ウィンドウの上下左右に4分割されている請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記印刷制御部は、前記第1枠領域及び/又は前記第2枠領域の前記幅について、ユーザの入力操作に基づいて設定を行う第1設定手段を有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記印刷制御部は、前記プリンタ選択情報及び/又は前記印刷設定情報により、使用する前記プリンタ及び/又は前記印刷設定が特定された場合に、その特定された内容に基づいて、直ちに前記印刷データの印刷を実行して良いか否かについて、ユーザの入力操作に基づいて設定を行う第2設定手段を有する請求項1乃至4のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記印刷制御部は、前記第2設定手段の設定が直ちに前記印刷データの印刷を実行しない設定である場合、使用する前記プリンタ及び/又は前記印刷設定が特定された後に、前記プリンタ選択情報及び/又は前記印刷設定情報に関するユーザインターフェース画面を前記表示画面に表示するか、又は印刷実行確認ダイアログを前記表示画面に表示するかについて、ユーザの入力操作に基づいて設定を行う第3設定手段を有する請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記印刷制御部は、前記第1枠領域及び/又は前記第2枠領域に対応付けられた前記プリンタ選択情報及び/又は前記印刷設定情報をユーザが視認可能に表示する記憶部設定内容表示手段を有する請求項1乃至6のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
表示画面及び/又は前記表示画面に重ねて表示される表示ウィンドウに、印刷可能なデータファイルを含む各種データを表示可能なディスプレイと、
接続されているプリンタに対して、前記データファイルに対応する印刷データを送信する送信部と、を備える情報処理装置に搭載される印刷制御プログラムであって、
前記表示画面及び/又は前記表示ウィンドウに表示された前記データファイルがドラッグされ、ドロップされた前記表示画面上の位置であるドロップ位置を検出する検出機能と、
前記ドロップ位置が前記表示画面内及び/又は前記表示ウィンドウ内に設定される判断領域に含まれるか否かを判断する判断機能と、
前記ドロップ位置が前記判断領域に含まれると前記判断機能が判断した場合、プリンタ選択情報及び/又は印刷設定情報を前記判断領域に対応付けて記憶している記憶部において、前記判断領域に対応付けて記憶されている前記プリンタ選択情報及び/又は前記印刷設定情報を参照し、前記プリンタ選択情報により特定されるプリンタにより、前記印刷設定情報に基づく印刷設定で、ドロップされた前記データファイルの印刷を実行する印刷実行機能と、を実現させ、
前記判断領域を、前記表示画面の外周端縁を含み、前記表示画面の中央に向けて所定の幅で設定される第1枠領域と、前記表示ウィンドウの外周端縁を含み、前記表示ウィンドウの中央に向けて所定の幅で設定される第2枠領域との少なくとも一つにすることを特徴とする印刷制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−152642(P2010−152642A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330105(P2008−330105)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】