説明

情報処理装置及び情報処理方法

【課題】ユーザの意図する同種のイベントで撮影された画像を検索できるようにする。
【解決手段】少なくともイベント日時とイベント名を持つイベントを管理する管理手段と、画像を管理する画像管理手段と、イベント名に紐づくイベント日時に一致または近接した撮影日時データを有する画像に対して前記イベント名を前記画像のメタデータとして設定するメタデータ設定手段と、前記画像の撮影日時を元に算出された時間間隔の範囲に含まれるイベント日時に紐づいたイベント名を前記画像のメタデータとして利用するイベント名利用手段とを設け、毎年開催される同じ行事を指す場合には、タイトル名が異なっていても、どちらか一方のキーワードを使って両方の写真を検索できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置及び情報処理方法に関し、特に、ユーザの意図する同種のイベントで撮影された画像を確実に検索できるようにするために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯情報端末(PDA)、スマートフォンと呼ばれる携帯機器は、電話、メールの送受信、インターネットブラウズ、スケジュール管理などの機能を付帯した多機能情報端末が一般的となっている。また、写真や動画(以下、画像と呼ぶ)を撮影し保存することができるカメラ機能を備える携帯機器も一般的となっている。
【0003】
このような携帯機器で撮影・保存した画像には、撮影日時や撮影情報が自動的に画像に紐づけられて保存することができる。また、GPS機能を持つ携帯機器であれば撮影場所を自動的に画像に紐づけて保存することもできる。
【0004】
さらに、撮影した画像にタイトルがついていれば、後にその画像を取得したい場合にタイトルによる検索を行うことができるので便利である。しかし、撮影した画像にタイトルをつけるためには、ユーザによるタイトル入力が必要となる。タイトルを入力する作業は非常に面倒な手間を必要とするため、スケジュールに入力されているイベント名を画像のタイトルとして利用する特許が公開されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2007−528626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、撮影した写真の撮影日時から関連するスケジュール情報を絞り込み、絞り込んだイベント名を写真のタイトルとして利用するものである。しかし、この発明において、撮影日時に対応するスケジュール情報を参照する際には、例えば今年3月24日に撮影した写真であれば今年の3月24日のスケジュール情報のみを参照している。
【0007】
このため、昨年は「おたのしみ会」と入力したことで昨年の写真には「おたのしみ会」というタイトルがつけられているのに、今年は「学芸会」と入力したことで今年の写真には「学芸会」というタイトルがついてしまうケースがある。
【0008】
ユーザにとっては「おたのしみ会」と「学芸会」は毎年開催される同じ行事を指すのだが、タイトル名が異なっているためどちらか一方のキーワードを使って両方の写真を検索することはできない問題点があった。
本発明は前述の問題点に鑑み、多数のキーワードを入力することなく、ユーザの意図する同種のイベントで撮影された画像を検索できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理装置は、少なくともイベント日時とイベント名を持つイベントを管理する管理手段と、画像を管理する画像管理手段と、イベント名に紐づくイベント日時に一致または近接した撮影日時データを有する画像に対して前記イベント名を前記画像のメタデータとして設定するメタデータ設定手段と、前記画像の撮影日時を元に算出された時間間隔の範囲に含まれるイベント日時に紐づいたイベント名を前記画像のメタデータとして利用するイベント名利用手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スケジュール管理等に入力されるイベント名を画像のタイトルまたはキーワードとして利用することのできる情報機器に用いて、ユーザの意図する同種のイベントで撮影された画像を確実に検索することができる。例えば、画像をタイトルまたはキーワードで検索する場合に、イベント名に入力の「ゆらぎ」があってもユーザが所望の画像を取得することができる。
また、イベント名に「ゆらぎ」が存在する場合はそのことをユーザに知らせることができるため、「ゆらぎ」を是正したり統一化したりする機会をユーザに与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態を示し、情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における情報処理装置の関係を説明する図である。
【図3】実施形態における画像とスケジュール情報の関連付けを説明する図である。
【図4】画像とスケジュール情報の関連付けるデータベースの一例を示す図である。
【図5】画像のタイトル設定を行う画面の一例を示す図である。
【図6】ユーザ操作に応じて撮影画像が保存される様子を示すフローチャートである。
【図7】ユーザがタイトル選択する際に行なわれる処理を示すフローチャートである。
【図8】画像にキーワードを自動的に紐づける手順を説明するフローチャートである。
【図9】画像とスケジュール情報の関連付けを説明するための関係図である。
【図10】イベント名の類似を判定するための類似語リストの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本実施形態では、後述の情報処理装置において動作する画像・スケジュール管理アプリケーションを使用してデジタルカメラで撮影した画像管理を行う際の処理に、本発明を適用する場合について説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態の機能を実現するプログラムコードを処理する情報処理装置100の装置構成を説明するためのブロック図である。図1に示すように、情報処理装置100はディスプレイ101、VRAM102、BMU103、キーボード104、PD105、CPU106、ROM107、RAM108、HDD109、FDD110、ネットワークI/F111を有する。
【0014】
ディスプレイ101には、例えば編集中の文書、図形、画像その他の編集情報、アイコン、メッセージ、メニューその他のユーザインタフェース情報が表示される。VRAM102には、ディスプレイ101に表示するための画像が描画される。このVRAM102に生成された画像データは、所定の規定に従ってディスプレイ101に転送され、これによりディスプレイ101に画像が表示される。
【0015】
BMU(ビットムーブユニット)103は、例えば、メモリ間(例えば、VRAM102と他のメモリとの間)のデータ転送や、メモリと各I/Oデバイス(例えば、ネットワークI/F111)との間のデータ転送を制御する。キーボード104は、文書等を入力するための各種キーを有する。PD(ポインティングデバイス)105は、例えば、ディスプレイ101に表示されたアイコン、メニューその他のコンテンツを指定したり選択したりするために使用される。
【0016】
CPU106は、ROM107、HDD109又はフレキシブルディスクに格納された制御プログラムに基づいて、各デバイスを制御する。ROM107は、各種制御プログラムやデータを保存する。RAM108は、CPU106のワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域、制御プログラムのロード領域等を有する。HDD109は、情報処理装置内で実行される各制御プログラムやコンテンツを格納する。
【0017】
例えば、HDD109には、スケジュール管理アプリケーションに使用されるスケジュール情報やデジタルカメラで撮影した画像や画像に付随する情報などが格納される。FDD110は、フロッピーディスク(登録商標)等に代表されるフレキシブルディスクに対するアクセスを制御する。ネットワークI/F111は、他の情報処理装置やプリンタ等とネットワークを介して通信を行う。CPUバス112は、アドレスバス、データバス及びコントロールバスを含む。CPU106に対する制御プログラムの提供は、ROM107、HDD109、FDD110から行うこともできるし、ネットワークI/F111を介してネットワーク経由で他の情報処理装置等から行うこともできる。
【0018】
CPU106に対する第1の制御プログラムは、複数のアプリケーションプログラムを管理を行うアプリケーション管理制御プログラムである。CPU106はアプリケーション管理制御プログラムに従って、キーボード104、PD105からの入力を制御管理し管理下のアプリケーションに対して入力処理を行う。
【0019】
CPU106は、アプリケーション管理制御プログラムに従って、管理下のアプリケーションからのHDD109、FDD110、ネットワークI/F111に対するアクセスの制御を行う。CPU106はアプリケーション管理制御プログラムに従って、管理下のアプリケーションからの要求に合わせてVRAM102への処理とディスプレイ101への表示処理を行う。
【0020】
また、CPU106はアプリケーション管理制御プログラムに従って、管理下のアプリケーションからのメモリ要求に合わせてRAM108、HDD109を組み合わせて各アプリケーションにメモリ管理を行う。アプリケーション管理制御プログラムはオペレーティングシステム(以下、OSと表記する)として以降では説明を行う。
【0021】
CPU106に対する第2の制御プログラムは、OS上で動作をするアプリケーションプログラムである。CPU106はOSに指示されたOS上で動作をするアプリケーションプログラムの指示された処理を行う。アプリケーションプログラムは画像・スケジュール管理アプリケーションとして以降では説明を行う。
本実施形態の好適な例である画像・スケジュール管理アプリケーションは、前述のような情報処理装置100において処理が行なわれる。前述のような情報処理装置100を以下PC端末と表記する。
【0022】
図2の(a)において、PC端末201はユーザが操作する画像・スケジュール管理アプリケーションを備える。カメラ202とPC端末201を接続することにより、カメラ202で撮影した画像をPC端末201に転送することができる。転送された画像はPC端末201上で動作する画像・スケジュール管理アプリケーションにより管理される。転送された画像はこのアプリケーション管理下で追加、削除、表示したり画像情報の表示や編集ができる。
【0023】
また、イベント名をイベント日時に紐づけて入力することでスケジュール管理を行うこともできる。図2の(b)において、PC端末204はサーバ203にネットワークを介して接続していることを示す。カメラ205で撮影した画像をPC端末204に転送することで画像をPC端末204で管理できる点については図2の(a)と同じであるが、スケジュール情報についてはサーバ203より取得することを示す。
【0024】
図2の(c)において、206は画像・スケジュール管理アプリケーションを備えたカメラ付き携帯電話である。本実施形態においては、図2の(a)に示す形態に従い説明するが、図2の(b)や図2の(c)に示すような形態であっても構わない。
【0025】
図3における画像308は、カメラ202から転送された画像を示す。301および304は画像・スケジュール管理アプリケーションにおけるスケジュール表の一部を例として抜粋したものである。また、画像・スケジュール管理アプリケーションでは画像とスケジュールをデータベースとして管理しそのデータは、CPU106がHDD109に保存している。
【0026】
図4の(a)は、画像を管理しているデータベーステーブルを示す。図4の(b)はスケジュールを管理しているデータベーステーブルを示す。図4の(c)、(d)、(e)は画像とスケジュールを紐づけるためのデータベーステーブルを示す。
【0027】
以下、図6のフローチャートに従い、画像に自動的にキーワードを紐づける手順および画像に自動的にタイトルを設定する手順を説明する。
S601で処理が開始されると、ユーザがPC端末201で画像・スケジュール管理アプリケーションを起動するアクションによってS602に進む。S602では、CPU106は、HDD109に保存された図4(a)のテーブル401のレコード405より画像の撮影情報を取得する。
【0028】
例えば、写真画像の一般的な画像形式であるJPEG形式の画像には画像ファイルにEXIF(Exchangeable image file format)と呼ばれる撮影情報を画像のメタデータとして埋め込んでメタデータ設定を行うことができる。EXIFには、撮影日時や撮影場所などの撮影情報が含まれるため、ユーザがカメラ202からPC端末201へ画像ファイルを転送時に、このEXIFを元にしてレコード405にあらかじめ撮影情報を保存することができる。あるいはS602の直前にレコード405に撮影情報を保存するようにしてもかまわない。
【0029】
この画像308の撮影日時の撮影日と一致するイベント日306のイベント名302を検索する。一致するイベントを検索するには実際には、図4(b)のテーブル409の日時の中から検索する。一致するイベントが存在する場合は、S603に進む。この場合、一致するイベントのレコードはレコード412である。
【0030】
S603では、CPU106は、テーブル401とテーブル409を紐づけるためのテーブル416の中に既に紐づけるためのレコードが存在しているかどうかを判定する。既に存在している場合はS605へ進む。存在していない場合はS604に進む。S604では、レコード405とレコード412を紐づけるためにテーブル416にレコード419を追加する。
【0031】
レコード419のファイルIDはレコード405のファイルIDと一致しており、レコード419のスケジュールIDはレコード412のスケジュールIDと一致している。このようにして、画像308には「学芸会」というキーワード307が紐づけられる。テーブル416にはオリジナルフラグも設定しておく。オリジナルフラグとは、画像に紐づけたスケジュールのイベント日が画像の撮影日と年月日すべてが一致するかどうかのフラグである。前述のケースでは、年月日すべてが一致するのでオリジナルフラグとして「1」を設定している。
【0032】
オリジナルフラグを管理する理由は以下のとおりである。例えば、オリジナルフラグが「0」かつタイトルフラグが「1」、オリジナルフラグが「1」かつタイトルフラグが「0」、という2つのレコードが同一のファイルIDに紐づけられている場合を説明する。このような場合に、オリジナルフラグが「1」のレコードの方のタイトルフラグを「1」にしたい場合がある。すなわち、月日だけが一致するイベントよりも年月日すべてが一致するイベントのイベント名をタイトルに設定したい場合である。
【0033】
オリジナルフラグを管理しておけばこのような場合であってもユーザが所望するタイトルに変更できる。あるいは、年月日すべて一致するイベントのイベント名とは違うイベント名がタイトルに設定されていることをユーザに知らせることもできる。
【0034】
レコード419の追加が終わるとS605に進む。S602において一致するイベントが存在しない場合も同様にS605に進む。S605では、CPU106は、レコード405から取得した撮影日のうち月日が一致するイベント日303のイベント名305を検索する。月日が完全に一致するイベント日を検索するのではなく、ある程度幅を持たせて検索するようにしてもかまわない。ある程度幅を持たせて検索を行う場合の処理については後述する。月日が一致するイベントを検索するにはテーブル409の日時の中から検索する。月日が一致するイベントが存在する場合は、S606に進む。この場合一致するイベントのレコードはレコード410である。
【0035】
S606では、CPU106は、S603での処理と同様に、テーブル416の中に既に紐づけるためのレコードが存在しているかどうかを判定する。既に存在している場合はS609へ進む。存在していない場合はS607に進む。
【0036】
S607では、レコード405とレコード410を紐づけるためにテーブル416の中にレコード420を追加する。レコード420のファイルIDはレコード405のファイルIDと一致しており、レコード420のスケジュールIDはレコード410のスケジュールIDと一致している。このようにして、画像311(画像308と同一画像)には「おたのしみ会」というキーワード309が紐づけられる。
【0037】
なお、画像に紐づけたスケジュールのイベント日と画像の撮影日は年が異なっており一致しないため、レコード420のオリジナルフラグには0が設定される。レコード420の追加が終わるとS609に進む。
【0038】
一方、S605で月日が一致するイベントが存在しない場合は、S608に進む。S608では、CPU106は、画像308にキーワードが1つ以上紐づけられているかを判定する。1つ以上のキーワードが設定されている場合はS609に進む。S609では、CPU106は画像308にキーワードが2つ以上紐づけられているかを判定する。2つ以上のキーワードが紐づけられている場合はS611に進む。S611では、CPU106は、複数の紐づけられているキーワードのうち1つがタイトルとして設定されているかを判定する。
【0039】
具体的には、画像308とキーワードとを紐づけるためのテーブル416上のレコードのうち1つに、タイトルフラグとして「1」が設定されているかどうかを判定する。キーワードのうち1つがタイトルとして設定されている場合は処理を終了する。もしも画像308と紐づけるためのテーブル416のレコードのうちタイトルフラグが何も設定されていないものが存在する場合は、そのレコードのタイトルフラグに「0」を設定してから処理を終了する。
【0040】
S611において、キーワードのうち1つがタイトルとして設定されていない場合はS613へ進む。S613では、CPU106は、画像308と紐づけるためのテーブル416のレコード419およびレコード420のタイトルフラグに「0」を設定する。設定を終えたら処理を終了する。
【0041】
一方、S609において、2つ以上のキーワードが紐づけられていない場合はS612に進む。S612では、CPU106は、画像308と紐づけるためのテーブル416の中の唯一のレコードにタイトルフラグとして「1」を設定する。設定を終えたら処理を終了する。
【0042】
また、S608において1つ以上のキーワードが設定されていない場合はS610に進む。S610では、CPU106は、画像にキーワードが1つも紐づけられていないことを示すマークをつける。ただし本実施形態では、画像に紐づけられているキーワードが存在するかどうかはテーブル416に当該画像のファイルIDを持つレコードが存在するかどうかで判定が可能なので特にマークをつけたりデータベースに記録したりする処理は行わない。
【0043】
以上ユーザが、PC端末201で画像・スケジュール管理アプリケーションを起動するアクションを行った場合の処理を説明したが、ユーザがPC端末201において他のアクションを行った場合も同様に図6のフローチャートを適用できる。
【0044】
例えば、撮影した画像を画像・スケジュール管理アプリケーションへ転送した場合や、画像・スケジュール管理アプリケーション上でユーザが画像一覧表示したり、指定した画像を表示したりする場合である。アプリケーションを起動する時に図6のフローチャートを適用すると大量の画像に対して処理を行うことになるため、起動時に多くの時間を要してしまう。しかし、撮影した画像を画像・スケジュール管理アプリケーションに転送した場合や、画像群の一部を一覧表示したりする場合に図6のフローチャートを行うようにすれば処理が少量となるため処理時間が少なく済むので都合がよい。
【0045】
次に、画像に紐づいているキーワードが複数存在するがタイトルが設定されていない画像に対してユーザがタイトルを設定するフローチャートを説明する。
タイトルが設定されていない画像は図6のS613を通過したケースである。S613では、テーブル416のレコード419およびレコード420のいずれにもタイトルフラグとして「0」を設定している。これはどのキーワードをタイトルとして使うかがまだ設定されていない状態を表わす。以下図7の処理に従って説明する。
【0046】
画像・スケジュール管理アプリケーションにおいてユーザが図5の画像一覧画面501の中から1つの画像503を選択し(S701)、画像表示画面504を表示するアクションによってS702に進む。なお前述の図6のS613でタイトル未設定状態に設定したため図5の502では、「タイトル未設定」と表示されている。
【0047】
S702では、CPU106は、画像503にキーワードが1つ以上紐づけられているかどうかを判定する。紐づけられていない場合はS704に進む。S704では、CPU106は、キーワードが1つも設定されていないことを警告して終了する。キーワードが1つ以上紐づけられている場合はS703に進む。
【0048】
S703では、CPU106は、キーワードのうちの1つがタイトルとして設定されているかどうかを判定する。テーブル416の対象の画像に紐づけられているレコード419およびレコード420のタイトルフラグが「1」のレコードが存在するかどうかの判定である。レコード419またはレコード420のいずれかのタイトルフラグが「1」であれば処理を終了する。対象の画像に紐づけられているレコードの中にタイトルフラグが「1」のレコードが存在しない場合はCPU106はタイトル選択画面505を表示する。ユーザは、表示されているキーワードのラジオボタン506および507の中から1つを選択する。ユーザがキャンセルボタン509を押下した場合は処理を終了する。
【0049】
ユーザがOKボタン58を押下した場合はS707に進む。S707では、CPU106は、選択されたキーワードを画像のタイトルとして設定する。タイトル選択画面505でユーザが「学芸会」を表わすラジオボタン506を選択してOKボタン58を押下した場合はレコード419のタイトルフラグを「1」に更新する。
【0050】
前述により今年の画像503は、紐づけられているキーワードとして「学芸会」と「おたのしみ会」を持ち、タイトルとして「学芸会」が設定されている状態となる。さらにS707では、CPU106は、「おたのしみ会」のタイトルとなっていた昨年の画像のタイトルを今年と同じタイトルに変更する。
【0051】
具体的には、図4(c)のテーブルを図4(d)のように変更する。図4(c)では、レコード403の画像は、レコード417によりレコード410と紐づけられておりレコード417のタイトルフラグが「1」のため、「おたのしみ会」のタイトルのついた画像であることがわかる。そこで、レコード417を図4(d)のレコード425のようにタイトルフラグを「0」に変更し、さらにタイトルフラグが「1」であるレコード431を追加する。
【0052】
レコード431はタイトルとして「学芸会」と紐づいているため昨年の画像のタイトルを今年と同じタイトルに変更したことになる。前述したように、イベント名としては昨年は「おたのしみ会」、今年は「学芸会」であったが、ユーザがタイトルを選ぶことにより昨年の画像も今年の画像も「学芸会」というタイトルで統一化したことになる。また、昨年の画像も今年の画像も「学芸会」と「おたのしみ会」の両方のキーワードが紐づけられているため「学芸会」と「おたのしみ会」のどちらのキーワードでも画像を検索することが可能である。
【0053】
前述した実施形態の図6のS605においては、画像の撮影日の月日が一致するイベントを検索しているが、今年撮影の画像の撮影日の月日と一致する去年の同一月日だけではなく去年の同一月日の前後1週間のイベントを検索することなども考えられる。例えば、画像の撮影日時を元に算出された時間間隔の範囲に含まれるイベント日時に紐づいたイベント名を画像のメタデータとして利用するイベント名利用を行うことなども考えられる。また、これらは1年に1回の繰り返し行事を想定した検索条件であって検索条件としてはこれに限るものではない。
【0054】
例えば、1ヶ月に1回の繰り返し行事を想定して、日のみが一致するイベントを検索したり、画像が第三日曜日の撮影日を持つ場合なら他の年月の第三日曜日を持つイベントを検索することなどが考えられる。1週間に1回の繰り返し行事を想定して、同一曜日を持つイベントを検索することなども考えられる。
【0055】
しかしながら、これらの検索条件で検索すると検索結果数が膨大となる。このため、自動設定されるキーワードが不要なキーワードだらけになってしまったり、ユーザがタイトルを設定する際に大量のキーワードの中から探し出さなければならなかったりする不都合が生じる。
以下の第2の実施形態は前述のようなノイズを軽減した実施形態となる。
【0056】
<第2の実施形態>
本実施形態の好適な例である画像・スケジュール管理アプリケーションは、前述の第1の実施形態に説明した情報処理装置100において処理が行なわれる。
以下、図8のフローチャートに従い、画像に自動的にキーワードを紐づける手順を説明する。このフローチャートを開始するためのユーザのアクションは、前述した第1の実施形態におけるユーザのアクションと同じである。
【0057】
S801において処理が開始されると、ユーザのアクションによってS802に進む。S802では、CPU106は、HDD109に保存された図4(a)のテーブル401のレコード405より、図9に示す画像908の撮影日と一致するイベントを検索しイベント名902を取得する。なお、図9は画像とスケジュール情報の関連付けを表す。一致するイベントを検索する方法は第1の実施形態に記載の方法と同じである。
【0058】
一致するイベントが存在する場合は、S803に進む。S803では、CPU106は、画像908とイベントを紐づけるためのレコードがテーブル416の中に既に存在しているかどうかを判定する。既に存在している場合はS805へ進む。存在していない場合はS804に進む。S804では、イベント名902を画像908のキーワードとして紐づける。
【0059】
具体的には、テーブル416にレコード419を追加する。レコード419の追加が終わるとS805に進む。S802において一致するイベントが存在しない場合も同様にS805に進む。S805では、CPU106は、レコード405から取得した画像908の撮影日のうち月日が一致するまたは近辺のイベントを検索し、イベント名905を取得する。具体的には、レコード405から取得した画像908の撮影日と同一月日または同一月日の前後1週間までの範囲の日時を持つレコードをテーブル409から検索し、イベント名905を取得する。
【0060】
月日が一致するまたは近辺のイベントが存在する場合は、S806に進む。S806では、CPU106は、S803での処理と同様に、テーブル416の中に既に紐づけるためのレコードが存在しているかどうかを判定する。既に存在している場合は、図6のS609へ進む。存在していない場合はS807に進む。
【0061】
S807では、イベント名905がイベント名902の類似語リストに存在しているかどうかを判定する。類似語リストとは、図10のリスト1001に示すように、語彙1002として「学芸会」が登録されており、「学芸会」に対して関連語彙1003として「おたのしみ会」や「発表会」が紐づけられているリストを指す。
【0062】
つまり、S807は、例えば「おたのしみ会」が「学芸会」の類似語として登録されているかどうかを判定するステップである。リスト1001では、単純な類似語リストの例を挙げているが、語彙を更に意味を持つ語彙に分割しそれぞれに対応する語または類似語を含む語彙を関連語彙としてもよい。
【0063】
例えば、毎年同時期に家族で旅行するイベントがあるが、今年はイベント名として「伊豆旅行」と入力してあるとする。去年は「家族旅行」と入力してある。単純な類似語リストだと「ハワイ旅行」は「家族旅行」の類似語とはならないが、「ハワイ旅行」を「ハワイ」+「旅行」に分割することで「旅行」を含む語彙を類似語として扱うようにする。
【0064】
このように、イベント名905がイベント名902の類似語リストに存在していればS810に進む。S810では、CPU106は、イベント名905を画像908のキーワードとして紐づける。具体的には、テーブル416の中にレコード420を追加する。レコード420の追加が終わると図6のS609に進む。S807において、イベント名905がイベント名902の類似語リストに存在していなければS808に進む。イベント名902が存在しない場合もS808へ進む。
【0065】
S808では、CPU106は、イベント名905に紐づく画像913が存在するかどうかを判定する。存在しない場合は図6のS609へ進む。存在する場合はS809へ進む。S809では、CPU106は、画像913の撮影場所と画像908の撮影場所を取得し、画像913の撮影場所が画像908の撮影場所と一致しているかどうか、あるいは一定の範囲内にあるかどうかを判定する。一致するまたは一定の範囲内にある場合はS810に進む。
【0066】
それ以外の場合は、図6のS609に進む。第1の実施形態では、例えば1年前の同時期のイベント名をすべて今年の画像のキーワードとして追加しているが、第2の実施形態では、更に今年のイベント名に類似するイベント名だけに絞り込んだ上でキーワードとして追加する。また、イベント名が類似しない場合でも、今年と1年前で画像の撮影場所データが同一ならば、1年前のイベント名をキーワードとして追加する。このように、イベント名を類似語リストとして利用する類似語リスト利用処理を行って絞り込んだり、撮影場所で絞り込んだりすることで、ユーザにとって不要なキーワードを除外することができる。
【0067】
一方、S805において月日が一致するまたは近辺のイベントが存在しない場合は、S811に進む。S811では、CPU106は、レコード405から取得した画像908の撮影日のうち月日が一致するまたは近辺の画像913を検索し、存在するかを判定する。具体的には、レコード405から取得した画像908の撮影日と同一月日または同一月日の前後1週間までの範囲の撮影日時データを持つレコードをテーブル401から検索し、存在するかを判定する。
【0068】
月日が一致するか、または近辺の画像ファイルが存在する場合は、S812に進む。存在しない場合は図6のS608へ進む。イベント名902が存在しない場合も図6のS608へ進む。S812では、CPU106は、画像913の撮影場所が画像908の撮影場所と一致しているあるいは近接しているかを判定する。
【0069】
画像の撮影場所データを元に算出された場所間隔の範囲に含まれる撮影場所データを持つ他の画像が存在する場合は、他の画像のメタデータを前述の画像のメタデータとして撮影場所データ利用を行うようにしてもよい。
具体的には、テーブル401のうち、画像913を指すレコードの撮影場所・経度と撮影場所・緯度の値と、画像908を指すレコードの撮影場所・経度と撮影場所・緯度の値とで説明する。これらの値がそれぞれ一致しているか、あるいは一定の範囲内の場所間隔の範囲内の値であるかどうかを判定する。一致しているかあるいは近接している場合は、S813へ進む。一致していないで、かつ近接していない場合は、図6のS608へ進む。
【0070】
S813では、CPU106は、イベント名902を画像913のキーワードとして紐づける。前述のようにして、例えばイベント名が紐づいていない去年の画像が存在していたとしても、今年同一場所で行われた去年と同一のイベントの画像に対してイベント名を紐づければ、去年の画像にも今年の画像と同一のイベント名を紐づけることができる。
【0071】
なお、画像の撮影日時データを元に算出された時間間隔の範囲に含まれる撮影日時データを持つ他の画像が存在する場合で、他の画像にメタデータが存在しない場合もある。このような場合には、画像に設定されているメタデータを他の画像のメタデータとして設定するようにしてもよい。
【0072】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。前述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0073】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0074】
100 情報処理装置、101 ディスプレイ、102 VRAM、103 BMU、104 キーボード、105 PD、106 CPU、107 ROM、108 RAM、108 HDD、110 FDD、111 ネットワークI/F、112 CPUバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともイベント日時とイベント名を持つイベントを管理する管理手段と、
画像を管理する画像管理手段と、
イベント名に紐づくイベント日時に一致または近接した撮影日時データを有する画像に対して前記イベント名を前記画像のメタデータとして設定するメタデータ設定手段と、
前記画像の撮影日時を元に算出された時間間隔の範囲に含まれるイベント日時に紐づいたイベント名を前記画像のメタデータとして利用するイベント名利用手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記画像に設定されたメタデータが複数存在する場合には、複数のメタデータの中の1つを選択する選択手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
あらかじめ定めた類似語の関連に基づいて前記イベント名から他のイベント日時に紐づいたイベント名を検索して得たデータを前記画像のメタデータとして利用する類似語リスト利用手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像の撮影場所データを元に算出された場所間隔の範囲に含まれる撮影場所データを持つ他の画像が存在する場合は、前記他の画像のメタデータを前記画像のメタデータとして利用する撮影場所データ利用手段を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像の撮影日時データを元に算出された時間間隔の範囲に含まれる撮影日時データを持つ他の画像が存在する場合で、前記他の画像にメタデータが存在しない場合には、前記画像に設定されているメタデータを前記他の画像のメタデータとして設定するメタデータ設定手段を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
少なくともイベント日時とイベント名を持つイベントを管理する管理工程と、
画像を管理する画像管理工程と、
イベント名に紐づくイベント日時に一致または近接した撮影日時データを有する画像に対して前記イベント名を前記画像のメタデータとして設定するメタデータ設定工程と、
前記画像の撮影日時を元に算出された時間間隔の範囲に含まれるイベント日時に紐づいたイベント名を前記画像のメタデータとして利用するイベント名利用工程とを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
少なくともイベント日時とイベント名を持つイベントを管理する管理工程と、
画像を管理する画像管理工程と、
イベント名に紐づくイベント日時に一致または近接した撮影日時データを有する画像に対して前記イベント名を前記画像のメタデータとして設定するメタデータ設定工程と、
前記画像の撮影日時を元に算出された時間間隔の範囲に含まれるイベント日時に紐づいたイベント名を前記画像のメタデータとして利用するイベント名利用工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−194800(P2012−194800A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58413(P2011−58413)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】