説明

情報処理装置及び情報処理方法

【課題】自装置以外の他の装置で録画された番組の再生に係る利便性を向上させることが可能な情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】録画対象の番組の指定を受け付ける第1受付手段と、前記録画対象の番組の録画を外部装置に指示するとともに、当該番組の先頭から所定時間分の第1番組データを記録媒体に録画する録画制御手段と、前記記録媒体に録画された番組の中から、再生対象とする番組の指定を受け付ける第2受付手段と、前記指定された再生対象の番組の第1番組データと、前記外部装置に録画された当該番組の第2番組データとを連続的に再生する再生制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及び情報処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、UPnP(Universal Plug and Play)(登録商標) AV規格やDLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインに準拠した電子機器が利用されるようになってきている。係る電子機器では、ネットワークを介して番組の録画や再生を行うことが可能となっている。従来、ネットワークに接続された装置間において、一方の装置で録画されたコンテンツを、他方の装置に送信(移動)させるための技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4625764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、自装置以外の他の装置で録画された番組を再生する場合、当該他の装置から番組のデータが送信されるまで再生を開始することができないため、再生が開始されるまで時間を要し、利便性に欠けるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自装置以外の他の装置で録画された番組の再生に係る利便性を向上させることが可能な情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態の情報処理装置は、第1受付手段と、録画制御手段と、第2受付手段と、再生制御手段とを備える。第1受付手段は、録画対象の番組の指定を受け付ける。録画制御手段は、録画対象の番組の録画を外部装置に指示するとともに、当該番組の先頭から所定時間分の第1番組データを記録媒体に録画する。第2受付手段は、記録媒体に録画された番組の中から、再生対象とする番組の指定を受け付ける。再生制御手段は、指定された再生対象の番組の第1番組データと、外部装置に録画された当該番組の第2番組データとを連続的に再生する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施形態の情報処理装置を含むネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、テレビジョン装置と録画再生装置との機能構成を示す図である。
【図3】図3は、第1の録画方法を説明するための図である。
【図4】図4は、第2の録画方法を説明するための図である。
【図5】図5は、番組録画処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、番組再生処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施形態の情報処理装置を含むネットワークシステムの他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明にかかる情報処理装置をテレビジョン装置に適用した実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態では、UPnP(登録商標) AV規格およびDLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインに準拠した装置を用いた例について説明するが、これら装置に制限するものではない。例えば、後述する実施形態に特徴的な構成を、これらの規格およびガイドラインと同等または互換性のある規格等に準拠する装置又はシステムや、独自の仕様による装置又はシステムに適用してもよい。
【0009】
図1は、本実施形態の情報処理装置を含むネットワークシステムの構成例を示す図である。図1に示すネットワークシステムに接続された電子機器は、UPnP AV規格およびDLNAガイドラインに従っている。
【0010】
図1に示すネットワークシステムでは、UPnP規格に準拠したデバイスとして、テレビジョン装置100と、録画装置200とを有している。テレビジョン装置100と、録画装置200とは、Ethernet(登録商標)やHEC(HDMI Ethernet Channel)、USB等のネットワークNを介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークNは、有線、無線、又はこれらを混合したネットワークでもよい。また、ネットワークNに接続されるデバイスの数や種類は、図1の例に限らないものとする。
【0011】
テレビジョン装置100は、制御部11と、RAM12と、I/O制御部13と、チューナ部14と、記録部15と、通信アダプタ16と、表示部17と、操作受付部18とを備えている。
【0012】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、当該プロセッサが実行する各種プログラムや設定情報を記憶するROM(Read Only Memory)等を備える(何れも図示せず)。制御部11は、プロセッサとROMに記憶されたプログラムとの協働により、テレビジョン装置100の各部を統括的に制御する。また、制御部11は、プロセッサとROMに記憶されたプログラムとの協働により、後述する主録画制御部111及び主再生制御部112を実現させる。
【0013】
RAM12は、テレビジョン装置100の主記憶装置であって、制御部11のワークエリアとして機能する。I/O制御部13は、シリアル/パラレルインタフェース等の入出力インタフェースである。I/O制御部13は、制御部11及びRAM12と、チューナ部14、記録部15、通信アダプタ16及び表示部17との間の情報の入出力を制御する。
【0014】
チューナ部14は、アンテナ300を通じてテレビ放送波を受信し、受信したテレビ放送波を復調し、当該テレビ放送波に含まれる映像信号と音声信号とを番組データとして出力する。
【0015】
記録部15は、HDD(Hard Disk Drive)や光ディスク等の記録媒体を有し、制御部11の制御の下、チューナ部14によって受信された番組データを記録媒体に録画(記録)する。また、記録部15は、制御部11の制御の下、記録媒体に録画された番組データを読み出し、制御部11に出力する。なお、本実施形態では、テレビジョン装置100が記録部15を内蔵する形態としたが、これに限らず、外付けとする形態としてもよい。
【0016】
通信アダプタ16は、録画装置200と接続するための通信インタフェースである。通信アダプタ16は、制御部11の制御の下、録画装置200との間でデータ通信を行う。
【0017】
表示部17は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示パネルを有した表示デバイスである。表示部17は、制御部11の制御の下、チューナ部14が受信した番組データや、制御部11が再生する番組データ等を表示する。
【0018】
操作受付部18は、リモートコントローラRからの信号を受信する受信装置や、テレビジョン装置100に設けられた操作ボタン等を有し、リモートコントローラRや操作ボタンを介して受け付けたユーザからの指示内容を、制御部11に出力する。
【0019】
録画装置200は、制御部21と、RAM22と、I/O制御部23と、チューナ部24と、記録部25と、通信アダプタ26と、操作受付部27とを備えている。
【0020】
制御部21は、CPUやGPU等のプロセッサ、当該プロセッサが実行する各種のプログラムや設定情報を記憶するROM等を備える(何れも図示せず)。制御部21は、プロセッサとROMに記憶されたプログラムとの協働により、録画装置200の各部を統括的に制御する。また、制御部21は、プロセッサとROMに記憶されたプログラムとの協働により、後述する副録画制御部211及び副再生制御部212を実現させる。
【0021】
RAM22は、録画装置200の主記憶装置であって、制御部21のワークエリアとして機能する。I/O制御部23は、シリアル/パラレルインタフェース等の入出力インタフェースである。I/O制御部23は、制御部21及びRAM22と、チューナ部24、記録部25及び通信アダプタ26との間の情報の入出力を制御する。
【0022】
チューナ部24は、アンテナ300を通じてテレビ放送波を受信し、受信したテレビ放送波を復調し、当該テレビ放送波に含まれる映像信号と音声信号とを番組データとして出力する。
【0023】
記録部25は、HDD等の記録媒体を有し、制御部21の制御の下、チューナ部24によって受信された番組データを記録媒体に録画(記録)する。また、記録部25は、制御部21の制御の下、記録媒体に録画した番組データを読み出す。
【0024】
通信アダプタ26は、テレビジョン装置100と接続するための通信インタフェースである。通信アダプタ26は、制御部21の制御の下、テレビジョン装置100との間でデータ通信を行う。
【0025】
操作受付部27は、図示しないリモートコントローラからの信号を受信する受信装置や、録画装置200に設けられた操作ボタン等を有し、リモートコントローラや操作ボタンを介して受け付けたユーザからの指示内容を、制御部21に出力する。
【0026】
アンテナ300は、デジタル放送等の各種の放送受信に対応したアンテナ装置である。なお、図1では、同一のアンテナ300にテレビジョン装置100と録画装置200とが接続される構成としたが、これに限らないものとする。
【0027】
図2は、テレビジョン装置100と録画装置200との機能構成を示す図である。同図に示すように、テレビジョン装置100は、制御部11により実現される機能部として主録画制御部111と、主再生制御部112とを備える。また、録画装置200は、制御部21により実現される機能部として副録画制御部211と、副再生制御部212とを備える。
【0028】
主録画制御部111は、副録画制御部211と協働し、番組の録画を行う機能部である。具体的に、主録画制御部111は、チューナ部14が受信したテレビ放送波に含まれるEPG(Electronic Program Guide)等の電子番組ガイドを取得する。また、主録画制御部111は、録画装置200から送信された電子番組ガイドを受け付けると、自装置で取得した電子番組ガイドに録画装置200から送信された電子番組ガイドを加え、本システムで録画可能な番組の一覧として表示部17に表示する。なお、テレビジョン装置100及び録画装置200において、電子番組ガイドが同一、つまり録画可能な番組となる構成の場合には、何れか一方の電子番組ガイドを表示する形態としてもよい。
【0029】
テレビジョン装置100の表示部17に表示された電子番組ガイドに基づき、リモートコントローラR等を介してユーザにより録画の対象とする番組が指定されると、主録画制御部111は、操作受付部18を介して、この指定された番組を録画対象の番組として受け付ける。なお、録画の対象となる番組は、現在放送中の番組に限らず、将来放送予定の番組の録画予約であってもよい。
【0030】
主録画制御部111は、録画対象の番組の指定を受け付けると、当該番組の録画を指示する指示情報(以下、録画要求という)を、通信アダプタ16を介して録画装置200に送信するとともに、自装置の記録部15において当該番組の録画を開始する。なお、録画要求には、録画対象の番組を特定する情報(例えば、チャンネル番号や放送開始日時、放送終了日時、番組名等)が含まれるものとする。
【0031】
ここで、主録画制御部111は、自装置での番組録画において、録画を開始してから所定時間(例えば1分等)後に停止することで、番組の先頭から所定時間分の番組データを記録部15に録画する。つまり、テレビジョン装置100には、番組の冒頭部分のデータが録画されることになる。以下、テレビジョン装置100の記録部15に録画された番組データを「第1番組データ」という。
【0032】
なお、録画の停止に係る所定時間は、番組の全長よりも短い時間であるとする。また、テレビジョン装置100で録画を行う番組データは、チューナ部14で受信されたものに限らず、録画装置200から送信される番組データであってもよい。例えば、録画対象の番組が自装置で受信可能な場合には、チューナ部14で受信された番組データを録画し、自装置で受信不可能な場合には、録画装置200から送信された番組データを録画する形態としてもよい。
【0033】
副録画制御部211は、主録画制御部111の制御に従い、番組の録画を行う機能部である。具体的に、副録画制御部211は、チューナ部24が受信したテレビ放送波に含まれるEPG等の電子番組ガイドを取得し、通信アダプタ26を介してテレビジョン装置100に送信する。
【0034】
また、副録画制御部211は、通信アダプタ26を介してテレビジョン装置100から録画要求を受け付けると、録画要求で指定された番組の番組データを録画する。以下、録画装置200の記録部25に録画された番組データを「第2番組データ」という。なお、副録画制御部211は、自装置のチューナ部24で受信された録画対象の番組データを、通信アダプタ26を介してテレビジョン装置100に送信する形態としてもよい。
【0035】
ところで、コピーワンスやダビング10等のコピー制御技術が番組データに施されている場合には、録画装置200で受信した番組データをテレビジョン装置100に送信すると、コピー制御の対象に該当するため、番組データに付されたコピー(或いはムーブ)可能なカウント数(以下、コピー回数という)を調整する必要がある。
【0036】
そこで、副録画制御部211は、自装置で受信した番組データをテレビジョン装置100に送信する場合、以下に示す二つの録画方法のうち何れか一つを用いることで、コピー回数を整合させる。
【0037】
第1の録画方法。まず、テレビジョン装置100で録画を行う所定時間分の番組データをテレビジョン装置100に送信する。そして、テレビジョン装置100への送信停止に伴い、残りの番組データの録画を自装置(録画装置200)で開始する。
【0038】
この第1の録画方法を採用した場合、図3に示すように、番組の全編(番組データD1:コピー回数n(nは1以上の整数))のうち、冒頭の所定時間分の第1番組データD11がテレビジョン装置100で録画され、残りの第2番組データD12が録画装置200で録画されることになる。ここで、第1番組データD11と第2番組データD12とは、独立したデータとして取り扱うことができるため、ともにコピー回数“n”を保持したまま録画することができる。
【0039】
第2の録画方法。まず、録画対象の番組データをテレビジョン装置100に送信するとともに、当該番組データの録画を自装置で開始する。テレビジョン装置100が録画を行う所定時間が経過すると、当該テレビジョン装置100への送信を停止する。そして、自装置においては、番組の放送が終了するまで録画を継続する。
【0040】
この第2の録画方法を採用した場合、図4に示すように、番組の全編(番組データD2:コピー回数n(nは1以上の整数))のうち、冒頭の所定時間分の第1番組データD21がテレビジョン装置100で録画され、番組の全編となる第2番組データ(D22+D23)が録画装置200で録画される。ここで、副録画制御部211は、テレビジョン装置100に送信する第1番組データD21のコピー回数を“0”として送信する。また、副録画制御部211は、自装置で録画する第2番組データD2のうち、当該第2番組データの先頭からテレビジョン装置100に送信した所定時間までの第2番組データD22(第1番組データD21に相当)のコピー回数を“n−1”とし、残りの第2番組データD23のコピー回数を“n”として録画する。これにより、テレビジョン装置100及び録画装置200で録画された番組データのコピー回数を整合させることができる。
【0041】
図2に戻り、主再生制御部112は、副再生制御部212と協働し、録画された番組の再生を行う機能部である。具体的に、主再生制御部112は、記録部15に録画された番組(番組データ)から、再生の対象となる番組がリモートコントローラR等で指定されると、その指定された番組を再生対象の番組として受け付ける。
【0042】
主再生制御部112は、再生対象の番組の第1番組データを記録部15から読み出して再生するとともに、当該番組の第2番組データを要求する指示情報(以下、番組要求という)を、通信アダプタ16を介して録画装置200に送信する。なお、要求情報には、再生対象の番組(番組コンテンツ)を特定する情報(例えば、チャンネル番号や放送開始日時、放送終了日時、番組名等)が含まれるものとする。
【0043】
録画装置200では、テレビジョン装置100からの番組要求に応じて第2番組データの送信を開始するため、主再生制御部112は、録画装置200から送信された第2番組データをRAM12にバッファリングする。また、主再生制御部112は、記録部15から読み出した第1番組データの再生が終端に到達すると、バッファリングした第2番組データの再生を連続的に開始し、以降、録画装置200から送信される第2番組データをストリーミング再生する。
【0044】
ここで、主再生制御部112は、第1番組データの再生終了後、当該再生終了位置に続く位置から第2番組データを連続的に再生する。具体的に、主再生制御部112は、第1番組データの終端の再生時間に続く再生時間から第2番組データの再生を開始することで、第1番組データと第2番組データとが切れ目なくスムーズに再生されるよう制御する。
【0045】
副再生制御部212は、主再生制御部112の制御に従い、番組の再生を行う機能部である。具体的に、副再生制御部212は、通信アダプタ26を介してテレビジョン装置100から番組要求を受け付けると、この番組要求で指定された再生対象の番組の第2番組データを記録部25から読み出し、テレビジョン装置100に送信する。
【0046】
ここで、録画装置200から送信する第2番組データは、番組の全編であってもよいし、録画時においてテレビジョン装置100に送信した所定時間分の番組データ以降の、残りの番組データであってもよい。なお、テレビジョン装置100がどこまで録画したかについては、録画装置200がどこまで送信したかによって記録しているものとする。また、テレビジョン装置100において独自に録画していた場合には、テレビジョン装置100から録画を停止する時間を録画装置200に通知することで、録画装置200ではテレビジョン装置100がどこまで録画したかを把握しているものとする。
【0047】
次に、図5及び図6を用いて、本実施形態のネットワークシステムの動作について説明する。
【0048】
まず、図5を参照して、番組録画時の動作について説明する。図5は、番組録画処理の手順を示すフローチャートである。同図において、ステップS11〜S18はテレビジョン装置100が実行する処理であり、ステップS21〜S28は録画装置200が実行する処理である。なお、本処理の前提として、テレビジョン装置100において、リモートコントローラR等を介して、録画装置200で受信可能な番組の録画予約が行われたとし、当該番組の録画予約を指示する録画要求が主録画制御部111から副録画制御部211に送信されたとする。
【0049】
まず、テレビジョン装置100の主録画制御部111は、自装置に設けられたRTC(Real Time Clock)等の計時装置を用いて、現在時刻が録画対象の番組の放送開始時刻の所定時間前(例えば1分前)に到達したことを検出すると(ステップS11)、通信確立のための起動要求を、通信アダプタ16を介して録画装置200に送信する(ステップS12)。
【0050】
録画装置200の副録画制御部211は、テレビジョン装置100から起動要求を受信すると、通信アダプタ26を介してテレビジョン装置100にアクセスする。これにより、テレビジョン装置100と録画装置200との間で通信が確立する(ステップS13、ステップS21)。
【0051】
続いて、録画装置200の副録画制御部211は、自装置に設けられた計時装置を用いて、現在時刻が録画対象の番組の放送開始時刻に到達するまで待機する(ステップS22;No)。放送開始時刻に到達したことを検出すると(ステップS22;Yes)、副録画制御部211は、テレビジョン装置100に向けて、チューナ部24で受信された録画対象の番組の番組データの送信を開始する(ステップS23)。また、上述した第2の録画方法を採用する場合、副録画制御部211は、番組データの送信開始とともに、自装置において当該番組データの録画を開始する(ステップS24)。
【0052】
一方、テレビジョン装置100の主録画制御部111は、録画装置200から番組データを受信すると(ステップS14)、この受信した番組データの録画を開始する(ステップS15)。続いて、主録画制御部111は、自装置に設けられた計時装置を用いて、録画を開始してから所定時間が経過するまで待機し(ステップS16;No)、この所定時間に到達したことを検出すると(ステップS16;Yes)、番組データの送信停止を指示する情報(送信停止要求)を録画装置200に送信する(ステップS17)。そして、主録画制御部111は、自装置での番組データの録画を停止し(ステップS18)、処理を終了する。
【0053】
録画装置200の副録画制御部211では、ステップS23で番組データの送信を開始した後、テレビジョン装置100から送信停止要求を受信するまで番組データの送信を継続する(ステップS25;No)。テレビジョン装置100から送信停止要求を受信すると(ステップS25;Yes)、副録画制御部211は、テレビジョン装置100への番組データの送信を停止する(ステップS26)。なお、上述した第1の録画方法を用いる場合、副録画制御部211は、ステップS26での番組データの送信を停止にともない、当該番組データの録画を自装置において開始する。
【0054】
続いて、副録画制御部211は、自装置に設けられた計時装置が計時する時刻に基づき、現在時刻が録画対象の番組の放送終了時刻に到達するまで待機する(ステップS27;No)。そして、副録画制御部211は、放送終了時刻に到達したことを検出すると(ステップS27;Yes)、番組データの録画を停止し(ステップS28)、処理を終了する。
【0055】
上記番組録画処理により、テレビジョン装置100には、番組の冒頭部分となる第1番組データが録画され、録画装置200には、番組の全編又は冒頭部分を除いた第2番組データが録画されることになる。
【0056】
次に、図6を参照して、番組データの再生時の動作について説明する。図6は、番組再生処理の手順を示すフローチャートである。同図において、ステップS31〜S39はテレビジョン装置100が実行する処理であり、ステップS41〜S45は録画装置200が実行する処理である。なお、本処理の前提として、テレビジョン装置100において、記録部15に録画された番組(第1番組データ)の中から、リモートコントローラR等を介して再生対象の番組が指定されたとする。
【0057】
本処理の前提として、テレビジョン装置100の操作受付部18を介して、記録部15に録画された番組データから再生の対象となる番組が指示されたとする。
【0058】
まず、テレビジョン装置100の主再生制御部112は、通信アダプタ16を介して通信確立のための起動要求を録画装置200に送信する(ステップS31)。続いて、主再生制御部112は、再生対象となった番組の第1番組データを記録部15から読み出し、再生を開始する(ステップS32)。
【0059】
録画装置200の副再生制御部212では、テレビジョン装置100からの起動要求を受信すると、通信アダプタ26を介してテレビジョン装置100にアクセスする。これにより、テレビジョン装置100と録画装置200との間で通信が確立する(ステップS33、ステップS41)。
【0060】
通信が確立すると、テレビジョン装置100の主再生制御部112は、再生対象の番組の第2番組データを要求する番組要求を録画装置200に送信する(ステップS34)。録画装置200の副再生制御部212は、テレビジョン装置100から番組要求を受信すると(ステップS42)、この番組要求で指定された第2番組データを記録部25から読み出し、テレビジョン装置100に向けて送信を開始する(ステップS43)。
【0061】
テレビジョン装置100の主再生制御部112は、録画装置200から第2番組データを受信すると、当該第2番組データをRAM12にバッファリングする(ステップS35)。続いて、主再生制御部112は、自装置で再生中の番組データが終端に到達するまで再生を継続し(ステップS36;No)、終端に到達したと判定すると(ステップS36;Yes)、録画装置200から受信した第2番組データの再生を連続的に開始する(ステップS37)。
【0062】
一方、録画装置200の副再生制御部212では、送信中の第2番組データが終端に到達するまで送信を継続し(ステップS44;No)、終端に到達したと判定すると(ステップS44;Yes)、テレビジョン装置100への送信を終了し(ステップS45)、処理を終了する。
【0063】
また、テレビジョン装置100の主再生制御部112は、再生中の第2番組データが終端に到達するまで再生を継続し(ステップS38;No)、終端に到達したと判定すると(ステップS38;Yes)、第2番組データの再生を終了し(ステップS39)、処理を終了する。
【0064】
以上のように、本実施形態によれば、テレビジョン装置100において特定の番組の再生が指示されると、記録部15に録画された当該番組の冒頭部分となる第1番組データの再生を開始するとともに、当該番組の全編或いは残りの部分となる第2番組データを録画装置200から取得し、第1番組データの再生終了後第2番組データを連続的に再生する。これにより、自装置(テレビジョン装置100)に保存した第1番組データから再生を開始し、他の装置(録画装置200)に録画された第2番組データと合わせて番組全編を再生することができるため、他の装置から番組のデータが送信されるまで再生を待機することなく、直ちに再生を開始することができる。したがって、自装置以外の他の装置で録画された番組の再生に係る利便性を向上させることができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0066】
例えば、上記実施形態では、テレビジョン装置100が主録画制御部111を備えることで、番組データの録画を主として制御する形態としたが、これに限らず、録画装置200等の他の装置が主録画制御部111を備える形態としてもよい。例えば、図7に示すように、制御部やチューナ部を備えたセットトップボックス等の受信装置400に、上述した主録画制御部111の機能を実現させることで、受信装置400が、テレビジョン装置100及び録画装置200での番組録画を制御する構成としてもよい。例えば、図7の構成を用いる場合、受信装置400の主録画制御部111は、自装置で受信された録画対象の番組の番組データのうち、先頭から所定時間分の番組データ(第1データ)をテレビジョン装置100に送信して録画させるとともに、番組の全編或いは残りの番組データ(第2番組データ)を録画装置200に送信して録画させる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0067】
100…テレビジョン装置、11…制御部、12…RAM、13…I/O制御部、14…チューナ部、15…記録部、16…通信アダプタ、17…表示部、18…操作受付部、111…主録画制御部、112…主再生制御部、200…録画再生装置、21…制御部、22…RAM、23…I/O制御部、24…チューナ部、25…記録部、26…通信アダプタ、27…操作受付部、211…副録画制御部、212…副再生制御部、300…アンテナ、400…受信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
録画対象の番組の指定を受け付ける第1受付手段と、
前記録画対象の番組の録画を外部装置に指示するとともに、当該番組の先頭から所定時間分の第1番組データを記録媒体に録画する録画制御手段と、
前記記録媒体に録画された番組の中から、再生対象とする番組の指定を受け付ける第2受付手段と、
前記指定された再生対象の番組の第1番組データと、前記外部装置に録画された当該番組の第2番組データとを連続的に再生する再生制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記再生制御手段は、前記指定された再生対象の番組の前記第1番組データの再生を開始するとともに、前記外部装置に録画された当該番組の前記第2番組データの取得を開始し、前記第1番組データの再生終了後、この再生終了位置から前記第2番組データの再生を開始する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記録画制御手段は、前記録画対象の番組の全編のうち、前記第1番組データ以降の残りを前記第2番組データとして前記外部装置に録画させる、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記番組の放送波を受信するチューナ手段を更に備え、
前記録画制御手段は、前記チューナ手段で受信された前記録画対象の番組の前記第1番組データを前記記録媒体に録画する請求項1〜3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記外部装置から送信された前記録画対象の番組の前記第1番組データを受信する受信手段を更に備え、
前記録画制御手段は、前記受信手段が受信した前記第1番組データを前記記録媒体に録画する請求項1〜3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
第1受付手段が、録画対象の番組の指定を受け付ける第1受付工程と、
録画制御手段が、前記録画対象の番組の録画を外部装置に指示するとともに、当該番組の先頭から所定時間分の第1番組データを記録媒体に録画する録画制御工程と、
第2受付手段が、前記記録媒体に録画された番組の中から、再生対象とする番組の指定を受け付ける第2受付工程と、
再生制御手段が、前記指定された再生対象の番組の第1番組データと、前記外部装置に録画された当該番組の第2番組データとを連続的に再生する再生制御工程と、
を含む情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−16881(P2013−16881A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146145(P2011−146145)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】