説明

情報処理装置及び情報処理用プログラム

【課題】簡略な構成で且つコスト等を削減しつつ、放送情報等の受信処理の実行予定時間と複写処理等の実行予定時間とが重複する場合でも夫々を両立させて実行することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】予約録画処理とダビング処理とを行うためのMPEGエンコーダ6及び記録エンコーダ7を備えるレコーダSにおいて、予約録画時間の少なくとも一部と、ダビング時間の少なくとも一部と、との間に時間的な重なりがあるか否かを検出し、当該重なりがあるとき、予約録画時間を除く時間にダビング処理を実行するようにMPEGエンコーダ6及び記録エンコーダ7を制御するCPU17を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、情報処理装置及び情報処理用プログラムの技術分野に属し、より詳細には、例えば放送電波等を介して伝送されて来る放送情報に対して記録等の情報処理を施すと共に、既に取得済みの情報に対しても必要な情報処理を施す情報処理装置及び当該情報処理に供される情報処理用プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送電波を介して放送されて来る番組等の放送情報を受信し、これをDVD(Digital Versatile Disc)又はハードディスク等の記録媒体に記録する、いわゆるハードディスクレコーダ等の情報記録装置が一般化しつつある。
【0003】
一方、当該ハードディスクレコーダにおいては、異なる記録媒体間における情報の複写処理(いわゆるダビング処理やリッピング処理等)が可能となっている場合が多い。
【0004】
ここで、上述した放送情報の受信処理においては、そのスケジュールは外部の放送局における放送予定に基づいて定められるものであり、それを受信する使用者としては、例えば放送開始時間(=録画開始時間)等の設定を含む予約録画処理のための設定を行って上記放送情報を予約受信し、これを記録することが必要となる。
【0005】
他方、上記情報の複写処理においては、その転送レートにもよるが、ある程度の時間を要する場合が多い。
【0006】
そして、一台のハードディスクレコーダを用いて上記放送情報の受信処理と情報の複写処理とを行う場合、当該放送情報の受信処理に要する時間と情報の複写処理に要する時間とが重複する場合があり得る。
【0007】
この点につき、従来では、使用者自ら実行される時間帯を設定した情報の複写処理の方が放送情報の受信処理より優先される構成となっている場合が多く、当該複写処理が終了しない限り放送情報の受信処理が開始されない構成となっている場合が多かった。
【0008】
また、下記特許文献1に記載されている他の従来技術としては、放送情報の受信処理に要する時間と情報の複写処理に要する時間とが重複する場合に当該使用者に対して警告を発し、当該使用者にいずれの処理を実行するかを選択させる構成となっている。
【0009】
更に下記特許文献2に記載されている更に他の従来技術としては、ネットワークを用いて二台のハードディスクレコーダを接続し、放送情報の受信処理に要する時間と情報の複写処理に要する時間とが重複する場合に、一方のハードディスクレコーダに放送情報の受信処理を行わせ、他方のハードディスクレコーダに情報の複写処理を実行させる構成となっている。
【特許文献1】特開2004−040355
【特許文献2】特開2003−274813
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2以外の従来の技術並びに当該特許文献1に記載の技術では、放送情報の受信処理に要する時間と情報の複写処理に要する時間とが重複する場合に、いずれか一方の処理を実行することしかできない点で変わりはない。
【0011】
また、上記特許文献2に記載の技術では、最低でも二台のハードディスクレコーダが必要となるのであり、これではコスト、設置スペース及び操作が複雑となる等の点で問題があった。
【0012】
そこで、本願は上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、簡略な構成で且つコスト等を削減しつつ、放送情報等の受信処理の実行予定時間と複写処理等の実行予定時間とが重複する場合でも夫々を両立させて実行することが可能な情報処理装置及び当該情報処理用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、予め規定された予定に従って外部から入力されて来る外部入力情報を光ディスク等の記録媒体に記録する外部依存処理と、既に前記記録媒体に記録されている既存情報を他の記録媒体に記録する既存処理と、を実行するMPEGエンコーダ等の処理手段と、前記外部依存処理を実行すべき時間であって前記予定に対応した外部依存処理時間の少なくとも一部と、前記既存処理を行うべき時間である既存処理時間の少なくとも一部と、の間に時間的な重なりがあるかを検出するCPU等の重複検出手段と、前記重なりがあるとき、前記外部依存処理時間を除く時間に前記既存処理を実行するように前記処理手段を制御するCPU等の制御手段と、を備える。
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から10のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本願を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、テレビジョン放送電波を介して放送されて来る放送情報(具体的には画像情報又は音声情報等)を、予めその放送スケジュールを記憶(予約)して受信し記録する予約録画処理と、既に記録済の情報を外部又は同一装置内に設けられた他の記録媒体から複写する、いわゆるダビング処理と、の双方が可能な情報記録装置に対して本願を適用した場合の実施の形態である。
【0016】
(I)第1実施形態
始めに、本願に係る第1実施形態について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0017】
なお、図1は第1実施形態に係る情報記録装置の概要構成を示すブロック図であり、図2は当該情報記録装置の動作を示すフローチャートであり、図3は当該動作を具体的に説明する概念図である。
【0018】
図1に示すように、第1実施形態に係る情報記録装置Sは、ピックアップ2と、A/D(アナログ/デジタル)コンバータ3と、処理手段としてのMPEG(Moving Picture Expert Group)エンコーダ4と、処理手段としての記録エンコーダ6と、記録回路7と、MPEGデコーダ11と、D/Aコンバータ13と、スピンドルモータ16と、重複検出手段、終了予定時刻検出手段及び制御手段としてのCPU17と、サーボ回路18と、告知手段としての表示部19と、外部依存処理時間設定手段としての操作部20と、により構成されている。
【0019】
次に、各構成部材個々の概要動作を、図1を用いて説明する。
【0020】
先ず、第1実施形態に係る上記予約録画処理として、外部接続されている図示しないテレビジョンチューナ等において放送電波を介して受信された上記放送情報(当該放送情報としては、具体的には、上述したように画像情報及び音声情報の双方が含まれる)を記録媒体としての光ディスク1に記録する場合について説明する。
【0021】
先ず、当該予約録画処理を行う前提として、操作部20においては、当該予約録画処理の対象となっている放送情報の放送開始時刻及び放送終了時刻、放送チャンネル並びに光ディスク1に記録する際の記録レート(換言すれば、当該記録の際の画質等)等が入力され、これらの情報が指示信号ScとしてCPU17に出力される。そして、当該CPU17は、当該放送開始時刻を示す情報等を不揮発的に記憶し、更に当該放送開始時刻が近づくと、光ディスク1への記録処理のための予め設定された初期化処理等を上記各構成部材において実行するように、当該各構成部材を制御する。
【0022】
そして、上記した予約録画処理のための動作が完了し、更に当該放送開始時刻が到来したことで上記放送情報に対応する情報信号Sinが図示しない上記テレビジョンチューナ等から入力されると、先ず、A/Dコンバータ3は当該情報信号Sinをデジタル化し、デジタル信号Sdを生成してMPEGエンコーダ4へ出力する。
【0023】
そして、MPEGエンコーダ4は、CPU17から出力されている制御信号S7に基づいて、入力されてくるデジタル信号Sdを例えばMPEG2方式で圧縮し、圧縮信号Seを生成して記録エンコーダ6及びMPEGデコーダ11へ出力する。
【0024】
これにより、記録エンコーダ6は、CPU17から出力されている制御信号S3に基づき、入力されてくる圧縮信号Seに対して、当該圧縮信号Seの現在のフォーマットを光ディスク1に記録する際のフォーマットに変換するいわゆるフォーマッティング処理を施し、記録エンコード信号Sreを生成して記録回路7へ出力する。
【0025】
これと並行して、記録エンコーダ6は、上記制御信号S3に基づき、必要に応じて、生成された記録エンコード信号Sreに基づいて記録すべき後述の記録信号Srの光ディスク1上の位置(すなわち、記録すべき情報が記録される光ディスク1上の位置)を示す記録アドレス信号SraをCPU17に出力する。
【0026】
次に、記録回路7は、CPU17から出力されている制御信号S2に基づいて、入力されてくる記録エンコード信号Sreを記録用の記録信号Srに変換し、ピックアップ2へ出力する。このとき記録回路7においては、記録すべき情報に正確に対応した形状のピットを後述の光ディスク1上に形成すべく、記録エンコード信号Sreに対していわゆるライトストラテジ処理等が施される。
【0027】
その後、ピックアップ2は、記録回路7から出力されている記録信号Srに基づいて、当該ピックアップ2内の図示しない半導体レーザ等の光源を駆動してレーザ光等の光ビームBを生成して光ディスク1の情報記録面に照射し、当該記録信号Srに対応するピットを形成することにより記録信号Srを光ディスク1上に記録する。
【0028】
このとき、当該光ディスク1は、後述するスピンドル制御信号Ssmに基づいて駆動されるスピンドルモータ16により所定の回転数で回転されている。なお、当該光ディスク1上では、例えば、相変化方式により記録信号Srに対応するピットが形成されて当該記録信号Srが記録される。
【0029】
一方、MPEGデコーダ11は、CPU17から出力されている制御信号S9に基づいて、入力されてくる上記圧縮信号Seに対してMPEG2方式による伸長処理を施し、デコード信号SdcとしてD/Aコンバータ13に出力される。
【0030】
次に、D/Aコンバータ13は、デコード信号Sdcをアナログ化し、上記情報信号Sinに対応する出力信号Soutを生成して図示しない外部のモニタ又は図示しないスピーカ等に出力する。
【0031】
このとき、CPU17は、上記記憶されている放送情報の放送開始時刻及び放送終了時刻、放送チャンネル並びに記録レート並びに上記記録アドレス信号Sra等に基づき、上記予約録画処理を実行すべく、上記各制御信号S2、S3、S7及びS9を生成し、上記各構成部材に出力して上述した記録のための各動作を制御する。
【0032】
以上説明した一連の情報記録時の動作により、現在記録されている記録信号Srに対応する画像又は音声を実時間でモニタしつつ記録することができる。
【0033】
次に、第1実施形態に係る上記ダビング処理として、外部接続されている図示しない他の情報再生装置から入力されてくる情報又は情報記録装置S内の図示しない他の記録媒体(例えば、磁気を用いて情報が記録されるハードディスク等)に記録されている情報を光ディスク1に記録する場合の処理について説明する。
【0034】
なお、上記他の情報再生装置又は他の記録媒体からの情報は、上記情報信号SinとしてA/Dコンバータ3に入力される。
【0035】
そして、ダビング処理を開始するときに、操作部20において図示しないダビング開始ボタンが操作されると、A/Dコンバータ3、MPEGエンコーダ4、記録エンコーダ6、記録回路7、ピックアップ2、MPEGデコーダ11及びD/Aコンバータ13は、上述した予約録画処理の場合と同様の動作を実行し、光ディスク1にダビングすべき情報信号Sinに対応する記録信号Srを光ディスク1に記録すると共に、現在記録されている記録信号Srに対応する画像又は音声を出力信号Soutとして上記図示しない外部のモニタ又は図示しないスピーカ等に出力することになる。
【0036】
このとき、CPU17は、上記記録アドレス信号Sra等に基づき、上記ダビング処理を実行すべく、上記各制御信号S2、S3、S7及びS9を生成し、上記各構成部材に出力して上述した記録のための各動作を制御する。
【0037】
これらの予約録画処理又はダビング処理の各動作と並行して、CPU17は、スピンドルモータ16及びピックアップ2をサーボ制御するための制御信号Ssを生成してサーボ回路18に出力し、当該サーボ回路18は、制御信号Ssに基づいてスピンドルモータ16の回転を制御するための上記スピンドル制御信号Ssmを生成して当該スピンドルモータ16に出力すると共に、ピックアップ2におけるいわゆるトラッキングサーボ制御及びフォーカスサーボ制御のためのピックアップ制御信号Sspを生成して当該ピックアップ2に出力する。そして、ピックアップ2は、当該ピックアップ制御信号Sspに基づき、光ビームBに対してトラッキングサーボ制御及びフォーカスサーボ制御を施しつつ上記記録信号Srの記録を行う。
【0038】
なお、上述した情報記録装置Sの動作を使用者が制御するために必要な情報は、CPU17からの表示信号Sdpに基づいて表示部19に表示される。
【0039】
また、上述したダビング処理においては、MPEGエンコーダ4における上記フォーマッティング処理を伴うダビング処理の場合についてそのための各構成部材の動作を説明したが、第1実施形態に係るダビング処理としては、上記の他に、MPEGエンコーダ4及び記録エンコーダ6を用いない(すなわち、情報信号Sinとして入力されてくるダビング処理対象の情報におけるフォーマットが既に光ディスク1に情報を記録する際に用いられるべき記録フォーマットに沿っており、且つ記録処理のためのデータレートの変換等を行う必要がないが故に、MPEG2方式に則った再符号化処理や上記フォーマッティング処理が必要ない)ダビング処理がある。このダビング処理を実行する場合には、A/Dコンバータ3によりデジタル化されたデジタル信号Sdは、そのままMPEGエンコーダ4及び記録エンコーダ6をスルーして記録回路7に出力されることとなる。
【0040】
なお、このMPEGエンコーダ4及び記録エンコーダ6を用いないダビング処理の場合は、上記予約録画処理において当該MPEGエンコーダ4及び記録エンコーダ6を使用する場合においても、当該予約録画処理とダビング処理とを並列的に同時進行させることが可能である。この場合は、記録回路7及びピックアップ2においては、予約録画処理とダビング処理とが時分割的に実行されることとなる。
【0041】
次に、上述してきた構成を備える情報記録装置Sにおいて実行される、第1実施形態に係る上記ダビング処理及び上記予約録画処理について、具体的に図2及び図3を用いて説明する。なお、以下に説明する動作においては、MPEGエンコーダ4及び記録エンコーダ6を複数組備えているものではなく、一組のみ備えている情報記録装置Sについて説明する。また、上記予約録画処理に必要な放送開始時刻及び放送終了時刻、放送チャンネル並びに光ディスク1に記録する際の記録レートを示す諸情報は、周知の方法により既にCPU17内に不揮発的に記憶されているものとする。
【0042】
図2に示すように、予約録画処理に必要な上記諸情報がCPU17内に記憶された状態で第1実施形態に係るダビング処理の開始が操作部20において指示されると(ステップS1)、そのダビング処理がMPEGエンコーダ4及び記録エンコーダ6による符号化処理等を必要とするものか否かを判定する(ステップS2)。このステップS2における判定は、使用者が指定した記録レートと情報信号Sinとしてのデータレートとが相違しているか否か、又は光ディスク1における記録可能な残容量と記録すべき情報信号Sin全体の情報量との関係等に基づき、CPU17において判定される。
【0043】
ステップS2の判定において、実行されるべきダビング処理がMPEGエンコーダ11及び記録エンコーダ6を用いないダビング処理である場合には(ステップS2;NO)、そのまま記録回路7等を用いて必要なダビング処理を開始する(ステップS9)。
【0044】
そして、当該ダビング処理を実行中においては、必要なダビング処理が全て完了したか否かを常に確認しており(ステップS10)、必要なダビング処理が終了したのならば(ステップS10;YES)そのまま第1実施形態に係る動作を終了し、一方、未だ必要なダビング処理が全て終了していない場合は(ステップS10;NO)、上記ステップS9に戻って必要なダビング処理を継続する。
【0045】
一方、上記ステップS2の判定において、実行されるべきダビング処理がMPEGエンコーダ11及び記録エンコーダ6を用いる必要のあるダビング処理である場合には(ステップS2;YES)、次に、ステップS1において指示されたダビング処理が実行される時間(以下、当該時間を単にダビング時間と称する)を算出し、更に当該算出されたダビング時間の少なくとも一部と上記予約録画処理が実行される時間(すなわち、CPU17に記憶されている放送開始時刻から放送終了時刻までの時間。以下、当該時間を単に予約録画時間と称する。)の少なくとも一部とが時間的に重なっているか否かを確認する(ステップS3、S4)。
【0046】
そして、当該重なりがないときは(ステップS4;NO)、MPEGエンコーダ6及び記録エンコーダ7を重複使用する必要がないことから、直ちにダビング処理を開始しても予約録画処理に影響を与えることがないことになるので、そのまま記録回路7等を用いて必要なダビング処理を開始し(ステップS9)、以下上述したステップS10の動作に移行する。
【0047】
他方、ステップS4の判定において、予約録画時間とダビング時間との間に少なくとも一部同士の重なりがあるときは(ステップS4;YES)、その旨を表示部19を用いて表示して使用者に警告し、更に予約録画処理が終了した後にダビング処理を開始した場合の当該ダビング処理の終了予定時刻を計算して表示し、併せて予約録画処理が終了した後にダビング処理を開始する旨を表示する(ステップS5)。
【0048】
そして、当該表示内容、すなわち予約録画処理が終了した後にダビング処理を開始する旨を使用者が了承したことを示す操作が操作部20において実行されたか否かを確認し(ステップS6)、当該操作が実行されたときは(ステップS6;YES)、先ず予約録画処理をCPU17に記憶されている放送開始時刻等に基づいて実行し(ステップS11)、その終了後に上記ステップS9に移行してダビング処理を実行し(ステップS9)、更に上述したステップS10の動作に移行する。
【0049】
一方、ステップS6の判定において、予約録画処理が終了した後にダビング処理を開始する旨を使用者が了承しないことを示す操作が操作部20において実行されたときは(ステップS6;NO)、ダビング処理の実行により予約録画処理の一部が実行されなくても構わないと判断されたと看做し、次に、直ちにダビング処理を開始するか否かを使用者に確認する(ステップS7)。そして、当該ダビング処理を直ちに開始することが使用者により了承された旨の操作が操作部20において実行されると(ステップS8;YES)、直ちに所望のダビング処理を行い(ステップS9)、その終了後に上記ステップS10の処理に移行する。
【0050】
他方、ステップS8の判定において、直ちにダビング処理を開始しない旨の操作が操作部20において実行されたときは(ステップS8;NO)、そのまま上記ステップS10の処理に移行する。
【0051】
次に、図1及び図2を用いて示した第1実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理の実行態様について、具体的に図3を用いて説明する。
【0052】
先ず、図3において、予約録画時間Pは、放送開始時刻TRSから放送終了時刻TREまでであり、一方、ダビング時間Pは、ダビング開始時刻TDSからダビング終了時刻TDEまでであるとする。そして、両者は、ダビング時間Pの終端部分と予約録画時間Pの始端部分とが、時間Dだけ重なっているとする。
【0053】
このような状態で第1実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理が実行されると、上記ステップS6の判定においてそれが「YES」であった場合は、図3最下段に示すように予約録画処理が全て終了した後、直ちにダビング処理が開始され必要なダビング処理が実行されることになる。
【0054】
以上説明したように、第1実施形態に係る情報記録装置Sの動作によれば、予約録画時間の少なくとも一部と、ダビング時間の少なくとも一部と、との間に時間的な重なりがあるとき、予約録画時間を除く時間にダビング処理を実行するように制御するので、使用者の手を介することなく且つ一つの情報記録装置Sを用いた簡易な構成で、予約録画処理とダビング処理とを両立させて実行することができる。
【0055】
従って、簡略な操作及び構成で且つコスト等を削減しつつ、予約録画時間とダビング時間とが重複する場合でも夫々を両立させて実行することができる。
【0056】
また、ダビング処理の終了予定時刻が告知されるので、より利便性を向上させることができる。
【0057】
(II)第2実施形態
次に、本願に係る他の実施形態である第2実施形態について、図4及び図5を用いて説明する。なお、図4は第2実施形態に係る情報記録装置における動作を示すフローチャートであり、図5は当該動作を具体的に説明する概念図である。
【0058】
また、上述した第1実施形態においては、予約録画時間とダビング時間との間に少なくとも一部同士の重なりがあるとき、予約録画処理を先に実行し、その終了後にダビング処理を再開するように構成したが、以下に説明する第2実施形態においては、ダビング処理が予約録画処理より早く開始される場合であって当該重なりがあるとき、先ずはダビング処理を予定通り開始し、その後に予約録画処理の実行開始時刻(すなわち、CPU17内に記憶されている放送開始時刻)から当該予約録画処理開始のために必要な準備処理を行う時間(以下、当該時間を準備時間と称する)だけ前になったタイミングでダビング処理を一次的に中断し、その後当該準備処理後に予約録画処理を実行し、その予約録画処理終了後に、一時的に中断したダビング処理をその中断したタイミングから再開する。
【0059】
また、第2実施形態に係る情報記録装置は、図1に示す第1実施形態に係る情報記録装置Sの構成と同様の構成を備えるので、細部の説明は省略する。
【0060】
次に、第2実施形態に係る上記ダビング処理及び上記予約録画処理について、具体的に図4及び図5を用いて説明する。なお、以下に説明する動作においては、第1実施形態の場合と同様に、上記予約録画処理に必要な放送開始時刻及び放送終了時刻、放送チャンネル並びに光ディスク1に記録する際の記録レートを示す諸情報は、周知の方法により既にCPU17内に不揮発的に記憶されているものとする。また、図4に示すフローチャートにおいては、図2に示す第1実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0061】
図4に示すように、予約録画処理に必要な上記諸情報がCPU17内に記憶された状態で第2実施形態に係るダビング処理の開始が操作部20において指示されると(ステップS1)、以下、図2に示すステップS2乃至S4と同様の処理を実行する。
【0062】
そして、当該ステップS4の判定において、予約録画時間とダビング時間との間に少なくとも一部同士の重なりがあるときは(ステップS4;YES)、次に、第2実施形態に係るダビング処理の対象となっている情報信号Sinのうち、予約録画処理の実行開始時刻である放送開始時刻から上記準備時間だけ前のタイミングまでにダビング処理を完了することができる情報信号Sinの部分を算出する(ステップS15)。
【0063】
その後、図2に示すステップS5と同様の処理として、上記予約録画時間とダビング時間との間に少なくとも一部同士の重なりがあることを表示すると共に、ダビング処理を一時中断して予約録画処理を実行後残りのダビング処理を再開する旨を表示し、更にステップS15で算出された部分までのダビング処理を予約録画処理の実行前に行って当該ダビング処理を一時中断し、その後上記予約録画処理を実行し、その後更に一時中断していたダビング処理をその一時中断した情報信号Sinの位置から再開した場合の当該ダビング処理全体の終了予定時刻を算出して表示する(ステップS5)
そして、当該表示内容、すなわちダビング処理を一時中断して予約録画処理を実行した後に残りのダビング処理を再開する旨を使用者が了承したことを示す操作が操作部20において実行されたか否かを確認し(ステップS6)、当該操作が実行されないときは(ステップS6;NO)、以降、図2に示すステップS7乃至S10の処理を実行する。
【0064】
一方、ステップS6の判定において、ダビング処理を一時中断して予約録画処理を実行した後に残りのダビング処理を開始する旨を使用者が了承したことを示す操作が操作部20において実行されたときは(ステップS6;YES)、予定のダビング処理の開始時刻から当該ダビング処理を開始し(ステップS16)、当該開始後は上記ステップS15において算出した情報信号Sinの部分までダビング処理が終了したか否かを監視する(ステップS17)。そして、当該部分(すなわち、ダビング処理の中断予定部分)までのダビング処理が終了していないときは(ステップS17;NO)上記ステップS16に戻って当該中断予定部分までダビング処理を継続し、一方、当該中断予定部分までダビング処理が終了したときは(ステップS17;YES)、次に上記放送開始時刻から予約録画動作を開始する(ステップS13)。
【0065】
当該予約録画処理の開始後はその予約録画処理が全て完了したか否かを監視する(ステップS18)。そして、当該予約録画処理が完了していないときは(ステップS18;NO)上記ステップS17に戻って予約録画処理を継続し、一方、予約録画処理が完了したときは(ステップS18;YES)、上記ステップS17の処理において一時中断していたダビング処理の残りを再開し、当該ダビング処理全体を完了させ(ステップS19)、その後は上記ステップS10の処理に移行する。
【0066】
次に、図4を用いて示した第2実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理の実行態様について、具体的に図5を用いて説明する。
【0067】
先ず、図5において、予約録画時間Pは、第1実施形態の場合と同様に放送開始時刻TRSから放送終了時刻TREまでであり、一方、ダビング時間Pも、第1実施形態の場合と同様にダビング開始時刻TDSからダビング終了時刻TDEまでであるとする。そして、両者は、ダビング時間Pの終端部分と予約録画時間Pの始端部分とが、時間Dだけ重なっているとする。
【0068】
このような状態で第2実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理が実行されると、上記ステップS6の判定においてそれが「YES」であった場合は、図5最下段に示すように、ダビング開始時刻TDSからダビング処理が開始され、その後、放送開始時刻TRSから上記準備時間Bだけ前のタイミング(図5において符号PD1で示すダビング時間経過後)でダビング処理が一中断される。
【0069】
当該ダビング処理の一時中断後は上記準備時間の間に予約録画処理開始のために必要な準備処理を実行し予約録画処理を開始する。そして、当該予約録画処理が全て完了した後、直ちにダビング処理の残り(その所要時間は、図5に示すダビング時間PD2である)が再開され必要なダビング処理の全てが実行されることになる。
【0070】
以上説明したように、第2実施形態に係る情報記録装置の動作による場合にも、予約録画時間の少なくとも一部と、ダビング時間の少なくとも一部と、との間に時間的な重なりがあるとき、予約録画時間を除く時間にダビング処理を実行するように制御するので、使用者の手を介することなく且つ一つの情報記録装置を用いた簡易な構成で、予約録画処理とダビング処理とを両立させて実行することができ、簡略な操作及び構成で且つコスト等を削減しつつ、予約録画時間とダビング時間とが重複する場合でも夫々を両立させて実行することができる。
【0071】
また、ダビング処理の終了予定時刻が告知されるので、より利便性を向上させることができる。
【0072】
更に、当該重なりがあるとき、予約録画処理が開始される時刻までにダビング処理の実行を一時的に中断し、予約録画処理終了後に当該中断されたダビング処理の実行を再開するので、予約録画処理とダビング処理とを確実に両立させて実行することができる。
【0073】
更にまた、放送開始時刻TRSから必要な準備時間Bだけ前の時刻にダビング処理の実行を中断するので、予約録画処理全体を不足なく実行することができる。
【0074】
(III)第3実施形態
次に、本願に係る更に他の実施形態である第3実施形態について、図6及び図7を用いて説明する。なお、図6は第3実施形態に係る情報記録装置における動作を示すフローチャートであり、図7は当該動作を具体的に説明する概念図である。
【0075】
上述した第2実施形態においては、予約録画処理を開始する前にダビング処理を中断するに当たり、放送開始時刻TRSから準備時間Bだけ前になったタイミングでダビング処理を一次的に中断した。これに対し、以下に説明する第3実施形態においては、ダビング処理が予約録画処理より早く開始される場合であって当該重なりがあるとき、先ずはダビング処理を予定通り開始し、その後に当該ダビング処理を中断して予約録画処理に移行するに当たり、ダビング処理の対象となっている情報信号Sinに相当する情報を構成する単位情報のうち、放送開始時刻TRSから準備時間B分遡ったタイミングより前にダビング処理が完了する最後の単位情報までの当該ダビング処理が完了したタイミングでダビング処理を一次的に中断する。そして、その後上記準備処理後に予約録画処理を実行し、その予約録画処理終了後に、一時中断前までにダビング処理が完了した最後の単位情報の次の単位情報を対象とするダビング処理から、当該ダビング処理を再開する。なお、上記単位情報の具体例について、例えばダビング処理の対象となっている情報が近年一般化しつつあるDVD(Digital Versatile Disc)規格に準拠した映画等の記録情報である場合、当該単位情報としては当該DVD規格における「チャプター」が相当する。
【0076】
また、第3実施形態に係る情報記録装置は、図1に示す第1実施形態に係る情報記録装置Sの構成と同様の構成を備えるので、細部の説明は省略する。
【0077】
次に、第3実施形態に係る上記ダビング処理及び上記予約録画処理について、具体的に図6及び図7を用いて説明する。なお、以下に説明する動作においては、第1及び第2実施形態の場合と同様に、上記予約録画処理に必要な放送開始時刻及び放送終了時刻、放送チャンネル並びに光ディスク1に記録する際の記録レートを示す諸情報は、周知の方法により既にCPU17内に不揮発的に記憶されているものとする。また、図6に示すフローチャートにおいては、図1に示す第1実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0078】
図6に示すように、予約録画処理に必要な上記諸情報がCPU17内に記憶された状態で第3実施形態に係るダビング処理の開始が操作部20において指示されると(ステップS1)、以下、図2に示すステップS2乃至S4と同様の処理を実行する。
【0079】
そして、当該ステップS4の判定において、予約録画時間とダビング時間との間に少なくとも一部同士の重なりがあるときは(ステップS4;YES)、次に、第3実施形態に係るダビング処理の対象となっている情報信号Sinのうち、予約録画処理の実行開始時刻である放送開始時刻TRSから上記準備時間Bだけ遡ったタイミングより前までにダビング処理を完了することができる情報信号Sin中の最後の単位情報(例えばチャプター)に相当する部分を算出する(ステップS20)。
【0080】
その後、図2に示すステップS5と同様の処理として、上記予約録画時間とダビング時間との間に少なくとも一部同士の重なりがあることを表示すると共に、ダビング処理を一時中断して予約録画処理を実行後残りのダビング処理を再開する旨を表示し、更にステップS20で算出された部分までのダビング処理を予約録画処理の実行前に行って当該ダビング処理を一時中断し、その後上記予約録画処理を実行し、その後更に一時中断していたダビング処理をその一時中断した情報信号Sinの位置から再開した場合の当該ダビング処理全体の終了予定時刻を算出して表示する(ステップS5)。
【0081】
そして、当該表示内容、すなわちダビング処理を一時中断して予約録画処理を実行した後に残りのダビング処理を再開する旨を使用者が了承したことを示す操作が操作部20において実行されたか否かを確認し(ステップS6)、当該操作が実行されないときは(ステップS6;NO)、以降、図2に示すステップS7乃至S10の処理を実行する。
【0082】
一方、ステップS6の判定において、ダビング処理を一時中断して予約録画処理を実行した後に残りのダビング処理を開始する旨を使用者が了承したことを示す操作が操作部20において実行されたときは(ステップS6;YES)、予定のダビング処理の開始時刻から当該ダビング処理を開始し(ステップS16)、当該開始後は上記ステップS20において算出した情報信号Sinにおける最後の単位情報の部分までダビング処理が終了したか否かを監視する(ステップS17)。そして、当該部分(すなわち、ダビング処理の中断予定部分)までのダビング処理が終了していないときは(ステップS17;NO)上記ステップS16に戻って当該中断予定部分までダビング処理を継続し、一方、当該中断予定部分までダビング処理が終了したときは(ステップS17;YES)、次に上記放送開始時刻TRSから予約録画動作を開始する(ステップS13)。
【0083】
当該予約録画処理の開始後はその予約録画処理が全て完了したか否かを監視する(ステップS18)。そして、当該予約録画処理が完了していないときは(ステップS18;NO)上記ステップS17に戻って予約録画処理を継続し、一方、予約録画処理が完了したときは(ステップS18;YES)、上記ステップS17の処理において一時中断していたダビング処理の残りを再開し、当該ダビング処理全体を完了させ(ステップS19)、その後は上記ステップS10の処理に移行する。
【0084】
次に、図6を用いて示した第3実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理の実行態様について、具体的に図7を用いて説明する。
【0085】
先ず、図7において、予約録画時間Pは、第1及び第2実施形態の場合と同様に放送開始時刻TRSから放送終了時刻TREまでであり、一方、ダビング時間Pも、第1実施形態の場合と同様にダビング開始時刻TDSからダビング終了時刻TDEまでであるとする。そして、両者は、ダビング時間Pの終端部分と予約録画時間Pの始端部分とが、時間Dだけ重なっているとする。
【0086】
このような状態で第3実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理が実行されると、上記ステップS6の判定においてそれが「YES」であった場合は、図7最下段に示すように、ダビング開始時刻TDSからダビング処理が開始され、その後、放送開始時刻TRSから準備時間Bだけ遡ったタイミングより前までにダビング処理を完了することができる情報信号Sin中の最後の単位情報のダビング処理が終了したタイミング(図7最下段において符号PD1で示すダビング時間経過後)でダビング処理が一中断される。なお、図7最下段においては、当該最後の単位情報のダビング処理の終了時刻から放送開始時刻TRSまでの時間を中断時間Bと示している。
【0087】
当該ダビング処理の一時中断後は上記中断時間B(上記準備時間Bを含む)の間に予約録画処理開始のために必要な準備処理を実行し予約録画処理を開始する。そして、当該予約録画処理が全て完了した後、直ちにダビング処理の残り(その所要時間は、図7に示すダビング時間PD2である)が再開され必要なダビング処理の全てが実行されることになる。
【0088】
以上説明したように、第3実施形態に係る情報記録装置の動作による場合にも、予約録画時間の少なくとも一部と、ダビング時間の少なくとも一部と、との間に時間的な重なりがあるとき、予約録画時間を除く時間にダビング処理を実行するように制御するので、使用者の手を介することなく且つ一つの情報記録装置を用いた簡易な構成で、予約録画処理とダビング処理とを両立させて実行することができ、簡略な操作及び構成で且つコスト等を削減しつつ、予約録画時間とダビング時間とが重複する場合でも夫々を両立させて実行することができる。
【0089】
また、ダビング処理の終了予定時刻が告知されるので、より利便性を向上させることができる。
【0090】
更に、当該重なりがあるとき、予約録画処理が開始される時刻までにダビング処理の実行を一時的に中断し、予約録画処理終了後に当該中断されたダビング処理の実行を再開するので、予約録画処理とダビング処理とを確実に両立させて実行することができる。
【0091】
更にまた、ダビング処理の対象となる情報の単位となる単位情報が終了後に当該ダビング処理を中断し、予約録画処理終了後に当該単位情報の次の単位情報からダビング処理を再開するので、ダビング処理の対象となる情報に対する当該ダビング処理が不自然な形で終了することなく予約録画処理及びダビング処理を両立させることができる。
【0092】
(IV)第4実施形態
最後に、本願に係る更に他の実施形態である第4実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。なお、図8は第4実施形態に係る情報記録装置における動作を示すフローチャートであり、図9は当該動作を具体的に説明する概念図である。
【0093】
上述した第1乃至第3実施形態においては、予約録画処理のための放送開始時刻TRS等の情報がダビング処理の開始指示(図2、図4及び図6ステップS1参照)までにCPU17内に記憶されている場合について説明したが、以下に説明する第4実施形態では、ダビング処理の方が先に開始されており、その後に新たな放送情報等の予約録画の必要性が生じた場合について、上記第3実施形態における単位情報を用いたダビング処理の中断方法を適用して対応する。
【0094】
また、第4実施形態に係る情報記録装置は、図1に示す第1実施形態に係る情報記録装置Sの構成と同様の構成を備えるので、細部の説明は省略する。
【0095】
次に、第4実施形態に係る上記ダビング処理及び上記予約録画処理について、具体的に図8及び図9を用いて説明する。なお、以下に説明する動作においては、第1乃至第3実施形態の場合と異なり、第1乃至第3実施形態に係るものと同様のダビング処理が既に開始されているものとする。また、図8に示すフローチャートにおいては、図1に示す第1実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理又は図6に示す第3実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理と同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0096】
図8に示すように、当該ダビング処理が実行されているときに新たな予約録画処理を行う必要性が生じた場合、先ず当該予約録画処理のために必要な各種情報(上述した放送開始時刻TRS及び放送終了時刻TRE、放送チャンネル並びに光ディスク1に記録する際の記録レート等を示す諸情報)をCPU17内に不揮発的に記憶させ(ステップS30)、その後、当該予約録画内容に基づいて図2に示すステップS4と同様の判断を行う。なお、第4実施形態に係るステップS4の処理としては、単純に、放送開始時刻TRSが現在進行しているダビング処理のダビング終了時刻TDEより前であれば重なりがあると判断する。
【0097】
そして、当該ステップS4の判定において、予約録画時間と進行中のダビング時間との間に少なくとも一部同士の重なりがあるときは(ステップS4;YES)、次に、実際のダビング時間Pと予約録画時間Pとの実際の重なり状況を確認し(ステップS31)、その結果を用いて、次に現在第4実施形態に係るダビング処理の対象となっている情報信号Sinのうち、放送開始時刻TRSから上記中断時間Bだけ遡ったタイミングより前までにダビング処理を完了することができる情報信号Sin中の最後の単位情報(例えばチャプター)に相当する部分を算出する(ステップS20)。
【0098】
その後、図6に示す第3実施形態に係るステップS5と同様の処理を行い、当該表示内容、すなわちダビング処理を一時中断して予約録画処理を実行した後に残りのダビング処理を再開する旨を使用者が了承したことを示す操作が操作部20において実行されたか否かを確認し(ステップS6)、当該操作が実行されないときは(ステップS6;NO)、ダビング処理を中断することが容認されていないとして現在進行しているダビング処理を継続し、その後図2に示すステップS10の処理を実行する。
【0099】
一方、ステップS6の判定において、ダビング処理を一時中断して予約録画処理を実行した後に残りのダビング処理を開始する旨を使用者が了承したことを示す操作が操作部20において実行されたときは(ステップS6;YES)、現在進行しているダビング処理を継続し(ステップS32)、当該開始後は図6に示すステップS17、S13、S18及びS19の動作を実行し、その後は上記ステップS10の処理に移行する。
【0100】
次に、図8を用いて示した第4実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理の実行態様について、具体的に図9を用いて説明する。
【0101】
先ず、図9において、予約録画時間Pは、第1乃至第3実施形態の場合と同様に放送開始時刻TRSから放送終了時刻TREまでであり、一方、ダビング時間Pも、第1乃至第3実施形態の場合と同様にダビング開始時刻TDSからダビング終了時刻TDEまでであるとする。そして、両者は、ダビング時間Pの終端部分と予約録画時間Pの始端部分とが、時間Dだけ重なっているとするが、第4実施形態の場合は、予約録画処理のための放送開始時刻TRS等の情報がCPU17に記憶される前に既にダビング処理が開始されている。
【0102】
このような状態で第4実施形態に係るダビング処理及び予約録画処理が実行されると、上記ステップS6の判定においてそれが「YES」であった場合は、図9最下段に示すように、既にダビング開始時刻TDSから開始されているダビング処理において、放送開始時刻TRSから中断時間Bだけ遡ったタイミングより前までにダビング処理を完了することができる情報信号Sin中の最後の単位情報のダビング処理が終了したタイミング(図9最下段において符号PD1で示すダビング時間経過後)でダビング処理が一中断される。
【0103】
当該ダビング処理の一時中断後は上記中断時間Bの間に予約録画処理開始のために必要な準備処理を実行し予約録画処理を開始する。そして、当該予約録画処理が全て完了した後、直ちにダビング処理の残り(その所要時間は、図9に示すダビング時間PD2である)が再開され必要なダビング処理の全てが実行されることになる。
【0104】
以上説明したように、第4実施形態に係る情報記録装置の動作による場合にも、予約録画時間の少なくとも一部と、ダビング時間の少なくとも一部と、との間に時間的な重なりがあるとき、予約録画時間を除く時間にダビング処理を実行するように制御するので、使用者の手を介することなく且つ一つの情報記録装置を用いた簡易な構成で、予約録画処理とダビング処理とを両立させて実行することができ、簡略な操作及び構成で且つコスト等を削減しつつ、予約録画時間とダビング時間とが重複する場合でも夫々を両立させて実行することができる。
【0105】
また、ダビング処理の終了予定時刻が告知されるので、より利便性を向上させることができる。
【0106】
更に、当該重なりがあるとき、予約録画処理が開始される時刻までにダビング処理の実行を一時的に中断し、予約録画処理終了後に当該中断されたダビング処理の実行を再開するので、予約録画処理とダビング処理とを確実に両立させて実行することができる。
【0107】
更にまた、ダビング処理の対象となる情報の単位となる単位情報が終了後に当該ダビング処理を中断し、予約録画処理終了後に当該単位情報の次の単位情報からダビング処理を再開するので、ダビング処理の対象となる情報に対する当該ダビング処理が不自然な形で終了することなく予約録画処理及びダビング処理を両立させることができる。
【0108】
また、ダビング処理の開始後において予約録画処理の必要性が生じた場合でも、両者を確実に両立させることができる。
【0109】
なお、第4実施形態に係るダビング処理の中断方法として、上記準備時間Bのみを考慮する上記第2実施形態に係るダビング処理の中断方法を用いることが可能であることは言うまでもない。
【0110】
また、上述してきた各実施形態においては、予約録画処理とダビング処理とが時間的に重なる場合の対応について夫々説明したが、これ以外に、予約録画処理といわゆるリッピング処理(音楽情報を対象とするダビング処理)とが時間的に重なる場合について本願を適用することも可能である。
【0111】
更に、本願に係るダビング処理としては、上述した各実施形態に係るダビング処理(すなわち、光ディスク1へのダビング処理)の他に、光ディスク1に既に記録されている情報を、少なくとも上記MPEGエンコーダ4を用いて、上記他の情報再生装置内にある記録媒体又は情報記録装置S内の上記他の記録媒体に複写する(すなわち、光ディスク1から複写する)ダビング処理をも含まれる。
【0112】
更にまた、インターネット等のネットワークへの接続機能を備えた情報記録装置の場合には、上記予約録画処理に代えて、例えば所定のインターネットサイトからのコンテンツダウンロード処理を行ってもよい。
【0113】
すなわち、あるコンテンツに対応するコンテンツデータを上記インターネットサイトからダウンロードし、当該コンテンツを当該情報記録装置内の記録媒体(例えば、ハードディスク等)にMPEGエンコーダ4を用いて記録する際にも、本願を適用することができる。この構成によれば、当該ダウンロード処理と上記ダビング処理とを共に適切に実行することができる。
【0114】
また、図2、図4、図6又は図8に示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又は上記ネットワークを介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを各実施形態に係るCPU17として活用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】第1実施形態に係る情報記録装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る情報記録装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態に係る各処理の流れを例示する図である。
【図4】第2実施形態に係る情報記録装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係る各処理の流れを例示する図である。
【図6】第3実施形態に係る情報記録装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】第3実施形態に係る各処理の流れを例示する図である。
【図8】第4実施形態に係る情報記録装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】第4実施形態に係る各処理の流れを例示する図である。
【符号の説明】
【0116】
1 光ディスク
2 ピックアップ
4 MPEGエンコーダ
6 記録エンコーダ
7 記録回路
11 MPEGデコーダ
17 CPU
19 表示部
20 操作部
S 情報記録装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め規定された予定に従って外部から入力されて来る外部入力情報を記録媒体に記録する外部依存処理と、既に前記記録媒体に記録されている既存情報を他の記録媒体に記録する既存処理と、を実行する処理手段と、
前記外部依存処理を実行すべき時間であって前記予定に対応した外部依存処理時間の少なくとも一部と、前記既存処理を行うべき時間である既存処理時間の少なくとも一部と、の間に時間的な重なりがあるかを検出する重複検出手段と、
前記重なりがあるとき、前記外部依存処理時間を除く時間に前記既存処理を実行するように前記処理手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記既存処理の終了予定時刻を検出する終了予定時刻検出手段と、
前記検出された終了予定時刻を告知する告知手段と、
を更に備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記制御手段は、前記重なりがあるとき、前記外部依存処理終了後に前記既存処理を開始するように前記処理手段を制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記制御手段は、前記既存処理が前記外部依存処理よりも先に開始される場合であって前記重なりがあるとき、前記外部依存処理が開始される時刻までに前記既存処理の実行を一時的に中断し、前記外部依存処理終了後に当該中断された既存処理の実行を再開するように前記処理手段を制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記制御手段は、前記外部依存処理の開始予定時刻から当該外部依存処理を実行するために必要な準備処理に要する時間だけ前の時刻に前記既存処理の実行を中断するように前記処理手段を制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記制御手段は、前記外部依存処理の開始予定時刻より前の時刻であって前記既存情報を構成する単位情報の一つを対象とした前記既存処理が終了する時刻に前記既存処理の実行を中断し、
更に、前記外部依存処理終了後において、前記中段時に終了した前記既存処理の対象となった前記単位情報の次に当該既存処理の対象となる前記単位情報から当該既存処理を再開するように前記処理手段を制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記外部依存処理時間を設定するために用いられる外部依存処理時間設定手段を更に備え、
当該外部依存処理時間の設定が前記既存処理の実行中に実行されたものであることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項4から6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記外部依存処理時間を設定するために用いられる外部依存処理時間設定手段を更に備え、
前記外部依存処理時間の設定が前記既存処理時間より前に実行されたものであることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記外部依存処理及び前記既存処理は、一の前記処理手段を相互に排他的に使用して実行される処理であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置において、
前記外部依存処理は、予め設定された放送予定に従って放送されて来る前記外部入力情報を、前記処理手段を用いて前記記録媒体に記録する処理するものであり、
更に前記既存処理は、前記記録媒体に記録されている前記既存情報を、前記処理手段を介して前記他の記録手段に複写する処理であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から10のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させることを特徴とする情報処理用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−60155(P2009−60155A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378599(P2005−378599)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】