説明

情報処理装置及び携帯端末

【課題】ベースバンド処理部からネットワーク網の同期信号が出力されない場合においても、音声信号の伸長処理を実行可能にする。
【解決手段】情報処理装置(1)は第1シリアルインタフェース(19)を含む。第1シリアルインタフェースは、ベースバンド処理部から取り込まれるデータが、予め設定されたデータ量に達する毎に、その状態を音声処理部(20)に通知するための通知信号を形成する通知信号生成回路(195)を含む。音声処理部は、上記通知信号に基づいてネットワーク網同期信号を形成する同期信号生成回路(205)を含む。上記ネットワーク網同期信号に基づいて上記PCM通信用のクロック信号を形成することにより、ベースバンド処理部からネットワーク網の同期信号が出力されない場合においても、音声信号の伸長処理を実行可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理技術、さらには情報処理を行うための情報処理装置及びそれを含む携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像データ及び音声データの特性を利用して低消費電力で画像データや音声データの再生処理を行う情報再生装置が記載されている。この情報再生装置によれば、受信した放送信号に含まれる時間情報を用いて制御されたカウントクロックに基づいて音声データをサンプリングするための音声再生用クロックの周波数を制御するようにしている。
【0003】
特許文献2には、送信されたディジタル放送のパケットデータを受信する受信端末装置及び受信パケットデータをテープ状記録媒体に記録するパケットデータ記録装置が記載されている。この受信端末装置によれば、入力パケットの中からPCR識別用フラグを検出し、PCR識別用フラグを有するパケットからPCRを抽出し、これを27MHz位相同期ループ回路(PLL)に供給し、エンコード時のシステムクロックと周波数の一致した時刻基準の同期信号27MHzを発生させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−150809号公報
【特許文献2】特開平09−186665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
音声通話機能を備えた携帯端末は、音声信号の処理を行う音声処理部と、ベースバンド信号処理を行うベースバンド処理部と、無線周波数で送受信を行うRF(Radio Frequency)部と、各種情報処理を行うためのマイクロコンピュータを含む。音声処理部、ベースバンド処理部、及びマイクロコンピュータは、それぞれLSI(Large Scale Integration)として提供され、部品実装基板に実装される。音声処理部とベースバンド処理部との間では、PCM(Pulse Code Modulation)フォーマットによる音声信号がやり取りされる。音声処理部から伝達された音声信号はベースバンド処理部で圧縮されてからRF部に伝達されてネットワーク網に送信される。またRF部において、ネットワーク網から受信された信号は、ベースバンド処理部で伸張されてから音声処理部に伝達される。
【0006】
このように音声処理部とベースバンド処理部との間で音声信号のやり取りを行う方式とは別に、音声処理部とベースバンド処理部との間にマイクロコンピュータを介在させ、上記PCM信号の圧縮伸長処理を上記マイクロコンピュータで行うことが考えられる。この場合、ベースバンド処理部は、PCM信号の圧縮伸長を行う必要が無いので、回路規模の縮小化を図ることができる。PCM信号の圧縮伸長処理をマイクロコンピュータで行う方式について本願発明者が検討したところ、以下のような課題を見いだした。
【0007】
ベースバンド処理部は、ネットワーク網に同期したクロック(例えば13MHz)で動作するため、PCM信号の圧縮伸長処理をベースバンド処理部で行う場合には、必然的にネットワーク網に同期した圧縮伸長処理が行われる。しかしながらマイクロコンピュータは、ネットワーク網とは非同期のクロックで動作しているため、PCM信号の圧縮伸長処理をマイクロコンピュータで行う場合には、ベースバンド処理部からマイクロコンピュータに20msの同期信号を供給し、この同期信号を使ってマイクロコンピュータ内のクロック信号を補正する必要がある。従って、PCM信号の圧縮伸長処理をマイクロコンピュータで行う場合には、組み合わせ可能なベースバンド処理部としては、ネットワーク網の同期信号が外部出力されるものに限定されてしまう。
【0008】
本発明の目的は、ベースバンド処理部からネットワーク網の同期信号が出力されない場合においても、音声信号の伸長処理を実行可能な情報処理装置、及びそれを備えた携帯端末を提供することにある。
【0009】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0011】
すなわち、ベースバンド処理部が結合可能な第1端子と、オーディオ処理部が結合可能な第2端子と、上記第1端子を介して結合された上記ベースバンド処理部との間で圧縮データのやり取りを可能にする第1シリアルインタフェースとを含んで上記情報処理装置を構成する。上記情報処理装置は、上記第1シリアルインタフェースによって取り込まれた音声信号を処理可能な音声処理部と、PCM通信用のクロック信号を形成するクロックジェネレータと、上記クロックジェネレータで形成されたクロック信号を使用して、上記第2端子を介して結合された上記オーディオ処理部と、上記音声処理部との間で音声信号のPCM通信を可能にする第2シリアルインタフェースとを含む。このとき、上記第1シリアルインタフェースは、上記ベースバンド処理部から取り込まれるデータが、予め設定されたデータ量に達する毎に、その状態を上記音声処理部に通知するための通知信号を形成する通知信号生成回路を含む。上記音声処理部は、上記通知信号に基づいてネットワーク網同期信号を形成する同期信号生成回路を含む。上記クロックジェネレータは、上記同期信号生成回路で形成された上記ネットワーク網同期信号に基づいて上記PCM通信用のクロック信号を形成する。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0013】
すなわち、ベースバンド処理部からネットワーク網の同期信号が出力されない場合においても、音声信号の伸長処理を実行可能な情報処理装置、及びそれを備えた携帯端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかる情報処理装置の一例であるマイクロコンピュータを備えた携帯端末の構成例ブロック図である。
【図2】図1に示されるマイクロコンピュータにおける主要部の構成例ブロック図である。
【図3】図1に示されるマイクロコンピュータにおける主要部の動作タイミング図である。
【図4】図1に示されるマイクロコンピュータにおける主要部の動作タイミング図である。
【図5】図1に示されるマイクロコンピュータにおける主要部の動作タイミング図である。
【図6】図1に示されるマイクロコンピュータにおける主要部の動作タイミング図である。
【図7】図1に示されるマイクロコンピュータにおける主要部の動作タイミング図である。
【図8】図1に示される携帯端末における基本的な動作のフローチャートである。
【図9】本発明にかかる情報処理装置の一例であるマイクロコンピュータを備えた携帯端末の別の構成例ブロック図である。
【図10】本発明にかかる情報処理装置の一例であるマイクロコンピュータを備えた携帯端末の別の構成例ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0016】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る情報処理装置(1)は、ベースバンド処理部(23)が結合可能な第1端子(29,30)と、オーディオ処理部(26)が結合可能な第2端子(31〜34)と、上記第1端子を介して結合された上記ベースバンド処理部との間で圧縮データのやり取りを可能にする第1シリアルインタフェース(19)とを含む。さらに上記情報処理装置(1)は、上記第1シリアルインタフェースによって取り込まれた音声信号を処理可能な音声処理部(20)と、PCM通信用のクロック信号を形成するクロックジェネレータ(21)と、上記クロックジェネレータで形成されたクロック信号を使用して、上記第2端子を介して結合された上記オーディオ処理部と、上記音声処理部との間で音声信号のPCM通信を可能にする第2シリアルインタフェース(22)とを含む。このとき、上記第1シリアルインタフェースは、上記ベースバンド処理部から取り込まれるデータが、予め設定されたデータ量に達する毎に、その状態を上記音声処理部に通知するための通知信号を形成する通知信号生成回路(195)を含む。上記音声処理部は、上記通知信号に基づいてネットワーク網同期信号を形成する同期信号生成回路(205)を含む。上記クロックジェネレータは、上記同期信号生成回路で形成された上記ネットワーク網同期信号に基づいて上記PCM通信用のクロック信号を形成する。
【0017】
上記の構成によれば、通知信号生成回路は、上記ベースバンド処理部から取り込まれる圧縮データが、予め設定されたデータ量に達する毎に、その状態を上記音声処理部に通知するための通知信号を形成し、同期信号生成回路は、この通知信号に基づいてネットワーク網同期信号を形成する。このように上記ベースバンド処理部から取り込まれる圧縮データに基づいてネットワーク網同期信号を情報処理装置内で形成することができるので、ベースバンド処理部からネットワーク網の同期信号が出力されない場合においても、音声信号の伸長処理を実行することができる。このため、圧縮伸長処理を情報処理装置で行う場合において、組み合わせ可能なベースバンド処理部としては、ネットワーク網の同期信号を外部出力するものに限定されない。つまり、ネットワーク網の同期信号を外部出力しない仕様のベースバンド処理部であっても、上記情報処理装置に組み合わせることでシステム構築可能となる。
【0018】
〔2〕上記〔1〕において、上記第1シリアルインタフェースは、取り込まれた信号を先入れ先出し形式で出力可能なバッファ(192)と、上記バッファにおける書き込み位置を示すポインタ(1953)とを含んで構成することができる。上記通知信号生成回路は、所定の閾値を設定可能な第1閾値レジスタ(1951)と、上記ポインタによって示される書き込み位置が上記第1閾値レジスタの設定値に達した時点で上記通知信号をアサートする第1コンパレータ(1952)とを含んで構成することができる。
【0019】
〔3〕上記〔2〕において、上記同期信号生成回路には、所定のクロック信号をカウントすると共に上記通知信号によってリセットされるカウンタ(2051)と、上限値及び下限値を設定可能な第2閾値レジスタ(2053)と、上記カウンタのカウント値が上記第2閾値レジスタの上限値と上記下限値との間に入っているか否かを判別するための第2コンパレータ(2052)とを設けることができる。さらに上記同期信号生成回路には、上記第2コンパレータの判別結果に基づいてパルス情報が設定されるパルス情報レジスタ(2055)と、上記パルス情報レジスタの設定値に応じた周波数で上記ネットワーク網同期信号を形成するパルスジェネレータロジック(2054)とを設けることができる。
【0020】
〔4〕上記〔3〕において、上記音声処理部は、上記カウンタのカウント値が上記第2閾値レジスタの上限値と上記下限値との間に入っていない場合に、サンプル間引き処理又は無音データの埋め込み処理を実行する信号処理回路(203)を含んで構成することができる。
【0021】
〔5〕上記〔4〕において、上記クロックジェネレータは、上記パルスジェネレータロジックから出力された上記ネットワーク網同期信号と、上記ベースバンド処理部から出力された同期信号とを選択可能なセレクタ(211)と、上記セレクタの出力に基づいて、音声信号の通信に用いられる同期信号を形成するクロック生成回路(212)とを含んで構成することができる。
【0022】
〔6〕上記〔5〕において、上記第1端子は、上記ベースバンド処理部から上記同期信号を取り込むための第3端子(30)を含み、上記情報処理装置は、上記第3端子を介して上記ベースバンド処理部から上記同期信号が取り込まれない場合に、上記第3端子を、上記クロックジェネレータとは別の回路に接続可能なスイッチ(90)を含んで構成することができる。
【0023】
〔7〕上記〔5〕に記載の情報処理装置と、上記情報処理装置に結合されたベースバンド処理部と、上記情報処理装置に結合されたオーディオ処理部とを含んで携帯端末を構成することができる。
【0024】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0025】
《実施の形態1》
図1には、本発明にかかる情報処理装置の一例であるマイクロコンピュータを備えた携帯端末が示される。
【0026】
図1に示される携帯端末100は、マイクロコンピュータ1、ベースバンドLSI(BB−LSI)23、RF(Radio Frequency)回路24、オーディオLSI(Audio−LSI)26、スピーカ27、及びマイクロフォン(以下「マイク」という)28を含む。マイクロコンピュータ1、ベースバンドLSI23、RF回路24、オーディオLSI26は、それぞれ公知の半導体集積回路製造技術により単結晶シリコンなどの一つの半導体基板に形成される。
【0027】
マイクロコンピュータ1は、予め設定されたプログラムに従って各種情報処理を行う。この情報処理には、オーディオLSI26から伝達されたPCM信号(PCMデータ)の圧縮処理、及びベースバンドLSI23から伝達された圧縮データ41の伸張処理が含まれる。圧縮データ41の伸張処理とは、圧縮データ41をデコードすることで音声データに変換する処理を意味する。また情報処理装置1の全体的な制御もこのマイクロコンピュータ1によって行われる。マイクロコンピュータ1には、端子29,30,31,32,33,34が設けられている。端子29には、ベースバンドLSI23が接続される。この端子29を介してマイクロコンピュータ1とベースバンドLSI23との間で圧縮データ41のやり取りが行われる。端子31〜34にはオーディオLSI26が接続される。この端子31〜34を介してマイクロコンピュータ1とオーディオLSI26との間でPCMフォーマットによる音声信号のやり取りが行われる。尚、本例において端子30は開放状態とされる。
【0028】
ベースバンドLSI23は、ベースバンド処理を行う。ベースバンド処理には、送信に際して情報ソース(例えば音声データ)以外の信号を付加する処理と、受信の際に情報ソースとそれ以外の信号を分離する処理とが含まれる。情報ソース以外の信号には、通信相手を特定するための情報、送受信間のタイミング同期のためのワード、誤り制御符号、フレーム長情報などが含まれる。
【0029】
RF回路24は、アンテナ25を介して無線周波数による送受信を行う。ベースバンドLSI23からRF回路24にベースバンド処理情報が伝達され、このベースバンド処理情報は、RF回路24によりネットワーク網に送信される。またRF回路24において、ネットワーク網から受信された信号は、ベースバンド処理部23に伝達される。
【0030】
オーディオLSI26は、マイク28を介して入力された音声信号をPCMコードに変換してマイクロコンピュータ1に出力する機能と、マイクロコンピュータ1から伝達されたPCMコードに従ってスピーカ27を駆動する機能とを含む。
【0031】
次に、上記マイクロコンピュータ1の詳細な構成について説明する。
【0032】
マイクロコンピュータ1は、特に制限されないが、中央処理装置(CPU)10、ROM(Read Only Memory)11、第1シリアルインタフェース19、音声処理部20、クロックジェネレータ21、第2シリアルインタフェース22、発振器(OSC)35、PLL(Phase Locked Loop)36を含む。
【0033】
発振器35は、水晶振動子を利用して所定周波数の第1クロック信号CK1を形成する。PLL36は、発振器35から出力された第1クロック信号CK1に同期する第2クロック信号CK2を出力する。この第2クロック信号CK2は、動作用クロックとして各部に供給される。
【0034】
中央処理装置10はバス11を介してROM11に結合される。ROM11には、中央処理装置10で実行されるプログラムが格納されている。中央処理装置10は、ROM11内のプログラムを実行することで、各部の動作を制御する。バス12は、バスブリッジ16を介してバス14に結合される。バス14は、バスブリッジ17を介してバス13に結合され、且つ、バスブリッジ18を介してバス15に結合される。バス13には第1シリアルインタフェース19が結合される。バス14及びバス15には音声処理部20が結合される。
【0035】
第1シリアルインタフェース19は、端子29を介してベースバンドLSI23との間でシリアル形式のデータ通信を行う。このデータ通信では、圧縮データ41のやり取りが行われる。第1シリアルインタフェース19は、マルチプレクサ及びデマルチプレクサ(MUX/DMUX)部191、受信側バッファ(Rx FIFO)192、送信側バッファ(Tx FIFO)193、バスインタフェース(Bus IF)194、及び通知信号生成回路195を含む。受信側バッファ192及び送信側バッファ193は、先入れ先出し形式のバッファとされる。マルチプレクサ及びデマルチプレクサ部191は、端子29を介してベースバンドLSI23に結合される。バスインタフェース194は、バス13に結合される。ベースバンドLSI23から伝達された圧縮データ41は、マルチプレクサ及びデマルチプレクサ部191を介して受信側バッファ192に順次格納される。受信側バッファ192に格納された圧縮データは、バスインタフェース194を介してバス13に出力される。また、バス13からバスインタフェース194を介して取り込まれた圧縮データは送信側バッファ193に順次格納される。送信側バッファ193に格納された圧縮データは、マルチプレクサ及びデマルチプレクサ部191を介してベースバンドLSI23に出力される。通知信号生成回路195は、受信側バッファ192に格納された圧縮データが、予め設定されたデータ量に達する毎に、その状態を通知するための通知信号42をアサートする。
【0036】
音声処理部20は、RAM201、DMAC(Direct Memory Access Controller)202、DSP(Digital Signal Processor)203、パルスジェネレータ(PGEN)205、DSP制御部(DTD)206、パルス検出部207、バッファ部208、HPBインタフェース209を含む。DSP203は、送信すべきデータの圧縮処理(エンコード処理)、及びベースバンドLSI23から伝達された圧縮データ41の伸張処理(デコード処理)を行う。RAM201には、音声処理部20に含まれるDSP203によって圧縮処理されたデータや、DSP203によって伸張されたデータが格納される。DMAC202は、中央処理装置10を介さずに第1シリアルインタフェース19とRAM201との間のデータ転送を行う。パルスジェネレータ205、DSP制御部206、パルス検出部207、及びバッファ部208は、バス204を介してDSP203に結合されている。音声処理部20は、第2シリアルインタフェース22を介してオーディオLSI26と接続される。
【0037】
バッファ部208は、アップロード用バッファ(ULB)と、ダウンロード用バッファ(DLB)、セレクタ(SEL)とを含む。セレクタ(SEL)は、アップロード用バッファ(ULB)とダウンロード用バッファ(DLB)とを選択的に第2インタフェース22に接続する。アップロード用バッファ(ULB)は、第2インタフェース22から伝達されたPCMデータをバッファリングする。ダウンロード用バッファ(DLB)は、DSP203での伸張処理によって得られた伸張されたデータであるPCMデータをバッファリングする。ダウンロード用バッファ(DLB)から、第2シリアルインタフェース22を介して、外部に接続されるオーディオLSIに対して伸張データ(PCMデータ)が出力さる。オーディオLSIでは、PCMデータを再生することで、スピーカ27から音が出力される。
【0038】
パルスジェネレータ205は、通知信号生成回路195からの通知信号42に基づいて、20msのネットワーク網同期信号43を形成する。形成されたネットワーク網同期信号43は、クロックジェネレータ21に伝達される。ここで、通知信号生成回路195からの通知信号42のアサートタイミングは、携帯端末が通信する基地局の切り替えに伴って基準から大幅にずれる場合がある。かかる場合には、ネットワーク網同期信号43の周期が不適切となって、ダウンロード用バッファ(DLB)に格納された伸張データの過剰または、不足が発生する。つまり、ダウンロード用バッファからオーディオLSIに対して出力される伸張データ(PCMデータ、サンプル)の過剰又は伸張データの不足が発生し、スピーカ27から不快音が出力されることが考えられるため、ハンドオーバー処理が行われる。つまり、パルスジェネレータ205では、通知信号生成回路195からの通知信号42のアサートタイミングが基準から大幅にずれているか否かを判別し、通知信号42のアサートタイミングが基準から大幅にずれている場合には、DSP203において再同期化及び、伸張データ(PCMデータ、サンプル)間引き処理又は無音データの埋め込み処理が行われる。サンプル過剰になっている場合にはサンプル間引き処理が行われ、サンプル不足になっている場合には無音データの埋め込み処理が行われる。このようなハンドオーバー処理が行われることにより、スピーカ27から不快音が出力されることが回避される。
【0039】
また、端子30を介してベースバンドLSI23からネットワーク網同期信号が入力される場合に対応するため、本例では、端子30を介してベースバンドLSI23からネットワーク網同期信号が入力される場合においてもハンドオーバー処理が行われる。この場合、DSP制御部206によってDSP203での伸張処理が制御される。つまり、端子30を介してベースバンドLSI23からネットワーク網同期信号がパルス検出部207によってモニタされ、このネットワーク網同期信号のタイミングが基準から大幅にずれる場合には、DSP制御部206によってDSP203での伸張処理においてサンプル間引き処理や無音データの埋め込み処理が行われ、このようなハンドオーバー処理によって、スピーカ27から不快音が出力されることが回避される。
【0040】
HPBインタフェース209は、音声処理部20における各種設定用のレジスタに対して、中央処理装置10からの情報設定を可能にするために設けられている。
【0041】
クロックジェネレータ21は、セレクタ211と、クロック生成回路(CLK GEN)212とを含む。セレクタ211は、パルスジェネレータ205からのネットワーク網同期信号43と、端子30を介してベースバンドLSI23から伝達されたネットワーク網同期信号とを選択的にクロック生成回路212に伝達する。セレクタ211の選択状態は、図示しないレジスタの設定によってユーザが任意に決定することができる。つまり、端子30を介してベースバンドLSI23からネットワーク網同期信号を取り込むことができる場合には、セレクタ211によって、端子30を介して伝達されたネットワーク網同期信号を選択的にクロック生成回路212に伝達するように設定しても良いし、パルスジェネレータ205からのネットワーク網同期信号43を選択的にクロック生成回路212に伝達するように設定しても良い。クロック生成回路212は、セレクタ211を介して伝達されたネットワーク網同期信号に基づいて、PCM通信に使用されるクロック信号と、データ転送用の同期信号SYNCを形成する。PCM通信に使用されるクロック信号には、8KHzの同期信号(LR)と、ビットクロック信号(Bit)とが含まれる。ビットクロック信号のサンプリング周波数は、32/64/128/256/512fsとされる。同期信号(Sync)とビットクロック信号(Bit)とは、第2シリアルインタフェース22に伝達され、また、端子31,32を介して、オーディオLSI26に伝達される。データ転送用同期信号SYNCは音声処理部20に伝達される。
【0042】
第2シリアルインタフェース22は、送信用バッファ(Tx FIFO)222、パラレル・シリアル変換回路223、シリアル・パラレル変換回路224、受信用バッファ(Rx FIFO)225、HPBインタフェース(HPB I/F)226を含み、クロックジェネレータ21で形成された8KHzの同期信号(Sync)と、ビットクロック信号(Bit)とに同期してオーディオLSI26との間でシリアルデータの入出力を行う。また、第2シリアルインタフェース22と、音声処理部20内のバッファ部208との間のデータ転送は、データ転送用同期信号SYNCに同期して行われる。第2シリアルインタフェース22において、音声処理部20から伝達されたデータはPCMプロトコルに変換されてからオーディオLSI26に出力され、オーディオLSI26から伝達されたPCMデータはパラレルデータに変換されてから音声処理部20に出力される。送信用バッファ222及び受信用バッファ225はバス221を介して、音声処理部20内のバッファ部208に結合される。送信用バッファ222及び受信用バッファ225は、先入れ先出し形式のバッファとされる。パラレル・シリアル変換回路223は、送信用バッファ222を介して伝達されたパラレルデータをシリアルデータに変換する。このシリアルデータは端子33を介してオーディオLSI26に伝達される。シリアル・パラレル変換回路224は、オーディオLSI26から伝達されたシリアルデータをパラレルデータに変換する。このパラレルデータは受信用バッファ225を介して音声処理部20に伝達される。HPBインタフェース226は、第2シリアルインタフェース22における各種設定用のレジスタに対して、中央処理装置10からの情報設定を可能にするために設けられている。
【0043】
上記の構成において、ベースバンドLSI23から伝達された圧縮データ41は、第1シリアルインタフェース19内の受信側バッファ192に取り込まれる。受信側バッファ192に圧縮データが蓄積されたことが音声処理部20に伝達されると、DMAC202により、受信側バッファ192内のデータがRAM201に転送される。このRAM201内の圧縮データは、DSP203により伸張され、バッファ部208内のダウンロード用バッファ(DLB)を介して第2インタフェース22に伝達され、そこでPCMデータに変換されてからオーディオLSI26に伝達され、スピーカ27が駆動される。また、マイク28から入力された音声データは、オーディオLSI26から第2インタフェース22に伝達され、そこでパラレルデータに変換されてから、バッファ部208内のアップロード用バッファ(ULB)に伝達される。そしてこのアップロード用バッファ(ULB)内のデータは、DSP203によって圧縮されてからRAM201に格納される。このRAM201に格納された圧縮データは、DMAC202により第1シリアルインタフェース19内の送信側バッファ193に転送される。第1シリアルインタフェース19内の送信側バッファ193に転送された圧縮データは端子29を介してベースバンドLSI23に伝達され、RF回路24によりネットワーク網に送信される。
【0044】
図2には、図1に示されるマイクロコンピュータ1における主要部の構成例が示される。
【0045】
第1シリアルインタフェース19内の通知信号生成回路195は、レジスタ(REG)1951、コンパレータ(COMP)1952、ポインタ(POINT)1953を含む。ポインタ1953は、受信側バッファ192の現在の書き込み位置を示す。ポインタ1953によって示される位置は、受信側バッファ192のデータ蓄積量によって異なる。レジスタ1951には、中央処理装置10によって所定の閾値が設定される。コンパレータ1952は、ポインタ1953の出力値が、レジスタ1951に設定された閾値に達した時点で、音声処理部20に対して通知信号42をアサートする。ここで、基地局からのパケット(圧縮データ)の送信タイミングは予め決定されている。例えば基地局から20ms周期でパケットが送信される場合には、52バイトの圧縮データが受信された時点で通知信号42がアサートされるように、レジスタ1951の閾値が設定される。これにより、基地局から52バイトの圧縮データが受信される毎に、通知信号42がアサートされることになる。
【0046】
音声処理部20内のパルスジェネレータ205は、カウンタ(COUNT)2051、コンパレータ(COMP)2052、レジスタ(REG)2053、パルスジェネレータロジック(PGL)2054、レジスタ(REG)2055を含む。カウンタ2051は、発振器35から出力されたクロック信号CK1をカウントする。カウンタ2051は、通知信号42がアサートされる毎にリセットされる。レジスタ2052には、上限閾値と下限閾値とのふたつの閾値がDSP203によって設定される。コンパレータ2052は、所謂ウインドコンパレータとされ、カウンタ2051のカウント出力値が、レジスタ2052に設定された上限閾値と下限閾値との間に入っているか否かの判別を行う。カウンタ2051のカウント出力値が、レジスタ2052に設定された上限閾値と下限閾値との間に入っている場合には、DSP203は、カウンタ2051のリセット直前の出力値に基づいてレジスタ2055に値を設定する。パルスジェネレータロジック2054は、レジスタ2055の出力値に応じた周期でネットワーク網同期信号43をアサートする。つまり、カウンタ2051のカウント出力値が、レジスタ2052に設定された上限閾値と下限閾値との間に入っている場合には、通知信号42のアサートタイミングの変動が許容範囲内とされ、そのときの通知信号42のアサートタイミングの変動がネットワーク網同期信号43の周期に反映される。これに対して、カウンタ2051のカウント出力値が、レジスタ2052に設定された上限閾値と下限閾値との間に入っていない場合には、通知信号42のアサートタイミングの変動が許容範囲を逸脱したことになり、それは、携帯端末が通信する基地局の切り替えに起因して基準から大幅にずれたことを意味する。かかる場合、レジスタ2055には、カウンタ2051のリセット直前の出力値にかかわらず、携帯端末100において20msのネットワーク網同期信号43を形成するための標準的な値がDSP203によって設定される。パルスジェネレータロジック2054は、レジスタ2055の出力値に応じた周期でネットワーク網同期信号43をアサートするから、通知信号42のアサートタイミングの変動が許容範囲を逸脱したにもかかわらず、ネットワーク網同期信号43の周期が不所望に変動することが回避される。
【0047】
クロックジェネレータ21内のクロック生成回路212は、カウンタ(CONT)2121、コンパレータ(COMP)2122、レジスタ(REG)2123、LR/BTクロック生成部(LR/BT clock GEN)2124を含む。カウンタ2121は、発振器35から出力されたクロック信号CK1をカウントする。カウンタ2121は、セレクタ211の出力(ネットワーク網同期信号)がアサートされる毎にリセットされる。レジスタ2123には、上限閾値と下限閾値とのふたつの閾値がDSP203によって設定される。コンパレータ2122は、所謂ウインドコンパレータとされ、カウンタ2121のカウント出力値が、レジスタ2123に設定された上限閾値と下限閾値との間に入っているか否かの判別を行う。カウンタ2121のカウント出力値が、レジスタ2123に設定された上限閾値と下限閾値との間に入っている場合、LR/BTクロック生成部2124は、セレクタ211の出力(ネットワーク網同期信号)に同期して、8KHzの同期信号(LR)、ビットクロック信号(Bit)、データ転送用同期信号(SYNC)を形成する。また、カウンタ2121のカウント出力値が、レジスタ2123に設定された上限閾値と下限閾値との間に入っていない場合には、セレクタ211の出力(ネットワーク網同期信号)とは非同期で、8KHzの同期信号(LR)、ビットクロック信号(Bit)、データ転送用同期信号(SYNC)を形成する。
【0048】
図8には、上記構成の携帯端末100における基本的な動作が示される。また図3には、上記構成のマイクロコンピュータ1における主要部の動作タイミングが示される。
【0049】
携帯端末100に電源が投入されると(S1)、中央処理装置10でのリセット処理が行われることで、各部の初期設定が行われる(S2)。第1シリアルインタフェース19内のコンパレータ1952において、受信側バッファ(Rx FIFO)192にデータが溜まったか否か、すなわち、ポインタ1953の出力値が、レジスタ1951に設定された閾値に達したか否かが判別される(S4)。ポインタ1953の出力値が、レジスタ1951に設定された閾値に達した場合には、通知信号42がアサートされる(S5)。音声処理部20内のカウンタ2051は、発振器35から出力されたクロック信号CK1をカウントする。カウンタ2051は、通知信号42がアサートされる毎にリセットされる。カウンタ2051のカウント出力値が、レジスタ2052に設定された上限閾値と下限閾値との間に入っている場合には、DSP203は、カウンタ2051のリセット直前の出力値に基づいてレジスタ2055に値を設定する。パルスジェネレータロジック2054は、レジスタ2055の出力値に応じた周期でネットワーク網同期信号43をアサートする。これにより、20ms周期のネットワーク網同期信号43が形成される(S6)。そしてクロックジェネレータ21内のクロック生成回路212において、セレクタ211の出力(ネットワーク網同期信号)に同期して、8KHzの同期信号(LR)、ビットクロック信号(Bit)、データ転送用同期信号(SYNC)が形成される(S7)。第2シリアルインタフェース22では、クロックジェネレータ2121で形成された8KHzの同期信号(LR)と、ビットクロック信号(Bit)とに同期してオーディオLSI26との間でシリアルデータの入出力が行われ、また、データ転送用同期信号SYNCに同期して、第2シリアルインタフェース22と、音声処理部20内のバッファ部208との間のデータ転送が行われる。
【0050】
図4には、図3に示される場合に比べて、ベースバンドLSI23から端子29を介して取り込まれたパケットの間隔が若干短くなった場合の動作タイミングが示される。
【0051】
ベースバンドLSI23から端子29を介して取り込まれたパケットの間隔が若干短くなった場合には、それに応じて通知信号42のアサートタイミングの間隔も短くなり、それがネットワーク網同期信号43の周期に反映されるため、ネットワーク網同期信号43の周期も短くなる。ネットワーク網同期信号43の周期は、図3の例では20msであるが、図4の例では19msになっている。ネットワーク網同期信号43の周期が19msになることにより、同期信号(LR)は8.42KHzにされるが、全体的な動作に支障はない。
【0052】
図5には、ベースバンドLSI23から端子29を介して取り込まれたパケットの間隔が若干長くなった場合の動作タイミングが示される。
【0053】
ベースバンドLSI23から端子29を介して取り込まれたパケットの間隔が若干長くなった場合には、それに応じて通知信号42のアサートタイミングの間隔も長くなり、それがネットワーク網同期信号43の周期に反映されるため、ネットワーク網同期信号43の周期も長くなる。ネットワーク網同期信号43の周期は、図3の例では20msであるが、図5の例では21msになっている。ネットワーク網同期信号43の周期が21msになることにより、同期信号(LR)は7.62KHzにされるが、全体的な動作に支障はない。
【0054】
図6には、図3に示される場合に比べて、ベースバンドLSI23から端子29を介して取り込まれたパケットの間隔が大幅に短くなった場合の動作タイミングが示される。
【0055】
ベースバンドLSI23から端子29を介して取り込まれたパケットの間隔が大幅に短くなり、カウンタ2051のカウント出力値が、レジスタ2052に設定された上限閾値と下限閾値との間に入っていない場合には、ハンドオーバー処理が行われる。ベースバンドLSI23から端子29を介して取り込まれたパケットの間隔が大幅に短くなり、ネットワーク網同期信号43の周期が一時的に例えば10msになった場合でも同期信号(LR)は8KHzにされる。この場合、サンプル過剰になるため、DSP203でのデコード処理の際にサンプル間引きが行われる。このようにサンプル間引きが行われることで、サンプル過剰に起因する不快音がスピーカ27から出力されるのが回避される。
【0056】
図7には、図3に示される場合に比べて、ベースバンドLSI23から端子29を介して取り込まれたパケットの間隔が大幅に長くなった場合の動作タイミングが示される。
【0057】
ベースバンドLSI23から端子29を介して取り込まれたパケットの間隔が大幅に長くなり、カウンタ2051のカウント出力値が、レジスタ2052に設定された上限閾値と下限閾値との間に入っていない場合には、ハンドオーバー処理が行われる。ベースバンドLSI23から端子29を介して取り込まれたパケットの間隔が大幅に長くなり、ネットワーク網同期信号43の周期が一時的に例えば40msになった場合でも同期信号(LR)は8KHzにされる。この場合、サンプル不足になるため、DSP203でのデコード処理の際に無音データ(0データ)の詰め込みが行われる。このように無音データ(0データ)の詰め込みが行われることで、サンプル不足に起因する不快音がスピーカ27から出力されるのが回避される。
【0058】
《実施の形態2》
図9には、本発明にかかる情報処理装置の一例であるマイクロコンピュータを備えた携帯端末の別の構成例が示される。
【0059】
図9に示される携帯端末100が、図1に示されるのと大きく相違するのは、端子30の接続先を切り替え可能なスイッチ90が設けられている点である。このスイッチ90の状態は、図示されないレジスタへの設定によって変更することができる。このレジスタの設定は中央処理装置10によって行うことができる。端子30を介してベースバンドLSI23からネットワーク網同期信号が入力される場合には、スイッチ90によって、端子30をクロックジェネレータ21に結合される。端子30を介してベースバンドLSI23からネットワーク網同期信号が入力されない場合には、端子30を図示されない内部回路の入出力部に結合することにより、端子30を上記内部回路の入出力ポートとして活用することができる。
【0060】
《実施の形態3》
図10には、本発明にかかる情報処理装置の一例であるマイクロコンピュータを備えた携帯端末の別の構成例が示される。
【0061】
図10に示される携帯端末100が、図1に示されるのと大きく相違するのは、図1における端子30に相当するものが省略されている点である。端子30を介してベースバンドLSI23からネットワーク網同期信号を入力する必要が無い場合には、この端子30を省略しても良い。尚、端子30を介してベースバンドLSI23からネットワーク網同期信号を入力する必要が無い場合には、上記端子30の他に、図1におけるセレクタ21、DSP制御部206、パルス検出部207なども不要となるので、端子数の削減や、回路規模の削減が可能になる。
【0062】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
1 マイクロコンピュータ
10 中央処理装置
11 ROM
19 第1シリアルインタフェース
20 音声処理部
23 ベースバンドLSI
24 RF回路
25 アンテナ
26 オーディオLSI
27 スピーカ
28 マイク
29,30,31,32,33,34 端子
35 発振器
36 PLL
90 スイッチ
100 携帯端末
191 マルチプレクサ及びデマルチプレクサ部
192 受信側バッファ
193 送信側バッファ
194 バスインタフェース
195 通知信号生成回路
201 RAM
202 DMAC
203 DSP
205 パルスジェネレータ
206 DSP制御部
207 パルス検出部
208 バッファ部
209 HPBインタフェース
211 セレクタ
212 クロック生成回路
222 送信用バッファ
223 パラレル・シリアル変換回路
224 シリアル・パラレル変換回路
225 受信用バッファ
226 HPBインタフェース
1951 レジスタ
1952 コンパレータ
1953 ポインタ
2051 カウンタ
2052 コンパレータ
2053 レジスタ
2054 パルスジェネレータロジック
2055 レジスタ
2121 カウンタ
2122 コンパレータ
2123 レジスタ
2124 LR/BTクロック生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースバンド処理部が結合可能な第1端子と、
オーディオ処理部が結合可能な第2端子と、
上記第1端子を介して結合された上記ベースバンド処理部との間で圧縮データのやり取りを可能にする第1シリアルインタフェースと、
上記第1シリアルインタフェースによって取り込まれた音声信号を処理可能な音声処理部と、
PCM通信用のクロック信号を形成するクロックジェネレータと、
上記クロックジェネレータで形成されたクロック信号を使用して、上記第2端子を介して結合された上記オーディオ処理部と、上記音声処理部との間で音声信号のPCM通信を可能にする第2シリアルインタフェースと、を含む情報処理装置であって、
上記第1シリアルインタフェースは、上記ベースバンド処理部から取り込まれる圧縮データが、予め設定されたデータ量に達する毎に、その状態を上記音声処理部に通知するための通知信号を形成する通知信号生成回路を含み、
上記音声処理部は、上記通知信号に基づいてネットワーク網同期信号を形成する同期信号生成回路を含み、
上記クロックジェネレータは、上記同期信号生成回路で形成された上記ネットワーク網同期信号に基づいて上記PCM通信用のクロック信号を形成することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記第1シリアルインタフェースは、取り込まれた信号を先入れ先出し形式で出力可能なバッファと、
上記バッファにおける書き込み位置を示すポインタと、を含み、
上記通知信号生成回路は、所定の閾値を設定可能な第1閾値レジスタと、
上記ポインタによって示される書き込み位置が上記第1閾値レジスタの設定値に達した時点で上記通知信号をアサートする第1コンパレータと、を含む請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記同期信号生成回路は、所定のクロック信号をカウントすると共に上記通知信号によってリセットされるカウンタと、
上限値及び下限値を設定可能な第2閾値レジスタと、
上記カウンタのカウント値が上記第2閾値レジスタの上限値と上記下限値との間に入っているか否かを判別するための第2コンパレータと、
上記第2コンパレータの判別結果に基づいてパルス情報が設定されるパルス情報レジスタと、
上記パルス情報レジスタの設定値に応じた周波数で上記ネットワーク網同期信号を形成するパルスジェネレータロジックと、を含む請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記音声処理部は、上記カウンタのカウント値が上記第2閾値レジスタの上限値と上記下限値との間に入っていない場合に、サンプル間引き処理又は無音データの埋め込み処理を実行する信号処理回路を含む請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記クロックジェネレータは、上記パルスジェネレータロジックから出力された上記ネットワーク網同期信号と、上記ベースバンド処理部から出力された同期信号とを選択可能なセレクタと、
上記セレクタの出力に基づいて、音声信号の通信に用いられる同期信号を形成するクロック生成回路と、を含む請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記第1端子は、上記ベースバンド処理部から上記同期信号を取り込むための第3端子を含み、
上記情報処理装置は、上記第3端子を介して上記ベースバンド処理部から上記同期信号が取り込まれない場合に、上記第3端子を、上記クロックジェネレータとは別の回路に接続可能なスイッチを含む請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項5記載の情報処理装置と、上記情報処理装置に結合されたベースバンド処理部と、上記情報処理装置に結合されたオーディオ処理部と、を含んで成る携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−100092(P2012−100092A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246282(P2010−246282)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】