説明

情報処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム

【課題】端末とサーバとの間のネットワーク接続が切れた場合においても、好適に配信情報を受信する。
【解決手段】情報処理装置(10)は、動作の履歴を示す履歴情報を一時的に格納する格納手段(113)と、履歴情報を、配信サーバ(30)へ送信する送信手段(112)と、配信情報を受信する受信手段(115)と、配信情報と、履歴情報とが整合性を有しているか否かを判定する判定手段(114)と、整合性を有していないと判定された場合に、履歴情報を配信サーバへ再度送信するように送信手段を制御する制御手段(114)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばテレビ番組等のコンテンツを再生しながら、サーバから配信される配信情報を受信し且つ表示することができる情報処理装置及び方法、並びにコンピュータをこのような情報処理装置として機能させるコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
2003年より地上デジタル放送が開始されたことに伴い、テレビ放送受信機(以降、適宜“テレビ端末”と称する)には、ネットワーク機能が実質的に必須の機能になりつつある。このネットワーク機能を活用して、テレビ放送局からの情報を受けるのみであったテレビ端末に対して、ユーザからの情報収集や情報提供といったインタラクティブな機能やサービスが提案されている。例えば、特許文献1及び2に開示されているように、ユーザの操作履歴の収集を行い、ユーザへの視聴支援や情報配信を行うサービスが多々提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−033600号公報
【特許文献2】特開2007−074483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、ネットワークへの接続形態が常時接続であることを前提としているため、所定時間だけダイヤルアップ接続を行う場合やネットワークの障害が発生した場合等には、ユーザの操作履歴の収集を好適に行うことができないという技術的な問題点を有している。つまり、テレビ端末と収集を行うサーバとの間のネットワーク接続が切れた場合には、ユーザの操作履歴の収集を行うことができないという技術的な問題点を有している。このため、テレビ端末が送信したものとみなしている操作履歴と、サーバにおいて実際に収集した操作履歴との間に差異が生じてしまいかねない。このため、ユーザが本来望んでいる配信情報(つまり、操作履歴に応じて適切に選択ないしは生成される配信情報)とは異なる配信情報が、サーバからテレビ端末に配信されてしまうという技術的な問題点を有している。
【0005】
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば端末とサーバとの間のネットワーク接続が切れた場合においても、好適に配信情報を受信することができる情報処理装置及び方法、並びにコンピュータをこのよう情報処理装置として機能させるコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の情報処理装置は、ユーザの操作に起因した当該情報処理装置の動作の履歴を示す履歴情報を一時的に格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記履歴情報を、前記履歴情報と関連した配信情報を当該情報処理装置に対して配信する配信サーバへ送信する送信手段と、前記配信サーバより配信される前記配信情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有しているか否かを判定する判定手段と、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有していないと判定された場合に、前記格納手段に格納された前記履歴情報を前記配信サーバへ再度送信するように前記送信手段を制御する制御手段とを備える。
【0007】
上記課題を解決するために、請求項6に記載の情報処理方法は、ユーザの操作に起因した当該情報処理装置の動作の履歴を示す履歴情報を一時的に格納する格納手段を備える情報処理装置における情報処理方法であって、前記格納手段に格納された前記履歴情報を、前記履歴情報と関連した配信情報を当該情報処理装置に対して配信する配信サーバへ送信する第1送信工程と、前記配信サーバより配信される前記配信情報を受信する受信工程と、前記受信工程により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記第1送信工程により送信された前記履歴情報とが整合性を有しているか否かを判定する判定工程と、前記受信工程により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記第1送信工程により送信された前記履歴情報とが整合性を有していないと判定された場合に、前記格納手段に格納された前記履歴情報を前記配信サーバへ再度送信する第2送信工程とを備える。
【0008】
上記課題を解決するために、請求項7に記載のコンピュータプログラムは、ユーザの操作に起因した当該情報処理装置の動作の履歴を示す履歴情報を一時的に格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記履歴情報を、前記履歴情報と関連した配信情報を当該情報処理装置に対して配信する配信サーバへ送信する送信手段と、前記配信サーバより配信される前記配信情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有しているか否かを判定する判定手段と、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有していないと判定された場合に、前記格納手段に格納された前記履歴情報を前記配信サーバへ再度送信するように前記送信手段を制御する制御手段とを備える情報処理装置に備えられたコンピュータを制御するコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記送信手段、前記受信手段、前記判定手段及び前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0009】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、発明を実施するための最良の形態として、本発明のリスト生成装置及び方法、コンピュータプログラムに係る実施形態の説明を進める。
【0011】
(情報処理装置の実施形態)
本発明の情報処理装置に係る実施形態は、ユーザの操作に起因した当該情報処理装置の動作の履歴を示す履歴情報を一時的に格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記履歴情報を、前記履歴情報と関連した配信情報を当該情報処理装置に対して配信する配信サーバへ送信する送信手段と、前記配信サーバより配信される前記配信情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有しているか否かを判定する判定手段と、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有していないと判定された場合に、前記格納手段に格納された前記履歴情報を前記配信サーバへ再度送信するように前記送信手段を制御する制御手段とを備える。
【0012】
本発明の情報処理装置に係る実施形態によれば、送信手段の動作により、格納手段に一時的に格納されている履歴情報が配信サーバへ送信される。その結果、配信サーバにおいて、送信された履歴情報の解析が行われ、履歴情報に関連した配信情報(例えば、ユーザの嗜好に合致した番組リストや広告情報等)が情報処理装置へ配信される。配信された配信情報は、受信手段の動作により受信される。受信された配信情報は、例えば映像や音声等として出力され、その結果、ユーザに認識される。
【0013】
本実施形態では特に、配信情報が受信された場合には、判定手段の動作により、受信された配信情報と、送信された履歴情報(言い換えれば、格納手段に一時的に格納されている履歴情報)とが整合性を有しているか否かが判定される。ここでいう「整合性を有している」状態とは、矛盾が生じていない状態を示すものである。具体的には、受信された配信情報が、送信された履歴情報と矛盾しない配信情報であれば、整合性を有していると判定される。他方、受信された配信情報が、送信された履歴情報と矛盾する配信情報であれば、整合性を有していないと判定される。より具体的には、例えば、送信された履歴情報が「ある番組の記録(録画)」という操作履歴を示している場合には、受信された配信情報が、当該番組に関する情報を含んでいれば、整合性を有していると判定され、他方で、受信された配信情報が、当該番組と同時刻に放送される他の番組の視聴や記録を勧める情報を含んでいれば、整合性を有していないと判定される。同様に、送信された履歴情報が「ある番組の削除」という操作履歴を示している場合には、受信された配信情報が、削除した番組に関する情報を含んでいれば、整合性を有していないと判定され、他方で、受信された配信情報が、削除された番組に関する情報を含んでいなければ、整合性を有していると判定される。
【0014】
この判定の結果、整合性を有していないと判定された場合には、送信手段により送信された履歴情報が、配信サーバにおいて反映されていないと推定することができる。言い換えれば、送信手段により送信された履歴情報が、配信サーバに適切に送信されていないと推定することができる。この原因として、履歴情報の送信を行った際に、情報処理装置と配信サーバとの間のネットワーク接続が切れていたことが一例としてあげられる。従って、この場合には、制御手段の動作により、履歴情報が再度送信されるように送信手段が制御される。
【0015】
これにより、仮に情報処理装置と配信サーバとの間のネットワーク接続が切れていたために履歴情報の送信を適切に行うことができなかったとしても、その後、配信サーバに対して、最新の履歴情報を再度送信することができる。このため、配信サーバは、最新の履歴情報に関連した配信情報を情報処理装置に対して配信することができる。つまり、情報処理装置は、最新の履歴情報に関連した配信情報を受信することができる。このため、誤った配信情報がそのまま情報処理装置において出力される不都合を好適に抑制することができる。
【0016】
また、本実施形態によれば、配信情報を受信した場合に、該配信情報と送信された履歴情報とが整合性を有しているか否かが判定され、その判定結果に応じて履歴情報が再度送信される。つまり、履歴情報を常に再送信する必要はなく、配信情報を受信した場合に選択的に再送信すればよい。このため、無駄に多数回、履歴情報を再度送信する必要がなくなるため、情報処理装置の処理負荷を低減することができる。
【0017】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の一の態様では、前記送信手段により前記履歴情報が再度送信された後、前記配信サーバに対して、前記配信情報の配信を要求する要求手段を更に備える。
【0018】
この態様によれば、仮に情報処理装置と配信サーバとの間のネットワーク接続が切れていたために履歴情報の送信を適切に行うことができなかったとしても、その後、配信サーバに対して、最新の履歴情報に応じた配信情報の配信を要求することができる。その結果、配信サーバは、最新の履歴情報に関連した配信情報を情報処理装置に対して配信することができる。つまり、情報処理装置は、最新の履歴情報に関連した配信情報を受信することができる。
【0019】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有していないと判定された場合に、前記受信手段により受信された前記配信情報を消去する第1消去手段を更に備える。
【0020】
この態様によれば、整合性を有していないと判定された場合には、受信手段により受信された配信情報は、本来望むべき配信情報ではないため、第1消去手段の動作により消去される。これにより、不必要な配信情報を誤って出力してしまう不都合を防ぐことができる。
【0021】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有していると判定された場合に、前記格納手段に一時的に格納された前記履歴情報を消去する第2消去手段を更に備える。
【0022】
この態様によれば、整合性を有していると判定された場合には、送信手段により送信された履歴情報は、配信サーバに適切に送信されたと推定することができる。このため、格納手段に一時的に格納された履歴情報は不要となるため、第2消去手段の動作により、該履歴情報が消去される。これにより、同じ履歴情報が誤って2回以上送信される不都合を防ぐことができる。更には、格納手段の記録容量を有効に使用することができる。
【0023】
本発明の情報処理装置に係る実施形態の他の態様では、前記送信手段は、(i)当該情報処理装置が前記配信サーバへログインしたときには、前記格納手段に前記履歴情報が格納されている場合に、前記履歴情報を前記配信サーバへ送信し、(ii)当該情報処理装置が前記配信サーバへログインしてからログアウトするまでの間には、前記制御手段による制御が行われた場合に、前記履歴情報を前記配信サーバへ送信する。
【0024】
この態様によれば、情報処理装置の初期動作としてのログイン動作時に履歴情報を送信した後に、仮に情報処理装置と配信サーバとの間のネットワーク接続が切れていたために履歴情報の送信を適切に行うことができなかったとしても、その後、配信サーバに対して、最新の履歴情報を再度送信することができる。このため、上述した各種効果を好適に享受することができる。
【0025】
(情報処理方法の実施形態)
本発明のリスト生成方法に係る実施形態は、ユーザの操作に起因した当該情報処理装置の動作の履歴を示す履歴情報を一時的に格納する格納手段を備える情報処理装置における情報処理方法であって、前記格納手段に格納された前記履歴情報を、前記履歴情報と関連した配信情報を当該情報処理装置に対して配信する配信サーバへ送信する第1送信工程と、前記配信サーバより配信される前記配信情報を受信する受信工程と、前記受信工程により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記第1送信工程により送信された前記履歴情報とが整合性を有しているか否かを判定する判定工程と、前記受信工程により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記第1送信工程により送信された前記履歴情報とが整合性を有していないと判定された場合に、前記格納手段に格納された前記履歴情報を前記配信サーバへ再度送信する第2送信工程とを備える。
【0026】
本発明の情報処理方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態が有する各種利益と同様の利益を享受することができる。
【0027】
尚、上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報処理方法に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0028】
(コンピュータプログラムの実施形態)
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態は、ユーザの操作に起因した当該情報処理装置の動作の履歴を示す履歴情報を一時的に格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記履歴情報を、前記履歴情報と関連した配信情報を当該情報処理装置に対して配信する配信サーバへ送信する送信手段と、前記配信サーバより配信される前記配信情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有しているか否かを判定する判定手段と、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有していないと判定された場合に、前記格納手段に格納された前記履歴情報を前記配信サーバへ再度送信するように前記送信手段を制御する制御手段とを備える情報処理装置(つまり、上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態(但し、各種態様を含む))に備えられたコンピュータを制御するコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記送信手段、前記受信手段、前記判定手段及び前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0029】
本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態を比較的簡単に実現できる。
【0030】
尚、上述した本発明の情報処理装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0031】
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされよう。
【0032】
以上説明したように、本発明の情報処理装置に係る実施形態によれば、格納手段と、送信手段と、受信手段と、判定手段と、制御手段とを備える。本発明の情報処理方法に係る実施形態によれば、送信工程と、受信工程と、判定工程と、制御工程とを備える。本発明のコンピュータプログラムに係る実施形態によれば、コンピュータを送信手段と、受信手段と、判定手段と、制御手段との少なくとも一部として機能させる。従って、例えば情報処理装置と配信サーバとの間のネットワーク接続が切れた場合においても、好適に配信情報を受信することができる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。
【0034】
(1)基本構成
初めに、図1を参照しながら、本発明の情報処理装置に係る実施例としての放送受信機器10を備える情報配信システム1の基本構成について説明を進める。ここに、図1は、本実施例に係る情報配信システム1の基本構成を概念的に示すブロック図である。
【0035】
図1に示すように、本実施例に係る情報配信システム1は、本発明における「情報処理装置」の一具体例を構成する放送受信機器10と、有線又は無線の通信網であるネットワーク20と、該放送受信機器10とネットワーク20を介して接続される配信サーバ30とを備えている。
【0036】
放送受信機器10は、例えばテレビ放送波やケーブル放送波等の放送波を受信すると共に、該放送波に含まれるテレビ番組等の放送コンテンツを表示する機能を備えている。また、放送受信機器10は、ユーザの操作に起因した動作を解析し、解析結果を操作履歴情報としてまとめる機能を備えている。更に、放送受信機器10は、ネットワーク20を介して配信サーバ30より配信される配信情報を受信すると共に、該配信情報に含まれるコンテンツを表示する機能を備えている。尚、放送受信機器10のより詳細な構成については、後に詳述する(図2参照)。
【0037】
配信サーバ30は、放送受信機器10より送信される操作履歴情報を受信する機能を有している。受信された操作履歴情報は、ユーザ毎に区別可能な形式で、操作履歴情報DB(Data Base)31に記録される。また、配信サーバ30は、受信された操作履歴情報に基づいて、配信情報DB32に記録された配信情報から、放送受信機器10へ配信するべき配信情報を選択又は生成する機能を有している。より具体的には、操作履歴情報に関連した配信情報を選択又は生成する機能を有している。また、配信サーバ30は、選択又は生成された配信情報を、ネットワーク20を介して放送受信機器10へ配信する機能を有している。
【0038】
尚、配信情報DB32に記録されている配信情報(言い換えれば、該配信情報に含まれる配信コンテンツ)として、例えば、放送コンテンツについての番組情報や、放送コンテンツの予告情報や、ユーザがよく視聴する放送コンテンツに関連したDVDや雑誌等の紹介情報や、放送コンテンツで紹介された製品のショッピング情報や、録画された放送コンテンツのお勧め再生情報(お勧めプレイリスト情報)等が一例としてあげられる。
【0039】
続いて、図2を参照しながら、本実施例に係る放送受信機器10の基本構成について説明を進める。ここに、図2は、本実施例に係る放送受信機器10の基本構成を概念的に示すブロック図である。
【0040】
図2に示すように、放送受信機器10は、放送受信部101と、記録部102と、蓄積部103と、再生部104と、記録再生制御部105と、操作履歴解析部111と、本発明における「送信手段」の一具体例を構成する操作履歴情報送信部112と、本発明における「格納手段」の一具体例を構成する一時格納部113と、本発明における「判定手段」、「制御手段」、「要求手段」、「第1消去手段」及び「第2消去手段」の一具体例を構成する送信・格納・配信制御部114と、本発明における「受信手段」の一具体例を構成する配信情報受信部115とを備える。
【0041】
放送受信部101は、テレビ放送波やケーブル放送波等の放送波を受信可能に構成されている。このため、放送受信部101は、例えば、放送波を受信可能なアンテナと、該受信された放送波を復調する復調回路等を備えている。
【0042】
記録部102は、記録再生制御部105の制御の下に、放送受信部101において受信された放送波に含まれる放送コンテンツを、蓄積部103に記録(言い換えれば、録画)可能に構成されている。
【0043】
蓄積部103は、例えばハードディスク等のストレージ機器であり、放送コンテンツを記録しておくことができる。また、再生部104に対して、記録された放送コンテンツを出力可能に構成されている。
【0044】
再生部104は、記録再生制御部105の制御の下に、放送受信部101において受信された放送波に含まれる放送コンテンツ及び蓄積部103に記録された放送コンテンツを再生可能に構成されている。再生された放送コンテンツは、ディスプレイやスピーカ等の外部機器において実際に表示出力される。また、再生部104は、配信サーバ30より配信される配信情報に含まれる配信コンテンツを再生可能に構成されている。
【0045】
記録再生制御部105は、ユーザの操作指示に基づいて記録部102及び再生部104を制御することで、放送コンテンツの記録や再生を制御する。また、記録再生制御部105は、ユーザからの操作指示があった場合には、該操作の内容(或いは、該操作に起因して行われる動作)を、操作履歴解析部111に対して送信可能に構成されている。
【0046】
操作履歴解析部111は、ユーザの操作に起因して放送受信機器10が任意の動作を行った場合に、該ユーザの操作(言い換えれば、放送受信機器10の動作)の履歴を解析する。また、この際、操作履歴解析部111は、放送受信部101において受信された放送波に含まれる制御情報(例えば、EPG情報等の放送コンテンツの詳細な説明を示す情報であって、後述するタイトルIDや放送番組ID等)を取得し、該制御情報が示す各種情報とユーザの操作とを関連付ける。その結果、操作履歴情報が生成される。尚、操作履歴情報の具体的なデータ構造は、後に詳述する(図5参照)。
【0047】
操作履歴情報送信部112は、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、操作履歴解析部111において生成された操作履歴情報を、ネットワーク20を介して配信サーバ30へ送信可能に構成されている。
【0048】
一時格納部113は、例えばハードディスクや半導体メモリ等のストレージ機器であって、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、配信サーバ30へ未だ送信されていない操作履歴情報を一時的に格納可能に構成されている。
【0049】
送信・格納・配信制御部114は、操作履歴情報送信部112や、一時格納部113や、配信情報受信部115の動作を制御可能に構成されている。尚、送信・格納・配信制御部114のよる具体的な制御動作については、後に説明する「動作原理」においてより明らかにされる。
【0050】
配信情報受信部115は、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、配信サーバ30から配信される配信情報を受信可能に構成されている。受信された配信情報は、再生部104へ出力される。
【0051】
(2)動作原理
続いて、図3から図6を参照して、本実施例に係る情報配信システム1の動作原理について説明する。
【0052】
本実施例に係る情報配信システム1においては、放送受信機器10は、放送コンテンツを再生する。この放送コンテンツの再生と並行して、放送受信機器10は更に、ユーザの操作に起因した放送受信機器10の動作内容が操作履歴情報として収集する。収集された操作履歴情報は、配信サーバ30に送信される。その後、配信サーバ30の動作により、操作履歴情報に関連する配信情報が放送受信機器10へと配信される。その後、放送受信機器10は、配信される配信情報を受信すると共に、該配信情報に含まれる配信コンテンツを再生する。
【0053】
以下、操作履歴情報の収集から配信情報の受信及び再生までの動作を、図面を参照しながら、より詳細に説明する。
【0054】
(2−1)操作履歴情報の収集動作
初めに、図3を参照して、本実施例に係る情報配信システム1における「操作履歴情報の収集動作」について説明する。ここに、図3は、本実施例に係る情報配信システム1における「操作履歴情報の収集動作」の流れを概念的に示すフローチャートである。
【0055】
図3に示すように、まず、放送受信機器10の電源がONに切り替えられる(ステップS101)。ここで、例えば、リモコンや放送受信機器10に備えられた操作ボタンを用いてユーザが操作を行うことにより、電源がONに切り替えられることが想定される。また、ユーザが録画予約(タイマー録画)を指示していたときや番組表を取得するときに放送受信機器10の電源がいわば自動的にONに切り替えることが想定される。
【0056】
このとき、操作履歴解析部111の動作により、操作履歴情報が生成され、該生成された操作履歴情報が一時格納部113に一時的に格納される(ステップS102)。ここでは、ステップS101における「電源ON」についての操作履歴を示す操作履歴情報が生成される。
【0057】
ここで、図4及び図5を参照して、操作履歴情報の具体的な構成について説明する。ここに、図4は、放送受信機器10が行い得る動作(言い換えれば、放送受信機器10に発生し得るイベント)の一例を示す説明図であり、図5は、操作履歴情報のデータ構造を概念的に示すデータ構造図である。
【0058】
図4には、放送受信機器10を使用した場合の典型的な動作例(イベント例)を示している。この動作例では、7時00分00秒(以降、時分秒を省略して、7:00:00として表示する)に、ユーザの操作により、放送受信機器10は、電源をONに切り替えている。その後、7:01:00に、ユーザの操作により、放送受信機器10は、19:00:00から開始する放送コンテンツAの録画予約を行っている。その後、7:02:00に、ユーザの操作により、放送受信機器10は、電源をOFFに切り替えている。その後、18:58:00に、録画予約された放送コンテンツAの録画を開始するために、放送受信機器10は、電源をONに切り替えている。その後、19:00:00に、放送受信機器10は、録画予約された放送コンテンツAの録画(記録)を開始する。その後、19:55:00に、放送受信機器10は、録画予約された放送コンテンツAの録画(記録)を停止する。その後、19:56:00に、録画予約が終了したため、放送受信機器10は、電源をOFFに切り替えている。その後、ユーザが帰宅し、22:30:00に、ユーザの操作により、放送受信機器10は、電源をONに切り替えている。その後、22:35:00に、ユーザの操作により、放送受信機器10は、録画予約により録画された放送コンテンツAの再生を開始している。その後、22:40:00に、放送コンテンツAがCMに切り替わったため、ユーザの操作により、放送受信機器10は、スキップ操作(早送り操作)を行っている。その後、放送コンテンツAがつまらなかったため、ユーザの操作により、22:45:00に、放送コンテンツAの再生を停止し、22:47:00に、放送コンテンツAを削除している。その後、22:50:00に、ユーザの操作により、放送受信機器10は、ライブで放送されている放送コンテンツBの再生を開始している。その後、23:15:00に、ユーザの操作により、放送受信機器10は、電源をOFFに切り替えている。
【0059】
このような放送受信機器10の動作履歴(言い換えれば、ユーザの操作履歴)に基づいて、その動作が発生する都度、操作履歴情報が生成される。具体的には、図5に示すように、操作履歴情報は、例えば、いずれのユーザの操作に起因した動作が行われたかを識別するためのユーザIDと、いずれのタイトル(録画された放送コンテンツ)に対して動作が行われたかを識別するためのタイトルIDと、いずれの放送コンテンツ(放送されている放送コンテンツ)に対して動作が行われたかを識別するための放送番組IDと、動作が行われた日時を示すイベント日時情報と、再生時には再生箇所、記録終了時には記録時間及び編集時には編集箇所を特定する時間情報と、操作内容(動作内容)を示す操作内容情報とを含んでいる。
【0060】
例えば、図5に示す操作履歴情報は、ユーザIDが001であるユーザの操作により、2007年4月20日の10時30分に、放送番組IDが001である放送コンテンツが、タイトルIDが02であるタイトルとして、30分間記録されたという操作履歴を示している。また、ユーザIDが001であるユーザの操作により、2007年4月21日の18時30分に、タイトルIDが04であるタイトルとして記録された放送番組IDが002である放送コンテンツが、経過時間が5分の位置から再生されたという操作履歴を示している。また、ユーザIDが002であるユーザの操作により、2007年3月21日の18時30分に、タイトルIDが08であるタイトルとして記録された放送番組IDが003である放送コンテンツが削除されたという操作履歴を示している。また、ユーザIDが003であるユーザの操作により、2007年3月21日の18時30分に、放送番組IDが005である放送コンテンツが視聴されたという操作履歴を示している。また、ユーザIDが002であるユーザの操作により、2007年3月21日の18時30分に、電源がONに切り替えられたという操作履歴を示している。
【0061】
尚、操作履歴情報を一時格納部113に格納する際には、格納の後に操作履歴情報が配信サーバ30へ送信されることを考慮して、操作履歴情報のフォーマットを、送信に適したフォーマットに変換した後に、操作履歴情報を記録するように構成してもよい。例えば、図5に示す「ユーザIDが002であるユーザの操作により、2007年3月21日の18時30分に、電源がONに切り替えられた」という操作履歴を例にあげれば、「ユーザID=001&イベント日時=2007/03/21_18:30:00&操作内容=電源ON<<改行>>」を1レコードとするフォーマットに変換した後に、一時格納部113に格納されることが好ましい。尚、1レコードの最後に付加される「改行コード」は、1レコードの終了を示すものである。
【0062】
再び、図3において、その後、放送受信機器10は、配信サーバ30へのログイン動作を行う(ステップS103)。例えば、放送受信機器10のユーザが、ユーザID及びパスワードを入力することにより、ログイン動作が行われる。
【0063】
ステップS103における判定の結果、ログイン動作が正常に完了したと判定された場合には(ステップS103:Yes)、続いて、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、操作履歴情報が一時格納部113に格納されているか否かが判定される(ステップS104)。
【0064】
ステップS104における判定の結果、操作履歴情報が一時格納部113に格納されていないと判定された場合には(ステップS104:No)、ステップS108における動作に進む。
【0065】
他方、ステップS104における判定の結果、操作履歴情報が一時格納部113に格納されていると判定された場合には(ステップS104:Yes)、送信・格納・配信制御部114の制御を受ける操作履歴情報送信部112の動作により、一時格納部113に格納されている操作履歴情報が、配信サーバ30へ送信される(ステップS105)。ここでは、任意の通信プロトコルを使用してもよい。例えば、HTTPを使用する場合には、HTTPのPOSTメソッドに従ってヘッダが付加される共に、上述したフォーマット変換がなされた操作履歴情報がペイロードに格納された状態で、操作履歴情報の送信が行われる。
【0066】
このとき、1回の送信動作により1つの動作に係る操作履歴情報を送信するように構成してもよい。或いは、送信効率を向上させるために、1回の送信動作により複数の動作に係る操作履歴情報を送信するように構成してもよい。この場合、複数の動作に係る操作履歴情報が含む複数のレコードを区別するために、各レコードの間に改行コード等を付加するように構成してもよい。
【0067】
その後、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、配信サーバ30へ送信された操作履歴情報が、配信サーバ30に登録されたか否かが判定される(ステップS106)。例えば、HTTPを使用して操作履歴情報を送信した場合には、配信サーバ30よりステータスコード「200OK」が返ってくれば、操作履歴情報が配信サーバ30に登録されたとみなしてもよい。また、HTTPでは、実際に操作履歴情報を用いた処理を行うアプリケーションでの登録の完了を判定できないことを考慮すれば、実際のアプリケーションのレベルでの登録の成功を判定するために、配信サーバ30より返信されるステータス情報に、独自の情報を付加してもよい。
【0068】
ステップS106における判定の結果、配信サーバ30へ送信された操作履歴情報が、配信サーバ30に登録されたと判定された場合には(ステップS106:Yes)、一時格納部113に格納された操作履歴情報はもはや不要であるため、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、一時格納部113に格納された操作履歴情報が消去される(ステップS107)。その後、ステップS108における動作に進む。
【0069】
但し、放送受信機器10側で操作履歴情報を保存しておきたい場合には、ステップS107における動作を行わないように構成してもよい。但し、ステップS107における動作を行わない(つまり、操作履歴情報を消去しない)場合には、例えば送信済みフラグを付加することにより、操作履歴情報が送信済みであるか又は未送信であるかを識別可能に構成することが好ましい。
【0070】
他方、ステップS106における判定の結果、配信サーバ30へ送信された操作履歴情報が、配信サーバ30に登録されなかったと判定された場合には(ステップS106:No)、ステップS108における動作に進む。
【0071】
ステップS108においては、放送受信機器10の電源がOFFに切り替えられるか否かが判定される(ステップS108)。
【0072】
ステップS108における判定の結果、放送受信機器10の電源がOFFに切り替えられると判定された場合には(ステップS108:Yes)、ログオフ動作が行われた後(ステップS109)、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、該「ログオフ動作」についての操作履歴を示す操作履歴情報が生成され、一時格納部113へ格納される(ステップS110)。その後、動作を終了する。
【0073】
他方、ステップS108における判定の結果、放送受信機器10の電源がOFFに切り替えられないと判定された場合には(ステップS108:No)、続いて、放送受信機器10が動作(イベント)を行った否かが判定される(ステップS111)。
【0074】
ステップS111における判定の結果、放送受信機器10が動作を行ったと判定された場合には(ステップS111:Yes)、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、該動作についての操作履歴を示す操作履歴情報が生成され、一時格納部113へ格納される(ステップS112)。その後、ステップS108へ戻り、ステップS108以降の動作が繰り返される。
【0075】
他方、ステップS111における判定の結果、放送受信機器10が動作を行っていないと判定された場合には(ステップS111:No)、ステップS108へ戻り、ステップS108以降の動作が繰り返される。
【0076】
他方、ステップS103における判定の結果、ログイン動作が正常に完了していないと判定された場合には(ステップS103:No)、配信サーバ30との情報のやり取りは行われず、放送受信機器10は、スタンドアローンで動作する。この場合、放送受信機器10の電源がOFFに切り替えられるか否かが判定される(ステップS113)。
【0077】
ステップS113における判定の結果、放送受信機器10の電源がOFFに切り替えられると判定された場合には(ステップS113:Yes)、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、それまで動作についての操作履歴を示す操作履歴情報が生成され、一時格納部113へ格納される(ステップS114)。その後、動作を終了する。
【0078】
他方、ステップS113における判定の結果、放送受信機器10の電源がOFFに切り替えられないと判定された場合には(ステップS113:No)、続いて、放送受信機器10が動作(イベント)を行った否かが判定される(ステップS115)。
【0079】
ステップS115における判定の結果、放送受信機器10が動作を行ったと判定された場合には(ステップS115:Yes)、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、該動作についての操作履歴を示す操作履歴情報が生成され、一時格納部113へ格納される(ステップS116)。その後、ステップS103へ戻り、ステップS103以降の動作が繰り返される。
【0080】
他方、ステップS115における判定の結果、放送受信機器10が動作を行っていないと判定された場合には(ステップS115:No)、ステップS103へ戻り、ステップS103以降の動作が繰り返される。
【0081】
このように、本実施例においては、放送受信機器10が動作を行う都度、操作履歴情報生成されると共に、一時格納部113へ格納される。また、操作履歴情報は、生成の都度配信サーバ30に送信される必要はない。本実施例においては、ログイン動作が行われるときに、それまでに格納された操作履歴情報が一括して配信サーバ30へ送信される。
【0082】
(2−2)配信情報の受信動作
続いて、図6を参照して、本実施例に係る情報配信システム1における「配信情報の受信動作」について説明する。ここに、図6は、本実施例に係る情報配信システム1における「配信情報の受信動作」の流れを概念的に示すフローチャートである。
【0083】
図6に示すように、まず、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、配信サーバ30から配信情報が配信されたか否かが判定される(ステップS201)。配信サーバ30から配信情報が配信される態様としては、配信サーバ30側から定期的に又は不定期的に配信情報が配信されるように構成してもよいし、放送受信機器10からの問い合わせ(例えば、ポーリング)に応じて配信サーバ30が配信情報を配信するように構成してもよい。
【0084】
ステップS201における判定の結果、配信サーバ30から配信情報が配信されていないと判定された場合には(ステップS201:No)、ステップS201へ戻り、配信情報が配信されているか否かの判定を継続する。
【0085】
他方、ステップS201における判定の結果、配信サーバ30から配信情報が配信されていると判定された場合には(ステップS201:Yes)、続いて、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、一時格納部113に格納された操作履歴情報が存在するか否かが判定される(ステップS202)。つまり、未だ配信サーバ30に配信されていない操作履歴情報が、一時格納部113に残されているか否かが判定される。
【0086】
ステップS202における判定の結果、一時格納部113に格納された操作履歴情報が存在しないと判定された場合には(ステップS202:No)、放送受信機器10において生成された操作履歴情報の全てが、配信サーバ30へ適切に送信されたと判定することができる。このため、ステップS201において配信サーバ30から配信された配信情報は、いわば最新の操作履歴情報に基づく配信情報であると判定することができる。このため、配信情報が再生部104へ出力され、再生部104の動作により、配信情報が、画面表示用の情報に変換される(ステップS208)。その後、再生部104の動作により、配信情報が再生される(ステップS209)。例えば、放送受信機器10において表示されている放送コンテンツの少なくとも一部に重ねて又は置き換えて、配信情報に応じた配信コンテンツが表示される。その結果、ユーザは、配信コンテンツを視聴することができる。
【0087】
他方、ステップS202における判定の結果、一時格納部113に格納された操作履歴情報が存在すると判定された場合には(ステップS202:Yes)、配信サーバ30が実際に受信を完了した操作履歴情報と、一時格納部113に格納されている操作履歴情報(いわば、最新の操作履歴情報)との間に差異が生じている可能性が高いと考えられる。言い換えれば、ネットワーク20を介した放送受信機器10と配信サーバ30との間の接続が切れてしまったこと等(より具体的には、例えばダイヤルアップネットワークの接続をきったことや、ネットワーク障害が発生したこと等)に起因して、操作履歴情報が配信サーバ30へ送信できなかった可能性が高いと考えられる。或いは、ログイン動作を行った後に、操作履歴情報が蓄積されたがゆえに、配信サーバ30が実際に受信を完了した操作履歴情報と、一時格納部113に格納されている操作履歴情報(いわば、最新の操作履歴情報)との間に差異が生じている可能性が高いと考えられる。
【0088】
従って、この場合、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、配信サーバ30より配信された配信情報と、一時格納部113に格納された操作履歴情報との間に整合性が存在しているか否かが判定される(ステップS204)。
【0089】
ここで、整合性とは、「整合性が存在している」状態とは、矛盾が生じていない状態を示すものである。具体的には、例えば、送信された操作履歴情報が「放送コンテンツAの記録(録画)」という操作履歴を示している場合には、配信された配信情報が、当該放送コンテンツAに関する情報を含んでいれば、整合性が存在していると判定され、他方で、配信された配信情報が、当該放送コンテンツAと同時刻に放送される他の番組の視聴・記録を勧める情報を含んでいれば、整合性が存在していないと判定される。同様に、送信された履歴情報が「放送コンテンツBの削除」という操作履歴を示している場合には、配信された配信情報が、削除した放送コンテンツBに関する情報を含んでいれば、整合性存在していないと判定され、他方で、配信された配信情報が、削除された放送コンテンツBに関する情報を含んでいなければ、整合性が存在していると判定される。
【0090】
S204における判定の結果、配信サーバ30より配信された配信情報と、一時格納部113に格納された操作履歴情報との間に整合性が存在していると判定された場合には(ステップS204:Yes)、配信情報が、画面表示用の情報に変換され(ステップS208)、配信情報が再生される(ステップS209)。
【0091】
他方、ステップS204における判定の結果、配信サーバ30より配信された配信情報と、一時格納部113に格納された操作履歴情報との間に整合性が存在していないと判定された場合には(ステップS204:No)、配信情報は、最新の操作履歴情報を反映した配信情報ではないと考えられる。従って、この場合は、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、配信された配信情報が削除される(ステップS205)。その後、送信・格納・配信制御部114の制御を受ける操作履歴情報送信部112の動作により、一時格納部113に格納された操作履歴情報が、配信サーバ30へ再度送信される(ステップS206)。その後、送信・格納・配信制御部114の制御の下に、配信情報の配信が、配信サーバ30に対して再度要求される(ステップS207)。
【0092】
このように、本実施例によれば、仮に放送受信機器10と配信サーバ30との間のネットワーク20の接続が切れていたために、操作履歴情報の送信を適切に行うことができなかったとしても、その後、配信サーバ30に対して、最新の操作履歴情報を再度送信することができる。このため、配信サーバ30は、最新の操作履歴情報に関連した配信情報を放送受信機器10に対して配信することができる。つまり、放送受信機器10は、最新の操作履歴情報に関連した配信情報(言い換えれば、最新の操作履歴情報との間に整合性が存在している配信情報)を受信することができる。このため、誤った配信情報がそのまま放送受信機器10において出力される不都合を好適に抑制することができる。従って、放送受信機器10は、最新の操作履歴情報が反映された配信情報の配信を受けることができる。
【0093】
また、本実施例によれば、配信情報を受信し且つ一時格納部113に操作履歴情報が格納されており且つ配信情報と操作履歴情報との間に整合性が存在しない場合に、操作履歴情報を再度送信すれば足りる。つまり、操作履歴情報を常に再送信し続ける必要はなく、配信情報を受信した場合に選択的に再送信すればよい。このため、無駄に多数回、操作履歴情報を再度送信する必要がなくなり、その結果、放送受信機器10の処理負荷を低減することができる。
【0094】
加えて、操作履歴情報との間で整合性が存在しない配信情報を削除しているため、これにより、操作履歴情報の再送信と、新たな配信情報の配信とを独立して行うことができる。更には、誤って整合性が存在しない配信情報が再生されてしまうことを防止することができる。
【0095】
更に、操作履歴情報との間で整合性が存在している配信情報を受信した場合には、一時格納部113に格納されている操作履歴情報を削除している。このため、誤って同じ操作履歴情報が2回送信されてしまうことを防ぐことができる。また、一時格納部113の記録容量を有効に利用することができる。
【0096】
また、上述の実施例においては、放送コンテンツを受信し且つ再生する放送受信機器10について説明を進めた。しかしながら、所定の有線通信網又は無線通信網を介してユーザに受信されるコンテンツを受信し且つ再生する放送受信機器であっても、上述した動作を行うことで、上述した各種効果を享受することができることは言うまでもない。同様に、DVDやBlu−ray Disc等の記録媒体に記録されたコンテンツや、インターネット等を介してストリーミング配信される又はダウンロードされるコンテンツを再生する機器であっても、上述した動作を行うことで、上述した各種効果を享受することができることは言うまでもない。
【0097】
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう情報処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本実施例に係る情報配信システムの基本構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】本実施例に係る放送受信機器の基本構成を概念的に示すブロック図である。
【図3】本実施例に係る情報配信システムにおける「操作履歴情報の収集動作」の流れを概念的に示すフローチャートである。
【図4】放送受信機器が行い得る動作(言い換えれば、放送受信機器に発生し得るイベント)の一例を示す説明図である。
【図5】操作履歴情報のデータ構造を概念的に示すデータ構造図である。
【図6】本実施例に係る情報配信システムにおける「配信情報の受信動作」の流れを概念的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
1 情報配信システム
10 放送受信機器
20 ネットワーク
30 情報配信サーバ
101 放送受信部
102 記録部
103 蓄積部
104 再生部
105 記録再生制御部
111 操作履歴解析部
112 操作履歴情報送信部
113 一時格納部
114 送信・格納・配信制御部
115 配信情報受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作に起因した当該情報処理装置の動作の履歴を示す履歴情報を一時的に格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された前記履歴情報を、前記履歴情報と関連した配信情報を当該情報処理装置に対して配信する配信サーバへ送信する送信手段と、
前記配信サーバより配信される前記配信情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有しているか否かを判定する判定手段と、
前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有していないと判定された場合に、前記格納手段に格納された前記履歴情報を前記配信サーバへ再度送信するように前記送信手段を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送信手段により前記履歴情報が再度送信された後、前記配信サーバに対して、前記配信情報の配信を要求する要求手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有していないと判定された場合に、前記受信手段により受信された前記配信情報を消去する第1消去手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有していると判定された場合に、前記格納手段に一時的に格納された前記履歴情報を消去する第2消去手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記送信手段は、(i)当該情報処理装置が前記配信サーバへログインしたときには、前記格納手段に前記履歴情報が格納されている場合に、前記履歴情報を前記配信サーバへ送信し、(ii)当該情報処理装置が前記配信サーバへログインしてからログアウトするまでの間には、前記制御手段による制御が行われた場合に、前記履歴情報を前記配信サーバへ送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザの操作に起因した当該情報処理装置の動作の履歴を示す履歴情報を一時的に格納する格納手段を備える情報処理装置における情報処理方法であって、
前記格納手段に格納された前記履歴情報を、前記履歴情報と関連した配信情報を当該情報処理装置に対して配信する配信サーバへ送信する第1送信工程と、
前記配信サーバより配信される前記配信情報を受信する受信工程と、
前記受信工程により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記第1送信工程により送信された前記履歴情報とが整合性を有しているか否かを判定する判定工程と、
前記受信工程により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記第1送信工程により送信された前記履歴情報とが整合性を有していないと判定された場合に、前記格納手段に格納された前記履歴情報を前記配信サーバへ再度送信する第2送信工程と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
ユーザの操作に起因した当該情報処理装置の動作の履歴を示す履歴情報を一時的に格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記履歴情報を、前記履歴情報と関連した配信情報を当該情報処理装置に対して配信する配信サーバへ送信する送信手段と、前記配信サーバより配信される前記配信情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有しているか否かを判定する判定手段と、前記受信手段により受信された前記配信情報と、前記格納手段に格納された前記履歴情報又は前記送信手段により送信された前記履歴情報とが整合性を有していないと判定された場合に、前記格納手段に格納された前記履歴情報を前記配信サーバへ再度送信するように前記送信手段を制御する制御手段とを備える情報処理装置に備えられたコンピュータを制御するコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記送信手段、前記受信手段、前記判定手段及び前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−21649(P2009−21649A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180577(P2007−180577)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】