説明

情報処理装置及び表示装置

【課題】 装置間で録画指示を行う際に、録画が失敗することを抑制することのできる情報処理装置及び表示装置を提供する。
【解決手段】 放送信号を受信するチューナと、映像信号を出力すると共に、動作制御用の各種コマンドを入出力するためのコネクタと、各種コマンドをコネクタ経由で送受信するコマンド制御手段であって、他の装置から録画開始コマンド受信すると、録画用アプリケーションを起動させて、チューナで受信する放送信号の映像を録画するコマンド制御手段と、コマンド制御手段からの指示に応じて録画される映像データを再生可能な再生手段と、再生手段で映像データを再生して得られる映像信号をコネクタから他の装置に出力させる表示制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン放送番組データを受信・視聴したり、録画したりする機能を有するパーソナルコンピュータが普及しつつある。これにより、例えばバッテリ駆動可能なノートブック型のパーソナルコンピュータを携行すれば、移動中や外出先でも、映像データを視聴・録画できるようになっている。
【0003】
しかしながら、可搬型のパーソナルコンピュータで録画を実行する場合には、地域によってチャネル設定が異なることがある。例えば特許文献1には、ネットワークを介して、チャンネル設定情報等を機器間で送信可能とすることが開示されている。
【特許文献1】特開2007−201734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パーソナルコンピュータとテレビジョン放送受信機とを接続する場合のように、複数の電子機器を接続する場合、1つの電子機器に対する操作で、全ての電子機器を操作することができれば、(例えばリモートコントローラの利用等を考慮すれば)その使い勝手を飛躍的に向上させることができる。例えば、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)−CEC(Consumer Electronics Control)に対応した機器間では、制御信号を互いに通信することができ、1つのリモートコントローラ(以下、リモコンとも称する)での操作で複数の電子機器を制御することができるようになっている。HDMI−CECでは、録画コマンドについても規定されており、該コマンドに対応した機器間では、例えばユーザは、DTV(Digital TV)のリモコンで録画開始を出すだけで、HDMI−CEC経由で録画機器に対する録画を開始させることができるようになる。
【0005】
しかしながら、かかる場合に、操作対象の機器(たとえばDTV)と録画機器とでチャネル設定が異なる場合には、ユーザの意図した番組とは異なる番組が録画されることがある。可搬型のパーソナルコンピュータ等を録画機器として用いる場合には、この問題は特に顕著となる。特許文献1においても、機器間での録画指示を行う際の、チャネル設定の相違に基づく録画失敗に係る問題については何ら考慮されていない。
【0006】
また、HDMI−CECコマンドはHDDレコーダ等の専用機を対象に考えられているので、パーソナルコンピュータを録画機器として用いる場合には、アプリケーションが起動していない場合には、録画することができないという課題もある。
【0007】
そこで本発明は、装置間で録画指示を行う際に、録画が失敗することを抑制することのできる情報処理装置及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、放送信号を受信するチューナと、映像信号を出力すると共に、動作制御用の各種コマンドを入出力するためのコネクタと、前記各種コマンドを前記コネクタ経由で送受信するコマンド制御手段であって、他の装置から録画開始コマンド受信すると、録画用アプリケーションを起動させて、前記チューナで受信する放送信号の映像を録画するコマンド制御手段と、前記コマンド制御手段からの指示に応じて録画される映像データを再生可能な再生手段と、前記再生手段で映像データを再生して得られる映像信号を前記コネクタから前記他の装置に出力させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の表示装置は、映像信号を受信すると共に、動作制御用の各種コマンドを入出力するためのコネクタと、リモートコントローラから録画コマンドを受信するリモコン信号受信手段と、前記各種コマンドを前記コネクタ経由で送受信するコマンド制御手段であって、前記録画コマンドの受信に伴い、録画チャネルに関する周波数情報を伴う録画開始コマンドを送信するコマンド制御手段と、前記コネクタを経由して受信した映像信号を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、装置間で録画指示を行う際に、録画が失敗することを抑制することのできる情報処理装置及び表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の情報処理装置及び表示装置の一例である実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に、本実施形態に係る情報処理装置及び表示装置の一利用形態を示す。この実施形態において、情報処理装置1は、可搬性のノートブック型パーソナルコンピュータ(PC)等として実現されている。また、表示装置2は、DTV(Digital TV)として実現されている。尚、情報処理装置や表示装置の利用形態はこれに限られるものではない。
【0012】
図1に示すように、ここでは、情報処理装置1を表示装置2とケーブル3で接続可能である場合を想定する。本実施形態では、情報処理装置1と表示装置2とを接続するケーブル3は、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ケーブルであるものとする。
【0013】
情報処理装置1には、種々のソフトウェア(アプリケーションプログラム)がインストールされており、例えば、受信した地上デジタルテレビ放送をHDD等の記録媒体に記録(録画)するソフトウェアや、内蔵するHDD(Hard Disk Drive)や、DVD(Digital Versatile Disk)等に記録された映像データを再生するソフトウェア等がインストールされている。これにより、チューナで受信した番組を録画したり、それを再生して情報処理装置1上や、表示装置2で楽しんだりすることができる。尚、本実施例においては、受信した放送を映像データとして録画する機能と、録画した映像データを再生する機能とは、同じ録画アプリケーションで実現するものとして説明を行うが、其々別アプリケーションで実装するようにしても良い。
【0014】
上述のHDMIケーブル3で接続される情報処理装置1と表示装置2とは、当該HDMIケーブル3を介して映像信号及び音声信号を伝送可能なだけではなく、HDMI−CECにより、制御信号も伝送可能であるものとする。リモートコントローラ2A(リモコン2A)を使った表示装置2での操作に応じて、表示装置2が各処理に応じた制御信号(制御コマンド)を情報処理装置1へ送信することにより、結果として、リモコン2Aを用いた情報処理装置1の制御が可能となる。本実施形態においては特に、リモコン2Aを用いた録画指示の際に、表示装置2と情報処理装置1とのチャネル設定の相違により、ユーザが意図しない番組が情報処理装置2で録画されてしまうことによる録画失敗を抑制できるようにする仕組みを提供する。
【0015】
ここで、HDMI−CECで伝送される映像信号はソース側の装置である情報処理装置1からシンク側の装置である表示装置2への一方向に伝送されるが、制御信号は、情報処理装置1及び表示装置2の間で双方向に通信可能である。
【0016】
図2は、情報処理装置1の構成を示す図である。図1に示すように、情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、ノースブリッジ12、主メモリ13、グラフィックスコントローラ14、VRAM14A、ディスプレイ15、サウスブリッジ16、BIOS−ROM17、HDD18、光ディスク駆動装置(ODD)19、サウンドコントローラ20、スピーカ21、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ(EC/KBC)22、キーボード23、タッチパッド24、TVチューナ25、HDMIコネクタ26、及びCECコントローラ27を備えている。
【0017】
CPU11は、情報処理装置1内の各部の動作を制御するプロセッサである。CPU11は、HDD18内から主メモリ13にロードされるオペレーティングシステム(OS)100や、HDMI−CECでの制御信号の通信や、HDMI−CECの制御信号に基づく各種制御を実行するためのHDMI−CECマネージャ101も、同様にCPU11を実行する。この他、各種ユーティリティやAVコンテンツデータを扱うアプリケーション(例えば、録画アプリケーション102)も、同様にCPU11により実行される。HDMI−CECマネージャ101及び録画アプリケーション102の構成及び機能の詳細については、図3及び図5を参照しながら後述する。
【0018】
また、CPU11は、BIOS−ROM17に格納された基本入出力システム(BIOS)も実行する。尚以下では、このBIOS−ROM17に格納された基本入出力システム自体をBIOS17と称することがある。
【0019】
ノースブリッジ12は、CPU11のローカルバスとサウスブリッジ16との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ12は、バスを介してグラフィックスコントローラ14との通信を実行する機能を有しており、また、主メモリ13をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵している。
【0020】
グラフィックスコントローラ14は、情報処理装置1側のディスプレイ15を制御する表示コントローラである。グラフィックスコントローラ14は、VRAM14Aに書き込まれた画像データからディスプレイ15に送出すべき映像信号を生成する。グラフィックスコントローラ14は、映像信号をHDMIコネクタ26から外部出力する機能も有している。
【0021】
サウスブリッジ16は、PCIバス及びLPCバス上の各種デバイスを制御するコントローラである。また、このサウスブリッジ16には、BIOS−ROM17、HDD18、ODD19及びサウンドコントローラ20が直接的に接続され、これらを制御する機能も有している。HDD18には、例えば録画アプリケーション102により録画されたテレビジョン放送番組データ(映像データ)やインターネット経由でダウンロードされたAVコンテンツ等が格納される。ODD19には、AVコンテンツデータを格納した例えばDVD等が収容される。
【0022】
サウンドコントローラ20は、スピーカ21を制御する音源コントローラである。サウンドコントローラ20は、音声信号をHDMIコネクタ26から外部出力する機能も有している。
【0023】
EC/KBC22は、電源管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード23及びタッチパッド24を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。EC/KBC22は、情報処理装置1が電源オフ中も動作し、例えば電源オン動作が行われていないか等を監視し、電源オンすべきイベントが発生したら、情報処理装置1を起動させるための制御を実行する。EC/KBC22は、CECコントローラ27に対する電力供給についても、情報処理装置1の電源オフ中も継続して行う。
【0024】
TVチューナ25は、図示しないアンテナに電気的に接続されて、地上デジタルテレビ放送の放送信号を受信するためのチューナである。録画アプリケーション102が録画を実行する際には、TVチューナ25は受信周波数を録画チャネルに係る周波数に合わせて放送信号を受信し、必要なデータ(映像データ、音声データ、データ放送用データ等)を出力する。
【0025】
HDMIコネクタ26は、HDMIケーブル3を着脱自在に接続するために設けられる端子である。そして、CECコントローラ27は、EC/KBC22の制御下で、HDMIコネクタ26を介して動作制御用の各種コマンド(制御信号)を送受信するためのデータ転送制御を実行する。ここで、CECコントローラ27で受信されるコマンドとしては、例えば、録画開始コマンドや、録画停止コマンド等が挙げられる。本実施形態においては、録画開始コマンドには、録画すべきチャネルの周波数に係る情報(以下、周波数情報とも称する)も含むものとする。ここで、周波数情報は、チャネルの中心周波数を直接指定するものであっても良いし、放送用チャネル番号を指定するものであっても良く、或いは、予め表示装置2と情報処理装置1との間で各周波数帯に割り当てたインデックスであっても良い。即ち、周波数情報は、情報処理装置1が、録画すべき周波数帯がわかるように構成されていれば、如何なる構成をとるようにしていても良い。
【0026】
図3は、このような構成の情報処理装置1において実現される、映像データの録画及び再生に関する機能ブロックを示す図である。尚、上述の通り、録画アプリケーション102は、録画機能のみならず再生機能も有するものとして説明しているが、これに限られるものではない。
【0027】
前述したように、HDMIケーブル3で接続される表示装置2側で録画を指示する操作(例えば、リモコン2Aに設けられた所定ボタンの押下)が行われると、録画を指示する録画開始コマンド(制御信号)が表示装置2から情報処理装置1へ送信される。この録画開始コマンドは、上述の通り、録画すべき録画チャネルの周波数情報を含むものである。同様に、表示装置2側で録画を停止する操作が行われた場合には、録画停止を指示する録画停止コマンド(制御信号)が表示装置2から情報処理装置1へ送信される。録画開始コマンドや録画停止コマンドは、HDMIコネクタ26を介して情報処理装置1内に導かれ、CECコントローラ27によって受信されて、当該コマンドの受信がKC/KBC22に通知される。
【0028】
この通知を受けると、EC/KBC22は、録画開始(周波数情報を含む)や録画停止のための所定のキーコードを発生させる。このキーコードは、BIOS17を介してOS100に渡され、更にこのOS100からHDMI−CECマネージャ101に渡される。
【0029】
HDMI−CECマネージャ101は、録画開始コマンド(に係るキーコード)を受け取ると、OS100を介して録画アプリケーション102が起動しているか否かを問合せ、起動していなければ録画アプリケーション102を起動させる。更に、録画アプリケーション102に録画開始を指示すると共に、併せて周波数情報をパラメータとして渡すことにより、録画アプリケーション102に、当該周波数情報として指定された録画チャネルの番組の録画を開始させる。
【0030】
また、HDMI−CECマネージャ101は、録画停止コマンド(に係るキーコード)を受け取ると、録画アプリケーション102にその旨を通知して、録画処理を終了させる。
【0031】
録画アプリケーション102は、HDMI−CECマネージャ101から録画を指示されると、パラメータとして受け取った周波数情報に係るチャネルの映像を録画してHDD18への録画を開始する。ここで、本実施例においては、録画するチャネルのみの周波数を周波数情報に基づいて変更し、残りのチャネルの設定は維持するものとする。これにより、例えば、チューナが複数ある場合等に、当該録画に使用する以外のチューナで設定された録画予約や視聴予約が失敗することを避けることができる。かかる設定方法は、特に、2以上の異なる周波数設定の放送を受信可能な地域で有効である。
【0032】
録画アプリケーション102は、録画中の、又は録画済みの映像データを映像信号へと再生(復号)する機能も有している。映像データを復号して得られる映像信号は、OS100が有するディスプレイドライバ100Aへと渡される。ディスプレイドライバ100Aは、設定に応じて、内蔵ディスプレイ15又はHDMIコネクタ26に当該映像信号を出力する。出力先がHDMIコネクタ26となっている場合には、該映像信号はケーブル3を介して表示装置2へと出力され、表示装置2には、録画中の、又は録画済の映像データの映像が表示されることとなる。
【0033】
このように、本実施形態の情報処理装置1では、録画開始コマンドと共に受け取る周波数情報に基づいて録画チャネルを決定し、当該録画チャネルを録画するので、たとえ、録画開始前の録画アプリケーション102のチャネル設定が表示装置2とは異なっている場合であっても、ユーザの意図しない周波数帯のチャネルが録画されることを抑制することができる。更に、それを再生して映像信号として出力可能であるので、意図するチャネルが録画されているか否かを、情報処理装置1を直接操作せずとも(表示装置2のリモコン2Aを操作して)確認可能であるので、簡易に録画が成功しているか否かを確認することができる。
【0034】
続いて、図4を参照しながら、表示装置2の構成について説明する。図4は、本実施形態に係る表示装置2の構成を示すブロック図である。
表示装置2は、チューナ201、映像処理部203、HDMIコネクタ205、セレクタ207、表示出力処理部209、表示部211、CPU213、メモリ215、CECコントローラ217、赤外線受光ユニット219、及び操作部221等を備えている。各部は、バス223によって相互に接続される。尚、図4では図示していないが、表示装置2はこの他、音声出力に関係する音声処理部、スピーカ等も備える。
【0035】
チューナ201は、図示しないアンテナを介して地上デジタルテレビ放送波(放送信号)を受信し、放送波を復調して、受信チャネルに係る番組の映像データを出力する。映像処理部203は、チューナ201から出力された映像データを映像信号へとデコード(復号)する。
【0036】
HDMIコネクタ205は、HDMIケーブル3を着脱自在に接続するために設けられる端子であり、情報処理装置1からの映像信号を受信すると共に、HDMI−CECに基づく制御信号(コマンド)を送受信可能である。セレクタ207は、チューナ201で受信した放送の映像信号、若しくはHDMIコネクタ205で受信された映像信号のいずれの映像信号を出力するかを選択するために設けられる。
【0037】
表示出力処理部209は、セレクタ207から出力された映像信号(チューナ201で受信した放送波に関する映像の映像信号、又はHDMIコネクタ205で受信した映像信号)を表示用の表示信号に変換して出力する。表示部211は、表示出力処理部209の出力をLCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面に表示する。
【0038】
CPU213は、表示装置2内の各部を制御する。メモリ215は、CPU213で処理されるメモリを一時的に記憶したり、ファームウェアを記憶したりするために使用される。
【0039】
CECコントローラ217は、HDMIコネクタ205を介して動作制御用の各種コマンド(制御信号)を送受信するためのデータ転送制御を実行する。ここでCECコントローラ217が送信するコマンドとしては、例えば、録画を指示する録画開始コマンドや、録画停止を指示する録画停止コマンド等が挙げられる。ここで、上述の通り、CECコントローラ217から出力する録画開始コマンドには、録画チャネルに関する周波数情報が含まれる。
【0040】
赤外線受光ユニット219は、リモコン2Aから赤外線信号を用いて送信される命令(コマンド)を受信する。操作部221は複数のスイッチ等からなる。CPU213は、赤外線受光ユニット219で受信した命令や、操作部221での操作内容に応じて、各種制御を行う。特に、CECコントローラ217から情報処理装置1への録画開始コマンドや録画停止コマンドの送信は、赤外線受光ユニット219で受信するリモコン2Aからの命令や、操作部221での操作に応じて、CPU213による制御の下で行われる。このとき、情報処理装置1へ録画を指示する周波数情報に係る録画チャネルは、ユーザが直接指定するようにしても良いし、現在、表示装置2で表示中のチャネルを指定するようにしても良い。
【0041】
このように、表示装置2は録画開始コマンド送出時に、録画させる周波数情報も合わせて送信するようにしているので、チャネル設定が情報処理装置1側と異なる場合であっても、ユーザが意図しないチャネルの番組が録画されることを抑制することができる。
【0042】
次に、図5を参照しながら、情報処理装置1及び表示装置2の処理の流れを説明する。図5は、情報処理装置1及び表示装置2の処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
リモコン2Aによって、情報処理装置1の録画を開始する録画操作が行われると、表示装置2の赤外線受光ユニット219は、録画コマンドを受信することとなる。録画コマンドを赤外線受光ユニット219で受信すると(ステップA502のYes)、CPU213の制御の下、CECコントローラ217は、HDMIコネクタ205を介して録画開始コマンドを送信する(ステップA502)。尚このとき、録画チャネルに係る周波数情報も、録画開始コマンドと共に送信する。
【0044】
情報処理装置1は、録画開始コマンドをCECコントローラ27で受信すると(ステップB501)、それをHDMI−CECマネージャ101へ伝える。この情報の中には、先述の録画チャネルに関する周波数情報も含まれる。
【0045】
HDMI−CECマネージャ101は、OS100に問い合わせて、録画アプリケーション102が起動済みであるか否かを確認する(ステップB502)。録画アプリケーション102が録画済みでなければ(ステップB502のNo)、HDMI−CECマネージャ101は、録画アプリケーション102を起動させる(ステップB503)。
【0046】
録画アプリケーション102の起動後(ステップB502のYes、又はステップB503)、HDMI−CECマネージャ101は、録画アプリケーション102に対して録画指示のコマンドを発行する。この際、録画チャネルに関する周波数情報も引数(パラメータ)等の形で録画アプリケーション102に通知する。録画アプリケーション102は、該HDMI−CECマネージャ101からのコマンドに従い、録画チャネルの周波数設定を変更し(ステップB504)、変更した周波数帯のチャネルの映像データをTVチューナ25から受信してHDD18へ記録する録画処理を開始する(ステップS505)。この録画している映像データは、録画しながら、又は、録画完了後に、録画アプリケーション102で再生可能であり、再生して得られる映像信号はケーブル3から表示装置2へ出力して、該映像を表示装置2で表示可能である。
【0047】
録画開始後、リモコン2Aによって録画停止操作が行われると、表示装置2の赤外線受光ユニット219は録画停止コマンドをリモコン2Aから受信することとなる。録画停止に係るコマンドを赤外線受光ユニット219で受信すると(ステップA503)、CPU213の制御の下、CECコントローラ217は、HDMIコネクタ205を介して録画停止コマンドを送信する(ステップA504)。
【0048】
情報処理装置1は、録画停止コマンドをCECコントローラ27で受信すると(ステップB506)、それをHDMI−CECマネージャ101へ伝える。HDMI−CECマネージャ101は、当該録画停止コマンドに応じて、録画アプリケーション102に対して録画を停止させるためのコマンドを発行する。録画アプリケーション102は、当該コマンドを受けて、録画処理を停止すると共に(ステップB507)、チャネル設定を録画開始前(ステップB506前)に戻す(ステップB508)。
【0049】
以上説明したように、本実施例によれば、HDMI−CECによる表示装置2からの録画指示時に、HDMI−CECマネージャ101が録画アプリケーション102を起動させるようにしているので、たとえ録画アプリケーション102が起動していなくとも、確実に録画をすることができる。
【0050】
また、表示装置2から情報処理装置1への、HEMI−CECを介した録画指示時に、録画チャネルに係る周波数情報も合わせて通知するようにしているので、表示装置2と情報処理装置1とのチャネル設定が相違する場合であっても、ユーザが意図しないチャネルが録画されることを抑制することができる。
【0051】
さらに、録画終了(停止)後、チャネル設定を戻すようにしているので、ユーザが意図しないチャネル設定の変更に伴う、ユーザがチャネル設定を戻す操作を行わずに済む。
【0052】
この他、録画チャネルに関する部分のみ、周波数情報を用いて設定を変更するようにしているので、例えば複数チューナを持っている場合等に、他の録画設定等に影響を与えずに済む。
【0053】
尚、本実施形態においては、録画チャネルに係る設定のみを変更するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば全チャネルに関するチャネル設定を変更するようにしても良い。この場合、周波数情報は、録画チャネルを含む全てのチャネルの周波数に関する情報となる。このようにすると、例えば、1つの放送しか受信できない地域等で使用する場合に、ユーザがいちいちチャネル設定をせずに全チャネルを設定することができるので、利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置及び表示装置のシステム構成例を示す図。
【図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置の構成を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図。
【図4】本発明の実施形態に係る表示装置の構成を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係る情報処理装置及び表示装置の処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0055】
1・・・情報処理装置
2・・・表示装置
2A・・・リモートコントローラ
11・・・CPU
12・・・ノースブリッジ
13・・・主メモリ
14・・・グラフィックスコントローラ
14A・・・VRAM
15・・・ディスプレイ
16・・・サウスブリッジ
17・・・BIOS−ROM
18・・・HDD
19・・・ODD
20・・・サウンドコントローラ
21・・・スピーカ
22・・・エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ
23・・・キーボード
24・・・タッチパッド
25・・・TVチューナ
26・・・HDMIコネクタ
27・・・CECコントローラ
100・・・OS
100A・・・ディスプレイドライバ
101・・・HDMI−CECマネージャ
102・・・録画アプリケーション
201・・・チューナ
203・・・映像処理部
205・・・HDMIコネクタ
207・・・セレクタ
209・・・表示出力処理部
211・・・表示部
213・・・CPU
215・・・メモリ
217・・・CECコントローラ
219・・・赤外線受光ユニット
221・・・操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を受信するチューナと、
映像信号を出力すると共に、動作制御用の各種コマンドを入出力するためのコネクタと、
前記各種コマンドを前記コネクタ経由で送受信するコマンド制御手段であって、他の装置から録画開始コマンド受信すると、録画用アプリケーションを起動させて、前記チューナで受信する放送信号の映像を録画するコマンド制御手段と、
前記コマンド制御手段からの指示に応じて録画される映像データを再生可能な再生手段と、
前記再生手段で映像データを再生して得られる映像信号を前記コネクタから前記他の装置に出力させる表示制御手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記コマンド制御手段は、録画チャネルに関する周波数情報を伴う録画開始コマンドの受信に伴い、該周波数情報を前記録画用アプリケーションに出力して前記録画チャネルの放送信号の映像を録画させること
を特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記コマンド制御手段は、録画停止コマンドを受信すると、前記録画用アプリケーションの録画動作を停止すると共に、前記録画用アプリケーションのチャネル設定を、録画開始前の設定に戻すこと
を特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記録画用アプリケーションは、前記コマンド制御手段で受信した前記周波数情報を伴う録画開始コマンドに応じて、前記周波数情報に基づく録画チャネルの放送信号の映像を録画すると共に、該録画以外のチャネル設定は維持すること
を特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記録画用アプリケーションは、前記コマンド制御手段で受信した前記周波数情報に基づき、全チャネルの設定を変更すること
を特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
映像信号を受信すると共に、動作制御用の各種コマンドを入出力するためのコネクタと、
リモートコントローラから録画コマンドを受信するリモコン信号受信手段と、
前記各種コマンドを前記コネクタ経由で送受信するコマンド制御手段であって、前記録画コマンドの受信に伴い、録画チャネルに関する周波数情報を伴う録画開始コマンドを送信するコマンド制御手段と、
前記コネクタを経由して受信した映像信号を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
前記コマンド制御手段は、全チャネルに関する周波数情報を伴う録画開始コマンドを送信すること
を特徴とする請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
前記リモコン信号受信手段は、前記リモートコントローラから録画停止を指示するコマンドを受信し、
前記コマンド制御手段は、前記録画停止を指示するコマンドの受信に伴い、録画停止コマンドを送信すること
を特徴とする請求項6記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−130642(P2010−130642A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306571(P2008−306571)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】