説明

情報処理装置,情報処理方法,プログラム,および記録媒体

【課題】 クライアントが、プリントサーバに対して接続されている印刷装置(プリンタ等)でサポートされていない機能を指定して印刷を要求しても、その機能を利用した印刷を他の印刷装置で実行可能にする。
【解決手段】 ホスト(プリントサーバ)10は、他のホスト(クライアント)20から利用しようとしている機能毎のサポート/非サポートの問い合わせを受けた場合に、接続先のプリンタ(1,2,・・・のいずれか)で非サポートの機能があるかないかをチェックし、あれば接続先のプリンタの切り替えが可能であるか否かをチェックし、可能であれば他に接続可能なプリンタの有無をチェックし、そのプリンタがあればその中に上記利用しようとしている機能を全てサポートしているプリンタの有無をチェックし、そのプリンタがあればその情報を上記問い合わせ元の他のホスト(クライアント)へ通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、PC(パーソナルコンピュータ)やサーバ等の情報処理装置、その情報処理装置における情報処理方法、上記情報処理装置を制御するコンピュータに必要な機能(この発明に係わる機能)を実現させるためのプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
プリントサーバからクライアントコンピュータ(以下単に「クライアント」ともいう)に自動的に必要なすべてのファイルや構成情報をダウンロードすることで、ユーザがインストールメディアを用意せずとも、リモートプリンタ(「ネットワークプリンタ」又は「共有プリンタ」ともいう)への接続を実行することができるポイントアンドプリントという技術が既に知られている。
この技術は、クライアントに自動的に必要なファイルや構成情報をダウンロードするので、システム管理者にとって、プリントサーバのドライバをメンテナンスするだけで、大量のクライアントのメンテナンスから解放されるというメリットがある。
【0003】
例えば、プリントサーバのドライバのバージョンを上げるには、大量のクライアントを抱えたシステム環境であっても、システム管理者がプリントサーバのドライバのバージョンさえ更新すれば、その他のクライアントは自動的にバージョンアップがされる。
なお、便宜上、プリントサーバと呼んでいるが、役割的にサーバとクライアントを区別するためであり、特別なサーバ設備が必要なわけではない。
また、ポイントアンドプリントでユニバーサルドライバを利用することが可能である。
【0004】
ユニバーサルドライバとは、対象とするどのプリンタに接続しても、そのデバイスに依存する機能を利用することができるドライバである。一般的に、ユニバーサルドライバの仕組みは、予め対象とする全てのプリンタが持つ全ての機能をドライバで持っていて、接続したデバイスを自動的に認識し、そのデバイスで利用可能な機能のみをUI(ユーザインタフェース)による表示部上に表示する仕組みであることが既に知られている。
【0005】
この仕組みによれば、接続したプリンタと通信し、ドライバのUIをデバイスに依存したものに更新するので、もしプリンタが新しいものに置き換わったとしても、新しいドライバをインストールする必要がない。そのため、システム管理者にとっては、新しいドライバの評価やインストール作業から解放されるというメリットがある。一般ユーザにとっては、特にモバイル環境で利用する場合、プリンタの機種を調べて、メーカのWebサイトから適切なドライバをダウンロードしてインストールすることを繰り返す必要がなくなるといったメリットがある。
【0006】
しかし、今までのポイントアンドプリントでユニバーサルドライバの利用を考えたとき、クライアントがプリントサーバから情報を取得するタイミングは、クライアント側でドライバUIを開いた瞬間なので、クライアントでドライバUIを開いた状態でプリントサーバのプリンタの接続先を変更すると、クライアントがドライバUIを開き直さない限り、クライアントに情報は反映さない。そのため、クライアントのドライバUIにデバイスに依存した正しい情報が反映されず、実際に接続されているプリンタに対して、サポートされていない機能を指定して印刷の実行開始を指示してしまうと、そのプリンタが実際に印刷の処理を行うときに、サポートしていない機能を無視してしまうという問題があった。
【0007】
そこで、特許文献1に開示されている技術を利用することが考えられる。
特許文献1には、プリンタドライバを変更する際に、n個の個々のコンピュータ・クライアントのそれぞれに管理者が行って作業する必要がないようにする目的で、プリントサーバとクライアントとは別に、管理用コンピュータを用意し、管理用コンピュータからn個のクライアントに対して、ポイントアンドプリントで一括インストールするための構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のものでも、上述したポイントアンドプリントでユニバーサルドライバの利用を考えたときと同様に、実際に接続されているプリンタに対して、サポートされていない機能を指定して印刷を要求してしまうと、そのプリンタが実際に印刷を行うときに、サポートしていない機能を無視してしまうという欠点は解消できていない。
【0009】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、情報処理装置(クライアント)が、他の情報処理装置(プリントサーバ)に対して、他の情報処理装置(プリントサーバ)に接続されている印刷装置(画像形成装置)でサポートされていない機能を指定して印刷を要求しても、その機能を利用した印刷を他の印刷装置で実行可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、上記の目的を達成するため、以下に示す情報処理装置、その情報処理装置における情報処理方法、上記情報処理装置を制御するコンピュータに実行させるプログラム,およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0011】
この発明による情報処理装置は、複数の各印刷装置のいずれかと印刷可能に接続し、該印刷可能に接続した印刷装置へ他の情報処理装置からの印刷データを送信して印刷を行わせる情報処理装置であって、上記他の情報処理装置から利用しようとしている機能毎のサポート/非サポートの問い合わせを受けた場合に、接続先の印刷装置で非サポートの機能があるかないかをチェックする第1のチェック手段と、該第1のチェック手段によるチェックの結果、接続先の印刷装置で非サポートの機能がある場合には、接続先の印刷装置の切り替えが可能であるか否かをチェックする第2のチェック手段と、該第2のチェック手段によるチェックの結果、接続先の印刷装置の切り替えが可能である場合には、他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする第3のチェック手段と、該第3のチェック手段によるチェックの結果、他に接続可能な印刷装置がある場合には、該印刷装置の中に上記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置があるかないかをチェックする第4のチェック手段と、該第4のチェック手段によるチェックの結果、上記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がある場合には、その印刷装置の情報を上記問い合わせ元の他の情報処理装置へ通知する第1の通知手段と、上記第1〜第4のチェック手段のいずれかによるチェックの結果、接続先の印刷装置で非サポートの機能がない場合、接続先の印刷装置の切り替えが可能でない場合、他に接続可能な印刷装置がない場合、あるいは上記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がない場合には、その旨を示す情報を上記問い合わせ元の他の情報処理装置へ通知する第2の通知手段とを設けたものである。
【0012】
なお、上記各印刷装置と双方向通信を行い、該各印刷装置の機能毎のサポート/非サポートの情報を取得するサポート/非サポート情報取得手段と、該サポート/非サポート情報取得手段によって取得した上記接続可能な各印刷装置の機能毎のサポート/非サポートの情報を保持するサポート/非サポート情報保持手段と、上記他の情報処理装置の上記各印刷装置への切り替え可否の情報を保持する切替可否情報保持手段と、上記他の情報処理装置の上記各印刷装置の利用可否の情報を保持する利用可否情報保持手段とを設け、上記第1のチェック手段を、上記サポート/非サポート情報保持手段内の情報に基づいて接続先の印刷装置で非サポートの機能があるかないかをチェックする手段とし、上記第2のチェック手段を、上記切替可否情報保持手段内の情報に基づいて接続先の印刷装置の切り替えが可能であるか否かをチェックする手段とし、上記第3のチェック手段を、上記利用可否情報保持手段に基づいて他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする手段とし、上記第4のチェック手段を、上記サポート/非サポート情報保持手段内の情報に基づいて上記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置があるかないかをチェックする手段とすることが望ましい。
【0013】
この場合に、上記切替可否情報保持手段を、上記他の情報処理装置を利用するユーザ毎の上記各印刷装置への切り替え可否の情報を保持する手段とし、上記利用可否情報保持手段を、上記他の情報処理装置を利用するユーザ毎の上記各印刷装置の利用可否の情報を保持する手段とし、上記第2のチェック手段を、上記他の情報処理装置から利用しようとしている機能毎のサポート/非サポートの問い合わせをユーザ情報と共に受けている場合に、上記切替可否情報保持手段内の情報に基づいて上記ユーザ情報に対応する接続先の印刷装置の切り替えが可能であるか否かをチェックする手段とし、上記第3のチェック手段は、上記利用可否情報保持手段に基づいて上記ユーザ情報に対応する他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする手段とし、上記切替可否情報保持手段内の情報を外部からの操作信号によって編集する切替可否情報編集手段と、上記利用可否情報保持手段内の情報を外部からの操作信号によって編集する利用可否情報編集手段とを設けるとよい。
【0014】
あるいは、上記利用可否情報保持手段を、上記他の情報処理装置を利用する時間帯毎の上記各印刷装置の利用可否の情報を保持する手段とし、上記第3のチェック手段を、上記利用可否情報保持手段に基づいて現在の時刻に利用可能な他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする手段とし、上記利用可否情報保持手段内の情報を外部からの操作信号によって編集する利用可否情報編集手段を設けてもよい。
【0015】
あるいはまた、上記利用可否情報保持手段を、上記他の情報処理装置を利用するグループ毎の上記各印刷装置の利用可否の情報を保持する手段とし、上記第3のチェック手段を、上記他の情報処理装置から利用しようとしている機能毎のサポート/非サポートの問い合わせをグループ情報と共に受けている場合に、上記利用可否情報保持手段に基づいて上記利用グループ情報に対応する他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする手段とし、上記利用可否情報保持手段内の情報を外部からの操作信号によって編集する利用可否情報編集手段を設けてもよい。
【0016】
また、上記第4のチェック手段によるチェックの結果、上記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がない場合には、サポート/非サポートが問い合わせられた機能を1つでもサポートしている印刷装置の情報のリストを作成する印刷装置情報リスト作成手段を設け、上記第2の通知手段が、上記第4のチェック手段によるチェックの結果、上記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がない場合には、その旨を示す情報を上記印刷装置情報リスト作成手段によって作成されたリストと共に上記問い合わせ元の他の情報処理装置へ通知するとよい。
この場合に、上記印刷装置情報リスト作成手段が、サポート/未サポートが問い合わせられた機能が複数ある場合に、それらの機能を多くサポートしている順に印刷装置の情報のリストを作成することが望ましい。
【0017】
この発明による情報処理方法は、複数の各印刷装置のいずれかと印刷可能に接続し、該印刷可能に接続した印刷装置へ他の情報処理装置からの印刷データを送信して印刷を行わせる情報処理装置における情報処理方法であって、上記他の情報処理装置から利用しようとしている機能毎のサポート/非サポートの問い合わせを受けた場合に、接続先の印刷装置で非サポートの機能があるかないかをチェックする第1のチェック工程と、該第1のチェック工程によるチェックの結果、接続先の印刷装置で非サポートの機能がある場合には、接続先の印刷装置の切り替えが可能であるか否かをチェックする第2のチェック工程と、該第2のチェック工程によるチェックの結果、接続先の印刷装置の切り替えが可能である場合には、他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする第3のチェック工程と、該第3のチェック工程によるチェックの結果、他に接続可能な印刷装置がある場合には、該印刷装置の中に上記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置があるかないかをチェックする第4のチェック工程と、該第4のチェック工程によるチェックの結果、上記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がある場合には、その印刷装置の情報を上記問い合わせ元の他の情報処理装置へ通知する第1の通知工程と、上記第1〜第4のチェック工程のいずれかによるチェックの結果、接続先の印刷装置で非サポートの機能がない場合、接続先の印刷装置の切り替えが可能でない場合、他に接続可能な印刷装置がない場合、あるいは上記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がない場合には、その旨を示す情報を上記問い合わせ元の他の情報処理装置へ通知する第2の通知工程とを有するものである。
【0018】
この発明によるプログラムは、情報処理装置を制御するコンピュータに、上述した情報処理装置を構成する各手段としての機能を実現させるためのプログラムである。
この発明による記録媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0019】
この発明による情報処理装置(プリントサーバ)は、他の情報処理装置(クライアント)から利用しようとしている機能毎のサポート/非サポートの問い合わせを受けた場合に、接続先の印刷装置で非サポートの機能があるかないかをチェックし、非サポートの機能がある場合には、接続先の印刷装置の切り替えが可能であるか否かをチェックし、切り替えが可能である場合には、他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックし、その印刷装置がある場合には、その印刷装置の中に上記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置があるかないかをチェックし、その印刷装置がある場合には、その印刷装置の情報を上記問い合わせ元の他の情報処理装置(クライアント)へ通知することにより、他の情報処理装置(クライアント)では、その通知情報が示す印刷装置(利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置)への接続の切り替えをプリントサーバに対して指定することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、情報処理装置(クライアント)が、他の情報処理装置(プリントサーバ)に対して、他の情報処理装置(プリントサーバ)に接続されている印刷装置でサポートされていない機能を指定して印刷を要求しても、その機能を利用した印刷を他の印刷装置で実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明による情報処理装置を含むプリンタシステムの構成例を示す図である。
【図2】図1のホストコンピュータ10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】同じくホストコンピュータ10のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】図3のプリンタドライバ102の主要構成例を示すブロック図である。
【図5】図1のホスト10(プリントサーバ)における図4のサポート機能表201,切替許可表202,接続先表203の構成と各ホスト10,20,30,・・・の動作を説明するための図である。
【0022】
【図6】図1のホスト(プリントサーバ)10,ホスト(クライアント)20による情報処理の一例を示すフロー図である。
【図7】図1のホスト10,20におけるポイントアンドプリントを用いたドライバのインストール例を示す図である。
【図8】ポイントアンドプリントを用いて図1のホスト(クライアント)20からの印刷要求による処理の流れを示す図である。
【図9】図1のホスト(プリントサーバ)10のユニバーサルドライバが情報を更新する様子を示す図である。
【図10】図1のホスト(クライアント)20のユニバーサルドライバが情報を更新する様子を示す図である。
【0023】
【図11】図1のホスト(クライアント)20がドライバUIを更新するタイミングを説明するための図である。
【図12】図1のホスト(プリントサーバ)10とホスト(クライアント)20でドライバUIの差ができてしまう様子を示す図である。
【図13】図1のホスト(プリントサーバ)10とホスト(クライアント)20でドライバUIの差ができたときの問題点を説明するための図である。
【図14】図1のホスト(プリントサーバ)10とホスト(クライアント)20との間でドライバUIの相違が発生した場合の問題点の具体例を説明するための図である。
【図15】図1のホスト(プリントサーバ)10とホスト(クライアント)20との間でドライバUIの相違が発生した場合の他の問題点の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔プリンタシステムの構成〕
まず、この発明による情報処理装置を含むプリンタシステムの構成について、図1を参照して説明する。
図1は、そのプリンタシステムの構成例を示す図である。
【0025】
このプリンタシステムは、複数のホストコンピュータ(以下単に「ホスト」ともいう)10,20,・・・と、複数のプリンタ(デバイス)1,2,・・・とを備え、それらをLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等のネットワーク5を介して通信可能に接続できる。
各ホスト10,20,・・・は、PC(パーソナルコンピュータ)等のクライアント又はプリントサーバとしての機能を有する情報処理装置である。よって、プリントサーバシステムの形態の場合、クライアントがプリントサーバのWebクライアント(WebサーバやWebブラウザ等)であってもよい。なお、各ホスト10,20,・・・の一部又は全部が、クライアントとしての機能とプリントサーバとしての機能の両機能を備えても構わない。
【0026】
各プリンタ1,2,・・・はいずれも、ホスト10,20,・・・のいずれかからの印刷ジョブの印刷データを可視画像として用紙(他の印刷媒体でもよい)上に印刷する印刷装置であり、レーザプリンタ,LEDプリンタ,インクジェットプリンタ等のプリント機能のみを有するものである。なお、プリンタ1,2,・・・の全部または一部を、プリント機能の他にコピー機能等の他の機能も有するデジタル複写機,デジタル複合機,ファクシミリ装置等の印刷装置(画像形成装置)に代えてもよい。
【0027】
このプリンタシステムにおいて、各ホスト10,20,・・・はそれぞれ、プリンタ1,2,・・・とLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等のネットワーク5を介して通信可能に接続できる。この各ホスト10,20,・・・は、それぞれアプリケーションからプリンタドライバを通して接続されているプリンタ1,2,・・・のうちのいずれかを印刷ジョブ(印刷データ)の出力先として選択し、その出力先へ印刷ジョブを送って印刷を行わせることができる。あるいは、クライアントとして機能を有するホストが、プリントサーバとしての機能を有するホストを介して出力先のプリンタへ印刷ジョブを送って印刷を行わせることもできる。
【0028】
〔ホストコンピュータのハードウェア構成〕
次に、図1のホストコンピュータ10のハードウェア構成について、図2を参照して説明する。なお、他のホストコンピュータ20,・・・のハードウェア構成も、ホストコンピュータ10と同様なので、図示および説明を省略する。
【0029】
図2は、図1のホストコンピュータ10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
このホストコンピュータ10は、I/Oポート11,CPU12,ROM13,RAM14,表示部15,HDD(ハードディスク装置)16,入力部17,および記憶媒体ドライブ18を備えている。
【0030】
I/Oポート11は、通信手段であり、外部装置であるプリンタ1,2,・・・とそれぞれネットワーク5経由で通信するためのネットワーク・インタフェースである。なお、図2に示すように、ホストコンピュータ10がプリンタ1と直接通信するような場合、I/Oポート11はUSB規格,IEEE1394規格のインタフェース(直接インタフェース)となる。
CPU12は、このホストコンピュータ10全体を管理および制御する中央処理装置である。
【0031】
ROM13は、CPU12が実行する固定の制御プログラムを格納している読み出し専用の記憶手段(メモリ)である。
RAM14は、CPU12が実行するプログラムを展開し、各種処理を行う際の作業領域として使用する読み書き可能な記憶手段である。
表示部15は、各種のデータや各種設定を行うための操作画面等を表示するCRTディスプレイ,LCDディスプレイ等の表示手段である。
【0032】
HDD16は、制御プログラムや各種設定内容を含む各種データを記憶する大容量記憶手段である。このHDD16が、サポート/非サポート情報保持手段,切替可否情報保持手段,利用可否情報保持手段としての機能を果す。
入力部17は、各種の操作情報の入力を受け付けるための入力手段(外部操作手段)であり、キーボードやマウス等のポインティングデバイスも使用することができる。
記憶媒体ドライブ18は、記憶媒体19に対する記録又は再生を行う記録再生手段である。
【0033】
記憶媒体19は、ホストコンピュータ10に対して脱着可能なMO,CD−R,CD−RW,DVD+R,DVD+RWディスク,DVD−R,DVD−RW,DVD−RAM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、印刷制御を実行する制御プログラム(制御ソフトウェア)が記録される。
なお、HDD16又は記憶媒体19以外の記憶手段、例えば図示しないフラッシュROMやEEPROM等の不揮発性メモリを備え、そこに各種設定内容を含む各種データを記憶することもできる。
【0034】
このように構成されたホストコンピュータ10において、CPU12は、操作者(ユーザ)による入力部17の操作により、記憶媒体ドライブ18を介して記憶媒体19から制御プログラムを読み出し、HDD16にインストールすることができる。
そして、電源投入時には、ROM13内のブートローダ(ブートプログラム)に従い、HDD16内のOS(オペレーションシステム),アプリケーション(アプリケーションソフトウェア),およびユーザインタフェースを含む各種プログラムを読み出し、RAM14にインストールした後、その各種プログラムに従って動作し(各種プログラムを必要に応じて選択的に実行し)、表示部15を含む装置を制御することにより、この発明に関わる第1〜第4のチェック手段,第1,第2の通知手段,サポート/非サポート情報取得手段,切替可否情報編集手段,利用可否情報編集手段,および印刷装置情報リスト作成手段としての機能を実現することができる。
【0035】
〔ホストコンピュータのソフトウェア構成〕
次に、図1のホストコンピュータ10のソフトウェア構成について、図3を参照して説明する。なお、他のホストコンピュータ20,・・・のソフトウェア構成も、ホストコンピュータ10と同様なので、図示および説明を省略する。また、制御プログラム(制御ソフトウェア)による処理や制御は、実際にはCPU12が制御プログラムに従って動作することによって実行するが、説明の都合上、制御プログラムが処理を実行するものとする。以後も、制御プログラムが何らかの処理や制御を行うものとして説明を行う場合には、同様とする。
【0036】
図3は、図1のホストコンピュータ10のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
ホストコンピュータ10では、図2によって説明したハードウェアがOS(オペレーティングシステム)101によって制御される。
プリンタドライバ102やグラフィックエンジン103やアプリケーション104は、OS101を介して動作する。
【0037】
アプリケーション104で印刷制御を実行するとき、そのアプリケーション104とプリンタドライバ102とグラフィックエンジン103の3者間でデータがやり取りされ、印刷データが生成される。
生成された印刷データは、OS101からハードウェアを介してネットワーク5へと送信される。
【0038】
〔ホストコンピュータの情報処理と問題点〕
ここで、図1のホスト10,20におけるこの発明に関わる構成の説明に入る前に、理解の便宜のため、図7〜図15を参照して従来の印刷に関する情報処理およびその処理による従来の問題点について説明しておく。なお、ホスト10がプリントサーバとしての機能を、ホスト20がクライアントとして機能をそれぞれ備えているものとする。また、プリンタ1が印刷ジョブ(印刷データ)の出力先、つまり印刷を行うプリンタとして選択されているものとする。
【0039】
図7は、図1のホスト10,20におけるポイントアンドプリントを用いたドライバのインストール例を示す図である。
(1)プリントサーバとしての機能を有するホスト10に、ドライバ(ソフトウェア)をインストールする。
(2)ホスト(プリントサーバ)10にインストールしたドライバを共有に設定する。
(3)その共有ドライバをポイントアンドプリントで別のホスト(クライアント)20にインストールする。このとき、ホスト(プリントサーバ)10からホスト(クライアント)20に必要なファイルや構成情報がコピーされる。
【0040】
図8は、ポイントアンドプリントを用いて図1のホスト(クライアント)20からの印刷要求による処理の流れを示す図である。
(1)ホスト(クライアント)20から印刷要求が発生し、印刷データが送信される。
(2)ホスト(クライアント)20からの印刷データはホスト(プリントサーバ)10へ送られる。
(3)その印刷データはホスト(プリントサーバ)10からプリンタ1へ送られる。
(4)プリンタ1は、受信した印刷データに基づいて印刷を実行する。
【0041】
図9は、図1のホスト(プリントサーバ)10のユニバーサルドライバが情報を更新する様子を示す図である。
(1)ホスト(プリントサーバ)10のユニバーサルドライバは、プリンタ1に通信可能に接続する。
(2)その状態で、ポートを変更したり、能動的にプリンタ1の情報更新を実施したりすると(デバイス情報更新)、プリンタ1の情報を取得する。そして、その取得した情報に基づき、ドライバUIをプリンタ1に必要な機能のみ表示するように変更する(UI更新)。
【0042】
図10は、図1のホスト(クライアント)20のユニバーサルドライバが情報を更新する様子を示す図である。
(3)ホスト(クライアント)20では、ユニバーサルドライバを開くとき、ホスト(プリントサーバ)10と通信して、デバイス情報が更新されていれば(図9参照)、そのデバイス情報が自己のデバイス情報に反映され(自己のデバイス情報を更新し)、ドライバUIを更新する。
【0043】
図11は、図1のホスト(クライアント)20がドライバUIを更新するタイミングを説明するための図である。
ホスト(クライアント)20がホスト(プリントサーバ)10から情報を取得するタイミングは、ホスト(クライアント)20のドライバUIを開いた(実際にはドライバUIによって操作画面を表示させた)瞬間なので、図12,図13で示すような問題が発生する。
【0044】
図12は、図1のホスト(プリントサーバ)10とホスト(クライアント)20でドライバUIの差ができてしまう様子を示す図である。
(1)ホスト(クライアント)20側でドライバのUIを開いた状態のときに、
(2)ホスト(プリントサーバ)10側でデバイス情報を更新すると、図13のような問題が発生する。
【0045】
図13は、図1のホスト(プリントサーバ)10とホスト(クライアント)20でドライバUIの差ができたときの問題点を説明するための図である。
(3)ホスト(クライアント)20がUIを開き直さない限り、ホスト(クライアント)20に情報は反映されないため、ホスト(プリントサーバ)10とホスト(クライアント)20との間で、ドライバUIによって表示する機能に相違が発生してしまう。
【0046】
図14は、図1のホスト(プリントサーバ)10とホスト(クライアント)20との間でドライバUIの相違が発生した場合の問題点の具体例を説明するための図である。
もともと、ホスト(プリントサーバ)10がパンチ・ステープル機能をサポートしているプリンタ(例えば「プリンタ2」とする)に通信可能に接続していて、ホスト(クライアント)20のドライバUI(実際には対応する操作画面)でパンチ・ステープルを設定できるような状態であるとする。
【0047】
この状態で、ホスト(クライアント)20のドライバUIを開いたままホスト(プリントサーバ)10がパンチ・ステープル機能をサポートしていないプリンタ(例えば「プリンタ1」とする)に接続を切り替え、ホスト(プリントサーバ)10のドライバUIを更新すると、そのドライバUIによって表示される操作画面ではパンチ・ステープル機能は非表示であるが、ホスト(クライアント)20のドライバUIによって表示される操作画面ではパンチ・ステープル機能が表示されるという状態になる。
【0048】
図15は、図1のホスト(プリントサーバ)10とホスト(クライアント)20との間でドライバUIの相違が発生した場合の他の問題点の具体例を説明するための図である。
図14の状態から、
(1)ホスト(クライアント)20でパンチ・ステープルを指定(設定)して印刷を要求すると、印刷データはパンチ・ステープルのコマンドが付加され、プリンタ1へ送信されるが、
(2)プリンタ1はパンチ・ステープルの機能をサポートしていないため、パンチ・ステープルの指定は無視されてしまうという問題が発生する。
【0049】
以下、そのような問題を解決するための構成および動作について、図4〜図6を参照して説明する。
〔プリンタドライバの主要構成〕
次に、図3のプリンタドライバ102の主要構成について、図4を参照して説明する。
図4は、図3のプリンタドライバ102の主要構成例を示すブロック図である。
【0050】
このプリンタドライバ102は、後述するサポート機能表201,切替許可表202,接続先表203を保持している。
なお、このような構成のプリンタドライバ102は、この実施形態ではプリントサーバとしての機能を有するホストに備えているものとする。そのホストは、ここではホスト10とする。
【0051】
〔サポート機能表,切替許可表,接続先表の構成と動作〕
次に、図1のホスト(プリントサーバ)10における図4のサポート機能表201,切替許可表202,接続先表203の構成と各ホスト10,20,30(図示省略),・・・の動作について、図5を参照して説明する。なお、ホスト20,30,・・・がクライアントとしての機能をそれぞれ備えているものとする。
【0052】
図5は、図1のホスト10(プリントサーバ)における図4のサポート機能表201,切替許可表202,接続先表203の構成と各ホスト10,20,30,・・・の動作を説明するための図である。
プリントサーバとしての機能を有するホスト10には、ユニバーサルドライバがインストールされている。
ホスト(プリントサーバ)10のユニバーサルドライバは、共有に設定されている。
クライアントとしての機能を有するホスト20には、ホスト(プリントサーバ)10で共有しているユニバーサルドライバがポイントアンドプリントでインストールされている。
【0053】
ホスト(プリントサーバ)10は、自己のプリンタドライバ102に図4のサポート機能表201,切替許可表202,接続先表203を保持する。
サポート機能表201は、接続先表203に記載されている接続可能な全てのプリンタ1,2,・・・について、機能毎のサポート/非サポートの情報を保持する。図5では、プリンタ1はパンチ・ステープル機能が非サポートであるが、プリンタ2はパンチ・ステープル機能をサポートしている。機能毎のサポート/非サポート(サポートの有無)の情報は、ホスト(プリントサーバ)10がそれぞれのプリンタ1,2,・・・と双方向通信を行い、自動的に取得する。
【0054】
切替許可表202は、現在の接続先(プリンタ1,2,・・・のいずれか)毎に、ホスト(クライアント)20,30,・・・毎の接続先の切り替え可否の情報を保持する。図5では、ホスト(プリントサーバ)10がプリンタ1に接続している場合、ホスト(クライアント)20もホスト(クライアント)30も接続先を切り替えることができるが、ホスト(プリントサーバ)10がプリンタ2に接続している場合、ホスト(クライアント)20は接続先を切り替えることができるが、ホスト(クライアント)30は接続先を切り替えることができない。なお、切り替え可否の情報はシステム管理者のような特定の人によってメンテナンスされる(例えば入力部の特定操作による操作信号によってのみ編集可能にする)ことが好ましい。また、切り替え可否の情報は、ホスト(クライアント)20,30,・・・毎ではなく、それらのホストを利用するユーザ(実際にはユーザを識別するユーザID等のユーザ情報)毎に保持するようにしても構わない。
【0055】
接続先表203は、ホスト(クライアント)20,30,・・・毎のプリンタ利用可否の情報を保持する。図5では、ホスト(クライアント)20はプリンタ1とプリンタ2を利用可能であるが、ホスト(クライアント)30は、プリンタ1は利用不可、プリンタ2は利用可能である。なお、プリンタ利用可否の情報もシステム管理者のような特定の人によってメンテナンスされるのが好ましい。また、プリンタ利用可否の情報は、ホスト(クライアント)20,30,・・・毎ではなく、それらのホストを利用するユーザ毎やグループ(実際には事業所等のグループを識別するグループ情報)毎、時間帯毎、あるいはそれらの任意の組み合わせ毎に、保持するようにしても構わない。上記のグループは、やはり特定の人によってメンテナンスされるのが好ましい。
【0056】
このとき、
(1)ホスト(クライアント)20で印刷を要求するとき、
(2)ホスト(クライアント)20はホスト(プリントサーバ)10と通信を行い、全ての印刷設定内容が出力先のプリンタで有効かどうかを問い合わせる。
この処理を含む情報処理のフローを、以下の図6で説明する。
【0057】
〔ホストによる情報処理〕
次に、図1のホスト(プリントサーバ)10,ホスト(クライアント)20による情報処理について、図6を参照して説明する。
図6は、図1のホスト(プリントサーバ)10,ホスト(クライアント)20による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0058】
このホスト(クライアント)20は、印刷要求が発生したとき、図6に示す処理ルーチンを開始し、まずステップS1へ進み、印刷設定内容の中に、ホスト(プリントサーバ)10に現在接続されているプリンタで非(未)サポートの機能がないか確認する。
このとき、今回の印刷で利用しようとしている全ての機能(以下単に「全ての機能」ともいう)を列挙し、その情報のリストをホスト(プリントサーバ)10へ送ることにより、現在接続されているプリンタにおける全ての機能のサポート/未サポート(サポートの有無)を問い合わせる。
【0059】
それによって、ホスト(プリントサーバ)10は、ホスト(クライアント)20からの機能(サポート/未サポートが問い合わせられた全ての機能)の情報のリストと図5のサポート機能表201とを比較して、現在接続されているプリンタ(接続先のプリンタ)で未サポートの機能があるかないかをチェックする(サポート/未サポートが問い合わせられた全ての機能が実現可能か判定する)。
【0060】
そして、そのチェックの結果、未サポートの機能がない場合(サポート/未サポートが問い合わせられた全ての機能が実現可能な場合)には、そのまま通常の印刷を実施する。つまり、未サポートの機能がない旨(サポート/未サポートが問い合わせられた全ての機能が実現可能な旨)をホスト(クライアント)20へ通知することにより、ホスト(クライアント)20から印刷設定内容および印刷データが送られてくるため、それらを接続先のプリンタへ送って印刷を行わせる。
【0061】
また、未サポートの機能がある場合(サポート/未サポートが問い合わせられた全ての機能が実現不可能な場合)には、ステップS2へ進み、図5の切替許可表202を参照して、接続先の切り替えが許可されているか(可能であるか)否かをチェックする。なお、切替許可表202に切り替え可否の情報がホスト(クライアント)20,30,・・・を利用するユーザ毎に保持されている場合には、上記問い合わせをユーザ情報と共に受けている場合に、そのユーザ情報に対応する接続先の切り替えが許可されているか否かをチェックする。
【0062】
そして、接続先の切り替えが許可されている場合には、ステップS3へ進み、他に接続可能なプリンタがあるかないかをチェックする。このとき、ホスト(クライアント)20が印刷先として許可されたプリンタの情報のリストを、図5の接続先表203を参照して取得する。なお、接続先表203にプリンタ利用可否の情報がホスト(クライアント)20,30,・・・を利用するユーザ毎又はグループ毎等に保持されている場合には、上記問い合わせをユーザ情報又はグループ情報等と共に受けている場合に、そのユーザ情報又はグループ情報等に対応する他に接続可能なプリンタがあるかないかをチェックする。あるいは、接続先表203にプリンタ利用可否の情報がホスト(クライアント)20,30,・・・を利用する時間帯毎に保持されている場合には、現在の時刻に対応する他に接続可能なプリンタがあるかないかをチェックする。現在の時刻は、図示しない計時手段等から取得できる。
【0063】
そして、取得したリストから印刷先として許可されたプリンタがあり、その中に他に接続可能なプリンタがある場合には、ステップS4へ進み、他に接続可能なプリンタの中に全ての機能をサポートしているプリンタがあるか、図5のサポート機能表201から検索してチェックする。
そして、全ての機能をサポートしているプリンタがある場合には、ステップS5へ進む。
【0064】
ステップS5では、全ての機能をサポートしているプリンタの情報のリストの中から、出力するプリンタ(出力先)をユーザに選択させ、出力先を切り替えて印刷を実施する。
すなわち、全ての機能をサポートしているプリンタの情報のリストを作成し、それをホスト(クライアント)20へ通知することにより、ホスト(クライアント)20では、そのリストの内容を図2の表示部15上に表示させる。
【0065】
そして、その表示内容を見たユーザによる入力部17の操作によって出力先が選択された場合に、その選択された出力先の情報を含む印刷設定内容および印刷データをホスト(プリントサーバ)10へ送信する。
ホスト(プリントサーバ)10は、ホスト(クライアント)20から印刷設定内容および印刷データを受信すると、その印刷設定内容が示す出力先のプリンタへの接続に切り替え、そのプリンタへ受信した印刷設定内容および印刷データを送って印刷を行わせる。
【0066】
一方、接続先の切り替えが許可されていない場合、他に接続可能なプリンタがない場合、あるいは全ての機能をサポートしているプリンタがない場合には、ステップS6へ進み、印刷をキャンセルするか、実現できない機能があるまま強制的に印刷をするかを、ユーザに選択させる。
【0067】
すなわち、接続先の切り替えが許可されていない場合、他に接続可能なプリンタがない場合、あるいは今回の印刷で利用しようとしている全ての機能をサポートするプリンタがない場合に、その旨を示す情報をホスト(クライアント)20へ通知することにより、ホスト(クライアント)20では、その情報の内容を図2の表示部15上に表示させ、その表示内容を見たユーザによる入力部17の操作によって「印刷をキャンセルする」が選択された場合には印刷をキャンセルする。
【0068】
また、入力部17の操作によって「実現できない機能があるまま強制的に印刷をする」が選択された場合には、印刷設定内容および印刷データをホスト(プリントサーバ)10へ送信する。
ホスト(プリントサーバ)10は、ホスト(クライアント)20から印刷設定内容および印刷データを受信すると、それらを現在の接続先のプリンタへ送って印刷を行わせる。
【0069】
なお、ホスト(プリントサーバ)10は、全ての機能をサポートしているプリンタがない場合に、その旨を示す情報をホスト(クライアント)20へ送信するが、その際にサポート/未サポートが問い合わせられた機能を1つでもサポートしている(実現可能な)プリンタの情報のリストを作成し、それもホスト(クライアント)20へ送信するとよい。 このとき、サポート/未サポートが問い合わせられた機能が複数ある場合には、それらの機能を多くサポートしている順(多く実現できる順)にプリンタの情報のリストを作成することが望ましい。
【0070】
また、ホスト(クライアント)20と同様な情報処理を他のホスト(クライアント)30,・・・でも行うことができる。
さらに、各ホスト10,20,30,・・・の一部又は全部がそれぞれ、クライアントおよびプリントサーバとしての両機能を備えている場合には、図6によって説明した全ての情報処理を行うことができる。
【0071】
このように、プリントサーバ(ホスト)が、クライアント(他のホスト)から利用しようとしている機能毎のサポート/非サポートの問い合わせを受けた場合に、接続先のプリンタ(ポイントアンドプリントで設定されたリモートプリンタ)で非サポートの機能があるかないかをチェックし、非サポートの機能がある場合には、接続先のプリンタの切り替えが可能であるか否かをチェックし、切り替えが可能である場合には、他に接続可能なプリンタがあるかないかをチェックし、そのプリンタがある場合には、そのプリンタの中に上記利用しようとしている機能を全てサポートしているプリンタがあるかないかをチェックし、そのプリンタがある場合には、そのプリンタの情報を上記問い合わせ元のクライアントへ通知することにより、そのクライアントでは、その通知情報が示すプリンタ(利用しようとしている機能を全てサポートしているプリンタ)への接続の切り替えをプリントサーバに対して指定することができる。また、ユニバーサルドライバを利用することにより、接続先のプリンタを変更しても、そのプリンタに依存したドライバUIを提供することができる。
【0072】
したがって、クライアントが、プリントサーバに対して、そのプリントサーバに接続されているプリンタでサポートされていない機能を指定して印刷を要求しても、その機能を利用した印刷を他のプリンタで実行することができる。
また、プリントサーバでは、上記利用しようとしている機能を全てサポートしているプリンタをシステム管理者によって決められた範囲内(編集可能な図4の切替許可表202,接続先表203による)で検索できるため、その検索したプリンタの情報を上記問い合わせ元のクライアントへ通知するようにすれば、そのクライアントが、プリントサーバに対して、そのプリントサーバに接続されているプリンタでサポートされていない機能を指定して印刷を要求しても、その機能を利用した印刷を他のプリンタで確実に実行することができる。
【0073】
〔この発明に関わるプログラム〕
このプログラムは、情報処理装置(プリントサーバ)を制御するコンピュータ(CPU)に、この発明に関わる第1〜第4のチェック手段,第1,第2の通知手段,サポート/非サポート情報取得手段,切替可否情報編集手段,利用可否情報編集手段,および印刷装置情報リスト作成手段としての機能をそれぞれ実現させるためのプログラムであり、このようなプログラムをコンピュータに実行させることにより、上述したような作用効果を得ることができる。
【0074】
このようなプログラムは、はじめから情報処理装置に備えるROM、あるいは不揮発性メモリ(フラッシュROM,EEPROM等)、あるいはHDD(ハードディスク装置)などの記憶手段に格納しておいてもよいが、記録媒体であるCD−ROM、あるいはメモリカード,フレキシブルディスク,MO,CD−R,CD−RW,DVD+R,DVD+RW,DVD−R,DVD−RW,又はDVD−RAM等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供することもできる。それらの記録媒体に記録されたプログラムを情報処理装置にインストールしてCPUに実行させるか、CPUにそれらの記録媒体からこのプログラムを読み出して実行させることにより、上述した各手順を実行させることができる。
さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムを記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードして実行させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、情報処理装置(クライアント)が、他の情報処理装置(プリントサーバ)に対して、他の情報処理装置(プリントサーバ)に接続されている印刷装置でサポートされていない機能を指定して印刷を要求しても、その機能を利用した印刷を他の印刷装置で実行することができる。したがって、ユーザ指定の機能による印刷を確実に実行させることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0076】
1,2:プリンタ 5:ネットワーク 10,20:ホストコンピュータ
11:I/Oポート 12:CPU 13:ROM 14:RAM
15:表示部 16:HDD 17:入力部 18:記憶媒体ドライブ
19:記憶媒体 101:OS 102:プリンタドライバ
103:グラフィックエンジン 104:アプリケーション 201:サポート機能表
202:切替許可表 203:接続先表
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特開2001−222400号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の各印刷装置のいずれかと印刷可能に接続し、該印刷可能に接続した印刷装置へ他の情報処理装置からの印刷データを送信して印刷を行わせる情報処理装置であって、
前記他の情報処理装置から利用しようとしている機能毎のサポート/非サポートの問い合わせを受けた場合に、接続先の印刷装置で非サポートの機能があるかないかをチェックする第1のチェック手段と、
該第1のチェック手段によるチェックの結果、接続先の印刷装置で非サポートの機能がある場合には、接続先の印刷装置の切り替えが可能であるか否かをチェックする第2のチェック手段と、
該第2のチェック手段によるチェックの結果、接続先の印刷装置の切り替えが可能である場合には、他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする第3のチェック手段と、
該第3のチェック手段によるチェックの結果、他に接続可能な印刷装置がある場合には、該印刷装置の中に前記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置があるかないかをチェックする第4のチェック手段と、
該第4のチェック手段によるチェックの結果、前記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がある場合には、その印刷装置の情報を前記問い合わせ元の他の情報処理装置へ通知する第1の通知手段と、
前記第1〜第4のチェック手段のいずれかによるチェックの結果、接続先の印刷装置で非サポートの機能がない場合、接続先の印刷装置の切り替えが可能でない場合、他に接続可能な印刷装置がない場合、あるいは前記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がない場合には、その旨を示す情報を前記問い合わせ元の他の情報処理装置へ通知する第2の通知手段とを設けたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記各印刷装置と双方向通信を行い、該各印刷装置の機能毎のサポート/非サポートの情報を取得するサポート/非サポート情報取得手段と、
該サポート/非サポート情報取得手段によって取得した前記接続可能な各印刷装置の機能毎のサポート/非サポートの情報を保持するサポート/非サポート情報保持手段と、
前記他の情報処理装置の前記各印刷装置への切り替え可否の情報を保持する切替可否情報保持手段と、
前記他の情報処理装置の前記各印刷装置の利用可否の情報を保持する利用可否情報保持手段とを設け、
前記第1のチェック手段は、前記サポート/非サポート情報保持手段内の情報に基づいて接続先の印刷装置で非サポートの機能があるかないかをチェックする手段であり、
前記第2のチェック手段は、前記切替可否情報保持手段内の情報に基づいて接続先の印刷装置の切り替えが可能であるか否かをチェックする手段であり、
前記第3のチェック手段は、前記利用可否情報保持手段に基づいて他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする手段であり、
前記第4のチェック手段は、前記サポート/非サポート情報保持手段内の情報に基づいて前記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置があるかないかをチェックする手段であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記切替可否情報保持手段は、前記他の情報処理装置を利用するユーザ毎の前記各印刷装置への切り替え可否の情報を保持する手段であり、
前記利用可否情報保持手段は、前記他の情報処理装置を利用するユーザ毎の前記各印刷装置の利用可否の情報を保持する手段であり、
前記第2のチェック手段は、前記他の情報処理装置から利用しようとしている機能毎のサポート/非サポートの問い合わせをユーザ情報と共に受けている場合に、前記切替可否情報保持手段内の情報に基づいて前記ユーザ情報に対応する接続先の印刷装置の切り替えが可能であるか否かをチェックする手段であり、
前記第3のチェック手段は、前記利用可否情報保持手段に基づいて前記ユーザ情報に対応する他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする手段であり、
前記切替可否情報保持手段内の情報を外部からの操作信号によって編集する切替可否情報編集手段と、
前記利用可否情報保持手段内の情報を外部からの操作信号によって編集する利用可否情報編集手段とを設けたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記利用可否情報保持手段は、前記他の情報処理装置を利用する時間帯毎の前記各印刷装置の利用可否の情報を保持する手段であり、
前記第3のチェック手段は、前記利用可否情報保持手段に基づいて現在の時刻に利用可能な他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする手段であり、
前記利用可否情報保持手段内の情報を外部からの操作信号によって編集する利用可否情報編集手段を設けたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記利用可否情報保持手段は、前記他の情報処理装置を利用するグループ毎の前記各印刷装置の利用可否の情報を保持する手段であり、
前記第3のチェック手段は、前記他の情報処理装置から利用しようとしている機能毎のサポート/非サポートの問い合わせをグループ情報と共に受けている場合に、前記利用可否情報保持手段に基づいて前記利用グループ情報に対応する他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする手段であり、
前記利用可否情報保持手段内の情報を外部からの操作信号によって編集する利用可否情報編集手段を設けたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記第4のチェック手段によるチェックの結果、前記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がない場合には、サポート/非サポートが問い合わせられた機能を1つでもサポートしている印刷装置の情報のリストを作成する印刷装置情報リスト作成手段を設け、
前記第2の通知手段は、前記第4のチェック手段によるチェックの結果、前記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がない場合には、その旨を示す情報を前記印刷装置情報リスト作成手段によって作成されたリストと共に前記問い合わせ元の他の情報処理装置へ通知することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記印刷装置情報リスト作成手段は、サポート/未サポートが問い合わせられた機能が複数ある場合に、それらの機能を多くサポートしている順に印刷装置の情報のリストを作成することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数の各印刷装置のいずれかと印刷可能に接続し、該印刷可能に接続した印刷装置へ他の情報処理装置からの印刷データを送信して印刷を行わせる情報処理装置における情報処理方法であって、
前記他の情報処理装置から利用しようとしている機能毎のサポート/非サポートの問い合わせを受けた場合に、接続先の印刷装置で非サポートの機能があるかないかをチェックする第1のチェック工程と、
該第1のチェック工程によるチェックの結果、接続先の印刷装置で非サポートの機能がある場合には、接続先の印刷装置の切り替えが可能であるか否かをチェックする第2のチェック工程と、
該第2のチェック工程によるチェックの結果、接続先の印刷装置の切り替えが可能である場合には、他に接続可能な印刷装置があるかないかをチェックする第3のチェック工程と、
該第3のチェック工程によるチェックの結果、他に接続可能な印刷装置がある場合には、該印刷装置の中に前記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置があるかないかをチェックする第4のチェック工程と、
該第4のチェック工程によるチェックの結果、前記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がある場合には、その印刷装置の情報を前記問い合わせ元の他の情報処理装置へ通知する第1の通知工程と、
前記第1〜第4のチェック工程のいずれかによるチェックの結果、接続先の印刷装置で非サポートの機能がない場合、接続先の印刷装置の切り替えが可能でない場合、他に接続可能な印刷装置がない場合、あるいは前記利用しようとしている機能を全てサポートしている印刷装置がない場合には、その旨を示す情報を前記問い合わせ元の他の情報処理装置へ通知する第2の通知工程とを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
情報処理装置を制御するコンピュータに、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置を構成する各手段としての機能を実現させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図1】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−211706(P2010−211706A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59532(P2009−59532)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】