説明

情報処理装置

【課題】 回路基板の耐衝撃性及び放熱性の向上を図る。
【解決手段】 パーソナルコンピューター等の情報処理装置において、外部から外筐に付与された振動や衝撃が回路基板にほとんど減衰されることなく伝達されるのを効果的に防止し、発生した熱を外部へ放出して外筐の内部温度を一定以下の温度に保持するため、第1のケース44と第2のケース45が結合された外筐11と、該外筐内に配置され該外筐に取り付けられた金属フレーム46と、外筐内に配置され金属フレームに取り付けられた回路基板48とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置についての技術分野に関する。詳しくは、外筐の内部に配置される回路基板を金属フレームを介して外筐に取り付けて回路基板の耐衝撃性及び放熱性の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピューター等の情報処理装置においては、外筐の内部に所要の処理制御を行うための所謂マザーボードと称される回路基板が配置され、情報処理装置の使用時には回路基板の電子部品等に発熱が生じる。
【0003】
特に、近年、携帯性に優れた小型の装置が開発されており(例えば、特許文献1参照)、このような小型の装置にあっては、外筐の内部の空間が小さいため、外筐の内部の温度が上昇し易い。
【0004】
【特許文献1】特開2003−288154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように回路基板の電子部品等に生じた熱は、各部の動作に影響を及ぼすため、情報処理装置においては、発生した熱を外部へ放出して外筐の内部温度を一定以下の温度に保持することが必要とされる。
【0006】
特に、小型の装置にあっては、上記したように、外筐の内部の温度が上昇し易いため、温度上昇の抑制を効率的に行う必要がある。
【0007】
一方、外筐の内部に配置される回路基板は、外筐の内面にネジ止め等によって取り付けられているため、外部から外筐に振動や衝撃が付与された場合には、付与された振動や衝撃が外筐から回路基板にほとんど減衰されることなく伝達され、回路基板の歪みや破損等という不具合を生じるおそれがある。特に、携帯性に優れた小型の装置にあっては、落下衝撃の発生確率が高くなるため、回路基板への衝撃等の伝達を効果的に防止する必要がある。
【0008】
そこで、本発明情報処理装置は、上記した問題点を克服し、回路基板の耐衝撃性及び放熱性の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明情報処理装置は、上記した課題を解決するために、第1のケースと第2のケースが結合された外筐と、該外筐内に配置され該外筐に取り付けられた金属フレームと、外筐内に配置され金属フレームに取り付けられた回路基板とを設けたものである。
【0010】
従って、本発明情報処理装置にあっては、回路基板に発生した熱が金属フレームから放出されると共に外筐に付与された衝撃等が金属フレームによって減衰されて回路基板に伝達される。
【発明の効果】
【0011】
本発明情報処理装置は、第1のケースと第2のケースが結合された外筐と、該外筐内に配置され該外筐に取り付けられた金属フレームと、外筐内に配置され金属フレームに取り付けられた回路基板とを備えたことを特徴とする。
【0012】
従って、回路基板に発生した熱が金属フレームから外部へ放出され、外筐の内部の温度上昇を効率的に抑制することができる。
【0013】
また、外部から外筐に振動や衝撃が付与された場合において、付与された振動や衝撃が金属フレームによって減衰されて回路基板に伝達され、該回路基板の歪みや割れ等を防止することができる。
【0014】
請求項2に記載した発明にあっては、第1のケースと第2のケースを取付ネジによって取り付け、金属フレームに上記取付ネジが挿通されるネジ挿通孔を形成し、取付ネジの軸部の径をネジ挿通孔の径より小さくしたので、金属フレームに伝達される振動や衝撃の大きさによっては金属フレームが外筐に対して移動され、振動や衝撃を吸収することができる。
【0015】
請求項3に記載した発明にあっては、上記金属フレームをマグネシウムによって形成したので、良好な放熱性、高い剛性及び軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明情報処理装置を添付図面に従って説明する。以下に示す最良の形態は、本発明情報処理装置をパーソナルコンピューターに適用したものである。
【0017】
尚、本発明情報処理装置の適用範囲はパーソナルコンピューターに限られることはなく、本発明情報処理装置は、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、ネットワーク端末、携帯情報端末、ワークステーション等の各種の情報処理装置に広く適用することができる。
【0018】
情報処理装置(パーソナルコンピューター)1はディスプレイ2と装置本体3とを備えている(図1参照)。
【0019】
ディスプレイ2は、装置本体3に上下方向へスライド自在に支持され(図1及び図2参照)、横長の扁平な略矩形状に形成された表示用筐体4と、該表示用筐体4に組み付けられた表示パネル5とを有している。
【0020】
表示用筐体4の前面における上端部には、左右に離隔してスピーカー孔6、指紋センサー7及び前面カメラ部8が設けられている。
【0021】
スピーカー孔6は表示用筐体4の内部に配置された図示しないスピーカーからの音声を出力するための孔である。
【0022】
指紋センサー7は登録した指紋情報を読み取るためのセンサーである。指紋センサー7を用いることによりパスワードやアカウント等の入力を指紋で代用することが可能である。
【0023】
前面カメラ部8は、主に、情報処理装置1の使用者自身を撮影するカメラとして機能する。前面カメラ部8によって使用者自身を撮影することにより、例えば、テレビ電話の使用に有用である。
【0024】
表示用筐体4の後面にはカメラ部9が配置されている(図3参照)。カメラ部9は、ディスプレイ2が上方へ移動されて一部が装置本体3から上方へ突出された状態において露出され、ディスプレイ2が下方へ移動されて装置本体3から突出されない状態において閉塞される(図3及び図4参照)。カメラ部9は、主に、使用者以外の被写体を撮影するカメラとして機能する。
【0025】
上記のように、ディスプレイ2のスライド動作によってカメラ部9を開閉するように構成することにより、カメラ部9の不使用時には該カメラ部9を保護することができると共に必要時にのみカメラ部9を露出させて使用することができる。
【0026】
表示用筐体4の上面にはフォーカス切り替えスイッチ10が配置されている(図5参照)。フォーカス切り替えスイッチ10を操作することにより、カメラ部9におけるフォーカスモードの切替を行うことができる。
【0027】
表示用筐体4の下面は前方へ行くに従って上方へ変位するように傾斜された傾斜面4aに形成されている。このように傾斜面4aを形成することにより、図6に示すように、装置本体3を双方の手100、100で把持した状態で親指101、101を傾斜面4aに宛ってディスプレイ2を装置本体3に対して上方へ容易にスライドさせることができる(図1の矢印A参照)。
【0028】
装置本体3は外筐11の内外に所要の各部が配置又は取り付けられて成る(図1及び図2参照)。外筐11はカーボン材料を基材として金属ファイバーが含有された所謂カーボンファイバーによって形成されている。
【0029】
装置本体3は左右両端部を除く部分が横長の略直方体状に形成された支持部12として設けられ、該支持部12の左右両側の部分がそれぞれグリップ部13、14として設けられている。
【0030】
支持部12の前面における下半部には複数の操作キーを有するキーボード15が設けられている(図2参照)。キーボード15は、ディスプレイ2が上方へ移動されて一部が装置本体3から上方へ突出された状態において露出され、ディスプレイ2が下方へ移動されて装置本体3から突出されない状態において閉塞される(図1及び図2参照)。
【0031】
このように、ディスプレイ2のスライド動作によってキーボード15を開閉するように構成することにより、キーボード15の不使用時には該キーボード15を保護することができると共に必要時にのみキーボード15を露出させて使用することができる。
【0032】
グリップ部13は支持部12の左端から左斜め上方へ突出されている。グリップ部13の上下両面を除く面は、外方へ凸の曲面13aに形成され支持部12の前面と後面に連続されている。
【0033】
グリップ部13には、上側から順にそれぞれ前方を向く左釦16、右釦17、センター釦18及び操作釦19が配置されている。左釦16、右釦17及びセンター釦18は、それぞれマウス装置に設けられる左釦、右釦及びホイールに相当する釦である。操作釦19は所定のソフトウェアを実行するための釦である。
【0034】
グリップ部13の下端部には通信機能実行スイッチ20が配置されている。通信機能実行スイッチ20を操作することにより、通信機能の実行及び停止を行うことができる。
【0035】
グリップ部14は支持部12の右端から右斜め上方へ突出されている。グリップ部14の上下両面を除く面は、外方へ凸の曲面14aに形成され支持部12の前面と後面に連続されている。
【0036】
グリップ部14には、上側から順にそれぞれ前方を向くスティックポインター21及びズーム釦22、22が配置されている。スティックポインター21は、表示パネル5上のポインターを移動させるマウス装置の機能を有している。ズーム釦22、22は前面カメラ部8及びカメラ部9によって撮影される像をズーミングする機能を有する釦である。
【0037】
グリップ部14の下端部には、電源スイッチ23及びマイク孔24が設けられている。マイク孔24は外筐11の内部に配置された図示しないマイクロフォンに音声を入力するための孔である。
【0038】
グリップ部13に配置された左釦16、右釦17、センター釦18、操作釦19、通信機能実行スイッチ20及びグリップ部14に配置されたスティックポインター21、ズーム釦22、22、電源スイッチ23は、使用者がグリップ部13、14を両手100、100で把持した状態で操作を行うことができる操作部25として機能する。
【0039】
上記のように、グリップ部13、14がそれぞれ支持部12からディスプレイ2側へ向けて突出されているため、該ディスプレイ2はグリップ部13、14によって左右から覆われた状態とされる(図5参照)。
【0040】
装置本体3の左側面にはコネクター端子26、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子が設けられている(図3及び図4参照)。
【0041】
装置本体3の上面には、排気孔27、媒体スロット28及び撮影用釦29が設けられている(図5参照)。
【0042】
排気孔27は装置本体3の左右方向における略中央部に位置され、外筐11の内部で温度が上昇した冷却空気を外部へ放出する機能を有する。
【0043】
媒体スロット28には、例えば、カード型の記憶媒体が装着される。
【0044】
撮影用釦29は右端部に位置され、前面カメラ部8及びカメラ部9によって静止画又は動画を撮影するときに押圧操作される釦である。
【0045】
装置本体3の上面には左右に離隔して後述する二つのアンテナが搭載され、該二つのアンテナがアンテナカバー30によって覆われている。
【0046】
装置本体3の下面には、吸気孔31、外部用コネクター32、電源コネクター33、接続コネクター34、34が設けられている(図1乃至図4参照)。
【0047】
吸気孔31は外筐11の内部に外部から冷却空気を取り込む機能を有する。
【0048】
外部用コネクター32は、例えば、外部ディスプレイや液晶プロジェクター等の外部機器との接続を行うためのコネクターである。
【0049】
電源コネクター33には、商用電源用の電源コードが接続される。
【0050】
接続コネクター34、34は、例えば、外部スピーカー、ヘッドホーン、マイク等の各種の機器を接続するためのコネクターである。
【0051】
装置本体3の後面には左右に離隔して突状部35、36が設けられている(図3乃至図5参照)。突状部35、36は厚みの薄い扁平な形状に形成され、上下幅が装置本体3の上下幅より稍小さく形成され、それぞれ装置本体3の左側面及び右側面に連続するように形成されている。突状部35、36の後面は平面状に形成されている。
【0052】
装置本体3には、突状部35、36が形成されることにより、その間の部分が浅い凹部37として形成されている。凹部37には上下に離隔して複数の吸気孔38、38、・・・が形成されている(図3及び図4参照)。吸気孔38、38、・・・は、上記した吸気孔31と同様に、外筐11の内部に外部から冷却空気を取り込む機能を有する。
【0053】
突状部35の右端部には右方へ行くに従って前方へ変位する傾斜状に形成された段差面35aが形成されている。
【0054】
突状部35には第1のアンテナ39が回動自在に支持されている(図3乃至図5参照)。第1のアンテナ39は突状部35の上端部を支点として回動可能とされ、不使用時には全体が突状部35に対応して位置され(図4参照)、使用時には回動されて装置本体3から上方へ突出された状態で用いられる(図3参照)。第1のアンテナ39は、例えば、地上デジタルテレビ放送のサービスの一つである1SEG(Segment)や遠隔地にあるLAN(Local Area Network)同士を専用線等で接続したWAN(Wide Area Network)に対応するアンテナである。
【0055】
突状部36の左端部には左方へ行くに従って前方へ変位する傾斜状に形成された段差面36aが形成されている。
【0056】
突状部36には後方及び右方に開口されたバッテリー装着凹部36bが形成されている(図7参照)。バッテリー装着凹部36bにはバッテリー40が装着される。従って、突状部36はバッテリー装着凹部36bにバッテリー40が装着されることにより構成される。
【0057】
上記したように第1のアンテナ39は、使用時に回動されて装置本体3から上方へ突出された状態で用いられるため、第1のアンテナ39の不使用時において一層の情報処理装置1の小型化を図ることができる。
【0058】
また、第1のアンテナ39は使用時にのみ装置本体3に対して回動させて該装置本体3から上方へ突出させればよいため、使い勝手の向上を図ることができる。
【0059】
突状部36には、突状部35側の端部に上方に開口された図示しないペン収納部が形成されている。ペン収納部には入力ペン41が収納される(図3乃至図5参照)。
【0060】
情報処理装置1においては、上記したように、グリップ部13、14が設けられており、使用者は情報処理装置1を携帯用の機器として使用する場合には、図6に示すように、両手100、100でそれぞれグリップ部13、14を把持して各種の操作を行う。
【0061】
この使用状態においては、グリップ部13、14がディスプレイ2の側方に位置されているため、把持した両手100、100がディスプレイ2を覆ってしまうようなことがなく、使い勝手の向上を図ることができる。
【0062】
また、情報処理装置1にあっては、一対のグリップ部13、14が支持部12から前方側へ突出されているため、使用者がグリップ部13、14を把持した状態において、グリップ部13、14が掌に馴染み、良好な把持性を確保することができる。
【0063】
さらに、グリップ部13、14に操作部25が設けられているため、グリップ部13、14を把持したまま指を動かして操作部25を操作することができ(図8参照)、良好な操作性を確保することができる。
【0064】
加えて、グリップ部13、14の外周面が掌の形に合わせて曲面13a、14aに形成されているため、掌のグリップ部13、14に対する接触面積が大きく、良好な把持性を確保することができる。
【0065】
使用者が両手100、100でグリップ部13、14を把持した状態においては、親指101、101以外の指102、102、・・・は装置本体3の背面に宛われる(図9参照)。装置本体3には突状部35、36が設けられており、指102、102、・・・の先端部はそれぞれ突状部35、36の支持部12側の端部に位置する段差面35a、36aに宛われる(図9参照)。従って、情報処理装置1を持ち易く、良好な把持性を確保し情報処理装置1の落下の防止を図ることができる。
【0066】
また、突状部36がバッテリー40によって構成されているため、装置本体3に専用の突状部を設ける必要がなく、構造の簡素化を図ることができる。
【0067】
尚、上記には、突状部36をバッテリー40によって構成する例を示したが、逆に、突状部35をバッテリーによって構成してもよく、また、突状部35、36の双方を一対のバッテリーによって構成してもよい。
【0068】
使用者が両手100、100でグリップ部13、14を把持した状態においては、装置本体3の上下両面及び装置本体3の後面に形成された凹部37には両手100、100が接触しないため、装置本体3の上面に形成された排気孔27、装置本体3の下面に形成された吸気孔31及び凹部37に形成された吸気孔38を両手100、100で覆うことがなく、情報処理装置1における良好な放熱性を確保することができる。
【0069】
装置本体3の上面には第2のアンテナ42と第3のアンテナ43が左右に離隔して、例えば、ネジ止めにより取り付けられている(図10参照)。
【0070】
第2のアンテナ42及び第3のアンテナ43は、第1のアンテナ39とは通信規格の異なるアンテナであり、第2のアンテナ42は、例えば、無線LAN(Local Area Network)用のアンテナであり、第3のアンテナ43は、例えば、2.4GHz帯域の電波を使用するブルーテゥース(Bluetooth)用のアンテナである。
【0071】
尚、上記には、第2のアンテナ42と第3のアンテナ43の例として、通信規格の異なる種類を示したが、例えば、第2のアンテナ42と第3のアンテナ43として通信規格が同じアンテナを用いてもよい。
【0072】
第2のアンテナ42は、左右に延びる接地部42aと、該接地部42aから上方へ突出された連結部42bと、該連結部42bの上端部から水平方向へ突出され接地部42aと平行な放射部42cとを有している。第2のアンテナ42は接地部42aが外筐11の上面に面接触した状態で取り付けられ、放射部42cの左端が放射端とされている。
【0073】
第3のアンテナ43は、左右に延びる接地部43aと、該接地部43aから上方へ突出された連結部43bと、該連結部43bの上端部から水平方向へ突出され接地部43aと平行な放射部43cとを有している。第3のアンテナ43は接地部43aが外筐11の上面に面接触した状態で取り付けられ、放射部43cの右端が放射端とされている。
【0074】
上記のように、情報処理装置1にあっては、第2のアンテナ42及び第3のアンテナ43の接地部42a、43aをカーボンファイバーから成る外筐11に取り付け該外筐11を第2のアンテナ42と第3のアンテナ43のグラウンドとして用いているため、グラウンド面積が大きい分、第2のアンテナ42及び第3のアンテナ43の良好な特性を維持した状態で第2のアンテナ42及び第3のアンテナ43の小型化を図ることができる。
【0075】
また、外筐11をグラウンドとして用いているため、別部品として第2のアンテナ42及び第3のアンテナ43の専用のグラウンドを設ける必要がなく、構造の簡素化及び部品点数の削減を図ることができる。
【0076】
さらに、第2のアンテナ42及び第3のアンテナ43をグリップ部13、14以外の部分に取り付けているため、使用者がグリップ部13、14を把持したときに第2のアンテナ42及び第3のアンテナ43を両手100、100で覆ってしまうことがなく、第2のアンテナ42及び第3のアンテナ43の良好な性能を維持することができる。
【0077】
加えて、情報処理装置1にあっては、第2のアンテナ42の放射部42cの放射端と第3のアンテナ43の放射部43cの放射端とがそれぞれ外端にあり、両者が大きく離隔して位置されている。従って、第2のアンテナ42と第3のアンテナ43の通信状態における干渉を抑制することができる。
【0078】
次に、情報処理装置1の内部構造について説明する(図11乃至図16参照)。
【0079】
外筐11は、第1のケース44と第2のケース45が上下で結合されて成る(図11乃至図13参照)。
【0080】
第1のケース44の内面(下面)にはそれぞれ下方に開口された螺穴を有する取付ボス44a、44a、44aが設けられている(図13参照)。
【0081】
第2のケース45の内面(上面)にはそれぞれ上下に貫通された挿通孔を有する取付軸45a、45a、45aが設けられている。
【0082】
外筐11の内部には金属フレーム46が固定されている(図13乃至図15参照)。金属フレーム46は厚みが薄く外形が略矩形状に形成され、例えば、マグネシウムによって形成されている。尚、金属フレーム46を他の金属材料、例えば、アルミニウムによって形成してもよい。
【0083】
金属フレーム46にはボス47、47、47が設けられ、該ボス47、47、47にはそれぞれ上下に貫通されたネジ挿通孔47a、47a、47aが形成されている(図14参照)。金属フレーム46には4つの角部にそれぞれ上方に開口された螺孔を有する基板固定用ボス46a、46a、・・・が設けられている。
【0084】
金属フレーム46の上面には回路基板48が固定される(図13乃至図15参照)。回路基板48上には電子部品48a、48a、・・・が搭載され、該電子部品48a、48a、・・・は、その駆動時に熱を発生する発熱体となるものがある。回路基板48の4隅には、それぞれネジ挿通孔48b、48b、・・・が形成されている。
【0085】
回路基板48は、ネジ挿通孔48b、48b、・・・にそれぞれ挿通されたネジ部材49、49、・・・が金属フレーム46の基板固定用ボス46a、46a、・・・に螺合されることにより金属フレーム46に固定される。
【0086】
金属フレーム46の下面にはハードディスク50が、例えば、ネジ止めにより固定される(図14及び図15参照)。ハードディスク50は、2つの側縁にダンパー51、51が取り付けられた状態で金属フレーム46に固定される。
【0087】
金属フレーム46は、上記のように、回路基板48及びハードディスク50が取り付けられた状態において、取付ネジ52、52、52によって外筐11の内部に取り付けられる(図13参照)。取付ネジ52、52、52の軸部の径はそれぞれ金属フレーム46のボス47、47、47のネジ挿通孔47a、47a、47aの径より小さくされている。
【0088】
取付ネジ52、52、52は、それぞれ下方から第2のケース45の取付軸45a、45a、45a及び金属フレーム46のボス47、47、47を挿通され、第1のケース44の取付ボス44a、44a、44aに螺合される。従って、金属フレーム46は第1のケース44と第2のケース45に上下で挟持された状態で外筐11の内部に取り付けられ、回路基板48は金属フレーム46を介して外筐11の内部に取り付けられる(図16参照)。
【0089】
金属フレーム46が外筐11の内部に取り付けられた状態においては、上記したように、取付ネジ52、52、52の軸部の径が金属フレーム46のネジ挿通孔47a、47a、47aの径より小さくされているため、金属フレーム46が外筐11に対して水平方向へ移動可能とされている。
【0090】
また、金属フレーム46が外筐11の内部に取り付けられた状態においては、回路基板48と第1のケース44の間及びハードディスク50と第2のケース45の間に一定の隙間が形成されている。
【0091】
上記したように、情報処理装置1にあっては、回路基板48が外筐11の内部に配置された金属フレーム46に取り付けられているため、回路基板48の電子部品48a、48a、・・・に発生した熱が金属フレーム46から外筐11に形成された排気孔27を介して外部へ排出され、外筐11の内部の温度上昇を効率的に抑制することができる。
【0092】
特に、情報処理装置1のような小型の装置にあっては、外筐11の内部の温度が上昇し易いため、上記のように、外筐11の内部の温度上昇を効率的に抑制することにより、各部の動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0093】
また、回路基板48が外筐11に取り付けられておらず金属フレーム46に取り付けられているため、外部から外筐11に振動や衝撃が付与された場合において、付与された振動や衝撃が金属フレーム46によって減衰されて回路基板48に伝達され、該回路基板48の歪みや割れ等を防止することができる。
【0094】
さらに、金属フレーム46は第1のケース44と第2のケース45に挟持された状態で取り付けられているが、取付ネジ52、52、52の軸部の径が金属フレーム46のネジ挿通孔47a、47a、47aの径より小さくされ金属フレーム46が外筐11に対して水平方向へ移動可能とされているため、金属フレーム46に伝達される振動や衝撃の大きさによっては金属フレーム46が外筐11に対して水平方向へ移動され、振動や衝撃を吸収することができる。
【0095】
さらにまた、金属フレーム46はマグネシウムによって形成されているため、良好な放熱性、高い剛性及び軽量化を図ることができる。
【0096】
加えて、情報処理装置1にあっては、ハードディスク50が金属フレーム46に取り付けられているため、外部から外筐11に振動や衝撃が付与された場合において、付与された振動や衝撃が金属フレーム46によって減衰されてハードディスク50に伝達され、該ハードディスク50の動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0097】
尚、上記に示した前後上下左右の方向は説明の便宜上使用した方向であり、本発明の適用においてこれらの方向に限定されることはない。
【0098】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図2乃至図16と共に本発明の最良の形態を示すものであり、本図は、キーボードが閉じられた状態で示す情報処理装置の斜視図である。
【図2】キーボードが開かれた状態で示す情報処理装置の斜視図である。
【図3】情報処理装置の背面側をディスプレイが装置本体から突出され第1のアンテナが引き出された状態で示す斜視図である。
【図4】情報処理装置の背面側を示す斜視図である。
【図5】情報処理装置の平面図である。
【図6】情報処理装置が両手で把持されている状態を示す斜視図である。
【図7】バッテリーが取り外された状態で示す情報処理装置の斜視図である。
【図8】操作部が操作されている状態で示す情報処理装置の斜視図である。
【図9】情報処理装置が両手で把持されている状態を示す底面図である。
【図10】アンテナカバーを取り外して示す情報処理装置の正面図である。
【図11】ディスプレイと装置本体を分離して示す情報処理装置の斜視図である。
【図12】キーボードとディスプレイを分離した状態で示す情報処理装置の斜視図である。
【図13】内部構造を示す分解斜視図である。
【図14】金属フレームと回路基板とハードディスクを示す分解斜視図である。
【図15】金属フレームと回路基板を示す分解斜視図である。
【図16】内部構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0100】
1…情報処理装置、11…外筐、44…第1のケース、45…第2のケース、46…金属フレーム、47a…ネジ挿通孔、48…回路基板、52…取付ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のケースと第2のケースが結合された外筐と、
該外筐内に配置され該外筐に取り付けられた金属フレームと、
外筐内に配置され金属フレームに取り付けられた回路基板とを備えた
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
第1のケースと第2のケースを取付ネジによって取り付け、
金属フレームに上記取付ネジが挿通されるネジ挿通孔を形成し、
取付ネジの軸部の径をネジ挿通孔の径より小さくした
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記金属フレームをマグネシウムによって形成した
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−305041(P2007−305041A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−135143(P2006−135143)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】