説明

情報処理装置

【課題】画像データの中に、バーコードや2次元コードといった印刷コードが含まれているような場合、印刷したときに縮尺が変わると機能を果たせなくなる問題があった。
【解決手段】
プリンタ4に画像データを出力する情報処理装置1において、画像データの画像全体サイズを画像データ蓄積部11から抽出する抽出部13と、前記抽出部13が抽出した画像データに適応させる用紙サイズと用紙サイズの印刷可能領域とを対応付けて格納する印刷用紙サイズ情報テーブル15と、前記抽出部13で抽出された前記画像全体サイズに基づいて前記印刷用紙サイズ情報テーブル15から用紙サイズを選択して印刷可能領域を取得する取得部14と、前記取得部14で取得された印刷可能領域により画像データの表示対象領域を決定して画像データを変更して印刷処理する制御部16を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ等の画像形成手段に画像データを出力するパーソナルコンピュータ(以下PCという)等の情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記情報処理装置は、スキャナやカメラを利用したイメージデータ(PDF、写真)を装置内に取込み、取込んだイメージデータをその形のままプリンタで印刷したり、或いは、利用者が必要に応じて文字や図形等の画像データと組合せて編集した画像データをプリンタで印刷する編集機能を備えている。
このような情報処理装置の編集機能に係わる技術としては、例えば、下記特許文献1に開示されている。
この情報処理装置は、PC内に取込んだ画像データを編集する編集手段と、前記画像データの正確な印刷のために要求される印刷用紙先端から印刷開始位置までの余白の大きさを表す余白データをプリンタの種類毎に記憶する余白データ記憶手段と、前記余白データと印刷コードの印刷開始位置とを比較して前記印刷コードの印刷開始位置が前記余白内にあるときには前記印刷コードの印刷開始位置を前記余白から移動させる印刷位置補正手段とを備えているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003―084950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、印刷用紙の余白は、プリンタで印刷をする際、用紙や印字が所定の位置からずれて文字欠けが生じるのを防ぐために必要であり、このような情報処理装置では、画像データの印刷可能な用紙サイズや用紙余白は利用者が必要に応じてPCを操作して設定できるようになっている。
しかし、従来の情報処理装置は、画像データを印刷する場合、印刷用紙の余白部分に画像データがオーバーしてはみ出し、画像データが印刷領域内に収まりきれないときには、自動的に印字行数を詰めて(印刷サイズを縮小して)印刷していた。そのため、余白は確保できるものの、画像データ内に例えばバーコードや2次元コードのような印刷コードが含まれているものを印刷すると、用紙に印刷された内容がPCに取込んだ画像データのドット間隔や形と異なった形に変形されてしまう。変形すると印刷コードは読取りが不可能になり、或いは本来の内容と違った情報として読み取られ誤判断される問題があった。
【0005】
(発明の目的)
そこで本発明は、上記の如き問題に鑑みなされたもので、画像データの表示対象サイズとプリンタ等の画像形成手段の印刷可能サイズが異なっても画像データの縮尺が変更されることなく印刷が可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、画像形成手段に画像データを出力する情報処理装置において、前記画像データの画像全体サイズを画像データ蓄積部から抽出する抽出部と、前記抽出部が抽出した画像データに適応させる記録媒体サイズと記録媒体の印刷可能領域とを対応付けて格納する格納部と、前記抽出部で抽出された前記画像全体サイズに基づいて前記格納部から記録媒体サイズを選択して印刷可能領域を取得する取得部と、前記取得部で取得された印刷可能領域により画像データの表示対象領域を決定して画像データを変更して印刷処理する制御部を備えている。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成することにより、画像データの表示対象サイズとプリンタ等の画像形成装置の印刷可能サイズが異なっている場合においても、従来のもののように余白部分を確保するために画像データの縮尺が自動的に変更されてしまうことはなく、元の縮尺どおりの印刷ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1のシステムプログラムで動作するCPUの機能構成図である。
【図2】本発明の情報処理装置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の画像データの構成例である(変更前)。
【図4】本発明の画像データの構成例である(変更後)。
【図5】本発明の印刷媒体情報テーブルである。
【図6】実施例1の印刷開始処理のフローチャートである。
【図7】実施例1の画像データサイズ抽出処理のフローチャートである。
【図8】実施例1の印刷可能サイズ取得処理のフローチャートである。
【図9】(a)は画像データの画像全体サイズと表示対象サイズを座標で表した参考図であり、(b)は用紙サイズとプリンタの印刷可能サイズを座標で表した参考図である(縮小されてしまう状態を表している)。
【図10】(a)は本発明の画像データの画像全体サイズと表示対象サイズを座標で表した一例であり、(b)は本発明の用紙サイズとプリンタの印刷可能サイズを座標で表した一例である(縮小されない状態を表している)。
【図11】実施例2のシステムプログラムで動作するCPUの機能構成図である。
【図12】実施例2の画像データサイズ変更処理のフローチャートである。
【図13】実施例2の画像データサイズ抽出処理のフローチャートである。
【図14】実施例2の印刷可能サイズ取得処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の情報処理装置の実施例について、図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0010】
図2は実施例1の情報処理装置の基本構成を示すブロック図である。
この情報処理システム1は、図2に示すように、PC2と、このPC2にLAN等のネットワーク3を介して接続されたプリンタ4を有している。利用者がPC2を操作するとシステムプログラムに基づいてシステムが動作し、各アプリケーションプログラムに従って画像データの作成、編集、印刷処理を行うことができる。印刷すべき画像データは、利用者がPC2の入力部から処理対象とする画像データの「印刷」を指定すると、プリンタドライバプログラムにしたがって、ネットワーク3を介してプリンタ4に印刷データが送信されると所定の印刷ができる。
【0011】
PC2は、中央演算処理部(以下、CPUという)と、このCPUにデータバス等を介して接続される記憶媒体であるROM,RAMと、入力インタフェース(I/F)を介して接続されるキーボード等からなる入力部と、表示I/Fを介して接続されるディスプレイが備えられている。
【0012】
CPUは、図示しない制御回路、ALU及びレジスタ等から構成され、PC2全体の動作を制御している。図1は、ROM内のシステムプログラムで動作するCPUの機能構成図を示している。

図1に示すように、CPU5は、バッファ機能を持つ画像データ蓄積部11と、この画像データ蓄積部11から画像データを検出して画像データの出力変更が必要か否かの判断をする画像データサイズ変換部12と、この画像データサイズ変換部12が取得した画像データのサイズを抽出する画像データサイズ抽出部13と、適正な印刷媒体(用紙)のサイズを取得する印刷媒体サイズ取得部14と、印刷媒体サイズ情報をデータ化した印刷媒体サイズ情報テーブル15と、送信制御部16の機能を有している。
【0013】
画像データ蓄積部11は、入力部から利用者が作成した画像データを印刷処理する前段階において、一旦記憶保存しておくためのバッファとして機能するメモリである。
【0014】
画像データサイズ変換部12は、印刷処理すべき画像データを画像データ蓄積部11から取得する。例えば、図3に示すようなPDFファイルの画像データを読取る場合、その画像データ中に、用紙サイズに対して印刷処理すべき画像データがサイズ変更を必要とするか否かの判定基準となる「%%Dot Pattern Print」6を検出する。
この「%%Dot Pattern Print」6は、入力された画像データが用紙の余白部分へオーバーするデータ内容であると装置がこれを自動的に感知して画像データ内に打ち込むように設定されている。
そして、画像データサイズ変換部12が画像データ蓄積部11内の画像データの中に「%%Dot Pattern Print」6を検出した場合、画像データのサイズ変更が必要と判断し、画像データサイズ変換部12は、画像データサイズ抽出部13に対して画像データのサイズ変更の指示を出す。サイズ変更が必要ではない場合にはその画像データを送信制御部16に送る。すなわち、この画像データサイズ変換部12は、画像データを振り分ける機能を有している。
【0015】
画像データサイズ抽出部13は、画像データサイズ変換部12が読み出した画像データのサイズ情報を取得して、印刷媒体(用紙)サイズ取得部14によって決定されたプリンタ4の印刷可能サイズに、取得した画像データの表示対象サイズを変更するものである。すなわち、画像データの印刷範囲を変更する機能を有している。
【0016】
印刷媒体サイズ取得部14は、画像データサイズ抽出部13が画像データサイズ変換部12を介して抽出した画像データサイズを、プリンタ4の印刷用紙サイズ情報テーブル15からサイズの適合する印刷用紙サイズを選択する。
この印刷媒体サイズ取得部14は、用紙サイズに設定されている印刷可能サイズを印刷用紙サイズ情報テーブル15から取得して、図3の画像データを図4のように変更して送信制御部16に送る。
【0017】
用紙に画像データが印刷される状態について説明すると、図9は画像データを縮小してしまう例であり、図10は縮小しない本実施例の場合のものを示している。
すなわち、図9(a)は、画像データの用紙サイズを平面座標として表しており、座標中8−1−Aと8−1−Bの2点から画像データの画像全体サイズを表しており、また、8−1−Cと8−1−Dの2点から画像データの表示対象サイズを表している。
図9(a)の場合、画像データの画像全体サイズは、[0 0 595 842]であり画像データの表示対象サイズは[2 3 593 840]となる。ここでの数値はポイントを単位としており1ポイントは1/72インチに設定している。
図9(b)は、画像データの画像全体サイズに応じた用紙のサイズを平面座標として表しており、座標中8−2−Aと8−2−Bの2点から用紙サイズを表し、8−2−Eと8−2−Fの2点から印刷可能サイズを表している。この図9(b)の場合、用紙サイズは[0 0 595 842]であり、印刷可能サイズは[16 16 589 826]となる。
図9(a)の画像データの表示対象サイズが[2 3 593 842]で、図9(b)のプリンタの印刷可能サイズの[16 16 589 826]よりも大きな領域であるため、このまま印刷を行ってしまうと図9(a)の画像データの表示対象領域を図9(b)のプリンタの印刷可能サイズに縮小して印刷されてしまうことになる。
本実施例の場合、図10(a)に示すように、画像データの表示対象サイズを9−1−Cと9−1−Dの2点の座標から、クロップ機能によって、9−1−Eと9−1−Fの2点の座標に置き換える(サイズ差をトリミングする)ことにより、図10(b)に示すプリンタの印刷可能領域へ画像データの表示対象領域を縮小することなく印刷することが出来る。
【0018】
印刷媒体サイズ情報テーブル15は、図5の概念図で示すように、RAM内にデータとして格納されており、用紙の大きさ(例えば上から小さい順に配置)毎に「用紙サイズ」と「印刷可能サイズ」を関係付けて対応表を構成し、各サイズを図9及び図10に示す、「用紙サイズ」「印刷可能サイズ」を座標軸(横方向X軸、縦方向Y軸)に置き換えて、座標内に収まる画像データをポイント数として関係付けている。すなわち、用紙サイズを、例えば小さい順にB5、A4又はB4といった用紙の大きさに設定すると、印刷可能サイズが各用紙の余白の内側で印刷ができる範囲は、用紙(各サイズ共通)の左下端を中心点(基準点)に「00」と設定し、順次右及び上に向う程ポイント数が増し、用紙(例えばA4サイズの場合)であれば右上端が最大値(595、842)となるように数値を図表で表している。
これらの規制は、図3の画像データ構成例中のデータ項目「<</CropBox[23 593 840]/Parent40R/Contents130R/Rotate0/MediaBox[00 595 842]/Resources<<>>/Type/Page>>」によって決められる。これらの項目中「/CropBox」がクロップ機能として印刷可能サイズを規定するキーワードとなり、「/MediaBox」が用紙サイズを規定するキーワードとなる。
【0019】
送信制御部16は、画像データ蓄積部11に蓄えられた、サイズ変更を必要とする画像データの場合及びサイズ変更を必要としない画像データ何れの場合においてもプリンタ4に送信する。サイズ変更を必要とする場合には、画像データサイズ変換部12から指示を受け、サイズ変更を必要としない場合には、画像データ蓄積部11から直接画像データを取得しプリンタ4に送信する。
【0020】
次に、実施例1の情報処理装置の動作を説明する。
情報処理装置において、利用者が印刷処理の操作を開始すると、CPU5は画像データ蓄積部11内の画像データのサイズ変更が必要か否かを判断するために、画像データサイズ変換部12に対し、画像データ蓄積部11から画像データの読み込みを指示する。これに伴い画像データサイズ変換部12は、図6のフローチャートに従って印刷処理の動作がなされる。
【0021】
(S501)
画像データサイズ変換部12は、画像データ蓄積部11から画像データの読込みを行う。
(S502)
次いで、画像データサイズ変換部12は、読み込んだ画像データの中に、図3に示すサイズ変更の判断基準である「%%Dot Pattern Print」6キーワードの有無を調べる。画像データサイズ変換部12が画像データ中に「%%Dot Pattern Print」6が無いと判断すれば、読み込んだ画像データは、例えば、B5やA4の用紙サイズの余白内側に収まるためサイズ変更必要無しとして、画像データ蓄積部11からの画像データを送信制御部16を通じ、プリンタ4にデータ送信が行われる。
(S503)
一方、画像データ蓄積部11から画像データサイズ変換部12が読み込んだ画像データ中に、「%%Dot Pattern Print」6が有ると判断した場合、すなわち、読み込んだ画像データは、例えば、B5やA4の用紙サイズの余白内側に収まりきれずサイズ変更が必要な場合には、CPU5はサイズ変更が必要と判断して、画像データサイズ抽出部13に対して印刷媒体サイズ情報テーブル15から最適な印刷可能サイズの抽出処理の指示をする。画像データサイズ抽出部13は指示を受けて抽出実行する。
【0022】
次に、画像データサイズ抽出処理について、図7のフローチャートを基に説明する。
CPU5は、画像データサイズ抽出部13に対して印刷すべき画像データと用紙との整合性を判断するために画像データサイズ抽出部13に対して抽出を指示する。
【0023】
(S601)
画像データサイズ抽出部は、画像データ蓄積部11から画像データの読み込みを行う。この時の画像データは、図3に示すPDFファイル形式の画像データを例に処理する。
【0024】
(S602)
画像データサイズ抽出部13は、画像データ蓄積部11内の画像データを読み込んだ結果、画像データ蓄積部11内に、画像データの蓄積が有るか否か判定する。無ければ処理を終了し、有れば、読み出した画像データのサイズ判定を行う(S603)。
【0025】
(S603)
画像データサイズ抽出部13は、画像データ中に「/MediaBox」をキーワードとするデータを含んでいるかどうかを検出する。「/MediaBox」のキーワードを検出できないときは、次の画像データを読み込むためにS601に戻る。一方、「/MediaBox」のキーワードを検出できたときは、S604に移行する。
【0026】
(S604)
画像データ蓄積部11から検出された画像データ(PDFデータ)の「/MediaBox」キーワードの設定情報を取得する。図3の場合、「/MediaBox」の設定情報として[0 0 595 842]を取得する。
【0027】
(S605)
画像データサイズ抽出部13は、S604で取得した設定情報を画像データの画像全体サイズとして図8の印刷サイズ取得処理、すなわち、印刷可能サイズの取得も並行して実行する。
【0028】
(S606)
画像データの表示対象サイズとして「/CropBox」キーワードで定義された設定情報に置き換える。画像データが図3の場合では「/CropBox」の設定情報は[2 3 593 840]と規制されているが、この情報を[16 16 589 826]に置き換える。図4に、画像データの表示対象サイズを置き換えた後の画像データを示している。
【0029】
そして、印刷可能サイズの抽出処理について図8のフローチャートを基に説明する。
CPU5は、印刷媒体サイズ取得部14に対してサイズ情報テーブル15の参照ポインタの初期化を指示する。
【0030】
(S701)
印刷媒体サイズ取得部14はCPU5の指示をうけて、サイズ情報テーブルの初期化を実行する。

【0031】
(S702)
印刷媒体サイズ取得部14はサイズ情報テーブル15から印刷媒体サイズを取得する。
【0032】
(S703)
画像データサイズ抽出部13は、S604で画像データ蓄積部11から取得した画像データの画像全体サイズと印刷媒体サイズ取得部14がサイズ情報テーブル15から取得したサイズ情報との比較判定を行う。サイズが一致していない場合にはS704にてサイズ情報テーブル15の参照ポイントを更新し、S705でサイズ情報テーブル15が終了するまでS702に戻り比較を継続する。
【0033】
(S704)
サイズ情報テーブル15内のサイズが一致しない場合、CPU5はテーブル参照ポイントを更新する。
【0034】
(S705)
画像データサイズ抽出部13は、テーブル参照ポイントを更新されるとサイズ情報テーブル15が終了するまで比較を継続する。
【0035】
(S706)
印刷媒体サイズ及び印刷可能サイズが一致していると印刷媒体サイズ取得部14が判断した場合、サイズ情報テーブル15から該当する印刷可能サイズを取得して処理を終了する。S604にて取得された画像データの画像全体サイズが[0 0 595 842]であった場合、印刷可能サイズとしては[16 16 589 826]を取得することになる。これにより、画像データの表示対象領域を縮小することなく印刷可能サイズを取得して印刷することが出来る。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の情報処理装置における実施例2について説明する。なお、実施例1と同じ部分については同符号を付して説明する。
実施例2ではPC2内のCPU5の機能をプリンタ4のコントローラ部103に設けた場合について説明する。ここでのプリンタは電子写真式プリンタを使用する。
【0037】
情報処理装置1は、図2に示すように、PC2と、このPC2にLAN等のネットワーク3を介して接続されたプリンタ4を有している。利用者がPC2を操作するとシステムプログラムに基づいてシステムが動作し、各アプリケーションプログラムに従って画像データの作成、編集、印刷処理を行うことができる。印刷すべき画像データは、利用者がPC2の入力部から処理対象とする画像データの「印刷」を指定すると、プリンタドライバプログラムにしたがって、ネットワーク3を介してプリンタ4に送信され所定の印刷が実行できる。
【0038】
プリンタ4は上位装置であるPC2から送信されてくる画像データを受信し、受信した印刷データの解析、編集からプリントイメージデータの作成までを行うコントローラ部103とこのコントローラ部103によって生成されたプリントイメージデータを印刷用紙に印刷するためのエンジン部1011から構成されている。
【0039】
コントローラ部103は、受信バッファ1013と受信処理部104からなる画像データ蓄積部102と、編集処理部105と、画像データの出力変更が必要か否かの判断をする画像データサイズ変換部106と、画像データサイズ抽出部107と、印刷媒体サイズ取得部108と、印刷媒体サイズ情報テーブル1016と、展開処理部109及びプリンタエンジン制御部1010からなる。
【0040】
画像データ蓄積部102は、受信バッファ1013と受信処理部104からなり、PC2の図示しない入力部から利用者が作成した画像データを印刷処理する前段階において、画像データを一旦記憶保存しておくための記憶媒体である。
【0041】
編集処理部105は、受信バッファ1013に格納されている印刷データを順次読み出し、受信したデータの解析を行う。この編集処理部105は、画像データを展開処理部109によって処理するために印刷中間データに加工し、ディスプレイリストバッファに1014に印刷中間データを格納する。
【0042】
画像データサイズ変換部106は、画像データ蓄積部102に蓄積保存されている印刷処理すべき画像データを取得し、図3に示す画像データを読み取って、その画像データ内にサイズ変更を必要とするか否かの判定基準となる「%%Dot Pattern Print」を検出する。その検出によって、サイズ変更が必要である場合には、画像データサイズ抽出部107を介して画像データのサイズ変更を行う。サイズ変更が必要ではない場合には、画像データサイズ変換部106は画像データを展開処理部109に送る。
【0043】
画像データサイズ抽出部107は、画像データサイズ変換部106が読み出した画像データのサイズ情報を取得して、印刷媒体(用紙)サイズ取得部108によって決定されたプリンタの印刷可能サイズに、画像データの表示対象サイズを変更するものである。
【0044】
印刷媒体サイズ取得部108は、画像データサイズ抽出部107が画像データサイズ変換部106を介して抽出した画像データサイズによりプリンタの印刷用紙サイズ情報テーブル1016からサイズの等しい印刷用紙サイズを選択し、その用紙サイズに設定されている印刷可能サイズを取得する。
【0045】
印刷媒体サイズ情報テーブル1016は、図5の概念図で示すように、RAM内に格納されており、用紙の大きさ(例えば上から小さい順に配置)毎に「用紙サイズ」と「印刷可能サイズ」を関係付けて対応表を構成し、各サイズを図9及び図10に示す、「用紙サイズ」「印刷可能サイズ」を座標軸(横方向X軸、縦方向Y軸)に置き換えて、座標内に収まる画像データをポイント数として関係付けている。すなわち、用紙サイズを、例えば小さい順にB5、A4又はB4といった用紙の大きさに設定すると、印刷可能サイズが各用紙の余白の内側の印刷できる範囲は、用紙(各サイズ共通)の左下端を中心点(基準点)「00」とし、順次右と上に向う程ポイント数が増し、用紙(例えばA4サイズの場合)の右上端が最大値(595、842)となるように数値を図表で表している。
【0046】
展開処理部109は、編集処理部105によって格納された印刷中間データをディスプレイリストバッファに1014から順次読み出し、プリンタイメージデータを生成しプリンタイメージデータバッファ1015に順次格納する。
【0047】
エンジン制御部1010は展開処理部109によって格納されたプリンタイメージデータをプリンタイメージデータバッファ1015から順次読み出し、エンジン部に対し印刷指示を行うものである。
エンジン部1011はエンジン制御部1010から送られてくるプリンタイメージデータを出力媒体に印刷する。
給紙トレイ1012は、エンジン部1011によって印刷に使用するための印刷媒体を格納しておく。
【0048】
次に、実施例2の情報処理装置の動作を説明する。
情報処理装置において利用者が印刷処理の操作を開始すると、プリンタ4のコントローラ部103は、画像データ蓄積部102内の画像データのサイズ変更が必要か否かを判断するために、画像データサイズ変換部106に対し、画像データ蓄積部102から画像データの読み込みを指示する。これに伴い画像データサイズ変換部106は、図12のフローチャートに従って印刷編集処理の動作がなされる。
【0049】
(S111)
画像データサイズ変換部106は、画像データ蓄積部102から画像データの読込みを行う。
【0050】
(S112)
次いで、画像データサイズ変換部106は、読み込んだ画像データの中に、図3に示すサイズ変更の判断基準である「%%Dot Pattern Print」6の有無を判定する。画像データサイズ変換部106が画像データ中に「%%Dot Pattern Print」6が無いと判断すれば、読み込んだ画像データは、例えば、B5やA4の用紙サイズの余白内側に収まるためサイズ変更必要無しとして、編集処理部105からの画像データを展開処理部109を通じ、エンジン部1011にデータを送る(S114)(S115)。
【0051】
(S113)
一方、画像データ蓄積部102から画像データサイズ変換部106が読み込んだ画像データ中に「%%Dot Pattern Print」6が有ると判断した場合、すなわち読み込んだ画像データは、例えば、B5やA4の用紙サイズの余白内側に収まりきれずサイズ変更が必要な場合には、コントローラ部103はサイズ変更が必要と判断して、画像データ抽出部に対して抽出処理の指示をする。画像データサイズ抽出部107は指示を受けて抽出実行する。
【0052】
次に、画像データサイズ抽出処理について、図13のフローチャートを基に説明する。
コントローラ部103は、画像データサイズ抽出部107に対して印刷すべき画像データと用紙との整合性を判断するために画像データサイズ抽出部107に対して抽出を指示する。
【0053】
(S131)
画像データサイズ抽出部107は、画像データ蓄積部102から画像データの読み込みを行う。この時の画像データは、図3に示すPDFファイル形式の画像データを例に処理する。
【0054】
(S132)
画像データサイズ抽出部107は、画像データ蓄積部102内の画像データを読み込んだ結果、画像データ蓄積部102内に、画像データの蓄積が有るか否か判定する。無ければ処理を終了し、有れば、読み出した画像データのサイズ判定を行う(S133)。
【0055】
(S133)
画像データサイズ抽出部107は、画像データ中に「/MediaBox」をキーワードとするデータを含んでいるかどうかを検出する。「/MediaBox」のキーワードを検出できないときは、次の画像データを読み込むためにS601に戻る。一方、「/MediaBox」のキーワードを検出できたときは、S134に移行する。
【0056】
(S134)
画像データ蓄積部102から検出された画像データ(PDFデータ)の「/MediaBox」キーワードの設定情報を取得する。図3の場合、「/MediaBox」の設定情報として[0 0 595 842]を取得する。
【0057】
(S135)
画像データサイズ抽出部107は、S604で取得した設定情報を画像データの画像全体サイズとして図8の印刷サイズ取得処理、すなわち、印刷可能サイズの取得も並行して実行する。
【0058】
(S136)
画像データの表示対象サイズとして「/CropBox」キーワードで定義された設定情報に置き換える。画像データが図3の場合では「/CropBox」の設定情報は[2 3 593 840]と規制されているが、この情報を[16 16 589 826]に置き換える。図4に画像データの表示対象サイズの置き換えた後の画像データを示している。
【0059】
そして、印刷可能サイズの抽出処理について図14のフローチャートを基に説明する。
コントローラ部103は、印刷媒体サイズ取得部108に対してサイズ情報テーブル1016の参照ポイントのサイズ情報テーブル1016の初期化を指示する。
【0060】
(S141)
印刷媒体サイズ取得部108はコントローラ部103の指示をうけて、サイズ情報テーブル1016の初期化を実行する。
【0061】
(S142)
印刷媒体サイズ取得部108はサイズ情報テーブル1016から印刷媒体サイズを取得する。
【0062】
(S143)
画像データサイズ抽出部107は、S134で画像データ蓄積部から取得した画像データの画像全体サイズと印刷媒体サイズ取得部108がサイズ情報テーブル1016から取得したサイズ情報との比較判定を行う。サイズが一致していない場合にはS144にてサイズ情報テーブルの参照ポイントを更新し、S145でサイズ情報テーブル1016が終了するまでS702に戻り比較を継続する。
【0063】
(S144)
画像データサイズ抽出部107は、サイズが一致しない場合、テーブル参照ポイントを更新する。
【0064】
(S145)
画像データサイズ抽出部107は、テーブル参照ポイントを更新されるとサイズ情報テーブル1016が終了するまで比較を継続する。
【0065】
(S146)
画像データサイズ抽出部107は、サイズが一致していると判断した場合、サイズ情報テーブル1016から該当する印刷可能サイズを取得して処理を終了する。S144にて取得された画像データの画像全体サイズが[0 0 595 842]であった場合、印刷可能サイズとしては[16 16 589 826]取得することになる。
図9(a)は、画像データの用紙サイズを平面座標として表しており、座標中8−1−Aと8−1−Bの2点から画像データの画像全体サイズを表しており、8−1−Cと8−1−Dの2点から画像データの表示対象サイズを表している。
図9(a)の場合、画像データの画像全体サイズは、[0 0 595 842]であり画像データの表示対象サイズは[2 3 593 840]となる。ここでの数値はポイントを単位としており1ポイントは1/72インチに設定している。
図9(b)は、画像データの画像全体サイズに応じた用紙のサイズを平面座標として表しており、座標中8−2−Aと8−2−Bの2点から用紙サイズを表し、8−2−Eと8−2−Fの2点から印刷可能サイズを表している。この図9(b)の場合、用紙サイズは[0 0 595 842]であり、印刷可能サイズは[16 16 589 826]となる。
図9(a)の画像データの表示対象サイズが[2 3 593 842]で、図9(b)のプリンタの印刷可能サイズの[16 16 589 826]よりも大きな領域であるため、このまま印刷を行ってしまうと図9(a)の画像データの表示対象領域を図9(b)のプリンタの印刷可能サイズに縮小して印刷してしまうことになる。
本実施例の場合も、図10(a)に示すように、画像データの表示対象サイズを9−1−Cと9−1−Dの2点の座標から、クロップ機能によって、9−1−Eと9−1−Fの2点の座標に置き換えることにより、図10(b)に示すプリンタの印刷可能領域へ画像データの表示対象領域を縮小することなく印刷することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の情報処理装置について上記実施例においては画像形成部をプリンタに適用したが、これに限らず複写機又はMFPに適用してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 情報処理装置
2 パーソナルコンピュータ
3 ネットワーク
4 プリンタ
11 画像データ蓄積部
12 画像データサイズ変換部
13 画像データサイズ抽出部
14 印刷媒体サイズ取得部
15 印刷媒体サイズ情報テーブル
16 送信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成手段に画像データを出力する情報処理装置において、
前記画像データの画像全体サイズを画像データ蓄積部から抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した画像データに適応させる記録媒体サイズと記録媒体の印刷可能領域とを対応付けて格納する格納部と、
前記抽出部で抽出された前記画像全体サイズに基づいて前記格納部から記録媒体サイズを選択して印刷可能領域を取得する取得部と、
前記取得部で取得された印刷可能領域により画像データの表示対象領域を決定して画像データを変更して印刷処理する制御部を備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、取得した印刷可能領域により決定された領域によって画像データの表示対象領域を変更することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、取得した印刷可能領域により決定された領域によって新たに画像データの表示対象領域を追加することを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記抽出部は、変更した画像データを印刷する際、原画像データの中央が一致する配置に設定することを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記抽出部は、変更した画像データを印刷する際、原画像データの左下に一致する配置に設定することを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−81532(P2011−81532A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232213(P2009−232213)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】