説明

情報出力システム

【課題】個々のユーザに対応した内容の情報を出力することができる、情報出力システムを提供すること。
【解決手段】情報出力システム1は、ユーザに情報を出力する情報出力装置3を備える情報出力システム1であって、情報出力装置3は、ユーザが保持する情報であって、情報出力装置3において出力すべき情報を当該情報出力装置3側で決定するための出力内容特定情報を撮影するカメラ31と、カメラ31によって撮影された出力内容特定情報に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する出力内容決定部33aと、出力内容決定部33aにて出力すべきものとして決定された内容の情報出力する出力部30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、美術館や博物館等の展示施設、あるいは商品の展示や販売等を行なう商業施設において、展示物や商品等に関する音声情報や映像情報をユーザに提供する展示物ガイドシステムが用いられている(例えば、特許文献1)。この展示物ガイドシステムは、メインコンテンツである映像情報を再生すると共に、映像情報の再生に同期させてサブコンテンツである音声情報をユーザに配信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−25998号公報(段落「0037」)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の如き従来のシステムにおいては、全てのユーザに対して同じ内容の情報が同じ形態で出力されていた。従って、個々のユーザの属性や興味に応じて異なる内容や異なる形態で情報を出力することはできず、ユーザが求める情報を適切な内容で出力することができなかった。
【0005】
例えば、ユーザが興味を持つ内容や理解できる内容は、当該ユーザが大人又は子供の何れであるか、あるいは専門家又は一般人の何れであるか等のユーザの個人属性によって異なる。しかし、上述の如き従来のシステムにおいては、全てのユーザに対して同じ内容の情報が同じ形態で出力されていたため、ユーザによってはその出力内容を読む機会を失う可能性があった。
【0006】
また、ユーザが読み取り可能な文字の大きさは当該ユーザと情報の出力手段との距離に応じて異なる。しかし、従来のシステムにおいては、全てのユーザに対して同じ内容の情報が同じ形態で出力されていたため、出力手段から離れた位置のユーザは詳細な情報の細かな文字を読むことができず、その出力内容を読む機会を失う可能性があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、個々のユーザに対応した内容の情報を出力することができる、情報出力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の情報出力システムは、ユーザに情報を出力する情報出力装置を備える情報出力システムであって、前記情報出力装置は、ユーザが保持する情報であって、前記情報出力装置において出力すべき情報を当該情報出力装置側で決定するための出力内容特定情報を撮影する撮影手段と、前記撮影手段によって撮影された出力内容特定情報に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する出力内容決定手段と、前記出力内容決定手段にて出力すべきものとして決定された内容の情報出力する出力手段と、を備える。
【0009】
また、請求項2に記載の情報出力システムは、請求項1に記載の情報出力システムにおいて、前記出力内容特定情報をユーザが保持するための端末装置を備え、前記端末装置は、前記出力内容特定情報を格納する出力内容特定情報格納手段と、前記出力内容特定情報格納手段から取得した出力内容特定情報を前記撮影手段にて撮影可能な2次元コードとして表示する表示手段と、を備え、前記情報出力装置は、前記撮影手段によって撮影された2次元コードを出力内容特定情報に復号する復号手段を備え、前記出力内容決定手段は、前記復号手段にて復号された出力内容特定情報に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する。
【0010】
また、請求項3に記載の情報出力システムは、請求項1又は2に記載の情報出力システムにおいて、前記出力内容特定情報は、前記ユーザの属性を特定するための属性特定情報であり、前記出力内容決定手段は、前記撮影手段によって撮影された属性特定情報に基づいて、前記ユーザの属性を特定し、当該特定した属性に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する。
【0011】
また、請求項4に記載の情報出力システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報出力システムにおいて、前記情報出力装置は、前記ユーザと前記出力手段との間の距離を特定する距離特定手段を備え、前記出力内容決定手段は、前記距離特定手段が特定した距離に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する。
【0012】
また、請求項5に記載の情報出力システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報出力システムにおいて、前記情報出力装置は、前記出力手段の出力範囲におけるユーザの滞留時間を特定する滞留時間特定手段を備え、前記出力内容決定手段は、前記滞留時間特定手段が特定した滞留時間に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する。
【0013】
また、請求項6に記載の情報出力システムは、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報出力システムにおいて、前記情報出力装置は、前記情報出力装置において出力すべき情報として、出力態様又は出力量の少なくとも一方が相互に異なる複数種類の情報を格納する複数情報格納手段を備え、前記出力内容決定手段は、前記複数情報格納手段にて格納された複数種類の情報の中から、出力すべき情報の種類を特定することにより、出力すべき情報の内容を決定する。
【0014】
また、請求項7に記載の情報出力システムは、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報出力システムにおいて、前記情報出力装置は、前記ユーザに対して情報を提供する情報提供者への通信先を特定する通信先特定情報を格納する通信先特定情報格納手段と、前記通信先特定情報を用いて前記情報提供者と通信する通信手段と、を備え、前記出力内容決定手段は、前記出力すべき内容の決定を行う際に、前記通信先特定情報格納手段にて格納された通信先特定情報を用いて前記通信手段による通信を行う。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の情報出力システムによれば、ユーザが保持している情報であって、情報出力システムにおいて出力すべき情報を決定するための出力内容特定情報を、カメラによって撮影し、当該撮影した出力内容特定情報に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する。これにより、個々のユーザに対応した適切な内容の情報を出力することができる。
【0016】
また、請求項2に記載の情報出力システムによれば、出力内容特定情報としてカメラにて撮影可能な2次元コードを用いるので、出力内容特定情報の端末装置による表示やカメラによる読取が容易となる。
【0017】
また、請求項3に記載の情報出力システムによれば、カメラによって撮影された出力内容特定情報により特定される属性特定情報に基づいてユーザの属性を特定し、当該特定した属性に基づいて出力すべき情報の内容を決定するので、ユーザが興味を持つ内容や、理解できる内容の情報を出力することができる。
【0018】
また、請求項4に記載の情報出力システムによれば、ユーザと出力部との間の距離に基づいて、出力すべき情報の内容を決定するので、当該ユーザの位置に応じて読み取り可能な情報を提供することができる。
【0019】
また、請求項5に記載の情報出力システムによれば、出力部の出力範囲におけるユーザの滞留時間に基づいて、出力すべき情報の内容を決定するので、出力部に出力された情報に対するユーザの興味に応じた内容の情報を出力することができる。
【0020】
また、請求項6に記載の情報出力システムによれば、複数情報DBに格納された複数種類の情報の中から、出力すべき情報の種類を特定するので、ユーザに対応した態様や出力量で情報を出力することができる。
【0021】
また、請求項7に記載の情報出力システムによれば、通信先特定情報を用いて通信を行うので、ユーザに対して、当該ユーザに対応した担当者との間で直接コンタクトを取る機会を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】情報出力システムを適用した展示エリアの斜視図である。
【図2】実施の形態に係る情報出力システムを例示するブロック図である。
【図3】個人属性DBに格納されている情報の内容を例示した表である。
【図4】担当者DBに格納されている情報の内容を例示した表である。
【図5】認識履歴DBに格納されている情報の内容を例示した表である。
【図6】第1出力内容決定処理を示したフローチャートである。
【図7】第2出力内容決定処理を示したフローチャートである。
【図8】第2出力内容決定処理における出力部の表示を概念的に示した図であり、図8(a)は子供向け情報が表示されている場合を示す図、図8(b)は大人向け情報が表示されている場合を示す図である。
【図9】第3出力内容決定処理を示したフローチャートである。
【図10】第3出力内容決定処理における出力部の表示を概念的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る情報出力システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態に係る情報出力システムは、美術館や博物館等の展示施設、あるいは商品の展示や販売等を行なう商業施設における、展示物や商品に関する任意の情報出力に適用可能なシステムである。
【0025】
実施の形態に係る情報出力システムの特徴の一つは、ユーザが保持している情報であって、情報出力システムにおいて出力すべき情報を決定するための出力内容特定情報を、撮影手段によって撮影し、当該撮影した出力内容特定情報に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する点にある。これにより、個々のユーザに対応した適切な内容の情報を出力することが出来る。
【0026】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。図1は情報出力システムを適用した展示エリアの斜視図である。図1に示すように、以下では情報出力システム1が展示エリア9に設置された場合を例として説明する。
【0027】
(構成)
図2は、実施の形態に係る情報出力システム1を例示するブロック図である。図2に示すように、この情報出力システム1は、端末装置2、情報出力装置3、及び担当者端末4を備えている。また、情報出力装置3と担当者端末4とは、電話網やインターネット等のネットワーク5を介して通信可能に接続して構成されている。
【0028】
(構成−端末装置)
端末装置2は、情報出力装置3において出力すべき情報を当該情報出力装置3側で決定するための出力内容特定情報22aをユーザが保持するためのものであり、操作部20、表示部21、及びデータ記録部22を備えている。この端末装置2としては、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の公知の携帯情報端末を用いることができる。
【0029】
(構成−端末装置−操作部)
操作部20は、端末装置2を操作するための操作手段であり、例えばキーボードやタッチパネル等の公知の操作手段を用いることができる。特に、データ記録部22に格納されている複数の出力内容特定情報22aから任意の情報を選択し、表示部21に表示させるための操作入力を受け付けることができる。
【0030】
(構成−端末装置−表示部)
表示部21は、データ記録部22から取得した出力内容特定情報22aを後述するカメラ31にて撮影可能な2次元コードとして表示する表示手段であり、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の公知の表示手段を用いることができる。
【0031】
(構成−端末装置−データ記録部)
データ記録部22は、端末装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記録手段であり、出力内容特定情報22aを格納する出力内容特定情報格納手段である。このデータ記録部22は、例えば、端末装置2がユーザに携帯可能に構成されている場合には、フラッシュメモリ等の小型軽量で不揮発性の記録媒体を用いて構成されるが、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0032】
データ記録部22に記録される出力内容特定情報22aの具体的な内容は任意で、例えば、ユーザを一意に識別するための識別情報(例えば「001」「002」等のID番号)や、ユーザの属性を特定するための属性特定情報(例えば「大人」「子供」「専門家」等)を出力内容情報とすることができる。また、データ記録部22に記録される出力内容特定情報22aのデータ形式は任意であり、例えばテキストデータとして記録してもよい。この場合、テキストデータとして記録された出力内容特定情報22aを2次元コードに暗号化するための暗号化部をさらに設ける。あるいはマトリックス式やスタック式の2次元コードの画像情報として記録してもよい。また、複数の出力内容特定情報22aをデータ記録部22に記録し、操作部20を介した入力操作により選択された出力内容特定情報22aを表示部21に表示させるようにしてもよい。
【0033】
(構成−情報出力装置)
情報出力装置3は、ユーザに情報を出力するためのものである。この情報出力装置3は、出力部30、カメラ31、通信部32、処理部33、及びデータ記録部34を備えている。
【0034】
(構成−情報出力装置−出力部)
出力部30は、処理部33にて出力すべきものとして決定された内容の情報を出力する出力手段である。この出力部30の具体的な構成は任意であり、例えば映像情報を出力する液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の公知の表示手段や、音声情報を出力するスピーカ等の公知の音響出力手段を用いることができる。以下では、少なくとも出力部30として表示手段を備えている場合を例として説明する。
【0035】
(構成−情報出力装置−カメラ)
カメラ31は、ユーザが保持する出力内容特定情報22aを撮影するための撮影手段であり、出力部30に隣接して配置されている。このカメラ31としては、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像素子を用いた公知の撮影手段を用いることができる。このカメラ31によって撮影された画像データは、処理部33に出力される。
【0036】
(構成−情報出力装置−通信部)
通信部32は、情報出力装置3がネットワーク5を介した通信を行なうための通信制御手段であり、例えば電話端末やネットワークボードとして構成されている。
【0037】
(構成−情報出力装置−処理部)
処理部33は、情報出力システム1に関する計算処理を行う処理手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
【0038】
この処理部33は、機能概念的に、出力内容決定部33a、復号部33b、距離特定部33c、及び滞留時間特定部33dを備えている。出力内容決定部33aは、情報出力装置3において出力すべき情報の内容を決定する出力内容決定手段である。復号部33bは、カメラ31によって撮影された2次元コードを出力内容特定情報22aに復号する復号手段である。距離特定部33cは、ユーザと出力部30との間の距離を特定する距離特定手段である。滞留時間特定部33dは、出力部30の出力範囲におけるユーザの滞留時間を特定する滞留時間特定手段である。これらの処理部33の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0039】
(構成−情報出力装置−データ記録部)
データ記録部34は、個人属性データベース(以下、データベースを「DB」と称する)34a、担当者DB34b、認識履歴DB34c、及び複数情報DB34dを格納している。このデータ記録部34は、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0040】
個人属性DB34aは、ユーザを一意に識別する識別情報と、当該ユーザの属性を特定するための属性特定情報とを、相互に関連付けて格納する。図3は、個人属性DB34aに格納されている情報の内容を例示した表である。図3に示すように、個人属性DB34aは、DB項目として「2DコードID」及び「個人属性」を備え、これらの項目に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。項目「2DコードID]に対応して格納される情報は、ユーザを一意に識別するための識別情報である(図3では「001」「002」等)。項目「個人属性」に対応して格納される情報は、ユーザの属性を特定するための属性特定情報である。例えば、図3の例では、展示物や商品に関して特段の専門知識を持つユーザについては「専門家」、それ以外の成人については「大人」、子供については「子供」が属性特定情報として格納される。
【0041】
担当者DB34bは、ユーザの属性特定情報と、通信先特定情報とを、相互に関連付けて格納する通信先特定情報格納手段である。図4は、担当者DB34bに格納されている情報の内容を例示した表である。図4に示すように、担当者DB34bは、DB項目として「個人属性」「担当者」「担当者連絡先番号」を備え、これらの項目に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。この内、項目「担当者」に対応して格納される情報は、ユーザに対して展示物や商品等に関する情報を提供する情報提供者としての担当者を特定する情報であり、例えば個人属性が「子供」や「大人」のユーザに対しては通常の説明を行なう担当者を示す「通常説明員」が格納され、個人属性が「専門家」のユーザに対しては専門的な説明を行なう担当者を示す「社内エキスパート」が格納される。項目「担当者連絡先番号」に対応して格納される情報は、ユーザに対して情報を提供する情報提供者としての担当者への通信先を特定する通信先特定情報であり、例えば図4に示すように、各担当者の電話番号(図4では「03−0000−0001」等)が格納される。
【0042】
認識履歴DB34cは、ユーザが保持する出力内容特定情報22aがカメラ31によって認識された時刻と、当該カメラ31によって認識された出力内容特定情報22aとを、相互に関連付けて格納する認識履歴情報格納手段である。図5は、認識履歴DB34cに格納されている情報の内容を例示した表である。図5に示すように、認識履歴DB34cは、DB項目として「認識時刻」「2DコードID」を備え、これらに対応する情報が相互に関連付けて格納されている。この内、項目「認識時刻」に対応して格納される情報は、ユーザが保持する出力内容特定情報22aがカメラ31によって認識された時刻を特定する時刻情報であり、例えば年、月、日、時、及び分を特定する情報が格納される(図4では「2009年4月1日13:00」等)。
【0043】
複数情報DB34dは、情報出力装置3において出力すべき情報として、出力態様又は出力量の少なくとも一方が相互に異なる複数種類の情報を格納する複数情報格納手段である。この複数情報DB34dは、例えば「詳細情報」と「概要情報」、及び又は「大人向け情報」と「子供向け情報」を格納している。この内、「詳細情報」は例えばフォントの小さい文字を多用し出力量の多い詳細な情報であり、「概要情報」はフォントの大きい文字や画像を多用し出力量が少ない概要的な情報である。また、「大人向け情報」はフォントを小さくし漢字も多用した大人が興味を持つような情報であり、「子供向け情報」はフォントを大きくしひらがなを多用すると共に、イラストや写真を多用することで子供に理解しやすくした情報である。
【0044】
(構成−担当者端末)
担当者端末4は、ユーザに対して情報を提供する情報提供者としての担当者が情報出力装置3との間で通信を行うための端末であり、例えば公知の電話端末やPCを用いることができる。以下では、担当者端末4と情報出力システム1との間で公知のテレビ電話による通信が可能な場合を例として説明する。
【0045】
(処理)
次に、この様に構成される情報出力システム1によって実行される処理について説明する。情報出力システム1が実行する処理は、第1出力内容決定処理、第2出力内容決定処理、及び第3出力内容決定処理に大別される。以下、これらの各処理について説明する。ここで、各処理が開始される前提として、端末装置2の表示部21には、データ記録部22に記録された複数の出力内容特定情報22aの中から任意の方法で選択された一つの出力内容特定情報22aが表示されているものとする。ユーザは、この端末装置2を、例えば、表示部21が情報出力装置3にて撮像可能となるような向きで、首にぶら下げたり手で持ったりしつつ、情報出力装置3に近接する。なお、ユーザは、端末装置2に認識させたい情報に合致した出力内容特定情報22aを操作部20を介して選択して、表示部21に表示させることができる。例えば、「大人」であると共に「専門家」であるユーザの場合、「大人」(専門家ではない)として情報を閲覧等したい場合には、「大人」に対応する識別情報を暗号化して生成された出力内容特定情報22aである2Dコードを選択し、あるいは、「専門家」として情報を閲覧等したい場合には、「専門家」に対応する識別情報を暗号化して生成された出力内容特定情報22aである2Dコードを選択して、表示部21に表示させる。
【0046】
(処理−第1出力内容決定処理)
第1出力内容決定処理は、ユーザと出力部30との間の距離に基づいて、情報出力装置3が出力すべき情報の内容を決定するための処理である。図6は第1出力内容決定処理を示したフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
【0047】
この第1出力内容決定処理は、例えば情報出力システム1への電源投入後に自動的に起動される。第1出力内容決定処理が起動されると、出力内容決定部33aは複数情報DB34dから概要情報を取得し、出力部30に表示させる(SA1)。
【0048】
次に、距離特定部33cは、ユーザが保持する出力内容特定情報22aとしての2次元コードを認識したか否かを判定する(SA2)。例えば、カメラ31によって撮影された画像データを公知の画像解析技術を用いて画像解析し、2次元コードが含まれていた場合に2次元コードを認識したと判定する。
【0049】
その結果、2次元コードを認識したと判定しなかった場合(SA2、No)、距離特定部33cは2次元コードを認識したか否かの判定を繰り返す(SA2)。一方、2次元コードを認識したと判定した場合(SA2、Yes)、距離特定部33cは、ユーザの位置を特定する(SA3)。例えば、ユーザが端末装置2を首から提げており、端末装置2の表示部21に表示された2次元コードの位置はユーザの位置と同視しうること、及びカメラ31の位置と出力部30の位置とが同視しうることを前提として、カメラ31によって撮影された画像データにおける2次元コードの位置に基づいて、出力部30から見たユーザの方向を特定する。さらに、画像データにおける2次元コードの大きさに基づいて、出力部30からユーザまでの距離を特定する。
【0050】
次に、出力内容決定部33aは、SA3で距離特定部33cによって特定されたユーザと出力部30との間の距離が、基準距離α未満か否かを判定する(SA4)。ここで、基準距離αの具体的な値は任意であり、例えば、出力部30に表示された詳細情報の文字をユーザが容易に読み取り可能な距離として設定される。
【0051】
その結果、ユーザと出力部30との間の距離がα未満であった場合(SA4、Yes)、出力内容決定部33aは、出力すべき情報の内容を詳細情報として決定し、複数情報DB34dから取得した詳細情報を出力部30に表示させる(SA5)。これにより、ユーザが詳細情報の文字を読み取り可能な場合には、より多量の情報を出力部30に表示させ、ユーザに提供することができる。その後SA2に戻り、2次元コードを認識したか否かを再度判定する。
【0052】
一方、ユーザと出力部30との間の距離がα以上であった場合(SA4、No)、出力内容決定部33aは、出力すべき情報の内容を概要情報として決定し、SA1に戻り、概要情報を出力部30に表示させる(SA1)。これにより、ユーザと出力部30との距離が離れている場合には、詳細情報と比較して大きい文字や画像を多用した概要情報を出力部30に表示させ、ユーザが読み取り可能な情報を提供することができる。以降、同様にSA1からSA5の処理を所定の周期で繰り返し実行する。
【0053】
(処理−第2出力内容決定処理)
第2出力内容決定処理は、ユーザの個人属性に基づいて、情報出力装置3が出力すべき情報の内容を決定するための処理である。図7は第2出力内容決定処理を示したフローチャートである。
【0054】
この第2出力内容決定処理は、例えば情報出力システム1への電源投入後に自動的に起動される。第2出力内容決定処理が起動されると、出力内容決定部33aは複数情報DB34dから大人向け情報を取得し、出力部30に表示させる(SB1)。
【0055】
次に、出力内容決定部33aは、ユーザが保持する出力内容特定情報22aとしての2次元コードを認識したか否かを判定する(SB2)。その結果、2次元コードを認識したと判定しなかった場合(SB2、No)、出力内容決定部33aは2次元コードを認識したか否かの判定を繰り返す(SB2)。
【0056】
一方、2次元コードを認識したと判定した場合(SB2、Yes)、復号部33bは当該認識された2次元コードを出力内容特定情報22aとしての識別情報に復号し、出力内容決定部33aは、復号部33bによって復号された識別情報に対応する属性特定情報を個人属性DB34aから取得する(SB3)。図3の例では、復号部33bによって復号された識別情報が2DコードID「001」であった場合、対応する属性特定情報として「大人」が取得される。なお、端末装置2の表示部21に属性特定情報が2次元コードとして表示されている場合、当該2次元コードを復号部33bが復号することで属性特定情報を取得することができるので、この場合は個人属性DB34aから属性特定情報を取得することは不要となる。
【0057】
図7に戻り、出力内容決定部33aは、SB3で取得した属性特定情報が「子供」か否かを判定する(SB4)。その結果、属性特定情報が「子供」であった場合(SB4、Yes)、出力内容決定部33aは、出力すべき情報の内容を子供向け情報として決定し、複数情報DB34dから取得した子供向け情報を出力部30に表示させる(SB5)。
【0058】
一方、SB4において属性特定情報が「子供」でなかった場合(SB4、No)、又はSB5の処理の後、出力内容決定部33aは第2出力内容決定処理を終了する。
【0059】
図8は第2出力内容決定処理における出力部30の表示を概念的に示した図であり、図8(a)は子供向け情報が表示されている場合を示す図、図8(b)は大人向け情報が表示されている場合を示す図である。図8(a)に示すように、ユーザが子供であった場合には、イラストや写真が多く、出力される文字の大きさが大きく、ひらがなを多用した子供向け情報が表示される。これにより、ユーザが子供の場合、子供に理解し易い態様や量の情報を当該ユーザに提供することができる。一方、ユーザが子供ではない場合は、図8(b)に示すように、イラスト等が少なく漢字も多用した詳細な情報を当該ユーザに提供することができ、大人が興味を持つような情報を提供することができる。
【0060】
(処理−第3出力内容決定処理)
第3出力内容決定処理は、出力部30の出力範囲におけるユーザの滞留時間に基づいて、情報出力装置3が出力すべき情報の内容を決定するための処理である。図9は第3出力内容決定処理を示したフローチャートである。
【0061】
この第3出力内容決定処理は、例えば情報出力システム1への電源投入後に自動的に起動される。第3出力内容決定処理が起動されると、出力内容決定部33aは複数情報DB34dから例えば詳細情報を取得し、出力部30に表示させる(SC1)。
【0062】
次に、出力内容決定部33aは、ユーザが保持する出力内容特定情報22aとしての2次元コードを認識したか否かを判定する(SC2)。その結果、2次元コードを認識したと判定しなかった場合(SC2、No)、出力内容決定部33aは2次元コードを認識したか否かの判定を繰り返す(SC2)。
【0063】
一方、2次元コードを認識したと判定した場合(SC2、Yes)、復号部33bは当該認識された2次元コードを出力内容特定情報22aとしての識別情報に復号する。滞留時間特定部33dは、復号部33bによって復号された識別情報に対応する時刻情報の内、現在時刻から基準時間β+1分以内の時刻情報を認識履歴DB34cから取得する(SC3)。ここで、基準時間βの具体的な値は任意であるが、例えばユーザが出力部30に出力されている情報に興味を持った場合に出力部30の出力範囲に滞留する最少時間として設定することができる。図5の例では、復号部33bによって復号された識別情報が2DコードID「002」、基準時間βが5分、現在時刻が2009年4月1日13時10分であった場合、2DコードID「002」に対応する「2009年4月1日13:04」以降の時刻情報が取得される。
【0064】
図9に戻り、滞留時間特定部33dは、SC3で取得した時刻情報における最新の時刻情報と現在時刻との差が基準時間γ以上か否かを判定する(SC4)。ここで、基準時間γの具体的な値は任意であり、例えば認識履歴DB34cに情報を格納するための時間間隔であって、当該認識履歴DB34cに格納される情報量が過大とならない時間間隔(例えば1秒)として設定することができる。
【0065】
その結果、SC3で取得した時刻情報における最新の時刻情報と現在時刻との差が基準時間γ以上ではなかった場合(γ未満であった場合)(SC4、No)、認識履歴DB34cに情報を格納するタイミングが到来していないものとし、出力内容決定部33aは2次元コードを認識したか否かを再度判定する(SC2)。
【0066】
一方、SC3で取得した時刻情報における最新の時刻情報と現在時刻との差が基準時間γ以上であった場合(SC4、Yes)、滞留時間特定部33dは、SC3で復号した識別情報と現在時刻に対応する時刻情報とを、相互に関連付けて認識履歴DB34cに格納する(SC5)。
【0067】
続いて、滞留時間特定部33dは、出力部30の出力範囲におけるユーザの滞留時間、すなわちSC3で取得した時刻情報における最初の時刻情報と現在時刻との差が、基準時間βより大きいか否かを判定する(SC6)。図5の例では、取得された最初の時刻情報は「2009年4月1日13:04」であり、現在時刻は2009年4月1日13時10分であるので、その差は6分であり、基準時間βの5分よりも大きいと判定される。
【0068】
図9に戻り、SC6の判定の結果、SC3で取得した時刻情報における最初の時刻情報と現在時刻との差が基準時間βより大きいと判定されなかった場合(β以下と判定された場合)(SC6、No)、ユーザが出力部30の表示内容に興味を持っているか否かは不明として、出力内容決定部33aは2次元コードを認識したか否かを再度判定する(SC2)。
【0069】
一方、SC3で取得した時刻情報における最初の時刻情報と現在時刻との差が基準時間βより大きいと判定された場合(SC6、Yes)、出力内容決定部33aは、SC3で復号部33bによって復号された識別情報に対応する属性特定情報を個人属性DB34aから取得する(SC7)。
【0070】
続いて、出力内容決定部33aは、SC7で取得した属性特定情報に対応する通信先特定情報を取得し(SC8)、当該取得した通信先特定情報にて特定される担当者端末4に、通信部32によって呼び出しを行わせる(SC9)。図3及び図4の例では、SC3で復号部33bによって復号された識別情報が2DコードID「003」であった場合、対応する属性特定情報として「専門家」が取得される。従って、これに対応する通信先特定情報としては、「社内エキスパート」の担当者連絡先番号である「03−0000−0002」が取得される。この場合、通信部32は、当該担当者連絡先番号にて特定される担当者端末4としての電話端末に、電話網を介して呼び出しを行なう。
【0071】
図9に戻り、出力内容決定部33aは、SC9で呼び出しを行なった担当者端末4から応答があったか否かを判定する(SC10)。その結果、応答が無かった場合(SC10、No)、出力内容決定部33aは、所定時間(例えば10秒)以上呼び出しを行なっているか否かを判定する(SC11)。そして、10秒以上呼び出しを行なっていない場合は(SC11、No)、再度担当者端末4から応答があったか否かを判定し(SC10)、10秒以上呼び出しを行なっている場合は(SC11、Yes)、担当者が不在として、SC2に戻り2次元コードを認識したか否かを判定する。
【0072】
一方、担当者端末4から応答があった場合(SC10、Yes)、出力内容決定部33aは、担当者端末4から通信部32に送信されたテレビ電話の画面を出力部30の一部に重畳表示させ、通信部32に担当者端末4との間のテレビ電話による通信を行わせる(SC12)。その後、出力内容決定部33aは第3出力内容決定処理を終了する。
【0073】
図10は、第3出力内容決定処理における出力部30の表示を概念的に示した図である。図10に示すように、出力部30に表示された情報に興味を持つユーザは、当該ユーザの個人属性に対応した担当者に直接コンタクトを取る機会を得ることができる。
【0074】
(効果)
このように実施の形態によれば、ユーザが保持している情報であって、情報出力システム1において出力すべき情報を決定するための出力内容特定情報22aを、カメラ31によって撮影し、当該撮影した出力内容特定情報22aに基づいて、出力すべき情報の内容を決定する。これにより、個々のユーザに対応した適切な内容の情報を出力することができる。
【0075】
また、出力内容特定情報22aとしてカメラ31にて撮影可能な2次元コードを用いるので、出力内容特定情報22aの端末装置2による表示やカメラ31による読取が容易となる。
【0076】
また、カメラ31によって撮影された出力内容特定情報22aにより特定される属性特定情報に基づいてユーザの属性を特定し、当該特定した属性に基づいて出力すべき情報の内容を決定するので、ユーザが興味を持つ内容や、理解できる内容の情報を出力することができる。
【0077】
また、ユーザと出力部30との間の距離に基づいて、出力すべき情報の内容を決定するので、当該ユーザの位置に応じて読み取り可能な情報を提供することができる。
【0078】
また、出力部30の出力範囲におけるユーザの滞留時間に基づいて、出力すべき情報の内容を決定するので、出力部30に出力された情報に対するユーザの興味に応じた内容の情報を出力することができる。
【0079】
また、複数情報DB34dに格納された複数種類の情報の中から、出力すべき情報の種類を特定するので、ユーザに対応した態様や出力量で情報を出力することができる。
【0080】
また、従来のシステムにおいては、出力部によって出力される情報の内容に興味を持った場合、ユーザは展示者に担当者へのコンタクト方法を聞き、当該担当者に自らコンタクトを取る必要があった。従って、コンタクトを取ることの煩雑さのため、ユーザが担当者にコンタクトを取る機会を失う可能性があった。この場合、展示者や担当者にとっては、ユーザから直接意見を聞く絶好の機会を失う可能性があった。これに対して、本実施の形態によれば、通信先特定情報を用いて通信を行うので、ユーザに対して、当該ユーザに対応した担当者との間で直接コンタクトを取る機会を与えることができる。
【0081】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0082】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。さらに、本発明によって、上述していない課題を解決したり、上述していない効果を奏することもある。
【0083】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、複数の端末装置2を、ネットワーク5を介して情報出力装置3と相互に通信可能に接続してもよい。
【0084】
(出力内容の決定について)
上述の実施の形態では、出力内容決定部33aによって決定された内容の情報はそのまま出力部30から出力されるが、当該決定された内容の情報を出力部30から出力させるか否かについて、ユーザに同意を求めてもよい。この場合、ユーザに同意を求める旨の表示を出力部30に出力させてもよく、あるいは、無線LAN等の公知の無線技術を用いて端末装置2の表示部21に出力させてもよい。また、ユーザが同意するか否かの入力操作を端末装置2の操作部20を介して行わせてもよい。同様に、第3出力内容決定処理において担当者端末4の呼び出しを行う際にも、当該呼び出しを行うか否かについてユーザに同意を求めてもよい。
【0085】
(各処理の相互間の関係について)
上述の実施の形態で説明した第1出力内容決定処理、第2出力内容決定処理、及び第3出力内容決定処理の各処理を、任意の組合わせで組合わせて実行させてもよい。例えば、第1出力内容決定処理と第3出力内容決定処理とを組合わせて、ユーザと出力部30との距離が近い場合にのみ担当者の呼び出しを行なうようにしてもよい。
【0086】
(端末装置について)
上述の実施の形態では、2次元コードを端末装置2の表示部21に表示させているが、2次元コードをプリントしたカードをユーザに保持させ、当該2次元コードをカメラ31によって撮影させてもよい。
【0087】
(構成−端末装置−操作部)
操作部20は、端末装置2を操作するための操作手段であり、例えばキーボードやタッチパネル等の公知の操作手段を用いることができる。特に、データ記録部22に格納されている複数の出力内容特定情報22aから任意の情報を選択し、表示部21に表示させるための操作入力を受け付けることができる。
【0088】
(2次元コードの認識について)
上述の実施の形態では、一人のユーザが出力部30の出力範囲内に存在する場合を例として説明したが、複数人のユーザが存在する場合にも、情報出力システム1を適用することができる。例えば、カメラ31によって撮影された画像データを解析した結果、複数の2次元コードが含まれていると判断した場合には、最初に認識された2次元コードに基づいて情報の出力内容を決定してもよい。あるいは、認識された全ての2次元コードに対応する属性特定情報を取得し、当該取得した属性特定情報に基づき、最も理解度の低いユーザ(例えば子供)に合致する内容を出力内容として決定してもよい。あるいは、認識された全ての2次元コードに対応する属性特定情報のうち、最も人数が多い属性特定情報に対応するユーザに合致する内容を出力内容として決定してもよい。
【0089】
(第3出力内容決定処理について)
上述の実施の形態では、認識履歴DB34cから取得した時刻情報における最初の時刻情報と現在時刻との差が基準時間βより大きいと判定された場合に、ユーザが出力部30の出力範囲に滞留しているものとし、担当者端末4の呼び出しを行なうが、他の基準に基づいてユーザの滞留の有無を判定してもよい。例えば、ユーザの保持する2次元コードが一定時間以上継続して認識された場合に、ユーザが滞留していると判定してもよい。あるいは、ユーザの保持する2次元コードの取得回数に基づいて判定してもよい。
【0090】
(出力内容特定情報について)
上述の実施の形態では、端末装置2はデータ記録部22に記録されている出力内容特定情報22aを表示部21に表示させると説明したが、情報出力システム1を統括するセンター装置から出力内容特定情報22aを端末装置2に送信し、表示部21に表示させてもよい。
【0091】
例えば、センター装置は、電話網やインターネット等のネットワークを介して少なくとも端末装置2と通信可能に接続されるものであり、通信手段、及び出力内容特定情報格納手段を備える。このセンター装置としては、例えばサーバやPC等の公知の情報処理装置を用いることができる。
【0092】
通信手段は、センター装置がネットワークを介した通信を行なうための通信制御手段であり、例えばネットワークボードとして構成されている。
【0093】
出力内容特定情報格納手段は、端末装置2を一意に識別可能な端末識別情報と、当該端末装置2に表示させるべき出力内容特定情報とを、相互に関連付けて格納する。これらの情報を出力内容特定情報格納手段に格納するタイミングや方法は任意であり、例えば公知の入力手段やネットワークを介して入力される。
【0094】
上記の如く構成されたセンター装置において、通信手段は、端末識別情報に対応する出力内容特定情報を、当該端末識別情報に基づき特定される端末装置2に送信し、表示部21に表示させる。
【0095】
例えば、展示施設への入場者に端末装置2を貸与した場合に、当該貸与した端末装置2の端末識別情報と、入場者の個人属性に対応した出力内容特定情報とが、管理者によって相互に関連付けて出力内容特定情報格納手段に格納されるものとする。この場合、通信手段は、端末識別情報に対応する出力内容特定情報を当該端末識別情報に基づき特定される端末装置2に送信する。端末装置2の表示部21は、センター装置から受信した出力内容特定情報を表示する。そして、情報出力装置3の出力内容決定部33aは、端末装置2に表示された出力内容特定情報に基づいて、出力部30に出力させる情報の内容を決定する。これにより、端末装置2を保持するユーザに適した内容の情報を出力部30から出力させることができる。
【0096】
このようなシステムによれば、展示施設への入場者等に閲覧させるべきコンテンツを、センター側において指示や制御することが可能となり、入場者への閲覧制限等を行うことも容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
この発明に係る情報出力システムは、個々のユーザに対応した内容の情報を出力することができる、情報出力システムに有用である。
【符号の説明】
【0098】
1 情報出力システム
2 端末装置
3 情報出力装置
4 担当者端末
5 ネットワーク
9 展示エリア
20 操作部
21 表示部
22、34 データ記録部
22a 出力内容特定情報
30 出力部
31 カメラ
32 通信部
33 処理部
33a 出力内容決定部
33b 復号部
33c 距離特定部
33d 滞留時間特定部
34a 個人属性DB
34b 担当者DB
34c 認識履歴DB
34d 複数情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに情報を出力する情報出力装置を備える情報出力システムであって、
前記情報出力装置は、
ユーザが保持する情報であって、前記情報出力装置において出力すべき情報を当該情報出力装置側で決定するための出力内容特定情報を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって撮影された出力内容特定情報に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する出力内容決定手段と、
前記出力内容決定手段にて出力すべきものとして決定された内容の情報出力する出力手段と、を備える、
情報出力システム。
【請求項2】
前記出力内容特定情報をユーザが保持するための端末装置を備え、
前記端末装置は、
前記出力内容特定情報を格納する出力内容特定情報格納手段と、
前記出力内容特定情報格納手段から取得した出力内容特定情報を前記撮影手段にて撮影可能な2次元コードとして表示する表示手段と、を備え、
前記情報出力装置は、
前記撮影手段によって撮影された2次元コードを出力内容特定情報に復号する復号手段を備え、
前記出力内容決定手段は、前記復号手段にて復号された出力内容特定情報に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する、
請求項1に記載の情報出力システム。
【請求項3】
前記出力内容特定情報は、
前記ユーザの属性を特定するための属性特定情報であり、
前記出力内容決定手段は、
前記撮影手段によって撮影された属性特定情報に基づいて、前記ユーザの属性を特定し、当該特定した属性に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する、
請求項1又は2に記載の情報出力システム。
【請求項4】
前記情報出力装置は、
前記ユーザと前記出力手段との間の距離を特定する距離特定手段を備え、
前記出力内容決定手段は、
前記距離特定手段が特定した距離に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報出力システム。
【請求項5】
前記情報出力装置は、
前記出力手段の出力範囲におけるユーザの滞留時間を特定する滞留時間特定手段を備え、
前記出力内容決定手段は、
前記滞留時間特定手段が特定した滞留時間に基づいて、出力すべき情報の内容を決定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報出力システム。
【請求項6】
前記情報出力装置は、
前記情報出力装置において出力すべき情報として、出力態様又は出力量の少なくとも一方が相互に異なる複数種類の情報を格納する複数情報格納手段を備え、
前記出力内容決定手段は、前記複数情報格納手段にて格納された複数種類の情報の中から、出力すべき情報の種類を特定することにより、出力すべき情報の内容を決定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報出力システム。
【請求項7】
前記情報出力装置は、
前記ユーザに対して情報を提供する情報提供者への通信先を特定する通信先特定情報を格納する通信先特定情報格納手段と、
前記通信先特定情報を用いて前記情報提供者と通信する通信手段と、を備え、
前記出力内容決定手段は、前記出力すべき内容の決定を行う際に、前記通信先特定情報格納手段にて格納された通信先特定情報を用いて前記通信手段による通信を行う、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報出力システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−277386(P2010−277386A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130172(P2009−130172)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】