説明

情報媒体収容ケース

【課題】吊り下げ用タブを別個に取り付けることなく吊り下げ用フックに吊り下げて陳列でき、しかも低価格で製造し得る情報媒体収容ケースを提供する。
【解決手段】ケース本体2とケース本体2の外面に配設されたインデックスカバー3とを備えてケース本体2内に情報媒体を収容可能に構成されると共にケース本体2およびインデックスカバー3の間に外面に沿わせてインデックスシート6を収容可能に構成され、インデックスカバー3は、カバー本体31と吊り下げタブ32とが一体的に形成されて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報媒体の収容が可能に構成された情報媒体収容ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の情報媒体収容ケースとして、ビデオテープカセットを収容可能に構成された陳列ケースが特開平7−191610号公報に開示されている。この陳列ケースは、樹脂材料を用いてブック形に形成されたビデオテープカセット用ハードケース(以下、「ハードケース」ともいう)と、ハードケースの外面に配設された透明なビニールシート(インデックスカバー)とを備え、ビデオタイトル等が印刷されたカバーシート(インデックスシート)をハードケースとビニールシートとの間に挿入するようにして収容可能に構成されている。この場合、この陳列ケースは、レンタル業務用のビデオテープカセットを収容対象としており、陳列棚に並べて陳列した状態において、陳列棚から陳列ケースを取り出すことなく、「貸出可能」および「貸出中」のいずれであるかを認識可能な表示部が設けられている。
【特許文献1】特開平7−191610号公報(第2−3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来の陳列ケースには、以下の問題点がある。すなわち、従来の陳列ケースでは、陳列棚に並べて陳列するのを想定した構成が採用されている。したがって、この陳列ケースを吊り下げ用フックに吊り下げて陳列する場合には、陳列ケースとは別個に形成した吊り下げ用タブを陳列ケースに取り付ける必要がある。この場合、複数の陳列ケースに吊り下げ用タブをそれぞれ取り付ける作業(一例として、粘着テープや接着剤を用いて陳列ケースに吊り下げ用タブを貼り付ける作業)が煩雑となっている。また、各陳列ケースに対して吊り下げ用タブを位置ずれさせることなく取り付けるのは、非常に困難である。一方、吊り下げ用タブの取り付け作業を機械化することにより、複数の陳列ケースに対して短時間で位置ずれさせることなく吊り下げ用タブを取り付けることが可能となる。しかしながら、自動機の導入コストの分だけ陳列ケースの価格が高騰するおそれがある。
【0004】
さらに、従来の陳列ケースでは、陳列ケースに取り付けた吊り下げ用タブによってビニールシート(インデックスカバー)内のカバーシート(インデックスシート)の視認が阻害されるおそれもある。このように、従来の陳列ケースでは、吊り下げ用フックに吊り下げて陳列する場合において、様々な問題が生じている。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、吊り下げ用タブを別個に取り付けることなく吊り下げ用フックに吊り下げて陳列でき、しかも低価格で製造し得る情報媒体収容ケースを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明に係る情報媒体収容ケースは、ケース本体と当該ケース本体の外面に配設されたインデックスカバーとを備えて当該ケース本体内に情報媒体を収容可能に構成されると共に当該ケース本体および当該インデックスカバーの間に前記外面に沿わせてインデックスシートを収容可能に構成され、前記インデックスカバーは、カバー本体と吊り下げ用タブとが一体的に形成されて構成されている。
【0007】
また、本発明に係る情報媒体収容ケースは、前記ケース本体の外面に配設された状態において当該ケース本体の外縁部から突出するように前記吊り下げ用タブが前記カバー本体の縁部に形成されて前記インデックスカバーが構成されている。
【0008】
さらに、本発明に係る情報媒体収容ケースは、前記吊り下げ用タブの基端部にミシン目状の切り込みが形成されている。
【0009】
また、本発明に係る情報媒体収容ケースは、吊り下げ用フックの挿通を許容する挿通孔を形成するための切り込みが前記吊り下げ用タブに形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る情報媒体収容ケースによれば、カバー本体と吊り下げ用タブとを一体的に形成してインデックスカバーを構成したことにより、ケース本体を吊り下げるための吊り下げ用タブを別個に形成して取り付けることなく、インデックスカバーのカバー本体と一体的に形成されている吊り下げ用タブを用いて情報媒体収容ケースを吊り下げて陳列することができる。したがって、吊り下げ用タブの取り付け作業を不要にできる分だけ、情報媒体収容ケースの製造コストを低減することができると共に、手作業で吊り下げ用タブを取り付けた構成とは異なり、ケース本体に対する吊り下げ用タブの配設位置を均一化することができる。また、例えば、カバー本体とは別体に形成した吊り下げ用タブをカバー本体に接着する構成とは異なり、ケース本体とカバー本体との間に挿入したインデックスシートが吊り下げ用タブによって隠されてその視認が阻害される事態が生じるのを回避して、視認性の向上を図ることができる。
【0011】
また、本発明に係る情報媒体収容ケースによれば、ケース本体の外面に配設した状態においてケース本体の外縁部から突出するように吊り下げ用タブを形成してインデックスカバーを構成したことにより、吊り下げ用フックに情報媒体収容ケースを吊り下げる吊り下げ作業を容易に行うことができる。
【0012】
さらに、本発明に係る情報媒体収容ケースによれば、吊り下げ用タブの基端部にミシン目状の切り込みを形成したことにより、情報媒体収容ケースの吊り下げが不要となったときに、ハサミ等の工具を用いることなく、吊り下げ用タブを引っ張るだけでカバー本体から容易に切り離すことができる。
【0013】
また、本発明に係る情報媒体収容ケースによれば、吊り下げ用フックの挿通を許容する挿通孔を形成するための切り込みを形成したことにより、挿通孔に吊り下げ用フックを挿通させた状態において、切り込みの内側部分(挿通孔の平面形状と同じ小片)が挿通孔の周囲の吊り下げ用タブと一体化した状態が維持される結果、情報媒体収容ケースを吊り下げるために挿通孔を形成する際に、挿通孔の形成による小さなごみの発生を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る情報媒体収容ケースの最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1に示す情報媒体収容ケース1(以下、「収容ケース1」ともいう)は、本発明における情報媒体の一例である光ディスク5と、光ディスク5の記録内容等を印刷したインデックスシート6とを収容可能に構成されている。具体的には、収容ケース1は、内部空間に光ディスク5を収容可能に構成された箱形のケース本体2と、ケース本体2の外面に沿わせてインデックスシート6を収容するインデックスカバー3とを備えている。また、この収容ケース1は、光ディスク5およびインデックスシート6を収容した状態において、一例としてスリーブシュリンク7によって包装された状態で陳列される。
【0016】
ケース本体2は、図2〜4に示すように、第1ケース2a、第2ケース2bおよび背板2cが樹脂材料(一例として、ポリプロピレン)で一体成形されている。なお、ケース本体2を成形するための樹脂材料は、ポリプロピレンに限定されるものではなく、ポリスチレン、ポリエチレンおよびポリエチレンテレフタレート等の各種樹脂材料を用いて成形することができる。第1ケース2aは、長方形状の主板11と、主板11における各縁部11a〜11cに立設された側板12とを備えて浅皿状に形成されている。この場合、主板11の内面中央部には、光ディスク5を保持する保持用爪部(ディスク保持部:図示せず)が形成されている。また、第2ケース2bは、長方形状の主板21と、主板21における各縁部21a〜21cに立設された側板22とを備えて浅皿状に形成されている。この第1ケース2aおよび第2ケース2bは、背板2cを介して主板11の縁部11dと主板21の縁部21dとが連結されて一体成形されている。
【0017】
インデックスカバー3は、光透過性を有する樹脂材料(一例として、ポリプロピレンでシート状に形成されて、ケース本体2の外面に沿わせてインデックスシート6を収容可能にケース本体2に取り付けられている。この場合、図2〜4に示すように、このインデックスカバー3は、ケース本体2における第1ケース2a、第2ケース2bおよび背板2cを覆う大きさ(インデックスシート6よりも僅かに大きい大きさ)となるように矩形状にカットされたカバー本体31と、図示しない吊り下げ用フックにケース本体2を吊り下げるための吊り下げ用タブ32とが一体的に形成されて構成されている。
【0018】
また、インデックスカバー3は、その縁部31cが第1ケース2aにおける主板11の縁部11cに溶着されると共に、その縁部31dが第2ケース2bにおける主板21の縁部21cに溶着されてケース本体2に取り付けられている。なお、ケース本体2に対してインデックスカバー3を取り付ける構成は、溶着に限定されず、例えば接着剤や粘着シートを用いて取り付ける構成を採用することができる。また、カバー本体31の縁部31c,31dをケース本体2に溶着する構成に限定されず、例えば、インデックスシート6の挿入を許容するために、縁部31aのみを溶着ぜずに、縁部31b〜31dの3カ所をケース本体2に溶着する構成を採用することもできる。
【0019】
この場合、この収容ケース1では、カバー本体31における上側の縁部31aに吊り下げ用タブ32が形成されている。また、インデックスカバー3をケース本体2に溶着した状態では、ケース本体2の上側の一辺(この例では、第1ケース2aにおける主板11の縁部11a)からケース本体2の上方向に吊り下げ用タブ32が突出するようにインデックスカバー3が構成されている。さらに、このインデックスカバー3では、カバー本体31からの吊り下げ用タブ32を容易に切り離し可能とするためのミシン目状の切り込み33がカバー本体31と吊り下げ用タブ32との間(吊り下げ用タブ32の基端部)に形成されている。また、吊り下げ用タブ32は、収容ケース1の吊り下げ時に吊り下げ用フック(図示せず)を挿通させる挿通孔32b(図1参照)を形成する円弧状の切り込み32aが形成されている。
【0020】
この収容ケース1の製造に際しては、ケース本体2を射出成形によって形成すると共に、ロール状に巻回されたポリプロピレンを圧断してインデックスカバー3を形成する。この場合、インデックスカバー3の製作に際しては、その平面形状に沿って樹脂フィルムを圧断するのと同時に切り込み32a,33を形成する。次いで、ケース本体2にインデックスカバー3を溶着して取り付ける。具体的には、まず、図3に示すように、第1ケース2aおよび第2ケース2bを互いに離間させるようにしてケース本体2を展開すると共に、主板11,21および背板2cの外面に沿わせるようにして同図に一点鎖線で示す位置にインデックスカバー3を載置する。次いで、カバー本体31の縁部31c,31dを主板11,12の縁部11c,21cに溶着する。これにより、図4に示すように、収容ケース1が完成する。
【0021】
一方、完成した収容ケース1に光ディスク5およびインデックスシート6を収容する際には、第1ケース2aおよび第2ケース2bを互いに離間させるようにしてケース本体2を展開した状態において、図4に矢印で示すように、ケース本体2の外面とインデックスカバー3との間にインデックスシート6を挿入する。次いで、第1ケース2aにおける主板11の内側に設けられたディスク保持部に光ディスク5を保持させた状態において、図5に示すように、第1ケース2aに第2ケース2bを重ね合わせるようにしてケース本体2を閉じる。これにより、光ディスク5の収容が完了する。
【0022】
この場合、例えば、光ディスク5等を収容した状態の収容ケース1を販売する際には、図1に示すように、収容ケース1の傷付きを防止するために、透明な樹脂のフィルム(スリーブシュリンク7)で包装する。具体的には、一例として、光ディスク5およびインデックスシート6を収容した状態の収容ケース1を筒状の熱収縮性透明樹脂のフィルムの中に挿入すると共に、図示しない加熱装置(スリーブシュリンク包装機:図示せず)によってフィルムを熱収縮させて収容ケース1の外面にフィルムを密着させる。この際には、同図に示すように、ケース本体2から上向きに突出させられている吊り下げ用タブ32を開口部7aから引き出した状態でフィルムを収縮させる。これにより、収容ケース1の包装が完了する。
【0023】
また、包装が完了した収容ケース1を陳列する際には、吊り下げ用タブ32における挿通孔32bに吊り下げフックを挿通させることにより、収容ケース1を吊り下げフックに吊り下げる。この際に、この収容ケース1では、吊り下げ用タブ32に挿通孔32bを形成するための切り込み32aが形成されているため、挿通孔32bを形成するための穿孔機等を用いることなく、切り込み32aの部位に吊り下げ用フックの先端を押し当てるだけで挿通孔32bを形成することが可能となっている。また、例えば、この収容ケース1を購入した者が陳列棚等に並べて収容ケース1を保管する際には、カバー本体31のカバー本体31から吊り下げ用タブ32を切り離す。この際に、この収容ケース1では、吊り下げ用タブ32の基端部に切り込み33が形成されているため、ハサミ等の工具を用いることなく、吊り下げ用タブ32を引っ張るだけでカバー本体31から吊り下げ用タブ32を切り離すことが可能となっている。
【0024】
このように、この収容ケース1によれば、カバー本体31と吊り下げ用タブ32とを一体的に形成してインデックスカバー3を構成したことにより、ケース本体2を吊り下げるための吊り下げ用タブを別個に形成して取り付けることなく、カバー本体31と一体的に形成されている吊り下げ用タブ32を用いて収容ケース1を吊り下げて陳列することができる。したがって、吊り下げ用タブの取り付け作業を不要にできる分だけ、収容ケース1の製造コストを低減することができると共に、手作業で吊り下げ用タブを取り付けた構成とは異なり、ケース本体2に対する吊り下げ用タブ32の配設位置を均一化することができる。また、例えば、カバー本体31とは別体に形成した吊り下げ用タブをカバー本体31に接着する構成とは異なり、ケース本体2とカバー本体31との間に挿入したインデックスシート6が吊り下げ用タブによって隠されてその視認が阻害される事態が生じるのを回避して視認性の向上を図ることができる。
【0025】
また、この収容ケース1によれば、ケース本体2の外面に配設した状態においてケース本体2の外縁部(この例では、第1ケース2aにおける主板11の縁部11)から突出するように吊り下げ用タブ32を形成してインデックスカバー3を構成したことにより、吊り下げ用フックに収容ケース1を吊り下げる吊り下げ作業を容易に行うことができる。
【0026】
さらに、この収容ケース1によれば、吊り下げ用タブ32の基端部にミシン目状の切り込み33を形成したことにより、収容ケース1の吊り下げが不要となったときに、ハサミ等の工具を用いることなく、吊り下げ用タブ32を引っ張るだけでカバー本体31から容易に切り離すことができる。
【0027】
また、この収容ケース1によれば、吊り下げ用フックの挿通を許容する挿通孔32bを形成するための円弧状の切り込み32aを形成したことにより、挿通孔32bに吊り下げ用フックを挿通させた状態において、切り込み32aの内側部分(挿通孔32bの平面形状と同じ小片)が挿通孔32bの周囲の吊り下げ用タブ32と一体化した状態が維持される結果、収容ケース1を吊り下げるために挿通孔32bを形成する際に、挿通孔の形成による小さなごみの発生を回避することができる。
【0028】
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、上記の収容ケース1では、第1ケース2aにおける主板11の縁部11aから吊り下げ用タブ32が突出するように、カバー本体31の縁部31aに吊り下げ用タブ32を設けているが、吊り下げ用タブ32の配設位置はこれに限定されず、例えば、図6に破線で示すように、第1ケース2aにおける主板11の縁部11b,11c、および第2ケース2bにおける主板21の縁部21a〜21cのいずれかから吊り下げ用タブ32が突出するようにインデックスカバー3を構成することができる。この例のように、吊り下げ用タブ32の配設位置を変更した構成においても、上記の収容ケース1と同様にして、吊り下げ用タブの取り付け作業を不要にできる分だけ製造コストを低減することができると共に、ケース本体2に対する吊り下げ用タブ32の配設位置を均一化することができる。なお、1つの収容ケース当りに設ける吊り下げ用タブ32の数は、1個に限定されず、2個以上をインデックスカバー3に設ける構成を採用することができる。
【0029】
また、上記の収容ケース1では、ケース本体2の主板11,21および背板2cの外面を覆う大きさのカバー本体31を有するインデックスカバー3をケース本体2に取り付けているが、本発明におけるインデックスカバーの大きさや取り付け位置はこれに限定されない。例えば、図7に示す収容ケース1Aのように、ケース本体2の主板11および背板2cを覆う大きさのカバー本体31を有するインデックスカバー3Aをケース本体2に取り付ける構成を採用することができる。なお、同図および後に参照する図8〜13では、上記の収容ケース1と同様の構成要素に同一の符号を付して重複する説明を省略する。この収容ケース1Aでは、カバー本体31の縁部31a〜31dのいずれか少なくとも1つに吊り下げ用タブ32を設けることにより、上記の収容ケース1と同様にして、吊り下げ用タブの取り付け作業を不要にできる分だけ製造コストを低減することができると共に、ケース本体2に対する吊り下げ用タブ32の配設位置を均一化することができる。
【0030】
さらに、図8に示す収容ケース1Bのように、ケース本体2の主板11,21および背板2cの外面における上側の半分程度を覆う大きさのカバー本体31を有するインデックスカバー3Bをケース本体2に取り付ける構成を採用することができる。この収容ケース1Bでは、カバー本体31の縁部31a,31c,31dのいずれか少なくとも1つに吊り下げ用タブ32を設けることにより、上記の収容ケース1,1Aと同様にして、吊り下げ用タブの取り付け作業を不要にできる分だけ製造コストを低減することができると共に、吊り下げ用タブに対する配設位置の均一化を図ることができる。また、図9に示す収容ケース1Cのように、ケース本体2の主板11および背板2cの外面における上側の半分程度を覆う大きさのカバー本体31を有するインデックスカバー3Cをケース本体2に取り付ける構成を採用することができる。この収容ケース1Cでは、カバー本体31の縁部31a,31c,31dのいずれか少なくとも1つに吊り下げ用タブ32を設けることにより、上記の収容ケース1,1A,1Bと同様にして、吊り下げ用タブの取り付け作業を不要にできる分だけ製造コストを低減することができると共に、ケース本体2に対する吊り下げ用タブ32の配設位置を均一化することができる。
【0031】
また、吊り下げ用タブ32に切り込み32aを設けて、この部位を吊り下げ用フックの先端部に押し当てて挿通孔32bを形成する構成について説明したが、本発明における吊り下げ用タブ32の構成はこれに限定されない。例えば、図10に示す吊り下げ用タブ35のように、吊り下げ用フックの挿通を許容する挿通用孔35aをインデックスカバー3Dの製作時に予め形成しておく構成を採用することができる。この場合、挿通用孔35aの形状は、同図に示すような円形に限定されず、楕円形や三角形等の各種の形状で形成することができる。また、図11に示す吊り下げ用タブ36のように、吊り下げ用フックの先端部に押し当てるだけで上記の挿通用孔35aを形成可能とするために、インデックスカバー3Eの製作時において、例えば円形の切り込み36aを予め形成しておく構成を採用することができる。
【0032】
さらに、図12に示すインデックスカバー3Fの吊り下げ用タブ37のように、吊り下げ用フックの挿通を許容する挿通孔に代えて、溝37aを設けて全体として鉤の手状に構成することもできる。この構成によれば、挿通孔に吊り下げ用フックを挿通させて吊り下げる構成とは異なり、例えば吊り下げられている複数の収容ケースのうちから、奥側に吊り下げられている収容ケースを容易に取り外すことができる。また、吊り下げ用タブ32がケース本体2から突出するようにインデックスカバー3を形成した例について説明したが、図13の左図に示すインデックスカバー3Gのように、カバー本体31の各縁部31a〜31dよりも内側に吊り下げ用タブ38を形成すると共に、収容ケースを吊り下げる際には、同図の右図に示すように、カバー本体31に対して吊り下げ用タブ38をめくり上げることでケース本体2(一例として、主板11の縁部11a)から吊り下げ用タブ38を突出させる構成を採用することもできる。
【0033】
さらに、本明細書において図面を参照して説明した上記の各吊り下げ用タブ32,35〜38のケース本体2に対する大きさ(幅や長さ)の比は、あくまでも例示であって、その比や大きさ自体が相違したとしても、各吊り下げ用タブ32,35〜38と同様の効果を奏することができる。したがって、情報媒体収容ケースのデザイン性や、吊り下げ用タブに求められる強度を考慮して本発明における吊り下げ用タブの大きさを適宜変更することができる。また、光ディスク5を収容可能に構成した収容ケースを例に挙げて説明したが、本発明に係る情報媒体収容ケースに収容する情報媒体は、光ディスク5に限定されず、光磁気ディスク、磁気ディスク、磁気テープおよびメモリーカード等の各種の情報媒体がこれに含まれる。加えて、吊り下げ用タブ32等の基端部に切り込み33を形成した構成を例に挙げて説明したが、切り込み33を形成することなく、ハサミ等で切断してカバー本体31から切り離す構成を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】スリーブシュリンク7によって包装された状態の収容ケース1の外観斜視図である。
【図2】ケース本体2を展開した状態の収容ケース1をインデックスカバー3の取り付け面側から見た平面図である。
【図3】ケース本体2の外面にインデックスカバー3を取り付ける際のケース本体2およびインデックスカバー3の外観斜視図である。
【図4】ケース本体2とインデックスカバー3との間にインデックスシート6を挿入する際の収容ケース1およびインデックスシート6の外観斜視図である。
【図5】ケース本体2内に光ディスク5を収容する際の収容ケース1の外観斜視図である。
【図6】吊り下げ用タブ32の配設位置の他の実施の形態について説明するための収容ケース1の平面図である。
【図7】ケース本体2を展開した状態の収容ケース1Aをインデックスカバー3Aの取り付け面側から見た平面図である。
【図8】ケース本体2を展開した状態の収容ケース1Bをインデックスカバー3Bの取り付け面側から見た平面図である。
【図9】ケース本体2を展開した状態の収容ケース1Cをインデックスカバー3Cの取り付け面側から見た平面図である。
【図10】吊り下げ用タブ35が形成されたインデックスカバー3Dの平面図である。
【図11】吊り下げ用タブ36が形成されたインデックスカバー3Eの平面図である。
【図12】吊り下げ用タブ37が形成されたインデックスカバー3Fの平面図である。
【図13】左図は、カバー本体31から引き起こす以前の吊り下げ用タブ38が形成されたインデックスカバー3Gの平面図であり、右図は、カバー本体31から吊り下げ用タブ38を引き起こした状態のインデックスカバー3Gの平面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 情報媒体収容ケース
2 ケース本体
3,3A〜3G インデックスカバー
5 光ディスク
6 インデックスシート
31 カバー本体
32,35〜38 吊り下げ用タブ
32a,33,36a 切り込み
32b,35a 挿通孔
37a 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体と当該ケース本体の外面に配設されたインデックスカバーとを備えて当該ケース本体内に情報媒体を収容可能に構成されると共に当該ケース本体および当該インデックスカバーの間に前記外面に沿わせてインデックスシートを収容可能に構成され、
前記インデックスカバーは、カバー本体と吊り下げ用タブとが一体的に形成されて構成されている情報媒体収容ケース。
【請求項2】
前記インデックスカバーは、前記ケース本体の外面に配設された状態において当該ケース本体の外縁部から突出するように前記吊り下げ用タブが前記カバー本体の縁部に形成されて構成されている請求項1記載の情報媒体収容ケース。
【請求項3】
前記吊り下げ用タブの基端部にミシン目状の切り込みが形成されている請求項1または2記載の情報媒体収容ケース。
【請求項4】
前記吊り下げ用タブには、吊り下げ用フックの挿通を許容する挿通孔を形成するための切り込みが形成されている請求項1から3のいずれかに記載の情報媒体収容ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−320643(P2007−320643A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155926(P2006−155926)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】