説明

情報廃棄装置

【課題】個人情報が記載されている部分の位置に係わらず個人情報を容易に削除する事ができる情報廃棄装置の提供
【解決手段】情報廃棄装置1は、第1の端部11、第1の操作部17、第2の端部21、第2の操作部27、および支点軸31を有している。第1の端部11は、複数の突起部13および第1の刃部15を有している。第2の端部21は、複数の孔部23および第2の刃部25を有している。突起部13は、孔部23に嵌合する事によって、被情報廃棄物である紙に孔を形成する。また、第1の刃部15および第2の刃部25によって、はさみのように被情報廃棄物である紙を切断する。適当な部分まで第1の刃部15および第2の刃部25によって切り進み、適当な場所に到達したらはさみを切る要領で第1の操作部17および第2の操作部27を操作する事により、紙上のどの場所にでも孔を形成し、その部分に記載された情報を紙上から削除・廃棄する事ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報廃棄装置であって、特に、必要な部分を容易に廃棄することができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の情報廃棄装置であるシュレッダーを図100に示す。シュレッダー100は、箱状のハウジング102、裁断機104を有している。ハウジング102は、内部空間の上方部に裁断機104の設置スペースを有している。また、ハウジング102は、内部空間の下方部に裁断機104から落下してくる裁断屑104aを収容するための収容スペースを有している。
【0003】
【特許文献1】特開2003−181319
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のシュレッダー100には、次のような問題点がある。シュレッダー100は、裁断機104を有しているために、重量も重く、持ち運びが面倒である、という問題がある。
【0005】
また、ハウジング102を有しているため、設置・保管の場所を必要する、問問題点もある。
【0006】
さらに、住所・氏名等が記載されたタックシールが貼り付けられたダイレクトメールや封書では、廃棄したい個人情報が記載された部分は一部であるにもかかわらず、ダイレクトメール等の全てをシュレッダーにかけることになる、という問題点がある。
【0007】
そこで、本発明は、重要な情報が記載されている部分を容易に廃棄することができる情報廃棄装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に関する課題を解決するための手段および発明の効果を以下に示す。
【0009】
(1)本発明に係る情報廃棄装置は、支点軸を介して結合され、前記支点軸を中心に互いに揺動可能に形成されている第1の端部および第2の端部を有する情報廃棄装置であって、被情報廃棄物に対して孔を形成する情報廃棄装置において、前記第1の端部は、前記被情報廃棄物に対して孔を形成するための一又は複数の突起部、前記被情報廃棄物を切断するための第1の刃部を有し、前記第2の端部は、前記第1の端部に形成されている前記突起部と協同して前記被情報廃棄物に対して孔を形成する一又は複数の孔部、前記第1の刃部と協同して前記被情報廃棄物を切断する第2の刃部を有する。
【0010】
これにより、被情報廃棄物を第1の刃部および第2の刃部によって切断し、情報廃棄装置を適当な位置まで進めることによって、ユーザーが所望する位置に確実に孔を形成することができる。また、孔を形成する際の突起部および孔部の動作、被情報廃棄物を切断する際の第1の刃部および第2の刃部の動作は、第1の端部および第2の端部の揺動動作によって実現することができるので、情報廃棄装置を簡単な構成とすることができる。
【0011】
(2)本発明に係る情報廃棄装置では、第1の端部は、当該第1の端部を揺動させることができる第1の操作部を有し、第2の端部は、当該第2の端部を揺動させることができる第2の操作部を有する。これにより、第1の端部、第2の端部を容易に揺動させることができる。
【0012】
(3)本発明に係る情報廃棄装置では、突起部は、第1の端部に対して取り外し可能である。これにより、必要な部分に突起部を配置することができるので、ユーザーが所望する位置に孔を形成することができる。
【0013】
(4)本発明に係る情報廃棄装置では、第1の端部は、第1の刃部を突起部より支点軸に対して近くに有し、第2の端部は、第2の刃部を孔部より前記支点軸に対して近くに有する。これにより、第1の刃部および第2の刃部を用いて情報廃棄装置を所望の位置まで容易に切り進めることができる。
【0014】
「協同して被情報廃棄物に対して孔を形成する」とは、孔部のみでは項を形成できず、突起部および孔部によって孔を形成することをいい、孔部に突起部が嵌合することによって、孔を形成することを含む概念である。
【0015】
「協同して被情報廃棄物を切断する」とは、主に、第1の刃部もしくは第2の刃部のみで被情報廃棄物を切断する機能を担うのではなく、第1の刃部および第2の刃部によって被情報廃棄物を切断する機能であるはさみの機能を担うことをいう。ただし、被情報廃棄物の性質等によっては、第1の刃部もしくは第2の刃部のみによって切断することを含む概念である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明における情報廃棄装置の実施例を以下において説明する。
【実施例1】
【0017】
1. 構成
本発明に係る情報廃棄装置1を図1〜図3に示す。図1は情報廃棄装置1の斜視図であり、図2は情報廃棄装置1の正面図、図3は図2における矢印a1方向からみた図である。なお、図3においては、一部の突起部13について取り外し状態を示している。
【0018】
図1に示すように、情報廃棄装置1は、第1の端部11、第1の操作部17、第2の端部21、第2の操作部27、および支点軸31を有している。
【0019】
第1の端部11は、支点軸31を中心として対称となる位置に第1の操作部17を有している。なお、第1の端部11と第1の操作部17とは一体として構成されている。
【0020】
また、第2の端部21は、支点軸31を中心として対称となる位置に第2の操作部27を有している。なお、第2の端部21と第2の操作部27とは一体として構成されている。
【0021】
第1の端部11と第2の端部21とは支点軸31を介して結合されている。これにより、第1の端部11と第2の端部21とは支点軸31を中心に互いに揺動可能となる。
【0022】
第1の操作部17および第2の操作部27を、はさみのように操作することによって、第1の端部11および第2の端部21を揺動させることができる。
【0023】
第1の端部11は、複数の突起部13および第1の刃部15を有している。第2の端部21は、複数の孔部23および第2の刃部25を有している。突起部13は、孔部23に嵌合することによって、被情報廃棄物である紙に孔を形成する。
【0024】
また、第1の刃部15および第2の刃部25によって、はさみのように被情報廃棄物である紙を切断する。また、図2に示すように、第1の端部11は、第1の刃部15を突起部13より支点軸31に対して近くに有している。また、第2の端部21は、第2の刃部25を孔部23より支点軸31に対して近くに有している。
【0025】
図3に示すように、第1の端部11は、第2の端部21と対向する面P11に突起部13を取り付けるためのねじ孔19を有している。なお、ねじ孔19は、突起部13の数だけ形成されている。
【0026】
次に、突起部13および孔部23の構成を図4を用いて説明する。突起部13は、刃部131およびねじ部133を有している。刃部131は、孔あけパンチにおけるパンチ刃と同様の構成を有している。また、ねじ部133は、第1の端部11に形成されているねじ孔19(図示せず)に対応するように形成されている。このように、突起部13がねじ部131を有することによって、突起部13は第1の端部11に対して取り外し可能となる。したがって、孔をあけたい間隔となるように突起部13を第1の端部11に設置すれば、ユーザーが望む間隔で孔をあけることが可能となる。なお、刃部131とねじ部133とは一体として構成されている。
2. 使用方法
次に、情報廃棄装置1の使用方法を図5および図6を用いて説明する。図5および図6においては、住所、氏名が記載されたタックシールT1が貼られた封筒E1から、住所、氏名等の個人情報を情報廃棄装置1を用いて削除する方法を示したものである。
【0027】
図5Aに示すように、タックシールT1は、封筒E1の端部から張られたところ、紙媒体の中央付近に張られている。
この場合、情報廃棄装置1第1の操作部17および第2の操作部27を用いて、対1の端部11および第2の端部21(図示せず)を開けて、第1の刃部15と第2の刃部25との交差部分C1を封筒E1の端部に位置させる。
【0028】
そして、図5Bに示すように、第1の操作部17および第2の操作部27を用いて、第1の刃部15および第2の刃部25を揺動させて、タックシールT1に孔を形成できる位置まで情報廃棄装置1を切り進める。
【0029】
図6Aに移って、所定の部分まで切り進めた後、第1の操作部17および第2の操作部27を用いて、第1の端部11と第2の端部21とを封筒を挟んで密着させる。これにより、突起部13が孔部23に嵌合し、封筒E1に孔を形成することができる。封筒E1に複数の(突起部13の数だけの)孔H1を形成した状態を図6Bに示す。このように、封筒E1上に孔H1を形成することによって、その部分に記載された個人情報を簡単に削除することができる。他に個人情報を削除したい部分がある場合には、同様の要領で、その部分に孔C1を形成すればよい。
【0030】
このように、情報廃棄装置1を用いることによって、個人情報等の重要な情報がどの部分に記載されてるか定まっていない書類等の紙媒体であっても、重要な情報が記載されている部分の位置にかかわらず、当該情報を容易に廃棄することができるの。
【0031】
また、ビニール袋等の柔らかい材質のものとは異なり、たぐり寄せることが難しい書類等の紙媒体であっても、紙媒体の中央付近に記載された個人情報等の重要な情報を容易に削除することができる。
【0032】
さらに、情報削除装置1は、はさみ状の構造有しているため、設置・保管にスペースを必要とせず、容易に取り扱うことができる。
[その他の実施例]
(1)構造
前述の実施例1においては、情報廃棄装置1は、はさみ状の構造を有していた。しかし、第1の端部および第2の端部が、支点軸を介して結合され、支点軸を中心に互いに揺動可能に形成されているものであればこれに限定されない。例えば、図7に示すようなホッチキス状の構造を有する情報廃棄装置51としてもよい。情報廃棄装置51は、第1の端部61、第1の操作部67、第2の端部71、第2の操作部77、および支点軸81を有している。第1の端部61は、突起部63および第1の刃部65を有している。第2の端部は、孔部(図示せず)および第2の刃部75を有している。
(2)突起部13および孔部23の配置
前述の実施例1においては、突起部13および孔部23は、それぞれ第1の端部11、第2の端部21上に一直線上に配置されていた。しかし、突起部13および孔部23の配置は、これに限定されない。例えば、図8に示すように、所定の部分の突起部13を設置しないようにしてもよい。例えば、一般的な2穴パンチにおける穴の間隔Lだけ離して、突起部13を設置することによって、情報廃棄装置1を2穴パンチとして利用することができる。その他の多穴パンチについても同様である。
【0033】
また、図9Aに示すように、横に一直線上に配置するようにしてもよい。また、図9Bに示すように、マトリクス状に配置するようにしてもよい。さらに、突起部13および孔部23を複数配置せずに、それぞれひとつだけ配置するようにしてもよい。
(3)突起部13の構造
前述の実施例1においては、突起部13は取り外し可能となるようにねじ部131を設けていたが、第1の端部11と一体となるように構成するようにしてもよい。
【0034】
また、前述の実施例1においては、突起部13は円柱形状を、孔部23は円状孔であったが、突起部13については被情報廃棄物に対して孔を形成するものであれば、また、孔部23については突起部13と協同して被情報廃棄物に対して孔を形成するものであれば、この形状に限定されない。例えば、突起部13については角柱形状、対応する孔部23については角状孔であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明における情報廃棄装置1に関する斜視図である。
【図2】図1に示す情報廃棄装置1の正面図である。
【図3】図2における矢印a1方向から情報廃棄装置1をみた図である。
【図4】突起部13および孔部23を示した図である。
【図5】情報廃棄装置1の使用方法を説明するための図である。
【図6】情報廃棄装置1の使用方法を説明するための図である。
【図7】情報廃棄装置の他の実施形態を示した図である。
【図8】情報廃棄装置の他の実施形態を示した図である。
【図9】情報廃棄装置の他の実施形態を示した図である。
【図10】従来の情報廃棄装置を説明するための図である。
【符号の説明】
【0036】
1・・・・・情報廃棄装置
11・・・・・第1の端部
13・・・・・突起部
15・・・・・第1の刃部
17・・・・・第1の操作部
19・・・・・ねじ孔
21・・・・・第2の端部
23・・・・・孔部
25・・・・・第2の刃部
27・・・・・第2の操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支点軸を介して結合され、前記支点軸を中心に互いに揺動可能に形成されている第1の端部および第2の端部を有する情報廃棄装置であって、被情報廃棄物に対して孔を形成する情報廃棄装置において、
前記第1の端部は、
前記被情報廃棄物に対して孔を形成するための一又は複数の突起部、
前記被情報廃棄物を切断するための第1の刃部、
を有し、
前記第2の端部は、
前記第1の端部に形成されている前記突起部と協同して前記被情報廃棄物に対して孔を形成する一又は複数の孔部、
前記第1の刃部と協同して前記被情報廃棄物を切断する第2の刃部、
を有すること、
を特徴とする情報廃棄装置。
【請求項2】
請求項1に係る情報廃棄装置において、
前記第1の端部は、当該第1の端部を揺動させることができる第1の操作部を有し、
前記第2の端部は、当該第2の端部を揺動させることができる第2の操作部を有すること、
を特徴とする情報廃棄装置。
【請求項3】
請求項1に係る情報廃棄装置において、
前記突起部は、前記第1の端部に対して取り外し可能であること、
を特徴とする情報廃棄装置。
【請求項4】
請求項1〜3に係る情報廃棄装置において、
前記第1の端部は、
前記第1の刃部を前記突起部より前記支点軸に対して近くに有し、
前記第2の端部は、
前記第2の刃部を前記孔部より前記支点軸に対して近くに有すること、
を特徴とする情報廃棄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−341344(P2006−341344A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−169342(P2005−169342)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(305000105)
【Fターム(参考)】