説明

情報提供システム、及び、情報提供プログラム

【課題】 事前登録の必要がなく、ネットワーク上から広くメタデータを収集可能であり、且つ、収集したメタデータを統合して提供可能な情報提供システム及び情報提供プログラムを提供する。
【解決手段】 情報提供システムSys1は、ユーザインタフェースに入出力される入力情報Iinや出力情報Ioutを取得する情報取得手段1と、入力情報Iinや出力情報Ioutからキーワードkを選出するキーワード選出手段2と、ネットワークN上で利用可能なメタデータを検索対象とする検索エンジンEにキーワードkを渡して検索させる検索要求手段3と、検出されたメタデータD1を取得する検出データ報取得手段4と、メタデータをフィルタリングするフィルタリング手段5と、フィルタリング後のメタデータD2,,,D2を統合して統合データD3を作成する統合手段6とを備え、当該統合データD3をユーザに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上で利用可能な情報からユーザの興味に合致する情報を検出して提供する情報提供システム、及び、情報提供プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネット等のネットワークの発達により、人々はネットワーク上で利用可能な情報から自分の興味に合った情報を簡単に入手することが可能となった。しかしながら、ネットワークを介して人々に提供される情報は膨大であり、この膨大な情報の中から自分の興味に合わせて適当な情報を入手することはユーザにとって非常に手間のかかる作業となっている。
【0003】
かかる状況に鑑み、近年は、ユーザの入力情報や出力情報を分析し、そのユーザの興味に合致する情報を抽出して提供する技術が提案されている。下記特許文献1には、クライアント端末にネットワークを介して接続されるシステムであり、クライアント端末からアクセス履歴等を取得して検索条件式を生成し、外部機関によりサーバ装置に登録された情報の中から検索条件式に合致した情報をそのクライアント端末に提供するシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−157270号公報
【0004】
また、近年は、データの書誌的事項が記述されたメタデータを利用してデータの更新情報を提供する技術が提案されている。たとえば、Webサイトの更新情報を提供する場合は、RSS(Rich Site Summary)形式やAtom形式のフォーマットに従って記述されたフィードと呼ばれるメタデータが利用される。フィードには、Webサイト内の新着情報、個々の記事のタイトル、Webサイトのリンク先(URL)、フィードの更新日時等が記述されている。ユーザは、興味のあるWebサイトを予め探し出してフィードリーダ(RSS・AtomアグリゲータやRSSリーダと呼ばれる)に登録しておくと、フィードリーダは登録されているWebサイトのフィードを参照し、その更新情報をユーザに提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、ユーザに提供される情報は、サーバ装置に登録された情報に限られる。このため、ネットワーク上には利用可能な様々な情報があるにもかかわらず、ユーザはサーバ装置に登録された情報しか入手できず、十分な情報を得ることができないという事態が生じていた。
【0006】
また、フィードを用いた技術では、フィードリーダに予め登録したWebサイト等のみについて更新情報が提供される。このため、ユーザは興味に合致するWebサイト等を自ら捜し出して事前登録する手間が必要であり、なおかつ、提供される更新情報は事前登録したWebサイト等に限定されてしまう。また、フィードには様々な情報が記述されており、ユーザにとって興味のない情報が更新情報として提供されてしまう場合も多い。さらに、フィードリーダに複数のWebサイト等が登録されている場合は、各々のWebサイトについて更新情報が独立して提供されるため、ユーザにとっては非常に煩雑である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、興味に合致するWebサイトをユーザ自らが予め探し出して登録しておく手間が生じず、ネットワーク上から広くメタデータを収集可能であり、且つ、収集したメタデータを統合して提供可能な情報提供システム及び情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報提供システムは、ユーザインタフェースに入力される入力情報、及び/又は、ユーザインタフェースに出力される出力情報を取得する情報取得手段と、
前記入力情報、及び/又は、出力情報を解析してキーワードを選出するキーワード選出手段と、ネットワーク上で利用可能なメタデータを検索対象とし且つ検索結果としてメタデータを返す一以上の検索エンジンに、前記キーワードを渡して検索させる検索要求手段と、前記検索エンジンにより検出されたメタデータを取得する検出データ取得手段と、前記検出データ取得手段により取得したメタデータを所定の条件に基づいてフィルタリングするフィルタリング手段と、前記フィルタリング手段によるフィルタリング後のメタデータを統合して統合データを作成する統合手段とを備え、
当該統合データをユーザに提供することを特徴とする。
【0009】
本発明の情報提供プログラムは、コンピュータを情報提供システムとして機能させる情報提供プログラムであり、ユーザインタフェースに入力される入力情報、及び/又は、ユーザインタフェースに出力される出力情報を取得する情報取得ステップと、
前記入力情報、及び/又は、出力情報を解析してキーワードを選出するキーワード選出ステップと、ネットワーク上で利用可能なメタデータを検索対象とし且つ検索結果としてメタデータを返す一以上の検索エンジンに、前記キーワードを渡して検索させる検索要求ステップと、前記検索エンジンにより検出されたメタデータを取得する検出データ取得ステップと、前記検出データ取得手段により取得したメタデータを所定の条件に基づいてフィルタリングするフィルタリングステップと、前記フィルタリング手段によるフィルタリング後のメタデータを統合して統合データを作成する統合ステップと、当該統合データをユーザに提供するステップとを備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、例えばWebブラウザ等のユーザインタフェースに入力される検索用キーワードやULR等のような入力情報、及び/又は、Webブラウザ等のユーザインタフェースで出力されるニュースやブログ等のような出力情報を取得して、そこからキーワードを選出するため、ユーザの興味を反映させたキーワードが自動生成される。そのキーワードを検索エンジンに渡して検索させるに際しては、ネットワーク上で利用可能なメタデータを検索対象とし且つ検索結果としてメタデータを返す一つ又は複数の検索エンジンを用いるため、ユーザの興味に合致する情報を広くネットワーク上から収集することが可能である。興味に合致するサイトを予め探し出して登録する手間も生じない。そして、一つ又は複数の検索エンジンにより検出されたメタデータを取得し、更新日付や重複排除等の所定の条件にてメタデータをフィルタリングしてから統合して提供するため、メタデータを一つにまとめて提供することができる。ユーザインタフェースの入出力をトリガーとして処理が開始されて統合データが提供されるため、ユーザインタフェースの入出力に連動させながら関連する情報をリアルタイムに提供することができる。
【0011】
前記統合手段/ステップは、前記フィルタリング手段/ステップによるフィルタリング後の各メタデータから前記キーワードに関連する部分のみを抽出して統合することが好ましい。これによれば、前記キーワードに関連する部分のみを抽出して統合するため、ユーザには関連部分のみを一つにまとめて提供することができる。
【0012】
前記入力情報はWebブラウザに入力される入力情報であり、前記出力情報はWebブラウザに出力される出力情報であり、前記統合手段/ステップは、各メタデータから少なくともリンク情報を抽出して統合することが好ましい。この発明によれば、Webブラウザの入力情報や出力情報からキーワードが選出され、そのキーワードにより検索が行われるため、Webブラウザに入力した情報や出力した情報に関連するメタデータが、Webブラウザへの入力や出力と連動して提供される。そして、提供された統合データには各メタデータに記述されるリンク情報が含まれるため、ユーザはこのリンクをたどることにより興味あるデータを簡単に入手できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る情報提供プログラム及び情報提供システムによれば、ネットワーク上で利用可能なメタデータを検索対象とし且つ検索結果としてメタデータを返す一以上の検索エンジンを用いるため、ユーザは予め興味のあるWebサイト等を自ら捜し出して事前登録することなく興味に合致した情報を入手することができる。事前登録したデータに限定されることなくインターネット上から広く情報を入手することができるため、興味に合致するが認識できていなかった情報を新たに入手することもできる。検出されたメタデータは所定の条件でフィルタリングされた後に統合されて統合データとして提供されるため、ユーザは検出された複数のメタデータをまとめて入手することができる。ユーザインタフェースの入出力をトリガーとして処理が開始されるため、ユーザは、ユーザインタフェースの入力や出力に連動したタイミングで、その入力情報や出力情報に関連する情報をリアルタイムに入手することができる。各メタデータを一覧形式でユーザに提供すれば、ユーザはメタデータが複数であっても簡単に全情報を把握することができ、その一覧から更に詳しく知りたい情報を見つけ出すことも容易になる。
【0014】
また、フィルタリング後のメタデータからキーワードに関連する関連部分のみを抽出して統合すれば、ユーザは自分の興味ある部分のみを入手することができる。Webブラウザの入力情報や出力情報からキーワードを選出すれば、ユーザはWebブラウザの入力や出力のタイミングに連動して、入力情報や出力情報に関連する統合データを入手することができる。その統合データには関連部分に含まれるリンク情報が含まれているため、ユーザはこれらのリンクを辿って、次々と興味のあるデータを入手することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の情報提供システムSys1を機能的に説明する説明図である。本実施の形態の情報提供システムSys1は、クライアント端末Cにより実現される。情報提供システムSys1は、ネットワークNを介して一つ又は複数の検索エンジンE,,,Eに接続可能である。ネットワークNはインターネット等であり、クライアント端末Cは、パーソナルコンピュータや携帯電話等の情報端末である。
【0016】
図2は、本発明の一実施の形態による情報提供システムSys1の一構成を示すブロック図である。本実施の形態による情報提供システムSys1は、コンピュータシステムにより実現されており、内部バス11に、通信インタフェース12、CPU13、メモリ14、ディスプレイ15、キーボード/マウス16、ドライブ17、ハードディスク18を接続させ、アドレス信号、制御信号、データ等を伝送させ、情報提供システムSys1として機能する構成を備えている。
【0017】
通信インタフェース12は、ネットワークNに接続する機能を有しており、例えば、検索エンジンEを備える他のサーバ装置と通信したり、他のコンピュータシステムから各種プログラムをダウンロードしたり、様々な通信を可能としている。CPU13は、メモリ14の一種であるROMに格納されたOSにより装置全体の制御を行うとともにハードディスク18に格納された情報提供プログラムPやその他アプリケーションプログラムに基づいて処理を実行する機能を司る。
【0018】
メモリ14は、ROM・RAM・キャッシュメモリ等の記憶部である。ROMは、装置全体の制御を行うためのプログラムを格納しており、これらをCPU13に供給する機能を有している。RAMは、CPU13による各種プログラムの実行時にワークエリアとして利用される。キャッシュメモリは、CPUと各種記憶部との処理速度の差を解消するための高速メモリであり、CPU13の一部に組み込まれることもある。
【0019】
ディスプレイ15は、CPU13の各種処理に伴い、テキストや画像等を表示する機能を有する出力手段である。キーボード/マスス16は、文字、数字、記号等のデータを入力するためのキー、画面上のポイント位置を操作するためのマウス等を備える入力手段である。
【0020】
ドライブ17は、各種のプログラム、データを記録したCD、DVD等の記録媒体からインストール作業を実行するための駆動ユニットである。コンピュータを情報提供システムSys1として機能させる情報提供プログラムPを記憶媒体からインストールすることも可能である。
【0021】
ハードディスク18は、情報提供プログラムPや実行結果等を記憶する外部記憶装置である。情報提供プログラムPは、前述した通信インタフェース12、ドライブ17等からインストールされてハードディスク18に記憶される。
【0022】
情報提供システムSys1は、情報取得手段1、キーワード選出手段2、検索要求手段3、検出情報取得手段4、フィルタリング手段5、統合手段6を備える。これら各手段は、コンピュータを各手段として機能させる情報提供プログラムPにより実現されている。
【0023】
情報取得手段1は、クライアント端末Cにおいて、ユーザにより入力される入力情報Iin、及び、ユーザに対して出力される出力情報Ioutを取得する機能を有する。クライアント端末Cはユーザに対して入力情報Iinの入力を促す情報入力手段Bin、情報を出力する情報出力手段Bout、情報の入力を促したり出力したりする情報入出力手段Binoutをユーザインタフェースの入力欄や出力欄としてディスプレイに表示する機能を備える。情報入力手段Binに入力された入力情報Iin、情報出力手段Boutに出力された出力情報Iout、情報入出力手段Binoutに入力又は出力された入力情報Iin又は出力情報Ioutをキャッシュメモリ等の記憶手段に記憶する。情報入力手段Bin,情報出力手段Bout,情報入出力手段Binoutは、これらの機能を並列に備えることが可能なWebブラウザを用いて実現するのが好ましい。図3は、Webブラウザを用いたときの例を説明する説明図である。情報取得手段1は、WebブラウザBの入力欄Binにキーワード等の入力情報Iinが入力されると、その入力情報Iinを取得してキーワード選出手段2に引き渡す。また、WebブラウザBの出力欄BoutにWebページ等の出力情報Ioutが出力されると、その出力情報Ioutを取得してキーワード選出手段2に引き渡す。また、入出力欄BinoutにURL等の入力情報Iinが入力されるか、又は、URL等の出力情報Ioutが所定時間表示されると、その入力情報Iin又は出力情報Ioutを取得してキーワード選出手段2に引き渡す。
【0024】
なお、入力情報Iinや出力情報Ioutは、ユーザインタフェースに入力されるテキスト情報、又は、ユーザインタフェースに出力されるテキスト情報であれば良く、Webブラウザへの入出力に限定されるものではない。たとえば、チャットやメールやWebサイト検索のアプリケーションの入出力情報等でも良い。取得する情報は入力情報Iin又は出力情報Ioutのいずれか一方のみでも良いが、両情報を取得するほうがユーザの興味を反映させやすい。また、情報提供システムSys1は、API(Application Proguramming Interface)等の機能を用いることによりWebブラウザ等のユーザインタフェースと通信可能となっており、例えば、Webブラウザのツールバーとして入力欄Binを表示させたり、Webブラウザの入出力情報を取得可能となっている。
【0025】
キーワード選出手段2は、入力情報Iinと出力情報Ioutを解析して一つ以上のキーワードkを選出する機能を備える。キーワードkの選出は、情報提供プログラムPに記述されてハードディスク18に記憶されている規則に従って行われる。その規則は様々であるが、ユーザの興味をより反映できる規則であることが好ましい。たとえば、入力情報Iinはユーザにより直接入力されるため高い確率でユーザの興味を表していると考えられることから、入力情報Iinはそのままキーワードとして選出しても良い。また、出力情報Ioutは様々な情報が含まれていることから、HTMLのタグに応じてワードごとに重み付けをし、上位数個をキーワードとして選出しても良い。選出したキーワードkはメモリ14やハードディスク等の記憶部に記憶する。なお、選出されたキーワードkの履歴の保存,表示,削除をユーザにより設定可能としても良い。また、選出したキーワードkを入力欄Binに表示し、ユーザにより修正・削除・追加を可能としても良い。
【0026】
検索要求手段3は、キーワード選出手段2により選出されたキーワードkを取得すると、ネットワークN上で利用可能なメタデータを検索対象とする複数の検索エンジンE,,,Eにキーワードkを渡して検索を要求する機能を備える。検索エンジンEは、ネットワークN上で利用可能なメタデータを検索対象としてキーワードkを用いて検索し、且つ、検索結果として検出したメタデータを返す機能を備えるコンピュータシステムである。用いる検索エンジンEは、情報提供システムSys1にデフォルトで設定されているか、又は、ユーザにより任意に設定可能となっている。検索エンジンEは、検索要求手段3からの要求を受け付けると、ネットワークN上で利用可能なメタデータをキーワードkを用いて検索し、検出したメタデータD1,,,D1を情報提供システムSys1に送信する。メタデータは、ネットワークN上で利用可能な各データの書誌的事項(タイトルや要約や更新日時等)であり、例えばRSS形式やAtom形式等で記述されたフィードである。
【0027】
検出データ取得手段4は、検索エンジンEにより検出されたメタデータD1,,,D1を検索エンジンE,,,Eから受け取ると、受け取ったメタデータD1,,,D1をフィルタリング手段5に引き渡す。取得したメタデータD1,,,D1はメモリ14等の記憶部に記憶される。なお、取得するメタデータD1,,,D1の最大件数をユーザにより設定可能とし、メタデータD1,,,D1から最大件数以下を取得するようにしても良い。
【0028】
なお、検索エンジンEは、情報提供システムSys1とネットワークNを介して接続されるサーバ装置により実現されていても良いが、情報提供システムSys1が一部機能として有していても良い。別のサーバ装置により実現される場合は、検索要求手段3は、入力情報Iinや出力情報IoutをネットワークNを介して検索エンジンEに提供し、検出データ取得手段4は、メタデータD1,,,D1をネットワークNを介して検索エンジンEから取得する。
【0029】
フィルタリング手段5は、メタデータD1,,,D1を所定の条件にてフィルタリングする機能を備える。フィルタリングにより、メタデータD1,,,D1のうち所定の条件に合致したメタデータD2,,,D2のみが抽出される。所定の条件は任意であるが、例えば、メタデータに含まれる更新日時のタグを参照し、更新日時が設定以降であるメタデータのみを抽出しても良いし、予め設定されているNGワードを含まないメタデータのみを抽出しても良いし、取得したメタデータが重複している場合は重複を排除するようにしても良い。なお、検出データ取得手段4やフィルタリング手段5は、各検索エンジンEごとに独立したモジュールとして準備し、検索エンジンEに合わせて容易にカスタマイズ可能としておくことが好ましい。
【0030】
統合手段6は、フィルタリング手段5によりフィルタリングされたメタデータD2,,,D2を統合する機能を備える。メタデータD2,,,D2は個別のファイルとなっているため、ユーザはメタデータD2,,,D2ごとに個別に提供されると非常に煩雑に感じる。そこで、統合手段6は、各メタデータD2,,,D2を一つに統合して統合データD3を生成する。統合データD3は、メタデータD2,,D2が一覧形式で提供されるように記述されていることが好ましい。また、メタデータD2,,,D2は更新日時順等で並べ替えても良い。統合データD3は所定のデータ形式にてメモリ14等の記憶部に保存されるが、汎用のフィードリーダで表示可能とするために、RSSやAtom形式のフィードであることが好ましい。
【0031】
さらに、統合手段6は、各メタデータD2,,,D2からキーワードkに関連する部分のみを抽出して統合する機能を備えることが好ましい。図4は、関連部分のみを抽出して統合する統合手段6の機能を概念的に説明する説明図である。ここでは、選出されたキーワードkを「Web2.0」とし、各メタデータD2,,,D2からキーワードk「Web2.0」に関連する部分を抽出して統合する場合を想定する。各メタデータD2,,,D2はキーワードk「Web2.0」に何ら関係のない情報も含んでおり、ユーザにとっては非常に冗長である。そこで、統合手段6は、各メタデータD2,,,D2からキーワード「Web2.0」に関連する関連部分d,,,dのみを抽出する。関連部分d,,,dの抽出は、例えば次のように行う。統合手段6は、そのメタデータのフォーマットに従い、各メタデータD2,,,D2ごとにキーワードkを含むタイトルt、更新日時r、そのタイトルを有する情報を参照可能なリンク(URL)uを関連部分dとして抽出し、抽出した関連部分d,,,dを統合する。その他、サイト名、要約等を含めるようにしても良い。
【0032】
統合データD3は、統合データ出力手段Doutにてディスプレイ15に出力されてユーザに提供される。統合データ出力手段Doutは、統合データD3を読み込んで、ディスプレイに出力する機能を備える。例えば、統合データD3がRSS形式やAtom形式等のフィードである場合は、統合データ出力手段DoutはRSS・Atomアグリゲータ等の汎用のフィードリーダである。図5は、統合データD3を統合データ出力手段Doutにて出力した状態を説明する説明図である。統合データD3は、統合データ出力手段Doutに読み込まれ、統合データD3に記述されるフォーマットに従って表示される。各メタデータD2,,,D2は一覧形式で並び、タイトルt、更新日rが表示される。各タイトルtには抽出されたリンク先(URL)へのリンクuが張られており、タイトルtをクリックすると、新たなウインドウが開き、その新たなウインドウの出力欄Boutにリンク先のデータが出力されるとともに、それに付随するように新たな統合データD3が表示されるようになっている。その他、サイト名や要約が出力されるようにしても良い。なお、本実施の形態では、統合データ出力手段Doutとしてのフィードリーダは、ティッカー型であるが、ブラウザやメーラーに組み込まれる組み込み型でも良く、Webブラウザやメーラーとは独立して機能する独立型でも良く、その形態は問わない。
【0033】
(情報提供プログラム)
情報提供プログラムPは、コンピュータシステムを上記各手段1〜6として機能させる命令が記述されたプログラムであり、下記のステップを備える。なお、上記システムでの説明と同一内容については記載を省略する。図6は、情報提供プログラムPを説明するフローチャートである。(ステップS1:情報取得ステップ)入力情報Iin及び出力情報Ioutを取得する。(ステップS2:キーワード選出ステップ)入力情報Iin及び出力情報Ioutを解析してキーワードkを選出する。(ステップS3:検索要求ステップ)検索エンジンEにキーワードkを渡して検索の要求を行う。(ステップS4:メタデータ取得ステップ)検索エンジンEからメタデータD1,,,D1を取得する。(ステップS5:フィルタリングステップ)メタデータD1,,,D1をフィルタリングしてメタデータD2,,,D2を抽出する。(ステップS6:統合ステップ)メタデータD2,,,D2を統合した統合データD3を作成する。各メタデータD2,,,D2からキーワードkに関連する関連部分dのみを抽出して統合することが好ましい。(ステップS7:提供ステップ)統合データD3をメモリ等の記憶部に記憶し、統合データ出力手段Doutに統合データD3を出力して提供する。
【0034】
情報提供プログラムPは、ステップ1よりも前に入力情報Iinを入力させる入力欄Binを表示させるステップを備えていても良く、入力欄BinはWebブラウザが起動されたときにツールバー等として組み込まれて表示されるように記述されていても良い。また、情報提供プログラムPは、コンピュータシステムを検索エンジンEとして機能させるための命令を含んでいても良い。その場合は、ステップS3とステップS4の間に次のステップS11とステップS12が実行される。(ステップ11)ステップ3にて選出されたキーワードkを取得し、ネットワーク上で利用可能なメタデータを検索対象としてキーワードkを用いた検索を行う。(ステップ12)ステップ11の検索により検出されたメタデータD1,,,D1をメモリ等の記憶部に記憶してステップ3に引き渡す。
【0035】
(使用態様1)
使用態様1はユーザインタフェースの入力情報Iinを用いる場合の例である。情報提供プログラムP1により実現される情報提供システムSys1は、以下のように使用される。ユーザはクライアント端末Cのディスプレイ15に表示されるユーザインタフェースを用いて、入力欄Binにキーワードを入力したり、入出力欄BinoutにURLを入力したりする。情報取得手段1は、その入力情報Iinを取得する。キーワード選出手段2は、取得した入力情報Iinからキーワードkを選出し、検索要求手段3は選出されたキーワードkを検索エンジンEに引渡して検索を要求する。要求を受けた検索エンジンEは、ネットワークN上で利用可能なメタデータを検索し、その検索結果として検出されたメタデータD1,,,D1を検出データ取得手段4に引き渡す。検出データ取得手段4は、メタデータD1,,,D1を受け取ると、そのメタデータD1,,,D1をメモリ14等の記憶部に記憶させる。フィルタリング手段5は、メタデータD1,,,D1を所定の条件でフィルタリングしてメタデータD2,,,D2を抽出し、統合手段6がメタデータD2,,,D2を統合して統合データD3を生成する。統合データD3は、フィードリーダ等である統合データ出力手段Doutにより出力される。ユーザは統合データD3を参照してリンクをたどることにより、興味のある情報を入手することができる。従来のように、興味のあるWebサイトを自ら探してフィードリーダに登録するような手間も不要である。登録したサイト等に限定されることもなく、ネットワーク上で利用可能な情報から提供されるため、ユーザは広く情報を入手することが可能であり、興味があるが認識できていなかった情報も新たな情報として入手できる。統合データD3はユーザインタフェースの入出力に連動して提供されるため、ユーザは興味のある情報を入出力に合わせてリアルタイムに入手することができる。提供される統合データD3は、複数のメタデータが統合されており、ユーザは一つにまとめた形で見ることができる。とくに、各メタデータD2,,,D2から関連部分dのみが抽出されて統合されている場合は、ユーザは興味のある部分のみをまとめて見ることができる。統合データD3は一覧形式であるため、ユーザは一覧の中から必要な情報のみを選択して参照することも容易である。
【0036】
(使用態様2)
使用態様2は、ユーザインタフェースの出力情報Ioutを用いる場合の例である。ユーザはクライアント端末Cのディスプレイに表示されるWebブラウザ等のユーザインタフェースを用いて、URL用の入出力欄BinoutにURLを入力し、出力欄BoutにそのURLに該当するデータを出力させたり、ユーザインタフェースにポータルサイトを表示させて、そのポータルサイトのキーワード検索入力欄にキーワードを入力し、出力欄Boutにその検索結果を表示させる。情報提供システムSys1の情報取得手段1は、出力欄Boutに出力された出力情報Ioutを取得する。キーワード選出手段2は、取得した出力情報Ioutからキーワードkを選出する。以下、上記使用態様1と同様である。出力情報Ioutとともに、入出力欄Iinoutや入力情報Iinを取得して、出力情報Iout・入出力情報Iinout・入力情報Iinからキーワードを選出しても良い。これによれば、ユーザは登録の手間を要することなく、ユーザインタフェースに出力させた情報と関連する情報をネットワーク上から広く取得することができる。ユーザは、Webブラウザ等のユーザインタフェースの出力に連動して、出力情報Ioutと関連する情報を得ることができ、統合データD3に表示されるリンクをたどることにより、出力情報Ioutに関連する情報を次々と入手することができる。
【0037】
(第二の実施の形態)
本実施の形態の情報提供システムSys2は、本発明のシステムをサーバ装置Sによって実現した場合の例である。情報提供システムSys2は図2に示されるようなコンピュータシステムによって実現される。図7は、情報提供システムSys2を機能的に説明する説明図である。情報提供システムSys2は、ネットワークNを介してクライアント端末Cに接続可能となっている。なお、検索エンジンEは、別体のWebサーバによって実現されていても良いし、同一サーバ装置S内にて一部機能として実現されていても良い。別体のWebサーバにて実現される場合は、情報提供システムSys2は一つ又は複数の検索エンジンEにネットワークNを介して接続する。以下、上記第1の実施の形態と同一である点については同一符号を用いて説明を省略する。
【0038】
情報提供システムSys2は、クライアント端末Cに対して、情報入力手段Bin,情報出力手段Bout,情報入出力手段Binoutを有するインタフェースを提供する。なお、これらと同時にHTTP cookie等の機能を用いてクライアント端末を識別可能な識別情報等の返信も要求する。クライアント端末Cは、情報入力手段Bin,情報出力手段Bout,情報入出力手段Binoutをディスプレイ等の出力手段に出力し、これらに入力された入力情報Iinや出力された出力情報Ioutをメモリ等の記憶手段に記憶し、ネットワークNを介して情報提供システムSys2に送信する。なお、入力情報Iinや出力情報Ioutとともに、クライアント端末Cを特定可能な識別子等も送信する。情報提供システムSys2は、クライアント端末Cから入力情報Iinや出力情報Iout及びクライアント端末Cの識別子等を受信すると、それらをメモリ14等の記憶部に記憶する。情報取得手段1は受信した情報から入力情報Iinや出力情報Ioutを取得する。キーワード選出手段2から関連部分統合手段6は上記第1の実施の形態と同一処理により統合データD3を生成する。情報提供システムSys2は、生成された統合データD2を記憶していた識別子に基づいてクライアント端末Cに提供し、統合データ出力手段Doutによりクライアント端末Cのディスプレイ15に表示させる。
【0039】
ユーザは、クライアント端末Cに情報を入力したり出力したりするだけで、それに関連するメタデータをネットワークN上から広く収集することができる。情報提供システムSys2は、サーバ装置にて実現されているため、クライアント端末の負荷も抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施の形態の情報提供システムを機能的に説明する説明図である。
【図2】上記実施の形態による情報提供システムの一構成を示すブロック図である。
【図3】Webブラウザを用いたときの表示画面の例を説明する説明図である。
【図4】関連部分を抽出して統合する統合手段の機能を概念的に説明する説明図である。
【図5】統合データを統合データ出力手段にて出力した状態を説明する説明図である。
【図6】情報提供プログラムを説明するフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態の情報提供システムを機能的に説明する説明図である。
【符号の説明】
【0041】
Sys1,Sys2 情報提供システム
P 情報提供プログラム
1 情報取得手段
2 キーワード選出手段
3 検索要求手段
4 検出データ取得手段
5 フィルタリング手段
6 関連部分統合手段
Bin 情報入力手段
Bout 情報出力手段
Dout 統合データ出力手段
E 検索エンジン
C クライアント端末
S サーバ装置
Iin 入力情報
Iout 出力情報
k キーワード
D1 検索エンジンから取得したメタデータ
D2 フィルタリング後のメタデータ
d 関連部分
D2 統合データ
N ネットワーク
11 内部バス
12 通信インタフェース
13 CPU
14 メモリ
15 ディスプレイ
16 キーボード/マウス
17 ドライブ
18 ハードディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインタフェースに入力される入力情報、及び/又は、ユーザインタフェースに出力される出力情報を取得する情報取得手段と、
記入力情報、及び/又は、出力情報を解析してキーワードを選出するキーワード選出手段と、
ネットワーク上で利用可能なメタデータを検索対象とし且つ検索結果としてメタデータを返す一以上の検索エンジンに、前記キーワードを渡して検索させる検索要求手段と、
前記検索エンジンにより検出されたメタデータを取得する検出データ取得手段と、
前記検出データ取得手段により取得したメタデータを所定の条件に基づいてフィルタリングするフィルタリング手段と、
前記フィルタリング手段によるフィルタリング後のメタデータを統合して統合データを作成する統合手段とを備え、
当該統合データをユーザに提供することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記統合手段は、前記フィルタリング手段によるフィルタリング後の各メタデータから前記キーワードに関連する部分のみを抽出して統合することを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記入力情報はWebブラウザに入力される入力情報であり、前記出力情報はWebブラウザに出力される出力情報であり、前記統合手段は、前記フィルタリング手段によるフィルタリング後の各メタデータから少なくともリンク情報を抽出して統合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
コンピュータを情報提供システムとして機能させる情報提供プログラムであり、
ユーザインタフェースに入力される入力情報、及び/又は、ユーザインタフェースに出力される出力情報を取得する情報取得ステップと、
前記入力情報、及び/又は、出力情報を解析してキーワードを選出するキーワード選出ステップと、
ネットワーク上で利用可能なメタデータを検索対象とし且つ検索結果としてメタデータを返す一以上の検索エンジンに、前記キーワードを渡して検索させる検索要求ステップと、
前記検索エンジンにより検出されたメタデータを取得する検出データ取得ステップと、
前記検出データ取得手段により取得したメタデータを所定の条件に基づいてフィルタリングするフィルタリングステップと、
前記フィルタリング手段によるフィルタリング後のメタデータを統合して統合データを作成する統合ステップと、
当該統合データをユーザに提供するステップとを備えることを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項5】
前記統合ステップは、前記フィルタリングステップにおけるフィルタリング後の各メタデータから前記キーワードに関連する部分のみを抽出して統合することを特徴とする請求項4記載の情報提供プログラム。
【請求項6】
前記入力情報はWebブラウザに入力される入力情報であり、前記出力情報はWebブラウザに出力される出力情報であり、前記統合ステップでは、前記フィルタリングステップにおけるフィルタリング後の各メタデータから少なくともリンク情報を抽出して統合することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の情報提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−204198(P2008−204198A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40000(P2007−40000)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(507055969)株式会社スカイ・アイティ (1)
【Fターム(参考)】