説明

情報提供システムおよび変換サーバ装置

【課題】コードが埋め込まれた画像が印刷されたカードなどの商品であって、一定回数または一定期間の使用に対して付加価値が与えられるような商品に対するコンテンツの割り当てを適切に行うことができる情報提供システムを提供することである。
【解決手段】本発明の情報提供システムは、変換サーバ装置36において、振分けサーバ装置23から受信したコードおよび端末の識別情報の組み合わせに対して、その組み合わせの初回の受信時に、コンテンツ情報へのアクセスの有効期限を算出し、その組み合わせの初回以降の受信時には、その組み合わせの受信時刻が算出した有効期限内である場合に、受信した組み合わせに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を端末装置32に送信している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムおよびそのシステムに使用される変換サーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツを取得する技術として、コンテンツURL(Uniform Resource Locator)より冗長性が少ないコードを用いる技術がある。このコードは、被印刷媒体上に印刷された画像に埋め込まれる。そして、画像を読み取って、その画像からコードを抽出し、そのコードに対応するコンテンツURLを取得している。特許文献1等のように、この技術をベースになされた発明も多い。
【0003】
しかし、コードが埋め込まれた画像が印刷されたカードなどの商品であって、一定回数または一定期間の使用に対して付加価値が与えられるような商品に対するコンテンツの割り当てを適切に行うことができる方法は示されていない。
【特許文献1】WO 2006/030521 「情報提供システム」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、コードが埋め込まれた画像が印刷されたカードなどの商品であって、一定回数または一定期間の使用に対して付加価値が与えられるような商品に対するコンテンツの割り当てを適切に行うことができる情報提供システムおよび変換サーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様の情報提供システムは、コードが埋め込まれた媒体から画像を読み取ることでデータをやり取りする情報提供システムにおいて、前記媒体の画像を読み取ってその画像からコードを抽出するコード抽出部と、コンテンツ情報の位置情報を受信した場合に、その位置情報を基に、コンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得部、を有し、抽出したコードを自身の識別情報とともに送信する端末と、コードをコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報に変換する変換部と、コードおよび端末の識別情報を受信し、受信したコードに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を得ることができる変換部に送信する振分部、を備え、前記変換部は、振分部からのコードおよび端末の識別情報の組み合わせのアクセスに対応して、受信したその組み合わせに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信することを特徴とする情報提供システムである。
【0006】
本発明の第2態様の情報提供システムは、上記第1態様において、前記変換部は、振分部からのコードおよび端末の識別情報の組み合わせに対するアクセス回数を累積アクセス回数として記憶するとともに、累積アクセス回数と、コンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を対応付けた記憶部を基に、受信したコード、端末の識別情報、および、累積アクセス回数に対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信することを特徴とする情報提供システムである。
【0007】
上記第2態様の情報提供システムでは、端末すなわちユーザごと、コードごと、アクセス回数ごとに、異なるコンテンツを割り当てることができる。よって、コードが埋め込まれた画像が印刷されたカードなどの商品であって、一定回数の使用に対して付加価値が与えられるような商品に対するコンテンツの割り当てを適切に行うことができる。
【0008】
本発明の第3態様の情報提供システムは、上記第1態様において、前記変換部は、振分部から受信したコードおよび端末の識別情報の組み合わせに対して、その組み合わせの初回の受信時に、コンテンツ情報へのアクセスの有効期限を算出し、その組み合わせの初回以降の受信時には、その組み合わせの受信時刻が算出した有効期限内である場合に、受信した組み合わせに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信することを特徴とする情報提供システムである。
【0009】
上記第3態様の情報提供システムでは、端末すなわちユーザごと、コードごとに、異なるコンテンツを割り当てることができる。また、有効期限も設定できる。よって、コードが埋め込まれた画像が印刷されたカードなどの商品であって、一定期間の使用に対して付加価値が与えられるような商品に対するコンテンツの割り当てを適切に行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コードが埋め込まれた画像が印刷されたカードなどの商品であって、一定回数または一定期間の使用に対して付加価値が与えられるような商品に対するコンテンツの割り当てを適切に行うことができる。よって、コードが埋め込まれた画像が印刷されたカードなどの商品を一層多くの商品形態に対応させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。なお、本発明は、特開2007−41632号公報を利用する。
図1は、本発明の情報提供システムの原理構成図である。
【0012】
図1において、利用者は情報取得手段(利用者端末)1を操作して、画像から抽出したコードと、端末の識別情報を振分け手段3に送信する。振分け手段3は、コードと変換手段アドレスとを対応付けたコード/変換手段アドレス記憶手段4を用いて、受信したコードに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を得ることができる変換手段を特定し、その変換手段に受信したコードと端末の識別情報を送信する。なお、図1には明示されていないが、振分け先としての変換手段5は、通常、複数存在する。
【0013】
コードと端末の識別情報を受信した変換手段5は、コードと、端末の識別情報の組み合わせに対応してコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を対応付けたコード・識別情報/コンテンツ情報・位置情報記憶手段6を用いて、受信したコードと端末の識別情報に対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を情報取得手段1に送信する。
【0014】
図2は、本発明の各実施形態に共通する情報提供システムの概要構成図である。
図2において、利用者端末11は、コードが埋め込まれた画像が印刷された被印刷媒体から画像を読み取って、その読み取った画像からコードを抽出する。そして、その抽出したコードを、利用者端末11をハードウェア的に識別する識別情報、利用者端末11にインストールされたコンテンツIDを抽出するソフトウェアに付与された識別情報、等の識別情報とともに、振分けサーバ装置12に送信する。
【0015】
振分けサーバ装置12は、受信したコードを用いて、そのコードに対応するコンテンツ自体またはコンテンツの位置情報(「コンテンツURL」ともいう)を得ることが可能な変換サーバ装置を特定し、その変換サーバ装置に、受信したコードと識別情報の組を転送する。
【0016】
図2では、振分けサーバ装置12の振分け先としての変換サーバ装置はN台(13−1、・・・、13−N)存在している。変換サーバ装置は、通常、コンテンツ提供者(プロバイダ)ごとに設けられる。なお、以降の図面では、簡単のため、変換サーバ装置は1台だけ図示するようにした。
【0017】
図2において、コードと識別情報の組を受信したN台の変換サーバ装置13−1、・・・、13−Nのうちのいずれか1台は、受信したコードと識別情報の組み合わせに対応するコンテンツ自体またはコンテンツURLを利用者端末11に送信する。
【0018】
なお、画像に埋め込まれたコードとは、コンテンツを特定するために使用するデータであって、冗長性がコンテンツURLより少ないデータである。本発明の各実施形態においては、コードは10進10桁の数字とする。
【0019】
また、以下に説明する各実施形態では、変換サーバ装置はコードに対応するコンテンツURLのみを保持するものとする。
図3は、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【0020】
図3において、端末装置(カメラ付き携帯電話)22は、利用者が操作する端末である。利用者は、このカメラ付き携帯電話22を操作して、コードが埋め込まれた画像21が印刷された被印刷媒体から画像を読み取って、その読み取った画像からコードを抽出する。そして、その抽出したコードを、端末装置22をハードウェア的に識別する固体識別情報とともに、振分けサーバ装置23に送信する。
【0021】
なお、本実施形態では、簡単のため、固体識別情報を送信するようにしているが、実際は、固体識別情報または端末にダウンロードしたプログラムに付与された識別情報のいずれか一方が、端末の識別情報として用いられる。
【0022】
振分けサーバ装置23は、コードと変換サーバ装置アドレス(変換サーバ装置URL)を対応付けたコード/変換サーバ装置URL記憶部24を用いて、受信したコードに対応するコンテンツ自体またはコンテンツURLを得ることが可能な変換サーバ装置を特定し、その変換サーバ装置に、受信したコードと固体識別情報の組を転送する。本実施形態では、コードは10進10桁の数字であるが、その最上位の桁で変換サーバ装置を識別するものとする。すなわち、コード/変換サーバ装置URL記憶部24は、図4に示すように、コード範囲と、変換サーバ装置URLを対応付けた記憶部となる。なお、必要に応じて1桁以上の上位側の桁を変換サーバを特定するための桁として割り当ててもよい。
【0023】
振分けサーバ装置23からコードと固体識別情報の組を受信した変換サーバ装置25は、累積アクセス回数とコンテンツURLを対応付けた累積アクセス回数/コンテンツURL記憶部30と、コードと固体識別情報の組み合わせに対して累積アクセス回数/コンテンツURL記憶部30を対応付けたコード・識別情報/ポインタ情報記憶部26を基に、受信したコード、固体識別情報、算出した累積アクセス回数に対応するコンテンツURLを利用者端末22に送信する。
【0024】
図5は、図3の変換サーバ装置の構成をより詳細に示すブロック図である。
図5に示すように、変換サーバ装置25は、振分けサーバ装置23からのコードおよび固体識別情報の組み合わせに対するアクセス回数を算出するアクセス回数算出部28と、組み合わせごとにアクセス回数算出部28の算出結果である累積アクセス回数を記憶する累積アクセス回数記憶部27と、受信したコード、固体識別情報、および、算出された累積アクセス回数を基に、累積アクセス回数/コンテンツURL記憶部30と、コード・識
別情報/ポインタ情報記憶部26を用いて、利用者端末22に送信するコンテンツURLを取得するURL取得部29、を備える。
【0025】
アクセス回数算出部28は、変換サーバ装置25がコードおよび固体識別情報の組み合わせを受信すると、累積アクセス回数記憶部27を検索して、その組み合わせに対する累積アクセス回数があるかどうかを判定する。
【0026】
その組み合わせに対する累積アクセス回数がデータとして存在しない場合、その組み合わせでは初回のアクセスであるとみなされ、その組み合わせに対して累積アクセス数=1というデータが累積アクセス回数記憶部27に記憶される。
【0027】
一方、その組み合わせに対する累積アクセス回数がデータとして存在した場合、その累積アクセス回数の値がインクリメントされて累積アクセス回数記憶部27に記憶される。
図6は、コード・識別情報/ポインタ情報記憶部を示す図である。
【0028】
図6において、C1、C2、・・・、Cmは、それぞれが10進10桁のコードを示している。また、S1、S2、・・・、Snは、端末の識別情報(ハードウェア的な固体識別情報、その端末にダウンロードされたソフトウェアに付与された識別情報、等)を変換サーバ装置(コンテンツプロバイダ)側で例えばメーカごとに分類しシリアライズして割り振ったシリアル番号である。その意味では、図6とは別途にシリアル番号と端末の識別情報を対応付けるシリアル番号/識別情報記憶部を変換サーバ装置が持つようにしてもよい。
【0029】
Pijは、i番目のコードCiと、j番目のシリアル番号Sjの組み合わせに対応する、累積アクセス回数とコンテンツURLを対応付けた累積アクセス回数/コンテンツURL記憶部へのポインタである。
【0030】
累積アクセス回数/コンテンツURL記憶部を図7に示す。図7では、k個の累積アクセス回数N1、・・・、Nkに対し、それぞれコンテンツURLとしてwww.contents-count-N1.co.jp〜www.contents-count-Nk.co.jpが対応付けられている。
【0031】
このように、本実施形態では、端末すなわちユーザごと、コードごと、アクセス回数ごとに、異なるコンテンツを割り当てることができる。よって、コードが埋め込まれた画像が印刷されたカードなどの商品であって、一定回数の使用に対して付加価値が与えられるような商品に対するコンテンツの割り当てを適切に行うことができる。このような商品としては、カード上に印刷された画像を読み込むとこで、4コママンガにアクセスできるマンガカード、有料の記事にアクセスできる週刊誌カード、などが考えられる。
【0032】
図8は、第1実施形態の情報提供処理のシーケンス図である。
図8において、まず、ステップS101で、端末装置において、被印刷媒体上に印刷された画像からコードが抽出される。ステップS102では、抽出されたコードと、端末装置の固体識別情報が振分けサーバ装置に送信される。
【0033】
振分けサーバ装置は、ステップS103で、コードと固体識別情報を端末装置から受信し、ステップS104で、例えば図4に示すような、コード/変換サーバ装置URL記憶部を用いて、受信したコードに対応する変換サーバ装置のURLを取得する。
【0034】
そして、ステップS105で、振分けサーバ装置は、ステップS103で受信したコードと固体識別情報を、取得したURLを持つ変換サーバ装置に送信する。
変換サーバ装置は、ステップS106で、コードと固体識別情報を振分けサーバ装置か
ら受信し、ステップS107で、上述したように、コードと固体識別情報の組み合わせに対する累積アクセス回数が算出される。
【0035】
ステップS108では、図6に示すコード・識別情報/ポインタ情報記憶部および図7に示す累積アクセス回数/コンテンツURL記憶部が参照されて、受信したコード、固体識別情報、および、算出した累積アクセス回数に対応するコンテンツURLが取得される。
【0036】
取得されたコンテンツURLは、ステップS109で、変換サーバ装置から端末装置に送信される。
端末装置は、ステップS110で、コンテンツURLを受信し、ステップS111で、そのコンテンツURLを用いてコンテンツにアクセスする。
【0037】
図9は、本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図9において、端末装置(カメラ付き携帯電話)32は、利用者が操作する端末である。利用者は、このカメラ付き携帯電話32を操作して、コードが埋め込まれた画像31が印刷された被印刷媒体から画像を読み取って、その読み取った画像からコードを抽出する。そして、その抽出したコードを、端末装置32をハードウェア的に識別する固体識別情報とともに、振分けサーバ装置34に送信する。
【0038】
なお、本実施形態では、簡単のため、固体識別情報を送信するようにしているが、実際は、固体識別情報または端末にダウンロードしたプログラムに付与された識別情報のいずれか一方が、端末の識別情報として用いられる。
【0039】
振分けサーバ装置23は、コードと変換サーバ装置アドレス(変換サーバ装置URL)を対応付けたコード/変換サーバ装置URL記憶部24を用いて、受信したコードに対応するコンテンツ自体またはコンテンツURLを得ることが可能な変換サーバ装置を特定し、その変換サーバ装置に、受信したコードと固体識別情報の組を転送する。本実施形態では、コードは10進10桁の数字であるが、その最上位の桁で変換サーバ装置を識別するものとする。すなわち、コード/変換サーバ装置URL記憶部24は、図4に示すように、コード範囲と、変換サーバ装置URLを対応付けた記憶部となる。なお、必要に応じて1桁以上の上位側の桁を変換サーバを特定するための桁として割り当ててもよい。
【0040】
振分けサーバ装置23からコードと固体識別情報の組を受信した変換サーバ装置36は、コード・識別情報/コンテンツURL記憶部37を基に、受信したコードと識別情報の組み合わせに対応するコンテンツURLを取得し、コード・識別情報/アクセス間隔記憶部39を基に、受信したコードと識別情報の組み合わせに対応するアクセス間隔を取得し、その取得したアクセス間隔から次回アクセス許可時刻を算出し、算出した次回アクセス時刻を、取得したコンテンツURLとともに利用者端末32に送信する。
【0041】
端末装置32は、受信したコンテンツURLと次回アクセス時刻をコードと対応付けてキャッシュ33に記憶する。
図10は、図9の変換サーバ装置の構成をより詳細に示すブロック図である。
【0042】
図10に示すように、変換サーバ装置36は、振分けサーバ装置23からのコードおよび固体識別情報の組み合わせが初回のアクセスであるかどうかを判定する初回アクセス判定部41と、初回アクセス判定部41の判定結果を記憶するアクセス有無記憶部42と、コードと固体識別情報の組み合わせに対して有効期間を記憶した有効期間記憶部44と、有効期間記憶部44を用いて、受信したコード、固体識別情報の組み合わせに対する有効
期限を算出する有効期限算出部43と、URL取得部45、を備える。
【0043】
なお、有効期限算出部43は、初回アクセス判定部41から初回アクセスであることを示す信号を入力したときに起動される。
また、URL取得部45は、受信したコードと、固体識別情報の組み合わせが初回の受信である場合、有効期限算出部から通知された有効期限をコード・識別情報/有効期限記憶部38のその組み合わせに対応する位置に記憶する。そして、コード・識別情報/コンテンツURL記憶部37を用いて、受信したコードと、固体識別情報の組み合わせに対応するコンテンツURLを取得する。また、コード・識別情報/アクセス間隔記憶部39を基に、受信したコードと識別情報の組み合わせに対応するアクセス間隔を取得し、その取得したアクセス間隔に例えば現在時刻を加算することで次回アクセス許可時刻を算出する。この場合、次回アクセス時刻と、コンテンツURLが変換サーバ装置36から端末装置32に送信される。
【0044】
一方、URL取得部45は、受信したコードと、固体識別情報の組み合わせが初回の受信でない場合、コード・識別情報/有効期限記憶部38を用いて、受信した組み合わせに対応する有効期限を取得する。そして、取得した有効期限が現在時刻より先であるかどうかを判定し、取得した有効期限の方が先であれば、コード・識別情報/コンテンツURL記憶部37を用いて、受信したコードと、固体識別情報の組み合わせに対応するコンテンツURLを取得する。また、コード・識別情報/アクセス間隔記憶部39を基に、受信したコードと識別情報の組み合わせに対応するアクセス間隔を取得し、その取得したアクセス間隔に例えば現在時刻を加算することで次回アクセス許可時刻を算出する。この場合、次回アクセス時刻と、コンテンツURLが変換サーバ装置36から端末装置32に送信される。
【0045】
なお、取得した有効期限の方が先でなければ、期限切れであることを示すメッセージが変換サーバ装置36から端末装置32に送信される。
アクセス回数算出部28は、変換サーバ装置25がコードおよび固体識別情報の組み合わせを受信すると、累積アクセス回数記憶部27を検索して、その組み合わせに対する累積アクセス回数があるかどうかを判定する。
【0046】
その組み合わせに対する累積アクセス回数がデータとして存在しない場合、その組み合わせでは初回のアクセスであるとみなされ、その組み合わせに対して累積アクセス数=1というデータが累積アクセス回数記憶部27に記憶される。
【0047】
一方、その組み合わせに対する累積アクセス回数がデータとして存在した場合、その累積アクセス回数の値がインクリメントされて累積アクセス回数記憶部27に記憶される。
図11は、コード・識別情報/コンテンツURL記憶部を示す図である。
【0048】
図11において、C1、C2、・・・、Cmは、それぞれが10進10桁のコードを示している。また、S1、S2、・・・、Snは、端末の識別情報(ハードウェア的な固体識別情報、その端末にダウンロードされたソフトウェアに付与された識別情報、等)を変換サーバ装置(コンテンツプロバイダ)側で例えばメーカごとに分類しシリアライズして割り振ったシリアル番号である。その意味では、図11とは別途にシリアル番号と端末の識別情報を対応付けるシリアル番号/識別情報記憶部を変換サーバ装置が持つようにしてもよい。
【0049】
Uijは、i番目のコードCiと、j番目のシリアル番号Sjの組み合わせに対応する、コンテンツURLを示している。
図12は、コード・識別情報/有効期限記憶部を示す図である。
【0050】
図12において、C1、C2、・・・、Cmの意味、S1、S2、・・・、Snの意味は、それぞれ図11と同じである。Eijは、i番目のコードCiと、j番目のシリアル番号Sjの組み合わせに対応する、有効期限を示している。
【0051】
図13は、コード・識別情報/アクセス間隔記憶部を示す図である。
図13において、C1、C2、・・・、Cmの意味、S1、S2、・・・、Snの意味は、それぞれ図11と同じである。Iijは、i番目のコードCiと、j番目のシリアル番号Sjの組み合わせに対応する、アクセス間隔を示している。
【0052】
このように、本実施形態では、端末すなわちユーザごと、コードごとに、異なるコンテンツを割り当てることができる。また、有効期限も設定できる。よって、コードが埋め込まれた画像が印刷されたカードなどの商品であって、一定期間の使用に対して付加価値が与えられるような商品に対するコンテンツの割り当てを適切に行うことができる。このような商品としては、カード上に印刷された画像を読み込むとこで、おみくじにアクセスできる電子おみくじカード、などが考えられる。
【0053】
図14は、第2実施形態の情報提供処理のシーケンス図である。
図14において、まず、ステップS201で、端末装置において、被印刷媒体上に印刷された画像からコードが抽出される。ステップS202では、抽出されたコードに対応する次回アクセス許可時刻と、コンテンツURLがキャッシュ33上のレコードにあるかどうかが判定される。あると判定されれば、ステップS203で、そのコードに対応する次回アクセス許可時刻が現在時刻と比較される。ステップS203で次回アクセス許可時刻の方が現在時刻より先であると判定されれば、ステップS205において、抽出されたコードに対応するコンテンツURLが取得され、ステップS215において、そのコンテンツURLを用いてコンテンツへのアクセスがなされる。
【0054】
一方、ステップS203で次回アクセス許可時刻の方が現在時刻より先ではないと判定されれば、ステップS204に進む。
なお、ステップS202で抽出されたコードに対応するデータがキャッシュにはないと判定された場合もステップS204に進む。
【0055】
ステップS204では、抽出されたコードと、端末装置の固体識別情報が振分けサーバ装置に送信される。
振分けサーバ装置は、ステップS206で、コードと固体識別情報を端末装置から受信し、ステップS207で、例えば図4に示すような、コード/変換サーバ装置URL記憶部を用いて、受信したコードに対応する変換サーバ装置のURLを取得する。
【0056】
そして、ステップS208で、振分けサーバ装置は、ステップS206で受信したコードと固体識別情報を、取得したURLを持つ変換サーバ装置に送信する。
変換サーバ装置は、ステップS209で、コードと固体識別情報を振分けサーバ装置から受信し、ステップS210で、図11に示すコード・識別情報/コンテンツURL記憶部と、図13に示すコード・識別情報/アクセス間隔記憶部が参照されて、受信したコードと、固体識別情報の組み合わせに対応するコンテンツURLと、アクセス間隔が取得される。
【0057】
ステップS211では、取得されたアクセス間隔を用いて次回アクセス許可時刻が算出される。そして、取得されたコンテンツURLと、算出された次回アクセス許可時刻が、ステップS212で、変換サーバ装置から端末装置に送信される。
【0058】
端末装置は、ステップS213で、コンテンツURLと、次回アクセス許可時刻を受信し、ステップS214で、そのコンテンツURLと、次回アクセス許可時刻をコードと対応付けてキャッシュに1レコードとして記憶し、ステップS215で、受信したコンテンツURLを用いてコンテンツにアクセスする。
【0059】
図15は、図14のステップS210〜S212の処理をより詳細に示したフローチャートである。この処理は、変換サーバ装置がコードと固体識別情報の組み合わせを受信したことをトリガとして起動される。
【0060】
図15において、まず、ステップS301で、受信したコードと固体識別情報の組み合わせが初回のものであるかが判定される。
ステップS301で受信したコードと固体識別情報の組み合わせが初回のものであると判定された場合、ステップS302で受信したコードと固体識別情報の組み合わせに対する有効期間が取得され、その取得された有効期間を用いて、有効期限が算出され、ステップS306に進む。
【0061】
一方、ステップS301で受信したコードと固体識別情報の組み合わせが初回のものではないと判定された場合、ステップS303で有効期限が、図12のコード・識別情報/有効期限記憶部から取得され、ステップS304で有効期限内であるかどうか、すなわち、取得した有効期限が現在時刻より先であるかどうかが判定される。
【0062】
ステップS304で取得した有効期限が現在時刻より先である(有効期限内である)と判定された場合、ステップS306に進む。
一方、ステップS304で取得した有効期限が現在時刻より先ではない(有効期限内ではない)と判定された場合、ステップS305で有効期限切れであることを示す情報が変換サーバ装置から端末装置に送信される。
【0063】
ステップS306では、図11のコード・識別情報/コンテンツURL記憶部を参照して、受信したコードと固体識別情報の組み合わせに対応するコンテンツURLが取得される。ステップS307では、図13のコード・識別情報/アクセス間隔記憶部を参照して、受信したコードと固体識別情報の組み合わせに対応するアクセス間隔が取得され、その取得したアクセス間隔を用いて、次回アクセス許可時刻が算出される。そして、ステップS308で、取得されたコンテンツURLと、算出された次回アクセス許可時刻が変換サーバ装置から端末装置に送信される。
【0064】
なお、第2実施形態において、次回アクセス許可時刻を算出せず、次回アクセス許可時刻などをキャッシュに格納しないことも可能である。
また、第2実施形態において、端末のキャッシュの容量が少ない場合には、通常、コンテンツ自体ではなく、コンテンツURLを次回アクセス許可時刻、コードとともにキャッシュに格納する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の情報提供システムの原理構成図である。
【図2】本発明の各実施形態に共通する情報提供システムの概要構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【図4】コード/変換サーバ装置URL記憶部の一例である。
【図5】図3の変換サーバ装置の構成をより詳細に示すブロック図である。
【図6】コード・識別情報/ポインタ情報記憶部を示す図である。
【図7】累積アクセス回数/コンテンツURL記憶部を示す図である。
【図8】第1実施形態の情報提供処理のシーケンス図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【図10】図9の変換サーバ装置の構成をより詳細に示すブロック図である。
【図11】コード・識別情報/コンテンツURL記憶部を示す図である。
【図12】コード・識別情報/有効期限記憶部を示す図である。
【図13】コード・識別情報/アクセス間隔記憶部を示す図である。
【図14】第2実施形態の情報提供処理のシーケンス図である。
【図15】図14のステップS210〜S212の処理をより詳細に示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1、11 利用者端末
3 振分け手段
4 コード/変換手段アドレス記憶手段
5 変換手段
6 コード・識別情報/コンテンツ情報・位置情報記憶手段
12、23 振分けサーバ装置
13、25、36 変換サーバ装置
21、31 コード埋め込み画像
22、32 端末装置
24 コード/変換サーバ装置URL記憶部
26 コード・識別情報/ポインタ情報記憶部
27 累積アクセス回数記憶部
28 アクセス回数算出部
29、45 URL取得部
30 累積アクセス回数/コンテンツURL記憶部
33 キャッシュ
37 コード・識別情報/コンテンツURL記憶部
38 コード・識別情報/有効期限記憶部
39 コード・識別情報/アクセス間隔記憶部
41 初回アクセス判定部
42 アクセス有無記憶部
43 有効期限算出部
44 有効期間記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードが埋め込まれた媒体から画像を読み取ることでデータをやり取りする情報提供システムにおいて、
前記媒体の画像を読み取ってその画像からコードを抽出するコード抽出部と、コンテンツ情報の位置情報を受信した場合に、その位置情報を基に、コンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得部、を有し、抽出したコードを自身の識別情報とともに送信する端末と、
コードをコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報に変換する変換部と、
コードおよび端末の識別情報を受信し、受信したコードに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を得ることができる変換部に送信する振分部、を備え、
前記変換部は、振分部からのコードおよび端末の識別情報の組み合わせのアクセスに対応して、受信したその組み合わせに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記変換部は、振分部からのコードおよび端末の識別情報の組み合わせに対するアクセス回数を累積アクセス回数として記憶するとともに、累積アクセス回数と、コンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を対応付けた記憶部を基に、受信したコード、端末の識別情報、および、累積アクセス回数に対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信することを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記変換部は、振分部から受信したコードおよび端末の識別情報の組み合わせに対して、その組み合わせの初回の受信時に、コンテンツ情報へのアクセスの有効期限を算出するとともに、受信した組み合わせに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信し、
その組み合わせの初回以降の受信時には、その組み合わせの受信時刻が算出した有効期限内である場合に、受信した組み合わせに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信することを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記変換部は、振分部からのコードおよび端末の識別情報の組み合わせに対する初回のアクセス時刻を記憶する初回アクセス時刻記憶部と、コードと端末の識別情報の組み合わせに対してコンテンツ情報へのアクセスの有効期間を対応付けた有効期間記憶部と、初回アクセスである組み合わせに対して、有効期間記憶部を基に、コンテンツ情報へのアクセスの有効期限を算出する有効期限算出部と、コードと端末の識別情報の組み合わせに対してコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報とを対応付けたコンテンツ情報・位置情報記憶部、を備えることを特徴とする請求項3記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記端末の識別情報は、端末をハードウェア的に識別する固体識別情報、または、端末にインストールされたプログラムに付与された識別情報であることを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項6】
コードと、コードを送信した端末の識別情報を受信して、コンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信する変換サーバ装置において、
前記コードおよび端末の識別情報の組み合わせのアクセスに対応して、受信したコードおよび端末の識別情報の組み合わせに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信することを特徴とする変換サーバ装置。
【請求項7】
累積アクセス回数と、コンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を対応付けた回数/コンテンツ情報・位置情報記憶部と、
コードと、端末の識別情報の組み合わせに対して、前記回数/コンテンツ情報・位置情
報記憶部を対応付けたポインタ記憶部、をさらに備え、
コードおよび端末の識別情報の組み合わせに対するアクセス回数を累積アクセス回数として記憶し、
変換サーバ装置は、前記ポインタ記憶部および前記回数/コンテンツ情報・位置情報記憶部を用いて、受信したコード、端末の識別情報、および、累積アクセス回数に対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信することを特徴とする請求項6記載の変換サーバ装置。
【請求項8】
コードおよび端末の識別情報の組み合わせに対する初回のアクセス時刻を記憶する初回アクセス時刻記憶部と、
コードと端末の識別情報の組み合わせに対してコンテンツ情報へのアクセスの有効期間を対応付けた有効期間記憶部と、
初回アクセスである組み合わせに対して、有効期間記憶部を基に、コンテンツ情報へのアクセスの有効期限を算出する有効期限算出部と、
コードと端末の識別情報の組み合わせに対してコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報とを対応付けたコンテンツ情報・位置情報記憶部、を備え、
変換サーバ装置は、受信したコードおよび端末の識別情報の組み合わせに対して、その組み合わせは初回のアクセスであると判定された場合に、有効期間記憶部を基に、コンテンツ情報へのアクセスの有効期限を算出するとともに、受信した組み合わせに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信し、
その組み合わせの初回以降のアクセスであると判定された場合に、その組み合わせの受信時刻が算出された有効期限内である場合に、受信した組み合わせに対応するコンテンツ情報またはコンテンツ情報の位置情報を前記端末に送信することを特徴とする請求項6記載の変換サーバ装置。
【請求項9】
コードが埋め込まれた媒体から画像を読み取ることでデータを送受信する端末において、
前記媒体の画像を読み取ってその画像からコードを抽出するコード抽出部と、
抽出したコードを前記端末の識別情報とともに送信する送信部、を備えることを特徴とする端末。
【請求項10】
コードと、コンテンツ情報の位置情報と、変換装置に次にアクセスしてよい時刻を示す次回アクセス許可時刻をレコードとして記憶した記憶部内に、抽出したコードに対応するレコードがあるかどうかを判定する判定部と、
コードに対応するレコードがあると判定され、かつ、前記次回アクセス許可時刻がその時刻より先である場合に、そのレコード中のコンテンツ情報の位置情報を用いて、コンテンツ情報にアクセスするアクセス処理部、をさらに備え、
コードに対応するレコードがあると判定され、かつ、前記次回アクセス許可時刻がその時刻より先でない場合、または、コードに対応するレコードがないと判定された場合に、前記送信部は、抽出したコードを前記端末の識別情報とともに送信することを特徴とする請求項9記載の端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−217173(P2008−217173A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50801(P2007−50801)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】