情報生成装置、情報生成プログラム、情報生成方法、情報読取システム、電子ペン及び記録媒体
【課題】出力用紙等の記録媒体上の情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を文書情報に重畳した重畳情報を出力する情報生成装置等を提供する。
【解決手段】符号パターン画像生成装置10は、出力用紙上の位置或いは出力用紙上に記録される文書画像の記録位置に固有な位置符号を生成する位置符号生成部20と、出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を生成する制御符号生成部21と、位置符号を画像情報として二次元配置して形成される符号ブロックの区画に、制御符号を画像情報として配置した符号パターン画像を出力する付加画像情報出力部24と、外部から入力された文書情報を画像情報に変換し、符号パターン画像を重畳した重畳情報を生成し出力する重畳情報出力部25とを含む。
【解決手段】符号パターン画像生成装置10は、出力用紙上の位置或いは出力用紙上に記録される文書画像の記録位置に固有な位置符号を生成する位置符号生成部20と、出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を生成する制御符号生成部21と、位置符号を画像情報として二次元配置して形成される符号ブロックの区画に、制御符号を画像情報として配置した符号パターン画像を出力する付加画像情報出力部24と、外部から入力された文書情報を画像情報に変換し、符号パターン画像を重畳した重畳情報を生成し出力する重畳情報出力部25とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報生成装置、情報生成プログラム、情報生成方法、情報読取システム、電子ペン及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
出力用紙等の記録媒体上に位置情報を埋め込んでおき、記録媒体上の部分画像をペン型読取装置で読み取り部分画像から位置情報を取得してペン型読取装置の軌跡を取得する従来技術は知られていた(例えば、特許文献1乃至5参照)。
特許文献1では、複数のマークを備えた符号化パターンを有する製品であって、マークのそれぞれが少なくとも2つの異なる値のうちの1つを表している。また、符号化パターンが複数の基準位置を備えており、複数のマークのそれぞれが1つの基準位置に関連付けられている。各マークの値がその基準位置に対するその位置によって決定される。そのような技術を特許文献1は開示している。
特許文献2では、文書は迷路パターンでウォーターマークが入れられ、エンコードされた位置情報がそこから判定される。画像のシーケンスは、ペンに配置されているカメラによって捕捉される。ペン先のパスは、関連の迷路パターンをデコーディングし、捕捉された画像を文書画像と照合することによって判定される技術を特許文献2は開示している。
【0003】
特許文献3では、画像処理装置は、目的の画像の印刷文書データを生成し、また、複写を禁止する文書であることを示すドットパターンのパターンデータを生成する。そして、印刷文書データの文書の背景に、このパターンデータを形成するように両者を重ね合わせて1枚の画像に合成し、この合成後の画像の画像データは、画像形成装置に出力する。これにより画像形成される技術を特許文献3は開示している。
特許文献4では、文書セキュリティ管理システムは、画像形成装置と、この画像形成装置にネットワークを介して接続されるセキュリティサーバを含む。セキュリティサーバは、画像形成装置で電子文書が生成されるときに、電子文書のプロファイルを生成して記録する第1のプロファイル管理テーブルを備える。画像形成装置で印刷文書が生成されるときに、この印刷文書のプロファイルを、印刷文書の派生元の文書のIDと関連付けて生成し記録する第2のプロファイル管理テーブルを備える。画像形成装置は、印刷文書を出力するときに、この印刷文書に新たなプリントIDを埋め込んで印刷する技術を特許文献4は開示している。
特許文献5では、文書の固有情報と該文書の位置情報を有する二次元コードを、文書が印刷される印刷文書の一部または全部に複数配置して形成される二次元コードにおいて、印刷文書に形成される第一の二次元コードと、印刷文書の所定領域に形成され、第一の二次元コードとは異なる態様とされる第二の二次元コードを形成する技術を開示している。
【0004】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特開2005−235185号公報
【特許文献3】特開2004−260341号公報
【特許文献4】特開2005−259108号公報
【特許文献5】特開2006−085679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示の技術では、電子文書が機密情報であるとき、印刷文書に対してコピーやスキャン、FAX送信等の複製文書の出力を禁止したい場合に実現できない。位置情報と複製文書に対する制御情報との情報をサーバ等で関連付けておき、位置情報を検出した後にサーバに制御情報を問い合わせ、複合機を制御する構成が考えられるが、構成が複雑になり、通信状態に制御が依存してしまうほか、サーバに問い合わせを行うため複合機の生産性を低下させてしまう問題がある。
また、特許文献3及び4に開示の技術は、印刷文書から生成される複製文書の出力制御に関する技術であり、複合機などの画像読み取り装置で画像が読み取られることを前提にしているため、筆記情報を取得するためのコードパターンと両立させることはできない。
更に、上記特許文献5に開示の技術では、識別情報と複製文書に対する制御情報との情報をサーバ等で関連付けておき、位置情報を検出した後にサーバに制御情報を問い合わせて複合機を制御する構成(特許文献4に開示の構成)への応用が考えられるが、構成が複雑になる、通信状態に制御が依存してしまう、サーバに問い合わせを行うため複合機の生産性を低下させてしまう、等の問題がある。
ここで、本発明は、出力用紙等の記録媒体上の情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を文書情報に重畳した重畳情報を出力する情報生成装置等の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報生成装置は、記録媒体上の位置或いは記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成手段と、取得された文書情報を画像情報に変換し、且つ、付加画像情報生成手段にて生成された付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成手段とを含むことを特徴とする。
上記情報生成装置において、位置情報は、情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする。
上記情報生成装置において、制御情報は、情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする。
上記情報生成装置において、文書情報は、情報生成装置内に予め蓄積しているか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする。
上記情報生成装置において、情報生成装置は重畳情報を記録媒体に記録する記録手段を更に含み、制御情報の画像情報と位置情報の画像情報とは異なる色材で形成されることを特徴とする。
上記情報生成装置において、制御情報の画像情報に使用される色材は、位置情報の画像情報に使用される色材に比べて赤外吸収量が1/2以下であることを特徴とする。
上記情報生成装置において、付加画像情報生成手段は、位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、記録媒体或いは記録媒体に記録された文書情報を識別する識別情報を制御情報と共に画像情報として配置した付加画像情報を生成することを特徴とする。
上記情報生成装置において、識別情報は、情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする。
上記情報生成装置において、付加画像情報生成手段は、位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に制御情報及び識別情報を交互に配置することを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報生成プログラムは、コンピュータに、記録媒体上の位置或いは記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成機能と、入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、付加画像情報生成機能にて生成された付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成機能とを実現させることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る情報生成方法は、記録媒体上の位置或いは記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成工程と、入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報読取システムは、記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、読取手段にて読み取られた情報から制御情報領域を検出する制御情報領域検出手段と、制御情報領域検出手段により検出された制御情報領域から制御情報を検出する制御情報検出手段と、制御情報検出手段により検出された制御情報に応じて各部の動作を制御する動作制御手段とを含むことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る電子ペンは、記録媒体に記録された情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段にて取得された情報から位置情報と制御情報とを抽出する情報抽出手段と、情報抽出手段にて抽出された位置情報及び制御情報から制御情報を除外して位置情報を出力する制御情報除外手段と、制御情報除外手段から出力された位置情報から筆記情報を生成する筆記情報生成手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る記録媒体は、記録媒体上の位置に固有な位置情報と、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報とを含み、位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、制御情報が画像情報として配置されたことを特徴とする。
上記記録媒体において、位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、記録媒体を識別する識別情報が制御情報と共に画像情報として配置されたことを特徴とする。
上記記録媒体において、制御情報及び識別情報は位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に交互に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、出力された重畳情報に含まれる制御情報によって、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の各部の動作を制御することができる。
請求項2にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、位置情報を外部から取り込む機器でも情報生成装置の機能を果たす。
請求項3にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報を外部から取り込む機器でも情報生成装置の機能を果たす。
請求項4にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、文書情報を予め蓄積していない機器でも情報生成装置の機能を果たす。
請求項5にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、記録媒体を読み取った機器の計算負荷を軽減できる。
請求項6にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、記録媒体を読み取った機器の計算負荷を軽減できる。
請求項7にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、識別情報によって識別される記録媒体又は文書情報は制御情報によって保護される。
請求項8にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、識別情報を外部から取り込む機器でも情報生成装置の機能を果たす。
請求項9にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報と識別情報とが記録媒体上で偏在しないので、記録媒体のどの部分を読み込んでも制御情報と識別情報とを入手することができる。
請求項10にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、出力された重畳情報に含まれる制御情報によって、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の各部の動作を制御することができる。
請求項11にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、出力された重畳情報に含まれる制御情報によって、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の各部の動作を制御することができる。
【0011】
請求項12にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、記録媒体に記録した制御情報によって各部の動作を制御することができる。
請求項13にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報の影響を受けることなく筆記情報を生成することができる。
請求項14にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報が予め記録された記録媒体を使えば記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御することができる。
請求項15にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報と識別情報とが予め記録された記録媒体に情報を記録すれば、記録媒体に記録されている制御情報により出力された情報を保護することができる。
請求項16にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報と識別情報とが偏在することなく記録された記録媒体から制御情報や識別情報を除去することが困難であるから、その記録媒体に記録された情報を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施の形態)を図面を用いて説明する。まずは本実施の形態に登場する符号パターン画像の構成を説明し、その後、その符号パターン画像を使用した符号パターン画像生成装置の説明をする。
(単位符号パターン)
図1は符号パターン画像の単位符号パターンの例を示す説明図である。この例では縦3箇所で横3箇所(以下、3×3箇所と表示する)の計9箇所のドットを配置できる場所から2つの場所を選択してドットを配置する。この場合、単位符号パターンのドット配置組み合わせは36通り(9C2=36)となる(ここで、mCn=m!/{(m−n)!×n!}である)。600dpiで記録するとき図1における1つのドットサイズ(四角の大きさ)は縦2画素で横2画素である(以下、2×2画素と表示する)(計算上は84.6μm×84.6μmの矩形となるが、記録されたトナー像ではゼログラフィープロセスの影響によりφ100μm程度のドット形状となる)。従って、単位符号パターンの大きさは0.5076mm×0.5076mmとなる。
【0013】
36通りの組み合わせのうち4通りは符号ブロック(後述)の検出と回転角度検出用の同期符号として使用する。このとき、符号ブロックの90度単位の回転角度を検出するため、4つのパターンは互いに90度回転対象のパターンになるように選択する。即ち、画像生成時に4通りのうちいずれか1つを同期符号として埋め込んでおけば、復号時に同期符号がどの角度で検出されたかによって符号ブロックの回転角度(二次元配列上に同期化された符号ブロックの0/90/180/270度のいずれの方向を向いているか)を判定し、補正することができる。
【0014】
36通りの組み合わせの残りの32通り(32=25)は、単位符号パターン当たり5ビットの情報埋め込みのために使用できる。
ここで、以上に説明した図1の単位符号パターンが取り得る36通りのドット配置を図2に示す。表示の簡略化のためドット間の空白は省略している。
なお、単位符号パターンは、図示したように9箇所の中の2箇所にドットを配置する方法に限定せず、3個であっても4個であっても良い。即ち、9個より小さければよい。例えば、9箇所のうち3箇所にドットを配置する構成とすればドット配置の組み合わせは84通りとなる(9C3=84)。また、ドットを配置可能な場所も9箇所(3×3箇所)に限らず、その他の数、例えば4箇所(2×2箇所)や16箇所(4×4箇所)などとしても良い。
【0015】
(同期符号の組み合わせ)
図3に、図1の単位符号パターンが取り得る36通りのドット配置から選択できる同期符号の組み合わせを示す。図3に示した組み合わせはいずれも90度回転対称となっている。何れかの組み合わせを、同期符号に使用する4通りの符号パターンにできる。
【0016】
(識別符号埋め込み用の符号ブロック)
図4に、後述する識別符号生成部22が生成する識別情報の一例としての識別符号の埋め込み用の符号ブロック(識別符号ブロック)の例を示す。図1に示した単位符号パターンを5×5個並べて符号ブロックを構成する。
符号ブロックの左上の位置に図3で示した同期符号を配置する。即ち、図3(a)〜(h)の同期符号の中から何れかを選択し、選択された同期符号に含まれる4通りの単位符号パターンから選択された1つを符号ブロックの左上に配置する。
【0017】
(位置符号)
後述する位置符号生成部20が生成する位置情報の一例としての位置符号を説明する。同期符号の右横に隣接する4個の単位符号パターンを使用して、X方向の位置に固有な情報を符号化したX位置符号を配置する。また、同期符号の下側に隣接する4個の単位符号パターンを使用して、Y方向の位置に固有な情報を符号化したY位置符号を配置する。X位置符号、Y位置符号は、夫々4個の単位符号パターンを使用するので、夫々が20bit(5bit×4個)の情報を格納できる。ここで、本実施の形態にかかるX位置符号及びY位置符号はいずれも本発明にかかる位置情報の一例である。
尚、位置符号として情報埋め込み用の32種類(32=25)のパターンを使用せず、16種類のパターンだけを使用しても良い。この場合は、単位符号パターン当たりの情報量は4bit(16=24)となるため、位置符号としては16bit(4bit×4個)の情報量となる。
【0018】
位置符号の例として、M系列を使用することができる。例えば、12次のM系列を利用すればM系列の系列長は4095(=212−1)となる。位置符号の単位符号パターンとして16種類のパターンを選択した場合、各単位符号パターンに4bitの情報を格納できるので、1つの符号ブロックでは16bit(4bit×4個)の情報を格納できる。従って、系列長4095のM系列は、255個(=4095÷16)の符号ブロックに分割して格納できる。1つの符号ブロックの大きさは2.538mm×2.538mm(=0.5076mm×0.5076mm/単位符号パターン×5個)なので、連続する255個の符号ブロックの長さは647.19mmとなり、647.19mmの長さを符号化できる。即ち、A2サイズ(420mm×594mm)の用紙まで符号化できる。
【0019】
ここでは1つのM系列で位置を符号化した例を示したが、複数のM系列を連結することで符号化できる位置をさらに増加させることができる。例えば、11次のM系列を使用した場合であっても、それを4つ連結することで、A0サイズの用紙を符号化できる。
【0020】
(識別符号)
符号ブロックの残りの領域に識別符号を配置する。この領域には単位符号パターンを16個(4×4個)配置できるので、80bit(5bit/単位符号パターン×16個)の情報を格納できる。本実施の形態の単位符号パターンは多値符号であるので、読み取り時などで発生する誤りも単位符号パターンの単位で発生する。従って、誤り訂正符号はブロック単位の誤り訂正が可能な方式が望ましい。識別符号に公知のブロック誤り訂正符号方式であるRS符号を使用すれば、RS符号のブロック長を単位符号パターンの情報量である5bitとすることができる。この場合、RS符号の符号長は16ブロック(=80bit÷5bit/ブロック)となり、例えば2ブロックの訂正能力を持たせるとすれば、情報符号長は12ブロック(=16ブロック−2ブロック×2)となる。この場合、識別情報としては、60bit(=5bit/ブロック×12ブロック)の情報を埋め込むことができる。
【0021】
(制御符号埋め込み用の符号ブロック)
図5に、後述する制御符号生成部21が生成する制御情報の一例としての制御符号の埋め込み用の符号ブロック(制御符号ブロック)の例を示す。同期符号、X位置符号、Y位置符号は図4と同様に配置する。制御符号は図4で識別符号を配置した領域に、識別符号に替えて配置する。この例では、制御符号は情報埋め込み用として使用される図2に示した36通りの単位符号パターンから、同期符号として使用する4通りの単位符号パターンを除いた32種類の単位符号パターンを組み合わせて使用する。
【0022】
制御符号は、図4で示した識別符号の埋め込みと同様に誤り訂正符号などを利用して制御情報を符号化しても良いが、複写機などに組み込んで複写機の動作を制御させる用途(例えばコピーやスキャン、ファクシミリ送信を止める、など)に使用する場合は処理の高速性が要求されるため、パターンマッチングのような簡易的な処理で検出できる構成が望ましい。その場合、制御符号にはデジタル情報を埋め込む必要はなく、制御符号の有無あるいは種類を判定できればよいので、単位符号パターンを組み合わせた図形とすることができる。制御符号のいくつかの例を図6に示している。
【0023】
制御符号ブロックにもX位置符号、Y位置符号を配置しているため、符号パターンが紙面に印刷された後、ペン型スキャナのような読取装置で符号パターン平面を走査した場合、埋め込まれたX位置符号とY位置符号から読取装置の軌跡(ペン型スキャナの場合は筆跡)を取得することが出来る。
図5に示す例では単位符号パターンの組み合わせで制御符号を構成している。よって、符号ブロックを構成している複数の単位符号パターンを取得するための符号ブロック内の境界を容易に判定できる。印刷画像からの符号ブロックを検出する際のブロック内の境界判定が、制御符号の存在に関わらず同じ処理にできるからである。これに関しては図18を参照しつつ単位符号パターンの境界検出(1)として後に説明する。
【0024】
図6に、単位符号パターンの組み合わせで制御符号を構成する例を示す。この例では、単位符号パターン16個分に相当する制御符号領域に単位符号パターンの組み合わせによる制御符号を配置している。処理を高速化するために制御符号は簡易的な処理で検出できる形状が望ましい。この図ではデジタル情報を埋め込んでいないので制御符号に意味は無い。即ち、単純なパターンマッチング処理で検出できるように単純な形状を単位符号パターンの組み合わせで構成している。その結果、符号パターンの角度を検出して二次元配列にビット値として同期する、などの複雑な処理が不要となる。
【0025】
(制御符号埋め込み用の符号ブロックの他の例)
図7に制御符号ブロックの他の例を示す。図5に示した例と異なる点は、制御符号が単位符号パターンの組み合わせではなく、単位符号パターンが配置される16個(4×4)の領域を使って所定のパターンを配置する点である。このとき、制御符号パターンが目立たないように、制御符号パターンの濃度が単位符号パターンの濃度と等しくなるようにする。具体的には、制御符号領域に格納できる単位符号パターン数は16個(4×4)なので、全部で32個のドットパターン(各ドットパターンは、600dpiで2×2画素なので、画素数では128画素)を配置できる。全部で32個のドットパターンと等しい面積となるように制御符号を構成すると、制御符号パターンの濃度が周辺の符号パターンの濃度と等しくなり目立たなくなる。
これとは逆に、制御符号パターンと単位符号パターンで使用するドットパターンとの間に面積や色材などの検出可能な特徴量に違いがあれば、同期化処理の前段でその特徴量を利用して制御パターンだけを除去することができ、残ったパターンで同期化処理を行うことができる。これについては図20を用いて単位符号パターンの境界検出の他の例の箇所で面積や形状によるフィルタ処理及び赤外線吸収度を用いたノイズ除去として説明する。
【0026】
以上に説明した方法で作成した、単位符号パターンの組み合わせでない制御符号を構成する所定のパターンの例を図8に4つ示す。いずれの例でも印刷時の見た目の違和感を防止するため、制御符号の濃度(ドット数)は周辺の濃度とほぼ等しくなるようにしている。単位符号パターンの組み合わせに捉われることなく自由な形状の制御符号パターンを選択し、複合機等でより検出が容易なパターンとなっている。9C2よりも大きいドットを構成するので面積から符号パターンでないと判断できる。
【0027】
(符号パターン画像生成装置)
以上に説明した符号パターン画像を生成する符号パターン画像生成装置を以下に説明する。図9は本発明にかかる情報生成装置を識別情報管理サーバ4(後述)に適用した一例としての符号パターン画像生成装置10を説明するための機能ブロック図である。本実施の形態にかかる符号パターン画像生成装置10は、出力用紙等の記録媒体上の記録位置、或いは、記録媒体上に記録される文書画像の記録位置に固有な位置符号を生成する位置符号生成部20と、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を生成する制御符号生成部21とを有する。また、記録媒体に記録された文書情報を識別する識別符号を生成する識別符号生成部22と、位置情報と制御情報と識別情報とを画像情報に変換して付加画像情報として出力する付加画像情報出力部24と、入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、付加画像情報を重畳した重畳情報を出力する重畳情報出力部25とを有する。
【0028】
位置符号生成部20は、位置情報をM系列化して符号化するM系列符号化部71と、符号化されたM系列を所定の大きさの符号ブロックに分割するブロック分割部72とを含む。M系列符号化部71は位置情報をM系列を使用して符号化する。符号化したい位置情報の長さから必要なM系列の次数を求め動的に生成することで位置情報を符号化する。また、予め符号化したい長さが決められている場合にはM系列を画像生成装置のメモリ等に格納しておき、画像生成時にそれを読み出す。ブロック分割部72は、符号化されたM系列を1つの符号ブロックで格納できる情報量に分割して格納する。例えば図4で説明したように、12次のM系列を利用すればM系列の系列長は4095(=212−1)となる。位置符号の単位符号パターンとして16種類のパターンを選択し各単位符号パターンに4bitの情報を格納するとき、1つの符号ブロックでは位置符号の単位符号パターンが4個あるので16bit(4bit×4個)の情報を格納できる。よって、ブロック分割部72は、系列長4095のM系列を255個(=4095÷16)の符号ブロックに分割して格納する。
制御符号生成部21は出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を生成する。
【0029】
識別符号生成部22は、識別情報を複数のブロックに分割するブロック分割部74と、分割されたブロックに対しRS符号化処理を行い誤り訂正のための冗長ブロックを付加するRS符号化部75とを含む。ブロック分割部74は識別情報を5ビット長の複数のブロックに分割する。例えば図4で説明したように60ビットの識別情報を埋め込む場合は、60ビットを5ビット長の12個のブロックに分割する。RS符号化部75は、分割されたブロックに対しRS符号化処理を行い誤り訂正のための冗長ブロックを付加する。2ブロックの誤りを訂正可能なRS符号とすると、符号長は16ブロックとなる。
付加画像情報出力部24は、識別符号と位置符号と制御符号とを用いて(仮想の)二次元平面を生成するブロック合成部77と、符号パターン画像を生成する出力画像生成部78とを含む。ブロック合成部77は識別符号と位置符号と制御符号とを二次元平面に配置して二次元の符号平面を生成する。出力画像生成部78は符号平面を参照して各符号値に対応した符号パターンを選択し、付加画像情報としての符号パターン画像を生成する。具体的には、内部処理簡略化のため符号平面生成までの過程においては識別符号や制御符号などを符号値という内部コードを用いて処理していたものを、この出力画像生成部78において各符号値に対応した符号パターン(画像情報)に置き換えて符号パターン画像を生成する。
重畳情報出力部25は、外部から入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、符号パターン画像を重畳した重畳情報を出力する。ここで、重畳情報は印刷記述言語(PDL:Print Description Language)で作成された情報である。また、文書情報は後述する文書管理サーバ3から入力される。
【0030】
ここで、付加画像情報出力部24は制御符号と位置符号とを異なる色材で形成するようにしてもよい。出力用紙に記録された情報を読み取った機器は、同期化処理の前段で特徴量の相違を利用して制御符号を除去することができ、同期化処理の計算負荷を軽減させることができるからである。また、制御符号の画像情報に使用される色材を位置符号の画像情報に使用される色材に比べて赤外吸収量が1/2以下としてもよい。赤外吸収量の差異を利用して制御符号を除去することができるからである。
また、文書の機密部分にだけ制御符号を配置するようにしてもよい。制御符号によって機密部分の複写やコピーを制限することができる。
尚、例えば、本実施の形態における符号パターン画像生成装置10は本発明に係る情報生成装置を、付加画像情報出力部24は本発明に係る付加画像情報生成手段を、重畳情報出力部25は本発明に係る重畳情報生成手段をそれぞれ構成する。
【0031】
(符号パターン画像生成方法)
以上に説明した符号パターン画像生成装置10が実行する符号パターン画像生成方法を9C2による符号パターン画像を例として説明する。図10は符号パターン画像の生成方法のフローチャートである。
M系列符号化部71が、記録媒体上の記録位置に固有な位置情報をM系列符号化して位置符号として出力する(M系列符号化工程)(ステップ101)。
出力された位置符号をブロック分割部72が符号ブロックに分割する(ブロック分割工程)(ステップ102)。
外部からの指示を受けて、制御符号生成部21が出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を生成する(制御情報生成工程)(ステップ103)。
【0032】
識別情報をブロック分割部74が5ビット長の複数のブロックに分割する(ブロック分割工程)(ステップ104)。
分割されたブロックに対してRS符号化部75がRS符号化処理を行い冗長ブロックを付加する(RS符号化工程)(ステップ105)。
位置符号と制御符号と識別符号とを用いてブロック合成部77が二次元の符号平面を合成する(ブロック合成工程)(ステップ106)。
符号平面を参照して出力画像生成部78が各符号値に対応した符号パターンを選択し(符号パターン選択工程)(ステップ107)、符号パターン画像を生成し出力する(出力画像生成工程)(ステップ108)。
そして、入力された文書情報を重畳情報出力部25が画像情報に変換し、符号パターン画像を重畳して重畳情報を出力する(重畳情報出力工程)(ステップ109)。
【0033】
ここで、例えば、本実施の形態のM系列符号化工程(ステップ101)及びブロック分割工程(ステップ102)が情報生成方法に係る発明の「位置情報生成工程」に、制御情報生成工程(ステップ103)が「制御情報生成工程」に対応する。また、ブロック分割工程(ステップ104)及びRS符号化工程(ステップ105)が「識別情報生成工程」に、ブロック合成工程(ステップ106)及び符号パターン選択工程(ステップ107)、出力画像生成工程(ステップ108)が「付加画像情報出力工程」に、重畳情報出力工程(ステップ109)が「重畳情報出力工程」にそれぞれ対応する。
また、例えば、ステップ101及び102の処理が実行されることにより情報生成プログラムに係る発明の「位置情報生成機能」が、ステップ103の処理が実行されることにより「制御情報生成機能」が実現される。また、ステップ104及び105の処理が実行されることにより「識別情報生成機能」が、ステップ106及び107,108の処理が実行されることにより「付加画像情報出力機能」が、ステップ109の処理が実行されることにより「重畳情報出力機能」がそれぞれ実現される。
【0034】
本実施の形態にかかる符号パターン画像生成装置10によれば、位置符号生成部20は出力用紙上の位置或いは出力用紙に記録される文書画像の記録位置に固有な位置符号を取得する。制御符号生成部21は出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を取得する。付加画像情報出力部24は、位置符号を画像情報として二次元配置して形成される符号ブロックの区画に、制御符号を画像情報として配置した符号パターン画像を生成し出力する。重畳情報出力部25は、外部から入力された文書情報を画像情報に変換し、符号パターン画像を重畳した重畳情報を生成し出力する。よって、出力された重畳情報に含まれる制御符号によって、出力用紙に記録された情報を読み取った機器の各部の動作を制御することができる。
また、本実施の形態にかかる符号パターン画像生成装置10によれば、識別符号生成部22は出力用紙或いは出力用紙に記録された文書情報を識別する識別符号を生成する。付加画像情報出力部24は符号ブロックの区画に識別符号と制御符号とを画像情報として配置して符号パターン画像を生成し出力する。これにより、重畳情報出力部25が出力する重畳情報には識別符号と制御符号とが含まれる。よって、識別符号によって識別される出力用紙又は文書情報は制御符号によって保護される。
更にまた、本実施の形態にかかる符号パターン画像生成装置10によれば、付加画像情報出力部24は符号ブロックの区画に制御符号及び識別符号を交互に配置する。よって、制御符号と識別符号とが出力用紙上で偏在しないので、出力用紙のどの部分を読み込んでも制御符号と識別符号とを入手することができる。
【0035】
本実施の形態にかかる出力用紙は、出力用紙上の位置に固有な位置符号と、出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号とを含み、位置符号を画像情報として二次元配置して形成される符号ブロックの区画に、制御符号が画像情報として配置される。よって、制御符号が予め記録された出力用紙を使えば出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御することができる。
本実施の形態にかかる出力用紙によれば、位置符号を画像情報として二次元配置して形成される符号ブロックの区画に、出力用紙を識別する識別符号が制御符号と共に画像情報として配置される。よって、制御符号と識別符号とが予め記録された出力用紙に情報を記録すれば、出力用紙に記録されている制御符号により出力された情報を保護することができる。
本実施の形態にかかる出力用紙によれば、制御符号及び識別符号は符号ブロックの区画に交互に配置される。よって、制御符号と識別符号とが偏在することなく記録された出力用紙から制御符号や識別符号を除去することが困難であるから、その出力用紙に記録された情報を保護することができる。
【0036】
(符号ブロックの合成例)
ブロック合成工程(ステップ106)においてブロック合成部が実行する符号ブロックの合成を図11を用いて説明する。図11は符号ブロックの合成方法を説明するための図である。図11(a)は1種類の制御符号を使用した例であり、図11(b)は2種類の制御符号を使用した例である。
同期符号の上下左右の列に位置符号を配置し、同期符号の右下象限に識別符号と制御符号を交互に配置する。即ち、位置符号の列が格子を構成し、格子の各交点に同期符号が配される。格子の各区画には識別符号と制御符号とが交互に配される。位置符号及び識別符号は、例えば、それぞれM系列で符号化された位置情報とRS符号で符号化された識別情報である。制御符号は、図6及び図8で説明したような符号パターンである。各符号ブロックには同期符号があるため位置符号は連続して配置できず、位置符号の4個の単位符号パターン毎に同期符号が配置される。2種類の制御符号を使用すれば、制御符号パターンに例えば「コピー禁止」、「認証コピー」、「スキャンのみ許可」等の意味付けの種類を増やすことができる。
尚、図11では、同期符号と位置符号とが構成する格子の区画に識別符号と制御符号とが配された構成例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、格子が構成する区画に制御情報だけが配置された構成であってもよい(図示省略)。
【0037】
このようにして符号ブロックが合成されて生成された符号パターンの配置例を図12に示す。図12は、図11に示した合成方法によって生成された符号パターンの配置例である。図12(a)は制御符号パターンが1種類の例で図11(a)に対応し、図12(b)は2種類の例で図11(b)に対応する。
いずれも制御符号パターンが符号パターンの全面に配置されるため、符号パターンと文書画像とが合成されて出力された場合、例えば、文書に記載される機密情報と制御符号パターンを切り離すことが実質的に出来ず、悪意をもったユーザが制御パターン画像を切り離して機密文書を不当にコピーしたりスキャンしたりできない。
【0038】
(印刷文書情報記録システム)
以上に記録媒体に記録される情報(符号パターン画像)の生成について説明したので、このように生成された情報が実際に記録される情報記録システムの一例としての印刷文書情報記録システム1を次に説明する。図13は、複合機及び情報を蓄積・管理する各種サーバを含む印刷文書情報記録システム1の構成例である。
印刷文書情報記録システム1は、文書管理サーバ3に格納されている電子文書の印刷を指示する端末装置2と、印刷が指示された電子文書とその属性情報を識別情報管理サーバ4に送信する文書管理サーバ3とを有する。また、印刷する電子文書への識別情報の割り当て、登録、印刷の処理を行う識別情報管理サーバ4と、受信したPDLから画像を生成し、印刷画像として紙面に画像を印刷出力する複合機5とを有する。各部はネットワーク6で接続されている。文書管理サーバ3と識別情報管理サーバ4とは各種文書ファイルを格納するデータベース16,23を有している。
【0039】
端末装置2は例えばパソコン等で構成される。ユーザからの記録入力を受け付けるキーボード11及びディスプレイ12と、ネットワーク6を介して印刷文書情報記録システム1を構成する2つのサーバ3,4や複合機5との通信を実行する送受信部13と、各部の動作を制御する制御部(CPU)14とを有して構成される。端末装置2はユーザからの記録指示の入力を受け付けたとき、文書管理サーバ3のデータベース16(後述)に格納されている文書ファイルを出力用紙等の記録媒体へ記録(印字)するよう指示をする。
文書管理サーバ3は、文書情報と属性情報とを関連付けて格納するデータベース16と、端末装置2からの指示を受け付け、且つ、文書情報等をネットワーク6へ送信する送受信部17とを有する。また、端末装置2からの指示に従ってデータベース16から文書ファイルを取り出す等の作業を行う制御部18とを有する。文書管理サーバ3は、端末装置2から指示された文書ファイルをデータベース16から取り出し、ネットワーク6を介して識別情報管理サーバ4に出力(送信)する。
【0040】
識別情報管理サーバ4は、記録媒体上の記録位置に固有な位置符号を生成する位置符号生成部20と、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を生成する制御符号生成部21とを有する。また、文書情報を識別する識別符号を生成する識別符号生成部22と、識別符号と属性情報とを関連付けて格納するデータベース23とを有する。更に、位置符号と制御符号と識別符号とを画像情報に変換して付加画像情報として出力する付加画像情報出力手段の一例としての付加画像情報出力部24と、入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、付加画像情報を重畳した重畳情報を出力する重畳情報出力手段の一例としての重畳情報出力部25とを有する。更にまた、文書管理サーバ3から送信された文書ファイルをネットワーク6を介して受信し、且つ、出力された重畳情報をネットワーク6を介して複合機5へ送信する送受信部26を有して構成される。識別情報管理サーバ4は、記録(印字)する文書ファイルへの識別情報の割り当て、登録、記録(印字)の処理を行う。
複合機5は、コピーやFAX、プリンタ、スキャナといった機能が一体となった機器である。複合機5は、ネットワーク6を介して識別情報管理サーバ4から受信する文書ファイルを受信する受信部28と、受信した文書ファイルを出力用紙等の記録媒体に記録(印字)する記録部29とを有して構成される。複合機5は、ネットワーク6を介して識別情報管理サーバ4から受信した文書ファイルを記録媒体へ記録する。
【0041】
(印刷文書情報の記録方法)
以上の構成を有する印刷文書情報記録システム1が実行する印刷文書情報の記録方法について図14を参照しつつ以下に説明する。図14は印刷文書情報の記録方法のフローチャートである。
ユーザが端末装置2を使って印刷文書の記録媒体への記録を指示すると(指示入力工程)(ステップ121)、端末装置2は文書管理サーバ3に対して文書ファイルを識別情報管理サーバ4に送信するよう指示を出す(記録指示送信工程)(ステップ122)。
文書管理サーバ3は端末装置2からの指示を受信し(指示受信工程)(ステップ131)、データベース16を検索して指示された文書ファイルと属性情報とを取り出す(検索工程)(ステップ132)。そして、取り出した文書ファイルと属性情報とを識別情報管理サーバ4に送信する(文書ファイル送信工程)(ステップ133)。属性情報は電子文書の格納場所、印刷設定、レイアウト情報などの情報である。
【0042】
識別情報管理サーバ4が文書ファイルと属性情報とを受信し(文書ファイル受信工程)(ステップ141)、受信した文書ファイルと属性情報とに基づいて識別符号生成部22は識別符号を生成する(識別情報生成工程)(ステップ142)。
生成した識別情報は受信した電子文書の属性情報と関連付けられて、データベース23に記憶される(記憶工程)(ステップ143)。
更に、付加画像情報出力部24は位置符号と制御符号と識別符号とを画像情報に変換して付加画像情報としての符号パターン画像を出力する(付加画像情報出力工程)(ステップ144)。その後、重畳情報出力部25は外部から入手した文書ファイルの文書情報を画像情報に変換し、付加画像情報を重畳し印刷記述言語に変換して重畳情報を生成し出力する(重畳情報生成工程)(ステップ145)。重畳情報には識別情報から生成した符号パターン画像が含まれる。
そして、識別情報管理サーバ4の送受信部26はその符号パターン画像を複合機5へ送信する(符号パターン画像送信工程)(ステップ146)。
複合機5は、ネットワーク6を介して識別情報管理サーバ4から符号パターン画像を受信し(符号パターン画像受信工程)(ステップ151)、記録部29において記録媒体へ符号パターン画像を記録(印字)する(記録工程)(ステップ152)。
なお、上述した識別情報生成工程(ステップ142)では、識別情報管理サーバ4は印刷出力される紙ごとに異なる識別符号を付加する。例えば、10ページの電子文書を2UPで5部出力した場合は、10ページ÷2×5=25個の識別符号を生成する。生成した識別符号は、受信した電子文書の属性情報と関連付けて、識別情報管理サーバ4が有するデータベース23に格納する。
【0043】
尚、上述した例では識別情報管理サーバ4内で符号パターン画像を生成する構成を記述したが、符号パターン画像の生成を複合機5内部で行うこともできる。この場合は、符号パターン生成装置としての複合機5は、重畳情報を出力用紙等の記録媒体に記録する記録手段の一例としての記録部29(後述)を更に含む。電子文書から生成された印刷記述言語に識別情報が付加されて複合機5へ送信される。複合機5は受信部28(後述)にて送信された印刷記述言語を受信し、付加画像情報出力部24が識別情報から符号パターン画像を生成する。そして、記録部29が出力用紙へ記録する。この場合において、制御符号の画像情報と位置符号の画像情報とを異なる色材で形成されるようにしてもよい。出力用紙に記録された情報を読み取った機器では制御符号と位置符号とを色材で区別し、同期化処理の前段で制御符号を除去できるので、その後の同期化処理等の工程の計算負荷を軽減できる。また、制御符号の画像情報に使用される色材が、位置符号の画像情報に使用される色材に比べて赤外吸収量が1/2以下となるようにしてもよい。出力用紙に記録された情報を読み取った機器は制御符号と位置符号とを赤外吸収量の差異で区別することができ、同期化処理の前段で制御符号を除去できるので、その後の同期化処理等の工程の計算負荷を軽減できる。
また、符号パターン画像の生成を文書管理サーバ3で行うこともできる。文書管理サーバ3は識別情報管理サーバ4に電子文書の属性情報のみ送信する。識別情報管理サーバ4は受信した属性情報から必要な識別情報の個数を算出し、受信した属性情報と発行した識別情報とを関連付けて文書管理サーバ3に識別情報を送信する。文書管理サーバ3は受信した識別情報から符号パターン画像を生成し、文書管理サーバ3内のデータベース16(後述)から電子文書情報を取り出し、生成した符号パターン画像と共に複合機5へ送信する。符号パターン画像生成装置が文書管理サーバ3以外の場合(識別情報管理サーバ4や複合機5の場合)、文書情報は符号パターン画像生成装置内に予め蓄積されていないので、文書管理サーバ3から取り込むことになる。
上記実施の形態では位置符号を位置符号生成部20にて生成する構成を示したが、これに限定されない。位置符号を外部から取り込む構成としてもよい。
上記実施の形態では制御符号を制御符号生成部21にて生成する構成を示したが、これに限定されない。制御符号を外部から取り込む構成としてもよい。
上記実施の形態では識別符号を識別符号生成部22にて生成する構成を示したが、これに限定されない。識別符号を外部から取り込む構成としてもよい。
また、印刷される電子文書の種類(一般文書や機密文書)により、符号パターン画像に埋め込む制御符号の有無と種類を判別させる構成とすることができる。即ち、識別符号の有無や種類によって一般文書か機密文書かを判断し、その判断結果に応じて制御符号の有無や種類を判別する構成とすることもできる。機密文書の場合には制御符号に従って複写やスキャンの禁止などとすることもできる。
【0044】
(復号処理及び動作制御)
制御符号と位置符号とが記録された出力用紙等の記録媒体が本発明に係る情報読取システムによって読み込まれた場合に、情報読取システム内部で実行される制御符号と位置符号の復号処理及び動作制御を以下に説明する。この復号処理は電子ペンでも複合機でも実行される。ここでは、取得される制御情報により出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作が制御される点を説明するため、本発明に係る情報読取システムの一例としての複合機5を例にして説明する。図15は制御符号と位置符号の復号処理及び動作制御を実行する複合機5の機能ブロック図である。
出力用紙に記録された情報を読み取った機器の一例としての複合機5は、紙面に印刷された符号パターン画像を読み取る読取手段の一例としての画像入力部31と、読み取った画像に含まれるノイズを除去するノイズ除去部35とを有する。また、画像からドットパターン(ドット画像の位置)を検出するドットパターン検出部36と、ノイズ除去された画像から制御符号領域を検出する制御情報領域検出手段、検出した制御符号領域から制御符号パターンを検出する制御情報検出手段の一例としての制御符号パターン検出部37とを有する。更に、検出したドットパターンを二次元配列上に同期する同期化部39と、符号ブロックを構成する単位符号パターンの境界を検出する単位符号パターン境界検出部40とを有する。更にまた、同期符号を検出する同期符号検出部41と、同期符号の位置を基準にして識別符号を取得する識別符号検出部42と、識別符号を復号し識別情報を出力するRS符号復号部43とを有する。更にまた、同期符号の位置を基準にして位置符号を取得する位置符号検出部44と、同期符号による位置をオフセット補正した値を位置情報として出力する位置符号復号部45とを有する。更にまた、複合機5の動作を制御する動作制御手段の一例としての複合機動作制御部47と、画像読取部48と、画像送信部49と、画像形成部50と、FAX送信部51とを有する。
【0045】
パターン検出部32は、ノイズ除去部35と、ドットパターン検出部36と、制御符号パターン検出部37とを含む。また、情報検出部33は、同期化部39と、単位符号パターン境界検出部40と、同期符号検出部41と、識別符号検出部42と、RS符号復号部43と、位置符号検出部44と、位置符号復号部45とを含む。
画像入力部31は、CCD(電荷結合素子;Charge Coupled Devices)やCMOS(相補型金属酸化物半導体;Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子で構成され、紙面に印刷された符号パターン画像を読み取って出力する。
ノイズ除去部35は撮像素子感度のばらつきや電子回路により発生するノイズを除去する。ノイズ除去処理の方法は撮像系の特性に応じて選択されるが、例えば、ぼかし処理やアンシャープマスキングなどの先鋭化処理などがある。
【0046】
ドットパターン検出部36は、画像を二値化処理してドットパターン画像部分と背景画像部分を切り分け、二値化された個々の画像位置からドットパターンの位置を検出する。二値化された画像にはノイズ成分が多数含まれる場合があるため、二値化された画像の面積や形状によりドットパターンの判定を行うフィルタ処理を組み合わせる必要がある(面積や形状によるフィルタ処理)。制御符号が単位符号パターンの組み合わせでない場合(図8参照)、制御符号をノイズとして除去する。また、制御符号パターンを赤外非吸収材料で形成し位置符号パターンと識別符号パターンを赤外吸収材料で形成した場合は、赤外領域に感度がある撮像系を用いることで画像入力の段階で制御符号パターンを除去する(赤外線吸収度を用いたノイズ除去)。
同期化部39は、検出したドットパターンの位置を参照してドットパターンを二次元配列上に同期する。ここで「同期する」とは、二次元配列上に、ドットパターンがある位置を1、ドットパターンが無い位置を0、などのように置き換え、画像として検出したドットパターンを二次元配列のデジタルデータに置き換える処理である。この同期化処理は後述する。
単位符号パターン境界検出部40は、二次元配列上に展開されたドットパターンから、符号ブロックを構成している単位符号パターンの境界を検出する。同期化部39によって出力された二次元配列上で、単位符号パターンと同じ大きさをもつ矩形の区切り位置を適宜動かし、区切り内に含まれるドット数が均等になる位置を単位符号パターンの境界位置として検出する。均等になったドット数が2であれば9C2の単位符号パターンで情報が埋め込まれた符号パターン、ドット数が3であれば9C3の単位符号パターンで情報が埋め込まれている符号パターン、と情報埋め込み方式の判定を行うこともできる。また、制御符号が単位符号パターンの組み合わせの場合(図6参照)には、後述する方法により単位符号パターン境界検出部40が制御符号パターンを除去する。
【0047】
同期符号検出部41は、二次元配列から検出された各々の単位符号パターンの種類を参照して同期符号を検出する。図3に示した4種類のいずれの同期符号が検出されたかにより、符号パターンの向き(90度単位)を検出してそれを補正する。識別符号検出部42と位置符号検出部44は夫々、角度補正された符号パターンから同期符号の位置を基準にして識別符号と位置符号を取得する。RS符号復号部43は、図9で説明したRS符号の符号化処理で用いたパラメータ(ブロック数など)と同じパラメータを用いて検出された識別符号を復号し識別情報を出力する。位置符号復号部45は、位置符号検出部44により取得された位置符号からM系列の部分系列を取り出し、画像生成に使用したM系列に対する検出された部分系列の位置を参照し、その位置から同期符号による位置のオフセット(位置符号の間に同期符号が配置されているため)補正した値を位置情報として出力する。
制御符号パターン検出部37は、ノイズ除去部35によってノイズが除去された画像から制御符号パターンを検出する。即ち、制御符号パターンは図6や図8で示したように予め定められた固定パターンなので、まずは同期符号やX位置符号及びY位置符号を基に制御符号ブロックを確定し、図5や図7で示した制御符号領域を検出する。検出した制御符号領域に応じて公知のパターンマッチング処理を行うことで制御符号パターンを容易に検出する。そして、制御符号パターン検出部37は検出結果を複合機動作制御部47へ送信する。制御符号パターンが検出された場合は、その検出された制御符号の種類が送信される。あるいは予め制御符号として「複合機の動作を止める」という1種類の制御符号しかないことが分かっていれば、複合機5の動作を止めるための信号が出力される。
複合機動作制御部47は、制御符号パターン検出部37から受信した信号に応じて複合機5の動作を制御する。例えば制御符号が「コピー禁止」を示す符号であれば、画像読取部48と画像形成部50の動作を停止する。制御符号が「スキャン禁止」を示す符号であれば、画像読取部48と画像送信部49の動作を停止する。「FAX禁止」を示す制御符号であれば、画像読取部48とFAX送信部51の動作を停止する。
【0048】
複合機5の生産性を低下させずにコピー速度やスキャン速度などの処理を行うには、制御符号パターン検出部37の処理は特に高速でなければならない。制御符号パターン検出部37の処理を高速化するには、図示したパターン検出部32をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向け集積回路)やFPGA(Field Programmable Gate Array;プログラミングすることができるLSI)、DSP(Digital Signal Processor;音声や画像などの処理に特化したマイクロプロセッサ)などのハードウェアとして実装することで実現できる。パターン検出部32で行う処理は二値化やパターンマッチングなどの単純な画像処理なので、ハードウェア化に向いているからである。
情報検出部33は、複合機5の内部に実装しても良いし、複合機5の外部に設置したサーバなどで行っても良い。また、複合機5の内部で実装する場合は、パターン検出部32と同様にハードウェアで実装しても良いし、複合機5内部のCPUで実行されるソフトウェアとして実装しても良い。
【0049】
(復号処理の方法)
以上の構成を有する複合機5において実行される復号処理方法を、図16に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
複合機5の画像入力部31が紙面に印刷された符号パターン画像を読み取ると(画像入力工程)(ステップ161)、ノイズ除去部35が読み取った画像に含まれるノイズを除去して画像を出力する(ノイズ除去工程)(ステップ162)。ノイズが除去された画像からドットパターン検出部36がドットパターンの位置を検出する(ドットパターン検出工程)(ステップ163)。そして、検出したドットパターンを同期化部39が二次元配列上に同期(展開)する(同期化工程)(ステップ164)。二次元配列上に展開されたドットパターンから単位符号パターン境界検出部40が単位符号パターンの境界を検出する(単位符号パターン境界検出工程)(ステップ165)。そして、同期符号検出部41が、二次元配列から検出された各々の単位符号パターンの種類を参照して同期符号を検出し角度補正する(同期符号検出工程)(ステップ166)。更に、角度補正された符号パターンから同期符号の位置を基準にして、識別符号検出部42が識別符号を検出し(識別符号検出工程)(ステップ167)、RS符号復号部43が識別符号を復号して識別情報を出力する(RS符号復号工程)(ステップ168)。更にまた、位置符号検出部44が位置符号を検出し(位置符号検出工程)(ステップ169)、位置符号復号部45が同期符号による位置をオフセット補正して位置情報を出力する(位置符号復号工程)(ステップ170)。
【0050】
(同期化処理)
同期化部39で実行される同期化工程(ステップ164)について図面に基づいて更に説明する。図17は、図15に示す同期化部39において実行される同期化工程の概要を説明する図である。ドットパターン検出部36によって検出されたドットパターンに対して同期化部39は仮想的な格子を当てはめ、その仮想格子の各区画でドットの有無を検査する。ドットがない区画を0としドットがある区画を1として二次元配列を生成する。
仮想格子の向きはドットパターンから推定することができる。図1及び図2からも明らかなように、符号パターンから2つのドットを選んだとき、その2つのドット間の距離が最も近接するのは、その2つのドットが0度方向か90度方向に隣接して並んでいる場合である。従って、検出された複数のドットパターンから、最も近接しているドットの対を検出して、そのドット対が向いている方向から符号パターンの傾き角度を検出することができ、それを格子の方向とすることができる(格子方向の決定)。
尚、最も近接した2つのドット間の距離が符号パターンのドット間隔となっているので、同期化処理に使用する格子の間隔は、上記に説明した検出された最も近接したドットの対の間隔とすることができる(格子間隔の決定)。
【0051】
(単位符号パターンの境界検出(1))
図18は、図15に示した単位符号パターン境界検出部40で行う単位符号パターン境界検出工程(ステップ165)の概要を説明する図である。図18(a)は9C2の単位符号パターンで構成された本実施例の符号パターンを示している。実際に境界検出の対象となるのは、図17で示したビット値0とビット値1とからなる同期化された二次元配列であるが、ここでは直感的に捕らえ易いようにドットパターンを用いて説明する。
図18(a)に示した符号パターンを復号するには、まず単位符号パターンの種類を特定する必要がある。そのためには単位符号パターンの境界を判別する。図18(b)〜図18(d)は単位符号パターンの境界判別過程を示している。図19に示す単位符号パターンの境界判別方法のフローチャートを使って以下に説明する。
即ち、単位符号パターンと区画の大きさが同じ複数の区画を備えた仮想の格子パターンを符号パターン上で走査する(仮想格子走査工程)(ステップ181)。各区画に含まれるドット数をカウントする(カウント工程)(ステップ182)。区画に入るドット数のばらつきを格子パターン毎に算出する(ばらつき算出工程)(ステップ183)。ばらつきが最も小さい位置の格子パターンを選択し固定する(格子パターン固定工程)(ステップ184)。この固定された位置が単位符号パターンの境界位置となる(境界位置決定工程)(ステップ185)。9C2の単位符号パターンを使用した場合は、正しい格子位置(図18(d))では各区画に入るドット数は2となるが、正しい位置ではない場合(図18(b)及び図18(c))、0個から7個の範囲で個数がばらつく。
【0052】
単位符号パターンの境界位置が決定した後、各単位符号パターンを検査して同期符号を検出する(同期符号検出工程)(ステップ186)。4種の同期符号のいずれが検出されたかによって符号パターンの回転を判定し(回転判定工程)(ステップ187)、回転補正した後に位置符号と識別符号を抽出する(位置符号及び識別符号抽出工程)(ステップ188)。図11又は図12に示すように、符号パターンを読み取る場所によって識別符号であったり制御符号であったりする。よって、識別符号の復号時に制御符号がノイズとして作用する。しかし、位置符号に対する制御符号の配置を予め定めておくことで、復号時には位置符号の検出結果から制御符号を容易に除去することができる。
【0053】
(単位符号パターンの境界検出の他の例)
図20は、図15に示した単位符号パターン境界検出部40が行う単位符号パターン境界検出工程(ステップ165)の他の例を説明する図である。検出対象は図8に示す制御符号パターンである。図20(a)は別の符号パターンの例として9C3の単位符号パターンで構成された符号パターンを示している。制御符号パターンは単位符号パターンとは異なる形状をしているため、図20(a)のままで復号することは難しい。従って、まずは図20(a)に含まれる制御符号パターンのみを除去する必要がある(図20(b)参照)。
【0054】
除去方法としては、図20(a)の符号パターンに含まれる全画素の固まりの面積を計数し、その面積の大小によって制御符号パターンだけを消去することができる(制御パターン除去方法その1)(面積や形状によるフィルタ処理)。または、制御符号パターンを赤外吸収量が少ないYellowやMagenta、Cyanのトナーを使用して(3色の混色による黒で)形成し、同期符号と位置符号と識別符号のパターンは一般的に使用されている炭素を含有する赤外吸収量が多いBlackのトナーで形成しておけば、符号パターンの検出にその赤外吸収量の差を利用して、制御符号パターンだけを除去することができる(制御パターン除去方法その2)(赤外線吸収度を用いたノイズ除去)。
制御符号パターンを除去した後は、図18に示した方法と同様の方法で、単位符号パターンの境界を検出することが出来る。図20(c)〜(e)は、その判別方法を示している。9C3の単位符号パターンを使用した場合は、格子パターン固定工程、境界位置決定工程において、正しい格子位置(図20(e))では各区画に入るドット数は3となるが、正しい位置ではない場合(図20(c)及び図20(d))0個から8個の範囲で個数がばらつく点で、図18で説明した単位符号パターンの境界検出とは異なる。
【0055】
(動作制御方法)
次に、図15に示す複合機5において実行される動作制御方法を、図21に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
複合機5の画像入力部31が紙面に印刷された符号パターン画像を読み取ると(画像入力工程)(ステップ201)、ノイズ除去部35が読み取った画像に含まれるノイズを除去して画像を出力する(ノイズ除去工程)(ステップ202)。ノイズ除去された画像が入力されると、制御符号パターン検出部37は制御符号領域を検出する(制御符号領域検出工程)(ステップ203)。そして、検出した制御符号領域から制御符号パターン検出部37は制御符号パターンを検出し、検出結果を複合機動作制御部47へと出力する(制御符号パターン検出工程)(ステップ204)。複合機動作制御部47は制御符号パターン検出部37から受信した信号に応じて複合機5の動作を制御する(複合機動作制御工程)(ステップ205)。
なお、本フローチャートにおける画像入力工程(ステップ201)及びノイズ除去工程(ステップ202)はそれぞれ図16に示す復号処理方法のフローチャートにおける画像処理工程(ステップ161)とノイズ除去工程(ステップ162)と同じである。
このように、印刷された符号パターン付きの印刷文書が複合機5でコピー、スキャン、FAXされると、図15で説明したように、複合機5内部に実装された制御符号パターン検出部37が動作し、複合機5の動作を制御する。
【0056】
本実施の形態にかかる複合機5によれば、出力用紙に記録された情報を画像入力部31が読み取り、読み取った情報から制御符号パターン検出部37が制御符号領域を検出する。そして、検出した制御符号領域から制御符号パターン検出部37が公知のパターンマッチング処理を用いて制御符号パターンを検出し、検出した制御符号に応じて複合機動作制御部47が複合機5の各部の動作を制御する。よって、出力用紙に記録した制御符号によって複合機5の各部の動作を制御することができる。
【0057】
(筆記情報生成システム)
以上に記録媒体から読み込んだ情報の復号について説明したので、次に読み込まれた情報が実際に復号される筆記情報生成システムを説明する。図22は筆記情報生成システム8の構成例を示す図である。筆記情報生成システム8は図13に示す印刷文書情報記録システム1とほぼ同じであるが、識別情報管理サーバ4が筆記済文書情報生成部27を含み、端末装置2に電子ペン9が接続している点で図13と相違する。電子ペン9の構成は図23を用いて説明する。
【0058】
(電子ペンの構成)
図23は、本発明に係る電子ペンの一実施の形態としての電子ペン9の構成図である。電子ペン9は、電子ペン9の各種動作を制御する制御回路55と、筆記動作を検出する圧力センサ56と、紙面を照明する赤外LED57とを有する。また、出力用紙等の記録媒体に記録された情報(画像)を取得する情報取得手段の一例としての赤外CMOS58と、取得した情報から符号パターンを検出する画像処理部59と、符号パターンから位置符号と制御符号とを抽出する情報抽出手段、制御符号を除外して位置符号を出力する制御情報除外手段、位置符号に基づいて電子ペン9の筆記の軌跡を示す筆記情報を生成する筆記情報生成手段の一例としてのデータ処理部60とを有する。更に、筆記情報を記憶するメモリ61と、外部装置と通信する通信回路62と、ペンを駆動するためのバッテリー63とを有する。更にまた、電子ペン9はペンID用メモリ64を有する。
赤外LED57は、消費電力を抑制するため、赤外CMOS58のシャッタタイミングに同期してパルス点灯する。
赤外CMOS58は赤外領域に感度があるCMOSセンサである。70〜100fps(frame per second)程度の周期で画像を撮像する。撮像した画像を同時に転送できるグローバルシャッター方式のCMOSを使用している。また、外乱の影響を低減するために、赤外CMOS58の全面に可視光カットフィルタを配置している。なお、ここでは、撮像素子として赤外CMOSを使用しているがこれに限定されるものではなく、CCDなど他の撮像素子を使用しても良い。
【0059】
通信回路62は外部からの情報の受信も行う。例えば、符号パターンを復号するための復号鍵は通信回路62を通じて外部から受信され、電子ペン9のメモリ61内部に格納される。電子ペン9は70〜100fps程度の速さで画像を取り込むため、一回の筆記動作で複数の位置情報と識別情報を取得できる。
識別情報は紙面の位置に寄らず同じ情報が埋め込まれているため、データ処理部60が取得した複数の識別情報の多数決を取ることで識別情報の信頼性を上げている。位置情報は紙面の位置により情報が異なるが、データ処理部60が筆記により生じた隣接する位置情報はその位置(座標)の連続性を検証し、データ処理部60が復号に失敗した箇所の情報を検出・補完する。位置の連続性(筆記動作の連続性)は圧力センサ56による筆圧の検知結果を用いて認識する。
【0060】
本実施の形態にかかる電子ペン9によれば、赤外CMOS58は出力用紙に記録された情報(画像)を取得する。画像処理部59により検出された符号パタ−ンからデータ処理部60が制御符号を除外して位置符号を抽出し、筆記情報を生成する。よって、制御符号の影響を受けることなく筆記情報を生成することができる。
【0061】
(筆記情報生成方法)
以上の構成を有する筆記情報生成システム8が実行する筆記情報の生成方法について図24を参照しつつ以下に説明する。図24は筆記情報の生成方法のフローチャートである。
上記した印刷文書情報記録方法により画像情報(符号パターン)が記録された印刷紙にユーザが電子ペン9で筆記を行う。電子ペン9は内部にインクタンク(図示省略)を有しており、筆記により電子ペン9は印刷紙上にインクを筆記跡として残す。同時に、圧力センサ56はペン先が紙面に接触しているか否かを検知する(筆記動作検出工程)(ステップ221)。
接触を検知したとき電子ペン9は赤外LED57を点灯して赤外CMOS58が紙面上の画像を撮像し、画像情報を取得する(画像情報取得工程)(ステップ222)。
撮像した画像情報から画像処理部59が符号パターン画像を検出する(符号パターン検出工程)(ステップ223)。
検出した符号パターン画像をデータ処理部60が復号し、符号パターン画像に埋め込まれている位置符号と識別符号とを抽出取得する(抽出工程)(ステップ224)。このとき制御情報(制御符号)はノイズとして除去される。
【0062】
抽出工程において取得した位置符号からデータ処理部60は電子ペン9の筆記跡を検出し、識別符号と共に筆記情報を生成する(筆記情報生成工程)(ステップ225)。そして、筆記情報を制御回路55がメモリ61に記憶させる(記憶工程)(ステップ226)。
筆記情報を電子ペン9の通信回路62が端末装置2に送信する(筆記情報送信工程)(ステップ227)。
電子ペン9から送信された筆記情報を端末装置2が受信し(筆記情報受信工程)(ステップ231)、端末装置2が識別情報管理サーバ4に送信する(筆記情報送信工程)(ステップ232)。
送信された筆記情報を識別情報管理サーバ4が受信し(筆記情報受信工程)(ステップ241)、筆記情報から識別情報を抽出する(識別情報抽出工程)(ステップ242)。
続いて、識別情報管理サーバ4が識別情報に対応する文書情報の属性情報を検索する(属性情報検索工程)(ステップ243)。
【0063】
検索された属性情報に基づいて識別情報管理サーバ4が文書管理サーバ3に対して、該当する文書情報を識別情報管理サーバ4に送信するように依頼し(文書情報送信依頼工程)(ステップ244)、それを受けて(送信依頼受信工程)(ステップ251)文書管理サーバ3が該当する文書情報を識別情報管理サーバ4に送信する(文書情報送信工程)(ステップ252)。
文書管理サーバ3から送信された文書情報を識別情報管理サーバ4が受信する(文書情報受信工程)(ステップ245)。
受信した文書情報と筆記情報生成工程(ステップ225)にて生成した筆記情報とに基づいて、識別情報管理サーバ4の筆記済文書情報生成部27が電子ペン9の筆記跡をオリジナルの文書情報に反映させた筆記済文書情報を生成する(筆記済文書情報生成工程)(ステップ246)。
生成された筆記済文書情報を識別情報管理サーバ4が端末装置2へ送信し(筆記済文書情報送信工程)(ステップ247)、端末装置2が受信して(筆記済文書情報受信工程)(ステップ233)ディスプレイ12上に表示する(表示工程)(ステップ234)。
【0064】
尚、この筆記情報の生成処理の前に、筆記済文書情報生成部27が筆記済電子文書があるかどうかを判断し、筆記済の電子文書があると判断した時は、筆記済の電子文書に今回取得した筆記情報を反映しても良い。また、端末装置2に新たに筆記済電子文書を生成するか、或いは、検出した筆記済電子文書に筆記情報を追記するかどうかを筆記済文書情報生成部27が端末装置2を介してユーザに問い合わせる構成としても良い。筆記済電子文書はデータベース23に筆記済電子文書の属性情報(格納場所)を予め登録しておくことで、容易に検索・取得できる。
筆記済電子文書は、オリジナルの電子文書に相当する部分が編集できない形式で生成される。(アドビシステムズ社のPDF文書形式や、富士ゼロックス社のDocuWorks形式などの)筆記済電子文書は電子文書の部分は編集できないが、筆記情報を後から追記することができる。例えば、紙に筆記した情報を一度電子化した後、同じ紙に再度筆記したときに、追加された筆記情報を筆記済電子文書上に追加することができる。
【0065】
なお、図10に示したフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又は当該プログラムをインターネット等のネットワークを介して配信して記録しておき、これを上記符号パターン画像生成装置10が有する汎用のコンピュータ等により読み出して実行させることにより、当該コンピュータ等を上記符号パターン画像生成装置10の一部として機能させることも可能である。
図14に示したフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又は当該プログラムをインターネット等のネットワークを介して配信して記録しておき、これを上記印刷文書情報記録システム1が有する汎用のコンピュータ等により読み出して実行させることにより、当該コンピュータ等を上記印刷文書情報記録システム1の一部として機能させることも可能である。
図16、図19、図21に示したフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又は当該プログラムをインターネット等のネットワークを介して配信して記録しておき、これを上記複合機5が有する汎用のコンピュータ等により読み出して実行させることにより、当該コンピュータ等を上記複合機5の一部として機能させることも可能である。
図24に示したフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又は当該プログラムをインターネット等のネットワークを介して配信して記録しておき、これを上記筆記情報生成システム8が有する汎用のコンピュータ等により読み出して実行させることにより、当該コンピュータ等を上記筆記情報生成システム8の一部として機能させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施の形態にかかる単位符号パターンの例を示す説明図である。
【図2】図1に示す単位符号パターンが取り得る36通りのドット配置を示す図である。
【図3】図1に示す単位符号パターンが取り得る36通りのドット配置から選択できる同期符号の組み合わせを示す図である。
【図4】図1に示す実施の形態において、識別符号ブロックの例を示す図である。
【図5】図1に示す実施の形態において、制御符号ブロックの例を示す図である。
【図6】図1に示す実施の形態において、単位符号パターンの組み合わせで制御符号を構成する例を示す図である。
【図7】図1に示す実施の形態において、制御符号ブロックの他の例を示す図である。
【図8】図1に示す実施の形態において、単位符号パターンの組み合わせでない制御符号を構成する所定のパターンの例を示す図である。
【図9】符号パターン画像生成装置を説明するための機能ブロック図である。
【図10】図9に示す符号パターン画像生成装置において実行される符号パターン画像生成方法のフローチャートである。
【図11】符号ブロックの合成方法を説明するための図である。
【図12】単位符号パターンの組み合わせで制御符号を構成する例を示す図である。
【図13】印刷文書情報記録システムの構成例を示す図である。
【図14】図13に示す印刷文書情報記録システムにおいて実行される印刷文書情報の記録方法のフローチャートである。
【図15】識別符号と位置符号の復号処理及び動作制御を実行する複合機の機能ブロック図である。
【図16】図15に示す複合機において実行される復号処理方法を示すフローチャートである。
【図17】図15に示す複合機の同期化部で実行される同期化工程の概要を説明する図である。
【図18】図15に示す複合機の単位符号パターン境界検出部で実行される単位符号パターン境界検出工程の概要を説明する図である。
【図19】図18に示す単位符号パターン境界検出工程における判別方法のフローチャートである。
【図20】図15に示した単位符号パターン境界検出部が行う境界検出工程の他の例を説明する図である。
【図21】図15に示す複合機において実行される動作制御方法を示すフローチャートである。
【図22】筆記情報生成システムの構成例を示す図である。
【図23】図22に示す実施の形態に用いられる電子ペンの構成図である。
【図24】図22に示す筆記情報生成システムにおいて実行される筆記情報の生成方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1…印刷文書情報記録システム(情報記録システム)、2…端末装置(端末装置)、3…文書管理サーバ(文書管理サーバ)、4…識別情報管理サーバ(識別情報管理サーバ)、5…複合機(機器)、10…符号パターン画像生成装置(情報生成装置)、11…キーボード、12…ディスプレイ、13…送受信部、14…制御部(CPU)、16…データベース、17…送受信部、18…制御部、20…位置符号生成部、21…制御符号生成部、22…識別符号生成部、23…データベース、24…付加画像情報出力部(付加画像情報生成手段)、25…重畳情報出力部(重畳情報生成手段)、26…送受信部、28…受信部、29…記録部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報生成装置、情報生成プログラム、情報生成方法、情報読取システム、電子ペン及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
出力用紙等の記録媒体上に位置情報を埋め込んでおき、記録媒体上の部分画像をペン型読取装置で読み取り部分画像から位置情報を取得してペン型読取装置の軌跡を取得する従来技術は知られていた(例えば、特許文献1乃至5参照)。
特許文献1では、複数のマークを備えた符号化パターンを有する製品であって、マークのそれぞれが少なくとも2つの異なる値のうちの1つを表している。また、符号化パターンが複数の基準位置を備えており、複数のマークのそれぞれが1つの基準位置に関連付けられている。各マークの値がその基準位置に対するその位置によって決定される。そのような技術を特許文献1は開示している。
特許文献2では、文書は迷路パターンでウォーターマークが入れられ、エンコードされた位置情報がそこから判定される。画像のシーケンスは、ペンに配置されているカメラによって捕捉される。ペン先のパスは、関連の迷路パターンをデコーディングし、捕捉された画像を文書画像と照合することによって判定される技術を特許文献2は開示している。
【0003】
特許文献3では、画像処理装置は、目的の画像の印刷文書データを生成し、また、複写を禁止する文書であることを示すドットパターンのパターンデータを生成する。そして、印刷文書データの文書の背景に、このパターンデータを形成するように両者を重ね合わせて1枚の画像に合成し、この合成後の画像の画像データは、画像形成装置に出力する。これにより画像形成される技術を特許文献3は開示している。
特許文献4では、文書セキュリティ管理システムは、画像形成装置と、この画像形成装置にネットワークを介して接続されるセキュリティサーバを含む。セキュリティサーバは、画像形成装置で電子文書が生成されるときに、電子文書のプロファイルを生成して記録する第1のプロファイル管理テーブルを備える。画像形成装置で印刷文書が生成されるときに、この印刷文書のプロファイルを、印刷文書の派生元の文書のIDと関連付けて生成し記録する第2のプロファイル管理テーブルを備える。画像形成装置は、印刷文書を出力するときに、この印刷文書に新たなプリントIDを埋め込んで印刷する技術を特許文献4は開示している。
特許文献5では、文書の固有情報と該文書の位置情報を有する二次元コードを、文書が印刷される印刷文書の一部または全部に複数配置して形成される二次元コードにおいて、印刷文書に形成される第一の二次元コードと、印刷文書の所定領域に形成され、第一の二次元コードとは異なる態様とされる第二の二次元コードを形成する技術を開示している。
【0004】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特開2005−235185号公報
【特許文献3】特開2004−260341号公報
【特許文献4】特開2005−259108号公報
【特許文献5】特開2006−085679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示の技術では、電子文書が機密情報であるとき、印刷文書に対してコピーやスキャン、FAX送信等の複製文書の出力を禁止したい場合に実現できない。位置情報と複製文書に対する制御情報との情報をサーバ等で関連付けておき、位置情報を検出した後にサーバに制御情報を問い合わせ、複合機を制御する構成が考えられるが、構成が複雑になり、通信状態に制御が依存してしまうほか、サーバに問い合わせを行うため複合機の生産性を低下させてしまう問題がある。
また、特許文献3及び4に開示の技術は、印刷文書から生成される複製文書の出力制御に関する技術であり、複合機などの画像読み取り装置で画像が読み取られることを前提にしているため、筆記情報を取得するためのコードパターンと両立させることはできない。
更に、上記特許文献5に開示の技術では、識別情報と複製文書に対する制御情報との情報をサーバ等で関連付けておき、位置情報を検出した後にサーバに制御情報を問い合わせて複合機を制御する構成(特許文献4に開示の構成)への応用が考えられるが、構成が複雑になる、通信状態に制御が依存してしまう、サーバに問い合わせを行うため複合機の生産性を低下させてしまう、等の問題がある。
ここで、本発明は、出力用紙等の記録媒体上の情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を文書情報に重畳した重畳情報を出力する情報生成装置等の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報生成装置は、記録媒体上の位置或いは記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成手段と、取得された文書情報を画像情報に変換し、且つ、付加画像情報生成手段にて生成された付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成手段とを含むことを特徴とする。
上記情報生成装置において、位置情報は、情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする。
上記情報生成装置において、制御情報は、情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする。
上記情報生成装置において、文書情報は、情報生成装置内に予め蓄積しているか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする。
上記情報生成装置において、情報生成装置は重畳情報を記録媒体に記録する記録手段を更に含み、制御情報の画像情報と位置情報の画像情報とは異なる色材で形成されることを特徴とする。
上記情報生成装置において、制御情報の画像情報に使用される色材は、位置情報の画像情報に使用される色材に比べて赤外吸収量が1/2以下であることを特徴とする。
上記情報生成装置において、付加画像情報生成手段は、位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、記録媒体或いは記録媒体に記録された文書情報を識別する識別情報を制御情報と共に画像情報として配置した付加画像情報を生成することを特徴とする。
上記情報生成装置において、識別情報は、情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする。
上記情報生成装置において、付加画像情報生成手段は、位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に制御情報及び識別情報を交互に配置することを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報生成プログラムは、コンピュータに、記録媒体上の位置或いは記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成機能と、入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、付加画像情報生成機能にて生成された付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成機能とを実現させることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る情報生成方法は、記録媒体上の位置或いは記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成工程と、入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報読取システムは、記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、読取手段にて読み取られた情報から制御情報領域を検出する制御情報領域検出手段と、制御情報領域検出手段により検出された制御情報領域から制御情報を検出する制御情報検出手段と、制御情報検出手段により検出された制御情報に応じて各部の動作を制御する動作制御手段とを含むことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る電子ペンは、記録媒体に記録された情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段にて取得された情報から位置情報と制御情報とを抽出する情報抽出手段と、情報抽出手段にて抽出された位置情報及び制御情報から制御情報を除外して位置情報を出力する制御情報除外手段と、制御情報除外手段から出力された位置情報から筆記情報を生成する筆記情報生成手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る記録媒体は、記録媒体上の位置に固有な位置情報と、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報とを含み、位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、制御情報が画像情報として配置されたことを特徴とする。
上記記録媒体において、位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、記録媒体を識別する識別情報が制御情報と共に画像情報として配置されたことを特徴とする。
上記記録媒体において、制御情報及び識別情報は位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に交互に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、出力された重畳情報に含まれる制御情報によって、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の各部の動作を制御することができる。
請求項2にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、位置情報を外部から取り込む機器でも情報生成装置の機能を果たす。
請求項3にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報を外部から取り込む機器でも情報生成装置の機能を果たす。
請求項4にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、文書情報を予め蓄積していない機器でも情報生成装置の機能を果たす。
請求項5にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、記録媒体を読み取った機器の計算負荷を軽減できる。
請求項6にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、記録媒体を読み取った機器の計算負荷を軽減できる。
請求項7にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、識別情報によって識別される記録媒体又は文書情報は制御情報によって保護される。
請求項8にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、識別情報を外部から取り込む機器でも情報生成装置の機能を果たす。
請求項9にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報と識別情報とが記録媒体上で偏在しないので、記録媒体のどの部分を読み込んでも制御情報と識別情報とを入手することができる。
請求項10にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、出力された重畳情報に含まれる制御情報によって、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の各部の動作を制御することができる。
請求項11にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、出力された重畳情報に含まれる制御情報によって、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の各部の動作を制御することができる。
【0011】
請求項12にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、記録媒体に記録した制御情報によって各部の動作を制御することができる。
請求項13にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報の影響を受けることなく筆記情報を生成することができる。
請求項14にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報が予め記録された記録媒体を使えば記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御することができる。
請求項15にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報と識別情報とが予め記録された記録媒体に情報を記録すれば、記録媒体に記録されている制御情報により出力された情報を保護することができる。
請求項16にかかる発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、制御情報と識別情報とが偏在することなく記録された記録媒体から制御情報や識別情報を除去することが困難であるから、その記録媒体に記録された情報を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施の形態)を図面を用いて説明する。まずは本実施の形態に登場する符号パターン画像の構成を説明し、その後、その符号パターン画像を使用した符号パターン画像生成装置の説明をする。
(単位符号パターン)
図1は符号パターン画像の単位符号パターンの例を示す説明図である。この例では縦3箇所で横3箇所(以下、3×3箇所と表示する)の計9箇所のドットを配置できる場所から2つの場所を選択してドットを配置する。この場合、単位符号パターンのドット配置組み合わせは36通り(9C2=36)となる(ここで、mCn=m!/{(m−n)!×n!}である)。600dpiで記録するとき図1における1つのドットサイズ(四角の大きさ)は縦2画素で横2画素である(以下、2×2画素と表示する)(計算上は84.6μm×84.6μmの矩形となるが、記録されたトナー像ではゼログラフィープロセスの影響によりφ100μm程度のドット形状となる)。従って、単位符号パターンの大きさは0.5076mm×0.5076mmとなる。
【0013】
36通りの組み合わせのうち4通りは符号ブロック(後述)の検出と回転角度検出用の同期符号として使用する。このとき、符号ブロックの90度単位の回転角度を検出するため、4つのパターンは互いに90度回転対象のパターンになるように選択する。即ち、画像生成時に4通りのうちいずれか1つを同期符号として埋め込んでおけば、復号時に同期符号がどの角度で検出されたかによって符号ブロックの回転角度(二次元配列上に同期化された符号ブロックの0/90/180/270度のいずれの方向を向いているか)を判定し、補正することができる。
【0014】
36通りの組み合わせの残りの32通り(32=25)は、単位符号パターン当たり5ビットの情報埋め込みのために使用できる。
ここで、以上に説明した図1の単位符号パターンが取り得る36通りのドット配置を図2に示す。表示の簡略化のためドット間の空白は省略している。
なお、単位符号パターンは、図示したように9箇所の中の2箇所にドットを配置する方法に限定せず、3個であっても4個であっても良い。即ち、9個より小さければよい。例えば、9箇所のうち3箇所にドットを配置する構成とすればドット配置の組み合わせは84通りとなる(9C3=84)。また、ドットを配置可能な場所も9箇所(3×3箇所)に限らず、その他の数、例えば4箇所(2×2箇所)や16箇所(4×4箇所)などとしても良い。
【0015】
(同期符号の組み合わせ)
図3に、図1の単位符号パターンが取り得る36通りのドット配置から選択できる同期符号の組み合わせを示す。図3に示した組み合わせはいずれも90度回転対称となっている。何れかの組み合わせを、同期符号に使用する4通りの符号パターンにできる。
【0016】
(識別符号埋め込み用の符号ブロック)
図4に、後述する識別符号生成部22が生成する識別情報の一例としての識別符号の埋め込み用の符号ブロック(識別符号ブロック)の例を示す。図1に示した単位符号パターンを5×5個並べて符号ブロックを構成する。
符号ブロックの左上の位置に図3で示した同期符号を配置する。即ち、図3(a)〜(h)の同期符号の中から何れかを選択し、選択された同期符号に含まれる4通りの単位符号パターンから選択された1つを符号ブロックの左上に配置する。
【0017】
(位置符号)
後述する位置符号生成部20が生成する位置情報の一例としての位置符号を説明する。同期符号の右横に隣接する4個の単位符号パターンを使用して、X方向の位置に固有な情報を符号化したX位置符号を配置する。また、同期符号の下側に隣接する4個の単位符号パターンを使用して、Y方向の位置に固有な情報を符号化したY位置符号を配置する。X位置符号、Y位置符号は、夫々4個の単位符号パターンを使用するので、夫々が20bit(5bit×4個)の情報を格納できる。ここで、本実施の形態にかかるX位置符号及びY位置符号はいずれも本発明にかかる位置情報の一例である。
尚、位置符号として情報埋め込み用の32種類(32=25)のパターンを使用せず、16種類のパターンだけを使用しても良い。この場合は、単位符号パターン当たりの情報量は4bit(16=24)となるため、位置符号としては16bit(4bit×4個)の情報量となる。
【0018】
位置符号の例として、M系列を使用することができる。例えば、12次のM系列を利用すればM系列の系列長は4095(=212−1)となる。位置符号の単位符号パターンとして16種類のパターンを選択した場合、各単位符号パターンに4bitの情報を格納できるので、1つの符号ブロックでは16bit(4bit×4個)の情報を格納できる。従って、系列長4095のM系列は、255個(=4095÷16)の符号ブロックに分割して格納できる。1つの符号ブロックの大きさは2.538mm×2.538mm(=0.5076mm×0.5076mm/単位符号パターン×5個)なので、連続する255個の符号ブロックの長さは647.19mmとなり、647.19mmの長さを符号化できる。即ち、A2サイズ(420mm×594mm)の用紙まで符号化できる。
【0019】
ここでは1つのM系列で位置を符号化した例を示したが、複数のM系列を連結することで符号化できる位置をさらに増加させることができる。例えば、11次のM系列を使用した場合であっても、それを4つ連結することで、A0サイズの用紙を符号化できる。
【0020】
(識別符号)
符号ブロックの残りの領域に識別符号を配置する。この領域には単位符号パターンを16個(4×4個)配置できるので、80bit(5bit/単位符号パターン×16個)の情報を格納できる。本実施の形態の単位符号パターンは多値符号であるので、読み取り時などで発生する誤りも単位符号パターンの単位で発生する。従って、誤り訂正符号はブロック単位の誤り訂正が可能な方式が望ましい。識別符号に公知のブロック誤り訂正符号方式であるRS符号を使用すれば、RS符号のブロック長を単位符号パターンの情報量である5bitとすることができる。この場合、RS符号の符号長は16ブロック(=80bit÷5bit/ブロック)となり、例えば2ブロックの訂正能力を持たせるとすれば、情報符号長は12ブロック(=16ブロック−2ブロック×2)となる。この場合、識別情報としては、60bit(=5bit/ブロック×12ブロック)の情報を埋め込むことができる。
【0021】
(制御符号埋め込み用の符号ブロック)
図5に、後述する制御符号生成部21が生成する制御情報の一例としての制御符号の埋め込み用の符号ブロック(制御符号ブロック)の例を示す。同期符号、X位置符号、Y位置符号は図4と同様に配置する。制御符号は図4で識別符号を配置した領域に、識別符号に替えて配置する。この例では、制御符号は情報埋め込み用として使用される図2に示した36通りの単位符号パターンから、同期符号として使用する4通りの単位符号パターンを除いた32種類の単位符号パターンを組み合わせて使用する。
【0022】
制御符号は、図4で示した識別符号の埋め込みと同様に誤り訂正符号などを利用して制御情報を符号化しても良いが、複写機などに組み込んで複写機の動作を制御させる用途(例えばコピーやスキャン、ファクシミリ送信を止める、など)に使用する場合は処理の高速性が要求されるため、パターンマッチングのような簡易的な処理で検出できる構成が望ましい。その場合、制御符号にはデジタル情報を埋め込む必要はなく、制御符号の有無あるいは種類を判定できればよいので、単位符号パターンを組み合わせた図形とすることができる。制御符号のいくつかの例を図6に示している。
【0023】
制御符号ブロックにもX位置符号、Y位置符号を配置しているため、符号パターンが紙面に印刷された後、ペン型スキャナのような読取装置で符号パターン平面を走査した場合、埋め込まれたX位置符号とY位置符号から読取装置の軌跡(ペン型スキャナの場合は筆跡)を取得することが出来る。
図5に示す例では単位符号パターンの組み合わせで制御符号を構成している。よって、符号ブロックを構成している複数の単位符号パターンを取得するための符号ブロック内の境界を容易に判定できる。印刷画像からの符号ブロックを検出する際のブロック内の境界判定が、制御符号の存在に関わらず同じ処理にできるからである。これに関しては図18を参照しつつ単位符号パターンの境界検出(1)として後に説明する。
【0024】
図6に、単位符号パターンの組み合わせで制御符号を構成する例を示す。この例では、単位符号パターン16個分に相当する制御符号領域に単位符号パターンの組み合わせによる制御符号を配置している。処理を高速化するために制御符号は簡易的な処理で検出できる形状が望ましい。この図ではデジタル情報を埋め込んでいないので制御符号に意味は無い。即ち、単純なパターンマッチング処理で検出できるように単純な形状を単位符号パターンの組み合わせで構成している。その結果、符号パターンの角度を検出して二次元配列にビット値として同期する、などの複雑な処理が不要となる。
【0025】
(制御符号埋め込み用の符号ブロックの他の例)
図7に制御符号ブロックの他の例を示す。図5に示した例と異なる点は、制御符号が単位符号パターンの組み合わせではなく、単位符号パターンが配置される16個(4×4)の領域を使って所定のパターンを配置する点である。このとき、制御符号パターンが目立たないように、制御符号パターンの濃度が単位符号パターンの濃度と等しくなるようにする。具体的には、制御符号領域に格納できる単位符号パターン数は16個(4×4)なので、全部で32個のドットパターン(各ドットパターンは、600dpiで2×2画素なので、画素数では128画素)を配置できる。全部で32個のドットパターンと等しい面積となるように制御符号を構成すると、制御符号パターンの濃度が周辺の符号パターンの濃度と等しくなり目立たなくなる。
これとは逆に、制御符号パターンと単位符号パターンで使用するドットパターンとの間に面積や色材などの検出可能な特徴量に違いがあれば、同期化処理の前段でその特徴量を利用して制御パターンだけを除去することができ、残ったパターンで同期化処理を行うことができる。これについては図20を用いて単位符号パターンの境界検出の他の例の箇所で面積や形状によるフィルタ処理及び赤外線吸収度を用いたノイズ除去として説明する。
【0026】
以上に説明した方法で作成した、単位符号パターンの組み合わせでない制御符号を構成する所定のパターンの例を図8に4つ示す。いずれの例でも印刷時の見た目の違和感を防止するため、制御符号の濃度(ドット数)は周辺の濃度とほぼ等しくなるようにしている。単位符号パターンの組み合わせに捉われることなく自由な形状の制御符号パターンを選択し、複合機等でより検出が容易なパターンとなっている。9C2よりも大きいドットを構成するので面積から符号パターンでないと判断できる。
【0027】
(符号パターン画像生成装置)
以上に説明した符号パターン画像を生成する符号パターン画像生成装置を以下に説明する。図9は本発明にかかる情報生成装置を識別情報管理サーバ4(後述)に適用した一例としての符号パターン画像生成装置10を説明するための機能ブロック図である。本実施の形態にかかる符号パターン画像生成装置10は、出力用紙等の記録媒体上の記録位置、或いは、記録媒体上に記録される文書画像の記録位置に固有な位置符号を生成する位置符号生成部20と、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を生成する制御符号生成部21とを有する。また、記録媒体に記録された文書情報を識別する識別符号を生成する識別符号生成部22と、位置情報と制御情報と識別情報とを画像情報に変換して付加画像情報として出力する付加画像情報出力部24と、入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、付加画像情報を重畳した重畳情報を出力する重畳情報出力部25とを有する。
【0028】
位置符号生成部20は、位置情報をM系列化して符号化するM系列符号化部71と、符号化されたM系列を所定の大きさの符号ブロックに分割するブロック分割部72とを含む。M系列符号化部71は位置情報をM系列を使用して符号化する。符号化したい位置情報の長さから必要なM系列の次数を求め動的に生成することで位置情報を符号化する。また、予め符号化したい長さが決められている場合にはM系列を画像生成装置のメモリ等に格納しておき、画像生成時にそれを読み出す。ブロック分割部72は、符号化されたM系列を1つの符号ブロックで格納できる情報量に分割して格納する。例えば図4で説明したように、12次のM系列を利用すればM系列の系列長は4095(=212−1)となる。位置符号の単位符号パターンとして16種類のパターンを選択し各単位符号パターンに4bitの情報を格納するとき、1つの符号ブロックでは位置符号の単位符号パターンが4個あるので16bit(4bit×4個)の情報を格納できる。よって、ブロック分割部72は、系列長4095のM系列を255個(=4095÷16)の符号ブロックに分割して格納する。
制御符号生成部21は出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を生成する。
【0029】
識別符号生成部22は、識別情報を複数のブロックに分割するブロック分割部74と、分割されたブロックに対しRS符号化処理を行い誤り訂正のための冗長ブロックを付加するRS符号化部75とを含む。ブロック分割部74は識別情報を5ビット長の複数のブロックに分割する。例えば図4で説明したように60ビットの識別情報を埋め込む場合は、60ビットを5ビット長の12個のブロックに分割する。RS符号化部75は、分割されたブロックに対しRS符号化処理を行い誤り訂正のための冗長ブロックを付加する。2ブロックの誤りを訂正可能なRS符号とすると、符号長は16ブロックとなる。
付加画像情報出力部24は、識別符号と位置符号と制御符号とを用いて(仮想の)二次元平面を生成するブロック合成部77と、符号パターン画像を生成する出力画像生成部78とを含む。ブロック合成部77は識別符号と位置符号と制御符号とを二次元平面に配置して二次元の符号平面を生成する。出力画像生成部78は符号平面を参照して各符号値に対応した符号パターンを選択し、付加画像情報としての符号パターン画像を生成する。具体的には、内部処理簡略化のため符号平面生成までの過程においては識別符号や制御符号などを符号値という内部コードを用いて処理していたものを、この出力画像生成部78において各符号値に対応した符号パターン(画像情報)に置き換えて符号パターン画像を生成する。
重畳情報出力部25は、外部から入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、符号パターン画像を重畳した重畳情報を出力する。ここで、重畳情報は印刷記述言語(PDL:Print Description Language)で作成された情報である。また、文書情報は後述する文書管理サーバ3から入力される。
【0030】
ここで、付加画像情報出力部24は制御符号と位置符号とを異なる色材で形成するようにしてもよい。出力用紙に記録された情報を読み取った機器は、同期化処理の前段で特徴量の相違を利用して制御符号を除去することができ、同期化処理の計算負荷を軽減させることができるからである。また、制御符号の画像情報に使用される色材を位置符号の画像情報に使用される色材に比べて赤外吸収量が1/2以下としてもよい。赤外吸収量の差異を利用して制御符号を除去することができるからである。
また、文書の機密部分にだけ制御符号を配置するようにしてもよい。制御符号によって機密部分の複写やコピーを制限することができる。
尚、例えば、本実施の形態における符号パターン画像生成装置10は本発明に係る情報生成装置を、付加画像情報出力部24は本発明に係る付加画像情報生成手段を、重畳情報出力部25は本発明に係る重畳情報生成手段をそれぞれ構成する。
【0031】
(符号パターン画像生成方法)
以上に説明した符号パターン画像生成装置10が実行する符号パターン画像生成方法を9C2による符号パターン画像を例として説明する。図10は符号パターン画像の生成方法のフローチャートである。
M系列符号化部71が、記録媒体上の記録位置に固有な位置情報をM系列符号化して位置符号として出力する(M系列符号化工程)(ステップ101)。
出力された位置符号をブロック分割部72が符号ブロックに分割する(ブロック分割工程)(ステップ102)。
外部からの指示を受けて、制御符号生成部21が出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を生成する(制御情報生成工程)(ステップ103)。
【0032】
識別情報をブロック分割部74が5ビット長の複数のブロックに分割する(ブロック分割工程)(ステップ104)。
分割されたブロックに対してRS符号化部75がRS符号化処理を行い冗長ブロックを付加する(RS符号化工程)(ステップ105)。
位置符号と制御符号と識別符号とを用いてブロック合成部77が二次元の符号平面を合成する(ブロック合成工程)(ステップ106)。
符号平面を参照して出力画像生成部78が各符号値に対応した符号パターンを選択し(符号パターン選択工程)(ステップ107)、符号パターン画像を生成し出力する(出力画像生成工程)(ステップ108)。
そして、入力された文書情報を重畳情報出力部25が画像情報に変換し、符号パターン画像を重畳して重畳情報を出力する(重畳情報出力工程)(ステップ109)。
【0033】
ここで、例えば、本実施の形態のM系列符号化工程(ステップ101)及びブロック分割工程(ステップ102)が情報生成方法に係る発明の「位置情報生成工程」に、制御情報生成工程(ステップ103)が「制御情報生成工程」に対応する。また、ブロック分割工程(ステップ104)及びRS符号化工程(ステップ105)が「識別情報生成工程」に、ブロック合成工程(ステップ106)及び符号パターン選択工程(ステップ107)、出力画像生成工程(ステップ108)が「付加画像情報出力工程」に、重畳情報出力工程(ステップ109)が「重畳情報出力工程」にそれぞれ対応する。
また、例えば、ステップ101及び102の処理が実行されることにより情報生成プログラムに係る発明の「位置情報生成機能」が、ステップ103の処理が実行されることにより「制御情報生成機能」が実現される。また、ステップ104及び105の処理が実行されることにより「識別情報生成機能」が、ステップ106及び107,108の処理が実行されることにより「付加画像情報出力機能」が、ステップ109の処理が実行されることにより「重畳情報出力機能」がそれぞれ実現される。
【0034】
本実施の形態にかかる符号パターン画像生成装置10によれば、位置符号生成部20は出力用紙上の位置或いは出力用紙に記録される文書画像の記録位置に固有な位置符号を取得する。制御符号生成部21は出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を取得する。付加画像情報出力部24は、位置符号を画像情報として二次元配置して形成される符号ブロックの区画に、制御符号を画像情報として配置した符号パターン画像を生成し出力する。重畳情報出力部25は、外部から入力された文書情報を画像情報に変換し、符号パターン画像を重畳した重畳情報を生成し出力する。よって、出力された重畳情報に含まれる制御符号によって、出力用紙に記録された情報を読み取った機器の各部の動作を制御することができる。
また、本実施の形態にかかる符号パターン画像生成装置10によれば、識別符号生成部22は出力用紙或いは出力用紙に記録された文書情報を識別する識別符号を生成する。付加画像情報出力部24は符号ブロックの区画に識別符号と制御符号とを画像情報として配置して符号パターン画像を生成し出力する。これにより、重畳情報出力部25が出力する重畳情報には識別符号と制御符号とが含まれる。よって、識別符号によって識別される出力用紙又は文書情報は制御符号によって保護される。
更にまた、本実施の形態にかかる符号パターン画像生成装置10によれば、付加画像情報出力部24は符号ブロックの区画に制御符号及び識別符号を交互に配置する。よって、制御符号と識別符号とが出力用紙上で偏在しないので、出力用紙のどの部分を読み込んでも制御符号と識別符号とを入手することができる。
【0035】
本実施の形態にかかる出力用紙は、出力用紙上の位置に固有な位置符号と、出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号とを含み、位置符号を画像情報として二次元配置して形成される符号ブロックの区画に、制御符号が画像情報として配置される。よって、制御符号が予め記録された出力用紙を使えば出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作を制御することができる。
本実施の形態にかかる出力用紙によれば、位置符号を画像情報として二次元配置して形成される符号ブロックの区画に、出力用紙を識別する識別符号が制御符号と共に画像情報として配置される。よって、制御符号と識別符号とが予め記録された出力用紙に情報を記録すれば、出力用紙に記録されている制御符号により出力された情報を保護することができる。
本実施の形態にかかる出力用紙によれば、制御符号及び識別符号は符号ブロックの区画に交互に配置される。よって、制御符号と識別符号とが偏在することなく記録された出力用紙から制御符号や識別符号を除去することが困難であるから、その出力用紙に記録された情報を保護することができる。
【0036】
(符号ブロックの合成例)
ブロック合成工程(ステップ106)においてブロック合成部が実行する符号ブロックの合成を図11を用いて説明する。図11は符号ブロックの合成方法を説明するための図である。図11(a)は1種類の制御符号を使用した例であり、図11(b)は2種類の制御符号を使用した例である。
同期符号の上下左右の列に位置符号を配置し、同期符号の右下象限に識別符号と制御符号を交互に配置する。即ち、位置符号の列が格子を構成し、格子の各交点に同期符号が配される。格子の各区画には識別符号と制御符号とが交互に配される。位置符号及び識別符号は、例えば、それぞれM系列で符号化された位置情報とRS符号で符号化された識別情報である。制御符号は、図6及び図8で説明したような符号パターンである。各符号ブロックには同期符号があるため位置符号は連続して配置できず、位置符号の4個の単位符号パターン毎に同期符号が配置される。2種類の制御符号を使用すれば、制御符号パターンに例えば「コピー禁止」、「認証コピー」、「スキャンのみ許可」等の意味付けの種類を増やすことができる。
尚、図11では、同期符号と位置符号とが構成する格子の区画に識別符号と制御符号とが配された構成例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、格子が構成する区画に制御情報だけが配置された構成であってもよい(図示省略)。
【0037】
このようにして符号ブロックが合成されて生成された符号パターンの配置例を図12に示す。図12は、図11に示した合成方法によって生成された符号パターンの配置例である。図12(a)は制御符号パターンが1種類の例で図11(a)に対応し、図12(b)は2種類の例で図11(b)に対応する。
いずれも制御符号パターンが符号パターンの全面に配置されるため、符号パターンと文書画像とが合成されて出力された場合、例えば、文書に記載される機密情報と制御符号パターンを切り離すことが実質的に出来ず、悪意をもったユーザが制御パターン画像を切り離して機密文書を不当にコピーしたりスキャンしたりできない。
【0038】
(印刷文書情報記録システム)
以上に記録媒体に記録される情報(符号パターン画像)の生成について説明したので、このように生成された情報が実際に記録される情報記録システムの一例としての印刷文書情報記録システム1を次に説明する。図13は、複合機及び情報を蓄積・管理する各種サーバを含む印刷文書情報記録システム1の構成例である。
印刷文書情報記録システム1は、文書管理サーバ3に格納されている電子文書の印刷を指示する端末装置2と、印刷が指示された電子文書とその属性情報を識別情報管理サーバ4に送信する文書管理サーバ3とを有する。また、印刷する電子文書への識別情報の割り当て、登録、印刷の処理を行う識別情報管理サーバ4と、受信したPDLから画像を生成し、印刷画像として紙面に画像を印刷出力する複合機5とを有する。各部はネットワーク6で接続されている。文書管理サーバ3と識別情報管理サーバ4とは各種文書ファイルを格納するデータベース16,23を有している。
【0039】
端末装置2は例えばパソコン等で構成される。ユーザからの記録入力を受け付けるキーボード11及びディスプレイ12と、ネットワーク6を介して印刷文書情報記録システム1を構成する2つのサーバ3,4や複合機5との通信を実行する送受信部13と、各部の動作を制御する制御部(CPU)14とを有して構成される。端末装置2はユーザからの記録指示の入力を受け付けたとき、文書管理サーバ3のデータベース16(後述)に格納されている文書ファイルを出力用紙等の記録媒体へ記録(印字)するよう指示をする。
文書管理サーバ3は、文書情報と属性情報とを関連付けて格納するデータベース16と、端末装置2からの指示を受け付け、且つ、文書情報等をネットワーク6へ送信する送受信部17とを有する。また、端末装置2からの指示に従ってデータベース16から文書ファイルを取り出す等の作業を行う制御部18とを有する。文書管理サーバ3は、端末装置2から指示された文書ファイルをデータベース16から取り出し、ネットワーク6を介して識別情報管理サーバ4に出力(送信)する。
【0040】
識別情報管理サーバ4は、記録媒体上の記録位置に固有な位置符号を生成する位置符号生成部20と、記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御符号を生成する制御符号生成部21とを有する。また、文書情報を識別する識別符号を生成する識別符号生成部22と、識別符号と属性情報とを関連付けて格納するデータベース23とを有する。更に、位置符号と制御符号と識別符号とを画像情報に変換して付加画像情報として出力する付加画像情報出力手段の一例としての付加画像情報出力部24と、入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、付加画像情報を重畳した重畳情報を出力する重畳情報出力手段の一例としての重畳情報出力部25とを有する。更にまた、文書管理サーバ3から送信された文書ファイルをネットワーク6を介して受信し、且つ、出力された重畳情報をネットワーク6を介して複合機5へ送信する送受信部26を有して構成される。識別情報管理サーバ4は、記録(印字)する文書ファイルへの識別情報の割り当て、登録、記録(印字)の処理を行う。
複合機5は、コピーやFAX、プリンタ、スキャナといった機能が一体となった機器である。複合機5は、ネットワーク6を介して識別情報管理サーバ4から受信する文書ファイルを受信する受信部28と、受信した文書ファイルを出力用紙等の記録媒体に記録(印字)する記録部29とを有して構成される。複合機5は、ネットワーク6を介して識別情報管理サーバ4から受信した文書ファイルを記録媒体へ記録する。
【0041】
(印刷文書情報の記録方法)
以上の構成を有する印刷文書情報記録システム1が実行する印刷文書情報の記録方法について図14を参照しつつ以下に説明する。図14は印刷文書情報の記録方法のフローチャートである。
ユーザが端末装置2を使って印刷文書の記録媒体への記録を指示すると(指示入力工程)(ステップ121)、端末装置2は文書管理サーバ3に対して文書ファイルを識別情報管理サーバ4に送信するよう指示を出す(記録指示送信工程)(ステップ122)。
文書管理サーバ3は端末装置2からの指示を受信し(指示受信工程)(ステップ131)、データベース16を検索して指示された文書ファイルと属性情報とを取り出す(検索工程)(ステップ132)。そして、取り出した文書ファイルと属性情報とを識別情報管理サーバ4に送信する(文書ファイル送信工程)(ステップ133)。属性情報は電子文書の格納場所、印刷設定、レイアウト情報などの情報である。
【0042】
識別情報管理サーバ4が文書ファイルと属性情報とを受信し(文書ファイル受信工程)(ステップ141)、受信した文書ファイルと属性情報とに基づいて識別符号生成部22は識別符号を生成する(識別情報生成工程)(ステップ142)。
生成した識別情報は受信した電子文書の属性情報と関連付けられて、データベース23に記憶される(記憶工程)(ステップ143)。
更に、付加画像情報出力部24は位置符号と制御符号と識別符号とを画像情報に変換して付加画像情報としての符号パターン画像を出力する(付加画像情報出力工程)(ステップ144)。その後、重畳情報出力部25は外部から入手した文書ファイルの文書情報を画像情報に変換し、付加画像情報を重畳し印刷記述言語に変換して重畳情報を生成し出力する(重畳情報生成工程)(ステップ145)。重畳情報には識別情報から生成した符号パターン画像が含まれる。
そして、識別情報管理サーバ4の送受信部26はその符号パターン画像を複合機5へ送信する(符号パターン画像送信工程)(ステップ146)。
複合機5は、ネットワーク6を介して識別情報管理サーバ4から符号パターン画像を受信し(符号パターン画像受信工程)(ステップ151)、記録部29において記録媒体へ符号パターン画像を記録(印字)する(記録工程)(ステップ152)。
なお、上述した識別情報生成工程(ステップ142)では、識別情報管理サーバ4は印刷出力される紙ごとに異なる識別符号を付加する。例えば、10ページの電子文書を2UPで5部出力した場合は、10ページ÷2×5=25個の識別符号を生成する。生成した識別符号は、受信した電子文書の属性情報と関連付けて、識別情報管理サーバ4が有するデータベース23に格納する。
【0043】
尚、上述した例では識別情報管理サーバ4内で符号パターン画像を生成する構成を記述したが、符号パターン画像の生成を複合機5内部で行うこともできる。この場合は、符号パターン生成装置としての複合機5は、重畳情報を出力用紙等の記録媒体に記録する記録手段の一例としての記録部29(後述)を更に含む。電子文書から生成された印刷記述言語に識別情報が付加されて複合機5へ送信される。複合機5は受信部28(後述)にて送信された印刷記述言語を受信し、付加画像情報出力部24が識別情報から符号パターン画像を生成する。そして、記録部29が出力用紙へ記録する。この場合において、制御符号の画像情報と位置符号の画像情報とを異なる色材で形成されるようにしてもよい。出力用紙に記録された情報を読み取った機器では制御符号と位置符号とを色材で区別し、同期化処理の前段で制御符号を除去できるので、その後の同期化処理等の工程の計算負荷を軽減できる。また、制御符号の画像情報に使用される色材が、位置符号の画像情報に使用される色材に比べて赤外吸収量が1/2以下となるようにしてもよい。出力用紙に記録された情報を読み取った機器は制御符号と位置符号とを赤外吸収量の差異で区別することができ、同期化処理の前段で制御符号を除去できるので、その後の同期化処理等の工程の計算負荷を軽減できる。
また、符号パターン画像の生成を文書管理サーバ3で行うこともできる。文書管理サーバ3は識別情報管理サーバ4に電子文書の属性情報のみ送信する。識別情報管理サーバ4は受信した属性情報から必要な識別情報の個数を算出し、受信した属性情報と発行した識別情報とを関連付けて文書管理サーバ3に識別情報を送信する。文書管理サーバ3は受信した識別情報から符号パターン画像を生成し、文書管理サーバ3内のデータベース16(後述)から電子文書情報を取り出し、生成した符号パターン画像と共に複合機5へ送信する。符号パターン画像生成装置が文書管理サーバ3以外の場合(識別情報管理サーバ4や複合機5の場合)、文書情報は符号パターン画像生成装置内に予め蓄積されていないので、文書管理サーバ3から取り込むことになる。
上記実施の形態では位置符号を位置符号生成部20にて生成する構成を示したが、これに限定されない。位置符号を外部から取り込む構成としてもよい。
上記実施の形態では制御符号を制御符号生成部21にて生成する構成を示したが、これに限定されない。制御符号を外部から取り込む構成としてもよい。
上記実施の形態では識別符号を識別符号生成部22にて生成する構成を示したが、これに限定されない。識別符号を外部から取り込む構成としてもよい。
また、印刷される電子文書の種類(一般文書や機密文書)により、符号パターン画像に埋め込む制御符号の有無と種類を判別させる構成とすることができる。即ち、識別符号の有無や種類によって一般文書か機密文書かを判断し、その判断結果に応じて制御符号の有無や種類を判別する構成とすることもできる。機密文書の場合には制御符号に従って複写やスキャンの禁止などとすることもできる。
【0044】
(復号処理及び動作制御)
制御符号と位置符号とが記録された出力用紙等の記録媒体が本発明に係る情報読取システムによって読み込まれた場合に、情報読取システム内部で実行される制御符号と位置符号の復号処理及び動作制御を以下に説明する。この復号処理は電子ペンでも複合機でも実行される。ここでは、取得される制御情報により出力用紙に記録された情報を読み取った機器の動作が制御される点を説明するため、本発明に係る情報読取システムの一例としての複合機5を例にして説明する。図15は制御符号と位置符号の復号処理及び動作制御を実行する複合機5の機能ブロック図である。
出力用紙に記録された情報を読み取った機器の一例としての複合機5は、紙面に印刷された符号パターン画像を読み取る読取手段の一例としての画像入力部31と、読み取った画像に含まれるノイズを除去するノイズ除去部35とを有する。また、画像からドットパターン(ドット画像の位置)を検出するドットパターン検出部36と、ノイズ除去された画像から制御符号領域を検出する制御情報領域検出手段、検出した制御符号領域から制御符号パターンを検出する制御情報検出手段の一例としての制御符号パターン検出部37とを有する。更に、検出したドットパターンを二次元配列上に同期する同期化部39と、符号ブロックを構成する単位符号パターンの境界を検出する単位符号パターン境界検出部40とを有する。更にまた、同期符号を検出する同期符号検出部41と、同期符号の位置を基準にして識別符号を取得する識別符号検出部42と、識別符号を復号し識別情報を出力するRS符号復号部43とを有する。更にまた、同期符号の位置を基準にして位置符号を取得する位置符号検出部44と、同期符号による位置をオフセット補正した値を位置情報として出力する位置符号復号部45とを有する。更にまた、複合機5の動作を制御する動作制御手段の一例としての複合機動作制御部47と、画像読取部48と、画像送信部49と、画像形成部50と、FAX送信部51とを有する。
【0045】
パターン検出部32は、ノイズ除去部35と、ドットパターン検出部36と、制御符号パターン検出部37とを含む。また、情報検出部33は、同期化部39と、単位符号パターン境界検出部40と、同期符号検出部41と、識別符号検出部42と、RS符号復号部43と、位置符号検出部44と、位置符号復号部45とを含む。
画像入力部31は、CCD(電荷結合素子;Charge Coupled Devices)やCMOS(相補型金属酸化物半導体;Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子で構成され、紙面に印刷された符号パターン画像を読み取って出力する。
ノイズ除去部35は撮像素子感度のばらつきや電子回路により発生するノイズを除去する。ノイズ除去処理の方法は撮像系の特性に応じて選択されるが、例えば、ぼかし処理やアンシャープマスキングなどの先鋭化処理などがある。
【0046】
ドットパターン検出部36は、画像を二値化処理してドットパターン画像部分と背景画像部分を切り分け、二値化された個々の画像位置からドットパターンの位置を検出する。二値化された画像にはノイズ成分が多数含まれる場合があるため、二値化された画像の面積や形状によりドットパターンの判定を行うフィルタ処理を組み合わせる必要がある(面積や形状によるフィルタ処理)。制御符号が単位符号パターンの組み合わせでない場合(図8参照)、制御符号をノイズとして除去する。また、制御符号パターンを赤外非吸収材料で形成し位置符号パターンと識別符号パターンを赤外吸収材料で形成した場合は、赤外領域に感度がある撮像系を用いることで画像入力の段階で制御符号パターンを除去する(赤外線吸収度を用いたノイズ除去)。
同期化部39は、検出したドットパターンの位置を参照してドットパターンを二次元配列上に同期する。ここで「同期する」とは、二次元配列上に、ドットパターンがある位置を1、ドットパターンが無い位置を0、などのように置き換え、画像として検出したドットパターンを二次元配列のデジタルデータに置き換える処理である。この同期化処理は後述する。
単位符号パターン境界検出部40は、二次元配列上に展開されたドットパターンから、符号ブロックを構成している単位符号パターンの境界を検出する。同期化部39によって出力された二次元配列上で、単位符号パターンと同じ大きさをもつ矩形の区切り位置を適宜動かし、区切り内に含まれるドット数が均等になる位置を単位符号パターンの境界位置として検出する。均等になったドット数が2であれば9C2の単位符号パターンで情報が埋め込まれた符号パターン、ドット数が3であれば9C3の単位符号パターンで情報が埋め込まれている符号パターン、と情報埋め込み方式の判定を行うこともできる。また、制御符号が単位符号パターンの組み合わせの場合(図6参照)には、後述する方法により単位符号パターン境界検出部40が制御符号パターンを除去する。
【0047】
同期符号検出部41は、二次元配列から検出された各々の単位符号パターンの種類を参照して同期符号を検出する。図3に示した4種類のいずれの同期符号が検出されたかにより、符号パターンの向き(90度単位)を検出してそれを補正する。識別符号検出部42と位置符号検出部44は夫々、角度補正された符号パターンから同期符号の位置を基準にして識別符号と位置符号を取得する。RS符号復号部43は、図9で説明したRS符号の符号化処理で用いたパラメータ(ブロック数など)と同じパラメータを用いて検出された識別符号を復号し識別情報を出力する。位置符号復号部45は、位置符号検出部44により取得された位置符号からM系列の部分系列を取り出し、画像生成に使用したM系列に対する検出された部分系列の位置を参照し、その位置から同期符号による位置のオフセット(位置符号の間に同期符号が配置されているため)補正した値を位置情報として出力する。
制御符号パターン検出部37は、ノイズ除去部35によってノイズが除去された画像から制御符号パターンを検出する。即ち、制御符号パターンは図6や図8で示したように予め定められた固定パターンなので、まずは同期符号やX位置符号及びY位置符号を基に制御符号ブロックを確定し、図5や図7で示した制御符号領域を検出する。検出した制御符号領域に応じて公知のパターンマッチング処理を行うことで制御符号パターンを容易に検出する。そして、制御符号パターン検出部37は検出結果を複合機動作制御部47へ送信する。制御符号パターンが検出された場合は、その検出された制御符号の種類が送信される。あるいは予め制御符号として「複合機の動作を止める」という1種類の制御符号しかないことが分かっていれば、複合機5の動作を止めるための信号が出力される。
複合機動作制御部47は、制御符号パターン検出部37から受信した信号に応じて複合機5の動作を制御する。例えば制御符号が「コピー禁止」を示す符号であれば、画像読取部48と画像形成部50の動作を停止する。制御符号が「スキャン禁止」を示す符号であれば、画像読取部48と画像送信部49の動作を停止する。「FAX禁止」を示す制御符号であれば、画像読取部48とFAX送信部51の動作を停止する。
【0048】
複合機5の生産性を低下させずにコピー速度やスキャン速度などの処理を行うには、制御符号パターン検出部37の処理は特に高速でなければならない。制御符号パターン検出部37の処理を高速化するには、図示したパターン検出部32をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向け集積回路)やFPGA(Field Programmable Gate Array;プログラミングすることができるLSI)、DSP(Digital Signal Processor;音声や画像などの処理に特化したマイクロプロセッサ)などのハードウェアとして実装することで実現できる。パターン検出部32で行う処理は二値化やパターンマッチングなどの単純な画像処理なので、ハードウェア化に向いているからである。
情報検出部33は、複合機5の内部に実装しても良いし、複合機5の外部に設置したサーバなどで行っても良い。また、複合機5の内部で実装する場合は、パターン検出部32と同様にハードウェアで実装しても良いし、複合機5内部のCPUで実行されるソフトウェアとして実装しても良い。
【0049】
(復号処理の方法)
以上の構成を有する複合機5において実行される復号処理方法を、図16に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
複合機5の画像入力部31が紙面に印刷された符号パターン画像を読み取ると(画像入力工程)(ステップ161)、ノイズ除去部35が読み取った画像に含まれるノイズを除去して画像を出力する(ノイズ除去工程)(ステップ162)。ノイズが除去された画像からドットパターン検出部36がドットパターンの位置を検出する(ドットパターン検出工程)(ステップ163)。そして、検出したドットパターンを同期化部39が二次元配列上に同期(展開)する(同期化工程)(ステップ164)。二次元配列上に展開されたドットパターンから単位符号パターン境界検出部40が単位符号パターンの境界を検出する(単位符号パターン境界検出工程)(ステップ165)。そして、同期符号検出部41が、二次元配列から検出された各々の単位符号パターンの種類を参照して同期符号を検出し角度補正する(同期符号検出工程)(ステップ166)。更に、角度補正された符号パターンから同期符号の位置を基準にして、識別符号検出部42が識別符号を検出し(識別符号検出工程)(ステップ167)、RS符号復号部43が識別符号を復号して識別情報を出力する(RS符号復号工程)(ステップ168)。更にまた、位置符号検出部44が位置符号を検出し(位置符号検出工程)(ステップ169)、位置符号復号部45が同期符号による位置をオフセット補正して位置情報を出力する(位置符号復号工程)(ステップ170)。
【0050】
(同期化処理)
同期化部39で実行される同期化工程(ステップ164)について図面に基づいて更に説明する。図17は、図15に示す同期化部39において実行される同期化工程の概要を説明する図である。ドットパターン検出部36によって検出されたドットパターンに対して同期化部39は仮想的な格子を当てはめ、その仮想格子の各区画でドットの有無を検査する。ドットがない区画を0としドットがある区画を1として二次元配列を生成する。
仮想格子の向きはドットパターンから推定することができる。図1及び図2からも明らかなように、符号パターンから2つのドットを選んだとき、その2つのドット間の距離が最も近接するのは、その2つのドットが0度方向か90度方向に隣接して並んでいる場合である。従って、検出された複数のドットパターンから、最も近接しているドットの対を検出して、そのドット対が向いている方向から符号パターンの傾き角度を検出することができ、それを格子の方向とすることができる(格子方向の決定)。
尚、最も近接した2つのドット間の距離が符号パターンのドット間隔となっているので、同期化処理に使用する格子の間隔は、上記に説明した検出された最も近接したドットの対の間隔とすることができる(格子間隔の決定)。
【0051】
(単位符号パターンの境界検出(1))
図18は、図15に示した単位符号パターン境界検出部40で行う単位符号パターン境界検出工程(ステップ165)の概要を説明する図である。図18(a)は9C2の単位符号パターンで構成された本実施例の符号パターンを示している。実際に境界検出の対象となるのは、図17で示したビット値0とビット値1とからなる同期化された二次元配列であるが、ここでは直感的に捕らえ易いようにドットパターンを用いて説明する。
図18(a)に示した符号パターンを復号するには、まず単位符号パターンの種類を特定する必要がある。そのためには単位符号パターンの境界を判別する。図18(b)〜図18(d)は単位符号パターンの境界判別過程を示している。図19に示す単位符号パターンの境界判別方法のフローチャートを使って以下に説明する。
即ち、単位符号パターンと区画の大きさが同じ複数の区画を備えた仮想の格子パターンを符号パターン上で走査する(仮想格子走査工程)(ステップ181)。各区画に含まれるドット数をカウントする(カウント工程)(ステップ182)。区画に入るドット数のばらつきを格子パターン毎に算出する(ばらつき算出工程)(ステップ183)。ばらつきが最も小さい位置の格子パターンを選択し固定する(格子パターン固定工程)(ステップ184)。この固定された位置が単位符号パターンの境界位置となる(境界位置決定工程)(ステップ185)。9C2の単位符号パターンを使用した場合は、正しい格子位置(図18(d))では各区画に入るドット数は2となるが、正しい位置ではない場合(図18(b)及び図18(c))、0個から7個の範囲で個数がばらつく。
【0052】
単位符号パターンの境界位置が決定した後、各単位符号パターンを検査して同期符号を検出する(同期符号検出工程)(ステップ186)。4種の同期符号のいずれが検出されたかによって符号パターンの回転を判定し(回転判定工程)(ステップ187)、回転補正した後に位置符号と識別符号を抽出する(位置符号及び識別符号抽出工程)(ステップ188)。図11又は図12に示すように、符号パターンを読み取る場所によって識別符号であったり制御符号であったりする。よって、識別符号の復号時に制御符号がノイズとして作用する。しかし、位置符号に対する制御符号の配置を予め定めておくことで、復号時には位置符号の検出結果から制御符号を容易に除去することができる。
【0053】
(単位符号パターンの境界検出の他の例)
図20は、図15に示した単位符号パターン境界検出部40が行う単位符号パターン境界検出工程(ステップ165)の他の例を説明する図である。検出対象は図8に示す制御符号パターンである。図20(a)は別の符号パターンの例として9C3の単位符号パターンで構成された符号パターンを示している。制御符号パターンは単位符号パターンとは異なる形状をしているため、図20(a)のままで復号することは難しい。従って、まずは図20(a)に含まれる制御符号パターンのみを除去する必要がある(図20(b)参照)。
【0054】
除去方法としては、図20(a)の符号パターンに含まれる全画素の固まりの面積を計数し、その面積の大小によって制御符号パターンだけを消去することができる(制御パターン除去方法その1)(面積や形状によるフィルタ処理)。または、制御符号パターンを赤外吸収量が少ないYellowやMagenta、Cyanのトナーを使用して(3色の混色による黒で)形成し、同期符号と位置符号と識別符号のパターンは一般的に使用されている炭素を含有する赤外吸収量が多いBlackのトナーで形成しておけば、符号パターンの検出にその赤外吸収量の差を利用して、制御符号パターンだけを除去することができる(制御パターン除去方法その2)(赤外線吸収度を用いたノイズ除去)。
制御符号パターンを除去した後は、図18に示した方法と同様の方法で、単位符号パターンの境界を検出することが出来る。図20(c)〜(e)は、その判別方法を示している。9C3の単位符号パターンを使用した場合は、格子パターン固定工程、境界位置決定工程において、正しい格子位置(図20(e))では各区画に入るドット数は3となるが、正しい位置ではない場合(図20(c)及び図20(d))0個から8個の範囲で個数がばらつく点で、図18で説明した単位符号パターンの境界検出とは異なる。
【0055】
(動作制御方法)
次に、図15に示す複合機5において実行される動作制御方法を、図21に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
複合機5の画像入力部31が紙面に印刷された符号パターン画像を読み取ると(画像入力工程)(ステップ201)、ノイズ除去部35が読み取った画像に含まれるノイズを除去して画像を出力する(ノイズ除去工程)(ステップ202)。ノイズ除去された画像が入力されると、制御符号パターン検出部37は制御符号領域を検出する(制御符号領域検出工程)(ステップ203)。そして、検出した制御符号領域から制御符号パターン検出部37は制御符号パターンを検出し、検出結果を複合機動作制御部47へと出力する(制御符号パターン検出工程)(ステップ204)。複合機動作制御部47は制御符号パターン検出部37から受信した信号に応じて複合機5の動作を制御する(複合機動作制御工程)(ステップ205)。
なお、本フローチャートにおける画像入力工程(ステップ201)及びノイズ除去工程(ステップ202)はそれぞれ図16に示す復号処理方法のフローチャートにおける画像処理工程(ステップ161)とノイズ除去工程(ステップ162)と同じである。
このように、印刷された符号パターン付きの印刷文書が複合機5でコピー、スキャン、FAXされると、図15で説明したように、複合機5内部に実装された制御符号パターン検出部37が動作し、複合機5の動作を制御する。
【0056】
本実施の形態にかかる複合機5によれば、出力用紙に記録された情報を画像入力部31が読み取り、読み取った情報から制御符号パターン検出部37が制御符号領域を検出する。そして、検出した制御符号領域から制御符号パターン検出部37が公知のパターンマッチング処理を用いて制御符号パターンを検出し、検出した制御符号に応じて複合機動作制御部47が複合機5の各部の動作を制御する。よって、出力用紙に記録した制御符号によって複合機5の各部の動作を制御することができる。
【0057】
(筆記情報生成システム)
以上に記録媒体から読み込んだ情報の復号について説明したので、次に読み込まれた情報が実際に復号される筆記情報生成システムを説明する。図22は筆記情報生成システム8の構成例を示す図である。筆記情報生成システム8は図13に示す印刷文書情報記録システム1とほぼ同じであるが、識別情報管理サーバ4が筆記済文書情報生成部27を含み、端末装置2に電子ペン9が接続している点で図13と相違する。電子ペン9の構成は図23を用いて説明する。
【0058】
(電子ペンの構成)
図23は、本発明に係る電子ペンの一実施の形態としての電子ペン9の構成図である。電子ペン9は、電子ペン9の各種動作を制御する制御回路55と、筆記動作を検出する圧力センサ56と、紙面を照明する赤外LED57とを有する。また、出力用紙等の記録媒体に記録された情報(画像)を取得する情報取得手段の一例としての赤外CMOS58と、取得した情報から符号パターンを検出する画像処理部59と、符号パターンから位置符号と制御符号とを抽出する情報抽出手段、制御符号を除外して位置符号を出力する制御情報除外手段、位置符号に基づいて電子ペン9の筆記の軌跡を示す筆記情報を生成する筆記情報生成手段の一例としてのデータ処理部60とを有する。更に、筆記情報を記憶するメモリ61と、外部装置と通信する通信回路62と、ペンを駆動するためのバッテリー63とを有する。更にまた、電子ペン9はペンID用メモリ64を有する。
赤外LED57は、消費電力を抑制するため、赤外CMOS58のシャッタタイミングに同期してパルス点灯する。
赤外CMOS58は赤外領域に感度があるCMOSセンサである。70〜100fps(frame per second)程度の周期で画像を撮像する。撮像した画像を同時に転送できるグローバルシャッター方式のCMOSを使用している。また、外乱の影響を低減するために、赤外CMOS58の全面に可視光カットフィルタを配置している。なお、ここでは、撮像素子として赤外CMOSを使用しているがこれに限定されるものではなく、CCDなど他の撮像素子を使用しても良い。
【0059】
通信回路62は外部からの情報の受信も行う。例えば、符号パターンを復号するための復号鍵は通信回路62を通じて外部から受信され、電子ペン9のメモリ61内部に格納される。電子ペン9は70〜100fps程度の速さで画像を取り込むため、一回の筆記動作で複数の位置情報と識別情報を取得できる。
識別情報は紙面の位置に寄らず同じ情報が埋め込まれているため、データ処理部60が取得した複数の識別情報の多数決を取ることで識別情報の信頼性を上げている。位置情報は紙面の位置により情報が異なるが、データ処理部60が筆記により生じた隣接する位置情報はその位置(座標)の連続性を検証し、データ処理部60が復号に失敗した箇所の情報を検出・補完する。位置の連続性(筆記動作の連続性)は圧力センサ56による筆圧の検知結果を用いて認識する。
【0060】
本実施の形態にかかる電子ペン9によれば、赤外CMOS58は出力用紙に記録された情報(画像)を取得する。画像処理部59により検出された符号パタ−ンからデータ処理部60が制御符号を除外して位置符号を抽出し、筆記情報を生成する。よって、制御符号の影響を受けることなく筆記情報を生成することができる。
【0061】
(筆記情報生成方法)
以上の構成を有する筆記情報生成システム8が実行する筆記情報の生成方法について図24を参照しつつ以下に説明する。図24は筆記情報の生成方法のフローチャートである。
上記した印刷文書情報記録方法により画像情報(符号パターン)が記録された印刷紙にユーザが電子ペン9で筆記を行う。電子ペン9は内部にインクタンク(図示省略)を有しており、筆記により電子ペン9は印刷紙上にインクを筆記跡として残す。同時に、圧力センサ56はペン先が紙面に接触しているか否かを検知する(筆記動作検出工程)(ステップ221)。
接触を検知したとき電子ペン9は赤外LED57を点灯して赤外CMOS58が紙面上の画像を撮像し、画像情報を取得する(画像情報取得工程)(ステップ222)。
撮像した画像情報から画像処理部59が符号パターン画像を検出する(符号パターン検出工程)(ステップ223)。
検出した符号パターン画像をデータ処理部60が復号し、符号パターン画像に埋め込まれている位置符号と識別符号とを抽出取得する(抽出工程)(ステップ224)。このとき制御情報(制御符号)はノイズとして除去される。
【0062】
抽出工程において取得した位置符号からデータ処理部60は電子ペン9の筆記跡を検出し、識別符号と共に筆記情報を生成する(筆記情報生成工程)(ステップ225)。そして、筆記情報を制御回路55がメモリ61に記憶させる(記憶工程)(ステップ226)。
筆記情報を電子ペン9の通信回路62が端末装置2に送信する(筆記情報送信工程)(ステップ227)。
電子ペン9から送信された筆記情報を端末装置2が受信し(筆記情報受信工程)(ステップ231)、端末装置2が識別情報管理サーバ4に送信する(筆記情報送信工程)(ステップ232)。
送信された筆記情報を識別情報管理サーバ4が受信し(筆記情報受信工程)(ステップ241)、筆記情報から識別情報を抽出する(識別情報抽出工程)(ステップ242)。
続いて、識別情報管理サーバ4が識別情報に対応する文書情報の属性情報を検索する(属性情報検索工程)(ステップ243)。
【0063】
検索された属性情報に基づいて識別情報管理サーバ4が文書管理サーバ3に対して、該当する文書情報を識別情報管理サーバ4に送信するように依頼し(文書情報送信依頼工程)(ステップ244)、それを受けて(送信依頼受信工程)(ステップ251)文書管理サーバ3が該当する文書情報を識別情報管理サーバ4に送信する(文書情報送信工程)(ステップ252)。
文書管理サーバ3から送信された文書情報を識別情報管理サーバ4が受信する(文書情報受信工程)(ステップ245)。
受信した文書情報と筆記情報生成工程(ステップ225)にて生成した筆記情報とに基づいて、識別情報管理サーバ4の筆記済文書情報生成部27が電子ペン9の筆記跡をオリジナルの文書情報に反映させた筆記済文書情報を生成する(筆記済文書情報生成工程)(ステップ246)。
生成された筆記済文書情報を識別情報管理サーバ4が端末装置2へ送信し(筆記済文書情報送信工程)(ステップ247)、端末装置2が受信して(筆記済文書情報受信工程)(ステップ233)ディスプレイ12上に表示する(表示工程)(ステップ234)。
【0064】
尚、この筆記情報の生成処理の前に、筆記済文書情報生成部27が筆記済電子文書があるかどうかを判断し、筆記済の電子文書があると判断した時は、筆記済の電子文書に今回取得した筆記情報を反映しても良い。また、端末装置2に新たに筆記済電子文書を生成するか、或いは、検出した筆記済電子文書に筆記情報を追記するかどうかを筆記済文書情報生成部27が端末装置2を介してユーザに問い合わせる構成としても良い。筆記済電子文書はデータベース23に筆記済電子文書の属性情報(格納場所)を予め登録しておくことで、容易に検索・取得できる。
筆記済電子文書は、オリジナルの電子文書に相当する部分が編集できない形式で生成される。(アドビシステムズ社のPDF文書形式や、富士ゼロックス社のDocuWorks形式などの)筆記済電子文書は電子文書の部分は編集できないが、筆記情報を後から追記することができる。例えば、紙に筆記した情報を一度電子化した後、同じ紙に再度筆記したときに、追加された筆記情報を筆記済電子文書上に追加することができる。
【0065】
なお、図10に示したフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又は当該プログラムをインターネット等のネットワークを介して配信して記録しておき、これを上記符号パターン画像生成装置10が有する汎用のコンピュータ等により読み出して実行させることにより、当該コンピュータ等を上記符号パターン画像生成装置10の一部として機能させることも可能である。
図14に示したフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又は当該プログラムをインターネット等のネットワークを介して配信して記録しておき、これを上記印刷文書情報記録システム1が有する汎用のコンピュータ等により読み出して実行させることにより、当該コンピュータ等を上記印刷文書情報記録システム1の一部として機能させることも可能である。
図16、図19、図21に示したフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又は当該プログラムをインターネット等のネットワークを介して配信して記録しておき、これを上記複合機5が有する汎用のコンピュータ等により読み出して実行させることにより、当該コンピュータ等を上記複合機5の一部として機能させることも可能である。
図24に示したフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又は当該プログラムをインターネット等のネットワークを介して配信して記録しておき、これを上記筆記情報生成システム8が有する汎用のコンピュータ等により読み出して実行させることにより、当該コンピュータ等を上記筆記情報生成システム8の一部として機能させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施の形態にかかる単位符号パターンの例を示す説明図である。
【図2】図1に示す単位符号パターンが取り得る36通りのドット配置を示す図である。
【図3】図1に示す単位符号パターンが取り得る36通りのドット配置から選択できる同期符号の組み合わせを示す図である。
【図4】図1に示す実施の形態において、識別符号ブロックの例を示す図である。
【図5】図1に示す実施の形態において、制御符号ブロックの例を示す図である。
【図6】図1に示す実施の形態において、単位符号パターンの組み合わせで制御符号を構成する例を示す図である。
【図7】図1に示す実施の形態において、制御符号ブロックの他の例を示す図である。
【図8】図1に示す実施の形態において、単位符号パターンの組み合わせでない制御符号を構成する所定のパターンの例を示す図である。
【図9】符号パターン画像生成装置を説明するための機能ブロック図である。
【図10】図9に示す符号パターン画像生成装置において実行される符号パターン画像生成方法のフローチャートである。
【図11】符号ブロックの合成方法を説明するための図である。
【図12】単位符号パターンの組み合わせで制御符号を構成する例を示す図である。
【図13】印刷文書情報記録システムの構成例を示す図である。
【図14】図13に示す印刷文書情報記録システムにおいて実行される印刷文書情報の記録方法のフローチャートである。
【図15】識別符号と位置符号の復号処理及び動作制御を実行する複合機の機能ブロック図である。
【図16】図15に示す複合機において実行される復号処理方法を示すフローチャートである。
【図17】図15に示す複合機の同期化部で実行される同期化工程の概要を説明する図である。
【図18】図15に示す複合機の単位符号パターン境界検出部で実行される単位符号パターン境界検出工程の概要を説明する図である。
【図19】図18に示す単位符号パターン境界検出工程における判別方法のフローチャートである。
【図20】図15に示した単位符号パターン境界検出部が行う境界検出工程の他の例を説明する図である。
【図21】図15に示す複合機において実行される動作制御方法を示すフローチャートである。
【図22】筆記情報生成システムの構成例を示す図である。
【図23】図22に示す実施の形態に用いられる電子ペンの構成図である。
【図24】図22に示す筆記情報生成システムにおいて実行される筆記情報の生成方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1…印刷文書情報記録システム(情報記録システム)、2…端末装置(端末装置)、3…文書管理サーバ(文書管理サーバ)、4…識別情報管理サーバ(識別情報管理サーバ)、5…複合機(機器)、10…符号パターン画像生成装置(情報生成装置)、11…キーボード、12…ディスプレイ、13…送受信部、14…制御部(CPU)、16…データベース、17…送受信部、18…制御部、20…位置符号生成部、21…制御符号生成部、22…識別符号生成部、23…データベース、24…付加画像情報出力部(付加画像情報生成手段)、25…重畳情報出力部(重畳情報生成手段)、26…送受信部、28…受信部、29…記録部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上の位置或いは当該記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、当該記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成手段と、
取得された文書情報を画像情報に変換し、且つ、前記付加画像情報生成手段にて生成された前記付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成手段と
を含むことを特徴とする情報生成装置。
【請求項2】
前記位置情報は、前記情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項3】
前記制御情報は、前記情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項4】
前記文書情報は、前記情報生成装置内に予め蓄積しているか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項5】
前記情報生成装置は前記重畳情報を前記記録媒体に記録する記録手段を更に含み、
前記制御情報の画像情報と前記位置情報の画像情報とは異なる色材で形成されることを特徴とする請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項6】
前記制御情報の画像情報に使用される色材は、前記位置情報の画像情報に使用される色材に比べて赤外吸収量が1/2以下であることを特徴とする請求項5に記載の情報生成装置。
【請求項7】
前記付加画像情報生成手段は、前記位置情報を画像情報として二次元配置して形成される前記区画に、前記記録媒体或いは当該記録媒体に記録された前記文書情報を識別する識別情報を前記制御情報と共に画像情報として配置した前記付加画像情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項8】
前記識別情報は、前記情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の情報生成装置。
【請求項9】
前記付加画像情報生成手段は、前記位置情報を画像情報として二次元配置して形成される前記区画に前記制御情報及び前記識別情報を交互に配置することを特徴とする請求項8に記載の情報生成装置。
【請求項10】
コンピュータに、
記録媒体上の位置或いは当該記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、当該記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成機能と、
入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、前記付加画像情報生成機能にて生成された前記付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成機能と
を実現させることを特徴とする情報生成プログラム。
【請求項11】
記録媒体上の位置或いは当該記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、当該記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成工程と、
入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、前記付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成工程と
を含むことを特徴とする情報生成方法。
【請求項12】
記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段にて読み取られた前記情報から制御情報領域を検出する制御情報領域検出手段と、
前記制御情報領域検出手段により検出された前記制御情報領域から制御情報を検出する制御情報検出手段と、
前記制御情報検出手段により検出された前記制御情報に応じて各部の動作を制御する動作制御手段と
を含むことを特徴とする情報読取システム。
【請求項13】
記録媒体に記録された情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段にて取得された前記情報から位置情報と制御情報とを抽出する情報抽出手段と、
前記情報抽出手段にて抽出された前記位置情報及び前記制御情報から当該制御情報を除外して当該位置情報を出力する制御情報除外手段と、
前記制御情報除外手段から出力された前記位置情報から筆記情報を生成する筆記情報生成手段と
を含むことを特徴とする電子ペン。
【請求項14】
記録媒体上の位置に固有な位置情報と、
前記記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報と
を含み、
前記位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、前記制御情報が画像情報として配置されたことを特徴とする記録媒体。
【請求項15】
前記位置情報を画像情報として二次元配置して形成される前記区画に、前記記録媒体を識別する識別情報が前記制御情報と共に画像情報として配置されたことを特徴とする請求項14に記載の記録媒体。
【請求項16】
前記制御情報及び前記識別情報は前記位置情報を画像情報として二次元配置して形成される前記区画に交互に配置されることを特徴とする請求項15に記載の記録媒体。
【請求項1】
記録媒体上の位置或いは当該記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、当該記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成手段と、
取得された文書情報を画像情報に変換し、且つ、前記付加画像情報生成手段にて生成された前記付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成手段と
を含むことを特徴とする情報生成装置。
【請求項2】
前記位置情報は、前記情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項3】
前記制御情報は、前記情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項4】
前記文書情報は、前記情報生成装置内に予め蓄積しているか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項5】
前記情報生成装置は前記重畳情報を前記記録媒体に記録する記録手段を更に含み、
前記制御情報の画像情報と前記位置情報の画像情報とは異なる色材で形成されることを特徴とする請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項6】
前記制御情報の画像情報に使用される色材は、前記位置情報の画像情報に使用される色材に比べて赤外吸収量が1/2以下であることを特徴とする請求項5に記載の情報生成装置。
【請求項7】
前記付加画像情報生成手段は、前記位置情報を画像情報として二次元配置して形成される前記区画に、前記記録媒体或いは当該記録媒体に記録された前記文書情報を識別する識別情報を前記制御情報と共に画像情報として配置した前記付加画像情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報生成装置。
【請求項8】
前記識別情報は、前記情報生成装置内で生成されるか、或いは、外部から取り込まれるかのいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の情報生成装置。
【請求項9】
前記付加画像情報生成手段は、前記位置情報を画像情報として二次元配置して形成される前記区画に前記制御情報及び前記識別情報を交互に配置することを特徴とする請求項8に記載の情報生成装置。
【請求項10】
コンピュータに、
記録媒体上の位置或いは当該記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、当該記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成機能と、
入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、前記付加画像情報生成機能にて生成された前記付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成機能と
を実現させることを特徴とする情報生成プログラム。
【請求項11】
記録媒体上の位置或いは当該記録媒体に記録される文書画像の記録位置に固有な位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、当該記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報を画像情報として配置した付加画像情報を生成する付加画像情報生成工程と、
入力された文書情報を画像情報に変換し、且つ、前記付加画像情報を重畳した重畳情報を生成する重畳情報生成工程と
を含むことを特徴とする情報生成方法。
【請求項12】
記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段にて読み取られた前記情報から制御情報領域を検出する制御情報領域検出手段と、
前記制御情報領域検出手段により検出された前記制御情報領域から制御情報を検出する制御情報検出手段と、
前記制御情報検出手段により検出された前記制御情報に応じて各部の動作を制御する動作制御手段と
を含むことを特徴とする情報読取システム。
【請求項13】
記録媒体に記録された情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段にて取得された前記情報から位置情報と制御情報とを抽出する情報抽出手段と、
前記情報抽出手段にて抽出された前記位置情報及び前記制御情報から当該制御情報を除外して当該位置情報を出力する制御情報除外手段と、
前記制御情報除外手段から出力された前記位置情報から筆記情報を生成する筆記情報生成手段と
を含むことを特徴とする電子ペン。
【請求項14】
記録媒体上の位置に固有な位置情報と、
前記記録媒体に記録された情報を読み取った機器の動作を制御する制御情報と
を含み、
前記位置情報を画像情報として二次元配置して形成される区画に、前記制御情報が画像情報として配置されたことを特徴とする記録媒体。
【請求項15】
前記位置情報を画像情報として二次元配置して形成される前記区画に、前記記録媒体を識別する識別情報が前記制御情報と共に画像情報として配置されたことを特徴とする請求項14に記載の記録媒体。
【請求項16】
前記制御情報及び前記識別情報は前記位置情報を画像情報として二次元配置して形成される前記区画に交互に配置されることを特徴とする請求項15に記載の記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
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【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2008−109531(P2008−109531A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291920(P2006−291920)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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