説明

情報管理システム、情報管理装置、情報提供サーバ、情報利用クライアント及びコンピュータプログラム

【課題】 画像情報と関連情報とを一の取り扱い単位とした「情報画像」を用い情報の一元管理をすることによって、複製などの規制を行う。
【解決手段】サーバにおいてクライアントが管理する情報と同じ情報を管理するとともに、該情報の移転はサーバ上でこれを行い、クライアントは該サーバの許可がなければ該情報の参照ができないようにすることで、高度な情報参照権限管理を行うことができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティの高い情報管理を行うことができる情報管理システム等に関する。詳しくは、サーバにおいてクライアントが管理する情報と同じ情報を管理するとともに、該情報の移転はサーバ上でこれを行うとともに、クライアントは該サーバの許可がなければ該情報の参照ができないようにすることで、高度な情報参照権限管理を行うことができるようにした情報管理システム、情報管理装置及び情報利用クライアント及びこれらの装置の機能をコンピュータで動作させるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
先ず、本明細書中で用いる「情報画像」なる用語は、画像情報と、少なくとも固有の処理を規定する関連情報とをひとつの取り扱い単位としたものである。ここで情報画像と画像情報とは明確に異なる概念であることを注記する。情報画像には、関連情報として様々な情報を含ませることができる。そして、情報画像をJPG,GIFなど一般的なパーソナルコンピュータが表示できる形式にしてその表示情報として画像情報を含ませてあれば、その情報画像の含む画像情報は、様々なクライアントコンピュータ上で動作するマイクロソフト社製インターネット・エクスプローラやネットスケープ社製ネットスケープ・ナビゲータなどで参照することができるようになる。
【0003】
(1.関連情報について)
先ず、後述の発明を実施するための最良の形態の欄において共通して用いる概念である、関連情報について説明する。
【0004】
この関連情報とは、端末の操作者に特定のサーバにある情報を参照させたい場合には、その情報を特定する情報(URLやIPアドレスなど)、特定のプログラムを動作させたい場合には、そのプログラム名やプログラムそのものとすることができる。もちろん、新たな画像情報を電子機器から取得するなどの指示情報とすることができる。更に、単に特定の文字・数値・記号を表すものであっても構わない。
【0005】
(2.情報画像の構成)
次に、情報画像について、図12乃至図13を用いて説明する。情報画像は前述の通り、少なくとも前記画像情報として画像表示部より視覚可能に表示される画像の情報と、関連情報とを含んでいるものである。更にその画像を特定するための識別子を含めても構わない。
【0006】
図12は関連情報を埋め込んだ画像情報のフォーマット例を示した図である。
【0007】
ここで、画像情報はGIFフォーマットの画像を例にとった。なお、フォーマットについてはGIF形式をとらずとも、JPG形式やPCX形式などをとっても構わない。開始部1201は、本情報がGIF形式の画像情報であることを識別するために設けられたフィールドであり、‘GIF’なる文字列並びにそのバージョンが割り当てられたものである。
【0008】
配色表式画像データ1203は、画素は、左から右、上から下の順序で配列された画像データである。ここで、GIFの場合、可変長符号のLZWアルゴリズムを使って符号化されている。
【0009】
注釈拡張部1205は、GIFデータ・ストリーム中の主たるグラフィック情報以外の情報を含ませることができる。例えば、副グラフィック情報、製作関係者名情報、主たるグラフィック情報に関する注釈情報、制御情報など、通常であれば直接表示のために用いるものでないいかなる情報をも含めることができるようになっている。
【0010】
終了部1206は、このデータ・ストリームが終了したことを示し、他のパラメータ情報などがこの後に続かないことを意味するようになっている。開始部1201と配色表式画像データ1203の間1202と、配色表式画像データ1203と注釈拡張部1205の間1204には、これら以外の情報を含んでいる。例えば、画面幅、画面高さ、色解像度など、これから描画する画像に必要な情報を定義するパラメータを含んだ情報が割り当てられている。
【0011】
関連情報1207は、上記注釈拡張部1205にそのまま、若しくは暗号化などの処理を施した後に配置され、ひとつの情報としてまとまることになる。これにより、結果として、ひとつの識別子によって他の情報と弁別されうる画像情報は、その内部に特定動作情報や識別子を含んで情報画像とすることができるようになる。これらの説明はすべてGIFフォーマットで行ったが、他のフォーマット形式の画像形式であっても、このように画像情報と分離されうる領域に記録されれば構わない。
【0012】
次に別の画像情報への埋め込み形式について図9を用いて説明する。
【0013】
図13は、特定の動作情報等の関連情報1308を埋め込んだ情報画像の別のフォーマット例を示した図である。ここでも、画像情報はGIFフォーマットの画像を例にとっている。この例においても、フォーマットについてはGIF形式をとらずとも、JPG形式やPCX形式などをとっても構わない。
【0014】
開始部1301は、上記と同じく、本情報がGIF形式の画像情報であることを識別するために設けられたフィールドであり、‘GIF’なる文字列並びにそのバージョンが割り当てられたものである。
【0015】
配色表式画像データ1303は、画素は、左から右、上から下の順序で配列された画像データを配置するところであるが、ここでは画像情報1307に、関連情報たる特定動作情報1308をウォーターマークの形式で混合1309させることにより、その画像情報を表示しても視覚上特定動作情報がそのまま視認できず、画像情報はそのまま視認できるようなものとなっている。ここで、このようにして混合1309された情報は、可変長符号のLZWアルゴリズムを使って符号化される。
【0016】
注釈拡張部1305は、通常、GIFデータ・ストリーム中のグラフィック情報以外の情報を含んでいる。本例では特に必要としないフィールドであるが、必要となれば、自由な定義で情報提供者が利用することが可能である。また、上記特定動作以外の関連情報を含めることも可能である。
【0017】
終了部1306は、このデータ・ストリームが終了したことを示し、他のパラメータ情報などがこの後に続かないことを意味するようになっている。
【0018】
上記何れの画像例においてもすべてGIFフォーマットで説明したが、他のフォーマット形式の画像形式であっても、このように関連情報が画像情報と分離可能な状態で記録されれば構わない。
【0019】
(3.情報画像の利用態様)
情報画像の利用態様については特開2001ー117845号公報に記載されているが、ここでは簡単に説明する。マイクロソフト社製インターネット・エクスプローラやネットスケープ社製ネットスケープ・ナビゲータなどのブラウザプログラムによってサーバからロードされた情報画像は、ブラウザの機能によってその情報画像が含む画像情報部分のみが取り出され、クライアントコンピュータの表示デバイスに表示されるようになる。この情報画像を通常ブラウザプログラムが有する保存機能を利用すれば、当該コンピュータ上に独立したファイルとして取り扱うことができるようになるので、これを他人に簡単に拡布することができるようになる。
【0020】
【特許文献1】特開2000−242604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかし、従来のシステムにおいて情報画像を他のクライアントに送付する場合(以下、情報画像の譲渡という)、電子メールなどの手法によることになる。この手法によれば、送付元のクライアント上に原情報が残ることから、結果として複製が行われたこととなり、情報画像が含む関連情報に音楽情報など複製規制管理を行わなければならないものが含まれているときに、著作権者などが不測の不利益を受けることになる点に問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、上記問題点の低減を図るべくなされたものであって、操作感を損なうことなく、情報画像等情報の複製規制を伴った譲渡を可能としたものである。
【0023】
すなわち、本発明は、情報画像を用いて情報の管理をする情報管理装置と情報提供サーバと情報利用クライアントとを具備した情報管理システム、更に、このシステムに用いる情報管理装置、情報提供サーバ、情報利用クライアントを提供することで上記問題点の軽減を図ったものである。また、本発明は、このシステムを構成する各装置を、コンピュータに動作させるためのコンピュータプログラムを提供するものである。
【0024】
情報管理装置は、クライアント識別子と、クライアントに開示する情報画像とを関連付けて記録し、情報提供サーバから情報画像の登録の要求があったとき、該情報画像をクライアント識別子で特定されるクライアントフォルダに記録するクライアントフォルダ管理部と、該クライアント識別子で特定されるクライアントのクライアントフォルダ操作部に対して該情報画像を送信するクライアントフォルダ送信部とを具備する。
【0025】
情報提供サーバは、クライアントに対してデータを配信する配信部と、所定のタイミングで、前記情報管理装置のクライアントフォルダ管理部に対して、前記クライアント識別子で特定されるクライアントフォルダに情報画像の登録を要求するフォルダプッシャ部とを具備する。
【0026】
情報利用クライアントは、少なくとも情報を視覚可能にさせる表示部と、操作指示を受ける操作入力部と、前記クライアントフォルダ管理部と通信を行い、該クライアントフォルダ管理部に記録されている情報画像の含む画像情報を表示部に表示させるクライアントフォルダ操作部と、該表示部に表示された画像情報のうち、該操作入力部によって指定されたものに係る情報画像の有する関連情報に基づいてデータを配信する情報提供サーバにアクセスして配信を要求する動作部とを具備する。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、管理すべき情報を含む情報画像をサーバにおいて一括管理することにより、複製などができない体系を作成することができ、著作権管理などが厳密な音楽データを配信するときに大きく寄与するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明を実施するための最良の形態について、図1乃至図11を用いて説明する。以下、説明においては、次の順序で説明する。
(1. 本システムの見かけ上の構成と動作について)
(1.1.本システムの見かけ上の構成)
(1.1.1.情報提供サーバ101)
(1.1.2.クライアント103-1,103-2、・・・)
(1.1.3.フォルダサーバ102)
(1.2.本システムの見かけ上の動作)
(1.2.1.フォルダ表示部に対する情報画像の登録)
(1.2.2.他のクライアントに対する情報画像の譲渡)
(2. 具体的な全体システムについて)
(2.1.具体的な構成)
(2.1.1.ネットワーク401)
(2.1.2.情報提供サーバ424)
(2.1.3.情報管理クライアント403)
(2.1.4.フォルダサーバ402)
(2.1.4.1.フォルダサーバの概要)
(2.1.4.2.フォルダサーバを構成するデータベース)
(2.2.具体的な動作)
(2.2.1.ひとつの情報画像をひとつのクライアントのみの所有しか許容しない場合)
(2.2.2.システム中に複数の情報画像を許容する場合)
(3.情報画像の移転)
(3.1.ひとつの情報画像をひとつのクライアントのみの所有しか許容しない場合)
(3.2.システム中に複数の情報画像を許容する場合)
(4.その他の変形など)
(4.1.登録依頼先)
(4.2.関連情報と動作部422)
(4.3.情報の機密性向上)
【0029】
(1.本システムの見かけ上の構成と動作について)
本来、より具体的なシステムの構成から説明するところであるが、本明細書においては、理解容易のため、情報管理クライアントの操作者からみたときの見かけ上のシステムから説明を行う。
【0030】
(1.1.本システムの見かけ上の構成)
先ず、図1を用いて、見かけ上の全体システムについてその構成を説明する。図1は、操作者からみた見かけ上の全体システム構成である。
【0031】
本本実施の形態における見かけ上の全体システム構成は、少なくとも、クライアント103と、情報提供サーバ101と、フォルダサーバ102からなっている。
【0032】
(1.1.1.情報提供サーバ101)
情報提供サーバ101は、その中に少なくとも、コンテンツ送信部106と、フォルダプッシャ105を含んでいる。
【0033】
コンテンツ送信部106は、ネットワークに接続された本情報提供サーバが、何れかのクライアントからネットワークを通してコンテンツの要求が通知されたときにはその要求に合った内容の要求を提示したクライアントに送信するようになっている。
【0034】
フォルダプッシャ105は、必要なタイミングで、特定の情報を、後述するフォルダサーバ102中の特定のクライアント用フォルダに記録させるように送出するようになっている。
【0035】
(1.1.2.クライアント103-1,103-2、・・・)
クライアント103は、例えば通常のパーソナルコンピュータなどであって、ネットワークに接続され、当該ネットワークに直接的又は間接的に接続された情報提供サーバ101並びにフォルダサーバ102と通信ができるようになっている。そして、少なくともフォルダ表示部110が動作するようになっている。フォルダ表示部の中には、後述する動作に従って、フォルダサーバ102中の、次クライアントにあたるクライアント用フォルダ104に記録されている情報画像111を表示できるようになっている。
【0036】
また、必要であればマイクロソフト社製インターネット・エクスプローラやネットスケープ社製Netscape Navigatorなどのブラウザプログラム107が動作するようになっている。そして、このブラウザ107は、前記情報提供サーバ101に要求を出し、情報画像109を含むコンテンツの提供を受けることができるようになっている。なお、コンテンツ送信部106が送信する情報には、情報画像109の他に、情報提供サーバ101に対し所定の動作を起こさせるための指示ボタン108を含めることができるようになっている。
【0037】
(1.1.3.フォルダサーバ102)
フォルダサーバ102は、クライアント毎に表示すべき情報画像を管理しており、見かけ上各クライアント固有のフォルダがクライアント数分設置されている。そして、クライアント中のフォルダ表示部110と通信を行い、該当するクライアント用フォルダ104の内容を表示させるように作用する。
【0038】
例えば、クライアント1(103-1)において表示される表示部110は、クライアント1用フォルダ104-2に記録された情報画像が含む画像情報が、クライアント2(103-2)において表示される表示部は、クライアント2用フォルダ104-2に記録された情報画像が含む画像情報がそれぞれ表示されるようになる。
【0039】
(1.2.本システムの見かけ上の動作)
次に本システムの見かけ上の動作について図2並びに図3に基づいて説明する。
【0040】
(1.2.1.フォルダ表示部に対する情報画像の登録)
ここでは、先ずブラウザプログラム207で参照した情報画像を、フォルダ表示部210に登録する動作について図2を用いて説明する。図2は操作者からみた見かけ上の全体システムの動作例であって、情報提供サーバに記録されている情報画像を情報管理クライアントにロードするところを示したものである。
【0041】
クライアント1(203-1)の操作者は、先ず、ブラウザプログラム207を動作させ、情報提供サーバ201に、情報画像含む情報の提供を要求する。これに対応して、情報提供サーバ201に含まれるコンテンツ送信部206は、この要求に対応してクライアント1(203-1)のブラウザプログラム207に対して、その内容を提供する。
【0042】
この内容には、情報画像209の他、情報画像の提供を指示するボタン208が含まれており、操作者はこのボタンをマウスなどでクリックすることにより、ネットワークに接続されている特定のサーバの特定のプログラムを動作させることができるようになる。
【0043】
ここで送出されるコンテンツのHTMLファイル例を図10に示す。このHTMLファイルは、マイクロソフト社製のインターネット・エクスプローラに対し送信するコンテンツの例である。ネットスケープ社製のブラウザに対しては異なった記述で送出されることなるが、技術的な内容は変わらないのでここで割愛する。
【0044】
このHTMLファイルの中には、クライアント毎に異なる値であるIDを取り出す部分1001と、選択された画像情報の識別子を取り出す部分1002、並びに、情報画像が含む画像情報を表示し、これに対応する登録ボタンをブラウザプログラムに表示させる部分1005が含まれている。更に、サーバに対して情報画像の種類を特定するための変数部分1003と、クライアントIDを特定するための変数部分1004が記述されている。
【0045】
このようなHTMLファイルになっているため、操作者が登録ボタン208を押したときには、該当するフォーム・タグ1006の記述のため、情報提供サーバ201中のStore.aspと名付けられたフォルダプッシャ205が起動することになる。
【0046】
次に、フォルダプッシャ205は、クライアントからの登録要求を受け付けると、併せてクライアントIDと情報画像のIDがそれぞれ受け渡されているので、これらの情報利用して、該当する情報画像を、フォルダサーバ202中の特定のクライアントフォルダ204-1に登録を要求する。
【0047】
フォルダサーバ202は、これを受け、該当する情報画像を、特定のクライアント用フォルダ204-1に記録する。併せてそのフォルダが管理するクライアントのフォルダ表示部210に対してその内容を送信し、表示211させることになる。
【0048】
(1.2.2.他のクライアントに対する情報画像の譲渡)
次に、情報画像の譲渡動作について、図3を用いて説明する。
【0049】
図3は、操作者からみた見かけ上の全体システムの動作例であって、クライアント1(303-1)のクライアントフォルダ表示部310-1で参照した情報画像を、クライアント2(303-2)のクライアントフォルダ表示部に譲渡するときの動作を示した図である。
【0050】
クライアント1(303-1)の操作者は、フォルダ表示部310-1の上に表示されている画像情報311-1に対応する情報画像を移転したいときには、当該フォルダ表示部310-1若しくは他のサポートプログラムを用いてフォルダサーバ302に移転したい旨の通知を行う(ステップ316)。すると、当該クライアントを管理するクライアント1用フォルダ304-1は、その通知を受け取ると、クライアント間情報画像移転制御部312にその情報を提供する(ステップ318)。ここで、クライアント間情報画像移転制御部312は、譲り受けるクライアントに対して情報画像の移転を受け入れるかどうかの入力ができるようにその確認要求を行う(ステップ319)。クライアント2(303-2)は、この確認要求に対して移転を受け入れるかどうかのダイアログボックス313を表示する。ダイアログボックスは、移転を受け入れる旨を指示するボタン314と、移転を受け入れない旨を指示するボタン315を含んでおり、クライアント2の操作者が何れかを選択できるようになっている。
【0051】
クライアント2の操作者が受け入れる旨の指示を行った場合には、その旨がフォルダサーバ302に通知される(ステップ320)。これに伴い、元のクライアント1用フォルダ304-1に記録されていた当該情報画像は消去され、その結果クライアント1上のフォルダ表示部310-1からはその情報画像が削除されることになる。また併せて、当該情報画像はクライアント2用フォルダ304-2に記録されることになる。この結果、フォルダサーバ302は、該当するクライアント2(303-2)にフォルダに新たな情報画像が記録されたために、これを表示する旨を通知し(ステップ321)、クライアント2のフォルダ表示部310-2の中に、譲渡を受けた情報画像311-2を表示することになる。
【0052】
このようなアプリケーションは、情報画像が含む関連情報に音楽情報のような著作権を含んでいるような場合にはその複製制限ができるので有利である。すなわち、情報画像は、譲渡人のクライアントから譲受人のクライアントに対して譲渡が行われると、フォルダサーバの機能により譲渡人のフォルダから当該情報画像が削除され、譲渡の際に譲渡人のクライアント中に複製が残らないという利点がある。
【0053】
(2.具体的な全体システムについて)
次に、上記のシナリオを実現するための具体的な全体システムについて説明する。
【0054】
(2.1.具体的な構成)
先ず、その構成について図4を用いて説明する。図4は、全体システムの具体的な構成例である。
【0055】
具体的な構成においても、本実施の形態に係る全体システムは、情報提供サーバ424と、クライアント403-1,403-2、・・・と、フォルダサーバ402によって構成されて、これらは、ネットワーク401を通じて直接的若しくは間接的に接続され、相互に通信できるようになっている。
【0056】
(2.1.1.ネットワーク401)
ネットワーク401は、有線・無線を問わず、これに接続されている装置が、それぞれ目的とする装置に対しセッションを確立したときにその間で情報の送受ができるように作用する。このため、図4中、ネットワーク401は一本の基幹線によって接続されるように表示してあるが、これはインターネットのように、ゲートウエイを介して複数のネットワークが組み合わされて実現しても構わない。また、その接続についてもいわゆるバックボーンといわれる基幹線に直接接続せずとも、PPP接続などによって一時的に接続してあっても、セッションを確立したときにその間で情報の送受ができるようになっていれば構わない。
【0057】
(2.1.2.情報提供サーバ424)
情報提供サーバ424は、前述した見かけ上のシステムにおける情報提供サーバ101と同じく、ネットワークを通じて何れかのクライアントからコンテンツの要求が通知されたときにはその要求に合った内容の要求を提示したクライアントに送信するとともに、必要なタイミングで、特定の情報を、フォルダサーバ402中の特定のクライアントフォルダ管理部に通知するようになっている。
【0058】
(2.1.3.情報管理クライアント403)
情報管理クライアント403-1,403-2、・・・は、少なくとも、ブラウザ部407、クライアントフォルダ操作部410、動作部422を有している。そして、通常、クライアントのハードウエア資源の管理を行うOS部423を具備し、クライアント全体の動作を管理するようになっていることが望ましい。
【0059】
ここで、前記、見かけ上のシステム構成の説明において「フォルダ表示部」としてあった機能は、本具体的システムにおいて、これらクライアントフォルダ操作部410、動作部422並びにOS部423の相互作用によって実現される。
【0060】
ブラウザ部407は、例えばマイクロソフト社製インターネット・エクスプローラやネットスケープ社製Netscape Navigatorなどであって、前記情報提供サーバ424に要求を出し、情報画像を含むコンテンツの提供を受けることができるようになっている。
【0061】
クライアントフォルダ操作部410は、フォルダ表示部110としての動作を制御するものであり、クライアント〜フォルダサーバ間の通信、操作者からの操作があったときに、その操作に対応する適切な動作を行うような動作部に対する動作指示を行うようになっている。
【0062】
動作部422は、クライアントフォルダ操作部410若しくはOS部423からの指示により、これに対応する動作をするようになっている。例えば、プログラムの起動、音楽の再生、他のサーバからのストリーミング・ビデオの再生等を行うことができるようになっている。
【0063】
OS部423は、通常の定義とおりの Operating System であり、クライアント403のハードウエア資源、ソフトウエア資源の管理を行い、図示しないユーザの操作があったときにその操作情報を必要なソフトウエアモジュールに通知したり、表示の要求があったときにこれを本クライアントの制御下にある表示デバイスに対して、その内容を表示するように作用する。
【0064】
(2.1.4.フォルダサーバ402)
フォルダサーバ402は、少なくとも、移転管理部426と、クライアントフォルダ管理部427を具備し、更にユーザの容易な利用を図るため、チャット管理部425を具備することが望ましい。
【0065】
(2.1.4.1.フォルダサーバの概要)
クライアントフォルダ管理部427は、本サーバが管理するクライアントについて独立して識別可能とするクライアント識別子と、クライアントに開示する情報画像とを関連付けて記録している。そして、少なくとも指示によりこれらの関連付けの変更、新たな関連付けのあるクライアント識別子と情報画像の記録が可能であるとともに、既に登録された関連付けの削除ができるようになっている。
【0066】
移転管理部426は、クライアントフォルダ管理部427と協調して動作する。そして、クライアントから情報画像の移転の要求があったときには、その要求に従って、当該要求をしたクライアントのクライアントIDに関連付けられた情報画像について、その関連付けを解消し、併せて新たに譲り受けるクライアントのクライアントIDと当該情報画像とを関連付けるようにクライアントフォルダ管理部に指示するようになっている。
【0067】
また、譲り受けるクライアントに対して、その情報画像の受け入れを行うか否かについて問い合わせを行い、その問い合わせが「許可」の場合には上記移転を、また「拒否」の場合にはその移転処理を行わないような確認動作ができるようになっていることが望ましい。
【0068】
チャット管理部425は、Bulletin Board System(BBS)としてよく知られている機能部であって、クライアントが有する通信ソフト若しくはブラウザプログラムから、当該チャット管理部に情報が送出されたときには、その送出された情報を、当該チャット管理部を参照する他のクライアントにも送出するようになっている。
【0069】
(2.1.4.2.フォルダサーバを構成するデータベース)
ところで、フォルダサーバについては、クライアントフォルダ管理部427並びに移転管理部426は、このように明確に分離したモジュールとして構成しなくとも、これらの機能を生じるようにすれば十分であり、渾然一体化して実現しても構わない。また、ここではデータベースが核となるが、そのデータベースの構成についてはいかなるものであっても構わない。これらの機能を実現する核として機能するデータベースの一例を図5並びに図6を用いて説明する。
【0070】
先ず、複数の情報画像の存在を許容しない全体システムで情報画像を管理する場合、すなわち、システム中で情報画像が唯一のクライアントにのみ所持が許容される場合におけるデータベースの構成について、図5を用いて説明する。図5は、この場合における、情報画像の情報管理サーバ内のデータベース構成例を示したものである。
【0071】
この例では、情報画像管理テーブル501と、クライアント管理テーブル502によって構成され、クライアントIDを共通キーとしてリレーショナル・データベースを構築する。
【0072】
情報画像管理テーブル501は、情報画像IDフィールド503、移転回数フィールド504、クライアントIDフィールド505を有している。
【0073】
情報画像IDフィールド503は、本システムで唯一の情報画像を特定する情報である情報画像の識別子を記録するフィールドである。
【0074】
移転回数フィールド504は、対応する情報画像IDを有する情報画像が何回譲渡などによる移転を行ったか、その移転回数を記録するフィールドである。
【0075】
クライアントIDフィールド505は、その情報画像を所有しているクライアントを識別する識別子を記録するフィールドである。
【0076】
なお、情報画像そのものを本情報画像管理テーブル501のフィールドに追加して記録しておいても構わない。
【0077】
クライアント管理テーブル502は、クライアントIDフィールド506、クライアントに係る属性情報となるクライアント氏名フィールド507、課金情報フィールド508、並びにクライアント・ソケットフィールド509によって構成されている。
【0078】
クライアントIDフィールド506は、上記情報画像管理テーブル501におけるクライアントIDフィールド505と同じく、その情報画像を所有しているクライアントを識別する識別子を記録するフィールドである。
【0079】
クライアント氏名フィールド507は、クライアントに係る属性的な情報を記録するフィールドであり、氏名のほか、住所、E−Mailアドレスなど、いかなるものとしても構わない。
【0080】
課金情報フィールド508は、本クライアント管理テーブル502において管理するクライアントに対しする課金情報を記録するフィールドであって、クライアントフォルダ間移転制御部が行った移転許否チェックに対し譲受人が許可をしたときにそのコンテンツたる情報画像の内容・価格に従って売買費用として積算される情報となる。
【0081】
クライアント・ソケットフィールド509は、フォルダサーバで管理されているクライアントであって、現在フォルダサーバに接続しているものについて、その通信経路を特定する情報を記録するフィールドとなっている。従って、様々な通信をクライアント間で行う場合、フォルダサーバはこのクライアント・ソケットフィールドに記録されているソケット情報を利用して送信などを行うことができるようになっている。
【0082】
一方、複数の情報画像の存在を許容する全体システムでその管理をする場合についてのデータベースの構成について、図6を用いて説明する。図6はこの場合における、情報画像の情報管理サーバ内のデータベース構成例を示したものである。
【0083】
この例では、クライアント管理テーブル601と、クライアントフォルダ情報記録テーブル602と、課金管理テーブル603と、情報画像移転管理テーブル604と、によって構成され、クライアントID若しくは情報画像IDを共通キーとしてリレーショナル・データベースを構築する。
【0084】
クライアント管理テーブル601は、クライアントIDフィールド605と、クライアント・ソケットIDフィールド606と、クライアント氏名フィールド607を有している。
【0085】
クライアントIDフィールド605は、上記情報画像管理テーブル501におけるクライアントIDフィールド505と同じく、その情報画像を所有しているクライアントを識別する識別子を記録するフィールドである。
【0086】
クライアント・ソケットフィールド606は、フォルダサーバで管理されているクライアントであって、現在フォルダサーバに接続しているものについて、その通信経路を特定する情報を記録するフィールドとなっている。従って、様々な通信をクライアント間で行う場合、フォルダサーバはこのクライアント・ソケットフィールドに記録されているソケット情報を利用して送信などを行うことができるようになっている。
【0087】
クライアント氏名フィールド607は、クライアントに係る属性的な情報を記録するフィールドであり、氏名のほか、住所、E−Mailアドレスなど、いかなるものとしても構わない。
【0088】
クライアントフォルダ情報記録テーブル602は、どのクライアントIDを有する者がどの情報画像を有しているかの関連付けることができるようになっている。そして、このため、クライアントIDフィールド608と、情報画像IDフィールド609によって構成されている。
【0089】
クライアントIDは、前記クライアント管理テーブルとのリレーションを構成するキーとなるフィールドであって、クライアント管理テーブル601中のクライアントIDフィールド605と関連する。
【0090】
情報画像IDフィールド609は、対応するクライアントIDを持つクライアントの表示部に表示されるべき情報画像の識別子が記録されるようになっている。
【0091】
情報画像移転管理テーブル604は、特定の情報画像が何回移転したかを管理するテーブルであって、情報画像IDフィールド612と、移転回数613が関連付けられて記録されている。
【0092】
課金管理テーブル603は、クライアントに対する課金情報記録するテーブルであって、クライアントIDフィールド610と、課金対象情報画像IDフィールド611で構成されている。そして、課金対象となる情報画像が譲渡されてこれを受け入れたときに、新しいレコードが記録されるようになっている。このため、所定の月毎にクライアントに対してする料金請求などに利用することができるようになっている。
【0093】
(2.2.具体的な動作)
次に、上記図4を中心に説明した具体的なシステムにおいて、どのようにクライアント情報画像を自らのクライアントフォルダ表示部に記録させ利用するかについて図8を用いて説明する。
【0094】
図8は、最初にクライアントが情報画像を登録する場合におけるシステムの動作シーケンスを示した図である。
【0095】
ここで、システム全体でひとつの情報画像をひとつのクライアントのみの所有しか許容しない場合と、複数のクライアントにその所有を許容する場合とがあるが、前記データベース例に従って、それぞれの場合について説明していくことにする。なお、何れの場合もデータフローは図8を用いて説明することとする。
【0096】
(2.2.1.ひとつの情報画像をひとつのクライアントのみの所有しか許容しない場合)
この場合、図5に示したデータベースの形式でも、図6に示したデータベースの形式の何れをとっても構わないが、本欄においては図5に示したデータベースを採用して説明を行う。
【0097】
先ず、クライアントは、情報提供サーバに対して、参照したい情報画像が並べられているホームページを参照する(ステップ801)。情報提供サーバはこの要求に従って、図10に示すようなHTMLファイルを送り返す(ステップ802)。
【0098】
ここで、クライアントがその表示されたコンテンツのうちクライアントフォルダ表示部に登録したいものがあった場合にはそれに対応する登録指示のためのボタンを押す(ステップ803)と、クライアントのID並びにその情報画像を特定する識別子を伴って、情報提供サーバにその旨の通知が行われる(ステップ804)。
【0099】
情報提供サーバはこの通知を受け、そのクライアントIDと情報画像IDを取得する。この取得するためのプログラムの一部を図11に示す。これはマイクロソフト社製IISを利用した場合におけるこれらの情報の取得手順を示したものである。次に情報提供サーバは、フォルダサーバに対して該当する情報画像をそのクライアントに登録するように依頼の通知を生成(ステップ805)、これを行う(ステップ806)。
【0100】
この依頼に応じて、フォルダサーバでは該当する情報画像をそのクライアントに関連付けるべく情報画像管理テーブル501中に、新たなレコードを付け加える。この際、情報画像IDフィールド503並びにクライアントIDフィールド505については、登録の要求通知に含まれていた情報画像ID並びにクライアントIDを用いて記録するとともに、移転回数は初期値として例えば1を記録する(ステップ807)。なお、このとき既に記録しようとする情報画像IDが存在するときには、この登録を中止するとともに、その要求を発したクライアントに送信する。これにより、サーバ中で同一の情報画像が複数のクライアントにおいて存在することを防止することができるようになる。
【0101】
次に、予め記録されているクライアント管理テーブル502の中のクライアントIDフィールド506とのリレーションをたどり、クライアント・ソケットフィールド509を参照、現在フォルダサーバに接続されているクライアントである場合には、そのクライアントのクライアント表示部に対して当該情報画像を送信しその表示をするように指示を行う(ステップ808)。そして、クライアントでは、クライアント表示部においてその送付された情報画像を取得、これに含まれる画像情報を取り出しその表示デバイスに表示するように動作する。これによって、ホームページで提供された情報画像は、クライアントの表示デバイス上で取り扱いが可能となる。クライアントのフォルダ表示部は操作者の操作に基づいて、関連情報を検出、その関連情報に基づいて動作部422の機能により動作を行わせることができるようになる。例えば、この動作がストリーミング・ビデオを配信するサイトのURLである場合には、そのURLにアクセスし、ストリーミング・ビデオの再生を行うことができるようになる。
【0102】
(2.2.2.システム中に複数の情報画像を許容する場合)
この場合データベースとしては、図6のようなもの用いるのが望ましい。この場合についても図8の流れに従って説明をする。
【0103】
先ず、クライアントは、情報提供サーバに対して、参照したい情報画像が並べられているホームページを参照する(ステップ801)。情報提供サーバはこの要求に従って、図10に示すようなHTMLファイルを送り返す(ステップ802)。
【0104】
ここで、クライアントがその表示されたコンテンツのうちクライアントフォルダ表示部に登録したいものがあった場合にはそれに対応する登録指示のためのボタンを押す(ステップ803)と、クライアントのID並びにその情報画像を特定する識別子を伴って、情報提供サーバにその旨の通知が行われる(ステップ804)。
【0105】
情報提供サーバはこの通知を受け、そのクライアントIDと情報画像IDを取得する。この取得するためのプログラムの一部を図11に示す。これはマイクロソフト社製IISを利用した場合におけるこれらの情報の取得手順を示したものである。次に情報提供サーバは、フォルダサーバに対して該当する情報画像をそのクライアントに登録するように依頼の通知を生成(ステップ805)、これを行う(ステップ806)。
【0106】
この依頼に応じて、フォルダサーバにおいては、クライアントフォルダ情報記録テーブル602に対し、クライアントID並びに情報画像IDを関連付けて新たなレコードとしてこれを追加する。
【0107】
仮に、その情報画像が有料のものである場合には、併せて課金管理テーブル603に対し、当該クライアントIDと、その課金対象となった情報画像のIDを関連付けさせて新たなレコードとして追加することになる(ステップ806)。そして、後日所定のときに課金管理テーブルに含まれるデータを計算することによって、請求書処理などを行うようにすることができる。
【0108】
このようにしてレコードが追加されたところで、そのクライアントが管理するフォルダ表示部に対応した情報画像を表示することになるのでその情報画像伴ってクライアントに対しクライアント表示部にこれを表示する旨の通知を行い(ステップ808)、クライアント上で表示をさせることになる。
【0109】
なお、クライアント上では、クライアント表示部においてその送付された情報画像を取得、これに含まれる画像情報を取り出しその表示デバイスに表示するように動作する。これによって、ホームページで提供された情報画像は、クライアントの表示デバイス上で取り扱いが可能となる。クライアントのフォルダ表示部は操作者の操作に基づいて、関連情報を検出、その関連情報に基づいて動作部422の機能により動作を行わせることができるようになる。例えば、この動作がストリーミング・ビデオを配信するサイトのURLである場合には、そのURLにアクセスし、ストリーミング・ビデオの再生を行うことができるようになる。
【0110】
(3.情報画像の移転)
次に、情報画像クライアント間で譲渡する場合の動作について、図7並びに図9を用いて説明する。
【0111】
ここで、図7は、チャットを通じて情報画像の譲渡を実現させる場合における見かけ上の構成例を示した図であり、先ずこの図を用いて情報画像の譲渡についてのシナリオを説明する。
【0112】
これは、クライアント1が、そのフォルダ表示部(703-1)に所持する情報画像711-1を、クライアント2(703-2)に対してチャットを行いながら移転するシナリオである。
【0113】
クライアント1の操作者は、チャットプログラム730-1中に表示される文字による会話(チャット)画面731-1を使って、クライアント2と会話をしているものとする。この会話の中で自分が所有している情報画像を相手に送りたい旨を紹介し、これを現実化するときには、先ず、フォルダ表示部にある情報画像711-1を選択、そしてチャットプログラム中の送信ボタン733-1をクリックなどして指示する。このようにすると、その情報はチャットサーバを内包するフォルダサーバ702に到達し、クライアント2(703-2)の表示デバイス上に、これを受け入れるか否かのダイアログボックス713を表示する。そして、クライアント2の操作者は、コンテンツを購入することを許諾する場合にはOKボタン714、許諾しない場合には拒否ボタン715をクリックする。この情報は再度フォルダサーバに通知され、コンテンツの購入が許諾されている場合には現実の情報画像の移転が実現することなる。そして、フォルダサーバ中で情報画像のフォルダ間の意見があり、結果としてクライアント2の中のフォルダ表示部710-2の中に当該情報画像が含む画像情報711-2が表示されることになる。これ以降は、クライアント2の中のフォルダ表示部に対し操作者が様々な操作行情報画像が有する関連情報に基づく様々な動作などを行わせることができるようになる。
【0114】
次に、このシナリオの具体的なシグナルフローについて図4乃至図6並びに図9を用いて説明する。
【0115】
図9は、チャットを通じて情報画像の譲渡を実現させる場合におけるシステムの動作シーケンスを示した図である。
【0116】
ここでは、データベースとして図5に示した構成をとる場合と図6に示した構成をとる場合の双方について説明する。
【0117】
(3.1.ひとつの情報画像をひとつのクライアントのみの所有しか許容しない場合)
ここでは、図5に表すデータベースを用いたものとして説明する。なお、重複管理については図6に示すデータベース構成をとっても実現は可能であるが、ここではその説明を省略する。
【0118】
先ず、クライアント1とクライアント2がチャットを行っているものとして、情報画像の譲渡を申し出るメッセージを作成すると(ステップ901)、そのメッセージはフォルダサーバ中のチャット管理部425に到達する。チャット管理部425では、そのメッセージを一旦記録した後、所定のフォーマットでクライアント2に送付する。送付されたメッセージはクライアント2上のチャットプログラムによって処理されその表示が行われる(ステップ903)。そして、そのメッセージに承諾をする旨のメッセージを作成しこれをチャット管理部425に送るとチャット管理部425は、このメッセージを記録、所定のフォーマットでクライアント1にそのメッセージを送り返すことになる(ステップ904)。そして、クライアント1の操作者は、自らが有する情報画像をフォルダサーバに送信(ステップ905)、フォルダサーバは、移転管理部426の作用により、クライアントに対し確認の要求を生成(ステップ906)、その要求をクライアント2に送信する。クライアント2においてこれの許否情報を操作者によって生成すると(ステップ907)、その情報フォルダサーバに送信する。クライアント2の操作者が許可をしたときには、フォルダサーバは、情報画像管理テーブル501におけるクライアント1を示すクライアントIDとその譲渡対象となっている情報画像IDが対応しているレコードを検索し、そのレコードのクライアントIDについて、クライアント2を示すクライアントIDに書き換える。そして、クライアント1の上に表示されている情報画像を削除する要求をクライアント1のフォルダ表示部に送信する(ステップ908)。また、併せてクライアント2上に表示されているフォルダ表示部に対し当該情報画像音に係る画像情報を表示するようにその指示を送信する(ステップ909)。以上のようにして、システムの中での情報画像の所有者が複製されないように機能することになる。
【0119】
(3.2.システム中に複数の情報画像を許容する場合)
この場合、図6に表すデータベースを用いるものとして説明する。
【0120】
このデータベースを用いたとしても、システムの中で情報画像が唯一の所有者となること保証することも可能であるが、これについては後述することとし、ここでは複数の情報画像の頒布が可能になるものについて説明する。
【0121】
ここでも、先ずクライアント1とクライアント2がチャットを行っているものとして、データフローも同じ図9を用いて説明する。
【0122】
情報画像の譲渡を申し出るメッセージを作成すると(ステップ901)、そのメッセージはフォルダサーバ中のチャット管理部425に到達する。チャット管理部では、そのメッセージを一旦記録した後、所定のフォーマットでクライアント2に送付する。送付されたメッセージはクライアント2上のチャットプログラムによって処理されその表示が行われる(ステップ903)。そして、そのメッセージに承諾をする旨のメッセージを作成し、これをチャット管理部425に送るとチャット管理部425は、このメッセージを記録、所定のフォーマットでクライアント1にそのメッセージを送り返すことになる(ステップ904)。そして、クライアント1の操作者は、自らが有する情報画像をフォルダサーバに送信(ステップ905)、フォルダサーバは、移転管理部426の作用により、クライアントに対し確認の要求を生成(ステップ906)、その要求をクライアント2に送信する。クライアント2においてこれの許否情報を操作者によって生成すると(ステップ907)、その情報をフォルダサーバに送信する。クライアント2の操作者が許可をしたときには、フォルダサーバは、新たにクライアントに示すクライアントIDと、当該情報画像とIDを関連付けて、新たなレコードとしクライアントフォルダ情報記録テーブル602に追加する。そして、クライアント2上に表示されているフォルダ表示部に対し当該情報画像に係る画像情報を表示するようにその指示を送信する(ステップ909)。システムの中での情報画像の所有者が複製されないように機能することになる。
【0123】
なお、ここでシステムの中での情報画像の所有者が複製されないように機能させるためには、上記新たなレコードを追加する部分を、新たなレコードとせず、クライアントフォルダ情報記録テーブル602におけるクライアント1を示すクライアントIDとその譲渡対象となっている情報画像IDが対応しているレコードを検索、そのレコードのクライアントIDをクライアント2を示すクライアントIDに書き換えるようにすればよい。また併せて、この処理が終わったところでクライアント1に対しそのフォルダ表示部から該当する情報画像を削除する指示を行う。このようにすることで、システムの中での情報画像の唯一性を維持することができるようになる。
【0124】
(4.その他の変形など)
(4.1.登録依頼先)
上記の説明においては、ホームページに表示されている情報画像をフォルダ表示部に登録させるにあたって、その要求を情報提供サーバに対して行い、その結果フォルダプッシャ205の機能によってフォルダサーバ202に登録処理を行わせていたが、これに限らず、直接クライアントからフォルダサーバに対して登録の要求をすることも可能である。上記の例においてこのようにしなかったのは、情報提供サーバの所有者が、いかなるコンテンツが多く利用されるのかを把握したい場合があり、そのときには先の例の通り構成するのが有利だからである。
【0125】
(4.2.関連情報と動作部422)
クライアントにおける動作については、情報画像の含む関連情報としてストリーミングデータに限られることなく、広く文書情報など気密性の高いものに用いても構わないので、これを解読、表示するような処理を行うものであっても構わない。
【0126】
(4.3.情報の機密性向上)
関連情報の気密性を向上するべく、更に、クライアントにおける動作部422の動作に先んじて、当該情報画像が関連情報に基づいて動作させるクライアントにおける正当な譲渡があったかどうかをフォルダサーバ402に問い合わせるのが望ましい。こうすることで、たとえ不正な情報画像を入手しクライアントの中に表示させたとしても、フォルダサーバの許可なければ動作させることができないということになり、確実な情報管理を行うことができるものとなる。
【0127】
(4.4.クライアントの交換)
なお、本発明のように情報画像をサーバ側で管理することにより、クライアントの交換が容易に行うことができる。すなわち、本実施の形態においては、クライアント中のフォルダ表示部と、フォルダサーバ中のクライアントフォルダ管理部との間で、関連付けがされているので、クライアントに係るコンピュータが変わったとしても、情報画像の管理性が低下しない。すなわち、家庭において通常のデスクトップコンピュータをクライアントとして用いていたものが、携帯電話などのPDAを使って外部からフォルダサーバをアクセスしたとしても、ログイン名などの認証が行われている限り、操作者の一意性が維持できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】操作者からみた見かけ上の全体システム構成である。
【図2】操作者からみた見かけ上の全体システムの動作例であって、情報提供サーバに記録されている情報画像を情報管理クライアントにロードするところを示している。
【図3】操作者からみた見かけ上の全体システムの動作例であって、クライアント1に記録されている情報画像を他のクライアント2に譲渡するときの動作を示している。
【図4】全体システムの具体的な構成例である。
【図5】複数の情報画像の存在を許容しない(唯一の情報画像のみが許容される)全体システムで管理する場合における、情報画像の情報管理サーバ内のデータベース構成例を示したものである。
【図6】複数の情報画像の存在を許容する全体システムでその管理をする場合における、情報画像の情報管理サーバ内のデータベース構成例を示したものである。
【図7】チャットを通じて情報画像の譲渡を実現させる場合における見かけ上の構成例を示した図である。
【図8】最初にクライアントが情報画像を登録する場合におけるシステムの動作シーケンスを示した図である。
【図9】チャットを通じて情報画像の譲渡を実現させる場合におけるシステムの動作シーケンスを示した図である。
【図10】最初にクライアントが情報画像を登録する場合において、情報提供サーバがクライアントに送出するDHTMLファイル例(図8の802ステップで送出されるDHTMLファイル例)である。
【図11】最初にクライアントが情報画像を登録する場合において、情報提供サーバ若しくは情報管理サーバが登録クライアントから送出された要求を受け取るプログラム例である。
【図12】情報画像の構成例である。
【図13】情報画像の他の構成例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報と該画像情報に関連する関連情報とをひとつの取り扱い単位とした情報画像を用いて情報の管理をする情報管理システムであって、
(a)クライアント識別子と、クライアントに開示する情報画像とを関連付けて記録し、情報提供サーバから情報画像の登録の要求があったとき、該情報画像をクライアント識別子で特定されるクライアントフォルダに記録するクライアントフォルダ管理部と、
該クライアント識別子で特定されるクライアントのクライアントフォルダ操作部に対して該情報画像を送信するクライアントフォルダ送信部と、
を具備する情報管理装置と、
(b)クライアントに対してデータを配信する配信部と、
所定のタイミングで、前記情報管理装置のクライアントフォルダ管理部に対して、前記クライアント識別子で特定されるクライアントフォルダに情報画像の登録を要求するフォルダプッシャ部と、
を具備する情報提供サーバと、
(c)少なくとも情報を視覚可能にさせる表示部と、
操作指示を受ける操作入力部と、
前記クライアントフォルダ管理部と通信を行い、該クライアントフォルダ管理部に記録されている情報画像の含む画像情報を表示部に表示させるクライアントフォルダ操作部と、
該表示部に表示された画像情報のうち、該操作入力部によって指定されたものに係る情報画像の有する関連情報に基づいてデータを配信する情報提供サーバにアクセスして配信を要求する動作部と、
を具備する情報利用クライアントと、
を具備することを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
画像情報と該画像情報に関連する関連情報とをひとつの取り扱い単位とした情報画像を用いて情報の管理をする情報管理装置であって、
クライアント識別子と、クライアントに開示する情報画像とを関連付けて記録し、情報提供サーバから情報画像の登録の要求があったとき、該情報画像をクライアント識別子で特定されるクライアントフォルダに記録するクライアントフォルダ管理部と、
クライアント識別子で特定されるクライアントのクライアントフォルダ操作部に対して該情報画像を送信するクライアントフォルダ送信部と、
を具備すること特徴とする情報管理装置。
【請求項3】
コンピュータに、画像情報と該画像情報に関連する関連情報とをひとつの取り扱い単位とした情報画像を用いて情報の管理をする情報管理装置として機能させるコンピュータプログラムであって、
該コンピュータに、
クライアント識別子と、クライアントに開示する情報画像とを関連付けて記録し、情報提供サーバから情報画像の登録の要求があったとき、該情報画像をクライアント識別子で特定されるクライアントフォルダに記録するクライアントフォルダ管理機能と、
クライアント識別子で特定されるクライアントのクライアントフォルダ操作部に対して該情報画像を送信するクライアントフォルダ送信機能とを生じさせるようにしたことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項4】
画像情報と該画像情報に関連する関連情報とをひとつの取り扱い単位とした情報画像を用いて情報の提供をする情報提供サーバであって、
クライアントに対してデータを配信する配信部と、
所定のタイミングで、情報管理装置のクライアントフォルダ管理部に対して、クライアント識別子で特定されるクライアントフォルダに情報画像の登録を要求するフォルダプッシャ部と、
を具備することを特徴とする情報提供サーバ。
【請求項5】
コンピュータに、画像情報と該画像情報に関連する関連情報とをひとつの取り扱い単位とした情報画像を用いて情報の提供をする情報提供サーバとして機能させるコンピュータプログラムであって、
該コンピュータに、
クライアントに対してデータを配信する配信機能と、
所定のタイミングで、情報管理装置のクライアントフォルダ管理部に対して、クライアント識別子で特定されるクライアントフォルダに情報画像の登録を要求するフォルダプッシャ機能とを生じさせるようにしたことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項6】
画像情報と該画像情報に関連する関連情報とをひとつの取り扱い単位とした情報画像を用いて情報利用をする情報利用クライアントであって、
少なくとも情報を視覚可能にさせる表示部と、
操作指示を受ける操作入力部と、
前記情報管理装置のクライアントフォルダ管理部と通信を行い、該クライアントフォルダ管理部に記録されている情報画像の含む画像情報を表示部に表示させるクライアントフォルダ操作部と、
該表示部に表示された画像情報のうち、該操作入力部によって指定されたものに係る情報画像の有する関連情報に基づいてデータを配信する情報提供サーバにアクセスして配信を要求する動作部と、
を具備することを特徴とする情報利用クライアント。
【請求項7】
画像情報と該画像情報に関連する関連情報とをひとつの取り扱い単位とした情報画像を用いて情報利用をする情報利用クライアントとして、少なくとも情報を視覚可能にさせる表示部と、操作指示を受ける操作入力部とを具備したコンピュータを動作させるコンピュータプログラムであって、
該コンピュータに、
該表示部に表示された画像情報のうち、該操作入力部によって指定されたものに係る情報画像の有する関連情報に基づいてデータを配信する情報提供サーバにアクセスして配信を要求する動作機能を生じさせるようにしたコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−252576(P2006−252576A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129513(P2006−129513)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【分割の表示】特願2001−145561(P2001−145561)の分割
【原出願日】平成13年5月15日(2001.5.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】