説明

情報管理方法、情報管理システム、及びプログラム

【課題】ライセンスポリシーを利用して、機密情報の流出を抑制又は防止しつつ、情報管理の効率又は保守性を高める。
【解決手段】情報管理方法が、保護データ及び非保護データを含むドキュメント(対象データ)を作成すること(ステップS11)と、所定の記憶装置における保護データの格納場所及び非保護データの格納場所を規定する保護ポリシーを作成すること(ステップS12)と、保護ポリシーに従って、ドキュメントを記憶装置に格納すること(ステップS14)と、ドキュメントに対するアクセス要求があった場合には、ドキュメントに関してアクセスを許可すべきユーザを規定するライセンス情報に基づいて、保護データを編集すること(ステップS24)と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理方法、情報管理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ライセンスポリシー(ライセンスに関する条件や制限等)に基づいて、ソフトウェア製品の利用者数や利用期間などを制御する情報管理システムが知られている。こうした情報管理システムでは、例えば製品購入者のみにライセンスを付与するなどして、利用者数を制御している。また、試用版のプログラムなどでは、ライセンスに所定の制限を設けることにより、利用期間などを制御している。
【0003】
しかしながら、ドキュメント等のデータにはライセンスによる保護がなされていないことが多い。このため、利用期限が過ぎてもドキュメントが参照できてしまうおそれがある。ドキュメントには製品等に関するノウハウや営業秘密が蓄積されていることも多いため、第三者がドキュメントを参照できてしまうと、機密情報(ノウハウや営業秘密等)の流出につながることが懸念される。
【0004】
この点、特許文献1に記載の情報管理システムでは、ライセンスポリシーに基づいて、映像型のコンテンツの利用者数等を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−101086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、多様化するユーザ(例えばテナント)のニーズに伴い、テナントごとにドキュメントをカスタマイズすることが要求されている。こうした実情より、ドキュメントはファイル単位で分けて管理されることが多い。そのため、特許文献1に記載の情報管理システムでは、全テナントに共通する情報(以下、テナント共通情報という)の2重メンテナンスが発生するなど、保守効率の低下が懸念される。また、保守工数が増大し、ドキュメント管理の作業が煩雑になるため、テナント共通情報のみが格納されるべきファイルに、テナントに固有の情報(以下、テナント固有情報という)が紛れ込んでしまうなど、管理上のミスの可能性が高まることが懸念される。
【0007】
本発明は、ライセンスポリシーを利用して、機密情報の流出を抑制又は防止しつつ、情報管理の効率又は保守性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点に係る情報管理方法は、保護データ及び非保護データを含む対象データを作成することと、所定の記憶装置における前記保護データの格納場所及び前記非保護データの格納場所を規定する保護ポリシーを作成することと、前記保護ポリシーに従って、前記対象データを前記記憶装置に格納することと、前記対象データに対するアクセス要求があった場合には、前記対象データに関してアクセスを許可すべきユーザを規定するライセンス情報に基づいて、前記保護データを編集する又はアクセス禁止にすることと、を含む。
【0009】
本発明の第2の観点に係る情報管理システムは、保護データ及び非保護データを含む対象データと、所定の記憶装置における前記保護データの格納場所及び前記非保護データの格納場所を規定する保護ポリシーと、が入力され、前記保護ポリシーに従って、前記対象データを前記記憶装置に格納するデータ分類手段と、前記対象データに対するアクセス要求があった場合に、前記対象データに関してアクセスを許可すべきユーザを規定するライセンス情報に基づいて、前記保護データを編集する又はアクセス禁止にするライセンス照合手段と、を備える。
【0010】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータを、保護データ及び非保護データを含む対象データと、所定の記憶装置における前記保護データの格納場所及び前記非保護データの格納場所を規定する保護ポリシーと、が入力され、前記保護ポリシーに従って、前記対象データを前記記憶装置に格納するデータ分類手段、前記対象データに対するアクセス要求があった場合に、前記対象データに関してアクセスを許可すべきユーザを規定するライセンス情報に基づいて、前記保護データを編集する又はアクセス禁止にするライセンス照合手段、として機能させる。
【0011】
なお、各構成要素の重複する機能に関しては、構成要素ごとに別々にその機能を実現する手段を設けてもよいが、1つの手段を複数の構成要素で共用するように構成すれば、全体の構成を簡素にすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ライセンスポリシーを利用して、機密情報の流出を抑制又は防止しつつ、情報管理の効率又は保守性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る情報管理システムの概要を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報管理プログラムの概要を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る情報管理方法の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態の情報管理システムは、コンテンツ提供者が提供するドキュメント(対象データ)をコンテンツ受領者が参照するために用いられる。なお、本実施形態のコンテンツ受領者は、テナント(ユーザ)である。対象データは、テキストデータ(文字や記号等)のみからなるドキュメントである。
【0015】
本実施形態の情報管理システム100は、図1に示すように、ROM(Read-Only Memory)10と、コンピュータ20と、ドキュメント管理部30と、ライセンス情報管理部40と、モニタ50(表示装置)と、ROM60と、を有する。
【0016】
ROM10及び60は、例えばCD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)である。ROM10には、情報管理プログラム10aが格納されている。情報管理プログラム10aは、コンピュータ20にインストールされ、コンピュータ20で実行される。コンピュータ20は、例えばCPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等から構成される。コンピュータ20としては、例えば市販のコンピュータを用いることができる。ROM60には、プログラム60aが格納されている。
【0017】
本実施形態において、プログラム60aは、ソフトウェア製品である。対象データは、プログラム60aに関連するデータである。プログラム60aに関する正当な権利者(例えば製品購入者)には、ライセンスが発行される。
【0018】
なお、情報管理プログラム10aは、フレキシブルディスク、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)など、CD−ROM以外の記憶装置(コンピュータで読み取り可能な記憶装置)に格納されて配布可能にされたものであってもよい。また、情報管理プログラム10aは、通信ネットワーク(例えばインターネットやイントラネット等)上に設けられたサーバの記憶装置(ハードディスク等)に格納され、例えば搬送波に重畳されてローカルコンピュータにダウンロードされるものであっても、又は随時サーバから読み出されてローカルコンピュータで起動実行されるものであってもよい。情報管理プログラム10aの機能が、OS(Operating System)とアプリケーションプログラムの分担、又はOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現される場合等には、アプリケーションプログラム部分のみを記憶装置に格納してもよい。
【0019】
ドキュメント管理部30は、例えばハードディスクからなる。ただしこれに限定されず、任意の記憶装置をドキュメント管理部30として用いることができる。ドキュメント管理部30は、保護領域31及び非保護領域32を有する。保護領域31、非保護領域32は、それぞれドキュメント管理部30の記憶領域の一部に割り当てられる。
【0020】
ライセンス情報管理部40は、例えばハードディスクからなる。ただしこれに限定されず、任意の記憶装置をライセンス情報管理部40として用いることができる。ライセンス情報管理部40は、ライセンスファイル41及びライセンスサーバ42を有する。ライセンスファイル41は、ファイル形式でライセンス情報を格納している。また、ライセンスサーバ42は、ライセンス情報を一元管理している。ライセンス情報は、ライセンスポリシーの1つであり、ライセンスを有する者を示す情報である。ライセンスポリシーは、プログラム60aに関して所定のユーザのみにアクセスを許可又は制限するためのルール(例えばアクセス条件や制限の内容など)である。ライセンス情報には、対象データ(ドキュメント)に関してライセンスを有する者を示すドキュメント権限情報が含まれる。このドキュメント権限情報により、対象データに関してアクセスを許可すべきユーザが規定される。本実施形態において、テナント固有情報についてのアクセスを許可すべきユーザは、そのテナントである。
【0021】
情報管理プログラム10aは、図2に示すように、暗号化解除部11と、データ分類部12(データ分類手段)と、ライセンスチェック部13(ライセンスチェック手段)と、API(Application Programming Interface)13aと、ライセンス照合部14(ライセンス照合手段)と、コンテンツ生成部15と、コンテンツ表示部16と、を有する。
【0022】
本実施形態では、共通ドキュメント101及び固有ドキュメント102が対象データに相当する。共通ドキュメント101、固有ドキュメント102、及び保護ポリシー103は、例えばコンテンツ提供者によって定義される。そして、共通ドキュメント101及び固有ドキュメント102は、コンテンツ提供者によって、既存の暗号化技術で暗号化される。
【0023】
共通ドキュメント101は、テナント共通情報、すなわちテナントに依存しない情報を含むドキュメントである。また、固有ドキュメント102は、テナント固有情報、すなわちテナントに依存するテナント固有の情報を含むドキュメントである。共通ドキュメント101及び固有ドキュメント102は、例えばファイル形式で保存され、固有ドキュメント102は、テナントごとにファイル単位で分けて管理される。
【0024】
本実施形態では、固有ドキュメント102(テナント固有情報)が保護すべきデータ(以下、保護データという)に相当し、共通ドキュメント101(テナント共通情報)が保護する必要のないデータ(以下、非保護データという)に相当する。
【0025】
保護ポリシー103は、ドキュメント管理部30における保護データの格納場所(保護領域31)及び非保護データの格納場所(非保護領域32)を規定する。保護ポリシー103は、例えばファイル形式で保存される。
【0026】
保護ポリシー103には、保護定義情報や開示制限情報等が含まれる。保護定義情報は、対象データを保護データと非保護データとに分類するための情報である。この保護定義情報により、固有ドキュメント102(テナント固有情報)が保護領域31に格納され、共通ドキュメント101(テナント共通情報)が非保護領域32に格納される。また、開示制限情報は、ライセンスがある者とライセンスが無い者との各々に対して、保護データのうち開示可能な部分(後述の編集保護データ)を定義する情報である。
【0027】
暗号化解除部11は、既存の暗号化解除技術を用いて、個別に暗号化された共通ドキュメント101及び固有ドキュメント102の暗号化を解除する。暗号化や論理削除の技術を適用することによって、対象データをより確実に保護することができる。予め暗号化の方式が明らかでない場合には、暗号化解除部11が、複数種の暗号化解除機能を有していることが好ましい。
【0028】
共通ドキュメント101及び固有ドキュメント102は、暗号化解除部11で暗号化された後、データ分類部12に入力される。また、保護ポリシー103も、データ分類部12に入力される。
【0029】
データ分類部12は、それらの入力データ、すなわち共通ドキュメント101、固有ドキュメント102、及び保護ポリシー103に基づいて、保護領域31及び非保護領域32の各々に、データを書き込む。この際、データ分類部12は、保護ポリシー103の保護定義情報に基づいて、保護データを保護領域31に格納し、非保護データを非保護領域32に格納する。本実施形態では、固有ドキュメント102(テナント固有情報)を保護データとして保護領域31に格納する。
【0030】
ライセンスチェック部13は、対象データに対するアクセス要求があった場合に、ライセンス情報管理部40に格納されているライセンス情報(特にドキュメント権限情報)に基づいて、その要求者がアクセスを許可すべきユーザか否かをチェックする。これにより、ライセンスポリシー(ライセンス情報)を利用して、簡易且つ適切に対象データを保護することが可能になる。ライセンスチェック部13は、チェック結果をライセンス照合部14に渡す。
【0031】
API13aは、ライセンスチェック部13のインターフェースである。API13aは、ライセンスチェック部13がプログラム60aと通信可能に接続するために用いられる。また、ライセンスチェック部13は、API13aにより、ライセンス照合部14にも通信可能に接続される。このため、プログラム60aと同じAPI13aを利用して、対象データを保護することができる。
【0032】
ライセンス照合部14は、ライセンスチェック部13のチェック結果に基づいて保護データを編集する。以下、編集後の保護データを編集保護データという。
【0033】
コンテンツ生成部15には、保護領域31に格納されたデータ(保護データ)及び非保護領域32に格納されたデータ(非保護データ)が入力される。コンテンツ生成部15は、編集保護データと非保護データとをマージする(組み合わせる)。以下、マージ後のデータを、組み合わせデータという。編集保護データと非保護データとを組み合わせることで、データ管理の効率や保守性が向上する。コンテンツ生成部15は、組み合わせデータをコンテンツ表示部16に渡す。
【0034】
コンテンツ表示部16は、組み合わせデータをモニタ50に表示する。編集保護データが表示されることで、そのユーザ(コンテンツ受領者)がライセンスを有するデータのみが開示される。その結果、機密情報の開示を制限することができる。
【0035】
次に、情報管理システム100の動作について説明する。情報管理システム100は、例えば図3に示すような処理を実行する。情報管理システム100による処理は、例えば情報管理プログラム10aをCPU(コンピュータ20)が実行することで、開始され又は進行する。
【0036】
ステップS11では、コンテンツ提供者がドキュメント(対象データ)を作成し、任意の記憶装置に格納する。対象データは、共通ドキュメント101及び固有ドキュメント102からなる。固有ドキュメント102は、テナントごとに作成される。すなわち、固有ドキュメント102は、テナントの数だけ作成される。さらに、これら共通ドキュメント101及び固有ドキュメント102は、コンテンツ提供者によって既存の暗号化技術で暗号化される。暗号化された共通ドキュメント101(テナント共通情報)と固有ドキュメント102(テナント固有情報)とは、別々に保存される。共通ドキュメント101及び固有ドキュメント102は、例えばファイル形式で保存される。
【0037】
対象データの作成及び暗号化が完了したら、コンテンツ提供者は、続くステップS12で、保護ポリシー103を作成し、任意の記憶装置に格納する。保護ポリシー103は、例えばファイル形式で保存される。
【0038】
次に、コンテンツ提供者は、ステップS13で、対象データを分類すべく、情報管理システム100に指示を出す。情報管理システム100には、指示と共に、共通ドキュメント101、固有ドキュメント102、及び保護ポリシー103が送られる。
【0039】
情報管理システム100は、ステップS13の指示を受け、ステップS14で、保護ポリシー103に従って、テナントごとに保護領域31及び非保護領域32を作成する。詳しくは、データ分類部12が、ドキュメント管理部30に保護領域31及び非保護領域32を作成し、保護領域31には固有ドキュメント102を格納し、非保護領域32には共通ドキュメント101を格納する。
【0040】
一方、コンテンツ受領者は、ステップS21で、ドキュメント(対象データ)を参照するために必要なライセンスを取得する。
【0041】
続くステップS22では、コンテンツ受領者が、対象データを参照すべく、情報管理システム100に指示を出す。情報管理システム100には、指示と共に、ユーザIDが送られる。
【0042】
情報管理システム100は、ステップS22の指示を受け、ステップS23で、ユーザIDとライセンス情報との照合を行う。詳しくは、ライセンスチェック部13が、ライセンス情報管理部40から、ライセンス情報を取得する。ライセンス情報は、ライセンスファイル41、ライセンスサーバ42のいずれから取得してもよいが、通常はファイルの形で提供される。そして、ライセンスチェック部13は、ユーザIDとライセンス情報に含まれるドキュメント権限情報とに基づいて、そのコンテンツ受領者について対象データに対するアクセスの許否をチェックする。
【0043】
続けて、ライセンス照合部14が、ステップS24で、ライセンスチェック部13のチェック結果に基づいて保護データを編集する。詳しくは、例えばコンテンツ受領者がライセンスを有しないデータを保護データから取り除くような編集をする。これにより、編集保護データが生成される。コンテンツ生成部15は、さらに編集保護データと非保護データとをマージする(組み合わせる)。これにより、組み合わせデータが生成される。
【0044】
続くステップS25では、コンテンツ表示部16が、ステップS24で生成されたコンテンツ(組み合わせデータ)をモニタ50に表示する。
【0045】
続くステップS26では、コンテンツ受領者がモニタ50を見ることにより、ステップS25で表示されたコンテンツ(組み合わせデータ)を参照する。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の情報管理システム100は、ライセンス照合部14により、ライセンスポリシー(ライセンス情報)に基づいて保護データを編集することで、機密情報の開示を制限している。これにより、機密情報の流出が抑制又は防止される。その結果、製品提供者のドキュメント変換の負荷を減らすことにもなる。
【0047】
本実施形態の情報管理システム100は、保護ポリシー103に従って、対象データを保護領域31と非保護領域32とに分類して格納する。これにより、保護データと非保護データとが別々に保存されるため、保護データと非保護データとを区別して管理することができる。その結果、保護が強化される。また、テナント共通情報とテナント固有情報とが分けて管理されるため、テナントごとのドキュメント管理の効率が向上する。さらにその結果、ドキュメント管理の保守性も向上する。
【0048】
本実施形態の情報管理システム100は、保護領域31及び非保護領域32の各々に格納された情報を表示する。これにより、保護データと非保護データとを区別して表示することができる。その結果、機密情報の開示を好適に制限することができる。
【0049】
本実施形態の情報管理システム100によれば、既存の暗号化技術等とあわせて、ライセンスポリシーを利用することで、特別な記載をすることなく、対象データを適切に保護することができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態に係る情報管理方法、情報管理システム、及びプログラムについて説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば以下のように変形して実施することもできる。
【0051】
上記実施形態では、ドキュメントを対象データとしたが、これに限定されない。本発明は、例えば画像(静止画又は動画)を含むマルチメディアコンテンツなど、任意のデータの管理に適用することができる。マルチメディアコンテンツについては、例えばステップS24における保護データの編集処理において、テナントごとに画像の表示形態を変える(例えばモザイクをかける)など、適宜の改変をしてもよい。
【0052】
情報管理プログラム10aの機能を実現する手段は、ソフトウェアに限られず、その一部又は全部を専用のハードウェア(回路等)によって実現するようにしてもよい。
【0053】
その他の点についても、ROM10、コンピュータ20、ドキュメント管理部30、ライセンス情報管理部40、又はモニタ50等の構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変更することができる。
【0054】
上記実施形態の処理順序は、フローチャートに示した順序に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に順序を変更することができる。また、用途等に応じて、必要のない処理を割愛してもよい。例えば暗号化等の処理は必要がなければ割愛してもよい。
【0055】
ステップS24における保護データの編集処理に代えて、ライセンス照合部14により、ライセンス情報に基づいて、保護データがアクセス禁止にされるようにしてもよい。例えばテナント固有情報については、そのテナントのみにアクセスを許可するようにする。そして、コンテンツ表示部16は、アクセスを許可すべきユーザ(テナント固有情報に係るテナント)以外には、非保護データ(テナント共通情報)のみを表示する。この場合も、保護データの利用者数や利用期限などが制御される。すなわち、保護データ(テナント固有情報)に関し、アクセスを許可すべきユーザ以外からのアクセスが制限される。その結果、機密情報(ノウハウや営業秘密等)の流出を抑制又は防止することができる。
【0056】
ステップS24におけるマージ処理(組み合わせ処理)を割愛して、コンテンツ表示部16により、編集保護データ及び非保護データのいずれか一方のみが表示されるようにしてもよい。こうした場合も、機密情報の開示を制限することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、設計上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、「請求項」に記載されている発明や「発明を実施するための形態」に記載されている具体例に対応する発明の範囲に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の情報管理方法、情報管理システム、及びプログラムは、ソフトウェア製品に関する情報の管理に適している。
【符号の説明】
【0059】
10 ROM
10a 情報管理プログラム
11 暗号化解除部
12 データ分類部(データ分類手段)
13 ライセンスチェック部(ライセンスチェック手段)
13a API
14 ライセンス照合部(ライセンス照合手段)
15 コンテンツ生成部
16 コンテンツ表示部
20 コンピュータ
30 ドキュメント管理部
31 保護領域
32 非保護領域
40 ライセンス情報管理部
41 ライセンスファイル
42 ライセンスサーバ
50 モニタ(表示装置)
60 ROM
60a プログラム
100 情報管理システム
101 共通ドキュメント
102 固有ドキュメント
103 保護ポリシー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護データ及び非保護データを含む対象データを作成することと、
所定の記憶装置における前記保護データの格納場所及び前記非保護データの格納場所を規定する保護ポリシーを作成することと、
前記保護ポリシーに従って、前記対象データを前記記憶装置に格納することと、
前記対象データに対するアクセス要求があった場合には、前記対象データに関してアクセスを許可すべきユーザを規定するライセンス情報に基づいて、前記保護データを編集する又はアクセス禁止にすることと、
を含む、
ことを特徴とする情報管理方法。
【請求項2】
前記編集された保護データと前記非保護データとを組み合わせることを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項3】
前記編集された保護データ及び非保護データの少なくとも一方を表示することを含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報管理方法。
【請求項4】
前記対象データの作成後に、前記対象データを暗号化することと、
前記対象データを前記記憶装置に格納する前に、前記対象データの暗号化を解除することと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報管理方法。
【請求項5】
前記保護データはユーザに固有の情報を含み、前記非保護データは全テナントに共通する情報を含み、
前記アクセスを許可すべきユーザは、前記ユーザに固有の情報については、そのユーザである、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報管理方法。
【請求項6】
前記対象データは、テキストデータのみからなるドキュメント、又は画像を含むコンテンツである、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報管理方法。
【請求項7】
保護データ及び非保護データを含む対象データと、所定の記憶装置における前記保護データの格納場所及び前記非保護データの格納場所を規定する保護ポリシーと、が入力され、前記保護ポリシーに従って、前記対象データを前記記憶装置に格納するデータ分類手段と、
前記対象データに対するアクセス要求があった場合に、前記対象データに関してアクセスを許可すべきユーザを規定するライセンス情報に基づいて、前記保護データを編集する又はアクセス禁止にするライセンス照合手段と、
を備える、
ことを特徴とする情報管理システム。
【請求項8】
前記対象データに対するアクセス要求があった場合に、前記ライセンス情報に基づいて、その要求者が前記アクセスを許可すべきユーザか否かをチェックするライセンスチェック手段を備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報管理システム。
【請求項9】
前記対象データは、ソフトウェア製品に関連するデータであり、
前記ライセンスチェック手段は、前記ソフトウェア製品と通信可能に接続するためのAPIを用いて、前記ライセンス照合手段とも通信可能に接続される、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報管理システム。
【請求項10】
前記編集された保護データと前記非保護データとを組み合わせる手段を備える、
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の情報管理システム。
【請求項11】
前記編集された保護データ及び前記非保護データの少なくとも一方を表示装置に表示する手段を備える、
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載の情報管理システム。
【請求項12】
前記対象データの暗号化を解除する手段を備える、
ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一項に記載の情報管理システム。
【請求項13】
コンピュータを、
保護データ及び非保護データを含む対象データと、所定の記憶装置における前記保護データの格納場所及び前記非保護データの格納場所を規定する保護ポリシーと、が入力され、前記保護ポリシーに従って、前記対象データを前記記憶装置に格納するデータ分類手段、
前記対象データに対するアクセス要求があった場合に、前記対象データに関してアクセスを許可すべきユーザを規定するライセンス情報に基づいて、前記保護データを編集する又はアクセス禁止にするライセンス照合手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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